カテゴリ: 02_映画

 いやあ~……最高だったすね! コイツは面白かった! 今年はあまり映画を観に行けていないけれど、まあ、ダントツの完成度とダントツの面白さで、今のところ暫定ナンバーワンですなあ!
 何のことかって? そんなのコイツに決まってるでしょうが!!

 というわけで、US本国よりも数日早い昨日から日本公開となった『SPIDER-MAN:FAR FROM HOME』 であります。いやー、本当に素晴らしかった! とにかく内容盛りだくさんで、これはMCU=マーベル・シネマティック・ユニバースにとって極めて重要な作品であったと言えると思う。
ポイントとなるのは……
 ◆そもそもの本筋である物語が最高に面白い
 ◆本筋に影響を及ぼしている、MCUの世界観設定が超秀逸に決まっている。
 ◆コミック原作への深いロイヤリティ(忠誠心)が観ていて感動的
 という点にあるような気がしますね。これは本当にお見事としか言いようがないすわ。まずはざっくりと、これまでのまとめと本作の物語をまとめてみよう。間違いなく言えることは、MCUのこれまでの歴史を知らないと、本作を味わうことはできないことでしょうな。まあ、そんなのは当たり前の大前提ですよ。
 で、MCUにおける『SPIDER-MAN』単独の物語は、本作で2作目であるものの、実のところ主人公スパイディ=ピーター・パーカー君がMCUに登場するのは、これでもう5本目だ。
 <初登場>:MCU最高傑作とわたしが認定している『CAP:CIVIL WAR』に緊急参戦。CAPと分かり合えない深い溝ができてしまったトニーが、なにやらNYCで悪者退治にいそしんでいる「蜘蛛男」のうわさを頼りに、ごくあっさり正体を見破り、ある日突然、ピーター君の前に現れスカウト。この時トニーは、あくまで助っ人として助力を要請するが、世界的な大富豪&天才と知られているトニーのスカウトに大興奮したピーター君はそれなりに活躍するも、それほどは深く描かれず、顔見世に終わる。
 <単独主演>:初の単独作『HOME COMING』にて、『CIVIL WAR』のその後が描かれる。トニー謹製のSPIDERスーツをもらって大はしゃぎのピーター君は、CIVIL WARののち、僕もアベンジャーズの一員になって大活躍したい、とずっとトニーからの連絡を待つ日々だったが、トニーからは連絡なし。つれない対応にしょんぼりしているが、NYCに現れた悪党ヴァルチャー(及びその手下)との戦闘で、若干ミスってしまってトニーに怒られ、スーツも取り上げられてしまってさらにしょんぼりは深まる。が、最終的にはヴァルチャー退治に成功し、トニーもピーター君の活躍を認め、ラストは記者会見で、新たなるヒーローの誕生だ、と派手に紹介しようとしたところでピーター君はそれを断り、「NYCの親愛なる隣人」でいることを選択する。この作品の一番素晴らしいところはこのピーター君の選択で、原作コミックのCIVIL WARでは記者会見でマスクを脱いで、自分がSPIDER-MANであることを明かすのだが、見事にその流れを断る点にあろうと思う。女の子にモテたい、自分がSPIDER-MANであることを明かせばモテる、という前振りが何度もあるのに、それをきっちり断って、モテることより自分のできることを頑張る、というピーター少年の決断は実にカッコ良かったすな。そしてこの作品では、若干暗くてブラックなことばかりつぶやいている謎のプチストーカー少女こそ、SPIDY世界のヒロイン「MJ」だった! というラストも実にお見事でした。
<3作目&4作目>:『INFINITY WAR』勃発。NYCのマンハッタンにやってきた宇宙船を、スパイダー・センス(=何気に重要な能力で、今回のFAR FROM HOMEではカギとなる危機察知能力)でいち早く感知したピーター君は、スクールバスから現場に急行、戦闘中のトニーを助け、拉致されたDr.Strangeを追って宇宙船にしがみつくが、成層圏を突破する辺りで意識朦朧となり、上空から落下するもトニー謹製の「アイアン・スパイダー」スーツを装着、トニーには家に帰れと言われてたのに宇宙船に潜入、結果、THANOSの手下一人をぶっ飛ばすことに貢献し、トニーにはアベンジャーズの一員として認められる。そしてTHANOSとの戦いに挑むも、THANOSの「選択」で消滅することに。しかしご存知『END GAME』で普通に復活しました。ただしその代償は―――トニーの命だったわけです。
 <5作目となる本作『FAR FROM HOME』>:INFINITY WAR~END GAME事件から8カ月後の世界。物語としては、もう予告で描かれている通り、高校生としての夏休み、サイエンスクラブの合宿旅行(?)で訪れたヨーロッパを舞台に、ピーター君としては大好きなMJに告白したい、けれど謎の怪物が世界各国に現れていて、トニー・スターク=IRONMANというスーパーヒーローを失った世界はSPIDER-MANの力を必要としていた……。
 というお話なわけだが、スーパーヒーローとしての活動は、ピーターが「NYCの親愛なる隣人」であろうとする気持ちと、さらに高校生として恋と青春をエンジョイしたいという気持ちともバッティングしてしまうわけで、ピーター君は大いに悩むわけです。おまけに、ピーターが尊敬してやまないトニーからの遺品(=トニー愛用のサングラスで、ARシステムが実装され、地球防衛装置(と言えばいいのかな?)にダイレクトにリンクした強力な一品)も、ホントに僕が持ってていいんだろうか、なんて悩みもあって、もう大変なわけです。
 しかし、後半、自分の行動が間違っていたことに気づいてからは、前を向いて自らの失敗を取り返すべく、超がんばるわけですが、それがまたなかなかけ健気なんすよ! ピーターはトニーを失っても、きっちり自分で成長を果たしたわけで、そんな、「少年の成長物語」が面白くないわけない! のです。本当に良く練られた脚本で、実にお見事でありましたなあ! マジ最高でした。
 というわけで、以下、キャラごとに演じた役者と共に思ったことをメモしておこう。
 ◆ピーター・パーカー=SPIDER-MAN:演じたのはもちろんTom Holland君23歳。演技的にも完璧に近く、悩める姿、しょんぼりな顔やはじける笑顔など、高校生そのものな感じでとにかく最高だったすね。そもそも、SPIDER-MANは、マーベルコミックの中では(一部のX-MENキャラを除いで)最年少の少年ヒーローで、これまでの映画シリーズのような、恋愛中心のキャラではなく、原作に最も忠実な描かれ方なのではないかと思う。しかし、本作のエンドクレジット後のおまけ映像では、ついに自分がSPIDER-MANであることを明かされてしまって、今後どうなるのか、超楽しみっすね! そして、とうとうMCU版にもデイリー・ピューグル編集長(どうやら時代を反映して新聞社ではなくネットニュース配信社?)も参戦、おまけに演じた役者がSam Raimi監督版3部作で同じ役を演じたJ.K.Simmons氏だったことに、もうわたしは大興奮したっすわ! あれはもう、ファンは全員、な、なんだってーーー!? なおまけ映像でしたな。最高でした。
 ◆ハッピー・ホーガン:悩めるピーター君の前に現れる大人その1。演じたのはもちろんJohn Favreau監督52歳。お馴染みトニーの運転手兼ボディガード(?)のハッピーは、今回は美人過ぎるおばさんでお馴染みのメイおばさんのケツを追っかけつつ、後半、ピーターが決断してからはいろいろとサポートしてくれた強い味方。だけど、ちょっとあんた、弱すぎだし、メイおばさんを見る目が完全にエロオヤジなんですけど大丈夫ですか!? トニーが生きてたら、なんと言われるか……まあ、今後もピーター君をサポートしてあげてくださいね。
 ◆ニック・フューリー:悩めるピーター君の前に現れる大人その2。Samuel L. Jackson叔父貴しか演じられるわけがありません。基本的にこの人は偉そう&口だけ人間に近く、ピーター君の力にはほとんどなってない。さらに、この人はTHANOSの選抜で消滅した側なので、5年のブランクがあるのでイマイチ本調子じゃないみたい……と思わせといて、なんなんすかあのおまけ映像は!? 要するに、今回出てきたニック・フューリーは全部スクラル人のタロスが変身してたってことなんすか!? マジかよ!! この設定って必要だったかなあ!? まあ、どうやら本物のニック・フューリーは銀河のどこかでお仕事中みたいすね。ま、今後のMCUがどうなるかさっぱり謎ですが、その「今後」のための伏線なんでしょうな。うおお、すげえ楽しみであります!
 ◆クエンティン・ベック=ミステリオ:悩めるピーター君の前に現れる大人その3。演じたのはわたしが結構好きな役者の一人であるJake Gyllenhaal氏38歳。やっぱカッコイイすねえ、この人。そして、SPIDER-MANにちょっと詳しければ、ミステリオのことも知ってるはずで、わたしはもうずっと、予告でやけにイイ人っぽく描かれる「ミステリオがイイ奴のわけがないんだけど……どんな話になるんだ?」とドキドキしていたわけで、本性が現れた時は「やっぱり……!」ではあった。しかし、脚本的に、コイツが悪党だってことは一切匂わせず、実にお見事な大どんでん返しであったとわたしは大絶賛したい! 素晴らしかったね。ここでこう来るんだ!? と誰もがびっくりな展開は完璧に決まったすね。こういう点も、原作へのロイヤリティの高さがにじみ出てますよ。しかも、原作ファンには、アース616とかアース833とか、「それっぽい」ミスリードを誘うようなセリフも、実に原作へのリスペクトが感じられる素晴らしい脚本でした。そしてJake氏の演技も良かったすねえ! わたしとしては大絶賛いたしたく存じます。
 ◆ネッド:MCU版ではおなじみの、ピーターの親友のデブオタ君。いやあ、今回の「ネッド、大人への階段を上るの巻」も実に素晴らしかったすねえ! ネッドに春が来るとはなあ! しかも、ネッドの素晴らしいところは、彼女ができても、彼女に付きっきりになることなく、キッチリとピーターの相棒=椅子の男として活躍してくれるんだから、ホントにコイツはイイ奴ですよ! 演じたのはもちろんこれまでネッドを演じ続けてくれているJacob Batalon君23歳。なるほど、Tom Holland君と同い年なんすね。君たちコンビはこれからもずっと頑張ってほしいすね!
 ◆MJことミシェル:前作『HOME COMING』では、むしろ彼女がピーター君大好きで、若干ストーカーめいた挙動不審な女の子だったし、おまけにピーター君も別の女の子に夢中だったのだが、今回はもう、ピーター君の方からMJ大好きに。まあ、おっさんからすれば、二人がもうお互い大好きなのは見え見えなので、YOU、さっさと告っちゃえよ! なわけですが……なかなか甘酸っぱくて良かったすね。つうか、演じたZendayaちゃんはミュージシャンとして大人気なわけだけど、この子はなんとなく日本人的顔立ちだし、観ていると話が進むにつれてどんどんかわいく見えてきますな。エンディングではSPIDER-MANに抱かれてマンハッタンの空をスィングしまくる映像も流れて、なんか微笑ましかったすな。青春しやがって! ところで、ピーター君もネッドもMJも、揃って5年間消えていた側なわけですが、本作では、トニーの逆パッチンによって、消えた人がどう復活したかもちょろっと描かれてました。わたしはその映像を見て椅子から転げ落ちそうなぐらいびっくりしたんだけど……どうやら、「消えた場所で(?)、突然、パッと復活した」らしい。うっそだろ!? そんな復活だったのかよ!? とわたしとしては超驚いたす。だって、飛行機に乗ってた人とかもいたはずで、そういう「消滅した時の場所がアレだった人」たちってどうなったんでしょうなあ?? 謎っす。
 いっけねえ! もうクソ長いからこの辺にしとこう。

 というわけで、もうぶった切りで結論!
 超楽しみにしていたMCU最新作にしてPHASE-4の最終作となった『SPIDER-MAN:FAR FROM HOME』を観てきたのだが、一言で言えば最高でした。控えめに言っても、最高だと思います。真面目な少年が、悩みや悲しみを乗り越えて成長するという物語は、もう鉄板でしょうな。実に面白かったすね。悔しいぐらいに。MCUとしても極めて重要な作品であったと思う。しかしなあ、ホントにパラレル・ワールドの「マルチ・ヴァース」の設定を使わなかったのは大正解だと思いますね。アレはもう、収拾がつかなくなるし、これまで、を無視しちゃう禁じ手だと思うな。まあ、それを使って台無しになったのがFOX版『X-MEN』なわけで、MCUがその道にまっしぐらにならず、ホント良かったと思います。つうかですね、ニック・フューリーは一体何をしてるのでしょうか? そして正体がバレたピーター君の今後の運命やいかに!? というわけで、今後もますます楽しみなMCUは、本当に最高だと思います。完璧だったっすね、マジで。以上。

↓ まずはコイツを読もう! 話はそれからだ!
スパイダーマン (1) (MF文庫)
池上 遼一
メディアファクトリー
2002-05

 いよいよ20th Century FOXがDISNEYに買収されることが本決まりとなり、かくして今後はFOXが映画化する権利を保有していたMARVEL COMIC作品も、DISNEYが展開するMCU、マーベル・シネマティック・ユニバースに参加する障壁がなくなったわけで、わたしとしては大歓喜となったわけだが、残念ながらFOX買収以前から企画開発が進行していたFOX版『X-MEN』は数作品残っていて、どうやら1本は企画がポシャった?ようだが(※『THE NEW MUTANTS』のことだけど、ホントに来年公開されるんだろうか??)、残念ながらもう1本は企画が生き残り、FOX JAPANの宣伝惹句によると「(FOXによる)最後のX-MEN」と銘打たれた映画が公開されることとなった。 
 そのタイトルは、『X-MEN DARK PHOENIX』。ま、そのタイトルを聞けば、X-MENファンならもう、すぐにピンとくる物語であるし、実のところこの物語は2006年に公開されたX-MEN:The Last Stand』(邦題=ファイナル・デシジョン)でも扱われた原作モチーフで、X-MENの中でも相当強いキャラの一人であるJean Greyが、ダークサイドに堕ちる話である。物語としてはもう、それ以上の説明は不要だろう。
 だが問題は、わたしがこのBlogで何度も批判しているように、もうFOX版X-MENは完全に破たんしているというか、おかしなことになってしまっていて、超問題作X-MEN:Days of Future Past』(邦題=X-MEN:フューチャー&パスト)で過去が書き換えられてしまい、おまけに前作X-MEN:APOCALYPSE』で決定的に、もう惰性で作っているとしか思えないような、浅~~い映画となり果ててしまったのである。なので、わたしは何度も、FOXはもうX-MEN映画を作ることを放棄して、DISNEYに権利を返してくれないかなあ、と書いてきたのだが……一方ではなんと、完全にパラレルワールド的にこれまでの歴史を無視したLOGANという映画で、超見事にWolvarineの最期を描き、完璧なる「X-MEN最終作」というべきウルトラ大傑作を世に送り出したのである。
 いやあ、アレはホントびっくりしたなあ……本当に『LOGAN』は素晴らしい映画だった(※『DEADPOOL』はわたしとしてはどうでもいいというか、まあ、面白かったけどちょっと別腹ってことで今回は触れません)。『LOGAN』がわたしにとって「FOX最後のX-MEN」であることはもう揺るがないし、そもそも「X-MEN」の物語は今後確実にDISNEYによって描かれることになるので、全くもって今回の『DARK PHOENIX』が「最後」では決してない。ちゃんと「FOX最後の」って言ってほしいもんだ。FOXのそういう点がいちいちわたしをイラつかせる理由でもある。
 そんなことはさておき。
 というわけで、FOX版「最後のX-MEN」と銘打たれた本作を、わたしは正直全く期待していなかった。なにしろわたしにとってはもう、『LOGAN』こそがFOX版「最後のX-MEN」なので、はっきり言って、今さらだし、内容的にも、今さら、であるのだから。そして実際に観てきた今思うことは、ホント今さらだったな、で終了である。じゃあなんで観に行ったかって? そりゃあアレですよ、惰性ってやつです。

 なんつうか……FOX作品の予告はいつもどうしようもないけれど、今回は非常にイイ感じだと思った……のだが、残念ながら本編は、いつものFOXクオリティで、はっきり言って相当問題アリだと思った。ただし、一方的にダメと切り捨てるのももったいないぐらい、超素晴らしく、良かった点もあるので、その点にもちゃんと触れようと思う。
 【ダメポイント:決定的にキャラ付けがマズイ】
 まずもって、この映画を観た人の中で、ある意味主人公のJeanや、Professor Xに共感できる人がいただろうか? そう、全く、1mmも共感できないキャラとして描かれちゃっているのは、もう根本的にマズい点だったと思う。
 まず、Jeanに関しては、幼少期からその能力の暴走が起きていて、ついうっかり、母をぶっ殺してしまい、それがトラウマとなっているのは、まあ分からんでもない。だけど、その忌まわしき記憶を封じたProfessor Xの処置を、責められるだろうか?? 「わたしをだましていたのね!!」と激怒して、怒り狂い、あまつさえMystiqueことレイブンをぶっ殺してしまうとは!! おまけに恩のあるレイブンをぶっ殺しても反省なしでバックレてどっか行っちゃうって、もう絶対ナシだよ、脚本的に。仮にこの点を100万歩譲ってアリだとしても、その後、彼女が嘆くのは、私はなんてことを……やっちまった……という後悔ではない。ただひたすら、自らの不幸についてのみ、ああなんて私はかわいそうなのかしら、という自己憐憫のみだ。なんなんだこのガキは!? とわたしはもう席を立ちたくなったぐらいである。
 というわけで、本作は強大な力を持つ子供を、大人たちがオロオロしながらなだめるお話であると言わざるを得ない。この映画には、「ガタガタ言ってんじゃねえぞこのクソガキが!」と、ぶん殴ってくれる大人がいないのだ。実はその「叱ってくれる大人」こそが、旧シリーズでのWolvarineの役割で、Wolvarineがジョーカー的に機能して事態を解決してくれていたからこそ、物語として成立していたのだが……残念ながらこの映画には登場しない。この映画では、新キャラの謎の勢力が、Jeanに取り込まれた謎のウルトラパワーを奪取しようとして、Jeanに耳障りのイイことを吹き込んで取り込もうとするのだが、残念ながらこの謎キャラ勢力が完全に滑ってしまったのも脚本的にいただけないポイントだろう。
 以下、キャラと演じた役者をメモしながら、各キャラの行動をチェックしておこう。
 ◆Professor Xことチャールズ・エグゼビア:わたしの眼には、チャールズの行動はなんら問題はなかったように思える。異端であるミュータントと人間の共存のためには、チャールズのような行動が必要だったと思うし。でもまあ、ちょっと調子に乗っちゃったということなのかな……。今回、さまざまなキャラから、「お前が悪い!!」と責めまくられるチャールズだが、じゃあどうしたら良かったんだよ!? とチャールズが思うのも無理ないと思う。演じたのはヤングProfessorでお馴染みのJames McAvoy氏40歳。
ホントお気の毒な役どころでした。
 ◆Mystiqueことレイブン:チャールズが若干調子に乗って、テレビに出てちやほやされたり、そのために仲間を危険にさらしたことを激怒している。しかし、チャールズの描く、人類との共生、ある意味でのミュータントの生存戦略もまた意味があることなので、いったんは怒りを鎮めるが……チャールズがかつてJeanの記憶を封印したことに激怒。そして、Jeanちゃん、かわいそうだったね、よしよし、大丈夫よ……と宥めようとして、あっさりJeanに殺されるというヒドイ目に遭うことに。確かに、脚本的にレイブン殉職はナシではないだろうけど……はっきり言って犬死だったのではと思えてならないすね。演じたのは当然、オスカ―女優Jennifer Lawrenceちゃん28歳。まさかこんな形で退場とは……彼女もまた大変お気の毒でした……。つうか、そもそも、この物語は『Days of Future Past』のエンディングを無視してるよね。そういう点が本当にガッカリというか、腹立たしいす。
 ◆Magnitoことエリック・レーンシャー:歴史が塗り替わったのちのこの世界では、US政府に居留地?的な安住の地を与えられていたようで、そこに、はぐれミュータントたちとともに住んでいたのだが、愛するレイブンの殉職を聞いて大激怒。あのガキはぶっ殺す!と立ち上がる! 本来ならエリックがWolvarine的な「叱ってくれる大人」の役割を演じてほしかったのだが……残念ながら本作ではJeanが強すぎて、ほとんどやられキャラとなり下がり、あまり活躍できずだったのが超残念。演じたのはMichael Fassbemder氏42歳。実にカッコ良く渋かったすねえ! ちなみに、Magnitoの息子であるQuicksilver君は、今回前半でJeanにやられて負傷、ほぼ出番ナシ、であった。
 ◆Beastことハンク・マッコイ:いつもチャールズの行き過ぎた?行動を押さえつつ、いろいろ無茶ぶりをかまされて、大忙しとなるハンクだが、今回はレイブンが大好き(だけどレイブンからはつれなくされる)キャラとして、レイブン殉職に大激怒。チャールズに反旗を翻し、恋のライバルであるエリックとともにJean討伐隊に加わることに。演じたのはNicholas Hoult君29歳。彼もホントお気の毒でした。
 ◆Cyclopsことスコット・サマーズ:兄貴のHavocことアレックスは前作『Apocalypse』で殉職してしまったので、今回は淋しく単独出演。Jeanと愛し合っていて、今回暴走するJeanを必死で止めようとするのだが……残念ながら全く聞く耳を持ってもらえず。それでもJeanを守るために、仲間であるはずのハンクたち討伐隊と戦うことに……演じたのはTye Sheridan君22歳。彼の行動は実に分かりやすく、理解できます。でも、やっぱり
ホントお気の毒でした。
 ◆Jean Grey:残念ながら本作では、どう見ても単なる問題児であり、困ったガキなのだが……恩師の言うことも聞かず、恋人の言うことも聞かず、ただただ暴走に身を任せる困ったちゃんにしか見えなかった。わたしが本作で最も驚いたのは、本作の決着が、Jeanの超上から目線からの、「わかった、許してあげるわ……」で収束するという結末である。あれって、アリなんすか? ま、その結果、お星さまとなったJeanだけど、それで贖罪がなされたと言ってもちょっと認めたくないですな……。演じたのはSophie Turnerちゃん23歳。わたしの趣味ではないので以下省略。
 ◆謎の女ことヴーク:本作での説明によると、Jeanの身に宿ったのは惑星を滅ぼすほどの謎のエネルギー(生命体?)で、ヴークたちはそれを追って地球にやってきたらしいのだが……その設定に問題はないと思うし、破たんもないのだが……ラスボスとしての存在感が希薄で、前作のApocalypse同様に、よくわからんキャラになってしまったのが超残念です。なんか、本当はスクラル人(=CAPTAIN MARVELに出てきた変身が得意な宇宙人)の設定にしたかったらしいけど、NG喰らっちゃったらしいですな。演じたのはJessica Chastainさん42歳。いつの間にか年取ったなあ? もっと若いと思ってた。Jessicaさんはとってもお綺麗でした。
 とまあ、以上がメインキャラで、残念ながらそのキャラ付けが、わたしにはかなり問題アリだったと思う。そして、一方では素晴らしいと賞賛したいポイントも当然ありました。
 【素晴らしい!! と思ったポイント(1):役者たちの演技は完璧!】
 上記の通り、ざんざんキャラに対してダメ出しをしたけれど、演じた役者たちの演技ぶりは極めて上質で素晴らしかったと思う。とりわけX-MENのみんなは、全員が深く「苦悩」しているわけです。その悩める姿は(悩める理由はともかくとしても)実にそれぞれ素晴らしかったと絶賛したい。とりわけ、わたし的には今回やられキャラになってしまったMagnitoことエリックを演じたFassbender氏、それから目をバイザーで隠されているにもかかわらず、つらい苦悩を上手に表現していたTye Shelidan君の二人がとても良かったすね。もちろんほかのメンバーもとても素晴らしい演技でした。
 【素晴らしい!! と思ったポイント(2):音楽がイイ!】
 今回は冒頭からずっと、何やら不穏な空気が感じられる音楽がとても効いているようにわたしは感じたのだが……誰が担当したんだろうとずっと謎に思っていて、エンドクレジットでその謎が解けた時、わたしは本作で一番、おお、そうだったんだ、とスッキリしたっすね。そうです。今回の音楽を担当したのは、なんとHans Zimmer氏だったのです! X-MENシリーズ初参加じゃないかなあ? 耳に残る明確なメロディはないんだけど、とにかく物語にマッチする不穏な曲、というか音、はとても巧みだったと思うすね。わたしとしては、この映画のMVPにしてもいいと思います。
 あとは、演出に関しても、シリーズに脚本やプロデュースで参加してきたSimon Kinberg氏が、初監督とは思えないいい仕事をしていたとは思います。画的にとても良かったすね。しかし、なんでUS映画の葬式シーンはいつもどしゃ降りなんですか? まあキャラの心の中はどしゃ降りな心情なんだろうけど、不自然なんすよね……。

 というわけで、もう書きたいことがなくなったので結論。

 FOX JAPANによる「最後のX-MEN」というキャッチで公開された『X-MEN DARK PHOENIX』を観てきたのだが、まず第一に、間違いなく「X-MEN」というIPは今後もDISNEYによって映画になるはずなので、「最後の」では決してない、というのが一つ。そしてようやくFOXの手を離れ、MCUへの参加ハードルが消滅し、本作をもってFOX版X-MENが最後になるのはファンとしては大変うれしい限りだ。しかし、内容的には……正直問題アリだと思った。なにしろ……Jeanにまったく共感できないし、大人たちの対処も、マズかったでしょうな……。。。こういう時は、本当ならWolvarineの一喝が必要だったのだが、それができる大人がおらず、なんだかみんながみんな、気の毒に思えた。ただし、そのキャラたちの苦悩は実に見事な演技で支えられており、クオリティはとても高かったと思う。今回は音楽もとても良かったです。ま、とにかく今後のMCUには期待しかありませんな! 楽しみだなあ! そしてFOX版が終わったのは何よりめでたいす。以上。

↓ オレ的FOX版最高傑作は『LOGAN』ですが、こちらも実に素晴らしい出来栄えでした。この映画は最高です。

 Keanu Reeves兄貴と言えば、無類のバイク好きだったり、数々のぼっち伝説だったり、日本が大好きで味噌ラーメンと帝国ホテルをこよなく愛するなど、まあとにかく、何やってんすかw!? とツッコミを入れたくなるような私生活を送っていることでお馴染みだが、まあ、そんな点がとても魅力的でわたしは大好きな役者なわけです。そんなKeanu兄貴だが、ずいぶん前、たぶん去年だったと思うけど、とある映画のUS版予告編を観て、おおっと、これはまた香ばしいB級臭がぷんぷんするな……という作品に主演することを知った。どうやらUS本国では今年の1月に公開されたものの、全く興行的には大爆死、さらに評価もとんでもなく低い、相当ヤバい作品だったようで、こりゃあ日本では公開されねえだろうな……と思っていたら、ひょっこり昨日から公開となったので、これは観に行く必要がある!と鼻息荒く、本日8:50の回という早朝からチャリをぶっ飛ばして観に行ってきた。ちなみにいうと、公開スクリーン数も少なく(なので近所では公開されてなかった)、当然のごとくガラッガラであったのは言うまでもなかろう。
 その映画は『REPLICAS』。結論から言うと、結構なお点前なY級映画で、ズバリ言えばWOWOWで放映されるのを待てば十分だったと思う(※Y級映画=最低のZ級の一歩手前、の意)。そのトンデモSFと言っていいその内容は、予告を観ていただければ一目瞭然だろう。というわけで、その予告がこちらであります。

 あああ……日本版予告は今、初めて見たけど、この無駄にカッコイイ立木ボイスのナレーションはホントにセンスねえなあ……ま、とにかく、基本的にはこの予告でほぼ物語は語りつくされていると言ってもよかろう。まさしくこの予告通り、MAD科学者の主人公が事故で亡くした妻子をよみがえらせようとする作品だ。
 しかし、観終わった今思うのは、主人公は予告のようにクローン研究なんてやっておらず、SF的ポイントとしては「(死体の)脳に保存された記憶と人格を抽出し、外部装置に移す」研究の方であった。クローンに関しては、なんだかよく分からないけど、勤務先のバイオ企業にそういう装置があったから使っただけである。もちろん無断で。しかも自宅の地下室に持ってきてやっちゃうんだからすごい。そして「記憶と人格」のコピーは、そもそもは軍人向けで、作戦中に死亡した兵士の記憶を謎テクノロジーのアンドロイドめいた義体に移植するというもので、その技術をもとにロボットソルジャー的な兵器開発をしようとしていた、なんて悪党の真の目的もあるのだが、実のところそんなことはもう物語の主軸では全くない。とにかく物語は、Keanu兄貴演じる主人公が、家族をよみがえらせようとすることにまっしぐらなのだが……残念ながら脚本的には0点としか言いようのない、低レベルものであった。とにかく主人公は、まさしくツッコミ待ちのボケなのかと言わんばかりに、えっ!? うそでしょ!? という行動をとり続けるのだが、観てて相当つらかったすね……。。。
 そもそも、人間の生涯にわたるすべての記憶や人格が電子的に複写可能なのかという点もアレだし、おまけになんと、その記憶を都合のよいように改変も可能、さらにはそれが数分でできちゃうんだからもうブッ飛んでいるよね。そしてクローンの方も、17日間で死亡時の年齢まで成長させちゃえるし、おまけにどういう理論なのか全く不明だが、奥さんは40代、子供たちは10代とそれぞれ年齢が違うのに、同じ17日間でそれぞれの年齢になるんだから、もうさっぱり意味不明というか、そんな馬鹿な!?であろう。
 まあ、そういった点をとやかく言うのは、恐らくは無粋で、本作は我らがKeanu兄貴の、とにかくド真面目にイカレている様を味わうのが正しい鑑賞スタイルなのだろうと思う。ので、もうこれ以上の無粋なツッコミはやめておこう。本作の制作予算がどのぐらいあったのか分からないが、本作はキャストも少なく、どうやらロケも全編(?)プエルト・リコで行われており、恐らくは低予算だったものと思われる。謎サイボーグの動きも、どうも若干『TERMINATOR』第1作めいた、モーションアニメっぽい妙なぎこちなさもあって、今時CGを使ってないとは考えられないけど……とにかくチープさも漂っていて、実にY級映画として素晴らしいお点前であったと思う。
 というわけで、各キャラとキャストを紹介して終わりにしよう。
 ◆ウィリアム:主人公。様々なことを人任せにする無責任野郎であり、とても共感はできないトンデモパパ。クローンを3人分しか作れない、けど妻&子供3人なので4人作りたい、誰のクローンを見送るか? という選択をしなきゃいけない場面で、「俺には選べない……お前が選んでくれ」と友達にゆだねようとするシーンにはもう、マジびっくりしたわ。
 しかし……本作は、「あなたがこの状況になったらどうする?」的な問題提起を投げかけているのかもしれないけれど、仮に本作で描かれた技術が確立していたとしても、「死者をよみがえらせる」選択をするとは考えられないなあ……倫理的なことよりも、何よりわたし自身がよみがえりたいとは思わないもの。わたしは観がなら思ったのだが、こういう「死からの復活」って、ひょっとするとキリスト教的な思考なのではなかろうか。ある意味「ゾンビ」も「復活」の一形態で、欧米人がゾンビ大好きなのは、キリスト教的背景もあるんじゃなかろうか。愛する者の死を受け入れることができないのは、ホント、哀れだなあ……と思った。まあ、にんげんだもの……なんすかね……。
 演じたのはもちろん、おれたちのKeanu兄貴。まったくのマジ、ド真面目にイカレている姿がさすがのKeanuクオリティで素晴らしかったす。
 ◆エド:本作で最もひどい目に合う一番気の毒な男。ウィリアムの友達兼同僚。さまざまな無茶ぶりを、無理だよそんなこと……と言いながら引き受けるスーパーいい奴。いい奴すぎて気の毒すぎて泣ける! 演じたのはThomas Middleditch氏37歳。どうやらこれまでいろいろな映画に出演されているようだが、わたしは全然知らない方でした。
 ◆ジョーンズ:本作の悪い人。主人公の勤務するバイオ企業の偉い人(?)。その正体はよくわからんけれど、まあ、どう見ても企業人としては出資者の意に沿った言動は、普通にあり得るもので、実はそれほどの悪党だとは思えない。ま、その出資者の狙いは悪いことだったかもしれないけど。演じたのはJohn Ortiz氏50歳。この人も多くの作品に出演していて、わたしも観た映画が多いけど、サーセン、まったく記憶に残ってません。
 ◆モナ:主人公の奥さんで開始10分で事故死。まあ、美人……でしょうな。奥さんは復活させられて、幸せだったのでしょうか……本作では幸せだったみたいなので、ま、いいんじゃないでしょうか。演じたのはAlice Eveさん37歳。Keanu兄貴は今54歳みたいだから、17歳差ってことかな。いつも不思議なんだけど、どうして欧米人ってそのぐらい歳の差があっても不自然に見えないんでしょうな……日本人で言うと、唐沢寿明氏が55歳、広末涼子さんが38歳か……あれっ!? 不自然じゃないな? そうか! わかった! イケメン&美女ならおかしくないんだ! そうだったのか……! 超どうでもいいことだけど、妙に腑に落ちたっすわ。
 とまあ、あとは子供たちぐらいしかメインキャストはおらず、子役はもう割愛します。それほど魅力的なチビたちではなかったかな……。そして監督も脚本も、全然知らない方なので省略! します。

 というわけで、さっさと結論。
 わたしの大好きなKeanu兄貴主演作、『REPLICAS』を観てきたのだが、予告からぷんぷんと漂ってくるB級臭は、本編ではかなり香ばしく、いくらB級ハンターのわたしでも、極めてマズいレベルの危険な映画であったと言わざるを得ないだろう。これはWOWOで放送されるのを待ってれば十分だったと思う。わたしとしては、本作のことはきれいさっぱり記憶から洗い流し、Keanu兄貴の次なる新作、『John Wick』最新作の公開を心待ちにしたいと思う。US本国ではまさしく公開されたばかりで、順調に売れてるっぽいすね。日本では10月までお預けか……早く観たい!! 以上。

↓ こちらはもう本当に最高です。
ジョン・ウィック(字幕版)
キアヌ・リーブス
2016-02-10

 【注意:ネタバレが含まれていますので、まずは映画館で観てきてからにしてください。しかもネガティブ感想も含まれていますので、観て、すっげえ面白かったと思う方は読まないでください。その興奮を台無しにするのは本意ではありませんので】

 しかし……ホントに1年なんてあっという間ですなあ……。
 というわけで、前作『INFINITY WAR』から1年。いよいよ待望の「後編」たる『ENDGAME』が公開になった。普段のわたしなら、間違いなく初日の昨日、金曜に、日比谷IMAXあたりに観に行ったはずだが、残念ながら今は時間の自由がなかなかつかない身であるため、土曜の8時半からの地元シネコンでの上映を観てきた。
 そもそもわたしは、1年前の『INFINITY WAR』に関して、それほど面白かったとは思えないでいた。それはもう1年前このBlogに記した通りだが、まあ、なんつうか、あくまで「前編」であって、この先どーすんの?という困惑しか残らず、すげえ、こう来たか! と膝を叩くような、予測を上回るような感動がほぼなかったからである。ただし物語は実に真っ当で、こう来てこうなる、という流れは、その真っ当さゆえに、そりゃそうなるわな、としかわたしには思えなかったのだ。
 なので、後編たる『ENDGAME』では一体全体、物語はどのような結末をたどるのだろうか、という興味はあったものの、もう100%完璧に、THANOSは敗北し、アベンジャーズ大勝利になることは誰でも予想がつくわけで、問題はその結末に至る過程にあり、わたしとしては、見どころは以下にあると思っていた。
 1)果たしてトニーはどうやって地球に帰ってくるのか? そしてCAPとの和解は?
 2)ついに現れたCAPTAIN MARVELことキャロル・ダンヴァースの活躍や如何に?
 3)消え去った人々が復活するのは間違いないとして、それは感動的なものかどうか。
 これらは、今までのMCUの流れや予告編を見ていれば、誰だって気になるだろう。そもそも、夏公開の『SPIDER-MAN:Far from Home』の予告も既に公開されているわけで、ま、間違いなく消えた人たちは復活するんだろうと誰だって思うはずだ。
 ただ、MCUの予告編というものは、まるで本編に使われていない、インチキダミーシーンが含まれることがあるので、たとえ予告でNYCを飛ぶIRONMANが登場しても、トニーが地球に帰ってくるかどうかすら怪しいとは思っていた。そして、わたしが最も強く、どう描かれるかを期待したのは、
 4)果たしてTHANOSはいかにして敗北するか。
 5)そしてその代償としてどんな犠牲が払われるか
 にあったのである。なにしろ、前編『INFINITY WAR』では、THANOSがある意味主人公であり、THANOSはキッチリと自分の「信念」を持って――それが全くもって中2病めいた共感できないものとはいえ――行動したのだから、その「信念」が「間違っている」ことが示されないといけないとわたしは思っていたのだ。そう、THANOSは、その最期に「オレが間違っていた。オレの負けだ」と認めて敗北する必要がある、とわたしは考えていたのである。それがないと面白くないっつーか……。そしてその時、アベンジャーズ側も大きな犠牲を払うはず、というのは、日本人として漫画を読みまくっている人間なら、誰だって考えることだろう。ではまずは、最終予告を貼りつけておこう。

 というわけで、結論を言おう。
 『ENDGAME』を観終わった今、わたしはかなり期待を下回るものであったと感じている。もちろん、ポイントポイントでは、おお、キターーッ!と興奮した場面もある。けれど、全体的に観て、まずもって長すぎだし、失望した点の方が多かった印象である。監督やプロデューサーは、上映時間3時間を、凝縮された95分に感じることでしょう的なことを言っていたような気がするけれど、いやいや、すっげえ長く感じたのはわたしだけではないだろう。ちなみにいうと、MCUお約束のおまけシーンは今回はないので、終わったらもう、スタッフに興味のない方はさっさと席を立っても大丈夫だったと思う。
 というわけで、いろいろ思ったことをまとめてみよう。

 【ガッカリポイント(1):開始10分でトニー地球に帰還の巻】
 わたし的見どころの一つにも挙げた、トニーの地球帰還だが、もう、開始10分で片づけられてしまった。ただしその方法は、ちょっと興奮できるもので、まあ、予想通りと言えばそれまでだけど、キャロルが助けてくれた、が答えである。正直、ええっ!? なーんだ? そうっすか……とがっかりしたのは間違いないのだが、時間的に『INFINITY WAR』から21日、3週間経っていたようで、このシーンでの、げっそりやつれたトニーはそれなりに衝撃ではあった。あのトニーの消耗ぶりに免じて、この展開はアリ、としたいと思う。
 【ガッカリポイント(2):キャロルの活躍は、正直少ない】
 わたしとしては、キャロルが戦いのカギになることを期待していたわけだけど、確かに、ラストでは颯爽と現れてカッコイイものの……それ以外はほぼ出番ナシ。おまけに、わたしがとても好きな、キャロルの「マスク・オン」も全くナシ。さらに、なんと映画『CAPTAIN MARVEL』のおまけシーンで描かれた、ニック・フューリーのポケベルが機能停止して、振り向くとそこに……のシーンは全面カット、本編にナシ、であった。これらは、もう本当にガッカリしたよ。ただ、トニーを地球に連れてきて、怒り心頭のキャロルを筆頭にTHANOS討伐へ向かうのは良かったし、まさか開始30分でTHANOS死亡まで行っちゃうのは、予想外過ぎて、な、なんだってーっ!? と大興奮したっすね。でもなあ……それからいきなり「5年後」に飛ぶのはどうなんだろうな……。
 【大興奮ポイント(1):おれたちのANT-MANが物語のカギに!!】
 わたしはANT-MANが大好きなので、果たしてTHANOSの選別が行われたときに「量子世界」にいたANT-MANは、どうやって通常世界に戻ってくるのだろう? ということがとても気になっていた。答えは、5年間放置されてボロボロになったあのライトバンの機械の上をネズミがちょろちょろして、偶然機械を作動させて(?)「スポーーーン!」と量子世界から放り出されて戻る、であった。だっせえ!! とわたしは思わず笑っちゃったのだが、ANT-MANらしくてあれはあれでアリ、である。蟻だけにとか言わないすよ。そしてその「時間を超越した量子世界」=「タイムトラベル」が物語の最大のカギであったのは、はっきり言って予想通り過ぎてガッカリだが、ANT-MANが重要な役割を果たしてくれたことに免じて、許してもいいと思った。
 だが、従来のタイムトラベル物は、「過去に戻ってやり直す」というものが一般的だが、本作はそこが違う。本作で語られたところによると、一度起こったことはチャラに出来ないそうで、あくまで、THANOSによって消滅させられてしまったインフィニティストーンを過去に戻って再びそろえ、THANOSによる「選抜」後の5年間のことはそのままに、消えてしまった人だけ戻す、という方法を採るのだが、この点が物語上一番重要で、独特なポイントだろう。この設定は大変良かったと思うけど……なんか、描かれたのは結局『Back to the Future Part2』だったね。結局のことろ。
 【大興奮ポイント(2):さすがはトニー! 地球最高の天才!】
 わたしはトニーが一番好きで、まあ、おそらくトニーは殉職する=人類の未来のために犠牲になるのだろうことは覚悟していた。けど、なんつうかもう、今回のトニーは最初から最後までカッコ良かったすねえ!! 冒頭のガリガリに衰弱したトニー、そして予想通り子供が生まれてパパになったトニー、SPIDYとの再会に抱擁して喜ぶトニー、そして! 最後の最後に宇宙を救うために犠牲となったトニー!! なんかCAPとの和解は全く感動的じゃなく、うやむやっぽかったのは極めて残念だけど(アレは絶対もっと感動的にできたはず! だけど、あの盾のさりげない渡し方は、まさしくトニーっぽいさりげなさがあってアリと言えばアリ)、もうすべて許しますよ、トニーに関しては。本当にカッコ良かったすね。今回おまけ映像はないから、さっさと席を立っていいと書いたけれど、一番最後に劇場に響く、鉄板をトンカチで叩くあの音……。あれはきっと、ガレージエンジニアたるトニーへのレクイエムであり、また同時に、娘にその精神が確実に受け継がれたことを表す、泣かせる演出だったすね。。。トニー・スタークという男は最高の男でした。本当にお疲れ様でした……。
 【ガッカリポイント(3):THOR様、アンタ、なにやってんの!!】
 恐らくわたしが一番失望したのは、5年間だらしない生活をした結果、腹が付き出したただのデブになり下がったTHOR様の姿だろう。ありゃないよ。断じてナシ。意味なくないすか? なんのためにTHOR様をあんなザマにしたのか、いまだにわたしには理解不能だ。全く無意味だったね。おまけになんなのあのラストは。まさかのガーディアンズ入りも、全く不要だったと思います。つうか、まったくどうでもいいVALKYRIEが生きてたってのは不自然過ぎのような……お前どこで何やってたんだよ。お前の乗ってた船、大爆破されたのに……。アスガルド民は全滅してて良かったのにな。。。
 【大興奮ポイント(4):ムジョルニア時限復活! そしてCAPの手に!!】
 わたしはズバリCAPは大嫌いなのだが、ファイナルバトルはもう、血圧上がったすねえ!! あのバトルはまたしても乱戦で、わたしは観ていて、あーあ、またこれか……とか思ってたんだけど、CAPがムジョルニアを手にしたシーンにはもう大興奮ですよ。アレは非常にカッコ良かった。『Ultron』では持ち上げることができなかったCAP。やっとお前もムジョルニアに認められるほどになったな……わたしもトニーのように、お前のこと許してやるよ……とか思いましたね。一番ラストの、CAPの決断も、極めて美しかったですな。時を超えたペギーとの約束を果たすことができて、ホント良かったね。マジ許すわ。今までのことはすべて……CAPも本当にお疲れ様でした……!
 【大興奮ポイント(5):ペッパー、通称レスキュー・スーツで大バトル参戦!】
 まあ、既にレスキュー・スーツを着用している写真が公開されていたので、驚きはなかったけれど、ファイナルバトルにペッパーまでも参戦してきたのは興奮したっす。そしてペッパー、キャロル、ホープ(=WASP)、ワンダたち女性ヒーローたち大集合の図は大変絵になってましたな。でも、そこにナターシャがいないなんて……
 【ガッカリポイント(4):ナターシャ殉職! もうチョイやり方はなかったのか……?】
 今回は物語上、あくまでTHANOSの選択によって消えてしまった人々だけが復活する、というものなので、それ以前に死んでしまった人たちの復活はないのだが、ナターシャをガモーラと同じように、そう、全く同じように! 死なせる必要はあったんだろうか……。アレは脚本的に0点と言いたいところだ。ナターシャも本当にお疲れ様でした。いままで、ちょっとした潤滑油というか、間に立ってくれてたのにね……。ホント残念だよ……。
 【ガッカリポイント(5):前作で変身できなかった意味ゼロ。常態化に価値ナシ】
 前作では、HULKに変身できず、タダの足手まといキャラに転落したバナー博士。わたしとしては今回、どういういきさつで再びHULKになれるのか、その変身にとても期待したのだが……期待したわたしがアホだった。どうやら前作で変身できなかった意味はほぼゼロ。なんと5年間で、HULK化が常態になってしまい、おまけに言うことなすこと中途半端で、全くもって映す価値ナシのバナー博士だったと思う。お前の愛するナターシャとは大違いだよ。お前、男としてホントダメな野郎だな、としかわたしには思えませんでした。お前こそ、ナターシャと一緒にソウルストーンを取りに行くべきだったのにね……。
 【ガッカリポイント(6):HAWKEYE=RONINの下手くそすぎる日本語の件】
 わたしは弱いくせに生意気なHAWKEYEが嫌いなのだが、冒頭の、THANOSの選択が行われたときHAWKEYEは何をしていたのか、のシーンは、物語の不穏な空気が良く出ていて、シーンとしてはとても良かったすね。しかし、妻子を失くして必殺仕事人になるより、まずはアベンジャーズ基地と連絡取るだろ……常識的に考えて。そして話題の真田広之氏とのチャンバラは、シーンとしてはカッコ良かったけど、大体お前、いつ刀剣使いになったんだ……そしてお前、日本語しゃべる意味あったのか? 真田氏の英語は超キレイなんだから、お前のへったくそな日本語は不要だったんじゃないかなあ……日本人としては、何を言ってるかよくわからず、興ざめだったすね。でも、一方の真田氏の日本語演技は完璧で、アレはもう、最高に興奮したっすわ。
 【大興奮ポイント(5):まさしく「大同窓会!」あのキャラたちも続々登場!!】
 というわけで今回は、「過去に戻ってインフィニティ・ストーンを集める」というミッションが長々と描写されるわけだが、まあとにかく、あのキャラもこのキャラも、とこれまでのシリーズの主要キャラが総出演してくれたのは最高でした。わたしとしては、2012年のNYCにいた、エイシェントワン様のお姿を見られたこと(しかも彼女だけはガッツリ物語に絡んでいてチョイ顔出しレベルじゃない!)、『CAP:WS』での悪党、S.H.I.L.Dのピアース理事も勿論本物のRobert Redford氏自ら登場してくれたこと、そして、別れたTHOR様の恋人ジェーン(アレは……若干本物のNatalie Potman嬢だったかアヤシイ)も登場してくれて、最高に興奮したっすわ。まさしく「同窓会」でしたな。最高でした。
 【ガッカリポイント(7):復活者の全く感動的でない復活について】
 見どころの一つとしてわたしが注目していた、選択によって消滅したみんながいかに復活するか、については……まあ、SPIDYことピーター・パーカー少年の話によると、目覚めたら5年経ってた、ということだそうで、復活シーンは描写されず、であった。実際、そのシーンはいらなかったと思うのでいいんだけど、なんなの、空間さえも超越して復活しちゃうんだというのは、都合が良すぎてガッカリしたっすね。それともアレか、タイタンで復活したんだけど、すぐさまドクターが地球に運んでくれたってことなのかな。よくわからなかったけど、そういうことと思うことにしよう。ドクターはほとんど出番ないけれど、今回もカッコ良かったすね。ドクターが前作で視た「1400万分の1の可能性」はそういうことだったんですな……。ドクターの前作での決断が、今回エイシェントワン様がタイムストーンを貸してくれることに繋がっているわけで、まさしくすべてお見通しだったわけですよ。さすがっすね! ところで、ANT-MANことスコットの娘は、消滅を逃れていたようで、5年歳をとっててすっかりカワイイティーンエイジャーに成長していたけど、ピーターの親友ネッドは普通にそのままだったのは、アレって、同級生もみんな消滅していて復活したってことなの? 
 【最大のガッカリポイント(8):改心しない悪役に価値はない! THANOSモブ化現象】
 結局THANOSは改心もしないし敗北を認めることもなく、ある意味、オレの野望は達成された、オレを殺してももはや手遅れ。地獄で笑って待ってるぞ、はっはっは的に、THOR様による斬首の刑に服してしまったわけで、はっきり言えば、冒頭30分でTHANOSの役割が終了してしまったのは、やっぱり脚本的にいただけないように思う。そして後半に登場する5年前のTHANOSは、ちょっと性格が違い過ぎるというか、完全に小悪党というか……モブ化してしまったのはとてもがっかりだ。ついでに言うと5年前の、ガーディアンズ入りする前のガモーラも、ちょっとキャラ違いすぎなんだよな……まあ仕方ないけどさ……。やっぱり、5年前のTHANOSは、ガモーラの命を代償としてソウルストーンを得ることになることを知ったのだから、何らかの改心めいた行動があっても良かったと思うし、やっぱりですね、「自分が間違っていた」ことを自覚して退場してほしかったと強く思う。後悔はしなくていいんだよ。わが生涯に一片の悔いなし、でいいんだよ。だけど、「敗北を認める」必要は絶対にあるんすよ!! この点に関しては、やっぱり日本の漫画の方がわたしは好きっすね。

 はあはあ……とまあ書いておきたいことは以上かな……もっと細かいこともあるんすけどね……ジャーヴィスってのが、実はパパ・スタークの秘書?の人の名前だったとか。でもあそこは是非とも、Paul Vetaney氏に演じてほしかったすねえ! 別人だったのが超残念す。
 まあ、なんだかんだ言いながら、わたしとしてはトニーの決断に敬意を表して、がっかりしたことはいっぱいあって、期待を上回ることはなかったけれど、すべて受け入れようと思います。大同窓会であり、見事な大団円だったのは間違いないすね。本当に11年間、お疲れ様でした!!!

 というわけで、結論。
 とうとう公開された『AVENGERS:ENDGAME』だが、正直なところ、わたしの期待を上回ることはなく、実際ガッカリではある。THANOSには、敗北を認めてほしかった……。。。けれど、MCUの先頭を走り続けてきたトニー・スタークというキャラクターに限ると、すべてやり尽くしてくれたと思うし、見事に地球を、そして銀河全体を救ってくれたわけで、実に実にカッコ良く、見事であったと思う。そしてわたしは大嫌いだったCAPも見事な引退劇となり、もうすべて許してもいい、という気持ちになりました。ラストカットがCAPとペギーのダンスシーンなのは、オイィ! ラストはトニーの娘を映して未来を予感させるシーンを持って来いよ! とか思ったけれど、まあ、美しかったので許してやります。まあ、夏の『Far from Home』が楽しみですな! 今後もMCUを楽しみたいと思います。つうかですね、こんなBlogを読んでる暇があるなら、今すぐ劇場へGO!でお願いします!! 以上。

↓ やっぱり、わたしとしてはMCU最高傑作はこれっすね。痺れたっす。



 はーーー。。。
 3/27に母が倒れ、救急搬送→入院、となってもう2週間以上が過ぎ、幸い命に別状はなく、意識もしっかりしているものの、今後どんな老々介護が待っているのかと考えると、全くもって明るい未来は想像できず、ええ、ズバリ言うと落ち込んでいます。毎日会社を早めに出て見舞いに行っているのだが、着実に回復に向かっており、日々のリハビリも頑張っているようなので、母の前ではバカ話をしたりするわけだが、どれほど回復できるのかは全く分からないし、まずは冷蔵庫の中身を何とかせねば……とか、日々いろいろあって、このところ映画を観る気になれなかったのだが、今日は天気も良く、朝から洗濯をして、気分さっぱりしたところで、午前中は映画を観に行くことにした。
 今日わたしが観た映画は、『HUNTER KILLER』。そう、わたしは潜水艦モノの映画は大好物なのです。おまけに、このBlogでも何度も書いている通り、「ジャック・ライアン」シリーズのような、海外翻訳ミリタリーアクションも大好物なわけで、わたしの好みに結構ジャストミートな映画であった。
 ただ、「ライアン」シリーズもそうだけど、結構トンデモ話なので、真面目に見ると相当ツッコミどころはあるとは思う。だけどいいんだよ、そんなこたあ! 悪いヤツがぶっ飛ばされて、アメリカ万歳!でいいんです。というわけで、結論としては、わたしとしては大変楽しめたし、まあ、なんか映画でも見ようかな、と思う方がいたら、この作品はそれなりにおススメであります。面白かったすね、とても。

 というわけで、物語は、実は上記予告からは相当違った流れで進む。上記予告はかなり時系列がぐちゃぐちゃに編集されていて、あまり参考にならんです。なので、わたしは結構予想外の物語に結構興奮できたのでありました。
 物語は、冒頭で、USS-タンパ・ベイという原潜と、ロシアの原潜コーニクが沈没するという事件から幕が上がる。US政府は、まずアイスランドだったかな、そこに停泊していた原潜USS-アーカンソーを現地へ極秘裏に派遣。同時に、4人のNAVY-SEALs隊員をHALO降下で現地に派遣、情報収集に当たらせる。つまり物語は、主人公の原潜アーカンソーの船長と、SEALs隊員たちの2方向から進むのだ。これは全く上記予告には示されていないけれど、非常に効果的で、現実的だったと思う。
 で、まずアーカンソーは事故?現場に到着すると、2つのことが判明する。一つは、タンパ・ベイは魚雷を喰らっていること。そしてもう一つは、コーニクは「内部からの爆発」によって沈没し、おまけにソナーによると中に生存者がいるらしいことが判明する。アーカンソーの副長は、ロシア人を助けるなんて、とお約束の反発をするも、船長は当然救助することを選択、お約束通り救助されたのは、コーニクの船長他3名であった。
 そして一方のSEALs隊員たちは、ほぼ何も苦労もなく、事故現場近くの軍港へ潜入し、監視活動を開始。なんとそこでは、ロシア大統領が拘束され、国防大臣によるクーデターが発生していたことが判明する。US政府は、戦争上等、戦闘配備を強く進言する統合参謀本部議長と、ロシア大統領を救出しクーデター阻止=戦争回避を主張するUS-NAVYのRA(少将)&NSA女子職員に分かれるが、US大統領(女性だった)は戦闘配備しつつロシア大統領救出、つまり、SEALs隊員によるロシア大統領救出&アーカンソーによる回収、という難ミッションを指示するのであった――てなお話であった。サーセン、いつも通りテキトーにはしょってます。
 というわけで、海の中の緊張感という、潜水艦モノの醍醐味も味わえるし、陸上でのSEALs隊員たちの激闘というミリタリーアクションも味わえるわけで、わたしとしては、まあ、ちょっとトンデモ感が強いけれど、大変楽しめたわけであります。
 まあ、ロシア大統領が、まさか子飼いの国防大臣にクーデターを喰らうとは、現状のプーチン大帝の世では考えられないだろうし(たぶん)、かなりミッションはスムーズに進むのは、若干アレだなあ、とか、そういうツッコミどころはかなりあるのは間違いない。
 おまけに、このミッションを成功に導く一番のカギがアメリカ軍人とロシア軍人の「信頼」に置かれていて、映画的には美しいけれど、残念ながら本作で描かれたようなことは起こり得ないだろうとは思う。しかしおそらく、このようなトンデモ話を「それっぽく」思わせる要因として、キャストが何気に豪華という点も大きいだろう。そう、この映画はキャストがなかなか粒ぞろいなんだな。
 というわけで、以下にキャラクターと演じた役者を6人だけ、パンフに載ってたので軽くまとめてみよう。
 ◆グラス艦長:USS-アーカンソーの船長。士官学校は出ておらず、現場たたき上げ、という設定も、まあお約束でしょうな。かなり独断で物事を判断するので、若干トンデモ感は強い。けど、まあ、正義の味方というキャラは軸がぶれていないので、観ていてとても共感できるというか、安心すね。演じたのは、イギリス人だけど、もういろんな映画でアメリカを守りまくっているGerard Butler氏49歳。わたし的にこの人は、『300』のレオニダス様、あるいは『The Phantom of the Opera』のファントムの方が印象が強いけれど、近年の「Fallen」シリーズのシークレットサービス隊員の方がお馴染みかな。まあ、強くてカッコいいすね。
 ◆アンドロポフ艦長:ロシア原潜コーニクの船長。歴戦の戦士で、ロシア海軍内に教え子多数。なんとなく『THE HUNT FOR RED OCTOBER』のラミウス艦長を思い起こさせるけれど、このアンドロポフ艦長は純粋にロシアへの愛国心のあるお方で亡命しようなんてことは思いません。グラスを信頼して、いろいろ秘密を教えてくれたり、ロシア海軍への呼びかけも担当。アンドロポフ艦長が本作では一番重要だったような気がする。彼がいなかったらミッションは成功できなかったはずです。演じたのは、2017年に惜しくも亡くなってしまったMikael Nyqvist氏。渋い、いい役者でしたなあ……亡くなったのが残念でならないす。もちろんスウェーデン人で、スウェーデン版『ミレニアム』で主人公(?)ミカエルを演じたお方ですな。
 ◆ドネガン統合参謀本部議長:SDUS(アメリが合衆国国防長官)につぐ、US4軍の制服組TOPですな。本作では、やけに好戦的で、わたしはまたコイツはロシアと密約がある的な、バッドガイなのかな? とか思いながら観ていたのだが、どうやらそんなことは全くなく、単に気が短い愚か者だったようです。愚か者ってのは言い過ぎか。でも、もうちょっと、後々のことも考えて行動した方がいいと思うよ……。あんたの命令通り行動してたら、核を使う羽目になってたぜ、間違いなく。演じたのは、なぜこの役を引き受けたのか分からないけど、Gary Oldman氏でありました。渋くてカッコいいのに、今回は完全にアレな人でしたな。
 ◆フィクスRA(海軍少将):統合参謀本部議長がイケイケなのに対して、こちらのRAは慎重かつ現場寄りの戦争回避派。何気にキャラが立ってたと思う。演じたのは、Common氏47歳。この人は、元々ミュージシャンなんだけど、なんつうか、イケメンですね。結構映画のキャリアも増えてきて、わたしが一番最近で印象に残っているのは、『John Wick Chapter2』でキアヌ兄貴と死闘を演じたカシアンという役ですな。アレは大変カッコ良かったです。
 ◆ビーマン:SEALsの隊長。つうか、SEALsの隊員が2人殉職してしまったのは観てて悲しかったすね。殺すことなかったのに……映画的な味付けとして殉職させられちゃった感じがする。そしてもちろんこの隊長は生還します。とてもプロとしてカッコ良く、光ってましたな。演じたのは、Toby Stephens氏49歳。あっ!なんてこった! この人、『SPACE COWBOYS』でEastwoodおじいちゃんの若き頃を演じた人だったんだ!? マジかよ。
 ◆女性NSA職員:フィクスRAと共に、戦争回避のためロシア大統領救出を推す。イイ人。演じたのはLinda Cardelliniさんという方で、知らねえなあ? とか思ったのだが、パンフによると『AVENGERS:Age of Ultron』に出てたそうで、何の役だろう?と調べたら、なんとこの人、HAWKEYEの奥さん役で出てた方らしい。ほえーそうだったんだ。全然気が付かなかったわ。『END GAME』には出てくるんだろうか。チェックしとこうと思います。
 とまあ、こんなところかな。監督はDonovan Marsh氏という方で、どうやらそれほど目立った経歴はなさそうですな。本作も、ここがスゴイとかとりわけ目についたところはなかったけれど、CGの品質は高いし、手堅くきっちりまとまってたと思います。

 というわけで、書いておきたいことがなくなったので結論。
 このところ、全く気持ちの沈んでいるわたしだが、今日は天気も良くあったかくて、久しぶりに映画を観に行こうという気になった。そして、よし、これを見ようと決めたのが『HUNTER KILLER』という作品である。わたしは映画オタとして、潜水艦モノは大好物だし、ミリタリーアクションも大好きなので、好みにぴったりだったわけだが、まあ、いろいろなツッコミどころは結構あるにしても、十分面白かったと思う。まあ、プーチン大帝がクーデターを喰らうことはまずないだろうし、SEALsのミッションもあれほど楽に進むとは思えないけれど、まあ、いいんじゃないすかね。映画だし。少なくともわたしは2時間、大変楽しい時間過ごせました。楽しいってのは違うか、えーと、なんだ、2時間、つらい現実を忘れるような、物語にのめり込む快感、とでも言えばいいのかな。要するに、映画って、いいもんですね、的な2時間でありました。面白かったす。以上。

↓ 潜水艦モノとしては、最高傑作はやっぱこれっすかねえ……中学の時、今は無き新宿ミラノ座にて、今は亡き父と観に行ったす。

 いよいよ4月26日の公開まで1カ月チョイと迫ってきた『AVENGERS:END GAME』。
 もちろんわたしもとても楽しみにしているわけだが、まあ普通に考えて、『END GAME』の結末は誰だって想像している通り、実は愛の戦士だったTHANOSが敗北、アベンジャーズ大勝利で終わるんだろうと思っている。問題はいかなる犠牲が払われるか、にあるとわたしは考えているが、よもやわたしが最も好きなトニー・スターク=IRONMAN殉職もあり得るのかなあ、とか、まあ、妄想は尽きない状態である。今のところは。おととい公開された最終予告も、なんだかいろいろな「?」があって、きっとこの予告は本編にない、いろんなミスリードな細工をしてんだろうな……とかわたしは思っている。
 しかし、MCUにおいては、『END GAME』を観る前に、絶対に観ておかなくてはならない映画がある。それが昨日から公開になった『CAPTAIN MARVEL』だ。わたしも夕方早めに会社を出て、日比谷TOHOにてIMAX3D版をさっそく観てきた。
 結論から言うと、いろいろ突っ込みたくなる点はあるものの、大変良くできたお話で十分面白かったと思う。わたしは原作コミックの「キャプテン・マーベル」は全く読んでいないので、原作との違いとかそういった点は全く分からない。また、本作は、コミック原作や今までのMCU作品を知らなくとも、ある程度は本作単独で観ても十分面白い映画になっているとは思う。しかし、まあやっぱり、MCUは全て観ていないと、その面白さは堪能できないと思います。この映画はやっぱりコミックとは別物で、あくまでMCUを構成する一つのピースであるということは間違いなさそうだ。
 というわけで、以下、ネタバレ満載となる可能性が高いので、まだ観ていない人はここらで退場してください。こんなBlogをチェックしている暇があったら、今すぐ劇場へGO!でお願いします。

 というわけで、上記予告を観ても、一体どんなお話なのか、正直全く分からないだろう。わたしも全然分からず、まあきっと、明らかに地球人っぽい女性がいかにして「キャプテン・マーベル」となったか、てなお話だろうぐらいしか考えられなかった。
 わたしがこの予告を観て思ったポイントは、1)なんで舞台は1995年と中途半端な「過去」なのか? 2)なんで彼女は「過去」の記憶を喪失しているのか? の2つだ。そしてこの謎は、劇中では、なるほど、そういうことか、と見事に回答が与えられていて、わたしはそこに、「これは面白い」と感じるに至ったのである。というわけで、以下解説? というか思ったことをメモしてみよう。
 1)なんで舞台は1995年なのか?
 ズバリ言うと、これはもう、MCUを観てきた人でないと理解できないと思う。はっきり言って、本作は、単独作品であったなら1995年を舞台とする必要は皆無と言っていいはずだ。2019年の現代であろうと、例えば1960年代であろうと、別に何の問題もなかったはずだ。
 だが、MCUのワンピースであることを前提とすると、本作は1995年である必要があるのだ。そのカギを握っているのが、MCUのキーキャラクター、ニック・フューリーである。
 ニック・フューリーは、明らかに2008年のIRONMAN誕生以前から、地球圏外からの外敵の襲来を知っていた。そしてそういった外敵に備えて、せっせと武器を作り、「特殊な能力を持つ超人」を集めてチームを作る計画(=アベンジャーズ計画)を練っていた。さらに言えば、『INFINITY WAR』において「もしもの事態が起きた時に呼ぶ、最強の助っ人=キャプテン・マーベル」がいることが明確に示されていた。
 これらのことから、ニック・フューリーは、少なくとも2008年よりも前に、キャプテン・マーベルと知り合っていた必要がある。かといって前すぎると、ニック・フューリーも行動力のない子供になってしまう。近すぎては計画を練る時間も取れない。そこで、「ちょうどいいぐらいの過去」として、90年代に本作の舞台は設定されたのだろうと思う。全てはMCUというプロジェクトのためであると言って差し支えないだろう。ついでに、あの「ポケベル」に関しても、そもそも我々が知っているポケベルというものは、受信オンリーの一方通行デバイスだったわけだが、本作のアレは発信も可能な双方向だ。これは……一瞬日本でも発信可能なものがあったような気がするけど……いずれにせよ日本では1995年ぐらいからPHSが登場してポケベルは衰退していくので、まあ、やっぱり時代設定として1995年というのは、まさしく「ちょうどいいぐらいの過去」だったのではなかろうか。
 なお、1995年と言えば、はっきり言っておっさんのわたしには「ついこの前」に感じられるのだが、あの年、世界を変えたと言ってもいいぐらいの大きな発明があった。それは、「Windows95」の発売だ。この発明によって、インターネッツの世界が我々に開かれたと言っても言い過ぎではなかろう。わたしが初めてインターネッツを体験したのはWindows3.1の時代だが、まあとにかくプロバイダも少なく、モデムの設定も厄介で苦労したものだが、Windows95の登場で劇的にインターネッツは進歩し、わたしも自分のPCを初めて買ったのは1996年の初めであったことを覚えている。本作でも、まだ原始的なWebサイトや、ダイヤルアップが切れちゃうとか、当時を知っている我々おっさんには、超あるあるなエピソードが盛り込まれていて、大変愉快だったすね。もちろん、当時のファッションや街の様子や音楽など、そういう点では今現在40代後半以上の人間が、本作を一番楽しめるかもしれないす。
 2)なんで記憶を失っているのか?
 この点が本作で一番のポイントであろう。なので以下はホントにネタバレなんですが……。本作は冒頭、キャプテン・マーベルが「クリー人」であり、「ヴァース」と呼ばれていて、クリー帝国?の母星ハラで暮らしている様子が描写される。そして彼女はヨン・ロッグという「スター・フォース」司令官のもとで戦闘訓練を受けているのだが、なにやら6年前、クリーに来る前のことは忘れているらしい。そしてクリーにおいてはSupreme Intelligenceと呼ばれる超AIが全てを統治しているらしいことが描かれ、そのAIと対話する時には、AIは、対話者が最も尊敬する人物のヴィジョンとして現れるのだが、彼女の場合は、全く記憶にない女性の像となって、AIは彼女に指令やアドバイスを送っている。そしてその謎の女性はヴァースの夢にも現れていて、一体誰なんだ、そして私は……と記憶をめぐるサスペンスが本作のベースとなっている。そしてスター・フォースの一員として、クリーと現在戦争状態にあるスクラル人との戦闘に参加するヴァースだったが、どうやらスクラル人たちもヴァースの記憶を狙っていて……てな展開である。
 ここでポイントとなるのは、クリー人ってなんだ? ということと、スクラル人が欲する「ライトスピード・エンジン」なるものだ。
 まず、クリー人、と聞いてMCUを観てきたわたしが真っ先に思い出すのが『GUARDIANS OF THE GALAXY』だ。あの物語の中での悪役がまさしくクリー人で、なんと、そのものズバリ、『GUARDIANS』の悪役であったロナン・ジ・アキューサーは出てくるし、その部下であるコラスはなんどヴァースの同僚のスター・フォースの副官としてMCUに再登場である。なのでわたしは、あれっ!? クリー人って悪い奴らじゃないの? とか思いながら観ていたのだが、ヴァースはスクラル人との戦闘の後、大破した宇宙船から投げ出され―――地球に墜落、そこから舞台は1995年の地球となるわけだが、結論から言うとわたしの「あれっ!?」は、最終的に「ああ、やっぱりね」という結末に至るわけで、この点でも、MCUを観ていない人には全然通じなかっただろうと思う。
 そしてスクラル人たちが欲している「ライトスピード・エンジン」なる謎テクノロジーだが、思うに、「エンジン」というものは、その機械的な構造はもちろん重要としても、それよりもっと「何をエネルギー源とするか」のほうが重要だろうと思う。わたしも観ていて、ライトスピード……まあきっと光速航行を可能にするテクノロジーなんだろうけど(ついでに言えば、光速航行と来れば当然、相対性理論でいうウラシマ効果、すなわち「時間」が大きな問題となるわけで、わたしは、こりゃあ『END GAME』はやっぱりタイムトラベルが描かれるのか? とか、もう妄想が先走るわけです)、それを可能にするエネルギーって何なんだろうな、とぼんやり考えていた。そしてわたしが「そうきたか!」と恐れ入ったのがまさにそこにあって、なんと、その謎エネルギー源こそが「四次元キューブ」で、まさしくインフィニティ・ストーンの一つである「スペース・ストーン」だったのである。こう繋げたか! とわたしはとても興奮したっすね! つまり本作も、実は「インフィニティ・ストーン」をめぐる戦いだったのだ。
 ただ、わたしは即座に記憶をさかのぼってみたのだが、なんかどうもしっくりこなかったようにも感じたのは事実である。わたしが知っているMCUの歴史によると……
 ◆1940年代:第2次大戦のさなか、秘密結社(?)ハイドラによって、ヨーロッパに秘匿されていた「四次元キューブ」が奪取され(誰が隠していたのか不明)、その謎パワーで謎兵器が量産される。それに対抗すべく、US-ARMYによる「SUPER-SOLDIER」計画が進行、謎血清が開発され、その被験者第一号にスティーブ・ロジャースが選ばれ、かくしてスティーブは「CAPTAIN AMERICA」となってハイドラと戦い、「四次元キューブ」を奪還するも北極の氷に消える。その後、トニー・スタークの父、ハワードが「四次元キューブ」を北極海だかどっかの海底で発見する。そして後にハワードはS.H.I.L.D.設立に尽力する。
 (◆1960年代:冷戦期、S.H.I.L.D.はあくまでUS国益のための組織として活動していた。そしてこの頃、ハワードと同じくS.H.I.L.D.の科学者だったハンク・ピム博士は初代ANT-MANとして活躍)
 (◆1988年:ピーター・クィル少年が宇宙人に誘拐される)
 (◆1991年:ウィンターソルジャーによるハワード暗殺事件勃発)
 (◆2008年:トニー、IRONMANとしてヒーロー活動開始)
 (◆2008年:SUPER-SOLDIER計画を現代によみがえらせようとした実験中にブルース・バナー博士はガンマ線の大量照射を浴びてしまい、HULK誕生)
 (◆2011年:THOR、初めて地球にやってくる)
 (◆2011年:北極で氷漬けになっていたスティーブ=CAPが発見され、蘇生)
 ◆2012年:地球にLOKIが襲来、「四次元キューブ」を奪って大暴れ。ニック・フューリーによって招集された超人たちがAVENGERSを結成し、「四次元キューブ」奪還に成功。その後、「四次元キューブ」はTHOR様がアスガルドに持ち帰り、「オーディンの武器庫」に保管した。
 ◆2017年:アスガルド崩壊の「RAGNAROK事件」勃発。崩壊のさなか、ロキが再び「四次元キューブ」をちゃっかり横領。
 ◆2018年:サノスによる「INFINITY WAR」勃発。LOKIは謎の兄弟愛を発揮してTHOR様を助けるために、「四次元キューブ」をTHANOSに差し出す。以降、「四次元キューブ」はその中に秘めていた「スペース・ストーン」として(スペースは宇宙じゃなくて空間の意味で、物理的空間を制御しどこにでも行ける能力を持っていた)、THANOSの左手に装着されたガントレットに固定されている。
 とまあ、()内は「四次元キューブ」に関係ないことだけど、まあ、だいたいこんな歴史だったはずで、わたしは「四次元キューブ」は、第2次大戦後はずっとS.H.I.L.D.が保管していたのかと思っていた。なので、若干しっくりこなかったのだが、まあ、S.H.I.L.D.は実はハイドラの支配も受けていたわけだし、まさか1980年代から1995年にかけてこんなことが起きていたとは、というのは、興奮に値する物語だったわけですよ。まさしく「そう来たか!」である。この点も、MCUを観てきていないと分からない、けど極めて重要なポイントだったとわたしは感じた。
 というわけで、以下に各キャラと演じた役者をメモして終わりにしちゃいます。
 ◆キャロル・ダンヴァース=ヴァース=キャプテン・マーベル:元々幼少期から、女にゃ無理だ、なんてことを言われ続けてきて、その度に「何クソ!」といろんな無茶をしてきたけれど、鼻血を出してブッ倒れても、何度でも立ち上がる、その「不屈の闘志」がこの人の最大の武器なんでしょうな。その、何度も繰り返し描かれる「立ち上がる」姿がとてもカッコイイ。成人後はUS-AIR FORCE所属の軍人だったが、とある実験に参加したことで運命が変わってしまう。何故クリー人たちに「ヴァース」と呼ばれていたか、そしてなぜ、ニック・フューリーは計画を「アヴェンジャーズ計画」と名付けたか、その理由も脚本的に大変お見事だったすね。つうかですね、この人、もはや無敵なんですけど! この強さはMCU的にはもうTHOR様レベルです。人間じゃなくなっちゃったすね。
 演じたのは栄光のオスカー女優Brie Larsonさん29歳。意外と若いですな。しかし今回、コスチュームに身を包んだ姿は大変カッコ良かった。相当がっちりした体はとても鍛えられていて、美しかったすね。そして、あの宇宙空間用?のマスク・オン!の姿も実に最高でした。あのモヒカン的なマスク着用、からのマスク・オフで髪がはらり、となる姿もとても印象的っすね。『END GAME』での活躍も楽しみであります! もちろん今回のおまけ映像(1)では、ニック・フューリーの遺したあのポケベルの呼びかけに応じて、24年ぶりに地球に帰ってきたキャロルがCAPたちの前に現れるシーンを観ることができます。来たァ!とうれしくなったすね。最高でした。
 あとそうだ、ひとつ、おおっ!? と思ったことがあった。キャロルの少女時代がチラホラと描かれるわけですが、その子供キャロルを演じたのが、わたしが2年前大感動した『gifted』で天才児を見事に演じたMckenna Graceちゃんですよ! ちょっとだけ大人になりつつあって、しかも可愛く成長していてうれしいっす!
 ◆ニック・フューリー:ご存知S.H.I.L.D.の元長官。そして本作の時代ではまだ若手工作員。左目も健在。だけど、左目が潰れてしまう理由が、これはもう笑うべき、だよね? そんな理由だったとは、と笑えるものでした。演じたのは当然Samuel L. Jackson御大70歳なわけですが、本作では全編デジタル若返り処理がされていて、実際凄い技術だと思います。ただ、やっぱり、髪からおでこ、目元、鼻筋は、よーーく見つめると作り物感はあったと思う。つうか、おれも1995年当時と今とでは相当老けてんだろうな……と全くどうでもいいことを感じてしょんぼりっす。ついこの前なんだけどなあ……。。。
 ◆ヨン・ロッグ:クリー人にして「スター・フォース」の指揮官。ヴァースの先生的な存在だが、まあ、観ていればこの人が本当にイイ奴かは、うっすらわかると思います。ただ、残念ながらこのキャラはまるで弱かったす。演じたのはJude Law氏で、やっぱりイケメンですなあ、この人は。コスチューム姿も実にカッコイイすね。
 ◆ロナン・ジ・アキューサー&コラス:『GUARDIANS』での悪役コンビ。『GUARDIANS』では、クリー人テロリスト?みたいな感じだったけれど、本作の時代では、ロナンはクリー軍の攻撃隊長的な役割(?)で、あのお馴染みの宇宙船での爆撃が主任務。そしてコラスは「スター・フォース」の副官として、強いて言うなら正義の味方側、に所属。そもそもわたしは「クリー帝国」というんだから、皇帝がいるんだろうと勝手に思っていたけれど、まさか超AIが支配していたとは驚きです。つうか、AIなんぞが人間を支配しているのか、と思った時点で、クリー帝国にはうさん臭さしか感じなかったすね。それぞれ『GUARDIANS』で演じたLee Pace氏、Djimon Hounsou氏が再登板でありました。
 ◆ウェンディ・ローソン博士=マー・ヴェル:キャロルのUS-AIR FORCE時代の上官で科学者。その発明は、銀河から狙われることになるわけだが、問題は、本当に狙っていたのは誰か、そして、博士は何のためにその発明を成したのか、という理由がポイントとなる。まあこれも、観ていれば途中で気付けると思う。ほぼ冒頭から、キャロルの夢などでちらほら出てくるけれど、わたしは一目で、おおっと、これはAnnete Beningさんじゃないか、久しぶりだなあ! とか思いました。わたしが劇場のスクリーンでAnnetteさんを観るのは、たぶん『AMERICAN BEAUTY』以来じゃなかろうか。18年ぶり?っすね。
 ◆フィル・コールソン:ご存知S.H.I.L.D.諜報員。2012年の『AVENGERS』で殉職(したはずだけどTVでは生きてる設定)したコールソンも、この1995年当時は新人。ワンシーンだけ、後の登用に繋がる判断を見せる。当然、Clark Greggさんがデジタル若返り処理で演じてます。
 ◆タロス:今回の悪役か? と思わせて実は……なスクラル人。変身能力アリ。演じたのは、映画オタにはいろいろな作品で悪いヤツを演じていることでお馴染みのBen Mendelsohn氏49歳。意外と若いんだよな……この人。今回は、S.H.I.L.D.のフューリーの上司ケラーも演じています(正確に言うとケラーに変身したタロス)。
 ◆マリア・ランボー:キャロルの元相棒的女性パイロット。コールサインは「フォトン」。コミック原作的には彼女や彼女の娘には大きな役割があるらしいけど、本作ではとりわけ大きな役割ナシ。ただ、初見の宇宙船(に改造された輸送機)を操縦しちゃうなど、勇気と度胸は一流ですね。演じたのはLashana Lynchさんという全然知らないお方でした。
 ◆グース:基地で飼われていた猫ちゃん。茶トラのカワイイ猫。おそらくは、相当なシーンがフルCGまたはマペットだと思う。まあ、グース、そして戦闘機とくれば当然映画オタとして『TOP GUN』を思い出すわけですが、まさかあのカワイイ猫が……という、この映画一番の驚きと笑いをもたらしてくれたキャラでありましょう。実際コワイっす。つうか、四次元キューブを君は……というおまけ映像(2)は必見でありますね。しかし、猫と暮らしている人なら分かると思うけど、なんで猫って、いきなり、そして結構な頻度で「吐く」んすかね……。うちの猫様も突然吐くからビビるっすわ。しかし、グースちゃんは2019年現在はもう生きていないのでしょうか……『END GAME』にぜひ登場してもらいたいっす!
 とまあ、こんなところかな。

 というわけで、もう書いておきたいことがなくなったので結論。
 MCU最新作にして『END GAME』に直接関係のある重要作品、『CAPTAIN MARVEL』がやっと日本でも公開されたので、その初日にIMAX3D版を観てきたのだが、一言でいうなら、かなり面白かった。そして詳しく言うと、実にMCUな物語で、確かに本作単独で観ても十分面白いだろうけれど、やっぱり、MCU全作をきちんと押さえている方が、より一層面白いと思います。そして、やっぱりCAPTAIN MARVELのスーツもカッコイイですなあ! わたしとしては、マスク・オンの時のモヒカン姿も最高にカッコいいと思うし、マスク・オフの時、髪がはらりと落ちるのも実に良かった。演じたBrieさんもキッチリ体を鍛えていて、実によくお似合いだったすな。つうかですね、何より強いっすよ。宇宙空間でも単独行動できるし、ほぼ無敵な姿は、アフリカのどっかの王国で、世襲で王座を手に入れた弱っちいアイツとは大違いですな。しかしこれで、『END GAME』を見るための準備はすべて完了したわけで、あと1カ月チョイ、心から楽しみにいたしたいと思います! そして、グースよ、まだ生きていてくれ! 消息が超気になるっす! 以上。

↓ くそう、これ、ちょっとほしいかも……。

 わたしは年間40本ぐらいは映画館で映画を観ているわけだが、そんなわたしが一番好きな映画監督は、現役では間違いなくClint Eastwoodおじいちゃんである。1930年5月生まれだからあと2カ月で89歳だよ? そんなおじいちゃんが、今もなお旺盛に映画を撮っていて、ほぼ毎年、多い年は年2本とか作品を生み出してるんだから、もうマジで信じられないよね。あっ!? ちょっと待って!? うおお、今まで全然気にしてなかったことを発見しちまった!! 1930年って、昭和5年じゃん? てことは、20年以上前に亡くなったわたしの親父より1つ年上じゃん! つうかほぼ同じかよ。すげえ、つうか、親父が生きてたら今年88歳か。そんな歳になってたんだなあ……。そうなんだ……。
 というわけで、わたしは今日、会社帰りにEastwoodおじいちゃんの最新作、『THE MULE』を観てきたのです。Muleってのは、騾馬のことですな。Wikiによると、騾馬ってのは雄のロバと雌の馬の交雑種で、、メキシコに多く生息しているそうだが、まあ、荷物運搬によく使われていたわけで、そこから転じて、メキシコから密輸されたドラッグの「運び屋」って意味で使われているわけだ。本作は、90歳になろうかという老人が、メキシカン・カルテルの末端として「運び屋」となった事件(?)に着想を得て作られたフィクション、のようだ。
 結論から言うと、わたしとしてはもう超最高に面白かったと思う。なお、Eastwoodおじいちゃんが自分で監督して自分で主演を務めるのは2008年公開の『GRAN TRINO』以来だそうだ。マジかよ、もう10年前の映画かよ……はあ……オレも年取ったなあ……。
 というわけで、以下、決定的なネタバレに触れるかもしれないので、まだ観ていない人はここらで退場してください。つうか、今すぐ映画館へGO!でお願いします。コイツは超おススメであります!

 というわけで、もう物語は上記の通りである。なので、問題は2つであろう。
 1つは、なんでまた運び屋になっちゃったのか? そしてもう1つは、最終的にどうなるのか、である。まあ、誰だってそう思うよね。わたしもそう思った。
 そして映画は、まず現在時制である2017年の12年前、2005年のとある情景から始まる。ここで説明されるのは、主人公のおじいちゃんが、ユリの栽培家で、品評会的なものの常連であり、メキシコからの違法移民の労働者と、口は悪いけど楽し気に働く姿だ。そして品評会でも、同業者に口汚いジョークをかまし、女性たちにも軽口を飛ばしつつ、賞を貰ったスピーチでも小粋なことを言って場内から拍手されるような、要するに、「営業トーク」が自然と出る、トークで相手の懐に入り込むのが得意な、口の達者なおじいちゃんという姿が描かれる。しかも、おそらく「狙ってる」ワケではなく、「天然」で面白トークをしてしまうおじいなのである。この点は後々極めて重要になるのだが、わたしは観ていて全然気が付かず、観終わって、そうか、冒頭のシーンにはそういう意味があったんだ、とハタと気づいた。
 そしてこの2005年のシーンではもう一つ、重要なことが描かれる。それは、その品評会のパーティーが、なんと娘(※娘と言っても結構歳がいっていて、既に娘(つまり孫)までいる)の結婚式の日で、思いっきりダブルブッキングしているのだ。だけど、おじいちゃんは結婚式にはいかず、パーティーにとどまる。そう、主人公は完全に「家族を顧みない」男であることが示されるのである。
 そして時は2017年に移る。いきなり映されるのは、12年前主人公が丹精込めて育てていた農園が荒れ果て、家は差し押さえにあい、荷物をおんぼろトラックに積んで出ていくシーンだ。どうやらインターネッツの通販によって事業が傾いてしまったらしい。そして主人公は、そのおんぼろトラックで成長した孫の婚約パーティー(?)会場に乗りつける。孫は唯一、おじいちゃん擁護派で、大喜びするも、娘と妻(しつこいけど孫にとっては母とおばあちゃん)がいて、険悪な雰囲気に。こっぴどくののしられて、しょんぼりなおじいちゃんは、一人おんぼろトラックで帰ろうとしたとき、娘の婚約者の友達(?)から、金に困ってて車の運転が好きなら、いい仕事があるよ、と言われ……てな展開で「運び屋」まっしぐらとなるお話であった。
 というわけで、わたしが観る前に感じていたポイントの、「なんでまた運び屋に?」に関しては、冒頭10分ほどで、なーるほど、と理解できる展開になっている。そして、わたしが一番この映画で面白いと思ったことは、主人公のおじいちゃんが「トークで相手の懐に入っちゃう」その様相だ。
 まず最初に、おじいちゃんの面白トークで篭絡(?)されるのは、街の末端の連中だ。最初はおじいちゃんに、おいおいメールも打てねえのかよこのジジイ! ぶっ殺すぞ!的な悪党どもなのに、3回目ぐらいになると、おじいちゃんの車が入ってくれば、YO!元気かい!みたいにフレンドリーになってて、だからさ、ここをこうやんだよ、的にスマホの使い方を優しく教えてあげちゃったりするんだな。
 そして次はカルテルから直々に送り込まれてきた悪党だ。カルテルのボスが、ちゃんと見張っとけ、というので、おじいちゃんの車に盗聴器を仕掛けて、後ろをついてくるわけだけど、おじいちゃんが超のんきに、ラジオに合わせて歌なんか歌ってると、あのジジイ、のんきに歌ってんじゃねえよと最初はおっかない顔をしていたのに、つい、つられて歌っちゃったりするし、白人しかいないような店に寄って、おいジジイ、みんながジロジロ見るじゃねえか、なんでこんな店にしたんだよ!と凄んでみせると、おじいちゃんは、いやあ、この店のポークサンドは世界一美味いんだよ、どうだ、美味いだろ? なんて返され、まあ、美味いけどね……みたいな、悪党たちの調子が狂うというか、その篭絡ぶりが観ていてとても面白いのです。悪党だけじゃなくて、2回、ブツを運んでいる時に警官と遭遇しちゃうのだが、そのかわし方?が 上手すぎて最高だったし、1回目の時の、ど、どうしよう?という超不安な表情も演技として素晴らしかったすね。
 そして、あまりにおじいちゃんが仕事に次々と成功するので(DEA=麻薬取締局が網を張ってるのにおじいちゃんすぎてノーマークだった)、カルテルのボスが気に入っちゃって、メキシコの大邸宅に呼びつけて、二人で盛大に酒を飲んで女もあてがってもらって(!)、楽しいひと時まで過ごしちゃうんだから凄いよ。
 しかし、後半、そのカルテルのボスが暗殺されて別の人間に交代したことで、完全に空気が変わってしまう。その新ボスは、寄り道禁止、スケジュール通り運ばねえとぶっ殺す、と別の凶悪な手下を送り込んできたのでした。そして折しも元妻が病魔に侵されているという知らせも入り、そっちに行きたい、けど、おっかねえ連中が見張ってる、そこで主人公のおじいちゃんが取った行動とはーーーというクライマックス(?)になだれ込むというお話でありました。
 なので、果たして最終的な結末は―――という最初の疑問は、かなり美しく描かれますので、それはもう、映画館でご確認ください。わたしはあの結末はアリだと思います。大変面白かったすな。
 というわけで、以下、キャラ紹介とキャスト陣の紹介をして終わりにしよう。ホントは篭絡されていく悪党たちを紹介したいんだけど、知らない役者なので、有名な人だけにします。
 ◆アール:主人公のおじいちゃん。朝鮮戦争に従軍した退役軍人。そのギリギリセーフ、つうか若干アウトな毒舌トークで相手の懐に入っちゃうキャラは、Eastwood作品ではかなり珍しいような気がする。いつも、眉間にしわを寄せてる強面おじいですが、今回はちょっと違いますね。ボスの家に招かれたときのシーンも良かったすねえ。「こりゃあ凄い、あんた、この家を建てるのに何人殺したんだ?」なんて、周りの悪党どもがドキッツとしてしまうようなことを平気で口にしてしまっても、ボスも笑顔で「そりゃあもう、たくさんだよ、はっはっは!」と逆に気に入っちゃう流れは、アールのキャラをよく表してましたな。アールは、朝鮮戦争から帰ってきたことで、ある意味もはや「怖いものなんてない」わけで、「したいことをする・思ったことは口にする」男となったわけだ。だけど、一つだけ、どうしても心残りなのが、家族を蔑ろにして生きてきたことで、それが内心ではとっても悲しく、Eastwoodおじいちゃんの表情はもう、最高にそんなアールの心情を表していたと思う。ホントにお見事でしたなあ! あと、最初の仕事の成功でもらった金で、いきなりおんぼろトラックからゴッツイ最新モデルのピックアップ(ありゃクライスラーかな?)に乗り換えちゃうところなんて、わたし的にはとても微笑ましく思えました。ちょっと調子に乗りすぎたかもね……この人……。
 ◆コリン・ベイツ:DEA捜査官。NYやDCで実績を上げてシカゴ支局に異動してきた花形捜査官。「タタ(=じいさん)」と呼ばれる謎の運び屋を追う。このDEAサイドの話も並行して進むのだが、ベイツとアールがとあるカフェで出会う、けど、アールはヤバい!と気付いているのに、ベイツはまるで気付かず、のあのシーンも大変良かったですね。ベイツを演じたのは、Eastwoodおじいちゃんのウルトラスーパー大傑作『AMERICAN SNIPER』で主人公クリス・カイルを演じたBradley Cooper氏。今回は出番はそれほど多くないけれど、大変良かったです。ラスト、あんただったのか……と逮捕するシーンの表情も、実に素晴らしかったすね。そして役名を覚えてないけどベイツの相棒のDEAマンを演じたのがANT-MANのゆかいな仲間でお馴染みMichael Peña氏。彼もEastwoodおじいちゃんのウルトラスーパー大傑作『Million Dollar Baby』に出てましたな。陽気な役が多い気もするけど何気に演技派なんすよね、この人は。それから二人の上司のシカゴ支局の偉い人、をLaurence Fishburne氏が演じてました。相変わらずのすきっ歯でしたね。実に渋いす。
 ◆カルテルのボス:「タタ」と呼ばれる運び屋の仕事ぶりが気に入って、自宅に呼びつけるボス。残念ながらその若干甘い体制が身を滅ぼしたようで……残念でした。演じたのはAndy Garcia氏。すっかり渋くなりましたなあ。一時期トンと見かけなかったような気がするけれど、ここ数年、また出演作が増えてきたような気がするっすね。『The Untachable』はもう30年以上前か……あの頃はイケメンでしたなあ……。
 ◆メアリー:アールの元妻。仕事人間で家庭を顧みないアールに三下り半を突きつけ離婚したらしい。しかし最後の和解は、ちょっと泣けそうになったすね。あの時のEastwoodおじいちゃん演じるアールの表情が超見事でした。この元妻を演じたのがDianne Wiestさん70歳。わたしがこの人で一番覚えているのは、『Edward Scissorhands』のお母さん役ですな。エイボンレディーの仕事をしているちょっと抜けた?明るいお母さんという役だったすね。あれからもう約30年か……はあ……。
 ◆アイリス:アールとメアリーの娘。結婚式に来なかった父と12年口をきいていない。そりゃ怒るよ……。演じたのは、なんとEastwoodおじいちゃんの本当の娘であるAlison Eastwoodさん46歳。この方は過去何度かEastwood作品に出演しているし、自らも監督として映画を撮っている方ですが、顔はあまりお父さんに似てないすね。わたし、実は観ている時はAlisonさんだと気が付いてなかったです。ウカツ!
 ◆ジニー:アイリスの娘であり、アールとメアリーの孫。おじいちゃん擁護派だったけれど、おばあちゃんが大変なのに来てくれないなんて! と激怒してしまうことに。わたしはこの顔知ってる……けど誰だっけ? と分からなかったのだが、エンドクレジットで名前が出て思い出した。この女子はTaissa Farmigaちゃん24歳ですよ! 2013年公開の『MINDSCOPE(邦題:記憶探偵と鍵のかかった少女)』の主役の女の子ですな。あの頃はギリ10代だったのかな、すっかり大人びて美人におなりです。そしてこの方は、『The Diparted』のヒロインを演じたVera Farmigaさんの妹ですね。えーと、Wikiによると21歳年下の妹だそうです。ずいぶん離れてますな。あ、7人兄弟だって。そしてTaissaちゃんが末っ子か。なるほど。

 というわけで、もう書いておきたいことが亡くなったので結論。
 わたしが現役映画監督で一番好きなClint Eastwoodおじいちゃん最新作『THE MULE』が公開になったので、初日の今日、会社帰りに観てきた。ズバリわたしは超面白かったと結論付けたい。とにかく、10年ぶりの主役を自ら演じたEastwoodおじいちゃんの演技が超秀逸です。アカデミー賞にかすりもしなかったのが大変残念ですよ。いつもと違う軽妙さはすごく新鮮だったし、時に見せる、老人らしい慌てぶりの、ど、どうしたらいいんだ?的なオロオロ感は観ててとてもグッと来たっすね。グッと来たというか、毎日、80代のばあ様になってしまった母と暮らすわたしには、こっちまで心配になってしまうような、絶望感のような表情が素晴らしかったと思います。わたしとしては、本作は大いにお勧めいたしたく存じます! 是非映画館で! 以上。

↓ 今週末は久しぶりにコイツを観ようかな。なんというか、キャラ的に今回と正反対、のような気がする。
グラン・トリノ (字幕版)
クリント・イーストウッド
2013-11-26

 James Cameron監督と言えば、現代最強映画作家の一人であることは、おそらく誰も異議を唱えないだろう。現在Cameron氏は、せっせと『AVATAR』の続編を製作中とのことだが、恐らくはきっと、またすごい、今まで観たことのなかったような映像を見せてくれるのだろうと、今からとても楽しみだ。
 そしてCameron監督が真にすごいというか、偉大な点は、「既存のハードウェア・ソフトウェアで自分が撮りたい映像が撮れないなら、自分で作る!!」という点にあると思う。そう、この人は、自分でカメラや編集ソフトを、ハードメーカーやソフトメーカーを巻き込んで、自分で作っちゃう男なのだ。
 わたしが思うに、その点がChristopher Nolan監督と大きく違う点で、Nolan監督がIMAXにこだわり、既存技術の延長線の中でその限界を極める、最強クリエイターである一方で、Cameron監督は、ゼロから作っちゃう最強イノベーターである、とわたしは考えている。
 というわけで、このたびCameron監督が脚本を書き、製作を担当した作品『ALITA: Battle Angel』という映画が公開されたので、わたしもさっそく観てきた。本作は、Cameron監督が惚れこんだという日本のコミックのハリウッド映画化作品である(※パンフによると、25年前に、Cameron監督にこの漫画を紹介したのは、日本カルチャー大好きなオタクでお馴染みのGuillermo del Toro監督だそうです)。そのコミックとは木城ゆきと先生が1990年に発表した『銃夢』という作品だが、わたしは恥ずかしながら『銃夢』を読んでおらず、ま、別に構わんだろ、と思って『ALITA』を観てきたのだが、観終わり、劇場を出た瞬間におもむろにタブレットを取り出し、電子書籍で『銃夢』を買って読んだ。まさか全9巻だとは思っていなかったので、お、おう、とか思ったものの、映画に合わせてなのか全9巻セットが6冊分ぐらい?の値段にお安くなっていたので、問答無用でポチり、そのまま近くのカフェで読んでみたところ……意外なほど、映画は原作に忠実で(勿論違う点もいっぱいあるけど)、なるほど、これは原作者の木城先生がこの映画を観たら、うれしいだろうな、という仕上がりであったことを知ったのである。そしてわたしも、映画『ALITA』には大満足であった。いやあ、面白かったし、とにかく、アリータがカワイイんすよ! 大変良かったと思います。

 というわけで、物語は25世紀(?忘れた!26世紀だっけ?)、The FALL=(没落戦争)なる大きな戦争が終わった後の世界を舞台にしている。唯一残った空中都市ザレムの下に、荒廃した地上世界が取り残されていて、そして地上では、生身の人々だけではなく、体の一部あるいは全部を機械に置換したサイボーグがともに普通に暮らしており、サイボーグ手術を生業とする元ザレム市民イドが、ザレムから落っこちてくる鉄くずを漁っている時、1体の女性型サイボーグの頭と胸から上のボディを拾うところから物語は始まる。そのサイボーグのパーツともいうべき頭は、完全に機能は停止しているものの、脳は無事らしいことが分かり、イドは拾って来たサイボーグに、かつて亡くした娘のためのサイバネティックボディを与える。そして目覚めたサイボーグは完全に記憶を失っていて、名前すら覚えていない状態だったのだが、娘の名前「アリータ」と仮に呼ぶことにする。目覚めたアリータは何もかもが新鮮で、無邪気だったのだが、その心臓は大戦前のすでに失われた高度な技術で作られており、どうやら300年以上前に製造されたことが判明する。また、古代の武術「機甲術(パンツァー・クンスト)」の技を使って戦うこともできるアリータ。それらの謎は、どうやらザレムの「ノヴァ」なる人物に繋がっているようで……てな展開である。いつも通りテキトーにはしょりました。
 だが問題はラストのエンディングで、若干、ジャンプ打ち切り漫画的な、ここで終わり!? 感があって、わたしは結構びっくりすることになった。それゆえ、きっとこの先の物語がコミック原作にはあるに違いない、つうか、これはコミックを読まないとダメだ、と思ったから全巻まとめ買いをしたのだが、どうやら結論としては、映画はコミックの2巻、いや3巻冒頭かな、その辺りまでのようで、やっぱり続きの物語は明確にあるみたい。
 だけど、うーん、まあ、やっぱり似て非なるものというか、別物と思った方がいいのかな。コミックでは、後半に行くにしたがって、ザレム側のキャラも出てくるけれど、映画のようにザレム=悪ではなく、それなりにイイ人も出てきます。つうか、映画を面白いと感じた人は、コミックも全部買って読んでみるといいと思います。
 というわけで、ざっとキャラ紹介して終わりにします。
 ◆アリータ:コミックでは「ガリィ」という名前ですが、まあ、別にアリータでも全然問題ナシ。映画のアリータは、目が普通の人間よりもデカイわけですが、やっぱり最初は何となく違和感があるわけですよ。しかしですね、物語が進むにつれ、全然気にならなくなっちゃうんだな。つうかむしろ、カワイイとさえ思えてくるから不思議です。わたしは『AVATAR』の時も、ナヴィ族のネイティリが、観ながらどんどんかわいく見えてきてしまったわけで、あれと同じすね。無邪気で、恋にウキウキしている様子なんかがそうわたしに思わせたのだと思うけれど、だんだんと記憶を取り戻して、表情が変わっていく様子は、やっぱり映画の強みというか、コミックよりも物語的にうまくまとまっているようにも思えた。やっぱり脚本がしっかりしてるのが、本作のクオリティを担保してるように思える。長いコミックの重要な要素をきっちりと抑えつつ濃縮してる、みたいな印象です。
 映画版では印象深い、血を目の下に塗るシーンなんかも、コミックではちょっと違う形で出てきたりします。実際、物語のカギとなる「モーター・ボール」に関しては、コミックではとてもカッコイイキャラが出てくるけれど、本作には登場せず、だったり、いろいろ物語(の順番)や設定は違うんだけど、それでも映画版はきっちりまとまっていて、映像的にも凄いし、大変楽しめました。
 で、演じたのはRosa Salazarさん34歳。34歳!? マジかよ。CG加工されているので全然印象が違うけれど、この人は『MAZE RUNNER』の2作目から登場したブレンダを演じた人なんすね。なるほど、写真を見ると、たしかに鼻と口はアリータっすね。まあほんと、アリータだけでなく、街の様子や数多く登場するサイボーグたちなど、どうやって撮影したのか全然想像もできない映像はすごいす。
 ◆イド:元ザレム市民で医師。現在は地上に住み、サイバネ手術を行い、人々から信頼されている。コミックとは年齢も違うし、アリータ(コミックのガリィ)への想いも結構違うけれど、たしかにイドでした。地上世界には警察がなくて、「ファクトリー」なる組織が取り仕切るセキュリティがあって、犯罪者を狩る「ハンター・ウォリアー」と呼ばれる賞金稼ぎたちがいるわけですが、イドがハンターとして犯罪者を狩る動機は、コミックとはちょっと違っていて、映画の方が共感できるものとなっていると思う。演じたのは、助演男優賞ハンターとわたしが勝手に呼んでいるChristoph Walz氏。とても雰囲気が出てて、コミックのイドの面影も感じますな。大変良かったと思う。
 ◆ヒューゴ:元々イドと知り合いで、便利屋的にいろいろ調達してくる仕事の早い青年。アリータはヒューゴがどんどん好きになっていくのだが、ヒューゴは「ファクトリー」の地上ボス?の男に利用されて、結構悪いこともしていて……というようなキャラ。なんつうか、若干ゆとり臭は漂ってましたな。もうチョイ、分別があれば……ちなみにコミックのヒューゴはもっと子供っぽく、生い立ちももっと気の毒な感じです。まあ、まだ世の中のことを知らず、本当の善悪を見抜けない子供だったんだろうとわたしは思うことにします。演じたのはKeean Johnson君。23歳、かな? 妙に健全な、つるっとした肌の青年でした。演技的には……まあ普通す。
 ◆ベクター:地上では偉そうにしている悪党だけど、実はラスボスのノヴァの操り人形、という若干かわいそうな人。このキャラは、その見かけもすごくコミック版のキャラと似ていて、大変良いと思います。演じたのは、明日のアカデミー賞で助演男優賞にノミネートされているMahershala Ali氏45歳。雰囲気バリバリで悪人オーラが漏れ出ていますが、普段のこの人の笑顔は大変優しそうなお方ですな。
 ◆チレン:元イドの妻。ベクターと組んで悪いことをしているが、最終的には改心するも、残念なことに……さっきWikiで初めて知ったけど、チレンというキャラはOVAに出てたんすね。まあ別人だけど。コミック版には映画のチレン的キャラは出てこないす。演じたのは、かつて絶世の美少女だったJennifer Connellyさん48歳。今でも大変お美しいお方ですよ。この人を観ると、なんかいつも宮沢りえさんを思い出すっすね。美女なのは間違いないす。
 ◆ノヴァ:本作のラスボス。登場シーンはごく少なく、謎のゴーグル的なものを着用しているのだが、ラストでそのゴーグルを外したとき、あ! Edward Norton氏じゃないか! と驚いたすね。一切クレジットにも出てこなかったけれど、あの顔を見間違えるはずもないので、間違いないす。しかし本作のエンディングは……続編を作る気満々なのだろうか……? というぐらい、ここで終わりかよ!エンドでした。
 あとは……わたしが観ていて、あれっ!? こいつって……? と思った人が一人いたのでその人を紹介して終わりにしよう。
 ベクターとチレンの手下で、アリータに何かとちょっかいをかけてきて、最終的には負けるゴッツイ、凶悪なサイボーグのグリュシカというキャラがいるのだが、まあ、体は全部機械で顔だけ俳優の顔が張り付けてあるようなキャラなんですが、この顔にわたしはピンと来て、まさか? と思ったらまさしくJackie Earle Haley氏であった。わたしの大好きな映画『WATCHMEN』の主人公、ロールシャッハを超熱演した彼ですな。コミックのグリュシカとは若干設定が違うんだけど、あの地下での、腕一本になっちゃったアリータの戦いぶりはまさしくコミック通りで、映画を観てからコミックを読んだわたしとしては、すげえ、このまんまだったな、と驚いたす。
 そして監督は、Robert Rodoriguez氏だったのだが、わたしはこれまで4本ぐらいしかRodoriguez監督作品を観てないので、それほど語れることはないけれど……なんか、堂々たる大作だったな、という感想です。血まみれなヴァイオレンスアクションの印象が強いけれど、まあ、本作はそれほどでもないので、健全な皆さんにも楽しめること間違いなしだろうと存じます。

 というわけで、書いておきたいことがなくなったので結論。
 まず第一に、面白い、です。そして、この映画を観たら、原作もぜひ読んでみてもらいたいすね。結構なシーンが原作コミック通りだというのは、ちょっと驚いたす。そしてなにより、観ているとアリーがどんどんかわいく見えてくるんすよ! それは、キャラ設定だったり、表情だったりと様々な要素から湧き上がるものだと思うけれど、とにかく、アリータが本当に人間の少女のような、純粋で、無邪気で、よく泣くとてもイイ子なのです。アレっすね、わたしのようなおっさん客にとっては、少女の涙には有無を言わせぬ保護欲的なものを感じさせますな。ホント、アリータには幸せになってほしいのだが……ここで終わりかよエンドなので、続きはコミックで堪能するのもアリだと思います。だいぶ話は違いますが。そして映画ということで、その映像もきわめて高品位なCGがふんだんに使われており、映像的な見どころも満載だと存じます。結論としては、大変楽しめました。続編は作られるのか知らないけれど、作るなら、希望のある明るいエンドにしてほしいす。以上。

↓ とりあえず映画が気に入ったならおススメです。まずは(1)巻をどうぞ
銃夢(1)
木城ゆきと
講談社
2014-01-31

 まったく、ワシは何をしとったんじゃあ……
 と、わたしは昨日の夜、WOWOWで録画しておいた映画を観て、つくづく思った。2018年5月公開の作品なので、間違いなく言えることは、この映画を劇場へちゃんと観に行っていたならば、確実に2018年にわたしが観た映画ベストの3位ぐらいにランクしていただろう、と断言できる。なんなら1位にしてもいいぐらいだ。
 ほんとに、ワシは去年、なんでこの映画を劇場に行かなかったんじゃ……アホだった……と深く後悔したわけだが、その映画とは、東映作品『孤狼の血』であります。わたしの髪を切ってくれているイケメンのヘアスタイリストさんとわたしは、どういうわけか『仁義なき戦い』シリーズが大好きという共通点があって、去年、この映画について、観に行かねえとダメなんじゃないすかねえ、とか言っておきながら、わたしもイケメンさんも、まんまと見逃してしまったのだが、さすがわたしの愛するWOWOWですよ。公開から1年もたたずに放送してくれたので、さっそく録画し、昨日の夜、もはや何もかもやる気にならず人生について軽い絶望を抱いたわたしは、そうだ、アレを観よう、と思ったのであった。
 そして観た結果思ったのが上記のことである。本当にこの映画は劇場でちゃんと観るべきだった! と後悔するほど素晴らしい出来で、おまけに予想外な展開には泣けるほどの感動?すらあり、わたしとしてはもう、この映画は大絶賛いたしたく存じます。
 ただまあ、基本ヴァイオレンス&血まみれアリな映画だし、いきなり冒頭からショッキングな拷問シーンから始まるので(※ただしその拷問シーンは物語上とても重要)、そういう方面が苦手な方にはお勧めできないけれど、そうだなあ……これは全おっさんに向けては超おススメ、であります。これは観た方がいいっすよ!
 というわけで、以下、なるべくネタバレしないよう気を付けるつもりだけれど、とにかくまだ観ていない人は、ここらで退場して、観てから戻ってきてください。絶対に何も知らないで観る方がいいと思います。

 というわけで、まあ、物語は予告から想像されるものとは、そう遠く離れていない、とは思う。わたしは去年、何度かこの予告を劇場で観て、まあ、アレかな、Denzel Washington氏がアカデミー主演男優賞を受賞した名作『Training Day』的なお話かな、とか思っていた。要するに、あの作品でDenzel氏演じた悪徳警官を日本が誇る最強役者である役所広司氏、そしてEthan Hawke氏演じた正義漢の若い警官を、若手イケメン松坂桃李くんが演じるのかな、的な想像である。
 実際、その想像は間違ってはいなかったと思うが、わたしは全然わかっていなかったことがあった。それは、ちょっと考えればわかることなのだが、本作は、日本映画であり、東映作品であり、そして舞台は広島、である。つまりそれは往年の『仁義なき戦い』シリーズのDNAを内包していて、日本人のわたしが観ると、『Training Day』とは違った恐ろしさというか、身近な恐怖というか、要するに、より一層リアルでおっかねえ、のである。加えて、本作の時代設定が1988年=昭和63年=暴対法制定以前というのも、当時大学に入りたてだったわたしとしては、十分に時代の空気を知っているため、さらにそのリアル感は増強されていたようにも感じた。
 現代社会では、いわゆる暴力団のことを反社会的勢力とか言って、上場企業の経営企画の人間としては「反社」という略称を使って、あらゆる契約には必ず、「反社との付き合いはないですよね?」と相手先の表明保証を求めたり、取引先の「反社チェック」なんかもよくやるのだが、北野武監督の『アウトレイジ』シリーズがまさしくその「反社」そのものを描いた作品である一方で、本作の主軸はあくまで「警察」である。そこが大きく違うし、また、本作は悪徳警官(としか見えない)役所氏と、若干青臭い正義漢の松坂くん、という二人の演技合戦が真っ向勝負でぶつかっていて、その点も『アウトレイジ』とは大きく印象の違う作品であろうと思う。言うなれば、『アウトレイジ』は「悪VS悪」の対決であるのに反し、本作は「悪VS善」の対決が描かれるわけだが、問題は何をもって善悪を判断するか、という境界線にあって、そこに本作最大のポイントがあると言っていいだろう。
 こう考えると、そういうテーマはわたしの大好きな作品『SICARIO』にも通じるモノがあるのだが、『SICARIO』は完全にドライに割り切った、屈強で冷徹な男たちだったのに対し、日本はですね、やっぱりもっとウェット、というか、ハートがあるんですなあ……! そこにわたしは相当グッと来てしまったのであります。いやあ、本当になんつうか、感動したっすね。役者の芝居も、脚本も撮影も、それらが一体となって見事な作品だったと絶賛したいと思う。
 あーーーくそう、ネタバレを気にすると本当に何も書けない!
 ので、キャラ紹介と演じた役者陣をまとめて終わりにします。が、登場キャラがすごく多いので、あくまでわたしが、重要キャラと思った方だけにします。どうでもいいけど、女優陣はことごとくエロいす。つうか、マジで見た方がいいっすよ!
 ◆大上省吾:おおがみ、と読むことから通称「ガミさん」。広島県警呉原署刑事課所属の巡査部長。マル暴担当で、もうその捜査は違法行為満載で、誰がどう見ても真っ黒け。また、なにやら14年前に殺人に関与したという噂もあって、呉原(=一応架空の街)を仕切る反社組織の尾谷組と仲がいい、ようにみえるが、実は――なキャラ。演じたのは散々書いている通り役所広司氏。とにかく凄い、迫真の芝居ぶりが素晴らしい! 本当に役所氏は日本最高レベルの役者だと思うすね。最高でした。
 しかし思うに、この物語から30年を経た現代では、ガミさんのような刑事はもう絶滅してるんすかねえ……なんでも録画して、なんでも正論をかざした自称正義がまかり通る現代では、生きていけないだろうなあ……。悪には悪を、毒には毒を、的な理論は通じないでしょうなあ。普通で平和な毎日を送っている我々としては、反社なるものは若干の他人事感のような、自分とは関係ない的な感覚を持っていると思うけれど、実際は我々の暮らす日常のすぐ隣に間違いなく存在しているわけで、「法」が我々を守ってくれる、みたいにのんきには思わない方がいいんでしょうな。もはや警察がが守ってくれるとは思えないし、出来ることはやっぱり、君子危うきに近寄らず、しかないような気がしますね。我々、ちっとも君子じゃねーけど。
 ◆日岡修一:広島大学を卒業した警官(たぶん単に大卒なだけでキャリア組ではない)。そのため通称「広大(ひろだい)」と呼ばれている若者。ガミさんと組まされて振り回されるが、実は県警本部から送り込まれた監察官でもある。これは観てればすぐわかるのでギリネタバレじゃない判定をしました。彼は社会経験も少なく、人間としてまだ未熟なわけで、縋るものは「法」しかないわけだが、その遵法精神はガミさんの捜査に同行しても揺るがず、相当な気合で耐え忍んで、ガミさんにちゃんと異議を唱えるガッツある若者でした。わたしはどんどん揺らいでいくのかと思っていたけど、結構軸がブレることがなく、実は相当立派な男なのではないかとすら思った。しかし後半、予想外の出来事にとうとう彼の心は、「境界線」を踏み越えることに―――? 的なキャラ。演じたのは、わたしが若手イケメンで一番カッコイイんじゃないかと思っている、シンケンレッドでお馴染み松坂桃李くん。わたしは彼はかなりの演技派だと思っているのだが、本作でも非常に素晴らしかったすね。本作は、何気にチョイチョイと長回しのシーンがあるのだが、中盤から後半にかけて、役所氏がすっごい長いセリフを言うシーンで、桃李くんは酔っ払っていてただ聞いているだけ、のシーンがあって、そこではもう、役所氏の圧倒的な演技力はもちろん素晴らしいんだけど、実は聞いているだけの桃李くんの方も、その聞き方というか、ちらっと役所氏を見たり、何か口を開きかけたり、というような、受けの演技も超素晴らしかったとわたしは絶賛したいと思う。ホント、桃李くんはイケメンだけじゃあない男ですよ。ラストもカッコ良かったすねえ! きっと広大は、今頃かなり出世していると思います。最高でした。
 ◆高木里佳子:尾谷組の縄張りにあるクラブ「梨子」のママ。とにかくエロイ。ガミさんを深く信頼しているが、その理由は後半明らかにされます。なんか泣けるんすよ……。演じたのは真木よう子さんで、このお方の演技がうまいと感じたことはあまりないけれど、今回は大変良かったすね。そしてなにより、控えめに言ってもエロいす。最高でした。
 ◆岡田桃子:ガミさんがよくけが人を連れて行く薬局のアルバイト女子。冒頭でボコられた広大を連れて行ったとこがきっかけで、その後広大と関係を持つのだが、実は――なキャラ。演じたのは阿部純子さんという方で、わたしは全く知らない初めて見るお方だったのだが、非常に印象に残る演技でした。……なんつうか、メイクやファッション、あるいは暮らしている部屋なんかが醸し出す絶妙な昭和感が、妙にリアルで、なんかエロいんすよ……。実に正統派の美人で、非常にイイすね。ラストに登場する姿も、実に極上です。最高でした。
 ◆上早稲潤子:冒頭の拷問シーンで殺された男の姉として、ほんのワンシーンだけ登場するキャラなのだが、とにかくまあ、エロイ雰囲気バリバリなお方。わたしは、あれはいったい誰が演じてたんだ? と分からなくて調べたら、元グラドル/現ママタレ?のMEGUMIさんであった。そのエロさ、衰えなしの強い印象が残るお役でしたね。最高です。
 ◆一之瀬守孝:尾谷組の若頭。現在尾谷組組長は鳥取刑務所で懲役中なので、実質TOP。わたしとしては本作で一番ヤバイ反社のお方。スーツ姿で頭が良さそうな極道は一番怖いすね。ただ、本作では実はそれほど大きな役割はなく、最終的には――なキャラ。演じたのは見た目クール But 中身凶暴な悪党が良く似合う江口洋介氏。大変カッコ良かったと思うすね。なお、対抗組織の加古村組若頭は、これまたイケメンの竹野内豊氏が演じているのだが、冒頭の拷問シーン以外、あまり出番がないんすよね……それがとても残念というか、イケメンの無駄使いだったような気がします。江口氏と竹野内氏の壮絶バトルもみたかったすね。そこだけ残念す。
 ◆五十子正平:加古村組の上部組織である五十子会の会長。一番の悪党、かな。ラストは超ざまあです。でも、クソ野郎成分としては、この会長よりも手下どもの方が上で、彼らの末路も見たかったかもしれないす。出来れば血まみれで。演じたのは石橋蓮司氏で、登場してきた瞬間に、ああ、このおっさんはタダじゃすまないでしょうな……と思わせるのは、やっぱり蓮司氏の芝居が素晴らしいからだと思う。実際、タダでは済みませんでした。
 ◆瀧井銀次:五十子会の下部組織である右翼団体の長で、ガミさんとは長い付き合い。通称「ギンさん」。ラストの決断は男を見せたっすね。大変良かったと思う。演じたのはピエール瀧氏で、おっかない中にも、本作で唯一コミカルっぽいところも見せてくれました。
 ◆嵯峨大輔:広島県警の監察官で、広大こと桃李くんを呉原署に送り込んだ人。実はコイツの狙いは……というのはまあ、予想通りかも。演じたのは滝藤賢一氏。残念ながらこの人も、出てきた瞬間に絶対悪い奴だろうな、と予感させるお方でした。
 とまあ、他にもキャラはいっぱいいるのだが、大体こんなところかな。とにかく役者陣の演技合戦はとても素晴らしいし、その芝居の元となる脚本も極めて上等、そして役者を引き立てる撮影・演出も大変お見事でした。くっそう、ホント、なんで俺はこの映画を劇場に観に行かなかったんだ……! マジで劇場に観に行かなかったことが悔やまれる傑作であり、大いにお勧めいたしたく存じます。

 というわけで、結論。
 去年劇場公開され、観たかったけれど見逃していた映画『孤狼の血』がWOWOWで放送されたので、さっそく録画し、昨日の夜ぼんやり見てみたわたしである。結論としては超傑作、非常に面白かったと申し上げたい。まず脚本が素晴らしい出来であり、その脚本にキャスト全員が最高の演技で見事にこたえ、撮影や演出もばっちり決まっている、という近年まれにみる素晴らしい日本映画だったとわたしは思う。本当に久しぶりに、ちくしょー! なんで劇場に観に行かなかったのだ! と悔しい思いだ。なんつうか、ひょっとすると、わたしの琴線に一番触れたのは、わたしの青春時代である1988年という時代設定と、画面から伝わる絶妙な昭和感、なのかもしれない。キャラ設定も、実のところよくあるパターンのような気もするけれど、これがまた、現代社会では絶滅してしまった、昭和の男感が溢れているような気もしますね。というわけで、わたしはこの映画がとても気に入りました。恐らく今後、何度もまた繰り返し見るような気がします。控えめに言っても、最高ですね。以上。

↓ これは原作小説を読んでみたい気がしますね。
孤狼の血 (角川文庫)
柚月裕子
KADOKAWA
2017-08-25

そして配信でも観られますので、是非!
孤狼の血
役所広司
2018-11-02

 わたしはどうもイギリス史にはほぼ無知というか興味もあまりないため、18世紀初頭のステュアート朝最後の君主、アン女王に関してはほぼ何の知識もなかった。ましてや、アン女王の晩年の側近であった、アビゲイル・メイシャムなる女性に関しては、聞いたこともなかったことを白状しよう。
 なので、わたしが昨日観てきた映画『THE FAVOURITE』は、意外なほど史実に沿ったお話であることを、実は観終わってパンフレットを読みつつインターネッツで調べて、初めて知ったのである。
 映画としては、若干クセのすごい演出や、キャラのクセもすごくて、なんだかイマイチ好きになれない……というかキモチワルイのだけれど、どうやらお話自体は、結構史実通り、のようだ。へえ~。そうだったんだなあ……と、実は鑑賞後に初めて知ったのであります。
 というわけで、来週には発表されるアカデミー賞でも最多10部門にノミネートされているということで、わたしも興味を持って観に行ったわけだが、実のところわたしがこの映画を観ようと思った理由はただ一つ。わたしが愛してやまないハリウッド美女のEmma Stoneちゃんが出演しているから、であります。ただ監督が、以前WOWOWで観て、こりゃ微妙すぎんな……と思った作品『THE LOBSTER』を撮ったギリシャ人Γιώργος Λάνθιμος(=アルファベットだとYourgos Lanthimos)氏であったので、若干イヤな予感はしたのだが……まあ、実際、演出やキャラ造形は前述のようにまったくわたしの趣味ではなくアレだったんすけど……キャスト陣の演技合戦は大変見ごたえがあって、結論としては結構面白かった、と思う。
 というわけで、まずは予告編を貼っておこう。そしていつも通りネタバレに触れる可能性があるので、気になる方はここらで退場して、劇場へ観に行ってください。それなりにおススメ、です。

 ま、上記予告にあるように「アカデミー賞最有力」なのかどうかは知らないけれど、確かに、この映画は若干のシャレオツ臭というか、玄人受けというか、まあ、普段のわたしなら、ケッ!とか言ってあまり見たいとは思わないような雰囲気を醸し出している。
 そして物語はほぼ上記の予告通り、と言ってもいいだろう。しつこいけれど、わたしは本作でアン女王の「お気に入り」を争う(?)ことになる二人の女性、アビゲイル・メイシャム嬢とレディー・サラ・チャーチルが実在の人物なのか、よく知らないまま観ていたのだが、どうやら、二人の確執は実際にあったようで、本作は結構歴史通り、らしい。そりゃもちろんすべてじゃないだろうけど。
 というわけで物語は、アン女王と肉体関係さえ持っていた幼馴染のレディー・サラが取り仕切る宮殿に、若くてかわいいアビゲイルがやってきて、やがてアン女王の「お気に入り」となってゆくお話であるのだが、わたしは観ていて、2つのことに生理的な嫌悪を感じたものの、これまた前述の通り、キャスト陣の演技合戦は大変お見事で確かにこれはアカデミー賞クラスかも、と思うに至った。というわけで、わたしが感じた嫌悪とキャスト陣についてまとめてみよう。
 1)とにかく汚くて不潔な18世紀イギリス
 日本で言うと江戸時代、5代将軍の綱吉の時代あたりのイギリスなのだが、なんつうか、きったねえし不潔な宮殿・社会インフラがわたしとしてはかなりゾッとした。道は泥道、そして服も薄汚れている、さらに宮殿内も、なんか……ぜんぜん華美ではない。恐らくこれらは、本当にそうだったのだろうと思う。そういう意味ではリアルなのだが……もちろん日本の同時代もそんなに変わりはないんだろうけど……たぶん、江戸という街、ましてやその頂上たる江戸城はもっときれいで清潔だっただろうし、将軍家に仕える武士たちや市井の江戸庶民たちはもっとこざっぱりしてたんじゃなかろうか……と根拠なく感じた。そういう意味では、日本とは違う、西洋の小汚い宮殿というのは実に興味深く思うし、また、日本人で良かった……とか思った。アレかな、やっぱり西洋人は風呂に入らないんですかね? おそらく、耐えがたい悪臭ぷんぷんだったのではなかろうか……。キツイ香水で隠すのはホントやめてもらいたいよね。これは現代でも言えることだけど……。
 そしてもう一つ、わたしが不潔できたねえ、と思ったのは、性に対する描写である。そもそも、男も女も、なんか知らないけど若干肥満気味な人々が多く登場したからというのもあるかもしれないけれど……豚みてえな野郎たちのSEXはホント、おえっ! と思うような不潔感を感してしまうのである。そして薄汚れてるし、ちょっとだけ娼館の描写もあるし、またアン女王(しかもなんか小汚いおばちゃん)のHシーンもあったりと、性的な、なんというか……アニマル的な性欲は、そりゃまあリアルで当たり前なんだろうけど、キモチワルイもんだ、と現代日本人のわたしは感じざるを得なかったすね。
 2)TOPに媚びへつらう姿の気持ち悪さ
 わたしはこれまで、会社員としてもう何人も、TOPに媚びへつらう奴らをみてきたが、あれほど醜いと思う者もなかなか世には存在しないような気がする。本作は「女王陛下のお気に入り」となるために、本当にもう何でもする女性の姿を追ったものだが、その動機は分からんでもないけれど……やっぱりどうしても共感は出来ないですなあ……。キモチワルイんだもの。
 ただ、現実として、TOPにいる人間は、そりゃ何でもやってくれて、自分の聞きたいことを耳に吹き込んでくれる人間を可愛がって、重用してしまうのは、もう、にんげんだもの、しょうがないよ、とは思う。いつも自分に反抗的なことをいう人間に対して、仮にそれが正論で正しいことであっても、イラッとしてしまうのは、どうしようもないことだろうと思う。なので、本作では何でも聞いてくれるアビゲイルと基本的に正直&正論派のレディー・サラは、両極端で、元々は幼馴染で何でもあけすけに言ってくれるレディー・サラを重用していた女王が、やがてアビゲイルの甘い言葉に傾いて行ってしまうのは、もう仕方ないことだとは思った。
 でもなあ……アビゲイルの言動は、ほとんどが自らの野望のためで完全なる私欲であるのに対して、レディー・サラは、もちろん彼女も清廉潔白というわけでは全然ないけれど、恐らくは国のことを真面目に考えていたように見えるわけで、なんかとても残念です。まあ、所詮TOPに立つ人間というのも、人間であることに変わりはなく、一人の人間に権力を集中させていいことはないってことなんだろうな、とわたしは感じた。おまけに世襲でTOPになった人間なんてのは、基本的にもってのほか、なんだろうな。かといって、合議なんてのも時間の無駄な場合も多いわけで、ホントに難しいすね……。
 3)キャスト陣の演技合戦は凄くて、これは超見応えアリ。
 ◆アン女王:基本的に精神的にも肉体的にも、「疲れ果てている」女性。その背景には17人(?)の子供を喪った母としての無力感のようなものがあって、亡くした子供の代わりにウサギを飼っている心淋しい女性として描かれている。歴史上、本作で描かれたころは40歳ぐらいのはずだが、ぱっと見50歳ぐらいのおばちゃんとして描写されていた。で、演じたのはOlivia Colmanさん45歳。このお方は本当は結構美人なのに、まあとにかく、疲れたおばちゃんでしたよ。それはきっと、人間としてリアルな造形であったのだろうとは思う。そして、ある意味超わがままな言動と、時に、妙にキリッと決断というか宣言をする姿は、演技として大変上質であったように思う。なんつうか、子供のような繊細なハートと、女王としての威厳ある姿という二面性は、見事な演技によって表現されていたと思う。【2019/2/25追記】というわけで、アカデミー主演女優賞おめでとうございます!
 ◆アビゲイル・メイシャム:元々下級貴族だったけれど、父が放蕩野郎で落ちぶれ、ある種の地獄を見た女性。遠い親戚のレディー・サラを頼って宮殿入りするも、当然下働きから始まり、ちょっとした機転を聞かせることで女王に取り入っていく、したたかな、というか……気合と根性のある女性。彼女の野望は再び上流階級の暮らしをすることで、みごとその野望を果たすことに成功する。演じたのは、わたしの愛するハリウッド美女の中でも天使クラスにかわいいEmma Stoneちゃん30歳。やっぱりイイすねえ……はっきり言えば本作での役どころは、まったく好きになれない女性だし、自分の体さえ武器にする強力なガッツあふれる女性なのだが、演技としては、たまーーに「チッ……」っと本心を見せるような表情が極上だったですな。ラストのあのシーンも、可愛らしさを封印したかのような、非常にいろいろな意味のある表情でお見事だったと思う。
 ◆レディー・サラ・チャーチル:アン女王とは幼馴染。夫は軍人でフランス従軍中(スペイン継承戦争)。そして大蔵卿シドニー・ゴドルフィンと通じていて、戦争継続を女王に進言するが最終的には宮殿から追放され、国外退去に。しかし、レディー・サラも「もうこんな国はたくさんだわ……」と愛想をつかしてしまうのだが、歴史上はこの映画の物語の後、ドイツやオーストリアの宮殿で厚遇されるも、イングランドに再び戻って活躍したそうです。そうだったんだ……なるほど。演じたのはRachel Weiszさん48歳。天下のイケメン007でお馴染みDaniel Craig氏の奥さんですな。キッとした表情や、アビゲイルを小娘が……的に見下す眼差しなど、大変印象に残る芝居ぶりだったと思います。Emmaちゃんとともに、アカデミー助演女優賞にWノミネート。わたしとしては、EmmaちゃんよりRachelさんの演技を推したいところすね。
 ◆ロバート・ハーレー:戦争終了和平派のトーリー党の若手議員で、女は力づくでヤるもんだと考えているチャラ男くん。勿論実在の人物。ただ、歴史をちゃんと勉強していないわたしには、コイツがどうして和平を唱えたのかは若干良くわからなかった。映画上では、若干、何でも反対する野党の若僧にしか見えなかったす。アビゲイルと利害が一致していて、お互いを利用し合う関係。演じたのは、X-MENの若きBeastでお馴染みNicolas Hoult君29歳。本作では、18世紀イギリス貴族らしく派手な鬘を着用し、白塗り&メイクのほくろ、という若干傾奇者めいたいでたちだったけれど、彼独特の笑顔は一発でNicolas君だと分かりますな。
 とまあ、大体わたしが思ったことは以上なのだが、やっぱり、この監督の作品は、クセがすごくてあまり好きにはなれないですな……今回は『THE LOBSTER』のように、訳が分からん不条理系ではなくて、お話がきちんとしているから面白かったと結論付けたいけれど、魚眼レンズのような歪んだ画を多様するのは、なんかイマイチ好きになれないす。いや、それほど多用してないか。でも印象に残っちゃうんすよ。とにかく、特徴的というよりも、クセがスゴイ!と言った方がいいと思います。

 というわけで、結論。
 来週発表されるアカデミー賞で10部門にノミネートされている『THE FAVOURITE』という映画を観てきたのだが、まず第一に、監督のクセがすごくて、どうも好きになれないというのが一つ。ただし、お話は今までの監督の作品のような訳の分からん不条理系ではなく、史実に添った物語で、ちゃんとしていたし、何よりキャスト陣の演技合戦がとても見応えのある作品であった。まあ、登場するキャラそれぞれがことごとくクセがすごい! 作品であったけれど、歴史的に、実際そうだったのだろうと思うことにしたい。結論としては大変面白かったと思う。そしてやっぱりEmma Stoneちゃんはかわいいですな。本作では、天使と悪魔的な、Emmaちゃんの両面が楽しめると思います。あと、脱いでます。Emmaちゃんが脱いでるのを観るのは初めてじゃないかな? 以上。

↓ アン女王って、意外といろんなことをした人なんすね。全然知らなかった。世界最初の著作権法である「アン法」を制定してたりするんすね。ちゃんと勉強しないと……

 いやーー……バカにして申し訳ありませんでした!!
 昨日、わたしは会社帰り映画を観てきた。それは、本当なら先週末に行こうと思っていたのだが、ちょっとした用事が出来てしまって観に行くことができず、かといって明日からの週末は別の映画も始まるので、なんとしても今日中に観ておきたい、という作品だったのだが、その映画とは……DCコミックヒーロー映画、『AQUAMAN』であります。
 わたしは散々このBlogでも書いている通り、MARVELヒーロー映画は大好きだけれど、どうもDCヒーローはBATMANとWONDERWOMANしか好きになれずにいた。まあ、そのために、公開してすぐ観に行かなくてもいいか、とか思っていたのも事実である。さらに言うと、おととしの『JUSTICE LEAGUE』もかなり微妙な作品で、いよいよ公開される『AQUAMAN』に関しても、正直、まったく、1mmも期待していなかったのだ。どうせまた、相当アレなんでしょ……と小馬鹿にしていたわたしの方こそのバカだった!! はっきり言ってわたしは今日観た『AQUAMAN』が超面白くて、思いっきり楽しめたのであります。いやあ、これはイイっすねえ!
 というわけで、以下、ネタバレに思いっきり触れると思いますので、まだ観ていない方は今すぐ退場して、映画館へGO!でお願いします。ま、別に話を知ってても楽しめると思うけど。

 どうですか、この予告は。もう、全く見たいという気持ちを起こさせないというか、クソつまらなそうに思えませんか。少なくともわたしは、この予告を観た時、こりゃあまた香ばしいクソ映画っぽいな、と感じたのは確かだ。つうか、ガキ臭せえマンガじゃねえか、と。
 そして観てきた今でも、その印象はほとんど変わっていない。ズバリ、もう漫画そのもの、な映画であったと思う。
 しかし、だ。そもそも、DCコミック=漫画なんだから、実際あったりまえなのである。そして、わたしが本作を気に入った最大の理由はまさにそこにあって、「漫画に徹底している」のがとても気持ちイイのだ。『MAN OF STEEL』に始まった、DCワールドに関しては、今までもう何回もこのBlogでその勘違いした「リアル」路線を批判してきた。しかしこの映画『AQUAMAN』は、見事に今までの弱点を克服している作品だとわたしは思う。以下に、わたしがポイントだと思う点を列挙してみよう。
 1)ある意味テンプレな物語。だが、それがイイ!
 まずは物語である。ズバリ物語は、ある意味テンプレ的なお約束の展開で、ほぼ意外に思うことなんてなく、想像通りに進む、よくあるお話と断じてもいいのではないかと思う。だがこの映画は、例えるならば、全くの直球ど真ん中、そして「超剛速球」なのだ。
 その真っ直ぐでストレートなお話は、ここまで剛速球だと、もうそれは「テンプレ」とネガティブに思うよりも、「王道」とポジティブに評するしかないと思う。上映時間は140分超と意外と長いのだが、わき目も振らずに一直線に進む物語は、観ている観客にとっては全くストレスなく楽しめるし、その長さを一切感じさせないのも高く評価できるポイントだろうと思う。
 簡単に物語をまとめてみよう。時は1985年から始まる。とある灯台守の男が、嵐の夜、岩場に一人の美女が倒れているのを発見し、介抱する。そしてその美女は目を覚ますと、海底アトランティスの王女だという。親に決められた結婚を拒否して逃げてきたらしい。かくして出会った二人は恋に落ち、愛らしい男の子が生まれる。しかし男の子がすくすくと育つ中、海底から追手が現れ、「わたしがいては、あなたたちに危害が加えられてしまう。あなたたちのために、わたしは海に帰るわ」と、結局海に帰ってしまう王女。そして時は現代に移り、地上に残された息子はすっかり成長、ゴッツイおっさんとなって悪党退治にいそしむAQUAMANとして暮らしていたが、そこに海底から一人の美女が現れ、「あなたが海に戻って王位についてくれないと、あなたの弟が地上に戦争を仕掛けてくるわ。ついでに言うと、わたしはあなたの弟と結婚させられそうで困ってるんだけど」という話を聞き、ええ~オレは王の器じゃねーし……とか言いながら、いざ母の故郷の海底へ。そして海底のしきたりや、弟のことをよくを知らないAQUAMANは、王位継承の決闘に挑むことになるも、初戦は敗退、美女と共に「世界のどこかにある三叉の槍=トライデント」という最強武器を求めて旅に出るのであった……てなお話です。サーセン。超はしょりました。
 もう、いろいろ突っ込みたくなるのだが、これがなかなかどうして、ここまで剛速球のストレートだと、細かいことはどうでもよくなってきてしまうというか、面白く思えてしまうのだから不思議ですよ。わたしが一番謎に思ったのは、登場するキャラ達はものすごい勢いで水中を移動するのだけれど、ありゃ一体、どういう……仕組みというか理屈なんだろうか? いや、水を掻いている気配はないし、何かを噴出してジェット的に進んでいるわけでもない。物理法則は完全無視で、強いて言うなら、空を飛んでいるSUPERMAN的に「泳いでいる」としか見えないのだが……ええ、もちろんそんなことに一切の説明はありません。でもですね、どーでもよくなっちゃうんだな、そんなこたあ。
 そして物語は、当然伝説の武器を手にして勝利、無事に王座についてめでたしめでたし、である。こう書いてみると、オレは一体何が楽しかったのかさっぱり伝わらないと思うが、事実、面白かったとしか言いようがないのであります。
 2)とにかく映像がスゴイ!
 恐らく、ド直球の物語を、すげえ!と思わせるのに一番貢献しているのは、その映像そのものなのではないかと思う。恐らく水中シーンは、もうキャラクターを含めてほぼフルCGなのではないかと思う。それはそれで凄いのだが、一番すごいのは、カメラワークだ。とにかく動く! そして切れ目なし! 一体全体どうやって撮影したのか、どこからどこまでがCGなんだかさっぱり分からない映像のクオリティは、これはもう超一流だと言わざるを得ないだろう。この映像のすごさが、単なる直球ど真ん中の物語を「剛速球」に仕立て上げているとわたしは感じた。これはバットに当たっても、バットをへし折る勢いですよ。
 また、映像的な凄さは、まさしく漫画的表現にも通じるものがあって、漫画で言うなら「見開きでズドーーンと描かれる決めカット」もふんだんに盛り込まれており、観客の興奮を掻き立てることに見事に成功しているように感じられた。そう、極めて漫画に近い映像作りにも非常にセンスを感じさせるものがあったと思う。そういった画の作りこそ、演出というものだ。
 近年、コミック作品の映像化が当たり前となった日本の映画界(およびTV界)では、どこか勘違いしたような、漫画の絵をそのまま実写にしたような画をよく見かけるけれど、あんなのは演出なんかではなく、単に漫画の画をコピーしただけのものだ。本作はそんな下品なコピーなんかとは一線を画す、見事な作品と断言してもいいだろう。
 本作を撮ったのはJames Wan監督だが、わたしは彼の名を一躍有名にした『SAW』に関しては名作だと思っていたけれど、それ以降はとりわけ気にしてはいなかった。が、どうやらやはり彼は本物ですね。見事な演出だったとわたしとしては最大限の賛美をおくりたいと思う。
 3)何気に豪華なキャストが、超王道の剛速球を支えている。
 というわけで、各キャラとキャストを紹介しよう。ポイントになるキャラを演じる有名俳優がとても効いてると思う。
 ◆AQUAMAN=アーサー・カリー:主人公AQUAMANに関しては、わたしは実のところコミック版『AQUAMAN』を読んだことがないので知らなかったことが結構あって、意外と驚いた。わたしは『JUSTICE LEAGUE』でのAQUAMANしか知らなかったのだが、あの作品でのAQUAMANは、まあズバリたいして強くないくせに偉そうなキャラだったのだが、本作で語られたことによれば、深海の超高圧・極低温にも耐えられる体だそうで(ちなみにそのような体に「進化」したんだそうだ)、結果として、銃火器や刃物は一切効かないため、ま、普通の人間ではまず勝ち目ナシ、である。そして海に入ればほぼ無敵であるため、これは戦い方によってはチート宇宙人のSUPERMANにも勝てるのではないかというポテンシャルを持つ男である。そして海洋生物と意思疎通ができる謎能力の持ち主で、そのことが今回、ちょっとしたカギに(わたしは海底人なら誰でも持てる能力だと思ってたのだが、どうやら「王」の資質を持つ者の固有能力らしい)。ただ……残念ながら弱点は、あまり頭が良くないことかな……しかし、そのせいなのか、キャラとしては極めて素直で奢ることもあまりなく、ちゃんとそれなりに努力もするし、とても好感の持てる男であった。ごめんよ……『JUSTICE LEAGUE』しか知らなかったわたしは、君のことをただの脳筋かと思ってたよ……意外と素直でイイ奴だったんだね……。演じたのはもちろんJason Momoa氏39歳。そのあまりにワイルド&マッチョの風貌は、まさしくバーバリアンだけれど、コイツ、意外と人懐っこい笑顔がイイすね。なんつうか、わんこ的な陽キャラすね。今さらですが、結構気に入ったす。
 ◆メラ:アーサーを迎えに来た美女で、海底国ゼベルの王の娘。わたしはこれも知らなかったのだが、海底には7つの国があって、それぞれ王がいて、4つ以上の国の王が承認しないと、団体での軍事行動はできないというルールがあるんですな。へえ~、よく出来てんな、とわたしは感心したっすね。演じたのは『JUSTICE LEAGUE』にもちらっとだけ登場したAmber Heard嬢32歳。この人はいろいろ私生活が取りざたされたお騒がせ女優的なイメージがあるけれど、まあやっぱり、可愛いし美人ですよ。大変結構かと思います。 もちろん、アーサーとFalling Loveな展開ですが、そりゃ惚れるでしょうよ。しょうがないす。
 ◆バルコ:アトランティス帝国の参謀であり、アーサーが子供のころから、折に触れて地上へやってきては、格闘術をアーサーに叩き込んだ師匠でもある。子供相手の特訓シーンなんかも、ホントにお約束というか、鉄板でしょうな。演じたのは、名優Willem Dafoe氏63歳。ホントにどんどん渋くなっていい役者ですなあ。来週発表されるアカデミー賞では、ゴッホを演じた役で主演男優賞にノミネートされてますが、そういやゴッホによく似てるすね。いつも、強烈な印象を残してくれる名優ですよ。今回もとても素晴らしかったと思います。
 ◆オーム王/オーシャンマスター:アーサーの異父弟で、現在のアトランティスの王。自ら雇った地上人に海底を攻撃させ、それを自ら撃退するという自作自演で「ほらみろ、地上から先に攻撃してきたんだから、団結して地上に戦いを挑もう!」と海底の国々をまとめて地上侵攻を説く、本作のVillain(=悪役)。演じたのは、わたしが大好きな超名作『WATCHMEN』でナイトオウルIII世を演じたPatrick Wilson氏45歳ですよ! 兄貴が大嫌いと言うキャラ付けは、なんとなく銀河一の愚弟ロキ様を思い起こさせるけれど、負けた後は意外と素直で、ロキ様的な知略はほぼナシで、その気持ちのイイやられっぷりも、本作の剛速球感に貢献していると思う。見事でした。
 ◆アトランナ:アトランティスの前女王にしてアーサーとオームの母。アーサー出産後、海底に戻り、やむなくアトランティス王に嫁いでオームを産むが、アトランティス王は地上でのアーサー出産にずっとイラついていて、いつまでたっても自分をちゃんと愛してくれないことに嫉妬しまくり(?)、なぜか海溝族(?)の化け物半魚人たちにアトランナを生贄としてささげてしまう。その後生死不明だったが――ええ、もちろん死んでません。漫画的お約束ですな。そして演じたのはNicole Kidmanさん51歳。とても51歳には見えないのに、全然整形感がない天然物の美人ですな。もはや名優と言っていいNicoleさんが、本作のようなコミックヒーロー映画に出て、それっぽいコスチュームを身にまとうというのもイイすね。物語の本物感に貢献していると思います。全くどうでもいいことだけど、『JUSTICE LEAGUE』でAQUAMANが使っていた、5ツ叉の槍は、このお母さんが地上に残していったものだったようです。
 ◆トム・カリー:アトランナと出会って恋に落ちる地上人で、アーサーの父。わたしは直感的に、あれっ!? この役者、絶対知ってる、誰だっけ……とか思っていたのだが、ラスト近くで再登場した時、はっきり思い出した。この人は、つうかこの顔は、まさしく銀河賞金稼ぎでお馴染みのボバ・フェットの父、ジャンゴ・フェットをEP:II で演じたTemuera Morrisonさん58歳ですよ! あっ! この人、ジャンゴだ! と分かった時は超すっきりしたっす。16年ぶりにお見かけするジャンゴは、すっかり渋いおじちゃんになってました。
 ◆ネレウス王:メラの父でべセルの現王様。地上侵攻に消極的だが、オームの自作自演にまんまと引っ掛かり、何となくしぶしぶと地上侵攻に協力。強いのか弱いのかかなり微妙なお方。そして、こちらはわたし、恥ずかしながら全く気が付かなかったのだが、なんと演じたのはドラゴでお馴染みDolph Lungren様61歳であった。そして言われてみればもう、Dolph様以外の何物でもなく、気が付かなかった自分が情けなしである。エンドクレジットでDolph様の名前を観て、あっ!?っと思ったす。
 ◆ブラック・マンタ:コミックAQUAMANでは有名なVillainで、わたしも名前は知ってたけど……今回のブラック・マンタは、全く同情の余地なくただのクソ悪党で、単なる逆恨みで戦いを挑んでくるだけのやられキャラに過ぎないのだが、なんであんな余計な終了後のおまけシーンをつけたのか、そこだけほんとに不要だったと思う。しかしビジュアルはクラシカルな漫画チックで良かったすね。演じた役者は全く知らない人なので省略!
 他にも、CGで加工されてるから全く分からないけどDjimon Hounsou氏が出ていたり、「トライデント」を守る巨大な怪物、の声を、なんとJulie Andrewsさんが担当していたりとやけに豪華なキャスト陣が、それぞれ確かな演技で「王道」の物語を支えてくれている。そこを、わたしは「剛速球」と讃えたいのであります。

 というわけで、もう長いので結論。
 これまで、どうもDCコミックヒーロー映画は、正直イマイチな感じであったが、今回『AQUAMAN』観て、ちょっとだけ、だけど考えを改める必要を感じたのである。『AQUAMAN』という映画は、超感動したとか、そういうたぐいの映画では全然ない。けれどそこには、わたしが、あるいは日本人男子ならかつて間違いなく感じたであろう、ヒーロー漫画への愛と興奮が存在しており、大変楽しめたのであった。王道で、直球の物語は、ここまで本気で剛速球で描かれると、もうただただ、その世界に浸って楽しむのが正しいと思うすね。ツッコミどころも満載だけど、いいんだよ、もうそんなことは。そして主役のAQUAMANを演じたJason Momoa氏だが、ホント、いかつい凶暴な風貌のくせに、なんか人懐っこさのある、ホント大型犬みたいな役者っすね。気に入りました。まあ、恐らく続編もあり得るんだろうけど、一言だけ言うならば、ブラックマンタはもう出てこなくていいと思います。以上。

↓ ちょっと、ちゃんと勉強したいす。
アクアマン:王の最期(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)
ジェフ・ジョーンズ
小学館集英社プロダクション
2017-01-25

 特に根拠はないけれど、人類は有史以前から、空に浮かぶ「月」に、様々な想いを抱いてきた生き物だと思う。その月に、人類が初めて降り立ったのが1969年7月20日。今から約50年前のことだ。わたしは生まれて数カ月の赤ん坊だったので、当然ながら全く記憶にないが、既に80代のばあさまになった母の話によると、そりゃあまあ、大興奮でその様子を見守ったらしい。今調べてみたところ、日本時間の朝の5時17分のことで、NHKで生中継され、視聴率63%だったそうだ。
 わたしは今日、雪の降る中、チャリをブッ飛ばして10分ほどの地元シネコンへ映画を観に行ってきた。幸い雪は大したことがなく、全然余裕で行って帰ってこられたのだが、今日観た映画は、『FIRST MAN』。人類初の月面到達を果たし「最初の男」となったニール・アームストロング氏の、月面への道のりを描いたものだ。
 この映画は、US本国では去年の10月にとっくに公開になっていて、わたしも10月に台湾に行った時に観ようと思っていたけれど、ほぼすべてのハリウッド作品が同時公開される台湾でも、なぜかちょうどわたしが行った次の週からの公開で観ることができず、早く観たいなーと思っていたので、雪に負けず外出したわけだが……まあ、ズバリ言うとかなりわたしの期待からは下回っていたかな、というのが素直な感想である。
 まずは予告を貼っておこう。そして以下、ネタバレに触れる可能性が高いので、気になる方はこの辺で退場してください。

 さてと。ところで、わたしはもちろん、アームストロング船長のことは常識として知ってはいたものの……さっき調べて初めて知ったのだが、実は、人類はこれまで、9回も月に降り立っているのである。これって常識? 誰でも知ってることなのかな? しかも6回がUS、そして3回が当時のソヴィエトである。わたしはさっき、あ、なんだ、ソ連も有人月面着陸に成功してたんだ? とちょっとびっくりしてしまったのである。
 まったくもってわたしの無知が露呈される恥ずかしい事実だが、まあともかくとして、USは1973年以降、ソヴィエトは1976年以降は一度も月へ降り立っていない。普通に考えて、50年前の技術水準で達成できたのだから、現代の21世紀の技術なら楽勝なんじゃね? とか思えてしまうものの、実行には移されていない。それは一体なぜなんだろう? これも常識的に考えれば、莫大なコストに見合う、リターンがないから、であろうと想像できる。ある意味夢のない話だが、それが現実なんでしょうな。
 しかし、本作で描かれる1960年代は、行く理由が存在していたわけだ。それは、いわゆる「冷戦」においての、USとソヴィエトのマウントの取り合いである。要するに、どうだ、おれの方がすごいんだよバカヤロウ!的な、意地の張り合い、と断じていいのではなかろうか。そして現代においては中国がまた今さら宇宙開発にご執心で、これもまた、我々凄いだろ!という世界へのアピールのようなもので、なんつうか、そのうち漫画『ムーライト・マイル』で描かれた人類初の宇宙戦争が始まってもおかしくないような事態になっている。これもまた、夢のない話だけど。
 さて。わたしは本作の予告を最初に観た時、これはきっと、過酷な訓練の様子とか、アームストロング氏の月への執着みたいなものが描かれるのだろう、つまり名作『THE RIGHT STUFF』的な映画なのだろうと勝手に想像していたのだが、結論から言うと、全く違っていて、実に「地味」であったように思う。
 わたしがこの映画で、問題だと思ったのは、なんかイマイチ盛り上がらない物語と、撮影・演出の両面である。
 ◆アームストロング氏が地味な人すぎる……ような気がしてならない。
 これは、演じたRyan Gosing氏のキャラのせいかもしれないけれど……いつもの無口なGosling氏で、感情の起伏が、実はすごくあるんだけど、グッッッッ!と抑えるタイプのお人のようで、熱くないんだな。クールというかニヒルというか、とにかく、いつものお馴染みのRyan Gosling氏なのである。それはそれで、カッコいいことはカッコいいんだけど、どうも物語的にもヤマ場がないというか、ある意味淡々としていて平板だったように感じた。
 この点では、『THE RIGHT STUFF』の主人公チャック・イェーガーはもっと熱い男だし、なにしろ「ヒーローになれなかった、栄光の陰に隠れた男」的な、ある意味でのダークヒーロー的なカッコ良さがあって、わたしは映画としても、本作『FIRST MAN』よりも圧倒的に『THE RIGHT STUFF』の方が面白いと思う。
 ただし、やっぱりラスト近くで、アームストロング氏が月で、夭逝してしまった愛する娘の形見をそっとクレーターに落とすシーンのRyan氏の表情は、抜群に良かったと思う。あそこは超グッと来たすね。でも、それまでずっと宇宙服のヘルメットのミラーバイザーを下ろしてるから、表情が分からないんだよな……。せめて有名なあのセリフ、
 That's one small step for man, one giant leap for mankind.
 (これは一人の人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な飛躍である)
 を言うところは、ちゃんと表情を見せてほしかったよ……。そういう点も、わたしが文句をつけたい演出上のポイントだ。
 ◆粗い映像、ブレブレ&ピンボケ、な映像はどうだろうな……。
 わたしは本作の監督、Damien Chazelle氏の前作『LA LA LAND』は大好きだし、あのダイナミックなダンスシーンの一発撮りや、ポップで可愛らしい色使いの衣装など、とても才能あふれた監督だと思っているけれど、本作は、『LA LA LAND』で見せてくれたようなポイントは鳴りを潜めていたように感じた。
 まず、粗い映像に関しては、60年代当時の雰囲気づくりのためのものであろうことは理解できる。この超高解像度時代に、古いフィルムのような質感の映像は、まあそれなりに意味はあるんだろう。けど、観客として言わせてもらうと、現代の鑑賞環境にはそぐわないと思うし、むしろ超ぱっきりした画で見せてもらいたかったようにも思う。その方がいわゆる没入感は上がると思うのだが……一方では、先日観た『MARRY POPPINS RETUNES』では逆に1930年代なのにくっきりはっきりした画が妙に現代的に見えてしまったので、さんざん文句を言っといてアレですが、本作のような粗い映像はアリなのかもしれないな……わからん……
 ただし、である。ラスト近くの「月面」だけは超くっきりはっきりな映像で、IMAX撮影らしいのだが、ここはやっぱり超見どころの一つであったと思う。粗い映像は、ここの月面シーンを強調するためでもあったのだろうか?
 また、一つ特徴として、顔のアップや一人称視点の画が多用されているのだが、カメラがぶれまくってピントまで外していて、非常に観にくかったのは間違いないと思う。もちろん、訓練や宇宙船内で発生するガタガタガタという振動はしょうがないというか全然アリなんだけど、そうでない普通のシーンでぶれまくるのは、とても観にくい画だと思う。
 またクローズアップや1人称視点だと、周りで何が起こっているのか非常に分かりにくい。月面への着陸シーンも、ほぼキャラクターのクローズアップで、外の様子が、ごく小さい窓からちらちら見える月面の様子だけだったため、どんな姿勢なのかさっぱり分からないのだ。こういう点は、観客にとってストレス以外の何物でもないわけで、映画としてはやっぱりよろしくないことだとわたしは思っている。なんか、カメラアングルやオブジェクトの質感など、画としてNolan監督的なカットが多かったように思うが、Chazelle監督の腕がいいのは間違いないので、もう少し観客にとって分かりやすい映像であって欲しかったように感じた。
 おそらく、本作がUS公開から5か月後の今、日本で公開されているのは、今月発表されるアカデミー賞をにらんでのものだと思うが、恐らく本作はアカデミー賞にはぜんぜん届かないだろうな、とわたしは漠然と思った。実際ノミネートされたのは美術賞と音響編集賞と視覚効果賞だけか。それならさっさと去年中に公開してほしかったな……。【2019/02/25追記:本作は、アカデミー賞の中で唯一「視覚効果賞」だけ受賞しました。つまり、わたしが文句を言っている部分が逆に評価されているわけで、わたしの審美眼のなさが大変恥ずかしく情けないす。いや、ホントNolan監督的な画ですげえんだけど……観にくいんだよなあ……】
 というわけで、わたしとしては今イチ判定せざるを得ない結果となった『FIRST MAN』だが、キャスト的にも、わたしが、おっ!? と思った人は少なかった印象である。以下、2人だけ、物語の重要度に関係なく紹介しておこう。もう、主人公アームストロング氏を演じたRyan Gosling氏のことは説明しなくていいすよね?
 ◆ジャネット:アームストロング氏の奥さん。しかし、キャラ的にどうも微妙というか……重要度が低いというか……夫婦関係も、やけにアームストロング氏がクールすぎて薄く感じられてしまったすね。出てくる意味すら薄かったような……。で、演じたのが『The Girl in the Spider's Web』で3代目リスベットを演じたClair Foyさん34歳でした。先月観たばかりでリスベットの印象が強かったので、なんか妙に違和感というか、変な感じを受けたっす。どうでもいいけど、腕のそばかす?がすごくてずっと気になったすね。
 ◆バズ:宇宙飛行士の訓練仲間の一人で、いつも空気を読まないひどいことを言う、若干煙たがられている男なんだけど、最終的にはアームストロング氏とともにアポロ11号で月面着陸する「2番目の男」。彼を演じたのがCorey Stoll氏で、わたしは観ながら、コイツ絶対知ってる顔だ、けど、誰だっけ……? と気になって調べたら、この人は『ANT-MAN』のダレン・クロスを演じた人でした。ええと、イエロー・ジャケットとなる悪いヤツす。くそう、気付けなかったのは映画オタクとして恥ずかしいすわ。
 とまあ、以上、本作に関しては、正直期待よりかなり下だったかな、という思いが強く感じられ、もう書くことがなくなったのだが、やっぱり、「月」へのあこがれのようなものは、わたしにも強くあって、政治的な判断によるアポロ計画の推進と中止に翻弄された人々には申し訳ない気がするけれど、単純に、無邪気に言うと、やっぱりわたしも月に行ってみたいですよ。だからアームストロング氏がうらやましいと思うし、すげえなあ、いいなあ、ととても思う。まあ、わたしが月へ行くことは生涯ないと思うけれど、あと50年ぐらいしたら、観光地となってるかもしれないですな。ま、わたしは空を見上げて、行ってみてえなあ……と思うことで我慢しときます。

 というわけで、さっさと結論。
 結構期待していた映画『FIRST MAN』が公開になったので、雪に負けず観に行ってきたのだが、ズバリ言うとイマイチ、だったと思う。それは、キャラ的な問題なのか、物語そのものなのか、どっちだか微妙だが、妙にクールで熱くなれなかったのが一つ。そしてもう一つは、若干演出的に問題アリ、だと思ったからだ。残念ながら監督のこだわりって、多くの場合観客にとっては意味がなく、逆にストレスになる場合があるもので、なんつうか、もっと何が起きているのかを観客が理解できる画にしてほしいと思った。なんか、いろいろ残念す。書くことがなくてどーでもいいことばかり書いてサーセンした。以上。

↓ こちらはもう、まごうことなき名作として超おススメです。とにかくイェーガーがカッコいい! ただし、上映時間が超長いす。そしてこの作品のメインテーマ曲は、絶対誰でも聞いたことがあると思うな。是非ご覧いただき、この映画の曲だったのか! と驚いてください。

ライトスタッフ (字幕版)
サム・シェパード
2013-11-26

 去年わたしは、渋谷のシアター・オーブにてミュージカル『メリー・ポピンズ』を観た。まあ大変楽しく素晴らしい舞台だったわけだが、その舞台を観る前に、わたしは予習として映画版もきちんと観ておこうと思った。遠い昔に観た映画の内容を完璧忘れていたため、それじゃアカンだろ、と思ったのである。
 幸い、1964年公開の映画版をWOWOWで録画しておいたので、すぐ観ることができたのだが、観てわたしはとても驚いた。歌は改めて聞いてみると、それなりに思い出せるというか、聞き覚えがあって、ああ、これこれ、なーんて気になるのだが、物語というか映像的には、なんだかもう初めて観るかのような気がして、とりわけ実写とアニメーションが融合する演出にびっくりしてしまったのであった。ああ、こりゃ凄い。そしてやっぱり楽しいな!? という感想をもって、舞台版ミュージカルを観に行ったのが去年の話である。
 そして時は過ぎ、ハリウッド映画版の公開から54年が経ち、この度その正統なる続編『MARY POPPINS RETURNS』の公開と相成った。当然わたしとしては、製作が発表になった時からわくわくしていて、公開を待ち望んでいたので、昨日さっそく観てきたのだが、ズバリ感想を一言で言うと、どうも乗れないというか……なんか若干冷めた想い? で映画館を後にしたのである。
 物語のせいではないと思う。キャストのせいでもないだろう。すごい熱演だったし。歌のせい……でもないと思う。そして演出が悪かったとも思えない。なんなんだろうな……この妙なモヤモヤ感は。というわけで以下、少し検証してみようと思う。

 というわけで。今回の『リターンズ』はオリジナル版から25年後、あのバンクス家に再びスーパー完璧ナニー(子守)、メリー・ポピンズがやってくる! というお話である。
 既に両親はなくなっていて、あのバンクス家の姉ジェーンと弟マイケルのチビたちがすっかり大人になっていて、バンクス家の屋敷はマイケルが家庭をもって住んでいる。とはいえマイケルは妻に先立たれ、3人の子供たちは淋しく思っており、おまけにマイケルがスットロイ男で、屋敷も借金の抵当に入っていて、いよいよ立ち退きを迫られていた。借金を返すためには、父が残した銀行の株が必要、だけどどこにしまったかまるで分らない。近所に住むジェーンも一緒になって家探しするが、がらくたばかりで大掃除しながら探すも株は見つからない。そしてそのがらくたの中には、あの「凧」もあって(これは前作を観てないと意味が分からんと思う)、もう捨てちまえ、と捨てると、風が吹き、凧は空に舞い上がる。そしてその凧を3人の子供たちが追っていくと……なんと、凧につかまって空から一人の美女が舞い降りくる! とまあ、そんな感じで物語は開幕する。その美女こそ、25年前にジェーンとマイケルが世話になった、伝説の完璧美女、メリー・ポピンズであった! てなわけである。いいすねえ! わたしはこのオープニングに、なんかとてもわくわくして、たぶんメリーが空から舞い降りてくるシーンは、ニヤニヤとしていたように思う。
 というわけで、つかみは超OKだったと思うし、この後の物語の展開もオリジナル版同様とても楽しく、問題なかったと思う。なので物語に問題があったとは思えない。そしてキャスト陣の熱演というか歌も、とても良かった。以下、主要キャラだけメモしておこう。
 ◆メリー・ポピンズ:ご存知凄腕の完璧ナニー。全く説明はなく、当然のようにふるまっているが、いろいろと謎に満ちた女子で、魔法のような謎パワーを持つ。25年経っても美女のままで、そりゃマイケルとしてはびっくりするよな。でも、予告にある通り女性に年齢を聞くなんて失礼なことはしてはならんのですよ。今回メリーを演じたのはEmily Bluntさん35歳。ファッション的にもとても可愛らしく、歌も大変良かったと思う。思うけど、やっぱりどうしてもオリジナル版のJulie Andrewsさんと比べてしまうわけで、Julieさん版のメリーには半歩及ばず、なのかなあ……いや、でも、とても可愛かったのは間違いないのだが……ううむ……Emilyさんが超熱演だったのも間違いないす。
 ◆マイケル・バンクス:オリジナル版のチビもすっかり髭のお父さんとして成長。ただ、どうやらマイケルは本業は画家、だけどそれだけでは生活できず、妻を亡くし、3人の子供を養うために、現在は父の勤務していた銀行でバイト(?)しているそうで、若干生活力はアレな、若干のぼんやりお父さん。演じたのは若き「Q」でお馴染みBen Whishaw氏38歳。前作では、お父さんとメリーの、まるでかみ合わない会話が笑えたのだが、今回はそういう点はほぼなし。そりゃそうだ、マイケルはメリーのことをよく知ってるんだからしょうがないよね。でもそのせいか、マイケルの存在感が薄いというか……ううむ……でもBen君の熱演は間違いないす。彼は何気に歌も良かったすね。なお、前作でのマイケルの「2ペンス」が今回のカギになる展開は、おお、そうきたか、と思ったす。
 ◆ジェーン・バンクス;オリジナル版のおしゃまなチビもすっかり大人の女に。未婚で近所のアパート暮らし、らしい。今回はジャックとイイ仲に(?)。演じたのはEmily Mortimerさん47歳。この方は、わたしは今までそれなりに出演作を観ているようだがほぼ記憶になく、ほぼ知らない方だったのだが、オリジナル版のジェーンの面影があるというか、とてもジェーンお姉ちゃんに似てる!と思ったす。
 ◆ジャック:ロンドンの街のガス灯を管理する点灯人。まあ、要するにオリジナル版の煙突掃除人バートの役と同じと思っていいだろう。バート同様に、ジャックもメリーのことを前から知っている。演じたのは、現代ブロードウェイの天才でお馴染みLin-Manuel Miranda氏39歳。まあ、さすがの歌のパフォーマンスは最高なんだけど、なんつうか……バート的なウキウキ感のような、ノリノリ感は薄かったような……バートの、あの超笑顔というか、ニッコニコの笑顔はなかったすね……そしてバートを50年前に演じたDick Van Dyke氏がラスト登場するのは驚きというか、93歳には見えないステップでカッコ良かったすね。
 ◆トプシー:メリーの遠い親戚だそうで今回の新キャラ。オリジナル版で言う、笑うと体が浮いちゃうアルバートおじさん的役割のキャラ。何でも直せる謎の修理屋さん。演じたのは大女優Meryl Streepさん69歳。Merylさんはまあ楽しそうに演じてましたな。歌もさすがの貫禄で文句なしっす。
 ◆風船売りのおばさん:新キャラで、前作で言うところのハトの餌売りのおばさんに近い役割。演じたのはAngela Lansburyさん93歳! わたし的には、このお方はかつてNHKで放送されてたテレビシリーズ「ジェシカおばさんの事件簿」のジェシカおばさんですな(日本語吹替は森光子さんだったと思う)。映画や舞台で数々の役を演じてきた大ベテラン。出番は少ないけど、印象的でしたね。
 ◆エレン:オリジナル版にも登場していたバンクス家の家政婦の毒舌おばちゃん。そして今回演じたのは、わたし的には『Mamma Mia!』でお馴染みJulie Waltersさん68歳。元気で良かったす。
 ◆銀行の社長:新キャラ。かつて父が勤務していた銀行の現在の社長。要するに悪役。演じたのは英国王でお馴染みColin Firth氏58歳。イヤな奴度は若干控えめというか、真面目に嫌な人でコミカルなところは薄かったような気がする。さらに、今回全体的に1930年代感を感じなかったのだが、それは画面がとてもきれいでリアルだったからのような気がした。小物とかファッションは、きちんと当時のものであったはずなのに、やけにきれいな映像が現代っぽいというか、1930年代であることを何か忘れちゃうような気がしたっす。
 ◆マイケルの子供たち:双子の長男・長女に加え次男、という3人きょうだい。今回の子供たちは最初から結構いい子で、ナニーの出番はあまりないというか、まあここがわたしとしてはポイントで、つまり今回、メリーはこの子供たちのために来たのではなく、あくまでマイケルのために再び現れたってことなんだと思った。
 とまあ、キャラと役者についてはこの辺にしておこう。まとめると、皆さんとても熱演だったし歌も良かったんだけど、どこかオリジナル版にあった、コミカル感、ウキウキ感が若干薄かったかな……という印象であった。なんなんだろう、わからない……曲調の問題なのかな? なんでオリジナルはあんなに楽しくウキウキに感じたのに、今回は若干薄めに感じたのだろう? うーーん……わからん……。
 わからんのだが、ひとつ思い当たるのは、映画館の雰囲気だ。わたしは結構、冒頭から楽しかったし、最初のお風呂から謎のファンタジー世界へ行ってアニメキャラと歌いまくるシーンなんて、超ワクワクしたけれど、そのシーンが終わった時、ミュージカルを愛するわたしとしては、もう拍手をしたくなるわけですよ。でも、なんか、当たり前だけど映画館はシーーーン……としていて、なんというか、妙に冷ややかに感じてしまったように思う。完全に他人のせいにしている自覚はあるけれど、なんか、映画館のシーーーンとしたリアクションは残念に思ったす。まあ、当たり前で仕方ないけれど。ひょっとすると、その余韻を観客に味わわせる演出がオリジナルにはあったのかもしれないな……。わからんけど。
 ところで、本作は最近のディズニー映画では当然の配慮として、日本語吹替え版のキャストが超本気であります。日本語吹替も観てみたいですなあ! 各日本語版キャストをメモしておくと、まず、メリーを演じたのは平原綾香さん! 去年の舞台版でもメリーを見事に演じてくれました。歌の実力はもう言うまでもないでしょう。来週、平原綾香さんの『ラブ・ネバー・ダイ』を日生劇場に観に行くのでとても楽しみです! 歌ってるシーンの動画があるので貼っておこう。

 やっぱり平原メリーはいいすねえ! そしてジャックは渋いイケボイスでお馴染みの岸祐二さんだし、トプシーはロビンちゃんでお馴染みの歌ウマ島田歌穂さん、マイケルの次男のジョン君は加藤憲史郎君、など、日本ミュージカル界ではお馴染みの方々を起用していて、とても豪華ですな。島田さんは舞台版ではハトの餌売りのおばちゃんを演じていて、その素晴らしい歌声は実にブラボーでしたな。

 というわけで、結論。
 いや、結論はまだ自分でも出てないんだけど……超期待した『MARY POPPINS RETURNS』は、面白かったし歌も素晴らしかったし、キャスト陣も問題ないとは思うものの、なんだか妙に気分が上がらないというか、ノリノリ感やウキウキ感は感じられず、なぜか冷静に?観終わったのである。その原因がどこにあったのか、自分としても結論は出ていないのだが、あれかな、オレが年を取ったせいかもしれないな……という気もしますね。そして、やっぱり日本語吹替版も観たいですな。きっと1年後ぐらいにWOWOWで放送されるだろうから、それを待とうと思います。お話としては、きっちりと見事な「続編」だったと思う。1年後ぐらいに家でもう一度見て、楽しもうと思います。まるで結論は出ないけど、以上。

↓ 実のところ、わたしはこっちの方が好きです。こちらも平原綾香さんの日本語版は完璧で素晴らしいす。字幕版・日本語版、両方観てほしいすね。





 世界的大ベストセラーとなったスウェーデンの小説『ミレニアム』シリーズ。作者のStieg Larsson氏は、その刊行目前で急逝されてしまい、後に自らの作品がウルトラ大ヒットとなることを知らずに逝ってしまわれたわけだが、亡くなった後で第3作目までが刊行されたのち、第4作目から別の著者を立ててシリーズは復活を遂げ、今のところ第6作まで発売されることが確定している。現在は第5作目まで発売されていて、第6作目は一応今年2019年の終わりごろには日本語版も発売されるはずだ(※毎回本国では9月ごろの発売の後、日本では早川書房様が頑張って年内に発売してくれている)。
 ま、この経緯は、今まで第4作目第5作目が発売になった時にこのBlogでも感想を書いているので、そちらを参照願いたいが、この度、第4作目の『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』がハリウッドで映画化され、先週から日本でも公開が始まったので、昨日、わたしもさっそく観てきた。
 感想をズバリ言うと、あれっ!? 第4作目ってこんな話だったっけ? と若干戸惑ったのだが、うーーーん……これは……どうかなあ……まあまあだったかな、ぐらいだろうか。残念ながら超絶賛! ではない。けど、つまらなかった、とも思わない。フツーに楽しめました、ぐらいの出来であったように思う。ひとつ、映像として、うおお!と大興奮したのは、リスベットがドカティで氷の張った湖(海?)を渡っていくシーンと、後半でランボルギーニ・アヴェンタドールをかっ飛ばすところすね。アレはとてもカッコ良かったです。
 というわけで、以下、ネタバレると思うので、まだ観ていない人は、ここらで読むのをやめて、劇場へGO!でお願いします。

 しかしなんつうか……このBlogは近年病的に記憶力の衰えた自分のための備忘録として書いているのだが……実はわたしは昨日、本作を観終わって、あまりに「こんな話だったっけ?」と自信がなかったので、小説版第4作目を読んだ時の自分の文章を読み直したのだが、ホント自分が嫌になるというかアホというか……ネタバレを避けるために、肝心のストーリーに関してはほとんど触れていない文章しか書いておらず、確かめられなかった。ならば原点に返ってチェックしよう、と思って本棚を漁って第4作目を探したのだが見つからず、あ、そうだ、4作目は友達に読めってあげちゃったんだ、ということを思い出した。まったくもって自分の愚かさが嫌になるわ……。
 ともあれ。
 わたしのうすらぼんやりした記憶では、映画版の本作『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』は、原作小説とかなり違っているのは間違いないと思う。でも、それゆえ面白くない、とは言わない。わたしがこの映画版を観て、ううーむ? と思ってしまったのは、我らが主人公リスベットが、3回大ピンチに陥ってしまうのが、なんかリスベットらしくないぞ、とか思ってしまったことにあるような気がするのである。あれって原作通りだったかな……思い出せん。。。
 それらのことに触れる前に、映画版の物語をごく簡単にまとめておこう。
 本作は冒頭、どうやら必殺仕事人めいた、「女の敵」である男をぶっ飛ばすリスベットの活躍が描かれる。これが原作にあったか覚えてないが、まあとてもカッコ良く、原作未読の一見さんを世界に招き入れるには大変イイ活劇だと思う。このスークエンスは、ほぼ本筋に関係のないものだが、とてもクールで、リスベットがどんな人間か、よくわかるような、いわゆるアバン的役割を果たしていると思う。
 で、本編はというと、とある天才(?)プログラマー(スウェーデン人)が作った、世界各国のミサイル防衛システムをハッキング出来てしまうプログラムがアメリカNSA(National Security Agency=国家安全保障局)のサーバーにインストールしてあって、それを、作ったプログラマー本人から、強奪してほしいとリスベットに依頼されるというのがメインの筋である。そのソフトはCOPY不可、MOVEのみ可能という仕様で、ま、リスベットは描写的には超余裕でハッキングしてあっさり強奪に成功する。しかし、そのプログラムの起動には、謎のパスワードがかかっていて、いかな天才リスベットにも解除できない。へえ~と思った(?)リスベットは、起動を試さず、素直に依頼主たるプログラム開発者に渡そうとするが、その夜、謎の集団がリスベット邸を襲撃、リスベットは辛くも助かるが、まんまとプログラムをノートPCごと強奪されてしまうのだったーーーてな展開で、そのPCの争奪戦が描かれるのだが、その背後には、リスベットの妹の影があり、さらにプログラム起動には、プログラマーの息子の超頭脳が必要なため、その息子も連れ去られてしまい、その救出ミッションも加わって来る、という物語でありました。
 どうですか。小説を読んだ方。これって、原作小説通りだっけ? なんか全然違うような……? でもまあ、原作通りであろうとそうでなかろうと、別にそれは大きな問題じゃあないと思う。映画として面白くて興奮するものなら、それでいいんだし。しかし、どうもわたしは、前述のように、ううーむ? と思ってしまったのだ。それは以下の点においてである。
 ◆後手後手に回るリスベット
 まあ、たしかに原作小説のリスベットも、後手に回って大ピンチになることは今までもあったとは思うけど、今回はちょっと、なんつうか、リスベットを知らない一見さんが本作を観たら、リスベットの凄さが若干損なわれてしまうのではなかろうか……というぐらい、後手に回ってしまって苦戦する。ま、苦戦しても勝つけど。たとえば……
 ・自宅破壊:これはリスベットがうっかり風呂でうとうとしてしまったのが原因だよな……リスベットらしくないような……まあ、きっちり避難して脱出して、全てを録画していたため犯人の手がかりもちゃんと得ていたから、アリ、なんすかね……。
 ・プログラマーを守れず息子まで連れ去れさられる:これも、うっかり監視映像から目を離したことがそもそも原因だったような……これもリスベットらしくないような……そして肝心のプログラマーを守れず息子を連れ去られてしまうのは原作通りだったかも。でもここは、映画的にはとてもカッコ良くて、薬物を注射されて意識朦朧になっても、気合でアンフェタミンを砕いて自分で摂取してなんとか追いかける、という一連の流れはとても良かったす。原作にあったかどうか、記憶なし。
 ・アジトへの潜入失敗、妹にあと一歩のところで殺されかける:ここも、罠にまんまとかかって大ピンチ、どころかあと一歩で殺されそうになって、リスベットらしくないような気もしたけど、これも原作通りだったのかも。ただ、この場面では、リスベットの信頼するハッカー仲間プレイグが大活躍して、謎のモーションセンサー?か何かを使った、空間認識システムで建物内の人の動きを察知する流れになるのだが、これは、実際のところ無理があるように思えるけれど、映画的(映像的)にはとても見応えがあって、NSAの青年がアンチ・マテリアル・ライフルをドッカンドッカン撃ちまくって援護するシーンはとても良かったと思います。あれはカッコ良かったですね。ただ、そのスナイプ中に敵に近寄られて反撃されたのは、ちょっといただけないですな。アレは苦笑せざるを得ないす。このプレイグ&NSAマンの大活躍が原作にあったか、記憶になし。あったっけ? プレイグが拉致されたリスベット(あるいは息子だっけ?)をGPSで追うのは原作にあったと思う。
 ◆ほぼ活躍しないミカエル
 なんというか、もし原作を全く読んでいない人が本作を観たら、シリーズのそもそもの主人公(?)、ミカエル・ブルムクヴィストのことを理解できたのだろうか? 今回の映画版ではほぼ活躍せずで、非常に影が薄いのが残念であった。やっぱり、ミカエルも活躍してくれないと『ミレニアム』っぽさが薄まっちゃいますな。これはとても残念だったと思う。ただ、この『ミレニアム』シリーズの映画は今回で3回目なのだが、ミカエルを演じた役者はこれまでで一番原作のイメージに近かったような気もします。それは良かった点ですな。最初のスウェーデン本国での映画化は、最初の原作3部作全てをかなり見事に映像化してくれた作品だけど、ミカエルを演じたのはその映画の後にハリウッドでも活躍して、おととし急逝してしまったMichael Nyqvist氏で(→わたし的には『John Wick』のマフィアのボスでお馴染み)、ミカエルにしてはちょっと年を取り過ぎじゃねと思ったし、かといって2回目のハリウッドによる映画化では、ミカエルを天下のイケメン007でお馴染みDaniel Draig氏が演じて、これはこれでカッコ良すぎるというか、強そうに見え過ぎていたけど、今回ミカエルを演じたSverrir Gudnason氏は、ちょうどいい塩梅だったように思ったす。あ、この人、スウェーデン人なんですな。ならちょうどいいすね。
 ◆原作から明確にカットされた、アレの件:ま、これはカットされて当然だろうな、と思った。原作では、リスベットは「WASP」というハンドルネームを使ってハッカー活動をしていて、この4作目の敵は「THANOS」を名乗っていたけれけど、今回の映画ではそのネタは一切カットでした。ま、WASPもTHANOSも、マーベルコミックのキャラなので、SONYの作品である本作ではちょっと扱えなかったのでしょう。ま、だからどうってことはないけれど、『ミレニアム』シリーズではハッカーのハンドルネームは重要なので、ちょっと残念でした。

 というわけで、原作ファンとしては(といいつつ物語をちゃんと覚えてないオレのバカ!)なんとなく全体的に薄味になってしまったように感じたのだが、映像のキレや、役者陣は大変良かったと思います。最後に各キャラと演じた役者、それから監督を紹介して終わりにしよう。
 ◆リスベット・サランデル:ゴスパンクなファッションに身を包み、映像記憶能力を持つ超キレる超危険な女子。「女の敵」を心から憎む。バイで女子も男もイケるお方。ガリガリのやせぎす。今回3代目リスベットを演じたのはClaire Foyさん34歳。わたしとしては歴代リスベットの中で一番、身体的特徴はリスベットっぽかったと思う。ちびっ子でガリガリ、という意味で。ただ、メイクが普通なのとピアスが少ないのが残念だったかな……。それと、リスベットにしてはやけに表情が豊かというか、無表情&つっけんどんじゃないのも、若干リスベットぽくはなかったような……。初代リスベットのNoomi Rapaceさんはもう雰囲気抜群のキレてるリスベットだったけど若干可愛くないのが玉に瑕、かもだし、そして2代目リスベットのRooney Maraさんは、髪型とかピアスだらけとか、そういう点では一番だったし、一番美人だったと思う、けど、ガリガリじゃあなかったすね。いずれにせよ、三者三様のリスベットは、実際のところ全員アリ、だとわたしは思います。
 ◆ミカエル・ブルムクヴィスト:既に書いたので省略! 原作ではある意味ではリスベット=ホームズ、ミカエル=ワトソン、的に、主人公として読者に代わってリスベットの行動を折ってくれる重要キャラなのだが、本作では、いかんせん存在感が希薄な役回りで残念す……。
 ◆カミラ:リスベットの双子の妹で不倶戴天の敵。今回演じたのはSylvia Hoeksさん35歳。オランダ人だそうですが、まあお綺麗な方ですよ! このお方は、超名作『BLADERUNNER2049』で、超おっかないレプリカントLUVを演じたお方ですな。今回、リスベット=黒、カミラ=白(というより赤)と対比を意識して演出されているようだったが、原作を読んでいる人ならカミラの姿に、おお!と興奮したと思うけど、正直この映画版だけだと、どうしても若干意味不明なキャラに思えたのではなかろうか。まあ、やっぱり背景や行動の目的などが説明不足だと思うし、かなり唐突感もあって、若干浮いてたようにも感じた。ただし、原作と違うラストは、本作の中ではちゃんとしかるべき流れになっているように思えたので、違和感はなかったす。
 ◆フランス・バルデル:問題のプログラムを作った天才プログラマー。彼の設定はかなり原作と違うと思う。そして彼を演じたのはStephen Merchant氏というお方なのだが、この顔は絶対どっかで見た、けど誰だっけ……と思い出せなかったのだが、インターネッツ神にお伺いを立てたところ5秒で判明した。この人は、『LOGAN』でチャールズおじいちゃんを看護してくれてた日光に当たるとダメなキャリバン、を演じた方っすね。でもあの役、ほぼミイラのような感じだったけど、顔って出てたっけ……
 ◆エド・ニーダム:NSAの男で、まんまとリスベットにプログラムを奪われ、その奪還のためにスウェーデンへやってくるが、自分も元伝説のハッカーで、のちに(やむなく)リスベットの援護に。スウェーデン当局に拘束された彼をリスベットが救うシーンは原作通りだったような気がする。けど、伝説のハッカーって設定だったか覚えてない……。演じたのはLaleith Stanfield氏。何気に凄くイケメンだと思う。出番は少ないけど、なかなか活躍してくれました。あ、なんてこった! この人、Netflix版『デスノート』でLを演じた方なんすね。確かに頭が良さそうな感じですな。へえ~。
 そして監督は、数年前妙に話題になった『DON'T BREATHE』を撮ったFede Álvarez氏。ウルグアイの方ですな。まあ、本作は映像的にはとてもキレがあって、かなりクオリティは高かったとは思う。脚本的にも、まったく原作未読でもわかるような流れはきちんと整っていたとは思う。けど……散々書いた通り、薄味というか、厚みがないというか、いろいろとうーーんな点があって、つまらなかったとは全然思わないけど、超最高だったぜ、とも思わない、フツーな出来であったと思う。残念ながらUS本国でも全世界でも、興行的には全然売れておらず、予算43M$で全世界興収34M$のようで、これでは続編は作れそうにないだろうな……。ああ、Rotten Tomatoesでも評価は低いすね……これは厳しいな……最後に言うとしたら、原作小説は面白いっすよ。作者は別人だけど、わたしはもう十分楽しめたっす。なので、ぜひ、原作小説を読むことをオススメします。

 というわけで、結論。
 世界的大ベストセラー『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』が映画化されたので、原作ファンとしては楽しみにしていたのだが、そもそも、わたしの低下した記憶力では原作がどんなお話だったのか、詳細は覚えていないという状態であるけれど、どうも、かなり原作と違っていた、ような気がする。そして、別に原作と違っていても、映画として面白ければいいのだが、全くダメとは言わないけれど、どうもキャラクター的にこの映画だけでは味わいきれないというか、かなり薄味の物語であったように感じた。なんかもったいないというか、残念です。原作のリスベットは、本当に魅力的でグイグイ物語に引き込まれるのですが……ううーーむ……であります。やっぱり大ベストセラー作品の映画化というのは難しいですな。わたしのように原作をちゃんと覚えてないくせに、偉そうに文句を言われちゃうんだから。つうか、そんな文句は言いたくなくて、本当は、ここが良かった! とほめる文章を書こうと思ったのに、ダメだったす。サーセンした。少なくとも、映像のキレは感じたし、スタイリッシュではあったと思います。今年、第6作が発売になるはずなので、それまでにもう一回4巻目も電子で買って読もうと思います。以上。

↓ 紙版は友人にあげちゃったので、もう一回、電子版を買う所存であります。
ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 上 (早川書房)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 下 (早川書房)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 以前、まったく同じこと書いたので繰り返しだが、すっかり立派な中年オヤジとなってしまったわたしにとって、青春時代とは、小学校~中学校~高校~大学入学までを過ごした80年代であったと確信している。そして映画オタクとして小学校低学年からせっせと映画館に通っていたわたしにとっては、『STRA WARS』という作品や、『ROCKY』『RAMBO』などで当時の世界のヒーローだったSilvester Stallone氏は、今のわたしを作り上げた重要な要素の一つだと思う。
 なので、約3年前の2015年12月、世は『STAR WARS』の10年ぶりの新作『Episode-VII』の公開に沸き返る中、わたしも当然かなり興奮していたものの、実は、同時期に公開されたもう一つの映画の方に、より一層大興奮していたのである。
 その映画のタイトルは『CREED』。このタイトルだけでわたしはもう大興奮だ。CREEDとは、それすなわち伝説のチャンプであり、後にロッキーの親友となる、アポロ・クリード氏のことだと0.1秒で分かるからである。そして、最初に公開された予告編を見たわたしは、もう泣きそうになったぐらい嬉しくなった。なんと、アポロJr.と思われる青年が、あの「星条旗パンツ」で戦っているじゃあないか! しかも老いたロッキーがセコンドに!! こ、コイツは傑作のにおいがするぜ……!? と思ったのである。
 そして『STAR WARS Ep-VII』の興奮も冷めやらぬうちに公開された『CREED』は、確かに非常に面白かった。とりわけ、老ロッキーのStallone氏はキャリア最高の演技だったと思うし(アカデミー助演男優賞はノミネートだけで受賞に至らず超残念!)、監督のRyan Coogler氏の手腕も極めてハイクオリティで、恐らくはほぼすべての人類が知っているあの「ロッキーのテーマ」を、ここしかない!というタイミングで使ってみせたり、なにより「アポロの息子をロッキーが育てる」という天才的なアイディアがとにかく素晴らしい作品であった。きっとCoogler監督はこの後すげえ作品を撮るぞ、と思っていたら、その2年後にはマーベルヒーロー作品でナンバーワンヒットとなった『BLACK PANTHER』を作り上げたのだから、その才能は本当に本物、であった。
 しかし――である。ここまで絶賛しておいてアレなんですが、『CREED』という映画には、わたしとしてはひとつ、重大な問題点があったとも感じている。それは……ズバリ言うと、主人公たるアポロJrの青年アドニス君が「何故戦うのか」という点に説得力を見いだせなかったのである。なにしろアドニス君はなかなかのリア充野郎であり、まったくもってハングリーじゃあない。そんな男が、ボクシングという世界で成功できるのか、つうかお前、ボクシングをする理由がほぼないじゃん、と思えたのである。『ROCKY』を思い出してほしい。ハングリーじゃないとダメなんすよ……ボクサーって奴は……。
 というわけで、以上はどうでもいい前振りである。昨日からとうとう日本で公開された『CREED II』を観てきたのだが、まずはやっぱり大感動したことははっきり言っておきたい。のだが、正直に言うと大絶賛というほどではないかな……という気もする。その辺りを、この文章を書きながら考えてみようと思います。
 もちろん以下はズバリネタバレてしまうはずなので、まだ観に行っていない方はここらで退場してください。今すぐ劇場へ観に行った方がいいと思います。

 しかし何で日本版の予告編ってのは……無駄なナレーションとか入れるのかなあ……何でも感動作にしようとするのはホントやめてほしい。ま、そんなことはどうでもいいけど、もう、本作の物語は上記予告で語りつくされていると言っていいだろう。アポロJrことアドニス君の前に「あの男」の息子が立ちはだかる!という基本プロットはもうファンにとっては大興奮の展開だ。
 その「あの男」とは、30年前に偉大なるチャンプ、アポロ・クリードをリング上でブッ飛ばし、死に至らしめた、「ソヴィエト連邦」が科学技術の粋を尽くしたトレーニングで作り上げたマシーン、あの、アイヴァン・ドラゴである! そのドラゴが、息子を引き連れてアドニス君の前に現れるというのだから、もう、ホントこのアイディアだけでわたしは白米3杯行けるのは間違いなかろう。
 ただ、わたしはふと、イヤイヤ、ちょっと待てよ!? とも思った。というのも、ドラゴによるアポロ公開処刑の件は、きっちりと、そして美しく、既にロッキーが落とし前をつけてくれているからである。
 しかし、予告では、どうやら怒りに燃えた老ドラゴが、ロッキー憎しの恨みに駆られて息子を、ロッキーの育てているアポロJrにぶつけようというお話らしい。これって……つまり「憎しみの連鎖」の話ってことか? とも思えてしまったのである。わたしとしては、アポロJr.とドラゴJr.にまでそんな重荷は背負ってほしくないし、むしろ友情が芽生えてほしいぐらいなのだが、きっとまあ、ゆとり乙なリア充アドニス君は、父の仇!とかカッとなって挑み、ボコられて負け、特訓して再挑戦して、最終的には勝って終わり、みたいな感じなんでしょ、とテキトーな予想をしてしまったのもまた事実である。これじゃあ、アドニス君がリングに上がる理由なんて、もうちゃんと描かれないんだろうな……と若干の失望を、観る前からアホなことに感じていたのだ。
 しかし! 結論から言うとわたしの予想はほぼ的中していたのだが、わたしはやっぱりアホだった!! 観ながら、これはわたしが全然間違っていたことを痛感したのである。ズバリ言うと、わたしにとってこの映画は、アドニス君の物語ではなかった。この映画は、30年前にロッキーに敗北し、全てを失った男、アイヴァン・ドラゴと、栄光を手にしながらも、同じように全てを失った老人、ロッキー・バルボアの物語であったのである。わたしはもう、ラスト近く、かつて30年前にロッキーが「出来なかったこと」を、歯を食いしばって行ったドラゴの行動に涙しそうになったすね。
 そう。かつて、ロッキーは親友となったアポロがドラゴと戦うことになった時、必死で止めた。けど、アポロはリングに上がってしまい、それならばとセコンドを買って出た。そして、絶望的な試合展開に、もう無理だと何度もアポロを止めようとした。けど、それも出来なかった。それはもちろん、アポロの戦う理由が、自らの誇りのためであり、その強い意志を尊重したため、ではある。が、その結果、アポロは逝ってしまった。そう、ロッキーはアポロを止めることが出来なかったのだ。そしてそのために自らが戦っていわゆる「復讐」を遂げることに成功したけれど、やっぱりどうしても「あの時止めていれば……」と悔やんでしまうのである。いわゆる「復讐は何も生まない」というやつが、ロッキーを今もなお、苛んでいるのだ。
 しかし! 今回、ドラゴは息子のために、未来のために! なんと「タオルを投げた」のだ!!! 何と美しいシーンだっただろう! ロッキーがあの時どうしても出来なかったことを、30年後にドラゴが、歯を食いしばってやってのけたのだ! わたしはホントに、感動したっすね! あのシーンの、ドラゴを演じるDolph Lungren氏の表情はもう、最高の、渾身の演技でしたなあ! 最高にカッコ良かったすねえ、ホントに。
 そして一方のロッキーも、アドニス君を止めようとしても止められず、「家族や未来を考えろ」と説教しても、アドニス君に「じゃああんたは考えてたのかよ!?」と反論されて、「ああ、確かに考えてなかったな……」としょんぼりしてしまう。ロッキーは愛する妻エイドリアンに先立たれ、息子のロバートともうまくやって行けず、孤独な老後を淋しく送っている。しかし、タオルを投げたドラゴを観たロッキーは、アイツに出来たならオレにも出来る!的に、意を決して、なんだか恥ずかしそうにロバートの家を訪ね、初めて孫に会いに行くのだ! あのラストシーンを観ましたか!? あの恥ずかし嬉しそうなあの笑顔を! しかもこの、ロッキーJrことロバートを演じた役者には、ちゃんと、『ROCKY BALBOA』(2006年の作品だから10年以上前!)でロバートを演じたMilo Ventimiga氏を起用していて、ファンとしてはもう、最高にうれしい配慮だったと称賛したい。こうして、ロッキーとアポロとドラゴの、30年にわたる戦いは大団円を迎え、「憎しみの連鎖」はドラゴがタオルを投げたことによってきちんと断ち切られたわけで、わたしはホントに美しい物語だと感動したっすね。最後のエンドクレジットで、脚本がStallone氏本人であることを知って、超納得である! これは、Stallone氏にしか書けなかった物語だとわたしは強く思う。

 というわけで、わたしはラストには大感動しちゃったわけだが、そこに至る道のりは、結構な頻度で、なんかなあ……と思っていたのも事実である。もうめんどくさいので、おお! と興奮した部分や、えええ……と思ってしまった部分を箇条書きでまとめよう。思いついた順に書くので物語の順番とは一致しません。
 ◆アドニス君のファイトスタイル
 やっぱり、どう考えてもドラゴJrとの初戦は無謀すぎたでしょうな。誰がどう見ても不利だったと思う。それはもう体格からして明らかで、身長は10cmぐらいは低いし(=リーチが短いし上方向にパンチを出すのは難しい)、ウェイト(=質量が違えば単純な破壊力も違う)も相当違う相手だし。ボクシングにおいてそれは致命的ともいえるハンデであって、そこまで体格差がある相手と戦うならば、スピード(=相手のこぶしを喰らわない)とインファイト(=離れたら相手の拳だけが届くので自らの間合いの接近戦を挑む。そして上にある頭ではなく目の前のボディを徹底して叩く)がカギになるはずだ。が、アドニス君はまったくスピードもないしインファイトの練習もしない。なので、わたしはなんかずっとイラついていた。それじゃアカンよ……と。そして案の定、あっさり負けた後、ロッキーがセコンドに復帰して、『ROCKY IV』ばりの大自然トレーニングで大復活という流れは、まあアリだけど、なんか、どうにもアドニス君が「強いボクサー」に見えないのが、ちょっと残念であったように思う。
 あと、今回若干不満なのが、「ロッキーのテーマ」は、この大自然トレーニング終了時に高らかに鳴り響いて、試合になだれ込む展開であってほしかったなあ……「ロッキーのテーマ」の使い方は、前作の方が圧倒的にうまかったと思います。どうせなら、お前には野獣の眼がない!とロッキーがアドニス君に言ってから大自然トレーニングが始まって、「EYE OF THE TIGER」が流れたら最高だったんだけど……。そう、実は本作は、物語的には『ROCKY III』に近いんすよ……。それにもう一つ、今回は黒ベースの「次世代星条旗パンツ」にバージョンアップされてましたが、やっぱり伝統の赤/青/白の方がカッコイイすね。今回はドラゴJr.が「ロシア国旗パンツ」で白/赤/青だったので、かぶっちゃったってことかな……残念す……。
 ◆アドニス君の闘う理由
 わたしが最も重要視していた、リア充のアドニス君が戦う理由については、結局「俺はリングで生きる男なんだ、リングにいる俺こそ俺なんだ」的な解釈であったように思う。これは前作でも同じような感じだったと思うのだが、じゃあなんでそう思うのか、については、誇り高き伝説のチャンピオン、アポロの息子だから、としか思えないのも、やや残念に思った。でもまあ、それしか描きようがないのかな……。でも今回は「父の復讐」という呪縛からはきちんと抜け出し、「自分のために戦う」と思えたことは良かったすね。ここでは、アドニス君のお母さん(=アポロの未亡人)の台詞が効いたっすねえ! あのお母さんの「戦いたいならおやんなさい。あなたは大人、自分で決めなさい。でも! わたしのためとか、お父さんのためとか、そんなこと言われるのは心外だわ! 断じてお断りよ!」的なことを言って激怒するのは実に痺れたっすね。復讐なんて誰も望んでないし頼んでもいないわけで、そこに気付けた(?)のは良かったすな。
 ◆アドニス妻(=歌手)、なんとアドニス君の入場曲を自ら歌ってリングへエスコート
 アレはいらないと思います。必要だったか?? なんか、もうチョイ、エイドリアン的なしおらしさ?というか、けなげさがあった方がわたしは好きです。つうか、普通は止めると思うのだが……。そう考えると、やっぱり『ROCKY』シリーズにおけるエイドリアンの役割は大きかったんだなあと思ったす。息抜きしたいからスタジオ行って来る、子供はお願い、と赤ん坊をアドニス君に預けてさっさと出かけちゃうのも、まあ現代の21世紀的なんでしょうな。基本的に、わたしとしてはほぼどうでもいい存在であったアドニス妻でありますが、歌はちゃんと演じたTessa Thompson嬢が歌ってたようです。でもあれ、上手い……か?
 ◆なんと驚きの人物の登場!
 わたしは、まさか、この映画にStallone氏の2番目の妻でお馴染みのBrigitte Nielsenさんが登場するとは思っておらず、スクリーンに現れた時は大興奮したっすね! しかも役柄は『ROCKY IV』の時と同じドラゴの妻であった。正確に言うと、ドラゴがロッキーに負けたことで、さっさと離婚したようなので「元」妻なのだが、ドラゴにとっては自分を捨てた女、そしてドラゴJrにとっては、自分を捨てたお母さん、という、二人にとっては愛と憎しみの入り混じった対象として、物語上結構重要な役柄であったと思う。まあ、すっかり年を取られているのに、30年経っても相変わらず冷たいまなざしのお方でした。もちろん演技上の表情ですが、実際お見事でしたね。しかし、当時の「ソヴィエト連邦」は今はなく、ドラゴはウクライナ(キエフ在住)人であることが判明しましたが、それでも元妻が「ロシア」の大使たちと出てきちゃうところがおそろしあ……と思ったす。
 ◆デュークよ、いつのまに……
 デュークというのは、かつてのアポロのトレーナーで、アポロ亡き後はロッキーをサポートしてくれたし、最終作の『ROCKY BALBOA』でも手伝ってくれた男なのだが、前作には登場しなかったことがわたしはとても残念に思っていた。しかし、今回アドニス君がロッキーにセコンドを断られて向かったのは、あの、デュークのジムでありました、が、なんとどうやらデュークは既に亡くなっていて、今回はデュークの息子がアドニス君をサポートしてくれる展開でした。これって……わたしが忘れてただけかなあ?? デュークよ、いつのまに亡くなってたんだ……。そして、デュークJrがイマイチ有能でなかったことも残念す……。

 とまあこんなところかな。もう、本作は有名役者ばかりなので、役者陣のメモは書きません。えーと、ここまで書いて触れてないのは、肝心のアドニス君を演じたMichael B. Jordan君だけかな? もう説明は必要ないすね。結構イケメンだと思うし、やっぱり演技も素晴らしい若者ですよ。今後を期待したいですな。監督は……Steven Caple Jr.という方だそうだが、知らない人だなあ……どうもまだ長編2作目の新人?監督さんみたいすね。演出的には、ここがスゴイ、ここがアカン、とかは特に感じなかったです。前作のRyan Coogler監督のような長まわし(のように見える流れるようなカメラワーク)も、ちょっとだけあったかな。特に、メモしておくべきことは思いつかないす。
 
 というわけで、もうクソ長いので結論。
 わたしの大好きな映画『ROCKY』シリーズ最新作!と言ってもいい新作『CREED II』がUS公開から2カ月たってやっと日本公開となったので、さっそく観てきた。物語としては、わたしは大感動したのだが、それはあくまでロッキーやドラゴと言った、「既に終わった人」に対する深い共感であって、おそらく『ROCKY』愛に溢れていない人には、理解してもらえないものだと思う。そして肝心の主人公アドニス君に対しては、やっぱりどうしても前作同様に深い共感は抱けず、であった。とりわけ、アドニス君の妻に関しては、共感ゼロどころかマイナスですよ。なんつうか、これはもう、完全にわたしが人生を終わりつつある中年オヤジだからなんだろうな……。だってしょうがないじゃない。それが現実なんだもの……。いやあ、それにしても老いたるStallone氏はホント、渋いですなあ! わたしにとって永遠のヒーローっす。以上。

↓当然本作はコレを観ていないとお話になりません。つうか、シリーズ全作を観てないとアウトです。
ロッキー4 (字幕版)
シルベスター・スタローン
2015-10-07


 というわけで、2018年も残りわずかであります。
 わたしは映画が大好きで、劇場で映画を観た後はせっせと感想をこのBlogに綴っているわけだが、おそらくはもう今年は劇場へ行くことはないと思うので、例年通り、2018年に劇場で観た映画の一覧メモをまとめようと思います。今年、2018年はどうやら38本の映画を劇場に観に行ったみたいですが、これはここ数年では久しぶりに40本割れと少ない本数で、どうも、コイツは観に行かないと! と思える作品が少なかったような印象があります。それともオレがサボっただけか……?
 そんな気もするので、さっそく一覧としてタイトルを挙げていきたいのだが、数えてみたら、38本のうち邦画は7本であった。わたしは基本的にハリウッド大作万歳な昭和な男なので、この邦画が7本というのは、実は結構意外に多くて、あれっ? 意外と邦画も観てんだな、と思ったす。
 そして毎年恒例のオレベストですが、今年はやっぱり難しいなあ……上位は堅いのだけれど、6位から10位は、ほぼ同格ぐらいかなあ、という気がします。
 なお、基本的にタイトル部分に観た時の記事をリンクしてあるので、詳細を知りたい人がいるとは思えないけど、詳しくはタイトル部分をクリック or タッチしてみてください。
 それでは、行ってみよう! 長いぞ~……。

【1月は5本観に行った】
 ◆『Kingsman: The Golden Circle』 キングスマン:ゴールデン・サークル
 前作からしてあまり気に入った作品ではなかったのだが、なんつうか、前作の思わぬヒットで急ごしらえで続編を作りました、的な空気を感じたというか……生きてたんだ!? という前作キャラの大復活でビビったす。まあ、前作が好きな方には最高でしたろうて……。わたしはもういいや。
『嘘を愛する女』
 予告は超イイ出来だったのに、もうちょっと、美術や設定をちゃんとしてほしいと思った。あんなきれいな空き家があるか? とか、震災の日の寒さを憶えてねえのかなあ? 的な、どうでもいいけど、どうでもよくない製作面でのアラが目についてしまって、なんだか楽しめなかった。とにかく嘘くせえというか……。ただし、わたしとしては長澤まさみ嬢のラストの長回し芝居は大変良かったと思います。あそこだけかな……。
『GEOSTORM』 ジオストーム
 わたしの大好物、ディザスター・ムービーかと思ったら大間違い。単なる人災であった点が残念無念。CGを含め、映像的にはすっごいクオリティだけれど、いかんせん脚本的にアレだったすね。そしてこの映画でも日本は完全に空気で出番ナシ(ただし東京は破壊されるシーンあり)。実に残念かつ興ざめですなあ。
『THE DARK TOWER』 ダーク・タワー
 わたしが世界で最も好きな小説家、Stephen King大先生のライフワーク、『ダークタワー』を映画にしよう、と思ったその気合と根性を買って、オレ的2018年ベスト第8位に推したい。はっきり言って、本作は長大な原作をすべて読んでいないと、全くもって、1mmも面白くないと思う。けど、読んでいるわたしには、そこかしこに漂うダークタワー・エッセンスが極めて好ましく、実に悪くないす。ラストの薔薇がお見事でした。黒人ローランドはアリです!
『DETROIT』 デトロイト
 この映画を観ると、本当にUSAという国家はイカレた国だなあ、という思いが深まると思う。そりゃ日本だって、差別はあったし殺し合いもあったとは思う(そして今だって実のところ解消されてないのかもしれない)。でも、この映画で描かれる事件は1967年、つい50年前だぜ? おまけに黒人青年をぶっ殺した警官はいまだ無罪だってんだから、恐ろしいというかなんというか……ただし、この映画はあくまで監督の色のついた脚色であるため、事実は自分でちゃんと勉強しないとダメなんだと思う。なんつうか、ある意味投げっぱなしで終わってしまい、なんか、釈然としないものが残るなかなかビターな作品であった。結論としては、デトロイトにはROBOCOPが必要ってことでよろしいでしょうか。
【2月は3本観に行った】
『THREE BILLBOARDS OUTSIDE Edding, MISSOURI』 スリー・ビルボード
 もう文句なしでオレ的2018年ナンバーワン、第1位の作品でしょうな。脚本・演出・撮影、そして役者陣の演技、すべてがパーフェクト! 映画として完璧です。わたしとしては、主演の怒れるお母さんを演じたFrances McDormand女史のオスカー主演女優賞受賞と、クソ野郎のち超改心する警官を演じたSam Rockwell氏の助演男優賞受賞は当然に思えたっすな。でも、作品賞・監督賞・そして脚本賞を獲れなかったことはとても残念かつ信じられない思いす。McDormand女史のオスカー受賞のスピーチもカッコ良かったすねえ!
『THE GREATEST SHOWMAN』 グレイテスト・ショーマン
 音楽面及びダンスなど、ミュージカルとしては超最高です。が、うーん……物語的にちょっとアレなんすよね……。そして、わたしが後で知って、うそだろ!? と思ったのは、わたしがいっちばん感動した「NEVER ENOUGH」という歌が、歌ってるのが演者じゃなくて吹替えだったことなんすよ……そんな……知りたくなかった……調べてしまったオレのバカ……。
『妖猫傳  Legend of the Damon Cat』空海 ―美しき王妃の謎―
 映画としては、意外とまともな捜査ミステリー仕立てで、実は結構ちゃんと面白かった。のだが、一つ大問題があって……なぜ、日本語吹替え版しか公開されなかったんだ!? ちゃんと中国語&日本語字幕で観たかったよ……主役の空海こと弘法大師様を演じた染谷将太くんは、中国語を特訓したらしいのに……染谷くん自身の吹替えは5万歩譲ってアリだとしても、他の中国キャストに付された日本語吹替えが全然わたしには響かず、まったくアウト。ホントに超残念です。
【3月は6本観に行った】
『BLACK PANTHER』ブラックパンサー
 なんつうか……US本国ではウルトラ大ヒットなわけですが……はっきり言えば、初の黒人ヒーローとか、ポリコレ的要因(?)が大きく作用しているわけで、そんなのまったくどうでもいい日本人としては、この映画が本当に面白かったとは全然言えないと思う。というのも、ズバリ、MCUとしてはフツーの出来で、むしろわたしとしては、主人公ティ・チャラ=ブラック・パンサーは、所詮は世襲で王座を引き継いだ極めて凡庸な王にしか見えず、そもそも全然弱いし、まったく頭も冴えてないし、超ガッカリ。完璧負けたのに、ライバル部族の長と母と妹と元カノに助けてもらって、まだ決着はついてないって、そりゃナシだと思うな……。CIVIL WARではカッコ良かったのにね……。キルモンガ―に対してもっと王たる懐の広い裁きをしてほしかった。コイツは王の器にあらず、だと思います。
『The 15:17 to Paris』15時17分、パリ行き
 わたしが現役映画監督で最も好きなEastwoodおじいちゃん最新作。なんと、実際の事件を、実際に体験した人々(=役者じゃなくド素人)を起用して映画をつくる、そして結果、意外とちゃんとしてた、という映画史上まれにみる実験作というか、ウルトラ豪華な再現フィルムという不思議な作品。わたしとしては、そのEastwoodおじいちゃんのあくなき映画創造力に敬意を表して、オレ的2018年ベスト第9位に推したいと思います。
『DOWNSIZING』ダウンサイズ
 人間をミニチュア化してしまえば資源問題も解決!という一発ネタは素晴らしいと思う。が……ちょっと考えればいろんな「?」が頭に浮かび、おまけに本作はやけにテーマが真面目で重く、結論としては全く笑えない、相当イマイチな作品だと思った。80年代~90年代のエディ・マーフィー映画的な根っからの笑えるコメディだったらよかったのにね……。
『THE SHAPE OF WATER』シェイプ・オブ・ウォーター
 今年度アカデミー賞作品賞&監督賞受賞作。デル・トロおじさん会心の「モンスター映画」。しかし、どうもわたしの趣味には合わないというか……そこかしこに漂う妙に生々しい性的な描写があまり好きにはなれなかったかも。この映画よりも、わたしとしては『スリー・ビルボード』の方が断然上っす。
『RED SPARROW』レッド・スパロー ※映画版
 長い原作小説を、それなりに上手に映画にしたな、とは思う。思うけど、一つだけどうしてもアレなのは……男主人公のネイトがおっさんすぎて、イメージが違い過ぎてガッカリ。原作小説では若々しいゆとり小僧なのにね。とはいえ、主役のJennifer Lawrenceちゃんの気合の入った演技は実に見事で、原作小説を読んだ時、バレリーナの役は若干むっちり目のJenniferちゃんには無理じゃね……とか思ったオレのバカ! 冒頭のバレエシーンは大変お見事でした。
『The Post』 ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書
 わたしは面白かったと思うのだが、どこが面白かったって、結局きれいごとを言ってる記者たちは、所詮は自社媒体のスクープ(=自分の名声=極言すれば金)だけが目当てで、彼らには別に正義とかそういうものはどうでもいいんだろうな、と感じられた点にある。そして一番立派だったのは、『THE POST』(=ワシントン・ポスト)の女社長で、経営者として、きっちり現場の責任を取る覚悟を見せたのが実にカッコ良かった。どっかの自動車メーカーのTOPとは大違いですな。そして、この映画のわたし的一番の見どころはラストシーンにあって、なんと、かの「ウォーターゲート事件」の発端が描かれて終わるのである。わたしとしては、同じキャストでそっちを描いてほしいっす。
【4月は2本観に行った】
『READY PLAYER ONE』レディ・プレイヤー・ワン
 完全にオタク向け映画だとわたしには感じられたけれど、わたしはオタクなので大満足。とりわけ、第2のカギをめぐるクエストで、わたしの大好きなStephen King大先生ネタを持ってきたところが大感激! あの『THE SHINING』のオーバー・ルック・ホテルを見事に再現したあのシーンは、もう大興奮! しかし一方では、悪党がパスワードを紙に書いて張っておくというアホすぎる野郎だったことや、結構謎解きが、なんで今まで誰も分からなかったの? レベルの大したことのないものだったのが極めて残念。HUNTER×HUNTERのグリードアイランド篇のような、イベント発生条件がもっと、そういうことか! と思わせてくれるものでないと。ぜんぜん物足りないす。逆走なんて、レースゲームなら誰かが必ず試してただろうに。ゲーマーなら多分1日もかからず第1のカギはクリアされてると思うな。まあ、とにかく映像やそこかしこに現れる有名キャラ達には興奮したっすね。
『AVENGERS | INFINITY WAR』 アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー
 うーーーん……いや、面白かったんすよ。それは間違いないのです。でもなあ……ラストは、誰だって、そりゃそうなるよね、と思うもので、ありゃあ別に「衝撃」というよりも、この先どうすんの?という「困惑」というべきものではなかろうか。要するにこの作品は、誰が何と言おうと、いわゆる「前編」であって、完結してないと思うべきだと思う。完全にサノスは、北斗の拳で言うところのラオウ様であり、まあ、次作で、愛によって倒され、敗北することは確実なわけで、ディズニー及び監督の、無駄にもったいぶった秘密主義はほぼ何の意味もないと思う。次作のタイトル「エンドゲーム」も、別に、ふーん、としか思えないよね。隠してた意味全くないのに。つうか、「北斗の拳」を読んでほしいすな、ルッソ兄弟には。あなた方の描こうとしてることは、日本じゃもう30年前に漫画で描かれてるんですけど。。。なーんて、来年の「エンドゲーム」を観て、超最高です! オレがバカでした! と土下座したくなるようなすごい物語を期待します。
【5月は5本観に行った】
『12 STRONG』 ホース・ソルジャー
 実話ベースの現代戦を描いた作品は、わたしはかなり好物なのだが……残念ながらソー様無双のドッカンドッカンハリウッドムービーな仕上がりで、なんつうか、残念であった。もうチョイ、ミリタリー描写は正確・精密であってほしいのだが、クレジットをよーく見たらプロデューサーがJerry Bruckheimer氏だったので、お、おう……な感じです。嫌いじゃないんだけど……まったくのフィクションならよかったのかなあ……いずれにせよ、このアフガン戦争最初の作戦は相当奇跡的な成功をおさめたわけで、戦った軍人たちのガッツは称賛したいと存じます。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』
 いよいよ来てしまった「THE ORIGIN」最終作。その最後まで貫かれたハイクオリティな作画・音響など、スタッフの執念に近い作品作りに敬意を表して、オレ的2018年ベスト第5位としたいと思います。最高でした。願わくば、このクオリティで1年戦争の最後まで描かれることを祈っております。
『のみとり侍』
 写楽の浮世絵めいたポスターや予告は超秀逸で、コイツは傑作のにおいがするぜ……? と思ったのに、まるで80年代東映時代劇のような古臭さが鼻についてしまい、わたし的にはアカンかったす。阿部寛氏演じる主人公は最高だったのになあ……ド真面目侍が巻き起こす笑いと涙の名作、になり得たのに、興行も全くパッとせず終わってしまい、本当にもったいない。これなら、近年で言えば『殿、利息でござる』の方が面白かったし、80年代でも『ジャズ大名』の方がポップで、名作だと思うな。あ、『ジャズ』は東映じゃなくて大映作品だっけか。
『妻よ薔薇のように/家族はつらいよIII』
 シリーズ第三弾は、シリーズ内で一番の常識人であるお嫁さんが主人公。そりゃまあ、あのトンデモ一家に嫁いだお嫁さんとしては、ブチ切れますよ。大変面白かった。ダメオヤジがきちんと謝るシーンも良かったすね。今回はシリーズの主人公であるおじいちゃんはほぼストーリー的には出番なし。あんたはもう、おとなしく隠居してなさい。前作で問題となった、免許を返納したことは評価してあげましょう。完全に中高年向け作品ですが、わたしは立派な中年なので楽しめました。ほんと、家族はつらいっすわ。
『DEADPOOL2』 デッドプール2
 今回のデッドプール氏はやけにイイ奴で、若干のキャラ変か? フツーに面白く、フツーに後に何も残らなかったす。映画ネタのギャグは前作比やや控えめだったような。いずれにせよ、ディズニーによるFOX買収もケリが尽きそうな見込みで、いつの日か、デッドプール氏がMCUに登場することを願っております。
【6月は1本観に行った】
『SOLO : A STAR WARS STORY』 ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー
 悪くない、けど、やっぱり物足りないような……。雰囲気やクオリティはとてもいいのだが、お話自体が若干盛り上がらないというか……。若きソロ船長を演じたAlden Ehrenreich君は、もうビジュアルはどうしようもないとしても、話し方や、ソロ船長独特の、唇の片方を吊り上げる「ニヤリ」の表情など、似せる努力があっても良かったのではなかろうか。監督が途中降板してしまったのも、やっぱり痛かったんすかねえ……。なんでソロ船長はチューイの言葉が分かるのか、長年の謎が解けたのは嬉しかったす。
【7月は1本観に行った】
『Jurassic World:Fallen Kingdom』ジュラシック・ワールド 炎の王国
 「ジュラシック・パーク」という物語は、いつも結局は金目当ての人間による「人災」なわけで、今回ほど恐竜たちがかわいそう……と思った作品はなかったような気がする。これもやっぱり、メリケン人どもの拝金主義なのかなあ……。。。映画としてはいつも通り迫力満点で大変見応えがあり、面白かったけれど、とにかく、人為的に生み出された恐竜たちの末期がとても気の毒で、なんか悲しくなっちゃったす……。
【8月は5本観に行った】
『WIND RIVER』 ウィンド・リバー
 この映画も、USAという国の暗い一面が良くわかる作品でした。お話としては、真っ直ぐな捜査ミステリーで、真相の暴露もそれほど捻りはなく、なーんだレベルではあったものの、とにかく被害女性のお父さんと主人公のやり取りがやけに胸にグッと来て、わたしとしてはとても面白かったと結論付けたい。オレ的2018年第7位に推したいと思います。
『OCEAN'S 8』 オーシャンズ8
 かの「MET GALA」を再現したゴージャスな映像はとても見応えアリです。が、肝心の計画があまりにトントン拍子で、ピンチらしいピンチもなく完遂してしまうのは、映画として若干問題アリのような……。まあ、そういうツッコミは無粋なんすかね。Cate Blanchett様は相変わらず女神級の美しさでその点は大満足であります。あーあ、またメトロポリタン美術館に行きてえなあ……。
『Tully』 タリ―と私の秘密の時間
 この映画の予告を見た時、Charlize Theron様のあまりに疲れ果てた中年女性なお姿にびっくりし、観に行くことにしたのだが、脚本的に、えっ、マジかよ!? というトリックがラストに仕組まれていて、大変お見事に仕上がっていたように思う。ちなみにTheron様はこの映画のために16キロ増量し、元に戻すのに1年半かかったそうです。さすがっすね。
『MAMMA MIA! Here We Go Again』 マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー
 前作から10年を経ての続編。ただし作中時間では数年後の設定。なので、キャスト陣の、とりわけ主役たるAmanda Syfriedちゃんの額の皺といった、どうにもできない経年劣化みたいな若干アレな部分はあったものの、若き日のお母さんを演じたLily Jamesちゃんは大変可愛くて魅力的でありました。そして物語的にも、よく考えると相当なビッチじゃね? とか思う部分はあるけれど、とにかく、ラストに登場するMeryl Streepお母さんの歌に大感動。つうか、やっぱりミュージカルはイイですなあ! というわけで、ミュージカル好きとしてはこの映画はオレ的2018年ベストの第10位としたいと思います。
『ANT-MAN AND THE WASP』 アントマン&ワスプ
 最高です! わたしはMCUヒーローでIRONMAN=トニー・スタークが一番好きですが、やっぱり2番目に好きなのはこのANT-MANすね。IRONMANと同じメカニカルヒーローで、何気に強いと思うんだ。キャップ・ハルク・ソーといった脳筋チームとは違って、頭を使って戦うわけで、闘いようによっては最強なんじゃないかとすら思うすね。だって、対IRONMANだって、小さくなってIRONMANスーツに潜り込んで配線とかズタズタにすれば勝てるでしょ(CIVIL WARではバレて強制排出されたけど)? 脳筋チームに対してだって、耳とか口に入って、その後巨大化すりゃ勝てるんじゃないかな? ホント、INFINITY WARにANT-MANが参戦してなかったのが痛いすねえ! こっそりサノスのガントレットに憑りついて、石をかっぱらってくれば勝てたのに! いや、そりゃ無理かw そして本作でとうとう出陣したTHE WASPのスーツ・デザインも秀逸でしたなあ! とにかく、次の「エンドゲーム」で我らが蟻男がどんな活躍をしてくれるか、わたしはそれが一番楽しみっす! オレ的2018年ベスト、第4位であります!
【9月は1本観に行った】
『A QUIET PLACE』 クワイエット・プレイス
 2018年ガッカリムービー・ナンバーワン。WOWOWで放送されるのを待って観れば十分だったす。とにかく設定にアラが多すぎるし、キャラクターが間抜け過ぎたような気がしてならない。音を立てたらアウト、という基本設定だけはとても良かったのにね……。
【10月は3本観に行った】
『THE EQUALIZER 2』 イコライザー2
 ハリウッドナンバーワン黒人スターDenzel Washington氏による必殺仕事人シリーズ第2弾。キャラ自体はとてもいいし、シリーズ化も大歓迎だけど……今回は、事件そのものがイマイチであったような気がする。そもそも、元上司を殺せと指令した黒幕がいるはずなのに、そっちはノータッチで、その指令を受けた実行犯だけを退治しても意味ないと思うのだが……。
『A STAR IS BORN』 アリー/スター誕生_一個巨星的誕生@台湾
 最高です。10月に台湾で観て、つい先週、日本でももう一度観ました。やっぱりわたしの英語力は相当レベルが低く、日本語字幕付きで観て初めてちゃんとわかった部分もあったのが情けなし。ともあれ、映画としての完成度は極めて高く、初監督となった主演のBradley Cooper氏は実に見事な監督ぶりだったと思う。そしてもちろん演技も素晴らしいし、本作では何と言っても歌ですよ。このイケメンが歌すらカッコイイなんて、天は何物与えれば気が済むのでしょうか……。そしてもちろん、主人公を演じたLADY GAGA様も、歌は当然として、演技も実に見事でした。文句なく、オレ的2018年ベスト第2位であります。サントラ買ったっす。
『The House with a Clock in Its Walls』 ルイスと不思議の時計
 児童文学が原作ということで、本作は日本語吹替えの上映ばかりで、字幕版がとても限られていたのが妙に印象深いす。まあ、つまらなかったとは思わないけど、超最高でもなかったす。そして、なんと言っても愛しの女神、Cate Blanchett様の神々しい美しさと、ちょっとしたコメディ的演技が大変わたしには素晴らしく見えました。Cate様は、まあズバリ言えば若干おっかない顔ですが、このお方の笑顔は結構可愛いんすよ。
【11月は4本観に行った】
『VENOM』 ヴェノム
 SPIDER-MANの宿敵VENOM単独主役映画。そのせいか、やけにVENOM氏がイイ奴で、その点でもこの映画はとても『DEAD POOL』に似ているように思う。残念ながら主人公エディはなかなか頭の悪いだめんず野郎でありましたが、そんなエディをあっさり振った彼女を演じたMichell Williamsさんは妙に可愛かったすね。謎のなんちゃって女子高生風なタータンチェックのミニスカが大変良くお似合いでした。ともあれ、VENOM氏もいつかMCUに登場していただきたいものです。
『BOHEMIAN RHAPSODY』 ボヘミアン・ラプソディ
 最高です。痺れたっすねえ! わたしは別にQUEENのファンであったことはないけれど、80年代に青春を送った人間としては、劇中で流れる曲はほとんどすべて聞いたことのあるお馴染みのもので、やっぱりラストのLIVE AIDのシーンには心震えたっすね。もちろん、事実はもっといろいろあったんだろうけど、映画的な美しさに満ちてましたな。そして、よーく見ると全く別人なのに、そのパフォーマンスはまさしくFreddieそのものという熱演を見せたRami Malek氏は本当にお見事でした。本物のQUEENのファンの方が観たら違うのかもしれないけれど、QUEENファンとは全然言えないわたしから見ると、あの歩き方、腕のつき出し方など、もう完全にFreddieだったすね。オレ的2018年ベスト、第3位であります!
『SICARIO : DAY OF THE SOLDADO』 ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
 前作が強力な傑作だったわけですが、第2弾となる本作は若干趣が違うとはいえ、やっぱり面白かったと思う。その趣の変化というのは、主役である二人、フリーの暗殺者(=SICARIO)であるアレハンドロと、CIAのマットが前作では一切情に流されない冷徹な男だったのに、今回は、人間らしいところを見せる点にあるわけだが、この変化は、積極的にアリとは思わないけど、ナシでもないと思う。そしてハリウッド・コワモテオヤジ選手権で優勝を争いそうなJosh Brolin氏とBenicio del Toro氏の尋常じゃない迫力は、全編通じて緊張感に満ちていて、とてもお見事だったですな。オレ的2018年ベスト第6位であります。
『Fantastic Beast:The Crimes of Grindelwald』 ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生
 なんつうか、とりわけHarry Potterのファンでもないわたしが観ても、ちょっと分からない点が多すぎるというか、この映画はHarry道黒帯じゃないと楽しめないような気がします。次はもう、劇場に観に行くことはないかな……。ただし、映画としては特に美術面でのクオリティが群を抜いて素晴らしく、キャラクター達の着る衣装なんかもとてもカッコ良かったす。ああいうコートが欲しい!
【12月は2本観に行った ※A STAR IS BORNを日本でもう一回見たけどノーカン】
『機動戦士ガンダムNT<ナラティブ>』
 うーーーん……わたしとしては圧倒的に『THE ORIGIN』の方がクオリティが高く素晴らしいと思うのだが、興行面ではこちらのNTの方が圧倒的に売れているわけで、なんというか……残念す。このNTは、わたし的にはナシ、でした。もはやSFじゃなくてファンタジーなんだもの……。
『来る』
 うーーーん……予告の出来は素晴らしかったのだが……満点パパは実はクソ野郎でした、そしてママも何気に不倫ブッかましてました、という暴露合戦には興味ないというか、底が浅すぎというか……肝心の「アレ」にはほぼ何も触れられず、全く怖くないのが致命的。ただし、役者陣の熱演は大変素晴らしく、その点だけはもろ手を挙げて称賛したいと存じます。昭和顔と言われる黒木華ちゃんを初めてエロイと感じたっす。大変結構なお点前でしたね。

 はーーー疲れた。まあ、以上がわたしが今年2018年に劇場へ観に行った映画であります。ところで、わたしの周りの人は、わたしが映画好きであることを知っているので、何人かの人から、「え、アレを観てないんすか!? 絶対観た方がいいですよ! すっげえ面白かったっす!」と言われた映画がある。そう、超低予算で作られて、公開後異例の増スクリーン&興収30億超(?)の大ヒットとなった、アレです。ま、ズバリ言うと、わたしはひねくれものなので、そういう口コミには全く心動かないし、観たら絶対、ちっきしょー、おもしれえ! と悔しくてたまらなくなるのは間違いないと思うため、どうも今さら観る気にならんのです……。まあ、新たな才能が日本映画界に生まれたってことで、大変良いお知らせだとは思いますので、次回作があるなら、そちらも頑張ってほしいですな。

 というわけで、結論。
 2018年、38本の映画を劇場へ観に行ったわたしだが、わたしが面白いと思ったオレ的2018年ベストテンは以下の通りであります。
 1位:『THREE BILLBOARDS OUTSIDE Edding, MISSOURI』 スリー・ビルボード
 2位:『A STAR IS BORN』 アリー/スター誕生
 3位:『BOHEMIAN RHAPSODY』ボヘミアン・ラプソディ
 4位:『ANT-MAN AND THE WASP』アントマン&ワスプ
 5位:『機動戦士ガンダム THE ORIGIN VI 誕生 赤い彗星』
 6位:『SICARIO : DAY OF THE SOLDADO』ボーダーライン:ソルジャーズ・デイ
 7位:『WIND RIVER』 ウィンド・リバー
 8位:『THE DARK TOWER』 ダーク・タワー
 9位:『The 15:17 to Paris』15時17分、パリ行き
  10位:『MAMMA MIA! Here We Go Again』 マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー
 なんつうか、我ながらこんな順位になるとは予想外っつうか、全く同じベストを選ぶ人はきっとこの世には存在しないだろうな……。そして、わたしの大好きなMCU作品、BPとINFINITY WARは選外です。BPはアカンし、IWはまだ完結してないので。来年2019年は、まずは『CAPTAIN MARVEL』『AVENGERS:END GAME』が超楽しみだし、年末の『STAR WARS:Episode-IX』もホント楽しみですなあ……! ちょっくら予告を貼っとこう。
 

 いやーーー楽しみだなあ! 早く観たいっすねえ!!
 というわけで、いやあ、映画って、本当にいいものですね!! と締めて終わりにします。以上。

↓ 観ていない人はぜひ! オレ的2018年ベスト、圧倒的ナンバーワンです。

 わたしは映画や小説、漫画などの「物語」というものを、ほぼ毎日味わっているわけだが、好みとして、やっぱり主人公の言動に共感し、ともに物語の世界を歩みたいわけで、主人公に共感できないと、どうしても面白いとは思えないし、読んでいてあるいは観ていて、実に苦痛である。
 これは別に、主人公には善人であってほしい、というわけではなく、悪党であっても、きちんと「だからこうする」という理由のようなものがあって、それが徹底されていればいいわけで、一番わたしが嫌悪するのは、考えの底が浅く、「なんでお前はそんなことを?」というのが全く理解できないような、うすらトンチキ、あるいは悪意の塊、のようなキャラである。そういうキャラは、ああ、コイツはさっさとくたばらねえかなあ、とか思いながら物語を見物することになるが、それが主人公がそういうトンチキだと、もはや結末もどうでもよくなってしまうというか、つまんねー話、という最終結論に至るのである。
 というわけで、わたしは今日、東宝作品『来る』を観てきたのだが……これは……我ながら面白いと思ったのか、つまらねえと思ったのか、まだよくわからないという不思議な作品であった。今現在、わたしが確信を持って言えそうなことは、役者陣の熱演は極めて上質で素晴らしかったことだけであろうと思う。脚本(=物語)、演出、これについては……どうなんだこれ……ズバリ言うと、全然怖くなかったすね。つうか、極論かもしれないけど、この映画って、ひょっとしてコメディだったのかな? そんな気さえしている。
 というわけで、以下はネタバレに触れる可能性が高いので、これから観ようと思ってる人、あるいは超最高だったぜ、と思っている人は読まずに退場してください。

 わたしがこの映画を観ようと思ったのは、この予告を観て次のことを思ったからだ。一つは、うおお、岡田くんカッコいいなあ! ということ、そしてもう一つは、久しぶりに松たか子様の強力な演技が観られそうだぞ!? という2点で、物語としては、幸せな夫婦の娘を狙う「アレ」なるものを祓う話だろう、とうすらぼんやりと見当をつけていた。
 が。ズバリ言うとわたしの予想は大筋では間違っていないものの、物語はかなり予告から想像していた展開ではなく、かなりの変化球であったと思う。物語の具体的な流れはもう説明しないが、おそらく原作小説は、まさしく湊かなえ先生の『告白』的な、1人称小説&章ごとに語り手が変わるタイプなんだと想像する。しかし、映画としてその構造がうまくいってるかは、かなり疑問だ。
 普通に考えて、1人称で語り手がチェンジする物語の面白さは、芥川の『藪の中』、あるいは黒澤明監督の『羅生門』的に、一つの共通した事象について、観る人が変わるとその内容も全然違ったものになる、という点にあると思う。さらに言えば、それぞれのキャラクターの言い分も実は全然事実と違ってた、という展開もよくあって、そこに、な、なんだってー!?という真実が明らかにされる(あるいはまさしく真相は藪の中で終わる)というのが王道だろうと思うのだが……。
 本作では、まず最初に夫がいかに満点パパだったかというなかなか気持ち悪い物語を観せられる。次に妻の視点から、夫は100点どころか0点でさえなく、マイナス100点のクソ野郎だったことが語られる。しかし観客としては、そんなこたあどう観ても分かってて、でしょうな、としか言いようがなく、妻もまた、(夫がクソ野郎だったからとはいえ)なかなか香ばしい人物だったことが提示される。そして、二人がこの世を去った後、第三者が必死で後始末をつける顛末が最後に描かれるわけだが、残念なことに、事件の核心たる「アレ」については、問題とされないのだ。「アレ」こそが核心であり、それを様々な視線から見た時の違いが、映画的に面白くなるはずだったと思うのだが……単に夫婦の裏の顔ともいうべき本性が暴露されるだけなので、はっきり言って底が浅く陳腐だ。結果として、そもそもの「アレ」が何故いつまでも娘を狙っているのかがさっぱり分からない。まあ、「アレ」の行動原理など分かりようはないので、それはそれでいいのかもしれないけれど、わたしにはどうも釈然とせず、結論として、なんだったんだ……としか思えないのであった。
 というわけで、各キャラクターと演じた役者をメモして行こう。
 ◆田原秀樹:夫。最初の語り手。たぶんそもそもの元凶。一言で言えばクソ野郎で、見事死亡する。わたしは心の底からざまあとしか思わなかった。が、コイツが死んでも「アレ」は収まらず。コイツはどうやら幼少時に一人の少女の失踪事件に関係があったようで、それがそもそもの元凶だったのだと思うが、その事件が何だったのかは結局なにも描かれず。単に、その失踪した少女に、「うそつきだからお前もそのうち狙われるよ」と言われていた過去だけが描かれる。そして大人になったコイツは、まさしくとんでもない「うそつき」野郎で、救いようのないゲス野郎に成長。結婚前も後も会社の女に手を出しまくっていたらしい。つうか、お前は結局何だったんだ? なんで「うそつき」な人間なのか、説明が欲しかった。あの実家のクソどもに育てられたからってことかな? こんなゲス野郎を、超見事に演じた妻夫木聡くんは本当に演技派だと思う。何が見事って、コイツのような外面だけよくて実はゲス野郎、っていう人間は、もうそこら中に普通にいそうなんですよね……。そのリアルさが超見事だと思います。しっかし……結婚式などでいかにも訳アリげだった会社の女は、物語において何の役も果たさなかったのは何だったんだ……。
 ◆田原香奈:妻。第2の語り手。この人は恐らく完全に被害者(だよね??)なので許してもいいかも……まあ、精神的に虐待されてたともいえそうだし、実の母もクソ女だし、気の毒だったと思うべきなんだろうな……。余裕で浮気してた(? しかも夫は知ってたっぽい。NTRを喜ぶ変態だったってこと?)ことは、利用されたってことで許してもいいか。でも、まあ、男を見る目がなかったってことですな。そんな薄幸の女子を演じたのが、若干幸薄そうな昭和顔でお馴染みの黒木華さん。これまた超見事な演じぶりで、控えめでおとなしそうな妻の顔、何もしない夫と言うことを聞かない娘にブチギレる母の顔、そして珍しくドぎついメイクで男に抱かれる女の顔、の3つを超見事に演じ分けてらっしゃいました。実際素晴らしかったと思う。初めて黒木華さんをエロいと思ったす。
 ◆津田大吾:どっかの大学の准教授。秀樹の高校時代の親友。ホントに親友なのかは相当アヤシイ。お互いがお互いを利用してただけというか、ま、薄っぺらい友情だったんでしょうな。そしてコイツも残念ながらクソ野郎で、どうやら秀樹が生きているうちから英樹の会社の女や、あまつさえ香奈にも手を出してた模様。しかも、コイツが「アレ」を呼び寄せるお札を仕掛けていた事件の張本人(?)なのだが、この伏線というか仕掛けをもっと物語に上手に盛り込めたはずなのに……ほぼ詳細は語られず。ま、最終的には見事死亡して、心底ざまあです。演じたのは青木崇高氏。優香嬢の旦那ということ以外、よく知らないす。まあ、あんな准教授はいないでしょうな。リアル感ゼロ。
 ◆野崎:第3の語り手。フリーライター。口は悪いけど、本作では一番の善人。とにかく演じた岡田准一氏がカッコイイ! ルックスのカッコ良さはもちろん、しゃべり方もカッコいいし、非常にそれっぽい。要するに演技的に一番素晴らしかったと思う。さすがはジャニーズ演技王ですよ。しかし、野崎についても、元カノと堕胎した子供に関するエピソードは、部外者たる野崎が「アレ」と対峙する重要な動機であるにもかかわらず、中途半端にしか描かれていないのは残念に思った。結果的に野崎はかなりお人よしにしか見えないことに……。
 ◆比嘉真琴:野崎の現・恋人なのか? 職業はキャバ嬢らしいが(キャバシーンは一切ナシ。普段何してるのかちゃんと描写してほしかった)、沖縄のシャーマン的な一家の出身で、霊感バリバリなパンク女子。真言を唱えていたので仏教系術者か? メイクはアレだけど相当可愛い。秀樹→津田→野崎と依頼されて、最初に「アレ」と対峙するが……。演じたのは小松奈菜ちゃん。今までの可愛らしい顔を封印した、気合の演技だったと思う。素晴らしい!
 ◆比嘉琴子:真琴の姉で、超絶パワーの持ち主として、裏では知られた人物らしい。警察さえも動かせる権力を持っている。姉は神道系術者か? 儀式は仏教系と神道系が両方タッグ?で行われていて、あの描写は非常に興味深かったです。きっとこのお姉さまは政治家とかのスピリチュアル顧問のようなことしてるんでしょうな。真琴では手に負えない「アレ」を祓うため、一人術者を派遣したのちに満を持して登場する。演じたのは松たか子様。いやあ、たか子様の演技は相変わらず完璧ですなあ……しかし、演出に問題があるのか、完全にもう、笑わせに来てるというか、極端すぎて漫画のようになってしまったのがとても残念。この演出によって、わたしは「怖さ」をまったく感じなくなったわけで、たか子様の演技が完璧だっただけに、陳腐な漫画的演出は全くの無用だったとわたしは感じた。笑わせたかったのなら、成功だけど。
 ◆逢坂セツ子:真琴では手に負えず、琴子お姉ちゃんが最初に派遣した霊能者。演じたのは柴田理恵さん。どう見ても柴田さんなんだけど、今までにこんな柴田さんは見たことのないような、強力に雰囲気バリバリな霊能者で、素晴らしく超熱演だったと思う。一切笑わない柴田さんは初めて見た。
 とまあ、こんな感じであった。最後に監督について短くまとめて終わりにしよう。
 本作の監督は、中島哲也氏だ。わたしは中島監督の作品をいくつか観ているが(全部は観てない)、まあ、特徴的な画を撮る監督としてもお馴染みだろうし、物語的にも、かなりイヤな人間が多く登場することでもお馴染みだろう。ただ、今までの作品は、クソ野郎であっても、きちんと観客として共感できる面を持つキャラクターが主人公だったと思う(大抵女性が主人公なので野郎ではないけど)。しかし、今回は……まあ、主人公が誰かというのはもう観た人が決めればいいことだし、複数いる場合だってあるので、別に主人公にこだわるつもりはないのだが……とにかく、観せられたのは、薄汚れた人間が謎の「アレ」に狙われ、まともな部外者が一生懸命助けようとする話で、どうにも共感しようがなかった、というのがわたしの抱いた感想だ。しかも「アレ」については一切説明ナシ、であった。妙な時間経過もどうも意味不明というか……その間なんで平気だったのか、どうして急にまた怪異が起き始めたのか、など、まったく触れられずである。
 これはひょっとすると、わたしが世界で最も好きな小説家であるStephen King大先生的な物語を狙っているのかもしれないし、実は原作小説はそれがうまくいっていて超面白いのかもしれない。けれど、この映画だけでは、それが見事に決まったかというと、全然そうは思えなかった。むしろ、これってコメディなの? としか思えず、かといって全く笑えず、怖くもなく、なんだかなあ……というのがわたしの結論である。ただし、何度でも言いますが、役者陣の熱演はとても素晴らしかったのは間違いない。その点では、観た甲斐はあったと思います。
 あ、あと、どうでもいいけど、エンドクレジットはアレでいいのかなあ(今回は2~3秒で全面書き換わっちゃうものだった)……わたしは結構、エンドクレジットで、なんていう役者だったんだろうか、とか真面目にチェックするのだが……あのエンドクレジットでは全く目が追いつかず、であった。わたしはエンドクレジットに関しては、興味のない人はさっさと席を立ってもOKだと思ってるけど、実は柴田理恵さんの演じた役は、柴田さんだろうと観ながらわかっていたものの、あまりにTVなどでお馴染みの柴田さんとはかけ離れていたので、クレジットで確かめたかったのだが……それに、野崎の元カノを演じた方や、秀樹の会社の女を演じた方など。確かめようもなかったのも残念。誰だったんだろうか。ああいう不親切なクレジットは、好意的にはなれないすなあ……。あれって中島監督作品はいつもそうなんだっけ?

 というわけで、もう書いておきたいことがないので結論。
 予告を観て、おっと、これは面白そうだぞ、と思って観に行った映画『来る』。確かに役者陣は素晴らしく、その演技合戦は極めてハイクオリティではあった、が、脚本と演出なのかなあ……まず第一に、全く怖くない。それは「アレ」の説明が一切ないからなのか、それとも過剰な演出が漫画的であったからなのか、各エピソードが散らかっていて中途半端だからなのか、もはやよくわからないけれど、結果として、なんかよくわからねえ、という感想を抱くに至ったのである。まあ、とにかく第1の語り手である秀樹のクソ野郎ぶりがホントに気持ち悪かったすね。そしてわたしにそう思わせた妻夫木くんの演技は、抜群だったってことでしょうな。そして初めて黒木華ちゃんをエロいと感じました。お見事だったすね。岡田くんも実にカッコ良かったし、松たか子様の余裕の演技ぶりは大変満足です。が、演出と脚本が……漫画みたい&説明不足で残念す。以上。

↓ 原作を読めってことかもな……ちょっとチェックしときますわ。

 うーーん……。
 『機動戦士ガンダム』と言えば、既に日本のオタクカルチャーの枠を超える、もはや一大産業として大きな金の動くコンテンツなわけだが、40代後半のわたしの世代は、まさしく一番最初のテレビ放送を観て、最初の劇場版三部作を劇場で観て、そして最初のガンプラブームにドはまりしてせっせとガンプラを作っていた世代であるため、それなりに思い入れはある。とりわけ「宇宙世紀」モノとなれば、やっぱり興味はあるわけで、2010年から4年がかりで劇場公開された『機動戦士ガンダム ユニコーン』は、劇場へ観に行ったし、先立つ原作小説もきちんと読んで、これは面白い!と大興奮した作品である。
 で、その後、安彦良和監督による『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』も、当然連載時から原作漫画を読んでいたし、今年の5月に完結(?)した劇場アニメもせっせと劇場へ観に行ってきたことは、このBlogでも散々書いた通りだ。
 そして今年、『THE ORIGIN』のアニメ最終話の公開に合わせて、新作として再び『機動戦士ガンダム』の映画がつくられることが発表されたわけだが、その内容がだんだん公開されていくにつれて、わたしは「これは一体どういうこと?」と首をひねることになったのである。
 まず第一に、わたしは最初、小説版のユニコーンの外伝というかスピンオフである『不死鳥狩り』を映像化するのかな? と勘違いしたのだが、そうではなく、どうやら物語は、『ユニコーン』の後のお話らしい、という事を知って首を傾げたのである。ズバリ言うと、わたしは、えっ、だって、めでたしめでたしで終わったのに、まーた戦争おっぱじめるわけ? と素朴に思ったのである。じゃあバナージやミネバの戦いは何だったのよ? と、詳細はまだ謎であったけれど、盛大に疑問を抱いたわけだ。
 そして第二に思ったのは、ある種の「やっぱりね……」という矛盾した思いだ。確かに『ユニコーン』で事件は終結し、めでたしめでたしではあった、が、その解決方法というか、『ユニコーン』最大の謎であった「ラプラスの箱」の秘密が、正直物足りなかったのである。あの秘密が暴露されることだけで、人類が手に手を取り合って平和が訪れるとは、到底思えなかったのだ。争いの火種は消えるどころか、むしろ油を注ぐことになるんじゃね? という気すらしたし。
 というわけで、わたしとしてはいろいろ謎に思いながら、今日は公開された『機動戦士ガンダムNT<ナラティブ>』を観に行ってきたのだが、冒頭に記した「うーーん……」というのは、観終わったわたしの偽らざる感想である。以下に、「うーーん……」と思ってしまった要因をまとめてみようと思うが、まずは予告を貼っておくとしよう。そして以下、ネタバレに触れる可能性が高いので、気になる人は今すぐ退場してください。また、かなりのネガティブ感想になってしまうので、「最高だぜ!」と思った方はホントに読まないでください。そのお気持ちを害するのは本意ではないし、単なるおっさん視点の戯言ですので。

 なんつうか、この予告ではさっぱり物語の想像がつかなかったけど、すごい暴論で言ってしまうと、物語は『不死鳥狩り』の続き、というか別アレンジ? というような話だったと思う。つまり、謎のガンダムユニコーン3号機、通称「フェネクス」のお話であった。
 もう詳しく説明しないけど、まあ、そのフェネクスをめぐる話は、それはそれでいいのだが……わたしとしては、キャラクターや設定、それから作画のクオリティなど、いろいろな点で「うーーむ……」としか言いようがないのである。まずはちょっと簡単なことからメモしていきたい。
 ◆キャラクターデザインと作画のクオリティが、相当「うーーん……」
 これはもう観た人なら誰しも思うのではなかろうか? そもそも冒頭に書いた通り、わたしのようなおっさん世代からすると、安彦先生のキャラデザでない時点で、なんかなあ……である。やっぱり、様々な点で変だ。本作には、『ユニコーン』のキャラもチラホラ登場するのだが、絵が違う! と真っ先に思った。マーサなんてもう完全別人じゃん……とか思ったし、本作の主人公キャラも、非常に「ガンダム」としては見慣れない、イマドキなアニメキャラになっちゃっていて、大変残念に思った。しかし、それらキャラクターデザインの問題は、わたしが第1世代のおっさんだからであって、そうでない若者にはウケるのかもしれないから、まあ、実際ただの言いがかりであろうと思う。でも、あの作画のクオリティはマズいと思うのだが……あまりにアレな絵が多くて……悲しくなっちゃったす。これはもうキャラもモビルスーツも、わたしとしては受け入れられないレベルであった。『ユニコーン』や『THE ORIGIN』は全カット100%完璧なハイクオリティだったのにね……。絵がアレなのは、相当致命的なのではなかろうか。
 ◆キャラクター/物語/設定面でも「うーーん……」
 1)サイコフレームって……なんなんすか?
 そもそもサイコフレーム自体は、これまでに何度も登場してきているし、その詳細なテクノロジー的裏付けはかなりふわっとしていたけれど、あくまでその「ふわっと」している設定だからこそ受け入れられていたのだと思う。たとえば、サイコミュ兵器なんかも、「脳波(?)でモノを動かす」という絶妙にあり得そうなふわっと加減であるからこそ、それが本当に可能かどうかは知らないしどうでもいいけれど、「そういうもんだ」で済んでいたのではなかろうか。
 しかし……死後の魂の器とか、時間を超えるとか、そりゃもう、やりすぎではなかろうか……。これはもう「ふわっと」レベルを超えてしまっていて、それはもうSFじゃなくてファンタジーの領域だと思う。フェネクスのコクピットが実は無人だったというのは、これはないだろ、とわたしはついて行けなかった。
 これらのことは『不死鳥狩り』でも示されていたように記憶しているし、そりゃあ、きっと今までの作品を何度も何度も観て読んで研究すると、そういう結論になるのかもしれない。その点は否定できないし、あり得る解釈だとは思う。けれど、そうであるなら、今回のような短い話で説明不足のまま提示するのは若干乱暴なのではなかろうか。ゆえにわたしは、その唐突さに「うーーん……」と思ってしまったのである。
 2)後ろ向きすぎるお話とキャラクターたち
 ズバリわたしが感じたのは、とにかく過去のフラッシュバック的回想シーンが多くて、話が後ろ向きすぎるという点だ。ほとんどのキャラクターが、過去に対しての復讐あるいは清算を求めて行動しているように見えたのだが……せっかく『ユニコーン』をめぐる話が美しく終わったのに、なんで今更、またもコロニー落としがもたらした悲劇の清算を話の中心に描こうと思ったのだろうか……。おまけに「Z」や「ZZ」での強化人間の悲劇まで持ってこられても、もう、前向きな話になりようがないのに。せっかくマリーダさんが見事に美しく、過去を克服(?)してくれたのにね……。マリーダさんには本当に泣かされたんだけどなあ……。
 もちろん、それらの悲劇を終わったこととして無視すればいい、と言っているわけでは全然ない。でも、そういった悲劇を乗り越えるものとして、魂のエネルギーとか、オカルトめいたものを持ち出されても……「うーーん……」としか思えないのである。あくまで今を生きている人間が、未来に向けて解決すべき問題だとわたしは思う。
 3)ニュータイプとはなんなのか……
 ズバリ言って、「ニュータイプとはなんなのか」を真面目に(というか生物学的・生理学的に)考える必要はないのでは……と思う。「ガンダム」の世界において、「ニュータイプ」という要素は、そりゃあもう、絶対に不可欠な、大切なものだと思う。けれど、それを妙に真面目に解釈しても意味がないのではなかろうか? 作中では「たった100年で人類という種が進化するわけがない」って言ってたよね? つまり「ニュータイプ」という概念も、サイコフレーム同様に「ふわっと」していて「そういうもんだ」で十分だと思うのです。作中でも、ネオ・ジオングの機能について「ブラックボックス化していて謎」であり「原理は分からないけど動く」から使うって言ってたじゃないですか。それでいいと思うんだけどなあ……。。。そこにオカルトじみたものを持ち出されても、萎えるというかガッカリというか……とにかく「うーーん……」という感想しか持ち得なかったのであります。

 とまあ、それほど熱心な『ガンダムオタク』でないわたしにとっては、本作『ナラティブ』は相当「うーーん……」であり、なんか、ガッカリであった。アレかな、もう一度『不死鳥狩り』をよく読んでおけばよかったのだろうか? 『ユニコーン』や『THE ORIGIN』は劇場でBlu-ray買って来たけれど、今回は売ってなかったのかな。仮に売ってても、買わなかったすね。今回はいらねえす。超邪推すると、あまりに作画がアレだったので、Bru-rayは絵を直してからなんじゃねえの? みたいなひどいことも思ったす。事実は知りませんが。
 この作品で、わたしが唯一、ここは良かった! と思う点は、バナージやミネバ、そしてジンネマン艦長がきちんと健在で、ほんのちょっとだけど、何気に活躍してくれたことだけっす。でも絵がなあ……アカンすわ……。

 というわけで、もうメモしておきたいことがないので結論。
 『ガンダム』と聞くと、どうしても気になってしまう第1世代のおっさんとしては、劇場最新作『機動戦士ガンダムNT<ナラティブ>』も、当然、観に行こうかな、と思ってしまうわけで、その心の衝動に従って劇場に観に行ってきたわけだが……実に「うーーん……」としか言えない微妙な作品であった。つうか、タイトルの「ナラティブ(恐らくnarrative)」って、どういう意味で付けたのか、それすらわたしにはよくわからなかった。単に、「NT」という略称からガンダム好きが連想する「New Type」に合わせただけ? それとも、主人公機が「やせっぽち」だからNarrowにかけたのかな? わからん……。とにかく、作画のクオリティもかなりアレで、大変残念に思います。以上。

↓ 次の劇場映画となるこちらは、もう20年以上昔に読んだだけなので、ちゃんと予習していこうと思います。



 というわけで、今日は昼から地元シネコンにて『Fantastic Beast:The Crimes of Grindelwald』を観てきた。のだが、なんつうか……もう結論をいきなり冒頭で書いてしまうと、やっぱりこれは、『Harry Potter』シリーズが大好きな人でないとダメなんだな、ということを強く思った次第である。
 1作目をちょうど2年前に観た時も書いたけれど、わたしは実際『Harry』に関しては、原作小説は一切読んでいないし、映画は全作きちんと見たけれど、それほどのめり込んで面白いとは思わず、正直、物語を追うのに精いっぱいで、挙句の果てにきちんと理解できなかった、という苦い思い出しかない。
 何しろ長い。そして、映画単体でも見て上映時間が長く、各キャラクターが何を求めて行動しているのか、というそもそものポイントがわたしの低能ではきちんと理解できなかったのである。
 そして『Harry』の前日譚にあたる前作『Fantastic Beast』も、どうもキャラクターに共感できず、なんつうか……物語として面白い、とは思えなかったのだ。そしてその原因は、もうこれは明らかに、わたしの『Harry』愛の欠如によるものであろうと思う。ついでに言えばわたしの頭の悪さでもあるのだが、恐らくは、『Harry』愛溢れる観客ならば、もうその雰囲気だけでも最高に思うだろうし、魔法入り乱れるバトルに大興奮、となるのだろう。
 そして今回の「黒い魔法使い」に関しても、『Harry』愛溢れる観客ならば、ラストで明かされる重大な秘密に、な、なんだってーー!? とワクワクし、早く続きが観たい!! と興奮するのだと思うが、わたしは残念ながら、次はもう観なくていいかな、という判定を下すことになった。そうなのです。今回も、とにかくキャラクターが多く、それぞれの思惑がかなり入り乱れていて、どうもわたしにはスッキリ物語が頭に入らない事態となったのである。これって……やっぱりわたしの理解力が足りないからだろうな……うーーむ……間違いなく言えそうなことは、完全にちびっ子お断りの複雑な物語であった。これは小説で読んだ方が面白いと思うけど、映画オリジナルなのかな?

 というわけで、『Fantastic Beast』第2作目は、時間的には前作のすぐあと、である。時代的には1920年代。第1次大戦が終わったばかりの世界で、前作がNYCを舞台としていたのに反し、今回、主人公ニュート・スキャマンダー君は前作の騒ぎの責任を追及されて、故郷のロンドンにて、イギリス魔法省から海外渡航禁止のおとがめを受ける。ニュート君は、今、世を騒がせている悪い魔法使い、グリンデルワルトの騒動には関心がなく、魔法使い社会がグリンデルワルトに対して賛否分かれている中で、ぼくはどっちでもないよ、なんてのんきな立場であった。そしてどうやらその背景には、魔法学校の恩師、ダンブルドア先生の指令もあって、どうやらダンブルドア先生はニュートを見込んで、(ニュートの意に反して?)いろいろ使い走りに使っている模様だ。
 で。前作の騒動でお縄になっていた悪者グリンデルワルトは、冒頭であっさり脱走に成功し(超あっさりと脱走するその様子にわたしはもう、なんかバカバカしくなった)、前作で目を付けたクリーデンスを追ってフランスへ。そして一方ロンドンでぼんやりしていたニュート君は、ダンブルドア先生に呼び出され、ホグワーツへ。そして、ダンブルドア先生からグリンデルワルト討伐の命を受け、超イヤイヤな感じでフランスへ魔法であっという間に到着するのだが、そこには、前作で仲良くなった魔法女子ティナもグリンデルワルトを追って来ており、二人は再会するのだが……てなお話です。ええ、超はしょりました。
 わたしが思うに、わたしがこの物語でどうも気に入らないのが、主人公ニュート君のキャラクターだ。彼は、大変有能でイイ奴なんだけど……なんかのんきというか……のろいんだよな……行動が。ただし、ニュート君のスットロさはどうでもいいとしても、本作は映画としてのクオリティは非常に高くて、とりわけ衣装だったり美術なんかは世界最高峰であると断言できる。各キャラクターの着る服がいちいちカッコいいし、小道具類もとても質感高くて、相当金がかかってるのは間違いなかろう。実際、前作はアカデミー衣装デザイン賞を獲ったんじゃなかったかな。今回も、衣装や美術は最高レベルで素晴らしかったすね。
 というわけで、キャラ紹介と演じた役者をずらずらメモしておこう。いっぱいいるんだよな……
 ◆ニュート・スキャマンダー:ホグワーツ出身の魔法動物学者。今回、ホグワーツ時代の回想シーンがあって、なんか演じた役者があまり似てなくてガッカリ。描写によると、どうも友達いない系の変わり者で、動物大好き青年。前作でアメリカ魔法省のティナに恋しちゃったけれど、ロンドンに帰ってから、兄と兄の婚約者とニュートのスリーショットを雑誌にパパラッチされて、ニュート婚約か?的に報道されたせいもあってティナはおかんむり。ニュートとしては完全誤解でしょんぼり。ダンブルドア先生から使い走りされている模様。演じたのはオスカー俳優Eddie Redmayne君36歳。まあイケメンですよ。何というか、ニュートは相手がティナであっても相手の眼を見てしゃべるのが苦手なのか、なかなかのコミュ障ぶりな演技が何気にわたしは素晴らしいと思います。もうちっと、コミュ力向上が望まれますな。
 ◆ティナ・ゴールドスタイン:US魔法省職員で闇払いチーム所属。グリンデルワルトを追う。ニュートは動物大好き人間嫌いで、とりわけ闇払いが嫌い(ティナ除く)なので、ティナとしては若干正体不明のニュート君にイラつくことも。演じたのは前作同様、エイリアン最新作のヒロインでもお馴染みのKatherine Waterston嬢36歳。この人は別に美人とは思わないけど、今回彼女が着ている黒いコートがとってもカッコ良かった。キッとした前髪パッツンのショートボブとともにとても似合ってましたな。
 ◆ジェイコブ・コワルスキー:NYC在住の魔法使いじゃない一般人。パン屋だったはず。前作でニュートと仲良くなって大活躍するも、記憶を消されたはずが、彼には全く効かなかったみたいすね。ティナの妹クイニーにぞっこん。演じたのは前作同様Dan Fogler氏42歳。今回それほど活躍せず。
 ◆クイニー・ゴールドスタイン:ティナの妹で人の心が読める魔法使い。ジェイコブにぞっこんだが、US魔法界は人間との結婚はご法度であるため、ジェイコブに惚れさせ魔法をかけてロンドンへ。しかし、そりゃマズイっショ、とニュート君に惚れ魔法を解除されしょんぼりしているところを、グリンデルワルトとばったり出会い、「人間と魔法使いが仲良くなれる世界」の話を聞いて共感してしまい……という展開。演じたのはAlison Sudol嬢33歳。美人。20年代のクラシカルでポップな服が良く似合う。この方は役者というより歌手なんすね。わたし的には彼女の運命が一番気になるっす。ジェイコブと共に幸せになってほしいのだが……
 ◆テセウス・スキャマンダー:今回の新キャラでニュート君のお兄さん。なかなかのさっぱり系イケメン。イギリス魔法省のお役人。わたしの眼から見ると、ニュートをいつも心配して気にかけてくれる優しいお兄ちゃんなのだが、ニュート君は彼を苦手にしている模様。優等生すぎるのがニュート君には気に入らないのかな。ラスト近くで抱き合う兄弟の図は美しかったすね。演じたのは、Eddie君より年下のCallum Turner君28歳。今後の活躍を期待したいすな。
 ◆リタ・レストレンジ:新キャラ。テセウスお兄ちゃんの婚約者であり、ニュート君のホグワーツ時代のクラスメイト。原作愛に溢れる方には、「レストレンジ」という苗字に興奮しちゃうのかな。「死喰い人」の幹部一家だったっけ。演じたのはわたし的には『X-MEN』のエンジェルでお馴染みZoë Kravitzちゃん29歳。お父さんはかの有名なLenny Kravitz氏です。Zoëちゃんはすごいちびっ子なイメージすね。しかしこのキャラは、背景が非常に複雑で、ユスフとの関係、クリーデンスとの関係など、実はわたしにはよく理解できなかったす。
 ◆クリーデンス・ベアボーン:前作のキーキャラクターで、その身に「オブスキュラス」という魔法動物?を内包してた(寄生されていた?)。演じたのはDCヒーローTHE FLASHでお馴染みEzra Miller君26歳。FLASHでは陽気なコメディ担当の彼も、本作では超ドシリアスです。要するに、前作も今回も、悪者グリンデルワルトの目的はクリーデンス(=オブスキュラス)を自らの陣営に引き入れたいってことかな。しかし正直、クリーデンスは何がしたいのか、行動の意図はよくわからんす。ラストで驚愕(?)の真実が!!
 ◆アルバス・ダンブルドア:本作時点ではホグワーツの若手教師。後のHarryのマスターだが、本作ではニュート君のマスターとして、自らは動かない。が、今回その理由が判明しました。そして彼の行動を妨げていた制約は、ニュート君の活躍で解除されそうな気配。次作では、ついに伝説の男の封印が解かれる! 的展開になりそうすね! 演じたのはJude Law氏45歳。この人はわたしより若いのに髪がヤバい。けどなあ……この人はどっちかというとイケメン枠なので、セクシーハゲ連盟には入れてやらん!
 ◆ゲラート・グリンデルワルト:悪い人。たしかHarry時代には、ヴォルデモートに殺されてたんじゃなかったっけ。そしてHarryのラストで出てきた「ニワトコの杖」の秘密を握っていた爺さんだよね? いずれにせよ本作の時代は絶好調で悪いことをしている魔法使いで、若き日にダンブルドアとマブダチだった男。世界征服が夢だけど、非魔法使いを全員ぶっ殺せとは思っておらず、家畜として飼えばいいじゃん的思想の危険人物。演じたのは前作ラストで正体が判明したJohnny Depp氏55歳。老けたっすねえ……いつも酔っぱらってろれつが回らないような姿の印象が強くて、あまり好きじゃないす。
 とまあ、キャラと役者については以上かな。つうかですね、もう書きたいことはほとんどないっす。どうしても分からないことが多くて……いっそちゃんと小説出してくれないかなあ……。

 というわけで、ぶった切りで結論。
 シリーズ第2弾となる『Fantastic Beast:The Crimes of Grindelwald』を観てきたのだが、やっぱり思うのは、このシリーズは『Harry』愛に満ちた人じゃないと若干ハードルが高く、わたしのような人間には、物語の理解すら難しいという、極めて一見さんお断りな映画であったように思う。じゃあ観に行くなよ、と言われそうだけど、うーーん……次はもう観に行かない……かな……。わたしのような頭の悪い人間は、おとなしくWOWOWで放送されるのを待ち、シリーズ完結後に一気に観ないとダメかもな……。ただし、とにかく登場する魔法動物たちや、衣装や美術など、世界観を彩る映像はとても魅力的で超一流なのは間違いなく、また、『Harry』愛に満ちた方なら大興奮の物語だったのだろうと思います。つうかですね、ニュート君はもうチョイ、コミュ力を鍛えた方がいいんじゃないかなあ……。それと、なにもこんなに暗い話じゃなくて、もっとニュート君と動物たちが主役な楽しい話にすればいいのになあ……。というのが結論です。以上。

↓ 前作で登場した、金が大好きなモグラのような謎生物は、今回ラストで何気に大活躍します。前作をもう一度復習してから観に行った方がいいかも。

「1作目が思わぬヒットとなって、続編が作られることになった」という経緯はもうよくあることだが、映画オタクとしては、その続編では監督やキャストが変わってしまい、なかなか香ばしい地雷映画となってしまった悲しい事例をこれまで何度も観てきた。
 そんなわたしなので、日本では2年前に公開され、わたしも大興奮したあの映画の続編が作られるというニュースを知った時、わたしはひそかに、うーん、大丈夫かなあ? と要らぬ心配をしたのである。そしてその、続編が公開となったので、地雷か否かを確認するため、さっそく観てきた。
 その「あの映画」とは、メキシカン・カルテルとの麻薬戦争を描いた『SICARIO』という作品である(邦題:「ボーダーライン」)。この映画に関しては、2年前に書いた記事を読んでもらうとして、とにかくわたしが興奮したのは、監督のDenis Villeneuve氏の素晴らしい手腕で、最初から最後まで貫かれる高い緊張感と不安を煽るような音楽の使い方、また撮影の巧みさなど、映画としての完成度は著しく高い傑作であった。Denis監督は、こののちに『ARRIVAL』や『BLADERUNNER 2049』などのウルトラ傑作を生みだしていくことになるのだが、やはり『SICARIO』のクオリティの高さが後の活躍を決定づけたと言ってもいいのではなかろうか。
 しかし、である。わたしが今日観てきた続編『SICARIO : DAY OF THE SOLDATO 』という作品ではDenis監督は去ってしまい(恐らくもう売れっ子なのでスケジュール的に無理だったのだろう)、イタリア人のStefano Sollima氏へ引き継がれたのである。この時点でわたしはかなり心配だったのだが、まあ、脚本は前作同様Taylor Sheridan氏だし、メインキャストの二人も変更なしだし、大丈夫……かな? という気持ちで劇場へ赴いたのだが、結論から言うと、全く大丈夫、今回もとても興奮する作品に仕上がっていたのである。いやあ、やっぱり世界は我々一般人の知らない恐ろしいことが起きてるんですなあ……とにかく緊張感が高い、一級品の映画だったと思います。
 というわけで、まずは予告を貼って、中身を見ていこう。いつも通りネタバレに触れる可能性大なので、まだ観てない方は予告を観たら今すぐ退場して、劇場へ観に行ってきてください。これは大変オススメであります。

 いつもわたしは予告の出来が悪いと容赦なく批判するのだが、上記予告の出来は大変よろしいと思う。日本版予告でありがちな、全く不要なナレーションや下品な文字ワイプもないし、実際、物語は上記予告から想像できる通りで、もはや細かい説明は不要だろう。
 舞台はメキシコとの国境地帯。そしてメインキャストの二人、CIAマンのマットと、SICARIO=暗殺者のアレハンドロも、前作通り、ハリウッド強面オヤジ選手権で優勝を争いそうなJosh Brolin氏とBenicio del Toro氏のままである。ただ、今回は、実のところ麻薬戦争を描く作品ではなく、ちょっとだけ変化球であった。
 冒頭で描かれるのは、US国内へ密入国しようとするメキシコ人の一団を一網打尽にするUS国境警備隊の模様と、(US側の)国境の町に住む少年の様子だ。いかにもフツーな少年でいて、何も考えてなさそうで、なんとなく底なしの虚無を抱えていそうな極めて冷ややかな目が印象的で、きっと物語のカギになるんじゃないかと予感される少年だ。なんでも、今現在、メキシカンカルテルがUS国内に運ぶ最も高価な商品は、もはやコカインではなくて、「人間」なのだそうだ。というわけで少年は、いかにもチンピラな「親戚」の男の手下として、密入国の手引きをする下っ端になり果てる。
 そして一方では、US国内ではスーパーで自爆テロが勃発し、実行犯はイエメン人で、どうやらメキシコから密入国したようだ、という情報がもたらされる。この結果、手引きをしたメキシカンカルテルをUS政府はテロ組織と認定、カルテル同士を戦争させるためにマットが招集され、BLACK OPs(=極秘作戦)が発動されるーーーという展開である。
 というわけで、マットは「戦争」を演出するために、さっそく旧知のアレハンドロを招集する。作戦としては、最大カルテルのボスの娘を誘拐し(=アレハンドロは元コロンビアの判事で、カルテルに妻子を惨殺された過去があるのでカルテル壊滅のためなら何でもやる男)、それをライバル組織の犯行と偽装することで戦争を起こさせるというDirtyなもので、極めてプロの仕事としてとんとん拍子に進むため、こりゃきっと誘拐された娘が物語のキーになるのかな、そして冒頭の少年と出会って……みたいな展開だろうかと思いながらスクリーンを観ていたのだが、このわたしの予感はまるで間違っていて、思わぬ展開が待っていた。
 実は、メキシコ政府は、まったくUS政府からこの作戦を聞かされておらず(?)、作戦を察知したメキシコ政府の意をくんだメキシコ警察の裏切り(?)で、あっさり作戦は頓挫してしまうのだ。ここは、わたしは最初どういうことかよくわからなかったのだが、想像するに、メキシコ政府はカルテルとケンカはしたくないし(ひょっとしたら癒着しているのかも)、カルテル同士の戦争なんて起きてほしくない、ということだと思う。そのため、結果としてマットとアレハンドロは窮地に陥る。マットはすぐさまUS国内に脱出し、アレハンドロは、激しい銃撃戦のさなかに逃げ出した娘を追って一人追跡にーーという展開で、ますます娘の物語上の重要性は増していくのだが、わたしはてっきり、アレハンドロは前作のラストで描かれた通り、全くNO MERCY、超無慈悲な暗殺者なので、娘もラストは殺るんだろう、と思ったのだが……そんなわたしの愚かな想像の斜め上を行くエンディングは、実に見事だったと思うし、極めて優れた脚本であったと思う。わたしとしては、傑作認定したいと思うハイクオリティな映画であったと結論付けたい。
 というわけで、各キャラとキャストについてメモしておこう。
 ◆マット:前作にも登場したCIAのBLACK OPs指揮官。前作では、FBIのゆとり捜査官に、あぁ? お前何言ってんだ? これは戦争だよ、とあっさりつき放つような、恐ろしく迫力のあるおっさんだったが、今回は、意外とハートのある男になってたのが驚いた。前作のエンディングはかなり苦いものだったけれど、一応、本作はすべてスッキリするエンディングだったと思う。演じたのは、前述の通りTHANOS様でお馴染みJosh Brolin氏。ホントにわたしとほぼ同級生なのか疑いたくなる迫力オヤジですな。見事な演じぶりでした。
 ◆アレハンドロ:前述の通り、メキシカンカルテル壊滅なら何でもやる決意を持ったSICARIO=暗殺者。徹底したプロ。ラスト近くでとんでもない目に遭い、な、なんだって――!? とわたしはもう絶句。そしてキッチリと、エンディングではBenicio del Toro氏の迫力オヤジの面目躍如で、「お前の将来の話をしようか」なんて密室で迫られたら、普通の人はその時点で失神・失禁してしまうと思います。冒頭の少年が、タトゥーまみれのチンピラになり果ててイキがってるのをガツンとやる強面オヤジぶりがもう最高でしたね。
 ◆イザベラ:カルテルのボスの娘。推定15~17歳ぐらい? わたしは冒頭から、この娘が気に入らなくて、いずれ恐怖で泣き叫ぶがいい……とか思ってました。なにしろ、血まみれの金でぬくぬくと育ち、血まみれの父親の影響力で偉そうにしてるだけのクソガキだったので、さっさとひどい目にあえ、とか思っていたものの……アレハンドロとのちょっとした心の交流は、まあ、一時の心やすめになったような気もします。演じたのは、Isabela Monerちゃん17歳。結構可愛いです。あ、へえ~? Broad Wayの『EBITA』で芸能界デビューした娘なんですな。この娘さんは将来もっと有名になる予感はあるっすね。大変な熱演だったと思います。↓こちらはIsabelaちゃんのインスタより、W強面オヤジに囲まれるの図、であります。Wオヤジの笑顔が似合わねえw!

 ◆ミゲル:US側の国境のすぐそばに住む少年。わたしとしてはこういう底知れない悪意の塊のようなガキにはさっさと死んでほしかったのだが……物語のカギを握るキャラと言ってもいいような気もする。ここでこうつながるのか、というのはとてもよくできた脚本だったと思う。とにかくその眼に宿る、底なしの虚無のような、どーでもいいよ……みたいな態度が非常にムカつくけれど、演技だったのならすごい演技力だと思う。何気に空気を読んで危険を察知するその能力は、次世代SICARIOの才能アリでしょうな。彼のとある行動で、「ヒャッハー! 戦士(=Soldado)の誕生だぜ!」とチンピラどもが盛り上がるシーンがあって、その意味では本作のタイトル「DAY OF THE SOLDADO」にも通じていて、実は物語の主人公だったともいえるかもしれない。演じたのはElijah Rodriguez君は年齢がいくつか分からないけど……イケメンに育ってほしいすな。大変良い芝居ぶりだったと思います。

 とまあ、主なキャラとキャストは以上です。問題は、ズバリ言うと今回のマットとアレハンドロに関して、前作のような徹底した冷徹さが、若干ハリウッド映画的な正義の味方に変化してしまっている点で、ここは賛否両論のような気もする。その、善と悪の境界線があいまいである点が邦題の「ボーダーライン」であったはずだと思うのだが、今回は分かりやすく「イイ人」になってしまっているように思えた。まあ、わたしとしては、今回のような若干の甘口も、悪くないと思った。血まみれの金でぬくぬくと育った娘に、まだ改悛の余地はあるのかどうか。前作のアレハンドロだったら、躊躇なくぶっ殺していたはずだけど、一応の救済を示したのは、まあ、人間としては、許せるというか、否定はしたくない、ですな。あと、そういえば前作にも登場した、マットの部下の眼鏡の人は今作でも出演してましたね。それと80年代のYAスターの一人、Matthew Modine氏がSDUS(=合衆国国防長官)の役で出演されてました。今59歳か……『FULL METAL JACKET』の主人公ジョーカーも年取ったなあ……。
 しかしまあ、なんつうか観終わって、本当にもう、どうにもできないというか、人間の悪意の連鎖にはとても心痛みますな。これじゃあ、元不動産王のスケベオヤジこと現職US大統領が、国境に壁を作るとか言い出す気持ちも理解できるよね。もちろんそれは、幼稚で浅はかな考えかもしれないし、メキシコ側の主張である、US側で需要があるのが悪いという意見も、分からんでもない。
 でも、間違いなく言えそうなことは、この麻薬戦争に象徴されるUS-MX間の問題は、恐らくもう解決不能なのではなかろうか。壁を作っても乗り越えてくるだろうし、US国内の需要もなくならないだろうし、そして、US側で密入国を手引きする連中も絶滅することはないだろうと思う。
 現代社会に生きる我々には、もはや禁忌、タブーのようなものはなくなってしまっているわけで、みんなで決めたはずのルール=法律も、全くもって万能ではない。どんな刑罰があっても、犯罪がなくならないのは、みつお的に言えば、にんげんだもの、なんだろうけれど、それでいいかと言えば、全く良くない。なんか、真面目に生きることを信条とするわたしとしては、悪には明確に罰が下されることを祈りたいすなあ……真面目に生きることでバカを見る社会が続くようなら、まあ人類は絶滅してもいいんじゃないすかね……。なんて暗~~い思いが晴れなかったす。なので、わたしは悪党がぶっ殺される映画は大好きであります。
 ところで、本作は監督は変わってしまったものの、前作で特徴的だった音楽は健在で、実に緊張感を高めるのに貢献した音楽・音響だったと思う。ただ、わたしは知らなくて、エンドクレジットで初めて知ったのだが、エンドクレジットには、「To Jóhann Jóhannsson」という追悼メッセージが映される。これは、まさしく前作の音楽を担当したJóhann Jóhannsson氏のことで、どうやら本作はJóhannsson氏のオリジナルスコアを使いながら、別の方が音楽を担当されたようだ。Jóhannsson氏は前作の後、Denis監督の『ARRIVAL』でもとても素晴らしい仕事をされた音楽家なのだが、今年亡くなっちゃっていたんだね……。わたしはすごい好きだったのだが、大変残念です。

 というわけで、結論。
 監督が代わってしまってとんでもない地雷映画と化すことはよくあることだが、今日わたしが観に行った映画『SICARIO : DAY OF THE SOLDADO』は、前作にして超傑作の『SICARIO』とは確かに別物、ではあったものの、そのテイストは十分受け継がれていて、大変面白かった、というのが結論であります。多分、とても気を使って、前作を意識しまくっているように思えますね。ともに共通する、あの音楽ですよ、とりわけ特徴的なのは、とにかく最初から最後まで緊張感が維持される演出?は見事だと思うし、脚本的にも若干変化球で、わたしは大変楽しめました。しかしホント、人類は救い難いというか、もうどうにもならんとしか思えないす。マジで、壁作っちゃうのも、対処療法としてはアリなんじゃねえかとか、そんなことすら思っちゃいますな。あーあ、人類の精神は、あんまり進化してないみたいで、しょんぼりすね……どうにもなんねえなあ……もう。以上。

↓ 前作は超傑作です。超おススメです。つうか、観てないと今回の『DAY OF THE SOLDADO』は楽しめないと思います。
ボーダーライン(字幕版)
エミリー・ブラント
2016-08-09

 わたしの青春時代は、どう考えても小学校~中学校~高校~大学の初めを過ごした80年代だと思っている。さんざんこのBlogで書いている通り、わたしは映画オタクとして成長してきたわけだが、一方で、中学に入る頃になるといわゆる「洋楽」にハマる奴らも周りに出てきて、いろいろカセットテープ(信じられないかもしれないがCDに移行したのは大学入ってから)を借りたり教わるようになったのだが、あくまでわたしは映画中心で、洋楽に関しては、例えば映画の主題歌なんかは相当聞いていたので、それなりに知識としていろいろなバンドや曲に詳しくなったけれど、アルバムを買ったりコンサートに行ったりするほどにはバンドやアーティスト自身にハマることはなかった。
 そんなわたしでも、「Queen」というバンドにはそれなりに思い入れがある。たぶんわたしが一番最初に「Queen」なるバンドの曲を聞いたのは、夜な夜な兄貴の部屋から流れてくる『FLASH GORDON』のサントラであったと思う。「Flash! a-ah~!Savior of the Univers!」のあの歌が、兄貴の部屋からダダ洩れで聞こえてきて、もう何回聞いたことか……。当時わたしは小学生だったので、映画は劇場で観ていないけれど、すごく覚えているエピソードとしては、この映画が高校生の時にTVで放送されて、その翌日友達Y君が、サントラが欲しい!とか言い出して、あれ、兄貴が持ってたけど、おれたちが小学校んときのサントラだから、中古屋行くしかねえんじゃね? というわけで、当時、有楽町の数寄屋橋にあった「HUNTER」という中古レコード屋に行って、その友人が500円ぐらいでそのレコードを買ったのに付き合ったのをなんだか妙に覚えている。
 そしてもうひとつ、「Queen」というバンドについてわたしが思い入れがあるのは、その曲の多くがわたしの愛する『ジョジョの奇妙な冒険』でスタンドの名前として登場するためだ。Killer QueenAnother One Bites the DustSheer Heart Attack、そして「BOHEMIAN RHAPSODY」。ご存知の通りJOJOのスタンド名は様々な楽曲(やアーティスト)からとられており、いちいちその元ネタを教えてくれる友達もいたし、自分でも調べたりとしたもんだ。
 というわけで、わたしが今日観てきた映画は、まさしくバンド「Queen」のリードボーカルにして偉大なる伝説のパフォーマー、Freddie Mercurry氏の伝記映画、『BOHEMIAN RHAPSODY』であります。結論から言うと、相当駆け足だし、若干映画として、細かいツッコミは付けたくなるものの、そんな細けえことはどうでもよく、とにかく「Queen」の数々の曲がいちいちカッコいいし、ラストに描かれる1985年開催の「LIVE AID」のシーンはもう超圧巻で、鳥肌モンの感動?に酔いしれたのであります。わたしの隣に座っていた推定60代のご婦人が、さかんに涙をぬぐっておられたのが印象的だ。あの「We are the Champions」はもう、すげえ! の一言ですよ。マジで泣けそうになったすね。コイツは相当最高でした。たぶん、我々おっさんだけでなく、Queenを知らない若者が観ても、その強力なパフォーマンスシーンにかなりグッとくるのではなかろうか。

 相変わらずFOXの予告はセンスゼロだが、まあ、大体の物語は上記予告で想像できる通りだ。物語は、事実通りなのかは知らないけれど、伝説と呼ばれるFreddie Mercurry氏の生涯を追ったもので、いわゆる一つの「ジュークボックス・ミュージカル」と言っていいだろう。今後ブロードウェーでミュージカル化されてもおかしくない、とても胸に迫る物語である。
 ただ、わたしがどうもよく理解できなかったのは、Freddie氏の「バイクセクシャル」嗜好の件だ。Freddie氏は、残念ながら1991年に45歳の若さで亡くなってしまったわけだが、ご存知の通りエイズによる肺炎が死因である(と映画では語られた)。80年代終わりごろの当時、エイズはゲイのかかる病気、のような風評があって、まあFreddie氏もそっちの趣味があったわけだが、わたしは本作を見るまで全然知らなかったんだけど、Freddie氏は若い頃は普通に女性と恋に落ちていて、要するにバイセクシャルだったんですな。でも、本作では、なんだか結構唐突にゲイ嗜好に走ってしまって、それが原因で彼女と別れてしまうことになって、生涯の心の孤独、を抱えてしまうようになる。
 この、Freddie氏が生涯抱える心の孤独が一番大きなポイントなのだが、なんというか……観ていて、Freddie氏が積極的にゲイの道に向かったというより、その道にそそのかしたクソ野郎がいて、そいつが悪党だ的に描かれているのが、なんだかちょっとよくわからなかった。
 そして、そのことでバンドメンバーや彼女との距離ができてしまって、破滅的な道にまっしぐらになってしまっても、結果的には彼女の心からの説得で考えを改め、バンドメンバーにも素直に謝罪して、さらにはずっと距離のあった厳格なお父さんとの和解も果たし(お父さんとのシーンも泣ける!)、1985年の「LIVE AID」に出演するというクライマックスは、映画的にはとても美しく感動的であったように思う。まあ、ホントはそんなに美しくはなかったんだろうけど、あの圧巻のパフォーマンスは最高に心震えたっすね。とにかくカッコ良かった。
 あと、Freddie氏が大の猫好きだったことは、有名らしいすね。わたしは全然知らなかったけど、映画に現れる猫たちがとてもかわいかったすなあ。もうチョイ、映画的に猫好きエピソードはクローズアップされても良かったかもしれないすな。それとFreddie氏の親日ぶりも、何気にいろいろ描写されてたすね。あのドイツの別宅の玄関に、謎のお札が張ってあったし、部屋着としての着物もなんか雰囲気に妙に合ってたすね。わたしは全然知らなかったので、へえ~? と思ったす。パンフには、当時日本来日の際に必ず付き添っていた方々のインタビューが載っていて大変興味深いです。
 というわけで、わたしは本作にかなりハートを鷲掴みにされたわけだが、それはもう、なんといっても楽曲のすばらしさと、各キャストの熱演・パフォ―マンスのすばらしさによるものだと思う。あれって、キャストが歌ってる……んだよね? オリジナル音源に口を合わせてるんじゃないよね? もう、完全に本物ですよ。とにかく凄かったので、各キャストを紹介しておこう。
 ◆Rami Malek as Freddie Mercurry:この人が演じた役で、わたしが一番印象的なのは、WOWOWで放送された『THE PACIFIC』での兵士の役で、それ以外は正直あまり記憶にないのだが、今回のFreddie Mercurryは完璧に近かったですな。確かに、よーく見ると全然別人なんだけど、全然気にならないというか、映画の中ではもう完璧にFreddie Mercurryですよ。ビジュアル、そして歌唱、さらにピアノ演奏など、ホントに素晴らしかったと賞賛したいですな。

 ◆Gwilym Lee as Bryan May:もうとにかく、似てる! という印象です。わたしは全然知らない役者さんですが、とにかくブライアン・メイですよ。やっぱり、Queenというバンドにおける兄貴的存在なんすかね。ギターを担当するデカい人は、バンドにとってもその存在がデカイ人なんでしょうな。大変な熱演だったと思います。あの名曲「We will rock you」はブライアン作なんすね。

 ◆Ben Hardy as Roger Taylor:ドラム担当のロジャーを演じたのは、『X-MEN:Apocalypse』でアークエンジェルを演じた方ですな。この方も、確かに似てる、と思います。ドラム演奏はもう圧巻ですよ。最高でした。ロジャーの代表作は……いっぱいあるけど、本作内ではこの「RADIO GA GA」が印象的だったすね。

 ◆Joseph Mazzello as John Deacon:ベース担当のジョンを演じたのは、まさしく『THE PACIFIC』の主人公、スレッジを演じたJoseph Mazzello氏でありました。ジョンは一番若くてQueenにも一番最後に参加してくる男で、やっぱりバンド内では一歩後ろに下がっているような立ち位置なんだけど、名曲「Another One Bites the Dust」が生まれるシーンで、フレディ、ブライアン、ロジャーが喧嘩してイラついている時に、あのベースのリズムを弾きながら、さあ、どうすんの?的に煽ったら、それいいな!? とみんながノッてきちゃうという、あの誕生秘話は面白かったすね。ええと、わたしが言っているベースのリズムはこれっす。

 とまあ、もう本作はQueenの4人だけで紹介は十分だろう。とにかく熱演で素晴らしかったと思います。最後に、監督についてだけちょっとメモしておくと、本作は監督としてBryan Singer氏がクレジットされているけれど、残念ながら途中で降板となってしまい、後任としてDexter Fletcher氏が監督を引き継いでいる。そんなごたごたがあったようだけど(全米監督協会の規定でクレジットされる監督は1人のため、あくまでクレジット上ではSinger監督作品)、正直、どこまでSinger監督でここはDezter氏が撮った、なんてのはもう全然分からないデキなので、観客としてはどうでもいいことだろう。ただ、わたしは結構Singer監督の作品が好きなので、本作の途中降板など、このところかなり名声が傷ついているのは若干残念だ。
 最後に、どうでもいいことをメモしておくと、この年末は、本作と『A STAR IS BORN』の2作が音楽的に素晴らしいという点で、何かと比較されるような気がする。しかし、本作は実話ベースであくまでFreddie Mercurry氏の足跡をたどったものである一方で、『A STAR IS BORN』は完全フィクションだし、二人の男女を描いたものであるという点で全くの別物だと思う。両作に共通しているのは、とにかく音楽が素晴らしい、ぐらいじゃないかしら。そして、わたしの趣味で言うと、やっぱり『A STAR IS BORN』の方がわたし好みっすね。それは間違いないす。GAGA様とBradley Cooper氏の二人の演技の方が、わたしはグッと来たし、音楽的にも素晴らしかったと思います。

 というわけで、結論。
 偉大なるパフォーマーFreddie Mercurry氏の生涯を描いた映画『BOHEMIAN RHAPSODY』をさっそく観てきたのだが、やっぱりもう、名曲ぞろいで相当興奮するっすね。そしてキャスト陣の熱演は、ビジュアル的にも凄いし、何より演奏、歌ですよ。本物のQueenの大ファンの人が聞いたら、やっぱり違うとか思うかもしれないけれど、わたしのようなニワカには、もう本物のパフォーマンスに迫る熱と魂を感じたっすね。素晴らしかったと思う。そしてこれだけ持ち上げといてアレですが、わたしの趣味としては『A STAR IS BORN』の方が好きっすね。まあ、とは言っても両作ともに素晴らしいデキなので、ぜひ劇場で観ていただきたいと思います。両作とも、劇場の大音響&大画面じゃないとダメだと思うな。つうか、両作ともに、サントラを買おうと思います。そして車で聴きまくろう!と思うわたしであります。以上。

↓ くそう、早く日本語字幕付きで観たい! 恥ずかしながらわたしの英語力ではきちんと理解できなかったと思う……
アリー/スター誕生 サウンドトラック
レディー・ガガ
Universal Music =music=
2018-11-07

 まったく根拠はないのだが、恐らく、40代以上の男で「果たしてオレの髪はいつまで元気でいてくれるのだろうか……」という思いにふけったことのない方は、ごく少数派であろうと思う。まあたいていの男が、40も後半となると自らの親父やじいさんを思い浮かべ、オレもヤベえかもな……という悲しみと不安と恐怖に打ち震えるモノだと思うが、わたしの場合、どうもここ2年ぐらいで、本当に、もうこれは自らを偽って気が付かないフリはもはやできない、というか、むしろ自らネタにして周りに「もうオレ、マジで髪が薄くなりつつあるんだけど、人生終了っつうか、心の底から絶望だよ……」というトークをかます必要が生じてきたのである。もはや笑うしかないこの事態に、わたしの心はズタズタに傷ついているのであった……。
 そして4日前、ここ10年ぐらいわたしの髪を切ってくれているイケメンのヘアスタイリストさんに、もうオレダメっすわ……つうか、どうしたもんすかねえ……と悩みを打ち明けてみたところ、まあ、営業トークとして、いやいや、まだ全然いけるっすよ!と言ってもらったものの、今後の「オレの髪をどうしたらいいか問題」に関する基本方針を打合せることにした。その結果、
 1)いきなりだとアレなので、だんだん短くしていく
 2)短い髪がお馴染みになった6~9か月後ぐらいに、第1形態としてまず、Tom Hardy氏 またはDaniel Craig氏を目指す
 3)そして薄くなる進行に合わせて、第2形態としてKEN WATANABE氏的なスタイルを着地点とする
 4)いよいよKENさんヘアーもキツくなったら、第3形態はもうJason Statham氏を目指して無精ひげも同時装着するしかなかろう
 5)そしてそれも叶わなくなった時の最終形態は、もはやBruce Willis氏しかねえ!
 とまあ、こういう結論に至った。わたしもイケメンスタイリストさんも映画が大好きなので、以上の方針に決定した結果、今、わたしは今までよりチョイ短めの髪になっております。まあ問題は、わたしの髪の薄くなる進行度と、髪型の変化がシンクロするかだが、わたしの場合、どうも額が広くなるよりもてっぺん、つむじ付近の薄さがヤバイ状態であり、残念ながらザビエル化する可能性の方が高そうで、ホント、日々絶望に打ちひしがれている……。ああ、理科1の先生を「ザビたん」とか言って笑ってた中学生当時のオレよ、お前は自分を笑ってたんだぞ……。
 はあ……ホント長生きしていいことあるのかなあ……何もないような気がするなあ……。
 ―――というのは、まったく関係ない前振りである。
 今日、わたしはTom Hardy氏主演の『VENOM』を観てきたのだが、普通に面白かったのは良かったとして、やっぱりTom Hardy氏はかっこいいなあ、と思ったのが一つ、そして、ある意味予想通り、まったくもって『SPIDER-MAN』とは関係ない物語になっていて、ちょっとその点だけ残念だったかも、という感想を持ち得た。
 えーと、髪の話は、単にTom Hardy氏繋がりなだけっす。サーセン! そして以下はネタバレ全開になる可能性が高いので、また観ていない方はここらで退場してください。

 というわけで、『VENOM』である。このキャラクターは、別にMARVELコミックに詳しくなくとも、Sam Raimi監督&Tobey Maguire氏版の『SPIDER-MAN3』にも登場したので、映画好きならもうお馴染みだろう。あの、宇宙から飛来した謎の液体生命体で、SPIDER-MANに寄生して「BLACK SPIDY」になるアイツ、別名「シンビオート」である。まあ、原作的にはいろいろあるのだが、その辺は割愛します。いろいろありすぎるので。
 そしてこれももはやお馴染みな通り、今、破竹の勢いを誇るMARVELコミックも、1990年代にはホントにガタガタで経営破たんし、2009年にDISNEY傘下となることで企業再生を果たしたわけで、その20世紀末から21世紀初頭の黒歴史時代は、当然「売れるモノは売れ!」ということをせざるを得なかった。その結果として、有力IP(の映画化権などの二次利用権)はバンバン売られており、『SPIDER-MAN』はSONYに、『X-MEN』や『FANTASTIC4』などはFOXに売られてしまったわけである。
 ズバリ言うと、現在大人気でわたしも大好きなMARVEL CINEMATIC UNIVERS(MCU)は、売れ残って人気のなかったIRONMANからスタートするしかなかったのだと思う。まあ、正確に言えば、MCUが始まったのはDISNEYに買収される前で、MCUというプロジェクトの成功でMARVELは企業価値を高めることに成功し、DISNEYに、買ってもいいな、と思わせたわけで、MCUというプロジェクトがMARVELを救ったと言えるのではなかろうか。
 というわけで、MCUには『SPIDER-MAN』や『X-MEN』のキャラクターを登場させることはできないわけだったのだが、去年、世紀の大英断といわれるSONYの決断によって、SPIDER-MANがとうとうMCUに登場することとなった。その活躍ぶりは『INFINITY WAR』でもいかんなく発揮されていて、もはやSPIDY抜きのMCUは考えられないほどなのだが……果たして本作『VENOM』に、MCUへのつながりは描かれるのだろうか、という点がわたし的には実は一番楽しみであった。誰だって、SPIDY抜きのVENOMの物語って、面白くなるのかなあ? と普通に思うよね。
 しかし、冒頭、物語の舞台となるのがSan Fanciscoであることが明示された時点で、わたしはもう、MCU的つながり=SPIDYの登場は諦めた。なにしろSPIDER-MANはNYCに住んでいる高校生なのだから、こりゃもう、登場する見込みはなかろうと冒頭で分かった。ただし、わが友Mくんは、きっとラストのおまけ画像で、エンパイアステートビルのてっぺんにチラっと出て来るんじゃないすか? とか言ってたため、確かにあり得るかも……と最後のおまけ映像も期待したのだが、おまけ映像でもMCUつながりはナシ、であった。ただしその代わりに、おまけ映像においては、VENOMとセットで語られることも多い(?)有名キャラ、CARNAGEのまさかの登場で、これはこれで相当興奮したっすね。しかもCARNAGE(に寄生されるキャサディ)を演じたのは、なんとWoody Harrelson氏ですよ! これはシリーズ化する気満々なんでしょうな、きっと。なお、おまけ映像は一番最後にもありますが、これは劇場でお楽しみください。
 ああ、いかん、全く余談ばっかりになってしまった。
 だって……ええ、実のところ、本編の物語についてはあまり語ることがないんすよね……物語的には、ジャーナリストの主人公エディが、シンビオートに寄生されてVENOMとなり、シンビオートを地球に持ち込もうとした悪い人をぶっ飛ばすだけのお話で、正直、観ていて、なんでエディとVENOMがあんなに仲良く手を組むのかさっぱりわからないし、VENOMが地球を気に入っちゃった理由もよくわからない。一応物語では、エディもVENOMも「人生の負け犬」同士であり、そこが気に入った、みたいな説明はあったけど……ま、なんだそりゃ、ですわな。なので、別に感動するとか、そう来たか!的な気持ちよさは全くなかったと思う。原作ファンとしては「We are VENOM!」のセリフだけで大興奮できたかもしれないすね。
 とはいえ、それでも、普通に面白い映画であるのは間違いないと思う。それは、結局のところVENOMがイイ奴で、ほぼ正義の味方として大活躍し、悪者をぶっ飛ばすという爽快感がきちんとあって、スッキリ感という意味でのカタルシスはきちんと観客に提供されるからだと思う。そういう点では、本作はきちんと起承転結がつくられていて、クオリティは保証されていると思う。映像的な見ごたえもあるし、まあ、何にも知識なく、いきなりこの映画を観ても十分に楽しめると思います。そういえば、この派手な映像と妙な正義感は、映画としての『DEADPOOL』にとても近いようにも感じたっすな。
 というわけで、4人だけ、メインキャラと演じたキャストを紹介してさっさと終わりにしよう。
 ◆エディ・ブロック:ジャーナリストというかTV局お抱えYouTuberのような男。ただし、自分の彼女のPCを勝手にいじって得た情報で突撃取材を敢行するなど、頭は相当悪く、はっきり言って全くコイツには共感できなかった。当然そんな男なので、仕事を失い、彼女にもあっさり振られ「負け犬」に。コイツ、VENOMに寄生されなかったら人生終了だったよ、きっと。そんな、ある意味だめんずなエディを演じたのがTom Hardy氏41歳。意外と若いな。元部下のA嬢が大ファンで、唇がセクシーなのがお気に入りらしいけど、まあ、確かにカッコいいのは間違いないす。この人はいつも、なんだかモゴモゴしゃべるイメージがあるけど、本作ではやけに滑舌良かったすね。わたしも髪型をTom氏に寄せていく予定だけど、まあ、ブサメンのわたしが似合うかどうかはまだ分からんす、こりゃアカン、と思ったら早めにKENさんヘアーに移行しようと存じます。
 ◆アン:エディの元彼女。エディの暴挙によって一緒に職を失うことになり、エディにブチギレて三下り半を突きつける。そしてさっさと外科医の彼氏と同棲を始める切り替えの早いお方。ま、女性はそういうもんですよ。これはエディが全面的に悪いのでどうにもならんすな。むしろエディは未練たらたらで彼女の家の前でうろうろするという、軽いストーカーと化し、彼女にはごくあっさり、復縁はあり得ないとつめたーーく言われちゃう下りは、もう笑うしかなかったす。そしてそんな彼女、アンを演じたのは、なんとMichelle Williamsさんであった。わたしはMichelleさんが本作に出ていることを全然予習してなかったのでびっくりした。現在38歳か……このお方は、なんか妙に童顔に見えますね。本作ではなぜかタータンチェック(?)のミニスカ着用で、なんちゃって女子高生風な衣装は監督の趣味なのか、原作通りなのか、わたしにはわからんす。大変よくお似合いだったので、わたしとしてはアリ、です。
 ◆カールトン・ドレイク:ライフ財団のTOP。天才。がんの治療薬を16歳(だっけ?)で発明し、巨万の富を得る。そしてその金で現在宇宙開発にご執心。というのも、彼の考えでは、もう地球の資源は枯渇しており、人類は宇宙進出しないとダメ、と思い込んでいて、宇宙移民の際に、宇宙生物と融合するのが解決法だ、とか考えているため、自らシンビオートと同化、RIOTとしてVENOMと戦うことに。もうちょっとその天才頭脳を別の方向に向けてればよかったのにね。ちなみにRIOTは、VENOMの上官でシンビオートの中でも強くて偉いらしい。わたしは知らんキャラでした(わたしは最初、CARNAGEキター!とか思ったけど盛大な勘違いでした)。で、演じたのは、『ROGUE ONE』のボーディーでお馴染みRiz Ahmed君35歳ですよ! あの、元帝国軍のパイロットでお父さんのメッセージをソウ・ゲレラに運んできた彼ですな。あの時は汚いカッコで無精ひげだったけど、今回はきれいなスーツ&すっきりさっぱりな顔でした。結構イケメンじゃないすか。
 ◆スカース博士:ライフ財団で働く医師(?)。医学発展のために働いていたと思ってたのに、裏では人体実験をしていたことにショックを受けて、シンビオートの情報をエディに漏らす人。そして気の毒な最期に……。そしてこの博士を演じたのはJenny Slateさんという女性で、この方は去年観てやけに感動した『gifted』の、担任の先生を演じた方ですな。どっかで見た顔だと思ったけど、パンフを読むまで思い出せなかった……。本作ではイケてないダサめがねでしたが、本来はかなりの美人です。

 とまあ、こんなところかな。なんかまるで関係ない話ばかりでサーセンした!

 というわけで、さっさと結論。
 MARVELコミックの人気者、SPIDER-MANのキャラクターでお馴染みの『VENOM』単独の映画がソニーによって製作され、公開されたのでさっそく観てきた。VENOMを描くのにSPIDYが出なくて大丈夫なんだろうか、と思って観に行ったのだが、まあ、普通に面白かったと言っていいだろう。主人公エディには全く共感できなかったけれど、派手なアクション、ちょっと親しみ?を感じさせる面白キャラ、という点では、なんとなく映画的には『DEADPOOL』に似ているような気がしました。そしてTom Hardy氏はやっぱりカッコイイすね。それなりに全世界的にはヒット中なので、続編が作られたらまた観に行くと思います。その時は、SPIDYが出てきてほしいのだが……どうでしょう、難しいかな……まあ、わたしとしては、さっさとX-MANがAvengersに参加してくれた方がうれしいす。全然まとまらないけど、無理やりですが、以上。

↓ MCUじゃないけど、やっぱりSam Raimi監督版の爽快感はイイすねえ!

 このBlogで何度も触れていることだが、現在わたしが思う最強ハリウッド美女は、WONDER WOMANでお馴染みGal Gadot様と、もう一人、常に高貴でクールなオーラの漂うCate Blanchett様のお二人が2TOPである。もはや女神に近いその存在は、恐らく直接目にしたら自然と跪いてしまうだろうと思われるほどだが、ここまで持ち上げておいてアレなんですけど、実はわたしはこの女神が出演する映画を全部観ているわけではない。とりわけ、Cate様の場合、もうずっと前から映画の中で何度もその姿を観ていながら、キレーな人だなあ、とは思っていたものの、それ以上ではなく、どういうわけか2015年に観た『The Monuments Men(邦題:ミケランジェロ・プロジェクト)』という作品を観たときに、突如、な、なんてお美しいお方なんだ! とCate様の美に目覚めて以来、Cate様にぞっこんLOVEとなったのである。
 あの映画でのCate様は、確かルーブルに勤務する美術女子で、超クールなフランス人なんだけど、その内心ではナチスには屈せずひそかに闘う熱い女子、みたいな役で、おっそろしく美しかったのがわたしのハートにやけに響いたのであった。
 とういうわけで、以来、Cate様の出演する映画はなるべく観たいとは思っているものの、全部をカバーしきれていない、まったく気合の入っていないファンであるのがわたしなのだが、先日、Cate様が、これまた妙にピッタリなイメージで主演する映画の情報を得て、これは観ないとダメだな……と思える映画に出会った。そのタイトルは、『The House with a Clock in Its Walls』。この作品は、わたしは全く知らなかったが児童文学で有名な作品だそうで、日本では『ルイスと不思議の時計』というタイトルとなっている。で、公開から2週間経ってやっと観てきたわけだが、まあ、うーん、やっぱり児童文学ですな、というのがまず第一の感想であり、そして、やっぱりCate様は最強に美しいのう……という、実に当たり前な感想を持つに至った。えーと、面白かったかどうかで言うと、うーん……まあ、普通っすね。つまらんとは言わないけど、別に大絶賛でもなかったです。

 というわけで、上記が日本版予告なのだが、ご覧の通り、予告からして「日本語吹替え」である。いや、字幕の予告があるのかもしれないけど、見つけられなかった……のはどうでもいいとして、言いたいことが二つあって、まず、わたしは映画オタクとして、ハリウッド作品を観る時は「字幕版」一択であって、日本語吹き替えを観ることはまずない、ということだ。そして第2に、やっぱり児童文学が原作ということで、児童の観客をメインに想定しているために日本語吹替え(の予告)なんだろう、という点で、実はわたしがこの映画を観ようと思っていたのに、公開から2週間経ってやっと観た理由はここにある。
 というのも、映画館というものがほぼ絶滅しつつあり、シネコンなるものに置き換わった現在、わたしの家の近所では、日本語吹替え版の上映しか設定されておらず、字幕版を観るには日比谷か新宿へ行くしかなく(※TOHOの場合)、その時間がなかなか合わなくて、観に行くのが遅れてしまったのである。まあね、別に全国各地で字幕版を用意しろとは言わないけど、この映画を観ようとするちびっ子は、実際それほど多くないんじゃないかなあ……という気もする。ちなみにわたしが観た日比谷TOHOでの字幕版は、シニア客が圧倒的に多かったすね、これは字幕で日比谷だからかもしれないけど、全国のシネコンで上映されている日本語版には、ちゃんと想定観客であるちびっ子率が高いのだろうか。そうだといいんだけど……。
 ともあれ、以上はどうでもいい話である。お話の方も、もう詳しくは説明しない。両親を失った少年が、(母の兄である)叔父の元に引き取られ、その叔父が魔法使いで、その叔父と仲の良かった魔法使いの仕掛けた陰謀に少年は見事ハマってしまい、うえーん、おじさんごめんなさーい、と詫びを入れつつ、叔父の友達で隣の家に住む魔法使いの女性とともに、その陰謀に立ち向かうお話である。サーセン、超はしょりました。
 時代的には、1955年という設定なのだが、その設定は悪い魔法使いが2次大戦に出征したことと、そして女性魔法使いはパリで暮らしていたユダヤ人で、ナチスによって家族を喪っていること、ぐらいしか物語に影響していない。だから何だということもないのだが、その女性魔法使いを演じるCate様の、どこか悲しみをたたえながらも優しい笑みは素晴らしいし、叔父さん魔法使いと繰り広げられるののしり合戦も軽やかで、要するにCate様は超最高であったのであります。ええ、実のところそれしかわたしには書くことが思いつかないす。叔父さんとののしり合いは、まあギャグシーンなわけだけど、Cate様はなんだか楽しそうに演じられておられたのがとても印象的だ。そう、Cate様は結構笑顔が可愛いんすよ!
 Cate様は、ご存知の通りオーストラリア人であり、その英語は、当然元々はオージー・イングリッシュなはずだが、当たり前だけど映画では一切その気配はないですな。なにしろ出世作『Elisabeth』ではエリザベス1世陛下を堂々と演じられたお方だしね。そして今回のCate様の衣装もイイし、髪型も超イイ。おまけに最初の登場時は眼鏡着用である。もう、最高すぎてわたしとしてはそれだけでこの映画を観た価値はあったぜ、と思うほどだ。
 こちらはCate様と、その叔父さん魔法使いを演じたJack Black氏のツーショットですな。

 そしてこちらはキャスト&監督集合のプロモ写真。一番左のグラサン女性がCate様ね。右から二人目の若干イケメンが監督のEli Roth氏ですな。そして真ん中のちびっ子が、今回の主役であるルイス少年を演じたOwen Vaccaro君13歳です。彼はなんというか、まあ実にいかにもな健全なアメリカ人的なナイス笑顔ですね。芝居ぶりもなかなか達者でありました。イケメンに育つのだぞ……。

 まあ、おそらく、Cate様のお姿は、普通の日本人なら、若干おっかない系?に感じるのではないかと想像する。そして実際、Cate様が演じる役柄は、いつもきまって強くてりりしい系のキャラが多く、今回演じた女性魔法使いも、ひっつめ髪&タイトな服(&クールな通称女医めがね)が超似合っていて、イメージ通りのCate様であったと思う。でもですね、くり返しますが、このお方の笑顔は意外と可愛らしく、そのキッとした眼差しも、そして若干魔女っぽい鼻&デカい口も、実に整っていて、大変な美人であることは間違いなかろうと思います。まあ間違いなく、わたしが生身のCate様をじかに観ることがあったら、おそらくはもう、へなへなへな~と膝から力が抜け、失神&失禁することになるのは確実でしょうな。変態感想でサーセン。本当に美しいお方でありますよ、Cate様は。

 というわけで、まともなことは何も書いてないけど結論。
 わたしの大好きなハリウッド美女、Cate Blanchett様が出演し、おまけに劇中でのお姿がやけにぴったりとお似合いで、こりゃあ見たいぜと思っていた映画『The House with a Clock in Its Walls』。現代のシネコン文化においては、観たい映画は公開されたら即観ないと、上映回数があっさり減らされて観逃してしまうことが多いわけで、わたしもさっさと観たかったのだが、児童文学作品原作ということで字幕版の上映が極端に少なく、公開2週間たってようやく観に行くことが出来た。感想としては、まあ、面白くないとは言わないけど大絶賛でもなく、フツーであったとしか言いようはない。しかし、だ。Cate様が大好きなわたしとしては、Cate様のりりしいお姿と、珍しくコミカルで楽しそうな芝居をするCate様が観られただけで、もうその価値としては十分以上、観に行ったかいがあったと思う。なので、Cate様のファン以外の人が観てどう思ったかは分からないが、わたしはもう、超満足であります。以上。

↓ なんでも、『ハリー・ポッター』日本語版の出版をしている静山社がこの映画合わせで(?)出し直したらしいすね。原作小説は「3」まで日本語で出てるみたいすね。

 わたしは映画オタとして、一番最初のSTAR WARSを親父とともに映画館で観て以来(当時小学校2年か3年)、ハリウッド作品をずっと子供のころから愛しているため、当然30年ぐらい前までは、月曜ロードショー(TBS・荻昌弘氏解説)、水曜ロードショー(日テレ・水野晴郎氏解説)、木曜洋画劇場(テレ東・わたしが覚えてるのは最後の木村奈保子さん解説)、ゴールデン洋画劇場(CX・高島忠夫氏解説)、日曜洋画劇場(テレ朝・淀川長治氏解説)を、当然のように観て育ったわけだが、中学に入った頃に、自分の部屋として個室をもらい、さらにテレビまで設置されたため、わたしの中学高校時代であった80年代後半は、ホントにもう火曜日金曜日以外は毎日テレビでハリウッド映画を観てたように思う。
 とまあ、以上はどうでもいい前振りである。
 わたしは先日台湾へ行ってきたのだが、帰りの飛行機で、なんか映画観るか、と思った時、こ、これは! まさしく今週から日本で公開されたばっかりで、来週あたり観に行こうかしらと思ってた作品じゃねえか! もう機内映画に載せるなんて、JALよ、偉いぞ! と興奮して観始めた映画がある。
 そのタイトルは『DEATH WISH』。わたしはこのタイトルを見た時に、これはアレのリメイクだ! とすぐに分かった。そう、この映画は、「うーん、マンダム」でお馴染みのCharles Bronson氏主演で、日本では『狼よさらば』という邦題で1974年に公開された作品の現代リメイクなのです。そして、わたしはこの『狼よさらば』は、もちろん劇場で観ている年齢ではないんだけど、中学高校時代、まさしくテレビの映画放送で何度も観たことがある作品だったのです! ちなみにどうでもいいけど、その続編の『DEATH WISH II (邦題は「ロサンゼルス」)』という作品は、わたし、映画館に観に行ったっすね。あれは中学の頃だろうな……。その後シリーズ化されてるはずだけど、わたしが劇場で観たのは2作目だけっす。
 ともかく、何が言いたいかというと、『DEATH WISH』というタイトルには思い入れがあり、それを現代リメイク、しかも主役をセクシーハゲ界の大御所であるBruce Willis氏が演じるなら、こりゃもう観るしかねえじゃねえか! と興奮するということであります。はあはあ。文章書くのに興奮したわ。

 というわけで、上記の予告は……はっきり言ってネタバレもいいとこじゃねえか、とは思うものの、観てないと意味が分からないと思うし、知ってても別に鑑賞の妨げになるとも思えないので、貼っときました。ま、物語は基本的に上記予告のまんま、であると言っていいだろう。
 主人公ポールは有能な外科医で金持ち。いい車に乗って(確かポルシェ・カイエン)、デカい家に住んでいる。美人の奥さん(演じたのはかつては可愛かったElisabeth Shueさん55歳)と、大学進学目前の可愛い娘(演じたのはCamila Morroneさん21歳)に囲まれ、仕事の方は激務だし、職を転々として金に困っている兄貴には若干うんざりしながらも、幸せな毎日を送っていた。
 しかしある日、家族と兄貴の4人で飯を食いに行ったとき、車止めといて、と駐車場係にキーを渡してしまうんだな。で、この駐車係がクソ野郎で、ナビをいじってまんまと自宅住所を入手しちゃうわけです。で、数日?後、このクソ野郎が仲間を引き連れて強盗にやって来る。ポールは不在だったが、妻は殺され、娘は意識不明の重体に陥る(※オリジナル版はレイプされるけど今回はレイプはナシ)という悲劇に襲われるわけです。そして、そこからお父さんの復讐が始まる!てなお話です。
 わたしは、はっきり言ってオリジナル版の詳細はとっくに忘れてしまっているけれど、相当久しぶりに観るこの物語を鑑賞しながら、以下のようなことをずっと考えていた。それはズバリ、アメリカ合衆国って国はホントに恐ろしい、イカレた国だなあ……という、日本人としての実に平和な、そして無責任な感想だ。以下に、わたしが恐ろしいと感じたポイントをあげつらってみよう。
 ◆車社会のUSA
 わたしはかつて、生意気にドイツ車に乗っていたことがあるのだが、その時、その車には「ホテルキー」なる小さいイグニッションキーが附属品でついていた。ディーラーのあんちゃんに、これは何なんすか? と聞くと、ああ、それは、ホテルとかで駐車係に渡すキーですよ。エンジンはかかるけど、トランクは空かないキーなんです、とのこと。まあ、わたしは日本国内で一度もその「ホテルキー」を使う機会はなかったけれど、そういうことらしい。映画でもよくそういう場面は見かけますな。
 そういうのを「Valet-Parking」というらしいけど、今やエンジンスタートはボタン式が普通だし、物理キーでドアロックを解除する機会もほぼ絶滅したので、わたしがかつてもらった「ホテルキー」なるものが現在も存在するものか知らないが、いずれにしても、「第三者が自分の車を動かす」機会は、日本ではほぼないかもしれないけど、US市民には普通にあるのだろう。しかし、本作で描かれた通り、今や車は個人情報を結構搭載しており、ナビに自宅登録してるのが普通なので、今回の映画のような悪用は、おそらく20秒もあればできちゃうと思う。
 つうか、やっぱり自分の車を全然知らない奴に運転させるって、ちょっと嫌ですな。車社会のUSAではそういう感覚はないのかしら……。まあ、あいつらはちょっとぶつけたぐらいの傷は気にしないからな……。映画なんかだと、スーパーカーで乗り付けた主人公がポイッと駐車係にキーを渡すようなシーンがよくあるけど、信頼が前提としてないとやっぱり危ないすね。まあ、なんか怖え、とか思った。
 ◆銃社会のUSA
 本作では、悲劇にあった主人公は、別に最初から復讐の炎をメラメラと燃やすわけではなくて、最初は当然、警察に期待するわけです。しかし警察は、超多忙なんだか知らないけど、ぜんぜん捜査は進展しない。そんな中、ちくしょうと思って主人公は街の銃砲店へ行く。聞けば、拳銃からフルオートライフルまでなんでもござい、だが、当然登録しなきゃいけないし、拳銃の許可は楽勝でおりるけど、それなりに時間はかかるとのこと。
 なので主人公は、うーむ、アシのついた銃じゃあなあ……どうしようかなあ……とか思っていたところ、勤務する病院に銃撃されて血まみれの男(たぶん悪党)が運び込まれ、その処置をしようとしたところで、その血まみれ男の腰からグロック19(17かな?)がポロリと落ちて、まんまとアシのつかない銃をゲットする。それから主人公は、YouTubeで分解整備の動画を見ながら手入れをし、射撃の練習をして、いざ、街へ乗り出すという展開になる。
 で、街で悪党を見かけるとぶっ殺す、という予行演習?をしているうちに、くだんの駐車係を発見、そいつをいたぶり、仲間の情報を得て一人ずつ始末していく、という流れだ。
 どうすか。すごいよね。USAって国は。銃が簡単に買えちゃうのも、US社会では常識とは言え、やっぱありえないことですよ。しかもフルオートのライフルまで揃ってるんだから恐ろしいよなあ……。警察がアテにならないから銃が必要なのか、銃規制がないから警察が忙しすぎる(結果頼りにならない)のか、もうどっちが先なんだかさっぱりわからないけど、完全に負のスパイラルにどっぷりつかってるのは間違いなかろうと思う。そしておそらくは、この不信のスパイラルは、永遠に解消されることはないのではなかろうか。無理だよもう、この国は。
 ◆ドラッグ社会のUSA
 実際のところ、日本においてもドラッグは流通しているし、イカレた連中がいっぱいいるのは同じだけど、まあ、白昼堂々と道端にディーラーがボケっとたむろしてるってレベルではないですわな。しかしUSAにおいては、まったく日常のひとコマだ。
 ある日主人公は、病院に運び込まれてきた少年(どう見ても小学生程度のガキ)が、「アイスクリームマン」なる男にやられたという話を聞いて、よし、じゃあそのアイスクリームマンとやらをぶっ殺そうか、とそいつの元へ赴く。そして、白昼堂々、アイスを売ってんだよ的なテイでたむろしてるそいつを、問答無用で銃撃するのだが、恐ろしいことに、アイスクリームマンが撃たれた後、アイスクリームマンがアイスボックスに保管してたドラッグや金?を、やったー!オレのもんだーー! と周りにいた連中がダッシュで集まって来て奪って行っちゃうんだな。
 つまり、主人公の行動は、一人の少年が助かったかもしれないけど、所詮は別の新たなアイスクリームマンが別の少年をいたぶることになるだけで、ズバリ言えば何の意味もないってことだ。こういう映画を観たり、現実の世界の出来事を見て、US市民は何とも思わないのだろうか?? おれには関係ねーや、ってことなんすかね? まあ、世界にはもっとひどい国もいっぱいあるだろうけど、残念ながらUSAという国はもうダメでしょうなあ……。どうにもならんよ、と思うのはわたしがUS市民じゃないからだし、完全に無責任な思いだけど、実際、世の中を完全リセットするような出来事がないと、どうにもならんだろうな……。
 
 とまあ、こんな物語なので、わたしはもう漫画のような気持ちで、悪党がやられるのをいいぞブルース! もっとやれ!的なお気楽な気持ちで観つつ、あーあ、アメリカ合衆国は終わってんなあ、なんて無責任な感想を持つに至ったわけだが、改めて考えると、ホントに恐ろしいというか、日本も将来どんどんと治安も悪化していくんじゃないかなあ、となんか暗ーい気持ちになった。ま、オレが生きてる間ぐらいは大丈夫だろ、とこれまた超無責任に思うので、結局のところ、わたしにはUS社会を批判する資格は全くないということでしょうな。サーセンした!
 というわけで、最後にキャストを紹介して終わりたいけど、もはや主役のBruce Willis氏は紹介する必要もないと思うので、1人だけ。そして監督についても一言だけ書いて終わりにしよう。
 一人挙げておきたいキャストは、主人公の若干問題ある兄貴(ただしこの兄貴はまったくの善人で、きちんと自分の問題も解決するいい人)を演じた、Vincent D'Onofrio氏だ。映画オタには、かの名作『Full Metal Jacket』での「ほほえみデブ(ゴーマー・パイル)」の役で知らない人はいないだろう。1987年公開だからもう30年以上前か……今、Vicent氏は59歳だそうなので、ほほえみデブ当時は28歳ってことか。今や渋い演技派ですよ。今回も、良心ある善良な男として、何気に重要な役だったと思います。
 そして監督だが……今、結構名前が売れてきているEli Roth氏が本作を監督しているのだが……わたし、この人の作品を観るのは3本目かな、あまりいい印象はないんすよね……今回は、それほど特徴的なところもないし、特に書いておくことはないです。まあ、いつもは脚本も自分で書くEli氏だけど、今回は監督に専念したようで、Eli氏作品的な、いかにもな残虐シーンは悪党をぶっ飛ばすところぐらいにしか発揮されてなかったすな。全然関係ないけど、今週か来週には観ようと思っている『The House with a Clock in Its Walls(邦題:ルイスと不思議の時計)』も、Eli氏が監督なので、まあ、売れっ子監督なんでしょうな。ちなみにわたしが『The House with a Clock~』を観に行くのは、わたしがハリウッド美女で最も美しいと思うCate Blanchett様が出演されているからで、Eli氏が監督してるからではありません。

 というわけで、もう書きたいことがないので結論。
 劇場へ観に行こうと思っていた作品が飛行機で観られたので、ちょっと得した気持ちになった映画『DEATH WISH』。かつてテレビで観た『狼よさらば』の現代リメイクである。現代らしいと思ったのは、悪党がカーナビから自宅情報をゲットするという展開と、あとは、オリジナルにあった娘がレイプされる設定がなくなっている点であろうと思う。現代においては、性的暴力描写はホントになくなりましたな。まあ、それはイイことなんだろうと思うけど、いくらお優しい世の中とは言え、US市民はホントに恐ろしい国に住んでいるという思いは強まったすね。未来というか将来、銃を無効化する技術とか、打撃を無効化したり、防刃の技術は発達するのだろうか? 物理的暴力を無効化する技術は、テクノロジーとして誰かちゃんと研究してほしいすね。でもあれか、結局はそれを上回る暴力が編み出されて、いたちごっこになるのかな……。なんつうか、人類が殺し合いをやめる日は来ないんすかねえ……みたいなことが頭から離れなかったす。以上。

↓ これがオリジナルですな。今は配信でいつでも見られる時代なんですなあ。

↓こっちがわたしが劇場で観た第2弾す。これは配信はないみたいだけど、今回の『DEATH WISH』公開に合わせてBlu-rayが発売になってるみたいですな。
ロサンゼルス [Blu-ray]
チャールズ・ブロンソン
キングレコード
2018-10-17

 わたしは映画オタとして、海外に行くときは日本でまだ公開されていない映画をいち早く観ることを楽しみの一つとしているのだが、それは現地に着いてから、だけでなく、ひそかに、搭乗する飛行機内でも、なにかまだオレの観てねえ映画はないかな、と、もう席に着いた直後から、機内端末をいじり出すような男である。
 というわけで、2018/10/19~2018/10/21に台湾へ行ったので、その際も当然、羽田で搭乗し、席についてすぐに端末をいじってみた。JAL便はちゃんと日本語字幕付きが用意されているので、大変ありがたしである。
 すると、「新作」とか「おすすめ」の作品は、映画オタとしてはもうとっくに劇場で観たよ、という作品ばかりで、なんだ、まだ日本未公開作品はないか……と思った3秒後に、何やら見知らぬ映画があるのを発見した。どうやら主演は、わたしがいつもブサカワと若干ヒドイ判定を下しているShailene Woodley嬢らしい。そして、相手役は、わたし的には『The Hunger Games』や『Love, Rosie』での爽やかイケメンスマイルが妙に印象深いSam Claflin君のようだ。あれえ、こんな映画、知らねえなあ? と思い、よし、じゃあこいつを観てみようという気になった。
 その映画のタイトルは、『ADRIFT』。その英語の意味通り、いわゆる「漂流モノ」の映画である。結論から先に言うと、それほど超面白かったとは思わないが、わたしとしては観ることが出来て良かったと思うし、ズバリ言えば想像とは全然違う物語で、機内のヒマつぶしには十分以上の役に立ってくれた作品であった。
 というわけで、以下、どうしても決定的なネタバレに触れざるを得ないので、観たいかも、と思っている人はここらで退場してください。その最大のネタがポイントなので、そのネタバレなしに感想は書けないです。

 この映画が日本公開されるのかどうか、今のところさっぱりわからないので、当然日本語字幕付きの予告はなく、とりあえず、英語字幕付きの予告を貼っておきます。が、この予告は分かりやすく編集されていて、本編の流れとは全く違うことだけはメモしておこう。
 本作は、冒頭、額から血を流したヒロインが、はっ!? と目覚めるところから始まる。ヨットは中破しており、マストも折れ、そして、愛する彼氏がいないことに気がついて愕然とするヒロイン。そしてそこからのサバイバルを描いたもので、どうしてこうなった? という過去が、折々に挿入されるという構造になっている。
 実はわたしは、「漂流モノ」の映画がかなり好きなのです。ここ10年ぐらいで、わたし的ナンバーワン漂流モノ映画と言えば、かのRobert Redford氏主演の「ALL IS LOST」なのだが(というかこの映画は彼以外誰も出てこないし台詞もほぼないウルトラ超傑作!)、他にも、例えばTom Hanks氏の『Cast Away』も大好きだし、なんつうかな、たった一人でその持てる頭脳と肉体をフル活用して頑張る姿にグッとくるわけです。
 で、「漂流モノ」は、大抵の場合、ラストに救助されて、めでたしめでたしとなる事が多いように思うけれど(※この点でも『ALL IS LOST』は独特のエンディングで超傑作)、わたしは『ADRIFT』の再生を始めてから、ま、どうせ最後は助かるんだろうな、なんてことを思いながら視聴していたわけである。
 ズバリこれも言ってしまうと、この予想は正しく、ヒロインは無事に生還する。まあ、この物語はいわゆる「Based on True Story」で、生還した女性の著書が原作なので、死んでしまうわけがないのだが……ひとつ、重大なことが全く予想外に描かれており、ああ、やっぱりそういうことなのか、とわたしは唸ったのであった。
 それは、いわゆる「サードマン現象」というものだ。これはどうだろう、一般常識的に誰でも知っていることなのかな? わたしはもうかなり前に、この本を読んでいたので、これってあれか! とすぐに思い出した。

 わたしは登山をたしなむ男なので、内容に惹かれて買って読んだのだが、要するにサードマンとは、過酷な山岳や海洋事故での遭難のような、生命の危機に至る超絶ピンチの時に、「自分の横に現れて、大丈夫、お前なら行ける!と励まし、奇跡の生還を導いてくれる、謎の同行者」のことである。それが、脳が生み出した幻影なのか、霊的なものなのか、そういったことはこの際どうでもいい。重要なのは、いわゆる「奇跡の生還」を果たした人の大半が、この「サードマン現象」を体験しているという点で、これは本当に共通していることなんだそうだ。へえ~だよね、ホント。
 で、本作『ADRIFT』では……サーセン、ここからほんとに核心的ネタバレですけど書いちゃいますよ? 読むならもう、覚悟してくださいね?
 本作では、ヒロインが目覚めてから、しばらくして、海に漂っている彼氏を発見し、ヨットに引き上げる展開となる。そして彼氏は、足を折っており、あばらも折れててまったく身動きできない状態。役立たずでごめんよ……なんて言う彼氏。そして彼氏は動けないながらも、存在していること自体がヒロインの生きるモチベーションになって行き、当然ヒロインを彼氏は叱咤激励する。ベジタリアンだから魚は喰えないとか、ゆとり脳なヒロインに、ちゃんと魚を喰わないとダメだとか、なにかと励ます。
 そしてーーー実はその彼氏こそ、「サードマン」であり、ヒロインの幻影だったとラスト近くで判明するのだ。わたしはこの展開に、えっ! と驚いたものの、驚きよりも、やっぱりそうだったのか、という納得の方が大きかったように思う。
 というのも、ヒロインが彼氏を発見するのに結構時間がかかったし、正直、え、生きてたんだ、うそだろ、普通もう低体温症で逝ってるだろ、つうか、あんな小さい救命ボートにしがみついていられるわけねえだろ、とか思っちゃっていたのだ。
 なので、これは超傑作『GRAVITY』で、宇宙の果てに流されて逝ってしまった、と思われていたGerge Clooney氏演じるコワルスキーが、突然生還して、我々観客を驚かせたアレにも似ていると思う。アレも、ドクター・ライアンの観た幻影(というか夢)で、サードマン現象と言っていいような気がするけど、まあ要するにそういうことです。
 というわけで、最終的にはヒロインは生還するも、彼氏は行方不明で亡くなってしまわれた、痛ましい事故なわけだが、まさしくサードマン現象を描いたお話であり、たまたまサードマンを知っていたわたしには大変興味深い作品であったと言えよう。つうかですね、本の詳細はもう忘れちゃってますが、ひょっとしたらこの映画の元となった現実の事故の話も、あの本の中で書かれていたかもしれないな……ちょっと本棚を漁って探してもう一度読んでみようかな、という気になりました。
 というわけで、最後に各キャラ&各キャスト&監督に短く触れて終わりにします。
 ◆タミ・オールダム:ヒロイン。現実に海難事故に遭って奇跡の生還を遂げた女性。現在は結婚してタミ・オールダム・アッシュクラフトさんというみたいですな。彼女は、10代後半から世界を旅していて、ハイチで知り合った彼氏と、彼氏の知り合いに頼まれたヨットをLAまで運ぶ航海に出て事故に遭う。まあ、自分探しの旅、なんてことをしている人物には共感は抱けないけど、演じたShailene Woodley嬢の気合の入った演技は結構凄かったすね。ラストはかなりげっそりやつれてたし。まあ、それでもわたしのブサカワ判定は覆りませんが。
 ◆リチャード:ヒロインの彼氏。彼は造船所で働いていたけれど、自分のヨットを造って、それでいろいろ各地を巡っている船乗り。彼もとりわけ共感できる人物ではないけど、やっぱり演じたSam Claflin君の、いつもの爽やかイケメン笑顔は妙に印象に残るすね。身動きできない中での演技も大変結構でありました。
 ◆本作の監督:Baltasar Kormákurというお方で、知らねえなあ? とか思ってたおれのバカ! 帰ってきて調べたら、わたしはこの監督の撮った映画を何本か観ていることが判明してビックリした。なんと、3年前に観て、とても怖かった『EVEREST 3D』の監督ですよこの人は! あの映画も奇跡の生還を扱っているけど、この方はそういう題材がお好きなんすかね? まあ、『EVEREST 3D』にはサードマン現象的な描写はなかったと思うけど、本作の監督はあの映画を撮った人なんだ、というのはなんか納得、すね。

 というわけで、さっさと結論。
 台湾へ行く飛行機内で観た映画『ADRIFT』。まだ日本公開されていないし、これから公開される予定があるのかすらわからないが、主演の二人と、わたしの好きな「漂流モノ」であるという点で興味がわき、観て観たわけだが、まあ、絶賛はしないけれど十分楽しめたと思う。かなり悲劇的?なお話なので、楽しめたってのはちょっとアレか。興味深かった、と言い直しておこう。主演の二人の熱演も、かなり凄いと思うし、映像的にも、大変見ごたえはあると思う。そして、かつて本で読んだ「サードマン現象」なるものについても、改めて興味がわいたっすね。つうかあの新潮文庫、どこにしまったのだろうか……もう一度読んでみたいのだが……。探してみよっと。以上。

↓これは原作のノンフィクションか? それともノベライズか……? わからん……。

↓そして こちらの映画は、みていてほんとに怖かったす……。どこまでCGでどこまでロケなのかもさっぱりわからない映像のクオリティもかなり高いです。
エベレスト (字幕版)
ジェイソン・クラーク
2016-04-08

 というわけで、10/19~10/21の金土日に台湾へ行ってきたのだが、メインイベントはわたしの愛する宝塚歌劇団の台湾公演を観ること、ではあったものの、ま、それだけじゃアレなので、台湾へ行ったらわたし的お約束の、「日本ではまだ公開が先なんだけど、早く観たいぜ!」という映画を観ることにした。
 で。本当は、US本国では10/12から公開になっている『FIRST MAN』を観るつもり満々であったのだが、残念なことに、ほぼすべてのハリウッド作品がほぼ同時公開される台湾であっても、なぜかこの『FIRST MAN』の台湾公開は10/26からだそうで、ギリ観ることが叶わず、じゃあしょうがねえ、台湾ではとっくに公開になっている『VENOM』を観るか、と思ったけれど、『VENOM』は日本でもあと2週間待てば公開になるし、何となく希少性がないような気がして、くっそう、どうすっか? と30秒ほど悩むことになった。
 というわけで台湾版Yahooの電影ページを観てみたところ、どうやら日本では12/21公開とまだちょっと先の、とある映画が既に台湾では公開されていることを発見し、よし、じゃあこれを観よう!という気になった。その映画こそ、こちらの作品であります!
starisborn
 そうです。台湾での公開タイトルは『一個巨星的誕生』。US原題を『A STAR IS BORN』、そしてなぜか日本語タイトルは『アリー/スター誕生』と微妙にダサくなっているこの作品であります。しかし台湾は、中国の簡体字と違って、日本人の我々にも読めるし意味も連想しやすい漢字(繁体字)なのでおもろいすね。全然関係ないけど、『VENOM』は台湾では『猛毒』、観たかった『FIRST MAN』は『登月先鋒』というタイトルになってました。
 で、この映画『A STAR IS BORN』に関しては、わたしの大好きなClint Eastwoodおじいちゃんが監督する、と当初話題になっていたものの、どうも主役を演じてもらおうと思っていたBeyonce氏の妊娠によって?流れてしまい、その後、紆余曲折あって、主役を天下の歌姫LADY GAGA様とロケットの声でお馴染みのイケメンBradley Cooper氏が演じることとなり、さらに、Bradley Cooper氏初監督作品として製作されるに至ったのであった。もちろん物語は、名作『スタア誕生』の3度目のリメイク……なのだが、サーセン。正直に白状すると、そのオリジナルをわたしは観てないのです。なので、名作、というのは世間的評価として使ってみました。観終わった今となっては、オリジナルも観ておくと、さらに違いなど味わい深かったかもな……と予習を怠ったことを少し後悔している。
 というわけで、以下、ネタバレ全開になる可能性が高いので、これから見ようと思っている方はここらで退場していただきたい。まずは予告だけ貼っておくか。

 さてと。物語は、上記予告からだいたい想像できる通りと言ってよさそうな気がするが、まあ、ズバリ、物語は結構ベタ、である。もちろんオリジナルと違って完全に現代の話ではあっても、物語自体には新鮮味はない。昼は真面目に働き、夜は場末のバーで歌を歌う女子、アリー。そんな彼女が歌っているところを、たまたま見かけた有名シンガー、ジャクソン。アリーの強力な歌力にほれ込んだジャクソンは、自らのコンサートツアーに招待し、ステージでデュエットする。その姿はYouTubeで拡散され、たちまち人気者となるアリー。そして二人は愛し合うに至るのだが、アリーはどんどんサクセスしていく一方で、ジャクソンの方の人気は、酒とドラッグでどんどん下方線に……てなお話である。まあ、いわゆる「格差婚」であったのに、その格差が逆転していく、というのはもうそこら中で見かける話だ。
 しかし、ありがちな話であっても、そして先が読めるお話であっても、はっきり言ってわたしはかなりグッと来た。この映画は相当イイ! そのポイントは2つあって、一つは、GAGA様の圧倒的なパフォーマンス、そしてもう一つは、Cooper氏の素晴らしい演技と、意外と見事な監督・演出ぶり、である。
 その1)GAGA様はやっぱりすごい!
 まず第一に、演技がすごくイイじゃないですか! 完全に女優ですよ。ノーメイクで、完全にオーラを消した、フツーの女子、である姿がまず、えっ、と思うし、見出されてからどんどんと髪の色やメイクが洗練されて、まさしく「スター」のオーラをまとっていく過程がまたお見事としか言いようがないですな。もちろん歌唱シーンは最初から最後まで超パワフルで、完璧ですよ。これはアカデミー賞は取れるか分からないけど、ノミネートはカタイと思うすね。ラストの歌もグッときましたなあ! ほぼ全編GAGA様&Cooper氏の描き下ろしの歌だそうで、その歌詞の内容もしみるんすよ……これはCDを買うべきかもしれないす!
 ただ、これも正直に告白すると、わたしの英語力では、一つだけわからなかったところがあって、劇中でのお父さんとの関係性が、実はわたし、理解できなかったのです……情けなし……。これは日本公開されたらもう一度字幕版を観に行って確認したいですな。アリーとお父さんは、かなり仲のいい関係性なんだけど(?)、お父さんって、ありゃ何してる人だったんだ?? 競馬のノミ屋か? 堅気なのかアレ? アリーが歌うことに前向きで、自慢の愛娘、的な感じだったけど、アリーの家族(と、家にいるお父さんの友達?たち)の関係性が理解できなかったのが残念す。わたしの英語力ではどうしてもわからんかったわ……。いずれにしても、そもそもGAGA様って、上流家庭のお嬢様育ちなわけで、そんな点も、なんか大切に育てられた娘、というキャラクター像は共通していたと思う。GAGA様は、その奇抜なファッションとか見かけで強烈なインパクトのあるお方だけど、来日した時の態度とかを見たりすると、実のところ、この人って、すごいイイ子なんだな、とわたしは思っていたので、なんというか今回のアリーのみせる、「性根の曲がってない、真面目で真っ直ぐな人間」というイメージはとてもGAGA様らしいとわたしには感じられた。要するに、GAGA様は最高でした! そして全くどうでもいいですが、GAGA様は台湾では「女神卡卡」と表記するんすね。読み方がさっぱり分からんわ。★2018/12/23追記:日本語版を観ました。お父さんはリムジンの運転手ってことだったんだな。やっとわかったす。
 その2)Bradley Cooper監督デビュー作
 監督としてではなく、最初に役者としてのBradley氏について書いておこう。まず演じたジャクソンというキャラクターは、人気シンガーということで、まあセレブなわけだが、酒浸りであり、ドラッグもやってると。そして冒頭、一つのコンサートが終わって、ホテルに戻る途中で「酒が切れた」といって寄ったバーでアリーと運命の出会いをするわけだが、冒頭から、ジャクソンはどうも耳が難聴になりつつあるという描写があって、まあそのせいで若干もう歌うことに疲れていて、酒がないと歌えん、という心に孤独を抱えていた状況だ(※わたしの英語力では正確には分からんかった。難聴は酒とドラッグの影響か? ★2018/12/23追記:ジャクソンの耳は先天的?なもので、悪化の一途にあるという状況でした)。
 そしてジャクソンはアリーと出会ったことで、再び歌へのモチベーションも上がり、アリーを愛する幸せを手にするのだが、兄との確執で大喧嘩してしまったり、アリーの人気がどんどん高まっていく中で愛するアリーとも喧嘩してしまったり、孤独感が再ジャクソンの心に住み着いてしまう。そしてついに、アリーがグラミー賞を受賞した時に、とんでもない大失態をやらかしてしまう。しかし、そんなことがあっても、アリーはジャクソンを許すし、兄との和解も果たしたジャクソンも、ちゃんとリハビリに励むのだが……ラストはどうなるか、これは書けませんので、ぜひ劇場で見届けていただきたいと思う。
 こんなキャラクターを演じたBradley氏に関して、わたしが称賛したい点は3つあって、まず、この人、歌が超超超うまい!! すごいカッコイイ!! この見事な歌いぶりには結構驚いたよ。イケメンは何をやっても様になりますなあ! そして2番目は、まるでかのウルトラ大傑作、『AMERICAN SNIPER』の時のような、演技自体が素晴らしい! Bradley氏は、泣きの演技が相当うまいというか、なんか、見ているこっちまでホントに一緒に悲しくなってきちゃうんすよね……やっぱりイケメンだからなのか? 当たり前かもしれないけど、演技の質としてはGAGA様より上っすね。間違いない名演でした。
 そして3番目が演出だ。初監督とは思えない堂々としたものですよ。わたしは好みとして、手持ちカメラで揺れる映像は好きではないのだが、冒頭、そういう手持ちカメラの絵があって、これはどうだろう……とか思ったのに、もう途中から全く気にならなかったすね。そしてお見事な演出として端的なのは、ラストカットですよ。あのラストの見せ方というか演出?は、やっぱりEastwoodおじいちゃんの影響が入ってるように感じたす。わたしは、今回のラストカットに相当心震えたし(GAGA様の最後の表情にグッと来た!)、同時に、Eastwoodおじいちゃんの『WHITE HUNTER, BLACK HEART』という作品を思い浮かべたのであります。あのエンディングにちょっとだけ似ているような気がしますね。わたしは現役の映画監督でEastwoodおじいちゃんはナンバーワンの一人だと思っており、その後継者になるのはひそかにBen Affleck氏なのではないかとにらんでいるのだが、これはひょっとすると、Bradley Cooper氏も今後は監督として大成する可能性はあるんじゃないかしら。Kevin Costner氏も30年前は素晴らしかったのに、全然撮らなくなっちゃったのは残念す。
 最後に、GAGA様とBradley氏以外に、一人だけメモしておきたい役者が出演していたので、その方について書いて終わりにしよう。実は、観ている時、全く気が付かず、エンドクレジットを観ていて、えっ!? うそ! マジかよ!? と驚いたのだが、なんと、アリーのお父さんを演じていたのは、Andrew Dice Clay氏だったのです! Clay氏は日本じゃまったく知られてないだろうから、説明してもわからんだろうな……わたしは、彼が主演した『The Adventure of Ford Fairlane』という作品が超大好きなのです。この映画は、見事ラジー賞「最低映画賞」を受賞し、Clay氏もその年のラジー賞「最低主演男優賞」を受賞してしまったおバカ映画なんだけど、いやいやいや、あの映画はですね、脚本がもの凄くしっかりしていて、伏線が見事に張り巡らされた超傑作なのに、ラジー賞「最低脚本賞」も獲ってしまったのは、ホントにもう、わたしとしては観る目がねえなあ! と憤死寸前に至った思い出がある作品なのです。しかしあのフォードフェアレーンが、いまや白髪のおじちゃんとは……あ、なんだ、Clay氏はまだ61歳か。最高にCOOLなロックンロール探偵のイメージしかなかったので、ホント、クレジット観るまで全く気が付かなかったす。日本でまた字幕版を観る時は超注目しよっと!

 というわけで、もう書いておきたいことがなくなったので結論。

 台湾は、大抵のハリウッド映画がほぼUS公開と同時、という映画オタとしては大変うらやましいところなわけで、わたしは台湾に行くと必ず「日本では公開がまだ先だけど、もう早く観たくて堪らん!」という映画を観るのを楽しみにしているわけだが、今回の台湾旅行では、日本では2か月後の12月に公開になる『A STAR IS BORN』を観ることとした。そして観終わった今言えることは、この映画はとても素晴らしく、とりわけ、GAGA様の役者としてのポテンシャルの高さと、Bradley Cooper氏の歌唱力の高さ、そして監督としての腕の見事さについて、わたしは最大級の賛辞を贈りたいと思う。もちろん、GAGA様の圧倒的な歌唱力とBradley氏の演技の素晴らしさは、もはやお馴染みであり、その点もこの映画ではいかんなく発揮されていると思う。いやあ、GAGA様って、ホントにイイ子なんでしょうな、きっと。やっぱり、育ちの良さって、明確に現れてるような気がしますね。そしてBradley氏の泣き顔は、ホント、つられて悲しくなっちゃいますな。お見事です。これは今年観た映画TOP10に余裕で入るっすね。何位になるかはまた年末考えます。以上。

↓ わたしとしては、このウルトラ大傑作でBradley氏がオスカーを逃したのはいまだに残念に思うす。完璧だったのになあ。今回の作品で、Bradley氏はオスカー獲れるだろうか……ノミネートは堅いように思うっす。
アメリカン・スナイパー(字幕版)
ブラッドリー・クーパー
2015-06-10


 

 英単語的に「Equalize」とは、端的に言うと「イコールにする」という意味で、「Equalizer」となると、「イコールにする人」という意味になる。で、何と何をイコールにするか? が問題なわけで、なんというかな、悪意によって害を受けた時に、その悪意を帳消しにする、と言えばいいのかな、つまりは「落とし前をつける」という感じだろうか? 一方に傾き過ぎた悪と善のバランスをとる人、みたいなイメージだ。
 わたしが今日観てきた映画『THE EQUALIZER 2』は、そんな悪党たちの悪事をEqualizeする、日本的に言えば「必殺仕事人」的な、凄腕の男の活躍を描いた作品の続編である。前作では、すっかり世捨て人的にひっそり暮らしていた主人公が、夜のカフェで知り合った娼婦の少女を救うためにロシアンマフィアと壮絶な殺し合いをする作品であったが、今回の『2』では、前作で登場した、主人公のかつての恩人が殺され、その「落とし前」をつけるお話である。
 結論から言うと、今回も主人公の強さは際立っていて、ほぼピンチに陥ることなく完璧な仕事ぶりで、正直あまりドキドキしなかったけれど、クオリティとしてはかなり上質なアクション作品としてまとまっていて、まあそれなりに楽しめた。しかし、ズバリ言うとわたしの好みとしては、前作の方が面白かったと思うし、本作はWOWOWでの放送を待ってれば十分だったかも、というのがわたしの感想であります。
 何故か分からないけれど、わたしは前作がとても好きだったので、とても期待して観に行ったわけだが、どういうわけか、TOHOシネマズに限った話かもしれないけれど本作は4DXの上映ばかりで普通の上映がほぼなくて、やむなく今日は日比谷のIMAXで観てきたのだが、ま、IMAXである必要はほぼゼロ、だったと思う。IMAXのおかげで音はすごかったけど。

 で。上記予告で描かれる、冒頭のアクションは、観ていてとても心スッキリするものだ。どうやら金持ちのクソガキどもが、インターンの女子を薬漬けにして集団レイプしまくったようで、心身ボロボロになった女子をたまたま自分のタクシーに乗せた主人公マッコールが、そのクソガキどもをぶっ飛ばす、ほぼ物語には関係ないシーンだ。
 しかし、実はこのクソガキ退治のアクションは、冒頭と言っても、3つぐらいの短いエピソードの後に描かれるもので、一番初めはトルコでの少女救出ミッション(これも物語に関係なし。伏線か?と思ってたのに全く関係なし)だったし、タクシードライバーとして働くマッコールの常連のお客さんであるおじいちゃんの話(これも本筋には関係ないけど、最後には救われるイイ話)などが描かれていて、ズバリ言うと、それだけで膨らませれば1本の映画になり得るような、マッコール大活躍のお話が冒頭に何個も描かれる。
 これらは物語には関係なくても、主人公がどんな男かについて明確にする役割があって、全く不要だったとは言わないでおく。実際、マッコールがバッタバッタと悪党をぶっ飛ばすのは気持ちいいし。どうやら主人公マッコールは、前作でロシアンマフィアから少女を救った後も、「身近な悪党をぶっ飛ばす身近な正義の味方」として活躍中らしいということがはっきりわかるわけだ。
 で、本筋は、予告にある通り、前作で助けてもらった元上官が、何者かに殺害され、その復讐をするお話だ。しかしながら、残念なことにこの話があまり面白くない。というのも、犯人は観ていれば誰でも、コイツがアヤシイと分かるだろうし、その犯人も、強いんだか弱いんだかわからないからだ。まあ、主人公マッコールが強すぎるんでしょうな。ラストは結構あっさり目にあの世に送られますので、予想通り過ぎて、若干物足りなかったと思う。前作は、なんか文学的な香りのする渋い作品だったのに、なんか今回は……そういう部分は全くなかったように思う。
 本作で、一番良かったのは、やはりマッコールの住むアパートの住人である黒人少年との心のふれあい的な部分だろうか。チャンスは必ずある。世の中のせいにするな、というマッコールの説教は、まあ、美しすぎてきれいごとすぎるとはいえ、やっぱり一番グッと来たっすね。何でもかんでも、人のせいにする世の中で、きちんと、自分の努力を第一として、必ずやってくるチャンスをつかめ、と励ますマッコールの姿は、やっぱりカッコ良かったと思う。
 というわけで、キャラ紹介と演じた役者を紹介して短めに終わらせよう。
 ◆ロバート・マッコール:主人公。元軍人→元CIA工作員。とある事件で爆死したと思われており、葬式も行われ、法的には「死人」だったと思う。そして前作では、ホームセンターに勤める真面目なおじさんとして仮の人生を送っている。自らが死んだと思われている事件で妻を亡くし、傷心のまま死んだようにひっそり生きていたが、不眠症の彼は毎夜、近所のカフェで読書をするのを日課にしていて、そこで知り合った娼婦の少女を救うためにロシアンマフィアと大喧嘩。この時、マッコールは米国内にやってきた幹部暗殺者との死闘を制し、さらに、元上官の情報網を使ってロシア本国の大ボスも突き止め、きっちり片を付ける。という話が前作。今回はタクシードライバーとして働いていました。タクシーと言っても、流しのタクシーではなくて、Uberのような、アプリで呼び出される方式のタクシーでした。もちろん超強い。強すぎるのが本作の弱点か。敵も強くないとね……。
 演じたのは、前作同様Denzel Washington氏63歳。まあ、やっぱり演技派ですな、このお方は。大変カッコイイと思います。
 ◆マイルズ:マッコールが住むアパートに母と暮らす少年。青年というより少年……だよね? 兄はボクサーだったが、強盗に銃殺された過去がある。本人は、美術に興味があって、イラスレーターを目指したい、けど、いかんせん周りの連中がギャングどもで……まあ、マッコールと出会えてホント良かったね。演じたのはAshton Sanders君22歳。ああ、『Moonlight』の主人公の少年時代を演じてたのか。そうか、順調にキャリアを積んでるみたいですな。
 ◆スーザン・プラマー:マッコールの元上官で現役CIAオフィサー。結構高官のはずなのに、あんな現場に出張ることがあるのだろうか……。演じたのは、勿論前作同様大ベテランMelissa Leoさん58歳。すごいイイキャラだったのに、退場は残念ですなあ……。しかし、本来ならば、犯人たちに殺害を依頼した、真の悪党がいるはずなのに、そちらはまるでスルーなのが大変残念。そっちの話に膨らませればよかったのにね……。
 ◆ブライアン・プルマー:スーザンの夫。この人も元高官だったと思うけど、現在は引退している設定。そして演じたのは、前作同様Bill Pullman氏64歳。この人と言えば、もちろん『INDIPENDENCE DAY』のホイットモア大統領ですな。今回も前回も、まあチョイ役です。
 ◆ヨーク:今回の悪党。マッコールの元同僚。イイ奴と思ってたのにね……。演じたのは、『KINGSMAN:GOLDEN CIRCLE』でアメリカのステイツマン「ウィスキー」を演じたPedro Pascal氏。本作では、髭がなくてわたしは全然気が付かず、パンフを読んで初めて、あ、コイツは! と知りました。
 そして監督は、もちろん前作から引き続き、Antoine Fuqua氏52歳。Denzel氏の盟友ともいうべき監督ですな。お話としてはイマイチだったけれど、やっぱりアクションのキレは一流ですよ。さすがのFuquaクオリティだったとその点は称賛したいすね。
 とまあ、こんなところかな。
 
 というわけで、なんかもう書きたいことがないので結論。
 前作が大変気に入っていたので、さっそく観てきた『THE EQUALIZER 2』だが、まあ、そりゃカッコいいし、アクションのキレは抜群だし、それなりに面白かったと思う、けど、やっぱり脚本に難ありでしょうな……前作にあった、何やら文学的な香りはなくなってしまっていたし、そもそも、真のラスボスに至らない展開は実に物足りないと思う。しかし、全く物語に関係ない、短い「人助けの仕事人」エピソードは実に様になってましたな。うーん、なんつうか、基本キャラ設定がイイだけに、もっと面白くできたような気がしてならないすねえ……。まあ、結論としては2つあって、1つは、IMAXで観る意味はほぼなかったこと(ほぼ、であって全くではないけど)、そしてもう一つは、WOWOW放送待ちで良かったかな、とまあ、この2つです。以上。

↓ 確実に、前作の方が面白いす。
イコライザー (字幕版)
デンゼル・ワシントン
2015-02-11

 今日は1日、ファーストデーということで、会社帰りに映画を観て帰るか、という気になった。わたしが今日選んだのは、1年ぐらい前にUS版の予告を観て、おお、こりゃあ面白そうだ、と大変期待していた『A QUIET PLACE』という作品である。どんな映画か、この予告を見てもらった方が早いだろう。

 あーーーこりゃマズイな、相当な予告詐欺だ。わたしが観たのはUS版で、余計なナレーションや、デカデカとした下品な字幕なんかはついてなかったので、もっとスタイリッシュだったのだが……ま、仕方ないか。
 どうやら物語は、何らかの謎の存在がいて、そのために地球は荒廃しているらしい。そしてどうやらその謎の存在は音を感知して襲ってくるらしい。しかもヒロインと思われる女性は妊娠している! これで音を立てないでいられるわけがなく、コイツはヤバいぜ!? とわたしは予告を観て、相当ドキドキしたわけで、日本公開を楽しみにしていたのである。
 で、さっそく観てきたわけだが……結論から言うと、相当ツッコミどころが多く、正直ガッカリというか、なーんだ、これならWOWOW放送を待てばよかったわ、という残念な感想を持つに至った。
 なので、以下、重大なネタバレやネガティブ感想のオンパレードとなる可能性が高いので、まだ観ていない方や、すげえ面白かった! と思った方は、以下は読まず、退場してください。楽しかったと思う気分を台無しにするのは本意ではありませんので。

 さてと。
 もう物語は説明しないが、わたしが思うのは、やっぱり主人公は頭がよく、ピンチになっても対応策をちゃんと考えておいてほしいわけです。そして、きっちり基本的な設定は詰めておいてほしいのです。観ながら、えっ、じゃあ、アレすればいいんじゃね、とか、これってどういうこと? とか、思わせてほしくないのですよ。そういう意味で、設定はかなり穴だらけであったと思うし、残念ながらキャラクターもかなり抜けていて、あまり物語に没頭することができなかったのである。
 まず、そもそも一番の問題点は、その謎の存在に関する設定が、もうツッコミどころ満載な点にある。劇中での説明によると、メキシコだったかな、謎の隕石が落下してきて、そこから謎生物が地球に蔓延し、人類を駆逐?したというものだ。そしてそれから約1年後、が描かれている。
 しかし、ズバリ言えば、現代の地球のテクノロジー及び軍事力をもってすれば、そんなことには100%なり得ないだろう。というのも、その謎生物が意外と弱いし、設定的におかしいからだ。というわけで、劇中で描かれていた謎生物のポイントを列挙しておこう。以下の点は、恐らくは誰だって気になるし、人類ならば遭遇から1カ月もあればその生態?を把握できているはずだと思う。間違いなくサンプル捕獲に成功するだろうし。
 ◆視覚器官をもたない
 ま、そのために音に超敏感だ、という設定である。しかし、敏感とはいえ、上記予告にあるような「音を立てたら即死」では全然ない。だって、普通に極小の足音立てたり、意外と音立てまくってたっすよ? そもそも、理由は不明だが、自然音(川のせせらぎとか風にざわめく木々の音だとか)に関しては、謎生物は全く反応しない。一方で、人間の話し声や、ガラスが割れる音なんかには反応してくるのだが、その音がしてから、むむ、なんだ今の音は? みたいに反応して寄ってくるので、ちっとも即死じゃないし、ごまかして回避することも可能だ。
 そもそも、視覚器官をもたず、聴覚のみで生きる生物がどのくらいいるのか、わたしは全然知識はないが、もしそんな生物がいたら、残念ながら食物連鎖的な頂点には立てないのではなかろうか。ほかの捕食者に余裕で捕まるぞ。いわんや人間をや、である。確実に人類なら対処可能だと思う。わたしはまた、エコーロケーション的な、音響の反射で対象物の位置や形を察知しているのかと思ったが、どうもそうでもなさそう。そんなことでは、音に反応しても、そっちにまっしぐらに行くしかなく、木にぶつかったり、まっすぐ進めないと思うのだが……それに、落とし穴とかも有効だろうし、はっきりいって、いくらでも対応策はありそうだと思う。もし、エコーロケーションや熱源探知的な能力を持っているとするならば、むしろそれを利用した罠も仕掛けられるのではなかろうか。作中では、器用に階段を下りたりしてるけど、どうやって障害物を感知し、よけるのか、という点に関する説明は一切ナシ、であった。アレでいいのかなあ……。
 ◆鎧のような固い外皮に覆われている
 なので、銃などは利かないという設定だったのだろうとは思うが、あのですね、現代テクノロジーと軍事力をなめんなよ! 人類はこんな謎生物に駆逐されるほど弱くないすよ。これは間違いなく断言できる。ラストのケリの付け方も、まるで普通の散弾銃でバーンだもの。散弾銃でやられる生物にUS-ARMYやUS-MARINE CORPS.が負けるわけないと思う。ガッカリしたわ……。わたしだったら……そうだな、音の罠を用意して、ひらけた土地におびき寄せて、10トントラックで100㎞/hぐらい出して、正面から轢き殺すしてぶっ潰すかな。音に寄ってくるんだから、それでイケるんじゃないかしら。
 ◆そもそもどのぐらいの個体数が?
 これは分からない。けど、そこら中にうじゃうじゃ、ではなかったのが意外。人類がやられるとしたら、それこそ人類以上の大多数でやってくる、ということしか考えられないが(=次々とキリがなく駆除が追いつかないなら、人類がやられる可能性はある)、全然そんなことなかった。なので、数がそれほど多くないためか、音を立ててから襲ってくるまでのタイムラグがそれなりに長いので、余裕で対処できるだろうし、罠にもかけられると思う。
 ◆で、謎生物は何のために人間を襲うの?
 正直良くわからないのだが、プレデター的なハンターでもなく、人間を食べるというものでもなさそう。この辺はわたしにはよくわからなかった。しかし、仮に食用だとしたら、人間より先に動物を襲うだろうな……一応、作中では動物はもういないし、1回だけアライグマっぽい動物が襲われるシーンはあったが、捕食している姿は明確に描かれていなかった。なんなの? なんで襲うのか、よくわからん。おまけに、食用として人間をハントしているとしたら、作中の様子では、人間がもうほぼいないんだから、謎生物は餓死するぞ。
 ◆弱点は?
 わたしだったら、音に敏感であることが判明した時点で、スタングレネードを使うだろう。耳が良すぎるなら、音で攻撃してやりゃいいのに。そして一瞬でもスタン状態にさせられれば、いくらでも反撃可能だと思う。一応本作では、高周波? なのかな、可聴音域だったので超音波ではないと思うのだが、とにかく、キーーーンという音で謎生物が悶絶するシーンがあって、まあ、そりゃそうだろうな、と誰でも考え付く弱点を示していたのが、もう驚くというか、笑ってしまった。そこに気が付かないわけがないと思うけどな……。
 というわけで、わたしは観ながら、なんで? どうして? という謎に頭が占められてしまい、おまけにキャラクターたちの、はあ??? という行動に、イライラしっぱなしであったのである。以下、キャラクターと演じた役者を紹介しながら、その行動にツッコミを入れておこうと思う。なお、キャラクターには明確に名前はあったと思うが、全く記憶に残らかなったので、メインの家族のお父さん・お母さん・娘(お姉ちゃん)・息子(弟)としか書きません。
 ◆お父さん:残念ながら一番の愚か者。お父さんの愚かなポイントはもう数多く、その筆頭が、こんな状況で嫁を妊娠させたことに尽きると思う。お父さん、あんたさ、もうちょっと考えてSEXしなよ……本作は、冒頭で87日目に起きた、末っ子の次男を亡くす悲劇が描かれ、すぐに476日後(※87日とか476日はうろ覚えなので、正確には違ってたかも)に時間が飛ぶ描写になっている。何が言いたいかというと、明らかに冒頭の悲劇の後で妊娠したわけで、わたしはもう、何を考えてんだ……出産を無音でできると思ってんのか!? おぎゃー!と泣かない赤ん坊がいるとでも思ってんのかこのおやじは! とあきれるしかなかったすね。ちなみに、本作を観た方しか通じないと思うけれど、わたしが思うお父さんの愚かポイントは、末っ子をちゃんとしつけなかったこと(末っ子が死んだのは父親がちゃんと見てなかったせいだと思う。あんなガキを最後尾に歩かせるのもアウト)、息子に花火を点けさせに派遣したこと(わたしならレッドライト点灯で事態を察し、息子を安全な場所に隠して自分で花火を点けに行くだろうな)、それから水出しっぱなしに気が付かなかったこと(あれはもう気が付かない方が変)、です。地下室は、一応防音ルームという設定だったのだろうか? 子供たちが家の壁に紙を張り付けている描写があったけれど、アレは地下室じゃないよな……ううむ……安心できるシェルターとして、防音ルームは絶対作るだろ……常識的に考えて。そして死にざまも相当残念だったすね。演じたのは、なんと監督脚本も担当し、おまけにお母さんを演じたEmily Blunt嬢の本当の旦那であるJohn Krasinski氏。38歳か、若いんだな……。わたしはこの人の顔見て、あ、コイツ、『13HOURS』の主役のジャックじゃねえか! とすぐ見分けがついた。わたしとしては、「音を立ててはいけない、音を立てたら謎エイリアンが襲ってくる!」というネタは素晴らしいアイディアだと思うけれど、まあ、残念ながら、一発ネタだったようだ。もうチョイ、細かい設定を詰めてからにしてほしかった。キャストも最小限、セットやCGも最小限にして、低予算(1700万ドル≒19億。ハリウッドでは相当低予算)でこのクオリティを作り上げた手腕は称賛したいけれど……脚本がアカンかったと思う。
 ◆お母さん:えーと、お母さんはとりわけ変なところはなかった、と思う。けど……聾唖の娘をほったらかしちゃあ、アカンでしょうな……。わたしは予告を観た時、出産が物語のクライマックスなんだろう、と勝手に想像してたけど、全然違ってました。演じたのは、監督脚本主演のKrasinski氏の本当の奥さんであるEmily Blunt嬢35歳。このお方は美人だけど……いつも思うけど……大変失礼ながら35歳には見えないすなあ……45歳と言われた方がしっくりくるような……。
 ◆娘(お姉ちゃん):お姉ちゃんは、聴覚障害があって補聴器を着用しているので、そもそも音が聞こえないのだが、彼女は勇敢で、物語で一番しっかりして頭もよかったと思う。冒頭で、幼い弟(次男)が襲われたことに責任を感じているため、ずっと表情は険しく、大変な熱演だったと思う。演じたのはMillicent Simmondsちゃんで、なんと彼女は本当に聴覚障害をお持ちだそうで、だからこその熱演だったのだと思うと、賞賛の拍手を送りたいすね。15歳?なのかな。美人に育つのだぞ……!
 ◆息子(弟):この弟は、冒頭で襲われた弟のお兄ちゃんで長男。彼もとりわけ責められる点はなく、お父さんがアレじゃあ、苦労するわな……というけなげに頑張る弟でした。君もおとがめなしです。演じたのはNoah Jupe君。2005年生まれだそうで、君もイケメンに育っておくれ……あ、この彼は『WONDER』にも出てたんすね。観たかったけど見逃したんだよなあ……。。
 とまあ、こんな感じで、要するにわたしはお父さんがアホすぎてイラついてしまったようだ。やっぱり、どう考えても、いろいろとナシ、だと思う……。そしておそらくわたしは、観ながら、オレだったらこんな謎生物にやられはしない! という、ある種の怒りを感じてしまったのだと思う。それが口だけ詐欺なのはもちろん承知しているけれど、でも、やっぱりですね、屈強な軍人たちなら、こんな連中に負ける訳がないと思うな……そういう意味でのリアリティが感じられず、ただ単に、ヤバイ状況だけを設定して、ハラハラさせるだけの映画だったな、とわたしとしては思ったのである。撮影や演出は、実のところかなり上質で、クオリティは高いのは間違いないけれど……まあ、脚本すね、問題アリなのは。

 というわけで、もう書いておきたいことがないので結論。
 大変期待して観に行った『A QUIET PLACE』は、かなり期待を下回る、ガッカリ作品であった。予告はとてもいい出来だったのに、残念ながら一発ネタだったようだ。これはいわゆる「ソリッド・シチュエーション」モノに分類できるように思うが、やっぱりですね、状況の設定が甘すぎですよ。端的に言うと、謎生物の生態について、もっとキッチリ決め込んでおいてほしかった。キャラの行動も、なんで? と思わせないでほしい。数多くの「うっかり」が原因でピンチに陥る物語は、どうしても観ていてイライラしてしまうと思う。ホント、ネタとしては大変面白そうなプロットだったのに、実に残念です。ただ、US本国では1億ドル以上稼いだそうだし、全世界配給では3億ドルを超えている大ヒット作品なので、わたしのように感じてしまったのは少数派なのかもしれないす。ま、わたしもその興収に貢献しちゃったわけですが。結論としては、こりゃあWOWOWで十分だったす。以上。

↓ これは観たかったのだが……見逃してしまった……WOWOW待ちっす……。

 おととい、わたしの身の回りのとある若造が(といっても35歳かな? アイツは)、わたしの会社の執務室でこんなことをわたしに質問した。
 「オレ、やっとマーベルシネマティックユニバースを観る決意したんすけど、どれを観なくていいですか?」
 彼がわたしにそう質問したのは、わたしが周りではMCUが大好きなおっさんとして有名であり、わたしの会社の執務室には仕事にほぼ関係なくMCUのBlu-rayが(既に発売されているものは)全て、ズラリとディスプレイされているためであり、彼もわたしのBlu-rayコレクションを眺めながらそう質問したわけなのだが、わたしはその質問に対して、ここ数年で一番の(かどうかはわからんがとにかく激しい)怒りを感じた。
 第1に、「観なくていい作品」なんてなく、全部観ないとダメだと思うからであり、第2に、その「サボる気満々」の根性が心底気に入らなかったからだ。パワハラであろうとわたしは今後の彼の評価を下げるしかあるまいと思っている。楽をしようとするその根性は、思えば彼の仕事ぶりにも如実に反映されているような気もするし。本当に彼には失望だ。【※初出時から表現を改めました。ちょっと怒りに任せてひどいこと書きすぎたので】
 というわけで。
 昨日からいよいよ公開となった『ANT-MAN AND THE WASP』。
 MCU10周年、記念すべき第20作目に、MCUヒーローの中でも2番目に大好きなANT-MANをもってくるなんて(※1番はやっぱIRONMANかな)、わたしとしてはとてもうれしいのであります。もう昨日は月末で忙しかったけれど、「今日はANT-MANを観るんだ!」というワクワク感で、早朝から超仕事がはかどり、山積みの仕事を片っ端から片づけて、「それじゃ、オレ、ANT-MAN観てくるから、じゃっ!」とシュタッと手をあげて皆に宣言して、16時には颯爽と会社を出たわたしである。
 そしてーーー結論から言うと、『ANT-MAN AND THE WASP』は期待通り、超最高に面白かった。そしてやっぱり思うのは、このわたしが感じる面白さは、MCU全作を観ているからであって、MCU前作の『INFINITY WAR』までの流れを正確に理解しているから、感じられるものではないかと思う。いやあ、本当に楽しくて面白かったすねえ! わたし的には『INFINITY WAR』よりもずっと面白かったすな。ANT-MANはマジ最高だぜ!
 というわけで、以下、思いっきりネタバレに触れると思うので、まだ観ていない人はここらで退場してください。つうか、こんな文章を読んでいる暇があるなら、今すぐ劇場へ行くべきです。あと、わたしはかなり偏見に満ちているので、もうこのBlogではお馴染みな通り、MCUヒーローの中でも完全にトニー派であり、CAPやBPは嫌いなので、CAP派の方は、読まない方がいいと思います。

 というわけで。もう予告が公開されたときからわたしを超ドキドキワクワクさせてくれた『ANT-MAN AND THE WASP』。MCUにおいて、これまでの流れとして前作『INFINITY WAR』では一切登場してこなかったANT-MANが、なんで登場しなかったのか、が語られる本作は、『INFINITY WAR』が超シリアスで、結末的にもこの先どうなるの!? と思わせる超ヤバいエンディングであったのに反して、とても明るく(?)楽しい映画に仕上がっている。
 もう最初に言っておくけれど、『INFINITY WAR』の影響は、本作ではMCU恒例のおまけ映像で明らかになる。その影響は極めて深刻で、えええ!? こ、この先どうなる!? という超ドキドキさせる最高のおまけ映像なので、その点では本作はれっきとしたMCU作品であり、あのおまけ映像は、『INFINITY WAR』を観ていないと全く理解できないだろう。そういう意味でも、MCUには「観なくていい作品」は1本もないと断言できる。当たり前ッショ。ちなみにおまけ映像は一番最後にももうひとつあって、これはギャグ映像なので正直どうでもいいけれど、その後、いっちばん最後に出るメッセージは、ちょっと意味深で、「?」の意味を来年4月公開の通称『AVENGERS4』までドキドキしながら待ちたいと思う。
 で。物語はというと、本作『ANT-MAN AND THE WASP』は、100%確実に、前作『ANT-MAN』及びMCU全作を観ていないと意味不明だ。前作で描かれたことで、本作を観る上でポイントとなるのは「量子世界」についてである。
 1)量子(Quantum)世界
 ごく簡単に言えば、小さくなれる技術の「先」にある、超超超超極小の世界、という理解で十分だろう。本来の物理学的な意味は、はっきり言って全然別なもので、詳しくはWikiでも読んでおいてほしいのだが、本作では「極小のその先」とふんわりした理解で十分だ。ただ、実のところあまりにふわっとしていて、真面目に考えると相当訳が分からないのは事実で、強いて言うと本作では唯一、ちょっとアレかなあ、という弱点であるのも確かだろう。でもいいんだよ、そんなことは。だってこれ、漫画だぜ!? ここを否定してはどうにもならんす。
 2)ジャネット・ヴァン・ダイン博士
 前作でチラリと語られた、ピム博士の妻であり、ヒロイン・ホープのお母さん。彼女は20世紀にピム博士(=初代ANT-MAN)とともに、THE WASPとして活躍していたが、冷戦期にソヴィエトの発射した核ミサイル(?)を止めるために、量子世界へ足を踏み入れて行方不明になった、という設定である。前作ラストで、2代目ANT-MANであるスコットが量子世界から無事に生還したことで、ジャネットもまた量子世界で生きているのではという希望が灯り、本作ではジャネット博士の救出ミッションが物語の本筋となる。
 3)そもそもANT-MANと「縮小化」の技術って?
 一応説明しておくと、初代ANT-MANであるハンク・ピム博士の発明した「ピム粒子」で物体を縮小できる謎技術で、小さくなるのと反対に巨大化も可能な、「IRONMANスーツよりもすごい技術」を搭載したスーツで戦うヒーロー、それがANT-MANである。ピム博士は元々S.H.I.E.L.Dの男であり、IRONMANのトニー・スタークの父や、CAPの永遠の恋人ペギーとも一緒に働いていたが、「ピム粒子」の秘密がS.H.I.E.L.Dにわたる危険を避けるために、大喧嘩してS.H.I.E.L.Dを退職。S.H.I.E.L.Dには実はヒドラの影響があったのだから、このピム博士の判断は実は大正解であったことは言うまでもないでしょう。なお、ここで言うのもアレですが、原作コミックとMCUは結構いろいろと設定が違うので、別物であると思うべきでしょうな。ちなみに原作においてピム博士はAVENGERS創設メンバーの一人で重要人物でもある。
 とまあ、こういういろいろな背景があるわけで、MCUを観てきていない人にはもうほぼ意味不明であろうと思う。だから言ったでしょ? しつこいけどもう一度言いますよ? MCUは全部観てないと意味ないんだってば!
 で、わたしがなぜ、こんなにも興奮し、ANT-MANが好きかというと、ANT-MANの闘い方が、「頭脳バトル」型だからなんだと思う。MCUヒーローは、わたしとしては頭のイイ人チームと脳筋パワーチームに分けられると思うのだが、CAPやTHORやBPが、力押しで何も考えない(のは言い過ぎか)のに反して、IRONMANやDr.やANT-MANは、明確に頭のイイ人チームで、その考え方や戦い方が、非常にカッコいいのです。とりわけ、その「小さくなれる」という能力をフルに活用したANT-MANの闘いは実にトリッキーで、ビジュアル的にも非常に見ごたえがあるのだ。まあ、ピム博士は天才科学者だし(ただしすぐキレるのはマズいすね笑)、ホープも完璧女子だし、一応スコットだって、実は電子工学の修士号を持つインテリだし、なんつうか、やっぱり物語の主人公が頭がイイと、言動に筋が通っているし、きっちり「自分にできること」を見極め、それを最大限に生かそうと行動するわけで、実に気持ちいいすよね。逆に頭が悪いと、観ていてイライラしてしまうし。BPやHAWKEYEのように、頭も悪いしたいして強くない奴が偉そうにしてると、腹立たしく感じてしまうけれど。
 そういう理由から、わたしはANT-MANが大好きなのだが、『CIVIL WAR』でCAPの味方をした時はマジかよ、何やってんだよ、と思ったものだ。しかし本作で語られたように、まだ2代目スコットは事態をよく理解しておらず、あの有名人CAPに声をかけられたことに興奮して、思わず手助けしてしまったのだという。そして逮捕・勾留され、結局FBIに24時間3年間(?)GPS監視され自宅軟禁となってしまったわけで、スコットは、自分がアホだった、とちゃんと反省しているのだ。まあ、そのために『INFINITY WAR』に登場しなかったという明確な理由も判明したし、ちゃんとピム博士やホープは、黙ってCAP軍に参戦したことを怒っているし、わたしとしてはもう、『CIVIL WAR』の件はおとがめなしである。
 というわけで、以下、各キャラと演じた役者をまとめておこう。
 ◆スコット・ラング:2代目ANT-MAN。もう何度も書いている通り、元々インテリだったが、義憤に駆られてブラック企業の悪事を暴露するために泥棒となって、あえなく逮捕、前科者に。その結果仕事を失い、妻にも去られてしょんぼりしているところを、初代ANT-MANのピム博士のスカウトで2代目ANT-MANを襲名、そして『CIVIL WAR』でうっかりCAP軍として戦ってしまったためにまたも逮捕拘留の憂き目に。本作では、自宅から外に出るとたちまちFBIがやってくるという制約下で、忙しく立ち回る庶民派(?)ヒーロー。冒頭の娘キャシーと遊んでいるシーンは大変良かったすね。キャシーがまあとんでもなく可愛いんすよ……。刑務所仲間の三人が基本ボケ役で、スコットはツッコミ役といっていいのかな。彼らの笑える楽しいやり取りは本作でも健在。今回は、スーツの調子が悪くて、巨大化から戻れなかったり、中途半端に(小学生並み)小さくなったりと、全くもってANT-MANはつらいよ的苦労が大変笑えます。演じたのはもちろんPaul Rudd氏49歳。おっと、ほぼ同級生じゃん! わたしもANT-MANスーツが欲しい! 日本にはこういうおっさんがヒーローになる物語が絶対必要ですよ。
 ◆ホープ・ヴァン・ダイン:ピム博士の娘で、今回いよいよ、満を持してTHE WASPとして大活躍! そのWASPスーツのデザインが本当にカッコ良くて最高でした。スーツの配色や女性らしいラインなど、デザインとして完璧に美しかったすな。MUC初のタイトルロール女性ヒーローとして、今後の活躍も超期待したいけど、あの衝撃のおまけ映像が……どうなるのだろうか、ホントに。演じたのは前作同様Evangeline Lillyさん39歳。前作では、ショートボブで、いかにもなクール美女でしたが、今回は髪がちょっと伸びで、なによりWASPスーツ着用&ヘルメットオフ、の状態で、ひっつめ髪のポニーテールが最強に似合ってましたね。一瞬おっかない顔だけど、やっぱりとても美人ですよ。完璧女子ホープはこのお方じゃないとダメです。
 ◆ハンク・ピム博士:初代ANT-MAN。まあ、ちょっとすぐブチギレるのはマズいとしても、MCU世界ではトニーに並ぶ天才科学者でホープのお父さん。演じたのはもちろんMichael Douglas氏73歳。今回も、前作同様若き頃のピム博士のシーンが結構あって、その驚きのCG?マジックによる若きDouglas氏は、まさしく『BLACK RAIN』や『Basic Instinct』時代の顔で、技術の進歩にはマジ驚愕です。しかし、ホープとすっかり仲良しに戻って、おまけにジャネット救出できて良かったね!
 ◆ジャネット・ヴァン・ダイン:前作でチラリと語られた、ピム博士の妻であり、ホープの母であり、初代THE WASPの元祖完璧女子。演じたのは若き頃、おっそろしく可愛かったMichelle Peifferさん60歳。Tim Burton版CATWOMANことセリーナ・カイルとしてもお馴染み。今回MichelleさんもCGによる若き頃のお顔でも登場。しかしやっぱり60歳でもお美しいですなあ……MCUへようこそ! 大歓迎であります、が、あのエンディングは……ヤバいすねえ! 早く『AVENGERS4』が観たいすな!
 ◆ビル・フォスター博士:S.H.I.E.L.D時代のピム博士の同僚で科学者なんだけど、ピム博士がカッとなってS.H.I.E.L.D退職後、研究を続けてた人で、「ピム粒子」のことも知っている人物。今回30年ぶりにピム博士と再会。原作コミック的には、GIANT-MAN、ゴリアテとなる人ですな。なので、本作でも過去に巨大化したことがあるようで、スコットと巨大化した時の話で盛り上がるシーンも。正直、今回出てくるのはいいとしても、役割的に若干微妙だったかも……という気はする。でも、ひょっとしたらこの人がおまけ映像ののちの世界でカギになるかもな、と今のところは思っておきます。演じたのは、『THE MATRIX』でのモーフィアスでお馴染みLaurence Fishburne氏57歳。わたし的には、とにかくこの人のすきっ歯が毎回気になってしょうがないす。いつもやけに渋くて存在感抜群ですな。
 ◆エイヴァ:今回のVillain(悪役)であるGHOSTとなる、大変気の毒な女子。彼女は、もともと科学者の父の実験ミス(?)で、体を構成する元素が不安定になってしまい、その結果、存在しているようなしてないような、なんでもすり抜けてしまう体質に。いわば『WATCHMEN』のドクター・マンハッタン的な。しかしさらに気の毒なことに、その特異体質を父の勤務していたS.H.I.E.L.Dに目を付けられ、暗殺者として青春を送ってきた。しかしその体にももはや限界の時が来ていて、実にかわいそうな女子であった。そして『CAP:WS』でS.H.I.E.L.Dが崩壊して以降は、父の同僚だったフォスター博士が、「ワイが治しちゃるけん、安心せえ」という言葉の元、フォスター博士とともに、ピム博士の研究ラボを奪おうと画策する。しかしあのラボが縮小してキャリーバックのように持ち運べちゃうってのも最高ですね。この気の毒なエイヴァ=GHOSTを演じたのは、Hanna John-Kamen嬢28歳。『READY PLAYER-1』に出てたらしいけど、ゴメン、覚えてない……忘れたっす。しかし、まあ、さんざん本作を絶賛しておいてアレですが、やっぱりこのGHOSTに関しては、若干イマイチだったかもしれないすね……なんか、もうちょっと物語上での行動に、やりようがあっただろうに……という気がしてならないす。
 ◆ルイス&デイブ&カートの三人組:スコットの泥棒仲間の三馬鹿トリオ。こいつらホント楽しい、ゆかいな仲間ですなあ。しかし彼らは何気に細かいところでいろいろと活躍してくれていて、このANT-MANファミリーには絶対欠かせない、愛すべきバカモンどもですよ。わたしは前作でもあった、ルイスが今までのいきさつを一人で語りまくって、画面ではその時の本人の口とルイスのトークが正確に一致しているあのシーン(意味わかりますよね)が大好きなんすけど、今回も大変良かったですなあ! アレは技術的にもかなり高度で、映画的見ごたえの一つだと思います。演じたのは、リーダー的存在のルイスだけ紹介すると、陽気なメキシカン(両親がメキシコ移民で本人は正当なアメリカ国民)でお馴染みMichael Peña氏42歳ですな。もう今や大人気でそこら中に出てますね。彼は何気に演技派でもあります。彼はTHANOSの選択を生き残れたのでしょうか……。
 ◆キャシー:スコットの愛娘。パパ大好きなかわいい娘っ子ですよ。今回、やたらと、わたしもパパの相棒になりたい、まあ、パパの相棒はホープだけど、わたしだって……! 的なやり取りがあるのは、原作コミック的にはキャシーは後にANT-GIRLとしてYoung Avengersの一員になるから、でしょうな。演じたのは2008年生まれ、現在10歳のAbby Ryder Fortsonちゃん。美人に育つのだぞ……! ところで、メリケン人どもの娘に対する感覚はホント謎だけど、スコットはキャシーのことを「ピーナッツ」と愛を込めて呼び、ジャネット博士はホープのことを「ジェリービーン」と呼びます。ピーナッツ……まあ、食べちゃいたいぐらいに可愛いオレのチビ助、ってことなんでしょうな。ピーナッツ……まあ、可愛いからアリです。

 はーーー。長くなったし、もう書いておきたいことがない……かな。

 というわけで、結論
 MCU第20作目となる記念の作品、『ANT-MAN AND THE WASP』は、わたしの期待通り最強に面白く、陽気で楽しい作品であった。今年観た映画の中で、暫定3位ぐらいすね。実に最高でありました。MCU作品は、それぞれのヒーロー映画でどうもメインテーマが頭に残らないんだけど、このANT-MANは明確に曲が頭に残るのもすごくいいと思う。ああ、音楽を担当しているChristophe Beck氏は、かの『アナ雪』の音楽も担当してるんすね、なーるほど、さもありなんですな。まあ、わたし的に本作最大の見どころは、何といってもTHE WASPのカッコ良さでしょう。美しくカッコ良く若干セクシーで、とにかくデザインが秀逸! 最高でした。そしてこの後、MCUは来年早々の『CAPTAIN MARVEL』を経て、GW辺り公開の『AVENGERS4』へとなだれ込むわけですが、本当に楽しみですなあ!! どうなるんすかねえ……まあ、CAPTAIN MARVELがカギになるんだろうな……それは間違いないだろうけど、わたしとしては、いけいけ僕らのANT-MAN!で活躍を期待したいと思います。そして、くそう、おれもANT-MANスーツが欲しい! 切実に! 以上。

↓ 予習しといた方がイイすかねえ……全然こちらは知識なしっす。つうか、さっさと『AVENGERS4』のタイトルを発表してほしいすね。散々引っ張っておいて、なーんだ、になる可能性もあると思うな……。

 先日このBlogで、誰に頼まれたわけでなく、そして特に意味もなく、わたしの愛するハリウッド美女のオレ的TOP10の皆さんを紹介したが、その中の一人であり、わたし的にはそのデコッパチ具合と、ほぼギョロ目ギリギリなぐらいに大きな眼がなんとも愛らしいと思っているのがAmanda Syfriedちゃん32歳である。彼女は、意外と歌えることも、わたしが大好きな要因の一つで、例えばかの『Les Misérables』でも、ヒロインであるコゼットを見事に演じてくれたわけだが、わたしが思うに、彼女を最初に知って、おお、この娘、すげえ可愛いし歌もイイじゃあないですか! と思ったのは、2008年公開の(※日本は2009年1月)『MAMMA MIA!』である。
 ご存知の通り、『MAMMA MIA!』は、元々はミュージカルの舞台作品であり、もう説明の必要はないと思うが、全編ABBAの楽曲を使用した、いわゆる「ジュークボックス・ミュージカル」だ。ミュージカルが大好きなわたしとしては、公開時に見て大興奮し、もう、とにかくノリノリなABBAの楽曲に、もう体がうずうずしてくるほどであった。
 というわけで、以上は前振りである。
 今般、その『MAMMA MIA!』が10年の時を経て、続編『MAMMA MIA! Here We Go Again』が製作されることとなり、ようやく日本でも公開となったので、さっそく観てきたわたしである。まあ、映画オタクとしては、なんで邦題には「アゲイン」を入れなかったんだよ! とかどうでもいい文句はあるのだが、ズバリ結論から言うと、今回も最高でした。もう、ラスト近くはうっかり泣いちゃいそうになったぐらい、やけにグッと来てしまったし、もうカーテンコールのようなエンディングには、ずっと一人でそーっと拍手してましたね。変なおっさん客でサーセン! でも、隣に人いなかったし、許して! それぐらい、わたしとしては非常に楽しめた逸品であった。
 というわけで、以下、ネタバレに触れてしまう可能性が高いので、まだ観ていない人はここらで退場してください。あ、一つだけ。この映画はですね、たぶん、前作を観ていないとダメです。つうかですね、前作を観た人も、もう一度観て、その翌日に本作を観に行くといいと思うな。わたしが最後に前作を観たのが相当前なので、前作ではどういうシーンでどの曲を使っていたか、あまり覚えてないんすよね……その辺を覚えていると、もっと楽しめたと思います。なお、パンフにはその辺の楽曲解説がきっちり載っているので、買うことを推奨します。

 というわけで、物語はこの予告から想像できる……ものとはちょっと違っているような気がする。わたしはてっきり、今回はお母さんの若き頃の話だと思っていた。そしてすでに観終わった今、この予告を観ると、かなり予告詐欺というか、セリフと映像はかなり恣意的に組み合わせられていて、実際の物語の流れと違っている。
 ので、わたしは結構、のっけからびっくりした。というのも、前作でハジケまくっていたお母さんドナは、既に亡くなっているのだ。うそっ!? お母さん今回出ねえのかよ!? とわたしは知らなかったのでかなりびっくりのオープニングである。ギリシャの先っちょの、地中海のあの島で、あのホテルを新装リニューアルして、新たな人生を歩もうとするヒロイン・ソフィの現在と、そのお母さんドナの若き頃が交互して描かれていて、言ってみれば本作は、エピソードゼロ、いわゆる前日譚と、前作の後日譚、要するにPART2が両方描かれる構成になっている。
 なかなかお見事な作りだと思うが、わたしは最初の30分ぐらいは、そのテクニック? に、なんかありがちだなあ、とか、若干ノれないでいた。言葉で説明するのが難しいな……例えば、現在のソフィを映しつつ、カメラが横にパンしていくと……過去の若き頃のお母さんのシーンに移り変わる、みたいな、まあ、よくある手法であった。また、物語的にも、過去のお母さんの行動に、なんつうか……この人、誰とでもヤる女なの? 的なことも思ってしまい、どうも……序盤は、こりゃイマイチかもなんてことすら、頭の中では渦巻いていたのである。
 しかし! どのタイミングだったかなあ、とにかく、わたしとしては現在のソフィ演じるAmandaちゃんの、何ともしょんぼりな表情に、やけにグッと来てしまい、そのしょんぼりなソフィが一転してはじける笑顔になっていく頃には、もう完全にこの映画にハートは捕まれていたように思う。アレかなあ、やっぱり、中盤チョイ過ぎ(もっと後だっけ?)の、「DANCING QUEEN」のシーン辺りかなあ。あそこはもう、「DANCING QUEEN」はこの場面のこのタイミングしかない! という最高の使われ方でしたね。ここから先はもう、わたしは前半に感じたイマイチ感を完全に忘れ、エンディングではもうコロッと感動しちゃったす。単純なんで。
 というわけで、各キャラと演じた役者たちを紹介しよう。本作は主要メンバーが多いし、現在と過去で、同じ役を演じる役者が二人いるので、多いぞ~。
 ◆ドナ:前作の主人公で、ソフィのお母さん。現在時制ではすでに故人だが、本作ではお母さんがケンブリッジ(!)を卒業する卒業式から、ソフィを生むまでの物語が描かれる。卒業生総代に選ばれたドナは、卒業ケープをバサァ!と脱ぎ捨てて歌い出す、元気で行動的なパワフルガールだったのだが、予告にある通り、「Life is short, The World is wide (人生は短く、世界は広い)」と卒業後、世界を放浪に出かけ、ハリー→ビル→サムの順にイケメンと出会って恋に落ち(※正確に言うと、ハリーとは恋に落ちてないような……ハリーのエピソードは笑っちゃった)、ギリシャの先っちょに浮かぶ島でソフィを産む。というわけで、ソフィのお父さん候補が3人、てなことに。なにしてんすかw!
 で、現在の、というか亡くなった前作のドナお母さんを演じたのは、もちろんMeryle Streep御大ですが、ええい、サーセン、ネタバレですが、ズバリ出演シーンがあります。ほぼラストに、ここで出てくるんだ! というのは、驚きであったし、そしてその演技と表情が超最高に良かった! マジで泣いちゃいそうになったす。お見事でしたなあ! 本当に素晴らしかったす! 歌ももちろん、超極上で、わたしは今回、御大とソフィが歌う「My LIFE, My LOVE」という曲がいっちばん良かったと思う。あそこのシーンはホント、グッと来たっすねえ!
 若き頃の(※時代設定は1977年(78?)だった)ドナを演じたのがLily James嬢29歳。おっそろしく可愛いですな。彼女でわたし的に印象深いのは、出世作『Cinderella』ではなくて、『BABY DRIVER』の方すね。ダイナーのウエイトレスの制服が超似合ってましたな。しかし……ケンブリッジ首席?卒業するほどの頭脳をお持ちなら、もうチョイ考えて行動した方が……と言うのは野暮っすかね。もしくはブサメンとしてのわたしの僻みかもな……。
 ◆ソフィ:ドナの娘。亡き母の形見であるあのホテルをリニューアルし、新たな生活に向かうはずが、彼氏のスカイはNYCで職を得てしまうし(この二人は結婚したのか結局?)、せっかく招待したみんなを迎えるために準備したパーティーの飾りつけも嵐で全部パーに。そんなガッカリ気分のソフィのしょんぼりフェイスは最高に可愛かったす。そしてもちろん、その後のはじける笑顔が最高なんすよ! ソフィを演じたのはもちろんAmanda Syfriedちゃん。アレっすね、さすがに前作から10年経っていて、Amandaちゃんの表情も大人になったすね。結構痩せたか? 顎の尖りがシャープになった印象。そして、わたしの大好きなAmandaちゃんのデコに、3本の深いしわが!! でもいいのよ、それで。だってにんげんだもの……! そして当然、今回もAmandaちゃんの歌は最高です。
 ◆サム:お父さん候補その1。アメリカ人かな? 建築家。確かに過去編では、ドナお母さんはサムが一番好きだったように見えるすな。ドナと知り合って愛し合うけど、実は婚約者がいることが判明して、ドナ激怒、サムは島を去る……が、実はサムはその後もう一度島に戻っていたことが判明。会えなかったのが運命を狂わせた……的な感じ。
 現在編&前作でサムを演じたのが5代目ジェームズ・ボンドでお馴染みのPierce Brosnan氏65歳。歌のシーンをすごく楽し気に演じてましたね。今回、ホテルのリニューアルパーティーの前から唯一島にいて、しょんぼりなソフィを支える「第1お父さん」。渋くて、やっぱりカッコイイすな。
 そして過去編でサムを演じたのが『WAR HORSE』の主役でデビューしたJeremy Irvine君28歳。彼だけじゃなく、過去編の3人のお父さんはみんな現在編の役者に、どことなく似てるすね、面影が。まあ、あんな状況で出会ってしまったら、そりゃあ若い二人は恋に落ちますよ……。男のわたしとしては、彼はおとがめなしでお願いしたいす。【2018/08/26追記:前作を見直したら盛大に勘違いしていたことが判明。サムは、前作ラストでドナお母さんと結婚したんだった。だから最初から島にいたんだ! 俺のアホ!】
 ◆ビル:お父さん候補その2。スウェーデン人。船乗り(&大人になってからは紀行作家で有名人)。今回、サムより先に知り合っていたものの、Hはナシで、あれっ? と思ったらサムが島を去りし後のソフィを慰めたのがビルだったことが判明した「第2お父さん」。うーん……淋しいからって、ソッコーで次の男に……というのは男目線で思ってしまうことで、おそらく女性目線からすると、全然アリ、というか、咎められる言われはないんだろうな。今回、ビルは作家として、なんかの表彰式?に出席するため、ソフィのパーティーには出席できないと言っていたが、双子の弟(?顔は一緒だけど相当なデブ)を代役にして、第2お父さんは島へ駆けつけるわけです!
 現在編&前作でビルを演じたのは、わたし的には『THOR』様の友達、エリック・セルゲイ博士でお馴染みのStellan Skarsgård氏67歳。もちろんStellan氏本人もスウェーデン人。そして過去編の若きサムを演じたのがJosh Dylan君24歳。お、意外と若いなコイツ。彼は全然知らないなあ、と思ったら、どうやら『ALLIED』(邦題:マリアンヌ)に出てたみたい。全く記憶になし。彼はイギリス人だそうですが、Stellan氏にかなり似てます。
 ◆ハリー:お父さん候補その3。イギリス人。銀行家。今回、ハリーは東京での会議のため、やっぱりソフィのパーティー不参加。しかし、東京でのあまりの不毛な会議に、こんなの出てる場合じゃねえ! と決心し「第3お父さん」も愛するソフィのもとへ! こうして、ビルとハリーの二人も島へ一緒にやってくるのだが、この登場シーンに「DANCING QUEEN」がかかるわけです! あそこは最高でしたなあ! そしてどうでもいいんですが、本作は中華資本のLEGENDARY PICTURESがかかわってるんですが、東京でのあのシーンは……まあ、軽く日本をディスってるんでしょうな。普通ならああいうシーンは、今はもう中国が舞台になるのがデフォだけど、あえてのトンデモ描写の日本にしたのは、日本をディスってるんだとわたしは理解しました。イラつく!
 そして現在編&前作でハリーを演じたのは英国王またはガラハッドでお馴染み英国紳士Colin Firth氏57歳。なんか、私は歌はちょっと……みたいな紳士顔をしてるくせに、結構ノリノリで楽しそうだったのが印象的です。そして過去編の若きハリーを演じたのがHugh Skinner君33歳。結構Colin氏に似てる。彼も知らん顔だなあ、と思ったら、意外とキャリアがあるようで、『SW:Ep8』だったり、『Les Misérables』にも出てたらしい。全然記憶にないす。ちょっと笑えたのが、過去編でハリーは最初にドナと出会った男なのだが、いわゆるワンナイトラブで、しかも「僕、ど、童貞なんだ! だからお願いヤらせて!」とお願いし、翌日「サヨナラ」の置手紙だけで姿を消したドナを追って島へ! な笑えるチェリー・ボーイでした。しかし、確か前作でハリーはゲイであることをカミングアウトしてたので、この辛い(?)過去が引き金だったんすかね。【2018/08/26追記:前作を見直したところ、冒頭でソフィがドナの日記を読むシーンがあって、それによるとどうもハリーは3番目にヤッたらしい。しかも島で再会できていたっぽい。これは……どういうこと?】
 ◆ターニャ:ドナお母さんの親友その1。「ダイナモス」のメンバー。お金持ちで3回離婚している超肉食系女子で黒髪ショートボブのお方。現在編のおばあちゃん年齢になっても、超肉食! そして若き頃からお盛んであったことが今回判明。変わってねえ……w 現在編&前作でターニャを演じたのはChristine Baranskyさん66歳。ジュリアード出身&ブロードウェイで活躍したTONY賞ウィナーですな。そして過去編で若きターニャを演じたのがJessica Keenan Wynn嬢32歳。全然知らない方ですが、どうやらブロードウェーで活躍する方のようですな。あ、『Beautiful:The Carol King Musical』でキャロルのライバル兼親友のあの役をやってた方なんだ。わたしが去年観た日本版ではソニンちゃんが演じてた役ですな。へえ~。
 ◆ロージー:ドナお母さんの親友その2。「ダイナモス」のメンバー。ぽっちゃりで奥手?なお方すね。【2018/08/26追記:前作を見直して思い出した。この方は料理研究家?で、その本の印税でお金持ちなんでした。そして前作で既にビルにアタックしてたの忘れてた】今回、現在時制でターニャ&ロージー&ソフィの3人が新生「ダイナモス」として、かつての親友3人組のように歌うシーンがとてもイイんすよね……! 現在編&前作で演じたのはJulie Waltersさん68歳。叙勲されているのでDameですな。ええと、ハリーポッターで言うところの、ロンのお母さんを演じたお方すね。そして過去編で演じたのはAlexa Davies嬢23歳。23歳!?若い! この人も全然知らないす。結構かわいらしいすね、普段のお姿は。
 ◆ルビーおばあちゃん:ドナのお母さんでソフィの祖母。過去編で、ソフィの卒業式にも来なかったヒドイ母親、的な設定がちょっとした伏線?になっていて、いざ登場した時はもう、ド派手でカッコ良かったすねえ! この役をあんなにオーラバリバリで演じられるのは、間違いなくCherさんしかこの世にはいないす。間違いないすな。映画に出るのはかなり久々ですなあ。歌も演技も、超貫禄あってカッコ良かったす!
 ◆フェルナンド:現在編で、一人せっせと準備するソフィをずっと支える、謎のベテラン凄腕支配人。わたしは最初、華麗なイタリア語(だよね?)と、おっそろしく渋いダンディさに、演じているのはFranco Nero大先生か? と勘違いしていたけど、全然間違っていて、なんとAndy Garcia氏であった。びっくり。年取ったなあ……けど、カッコ良くなってるのでアリ!です。 そして、このフェルナンドがラスト、なんとルビーおばあちゃんと縁があることが判明してさらに驚きの展開でありました。二人の歌も、大変結構かと思います。
 ◆スカイ:ソフィの彼氏→やっと夫になった(のかな?)イケメン。ホテル経営のため、NYCで修業するが、正社員になっちゃいなYO!というオファーに心動く……が、愛するソフィを放っておけるわけねえっす! と島へまっしぐらなナイスガイ。演じたのは、若き頃のハワード・スタークでお馴染みDominic Cooper氏40歳。今回、あんまり存在感ナシだったような……。

 はーーー疲れた! キャラ多いし役者も多いし長くなり過ぎた!

 というわけで、もう疲れたので結論。
 わたしが大好きなAmanda Syfriedちゃんの出世作ともいうべき『MAMMA MIA!』の、10年ぶりの新作『MAMMA MIA! Here We Go Again』が公開になったので、さっそく観に行ってきたのだが、まあ、結論としては、冒頭に書いた通り、最高!でした。とにかく、ラスト、ソフィとドナお母さんの歌う『My Life, My LOVE』がとにかくグッとくる! あそこは本当に素晴らしかったす。なので、わたしとしては本作は超オススメであります! ただし! 前作を絶対観ておくこと! そして一度見た人も、もう一度前作を観てから、本作を観に行くことを強く推奨します。つうかですね、これはサントラを買って、歌を聞きまくるしかないような気がしますね。よし、明日買って来よっと! 以上。

↓ つうか、サントラなんだからキャストが歌ってるんだよね? 本物ABBAじゃないよね? 明日買う!

 我ながら、いまだに謎なのだが……わたしは昨日の会社帰りに、1本の映画を観て帰ることにした。その映画は、まあ、女性向け、なんだろうと思う。しかし、なぜか予告を観た時にやけに魅かれてしまい、コイツは観よう、と思ったのである。その「なぜか」がいまだ分からないのだ。なんで、どこに、わたしは心惹かれたのだろうか??
 その映画は『Tully』。日本語のタイトルは『タリ―と私の秘密の時間』という作品である。この日本語タイトルや、都内では日比谷のシャンテでしか上映されていないことからも、映画オタク的にはまあどうせ泣かせる系の映画なんでしょうよ、とピンとくると思う。予告もよく聞く特徴的な女性の声でのナレーションが示すような、やさしい系泣ける系の雰囲気を醸し出しており、どうせアラフォー女子の自分探し的なアレでしょ、と、普段のわたしなら、確実に「ケッ!」とか思って無視するはずの映画、のように思えるのだが、何かがわたしの心に刺さったらしい。
 しかし本作は、観終わった後でも、やっぱり自分が何でこの映画を観に行こうと思ったのか、正直良くわからないでいる。面白かったかって? いや、うーん、まあ、面白かったのは間違いない。脚本的な出来のほどは極めてレベルが高く、「あっ!? えっ!? そ、そういうことなの!?」という相当な驚きをもたらす脚本で、非常にびっくりした物語であった。しかし……女性でもなく、出産・子育てもしていないわたしには、正直なところよくわからない映画であったのもまた事実だ。
 というわけで、まずはわたしが何故か魅かれてしまった予告を観ていただこう。今回は核心に迫るネタバレはしないように書こうと思います。ラストの驚きは、知っていたらもう全てがパーになるので。

 わたしはこの予告を観て、きっと子育てに疲れ果て疲弊しきった女性のもとに、スーパー・デキル女子が「Nanny」(=子守)としてやってきて救われ、同時にこのスーパー女子は一体何者なんだ? という展開から、そのデキル女子も問題を抱えていることが判明して、主人公も女子も、ともに心救われる物語なんだろう、という予想を抱いていた。言ってみれば、『メリー・ポピンズ』の現代版的な物語かな? とか思っていたのである。たぶん、その点にわたしは興味を持ったのだろう、と今は思える。今年ミュージカル版の『メリー・ポピンズ』を観たばかりだし、映画版も見直したばかりだったし。
 しかし、結論をズバリ言うと、わたしの予想はまったく見当違いで、全く想像していなかった物語であったのである。普通に観ていて、あの種明かしは恐らく誰しもがびっくりすると思う。ただ問題は、その種明かしに共感できるかどうかにあり、わたしはアリと言えばアリ、だけど、どうかなあ……といまだ評価が定まらないのである。たしかに、観終わった後だと、結構、ああそういえば、というような伏線は敷かれていたと気付けるので……やっぱりお見事だったと賞賛すべきかなあ……。
 最初にもう、各キャラと演じた役者についてメモしておこう。
 ◆マーロ:かつてはBrooklynでイケイケな青春を送っていた彼女も、今や40代、娘と息子を持つフツーの主婦。そして3人目の、計画外の妊娠で出産間近。と言ってもすぐ出産するので間近じゃないか。ともあれ、娘は小学生でなかなか賢く、しっかりしたちびっ子である一方で、弟は若干問題を抱えていて、癇癪がすごいと言えばいいのかな、すぐに暴れ出す情緒不安定なところがあって、超手こずっている。ただでさえ子育てにもう超イライラ&ヘトヘトなところで3人目が生まれ、夜泣きにもう心身ボロボロ。そんな時、兄が薦めてくれた「夜間専用子守」に電話するのだが、やってきた子守(Nanny)は、その見かけは完全イマドキガールで、こんな人で大丈夫かしらと不安に思うも、もはや限界で頼らざるを得ず、お願いすることに。するとそのイマドキガールは、掃除もキッチリやってくれたりと、ウルトラ有能なことが判明するのであったーーーというわけで、マーロは久しぶりに熟睡することができたり、徐々に元のマーロに戻っていくのだが……てな展開。演じたのはオスカー女優Charlize Theron様43歳。このお方は基本的に「キッ!」としたその鋭いまなざしが特徴の美女だけど、今回はもう、ホントに疲れ果ててます。この映画のために18kg太ったそうだが、その「だらしない」体はビジュアルとして恐ろしくインパクトがあって、撮影後、元の体型に戻すのに1年半かかったとか。アカデミー主演女優賞を獲った『MONSTER』の時より、わたしはショックだったすね。そのビジュアルに。
 ◆ドリュー:マーロの旦那。普通のサラリーマン。悪い奴ではないものの……子育てはマーロに任せきりで、自分は夜な夜なPlayStation4でゾンビ退治にいそしむ男。まあ、女性から見れば、もっと手伝ってよ、と思うのだろうとは思う。ま、世のお父さんたちは彼の姿を観て、ギクッとするんでしょうな。演じたのはRon Livingston氏51歳。すっごくありがちな顔で、どっかで見たことあるような気がするものの、全然名前も知らない方で、これまで出演作は多いものの、わたしはどうやらこの方を2作ぐらいしか観てない模様。演じぶりは、とりわけすごいとか感じることもなく、なんつうか、ミスター平凡、のような気がする。まあ、それがすごいことなんだと思うけど。
 ◆タリ―:マーロのもとにやってきた超デキるイマドキガール。謎の存在。その正体は書きません。ぜひ劇場でご確認を。演じたのはMackenzie Davis嬢31歳。カナダのバンクーバー出身だそうで、本作の撮影もバンクーバーらしいすな。彼女は、わたし的に2作、非常に印象的な役を演じたお方で、超傑作『THE MARTIAN』のNASAの職員で、一番最初にワトニーは生きてるのでは?と気づく、あの画像解析オペレーター(?)の彼女ですな。そしてもう一つはウルトラ大傑作『BLADE RUNNER2049』で、主人公Kに近づく娼婦で、JoiちゃんとKのヴァーチャルHの体を提供する彼女ですな。特徴的な顔つきで、若干面長なのかな、まあ、普通に美人ですよ。本作での彼女は、とても魅力的な、まさしくメリー・ポピンズばりのスーパーナニーでしたね。
 ◆サラ:マーロとドリューの長女。眼鏡が可愛いちびっ子。物語的にはほとんど役割ナシ。演じたのはLia Franklandちゃん。まだ10歳ぐらいか? よくわからんけどTwitterもInstagramもFacebookもやってるおませさんですな。どうも普段から眼鏡っ子の模様です。可愛く美しく育つのだぞ……。
 ◆ジョナ:マーロとドリューの長男でサラの弟。小学校低学年。癇癪もち(?)で暴れまくり、マーロの兄に勧められた私立を追い出されそうなちび。マーロはこの情緒不安定を直そうと、毎日体を「馬のように」ブラッシングしてあげているのだが、彼の望みはそんなブラッシングではなくーーーというエンディングは、なかなかグッとくるものがありました。妹が出来て、お兄ちゃんとしてすくすく育つのだぞ……と思わずにはいられないエンディングでしたな。演じたのはAsher Miles Fallica君。超すきっ歯がトレードマークのやんちゃ坊主。イケメンに育っておくれ……。
 ◆クレイグ:アジア系美女と結婚していて、事業も成功している金持ちで、マーロの兄貴。でも決して嫌味な奴ではなく、妹のマーロをいつも気にかけている優しい兄貴。まあ、奥さんはちょっと意識高い系のスノッブ系女子なのでアレだけど、クレイグはイイ奴ですよ。演じたのはMark Duplass氏41歳。この方は役者だけでなく監督としてもキャリア豊富なんすね。出番は少ないですが、なかなかいい味を出してましたな。
 とまあ、キャラクターに関しては以上かな。本作を撮った監督についてもメモしておこう。本作は『JUNO』や『Up in the Air(邦題:マイレージ・マイライフ)』でアカデミー監督賞にノミネートされたJason Reitman監督の作品だ。この監督は、こういう物語が得意なんでしょうな。どこがすごいかを説明するのが難しいけれど、端的に言うと、すごく丁寧、なんだろうな、と思う。本作では音楽がちょっとした重要な役割を務めていくのだが、選曲のセンスは大変結構かと思います。昼間の光と夜の雰囲気も、対比がアクセントになってたように思う。

 というわけで。書きながらいろいろ考えてみたけれど、やっぱり自分がなぜこの映画を観たいと思ったのかについては、依然良くわからない。このところマイブームだったメリーポピンズを思い出したのか? うん、まあそれも理由の一つだろう。しかし……おそらく、だけど、予告で垣間見える、「疲弊しきった女」の表情のTheron様に、どうしちゃったんだよ……? という心配というか同情?というか、とにかく放っておけない気持ちになったのではないだろうか。そして、そのデキる女子は一体何者でどんな秘密があるんだろう? という好奇心がムクムクと首をもたげた、という比較的単純なことではなかろうかと思う。
 そして、観終わって、その謎は解消されたわけだが、正解があまりに予想外で、かつ、わたしの希望する回答とは若干ズレていたために、なんだかモヤモヤしているのではなかろうか。でもまあ、この作品の描いた回答は、実際アリだし、断然ナシとは思いません。どうぞ、劇場へ観に行って、ご自身の判定を下してください。
 つうか、わたしの身の回りにも、現在絶賛子育て中の連中が多いのだが、彼らがこの映画を観たらどう思うのだろうか。その辺がとても興味あるっすね。それから、子育ての大変さを説く人々がいっぱいいるこの現代において、わたしがとても謎なのは、それじゃあどうして、世の母親たちはの無事に我々を育てられたんだろう、保育園なんかなかったし(あったけどわたしの身の回りには保育園行ってたという奴はいない)、間違いなく親父たちはまったく何もしてないはずで、一体、現代と40年前は何が違うんだろうか? ということだ。そりゃ無事に、と言っても、母親たちが超苦労していたのは想像に難くない。けど、現代と40年前で、何が決定的に違うのだろうか?
 普通に考えるに、まず「情報」の量が全く違うし、そして情報だけでなく、いろいろな意味での「環境」が全然違うのは間違いない。でも、同じ人間であることも間違いなく、何が一体決定的な違いなのか、それがすごく謎だ。わたしは何となく、どんどんと世の中に人間の「悪意」が蓄積されて行って、その悪意の総量が40年前と現代では全く違うのではないか、という気がしてならない。
 このわたしの推測は間違っていると思いたいものだ。人間の持つ邪悪さが、人間の持つ善良さよりも多いとは考えたくないす……ま、謎を解きたければおめーも子育てしろよ、ってことなんでしょうな。その機会は永遠に来ないと思いますが。あれっ!? イカン、わたしがダメ人間であることがこの映画で証明されたってことか。なんてこった……!

 というわけで、結論。
 ふと見た予告が妙に気になって仕方なく、観てきた映画『Tully』(邦題:タリ―と私の秘密の時間)は、想像していたのとは全く違う物語で、その結末に非常にびっくりし、また戸惑ってしまったわけだが、結論としては、子育ては大変であり、かつ、その先には明確に幸せが待っている、ということなんでしょうな。子育てを経験してない&経験する予定もないわたしは、このままずっと、半人前なんだろうな……きっと。ヤバい……書いてたら悲しくなってきた……。まあ、迷惑をかけることなく、この世界の片隅で、ひっそり真面目に生きようと存じます。以上。

↓ そういや、原作をちゃんと読んでみたいす。岩波から出てるんすね。

 おそらく誰も興味がないと思うし、まったくのわたしの趣味で大変恐縮だが、わたしが大好きなハリウッド美女の、オレ的最強美女ランクは以下のとおりである。
 <GODDESSクラス>……出会ったら確実に失神&失禁してしまうレベル
 ◆Cate Blanchett様:このうえないその神々しさ、まさしく女神。
 ◆Gal Gadot様:Beautiful+Sexy+Cute=地球上で最もWONDERな女神。
 <ANGELクラス>……出会ったら思わず抱きつき逮捕されるレベル
 ◆Emma Stone嬢:最高Cuteエンジェル。最強の笑顔の持ち主。
 ◆Daisy Ridley嬢:とりわけ怒った顔とイギリス英語が超Cute。
 ◆Anna de Armas嬢:超Cuteな人造天使。発売してほしい。
 <THE ORIGINクラス>……特徴的なオンリーワンの魅力を持つ最強美女
 ◆Haley Bennett嬢:ハリウッドナンバーワン「幸の薄い顔」。もうたまらん。
 ◆Jennifer Lawrence嬢:とりわけそのしょんぼり顔とガラガラ声がイイ。
 ◆Scarlett Johansson嬢:とりわけ声が最高。超ハスキー&セクシー。
 ◆Amanda Seyfried嬢:広いデコが最高すぎてデコピンしたくなる。
 ◆Anna Kendrick嬢:ちびっ子+超歌ウマ+何気にグラマラスBody=ええ、最高です。
 とまあ、この10名の方々がわたしの好みにジャストミートであり、この10人が一つの作品で共演してくれたら最高なんだけどなあ、と中学生じみた妄想をたまにしてみるわけだが、先般、わたしが最も愛してやまないCate様+全然別の7人の美女が集結する映画が製作されるに至ったので、わたしとしてはCate様の神々しい美しさを拝むべく、さっそく劇場へ詣でたのであります。
 その映画は『OCEAN'S 8』。もちろんタイトル通り、あの『OCEASN'S』シリーズの最新作で、なんとシリーズの主人公ダニー・オーシャンは既にこの世になく、その妹のデビーが大活躍するお話であった。そのデビーを演じたのは、超傑作映画『GRAVITY』でのドクター・ライアンでお馴染みSandra Bullock様。若干わたしの趣味からは外れるものの、もちろん美女であるが、結論から言うと、本作は面白かったし、痛快であったのは間違いない。けれど、後から考えるとかなり綱渡りの計画だったように思うし、結局、本作のカギは「男に裏切られた美女の恐ろしい復讐」にあるような気がするのだが、どうしてまたデビーはまんまと騙されちゃったのか、という過去の因縁の部分が薄くて、ちょっとだけ、腑に落ちないような気もした。この映画はアレなのかな、女性向け、なんすかね? 
 というわけで、以下、ネタバレも含まれると思いますので、気にする方はここらで退場してください。

 わたしは宝塚歌劇を愛する男として、『OCEAN'S』と聞くと即座に、宝塚版で主役を演じた柚希礼音さんが歌う「テス、君だけがおれぇ~の~~愛の~す~ぅべてだ~」というあの歌が脳内再生されるというちょっとアレな人間なので、もはや原典の映画版はあまり記憶にないほどなのだが、それはともかくとして。
 今回のお話は、かつて男に騙されて刑務所に入っていたデビー(ダニー・オーシャンの妹)が出所して、にっくきクソ野郎に復讐しつつ、お宝を頂戴するという痛快ドロボー物語である。そして物語は、いい意味で超テンポよく、どんどんと計画は進行して行く。その展開は恐ろしくスピーディーで、ほぼ、ピンチらしいピンチはなくグイグイ前に進んでいく。なので、まあ、深く考えずその物語の進行に身をゆだねればいいだけの、なんつうか、お気軽な映画であると思う。
 そして、おそらくこの映画での最大のポイントは、かのMET GALAを完全再現しているゴージャスな映像だろうと思う。一応軽く説明しておくと、MET GALAとは、毎年5月の最初の月曜日に、The Metropolitan Museumにて開催されるファッションイベント(主催はVOGUE誌)で、今回のキャストたちの多くも参加しており、毎年そのゴージャスないでたちがインターネッツで報道されるのをわたしも楽しみにしているイベントだ。ちなみにこちらが2012年のMET GALAに降臨したCate様。美しすぎる……!

 わたしも美術好きとして、METに行って、その圧倒的な作品の数々を堪能してきたけれど、まあとにかくデカイ、つうか、その規模はもう日本では考えられないほどのとにかく凄い作品数であった。今回の映画でも、さりげなく超名画がちらほら画面に登場するので(アレは本物だろうか?)、そんな点も、目に楽しい作品であろう。
 で、物語としてはMET GALAの主役たるディーバに選ばれた女優に、Cartierが地下金庫に厳重に保管しているお宝を身につけさせ、それを奪うという作戦なのだが、前述の通りあれよあれよといううちに計画が進行して成功する様は、まあ、正直ちょっと出来過ぎてはいると思う。とりわけ、事件後にお宝を処分してキャッシュを山分けするのだが、思うに、そう簡単に現金化できないだろうな……常識的に考えて。特に宝石なんて、出自が一発アウトではなかろうか。おまけに、エンディングではそれぞれの「8」のメンバーは豪快に金使っちゃってるし。即、国税にマークされると思うのだが……。
 でも、そんな細けえとはどうでもいいんでしょうな。そんなツッコミをするのは野暮の極みだと思うので、華麗なるドロボー軍団の「8」の皆さんを紹介しよう。
 ◆デビー:ダニー・オーシャンの妹。ちなみに今回、ダニーことGeorge Clooney氏は写真でちらっと登場するだけです。今回の主人公であるデビーは、5年だったかの刑期を経て、刑務所から出てくるところから物語は始まるのだが、ずっと塀の中で、にっくきクソ野郎への復讐を胸に今回の作戦を考えていたらしい。エンディングでは、兄ダニーの墓前にて、今回の作戦を見ててほしかったな、としんみりコメントして終わる。演じたのは前述の通りSandra Bullockさん54歳。54歳!?見えないすねえ! 彼女はお母さんがドイツ人で、ご本人もドイツ語が話せるそうですが、本編内でドイツ人に扮してドイツ語を喋りまくるシーンがありました。実際のところ、やっぱり美人すね。
 ◆ルー:デビーの親友で右腕。若干男のような恰好をしていて、バイクをかっ飛ばすクール美女。演じたのは勿論、オーストラリアが生んだ女神Cate Blanchett様49歳。ほぼわたしと同級生。とにかく美しくカッコ良く、超COOL! 今回、オーストラリア人の管理栄養士(?)として現場に潜入。そのコック服のお姿も神々しく、控えめに言っても最高でありました。
 ◆アミータ:ルーの旧友?らしく、宝石鑑定士?なのかな、よくわからん。作戦中は厨房に料理人?の一人として潜入。演じたのはMindy Kalingさん39歳。インド系アメリカ人。この方はUSで人気のコメディエンヌですな。わたしはよく知らないす。
 ◆タミー:デビーの旧友。泥棒奥さま。家のガレージは盗品でいっぱいで、もうコストコのようなレベル。作戦中は、VOGUE誌に潜り込んで、MET GALAに関係者として堂々と入り込む。演じたのはSarah Paulsonさん43歳。何となく神経質そうな、気弱な感じの顔はどっかで見たことがあるぞ、と思ったら、この人は『CAROL』でCate様演じるキャロルの親友として出演されてましたな。Cate様と何度も共演するなんてうらやましいす。
 ◆コンスタンス:凄腕の女スリ。アジア人系の若い女子。作戦中はウェイトレスとして会場にいて、ある意味実行犯という重要な役割を担当。演じたのはAwkwafinaさん29歳で、本業はラッパーだそうですな。全然知らない人ですが、中国系アメリカ人のお父さんと韓国からの移民のお母さんの間にNYCで生まれた生粋のUS市民だそうです。
 ◆ナインボール:凄腕のハッカー女子。凄腕すぎてちょっと現実感が薄いぐらい。監視カメラのハックや、盗品のダミーを3Dプリンタで作ったりと大活躍。演じたのは歌姫Rihannaさん30歳。大変楽しそうに演じておられましたな。
 ◆ローズ:服飾デザイナーだけど、落ち目で借金があって、いろいろあって作戦に参加。MET GALAのディーバを務める女優に、ローズの衣装を選ばせるのが作戦の第一段階だったのだが、なんか、かなりあっさり選ばれた感じですな。演じたのはHelena Bonham Carterさん52歳。この人、今やすっかり貫禄満点ですが、若い頃はホンットに可愛かったんすよ……。フランス語が堪能だそうで、今回、Cartier本社のフランス人と流暢なフランス語会話を見せてくれます。
 と、ここまでが作戦メンバーなんですが、7人しかいないすよね。わたしも、おっかしいな? と思いながら観てたのですが、なんと8人目は、そのMET GALAの主役ディーバの女優、ダフネでありました。
 ◆ダフネ:女優。ちょっと言動がブッ飛んでる系のお方だが、実は賢く途中から作戦に気づき、自らも実は作戦に参加していたことがラストで明らかに。これは、正直全然気が付かなかったす。演じたのはAnne Hathawayさん35歳。あれ、意外と若いんすね。もちろん大変な美女だけど、サーセン、わたしの趣味には若干外れてるので以下省略。

 とまあ、この8人の痛快娯楽作だったわけだが、一応、オリジナル『OCEAN'S』メンバーとしては、あの中国人の軽業師のイエン(しかも裏ではかなり重要な仕事をしてくれてた)とルーベン(ダニー・オーシャンの師匠的?なおじいちゃん)も出てきて、おっ!というシーンはあったすね。あと、ラストで、奪われた宝石を追う保険会社の男として、ミュージカル界ではおなじみのJames Corden氏が出てきたり(この人のTV番組「The Late Show」の名物コーナー?「CARPOOL KARAOKE」は最高です)、元祖美少女としてお馴染みのDakota Fanningちゃんもチラリと出演されてました。そしてMET GALAのシーンでは数多くの本物セレブたちがカメオ出演されてたそうですが、わたしはよくわからなかったす。テニスプレイヤーのSerena Williamsさんは本人としてセリフもあったすね。この人、本物のMET GALAにいつも出席されてるような印象す。

 というわけで、もう書いておきたいことがなくなったので結論。
 まあ、一応「シリーズ最新作」と言っていいのかな? かの『OCEAN'S』シリーズ第4弾となる『OCEAN'S 8』が公開になったので、わたしもさっそく観てきたのだが、わたしが観に行った理由の9割がたは、わたしが愛してやまない女神、Cate Blanchett様の神々しいお姿を拝むためである。で、その美しさは本作でも存分に発揮されており、わたしとしてはそれだけでこの映画を観に行った価値はあったな、というのが素直な感想だ。肝心の物語はというと、まあ、いろいろツッコミどころはあるけど……それを言っちゃあおしめえよ、なツッコミは野暮の極みなので、いいんじゃないすかね。こういう痛快娯楽作品だって、全然アリっす。実際面白かったし、大変楽しめました。しかし……はーまたNYCに行きたくなっちゃったすねえ……METは広大すぎて、半分ぐらいしか観られなかったからなあ……。美術ファンは絶対一度は堪能すべきだと思います。以上。

↓ 少なくとも1作目は観といた方が、本作はより楽しめると存じます。
オーシャンズ11 (字幕版)
ジョージ・クルーニー
2013-11-26

 ここ1カ月ぐらい、わたしの周囲で大変悲しいことがいくつか立て続けに起こって、本当にもうなにもかもうんざりというか、生きる気力が枯渇しつつあり、おまけにわたしはとにかく暑いのが苦手なため、連日の猛暑に、あらゆる体機能が低下し、いよいよ精神・肉体ともに、この世からおさらばしたい気分が高まっている。
 こんな心身状態なので、夜はさっさと寝るに限るわけだが、わたしの場合、20時ぐらいには何もすることがなくなり、じゃあもう寝るか、と思っても、それはそれで激しくむなしくなるわけで、そういう時は、WOWOWで録画しておいた映画でも観ようか、という気になるものの……いかんせん暑くて、なんだか途中でどうでもよくなってきてしまう。
 というわけで、先日の夜、この世のすべてに対する興味を失いつつも、WOWOWで録画した映画をぼんやり観ていたのだが、珍しく最後まで、これはどういうオチになるのだろう……と固唾をのんで最後まで観た映画がある。まあ上映時間も94分と短めだったのも好都合だったのだが、なんつうか、非常にやるせない、今のわたしにはやけに心に重くのしかかる作品であった。
 その作品のタイトルは『AFTERMATH』。英単語としての意味は、「その後」とても訳せばいいだろうか? 辞書的には「(戦争や災害の後の)状態・余波」という意味らしい。このタイトルの意味は、最後までこの作品を観るとよーくわかると思う。実に救われないというか、つらいお話で、妙にわたしの心にグッと来てしまったのである。
 というわけで以下、決定的なネタバレまで書いてしまうと思うので、気になる方は読まないでください。わたしは途中で結末が予想できましたが、いっちばん最後のオチは、若干予想外だったので、知らないで観る方がいいかもしれないす。

 まあ、もうこの予告を観れば、どんなお話かは想像できるだろうし、実際その想像の通りだと思う。航空機事故によって家族を喪った男と、そしてその事故の原因となった管制官の男。この二人の心のさすらう様を描いた作品である。さっき調べてみたところ、この予告にも明確に表示される通り、本作は実際に起きた事件を元に作られた物語だそうだ。その事件は「ユーバーリンゲン空中衝突事故」としてWikiがあるほどで、わたしは全く知らない事件だったが、ひょっとしたら世間的には有名な事件なのかもしれない。このWikiの記述によれば、やはり事故は管制側に責任があるようだ。
 そしてこの事件の痛ましい点は、その事故の後(Aftermath of tha Plane Crush)、遺族のとある男がその管制官を刺殺するという事態にまで進展してしまったことにある。本作は、その悲劇に至る二人の心情をかなり丁寧に描いているのだが、もちろん全てを事実と思うのはちょっと危険だろう。本作はあくまで事実を元にしているだけで、舞台はUSA国内になっているし、そういう面ではフィクションであると言うべきだろうし、描かれるキャラクターの心情も、完全に一致しているとは思うべきではなかろうと思う。
 しかしそれでも、本作が描く二人の男の心情には、恐らく観た人なら誰しもつらいと感じるのではなかろうか。わたしとしては、家族を喪った男を演じたArnold Schwarzenegger氏も、事故を起こした管制官を演じたScoot McNairy氏も、渾身の演技だったように思う。お見事であった。
 そして、本作で一番すごいのが、本作では刺殺事件のその後(Aftermath of the Murder)まで描いているのだ。これは一番のポイントだと思うけれど……ネタバレだけど書いてしまうけれど……どうやら実際の事件においても、管制官を刺殺したのち、家族を喪った男はある種の情状酌量によって刑期を短縮され、釈放されているらしいのだが、本作でも、10年(11年?)の刑期を経て、Schwarzenegger氏演じる男は釈放される。そしてその釈放されたのち、刺殺された管制官の息子(航空機事故の当時は10歳程度の子供だけど10年経って青年に成長)が、父を殺した男の元に現れ、銃を突きつけるのだ。わたしは観ていて、あ、こういうことになっちゃうんだ、いわゆる復讐の連鎖は止まらないんだ? と猛烈に悲しくなってしまったのだが、最後に息子がどんなことを言ってどんな行動を取るのか、それは書かないでおきます。まあ、ここまでもったいぶって書くと、誰しも想像する通りかもしれないな。でも、なんつうか、Schwarzenegger氏の演技は抜群に良かったし、家族を喪った悲しみは痛いほど心に刺さったけれど、どう考えても管制官を刺殺したことは許されることじゃあないと、わたしとしては全力で否定したいと思う。やっぱり、それをやっちゃあおしめえよ、でしょうな。恐らく彼は、残りの生涯、心の安らぎは永遠に得られないのではなかろうか? おっそろしく、心にしみるエンディングだったような気がします。復讐とか敵討ちというものは、結局は亡くなった人のためではなく、今を生きる自分自身の気持ちの問題であって、その後(Aftermath of Revenge)に残るモノ・得られるモノは、実際なーんにもなく、むしろむなしさが募って、心がより一層痛んでいくんじゃなかろうか、と改めて思うに至ったのであります。憎しみの連鎖を断ち切れるかどうか、そこが人類にとって一番の問題なんじゃなかろうか……。
 というわけで、二人の主人公たるキャラを紹介して終わりにします。この二人以外は正直どうでもいいので。
 ◆ローマン・メルニック:飛行機事故で妻と娘(とそのお腹にいた子)を亡くした男。工事現場で真面目に働く労働者。飛行機会社(管制塔を運営する空港会社?)は、さっさと示談に応じなよと全く心無い対応で、ローマン激怒。観てるわたしも、あの弁護士どもの態度には吐き気がするほどのいやーな気分になったすね。でも、奴らも所詮は仕事をしてるだけの使い走りにすぎず、実際罪はないんだよな……でもあの対応はヒドイよ……。ローマンが望んだのは、ただ単に「謝罪」なわけで、欧米諸国は謝罪したら負けな文化なんすかねえ……だとしたら嫌な文化だなあ……。そして演じたのは前述の通り、ターミネーターT-800ことArnold Schwarzenegger氏。このところのシュワ氏は、ほんと疲れた表情のおっさん役がイイすね。もうその苦悩の表情がすげえ渋くて素晴らしかったす。
 ◆ジェイク:事故の原因となった管制官。彼は普通の男で普通の幸せを得て普通に仕事していただけだったのに、まあ、命を預かる仕事という自覚が足りなかったんだろうな……。事故後、苦悩に苦悩を重ねたのち、会社の弁護士の勧めで離職、氏名を変えて(USはそんなことが出来るんだと結構驚き)住所も変え、生きようとしていたがローマンに刺殺される。つうかですね、ジェイクの住所をローマンに教えたクソジャーナリストがやっぱり一番罪深いのではなかろうか。ジャーナリストってのはほんとロクなことしねえ……とも思ってしまいました。ジェイクを演じたのは前述の通りScoot McNairy氏だが、わたしはこの人、どっかで見たことある顔だ、けど、誰だっけ? とすぐには分からなかったのだが、さっき調べたら、『BATMAN V SUPERMAN』で、ウェインカンパニー社員で冒頭のメトロポリス大決戦で足に大怪我をし、以降車椅子となってレックス・ルーサーに利用されるあの気の毒な人を演じた方っすね。そうだ、あの顔だ、とさっき思い出したっす。
 ところで、さっきついでにこの映画の評価のほどをRotten Tomatoesでチェックしたところ、かなりの低評価だったことを知ったのだが、これはアレかな、やっぱりエンディングに対する評価なのかな……それとも、元々の事件がヨーロッパで起きたもので、US市民にはウケなかったのかな……ぞれとも、US市民にはやっぱりこういう重い話は敬遠されたのかな……。わからんけど、わたしとしてはそこまで低い評価にすることないじゃん、と無責任に思った。わたしとしては、観て良かった映画だと思う。

 というわけで、結論。
 実際の痛ましい事件を元にした映画『Aftermath』という作品をWOWOWで録画して観てみたのだが、まあとにかく、重くて暗ーい映画ですよ。それは間違いないと思う。救いがないと言ってもいいのかもしれない。しかし、二人の主人公を演じたArnold Schwarzenegger氏も、Scoot McNairy氏も、実に素晴らしい芝居ぶりだったと思う。お見事でした。この二人に敬意を表して、わたしの結論としては、この映画はアリ、です。観て良かった。しかしなんつうか、生きるってつらいすなあ……ほんと、生きてていいことなんてあるのかなあ……全くそう思えないわたしであります。出来ることなら、苦痛なく、生命活動が停止する日がさっさと来てほしい。それがわたしの望みっすわ。以上。

↓ ああそうか、なんか聞いたことがあると思ったら、STONESのアルバムタイトルか。
アフターマス
ザ・ローリング・ストーンズ
USMジャパン
2013-02-20

 昨日は外での打ち合わせが3時間コースを覚悟していたのに、ごくあっさり1時間チョイで終わってしまったため、ちょっと早い時間だけど、暑いし、さっさと帰ろ……と炎天下の中、なるべく日陰を選びながら、なんとなくもう生きる気力も失いかけながらトボトボ歩いていたところ、電撃的に、そういや今日は8月1日、映画がお安く観られるファーストデーじゃねえか、と気が付き、ならば映画を観て帰るか、という気になった。そして一番最初に目に入ったカフェにまずは避難して、そういやあの映画って、先週から公開してんじゃなかったっけ、時間は……とチェックしてみた。
 しかし、驚いたことに、全く上映館がない。アレッ!? おっかしいな? とその映画の公式サイトで上映館を調べたところ、わたしが通うTOHOシネマズでは一切上映しておらず、都内でも6スクリーンしか上映していないことが判明した。マジかよ……と思いつつ、一番近い有楽町の上映時間を調べてみると、1時間後に始まる回があるようなので、すぐさま、有楽町BICカメラの上にある、「角川シネマ有楽町」へ向かうこととした。
 と、いうわけで、わたしが昨日の会社帰りに観た映画は『WIND RIVER』という作品である。US版予告を観たのはかなり前で、WikiによればUS公開は去年の今頃だったらしいから、たぶんもう1年以上前だろう。なかなか日本公開されないので、こりゃあお蔵入りになっちまったかと思ったら、ひょこっと公開されたので、さっそく観てみたわけだが、一言でいうと、物語的には、事件の全貌は結構なーんだ、ではあるのだが、なんというか、主人公の苦悩がやけに胸に染みて、予想外にグッとくるものがあったのである。要するに、わたしとしてはなかなか面白かったと言って差し支えないと思う。うまく言えないのだが……物語というよりも、主人公の心もち、にわたしは大変感じるものがあったのだ。
 というわけで、以下、物語の概要などをメモって行こうと思う。なお、決定的なネタバレも触れる可能性大なので、観ていない人はここで退場してください。これは何も知らないで観る方がいいと思う。
 
 上記は日本版予告だが、相当時系列を無視した編集がなされていることだけはつっこんでおこう。まあ、大体の物語は、上記予告から想像される通りと言ってもよさそうだ。そしてこの予告から、何故わたしがこの映画を観たいと思ったか、もうお分かりですね? そうです。わたしの大好きなMARVEL CINEMATIC UNIVERSの”ホークアイ”でお馴染みのJeremy Renner氏と、ワンダこと”スカーレット・ウィッチ”でお馴染みのElizabeth Olsen嬢が出演するから、である。この二人の共演に、ほほう、コイツは観たいかも……とまずは思ったのであった。
 物語は、冒頭、雪の山を「裸足」で、何かから逃げるように猛ダッシュする女子の様子から始まる。そしてこの女子は翌日には死体となって発見されるのだが、一体彼女に何が起こったのか、という事件捜査ミステリーである。
 しかし、ミステリーと言っても、トリックや叙述ミステリーのような仕掛けはなく、まったくオーソドックスに捜査の模様を追っていくだけなので、そこには別に、な、なんだってーー!? と驚くようなものはない。ある意味淡々と、ジワジワと事実が分かっていく展開なので、ストレスなく物語に身をゆだねることはできる。そこを物足りないと思うかどうかは微妙だが、わたしとしてはいろいろと、この映画を観て初めて知った事実があって、大変興味深かった。ちょっと、わたしが知らなかったことをまとめてみよう。
 その1)極寒の氷点下の元で全力疾走すると死ぬ。
 この死ぬ、は、文字通りの「死」である。本作では氷点下20℃(30℃?)という設定だったが、そのような状況で全力疾走を続けると、肺に取り込まれた冷気が露結し、肺に水が溜まって肺胞が破裂、出血を起こし、「窒息死」するんだそうだ(パンフには肺が凍結すると書かれている)。おっかねえ……壮絶な死因だよな……とわたしは非常に恐怖を感じたすね。そして本作では、その死因が大問題で、死体で発見された女性の死因が、氷点下の中で全力疾走を続けたことによる窒息死であるため、それすなわち「他殺=殺人」ではない、ということになってしまう。そうなるとどうなるか。これが次の知らなかったことその2)だ。
 その2)インディアン保留地での警察権
 雪山での死体発見、ということで、当然捜査が行われるわけだが、他殺(=殺人)ならばFBIが捜査にあたり、殺人でないならインディアン保留地を管轄する専門警察が捜査にあたる、というルールらしい。なので、せっかくやってきたFBI捜査官も、これ以上捜査ができないことになってしまうのだが、女性はレイプされ、ひどい暴行を受けており、許せることじゃあない、けど、地元の保留地警察はまったく人員が足りてないし、そもそも土地は広大かつ峻厳で……と困難に突き当たることとなる。
 その3)ワイオミング州とインディアン保留地
 舞台はワイオミングの険しい山に抱かれた「ウィンド・リバー保留地」である。ちなみにどうやらこの作品は全編ユタ州で撮影されたようだが、それはともかくとして、ワイオミング州はWikiによると全米50州の中でもっとも人口の少ない州だそうで、行ったことがないからわからないけど、未知との遭遇でお馴染みの「デビルズタワー」国定公園やイエローストーン国立公園などのある、大自然の地、のようだ。そしてワイオミング州は「カウボーイ州」としてもお馴染みだそうで、どうやら大自然に加えて白人とインディアン部族のキナ臭い歴史も何となく想像は出来るように思える。そして、冒頭にInspired by True Eventと出るし、エンディングでも字幕で説明されるのだが、インディアン居留区では非常に多くの女性失踪事件が現実に起こっているそうで、それらの多くが未解決なままなのだそうだ。その、失踪の原因はいろいろあるんだろうけど、未解決のまま、な理由は、この映画を観るとよくわかると思う。そこにあるのは、やっぱりどう考えても差別であり、格差であり、インディアンのことはインディアン(保留地警察)に任せとけば? という「無関心」だろう。前述のように他殺でない限りFBIは介入せず、失踪だけでは地元警察が動くしかなく、そして全く手が足りてない、そして広大&峻厳すぎる、という極めて厳しい状況のようだ。なんつうか……わたしはこの映画を観ながら、あまりな扱いを受ける人々に悲しくなっちゃったす……。アメリカ合衆国という国は……ホントに世界の一流国なんすかねえ……。。。
 その4)全く物語に関係ないけど……
 わたしは冒頭の製作会社とかのロゴを観ながら、あ、そういうことか、とひとつひらめいたことがあった。本作は、WEINSTEINの作品で、しかも去年の夏US公開ということは……まさしく去年の秋ごろに発覚した大問題、後にMe Too運動のきっかけ(?)となったワインスタイン・セクハラ問題のせいで、お蔵入りになりかけたのかもな? とどうでもいいことに気づいた。帰ってから調べたところ、本作はUS本国ではまったく売れなかったようで、その点は映画の出来に反して大変残念だったと思う。ちなみに、映画としての評価はRotten Tomatoesによるとかなり高いみたいですな。この高評価は、わたしも同意っす。
 さてと。それでは、登場キャラクターを演じた役者とともにまとめておこうかな。
 ◆コリー:主人公。白人。FWS(合衆国魚類野生生物局)に属し、ウインドリバー保留地での(狼とかピューマ?といった)害獣駆除を受け持つハンターで遺体の第一発見者。凄腕のスナイパー。演じたのはホークアイことJeremy Renner氏。コリーはちょっと複雑なキャラで、白人だけどインディアン女性と結婚し、娘と息子をもうけるが、娘が16歳?だかの時に、失踪、翌日死体で発見されるという悲劇を味わっている。その事件はまったく未解決のまま、なんとか哀しみと折り合いをつけて毎日を過ごしているが、妻とは離婚・別居中(まだ協議中だったかも)。そして今回の事件の被害者の18歳の女子は、娘の友達であり、その両親とも親しく、まったく他人事ではないため、事件捜査に手を貸すことに。Renner氏は、これまでの役柄的にちょっと生意気というか不敵なキャラが多かったので、わたしはあまり好きではないのだが、実のところ芝居的にはかなり上質で、今回も非常に静かで、ハートは熱く滾る男を見事に演じていたと思う。なによりも、娘を亡くした父親同士のふれあいのシーンは、猛烈にグッと来たすね。言葉は少ないけど、その朴訥な慰めはとても感動的だったと思う。お見事でした。
 ◆ジェーン・バナー捜査官:派遣されてきたFBI捜査官。白人。たった一人しか寄越さないFBIもアレだし、ジェーンもまるで薄着でナメた格好でやってくるため、コリーたちはイラッとするが、実際とても正義漢で一生懸命に捜査する女子。演じたのはElizabeth Olsen嬢。足手まといにならないよう頑張るOlsen嬢はなかなか可愛かったですな。
 ◆ベン:地元の保留地警察の署長。インディアン。いい人。演じたのはGraham Greene氏ですよ! わたしはこの方の顔を見て、おっと、この人ってひょっとして……と終わってから調べたところ、まさしく名作『Dances with Wolves』の「蹴る鳥」のあの人ですよ! え、知らない!? うそ! ちゃんと観て! 名作だから! 「蹴る鳥」をこの役にキャスティングしたのはかなりファインプレーだとわたしとしては称賛したいす。
 ◆マーティン:遺体で発見された女子の父親。インディアン。超いかついけど、超優しいお父さん。コリーに慰められ号泣するシーンはマジ泣ける。そしてエンディングでは、娘をなくした絶望で、銃を手に、顔にペインティングして登場するのだが、あの二人のシーンもホントグッと来たっすねえ……。
 「何だその顔」
 「死に化粧さ……」
 「そういうもんなんだ」
 「知らねえ。テキトーにやってみた。教えてくれる人がもういないからな」
 「(亡くなった女子の)弟にやさしくしてやってくれよ(※弟はヤク中で警察にいる)」
 「ああ……このバカげた化粧を落として……迎えに行かなきゃな……」
 台詞は正確じゃないけどこんなやり取りのラストシーンは、大変胸が熱くなったす。演じたGil Birmingham氏は他の映画でも何度か見かけたお顔すね。大変いい芝居でした。
 ◆ナタリー:遺体で発見された女子。インディアン。氷点下の中、裸足で10kmの山を走り切って息絶える。その亡骸は戦う意志の表れで、逃げたんじゃあないと分かるくだりはとても感動的であったと思う。演じたKelsey Asbilleさんはとてもかわいかったすな。生きているシーンはごくわずかだけど、非常に印象に残ったすね。
 ◆マット:ナタリーの彼氏で、山深くの掘削場(?)の警備員。白人。まあ、事件のネタバレをすると、要するにナタリーとイチャついていたところを泥酔した掘削場の作業員たちに見つかり、大喧嘩となって……という痛ましくも単純な話なのだが、わたしとしてはどうしてもこの「掘削場」なるものの意味がよくわからなかった。まず第一に、何を「掘削(?)」してる現場だったのかわからんし、ラスト近くで、作業員?のクソ野郎どもが主張する権利(ここはなんちゃら局の管理地だからお前らに従ういわれはない!とほざいて保留地警察に銃を向ける)も、何のことかさっぱりわからなかった。アレって何だったんだろうか……。で、マットを演じたのはJon Bernthal氏で、この人はTV版のMARVELヒーロー・パニッシャー役でもお馴染みですな。最近売れっ子ですが、彼も生きてるシーンはごくわずかす。
 ◆ピート:掘削場の男の一人で、事件の発端となった泥酔してマット&ナタリーにからんだゲス野郎。何で回りは止めなかったんだよ……。結論から言うとキッチリ死ぬのでざまあとスッキリなのだが、主人公コリーがコイツに下した刑が超ヤバイつうか怖い! まあ、悪党は死ねってことで、わたしとしてはアリです。演じたのはJames Jordan氏。主にTV方面の人みたいすね。知らんので省略。
 とまあ、こんなところか。で、本作の脚本/監督がTaylor Sheridan氏で、『SICARIO』の脚本を書いた人だそうです。お、マジかよ、役者としても結構キャリアがある人なんですな。あ!おまけに今年観た『12 STRONG』にも出演してたんだ! へえ~。48歳か。若いというほど若くないけど、今後も期待したい俊英ってことで、名前を憶えとこうと思います。

 というわけで、もう長いので結論。
 ファーストデーということで、ふと映画を観て帰ろうと思ったわたしが観た作品『WIND RIVER』は、US本国での公開から約1年経っての日本公開となったわけだが、まあ、かなり面白かったというのが結論である。この映画が全然スクリーン数が少ない小規模公開なのはとても残念に思う。夏休みということでお子様映画ばっかりな日本の映画興行だが、なんつうか、もうちょっと大人向けもちゃんと公開してほしいな、と思った。だって映画興行を支えてるのは、もはやシニアのおっさんでしょうに。ちなみにわたしが観た、有楽町の角川シネマは、まあファーストデーだからかもしれないけれど結構お客さんが入っていて、しかも年齢層高めでした。しかしそれにしても……アメリカ合衆国って国はなんつうか……ホントに問題山積なんだなあ……と能天気に思ったす。つうかですね、やっぱり広すぎですよ、あの国は。まったく行き届いてないんだもの。ホント、あの国の田舎には行きたくねえすね。何が起こってもおかしくないな、実際。アメリカ……恐ろしい国……というのが結論かもしれないす。以上。

↓ わたしの2018年ナンバーワン作品は今のところコレですが、何気に、テーマとしては近いものがあるような気がします。どちらも現代アメリカの田舎が抱える問題点、でしょうな……。

 うーーん……なんつうか……なんかイマイチ楽しめなかったような気がするな……。何の話かって? 昨日、わたしは会社帰りの夜、昨日から公開になったシリーズ最新作『Jurassic World:Fallen Kingdom』を観てきたのだが、はっきり言って非常に後味悪く感じ、なんだか、さっさと帰ろう……という気になってしまったのである。
 おそらく端的に言うと、物語に登場するキャラクターたちがことごとく愚かで、「先を考えない」身勝手な行動ばかりするため、わたしはなんだか腹が立ったのではないかと思う。科学技術の発達は、そりゃあ人類にとっては歓迎すべきものであろう。もちろんわたしだってそれを大いに享受しているのは間違いない。しかし、そこにはやはり、「倫理」というか、「それをやっちゃダメだろ」と思えるような何かがあるはずなのに、それらの倫理的・心理的ハードルを、いともたやすく、そして下劣に踏みつぶして超えていく人々は、どうやら間違いなく存在するものらしい。ただ、そういった連中こそが科学を発達させるトップランナーかもしれず、なんかもう、わたしとしては人類に絶望せざるを得ない気分をこの映画で味わうこととなったのである。
 なんつうか……マジでもう、人類は絶滅してもいいんじゃねえかなあ……まったく無責任だが、そんな気のする映画であった。

 わたしはこの予告を観て、あの恐竜の島で火山活動が活性化し、そこに住まう恐竜たちを別の場所?に引越しさせる話なんだろう、と思っていたのだが、結構その事前の予断は間違っていて、今回も結局、明確な悪党がいて、そいつの悪だくみでマズいことが起きる、というお話であった。
 つまり、この『Jurassic Park』シリーズは、ほぼ常に、「人災」なのだ。誰かの悪意が明確に存在しているのである。しかも、だ。実にばかばかしいことに、今回もそうだし、まあ毎回そうなのだが、その悪意の源にあるのは「金」なのである。ホントばかばかしい。なんで金のためにそんなことをするんだ、実に嘆かわしい……という思いがどうしてもわたしとしてはぬぐい切れない。
 おそらく、第1作目が公開された1993年と、それから25年を経た現在の2018年では、相当社会のありよう? が変わっていて、何でもかんでも「リスク」計算をしたがる今の世では、まず前提となる恐竜のクローン復元自体、挑戦しようとする企業はいないと思う。なぜなら危険すぎるからだ。あらゆる賠償責任を検討すれば、まず腰が引けてしまうような気がする。たとえ莫大な利益が得られようとも、万一のリスクを考えたら割に合わないのではなかろうか? おまけに、作中で描かれる通り、どんなに準備をしても、たった一人の人間の裏切りで、すべてがパーになるのだから。
 しかしまあ、その点を否定したらこの映画は成立しないので、その「得られる利益>万一の賠償責任」で、莫大な投資は回収して余りある事業企画だとしておこう。事業として収益が成り立ち、ちょっと危険な動物たちのいる動物園、程度に思って運営しようとしていたと思うことにしよう。何も危険はないよ、と。
 しかし、最初の「Park」シリーズ3作になく、前作及び今回の「World」シリーズ2作に共通する違いは、DNA工学の進歩による「遺伝子操作=ハイブリッド」恐竜の「製造」だ。ただでさえ危険極まりない生物を人為的に掛け合わせ、新種を製造する。これはもう、「やってはいけないこと」に他ならないのではなかろうか。もちろん人類は、そういった「人為的交配」による新種の製造をこれまでもう散々やってきたわけだが、予測不能なアンコントローラブルなことをするのは、まあ、たとえ自分が死んだってその影響は残るわけで、責任の取りようがない。そう、自ら責任を取れない、自らがコントロールできないことをするのは、もう完全に許されることではないだろう、とわたしは思う。
 その点で、わたしは前作の感想でも書いたが、この「World」シリーズでの一番の悪党は、DNA工学者であるDr.ウーなる人物だと断言したい。こいつは本当にクソ野郎で、前作ではさっさとバックレてしまうし、今回も……生きてんのかな? 死んでないと思うのだが、コイツこそ、明確に「ガブリ」と殺られてほしかったのに、またうやむやだったのが実に腹立たしく感じた。
 なお、わたしは完璧に忘れ去っていたのだが、このDr.ウーなるクソ野郎は、シリーズ第1作『Jurassic Park』にも登場してたんですね。さっきWikiを見て初めて知ったというか思い出したわ。ともあれ、コイツの悪行に比べたら、金目当ての悪党どもは大したことないと思う。基本的に、金目当ての小悪党どもは全員「ガブリ」の刑に処されるので、それはそれでざまあ!と観ていてすっきりするのだが、この博士はホント許せんとわたしは思った。
 そして、本作で大問題となるのは、人間の悪党どもはもはやどうでも良くて、一体、現代に製造された恐竜たちは、この後どうしたらいいんだろう? という点であろう。確かに、現代の高度に発達した文明が生み出した武器を使用すれば、いざという時の殺処分は可能ではある。その意味では、無理やりであろうとコントロール可能、とも見ることができる。しかし、そこには「命」に対する尊厳もクソもなく、家畜同様の扱いだ。それでいいのかどうか、そりゃあよくないのは間違いなくても、それしか方法がなければ殺るしかない。殺らねば殺られるわけだし。
 そういった正論は分かっていても……やっぱり、溶岩の迫る中で、巨大な草食首長竜(ブロントサウルス?)が噴煙に飲み込まれて崩れ落ちていくシーンなんかは、なんか悲しくなったすねえ……島の脱出シーンは大変つらかったす。そしてラストは、カリフォルニアに連れてこられた恐竜たちを解放して終わるだけだが、まあ、そりゃ無責任すぎると思っても、やっぱり殺されずに済んでちょっとほっとしたわけで、要するに、この映画が描くのは人間のエゴがもたらす地球規模?の悲劇なわけだが、結局のところ観ているわたし自身も、人間のエゴの塊だったな、という妙なオチがついたように感じた。なんつうか……とにかく愚かだよ。登場人物全てが。ついでに言うと観客のわたしも、ね。
 というわけで、以下、キャラ紹介をざっと記して終わりにしよう。
 ◆オーウェン:前作の男主人公。元ヴェロキ・ラプトルの飼育員で、「ブルー」と名付けたラプトルを飼いならす男。ブルーが、すっごくけなげなんすよ……泣ける……ブルーよ、元気でな……。なお、このオーウェンという男は、迫りくる火砕流に巻き込まれても無傷というスーパーマンなのだが、火山国に住まう我々日本人から見るとちょっとありえなさ過ぎるが、まあ、こまけぇことはどうでもいいか。コイツの愚かさは、危険なラプトルを人間に従わせようとしたことにあって、それがどんな悪事に繋がるか無自覚であった点であろうと思う。本作では、カリフォルニアに連れてこられた恐竜たちが、金持ちの悪党どもにオークションにかけられ、おとなしい草食恐竜はペットとして、凶暴な肉食獣は兵器として買われていくのだが、オーウェンのやったことは兵器利用のきっかけともいえるわけで、まあ、コイツも無罪ではないすな。演じたのはMCUのスター・ロードでお馴染みChris Pratt氏39歳。大変イケメンだと思うけど、頭は良さそうに見えないのが弱点かも……。
 ◆クレア:オーウェンの元彼女で元パーク運営会社の人間。彼女の愚かさは、まあ、パーク運営にかかわったこと=恐竜を金もうけに使おうとしたことでしょう。そして、今回の悪党を無邪気に信じて、冒頭30分であっさり裏切られて窮地に陥るのは、観ていて、そりゃそうなるな……この人アホなの? と愚かさを感じざるを得なかったすね。そんな彼女を演じたのはByrce Dallas Howerdさん37歳。今までにいろいろな作品でこの方をお見かけしているけど、サーセン、趣味じゃないす。
 ◆ロックウッド:最初のパークを作ったジョン・ハモンドの親友でウルトラ金持ち。もうかなりのおじいちゃんで体の具合は良くない。今回、このおじいが恐竜の保護をクレアに提案するスポンサーとなるのだが……。彼の愚かさは2つあって、一つは自らの財産管理をたった一人のゲス野郎に任せっきりで、人を見る目もないし、いろいろ知恵の足りない点にあろう。普通、あれだけの広大な土地&大邸宅&財産があったら、資産管理会社をきちんと立てて法人化するだろうに、たった一人の男に託した意味が分からん。愚かすぎる。一応作中では「財団」と称されていたが、財団なるものの実態は一切描かれず、財団なるものが一人の悪党に支配されている描写はすごく違和感があった。まあ、彼は自らの愚かさは裏切られて命で贖うこととなったのだが、せめて信頼する弁護士ぐらい身近に置いとけよな……。そして2つ目の愚かさは、許されざるクローン製造に手を付けたことだろう。これはネタバレすぎるので書きません。ホント愚かとしか言いようがない。演じたのは、超ベテランのJames Cromwell氏78歳。この方は若い頃から顔を知ってるだけに、なんかすっげえ老けましたなあ……年齢が年齢だけに当たり前なんだけど、そのふけ姿に若干ショックっす。
 ◆イーライ・ミルズ:おじいの財産を管理する財団とやらを支配する悪党。彼の動機は「金」だけ。実に底が薄く、薄っぺらな小悪党。見事八つ裂きにされますので、ざまあ、であります。コイツもそうだし、終盤に出てくる恐竜オークション参加者の顔がおっそろしく、あさましい、醜い人間どもの顔をしていて、実に不愉快であった。とにかく、いやーーなツラしてますよ。演じたのはRafe Spall氏35歳。この人は観たことない顔だな、と思ったら、どうやら私はかなり多くの作品でコイツを観ているはずらしく、全然気が付かなかった。どうやらこの人は、『PROMETHEUS』で一番最初にフェイスハガー的謎生物に襲われて死ぬ隊員を演じた彼らしいすね。全く顔を覚えてなかったわ。
 他にも、クレアの部下の獣医の女の子とかPCオタクの青年とか、あるいは金目当てに雇われている傭兵集団のリーダーのクソ野郎とかが出てくるけど、知らない人なので省略。そう、一人だけわたしの知ってる人が出てました。それは、特徴的な顔と163cmの小柄な体格が他の誰とも間違えようのないToby Jones氏で、えーと、例えば『CAPTAIN AMERICA』に出てきたヒドラのマッドサイエンティストのゾラ博士を演じた方ですな。今回の役は、凶悪なハイブリッド恐竜の製造を指示し、オークションを開催していた武器商人? なのかな、とにかく悪党で、「ガブリ」の刑に処せられます。実に愚かであさましいツラをした野郎だったね。
 最後に監督だが、本作を撮ったのはスペインの新鋭Juan Antonio Bayona氏43歳。わたしはこの人の作品は『Lo Impossible』しか観ていないけれど、それほどすごいと感じるものは特になく、普通にハリウッド大作だったな、ぐらいの印象しか持ち得なかった。CGは勿論すごい質感で、本物そのものにしか見えないけれど、ある意味もうお馴染みな映像だし、新しさも感じなかったかな。なのでとりわけメモしておくことはないす。

 というわけで、さっさと結論。
 3年ぶりのシリーズ最新作となる『Jurassic World:Fallen Kingdom』を観てきたのだが、そこに描かれているものは、無邪気な少年めいた恐竜へのあこがれのようなものではなく、あさましい人間たちの純然たる欲と悪意であった。まあ、そんな物語を観て無邪気に楽しめるわけもなく、当然後味悪いというか、スッキリしないわけだが、なんつうか……やっぱり、やっちゃあいけないことはやっちゃあいけないわけで、何をやっちゃあいけないのか、それを判断できるのは、おそらく個人の中にある「良心」と呼ばれるものなのだろうと思う。まあ、その良心を失くしたくはないですな、という教訓としておこうと思います。いやあ……ホントに人間は愚か者ばっかりで絶望しかないす。もちろん、自らもその一員ということは忘れないようにしたいものであります。以上。

↓ もう30年近く前に読んだ原作は大変面白かった。そして、この原作単行本版のカバーイラストの本物の原画を、以前「生頼範義展」で観ました。原画は超オーラが発散されてたっすね。
ジュラシック・パーク〈上〉 (Hayakawa novels)
マイクル クライトン
早川書房
1991-06-01



 すでに公開されているUS本国ではやけに評判がイマイチだとは聞いていた。その理由はどこにあるのか? 単に主演の役者のルックスがあまりにHarrison Ford氏に似てないせいなのか? そんな理由なら全然非難することなかろうに……。
 と、そんなことを考えながら、わたしは昨日の金曜日、会社帰りに、久しぶりに新宿TOHOへ赴いた。理由は勿論、昨日から公開になった『SOLO : A STAR WARS STORY』をIMAX3D版で観るためである。最初は日比谷で観ようと思ったら、どういうわけか? 日比谷TOHOのIMAXは3Dじゃないようなので、なんじゃそりゃ、と思って新宿にしたのだが、こと3Dに関していうと、非常に暗いシーンが多く、これは普通に2Dで良かったな、と思った。つまり、新宿に行く意味はほぼなかったと思う。なんか、画面がしっかりフォーカスが合ってないぼんやりした画のように感じられたのは、単にわたしの視力の問題なのか? この点は、Blu-rayが発売されたら4K ULTRAのくっきり画面で確認してみたい。【追記:どうも、初日の金曜だけ日比谷IMAXは3Dじゃなかったのかな、今は普通にIMAX3Dになってるみたいす。単にわたしの勘違いだった可能性も……】
 そして肝心の内容なのだが……やっぱり、ちょっといろいろ問題アリかもなあ……とは感じるに至った。ただし、役者には全く問題ないと思うし、初めて明らかにされるソロ船長チューバッカの出会いなど見どころはいっぱいあって、部分部分は大変楽しめたのは間違いないと思う。なので、結論としては……アリ、だと思う。いや、うーん……サーセン、何とも言えないかな……ちょっと微妙なのも間違いないので。
 というわけで、以下、ネタバレに一切考慮せずに書くと思うので、まずは劇場で、何の先入観も持たずに観てきてください。そうするべきです。

 というわけで、上記予告は何度も目にしたが、実際のところ、どんなお話なのか、わたしは全く分かっていなかった。そもそも、時代的にいつなのか? もよくわからない。常識的に考えて、ソロ船長の若き頃、なのだから、本編でのEPISODE IIIからIVの間であるのは間違いなかろう。
 しかし……うーん、わたしもSTARWARSシリーズを愛しているとはいえ、実は時間経過をよくわかっていないので、まずちょっとまとめてみようかな。一番初めの、EPISODE:Iの時間を「X」として、それぞれのEPISODEの年を一覧にしてみるか。ローマ数字だと表記しにくいので普通にアラビア数字でEP番号を示します。
-----------------------
 <EP:1 The Phantom Menace
 X年の出来事。10歳児程度のアナキンがクワイ・ガンに見いだされる。
 <EP:2 Attack of the Clones
 X+10年ぐらいの出来事。アナキンは青年に成長、パドメとFalling LOVE。ラストでクローン戦争開幕。
 <EP:3 Revenge of the Sith
 X+13年ぐらいの出来事。前作ラストで始まったクローン戦争3年目。アナキンはダークサイドへ転落。ジェダイ騎士団壊滅。
 <ROGUE ONE
 EP:4直前の話。ついに完成したデス・スター設計図をめぐる名もなき戦士たちの悲劇を描く。ラストの4へつなぐシーンが超見事。
 <EP:4 A New Hope
 X+33年後ぐらいの話? つまりEP:3から20年後ぐらい、のはず。いや、どうかな、これはよくわからん。EP:3ラストで生まれたルークが20歳にはなってなかったかもしれない。18歳とかそんなもんだっけ?
 <EP:5 The Empire Strikes Back
 X+36年後ぐらいの話? 前作から3年後らしい。
 <EP:6 Return of the Jedi
 X+37年後ぐらいの話。これは前作から1年程度のはず。
 <EP:7 The Force Awakens
 X+67年後ぐらいの話。どうやら、6から30年程度は時が経過している模様。EP:8に関しては、わたしは世紀のトンデモコレジャナイムービーだと思っているので触れません。
-----------------------
 まあ、こんな感じだと思うのだが、今回の『SOLO』が、EP:3と4の間の20年ぐらいのどこかに位置する物語であることは間違いないけれど、今回、何と驚愕のサプライズ登場したキャラクターが一人いて、わたしは、えっ!? どういうことなんすか?? と混乱しているのである。誰のことを言っているか、観た人なら分かりますよね? そうです。EP:1においてクワイ・ガンを殺し、オビ=ワンに殺されたダース・モールが登場したのです。これは……まあ、ダース・モールという存在がある意味役職的なもので、別人にその役割が引き継がれた、と思えばいいのかもしれないが、正確なところは実際良くわからない。そしてズバリ言うが、全く登場する必要はなかったとわたしは断言したい。混乱を招くだけで、何の意味もなかったと思う。4以降に登場してこないのもおかしいし。この点については後でまた述べますので、ここではこれ以上は触れない。【追記:わたしは全然知らなかったですが、『クローン・ウォーズ』ではモールは死んでない設定だったんすね。そうなんだ……コメントでの情報あざます!】とにかく、今回の『SOLO』が時間的にどこに位置されるのかは重要だと思うが、最後まで何とも判然としなかったのは残念に思った。強いていうなら、EP:4の時のHarrison氏が当時35歳ぐらい、そして今回のAlden君が28歳、てことは、EP:4の7年前ぐらい、なイメージと勝手に思うことにします。
 で。おそらく、ファンが望む本作で「描かれるべき出来事」は、(1)いかにしてチューバッカと出会うのか、(2)いかにしてファルコン号を手に入れたのか、(3)いかにしてソロ船長はジャバ・ザ・ハットに借金を抱えてしまったのか、この3点に尽きるはずだ。そして本作ではきちんと(1)(2)に関しては美しく、そして結構見事に描いてくれたと思う。しかし(3)が、たぶん時間軸的にうまく描けなかったのだと思う。おそらく(3)はもうちょっと後のことで、それ故、(3)に関してはほのめかす程度で終わってしまっている。その点は若干残念だが、まあ、仕方がなかったのだろう。しかしそれでも、もうチョイうまくやれたと思うのだが……
 結局のところ、本作についてわたしが一番問題視するのは、キャラクターであろうと思う。キャラクターの存在感が薄いというか、なんかきちんと描かれておらず、結構謎が多いままだったし、かなりあっさり死んじゃうし。どうも、若干の底の浅さがわたしには実に気になったのである。もっとちゃんと考えてほしかったような……。
 というわけで、各キャラごとに見ていこう。
 ◆ハン・ソロ:彼については、とりわけ問題点はなく、演じたAlden Ehrenreich君28歳の熱演も悪くなかったと思う。でも、やっぱりしぐさやしゃべり方は、もうチョイ研究の余地があったはずだと思うな……。そしてわたしがソロ船長について、初めて知って、へえ~そうなんだ、と思ったポイントは以下3つです。
 ・ソロ船長はなんと帝国軍の軍学校出身だった! これは故郷の星「コレリア」から脱出するため、そして操縦技術を身に着けるため、に軍に入隊したという事情があってのことで、別に帝国軍に心酔していたとかそういうことでは全然なく、それなりの説得力はある。しかし、そういう過去があるのなら、これまでのシリーズで帝国軍知識が生かされたと思うのだが……。そういう意味では、アリのような、ナシのような、微妙さを感じた。これは……どうでしょう、もっと幼少時代から描いて、師匠たる強盗団で鍛えられた、みたいな方が良かったような……。そしてたとえば 、「I have a bad feeling about this」は実は師匠の口癖だった、的なのがあれば良かったのにね。
 ・名前の「ソロ」の意味は、「ひとり者」という意味だった! これは、前述の帝国軍へ入隊する際に、名前を聞かれ、名字がなく、帝国軍の入隊事務官が、そうか、親兄弟もいない一人ぼっちか、じゃあ、「ソロ」でいいな、とテキトーに名づけられるシーンで明らかになる。これはなかなか良かったすね。アリですこれは。ちなみに、お父さんは元々なんとかって宇宙船メーカーの技師?で、宇宙船製造ドックに勤務してたそうです。
 ・なんと! ソロ船長は「ウーキー語」がしゃべれた! これは最高でしたね! EP:3で登場したキャッシーク星人であるチューイだが、ソロ船長は何でチューイの言うことが理解できるんだろう? とずっと謎だったが、そういうことだったんだ、とわたしは大興奮したっすね。出会いもなかなか良くて、実にアリ、だと思った。
 ◆チューバッカ:ご存知ウーキー180歳。EP:3でのクローン戦争でヨーダを支援した後、ウーキー族は気の毒なことに奴隷的に扱われていたことが今回判明。帝国軍の牢屋?でソロ船長と出会い、ともに脱出して熱い友情を結ぶ。この展開は実にアリでわたしは大変うれしくなったすな。若干、EP6冒頭のジャバの屋敷のアレのオマージュっぽかったし。チューイに関しては、本作は何の問題もないと思う。けど、もうチョイ活躍してほしかったかも……。
 ◆ベケット:若きハン・ソロの師匠ともいうべきベテラン&凄腕の窃盗団リーダー。演じたWoody Hrrelson氏はおっそろしくカッコよく、存在感もたっぷりでとても良かったのだが……なんか、ハンとの絆というか、精神的なつながりが薄く、それにしては窃盗団の仲間には優しく、若干ちぐはぐな印象を持った。「誰も信用するな」という教えはアリだし、ラストの裏切りもアリだと思う。けれど、あの最後はやっぱりおざなりですよ。悪党として死なせるのは非常にもったいなかったし、あっけなさすぎる。やっぱり、ラストは実はハンを守るための裏切りだった的な展開が欲しかったように思う。ハンとの疑似的な父と子的な絆が欲しかったすねえ……。そのためにも、もっと子供のハンと出会うべきだったような気がしました。彼の窃盗団の仲間の二人が結構イイキャラだったのに、前半であっさり逝ってしまうのももったいなさ過ぎたと思う。彼らも、ハンの育ての兄・姉として、もっと見せ場を作れたはずなのに……。
 ◆キーラ:ハンの恋人、のち、マフィアのナンバーツー。多分わたし的には彼女の役割が一番気に入らなかったんじゃないかと思う。そして彼女がダース・モールとつながりがある必要はゼロだったと思う。むしろ、ジャバと明確につながっていれば良かったのにね。そして、明確に彼女は死ぬべきだった。生き残っちゃったし、ハンと敵対したままだったし。なので、彼女の立ち位置がまったくエモーショナルでなく、非常に残念に感じた。もっと、やむにやまれる感が必要だったし、ハンを助けて死ぬ、というのが王道だと思う。なんだか、本作で描かれた彼女は、かなりクールかつ積極的に悪の道に進んだ印象があるし、何より問題なのは、ハンよりも自分の命優先な態度は、かなり残念だと思う。若干中途半端すぎるとわたしは思った。ただし、演じたEmilia Clarke嬢31歳は大変可愛くて素晴らしかったのは間違いない。なんか、顔つきがカトパンでお馴染みの加藤綾子嬢に似てましたね。Elilia嬢に関しては、わたしは『TERMINATOR:GENISYS』でのサラ・コナー役しか見たことがなかったけど、あれっ!? こんなに可愛かったっけ? と驚いたす。結構ちびっ子ですな。実に可愛かったと思う。
 ◆ドライデン:キーラの仕えるマフィアのボス。強いんだか弱いんだかわからない人。どうやら本作の世界では、マフィア団がいろいろあって(ジャバの組織はハット・カルテルだったっけ? 一瞬名前は出ました)、その中のデカい組織のボスが彼なのだが、どうも、帝国軍やシス卿といった勢力とはつながりはなかったように見えた。なので、ラストでキーラがダース・モールに連絡するのも非常に唐突かつとってつけた感があったのだが、どうせならこのドライデンの組織は、明確にジャバと敵対・競合する組織であり、エンフィス・ネスト(というのが本作では競合組織のボス)はまるでいらなかったように思える。なお、このドライデンを演じたのは、わたしはもう、声で一発で誰だかわかった。そう、わたしの大好きなMCUにおいて、JERVIS/VISIONさんでお馴染みのPaul Bettany氏でした。この人はとにかくでかい! たぶん190cm以上あると思う。
 ◆ランド・カルリジアン:ご存知宇宙に名をはせるギャンブラー。ファルコン号の持ち主。演じたのはこのところチョイチョイ見かけるDonald Glover君34歳。彼と言えば、『The Martian』でNASA長官に重力ターンの航路を「ギュイーーンと来てガーーッと行くんすよ!」とプレゼンする若者だったり、『SPIDER-MAN:Home Comming』でちょっとした悪者アーロンを演じたことが記憶に新しいですが、今回は雰囲気あって大変良い演技でした。ランドの若き頃の姿としては大変似合っていたように思う。だだし……本作では若干活躍の場がなく、やや中途半端だったようにも思う。ファルコン号Getというポイントは、物語の中で重要な出来事なのに、若干軽かったすね。そして、ソロ船長の伝説の一つである「ケッセルランを12パーセクで飛んだ」というエピソードは本作できっちり描かれました。しかしなんつうか、彼よりも、ランドの相棒のドロイド、L3のキャラが素晴らしかったすな! そんなL3もかなりあっさり破壊されてしまうのは残念であったけれど、L3に蓄えられていた銀河の航路データは、ファルコン号に吸収されたわけで、つまり今でもL3はファルコン号とともに生きてるのさ……と考えると、まあアリ、であろうと思う。しかし、やっぱりアレすね、ランドは新三部作に出てくるべきですよ、絶対に。あのクソ駄作「8」はホント許しがたいわ……。

 とまあ、キャラについてはだいたい以上かな。要するに、わたしとしては、ハンはもっと少年時代にベケットに拾われ、窃盗団の中で成長し、腕も磨き、育ての父・兄・姉を帝国軍から助けるために宇宙一速い船=ファルコン号が必要となって、ギャンブル勝負で勝ち、ついでに、ベケットとは犬猿の仲だったジャバをやむなく頼ってしまったことで、借りが出来てしまい、密輸屋になった、的な流れだったらなあ、と思ったわけです、はい。まあ、それで面白くなったかはわからんですが。なんか……山場が盛り上がらないというか……若干物語の流れが平坦だったように感じたっすね。

 というわけで、最後に監督について書いて終わりにしよう。本作を撮ったのは、大ベテランRon Howard監督64歳だ。ただし、さんざん報道された通り、本作は途中で監督がチェンジしてしまうなどの製作トラブルがあっての就任で、ま、そのゴタゴタも、そしてあの「8」のトンデモぶりも、すべてルーカスフィルム社長のKathleen Kennedy女史の責任と断言できる。ま、それはともかく、そんなゴタゴタの結果、もう出来上がってしまった脚本、もう撮影されてしまった部分などがある中で、Ron Howard監督は全力を尽くしてくれたと思う。冒頭に書いた通り、画が妙にパキッとしない作りだったのが気になるが、そうだなあ、撮影というか映像的にわたしが一番すごいと思ったのは、冒頭のスピーダー・チェイスのシーンかなあ……。あのシーンのスピーダーは、本当にもう飛んでいる(宙に浮かんでいる)としか見えなかった凄い出来だったし、金属や街の質感も雰囲気抜群でしたな。

 というわけで、もう書きたいことがなくなったので結論。
 全世界のSTARWARSファンが待ち望んだスピンオフ『SOLO : A STAR WARS STORY』をさっそくIMAX3D版で観てきたのだが、わたしが思うに、まず第一に、3Dで観る必要はなかったのが一つ。そして物語としては、心にグッとくるようなエモーショナルな点がなく、かなり冷徹かつさらっとしているという印象を受けた。なんつうか、いらないキャラも多いように感じたし、正直、もっと面白くできるのになあ、と、いつもの言うだけ詐欺な感想を抱くに至ったのである。ただ、まあ、チューバッカとの出会いは実によかったすね。そして、全世界からのプレッシャーの中、頑張ったAlden Ehrenreich君は、確かにHarrison Ford氏には似てないす。でも、見かけは似てなくても、あの特徴的なニヤリやしゃべり方は、もうチョイ研究の余地があったかもしれないすね。そうすればここまで酷評されずに済んだのではなかろうか。結局のところ、本作の問題は、要するにキャラ造形、すなわち脚本でしょうな。まあ、「8」よりずっとマシですが。「8」を面白いと思う人とは永遠に分かり合えないと思います。わたし、心が狭いんで。以上。

↓ しかしそれにしてもEmilia Clarke嬢は可愛かったすなあ……久しぶりにまた視てみるか……。
ターミネーター:新起動/ジェニシス (字幕版)
アーノルド・シュワルツェネッガー
2015-10-21

 先日、と言ってももう何か月か前だが、後輩女子のK嬢が、熱くそして激しく『ごちゃごちゃ言わないで絶対観ろ!』とわたしに強く勧める映画があった。わたしとしても、観ることには全くやぶさかでなかったのだが、いかんせん近所で上映しているところがなく、K嬢の熱意に対して「お、おう……?」とビビりながらも、さてどうすっか、と若干困っていたところ、さすがわたしの愛するWOWOWである。その映画の放送が先日あったので、さっそく予約し、そして実際に観る機会を得たのであった。
 その映画とは、インド映画で国内最高興収を上げたという『BAAHUBALI:The Beginning』という作品で、そのタイトル通り前編というか、いわゆる「1」である。既に後編である『BAAHUBALI:The Conclusion』もとっくに公開され、一部でやけに盛り上がっていると評判の作品であった。
 そしてとりあえずWOWOWにて観てみた『The Beginning』は、なるほど、確かに熱いし面白いことはよーくわかった。が、そこまで世の中的に盛り上がるのはよくわからん、と言うのが素直な感想である。しかしまあ、世の熱狂はさておき、映画オタクのわたしとしては十分面白かったし、こりゃあ続編『The Conclusion』も観たいぜと思うに十分な映画であったのは間違いないのだが、わたしが一番ビビったのは、インド映画界のCG力がすさまじく高品位で、圧倒的に日本映画よりハイクオリティな点である。こりゃあもう、日本の映画界はホントに世界で置いてけぼりを喰らっちまったなあという軽い絶望感を味わってしまうほどのCG力は、さすがにIT大国インドだという見当はずれな感想まで抱いてしまうほどだ。まあとにかく、これはすごい。先日、同じくWOWOWで『銀魂』を観たけれど、残念ながら比べ物にならんなあ……。本作のすげえCGクオリティにはもう完全脱帽である。
 そして、ボリウッド映画らしく本作は歌がかなり豊富に流れていて、ミュージカル好きなわたしとしては、役者が実際に歌っているのかわからないけど、大変良いと思った。映像自体はともかくとしても、なんとなく、歌にダンス、そして恋にバトルに、という大河ロマンな構成は、わたしの愛する宝塚歌劇的でもあったように思う。要するに、ええ、しつこいですがわたしは大変楽しめたっすね。
 というわけで、日本で公開されたのは去年のようだし(映画の製作自体は2015年らしいが)、そこらじゅうで取り上げられているだろうから、もうネタバレには一切考慮せず、書きたいことを書くつもりなので、ネタバレが困る方はさっさと退場してください。

 物語は、説明らしい説明はほぼなく、かなりいきなり開幕する。インド人なら常識なのかもしれないが、わたしにはさっぱり知識のない時代のお話で、そもそも西暦で言うとどのあたりの話なのか、場所はどこなのか、などわたしにはわからない。つうか、これは神話的な物語で、そういった年代とかはそもそも無意味なのかもしれない。ファンタジーなのか? そんなことすらわたしにはさっぱり分からん。ついでに言うと、本編内で使用されている言語が何語なのかもわたしには全く分からなかった。Wikiによれば、テルグ語およびタミル語に加え、映画内独自の架空の言語もあるそうだ。つうか、ヒンディー語・ウルドゥー語でない時点でボリウッドとは言わないのかな? 定義が良くわからん。
 で。物語は現代パートと後半の過去の回想パートに別れているのだが、わたしのような低能には、とにかく言語的に耳になじまず、その結果頭に入ってこないため、キャラの名前も、国などの名前もなかなかすんなり記憶に残らず、対立構造もどうも分かりにくい。何とかまとめてみようと思うが、まあ、こんなお話である。
 冒頭は、何やら女性が一人、赤ん坊を守りながら逃げている描写から始まる。その女性は刺客をあっさり撃退するものの、傷つき、もはや体力も限界というところで、川に流されそうになるが、気合で(?)赤ん坊を水面の上に持ち上げつつ、絶命寸前に、川辺の民が発見し、赤ん坊を救助する。そしてその女性は最期に、巨大な滝の上を指しながらは水中へ没し消えていく。
 時は流れ、「シヴドゥ」と名付けられ、育てられた赤ん坊はかなりあっという間に青年に。そしてシヴドゥは、自分では何故かわからないけど、巨大な滝の上にいつか行くんだ! 的な心の衝動を抱えて成長して、何度も滝を登ろうとして失敗に終わっていたのだが、ある日、滝から仮面が落ちてきて、その仮面に魅入られていると、なにやら天女めいた幻想にとらわれ、その天女を追う形で、なんと滝登りに成功、「滝の上」の世界に足を踏み入れることに。そして仮面の持ち主の女子戦士と出会い、ぞっこんLOVEとなり、なにやら女子の属する一族の悲願である、囚われの妃を助けるミッションにシヴドゥは参加するも、そこには運命の出会いが待っていたのであった―――てなお話です。適当なまとめでサーセン。で、無事に妃を救出したのちの後半は、シヴドゥの先祖の話になっていくのだが、とりあえず、キャラ紹介しながら説明してみるか。
 ◆シヴドゥ:主人公。冒頭の赤んぼが成長し、滝の下の世界でのんきに暮らしていた青年。演じたのはPrabhas氏というお方。まったく知らんす。ズバリ、イケメンとは思えないが……顔が若干ふっくらしていて、そこはかとなく大関・高安関めいた風貌の持ち主だが、超ウルトラ強く、眼力も凄い。結構あっさり「滝の上」の女子戦士とぞっこんLOVE each otherとなる。後に、「バーフバリ」の息子であることが判明。最初から誰だって分かってると思うけど。
 で、「バーフバリ」とは何かというと、「滝の上」に栄える王国を建国した男がいて、その王は若くして亡くなると。そして同時に遺された王妃も、出産後間もなく死亡、ということで、赤ん坊(=バーフバリ)だけ残されるが、そのバーフバリ坊やを育てたのが、その王の兄貴の嫁さんシヴァガミで、王の兄貴自身はダメ人間なんだけど、このシヴァガミさんが超有能な人で、その赤ん坊バーフバリと、自らの子供パラーラデーヴァ、この二人を同時に、そして平等に育て、優秀な方が次の王になるのじゃ! (ついでに次の王が即位するまでは自分が政治を担うけど文句ないわね!?)という宣言をすることになる。
 で、まあ、誰しも想像する通り、バーフバリ(シヴドゥを演じる役者の一人二役)はとても強くて優しく頭もイイ、そして一方のパラーラデーヴァは、それなりになかなか強いけれど、残念ながらずる賢く残忍、な性格で、表面的には仲良し風であっても、パダーラデーヴァの方が一方的にバーフバリぶっ殺す、と思っている。そして、王国に蛮族が攻めてくる展開となり、二人の王子のいずれかのうち、相手の蛮族の長をぶっ殺した方が王になるのじゃ、という話になる。
 で、まあ、結局蛮族の長をぶっ殺すのはパラーラデーヴァなんだけど、誰がどう見ても横から手柄をかっさらっただけだし、それ以前に民を見殺しにするような行動をとっていたり、超おっかない「草刈り機型殺戮兵器」を搭載した馬戦車を乗り回してヒャッハーと暴れまわっていたので、当然ながらパラーラデーヴァが王と指名されることはなく、バーフバリを称えるシヴァガミ(=つまり自分の実の母)に対して、ぐぬぬ、今に見てろよクソが! という恨みを抱くところまで、が本作前編で描かれた。
 で、まあ、要するに本作の主人公シヴドゥは、そのバーフバリの息子なわけだが、その後、どういうことが起きたのかは後編にて、でありました。
 ◆アヴァンティカ:シヴドゥが惚れる「滝の上」の住人。女戦士。演じたのはTamannaah嬢28歳。大変な美人。ボリウッド映画界では超スター女優のようですな。知らんけど。で、このアヴァンティカが属する一族が何者かは、この前編では正直良くわからなかった。「王国」民ではない模様。そして囚われの妃、に忠誠を誓っているところを見ると、どうやら彼女たちの一族も王国とはかなりの因縁がある模様。
 ◆テーヴァセーナ:「王国」に囚われ監禁されている「妃」。シヴドゥの実母であり、それすなわちバーフバリ王の妃。けど、実際バーフバリ王に何が起こって、なぜ彼女が監禁されているのかは、この前編ではよくわからん。とにかく、いつか息子が凱旋し、現王パラーラデーヴァに対して、今に見ておれ、生きたまま焼き殺してくれるわ! というイカレた信念だけを生きる糧としている。
 ◆パラーラデーヴァ王&パドラ王子:現在の「王国」の王とその息子の悪役コンビ。過去篇でのパラーラデーヴァは上に書いた通りの性格悪い青年。そして現在のパドラ王子も、かなり残忍な悪い奴、だけどコイツはシヴドゥに見事ぶっ殺されるのでご安心を。ただ、なにゆえパラーラデーヴァがバーフバリを差し置いて王位についたのか、に関しては前編では触れられず。
 ◆カッタッパ:「王国」に仕える老剣士。身分的には奴隷だが、王国の武器工房の長として尊敬を集めているおじいちゃん。超強い。わたし的には、このキャラが一番気に入ったすね。まるでユパ様的な。そういやユパ様も帽子をとるとハゲだったすな。いやいや、嘘です、ユパ様は超カリアゲ? なだけで、てっぺんには髪がふさふさに生えてたっけ。サーセン間違えました。このカッタッパおじいは、あくまで「王国」に忠節を誓っており、王個人でないところがカッコイイ。もちろん、現王は嫌いだろうし、囚われのテーヴァセーナ妃を、おいたわしや……と思っている。
 カッタッパおじいの語るところによれば、バーフバリは裏切りにあって命を落としたのだとか……。そして、本作のラストのこのシーンが超最高なのです。
 カッタッパ「戦場での刀傷よりも、痛ましいのは家臣の裏切り……!」
 シヴドゥ「家臣の裏切り!? いったい誰が!?」
 カッタッパ「(キリッとした表情で)裏切り者は、わたしだ!!!(ドーーーン!)」
 と、この衝撃? というかある意味想像通りの告白でブツッと本作は終了し、続きは後編で! ということになる。こりゃあ、もう後編が観たい! と誰もが気になるエンディングでありましょうな。ま、要するに漫画ですよ。どっちかというとジャンプ的な。

 はー疲れた。もう物語はこの辺にして、最後に、見どころを3つ挙げて終わりにします。
 その1)とにかくすごいCG
 たぶん、一番近いイメージは、わたしの大好きな『300』だと思う。あの映画は全編背景はCGで、まあとにかくすごい世界観だけれど、本作もあの雰囲気にとても近いです。本作はきちんと野外ロケもありつつのCGなので、とても独特すね。おまけに、いったいこれはどこでロケをしたんだという大自然振りも凄いです。CG的にわたしが一番気に入ったシーンは、豪雨の中、パトラ王子を打ち取ったシヴドゥに、カッタッパおじいが「槍をもてィ!」と槍を携え走り寄って行き、襲い掛かるのか!? からの、10mスライディング土下座をかまして「バーフバリィィィィーーーッ!」と称えるシーンでしょうな。あそこはもう、カッコイイやら笑えるやらで最高でした。マジハンパなかったす。
 ただし、ここまでホメておいてアレなんですが、CG自体のクオリティはとても高いけれど、その画としての見せ方のセンスは、はっきり言って若干ダサいというか古いというか、まあ、新鮮味は特にないと思う。センスはあまり感じられず、強いて言うなら、もはや古典となった『少林サッカー』的な、いわゆる「ありえない系」の画で、そういう意味では『300』のようなスタイリッシュなカッコ良さはないし、どっかで見たことのあるような感じでもある。それに、とにかくいちいちスローモーションを使うのもやや安っぽい。本作は2時間20分以上と長いけれど、スローモーションを多用しすぎているせいだと思うな。2時間でまとめられると思う。ただまあ、かえってそういう誇張した大げさな演出が、今の若人たちにウケてるんだろうな、という気がする。わたしがホメているのは、ただただCGのクオリティ面のみで、演出面ではないです(ちなみに『少林サッカー』は基本ワイヤーでCGではないす)。
 その2)愛は歌に乗せて!
 高鳴る感情は歌に乗せるのがミュージカルの作法ですなあ……。わたしとしては、かなりツンツンガールだったアヴァンティカが、ついにデレてシヴドゥの愛を受け入れるシーンのミュージカルぶりが大変気に入ったすね。大変良いと思います。あのシーンでのアヴァンティカの服、というか羽衣? のヒラヒラ舞うCGがすごい! 色も次々変わっていくし。ただ、楽曲はまずまずなんだけど、とにかく言葉かわからんのが厳しかったすね……それに、シヴドゥがイケメンじゃないのがなあ……その点がやや残念だったかも。凄く美しい夢のようなシーンのはずなのだが、主人公が若干ブサメンなので、宝塚的なキラキラ感はあまりないす。そこがまた、ちょっとズレてるのもイイんでしょうな、きっと。
 その3)少年漫画的熱いストーリーに痺れろ!
 まあ、物語は日本の漫画世界ではお馴染みな展開ですよ。それが悪いのではなく、むしろ、だがそれがイイわけです。ただ、本来なら、ライバルキャラがいて、そいつが主人公と同じぐらいカッコ良く、そして強いのが王道だろうけど、今のところ、この前編ではそのライバルになり得たはずのパトラ王子はまるで雑魚であったのがわたしとしては残念。後編で描かれると思われる、父バーフバリとそのライバル、パラーラデーヴァの対立が、実際のところこの物語の本筋かも知れないす。わからんですが。また、まだ前編ではヒロイン・アヴァンティカの一族に関しても良くわからんし、その辺は後編のお楽しみなんすかね。サブキャラたちがもう少しキャラ立ちするともっと面白くなるような気がします。この前編においては、とにかく剣士カッタッパ氏が強力カッコイイすね。彼の葛藤も恐らく後編で描かれるだろうから、その辺りも見ものすね。

 というわけで、もうクソ長くてまとまらんので、ぶつ切りで現状の結論。
 今、なにやら一部で熱狂的に? 盛り上がっている『BAAHUBALI』の第1部である「The Beginning」をWOWOWにて観てみたところ、なるほど、これは実に漫画だし、その映像もCG的には非常にハイクオリティで撮られていて、いわゆるオタク受けしそうな作品であることはよくわかった。このCG力は、とりわけ目新しいものではないと思うけど、確実に日本映画のレベルはダントツで越えてますよ。お見事です。わたしも十分楽しんだし、この続きは是非観てみたいと思う。ただまあ、この暑苦しく仰々しい作品が一般受けするのかどうかはよくわからない。そもそも長いし。が、まあ別に、楽しめる人が楽しめばいいんじゃないすかね。わたし的には、主人公がもっとイケメンでカッコ良く、キラキラ感あふれる美しさがあったら文句なかったのだが……いや、それでは逆にこの作品の魅力は損なわれてしまうか。あくまでPrabhas氏演じる暑苦しさが必須だったのかもしれないな。まあ、いずれにせよ、続編たる『The Conclusion』も観たいと思います。しかし「The Conclusion」って、「結論」って意味だよな……。結論ってタイトルも何か凄いすね。楽しみっす。以上。
 
↓ 当然もう配信されているわけで、観るしかねえかなあ……まあ、WOWOW待ちでいいかな……。

 何度かこのBlogで書いている通り、わたしは20th Centuyr FOX(以下FOXと略)が嫌いだ。まあ、理由はいろいろあるのだが、そんなことはどうでもいいとして、わたしとしては一日も早くDISNEYに買収されてほしいと思っている。理由はただ一つ。わたしの大好きな『X-MEN』に関する映像化の権利がDISNEYへ渡ることを願うからだ。ま、ついでに言うと、『FANTASTIC 4』も一緒にDISNEYに行くことになるので、それもまた喜ばしいとわたしは思っている。
 要するに、現在FOXが権利を握っているMARVEL COMICS作品を、さっさとDISNEYへ集約していただき、真のAVENGERSを描いてほしいというのがわたしの願いなわけだが、去年の12月に、DISNEYによるFOX買収のニュースが報じられた時は、わたしとしてはもう、いいぞ! もっとやれ! と熱くなったものの、その後の進展はあまり聞こえてこず、どうも独禁法違反かも、とか、映画業界からの反対とか、いろいろな横やりが入ったり、さらには、それではウチも! とつい先日COMCASTが買収に名乗りを上げたりと、なんだかNASDAQ上場しているFOXの親会社「21st FOX」の株価が上昇するばかりで、スッキリ進んでいない状況のようだ。まあ、こういうところも、わたしがFOXを嫌う理由の一つでもある。
 さて、以上は全くどうでもいい前振りである。
 わたしは昨日の夜、そのFOX配給の『X-MEN』キャラ単独作品、『DEADPOOL2』を観てきたのだが、さすがに前作が大ヒットしただけあって、今回は何気にFOX版『X-MEN』ムービー的な香りが強めに漂う作品として仕上げられていたことに若干驚いたのである。前作は低予算でいろいろと都合がつかず、その不都合さえネタにしていたDEADPOOL氏だが、今回はもう、かなり、なんというか「公式」感があふれ、結構グレードアップしていたように感じた。そしてなによりも、DEADPOOL氏がとてもイイ奴になっていて、なんだか随分キャラ変したようにも思えたのである。だからといって、つまらなくなったかと言うと、もちろんそんなことはなく、わたしとしては大変楽しめる作品であった。わたしとしては、前作より今回の『2』の方が好きかも。とはいえ、別に感動なんかしないし、特に後に何か残るとか、そういうことはまるでナイっすけどね。超最高とも思わないし。ま、ゲラゲラ笑えるのは間違いないす。あと、本編上映前に1分ぐらいの短い注意?のようなものがついていて、そこで、DEADPOOL氏が、観たらバンバン感想をこのハッシュダグ付けてTweetしてくれ、だけどネタバレはダメだぞ! というメッセージだったのだが、サーセン、たぶん以下、ネタバレも含まれると思いますので、まだ観ていない人は今すぐ退場してください。
 どうでもいいけど、英語でネタバレって「SPOILER」っていうんすね。Spoilする奴ってことなんだなあ。知らなかったす。ネタバレはたぶんしますが、スポイルするつもりは全くないので許してDEADPOOL氏!

 というわけで、この日本語版予告の字幕のセンスなんかも、わたしがFOXを嫌う理由の一つでもあるのだが、それはさておき。今回はケーブルも登場し、相当派手なアクションとなっているのはもうこの予告通りである。そして、物語としては意外なほどまっとうで、きっちりしていて、実際とても面白かったと思う。
 簡単にまとめると、とある理由でまっとうに生きることにしたDEADPOOL氏が、これまたとある理由からとある少年を殺しに未来からやってきたケーブルと戦い、その少年を守ろうとするも、今度はケーブル側の理由を知って、殺して解決するのは良くない、とケーブルを説得し、両者の円満解決を図ろうと奮闘するお話である。
 サーセン、「とある」が多すぎてこれじゃ意味通じないか……でもまあ、ネタバレするとDEADPOOL氏が殺しに来るかもしれないのでこの辺にしておきますし、観た人ならば、これで通じるでしょう。きっと。つまりですね、ズバリ言うとまさしく『ターミネーター』なわけです。どっちかつうと『ターミネーター2』の方が近いかも。なので、DEADPOOL氏が「カイル・リース」と呼ぶギャグネタが1回だけあったような気がするけど、肝心のケーブルに対して「お前はターミネーターか!」的なシーンはなかったのが意外であった。これは……「ターミネーター」という言葉自体が商標化されているためではないかと邪推しましたが、真相は分からんです。それともFOXのドル箱であるCameron監督に対する配慮かな? いや、それはないか。
 ともあれ、今回も相当な数の映画ネタがちりばめられていて、かなり笑える作品であるのだが、意外なことに、わたしの2列前に座っていたでっかい外人客×5名の団体は全く静かに鑑賞してたのが謎である。この人たち、きっとすげえ大爆笑で楽しく鑑賞するんだろうなと思ったのに、超意外なほどおとなしく観ていたのが印象的。なお、わたし的に一番笑えたのは……なんだったかなあ……映画オタとして大抵のネタは拾えたつもりなんだけど……もはや覚えてないなあ……あ、どんな場面だったか定かではないけど、「ただの人間だから。ホークアイみたいなもんだよ。だから弱いの!」的なセリフがあって、そこは堪えられず声を出して笑ったすね。
 そしてもちろん、終了後のおまけ映像(終了直前というべきかも)で、ケーブルの持っていた時空移動装置をGETしたDEADPOOL氏が、今までの黒歴史を修正しまくるシーンも大笑いしたすね。黒歴史……それすなわち、過去の『X-Men Origins: Wolverine』で一度登場している自分を殺したり、『GREEN LANTERN』の脚本を手にして「大役来たぜ!」と喜ぶ自分を殺しに行ったり、まあ、今回のDEADPOOL氏によって歴史は書き換えられたようですなw
 あと、今回FOX版『X-MEN』ムービーの成分多めというのは、観ていただければ誰でも感じると思う。まさか「車いす」「セレブロ」まで登場させるとは! 前作大ヒットのご褒美なんすかね。そして、一瞬だけ、FOX版『X-MEN』ムービー本編のキャラが数人出てくるんだけど、わたしは油断していて、あ!? 今、ビーストとクイックシルバーいた!! けど、あと3人ぐらいいたのに誰だったか判別がつかなかった!! のがとても残念す。ウカツ!!
 というわけで、ネタバレを気にするともう何も書けないので、キャラ紹介をしてさっさとまとめに入ろうと思います。
 ◆DEADPOOL/ウェイド:今回は、まあ相当ヒドイこともするけど、その行動の動機はいたって真面目。超イイ奴、と言ってもいいと思う。まあ、そう改心?したのにはきちんと理由があるのだが、それは書かないでおきます。演じたのはもちろん前作同様Ryan Reynolds氏。この人はカナダ人であるのがポイント?ですよ! 
 ◆ヴァネッサ:ウェイドの愛する彼女。今回彼女にとんでもないことが……しかもほぼ冒頭で。演じたのは、これまた前作同様Morena Baccarinさん。大変可愛いと思います。つうかわたしが大好きだった財務部のMさんにすげえ似てる。
 ◆ヴィ―ゼル:DEADPOOLの友達の傭兵酒場経営者。コイツも基本テキトー人間。演じたのは前作同様T.J.Miller氏。つうか、この人この前逮捕されたんじゃなかったかな? なんか酔っ払って、鉄道の駅で爆弾騒ぎを起こしたとかなんとか。大丈夫なのかこの人。わたし的にこの人は、『CLOVER FIELD』でカメラを回し続け、最後はカイジューにガブリとやられるあの冴えないブサメンとしてお馴染み。いつの間にイケメン枠に入ったんだコイツ……。
 ◆COLOSSUS:前作でもお馴染み、体も硬いけど頭もカタブツな真面目X-MEN代表。ちゃらんぽらんなDEADPOOL氏を友達として、お前もX-MENに入れと勧誘しているが、とうとうDEADPOOL氏本人から入団を希望する日がくるとは! そして基本的にこのキャラはCGキャラですが、どうやらモーキャップで演じた役者と、顔と声を担当している役者は別人なんすね。知らんかったす。ラスト、なんとあのJUGGERNAUTと大バトル! そしてパンフによるとJUGGERNAUTもフルCGだそうです。全然気が付かなかった……
 ◆NEGASONIC TEENAGE WARHEAD:前作でもお馴染みクールなパンクガールX-MEN。今回はあまり出番なし。それより彼女にはカノジョが出来ていて、そのカノジョである「ユキオ」というキャラを演じたのが忽那汐里さん25歳。オーストラリア育ちだけあって英語は全く問題ナシ。あまり出番はないけど、結構いい味出してました。DEADPOOL氏と妙に(一方的に?)仲良し。もちろんX-MENメンバーのミュータント、だけど、どうやら原作にはいない映画オリジナルキャラだそうです。
 ◆CABLE:未来からやってきて、とある歴史を改変しようとするターミネーター的戦士。演じたのはTHANOS様でお馴染み、Josh Brolin氏。ハリウッドコワモテオヤジ選手権が開催されたら間違いなく上位ランカーになるであろうおっさんだが、実は意外と若くてわたしよりちょっと上だけという事実にショックです。絶対50代半ばか? と思ってたのに……。今回、THANOSネタは当然ブッ込まれてます。
 ◆DOMINO:今回、DEADPOOL氏が援軍募集!として求人を出して、それに応募してきた連中と「X-FORCE」を結成するのだが、その中の一人で、ミュータントとしての能力は「運命操作(?)」。つまり、「ラッキーマン」的な彼女は、超ヤバイ状態でも無傷!みたいな超ラッキーに恵まれるという体質のお方。演じたのはZazie Beetzさんというお方で、今年の初めに観た『GEOSTORM』に出てたらしいす。サーセン、まったく覚えてませんでした……。
 とまあこんな感じで、他のキャラはもういいかな……なお、わたしは見ていて全然気が付かなかったですが、『X-FOCE』の中で、かなり有名な俳優がいたようです。エンドクレジットを眺めていて、えっ、マジかよ!? と驚いたっす。誰だか知りたい人は、ぜひ、劇場へお出かけください。
 最後に、監督について書いておこう。おそらく、本作を観てわたしが、ずいぶん前作からグレードアップしたなあ? と感じた最大の要因は、監督がDavid Leitch氏に代わったことなのではないかという気がした。『JOHN WICK』や『ATOMIC BLONDE』で魅せてくれた通り、この監督の作品はやっぱりアクションのキレがとても素晴らしいと思う。そして音楽の付け方もやっぱカッコイイすね。オープニングのタイトルバック(と言えばいいのか?)の007パクリ映像も、大変結構なお手前だったと思います。

 というわけで、もう書いておきたいことがないので結論。
 前作から2年、全世界待望? の『DEADPOOL2』が日本公開となったので、わたしもさっそく会社帰りに観てきたのだが、なんというか、とてもまともというか、ギャグばっかりで中身ナシ、では決してなく、ストーリーがちゃんとしっかりしていて、そう、「フツーに面白かった」す。普段のわたしなら、ここまでギャグ満載だと、くどいなあ、とか感じてしまうのに、本作はそんなことも特に感じず、実際とても楽しめた。それはおそらく、脚本やキャラクターがキッチリとしているためではないかと思う。そして、前作で一部感じられたチープさや、低予算感なんかは、もうほぼないすね。これはもう、立派なメジャー大作ですよ。実際のところプロダクション・バジェットは前作が58M$で今回は110M$と倍近くなってるわけだし、なにより、監督のDavid Leitch氏の手腕のような気もしますね。いやあ、面白かった。ただ、まだ現状ではUS国内興収は前作に劣るのかな……ま、まだUSでも2W目だし、これからなんすかね。『3』があることを祈ってます。つうか、さっさとDISNEY傘下にならないかなあ……。以上。

↓ まあ、やっぱりこの二つ観といた方がいいと思うけどな……わたしは2作とも、嫌いじゃないす。

グリーン・ランタン (字幕版)
ライアン・レイノルズ
2013-11-26

 昨日は昼から映画を観てきたのだが、わたしはいつも、映画を観る時はほぼ常に開場時間のちょっと前には劇場について、開場となればさっさと入場することにしている。それは、まあ、特に理由はないけれど、映画を観る前にほっと一息つくというか、とにかく時間的ゆとりが心のゆとりという信条を持つわたしとしては、まあ当然のことなのである。
 しかし、昨日はあえて、劇場が暗くなって本予告が始まるチョイ前、を狙って入場してみた。その理由は、ズバリ、客層を見てみたかったからだ。あらかたお客さんが入ってから、どんな客層なんじゃろか、と席についている人々を観察するために、そういう行動をとってみたのである。
 結果、わたしが昨日観た映画は、地元シネコンの2番目の大きい箱での上映で、そのキャパ315人。そしてパッと見た感じでは全然半分も入っていないぐらいで、まあ100~120人程度であったと思う。そして客層はというと……ズバリ、わたしと同じ40代以下と思われる人は、わたし以外いなかった。要するに、99%以上が明らかに「シニア」層であったのである。すごかったなあ、あの絵面は。
 そんな、シニア率99%超の作品を観てきたのだが、そのタイトルは『妻よ薔薇のように』といい、実は『家族はつらいよ』シリーズの第3弾である。思いっきりサブタイトルに(家族はつらいよIII)と書いてあるので、実は、というほどじゃないんですけど。まあ、『家族はつらいよ』『家族はつらいよ2』と観てきたわたしとしては、この3作目もやっぱ観とくか、という気になったのである。結論から言うと、わたしは大変楽しめた。前作『2』よりずっと面白かったと思う。

 わたしが「やっぱ観とくか」と偉そうに思ったのは、実はわたしは『2』で、もうあまりのお父さんのダメ親父ぶりにうんざりしていたためである。わざわざ映画を観に行って、ダメ親父にイライラしたくねえ、とか思っていたのだ。
 わたしがいう「ダメ親父」とは、この映画には二人いて、平田家の元祖お父さんである平田周造(演じているのは橋爪功氏)と、その長男であり2代目お父さんの平田幸之助(演じているのは西村まさ彦氏)の二人である。この二人は、引退してゴルフ三昧&居酒屋通いでべろんべろんに酔っぱらう周造と、サラリーマンとして会社では優秀なのかもしれないが、男としてはかなり問題のある幸之助の親子で、2世帯同居しているのだが、まあ、基本的に仲は悪い。
 わたしを含め、世のお父さんたちには大変残念なことに、そもそも、息子というものは、基本的に父親を嫌うものだと思う。同じ男として、やけにダメな点やイヤな点ばっかりに目が行ってしまうからだと思うけれど、とにかく、親父のようにはなりたくねえ、と思う息子が普通というか多いと思う。しかし、さらに残念なことに、息子というものは、40代ぐらいになると、あれほど親父が嫌いだった自分が、いろいろな点において、容貌や言動など、まさしく親父に似ていることを発見してしまうのである。そして絶望的な気分になりながら、この時になって初めて、徐々に親父のことを許せてきてしまうのだ。例えば、サラリーマンの悲哀が分かって来る40代になると、その年齢の頃の親父(つまり自分がガキだった頃の大嫌いだった親父)の気持ちがわかってきちゃうんだな。恐らくこれは、全ての息子が感じるものだと思う。
 というわけで、この『家族はつらいよ』というシリーズには、まあとにかく厄介でダメな親父が二人も出てくるため、わたしはちょっともう、胸焼けするというか、イライラすること甚だしかったわけだが、このシリーズで恐らく一番の常識人であり、一番まともな人が、幸之助の奥さんの史枝さん(演じているのは夏川結衣さん)だ。
 厄介な舅、厄介な旦那、イイ人だけど何も家事をしない姑の富子お母さん(演じたのは吉行和子さん)、そして育ちざかりの二人の息子。彼らの面倒を一手に引き受けるお嫁さんでありお母さんな彼女。とにかく彼女は、常に手を止めることなく動かし続け、毎日一生懸命「主婦業」をこなすわけだが、誰一人省みることなく、ある意味当然と思われている。また、平田家から既に独立している長女一家や、次男&そのお嫁さんといった「家族」全体からさえも、「やって当たり前」と思われているかもしれない。
 そんな常識人の史枝お母さん。これはもう、いつか爆発するぞ……とわたしは思っていたところで、本作の登場だ。本作は、まさしくお母さん爆発の巻で、その爆発をメインに据えた物語ということを知って、わたしは「やっぱ観とくか」と思ったのである。そして観終わった今、わたしとしてはもう、全国の「お父さん」どもに観ていただきたい傑作であったように思う。
 物語は、前作『2』からちょっと時間が経っているようで、平田家の車はプリウスに代わっているし、周造お父さんも『2』でもめた結果、無事に免許を返納したようだ。なので、周造は大好きなゴルフには友達の軽自動車で行っている。そして史枝お母さんは、毎朝、会社に出勤する幸之助お父さんと学校へ登校する子供たち、そしてゴルフに出かける周造お父さんやカルチャースクールに出かける富子お母さんを見送った後、一人で掃除洗濯とせっせに働きまくる毎日だが、ある日、掃除が終わってヤレヤレ、と一息ついた時、ついうとうとと居眠りをしてしまう。そんな時を見計らって平田家には泥棒がやってきて、まんまと史枝お母さんがぜっぜと溜めたへそくりを盗まれてしまうのだ。そのことでしょんぼりな史枝お母さんに、ひどい暴言を吐く幸之助お父さん。ついに史枝お母さんは悲しみと怒りで、家出してしまうのだった……てな展開となる。
 こんなお話なので、まあ見どころとしては幸之助お父さんがどう謝るか、にかかっているわけだが、その顛末はなかなかグッとくるものがあって、幸之助の弟たる庄太が幸之助を説得するのである。庄太は、このシリーズでは基本的に心優しい末っ子的な描かれ方をしているのだが、彼は嫂たる史枝お母さんには特別な想いがあって、高校生の時やってきた兄のお嫁さんに、こう思ったそうだ。
「匂い立つような美しさだった。僕は、この人には幸せになってほしい。心からそう思ったんだ」
 だからそんな史枝さんを泣かせるようなことはしないでくれ、と兄に話すのである。なんかこの言葉だけ抜き出すと、大きなお世話だと兄は余計怒るようなセリフだし、実際幸之助も怒って帰っちゃうんだけど、ここでは庄太を演じた妻夫木くんの芝居が非常に素晴らしいのです。そんなわけで、最終的には幸之助は史枝さんを迎えに行って、ちゃんと謝り、めでたしめでたしとなって物語は終わる。幸之助の謝罪シーンも大変良かったすね。西村まさ彦氏の芝居ぶりも大変良かったと思う。
 というわけで、最後に平田家の皆さんを一覧にまとめて終わりにしよう。
 ◆平田周造(演/橋爪功氏):平田家のお父さん。基本どうしようもないダメ親父。相当性格は悪い。今回はその毒はこれまでより薄め。ゴルフ大好き。駅前?の居酒屋のおかみさん、かよ(演/風吹ジュンさん)が大好きで、スケベな昭和じじいぶりを発揮。また、シリーズには必ず周造の親友として登場するキャラがいて、いつも小林稔侍氏が演じている。けど同一キャラではなく、今回はお医者さんキャラでした。
 ◆平田富子(演/吉行和子さん):平田家のお母さん。亡き兄(だったっけ?)が作家で、その著作権継承者として印税がいまだ毎月振り込まれてくるため金に困っていない。小説執筆のカルチャースクール通いののんきな母さん。家事はお嫁さん任せでほとんどしていない模様。今回、お嫁さんの家出に、わたしが家事をするわ!と張り切るが腰をやっちまって何もできない状況に。
 ◆平田幸之助(演/西村まさ彦氏):平田家長男。サラリーマン。営業部長。それなりに有能?なのか、今回は香港への出張から帰ってきたところで泥棒騒ぎの顛末を聞き、ひどい言葉を吐いてしまう。二人の息子からはそれなりに慕われている模様。
 ◆平田史枝(演/夏川結衣さん):幸之助の妻。しっかり者で常識人で働き者。今は空き家になっている実家へ家出してしまう。家に残した子供たちがどうしているかと考えると、悲しくて泣いちゃうよね、そりゃ。幸之助とは、独身時代の通勤の中央線で出会って、さわやか笑顔に惚れちゃったんだそうな。学生時代はダンス部でフラメンコダンサーだったらしく、輝いていたあの日を思うと今の主婦の自分にしょんぼりな日々を送っている。
 ◆金井成子(しげこ:演/中嶋朋子さん):平田家長女。税理士として自らの会計事務所経営。基本的にキツイ性格。夫に対してもかなりキツイお方。
 ◆金井泰蔵(演/林家正蔵氏):成子の夫。基本的にすっとぼけ野郎。成子の会計事務所の事務員。空気を読まない余計な一言が多い。
 ◆平田庄太(演/妻夫木聡くん):平田家次男。ピアノ調律師。成子の娘や幸之助の息子たちからも慕われている、やさしい叔父さんとしてお馴染み。一家の中では常識人だが、若干頼りないような……。幸之助と史枝さんが結婚したのは庄太が高校生の時だそうで、大学生のころは史枝さんに大変お世話になったのだとか(想像するに親父や兄貴と衝突した際に間に入ってくれたのでしょう、きっと)。
 ◆平田憲子(演/蒼井優さん):庄太の恋人で『2』からは奥さんに。看護師。常識人。今回はあまり見せ場ナシだが、本作ラストで庄太&憲子さんにうれしいサプライズが!
 そして監督はもちろん山田洋次氏。まあ、お見事ですよ。今回主人公を平田家のお嫁さんである史枝さんとしたのも、できそうでできない発想の転換だったのではなかろうか。それにしても、場内の99%超のシニアの皆さんは、もう遠慮なく爆笑の渦だったすね。わたしも笑わせていただきました。先週観た『のみとり侍』も、シニア率90%以上だったけれど、場内の笑い声は圧倒的に本作の方が多かったすね。あと、本作上映前に『終わった人』の予告が流れていたのだが、その予告でも場内大爆笑で、わたしとしてはかなりびっくりしたっす。

 たしかに。確かに面白そうだけど……これを笑えるのはシニアだけでしょうな。みんな、もう通り過ぎた話で、経験した後だから笑えるんだろうと思う。なんつうか、今の日本の映画産業は、ホントにシニアの皆さんが支えてるんじゃなかろうかと思います。

 というわけで、もう無駄に長いので結論。
 山田洋次監督によるシリーズ第三弾、『妻よ薔薇のように/家族はつらいよIII』を観てきたのだが、まずその客層は99%以上がシニアであり、監督の年齢を考えると、シニアのシニアによるシニアのための作品であったことは間違いないだろう。しかし、まだシニア予備軍のわたしが観てもちょっとグッとくるようなところもあって、十分楽しめるお話であった。主婦はそりゃあ大変ですよ。この映画は、全お父さん必見だと思います。面白かった。以上。

↓ まあ、やっぱりシリーズ全部観て予習しておいた方がいいと思います。そういや幸之助夫婦の息子二人はかなり成長して、役者が変わったような? 人んちのガキはあっという間にデカくなりますなあ。

 わたしは月に3本以上映画館で映画を観ているので、かなりの予告編を目にする機会がある。さらに言うとわたしが通うシネコンは、その9割方が家の近所か会社の近所のTOHOシネマズであるため、東宝が制作・配給する邦画の予告もかなり多い。ハリウッド洋画が大好物なわたしでも、そんな邦画の中には、もちろん、お、これは面白そうかも、という作品があるわけで、去年ぐらいか、今年に入ってからか、もはや全然覚えていないが、やけに何度も目にした邦画作品がこれだ。

 最高ですよね、この「予告」は。これはもう、観るしかあるまい、阿部ちゃんは相変わらずキてんなあ! と誰しもが思う、相当傑作な「予告」だ。なので、わたしも公開初日の昨日の金曜日、会社帰りに日本橋TOHOへ向かったわけである。タイトルは「のみとり侍」。女性相手の売春を行う「のみとり屋」稼業に身をやつした真面目な男を描いた喜劇である。わたしは、観る前は、こりゃあ相当の傑作に違いない! とか思って期待していたのだ。
 そして、実際に観てみたわけだが、結論から言うと、物語はおおむね予告通りで、大変笑えるシーンも多いし、熟練の役者陣の演技合戦はとても素晴らしい、のだが……ズバリ言うと、映画の出来としてはいろいろ文句をつけたくなる作品で、ちょっと、いや、かなりもったいないような、若干残念ムービーであったと結論付けざるを得ないように感じた。
 その点を以下、いろいろと覚書として記しておきたいのだが、おそらくネタバレに触れる可能性が高いので、まだ観ていない方はここらで退場していただいた方がよいと思います。まずは映画館へ行って、観てきてください。

 さてと。映画そのものの出来に関しては、残念ながらイマイチ肯定的な感想が書けそうにないので、まず先に本作で描かれる、日本の性文化について、思ったことをまとめておこう。
 わたしは数年前、永青文庫にて開催された『春画展』にも行ってみたのだが、「春画」を観て、そして本作を観て、つくづく思うのは、どうも江戸時代は、性に対してもっとオープンというか、人間なんだからセックスは当たり前だし、誰だって好きっしょ? 的な雰囲気だったのではないかと想像する。これはどうしても根拠が見つからなかったので、単なるわたしの想像だが、現代人たる我々が抱く、セックスに関する抑圧された?というかタブー的な思想は、ひょっとすると西洋キリスト教文化の影響なのではなかろうか。汝誨淫を禁ず、的な。純潔思想も、もちろん日本でも嫁入り前の女子が処女でないことは大いに問題があっただろうし、神道的なというか儀式的?な面でも重要視されたと思うけれど、純潔、あるいは貞操観念なるものは、どうも西洋っぽく、日本では近代以降の思想、常識のような印象を受ける。正しいかどうかはわからんけれど。
 しかし事実として、江戸時代の日本においては、春画というエロ本が多くの人々に受容され、楽しまれていたようだし、売春もある意味普通に行われていたし、男目線からすれば、武家が「家」を永続させるという名目のもとに「側室」をそばにおいてヤリまくっていたのだし、また現代的に言えば最高級コールガールである花魁、その最高峰である「太夫」という存在は、人々のあこがれでもあったわけだし、さらには、本作でも描かれるように、江戸時代は女性が男を買う、なんてこともあったわけで、まあ、セックス大国JAPANはいわば日本の伝統でもあったように思う。夜這いなんてのもあったしね。
 何が言いたいかというと、だから現代はダメなんだということではなく、江戸時代というのは本当に平和で、本当に自由だったんじゃないかしら、ということだ。もちろん厳格な身分制度があって、いわゆる民主的な自由はそこにはないだろう。また、飢饉や意味不明な法令もあって、一般庶民には厳しい時代だっただろうし、貧農から人身売買で売られてきた女性たちの悲劇など、人権的に見ればもうどうしようもなくひどい時代だったことは間違いない。ので、「普通の(?)江戸市民」に限定した方がいいのかもしれないけれど、1600年から1868年という時代は、西洋諸外国においては、そりゃあもう戦争して殺し合いをしまくっていた時期に当たるわけだし、アジア各国は侵略されまくって植民地化されていた時代なわけで、少なくとも、おそらく当時世界最大の都市である江戸に住まう人々は、現代人が思うほど不便でなく、毎日を生き生きと、自由闊達に暮らしていたのではないかしらという気がする。
 本作は、「のみとり屋」なる女性相手の売春宿を中心としたお話だが、まあ、なんつうか、そりゃあ女子だって性欲旺盛ですわな、しかも全然こっそりじゃねえし! という点はとても新鮮で面白かったし、もちろん、日本伝統の男色のための男 for 男の売春夫もいたりなんかして、わたしとしては非常に興味深く物語を堪能することができた。つうか、「のみとり屋」ってフィクションですか? ホントにあった商売なのか? パンフによると本当にあった職業らしいが、なんかホント、江戸という大都会は世界一だったんだなあ、なんてことを非常に強く感じた。
 というわけで、本作『のみとり侍』は、実際笑えるし、ネタとしても大変面白かったのだが、どちらかというと面白いというより興味深い方向にわたしは観ていた。が、残念ながら、映画としては……冒頭に記した通り、残念な部分が多く、いささか期待を下回る感想を持つに至ったのである。
 わたしが感じた残念ポイントは、脚本・演出・音楽の映画三大要素とわたしが感じている根幹の部分で、この芯の部分が若干アレだったのがとても残念である。
 まず、脚本だが、物語として、阿部寛氏(以下:阿部ちゃん)演じる主人公・寛之進が「のみとり侍」に身をやつした理由の裏には、バカ殿の不興を買ったためではなく、実はある種の陰謀があったと分かる後半は、ちょっと問題アリのように思う。物語の背景には時の老中・田沼意次と綱紀粛正を目指す白川藩主・松平定信の権力争いがあって、どうやら主人公の仕えるバカ殿=越後長岡藩主である牧野忠精は田沼への贈賄をしていて、真面目で融通の利かない寛之進がうっとおしかったため、理由をこじつけて藩から追い出した、というれっきとした動機があったのだが、わたしはその理由がナシ、ではないと思うし、むしろアリだけど、その秘密の暴露が、描かれ方的に何の伏線もなくとても突然で、なーんだとしか思えず、非常に残念に感じたのである。また、脚本的に田沼に肩入れしすぎた部分が正直意味不明で、一方の松平定信はほぼなにも描かれず、善悪の対比も明確でなく、結果としてエンディングはなんだか強引に物語が終わってしまうのもいただけない。ついでに言うと、寛之進が「女の悦ばせ方」を指南してもらう江戸No.1プレイボーイ清兵衛の後半の扱いは相当雑で、もはや意味が分からず、非常にガッカリした点であったと思う。
 あと、脚本的にわたしがちょっとなあ、と一番強く感じたのは、寛之進のセリフだ。彼は、どうやら藩邸内や藩の仲間に対して(?)はお国言葉を、江戸市中においては江戸弁を、というしゃべり方の違いを意図しているように感じたけれど、本編内で頻繁に使われる寛之進の心の独白的ナレーションが、お国言葉だったり江戸弁だったりするのはやっぱり変だと思う。おそらく寛之進は江戸詰めが長いのだろうから、全て江戸弁で、もっと武士っぽい言葉遣いにするのもアリだろうし、映画的に面白くさせるためなら、もっと言葉に派手な方言を織り込んで田舎者感を強めた方がよかったと思う。とりわけ、阿部ちゃんの朴訥で真面目なナレーションが一番(?)笑いを誘うんだから、ここはもっとポリシーをもってデフォルメしてほしかった。
 そして演出面では、やっぱり若干古臭さが漂っていたのは誰しも感じるところではないだろうか。もちろん、ここ数年のコミック原作映画のように、コミック的誇張表現をそのまま映像化するような安っぽさやガキ臭さは必要ないと思う。けど、なんつうかなあ……具体的に指摘できないんだけど、せっかくこんなポップで明るい話なのに、昭和っぽいんすよね……。編集もなんだかテンポが悪く、冒頭なんておっそろしくポンポンと話は進むのに、中盤~後半はやけにじっくりだったり、物語の流れの緩急が、妙にリズムが悪く感じられた。これは音楽にも言えることで、なんでもっと明るくポップで派手な音楽にしなかったんだろうか。そして音楽やSEも、ここだ! というタイミングからちょっとズレているとは観れば誰しも感じるのではなかろうか。音楽を担当したのは41歳と若い羽岡佳氏で、アニメや戦隊ものの音楽を担当するなどポップで明るい曲も書ける人のはずなのだが……観終わった後で、全く曲が頭に残らないし……なんだかとても残念です。いっそ、スカパラ的な音楽が似合うと思うんだけどな。
 まあ、御年78歳?の鶴橋康夫監督では、やっぱり古臭いと感じられてしまうのやむないことだろう。昨日わたしが観た回の観客は7割方シニア客だったので、客層には合っているのかもしれないし、若い監督が何か勘違いして漫画のようにしてしまうよりずっとマシだったかもしれないけど、実際問題として、78歳のおじいちゃんがキャッチーなコメディを獲るのはちょっとキビかったように思う。これじゃあ、若い客は観に来てくれないだろうな……。こんなに笑える物語なのに、ホント残念す。
 最後に、そんな脚本演出をものともせず、見事な演技を披露してくれたキャスト陣をざっと紹介して終わりにしよう。
 ◆寛之進:主人公。越後長岡藩士。ド真面目。ド不器用。演じた阿部ちゃんはもうホントに最高でした。この映画も『テルマエ』同様、阿部ちゃんでないと成立しない作品だったと断言できる。「下手くそ……」とショックを受ける寛之進はもう最高すぎて大爆笑必至ですよ。
 ◆清兵衛:もと旗本の次男坊(要するに武士)だが、商人の家に入り婿した色男。寛之進のセックス師匠。演じたのは豊川悦司氏。この人は年を取って太ってしまったのが残念すね……20年前はホントにカッコいい男だったけど、あの頃の体形に戻してほしい。演技ぶりはまあいつもの豊川氏だが、何気にこの人もコメディはいける口なので、本作でも豊川氏のの魅力は大いに発揮されていたと思います。
 ◆甚兵衛:のみとり屋の主人。江戸っ子的なせっかちなオヤジというか、どんどん勘違いして一人納得する様は観ていて笑える。演じたのは風間杜夫氏。ええっ!? なんてこった、風間氏は現在69歳だって。うっそだろ、もうそんな年齢なんだ……演技ぶりは一番素晴らしかったとわたしとしては称賛したい。
 ◆おみね:寛之進の最初のお客の女性で、寛之進の亡くなった奥さんに瓜二つの女性。田沼意次の妾? 最初はド下手くそな寛之進に激怒するも、清兵衛の薫陶を受けてテクを身に着けた(?)寛之進の若干勘違い気味の激しいセックスにもうメロメロに。好きですのう! 演じたのは寺島しのぶさん。わたしはこのお方を今まで気にしたことはなかったけれど、なかなか色気もあって大変良かったと存じます。
 ◆おちえ:清兵衛を婿に取った商家の女主。もともと純情な娘だったのに、清兵衛に性開発されてしまってすっかりハードなドS女に変身。清兵衛さんに浮気防止のためそのイチモツにうどん粉を塗るなど、強烈なキャラに。清兵衛さん……あんた……完全に自業自得だぜ……w 演じたのは前田敦子ちゃん。激しいドSぶりも大変可愛らしいと存じます。
 ◆越後長岡藩主・牧野忠精:寛之進の仕える殿様。演じたのは松重豊氏。バカ殿の演技ぶりはもう最高に良かった! けど、脚本的になあ……ラストの心変わり?も唐突だし、もっと物語に関与できたはず……ホントもったいないと思った。
 ◆田沼意次:様々な時代劇や歴史小説で悪役としてお馴染みだが、本作ではどうも若干イイ人的描写もあって、なんか軸がブレているようにも感じた。演じた桂三枝あらため6代目桂文枝氏も、はっきり言って演技としてはかなり微妙。この人を使う意味はほぼなかったと思う。
 あーーーもうキリがないからこの辺にしておくか。

 というわけで、まとまりなくだらだら書いてしまったのでぶった切りで結論。
 予告を観て、これは相当キてるぞ!? と期待して観に行った映画『のみとり侍』だが、確かに、役者陣の熱演は素晴らしく、とりわけ阿部ちゃんこと阿部寛氏のキャラは最高に笑わせてもらったのだが、映画としての出来は、正直いまいちだったような気がする。本作は阿部ちゃんでなくては絶対に成立しない作品だったとわたしは断言してもいいぐらいだが、ホント、もっともっと笑えて泣ける話に出来たはずなのだが、エンディングはかな