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 わたしは本が大好きで週に数回は本屋さんをのぞいて、なんか面白そうな本はねえかなあ、とかぼんやり渉猟するのだが、実のところ、もう6年前ぐらいから完全に電子書籍にトランスフォームしている。その理由は、電子書籍だと保管場所に困らないとか、読みたいときにいつでも買えるとか、電子書籍ならではのメリットを享受したいため、では決してない。
 わたしが電子書籍野郎に変身した最大の理由は、以前も書いた通り、「本屋が全くダメになりつつある」からだ。つまり、どこかでとある本が発売になっていることを知って、勇んで本屋へ行ったとしても、その本が店頭にないことが多く、嘘だろ売ってねえ!という悲しい事態に遭遇することが、ここ数年超頻繁に起きるからで、いわば、やむなく電子書籍を選択しているのである。
 というわけで、先日、わたしが愛用している電子書籍ストアBOOK☆WALKERから、「あなたがお気に入りに登録している作家さんの新作が出ましたよ!」的なメッセージが届き、うおお、マジかよ全然知らんかった!! と、まずは本屋さんへ行ってみたものの、残念ながら紙の書籍を見かけることができず、ぐぬぬ、という思いで電子書籍を買ったのである。ちなみに、わたしの家から一番近い大きめの本屋さんは、もう数年前からどんどん「本」の売り場面積が減っており、今や半分以上が文房具や雑貨になっちゃった……。
 と、前置きが長くなりました。
 わたしが新刊発売と聞いて、電子書籍版を買い、、超わくわくで読み始めた作品は、Joe Hill先生の『STRANGE WEATHER』という作品であります。
strangeweather
怪奇日和 (ハーパーBOOKS)
ジョー ヒル
ハーパーコリンズ・ ジャパン
2019-09-17

 もう、このBlogで何度も紹介している通り、Joe Hill先生は、わたしが世界で最も好きな作家Stephen King大先生の長男であります(お姉さんと弟がいる真ん中)。そしてHill先生の作品は、父King大先生の血統を完璧に証明するかの如く超最高に面白く、日本でまだ知名度が低いのではないかと思われるけど、ほんと、もっともっと知られてしかるべきだし、売れてしかるべきだとわたしは信じている。
 いやー、しかし、今回の『STRANGE WEATHER』も最高に面白かったすねえ!!
 これまでの、Hill先生の日本語で読める作品は、当然すべて読んでいますが、これはホント、歴代Hill先生作品の中でもTOPクラスに気に入ったすね。なにしろKing先生的空気感が濃厚で、おそらく、作者名を知らずに読み始めたら、あれっ!? これってKing大先生の作品じゃね!? と勘違いする可能性も高いような気がしますな。ちなみに、これまでのHill先生の作品は、わたしの大嫌いな小学館から発売されていたのだが、今回はなぜか、「ハーレクイン」で有名な「ハーパーコリンズ・ジャパン」からの発売となっている。なんでだろ? と思ったら、どうやらあとがきによると、US本国ではまさにHarperCollins社から出版されていたようで、まあ直ルートとでも言えばいいのかな、そういうことだったようだ。これ以降も、小学館なんぞじゃなく、ハーパーコリンズ・ジャパンから発売してほしいすね。

 で。それでは内容をメモしていきたいのだが、近年病的に記憶力の低下しているわたしは、数年後には内容を完璧に忘れる可能性が高いため、各話のエピソードガイド的にまとめてみようと思う。
 そうなんです。今回は、4つの中編からなるアンソロジー的作品なのであります! しかも4つとも、超おもろい!! これはKing大先生の作品が好きなら絶対読んでほしいし、そうでなくても誰しも楽しめる逸品であると断言したいすな。※なお、4つの物語に関連性はなく、完全にそれぞれ独立しています。
 ◆(第1話)『SNAPSHOT』
 この第1話の翻訳は、King大先生の作品の訳者でもおなじみの白石朗氏によるものだ。大変読みやすく、King大先生的なスーパーナチュラル要素アリ、そしてほろりとさせるものアリ、で、わたしはもうのっけから大興奮であった。
 お話は1988年の夏、カリフォルニアに住んでいた主人公が10代前半(小学生か中学生頃)に遭遇した謎の事件と、その後大人になって成功者となって暮らすまでが、短いながらも凝縮されて描かれている。
 謎の事件――それは、主人公が子供のころ子守してもらってお世話になっていた夫人が、痴ほう症めいた状態で道をふらふらしているのを、少年時代の主人公が見つける場面から始まる。主人公はデブで科学オタクで若干イジられ系の少年だったが、その夫人には大変な恩があるので、放っておけなかった。何をしてるのか聞いてみると、どうやらもはや痴ほうらしく、話が若干通じない。なので、主人公は優しく夫人を家まで送り届けるのだが、夫人は「ポラロイド・マン」から隠れているの、と謎の言葉を残す。なんのこっちゃ? と思う主人公だったが、数日後、主人公は車のダッシュボードにポラロイドカメラを置いている、「フェニキア語のタトゥーを入れた男」と出会い、偶然そのポラロイドカメラで撮影してしまう。すると、謎の現象が起きて―――!! てなお話だ。空気感と、「アヤシイ男と謎アイテム」という点で、わたしはKing大先生の『Needful Things』に似てるな……と思いながら読んでいたけど、結論としては全く似てませんでした。
 わたしがちょっと特徴的だと思ったのは、この事件後、主人公がどう成長していったか、が結構長めに続くんだな。その点が、短編集などではバッサリエンドになるKing大先生と違うような気がしましたね。しかもその長めの「その後」が、ちょっと泣けるいいお話なんすよ。実に面白かったっす。
 ところで、わたしがKing大先生の作品に現れる特徴で一番好きなのが、King先生独特の「下品なDirty Word」のセンスなんですが、これはもう、完璧にHill先生にも遺伝されてますね。お話の中で、痴ほうになってしまった夫人の旦那さんが出てきて、この人はフィットネスクラブを経営しているボディビルダー的な人(だけど、超優しいイイ人)なんですが、そういう人にありがちな、ピツピツのビキニパンツを履いてるわけですよ。そのビキニパンツを、Hill先生はこう描写してます。
 「金玉専用ハンモックといえそうなタイトな黒い下着一枚でストレッチにはげんでいた」
 もう最高っすねw
 ◆(第2話)『LOADED』日本語タイトル「こめられた銃弾」
 第2話は、うって変わってスーパーナチュラル要素はナシ。そして主人公(?)が3人いる。一人は、1993年にあこがれの男子(黒人)を警官(白人)に誤射されて殺された黒人女性。現在時制では、新聞記者になっている。もう一人は、宝石屋のオーナーのおっさんと不倫をしていて、Hと銃が大好きな、若干頭弱い系女子(宝石屋の店員さん)。そして3人目が、かつてイラクだかアフガンだか、どっかに出征した退役軍人で、ほんとは退役後は警官になりたかったのに、軍人時代ちょっと問題を起こしてしまったために警官にはなれず、とあるショッピングモールの警備員をしている。彼は、現在DV(本人的には全くそんな気はない)によって、妻(というより妻の姉)から離婚協議を起こされていて、愛する息子にも会えないでいる。
 ある日、宝石屋のおっさんが頭の上がらない奥さんから「あの娘をクビにするザンス!」とキレられ、おっさんはまるでごみを捨てるかの如く頭弱い系女子に別れを切り出すのだが、ふざけんなとブチギレた女子は銃を持ってショッピングモール内の宝石屋に乱入し、とんでもない事態に―――てなお話でありました。
 そしてこのお話も、「事件後」が結構長いです。つうかむしろ、事件後の方が本題とも言えると思う。けど、衝撃のラストを、ざまあと思うのか、なんてこった……と思うのかは、読者によって違うと思います。わたしはかなり退役軍人が気の毒に思えたので、少しすっきりしましたが、間違いなくこの作品は、現代US社会の病巣の一部を描いているわけで、かなり社会派でもあると思う。実に面白かったす!
 ◆(第3話)『ALOFT」日本語タイトル「雲島」
 そして第3話は、かなりファンタジーっぽさのある作品だ。主人公は20代のヘタレ野郎のミュージシャン。トリオで組んでいるバンドの女子Aが大好きなのだが、もう一人の女子Bががんで亡くなり、そのB子の追悼のために、仲間で彼女がやりたかったことリストの「スカイダイビング」に行くことに。そしてヘタレ野郎は、いろんな言い訳をしながらスカイダイビングなんてしたくないと駄々をこねるも、タンデムでつながってるインストラクターはそんなことにはお構いなしに空へ!! しかし、数秒後、彼は謎の「雲」の上に着地して置き去りにされてしまう(インストラクターは慌ててすぐ離脱)。しかもどうやらこの「雲」はなにやら生き物のように自意識を持っているようで―――てなお話であります。
 この話も、意外と長くて、果たして「雲」はいったい何なのか? そしてヘタレ野郎は無事地上へ戻れるのか!? という緊張感あふれる物語になっていて、極限状態からの脱出という意味で、すごく強いて言うならば、King大先生の超名作『Gerald's Game』に似てなくもないと思いました。やっぱりこの作品も、最高に面白かったす。
 ◆(第4話)『RAIN』日本語タイトル「棘の雨」
 最後の第4話は、ある日突然、「棘の雨」が降り、人々が大勢死んでしまったデンヴァーを舞台に、生き残ったレズビアンの女子のサバイバル(?)を描いた作品であります。いや、サバイバルは言いすぎかな? ある種のディストピア的な世界観で、わたしはこの作品はKing大先生の日本語仮タイトル「携帯ゾンビ」でおなじみの『CELL』に似ているように感じたっすね。
 ただしこのお話は、スーパーナチュラル要素はなく、一応、事件の真相は明かされるので、その点ではすっきりしている。そして謎のカルト集団なんかも出てきて、極限状態での人間心理という点では、すごく強いて言うなら『The Mist』っぽくもあるように感じたす。ちゃんと調べてないけど、この第4話が一番短いかな?

 とまあ、こんな感じの4つの中編なのだが、Hill先生自身によるあとがきに、執筆の動機とかいろいろ書いてあって、こちらも大変興味深い内容になっていました。このあとがきの内容にはあえて触れないでおきます。
 あと、もう一つ、とても素晴らしいと思ったのが、話の冒頭とラストに、非常にいいイラストがついているんすよ。それぞれ4人の別々のイラストレーターが担当しているのだが、これも、読み終わった後で改めてみると、とても味があるというか、アレの絵なんだ、と、非常にセンスを感じるイラストが添えられていることもメモしておきたい。とても素晴らしいイラストです。

 というわけで、もう書いておきたいことがなくなったので結論。

 わたしの大好きなJoe Hill先生の日本語で読める新刊『STRANGE WEATHER』という作品が発売になったので、マジかよ!と慌てて本屋さんに行ってみたものの、店頭に置いてなくて、やむなく電子書籍版を買って、すぐさま読みだしたのだが、ズバリ、超面白かった!! です。4編の中編からなるこの作品集は、実に父であるStephen King大先生の空気感に似ていて、King大先生のファンならば絶対読むべき作品であると断言したい。また、King大先生の作品を読んだことがない人でも、もちろん最高に楽しめると思う。まあ、内容的に「楽しめる」というのは若干アレかな。決してホラーではないと思うよ。ただし、きわめて、Strangeな状況であって、それぞれ、微妙に「天気」に関係があって、『STRANGE WEATHER』というタイトルも、実にセンスあるタイトルだと思った。また、添えられているイラストも実にセンスがあって、要するに、Joe Hill先生はまごうことなく父King大先生の才能を受け継ぐ、すごい作家であるとわたしとしては称賛したいと思う。ま、本人はお父さんがどうのとか言われたくないだろうけど、そりゃもう、読者としては比べちゃうのはしょうがないよ。そして、全く引けを取らない筆力は、ファンとしては「次の作品マダー!?」と期待させるに十分すぎると思います。以上。

↓ Joe Hill先生による原作小説も最高ですが、実はこっちの映画版もかなりキてます! 最高っす!

 わたしがシリーズをずっと読んでいて、新刊が出るのを楽しみにしている小説に高田郁先生の『あきない世傳』というシリーズがある。これは、時代的には18世紀中ごろの大坂商人のお話を描いた作品なのだが、実にその「あきない」が、現代ビジネスに置き換えられるような、現代の会社員が読んでも示唆に溢れた(?)いわゆる「お仕事モノ」としての側面もあって、読んでいて大変面白いのであります。
 というわけで、その最新刊である第7巻が発売になったので、わたしもすぐ買った……のはいいとして、ちょっと他の小説をいくつか読んでいたので若干後回しになっていたのだが、いざ読みだすと、いつも通り2日で読み終わってしまった。実に読みやすく、そして内容的にも大変面白く、わたしとしては非常にお勧めしたいシリーズであると思っております。

 もう、これまでのシリーズの流れを詳しく解説しません。詳しくは、過去の記事をご覧いただくとして、本作第7巻がどんなお話だったかというと、まあ一言で言うと、いよいよ念願の江戸に店を開いた主人公・幸(さち)ちゃんが、江戸に来て1年がたつまでに過ごした奮闘の日々、が描かれています。
 まあ、本作に限らず、小説を読んでいるといろいろな、知らないことを知ることが出来て、「へええ~?」な体験こそ読書の醍醐味の一つだと思うけれど、例えば、「呉服」と「太物」ってわかりますか? これはわたしは前の巻だったかな、初めて知ったのですが(単にわたしが無知だっただけだけど)、「呉服=絹100%」「太物=綿製品」なわけで、大坂では明確に扱う店舗が違っているけど、江戸では両方扱ってもOK、と商慣行が違っていたりするわけです。おまけに、大坂では「女名前禁止」というお上の決めたルールがあって、女性は店主になれない=代表取締役の登記が出来ないんだな。ま、それ故、幸ちゃんはそのルールのない江戸に支店を出すことを決めたわけですが。
 で、幸ちゃん率いる「五鈴屋江戸支店」は、要するにアパレル小売店なのだが、当然幸ちゃんたちは大坂人故に、江戸のさまざまな生活カルチャーや、江戸人の考え方自体にも不慣れだし、いきなり店を出店しても商売がうまくいくわけないので、いろいろな工夫を凝らすわけです。その工夫が、現代ビジネスに通じるモノが多くて、大変面白いわけですよ。
 要するに、まず新店OPENにあたっては、いかにしてお店のことを告知していくか、という宣伝広告戦略が重要になるし、いざ知ってもらっても、「五鈴屋」で反物を買ってもらうためには、どうしても「五鈴屋オリジナル」商品が必要になるわけです。いわゆる「差別化戦略」ですな。
 ちょっと五鈴屋のビジネスモデルというかバリューチェーンをまとめると……
 ◆生産者:養蚕家(絹の生糸の生産)、綿農家(木綿糸生産)
  →大坂時代に確保済み&信頼関係構築済み
 ◆加工者(1):織職人(布に織る人、模様を入れて布に仕立てる人)
  →大坂時代に確保済み&信頼関係構築済み
 ◆加工者(2):染付職人(模様や柄を染め付ける人)
  →NOT YET。本作冒頭ではまだ不在
 ◆卸売事業者:製品を仕入れて小売りに卸す人
  →大坂時代に確保済み&信頼関係構築済み。一部は五鈴屋が自ら仕入れ
 ◆小売事業者=五鈴屋=お客さんに売る人
  →江戸店は開店した。が、どうお客を集めよう?
 ◆顧客=お客さん=武家から市井の人々まで様々
  →どういう嗜好を持った人? どんなものを求めている? か研究中。
 ◆加工者(3):仕立て屋さん(布を裁ち、縫製する人)
  →基本的に五鈴屋さんは反物を売っておしまいで、反物を買ったお客さんが、どこかの仕立て屋さんに頼むか、あるいは自分で「服」に加工するので、五鈴屋は現代的な意味でのアパレルショップではない。けど、頼まれれば五鈴屋さんは仕立て屋さんを紹介したり自ら縫製もします。ちなみに、そのため、最初から「服」になっている既製服屋さんとしての古着屋さんもいっぱいあるのです。
 てな感じに、18世紀半ばの時点で、既にこういう分業がキッチリなされているわけですが、五鈴屋の「あきない」のモットー=企業理念は明確で、「買うての幸い、売っての幸せ」を目指しているわけで、つまり上記の関係者全員=ステークホルダーがHAPPY!であることを目指しているのです。
 どうですか。いいお話じゃあありませんか。
 で。今回の第7巻では、主にオリジナル商品開発がメインとなっています。もちろん、宣伝広告も頑張るんだけど、それはもう前巻までにやってきたことなので、説明は割愛します。お店を知らしめるために、神社仏閣の手水場に、五鈴屋のコーポレートロゴである「鈴」の絵柄付き手ぬぐいを寄進しまくったり、来てくれたお客さんのカスタマーロイヤリティ向上のために、無料の「帯の巻き方教室」を開催したりと引き続き頑張り、そこで得たお客さんとの縁が、今回鍵になるわけです。いい展開ですなあ! わたし、これも知らなかったけれど、大坂と江戸では、帯を巻く方向が逆なんすね。そんなことも、幸ちゃんたちとともに読者は「へええ~?」と学んでいくわけです。おもろいすなあ。
 そして今回メインとなるオリジナル商品開発のカギとなるのが、上記ビジネスモデル(バリューチェーン)の中で、唯一まだ縁のなかった「染付」でありました。
 これも大坂と江戸の違いなんだけど、大坂は商人の街であり、江戸は武士の町なわけですよ。で、大坂では普通で誰もが当たり前に着る「小紋」というものが、江戸では基本的に武士のためのもので、あまり町人の着るモノじゃないらしいんですな(※絶対NGではないみたい)。そしてその「小紋」の柄も、どうやら武家のオリジナル模様があって、それはその家中の人間以外は着てはならんというルールもあるらしい。
 だけど、江戸人は「粋」を愛する人種なので、遠目には無地かな? と思わせて、よーく見ると模様が「染められている」小紋はOKなのです。めんどくせえけど、そういうことらしい。なので、売れるのは無地や縞(ストライプ柄ですな)ばっかりだけど、実は「小紋」もいけるんじゃね? つうか、江戸人好みの小紋をつくったらヒット間違いなしじゃね? とひらめくわけです。
 そして、どんな柄にしよう? と考えた時、当然もう、全員が「鈴」の模様で異議ナシ、なわけですよ。だけど、それってどうやって作ればいいの? というのが今回のメインでありました。
 染付職人をどうしよう? つうかその前に、染付の「型」って、誰がどんな風にして作ってるんだろう? というのが段階を経て実を結んでいき、さらに、完成した「五鈴屋オリジナル小紋」を、どうやって世に知らしめよう? と考えた時、思わぬ縁が繋がってーーーという流れはとても美しく、もう読者たるわたしは、正直できすぎだよ、とか思いつつも、良かったねえ、ホント良かった、と完全に親戚のおじさん風にジーンと来てしまうわけで、もうさすがの高田先生の手腕には惜しみない称賛を送りたく存じます。ホント面白かったす!
 そして今回は、重要な未解決案件である「女名前禁止」に関する進展も少しあり、さらには妹の結ちゃんが満を持して江戸へやってきたり、さらには、失踪した5代目がついに姿を現し……といった、今後の引きになる事柄もチョイチョイ触れられていて、結論としては、高田先生! 次はいつですか!! というのが今回のわたしの感想であります。はーー面白かった。

 というわけで、結論。

 わたしが新刊が出るとすぐに買う、高田郁先生による小説シリーズ『あきない世傳 金と銀』の最新7巻が発売になったのでさっそく楽しませていただきました。結論としては今回もとても面白かったです。なんつうか、やっぱり人の「縁」というものは、大事にしないとイカンのでしょうなあ……一人では出来ないことばかりだもんね……そこに感謝をもって、日々暮らすのが美しいんでしょうな……わたしも真面目に生きたいと存じます。そして、5代目の動向が大変気になるっすねえ……! まず間違いなく、次の巻では五鈴屋の存在が江戸に知れ渡ることになり、5代目が「幸が江戸にいる!」ことに気が付くことになるような気がしますね。どこまでシリーズが続くか分からないけど、全10巻だとしたら5代目とのあきないバトルがクライマックスなんすかねえ……! 早く続きが読みたいっす! 以上。

↓ そういや映画になるらしいすね。キャストはNHK版からまたチェンジしたみたいですな。この特別巻が出てもう1年か……あ!映画の監督があの人じゃないか!マジかよ!
花だより みをつくし料理帖 特別巻
髙田郁
角川春樹事務所
2018-09-02

 はーーー……面白かった……。
 なんのことかって? それは、わたしの年に1度(?)のお楽しみである、『暗殺者グレイマン』シリーズの新刊が発売になったので、わーい!とさっそく買って読み、味わった読後感であります。わたしの愛する早川書房様は、とうとう紙の文庫本と同時発売で電子書籍版をリリースしてくれたので(これまでは1週間後ぐらいだった)、大変ありがたいすね。
 というわけで、わたしが待ちに待っていた新刊の日本語でのタイトルは、『暗殺者の追跡』。英語タイトルは『MISSION CRITICAL』という、Mark Greaney先生による「暗殺者グレイマン」シリーズ第8作目であります。いやあ、結論から言うと今回も最高でした。つうかですね、先日書いた通り、わたしはもう、最初の人物表を見た時点で大興奮ですよ! なんとあの、ゾーヤが! ゾーヤの名前が人物表にあるじゃあないですか!! 本作シリーズは、その主人公ジェントリーの、人殺しのくせに妙に良心のあるキャラ設定が大変面白いわけですが、まあ基本的に悪党は即ぶっ殺せの恐ろしい男である一方で、女子に対しては全くの朴念仁かつ純情ボーイぶりがおかしいという面もあるわけです。その朴念仁ジェントリーが、2作前の物語で出会い、お互い惚れちゃった超ハイスペック女子がいて、けど、俺と一緒にいると危険だぜ、男は黙ってクールに去るぜ、みたいな態度で別れたものの、1作前ではもうずっと、その女子のことをクヨクヨと思い悩み、これじゃあイカン、ちゃんとしろ、オレ! と涙ぐましい決断(?)のもとに、超危険なシリアに潜入するヤバいミッションに取り組んできたわけですが……そのウルトラ美女、ゾーヤが待望の再登場!! となれば、もうファンとしては大興奮間違いなしなわけです。たぶん!
 というわけで、わたしとしては人物表をみて、な、なんだってーーー!? ゾーヤ再登場かよ! しかもザックも当然出るみたいじゃねえか! コイツは最高だぜ! と即、読みふけったわけですが、その結論が冒頭の、「はーーー……面白かった……。」であります。控えめに言って最高でした。
暗殺者の追跡 (上) (ハヤカワ文庫NV)
マーク グリーニー
早川書房
2019-08-20

暗殺者の追跡 (下) (ハヤカワ文庫NV)
マーク グリーニー
早川書房
2019-08-20

 というわけで、まずは物語をざっと紹介しますか。いつも通り、もうネタバレにも触れてしまうと思うので、まずは作品を読んで、興奮してから以下をお読みください。

 はい。じゃあいいでしょうか?
 物語は冒頭、CIAの用意したビジネスジェットに乗り込む我らがグレイマン氏の様子が描かれます。CAの女子もなかなかデキる工作員っぽく、まあ、DCまでの空路を寝て過ごそう、と思ったグレイマン氏。しかし、どうも他にも乗客(もちろんCIA工作員チーム)が乗り込んできて、おまけに偉そうに指図され、チッ、めんどくせえ……と思いながら勝手にしろと一人寝入るグレイマン氏。しかし飛行機はDCの前に、イギリスに立ち寄ると、同乗していたグループは一人の「捕虜」を抱えており、イギリス政府にその捕虜を渡そうとしたところで、謎の武装集団に捕虜を奪われてしまうというオープニングアクションが描かれます。※追記:すっかり忘れてたけど、前作のラストを読んでみると、どうやらこのオープニングは、前作ラストから時間的に繋がってるのかな、という気もしました。
 そして一方そのころ、US本国では、愛しのゾーヤがCIAのセーフハウスで、数カ月間にわたり収容されていて、グレイマン氏が大嫌いなスーザンが、なにやらゾーヤを教育?中であった。しかし、うっかりスーザンがゾーヤにとある写真を見せたことで、ゾーヤはセーフハウスを脱走する決意を固め、行動に移そうとした矢先に、謎の武装集団がそのセーフハウスを強襲。ゾーヤは辛くも脱出に成功、自らの「やらねばならないこと」のためにUSを脱出しまんまとロンドンへーーー。
 となればもう、我々読者としては、グレイマン氏とゾーヤが、いつ、どのように、再会するのか、とワクワクしてページをめくる手が止まらないわけですが、グレイマン氏は飛行機を襲った連中を追い続け、ゾーヤはとある人物を追い続け、とうとう、再会に至って、最初にしたことはもう抱き着いて熱いキス! な展開で、読者としてはもうずっと夢に見ていた「最強のカップル」が動き出すのです。
 さらに! 逃走したゾーヤを当然CIAは追跡するわけですが、それよりも、二つの事件はCIAに「モグラ=内通者」がいることを示しているわけで、マット・ハンリーとスーザンがモグラ探しに放った「第3の男」、暗号名「ロマンティック」もまたロンドンへ! となるわけです。そして、この「ロマンティック」も、最初に登場した時点で我々読者が「キターー!」と思うような知ってる人物なんすよ。いや、登場前から、言及された時点で、まさかアイツか? と思ったわけですが、もうですね、例えて言うならアベンジャーズ並みと言って差し支えないと思うっすね!! イカン、書いててまた興奮してきたわ!
 とまあ、大筋としては、CIAにモグラがいて、そいつのせいでとある悪党が暗躍するのを阻止しようとするアベンジャーズの3人なわけですが、その悪党の計画が極めて危険で、いったいどうなる、という緊張感が続く物語となっております。さらに、その悪党は、実はーーという正体も、まあ誰しも途中で気が付くと思うけれど、その正体や動機もまた丁寧に(?)描かれていて、わたしとしてはシリーズで一番面白かったような気もします。ただ、動機に関してはちょっと逆恨みというか……よくわからんかも。そして最終的な決着も、最後の大バトルはごちゃごちゃしちゃったような気もするし、サーセン、ちょっとほめ過ぎたかもっす。
 ただ、とにかくグレイマン氏とゾーヤの夢の共演は最高に興奮したし、「ロマンティック」合流後のやり取りも実に良かったすねえ! キャラクターが実にお見事で、その点では本当に非の打ちどころなく最高だったと思います。いやー、ほんと面白かったすわ。
 それでは、恒例のキャラ紹介と行きますか。関係性が分かりやすいように、まずはこの人から行ってみるか。
 ◆マット・ハンリー:元US-ARMYデルタに所属していた軍人で、現在は太鼓腹のCIA工作部門本部長。シリーズに何度も登場しており、グレイマン氏を信頼しているほぼ唯一の味方。本部長に昇進してから、CIA長官の暗黙の了解のもと、「ポイズン・アップル」計画という極秘プログラムを運営中。それは、「記録に残らない任務」をこなす凄腕工作員を運用するプログラムで、グレイマン氏がその筆頭として計画されている。今回、マットは唯一事件を正しく理解していて、ラストの大バトルでは戦闘にも参加! 太鼓腹のくせに!
 ◆スーザン・ブルーア:マットの部下で、CIA局員。グレイマン氏や「ポイズン・アップル」を構成する工作員たちのハンドラー(=管理官)。これまでのシリーズ通り、スーザンはマットのことも大嫌いだし、グレイマン氏のことも大嫌い。ついでに言うと読者のわたしもスーザンは大嫌い。でも、一応ちゃんと仕事はするので許してもいいんだけど……基本的に彼女は危険な任務は大嫌いだし出世したい気持ちが強すぎて、今回、何度かマットやグレイマン氏を裏切ろうと行動に出る……けど、すべて不発で、ラスト大バトルでは負傷。正直わたしとしては、まったく好きになれないので、ざまあ、です。
 ◆コートランド(コート)・ジェントリー:通称「グレイマン」と呼ばれるシリーズの主人公。CIAでの暗号名では「ヴァイオレーター」。ポイズン・アップル1号として、スーザンにこき使われるが、スーザンとのやり取りもいいっすねえ! スーザンの無茶振りに、こいつ、絶対俺に死んでほしいと思ってんだろ、と思いながら「あんたと一緒に仕事をすると、スリル満点だな」と返すコートは最高です。そしてゾーヤを前に「俺は恥ずかしがり屋なんだ」とか抜かす純情ボーイ、グレイマン氏に乾杯! すね。前作では、ゾーヤのことが忘れられずクヨクヨしていたグレイマン氏ですが、今回は再会してやる気十分、本領発揮の超人ぶりですが、本作でもまた、手ひどくやられて何度も満身創痍になります。良く生きてたな……ホントに。そういや、ロンドンということで、今回も第1作のハンドラー、フィッツロイおじいちゃんも登場します。そして第1作でグレイマン氏が守り抜いたあのかわいい双子も! なお、わたしはずっと書いてきたように、今回もグレイマン氏=セクシーハゲでお馴染みのJason Statham氏のイメージで読んでました。が、今回もちゃんと髪がある描写アリで、断固異議を唱えたいと存じますw コートはハゲじゃないと!w
 ◆ゾーヤ・ザハロフ:2作前、グレイマン氏がようやくCIAと緊張緩和(デタント)して、請け負った仕事で出会った、元ロシアSVRの工作員。27歳(?)で身長170cmほどだそうです。以前語られていたかまるで覚えてませんが、お母さんはイギリス人なんすね。そしてUCLAに通っていた過去もあるんだとか。そうだったっけ? 身体能力が高く、射撃や格闘なども当然こなすハイスペック美女。その2作前の物語では、最終的にCIAの資産となることに同意し、その際、表向きは死亡したことになっていた。が、US本国でCIA資産として、ポイズン・アップル2号、暗号名「アンセム」としての教育(?)を受けているところだった。今回のゾーヤの最大のモチベーションは、死んだはずの父が生きていることを見抜き、父は生きているならどこにいるのか、何故、死んだ偽装をしたのか、の謎を解くこと、そして父の野望を知った後半は、その恐ろしい計画を阻止することに全力を尽くす。しかしゾーヤはいいですなあ! わたしは、冒頭のセーフハウスで初めて登場した時のゾーヤは、まるで『TERMINATOR2』のサラ・コナー初登場シーンのようだと思いました。ビジュアルイメージは、正直あまりピンと来なかったけど、絶対美人だよね。途中まで、ああ、こりゃあゾーヤは最後まで生き残れないな……と思ったオレのバカ! 今回のラストも、とてもグッときます! なお、スーザンがラストで負傷したのは、スーザンがどさくさに紛れてグレイマン氏を殺そうと銃を向けたからで、ゾーヤに撃たれたからです。まあ、ざまあっすな。
 ◆ザック・ハイタワー:元ジェントリーの所属していたCIA特別活動部のチームリーダー。だが、いろいろヘマをやって(すべてジェントリーのせい)、解雇されていたが、3作前(かな?)でヴァイオレーター狩りに呼び戻される。どうやら以後はマットとスーザンの配下として、ポイズン・アップル3号として活躍していたらしいのだが、「ロマンティック」という暗号名なのが気に入らないご様子なのが笑える。「ナイト・トレイン」と呼ばれたいのだが、誰もそう呼んでくれなくて拗ねるザックが最高です。なので、ラストのジェントリーとの会話には、わたしはとてもグッときました。ザックとジェントリーは、お互いの「腕」はよく知っていて信頼している間柄ですが、状況次第で敵になったり仲間になったりと、とにかく敵に回すと恐ろしいけど、味方としては最も頼りになる男すね。今回初対面の時は、「おまえをシックスと呼ぶやつが、ほかにいるか、間抜け?」といつもの調子でとてもワクワクしました。ザック、あんたも最高だよ、きょうだい!
 ◆ジェイソン:今回初登場の、CIAロンドン支局在籍の若者。とてもイイキャラだったし、何度も助けてくれて活躍したのに、ホント残念な最期を……今回、わたしとしては一番気の毒です。
 ◆ジェナー、トラバースたち現役のCIA特別活動部地上班のメンバー:彼らはザックやジェントリーとも顔なじみで、久々?登場。でも一部メンバーは残念なことに……
 ◆フォードル・ザハロフ:ゾーヤの父親。元々GRU長官(だったっけ?)のスパイの元締めだったが、若き頃出会ったイギリス女子と恋に落ち、結婚。一人息子とゾーヤという子宝に恵まれるが、妻をイギリスの諜報部に殺され(ロシアスパイたちのイギリス浸透のために語学や文化を教える教官を務めていたため)、その復讐に燃え、死んだことにしてイギリスへ移住。しかし、自分のうっかりミスで息子(ゾーヤの兄)も亡くし、おまけにゾーヤも死んだ(ことになっていた)ことで、理性のタガがブッ飛び、恐ろしい計画を実行に移す決断をする今回のラスボス。イギリス人としての偽名はデイヴィット・マーズ。若干、その動機はスケールが小さいというか……まあ、完全なる逆恨みと言わざるを得ないでしょうな……。
 ◆プリマコフ:ロンドンの暗黒街を仕切るロシアンマフィアの頭目。イギリス人としての偽名はロジャー・フォックス。冷酷でかなり頭のいい男。しかしラストは意外とあっけなく……。まあ、もっと苦しんでほしかったと思うほどの悪党でした。
 ◆ハインズ:プリマコフ(フォックス)の専属ボディーガード。元ボクサー。超強くて、今回2回、グレイマン氏をボッコボコにする活躍を見せる。ま、もちろん最後はやられますが。コイツはとてもキャラが立ってましたなあ! なんだか80年代の007映画に出てくる悪党っぽかったすね。グレイマン氏がこれほどタイマンでやられたのは珍しいぐらい、ボッコボコにされました。まあ、やられたグレイマン氏は、ゾーヤに甲斐甲斐しく手当てしてもらって、ちょっと嬉し気でしたけどねw
 ◆元薔美:ジャニス・ウォンを名乗る北朝鮮人。細菌学者。狂信者。殺人BC兵器を作って喜んでいるのが怖い。ラスト近くでCIAに拘束されたはずだけど、その後の運命は不明。どうなったんすかねえ? ま、US本国でずっと監獄入りなのかな……。
 とまあ、こんなところでしょうか。
 今回は本当に、いろいろグッとくるシーンがあって、ちょっといくつか引用しておこうと思います。
 <第1作で守り抜いた女の子が元気でいるのを見たグレイマン氏>
 ふたりを見ていると目が潤みそうになるのを、ジェントリーはこらえた。
 ※わたしも目が潤みそうになったよ、コート!
 <ハインズにボコられて、ゾーヤに手当てしてもらって(ついでに熱いSEXして)目覚めたグレイマン氏が隣で寝ているゾーヤを見て思ったこと>
 ジェントリーがこの世でいちばんやりたいのは、転がってゾーヤの上になり、愛撫で目覚めさせることだったので、こんな状態にした大男のボクサーを呪った。
 ※コート、お前の気持ちはよくわかるぜ!w
 <目覚めたゾーヤに、コーヒーを渡しながらグレイマン氏が思ったこと>
 「インスタントだよ」いってから、すぐに後悔した。「うまいインスタントなんだ」あまり上手な取り繕いかたではなかったが、ジェントリーは色事が得意ではなかった。
 ※へったくそ!w コート、がんばれ!w
 <兄の死の真相を知って、善良な兄はあなたに似てたわ…とゾーヤが言ったのを聞いて>
 「それは、おれの自分に対する見方とはちがう(=つまりおれは善良じゃない)」
 ゾーヤは涙をぬぐった。「わたしのほうが、あなたをよく理解しているのよ。あなたは、自分が善人の最後の生き残りだということに気づいていない」
 ※これを聞いたグレイマン氏は仕事の話を再開させちゃいますが、おいコート! ここはゾーヤを抱きしめる場面だぞ! 
 <ゾーヤは、自分が父を殺す!と燃えていたのに、グレイマン氏にその役を奪われ……>
 「あなたなんか大嫌い!」ゾーヤは叫んだ。
 「あとにしろ。このコードは?」
 ※おいコート、ここもゾーヤを抱きしめるとこだぞ! 爆弾処理より先に!w
 <カンカンに怒っているゾーヤに、もう一度、話をしに行こうとするとザックが現れ……>
 「おまえのためを思っていっているんだ、きょうだい。おまえたちふたりはうまくいくかもしれんが、きょうはぜったいにだめだ、おれは彼女と話した。目つきを見た。いまあのドアをはいっていっても、いい結果にはならない。断言する。作戦休止だ、シックス。このままにしておけ」
 ※今回のザックはずっとグレイマン氏を助けてくれたし、恋のアドバイスまでくれるとは、ザック、ありがとうな、きょうだい!

 というわけで、もうクソ長いので結論!
 わたしの大好きな『暗殺者グレイマン』シリーズの最新刊が、今年も早川書房様から発売になりました。毎年8月の楽しみとして、わたしはずっと待っていたのですが、とにかくもう、冒頭の人物表だけで大興奮しましたね! そして物語もその期待を裏切ることなく最高でした!! 超面白かったす!!! まあ、きっといずれは映像化されるでしょうが、その時はマジで主役をJason Statham兄貴にお願いしたいです! そしてザックはやっぱりStephen Lang氏ですかねえ、わたしのイメージは。ゾーヤは誰がいいのかなあ……ちょっと、ビジュアルイメージがわかないんすよね……ロシア美女ってことで、ザキトワちゃん的なイメージを持ったんですが、もっとクールで気が強そうじゃないとダメかな……ゾーヤ役には誰がいいか、いいアイディアがあれば教えてください! 以上。

↓ どうやらUS本国では、全く別の新刊が出たっぽいすね。第3次世界大戦勃発的な物語?のようです。きっとおれたちの早川書房様が翻訳してくれるはず!
Red Metal (English Edition)
Mark Greaney
Sphere
2019-07-16

 まったく世の中便利になったもので、わたしが今朝起きると、電子書籍専用として愛用しているタブレットに、メールが来ていた。曰く、「あなたがこれまでシリーズを買ってきた『暗殺者グレイマン』の新刊が出ましたよ!」
 当然わたしは新刊が発売になることは、もう事前に知っていたけれど、ちゃんと発売日にお知らせしてくれるなんて、というのが、冒頭に書いた「全く便利な世の中」の意味であります。
 わたしは今、これまたずっと追いかけている作家Claire North女史の新作を読んでいて、ようやく半分ぐらいまで読んだ途中なのだが、即座に『グレイマン』を読み始めるべく、メールを見た60秒後には電子書籍で購入を完了し、さっそく読もうと思っているところであります。
 ↓これが読んでたClaire North女史の新刊。はっきり言って主人公女子のキャラがイマイチ好きになれず、やたら読むのに時間がかかっております……。
ホープは突然現れる (角川文庫)
クレア・ノース
KADOKAWA
2019-06-14

 ↓そしてこちらが、われらが「グレイマン」氏の最新刊
暗殺者の追跡 (上) (ハヤカワ文庫 NV ク 21-11)
マーク グリーニー
早川書房
2019-08-20

暗殺者の追跡 (下) (ハヤカワ文庫 NV ク 21-12)
マーク グリーニー
早川書房
2019-08-20

 しっかし、早川書房様は本当に素晴らしい出版社ですなあ。以前は、紙の本が出た1週間後ぐらいの電子版発売だったけれど、今回はどうやら紙と同時発売のようだ。さすがおれたちの早川だぜ!
 そしてさっそく購入し、ダウンロードし、上巻の表紙をめくり、人物一覧を見てわたしはもう、朝から大興奮ですよ!!! やっばい!! ゾーヤが!! ゾーヤが出てるっぽい!!! やったーーーー!!! おまけに元上官ザック・ハイタワーや、ゾーヤのお父さんまで出てくるっぽいぞ! こいつは最高じゃんか!!
 ゾーヤというのは、2作前の作品で登場した、元ロシアSVRの女子工作員で、なんとまさかのグレイマンとぞっこんLOVEっちゃうあの女子ですよ! やった、ゾーヤ登場だぜ!! と、もう冒頭の人物表からして大興奮なのは、恐らく日本国内で30人ぐらいいるんじゃないかしら。
 ああ、でもなあ、心配だ……著者のGreaney先生はキャラを結構あっさり死なせてしまうので、ゾーヤが本作ラストまで生き残ることを祈ります……! 今回まだあらすじすらチェックしてないけれど、あらすじは読まずに突入いたしたく、さっさと読み始める所存であります!!

 というわけで、結論。
 おれたちの「グレイマン」新刊キターーー!! そしてゾーヤが出てるっぽいぞ! やったーーー!! 以上。

 物理学における「三体問題」というのをご存知だろうか?
 そう言うわたしも知らなかったので、Wikiから軽く引用しつつ、超はしょって言うと、万有引力によってお互いに作用する3つの天体の軌道を数学的にモデル化しようとするもの、で、コイツはもう計算できない! とされている問題だ(たぶん)。正確には、いろんな条件下では、こうだ、という解はそれぞれあるようだが(?)、わたしも実は良くわかっていない。ガンダム世界で言う「ラグランジュポイント」ってのがあるでしょ? アレは地球と月(と太陽?)の重力(引力?)の均衡が取れているポイントのことで、この「三体問題」のひとつの解であるらしい。いや、サーセン、わたしもまるでニワカ知識なので、正確にはよくわからんですが。大森望氏によるとそういうことらしいです。
 というわけで、話題の小説『三体』がとうとう日本語化されたので、わたしも遅まきながらやっと読んでみたわけなのだが、これがまた強力に面白く、大興奮であったので、今から感想などを書こうと思っているわけです。
 この小説『三体』は、中国人作家の劉慈欣(日本語読みで りゅう・じきん)氏によるSF小説であり、中国のSF雑誌に2006年5月から12月まで連載され、単行本として2008年に刊行された作品だ。その後、「The Three-Body Problem」として英訳もされ、2015年のヒューゴー賞長編小説部門をアジア人作家として初めて受賞、2017年には当時のUS大統領Barack Obama氏がすげえ面白かった! とインタビューで発言したことなんかもあって、話題となっていた作品だ。
 それがとうとう、日本語訳されたわけですよ! さすがわたしの愛する早川書房様! 当然電子書籍版も、各電子書籍販売サイトで取り扱っていると思うので、自分の好きなところで買って、読み始めてください。Kindle版も当然発売になってます(しかも若干お安い)。
三体
劉 慈欣
早川書房
2019-07-04

 で。―――もしこれから読んでみようかな、と思う方は、以上の前知識だけにして、今すぐ作品自体を読み始めた方がいいと思います。恐らく、ある程度のネタバレは事前に知っていても十分楽しめるとは思うけれど、なるべくまっさらな状態で読み始めた方がいいと思いますので、へえ、そんな小説が発売になったんだ? と興味がわいた方は、以下は読まず、今すぐ退場してください。その方がいいと思いますよ。

 はい。じゃあ、いいでしょうか?
 本作は、冒頭は1967年(たぶん)、文化大革命真っ盛りの中国から開幕する。そこで一人の女性、葉文潔(推定25歳ぐらい?)に降りかかった悲劇と、その後の体験が描かれるのだが、これがまたかなり生々しくて非常に興味深い物語となっている。わたしは、ああ、今の中国って、文革のことを書いてもいいんだ、とちょっと驚いた。勝手な先入観として、天安門事件のように、誰も口にしてはならないことなのかと思ってたけど、そういやいろんな本が散々出てるんですな。
 そしてこの文革での体験が、葉文潔の生き方、そして人類に対する観方を決定づけるわけだが、すぐに物語は「40数年後」の現代に移り、もう一人の主人公、汪森の話が始まる。汪森は、とあるナノマテリアルを研究している科学者なのだが、彼の元に警察と人民解放軍の軍人がやってきて、「科学フロンティア」なる団体に、加入して、その内部を探るよう依頼してくる。実は最近科学者の自殺が相次いでおり、その対策本部があって、そこにはNATOの軍人やCIAまでおり、「今は戦時中だ」とか言っている。汪森は、なんのこっちゃ? と思いつつも、科学フロンティアに加入することを受諾するが、すると謎の「カウントダウン」が始まり、その謎を解くために科学フロンティアの主要メンバー?である女性科学者を訪ねる。が、逆に「今すぐあなたのやっているナノマテリアルの研究を中止しなさい」とか謎の言葉ばかりかけられ、やむなく汪森は、ふと思いついて女性がプレイしていた「三体」というVRゲームをプレイしてみるのだが、その背景には恐るべき秘密が隠されていた!! という展開となる。
 ここから先の物語は、もう書かないで読んでもらった方がいいだろう。正直わたしは、えっ!? と思うような、トンデモ展開だと感じたのだが、とにかくディティールが非常に凝っていて、わたしのようなまるで知識のない人間でも、だんだんと何が問題になっているのかが分かる仕掛けになっている。
 その理解を助けてるくれるのがVRゲーム「三体」だ。
 これは完全没入型のゲームの形を取っていて、3つの恒星を持つ惑星、という謎の異世界を体験しながら、「三体問題」がどういうものか、理解できるようになっている。なお、このVRゲームは、VRスーツを着用してプレイする(=READY PLAYER 1的なアレ)ものなので、この描写されている現在は、今よりちょっと先の近未来なのかな、とわたしは思ったのだが、思いっきり「40数年後」って書いてあったし、よく考えてみると、本書が最初に発表されたのが2006年なんだから、まだiPhone発売前の世であり、その当時の状況からすると、執筆時に想定されていた作中での現在は、2010年代後半ぐらいなのかもしれない。
 で、とにかくこのVRゲームの部分がすっごい面白いわけですよ。いろんな歴史上の人物が出てきて「三体問題」に挑むのだが、クリアできないで文明は滅んでリセットされ、また次の人物が挑んで……を繰り返しているらしく、200文明目ぐらいでフォン・ノイマンが出てきて、「人力コンピューター」が登場するくだりは最高に面白かったすねえ!
 そしてこのVRゲームによって「三体問題」の基本理解が出来たところで、このゲームが実は謎組織のリクルーティングのためのものであることも判明し、汪森は謎組織の中に入り、驚愕の事実を知るわけだが、同時に冒頭の文革で悲劇に遭った葉文潔の半生が語られていき、如何にして文潔が「人類に絶望したか」が、じわじわと生々しく読者に理解できるようになっている。
 そして文潔の「人類に対する裏切り」がどんなことを引き起こしているのか、という怒涛のラストになだれ込むのだが、わたしはもう、ラスト辺りで語られる異星人の話には大興奮したものの……ここで終わり!? というエンディングには、若干唖然とせざるを得なかったす。これは電子書籍の欠点?かも知れないけれど、自分が今どのぐらい読み進めているか、自覚がなくて、わたしの場合、興奮してページをめくったらいきなりあとがきが始まり、えっ! ここで終わり!? とすごいビックリしました。
 そうなんです。本作は、実は3部作の第1作目、ということで、この先がまだまだあるんすよ! あとがきによれば第2巻の日本語訳は来年発売だそうで、オイィ! 続き早よ!! と恐らくはラストまで楽しんで読んだ人なら誰しもが、思うのではなかろうか。そして一方では、ラストまでついて来れなかった人も多いとも思う。まあ、最後の1/4ぐらいの異星人話はちょっとキツかったかもね……。
 というわけで、もういい加減長いので、来年続きを読むときのために、主要キャラをメモして終わりにしよう。
 ◆葉文潔:冒頭の1967年の文革期で25歳ぐらいで、元々、父と同じく天文物理学を勉強していた。作中現在では70代のおばあちゃん(※作中に「60代ぐらい」という容姿の描写アリ。てことは作中現在は2000年代後半か?)。文革後、「紅岸プロジェクト(=実は地球外生命体探査計画)」に半強制参加させられたのち、名誉回復が叶い、大学教授となってその後引退。人類に対して深く絶望しており、とある「人類に対する裏切り行為」をしてしまう。物語の主人公の一人。
 ◆楊衛寧:文潔の父の教え子だった男。文潔を紅岸に引き抜いて救う。後に文潔と結婚するも、実に気の毒な最期を迎える。
 ◆雷志成:楊とともに文潔を紅岸に引き抜いた男。政治委員。文潔の研究を自分の名前で公表して地位を築いたりするが、わたしの印象としては悪い奴ではない。楊ともども気の毒な最期を迎える。
 ◆汪森:もう一人の主人公。妻子アリ。ナノマテリアルの研究をしている科学者で、いわば巻き込まれ型主人公。ただし、ラスト前で彼の研究していたものがスゴイ役立つことに。実はそれゆえに、最初から「科学フロンティア」勢力は汪森の研究を中止させたがっていた。つまり巻き込まれたのは偶然では全然なかったというわけで、読者に代わってえらい目に遭う気の毒な青年と言えるかも。
 ◆史強:元軍人の警官。汪森をつかって事件の真相に迫る。キャラ的には強引で乱暴者で鼻つまみ者で脳筋、と思わせておいて、実はどうやらすごく頭はイイっぽい。非常に印象に残るナイスキャラ。
 ◆楊冬:文潔と楊の娘で科学者。「これまでも、これからも、物理学は存在しない」と書き残して自殺。
 ◆丁儀:楊冬の彼氏で同じく科学者。酔っ払い。なかなかのリア充野郎で、チョイチョイ汪森と行動を共にするが、正直イマイチよくわからない野郎。
 ◆申玉菲:中国系日本人科学者。超無口。元三菱電機勤務で、当時は汪森と同じくナノマテリアルの研究をしていた。汪森が初めて会いに行ったとき、VRゲームをしていた。科学フロンティア会員で、汪森に対して「プロジェクトを中止しなさい」と謎の言葉をかける。
 ◆魏成:申玉菲の夫。数学の天才。ものぐさで浮世離れしたふらふらした男。紙と鉛筆で三体問題を解こうとしていた過去があり、それで申玉菲と知り合った。VRゲーム「三体」のモニタリングと追跡を、それがどういう役目か知らないまま担当していた。
 ◆潘寒:有名な生物学者。科学フロンティア会員。化石燃料や原子力などをベースとした「攻撃的」テクノロジーを捨て、太陽光エネルギーなどの「融和的」テクノロジーを提唱している男。実は謎組織「地球三体協会=Earth Trisoralis Organization=ETO」の「降臨派」で、申玉菲の属する「救済派」と対立しており、ついに申玉菲を射殺するに至る。「オフ会」の主催者。
 ◆沙瑞山:文潔の教え子で、現在は北京近郊の電波天文基地に勤務。汪森が「宇宙の明滅」を確かめるために会いに行った男。たいして出番ナシ。
 ◆徐冰冰:女性警官でコンピューターの専門家。VRゲーム「三体」の謎を警官として追っていた。たいして出番ナシ。
 ◆マイク・エヴァンズ:文潔と同様に、人類に絶望した男。文潔と結託し、ETOを設立し、父親から受け継いだ莫大な遺産で、タンカーを改造した「ジャッジメント・デイ号」を「第2紅岸基地」として運用し、場所に縛られない移動可能な送受信設備を使って宇宙と交信する。
 ◆林雲:丁儀の元カノで、丁儀の研究のカギとなる貢献をした人物で、軍人? らしいが、本作では姿を現さず、丁儀の台詞にだけ登場。今は「あるところに……もしくはあるいくつかの場所にいます」と言われていて、ひょっとしたら第2作以降登場するかもしれないのでメモっときます。
 はーーーーとりあえずこんな感じかな。もう書いておきたいことはないかな……。

 というわけで、結論。
 話題のSF大作『三体』の日本語訳が早川書房様から発売となったので、わたしもさっそく買って読んでみたのだが……ズバリ言うと、面白い! けど、ここで終わりかよ! 感がとてつもなく大きくて、若干ジャンプ10週打ち切り漫画っぽくもある。わたしとしては、ホント続きが早く読みたい!気持ちがあふれております。相当歯ごたえ抜群のSFであることは間違いないけれど、それ故に、まあ、万人受けするかどうかは相当アヤシイとも思う。特にラスト近くになってからの怒涛の展開は、かなりトンデモ世界で、ちょっとついて行くのが大変かも。そういう点では、普通の人には全然おススメ出来ないけれど、SF脳な方には超おススメです。つうか、続きは450年後の世界が舞台なんだろうか?? すげえ気になるっすなあ……! まあ、おれたちの早川書房様は確実に第2作、第3作を発売してくれるのは間違いないので、楽しみに待ちたいと存じます。いやー、スケールでけーわ。なんつうか、すげえ読書体験でありました。以上。

↓ 英語版はとっくに最後まで出てます。読む? どうしよう……。


 

 わたしはもはやすっかり電子書籍野郎となって久しいのだが、それでも本屋という存在は大好きだし、毎日はそりゃ行ってないけれど、少なくとも週1では本屋に行って、面白そうな本はねえかなあ……と渉猟している。そんなわたしだが、先日本屋の店頭で、えっ、うそ、マジ!? と驚き、すぐさま買って読んだ本がある。
 それは、寡作で有名なメリケン国の作家、Tomas Harris先生の新作『CARI MORA』という作品で、わたしはホントに、あのTomas Harris先生の新作が出ていることなんて全く知らなかったので、とても驚き興奮したのであった。
カリ・モーラ (新潮文庫)
トマス ハリス
新潮社
2019-07-26

 どうやら7月には発売になっていたようで、発売後1週間ぐらい経っていたのかもしれないが、さすがにわたしの大嫌いな新潮社である。まったく告知を見かけなかったので、売る気もほぼないんじゃないかと疑いたくなるほどだ。これがわたしの愛する早川書房様だったら、100%確実に電子書籍でも発売になっていただろうし(実際US版はKindle版も売っているのだから、Harris先生が電子を嫌がることはないはず)、そうであれば確実にわたしも気づいたはずだが……ホント、新潮社は使えないというか、おっくれってるぅーーー!である。
 ところで、Tomas Harris先生についてはもう説明の必要はないだろう。恐らく誰しもが知っている、『The Silence of the Lambs』日本語タイトル「羊たちの沈黙」の著者である。Harris先生は、あれほどのウルトラ大ヒット作品の原作を書いた小説家であるにもかかわらず、とにかく作品数が少ないことでもお馴染みなのだが、今まで全5作しか発表しておらず、その5作すべてが映像化され、その筆頭である『The Silence of the Lambs』は予想外のアカデミー作品賞すら受賞しており、その知名度は抜群だろう。しかし、最後の『Hannibal Rising』を2006年に発表して以来だから13年ぶりの新作ということになる。それが本作、『CARI MORA』だ。
 ただし、である。わたしはHarris先生のすべての作品を読んでいるし映画版も観ているのだが、正直、『HANNIBAL』『Hannibal Rising』の2作は相当イマイチだと思っている。映画も同じで、この2作はかなり微妙だった印象が強く、わたしとしては一番好きなのは、小説も映画も『RED DRAGON』なのだが、いずれにしても、もうレクター博士モノはいいんじゃね? とか思っていたのだ。なので、本作を本屋さんの店頭で発見した時は、Harris先生の新作であることにまず大興奮したものの、まーたレクター博士モノだろうか?とかいらない心配をしたのだ。
 というわけで、まず手に取り、おもむろにカバー表4を見て、さらに驚いたのである。そう、本作『CARI MORA』は、全く新しい、完全新作で、そのタイトルであるカリ・モーラという25歳の女子を主人公としたヴァイオレンス(?)小説だったのである。たしかHarris先生はもう、今頃70歳とっくに超えてるよな……? とか思いながら(後で調べたら御年79歳!)、マジかよ、完全新作とは恐れ入ったぜ! とレジに向かったあのであった。
 で。読んだ。読み終わった。
 一言で言うと、面白かった。ほんのりと、Harris先生っぽさもある。だけど、うーん、これが全く知らない作家のデビュー作であるなら、わたしは非常に面白かった! と言い切るだろうけれど、いかんせん、「あの」Tomas Harris先生の作品であるということを考えると、そうだなあ、フツーに面白いレベルにとどまるような気がする。キャラクターは抜群にイイんだけど……全然活躍しなかったり、ラストに全然絡まなかったりと、物語としてやや、スッキリしないというか……いや、最終的に一番悪いゲス野郎は見事昇天し、ヒロイン勝利になるからスッキリはするか。なんと言えばいいんだろうな……物語の本筋は、かつてのコロンビアの麻薬王パブロ・エスコバルがマイアミに築いた大邸宅に隠された金庫とその中に眠る3000万ドル相当の金塊を奪おうとする悪党どもが殺し合う、というものなのだが、キャラが多すぎて若干消化不良?な感じを受けた。もうチョイ、頭脳バトルが描かれればもっと面白かったのだが……。なんか結構、キャラクターが皆、筋肉バカだったような印象かも。
 そんな物語を彩る悪党どもばかりのキャラたちを紹介したいのだが、これはなあ……陣営をまとめて相関図を作った方がいいと思うんだけど……めんどくさいからもう文字でまとめてみるとしよう。
 ◆カリ・モーラ:物語のヒロイン。25歳。コロンビアからマイアミに逃れて来た移民。獣医を目指す真面目な美人。いとこのフリエーダとともに、その母の介護をしている。少女時代、コロンビアの反政府左翼ゲリラFARC(コロンビア革命軍)に両親を殺され、自らも拉致されて、ゲリラ兵としての訓練を受けていた過去がある。なので銃の扱いや、サバイバル知識なども身に付いたスーパーガール。彼女のそういった凄惨な過去も比較的丁寧に描かれているが、若干テンポが悪いというかアンバランスというか……うーん、まあ、とても魅力的なヒロインなのは間違いなく、彼女の活躍は今後も期待したいものですな。彼女を主人公に、何本もお話を作れそうな気がしますね。
 【十の鐘泥棒学校メンバー】
 この「十の鐘泥棒学校」というのは、コロンビアのドン・エルネスト配下の人間ということなのだが、エスコバルのお宝を狙う勢力の一つ。れっきとした悪党軍団だが、本作ではカリを助ける側の人々として、比較的イイ人っぽく描かれている。
 ◆キャプテン・マルコのチーム(マイアミ定住組)
 ・アントニオ:チームの中では若い元US海兵隊員で、現在はプール修理人。カリが大好きで、カリを守ってあげたいと思っているとてもいい奴なのだが、残念ながら中盤で惨殺され退場。
 ・ベニート:おじいちゃんでベテラン。今は庭師としてカリとも仲良し。
 ・キャプテン・マルコ:チームリーダーでカニ漁師。アントニオとベニートを配下として、ドン・エルネストの指令で金庫強奪をもくろむ。カリに好意を抱いていて、カリを何とか守ろうと奮闘(?)。イイ人。イグナシオ、ゴメス、エステバンという手下がいる。
 ・ファボリト:ラスト近くに登場する車いすの男で、元米軍(陸軍か海兵隊か不明)爆弾処理班在籍。35歳。イイ奴。マルコの依頼で金庫に仕掛けられた爆弾を処理する役を引き受ける。どうやら爆弾処理?で負傷したらしく、普段は入院していて、その病院でイリーナという元陸軍兵士に惚れてちょっかいをかけているナイスガイ。
 ◆エルネスト本隊
 ・ドン・エルネスト:表向きはビジネスマン、なのかな、コロンビア国内では人望がある(?)っぽい描かれ方。ただし、彼の目的はエスコバルのお宝であって、カリのことはどうでもいいと思っている。ラストも、カリを変態に売ってその代り金塊を手にすることに成功、したのかな? 若干消化不良。
 ・ゴメス:ドンの側近のゴッツイ男。言動が荒っぽく印象に残る男だが、ほぼ活躍せず。
 ・ビクトール/チェロ/パコ/キャンディのUS在住チーム:エルネストの命を受け、金庫強奪ミッションに派遣される男女チーム。変態野郎チームをあと一歩まで追い詰めるが、残念ながらやられ役として全員死亡。
 【変態野郎チーム】
 ・ハンス・ペーター・シュナイダー:ドイツ系南米人。つまりナチ残党の子孫ってことなのかな。全身無毛。人体を切り刻むのが大好きな変態で、臓器売買をしている。アルカリ溶液を使って人体を溶解するマシンで死体処理をする恐ろしい変態。この変態の描写がいちいち細かく、非常にキャラは立っているのだが、このどす黒い精神の持ち主は見事昇天しますのでご安心あれ。コイツのキャラはとてもHarris先生っぽさがあると感じられると思う。
 ・フェリックス:変態ハンスに雇われた不動産屋。エスコバル邸は映画やCMのロケとかに貸し出されていて、ハンスたちが金庫を掘り出すためにレンタルしているが、その手続きなどをやっている。カリは元々エスコバル邸の管理人であったため、フェリクスとも知り合いだった。見事使い捨てにされて死亡。
 ・ウンベルト/ボビー・ジョー/フラッコ/ホッパー/ボースン/マテオ:変態ハンスの手下ども。見事昇天。
 【故エスコバルの元配下】
 ・ヘスス・ビシャレアル:かつてエスコバルの指示で、マイアミの大邸宅地下に金庫を設置した老人。厳重なトラップの解除法を知る唯一の人物だが、その秘密を変態ハンスとドン・エルネスト双方に売ろうとするが……
 ・ディエゴ・リーバ:ヘススの顧問弁護士。ヘススの隠していた図面をドン・エルネストに渡すが、細工をしていて、本当の情報を知りたければ金をよこせと脅迫する小悪党。最終的にどうなったかよくわからん。
 【その他勢力】
 ・テリー・ロブレス:マイアミ市警の刑事。どうやら変態ハンス一味に自宅を襲撃されたらしく、妻ダニエラは一命をとりとめるも脳に障害を負い、自らも負傷して休職中。変態ハンスをとっ捕まえたいが……残念ながらほぼ活躍せず。
 ・イムラン:変態ハンスの臓器売買の買手で、人体加工収集家?の変態野郎、グニスという大富豪の代理人。グニスもハンスも変態だが、このイムランも狂った変態で、ハンスが納品した腎臓を我慢できずむしゃむしゃ食べちゃう狂人。まあ、この辺はレクター博士的なHarris先生っぽさ満載ですな。出番は少ないけど強烈な印象を残す。
 とまあ、主なキャラは以上かな……とにかくページ数がそれほど多くない割に、キャラは多いですが、お話は基本的に一直線で、チョイチョイ過去の回想が交じる程度なので、それほど混乱せずに読む進められるとは思う。
 そして主人公、カリ・モーラは大変魅力的なキャラクターなのだが、カリは現在合法的(?)にUS滞在が認められているけれど、その許可証は、ちょっとしたことがあればすぐに取り上げられてしまうようなもので、これは明確に現在のUS大統領の政策を反映した、あやうい立場であることが一つのカギとなっている。しかしまあ、USAという国家は、本当に、大丈夫じゃあないですな。密輸や殺人といった犯罪行為がいともたやすく行われており、どんなに真面目に暮らそうと思っても、そのすぐ横でこうした犯罪が日常茶飯事なのだから、どうにもならんでしょうな……と、平和な日本でぼんやり暮らすわたしは他人事のように、無責任に感じましたとさ。

 というわけで、もうクソ長いのでぶった切りで結論。
 「あの」Tomas Harris先生の10年以上ぶりの新作が、ポロっと発売になったので、さっそく買って読んでみた。その作品『CARI MORA』は、これまでのレクター博士モノとは全く別の完全新作で、そのこと自体には大変興奮したのだが、内容的には、多くの悪党がお宝をめぐって争奪戦を行う悪漢小説と言っていいだろう。それはそれで面白かったし、その争奪戦に翻弄?される主人公、カリ・モーラのキャラクターは大変魅力的だったのだが……なんつうか、若干消化不良のようなものを感じるに至った。おそらくそれは、多すぎるキャラクター全てを描き切れていない点に原因があるような気がする。もうチョイ、レクター博士とクラリスのような、そしてダラハイドとウィル・グレアムのような、頭脳バトルだったらもっと面白かったんじゃないかなあ……今回の悪党、変態ハンスがイマイチ頭が良くないのが残念です。主人公カリは、クラリスに匹敵するぐらい(?)魅力的な主人公だっただけに、残念感は強いです。以上。

↓ わたしとしては『羊』よりこちらの方が好きです。
レッド・ドラゴン (字幕版)
アンソニー・ホプキンス
2015-11-05

 わたしはもうほぼ完全(?)に電子書籍野郎にトランスフォーム完了しているわけで、いわゆる漫画単行本(=コミックス)は勿論のこと、小説に関しても、ほぼすべて、電子書籍で買って読んでいる。
 理由は様々あって、もちろんそりゃわたしだって、紙の本の方が圧倒的に好きだし、とりわけ小説の場合は、読んでいる分量が実感としてすぐわかること(電子は数値として分かるが実感に乏しい)、そして、すぐに、これって前に書いてあったな……とぱらまら前の方を参照できること(電子はページめくりがめんどい)、など、紙の本の方にもアドバンテージがあることはよく分かってはいる。
 だがしかし、現代の世の中において、わたしが電子書籍を選択する最大の理由は、「本屋の衰退」にある。どういうことかというと、おおっと新刊キタ!とかいう情報を得て、本屋に買いに出かけても、「マジかよ置いてねえ……!」という事態が非常に頻繁に起こるのである。
 そうなのです。わたしが電子書籍を選ぶ理由は、勿論「いつでもどこでも買えて便利だから」とか「買った本を置く場所がいらないから」という電子書籍のメリットも理由の一つだけれど、それよりなにより、「本屋に売ってねえから仕方なく電子書籍で買う」という理由の方が大きいのである。わたしは何でもかんでもAmazonで買うような人間ではない(そもそもAmazonはKonozamaを喰らって以来憎悪していると言ってもいい)し、本屋に行くことは大好きだ。だが、悲しいことに、街の本屋がどんどん衰退して、欲しい本が置いてない!! ことがあまりに頻繁に起きるのである。
 こんなわたしが、紙の書籍を買うのは、現状では2つの場合だけだ。1つは、最も愛するStephen King大先生の作品である。これはもう、本棚にずらりと並べて悦に入りたいからという理由以外にない。ちなみに電子でも買い直すほどの信者なので、これはもうどうにもならん習性だ。
 そしてもう1つは、もう単純に「電子では販売されていない」作品を買う場合だ。残念ながら未だ電子書籍に抵抗を感じている作家先生は存在しており、紙でしか販売されない作品もそれなりに多いのが現実である。
 というわけで、以上は前振りである。
 先日、わたしがずっとシリーズを読み続けている大好きな作品「ジャック・ライアン」シリーズの最新刊が発売になったので、よっしゃキタ! とさっそく本屋に出向いたわたしなのだが……。。。
 まず、わたしの大嫌いな新潮社という出版社は、きわめて電子書籍への対応が遅れており、おそらく近い将来、破たんするのではないかとにらんでいるが、「ジャック・ライアン」シリーズの版権を国内独占している新潮社は、当然のように電子書籍で販売していない。これはおそらく、担当編集が電子書籍の権利を獲得する努力をしてないか、獲れなかったか、あるいは新潮社の方針で最初から取得しないか、理由は謎だが、US本国では普通にKindle版が発売されているので、作家の意向(作家が電子はダメと嫌がる)では決してなく、単に新潮社の怠慢・無能・無策ぶりによるものであると推察する。
 なので、やむなく紙の本を買いに本屋に出かけたのだが……びっくりしたことに、最初に行った近所の一番デカい本屋では、なんと売ってなかったのだ。驚いたなあ……だって、新聞に広告が出てた当日に買いに行ったんだぜ? 信じられないよ。店員さんに聞いてみたら、平台にぽっかり空席があって、「ああ、すみません、売り切れてしまったようです……」だって。よっぽど配本が少なかった(=初版が少ない)んだろうな……。ちなみにこれは(3)(4)を買いに行った時の話だ。そもそも、いつも全4巻に分冊し、発売をズラす無駄な販売施策も実に気に入らないね。上下本同時発売で十分だろうに。
 というわけで、今回もまた、全4巻に分冊されて2カ月分割で発売されたジャック・ライアンシリーズ最新作が、『TOM CLANCY'S TRUE FAITH AND ALLEGIANCE』である。日本語タイトルは『イスラム最終戦争』とされている。まあ、完全に原題とかけ離れた日本語タイトルだが、分かりやすさとしては仕方ないので批判はしない。が、読み終わった今、やっぱり考えてしまうのは「真の信念(TRUE FAITH)」と「その信念に忠実であること(ALLEGIANCE)」の意味だ。
 本作では、3種類の悪党が登場するが、それぞれの思惑は完全に別物で、お互いを利用して自らの「真の信念」に「忠実」であろうと画策する。
 【1.イスラムジハーディスト】
 彼らは基本的に、いわゆるイスラム原理主義者でテロリストだ。わたしはその「原理主義」たるものに詳しくないので、彼らの行動がその主義とやらに忠実なのか、実は良くわからないのだが、憎しみと殺意に支配されている時点で、彼らを容認するわけにはいかないと思う。あまりに原始的すぎるというか……人類としてなんらかの進化が遅れているのではなかろうか。
 【2.ソシオパスのハッカー】
 そしてジハーディストたちに、US市民のパーソナルデータを渡すハッカー的人物の目的は、ズバリ「お金」である。幼少期の体験から、金こそすべてと思い込むようになり、USAという国家に深い恨みを抱いていて(その理由は自分にあるので完全なる逆恨み)、US国家を痛めつけることが最高に楽しいイカレたガキ。自らのことしか考えない完全なる反社会性パーソナリティー障害者。同情の余地は一切ナシ。
 【3.国家の利益のために暗躍するサウジアラビア人】
 彼は、ハッカー的人物からの情報をジハーディストに渡す仲介者なのだが、その狙いは実に単純で、現在US国家は石油を自家生産できるようになってしまい、アラブの油が必要なくなっちゃったわけで、原油価格は下落しているわけだが、サウジとしてはそれは(これまでのオイルマネーに守られた贅沢三昧の生活を続けるためには)死活問題なわけで、原油価格を吊り上げる必要があるわけだ。その手段として、USにはIS討伐のための全面戦争をしてもらい、イラク~シリアに地上部隊を派兵させたがっている。また、スンニ派のサウジにとってシーア派のイランは敵なので、US派兵はイランへのけん制にもなると。こうして考えると、国家戦略としてはまっとうのようにも思えるが、まあ、アウトですわな、世界の平和のためには。
 というわけで、これらの悪党どもに共通するのは、自らの「信念」に「忠実」であるためには、他人の犠牲は厭わない、つまり自分以外はどうでもいい、という思考だ。そういった自己の利益のみを追求し、あまつさえ殺人もいとわないという姿勢こそが、「悪」と定義せざるを得ないのだろうと思う。残念ながら現代の人類社会においては、容認できないものだ。
 そして一方、彼ら悪党と戦うのが、われらがジャック・ライアン大統領と「ザ・キャンパス」のごく少数のキャラたちである。本作およびこのシリーズを読んで、いつも思うのは、こんなたった数人のチームに守られているUSAって、どうなのよ? というぐらい、ダメ官僚が登場するし、明らかに違法というか超法規的な活動をするわけだが、ま、フィクションだし、読んでて痛快だから深く突っ込まなくていいんすかね。それにしても今回もまあ、数多くの人々が死んでしまい、大変痛ましいのだが……なんというか、本当にUSAという国はもうダメなんじゃないかと思うすね。
 しかし、彼ら正義の側と描かれる人々も、敵に対しては容赦なく、裁判なしでぶっ殺しまくるわけで、実は悪党どもと同じなんじゃないの? 何が違うの? という問いも当然投げかけずにはいられない。悪党は問答無用で殺していいのか? 単に信じるものが違うだけ、「信念」の違いだけで悪党どもを「悪」断罪し、自らを「正義」としていいのか?
 おそらく、彼ら主人公サイドの「信念」とそれに「忠実」であろうとする姿が一番の問題なのではないかと思う。そしてそれは何かと問われれば、わたしが思うに、彼らが信じるものは、たった一つで、「合衆国憲法に従うこと」がかれらの「信念」なのではなかろうか。
 実のところ、わたしは「合衆国憲法」を読んだことなんてないので、その内容は全く知らないのでその是非は問題としないが、少なくとも国際的に認められた国家であるUSAが定め順守している憲法は否定できないわけで、それを守り従うという「信念」もまた、否定できないし、悪とは思えない。
 そもそもUSAという国家は移民で成り立つ多民族国家なわけで、何をもってアメリカ人と規定するか、これって答えられますか? わたしは以前観た『BRIDGE OF SYPIES』という映画で、Tom Hanks氏演じる主人公がこう言ったのがとても印象に残っている。
 「アメリカ人とは、合衆国憲法を尊重・遵守する人のことを指すのだ」
 まあ、要するにそういうことなんだと思う。実際の行動は相当超法規的で「法律」からは逸脱しまくっているけれど、「憲法」は尊重し遵守しているからセーフ、なんでしょうな。ま、実にギリギリセーフというか若干アウトなのは大問題だけれど、人殺しを放置していいわけがなく、無責任な読者としては、悪党が殺られれば心の底からざまあとスッキリするわけで、そう言った点において、やっぱりエンタテインメントとして本作はとても面白かったと思う。
 というわけで、主なキャラをまとめて終わりにします。つうかキャラが多すぎるので、ごく少数にまとめたいけど無理かな……。
 ◆ジャック・ライアン:現役合衆国大統領。結構すぐにブチギレるけれど、まあ、ブチギレる事態が勃発しすぎてお気の毒です。どうやら任期もあと2年なのかな? 引退生活を待つ望むおじいちゃんキャラになりつつある。同盟国に圧力かけまくりで押し通すパワーは、US市民としては頼もしいのでしょうな。イランと中国とロシアが大嫌い。
 ◆ジャック・ライアン・ジュニア:大統領の長男で「ヘンドリー・アソシエイツ」に勤務する青年。かの名作『Patriot Games』事件の時、お母さんのおなかの中にいたのがコイツですな。基本的にゆとり小僧だが、前作でやらかして、現場工作員(戦闘員)からは離れ、本職のデータアナリストになるかと思いきや……本作でももちろん、戦闘に参加します。
 ◆「ザ・キャンパス」のメンバー:「ザ・キャンパス」とは、ヘンドリー・アソシエイツ(表向きは金融業)の真の姿で、政府機関に属さない独立諜報組織で戦闘行為も得意技。働いている人数は数百人(?)いるが、現場に出て工作活動(戦闘行為)に従事するのは、本作の開始時点では、クラーク、シャベス、ドミニク、ジュニアの4人で、クラークは指揮官として現場引退しているし、ジュニアもなるべく現場に出したくないので、実質的にはシャベスとドミニクの二人だけになっちゃった。元々はドミニクの双子の兄であるブライアン、それからブライアンの補充で入ってきたUSレンジャー(だっけ?)出身のサム・ドリスコルというキャラがいたのだが、二人とも残念ながら殉職してしまったのです。なので、本作では冒頭、人員補充が急務ということで二人の候補者が出てくる。なお、その候補者を挙げる時に、ジュニアはCIAのアダム・ヤオ君(米朝開戦などで大活躍したナイスガイ)を推薦するのだが、メアリ・パットと現CIA長官のキャンフィールドに、アダムはダメ、あげない! と拒否されたのが残念でした。というわけで、新たに「ザ・キャンパス」工作員チームに入ったのが……
 ◆ミダス:『米露開戦』かな、一度登場した男で、元US-Armyデルタフォースの指揮官。38歳。退役後、CIA入りを希望していたけれどポーランド系ということでCIAの身元調査が遅れていて、その隙にシャベスが推薦、クラークが直接スカウトに。本作では新人ということで活躍は控えめでしたが、かなり強そうな頼れる男っぽいすね。次回作以降の活躍を期待します。
 ◆アダーラ・シャーマン:ご存知「ザ・キャンパス」の運輸部長兼衛生兵兼兵站担当の超絶美人女子。ついでに言うとドミニクと付き合っているが、そのこともあってドムは本当は推薦したくなかったのだが……能力はもうずば抜けていることは我々読者にはお馴染みなので、とうとうアダーラも現場出動となってしまうのは、男としてはドムの心配もわかるだけに若干心配す。アダーラも今回はそれほど活躍せずでしたかね。
 ◆ISの悪党たち:普通の日本人的には驚きなのだが、今回、US国内でのテロを行うのは、ISのイエメン人に率いられた、れっきとしたUS市民なんだな。そいつらが原理主義に傾倒して、志願し、訓練を受け、テロリストとしてUS国内に戻って悪事を働くわけだが……その心理は全く理解できないすね。それはもちろん、わたしがここ日本で平和にボケっと暮らしているからなんだろうけど、彼らは例えば親しい隣人が巻き込まれることになっても、自爆ベストのスイッチを押せるものなのだろうか。わからない……とにかく、欧米諸国にはなるべく近寄らない方がいいんだろうな、としか思えないすね。誰がイカレたテロリストか分からないもの。まあ、無事に彼らは掃討されるので、良かった良かったということになるけれど、それにしても今回は犠牲者が多すぎますよ……。。。
 ◆アレクサンドル・ダルカ:ポーランド人。問題のソシオパス・ハッカー。まあ、「邪悪」と断ずるしかないでしょうな。でも、コイツは実のところハッカーではなくて、大量の個人情報ファイルをハックしたのは中国の依頼を受けた別の会社で、その会社からデータを盗んだのがこのダルカの勤めている会社で、ダルカは、そのデータをもとに、SNSなどの公開情報を使って、その人物の「現在」を割り出す作業をしていたわけですが、一番恐ろしいのは、SNSで自分や周りの人の情報を平気でさらし続けている一般ピープルなんだろうな、と思う。ホント、個人情報を平気でインターネッツに垂れ流し続ける人々の神経が理解できないですな。まあ、このダルカも無事にキッツイ運命に放り込まれたので、心の底からざまあであります。あのお仕置きはヤバいすね……どんなことになるかは是非本作をお読みください。
 ◆サーミ・ビン・ラーシド:サウジアラビア人。すべての元凶と言っていい悪党だと思うが、一方で前に書いた通り、自国の利益を最大化することに邁進しただけ、でもあって、そういう意味では有能な人物とも言えるかも。しかし現実世界では、USAとイランは超仲が悪いわけですが、サウジともいろいろあるんでしょうな。ジャーナリストを自国の大使館に拉致してぶっ殺す恐ろしい国だしね。この国にも行きたくはないですな。
 
 とまあ、この辺にしておきます。
 最後に、著者のMark Greaney先生について一言書いておくと、Greaney先生と言えば、わたしの大好きな『暗殺者グレイマン』シリーズの著者で、そっちの新刊もわたしは心待ちにしているのだが、なんと本作をもって「ジャック・ライアン」シリーズからは引退されるそうです。急逝されてしまった巨匠、Tom Clancy先生の後を継ぎ、ここまでシリーズを書き続けてくださって本当にありがとうございましたと申し上げたいすね。プレッシャーもすごかっただろうし、ホントにお疲れさまでした。ま、本シリーズは今後別の先生が引き継いで書いてくれることが確定しているので、そちらも楽しみにしつつ、Greaney先生の『グレイマン』新作も楽しみに待ちたいですな。『グレイマン』シリーズはわたしの大好きな早川書房から出ており、当然電子書籍版も発売されるので大変ありがたいす。また夏かなあ、次の新刊は。とても楽しみっす!

 というわけで、書いておきたいことがなくなったので結論。
 わたしがもう20年以上読み続けている「ジャック・ライアン」シリーズ最新刊『TOM CLANCY'S TRUE FAITH AND ALLEGIANCE』の日本語訳が『イスラム最終戦争』という捻りのないタイトルで発売になったので、さっそく買って読んだのだが、まあ、結論としてはちゃんと面白かったと思う。しかしなあ、もうライアン大統領は中国はやっつけたし。北朝鮮もブッ飛ばし、ロシアも片づけたわけで、今回のIS掃討が完了した後の敵はどこになるんでしょうかねえ。おおっと!? なんだ、もう本作の後に2作発売されてるじゃん!! ホント、新潮社の仕事はおせえなあ! しかもだぜ? 次作の『POWER AND EMPIRE』の相手はまた中国、そして舞台は今月開催のG20サミット(どうやら作中では大阪じゃなくて東京開催っぽいね)じゃねえか! 新潮社!! 今出さなくてどうすんだよ!! あーあ、さっさとシリーズの版権を早川書房様が獲得しないかなあ……というどうでもいい情報で終わりにします。以上。

↓こちらが次作、みたいすね。はあ……今すぐ読みたい。原書で読むしかないか……。

 数日前、このBlogのログを見ていたとき、わたしが新刊が出ると毎回せっせと感想を書いている『あきない世傳』シリーズの記事のPVがやけに上がっていることに気が付いた。そして電撃的に、これって、まさか……? と思い、すぐさま版元たる角川春樹事務所のWebサイトをチェックしてみると、まさしくその予感は当たっていることが判明して愕然としたのである。そう、2月に、新刊第(6)巻が発売になっていたのだ。

 うおお、まじかよ! 超抜かってた!! と思い、すぐさま本屋さんへ向かって確保し、帰りの電車から読みはじめ、翌朝、翌夕、そしてその次の朝、と、わたしの通勤電車2往復分で読み終わってしまった。わたしが電車に乗っているのは片道30分ほどなので、2時間ほどで読み終わったということだ。たぶんこれは、わたしがとりわけ早いわけではなく、おそらく誰でもそのぐらいで読めると思う。実にすらすらと読みやすいのが高田先生の作品の特徴だ。
 で。わたしは読み始めて、冒頭で、えっ!? と思った。そう、ズバリ言うと前巻のラストを完璧に忘れていたのである。そうでした。前巻は、非常にヤバいところで終わったのでありました。
 それを説明する前に、このシリーズのおさらいをざっとしておこう。
 本作は、現在の兵庫県西宮市あたりの村から、大坂は天満橋近くの呉服屋さん「五鈴屋」に下働きの下女として奉公に出た少女が、その持ち前の頭の良さと心の真っ直ぐさで成り上がってゆく物語で、実に現代ビジネスマンが読んでも面白いような、現代ビジネスに通じる様々な「あきない」ネタが大変痛快な物語なのであります。
 そして主人公・幸ちゃんは、まあとにかく凄い激動の人生を送っているわけですが、下女だったのに五鈴屋4代目と結婚し、「ご寮さん(=大坂商人の店主の奥方)」にクラスチェンジし、次に5代目、そして6代目とも結婚してようやく幸せになったかと思いきや……というところで、前巻(5)巻ラストで大変な悲劇に幸ちゃんは見舞われてしまったのでした。
 どうして結婚相手がころころ変わったかと言うと……
 ◆4代目:長男で放蕩野郎。店の金を使い込むクソ野郎。死亡
 ◆5代目:次男で商才はあるが人の気持ちを読まない残念系社長。取引先を激怒させ失踪。
 ◆6代目:三男。作家を夢見るだめんず野郎だけど人としては超イイ奴。
 という感じで、商才盛んな幸ちゃんが自らもう、女社長としてバリバリやればいいんだけど、それが出来ない理由があって、結婚せざるを得なかったわけです。それは、大坂には「女名前禁止」という謎ルールがあって、大坂においては「女は店主になれない」というもので、現代風に言うと男しか代表取締役の登記が出来ない、のです。だから、どうしても男の社長を立てる必要があるわけですな(一応その理由は、女に財産分与して資産隠しや税逃れをする奴がいたから禁止になったらしい)。
 時代背景としては、1731年だったかな、そのぐらいから始まって、最新刊である本書(6)巻では1751年ぐらいまで経過していて、幸ちゃんも少女から現在28歳まで成長している。これは、高田先生の『みをつくし料理帖』が最終巻の段階で1818年ぐらいだったはずだから、それよりも70年近く話で、ついでに言うと『出世花』の2巻目が1808年ぐらいの話だから、やっぱりそれより50年以上前ってことになる。ちなみに、『みをつくし』は1802年ぐらいから始まるので、主人公・澪ちゃんと『出世花』の主人公・正縁ちゃんは江戸の町ですれ違っててもおかしくないぐらいの時代設定だ。
 なんでこんなことを書いたかと言うとですね、そうなのです。ついに! 幸ちゃんが江戸に進出することになったのです!! この、江戸進出はもう既に前から野望として描かれてきたのですが、この、大坂の女名前禁止をどうしても打ち破ることが出来ないなら、江戸進出を急ごう!ってなことで、急がなくてはならない理由、それは前巻ラストでブッ倒れた6代目が逝ってしまったからなのです。
 というわけで、本作(6)巻は、いきなり6代目の初七日の模様から始まります。わたしは6代目がブッ倒れたことを完璧忘れたので、最初のページを読んで、えっ!? と思ったのでした。まあ、すぐ思い出したけど。
 で、今回の物語は、江戸店のオープンまでの様子が描かれるわけですが、今回は、現代ビジネス的な面白エピソードは1つだけかな。それは、江戸店オープン前の宣伝告知活動だ。
 幸ちゃんはバリバリ関西人で、もちろんお店の仲間たちも同じ関西人。当然、江戸の町ににも商慣習にも不案内で、だんだん理解していくことになるわけだが、「引き札(=現代で言うチラシ)」はやらず、彼女の取った方法とは――てのが今回一番面白かったすね。幸ちゃんは今までも、宣伝告知活動には色々な策をとって来て、それがいちいち現代風で面白かったけれど、今回の策も、大変良かったと思います。もちろん、その作戦は大成功で、オープン当日から江戸店にはお客さんがいっぱい来てくれて、ホント良かったね、と思いました。
 あと、今回から、幸ちゃんは本格的に「太物(ふともの=木綿製品)」も扱いを始めようとする。これは常識かも知れないけど、わたしは愚かなことに本作シリーズを読むまで知らなかったのだが、いわゆる「呉服」ってのは、「絹100%製品」のみを指す言葉なんすね。大坂の五鈴屋本店が加盟しているアパレル業界団体は、あくまで呉服屋組合であるため、木綿製品は扱うことが出来ないこともポイントで、江戸の組合にはそんな縛りはない、ってのも、江戸店出店の動機の一つもでもあるわけです。
 さらに言うと、幸ちゃんの出身地では、綿花の栽培が特産でもあって、木綿は絹よりも圧倒的に安いし、洗えるし軽いし、と使い勝手がいい、要するにコストパフォーマンスに優れているわけで、「買うての幸い、売っての幸せ」を目指す幸ちゃんは、木綿に大変思い入れがあるわけですな。
 あ、あと、今回幸ちゃんが江戸店の、商品ディスプレイに工夫する話も面白かったすね。まあ、やっぱり、こうすりゃいいんじゃね!? とひらめく瞬間はとても気持ちいけれど、普通のサラリーマンにはそれを実行するにはいろんな邪魔が入るわけで、上司に恵まれないと、毎日毎日同じ作業を繰り返すことを仕事と勘違いすることになるわけだが、ま、お店を出すことの面白みの一つでしょうな、そういうひらめきの快感は。大変今回の(6)巻も楽しめました。

 というわけで、さっさと結論。
 大変抜かっていたことに、わたしがシリーズをずっと読んできた『あきない世傳』の新刊が、なんと1カ月以上前に発売になっていたことにハタと気が付き、慌てて買ってきて読んだわけですが、まあ、今回も大変面白かったと思う。これからは江戸を舞台に、またいろんなビジネスプランが展開されるんでしょうな。そしてわたしとしては、主人公幸ちゃんに幸あれと思うわけです。ところで、今後の展開としては、確実に妹の結ちゃんも江戸にやってくることになるだろうし、おそらくは、失踪した5代目と江戸で再会することになるんじゃないすかねえ……。そもそも江戸進出は5代目の夢でもあったわけだし。5代目が現れた時、幸ちゃんはどうするんすかねえ……今さら元サヤはないよ……ね……? どうなるんだろうなあ。そのあたりは、これからもシリーズを読み続けて、楽しみにしたいと思います。つうか、ハルキ文庫も電子で出してくんねーかなあ……。そうすりゃ100%買い逃すことないのに……。以上。

↓ 五鈴屋江戸店は、浅草の近くの「田原町」にオープンです。現代の今は仏具屋さんがいっぱい並ぶあの街っすね。銀座線で浅草の隣す。


 というわけで、今週の『もういっぽん!』であります。
 このところサボっていましたが、もちろんわたしは毎週楽しみに読んでおります。このところの著作権法の動きからして、わたしのBlogは完全アウトじゃねえか、という気がしていたので、なんだかキーボードをたたく手が止まってしまうような、若干アレな世間的風潮でありますが、今週は書かざるを得ない、素晴らしい展開でありました。
 今週号の週刊少年チャンピオン2019年第15号では、すでにインターハイ予選も終わり、柔道部の3人組は高校1年1学期の中間テストの時期であります。そして、先週号では、テストに向かって勉強に励む? 主人公、未知の様子からスタートしました。
 親友の早苗ちゃんは入試トップ合格、そして永遠ちゃんも成績優秀、さらに、わたしがイチオシの剣道部の南雲ちゃんも中学時代は元生徒会長で学年ヒトケタランカーです。そんな中、未知は青葉西高校補欠合格ということで……まあ要するに未知だけがバイヤーのズイマーなわけで。そんな様子が冒頭描かれましたが、先週の本命は、ようやく「南雲ちゃん(主人公)回」で、南雲ちゃんの切なげな表情の理由?に迫ろうかという?回でありました。
 わたしとしては、とにかく南雲ちゃんの、未知を見つめる眩しそうな、そして切なそうな表情が最強にグッとくるわけで、先週号では南雲ちゃんに関するいろいろなことが明かされたのです。
 まず、南雲ちゃんの家庭は、どうやらお父さんが南雲ちゃんを溺愛していて(そりゃこんなかわいい娘なら誰だってそうなるよ)、父も剣道をやっていたとか。そして父の果たせなかったインターハイ(=全国)出場に大喜びのお父さんが描かれました。
 さらに、南雲ちゃんはきちんとお家で勉強する賢い子である様子も、描かれました。この、夜、真面目な顔で机に向かって勉強している表情も良かったすねえ!
 そして、きっと遅くまで勉強頑張ったんでしょうな、あくびをしながら、まだ誰も来ていないような時間に登校すると、体育館からバンバァンという男が聞こえてくるじゃあないですか。?と思う南雲ちゃんがのぞくと、そこには、未知が一人で受け身?の練習中。どうやら未知は、勉強に煮詰まったのか、体を動かしてリフレッシュ中だった模様です。
 ここでの、未知を見つめる南雲ちゃんの表情も超最高ですよ! くそう、画像を載せたい!
 そして未知は南雲ちゃんに、インターハイ予選で大活躍した南雲ちゃんのことを、もう直球で誉めまくりです。超すごかった、カッコ良かったなあ~、と。未知は南雲ちゃんに言います。
 「初めて会った頃からず~~っと頑張ってんもんな~」
 そんなことを言われた南雲ちゃんは、ちょっと恥ずかしそう。そして柔道部の次の目標が福岡で開催される「金鷲旗」であることを聞かされた南雲ちゃんは、未知に言います。
 「もし…もし私が…剣道部やめるって言ったら…どう思う?」
 とまあ、こんな、な、なんだってーー!? な台詞で先週は終わりました。これを受けての今週の第20話「めちゃめちゃ」であります。はーー前置きが長すぎた……。
 さて、南雲ちゃんの衝撃的な台詞は、実は体育館の外でのぞいていた早苗ちゃんと永遠ちゃんの耳にも聞こえたようです。そして未知も、いやいや、なにいってんの、と突っ込みますが……南雲ちゃんの表情はどうも冗談ではない、真剣な表情。ここの表情もイイんすよ! そしてページをめくると……また「なっとらん!!」のあのゴツイ先生の登場です。うおぃ! 邪魔すんな! 
 慌てて逃げる未知と南雲ちゃんですが、ちょうど夏目先生も登校したようで、その横を走って通り抜ける二人。未知は「夏目先生おはざーす!!」とお気楽ですが、南雲ちゃんは夏目先生を見て、以前夏目先生が言った言葉を思い浮かべていました。
 「たった3年間の貴重な時間 棒に振るようなことになったら辛いからね」
  まあ、高校生にとって3年間はながーーく感じるだろうけど、おっさんになるとあっという間なんだよなあ……。。。でも、そのあっという間かもしれない3年間は、後の人生で宝物になる可能性が高いわけで、おっさん読者としては後悔はしてほしくないわけですよ……南雲ちゃん、君は一体……とか考えながらページをめくると、どうやらお昼休み、購買のカツサンドが売り切れでしょんぼりする南雲ちゃんですが、おばちゃん曰く、あの子が買った2つがラストだったとか。そのあの子とは、永遠ちゃんでありました。永遠ちゃん、アンタ何で柔道着着てるんすか!? ハッ!? 「勇気を出して」何かしようということですか!?
 というわけで、永遠ちゃんに1つ譲ってもらって二人してカツサンドを屋上でぱくつくの図であります。南雲ちゃんのスマホには、お父さんから、おじさんもインターハイ応援に来るぞ、とのメッセージが。どうやら南雲家は南雲ちゃんのインターハイ出場に盛り上がっている模様です。
 そしてオドオドな永遠ちゃんが声をかけようとしたところで、南雲ちゃんがかぶせ気味に声をかけます。あんた、変わってるよ、全国行けるぐらいの実力があるのに、あんな弱い奴と部活やるために同じ学校に来るなんて、と。
 この時、実は二人は仲良く肩を並べてカツサンドを喰っていたわけではありません。永遠ちゃんは入り口付近に座り、南雲ちゃんは屋上のへりから、下を見ていたようです。その視線の先には、未知が竹刀で男子のケツにカンチョーしてる様子が。未知、お前何やってんの!w 
 すると永遠ちゃんもヘリにやってきて、言います。それは、今までオドオド過ぎて、いろんな後悔をしてきた、けど、「もう…後悔したくなかったから…」青葉西に来たという言葉。そして続けて言います。
 「私…南雲さんが羨ましい あの時も…いや…いつも…いつも自分の気持ちに正直で…堂々と行動してて…カッコいいから…」
 ま、そんなこと言われちゃ照れますわな。南雲ちゃんは、やっぱあんた変わってるわ、と言ってクールに去ります。南雲ちゃん、あんたホントに素晴らしい女子高生だよ! 
 そして場面は夜、お風呂に入っている南雲ちゃんの図です。風呂の中でもスマホをいじる南雲ちゃん。そこには、未知と南雲ちゃんの、いままでのいろんなツーショット写真が。と、そこにまさに未知から着信です。風呂に入ってんだけど、と言う南雲ちゃんに、お構いなしでしゃべり始める未知。しかし内容は、今朝の南雲ちゃんの「剣道部やめるって言うとしたら……」発言に対する回答でした。
 未知は言います。南雲がマジならいいんじゃん? めちゃめちゃ頑張ってめちゃ強くなったわけじゃん? そんくらい、あんた剣道めちゃ好きなわけじゃん なのに、そのあんたがもしマジでやめるって言うとしたら たぶん、いや絶対、ほかにめっっっちゃ好きなもんでもできたってことじゃん? だったら しゃあなくね?
 未知よ、お前は天然でそういうことが言えるんだな……そういうところが、お前のすごいところなんだよ! そしてそんな言葉を聞かされた南雲ちゃんの表情は、もう最高、極上、この上なしにかわいいじゃあないですか! まあ、未知はその「好きなもん」を、彼氏でもできたのか、とこれまた天然のボケをかますわけですが、最高っすね、この二人は。
 そして庭で竹刀を振るお父さんに、決意の表情で南雲ちゃんは言います。
 「パパ 大事な話がある」
 と、今週はここで幕切れでありました。
 なんつうか、最初からずっとわたしが気に入っていた南雲ちゃんの主人公回は、わたしにとっては、控えめに言って最高の神回であります。来週いかなる決断をお父さんに告げるのか、超楽しみですなあ!! こんなに次号が楽しみなのはマジで『鮫島』以来っす!

 というわけで、結論。
 今週の『もういっぽん!』は、先週から続いての「南雲ちゃん回_Part 2」でありました。そしてどうやら、南雲ちゃんの決断が来週描かれるようで、大変楽しみであります。まあ、誰がどう見たって、南雲ちゃんは未知が大好きなわけで、ある意味、百合的な展開とも言えそうですが、わたしとしては素直に、女子高生同士の友情物語を楽しみたいすね。まさかの柔道部入りはあるのか? どうなんでしょうなあ……チャンピオンのコミックスは基本9話収録なので、先週の19話から第3巻収録なんでしょうな。コイツは……単行本は紙と電子、両方で買わないといけないようだな……(1)巻の電子しか買ってないので、紙も買ってこよう、と思うわたくしであります。くそう、来週号が今すぐ読みたい!!! 以上。

↓ というわけで(1)巻は絶賛発売中であります。 おっと! Amazonでは(2)巻の予約も受付中っすね。これは買いです!





 去年劇場公開された映画『孤狼の血』を、まんまと劇場で観逃してしまい、先日やっとWOWOWで観て、こりゃあ面白い、劇場に観に行かなかったワシはホントダメじゃのう……と思ったわけだが、そのことを会社の若者に話したときの会話は以下の通りである。
 わたし「いやー、『孤狼の血』やっと観たんだけど、すっげえ最高だったね。マジで劇場に行くべき作品だったよ。超抜かってたわ……!」
 若者「お、観たっすか。おれ、劇場で観たっすよ。いやあ、マジ最高だったすね。続編が楽しみっすねえ!」
 わたし「えっ!? 続編!? やるの!? マジで!?」
 若者「いや、わかんねーすけど」
 わたし「なんじゃい! でもアレだろ、原作小説があんだから、そっちの続編が先に出ないと……」
 若者「いや、だからその小説の続きが出たんすよ。アレじゃないかな、去年映画が公開されるちょっと前じゃなかったかな、単行本で出たはずっす」
 わたし「うぉい! マジか、全然知らんかった! 超抜かってた!!」
 というわけで、わたしと若者はその場ですぐ調べて、あ、これっすね……と見つけたのが柚月裕子先生による『孤狼の血』の正統なる続編『凶犬の眼』という作品である。
凶犬の眼
柚月裕子
KADOKAWA
2018-03-30

 わたしはこの本のことを知って、約60秒後にはすぐさまその場で電子書籍版を買ったのだが、実は、ポチっと購入する15秒前には、ちょっと待て、原作の『孤狼』を先に読んだ方がいいんじゃね? という逡巡があった。だが……ええい、いいんだよもう! 今すぐ読みたいの! という欲がまさって購入に至り、読み始めたのである。
 結論から言うと、この判断は、ナシではなかったとは思うけれど、やっぱり本来的には小説原作の『孤狼』は読んでおいた方がいい、と思った。というのも、どうやら映画『孤狼』と、原作小説『孤狼』とでは、若干設定や物語が違うらしい、と思えるような点が、『凶犬の眼』を読んでいるといくつか見受けられたからである。
 例えば映画『孤狼』で江口洋介氏がカッコ良く演じた、おっかない若頭「一之瀬」というキャラは、ラストで物語の主人公である日岡くん(以下:広大=広島大学出身のため「ひろだい」と呼ばれている)に裏切られることになるが、どうやら原作小説ではその展開はなかったらしく、『凶犬』では広大と信頼関係が続いていることになっていた。また、映画では真木よう子さんが演じた恐ろしくエロいクラブのママは、『凶犬』では登場せず、全然別の小料理屋のおかみさんが出てきて、どうやら真木ようこさんの演じたあのキャラは映画オリジナルで、小説では『凶犬』のおかみさんがその役に相当する、みたいな、微妙な違いがチラホラ出てくるのである。
 なので、やっぱり小説の『孤狼』を読んでから『凶犬』を読む方が正しい行為だとは思うのだが、映画を観た後すぐに『凶犬』を読んだわたしでも、『凶犬』という小説はとても面白く、大変楽しめた作品であったのは間違いないのである。
 というわけで、物語をざっとまとめてみよう。
 物語は『孤狼』の事件の2年後が舞台だ。それはつまり、世は平成となっており、主人公の広大こと日岡秀一巡査は1年前から広島の山奥の駐在所勤務である。要するにあの事件の後始末が終わったところで、いろいろ「知りすぎた男」の広大は警察にとっても都合の悪い存在で、へき地勤務に飛ばされたのだ。そんな、ある意味鬱屈していた毎日を平和に送っていた広大くんは、ある日、私用で広島市内にやってきていて、ちょっと寄り道となじみの小料理屋で飯を食う。するとこそには、あの一之瀬がなにやら客と話し込んでいて、その客は、全国指名手配中の男だった。一之瀬は、マズいとこ見られちゃったな、と思いつつも、やむなく、広大のことを警官だけど信頼できる男だし、あの「ガミさん」の一番弟子だ、と客に紹介する。すると客は、「まだやり残したことがある。それが終わったら、必ずあんたにワッパをかけてもらうよ」と約束。広大は、その男の眼を見て、その約束を信じるがーーーてな展開である。
 どうですか。少なくとも映画『孤狼』を面白いと思った人なら、読みたくなるでしょ。わたしとしては本作でのポイントは2つあって、まず一つは、とにかく広大くんがきっちり「ガミさん」の教えを守って大きく成長している点だ。肚が坐ってるんすよ。非常に。とてもカッコいいし、非常に共感しやすいと思う。そしてもう一つは、本作の最大のポイントなのだが、その客の男がやけに「仁義」の男で、これまた大変カッコイイんだな。凶悪な人殺しの極道で、純然たるBAD GUYなのに、完璧に筋が通っていて、広大くんならずとも、男なら誰しも、心魅かれてしまうような人間なのです。頭もイイしね。こういう、二人の筋の通った仁義の男の行動ってのは、もう鉄板というか、読んでいて実に気持ちのいいものだ。
 
 というわけで、以下は完璧ネタバレなので、知りたくない人はここらで退場してください。絶対知らないまま読む方が面白いと思いますので。



 はい、じゃあイイですか?
 最終的に、広大と極道の男は、「兄弟」分として強く結ばれるわけだが、その過程がとても共感できる流れだったと思う。その盃を交わした瞬間、冒頭で描かれる旭川刑務所で話し合う二人が何者かがわかる仕掛けになっていて、それが分かった時は、そういうことか、と思わず最初を読み直してしまうほどだったすね。実にお見事でした。
 最後に、キャラ紹介を短くまとめて終わりにしよう。
 ◆日岡秀一:主人公。『孤狼』で「広大」と呼ばれていた彼も、もはやそう呼んでくれるガミさんは亡くなっているので、本作では広大と呼ばれるシーンはありません。田舎の駐在所に飛ばされて、ちくしょうと思っていて、指名手配犯を逮捕して県警本部に戻る野望を胸に秘めている。基本的に今でも善人ではあるけれど、ガミさんに叩き込まれた、毒には毒を、の気持ちも習得しているし、世の中は清濁併せ呑むことで成立していることを骨身にしみて理解している。そんな彼が、極道と盃を交わす決断の瞬間も、ガミさんならどうしたか、を考え、行動に移すわけで、実に男らしかったと思う。わたしは映画版を観終わった時、きっと現在の広大は、50代半ばを過ぎて、警察機構の中で出世してるんだろうな……と妄想していたけれど、本作の事件を経て、さらに広大は大きく成長しただろうな、と思います。
 ◆国光寛郎:読んでいるとかなりおっさんな印象を受けるけれど、まだ30代半ばだったはず。高校時代からやんちゃだったが神戸商船大学に進学するなど頭はイイ。が、あっさり辞めて極道入り。極道に入ったのも、とある親分に人間として惚れたためで、金を稼ぐのが上手いインテリヤクザとして活躍していたが、仁義を絶対に守る男として、親分のために人殺し&服役も経験。現在日本最大規模の抗争の首謀者として逃走中。彼がやりたいのは、親を守ることとケジメをつけることで、それが叶えば満足。自分がどうなろうとも……な男。まあ、読んでいれば誰だって、広大のようにコイツを外道とは思えなくなってしまうでしょうな。極めて筋が通っていてカッコイイ。手下にも大変優しいのもポイント高し。そして手下たちも、国光に惚れているため、まったく道に外れたことはしようとしない、極道だけどイイ奴らです。
 ◆晶子:ガミさん行きつけの「小料理や志乃」のおかみさん。今では広大の行きつけに。どうやらこのキャラが、映画版で真木よう子さんが演じた里佳子さん、なのかも。元々一之瀬(?)の奥さんだったのかな? 元極道の妻で、とても面倒見のいいおかみさん。美人に間違いないでしょうな。映画版にも出てきた、ガミさん作成の警察内部の不正をまとめたノートは、広大が晶子さんに預かってもらっている模様。広大はいざとなればその極秘資料があるので、今頃は警察で成り上がっててほしいすな。なんかこの設定は、『新宿鮫』に似てますな。
 ◆一之瀬守孝:現在は尾谷組の組長になっている。映画版では広大に見事はめられて裏切られたけれど、ありゃどうも映画オリジナルなのかもしれない。本作では、広大を信頼しているし、広大も一之瀬を信頼している、っぽい。まあ、信頼と言っても、お互いを利用しているだけなんだけど、本作では何かと情報源としてチラホラ登場します。ちなみに、映画版でピエール瀧氏が演じたギンちゃんこと瀧井銀次も冒頭に登場します。元気そうで何よりです。
 ◆畑中祥子:広大の勤務する駐在所近辺の豪農の娘で女子高生。頭がイイ。父親は広大と祥子を結婚させてがっていて、祥子の家庭教師を広大にやらせている。そして祥子も、広大が大好きなのでまんざらでもなし。しかし、彼女の「女」としての本能は、広大に会いに来た晶子の姿を観てめらめらと嫉妬の炎を燃やしてしまい……な感じ。わたしはまた、彼女が人質とか、ひどい目にあわされるんじゃないかと心配でならなかったのだが、全くそんなことにはならず、むしろ彼女の攻撃?の方が事件を大きく動かす結果をもたらしてしまったことに大変驚いた、というか、祥子も立派な女だったな、と腑に落ちたっすね。恐らく超絶カワイイ女子だと思います。
 他にも登場人物は多いけど、上記を押さえておけば大丈夫だろう。
 
 というわけで、結論。
 映画『孤狼の血』を劇場で観逃して、やっとWOWOWで観て、くっそう、コイツは最高に面白いじゃねえか、劇場に行かなかったおれのバカ! とか思っていたわたしだが、会社の若者にその続編小説『凶犬の眼』という作品があると聞いてさっそく読んでみたところ、まず第一に、とても面白かったと思うし、こりゃあ最初の小説版『孤狼の血』も読まないとダメなんじゃね? と現在思っている。仁義を通す、ということは、何も極道の世界だけでなく、平和にのんきに暮らす我々にも求められてしかるべきだと思うけれど、まあ、なんと世には「仁義」を守らない奴の多いことか。実に嘆かわしいというか、そういうクソ野郎には本当に頭に来ますな。本作で描かれた二人のように、「仁義」なるものを通すには、相当の代償が必要となるわけで、まあ実際難しいことも多いのだが……それでもやっぱり、だからと言って「仁義」を守らないクソ野郎にはなりたくないっすね。たとえどんな艱難辛苦があろうと、仁義を最優先で生きていきたいものです。というわけで、本作はわたしは大変楽しめました。実にカッコイイす。以上。

↓ そのうちちゃんと読もっと。ガミさんが小説ではどんな感じなのか、楽しみっす。
孤狼の血 (角川文庫)
柚月裕子
KADOKAWA
2017-08-25

 はーーー……面白かった……。
 そして、もうくどいけど、何度でも言います。
 わたしが世界で最も好きな小説家は、Stephen King大先生である!
 というわけで、先週買って来たKing大先生の日本語で読める最新刊『REVIVAL』を実質4日で読み終わってしまった……はーー……ホント、終わりそうになると、もう終わりか……と悲しくなっちゃうわたしだが、もちろんのこと結末を読みたい気持ちに勝てるわけもなく、あっさりと最後まで読み切ってしまったわけだが、のっけから結論を言うと、超面白かった! けど、若干ラストの後味はビターというか、何となくモヤッとしているのがアレかなあ……と感じている。
 まずはもう一度、買ってきたときに興奮しながら張り付けた書影をのっけとこう。そして、以下は完全にネタバレに触れると思うので、まだ読んでいない人はここらで退場してください。
revival
 しかし、改めて思うに、この日本語タイトルは、極めて微妙というか、ギリギリOK、な気がしている。確かに、日本語として『心霊電流』といわれると「な、なんだそれ!?」と、とても興奮するのは間違いない。そういう意味ではいい日本語タイトルじゃん、とは思う。おまけに、最後まで読み終わった今となっては、たしかに内容には合致しているとも言えそうだ。
 でもなあ……US原題の『REVIVAL』から遠すぎるというか……まあ、対案が出せない言うだけ詐欺なので、タイトルに関してはもう何も言うまい。いずれにせよ、さっさと文春が日本語版を出してくれたことには感謝したいが、それでも、やっぱり遅いんだよな……ちなみに本作『REVIVAL』は、去年大興奮した『END OF WATCH』より前の2014年に刊行された作品で(END OF WATCHは2016年刊行)、既にもう長編は2作品発表されているし、今年の9月にもさらに新刊が予告されているので、文春でもどこでもいいから、さっさと日本語化してもらいたいものだ。つうか、やっぱり英語で読めってことかも知れないな……。
 ともあれ。
 本作『REVIVAL』は、久しぶりに(?)King大先生ワールドにかかわる若干ホラーチックな部分のある作品で、わたしとしては大変楽しめたわけだが、冒頭に書いた通り、エンディングは若干モヤッとしている。物語としては比較的単純で、本作は現在(2017年かな?)60歳を超えた男が、6歳のころからの人生を振り返る年代記的なものである。そして6歳の時に出会った牧師がその後何度も主人公の人生に現れ、謎の「電流治療」を行うことによって起こる、謎の現象が物語のキーとなるお話で、一体全体、この「電流治療」によって牧師は何を求めているのか、がカギとなっている。ちなみに牧師は、主人公と出会った3年後に牧師を辞めちゃうので、正確には牧師じゃない、つうか、神を憎むようになってしまうけど。
 で。わたしが読んでいてい一番困ったというか、むむ?? と何度も前に戻って確認してしまったのは、回想が結構飛び飛びに語られていて、え、じゃあ、アレはこの事件より後? とか、編年体で描かれていないのが若干読みにくかったような気もする。いや、読みにくさはないんだけど、サラッと読んでいると、ふと、じゃああれって……と、気になってしまうのだ。
 わたしは、つい頭にきて、おもわず年表を作ってしまったほどなのだが、その年表は、あとで乗せようと思います。その年表の前に、登場人物をまとめておいた方がいいと思うので、最初はキャラからまとめてみよう。
 ◆ジェイミー:主人公。5人きょうだいの末っ子。物語の冒頭の1962年時点で6歳(8月生まれなので冒頭の10月には6歳にすでになってる)。後にミュージシャンとなるも、ドラッグ漬けのダメ人間となるが、1992年にジェイコブス牧師と再会、謎の「電流治療」を受けてドラッグ依存から回復。その後音楽スタジオに就職するが、ジェイコブスとの縁は最後まで切れず、とんでもないエンディングへ……。
 ◆ジェイコブス:ジェイミーと初めて会った時は牧師。当時25歳ぐらい?らしい。そしてその3年後、大変な悲劇に遭い、信仰を捨てる。その後は、自らを魅了してやまない「神秘なる電気」の研究をしながら全米を放浪し、各地で見世物的な奇術師→インチキ霊能牧師となって多くの人を「治療」することで金を稼ぐ(そしてその金は全部研究につぎ込む)。そして、ついに稲妻の電流パワーと、自らの命を代償として「その先」を見ることに……。ズバリ、ネタバレですが、なんと「妖蛆の秘密」まで言及され、まごうことなきクトゥルフ展開となって超絶衝撃的!! 本作は冒頭に多くの作家への献辞がささげられてますが、もちろんラヴクラフト大先生の名もあって、まさかの展開でした。そして献辞の作家の筆頭に挙げられているのはメアリー・シェリー。もちろん、「フランケンシュタイン」ですな。その意味も、本書を読めば理解できます。
 ◆クレア:ジェイミーのお姉ちゃん。5人きょうだいの一番上。わたしの計算では多分8つ年上。美人でやさしいが、のちに悲しい運命に……(※ただしクレアの悲劇は本筋には関係ない)。どうでもいいけど、本書では「姉貴」と訳されていたけど、わたしなら「姉さん」と訳しただろうな……。みんなの自慢のお姉ちゃんなので、なんとなく雰囲気的に。
 ◆アンディ:ジェイミーの兄(5人きょうだいの2番目)。わたしの計算ではたぶん6つ年上。信仰心の篤い男。ほぼ出番ナシ。のちに51歳でガンで亡くなる。
 ◆コンラッド:ジェイミーの兄(5人きょうだいの3番目)。通称「コン」。4つ年上。兄弟では一番よく言及される。頭がイイし、運動神経抜群。のちにハワイの天文台勤務。最後まで存命。4つ上。
 ◆テレンス:ジェイミーの兄(5人きょうだいの4番目)。通称「テリー」。2つ年上。一番父になついていて、現在実家を継いで故郷のメイン州ハーロウに住んでいる。ちなみにハーロウは、King大先生作品でお馴染み「キャッスル・ロック」のすぐそば。
 ◆父と母:父は年齢不明だが80過ぎまで生きた。燃油販売業を興した人で、かつては貧しいこともあったがその後は裕福に。母は1977年ぐらい(?)に51歳でがんで死去。
 ◆アストリッド:ジェイミーの初恋の女子で初体験の相手。可愛く美人。結構イケイケ系。大学入学で付き合いは自然消滅。しかし2014年に約40年ぶりに再会することに……
 ◆ヒュー:ドラッグを克服したジェイミーが就職したスタジオの社長。実はヒューも、1983年にジェイコブスと出会って「治療」を受けていた。
 とまあ、主な重要人物としては、上記で十分かな。
 で、出来事を年表にまとめたのが以下です。どうTableタグを駆使してもスマホで閲覧するとガタガタになっちゃうので、頭にきてJPEG画像にしてみた。
REVIVAl_year_l
 USの学校は9月はじまりだし、誕生月の影響もあってか、どうもズレているような気がするけど、大体合ってるのではないかと思う。
 さて、もういい加減クソ長いので、以下にわたしが思ったポイントをまとめて終わりにしよう。そのポイントとは、ズバリ言うと「King大先生ワールドとの関連」である。
 1)JOYLANDとの関わり
 上記の表に書いた通り、なんとジェイコブスは一時期JOYLANDでも奇術師的なショーをやっていた模様。それがいつのことかは書いていなかったが、小説『JOYLAND』で主人公が学生時代に働いていたのが1977年だったと思うので、すれ違っていたかも、である。わたしは、ひょっとして『JOYLAND』にジェイコブスがチラッと出てたのかな? とか思って『JOYLAND』をパラ見してみたけど、どうも存在は確認できずであった。
 2)Itとの関わり
 どうやら、ラストに現れる謎の昆虫めいた存在は、「It」なのかもしれない。わたしはその展開に大興奮して、はっ!?と年代に注目したのだが(そのために上記年表を作ってみたともいえる)、『It』の子供時代編が1958年、大人編が1985年なので、ドンピシャでは全然なかった。そして1985年から「27年後」は2012年なので、これも若干ズレている。なお、2年前公開されてウルトラ大ヒットとなった映画版『It』は子供時代編が1988年に変わっていたけど、それとも一致せずでした。なので、だから何だという結論はないけど、なにも「It」がメイン州デリーだけにいたとは限定出来ないかもしれず、とにかくわたしとしては「It」の登場に、やっべええ!!と大興奮したっすね。
 3)その他の作品との関わり
 まあ、謎の邪悪な存在が「日常のすぐ隣にいる」的な世界観はKing大先生にはお馴染みの設定で、本作のクリーチャー的存在でわたしが思い出したのはやっぱり『The Mist』や『From a Buick 8』あたりの作品だ。そして本作で言及された『妖蛆の秘密』は、『Salem's Lot』での重要アイテムでもある。
 しかし、電流による覚醒(?)によって「何かが起こり」、その世界への扉が開いちゃう的な展開は、わたしとしては超最高だとは思ったものの、本作は開いた扉を慌てて閉じて、ふーーあっぶねえ……で終わってしまったわけで、その、ふみ込み具合がわたしとしては若干物足りないというか、モヤッと感じた最大の要因のような気がする。
 本来?と言うのもおかしいけれど、エピローグで語られる「治療」経験者たちのその後、の方が事件として興味深くて、主人公がそれを知って、探っていくうちに、少年時代のあの牧師の存在が明らかになって、その謎を解き明かしていく――的な流れもアリだったのではなかろうか。つうか、どうもエピローグで「その後」をさらっと流されちゃったのが、少し物足りないような気もするんだよな……。
 そして思うに、ジェイコブスは狂っていたとはいえ、誰だって、亡くした愛する者のREVIVAL=復活につながるなら、何にだってすがるんだろう。そもそも死者のREVIVALというモチーフは『PET SEMATARY』でもKing作品ではおなじみだし。ジェイコブスの場合は、たまたまそれが「神秘なる電流」だっただけで、おまけにそれが人の謎パワーを増幅して病気を治してしまうと知ったら、そりゃ使うだろう。たとえそこに、深刻な後遺症があっても。結局、本作ではその後遺症についての明確な解明はなかったように思える。一度でも「向こう側」と繋がっちゃったら、絶望して生きていけなくなるってことなのかな……わたしとしては、その後遺症をもうチョイ深く描いてほしかったような気がします。
 ま、とはいえ、やっぱりKing大先生の描く「少年時代の回想」というのはめっぽう面白かったので、結論としては大満足、であります。

 というわけで、もうクソ長いので結論。
 わたしが世界で最も愛する小説家、Stephen King大先生の日本語で読める最新刊『REVIVAL』(日本語タイトル「心霊電流」)が発売になったので、即買って読んだところ、結論としては超面白かったと言いたい。が、若干のもやもやが残るエンディングで、超傑作判定は出来ないかな……。ただ、この物語はとても映像映えすると思いますね。映画あるいはTVシリーズになるような気がします。なんつうか、わたしとしては若干ジェイミーのキャラに反感を感じたのかな……イマイチ好きになれない奴であったような気もする。むしろジェイコブスの方が共感しやすいような……宗教なんて、安心を与える生命保険と同じだ、というセリフには考えさせるものがありましたな。まあ、いろいろ書いたけど、結論としては、KING大先生のファンならば、今すぐ本屋へ行って買って読むべきだと思います。文庫化を待っても意味ないすよ。数百円しか違わないし、そんなの特急料金と思えば、今すぐ読んで興奮する方をお勧めします。わたしはすっかり電子書籍野郎に変身しましたが、本作は電子書籍だとさらにお安く買えます。が、わたしはKING大先生の作品は本棚に並べて悦に入りたいので、紙の書籍で買いました。ぜひ、紙でも電子でも、今すぐ読んでいただきたく存じます。以上。

↓ このところ、電子だと紙より200円以上安い本が多いんだよな……。お好みでどうぞ。
心霊電流 上 (文春e-book)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2019-01-30

心霊電流 下 (文春e-book)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2019-01-30

そしてすでに発売済み、だけど日本ゴミ翻訳はこちらの2作です。あらすじが超そそる……早く読みたい!!
Sleeping Beauties (English Edition)
Stephen King
Hodder & Stoughton
2017-09-26

The Outsider (English Edition)
Stephen King
Hodder & Stoughton
2018-05-22








 このBlogでもう30回ぐらいは書いていると思うが、今回も言おう!
 わたしが世界で最も好きな小説家は、Stephen King大先生である!
 そして日本語で読める最新刊が1/30(水)発売と、文春から発表されたときの喜びは極めて大きく、昨日本屋に寄ったら思いっきり売っていたので、さっそく買ってきたのであります! やったーー! 超嬉しい!!
 US原題は『REVIVAL』。わたしは今回、まったくどういう内容の作品か、あらすじすら読まずに買って、読み始めているのだが……相変わらずヤバイすねえ! この、日本語タイトルをご覧ください!
revival
 なんと文春から発売された日本語版は、『心霊電流』という、超そそる謎のタイトルになっております!! 心霊……電流……な、なんのこっちゃ?? US原題の『REVIVAL』と併せて考えると……復活的な? 電気でビリビリ的な……? と全く謎の妄想がわきますが、現在<上巻>の90ページほどを読んでいる段階で、とある人物が電気にやけに詳しいというか、電気に並々ならぬ興味をもっていて、そしてはやくも超悲劇が勃発しており、こ、こいつはページをめくる手が止まらねえ! 状態になりつつあります。
 というわけで、今日は、都内のデカい本屋さんならもう売ってるよ!の第一報まで。そして、ヤッバイほど面白そうな展開で興奮が止まらん! 状態であることのご報告でありました。

 というわけで、さっさと結論。
 わたしが最も愛する小説家Stephen King大先生の日本語で読める新刊『REVIVAL(日本語タイトル「心霊電流」)』が発売になっていたので、さっそく買って読み始めたわたしであります。実は、発売を知ったのは、わたしが愛用する電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」から、新刊出ますよメールが先週届いたためなのだが(ありがとうBW!)、当然、King大先生の作品は紙で、単行本で、出たらすぐ!買うことにしております。なぜって!? そりゃあもう、早く読みたくて我慢できないからですよ! 文庫化まで待ってられんのです!! 特急料金として高くてもいいんだよもう。それではお先に堪能させていただきまーす! 以上。

↓ もちろん電子版は発売日がきっちり守られており、配信は明日1/30からです。そして電子版の方が200円以上安いみたいです。でもわたしは本棚に並べて悦に浸りたいので、King大先生作品だけは「紙」っす!
心霊電流 上 (文春e-book)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2019-01-30

心霊電流 下 (文春e-book)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2019-01-30

 出版界において、ある出版社から刊行されていたある作品が、時を経て別の出版社から再び出し直される、ということはフツーにあることだ。ま、元の出版社からすればいろいろ思うことはあるだろうけど、別に読者にとってはほぼ関係ない。ちょっとだけ困るのは、出し直されたときにタイトル変更をされると、やった、新刊キタ!とか喜んで買って読んだら、これもう読んだやつじゃん!ということが分かった時のイラ立ち感は、経験したことのある方もおられるだろう。わたしもあります。つうか、タイトル変わってないのに、新刊かと勘違いして買ったことすらあるっすね。まあ、ちゃんと奥付近くに「本書は●年に●文庫から刊行されたものを改題したものです」とか書いてあったりするけれど、買うとき気が付かなきゃアウト、である。自己責任なんだろうけど。
 というわけで、わたしがずっとシリーズ第51巻まで読み続けた時代小説『居眠り磐音』シリーズが、元々刊行していた双葉社から、どういう経緯か知らないけど、今年の2月から文藝春秋社に移籍して出し直されることとなった。そして恐らくはそれを盛り上げるため?に、このお正月に文春文庫から『磐音』にまつわる「書き下ろし新刊」がまさかの発売となったのである。まあ、シリーズを愛してきたわたしとしては、これは買って読まない理由は皆無であり、さっそく楽しませていただいたわけである。
 そのタイトルは『奈緒と磐音』。まあ、このタイトルだけで、ファンならば「おっ!?」と思うだろう。わたしはマジかよ、と思った。主人公磐音の幼少期からの幼馴染であり、許嫁であり、悲劇によって引き裂かれてしまった奈緒。ここで奈緒と磐音の物語かよ、これは……切ない予感がするぜ? なんて思い、コイツは読みたいぜ欲がムクムクと立ち上がったのであります。

 しかし―――もう最初にズバリ言っておくと、物語はわたしの想像とまるで違っていて、本書は1754年~1770年ごろの、主人公磐音が9歳の頃から江戸勤番で佐々木道場に入門して1年半ぐらい過ぎたころまで、が描かれていて、折々の出来事が語られる5つの短編から構成されるものであった。
 なお、上記の年代は、本書のP.262に、1769年に24歳の磐音が初めて江戸に行ったことが書いてあったので、逆算したものです。なので、±1年ズレてるのかも、です(そして以下、この情報から年を逆算して記しています)。
 では、さっそく本書の感想をまとめていきたいのだが、その前に、自分用備忘録として簡単に年代と磐音の年齢を記しておこうかな。ちょっと既刊本が手元にないから確かめられないので、ホント単純逆算です。そしてネタバレにも触れてしまうかもしれないので、まだ読んでいない方はここらで退場してください。ファンならば、こんなBlogを眺めるよりも、今すぐ本屋さんへ行って買って読んだ方がいいと思います。
 ◆1772年:磐音27歳:『磐音』1巻での悲劇が起きた年。
 ◆1795年:磐音50歳:『磐音』51巻の年かつ『空也十番勝負』の開幕、だったと思う。
 ◆1798年:磐音53歳:『空也十番勝負』最新刊の時代。空也20歳でいいのかな(?)
 ええと、なんでこれを書いておいたかというと、前述の通り本書はある意味短編集なのだが、それぞれのお話の冒頭は、磐音が還暦を過ぎていて(=1805年以降ってことになる)、穏やかな毎日を過ごしつつ、若き日を回想する、という形式をとっているためであります。つまり、還暦をすぎた磐音が暮らす江戸には、まず間違いなく空也くんが武者修行を終えて帰ってきている可能性が高い、とわたしは思ったのだが、勿論本書には、空也くんは一切登場しません。そりゃまあ、ある意味当然でしょうな。登場したら十番勝負の方が台無しになっちゃうしね。ま、読者としては、無事に修行を終え、眉月ちゃんと幸せにしている思いたいですな。
 さてと。それでは本書で語られたエピソードをまとめておくか。
 【第1話:赤子の指】
 磐音9歳の頃(1754年)の話。磐音・慎之輔・琴平の三人が湾内の無人島へ、いわばキャンプに行くお話だ。幼い3人組は、どこの道場に入門するかということがもっぱらの関心事で、各々考え方が違っていて、三人それぞれの性格が良くわかるエピソードになっている。また、この段階で早くも『磐音』シリーズ序盤の大問題、関前藩の財政破綻と宍戸文六の暗躍もほのめかされていて大変興味深い。なんつうか、ズバリ言ってしまうと、磐音の生涯でずっと続くことになる苦労は、ほぼすべて藩主たる福坂実高の無能によるものだったわけで、ある意味、主を選べない侍ってのもつらいですなあ……ホントに。そして磐音は9歳にしてすでにしっかりしたお子様だったことが分かるこのお話は、大変面白かったと思います。そしてタイトルにある「赤子」とは誰なのか、は読んでお楽しみください。ここも大変良いエピソードでありました。運命って奴なんですかねえ……。
 【第2話:梅雨の花菖蒲】
 磐音13~14歳の頃(第1話の4~5年後=1758~1759年ぐらいか?)の話。ちなみに磐音の母は、妹の伊代ちゃんを妊娠中。お話としては、いよいよ三人が中戸信継先生の神伝一刀流道場に弟子入りした日に起きた出来事が描かれている。さらに、ここでは琴平の家の窮状や、奈緒(4歳!)の「磐音様のお嫁になります」宣言なんかもあって、たれこむ暗雲の気配と後の悲劇への序章的な、なんとも心苦しい部分も感じられて、ちょっとつらい気持ちになったす。
 【第3話:秋紅葉の岬】
 磐音17歳(1762年)の話。豊後15家の大名家が数年に一度、主催する大名家の城下に若侍を集めて「豊後申し合い」というトーナメントをしていて、それに磐音たち三人が関前藩福坂家代表として出場するお話である。この時すでに磐音の剣術家としての基礎というか、ベースがしっかり築かれている様子が語られるけれど、まだ磐音は、これでいいのか、と絶賛悩み中でありました。そしてこの話でも、小林家の窮状は悪化していて、ホント、読んでいて、こりゃあいろいろとマズいなあ……と後の歴史を知るだけに、気の毒な想いがしました。かと言って、磐音はこの時に出来る、おそらくは最善のことをしたわけで、後の悲劇を避けるための分岐点はとうに過ぎていたんだなあ……的なことも感じたお話であった。
 【第4話:寒梅しぐれ】
 磐音22歳(1767年)の話。関前に100年に一度ぐらいの大雪が降った日のこと。そんな雪の中、他の門弟はみんな来れない中、中戸先生の道場にやってきたのは磐音一人。磐音は中戸先生の提案で雪見酒をご相伴するが、その時中戸先生は、いよいよ江戸勤番が決まりかけた磐音に対し、とある極秘ミッションを託すのだった―――的なお話で、この雪見酒の半年後に初めて磐音は中戸先生から「そなたの構えはなにやら春先の縁側で居眠りをしている年寄り猫のようじゃな」といわれたそうです。そしてこの話のラストは、磐音初めての真剣勝負が! 大変面白かったすね。そして、この話で初めて、後の磐音と行動を共にすることが多くなる中居半蔵様が登場して、わたしは興奮しました。この頃からの付き合いだったんですなあ。
 【第5話:悲劇の予感】
 磐音24歳(1769年)で初めて江戸勤番として東上し、佐々木玲圓先生と会い、住み込み弟子となる。そしてそれから1年半後には、関前から慎之輔・琴平も江戸へやって来て合流、住み込みをやめて通い弟子となって、藩政改革の第一歩を踏み出した頃のお話。もうタイトル通り、悲劇の予感ですよ……。
 
 とまあ、こんな5話構成で、なるべく肝心なことは書かなかったつもりだが、とにかく思うのは、磐音というキャラクターは本当に子どものころからよく出来た人間で、すげえや、ということです。そして本書は、そんな磐音が、どうしてそうなったのか、ということも分かるような物語になっている。しかし、一つだけ、タイトルの『奈緒と磐音』が示すような、奈緒との大恋愛エピソードのようなものはなくて、生まれた時からの縁、のようなものだったのがやや心残り……かも。何といっても、奈緒は生まれた時から磐音が大好きで、ずっと一途に惚れぬいている。そして磐音もその想いに応えていた、というような感じで、とりわけきっかけめいたものはなかった。
 でも、だからこそ、のちの悲劇と数奇な運命が残酷に感じられるのかな……。いずれにせよ、磐音は子供のころから凄かったというのがはっきりとわかるお話であり、わたしとしては大変楽しめましたとさ。
 ところで! この『居眠り磐音』と言えば、かつてNHKでドラマ化されていたわけですが(わたしは全然観てませんでしたが)、ついに! 映画化が決定ですよ! しかも磐音を演じるのは、わたしが若手俳優で一番イケメンだと思っている松坂桃李くんです。カッコイイ……けど、どうなんだろう、磐音にあってんのかな……そして他のキャラはどうなのかも気になるし、これは観に行って確かめようと思います。予告によればシリーズ2000万部だそうで、それすなわち、印税は、640円×10%×2000万部=12億8千万円てことですな。すげえなあ! 本当にスゲエや! 


 というわけで、さっさと結論。
 双葉社から文春文庫へ移籍となる『居眠り磐根』シリーズ。物語は完結しているし、現在では磐音の息子、空也くんの新シリーズが展開されているわけだが、移籍&出し直しに合わせて、磐音の子供のころから青年期にかけての書き下ろし新作が発売となった。タイトルは『奈緒と磐音』。二人は大変な悲劇に見舞われ、結ばれることはない、という運命を知っている我々読者としては、幼少期の奈緒と磐音、そして慎之輔や琴平の、懐かしい過去を読むことができたのは大変うれしいことであり、実際大変面白かったと思う。悲劇の裏には、故郷関前藩内部の権力闘争があったわけだが、ま、ズバリ言うと藩主である福坂実高が無能だったわけで、のちに奥さんの反乱(というべき?)も出来して、ホントダメな殿様だと思うな……。しかし、かつての親友との日々を読むと、ホントに『磐音』1巻の悲劇が悲しいすね……なんか、また51冊、読み返したくなりますな。文春版を買い直す気はまったくありませんが。以上。

↓ 文春の「決定版」とやらは来月発売です。


 はーーー……やっぱ面白いすなあ……
 というのは、今朝読み終わった小説の感想である。そうです。わたしがずっと読み続けてきた『居眠り磐音』シリーズの続編ともいうべき『空也十番勝負』最新刊が発売になったので、すぐさま買って読み始め、もったいないからちょっとずつ……とか思ってたのに、上下巻を3日で読み終わってしまったのでありました。たまには書影を載せとくか。こちらであります。
kuuya05


 というわけで、もはやこのBlogでも散々書いてきたので詳しい説明はしないが、本作『空也十番勝負 青春篇 未だ行ならず<上><下>』は、磐音の息子、坂崎空也くんの武者修行の旅を追ったもので、今回は5作目となるわけだが……上記に貼りつけた写真の帯に書かれている通り、「完結編」と銘打たれている。なので、わたしはその「完結」という文字を見た時、おいおい、十番勝負なのに、5番勝負で終わりなの? うそでしょ!? うそって言ってください佐伯先生! ぐらいわたしは大きなショックを受けた。
 この「完結」ということに関しては、ズバリ言うと<下巻>のあとがきに佐伯先生自身の言葉で理由が明確に記されているので、まあそちらを読んでいただければと思う。ただし、本編を読み終わった後に読んだ方がいいと思いますよ。そして、せっかちな方に申し上げておくと、あくまで「青春篇」の完結であって、空也の旅はまだ続くものと思われますので、ご安心いただければと思う。つうかわたしが安心しました。
 さてと。物語としては、前作の続きで、平戸から長崎へ向かい、五島で出会った長崎会所の高木麻衣ちゃん、そして対馬で出会った長崎奉行所の鵜飼寅吉くんと再会し、長崎に結構長く逗留することになるのだが、その逗留期間で空也くんが出会った人や出来事、そして当然、空也くんを狙う東郷示現流の酒匂一門との対決へ、という流れで締めくくられる。まあ、それはもう、シリーズを読んできた人なら誰でも想像がつくことですな。そしてもちろん、愛しの眉月ちゃんとの再会もあるし、一方そのころ江戸では、という部分も丹念に描かれ、薬丸新蔵くんのその後も描かれるのだが、まあとにかく、今回は上下巻ということで、様々な出来事が起こり、非常に読みごたえのある物語だったと思う。
 今回は物語の流れについて記すのはやめにして、本作を読んで、わたしの心に残った出来事について、箇条書きでまとめておこうと思う。書いていく順番は、物語の流れとは一致しません。単に思いついた順に記します。
 ◆福岡藩士・松平辰平はさすが空也の兄弟子ですよ!
 空也くんが長崎へ到着し、長崎には福岡黒田家と佐賀鍋島家が長崎警護のために詰めている、ということを知って、わたしとしては当然、かつて自らも武者修行の旅に出て、途中で磐音一統に合流した佐々木道場の弟子、松平辰平くんが登場するものかと思っていた。辰平くんは、博多のとあるお嬢さんと恋に落ちて、黒田家に仕官して福岡住まいとなったのに、『磐音』シリーズのラストで磐音たちが九州にいた時は入れ違いで江戸に赴任していたため、空也くんの旅立ちには立ち会えなかったのがわたしはとても残念に思っていたのだが……いよいよ長崎で会えるか!? と期待したわたしの考えは、まったくもって甘すぎたのであります。どういうことかというと、ズバリ、会いたい、けど会えない、けどやっぱり会いたい……という思いの詰まった「ぶ厚い」手紙だけを託して、辰平くんは空也に会いに来なかったのです。それは、空也が物見遊山で長崎にいるわけではなく、武者修行の身であり、そんな旧交を温めてる場合じゃねえ、と思うからなわけです。さすが辰平、こういう点が、空也にとっては尊敬する兄弟子なわけですよ。あれっすね、これが利次郎だったら、きっと普通に会いに来てるでしょうな。そして辰平の手紙に書かれていた「初心を忘れるな」が空也くんの胸にも響くわけです。真面目な朴念仁だった辰平らしいと、わたしはとてもグッと来たっすね。
 ◆狂剣士ラインハルトとの死闘は意外と(?)大事だった。
 前々巻で闘ったラインハルトは、長崎会所と長崎奉行所のおたずね者で、空也くんは見事勝利したわけだが、そのことは結構大きなことだったようで、空也くんは長崎の様々な場所で、あのラインハルトを倒した男か、と歓迎を受けることになる。中でも印象的だったのは、出島の阿蘭陀商館からも大歓迎を受けて、オランダ製(?)の短刀を頂くことに。この時、空也くんは麻衣ちゃんが用意した南蛮衣装を着せられていて、その情景が非常にわたしの脳裏に印象に残ったすね。ちなみにその衣装と短刀は、江戸へ向かった眉月ちゃんに託され、磐音やおこんさんのもとに届けられました。この、眉月ちゃんと磐音たちの対面も、とても良かったすね。そうなのです。今回、とうとう眉月ちゃんは江戸へ戻ることを決意し、まずは長崎へ行って空也くんと再会したのち、眉も長崎に残りとうございます、的な泣かせることを言いながら、江戸へ先に向かったのです。超積極的な眉月ちゃんと空也くんが江戸で再会できるのはいつの日でありましょうなあ……その日が楽しみですなあ……。
 ◆長崎と言えば……奈緒どのの悲劇のスタート地点でしたなあ。
 作中時間で20数年前、身売りした奈緒が最初に連れていかれた場所であり、そして、その後を追って若き磐音が、医者の中川順庵先生とともにやってきた地でもあるわけです。しかし奈緒の超絶美人ぶりに、こりゃあ長崎じゃもったいない、江戸の吉原へ、とすぐに連れていかれ、長崎には数日しかいなかった奈緒。そして入れ違いに会えなかった磐音。そして磐音は、奈緒が描いた絵と句を見て運命の残酷さを知った若き日。今回、そのかつての悲恋がちょっとだけ触れられ、そんなことは全く知らなかった空也くんは初めて父の若き日のことを知るわけです。このエピソードは、今回折に触れて語られ、わたしとしては非常に時の移ろいを感慨深く思ったし、空也の心のうちにも、非常に大きなものを残したようですな。大変結構なことかと存じます。
 ◆武左衛門、お前って奴は本当に……。
 今回、江戸パートでは、新蔵が新たに自分の道場をたてることになるけれど、江戸の人間からすると新蔵の道場は土間で稽古も裸足という点で、ちょっとアレだなあ、と全然弟子希望者が集まらないような状況に。そこで武左衛門が、かわら版屋にテキトーで盛りに盛った話をして、そのおかげで弟子殺到、みたいな展開となるのだが……ホントに武左衛門よ、お前って奴は……まあ、ある意味今回は結果オーライだけど、わたしはこの男を『居眠り』シリーズの時からどうしても好きになれないす。こういう奴って、ホント、いるんだよなあ……いつの時代も……。
 ◆憎しみの連鎖は、一体どうすれば……酒匂家の運命は……。
 空也くんと新蔵には非はないとしても、憎しみや恨みというものは理屈ではないわけで、今回も当然、酒匂一派に狙われているわけだが、本当にどうしようもないことなんだろうか……。
 酒匂家当主:空也1番勝負で敗北。尋常な勝負であるときちんと理解していた。
 長男:謎に包まれた酒匂家最強剣士。今回とうとう登場。結果は本編を読んでください。
 次男:江戸在府の剣士。今回、新蔵に挑む! 結果は本編を読んでください。
 三男:兄弟で一番体がデカイ剣士。空也2番勝負で敗北したが、空也に一太刀浴びせ重傷を負わす。
 しかしまあ、なんというか、死をもってしか決着できないというのは、現代人としてはとても悲しく、つらいすね……。剣術は、どうしても「人殺しの技術」に過ぎないんすかねえ……だとすれば、それを極めようとするってのは、非情に尽きるのかなあ……。
 今回の空也くんは、端的に言えば「武者修行」ってなんなんだ? という壁に突き当たることになる。折しも時代は銃や大砲が実用化され、武力としての「剣術」も、形骸化しつつある世の中だ。そんな時代に「剣の道」を征こうとする空也くん。おまけに言うと、空也くんは、武者修行と言いながらも、相当な超リア充でもあって、行く先々で人々の好意に助けられ、お互い愛しあう人もいて、さらに今回の長崎では、そのリア充ぶりは拍車がかかっているようにも思える。カステイラを食して喜んでる場合じゃないだろうにね。
 こんなリア充の空也くんが、いかんいかん、こんなんじゃダメだ、と思うのは、自らが命を狙われているからであって、逆に言うと、酒匂一派との因縁がなければ、果たして空也くんは厳しい「武者修行」を続けることが出来たのだろうか、という気すらしてくる。空也くんは、当然のことながら無用な戦いはしたくない、けれど、命を狙われている状況だからこそ、武者修行にも魂がこもる、とも思えるわけで、わたしは今回の空也くんの悩み?に対して、実に皮肉だなあ……と感じたのでありました。まあ、その皮肉な運命にケリをつけようと、空也くんは今回長崎へ来たとも言えるわけだが……この後どうするのか、続きがとても楽しみですなあ!
 ◆「捨ててこそ」とは?
 この言葉は、武者修行を行う空也くんが一番心に留めているものだ。「捨ててこそ」。超リア充である空也くんには、いろんな「捨てたくない」ものがあるはずで、眉月ちゃんへの愛、そして偉大なる父に感じる無意識のプレッシャーなど、背負っているものがいっぱいある青年だ。決して、失うものなど何もない、ような状況ではない。そんな空也くんが思う「捨ててこそ」とは、一体いかなるものか。これが、わたしが思う本作の最大のポイントである。本作を読んで、わたしはまだ空也くんが悩みまくっているように思えたし、そりゃ当たり前だとも思っている。だからこそ、本作はタイトルが「未だ行ならず」なわけだしね。
 空也くんは、高野山の奥で生まれたことから、大師様=空海からその名を「空也」と名付けられたわけだけど、「くうなり」とも読めるのがわたしとしては大変興味深い。仏教でいう「空(くう)」。この概念をわたしは理解しているとは言い難いし、大学時代、「空」について卒論を書いた哲学科の友達の受け売り程度の知識しかないわたしだが……別に全てを捨て去ることが「空」ではないと思うのだが……空也くんの考える「捨ててこそ」は、若干、命すら投げ捨てる方向のようにも感じられて、かなり心配である。まあ、それが正しい解釈なのかどうか分からないけど……難しいというか、まだわたしにはわからんすね……。とにかく思うのは、空也よ、お前は絶対に、生きて江戸に戻らないとダメなんだぞ! という親心のようなものです。きっとそれは、この作品を読んでいる人全員が思ってることだと思います。

 というわけで、もう長いしまとまらないので結論。
 シリーズ5作目にして最新作『空也十番勝負 青春篇 未だ行ならず<上><下>』が発売になったのでさっそく買って読んだところ、やっぱおもしれえなあ、というのが第一の感想でありました。そして主人公・坂崎空也くんの5番勝負が終わったところで、作者の佐伯泰英先生のあとがきによれば、次作の刊行はちょっと時間が空くらしいことが判明した。「青春篇」はこれにて完結だそうで、続く「再起篇」を期待したいですな。しかしなんつうか、わたしとしては長崎会所の高木麻衣さんが大変気に入っております。間違いなく美人でしょうな。空也くんはホントにリア充だなあ……。リア充で武者修行が出来るのかはともかく、ホントにマジで! 生きて江戸へ戻って来るのだぞ! そして眉月ちゃんの愛に応えるがいい! その日を楽しみにしたいと存じます! 以上。 


↓ なんと!『居眠り磐音』は文春文庫から出し直し&双葉文庫版は絶版になるらしく(?)、その新装版刊行に合わせて、こちらの描き下ろし新作も発売になるそうです。マジかよ……文春め……!

 というわけで、今週の『もういっぽん!』であります。
 先週はサボりましたが、今週はやります。今週のタイトルは「どっきどき」。まあズバリ言うと、いよいよインターハイ予選当日の朝の、それぞれの「どっきどき」な模様であります。
 冒頭、いつもおとなしい永遠ちゃんが、一人電車内で何やらスマホを見てにんまりしているご様子。そうでした。永遠ちゃんだけ、遠くに住んでるのでした。思うのは、家でお母さんとのやりとりです。お風呂上り、スマホ片手にニヤつく永遠ちゃんですが、お母さんの話によると、私立の推薦を蹴ってまで埼玉県立青葉西高校へ進学したのだとか。それが心配だったお母さんですが、ニヤける娘、永遠ちゃんを見て、良かったみたいねと一安心。好きな男でもできたかとお母さんはツッこむものの、永遠ちゃんがニヤけていたのは、仲間の柔道部員、未知と早苗ちゃんとのグループラインであります。
 まあ、友達ができてうれしいんでしょうなあ。それはつまり、今まではそういうことがなかったってことなのでしょう。大変結構なことであります。
 と、そんなことを思い出して一人電車に乗る永遠ちゃんの前に、来ました! 南雲ちゃんの登場です! 上半身はジャージ&ジップを上までしっかり締めたりりしい姿の南雲ちゃん。下は制服のスカートですが、南雲ちゃんはストイック系&強気系剣道部員。
 「な~~んだ アンタか…って顔 すんなっつーの」
 とよく分かっていらっしゃるご様子。若干気まずげな永遠ちゃん。南雲ちゃん曰く、剣道部も同じ場所でインターハイ予選で、期待のルーキーである自分が5年ぶりに女子剣道部をインターハイに連れて行く、と強気なお言葉です。そして、若干優しげな表情で言います。
 「柔道部は! あんたが連れてってやりな」
 そのタイミングで電車に乗って来る未知&早苗ちゃん。
 「あの2人とじゃきついだろうけど」
 と若干ヤレヤレな南雲ちゃんに、永遠ちゃんは言います。
 「そうかな…とっても心強いよ」
 二人を見つけて満面の笑みで寄って来る未知。まあ、この笑顔にはパワーがあるわけですよ! ちなみに未知のいでたちは、ジャージ&Tシャツ&下は制服スカート、とテキトーな感じ、そして早苗ちゃんは眼鏡っ子真面目女子なので、きっちり制服を上下着こなしております。そして永遠ちゃんは、ジャケットの代わりにカーディガンですが、きちんとブラウス&リボンタイと制服着用です。この違いも、性格が出てますなあ!
 そして会場に到着。そこにはすでに夏目先生がスタンバイ。おおっと、夏目先生は白シャツ&黒のパンツスーツという「SP」の真木よう子さん的なファッションで大変颯爽としています。そして当然会場にはいろんな学校の柔道部員がいて、未知は勝手な品評会をしています。ドキドキが高まってまいりました! おおっと、どうやら早苗ちゃんは緊張でみんな強そうとネガティブ方向へ。でも、未知を高校でも柔道に誘ったのは早苗ちゃんなわけで、
 「しっかりしなきゃ…わたしが言い出しっぺなんだから…うう…ケガするイメージが次から次に沸いてくるよ…」とドキドキは加速です。中学時代は試合で骨折した経験のある早苗ちゃんですが、イカン、トイレに直行だ!w なんか『ぺダル』の鏑木くんみたいすねw
 と、そんな3人ですが、前からやってきたのは! あれは永遠ちゃんの中学時代の! 来ました、霞ヶ丘高校の3人組です! 永遠ちゃんはまたも困ったフェイス。怒れるツインテールでお馴染み、天音さんが「約束通り中堅で出てくるよね?」と詰め寄ります。永遠ちゃんの困ったフェイスは一層曇りますが、未知は永遠ちゃんのバックから柔道着を取り出し、むりやり上だけ永遠ちゃんに着せました。
 そうです。いつもオドオドぎみの永遠ちゃんは、柔道着を着ると「ちょっとだけ 勇気が出る」のであります。それを覚えていてくれた未知の想いに応えるように、キリッとした表情で永遠ちゃんは、おっかないツインテール天音さんに宣言します!
 「青西の中堅は私…氷浦永遠です」
 とまあ、そんな感じでいよいよインターハイ予選開幕!で今週はおしまいでした。
 なるほど……何かやっぱり各キャラの表情が豊かでいいですなあ……しかし、物語はこののち、どう進むんすかねえ……スポコン的シリアス展開なのか、日常系のほっこり系なのか、想像がつきませんが、わたしとしてはこの可愛い娘っ子たちの青春をしばらく追いかけようと存じます。

 というわけで、結論。
 今週の『もういっぽん!』は、いよいよインターハイ予選開幕直前の、各キャラクター達の「どっきどき」な心情が描かれ、また、永遠ちゃんの決意的な、キリッとした表情が描かれました。まあ、完全にお父さん目線で読んでいるわたしとしては、怪我しないよう、魂燃やしてらっしゃい! と見守りたく存じます。しかし、やっぱり絵がとてもイイすね。大変魅力的なキャラクター達の、それぞれの表情が大変良いと思います。そして南雲ちゃんがやっぱりイチオシっすね! 以上。

 というわけで、2回にわたって「今週の『もういっぽん!』」なる記事を書いてみましたが、今週号はわたしが気になっているキャラクター、南雲ちゃんが出てこなかったのでお休みにしよう、と思い、今日は書くことねーや、と思っていたところ、さきほど、コイツが秋田書店から届いたので、写真だけ載せておこうと思うに至りました。見て下さい! ジャジャーーン!!
ku-ryu-
 いや、今自分で書いといて「ジャジャーン!!」はねえだろ、とか思いましたが、そんなことはどうでもいいとして、来ましたよ! 『鮫島』最終巻の帯に告知されていた、『空流Tシャツ』であります! 白と黒の両方買ったりました! サイズはSにしてみましたが、さっき試着してみたところ、まあ丁度良し、でありました。わたしは身長172cm体重55㎏なんすけど、Tシャツはやっぱチョイ小さめの方が絶対カッコイイと思うわけで、成人男としては若干ほそ目なわたしにはSで十分でありました。デカいTシャツってすげえカッコ悪いと思うんすよね。ピツピツもダサいけど。
 しかしまあ、季節は冬まっしぐらであり、今、このTシャツをゲットしても実際困っちゃうわけですが、半年後ぐらいすかね、春から夏にかけて、マジでわたしはコイツを普通に着て、街を闊歩しようと存じます。前から見たら分からんだろうし、背中の「空流」も、分かる人に分かれば十分だし、分からん人に「何だアレ?」と思われても全然どうでもいいし。コイツを着て国技館へ相撲見物に行きてえなあ!

 というわけで、結論。
 発注から2カ月で届いた『空流Tシャツ』。なんか嬉しいす。わーい! 以上。

↓ しかし今年の九州場所は……わたしの愛する松鳳山関は勝ち越しどころか10勝まで星を伸ばせたのは超嬉しかったとしても……上位がアレだと、やっぱりなんか、アレっすね……


 というわけで、今週の『もういっぽん!』でありますが、今朝、こんなニュースを見て、これはわたしのBlogも、やっぱり法に抵触しているのだろうか……という気もしております。
漫画あらすじ無断投稿 投稿者情報の開示命じる 東京地裁
 なので、かつての『鮫島ニュース』では、もう本当に興奮してしまったがゆえに、作中の台詞も大量に引用していましたが、今後は控えめにしようと存じます。それでもアウトなら……書くのをやめるしかないのかなあ……。これでも応援しているつもりなんですけどね……

 さて。
 今週の『もういっぽん!』は、巻中カラー扉です! いい絵ですなあ……。そしてまずは、未知&早苗&永遠の三人の、トレーニングに挑む苦しげな表情の3分割アップから開幕です。なにやら三人とも、ぬぎぎ…・・と力が入っている様子。ど、どした!?
 そしてページをめくると、そこは見開きです。なるほど、みんなで古タイヤを引っ張って走る、下半身強化中のご様子。柔道部らしいと言えばらしいけど、いまでもそういうトレーニングってやってるんですな? 顧問の夏目先生の監督の元、頑張る三人ですが、やっぱり永遠ちゃんがダントツの身体能力! この娘はやる子ですよ。早苗ちゃんはもうダメ~的に倒れていますが、永遠ちゃんは「もう一本!」と再びダッシュ。ははあ、なるほど、タイトルにはこの意味もあったんですな。
 というわけで、体力有り余る永遠ちゃんを眺めながら、主人公たる未知ちゃんは、まーた愚痴をこぼしております。高校に入ったらもう柔道はやらない、彼氏を作って楽しむぞ的な妄想をしてたんすけど、お下げ&眼鏡でお馴染みの早苗ちゃんは、そもそも休みにトレーニングしようと言ったのは未知でしょ、と真面目なツッコミ。それに対して未知ちゃんは、えー早苗でしょ、と責任転嫁のテキトーク。どうやら現在はゴールデンウィークの連休のようです。そう、先週描かれた通り、連休明けにはインターハイ予選が始まるものの、二人とも、自分の階級の体重を若干オーバーしているので、調整しないといけないのです。確か、早苗ちゃんは52kg級に出たいのに、先週時点では55.8kg。コイツはヤバいぜ!?
 しかし一方の永遠ちゃんは、先週時点で52kgぴったり、減量の必要なしのはずですが、一番張り切ってトレーニングを続けています。そんな永遠ちゃんを見つめる未知&早苗。二人は、最近よく笑顔を見せるようになった永遠ちゃんに、ちょっと嬉しそうですが……腹の虫がぐぅ…と鳴り、腹ペコなご様子。まあ、そりゃあ15歳でしょ? そらもう育ちざかりですよ。これはもうしょうがないすわ。
 というわけで、再びトレーニング再開、ラスト一本勝負だ!と未知&早苗は元気を出しますが、永遠ちゃんはさらにもう一本、と底なしのパワーです。そんな永遠ちゃんに、夏目先生はそのへんにしときなさい、インターハイ予選前に故障でもしたら元も子もないでしょと、きちんと指導。切りがついたところで、未知ちゃんは、じゃあ帰りにみんなでご飯行こうよ、と声をかけます。
 おいおい、君は体重大丈夫なのか? と心配になりますが、どうやら平日は、永遠ちゃんは遠くに住んでいるため、飯を食って帰ることが出来ないようで、誘われた永遠ちゃんは、静かに熱く喜んでいる模様です。なんか……いいすねえ……! 
 そしてタイヤをしまって帰り支度をしようとしたところで……わたしが注目する剣道部の南雲ちゃん登場です! 今週の南雲ちゃんは真面目モードです! 未知たちがしまおうとしたタイヤを、使うから一個置いといてくれと登場した南雲ちゃん。未知は終わるまで待っとこうか? 一緒にご飯…と誘いますが、南雲ちゃんは「今日はいい どんくらいやるかわからないし」とクールにお断りです。いつもよりだいぶ真剣モードの南雲ちゃんは剣道部期待の新人なのです。インターハイ予選のレギュラーにも選ばれているそうですが、そんな南雲ちゃんを、「……」と見つめる永遠ちゃん。いろいろ思うことがあるご様子です。そして何気に南雲ちゃんの腹の虫も「ぐるるうん」と鳴っていて、腹ペコなのは同じのようですが、今週の南雲ちゃんは真剣ですよ。しかし、余り無茶して、夏目先生が言ったようなことにならないといいのですが……
 そして場面はファミレスにやってきた柔道トリオ、未知&早苗&永遠の図であります。オイィ!? 「山盛りポテト」はマズいんじゃないか!? まあ、40過ぎるとホント謎に思いますが、どうして10代の頃って、たらふく喰っても翌日には元に戻ってるんすかねえ? 謎だよな……。おっと!永遠ちゃんも、超小声で、ライスのお替り行ったーーー! そして大盛りのオーダーだ! しかも恥ずかしそうな表情が大変イイすねえ! まあ、永遠ちゃんは体重制限大丈夫そうだからいいとして、未知はホントに大丈夫なのか? 真面目な眼鏡ちゃん、早苗ちゃんもあんまり食べたらまた体重増えちゃうよ、と若干心配そうですが、天然自由人の未知は、その時はその時、と軽く忠告をスルー。いいコンビですなあ。そして、未知ちゃんからは、「それに…団体戦は無差別級! 少しでも重い方が有利かもしんないしね」という情報が開示されました。なーるほど。そして「団体戦」には早苗ちゃんも思い入れがあります。中学時代は二人しかいない柔道部で、先鋒は不戦敗がいつも確定していたわけで、三人で出る「団体戦」が楽しみな未知&早苗。
 しかし、永遠ちゃんは「私も出て…いいんだよね」と謎の発言です。いやいや、今さら何を?と思ってページをめくると、そこには食い気味で当たり前じゃん!と永遠ちゃんに詰め寄る未知の図であります。このリアクションは、読者としてはそりゃそうだ、なんですが……どうやらなにかあるようで、ここで今週のタイトル「再会」が効くことになります。
 ちょっと離れた席にいた三人組。黒いジャージで、学校名は不明ですが、JYUDOと書いてあります。そしてツカツカと三人のテーブルにやってきたツインテール娘。彼女は「やっぱり氷浦じゃん」と永遠ちゃんを知っている模様。しかもなにやら、怒りの表情。こわごわと「お… お久しぶりです」なんて台詞しか出ない永遠ちゃん。この怒れるツインテール娘は一体……!? というところで今週は幕、でありました。
 なんつうか、日常系かスポーツ系かあいまいというコメントを先週いただきましたが、確かにわたしもそう感じていましたけど……それでもやっぱり来週が気になりますね。そして南雲ちゃんの今後の展開も大変気になります。
 おおっと、いっけねえ!
 まーた無駄に長文になってしまった……ので、ここらでおしまいにします。
 
 というわけで、結論。
 今週は、インターハイ予選に向けたトレーニングに励む三人の様子と、一人頑張る南雲ちゃん、そして、タイトルの通り謎の怒れるツインテール娘と「再会」した永遠ちゃんの模様が描かれました。アレっすかねえ、永遠ちゃんの以前のチームメイトで、ホントはみんなで同じ高校に、とかいう予定だったのに、永遠ちゃんだけ未知の高校に言っちゃっておかんむり。とかそういうことなのかしら。まあ、来週その謎は解かれると思って、来週を楽しみにしようと存じます。以上。

↓ とりあえず買いました。まあ、『もういっぽん!』に似たシチュエーション、ですな。面白いというか、かわいいすね。
やわらか
村岡ユウ
日本文芸社
2015-05-18

 わたしが愛した漫画『鮫島、最後の十五日』の著者である佐藤タカヒロ先生があまりに突然亡くなって、もう4カ月以上が過ぎた。
 いまだわたしは、ふと時間があると、『バチバチ』『バチバチBurst』『鮫島、最後の十五日』のコミックスを読んでしまうのだが、1カ月チョイ前から、佐藤先生の主戦場であった週刊少年チャンピオンにおいて、とある漫画の連載が始まり、わたしは毎週とても楽しみに読んでいる。
 そのタイトルは、『もういっぽん!』。
 女子高校生を主人公とした青春柔道漫画である。そしてこのタイトルを見れば、我々『鮫島』を愛した者ならば、明確に佐藤タカヒロ先生への想いが込められていることに気が付くはずだ。
 佐藤先生のチャンピオン連載デビュー作『いっぽん!』。
 明らかに佐藤先生の『いっぽん!』への敬意が込められた『もういっぽん!』というタイトルに、わたしは連載第1話からもちろん注目しており、そして確かな満足を得ている。コイツは面白い。これは期待できる、と。
 今現在、第1話が無料公開されているので、まずは読んでみていただきたい。
 →こちらです。http://arc.akitashoten.co.jp/comics/ipponagain/1
 で。この『もういっぽん!』を連載しているのが村岡ユウ先生である。村岡先生は、かつて同じチャンピオンにて『ウチコミ!!』という男子高校生が主人公の柔道漫画を連載していて、わたしも結構好きな漫画であったのだが、単行本を買うほどではなかった。また、村岡先生は、柔道が大好きなんでしょうな、チャンピオン以外の媒体でも柔道漫画を描いていて、なんだかそっちも単行本を買わないといけないような気もしている。それほど、わたしとしては現在の『もういっぽん!』がお気に入りだ。
 何がいいって、まず第一に、絵がいい。とても丁寧で、キャラクターも非常に可愛らしい。いわゆる萌え系とは全く一線を画す、正当な「漫画」の絵だと思う。そして、これまでの6話の中で、毎回必ずと言っていいほど登場する、見開きで描かれる「ザ・青春」な絵もとても印象的だ。これがとてもイイんすよ!
mouippon_01
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 おそらく著作権的に違法行為なのではないかと思うけれど、どうしても紹介したいので、上記2枚だけ、貼り付けさせていただきます。どうですか。この絵、とても素晴らしいと思いませんか。
 村岡先生の描くこれらの「ザ・青春」なタッチは、おそらく「放課後特有の光の表現」にあるのではなかろうか。部活終わり、あるいは部活中の、あの夕方特有の光。なんつうかもう、おっさん読者としては、とてもハートに直撃する絵だと思う。
 そしてわたしは「漫画」と「イラストレーション」は全くの別物だと思っているが、この村岡先生の画は、どちらかというと「イラスト」寄りでいて、でもやっぱりきちんと「漫画」の絵になっているようにも思える。こういった、「止めカット」が毎週1枚描かれているのだが、大変素晴らしい、上質な絵で毎週楽しみなのであります。
 というわけで、こうなったら毎週『もういっぽん!』の感想を書いて行こうかしらと思ってはいるものの、かつての「鮫島ニュース」のような熱をもって書けるか自信がないので、まあ、こ、これは! と思った時だけ、感想を綴ろうと思います。
 そして――実はもう何週も前から書こうと思っていたこの「今週の『もういっぽん!』」ですが、今までは、なんつうか、それほどキーボードをたたきまくりたくなるほど興奮はしなかったものの……今週はもう、とってもグッと来たっすね!
 これまでのお話をごく短くまとめると、主人公の【園田未知】ちゃんは、中学最後の試合で【氷浦永遠】という女の子に一本負けをし(しかも締め技でオチた)、これで柔道はおしまい、と区切りをつけ、親友で同じく柔道部だった【滝川早苗】ちゃんとともに高校へ進学。そしてその高校には、まさしく永遠ちゃんも入学していたのだが、柔道部は既に廃部。未知は柔道はもうやらないつもりだったけれど、ついうっかり永遠ちゃんを流れでぶん投げ、綺麗な一本を決めてしまう。そして、「いっぽん」の気持ちよさを思い出してしまい、未知・早苗・永遠の3人で柔道部を復活させることに……てなお話です。
 そして先週、やっと新生・柔道部の顧問の女性教諭が決まって、今週はその先生、【夏目紫乃先生】の柔道の腕前が描かれたわけですが……一つのポイントとして、未知を中学時代から剣道部に誘っている【南雲安奈】ちゃんというキャラがいて、いつも何かと未知に突っかかって来る、ある意味ツンデレ的な女の子がいるわけなんすけど……今週の南雲ちゃんの表情が、超イイ!! のです!
 夏目先生の過去というかいきさつは今後もっと詳しく描かれると思うけど、今週、夏目先生は自ら語りました。過去、どこかの学校で柔道部の顧問をやったことがあるようで、「一生懸命練習に励む生徒たちにみっちり鍛えられ…そして教えられた 知恵と工夫しだいで…権藤先生のような巨漢でも一蹴できるし 氷浦のような強者とも渡り合える それが柔道だと」
 そして先生は、未知たちに、自分が不在の時は乱取り稽古の禁止を通告します。それは、監督者不在だと、つい気が緩んだりして危ないから、だとか。先生は語ります。
 「大事にしなさい たった3年間の貴重な時間 棒に振るようになったら辛いからね」
 こういう先生の言葉が、一緒に体育館を使っている剣道部の南雲ちゃんの心にも刺さるわけです。そして、未知・早苗・永遠の3人組が、ある意味「楽しそうに」練習している姿がとってもうらやましい?のです! そして、その時の南雲ちゃんの表情が、もう、ホントに素晴らしいのですよ!! 今週のベストショットは南雲ちゃんの複雑な表情ですよ!
 今後、南雲ちゃんがまさかの柔道部入りしてもわたしは驚かないすね。でもずっとやってきた剣道から離れるとも思いがたいし、どうなるんですかねえ!? 今週ラストの様子だと、やっぱり南雲ちゃんの柔道部入りはない、かなあ……。
 というわけで、今週の『もういっぽん!』第6話には、「襟懐」というタイトルが付けられています。これは「心の中、胸のうち」という意味です。はたして南雲ちゃんの「襟懐」はいかに、というわけで、未知・早苗・永遠∔南雲ちゃんの4人が体育館で居残り練習する姿で終わりました。いやー、大変結構なお点前でありました!
【※追記:初出時、興奮しすぎたのか南雲ちゃんをずっと園田ちゃんと書き間違えていましたので修正しました。アホでした……!】

 というわけで、結論。
 そのタイトルからしてわたしの心にグッとくる漫画『もういっぽん!』。しかしチャンピオン編集部も非常に分かってますなあ! 連載開始からわたしは大変楽しませていただいている素晴らしい漫画なわけだが、もう、今週の南雲ちゃんの表情にグッと来てしまって、つい感想を書きたくなったわたしであります。村岡ユウ先生を応援するためにも、先生の過去作の単行本をさっそく買って読もうと思います。『ウチコミ』は連載時に読んでいたけど、思えば佐藤タカヒロ先生の『いっぽん!』と非常によく似た漫画だったすね。絵柄は全然違うけど。そしてユウ先生の描く女の子は大変可愛い! のは間違いないと思います。えーと、結論は何だっけ、そう、現在週刊少年チャンピオン連載中の『もういっぽん!』という漫画は大変素晴らしい! であります! 以上。

↓ これはスピリッツ連載だったみたいすね。買いますとも!

↓ こっちはゴラクだったらしい。ええ、買いますよ、もちろん!
やわらか
村岡ユウ
日本文芸社
2015-05-18

 というわけで、本日2018年10月5日(金)、わたしたちが愛した漫画『鮫島、最後の十五日』の単行本コミックス完結巻となる第(20)巻が発売になりました。same_20_FINAL
 こちらは、さっき買った電子書籍版の書影であります。後ほど、本屋さんで紙の書籍を買ってくるつもりでありますが、まだ、紙版ではどんな帯がついているのかわからないです。買ってきたら、追記として帯アリVerもここに掲載しようと思いますが、どうかな、帯ナシもあり得るのでしょうか。まあ、お昼には買って来ますので、少々お待ちを……。
 って、まあ、誰も待ってないと思いますが、一応、最後の、無念の、未完結となってしまったこの第(20)巻の中身を紹介しておくと、収録されているのは第170話から第176話までと、週刊少年チャンピオン2018年第43号にて大特集された「追悼色紙」が掲載されています。残念ながら、この単行本第(20)巻ではモノクロでの収録ですので、やはり、それら色紙が巻頭カラーで掲載された、追悼号のチャンピオンは、わたしにとっては永久保存版ということで、大切に保管しておこうと存じます。なんか、シュリンクしとこうかな。いやいや、シュリンクしたら読めなくなるから、うーん、ジップロックのデカいのでも買って来て、入れてみようかしら……。
【追記:もう待ちきれず、今買って来ました。そしてカバーと帯を外してそれぞれスキャンして、Photoshop合成してみました。つうかですね、いいキャッチだと思うし、なんつうか、本の薄さがもの凄く悲しいす……ちくしょう、薄いじゃねーか! と妙に泣けるっすわ……というわけで、紙の単行本と帯はこんな感じでありました表1折り返しもイイし、帯表4の「空流」Tシャツ販売は、これは買えってことだと理解しましたので、今、即ポチって発注しました。これを着ていく場所があるか分からんけど……】
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 はあ……というわけで、何度か号外として『鮫島』ニュースを書いてきましたが、これで、本当に書くことがなくなりました。
 「その後」に関する妄想記事も、実はそれなりに書いてみたものの、どうしても納得いくものが書けないし、これは技術的なことなので恥ずかしいのですが、PCブラウザでの閲覧を前提として、いろいろなメモを書いてみたところ、スマホで閲覧すると、レイアウトが超崩れるんすよね……何かそれもアレだし、やめておこうと思います。
 もし、ご要望があれば載せてみますが……まあ今のところは、これでお別れといたしたく存じます。

 佐藤先生、本当にありがとう。
 鯉太郎、ありがとう。
 さよならだけど、さよならじゃないぜ!

 ページをめくれば、いつでもまたみんなに会えるもんな。
 本当に、本当にありがとう!

 というわけで、結論。
 結論はもちろんこれしかないす。しつこいですが、もう一度叫びたいっす。
 いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね!
 そして、佐藤タカヒロ先生はマジ最高っす!
 以上。

↓ 本日発売であります! わたしは常に電子書籍で全巻持ち歩いております。
  

 恒川光太郎氏は、わたしが思うに、わたしが大好きなStephen King大先生に、日本の作家で最も近いテイストの作品を描く作家の一人、のような気がしている。その著作の全てを読んでいるわけではないけれど、新作が出ると、かなり気になるお気に入り作家の一人だ。
 というわけで、先日、わたしの愛用する電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERにて、コイン還元率の高いフェアを実施してる時に、なんか面白そうな作品はねえかなあ、と渉猟していたところ、おっと、これはこの前単行本で本屋さんに並んでた作品だな、よし、じゃあ、読もう! と買ったのが、恒川先生の新作『滅びの園』という作品である。新作と言っても、2018年5月発売だから、もう半年近く前か、出版されたのは。
滅びの園 (幽BOOKS)
恒川 光太郎
KADOKAWA
2018-05-31

 わたしは読み始めて、何故かすぐに、この話、オレ、読んだことがある、と妙な感覚にとらわれた。その理由は実はいまだに謎なのだが、推測するに、どうもわたしは刊行されてすぐのころに、試し読みかなにかで最初の部分を読んでいたのだと思う。完璧忘れてたけど、それしか考えられない。そして、その時なぜすぐに買って読まなかったのか、その理由も全く記憶にない。もう病気かもしんねーな……この異常な記憶力の低下は。
 まあ、そんなわたしの若年性ボケはどうでもいいとして、物語はというと、結論から言うなら、大変面白かった。つうかむしろ、超面白かった! と絶賛したいぐらいだ。おまけに結構感動作でもある。そして、物語が提示するある種の「究極の選択」に、わたしは非常に心が痛くなったのである。なんつうか……つらいというか……まあ、この世のあらゆるものに関して、ほぼ興味を失いつつあるわたしとしては、どちらかというと主人公サイドの気持ちの方が心地よいというか、理解できてしまうように思うけれど、でもなあ……うーん……。と、読み終わっていろいろ考えてしまうわけで、読者に強烈な問いかけをする物語だということは言えるように思う。
 まずは、物語の構成をメモしておこう。本作は、6つの章からなっているのだが、そのページ分量は結構バラバラで、次のような構成になっている。なお、ページ分量はわたしが読んでいた電子書籍の書式によるもので、紙の単行本とは全然一致しないと思います。
 第1章 春の夜風の町:60ページ分
 第2章 滅びの丘を越えるものたち 80ページ分
 第3章 犬橇の魔法使い 12ページ分
 第4章 突入者 57ページ分
 第5章 空を見上げ、祝杯をあげよう。 13ページ分
 第6章 空から落ちてきた男 33ページ分
 とまあ、こんな感じなので、かなりバラバラでしょ、分量的に。どうやら本作は、元々は第1章、第2章、それから第4章と比較的長い3つはKADOKAWAから出版されている『幽』という雑誌に掲載されたものらしい(※『幽』が定期誌なのかムックなのか分からんす)。そして短い第3章及び第5、第6章が書き下ろしだそうだ。うーん、ひょっとしたら『幽』掲載時に第1話だけ読んだのかもな……。ともあれ、物語は、ある意味短編連作風でもあって、各章で登場人物が違い、全体の大きな世界観を描いた構成となっている。それでは、各章ごとの内容を、ごく簡単にまとめておこう。
 以下は、完全に核心的なネタバレに触れる可能性が高いので、ネタバレが困る方は以下は一切読み進めず、今すぐ退場していただきたい。ネタバレなしに感想は書けないので。
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 ◆第1章:春の夜風の町
 冒頭は外回り営業に心身ともに疲れ切った主人公の様子が描かれる。名前は鈴上誠一。彼は、ほんの些細なきっかけで、ふと電車を降りて、駅の外へ。するとそこは、見たことのない土地で、住民とも微妙に話が噛み合わない。自分がどうしてここで降りたのか、ここはどこなのか、そんなこともわからずぼんやりしていると、電車にかばんを置き忘れたことに「あっ」と気付く。しかし、勤める会社は完全ブラック企業で、ああ、どうしよう、これはまたこっぴどく罵倒される……なんてことを思った時、誠一は、「もういいや」と頭の中で糸が切れ、「このままどこかに消えてしまいたい」と思うに至る。そしてとぼとぼと町を散策すると、そこは誠一にとって妙に居心地がよく、いろいろな「?」がありつつも、住民たちに溶け込み、そこで生活を始めるのだがーーてなお話で、誠一の感覚では6年が過ぎてゆき、その間、誠一はすっかりその謎世界の一員として生活し、友達も出来て、さらには結婚、そして子供までできる。ちなみにわたしは、ま、まさかこの世界は恒川先生の『スタープレイヤー』のあの世界なのか!? とドキドキしたけど、全然そんなことはなく、単にわたしの先走り妄想でした。
 で、幸せが誠一を包み、何の不満もなかったのだが、この謎世界には「魔物」なる存在がたまに出現し、それを住民たちが協力して退治していた。そしてある日、「人間型の魔物」が誠一の前に現れ、驚愕の事実を誠一に告げるのだった――という展開となる。
 まあ、ズバリ言うと、この謎世界の秘密、というか事実、は、明確に説明される。なんでも、地球上空に「未知なるもの」なる謎の存在がやってきて、そこから地表に「プーニー」と名付けられた、白くてスライム上の謎生命体が蔓延し、人類は滅亡の危機にあると。そして主人公の鈴上誠一は、理由は不明だけど、「未知なるもの」のコア(核)に取り込まれていることが観測の結果判明したらしい。そして誠一の前に現れた「人間型の魔物」は、誠一に、核の破壊を依頼しに来たというのだが……その正体はーーというラストに至る。
 問題は、そこで誠一が下した決断はーーということになるのだが、おそらくわたしも、誠一同様の選択をしただろうな、と思う。ま、だからこそ面白いと思ったし心に響いたわけですが、「現状の自分の幸福」を取るか、「将来の人類の幸福」を取るか、そしてこれは両方を同時に選べるものではなく、どちらかを選べば、一方は破棄されるという、サンデル教授的な「強制的な二者択一」である。
 わたしは「どちらがより善」なのか、というよくある哲学問答には、実際のところほぼ興味がない。いわゆる強制的な二者択一、という状況はほとんどが机上の空論であるし、第3の選択、第4の選択、第5の選択、そういった可能性を探るべきだと思うからだ。
 たしかに、ある程度普遍的な「善」なるものが存在するのは間違いなかろうと思う。しかし、その普遍的な善なるものが、自分自身の犠牲を強いるものであった時、それに背を向け、自らの幸福を求めて何が悪いというのだろう。わたしが誠一の立場だったら、まず間違いなく、誠一と同じ選択をしただろうと思うし、それをけしからんと思う人がいるとしたら、その人のことはとても信用する気になれないすね。嘘くさいすよ、自分が犠牲になることを強いるなんて。
 そりゃもちろん、犠牲の程度にもよるだろうし、かかっているものへの愛着?にもよるだろうと思う。わたしだって、今わたしが命を投げ出さねば、愛する者が死ぬ、とかいう状況で、どんなに考えても万策尽きたなら、そりゃもう、命をなげうつのにためらうことはないだろう。でも、誠一の状況はそうじゃあない。なにしろ、誠一は、完全にかつての人類生活を嫌悪し、何の未練もないのだから。要するに誠一にとって、もはや人類は救う価値がないのだ。そこにわたしは、妙に共感してしまったわけで、これは普通の読者なら、誠一の決断は断じて認められないのかもしれないな……という気もする。でも、残念ながらわたしには、人類に救う価値があるとはあまり思えないでいる。誠一ほど、まだ精神がイッちゃってないという自覚はあるけど、ま、実際、ほぼ何の未練らしきものはないすね。こんな感じで、第1章は「選択」を行った誠一の物語が語られて終わる。
 ◆第2章:滅びの丘を越えるものたち
 で、第2章である。今度は、「未知なるもの」がいかにして地球に襲来し、「プーニー」がどのように地球上で増殖していったのか、が「私」の目を通じて語られることになる。ここで事件を物語る「私」は、初登場時中学1年生の女子、相川聖子さんだ。ここでの物語でポイントとなるのは、「プーニ―」への耐性が人によって違っていて、弱い人はもう近づくだけで感染(?)し、自らもプーニ―に同化して死んでしまうのに対し、強い耐性を持つ人もいて、その耐性が検査によって数値化されているという点だろう。耐性100以上がAランク(※最弱のランクDが耐性0~10。100以上というのはかなり数値的に大きい)という中で、相川さんの耐性はなんと400越え。この数値だと、相当なプーニ―に囲まれても平気なレベルであるため、世がプーニ―に溢れ、対プーニ―処理班が結成されると、相川さんは中学生ながらスカウトされ、プーニ―処理の仕事を行っていくことになる。
 そしてこの第2章で描かれるのは、やっぱり人間の醜さ、と言ってもいいだろう。耐性の強い人への嫉妬が世を覆っていくのだ。しかもあからさまではなく、裏でコソコソと、である点がホント嫌になる。相川さんはその嫉妬の対象になっても、あまり動じないメンタルで、実に性格付けが面白い。これは相川さんの中1~成人過ぎまでの時間軸で描かれているのだが、相川さんの言動はかなりぶっきらぼうというか、どうも、あまり執着を持たない人物のようだ。ただし、あくまで「あまり」であって、「全然」ではないのもポイントで、ある意味人間らしいとも思える。
 そしてこの第2章では、プーニ―への耐性の強い人間には、プーニ―を操る能力が発現する可能性も描かれていて、相川さんは救助作業中に、とある「プーニ―使い」の男と出会う。その男、野夏 施(のなつ めぐる)は、相川さんよりもさらに強い、耐性500レベルだったのだが、自分の能力が発現したばかりの頃は、プーニ―の操作をミスって、何十人もの死者を出してしまったのだとか。それゆえ、野夏の存在が世に知られると、世論は「けしからん! 人殺しじゃないか!」と糾弾する人々と、「素晴らしい! せひその力でプーニ―を処理してくれ!」と救世主的に持ち上げる人とに分かれてゆく。なんか、すげえありそうな話ですよ、これは。そして第2章は、野夏の身に起きた事件で幕が下ろされるのだが、まあ、なんつうか、読んでいて実に残念に思ったし、やっぱり人類は救う価値なんてねえんじゃねえかなあ……と軽い絶望を禁じ得なかったす。
 ◆第3章:犬橇の魔法使い
 この章はとても短く、ある意味で幕間的なものだ。ここで描かれるのは、第1章の後の謎世界での誠一の様子で、さらに、第2章の野夏が謎世界にやってきて、誠一と知り合う様子が描かれる。
 ◆第4章:突入者
 この章では、再び地球上の話だ。人類の研究によって、「未知なるもの」がどうやら別の次元に属していて(それゆえ謎世界の誠一の感じる時間の流れと地球の時間はまったく違っていて、誠一は6年と感じていたが地球では20数年時が経っている設定)、「未知なるもの」の観測が進み、最初はモノを、そして次の段階ではヒトを「未知なるもの」へ送ることが可能となる。そして、その次元なんとか装置で送り込まれた人を地球では「突入者」と呼び、完全片道切符だけど人類の英雄として称賛されていることが語られる。そしてプーニ―耐性が強い突入者ほど、自らの姿を保ったまま謎世界で存在できるようで(耐性値が低いと謎世界では人間の形状ではなくなる)、第1章で誠一の前に現れた「人間型の魔物」こそ、人類が送り込んだ「突入者」であることが明らかになる。
 で、この第4章でのメインは、耐性500オーバーの大鹿理剣(おおしか りけん)という少年が突入者となって送り込まれるまでのお話だ。しかし……なんつうか、ここでも、嫌になるぐらい人間の醜さが描かれてゆく。耐性値の高い人間への嫉妬、あるいはクソ野郎の父親など、とにかくまともな人間の方が少ないぐらいの印象だ。そしてこの章のラストで、理剣は突入者となって派遣され、そのままの姿で謎世界で再構成され、さあ、夢の世界をぶっ壊すか! というところで終わる。
 ◆第5章:空を見上げ、祝杯をあげよう。
 この章は再び相川さん視点で、「未知なるもの」が崩壊し、地球が救われるまでの模様が描かれる。
 ◆第6章:空から落ちてきた男
 最後の章は、エピローグ的な物語だ。ここでは、「未知なるもの」崩壊後、空から落ちてきた第1章の主人公、誠一のその後が描かれる。そして誠一視点での、魔物=突入者との最終決戦も語られるのだが、何とも実に悲しいお話であった。しかし、世論としては、またしても「誠一は被害者で、責められるべきではない」とする意見と、「事件の元凶だ、許すまじ!」という意見に分かれるという様相を呈してしまう。
 誠一はラスト近くで、人類を「下劣で醜い生物」と断じる。ま、実際のところ、今の人類は、ごく少数の声のデカい奴が世論を動かし、自分に甘く他人に厳しい連中が常に人を貶めようと隙を狙って攻撃してくるし、闘争に明け暮れ、殺し合いに余念がないわけだから、わたしも、主人公による「人類=下劣で醜い存在」だという断罪にはかなり同意したいようにも思う。
 しかし、そうはいっても、自らもその人類の一員であることは間違いなく、さらに言えば幸福が何らかの「犠牲」のもとにある、とか言われたら、うーん……やっぱりその犠牲に対して、そんなの知るかとほっとくことも出来そうにないだろうな……。なので、どうしてもわたしは誠一サイドに共感してしまう一方で、相川さんや野夏、理剣の行動も十分理解できるし、彼らを善悪の強制的な二者択一で評価したいとは全然思わない。
 おそらく、わたしがこの物語を面白いと思ったのは、実のところキャラクターたちの言動というよりも、キャラクターたちそれぞれが「納得」をして行動しているその姿そのものにあるのではないか、という気がする。もちろん彼らも葛藤する。しかしその葛藤は、「納得」をへて行動に移ってゆくわけで、そこには極限状態であっても、強制されない自由な人間の心があって、その点にわたしはグッと来てしまったのではなかろうか。
 なんつうか、描かれている事件そのものは完全ファンタジーだけれど、一方で描かれる人間の心情は極めてリアルで、そういう点でも、やっぱり恒川先生はKing大先生に通じるようなものがあるように思えますな。いやはや、大変楽しい読書時間を過ごせました。ズバリこの作品は、オススメであります!

 というわけで、なんか同じようなことばかり書いてるしクソ長いので結論。
 わたしのお気に入りの作家の一人である、恒川光太郎先生の新作『滅びの園』を読んでみたところ、実に興味深く、非常に考えさせる物語で、わたしとしては実に面白かったと絶賛したい気分であります。まあ、映画だとこういった「人類共通の敵」のようなものに対して、国家を超えて人類が団結する、みたいな話や設定が多いけれど、わたしはひそかに、そんなことにならないだろうな、と思っている。常に利害が対立して、意志がまとまることなんかないのではなかろうか。もちろん、それが悪いと言いたいのではなくて、まとまることはなくても、どういうわけか、全体としてみると、よりよい善にいつの間にか向かっている、という作用が人類には働くような気がしますな。無責任に言うと、なるようになる、ということかな。いや、そうじゃないな、なるようになっても、何とかなる、というべきか。つまり、どんな状況に陥っても、意外と受け入れられちゃう、あるいは慣れてしまう、ということで、そこに至るまでにはおそらく厳しい選択によって弾かれる人も多いだろうけど、まあ、それが淘汰ってやつで、適者生存なんでしょうかね。何が言いたいかもうさっぱりわからなくなってきたので、以上。

↓ そういやこれも読んでないな……と思いきや、これは双葉社から出ていた作品『金色の獣、彼方に向かう』を改題して」出し直したものだそうです。なーんだ。
異神千夜 (角川文庫)
恒川 光太郎
KADOKAWA
2018-05-25

 いやーーー最高に面白かったすねえ!!
 というわけで、時間がかかってしまったけれど、やっと読み終わりました。なんのことかって? そんなのコイツのことに決まってるでしょう!! わたしが世界で最も愛する小説家、Stephen King大先生の、日本語で読める最新作、『END OF WATCH』のことであります!! ちょっともう一度、わたしが撮影した書影を貼っとくか。これっす!
endofwatch
 もう既にこのBlogで何度も書いていることだが、本作はKing大先生初のミステリー「退職刑事ビル・ホッジス三部作」の3作目であり、堂々の完結編だ。そしてお話は、前作『FINDERS,KEEPERS』のラストで示されたというか、予感させた通り、なんと! シリーズ第1作の『Mr. MERCEDES』でブッ飛ばしてやった犯人であるあのクソ野郎が大復活し、またもや邪悪な行為を開始するというものだ。そのメインプロットはもう最初から分かっていたけれど、かなり予想を超えた展開で、もうホントにハラハラドキドキが止まらない最高の物語でした。
 つうかですね、今回のラストは泣けたっすねえ……そしてタイトルの意味が最後に明確になるところでは、わたし、ホントに眼に涙がこみ上げてきちゃったすわ……。
 さてと。
 ところで、King大先生のファンならばもうお馴染みだと思うが、わたしはKing大先生の作品を、以下のような感じに分類できると思っている。それは、2つの軸によって4つに分けられるとわたしは考えているのだが、その2つの軸とは、「黒キング or 白キング」という軸と、「SUPER NATURAL要素アリ or ナシ」という軸だ。
 図にすると、要するにこういうことである。 
SUPER NATURAL
な存在・現象・能力
アリ
SUPER NATURAL
な存在・現象・能力
ナシ
黒キング作品
どす黒い「邪悪」
との対決物語
【A象限】
UNDER THE DOME
IT、THE STAND
DR.SLEEP など多数
【B象限】
MISERY
Mr. MERCEDES
FINDERS,KEEPRESなど
白キング作品
読後感爽やかな
感動物語
【C象限】
11/22/63
GREEN MILE など
【D象限】
THE GIRL WHO LOVED TOM GORDON、
JOY LAND
など
 まあ、上記の分類には、異論を抱く方もおられるだろう。実のところわたしも、この作品はここでいいのかな、とか、若干迷いながら書いたし。『JOY LAND』なんかは実際には【C象限】に含めるべきかもね……など、明確には分類できないとも思う。しかしわたしがなぜこんな分類をしてみたのかというと、明確な理由がある。それは、この「ホッジス三部作」は、1作目の『Mr. MERCEDES』2作目の『FINDERS, KEEPERS』の作ともにSUPER NATURAL要素ナシの【B象限】に属していたのに対し、第3作である本作『END OF WATCH』では、ついに! SUPER NATURAL要素が極めて重要な要素として混入してきたのである! しかも、敵は、まさしくウッドチャックのケツの穴並みに真っ黒な、邪悪の化身であるので、これはもう、明確に「黒キング」作品なのだが、前述のように、泣けちゃったほどの感動物語で、わたしとしては「白キング」作品にも入れたい、と思えてしまうのだ。こういう、SUPER NATURAL要素アリで、邪悪との対決を描き、ラストは感動で泣ける、という作品は、わたしとしては『THE DEAD ZONE』以来のように思えてしまい、そこにわたしは大変興奮しているのであります。いやあ、ホンットに面白かったす!!
 どうしようかな、物語を簡単にまとめておこうかな……まあ、物語は、シリーズを読んできた方ならば、既に上の方に書いた「あのメルセデス・キラーが大復活! そして再び邪悪な計画が実行に移される!」というだけで十分かもしれないな……。これまた上にも書いたことだが、第2作のラストで、その予告というか予感はさせていたのは、誰しも記憶していることだろう。前作ラストで、事件が終結し、主人公ホッジスがアイツの病室を訪ねた時の描写で、どうやらあのクソ野郎に謎の超能力が発現した……のかも!? 的エンディングは衝撃であった。
 そしてその予感は、本作で現実のものとなってしまったのです。第1作でホリーに頭をブッ叩かれ、脳に深刻なダメージを負って病院送りとなったメルセデス・キラーことブレイディが、なぜそんな謎能力に目覚めたのか。それは本作では明確? には語られない。脳がシェイクされて再組成された結果かもしれないし、バカな医者のバビノーによる新薬実験の結果かもしれない。しかし、原因よりも、あの邪悪なブレイディが念動力めいたパワーを得てしまったという結果がマズいわけで、もうこれはヤバいこと請け合いである。さらに、ちょっとしたものを動かせるだけでなく、他人の脳みそに入り込んで、「人間リモコン」として自由に動かせるようになっちゃうのだから、さあ大変だ! しかも、我らが主人公ホッジスは、もうかなり冒頭でガンに蝕まれていることも判明する。もう70歳直前という年齢のお爺ちゃんだし、ガンの痛みもあって、動きもままならない。果たしてそんな状態のホッジスは、「自殺の設計者」ブレイディを阻止できるのか―――!? というハラハラドキドキのストーリーであります。サーセン、ダメだ、ネタバレなしには書けないので、気にする方はここらで退場してください。
 というわけで、以下、キャラ別に思ったことを羅列していきたい。
 ◆ビル・カーミット・ホッジス:シリーズの主人公。元刑事。1作目の『Mr. MERCEDES』の最初の事件が起きた時は2009年で(物語自体は2010年ごろ?)、2作目の『KEEPRES,FINDERS』が2014年だったかな(※2作目では登場シーンも少なくそれほど活躍しない)。そして今回の『END OF WATCH』が2016年のお話である。まあ、ホッジスは退職後、燃え尽き症候群的な精神的どん底にあったところで、メルセデス・キラーから自殺を誘惑するような手紙がきて、再び闘志を燃やして生きる道を見つけたわけだから、ある意味、第1作目の事件が起きたことに救われたともいえるような気がする。
 今回は、既に69歳、体の異変が起きていて(そもそも第1作ラストでは肝心な時に心臓発作でブッ倒れていた。以後、ペースメーカー着用)、もうかなり序盤で、今回の事件をもってホッジスは天に召されるのだろう、というのは誰しも感じたことだろう。そしてその最後の命の炎も、メルセデス・キラーの再登場によって燃え上がったわけで、その最終的な決着には、まさしくタイトル通り、「END OF WATCH=任務終了」という言葉がふさわしいと思う。ラスト、ホッジスの墓標にそのEND OF WATCHという言葉が刻まれているシーンには泣けたっすなあ……見事な、まさしく、大団円、であったと思う。おそらく、本作は明確にドス黒い邪悪との対決が描かれている「黒キング」作品なのに、それでもこれはやっぱり「白キング」作品に入れたい、とわたしが感じるのは、このホッジスを中心とした「善」の側のキャラクターたちがとても生き生きしていて、そんな彼らが多くの困難ののちに明確に勝利し、爽快な読後感をもたらしているためではないかと思う。
 ◆ホリー・ギブニー:そして、その「白キング」感を一層高めるのに貢献しているのが、ホリーの存在だ。ホリーは第1作目で、ホッジスがイイ仲になる女性の姪で、40代なのだが、精神的に不安定で問題のある女性だ。そんな、超人見知りで、常にビクビクオドオドしていたホリーが、シリーズを追うごとに成長していき、どんどん魅力的になっていくのが読んでいてとてもうれしいんすよね。
 今回もホリーはホントに成長しましたなあ……そして得意技のPCスキルでもちゃんと活躍してくれるし、ホッジス亡き後の「ファインダーズ・キーーパーズ探偵事務所」は任せたぜ。ラストのジェロームとの会話は、ホント、グッと来たっすわ……。
 ◆ジェローム・ロビンスン:第1作の時点では高校生、そして第2作目でハーヴァードに進学した頭が良くて性格もイイ、完璧イケメンの黒人青年。ホリーが成長できたのはホッジスと君のおかげだよ。今回、ジェロームはハーヴァードを休学して、NGO活動をして遠くに離れていたのだが、妹のバーバラが狙われたこと、そしてホリーからホッジスのガンのことを聞いて急遽実家へ戻ってくる。なので出番は後半から。そしてラストでは、当然ここでジェロームの出番だろ、というタイミングで登場して、ホッジスとホリーを助けてくれるナイスガイ。まあ、君はモテるだろうけど、ホリーのことも見守ってやってくれよ……。とにかく、ホッジス&ホリー&ジェロームの三人組は、King大先生の作品史上、とても心に残る「善」のチームでした。ああ、もうこれから新作が出ないなんてホント残念す……。
 ◆ブレイディ・ハーツフィールド:悪名高き「メルセデス・キラー」。第1作のラストで、コンサート会場を爆破しようとした1秒前に、ホリーにボールベアリングを詰めた靴下(ホッジス愛用の武器「ハッピースラッパー」)で思いっきり頭をぶん殴られ、あえなく逮捕、そして昏睡状態のまま病院に拘留された。恐ろしく邪悪で、ドス黒い精神がねじ曲がったクソ野郎で、その後、第2作目では目を覚ましたことが描かれるけれど、完全に脳が破壊されて自力では動けない、言葉もしゃべれない、単に目を開けているだけの廃人、だったはずだが……前作ラストで、なにやら念動力めいた謎パワーを授かっていることが描かれ、我々読者としては、な、なんだってーー!? と大興奮したわけだ。
 今回、フレイディは「他人の脳みそに侵入して自由に動かす」謎能力で、またもや多くの人を自殺に追い込み、大量殺人を実行するのだが、第1作では、たとえばジェロームの家の愛犬をぶっ殺そうと、毒入りハンバーグを準備したのに、それをブレイディが唯一愛するお母さんが夕食に食べちゃって死ぬとか、意外とバカな男だったのに、今回のコイツの計画は、かなり手が込んでいて(何しろ計画を立てる時間だけは存分にあった!)、しかも、おそらくは科学的に立証するのが非常に難しため、こりゃあ、コイツが何かミスをしないと、ホッジス達に勝ち目はないのでは? と相当ドキドキ感は高かったと思う。実際、ブレイディの犯したミスは、フレディの死を確認しなかったことだけだろうし。まあ、最終的に、やっとコイツとの決着がついて、ホントスッキリしたよ。あばよ、悪党!ですな。
 ◆フェリックス・バビノー:ブレイディの謎パワーで精神を乗っ取られ、その肉体は主犯の実行犯「ドクターZ」として操られることになる医者。元々、ブレイディを被検体として新薬実験とかをしていた医師で、まあ、あまり褒められたところのない金持ちで嫌味なおっさん。なんとなく、ハンニバル・レクター博士を利用しようとしていたドクター・チルトンに似てますね。なので、大変気の毒なことになるけど、あまり同情する気になれないす。実際、嫌な人でした。
 ◆アル・ブルックス:「図書館アル」と呼ばれ、病院内で入院患者に本を配ったり雑用をこなしていた老人。彼は何の落ち度もなかったのに、ブレイディにちょっと優しく接していた?がために、精神を乗っ取られ、実行犯の一人「Zボーイ」に変身、そして散々な目に。彼はかわいそうな方でした。その最後も実に気の毒……。
 ◆フレディ・リンクラッター:名前からはイメージしにくいけど女性です。おまけにフレディとブレイディが名前が似ていて紛らわしい! 本人曰く「レズでタチ」ですが。彼女は第1作に出てきた、ブレイディの元同僚でPCオタク。今回、精神を操られながらも金目当てにブレイディの悪事に協力してしまう。その手口が凄くて、「ザビット」という倒産した会社が作っていた携帯ゲーム機を利用して、使用者の深層心理に働きかけ、精神をのっとり、自殺を促すという極めて邪悪なやり口。それを拡散する手伝いをすることに。そして最終的にはドクターZに撃たれるのだが、辛くも命は助かり、ホッジス達に情報提供することに。まあ、この人は操られていたとはいえ、善人ではないですな。
 ◆ピート&イザベラ:ピートは刑事時代のホッジスの相棒で、まだ現役だけど退職間近。そしてイザベラはピートの現相棒の女性だが、コイツがバカなんすよね……。この女刑事が有能なら、もう少し被害は少なかったのにね……。
 とまあ、主なキャラクターは以上かな。
 しかし、それにしてもKing大先生の旺盛な執筆欲旺盛な姿勢は、本当にすごいと思う。現在御年71歳。もうホッジスの年齢を超えるおじいちゃんなわけで、これだけの年齢&大ベストセラー作家という世間的名声があるにもかかわらず、執筆ペースは全く衰える様子もない。ホント、年に1冊以上ペースだもんなあ……これは、日本の作家にはまず見られないものだ。大御所になると、もう作品じゃなくて講演やらなにやらにかかりきりで、作家であることの証明=作品を発表すること、が完全に二の次になってしまう方が多い。そんな中でも、例えば日本で言うと、佐伯泰英先生のように、年に数冊ペースで新刊を発表してくれている立派な方ももちろん存在はしているけれど、基本的にシリーズもので、ゼロからの創作ではない場合が多い。しかしKing大先生は、この「ホッジス三部作」が例外的にシリーズものなだけで、基本的には1冊完結なので、ちょっと比べられないだろう。しかもそのページ数というかボリュームもMAXレベルだし。そしてその著作は次々と映像化され続けているし。この「ホッジス三部作」も、現在『Mr. MERCEDES』はTVドラマとして製作され続けてるし。ほんと、King大先生は偉大ですよ。King大先生とその作品はマジ最高っすわ!

 というわけで、結論。
 わたしが世界で最も好きな小説家、Stephen King大先生の日本語で読める最新作『END OF WATCH』が発売になったのですぐさま買い、むさぼるように読んだ。結果、超ハラハラの展開でページをめくる手が止まらず、おまけにラストはとても感動的で、わたしはうっかり涙を流しそうになったほどだ。どす黒い「邪悪」と敢然と立ち向かい、数々の困難を経ての完全勝利には、とても爽快で気持ちのイイ読後感が得られると思う。コイツは最高に面白かったすね。見事なシリーズ大団円だったと思います。ま、要するにですね、いやあ、Stephen King大先生は最高だぜ! ってことですな。以上。

↓ わたしは観てません。どうも、役者が読んでいた時のイメージと違い過ぎるし、そもそもホリーの設定が全然違うっぽいので。
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ブレンダン・グリーソン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
2018-10-03

 わたしがこの世で最も好きな小説家は、ダントツでStephen King大先生であるッ!
 ということは、このBlogにおいてもう何度も書いてきたが、来ましたよ! King大先生の日本語で読める最新刊が! そしてそれは勿論! 「退職刑事ビル・ホッジス」シリーズ第3弾にして完結編の『END OF WATCH』(日本語タイトル:任務の終わり)であります! やったー!
endofwatch
 日本の出版業界の慣例として、書籍はいわゆる「公式発売日」の前日には書店店頭に並ぶことが多く(※都内ならば)、実のところ2営業日前には本屋さんに届いちゃう場合も多くて、わたしは文藝春秋社が公式にアナウンスしている9月21日発売という日付から、ひょっとしたら、今日もうおいてあるかもな、と昨日の会社帰りに本屋さんに寄ってみたところ、実はまだ棚には陳列されていなかったけれど、その近くの運搬用ワゴンにひっそり置かれているのを発見して(誰がどう見ても、もう客が手に取って買っていいような状態だった)、おおっと! あった! やった! わーい! と内心超ニヤニヤしながら、外面は超クールな顔をしてレジに向かい、購入し、さっそく帰りの電車内で読み始めたのであります。
 ズバリ言うと、ファンならもう、のっけから大興奮ですよ、これは。詳しい感想は読み終わってから記しますが、いやあ、コイツは相当面白そうすねえ! 物語には全く関係ないことですが、わたしはとにかくKing大先生のDirty Wordが大好きでありまして、今回、一番最初のp.9で、わたしとしてはもうホント最高だな! と笑っちゃったDirty Wordが二つも! あったのでメモしておこう。なお、まだ英語原文を当たっていないので、翻訳した白石先生の日本語訳です。
 「きょうの朝はウッドチャックのケツの穴並みに真っ暗で、時刻は夜明け寸前だったからだ」
 「(とある人物がマクドナルドの看板を見つけて)やったぞ! アメリカの黄金のおっぱいだ!」

 いやあ、こういう表現が大好物なんす、わたくし。夜明け前の真っ暗闇を「ウッドチャックのケツの穴並みに真っ暗」だとか、マクドナルドのM(ダブルアーチ)を「黄金のおっぱい」と表すなんて、King大先生以外にはいないすよ。ホントに最高すね! 
 そして現在上巻の120ページほどまで読み進めているわたしだが、コイツは相当ヤバいすねえ……! ホッジスは完全に大丈夫じゃなさそうですな。p.35というほぼ冒頭の描写からも、ああ、こりゃあきっと最後は……という予感がひしひしと伝わりますね。そしてタイトルの『END OF WATCH』というのがどういう意味なのかは、p.28に書いてあった。曰く、警官が退職することをEND OF WATCH(任務終了)というそうです。そしてこの言葉の本当の意味は、これからもっと深く明らかになると思うので、そうだなあ、上下巻で1週間はかかるかな、ゆっくりじっくり、味わおうと存じます。

 というわけで、さっさと結論。
 日本全国のStephen King大先生のファンが待ち望んだ『END OF WATCH』日本語版。いよいよ明日発売ですが、まあ、都内近郊なら、本屋さんに行けばもう置いてあるかもしれないすよ! そしておもむろに手にし、自動的にレジへ向かってください。そこには一切の思考は必要ありません。間違いなく今すぐ買いです。文庫になるまで待つのは、もうわたしはやめました。どうせ数百円しか違わないし、特急料金として、単行本ですぐに読む方がいいと思います。そして電子書籍は紙の書籍同様、明日から配信開始ですが、わたしはKing大先生の作品だけは、本棚にずらりと並べて悦に入りたいおっさんなので、さっさと紙書籍を買いました。ちなみに、電子書籍は紙書籍版より結構安い価格設定になってるようです。しかしなんつうか、いやー、やっぱりKing大先生は最高すね! 以上。

↓ ネット書店で買うのではなく、本屋さんへ行かれてみてはどうすか? いち早く読めますよ! たぶん! そしてアマゾンだと、紙版よりも200円以上、Kindle版の方が安いみたいです。
任務の終わり 上
スティーヴン・キング
文藝春秋
2018-09-21

任務の終わり 下
スティーヴン・キング
文藝春秋
2018-09-21






 今日、2018年9月20日(木)は、大相撲平成30年9月場所12日目であります。今日を含め、現実世界の大相撲は残り4番。奇しくも、我々が愛した『鮫島、最後の十五日』は、本当に、心の底から残念ながら、9月場所13日目を描いたところで終了してしまいました……。。。
 というわけで、先週の予告通り、本日発売の週刊少年チャンピオン2018年第43号は「追悼 佐藤タカヒロ先生」と思いっきり背にも明示された「バチバチ特大号」となっております。表紙は、佐藤先生が最後に遺された鉛筆画が用いられており、わたしは……もうその表紙だけで、なんか……泣けそうになっちゃったす……。悲しくて……悔しく?て……。商品画像ということで、著作権的な問題はお許しいただきたく、ここに今週の週刊少年チャンピオン2018年第43号の書影を載せたいと思います。
champ43-01
 これは電子版のスクショですが、紙雑誌版もわたしは当然買いました。ほんの少しだけ、デザインが上記電子版と紙雑誌版は異なっています(※電子版は現在『バチバチ』を再連載中なのです)。そしてわたしは紙雑誌版を買うのに、最寄り駅のセブンとローソンは置いておらず、会社近くのファミマでやっとGetしました。ほんと、すっかり電子に乗り換えちゃったので気が付かなかったすけど、コンビニに置かれる冊数が減ってるんですかねえ……つうか、雑誌コーナー自体がすっごく縮小されてて驚いたす。なので、見かけたら、ぜひ「買い」でお願いいたしたく存じます。
 そして内容ですが、わたしとしては週刊少年チャンピオン編集部の想いが詰まった、素晴らしいものと称賛いたしたく存じます。ここに、その前文として記された編集部の想いを、敬意を込めて全文掲載してご紹介させていただきます。
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 2018年7月3日未明、今号の表紙を飾る鉛筆画を仕事机に遺し、佐藤タカヒロ先生が急逝されました。止むを得ず、7月12日発売の小誌33号にて、誰もが望まない形で最終回を迎え、2009年より約9年間にわたり紡がれてきた、『バチバチ』『バチバチBURST』『鮫島、最後の十五日』の大相撲巨編「バチバチシリーズ」に幕が下りました。
 多くの人に愛され、多くの人を魅了したこの未完の大作に対して、そして小誌を支え続けた作家の真摯な熱筆に対して、我々に出来ることは何か? それはただ一つ、哀悼の意と熱を込めた編集作業のみと思い至り、ここに追悼号を企画しました。
 先生の遺した魂である作品は生き続け、決してなくなりません。読者の皆様のご愛顧に感謝し、また新たな応援をいただけるように、この追悼企画で少しでも未完の大作の持つ、佐藤タカヒロ先生が込め続けた熱量を感じていただけたら幸いです。
 週刊少年チャンピオン編集部
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 はーー……書いてて泣けてきた……編集部の皆さん、ありがとうございました……。。
 そしてその大特集の内容ですが、先週の告知通り、3つの企画から構成されています。
 1)カラー追悼色紙展
 皆さんの選ぶ絵柄も、それぞれで、とりわけわたしとしては、虎城理事長を描いてくれた石黒正数先生の色紙や、阿吽の兄貴を描いてくれた増田英二先生、それから、熱いメッセージをくれた板垣恵介先生の言葉がやけに胸にしみるす……。そして、ジャンプで『火ノ丸相撲』を絶賛連載中&アニメ放送開始直前(鮫島のアニメが見たかった……!)の川田先生も、色紙を描いてくださっています。泣ける……。
 2)シリーズ全カラー掲載録
 眺めていると、ホント、なつかしいというか……つうかですね、ページの随所に、これまでの「名セリフ」がちりばめられているのですが、くっそう……泣けるというか……本当に悲しいす……。
 3)巨弾52P鮫島鯉太郎全取組絵巻
 ここからはモノクロですが、これは気合の入った企画ですよ。担当編集の頑張りをたたえたいと思います。そして改めてこの52ページを読むと、どうしても、胸に迫るものがありますなあ……わたしはやっぱり、泣いちゃったすわ……。。。はあ…………。。。

 そして、今週号にも、カラーで単行本告知が載っていましたので、これも広告ということで、著作権的なものはお許しいただいて、ここに載せておこうと思います。
same_20
 この自社ADによれば、どうやら最後の単行本(20)巻は、カバーには今回のチャンピオンの表紙同様に「最後の鉛筆画」を使用するとのこと。まあ、そりゃそうするしかないすよね。まったく正しいと思います。そして、今回の追悼色紙も収録するそうです。でも、どうだろう、カラー収録はされないすよね、きっと? なので、やっぱり今週のチャンピオンは、わたしとしては永久保存版として、明確に「買い」であると、皆さんにお勧めしておきたく存じます。つうかですね、この追悼色紙の一番最後に、なんと先生の奥様の色紙があるのですが、そのメッセージは……もう泣くしかないす……。

 やっぱり、わたしとしては佐藤先生の作品を、ずっとずっと、忘れないでいたいと思います。そして今後も、周りの人々や、わたしがこれから出会う人々へ、こんなすげえ漫画があるんだぜ! とお勧めしまくろうと思います。佐藤タカヒロ先生、本当にありがとう。先生と先生の作品は、マジ最高だよ!!

 というわけで、結論。
 今週のチャンピオンは、「買い」でお願いします。
 そしてもう、どう考えても、いつも通り、これしかないす。
 いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね!
 そして、佐藤タカヒロ先生はマジ最高っす!
 以上。

↓ わたしがあと何年生きるか知りませんが、生きている限り、佐藤先生のコミックスがわたしの部屋の本棚に存在し続けることは確定的に明らかです。


 現在、劇場公開されている映画『検察側の罪人』。

 3週終わった時点で19億強の興行収入となっているそうで、なかなかのヒットで大変喜ばしいことだが、わたしも、上記の予告を観て、これは観たいかも、とは思っていたものの、監督がわたしの好みではない方なので、まあ、これはWOWOWで放送されるのを待つか……とあっさり見送ることにした。のだが、そうだ、じゃあ、原作小説を読んでみよう、という気になった。
 そして読み終わった今、改めて上記予告を観ると、これはちょっと、ひょっとしたら原作とはそれなりに違うところがあるのかもな……という気がする。ま、その予感が正しいのかどうかは観てみないと分からんので、1年後ぐらいにWOWOWで放送されるのを楽しみにしようと思う。
 というわけで、本稿はあくまで原作小説についての感想だ。大変申し訳ないが、核心に迫るネタバレに触れないと語れそうにないので、ネタバレが困る方はここらで退場してください。ネタバレなしでは無理っす。※追記:さっき映画を観た人と話したら、どうやら映画と小説はかなり結末部分が違うみたいすね。なので、小説のネタバレが困る方は以下は読まない方がいいと思います。
検察側の罪人 上 (文春文庫)
雫井 脩介
文藝春秋
2017-02-10

検察側の罪人 下 (文春文庫)
雫井 脩介
文藝春秋
2017-02-10

 物語としては、極めてまっすぐに進むので、妙な謎解きとか読者をだまそうとするような著者の小手先の惑わしのようなものは一切なく、サクサクと展開していく。非常に心地いい、と言ってもいいと思う。ただし、描かれている内容自体は、全くもって心地よくない。実に重く、苦しいお話だ。
 ごく簡単に物語をまとめると、蒲田で老夫婦が刺殺される事件が起こる。その背景には金の貸し借りがあって、どうやらアヤシイ容疑者は何人かいる模様だ。そして警察及び検察はアヤシイ奴らのアリバイを洗って、容疑者を絞っていくわけだが、その中に一人、23年前に根津の女子中学生殺人事件で容疑者となっていた男、松倉がいた。そしてその根津の事件は、主人公の一人である現在の東京地検検事、最上が学生時代に住んでいた学生寮のお嬢さんであり、最上自身も仲の良かった女の子が殺された事件で、すでに時効が成立していた。蒲田の事件捜査が進む中、松倉は激しい取り調べによって、確かに23年前の事件は自分がやったと自供、だが蒲田の事件は全く無関係だと主張し、否認する。そして捜査が進むと、蒲田の事件には別の真犯人がいることが判明するが、最上はその証拠を握りつぶし、真犯人を自らの手で処刑し、時効で逃れた23年前の事件を償わせるために、松倉を蒲田の事件の犯人として起訴するのだがーーーてなお話である。
 こうまとめると、かなりトンデモ系というか、相当無理やりなお話のように聞こえるかもしれないが、無責任な読者であるわたしは、読みながら最上に共感しつつ、果たして物語はどのような結末に至るのだろうか、とドキドキしながらページをめくる手が止まらない状態であった。
 もうちょっとうまくやれたんじゃね? とも思う。しかし実際無理だろ、と思ってしまうし、最上の行動が正しいのかと問われれば、そりゃあもう、純然たる「犯罪」に他ならない。じゃあ、なんかいい手はなかったのか? と思っても、はっきり言って皆目見当がつかない。もし自分が最上だったら……と考えると、おそらく登場人物の中で最もブレない、最上の行動は、わたしとしては本作の中で最も筋が通っていたように思う。人殺しには違いないのだが……。
 一方で、最上と対峙する若き検事、沖野に関しては、わたしはやっぱり共感できなかった。おそらくは、沖野が最も法に忠実で正しいのだということは認めるしかないだろう。ある意味、沖野の言動や沖野の感じる法感覚は最も「あるべき正義」であったとは思う。でもやっぱり、もはや50に近い、25年以上仕事をしている人間から見ると、ガキは引っ込んでろ! と思ってしまうのも正直な感想だ。ズバリ言ってしまえば、あらゆる経験が足りていないアラサーぐらいのガキにとやかく言われることは、我々アラフィフ世代には一番腹が立つことだ。最上がラストに言う言葉、「君には悪いことをした。君のような将来ある人間を検察から去らせてしまった。そのつもりはなかったが、結果としてそうさせてしまった。それだけが痛恨の極みだ。ほかには何も悔いることはない。俺はそれだけだ」というセリフは、沖野のような若造に対する明確な拒絶であり、「ガキは引っ込んでろ」という別れの言葉に他ならないと思う。沖野がその後、どうなるかは知らないが、絶望しただろうし、それをわたしは、ある意味でざまあ、と思いつつ、妙にすっきりした気持ちで本書を読み終えることができたように思う。
 というわけで、最上と沖野に対して感じるものは、きっともう読者の数だけ違うものがあると思うし、わたしの抱いた思いが相当ズレていて、若造どもからすれば老害と言われるかもしれないという自覚はあるものの、わたしも最上のように、分かってもらおうとは全く思わないし、自らの納得のもとに行動した最上の方に、より共感してしまう事実も否定したくないと思う。要するに、大変面白かった、というのがわたしの感想だ。
 それでは主なキャラをちょっとだけ紹介して終わりにしよう。
 ◆最上毅:主人公。東京地検の検事。40代後半か。恐らくわたしと同世代。経験豊富なベテラン検事。最上がどうして人殺しを実行しようとしてしまったのか、に関してはかなり丁寧に描写されており、わたしとしてはすっかり共感してしまった。なので、これはもうどうしようもなかったと思えてしまう。が、少し穴がありすぎだっただろうな……薬莢、ワゴン車……この二つに関して無頓着すぎたんだろうな……たぶん、ちゃんと薬莢を回収して、車も別の方法で何とかしていれば、最上の計画は完遂できたと思う。でも、まあ、無理だったかな……。なお、映画版で演じたのは木村拓哉氏。これは相当カッコイイだろうなと想像できますな。読みながらわたしの脳内ではずっと拓哉氏のイメージそのものでした。
 ◆沖野啓一郎:もう一人の主人公。30前か、30チョイ過ぎか?ぐらいの前途ある賢い若者。賢すぎたし、まっすぐすぎたんだろうな……。わたしがコイツに対して一番許せないのは、自らの事務官の女子(もちろん美人)とデキちゃうのはアウトだと思う。それはお前、やっちゃあいけねえことだぜ? 双方合意の元とはいっても、現職で検事と事務官がデキちゃうのは凄い違和感があった。この部分はいらなかったような……。また、捜査の当事者であったのに、退職したからと言って弁護側に回るのも、まあ、そりゃあマズいだろうと思う。個人情報保護的に何らかの犯罪行為なんじゃなかろうか? 大丈夫なのかな? また信頼という点においても、その後弁護士となったとしても、誰も信頼しないのではなかろうか。コイツの将来に幸があるとは思えないなあ……一生、後悔することになっちゃうんじゃないかしら……。そういう、自らの行動への筋の通った確固たる決意のようなものが感じられなかったのが、若干残念かも。映画版で演じたのはジャニーズ演技王の一人、二宮和也氏。二宮氏の演技は本当に上手なので、さぞや沖野役にぴったりだったでしょうな。
 ◆松倉:23年前、根津で中学生を強姦して殺したクソ野郎。確かにコイツは蒲田の事件はやっていなかったのだが、いっちばんラストでのこのクソ野郎の真実の姿は、沖野を絶望させるに十分であったでしょうな。時効ってのは、残酷ですよ……。しかし、最上の中に、蒲田の真犯人を普通に逮捕して死刑求刑し、一方で根津の事件を自白した松倉をぶっ殺す、という選択はなかったのだろうか? アホな一般人のわたしは、そういう手も考えてしまうけど、それだと違う、ってことなんでしょうな、検事としては。難しいですのう……。でも、このクソ野郎松倉がのうのうと生きていける世の中は、やっぱりなんか間違ってるとしか思えなかったすね。※コイツの最期は映画版と小説では全然違うようです。映画版のエンディングを聞いて、そりゃあ、ざまあ! だなと思ってしまった……。
 ◆諏訪部:闇社会の調達屋。物は売っても人は売らない、という明確なポリシーを持った、実際悪い人。ただし、本作の中では最上に次いでカッコ良かったと思う。最初と真ん中と最後に、物語を締めるように登場して、登場シーンは少ないのにやけに存在感あるキャラでした。どうやら映画版では松重豊氏が演じたようですな。これもイメージぴったりですよ。※聞いた話によると、どうやら映画ではラストにとある行動を取るみたいですが、それは小説には一切ないです。
 ◆橘沙穂:沖野付きの事務官。沖野よりちょっと年下。美人で冷静沈着で有能。諏訪部からも気に入られるほどの度胸もある完璧美女。ま、はっきり言って沖野にはもったいないすね。きっと、完璧女子からすると沖野の危なっかしさは、母性本能をくすぐっちゃったのだろう、と思うことにします。
 ◆最上の学生時代の仲間たち:丹野は、弁護士から国会議員になった男で、義父の大物代議士の身代わりになって自殺。その死への決意が、最上に影響することに……。前川は細々と自分の法律事務所を経営する弁護士でイイ人。水野はちょっと先輩で、法曹界に進まず根津の事件をずっと追いかけるジャーナリストに。そして小池は出番は少ないけど、企業法務の大手法律事務所に勤務する弁護士。まあ、彼らがきっと最上の味方として動いてくれるから、最上が娑婆に出られるのもそう先ではないんじゃないかしら。
 ◆松倉弁護団:小田島は国選弁護人として、ズバリ言えば松倉の無罪をまったく信じてなかったしがない弁護士。しかし沖野の勢いに負けて、渋々事件を捜査する。ただし決して悪い奴ではなくむしろ人のいい野郎。そして白川という弁護士が出てくるのだが、こいつがまたなかなかのクソ野郎で、人権派・冤罪無罪職人と世間的に知られる有名弁護士。コイツは、松倉が犯人だろうと無罪だろうと、本心ではどうでもよく、単純に裁判に勝てればいいと思っている。そして裁判に勝つ=死刑判決を避けることで、無期になれば勝ちだと思っている。非常にいやーな野郎。どうやら映画版では、この白川弁護士を演じたのは山崎努氏のようですが。読んでるときはもっと若いイメージだったけど、どうなんでしょう。

 とまあこんなところかな。なんつうか、イカン、マジで映画版が観たくなってきたすね! どうしようかな……うーーん……やっぱり、監督がちょっと苦手な人なので、やめとくかな……。物語もちょっと小説と違うようだし。WOWOWで放送されるのを待とうという結論は変えないでおこうと思います。そして、やっぱ劇場に行くべきだった、と1年後ぐらいにWOWOWで観て、後悔すればいいや。

 というわけで、結論。
 わたしは映画が大好きで、その映画に原作があるなら読んでおこうと思うことが多いのだが、映画は観ないけど、原作を読もうと思うことも、結構頻繁にある。そして現在公開中の『検察側の罪人』という作品についても、予告の出来がとても良くて、これは観ようかしら、と思ったものの、監督の前作『関ケ原』が予告は最高に面白そうだったのに、わたしとして相当ひどい映画だとしか思えなかった前歴があるので、今回の映画版は観ず、原作小説を読んでみることにした。結論から言うと、原作小説は実に面白かったと思う。正義とはなんなのか……? それはこの際、読者それぞれの中に答えがあると逃げてもいいと思う。この物語を読んでどう思うか。それが恐らくは読者それぞれの正義感なんだろう、と思うわけで、わたしの場合は、最上に深く共感しつつも、やっぱり最上を正義とは断じることはできないし、沖野もわたしからすれば全然正義とは思えない。じゃあ、どうすればよかったのか……そうだなあ、まず、真犯人をきっちり死刑判決まで持ち込み、そして松倉も、自分の持てる全ての力を使って、社会的に抹殺していた、とか、そんなつまらんものしか浮かばないすなあ……。いずれにせよ、正しく真面目に生きていきたい、という思いが強まる作品でありました。大変面白かったです。以上。

↓ わたし思うに、劇場版シリーズ最高傑作。多分一番ダークで冷酷なお話かと。超カッコイイす。






 夏の間は、便座の電源をOFFにしているのですが、今朝は、便座の冷たさに思わず、ひゃんっ!? とか声を上げてしまうほどびっくりしたわたしですが、もう秋、なんすねえ……。ケツで感じるのも全く風流じゃあないすけど……。また、毎日熱戦の繰り広げられている大相撲9月場所も、稀勢の里関の取組にひやひやしながらも、わたしの愛する松鳳山裕也君は昨日4日目時点で3勝1敗と元気で大変うれしく存じます。
 そして今朝、電車内で今週の週刊少年チャンピオン2018年第42号を読んでいたところ、こ、これは!? というお知らせが掲載されていましたので、『鮫島』ニュース号外として今週もスクショをここに載せておきたいと存じます。広告なので著作権的なアレはどうかお許しください……! コイツであります!
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 なんてこった! わたしは電子版でずっと買っているのですが、来週号は永久保存版として、紙雑誌版も買うしかないすね! この来週の週刊少年チャンピオン第43号「佐藤タカヒロ追悼 特別号 バチバチシリーズ大特集!」の内容をまとめておくと、
 1)最後の描き下ろし表紙!!!
 生前、最後に書き遺された熱き鉛筆画が表紙に!!
 2)巻頭カラー! 追悼色紙展
 第69代横綱・白鵬をはじめ、角界著名人や連載芯による追悼色紙が巻頭カラーを飾る!!
 3)巻頭カラー! 『バチバチ』全カラー掲載!
 雑誌連載カラーを、ロゴや煽り文、当時のレイアウトのままに全網羅!!
 4)鮫島鯉太郎前取組絵巻
 魂を揺さぶる圧倒的超巨弾52P!! 鯉太郎の前取組の熱量を、迫力あるページ構成で再現!!
 という内容だそうです。どうすか、これはもう、マジで買うしかないっショ! こいつはとても楽しみですね!
 そして、単行本最後の(20)巻の告知も正式に出ていましたので、こちらもスクショを貼っておきます。
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 というわけで、最後の単行本第(20)巻は、来月10月5日(金)の発売であります! 話数的に、単行本収録には2話分足りないと思いますので、来週の「大特集」の内容が収録されるような気もしますが、やっぱりカラーで、とわたしとしては思いますので、来週のチャンピオンは絶対買いです。なんなら5冊ぐらい買ってもいいぐらいですが、最近のチャンピオンは、まあきっと部数が落ちてるんでしょうな、近所のコンビニの配本冊数がめっきり落ちていますので、わたしが買い占めてはダメ、と戒め、1冊で我慢するつもりでおります。これはもう、ずっときれいに保存しておきたいなあ……。

 というわけで、結論。
 みなさん!! 来週2018年9月20日(木)発売の週刊少年チャンピオン2018年第43号は、「買い!」でお願いします!! 白鵬関からコメントをもらえるなんて、佐藤先生も嬉しいでしょうなあ……ほかにどんな方が追悼の色紙を書いてくれたのかも気になりますね! ヤバイ、久しぶりにチャンピオンが待ち遠しいっす!! 以上。

↓ 当然こちらも買いです。当然すよね!


 わたしが新刊を待ちわびる小説は数多いが、その中でも、日本の小説で、ここ数年毎年8月と2月に新刊が発売さてわたしを楽しませてくれているのが、高田郁先生による時代小説である。しかし今年の8月は、一向に新刊発売のニュースが聞こえてこず、おかしいな……と思って、かなりの頻度で版元たる角川春樹事務所のWebサイトを観に行ったりしていたのだが、いよいよ、今年は9月に新刊発売! というお知らせを観た時のわたしの喜びは、結構大きかった。そして、おっと、来たぜ! とよく見ると、なんとその新刊は、現在シリーズが続く『あきない世傳』の新刊ではなく、何と驚きの『みをつくし料理帖』の新刊であったのである。この嬉しい予期しなかったお知らせに、わたしはさらに喜び、9月2日の発売日をずっと待っていたのである。
 しかし―――愚かなわたしは8月末から別の、大好きな海外翻訳小説を読んでいて、すっかりその発売を忘れており、おととい、うおお! 忘れてた!!! と焦って本屋さんに向かったのであった。角川春樹事務所は電子書籍を出してくれないので、ホント困るわ……こういう時、電子書籍なら確実に、新刊出ましたよ~のお知らせが届くのにね。
 というわけで、昨日と今日でわたしがあっさり読み終わってしまった本はこちらであります!
花だより みをつくし料理帖 特別巻
髙田郁
角川春樹事務所
2018-09-02

 そのタイトルは、『花だより』。紛れもなく、高田郁先生による「みをつくし料理帖」の正統なる続編であり、本編の「その後」が描かれた物語である。あの澪ちゃんや種市爺ちゃんたち、みんなにまた会えるとは! という喜びに、わたしはもう大感激ですよ。そして読み終わった今、ズバリ申し上げますが、超面白かったすね。間違いなく、既に完結済の『みをつくし料理帖』が好きな人なら、今回の「特別巻」も楽しく読めるはずだ。それはもう、100%間違いないす。いやあ……なんつうか……最高っすわ!
 というわけで――今回の『花だより』は、シリーズが完結した4年後の1822年から、その翌年1823年が舞台となっている。軽くシリーズのラストを復習しておくと、主人公の澪ちゃんは宿願であった、幼馴染の野江ちゃんことあさひ大夫の身請けに成功し、超お世話になった大金持ちの摂津屋さんの助力を得て、夫となった源斉先生と、自由の身となった野江ちゃんとともに大坂に旅立ったわけである。もちろんそこに至るまでの道のりが、まさしく艱難辛苦の連続で、数々の超ピンチを乗り越えての幸せGETだったわけで、読者としてはもう、本当に良かったね、幸せになるんだぞ……と種市爺ちゃんのように涙したわけです。
 あれから4年が過ぎ、はたして澪ちゃん去りし後のつる家は、繁盛しているだろうか? 澪ちゃん&源斉先生夫婦は大坂で元気にやってるだろうか? そんな、読者が知りたいことが知れる、まさしく高田先生から読者への「お便り」が本作であります。
 本作は、これまでのシリーズ同様、短編4本立てで構成されていて、それぞれがそれぞれの人々を描く形で、それぞれの「その後」を教えてくれるものだ。というわけで、まあ、ネタバレになってしまうかもしれないけれど、簡単にエピソードガイドをまとめておこう。ネタバレが困る方はここらで退場してください。つうか、こんな文章を読んでいる暇があったら、今すぐ本屋さんへ行って、買って読むことをお勧めします。絶対に期待を裏切らない内容ですので。
 ◆花だより――愛し浅蜊佃煮>1月~2月のお話
 主人公は種市爺ちゃん。もう74歳となって、体もきかねえや、てな爺ちゃんだが、とある事が起きて、もうおらぁダメだと超ヘコむ事態に。すっかり気落ちした爺ちゃんは、年に1回は必ず届いていた澪ちゃんからのお手紙も届かず、いよいよ心はふさぐばかり。しかし、そんな爺ちゃんに、恩師を喪って同じく気落ちしていた清右衛門先生が大激怒!! 「この戯け者どもが! 真実会いたいのなら、さっさと会いに行けば良いのだ! それを遠いだの店がどうだ、と見苦しい言い訳をするな!」 というわけで、清右衛門先生、坂村堂さん、種市爺ちゃん&ちゃっかり(小田原まで)同行するりう婆ちゃんの、東海道五十三次珍道中の始まり始まり~!!!  つうか、やっぱり清右衛門先生の言う通りですなあ……会いたい人には会っとくべきですし、行きたいところには行っとくべきですよ。人間、いつどうなるかわからないものね……。
 ◆涼風あり――その名は岡太夫>5月~6月ごろ(梅雨時)のお話
 主人公は、かつての想い人、小松原さま、こと小野寺数馬、の奥さんである乙緒(いつを)さん。17歳で数馬のお嫁さんとなって早6年だそうです。この乙緒さんは、侍女たちからは「能面」と呼ばれるような、超クールで感情を表に表さないお方だそうで、別に冷たい人では決してなく、まあそういう教育を受けてきたからなんだけど、きっちりと真面目にコツコツやるタイプのようで、亡くなった小松原さまのお母さん(里津さん)が、亡くなる前に「小野寺家の掟」のようなものをきっちり伝授し、里津さんからも、この娘なら大丈夫と思われていたようなお方。そんな乙緒奥さんが、夫の「かつての想い人」である「女料理人」のことを聞いてしまい、おまけに2人目の子供の妊娠が発覚し、身も心もつらい状況になってしまう。しかし、そんな時にふと思い出したのは、里津お母さんから聞いた、とあるお話だった――てなお話です。まったく、不器用な夫婦ですよ……!
 ◆秋燕――明日の唐汁>8月のお話
 主人公はかつてあさひ大夫だった野江ちゃん。野江ちゃんは、摂津屋さんの助力で大坂で商売を始めていたのだが、これは高田先生の『あきない世傳』でも何度も出てきた通り、大坂商人には、「女主人はNG」というルールが当時あったわけで、摂津屋さんが業界組合を説得して3年の猶予をもらっていたけれど、その3年が過ぎようとしているという状態。要するにその3年間で、結婚して旦那を主として据えろ、というわけだ。しかし、野江ちゃんの心には当然、野江ちゃんをその命と引き換えに火事から救った又次兄貴がいまだいるわけでですよ。というわけで、又次兄貴との出会いの回想を含んだ、野江ちゃんの心の旅路の物語であります。泣ける……!
 ◆月の船を漕ぐ――病知らず>9月ごろから翌年の初午(2月)までのお話
 お待たせいたしました。主人公は澪ちゃんです。大坂へ移って料理屋「みをつくし」(命名:清右衛門先生)をオープンさせて早4年。大坂には死亡率の極端に高い流行病(コレラ?)が蔓延していた。源斉先生をもってしても、治療法が見つからず、数多くの人々が亡くなっていたのだが、「みをつくし」がテナント入居していた長屋のオーナーお爺ちゃんも亡くなり、後を継いだ息子から、つらい思い出は捨て去りたいと、長屋を売りに出すことになり、「みをつくし」も立ち退きを要求されてしまう。さらに追い打ちをかけるように、日夜患者の元を駆け回っていた源斉先生も体力的にも限界、おまけに医者である自分の無力さにハートもズタボロ、その結果、愛しい源斉先生もブッ倒れて寝込んでしまう。こんな艱難辛苦に再び見舞われた我らがヒロイン澪ちゃん。何とか料理で源斉先生を元気にさせようと頑張るも、まったくもって空回り。下がり眉も下がりっぱなしな状況だ。そんな時、とあることがきっかけで、澪ちゃんは忘れていた大切なことを思い出すのだが―――てなお話であります。
 というわけで、まあ、なんつうか……まったく澪ちゃんの人生はこれでもかというぐらいの艱難辛苦が訪れるわけですが、それを乗り越えるガッツあふれるハートと、とにかくキャラクターたちみんなが超いい人という気持ちよさが、やっぱり本作の最大の魅力だろうと思います。やっぱり、頑張ったら報われてほしいし、そういう報われている姿を読むことは、とても気持ちのいい、読書体験ですな。わたしとしては、久しぶりに会うみんなの、「その後」を知ることが出来て大変うれしかったです。まあ、控えめに言って最高すね。高田先生、素敵な「お便り」を有難うございました!

 というわけで、さっさと結論。
 高田郁先生による人気シリーズ『みをつくし料理帖』。既に物語は美しく完結していたわけだが、この度、各キャラクターの「その後」を描いた最新作『花だより~みをつくし料理帖 特別巻』が発売になったので、さっそく読んで味わわせていただいたわたしである。読後感としては、大変好ましく、実に面白かったというのが結論であります。我々読者の心の中に、キャラクター達は生きているわけで、既に完結した物語の「その後」が読めるというのは、やっぱり本当にうれしいものですね。高田先生、ありがとうございました! そして、次の『あきない世傳』の新刊もお待ち申し上げております! 以上。

↓ ドラマは結局あまり見なかったす。澪ちゃんを演じた黒木華ちゃんは最高だったんすけど、又次兄貴と種市爺ちゃんのイメージが、あっしが妄想していたのと違い過ぎて……。。。

 はーーー……面白かった……。
 なんのことかって? それは、わたしの年に1度(?)のお楽しみである、『暗殺者グレイマン』シリーズの新刊が発売になったので、わーい!とさっそく買って読み、味わった読後感であります。わたしの愛する早川書房様は、紙の文庫本で出した1週間から10日後に電子書籍版をリリースするので、紙の文庫が8月21日に発売になって、わたしも本屋さん店頭にて現物を手に取って、くっそう早く読みてえ! けど、あとチョイ我慢だ! と歯を食いしばって耐え、その後8月31日になって電子版が配信開始されたので、すぐさまポチってむさぼるように?読んだのである。しかし早川書房様はホント素晴らしいですな。US発売が2月で、6カ月後にはもう日本語版を出してくれちゃうのだから、マジで他の版元も見習ってほしいものだ。内容的に時事問題が絡んでいるので、どっかの版元のように2年とか時間をかけていては話にならないのである。新潮社、アンタのことだよ!
 というわけで、わたしが待ちに待っていた新刊の日本語でのタイトルは、『暗殺者の潜入』。英語タイトルは『AGENT IN PLACE』という、Mark Greaney先生による「暗殺者グレイマン」シリーズ第7作目である。いやあ、結論から言うと今回も、コートの野郎は相当ヤバい目に遭うものの、ラストへの展開は気持ちよかったすねえ! エピローグは、若干今後への引きのような、ちょっとモヤッとしたエンディングだったけれど、大変面白かったです。おっとヤバイ! これだけでもうネタバレか? 今回はとにかくキッツイ状況で、本当に大丈夫かしらと心配しながら読んでいたのだが、まあ、そりゃあ、大丈夫っすわな。今回も非常に楽しめました。
暗殺者の潜入 上 (ハヤカワ文庫NV)
マーク グリーニー
早川書房
2018-08-31

暗殺者の潜入 下 (ハヤカワ文庫NV)
マーク グリーニー
早川書房
2018-08-31

 ところで今、わたしは思いっきり「面白かった」と能天気な言葉を書いてみたのだが、描かれている物語はまったくもって「面白い」じゃあすまされない、極めて凄惨で血まみれな状況である。なにしろ、今回の舞台は、現在世界で最もヤバイ国、シリア、である。この時点でもう、ヤバすぎることは想像に難くない。しかし、読み始めておそらく小1時間で、今回主人公のグレイマンことコートランド・ジェントリーが、何故シリアと関わるのか、何故単身シリアへ潜入するのか、が判明すると、我々読者としてはもう、正直、「コート、お前って奴は……」と若干呆れつつも、こりゃあヤバイことになってきたな……(ニヤリ)、と妙に心躍ってしまうのではなかろうか。
 そうなのです。もう、さんざんこのBlogで過去作の感想を書いている通り、本シリーズ「暗殺者グレイマン」という作品群は、その主人公に最も特徴があって、まあ、いわゆるハリウッド的な、超凄腕暗殺者であるグレイマン氏は、完全なる人殺しなのでBAD GUYであるはずなのに、おっそろしく人が良く(?)、妙な正義感、あるいは良心、のような「自分ルール」を持つ男で、しかもその自分ルールゆえにどんどんピンチに陥って、どんどん傷も負い、血まみれになっていく男なのである。
 なので、今回の作戦(というか依頼)も、常識的な判断からすれば、シリアに潜入するなんて選択はあり得ないだろうに、グレイマン氏は、何かと文句を言いながら、どちらかというと全く行きたくない、けど、もう、しょうがねえなあ! 的な心境を抱きつつ、死地へと赴くわけです。
 まあ、本作からいきなり読む人はいないと思うけれど、既にシリーズを読んでいる我々としては、グレイマン氏のそんなところに、痺れ、憧れちゃうわけだが、それがどんな読者でも感じるかというと、それはかなりアヤシイことだと思う。ふと冷静に考えるとかなり荒唐無稽だし。でも、こういう、グレイマン氏のような「自らの納得の元に行動する男」のカッコ良さ?は鉄板ですよ、やっぱり。
 あとこれは全くどうでもいいことだが、わたしは第1作目を読んだ時から、どういうわけか、グレイマン氏のビジュアルイメージとして、完全にセクシー・ハゲでお馴染みのJason Statham兄貴に固定されてしまっており、前作で、グレイマンはハゲじゃなかった!というわたしにとっては超残念な描写があったけれど、今回読むときもやっぱり、わたしの脳裏ではコート=Statham兄貴の公式は崩れませんでした。映像化するなら絶対、つうか、この世でコートランド・ジェントリーを演じられるのはStatham兄貴しかいないと思います。
 とまあ、わたしのジェントリー愛はこの辺にして、今回のお話を簡単にまとめておこう。
 物語は冒頭、かの悪名高きISIS団に捕らえられたグレイマン氏が、いよいよ射殺される1秒前の状況が描かれる。そして、どうしてこうなった? と、その1週間前にさかのぼると、舞台はヨーロッパ、フランスのパリのど真ん中?である。フランスのファッションショーに出演するスペイン人のモデル。なんと彼女は、シリアの大統領の愛人であり、おまけに男児を出産しているという恐らくはあり得ない設定だ。そして彼女を拉致し、彼女の持つ情報を利用しようとする亡命シリア人反政府組織の医者夫婦。この夫婦はまったくのド素人だが、夫婦を支援しているフランスの元情報機関の男が、とあるハンドラー経由でグレイマン氏を紹介し、グレイマン氏は、金のため、というのも勿論あるけど、ほとんど反シリアのボランティアめいた動機から、拉致の依頼を受諾し、あっという間にその依頼を果たす。しかし、シリアの情報機関に雇われているスイス人クソ野郎の魔の手は伸び、一方でスペイン人モデルは情報提供に協力してもいいけど、そうなったらシリアのダマスカスに残してきた赤ん坊がヤバいので、現地へ潜入し、無事に連れてきてくれたら協力する、という無茶難題を吹っ掛ける。そしてその無茶に、我らがグレイマン氏が、しょうがねえなあ、くそッ!と行動を開始するのだがーーーてなお話である。サーセン。超はしょりました。
 わたしが今回、一番マジかよ、と驚いたのは、グレイマン氏の心情だ。な、なんと! グレイマン氏は、前作でぞっこんLOVEってしまったロシア美女、ゾーヤのことが忘れられず、悶々としていたのであります!! なんてこった! コート、お前も男だったんだな……!!
 「これは2カ月ぶりの仕事だった。それまでずっと身を隠していた。(略) 精神面で一歩踏み外しているという不安があったからだ。精神を鈍らせていたのは、PTSDや振盪症や若年性痴ほう症ではなく……もっと心を衰弱させることだった。それは女だった。(略) だが彼女への思いは残っていて、彼女と会う前とは自分が変わってしまったのではないかという気がした。(略)ジェントリーはそれをくよくよ考えていた。」
 どうですか、このグレイマン氏の心情は! 最高じゃないですか! そんなことザック(元上官)に知られたら、「シックス、お前の純情に乾杯! でも、だからと言ってシリアに行くのはイカレてるぞ、きょうだい」って絶対言われるぞ!
 要するにグレイマン氏は仕事に没頭することで愛するゾーヤのことを忘れたい、そしてさらに言うと、グレイマン氏は「シリア政府に対抗する戦いを支援するために何かやりたいと、ジェントリーはずっと前から考えていた」ため、今回の物語となったわけです。ホントこの人、いい人すぎるわ……。
 で。問題はシリアの状況だ。今回の物語は、あとがきによれば本当に現在のシリアの泥沼をかなりリアルに描いているようで、数多くの勢力が入り乱れる、極めて複雑なSituationである。現実世界の、いわゆる「シリア騒乱」に関してはWikiを読んでもらう方がいいだろう。わたしもここで説明するのはもうあきらめた。一応簡単にまとめると、(本作では)一番の悪党がシリア大統領で、政府軍(SAA)を持っているし、さらにイランとロシアが支援していると。で、さらに数多くの私兵団(=いわばギャング組織)や、雇われている民間軍事企業が政府側にいて、一方の反政府組織は、自由シリア軍(FSA)やアルカイダ系の連中や、かのISIS団もいて、さらにISIS団をつぶそうとするクルド人たちもいて、アメリカやイスラエル、トルコ、フランス、イギリスなどが反政府側を支援しつつ、クルド人たちにはアメリカもロシアも支援している、ような状況である。ダメだ、説明しきれない。
 恥ずかしながらわたしが全く知らなくて、へえ、そうなんだ!? と驚いたのは、そもそものシリアという国に関してだ。シリアって、宗教的にはかなり寛容、つまり大統領はキッチリスーツを着て、ひげもスッキリ剃って、街行く人も普通にジーンズだったり、女性もヒジャーブを着用してない場合も普通に多いんすね。そして首都ダマスカスのビジネス街は近代的なビルが立ち並んでるんですな。まあ、だからこそイスラム原理主義からは攻撃対象になるわけだけど、考えてみれば当たり前、かもしれないけど、全然イメージと違っていたことはちょっと驚きであった。これはわたしがまるで無知でお恥ずかしい限りであります。そうなんすね……なるほど。
 というわけで、恒例のキャラまとめをしておこうかな。
 ◆コートランド・ジェントリー:主人公で我らがグレイマン氏。通称コート、別名ヴァイオレーター、あるいはシックス。今回、普通なら2回は間違いなく死んでます。今回のグレイマン氏のシリア潜入方法がすごかったすな。なんとドイツ人の民間軍事企業経営者に接触して、シリア政府側の傭兵(=契約武装社員=コントラクター、あるいは武装警備員=オペレーター)となってシリアに入国するわけですが、当然、ドイツ人経営者は、えっと、グレイマンさん、ウチの仕事は、あなた様向きじゃないっすよ……? あなたの「倫理の掟」は知ってるっすよ? どういういきさつで悪役に代わったんすか? と思わずグレイマン氏に質問しちゃうシーンがあったのがちょっと笑えました。なので、表向きは政府側なんだけど、それを出し抜いて赤ん坊誘拐も同時にやってのけてしまうグレイマン氏の大活躍は、大変お見事でありました。そして仲間となる傭兵どものイカレ具合も、グレイマン氏からすると容認できるものではなく、いつぶっ殺し合いになるんだろう……という緊張感も良かったすね。しかしなあ、次は是非とも再びゾーヤに登場してもらいたいですなあ……!
 ◆シリア大統領&正妻シャキーラ&愛人ビアンカ:大統領と正妻シャキーラの間にはもう愛情は薄いものの、大統領にとってシャキーラはスンニ派であるため、政治的重要性が高く、またシャキーラは、ロンドン生まれでヨーロッパで青春を送った女性で、社交性が高く、「砂漠のバラ」と呼ばれるほどの美貌で、そういう意味でも、大統領にとっては「使える駒」でもある。一方でシャキーラにとっては、大統領夫人としての社会的ステータスと経済的な富のためにも、大統領は欠かせないという関係性にある。のだが、男児に恵まれず、将来的な心配をしていたところに、愛人が男児出産という事態になって、このままでは自分の地位が……と焦っており、愛人ビアンカを殺したいと思っているわけだ。そしてビアンカは、元々シリア生まれだけどスペイン育ちでモデルとして活躍してるところをシャキーラの仲介で大統領と出会い、子をもうけてしまう。そしてシリアの内情には全く疎かったため、現状の泥沼を知って情報を渡してもいいというところまで行くけれど、その条件として赤ん坊の脱出を突き付ける、とまあそういう感じです。なんつうか、アレっすね、この3人の関係は、豊臣秀吉&北政所ねね様&淀君の関係に似ているような気がしますね。
 ◆セバスティアン・ドレクスラ:スイス人で世界各国で悪いことばっかりしていた悪党。現在はスイスのプライベートバンクに雇われていて、莫大な金をその銀行に預けているシャキーラを守るために、銀行がシリアに派遣した諜報員。よく考えると、このドレクスラも悪党だけど、一番最悪なのはこのプライベートバンクであるのは間違いなさそう。ドレクスラはシャキーラにビアンカを殺すことを命じられるが、一方で大統領からはビアンカを保護して無事にシリアに連れて帰れとも指令を受け、何とかして自分が生き残る道を模索するある意味苦労人の悪党。結構、計画は杜撰というか行き当たりばったりかも。ま、事態が流動的すぎてしょうがないか。しかし、ドレクスラの最期は……どうなんすかねえ……まあ、後の作品で復讐の鬼となってグレイマン氏の前に現れるのは確実のような気がしますなあ……。
 ◆ヴァンサン・ヴォラン:フランス人で元フランス情報機関の男。69歳だっけ?かなり年はいってる。亡命シリア人夫婦にグレイマン氏を紹介した男。ただし、見通しは甘いし、情報精度も低く、ドジを踏みまくって、グレイマン氏をカンカンに怒らせてしまう。悪気は全くなかったのにね……。よって、グレイマン氏としてはヴォランに対しても、殺意を持っているが、グレイマン氏の恐ろしさをよーく知っているヴォランは、サーセンした! と後半かなり頑張って、一応殺されずに済む。ラスト、グレイマン氏がヴォランに言うセリフがカッコ良すぎなんすよ……。もう二度と会うことはない。会うとしたら、おれが送り込まれたときだ、的な。
 ◆傭兵軍団:シリアでグレイマン氏の同僚となるコントラクターたち。一般人でも虐殺上等な、イッちゃってる人々。当然グレイマン氏から見ると外道。気の毒な運命に……。
 ◆マット・ハンリー:グレイマン氏が唯一信頼(?)している男。前作からCIA国家秘密本部本部長。下巻の超絶ピンチに、マットと連絡がついた時はもう、これからグレイマン氏の反撃のターンだぜ! とわたし的には大変盛り上がりました。
 ◆スーザン・ブルーア:CIA局員で現在のグレイマン氏の管理官(ハンドラー)。基本的にグレイマン氏のことが大嫌い。そしてグレイマン氏はもっとスーザンが嫌い。わたしも、スーザンは嫌いっす。なんか出世欲旺盛な嫌な女に見えるので……。今回は数行だけ、一番ラストで登場する。次回作はまたCIAの作戦なんすかね……。

 とまあ、こんなところかな。おおっと、もうクソ長いし、書きたいこともない……と思うので終わりにします。

 というわけで、結論。
 わたしの大好きなMark Greaney先生による「暗殺者グレイマン」シリーズ最新作、『AGENT IN PLACE』(邦題:暗殺者の潜入)が発売になったので、さっそく買い求め、上下巻やっと読み終わったす。電子書籍の記録によると、上巻423分、下巻319分だったらしい。結論としては、大変楽しめました。いやあ、グレイマン氏のゾーヤへの思いが、意外というか最高ですね! そしてシリアに関しては、本書を読んだことをきっかけにいろいろ調べてみたけれど、なんつうか……本当に人類は殺し合うしかないんだなあと思うと、暗澹たる気持ちになりますな。グレイマン氏を必要としない世界はやって来るんすかねえ……。まあ、現実世界にはグレイマン氏はいないけれど、いないことを喜ぶべきか、嘆くべきか、良くわからんすな。とりあえず、グレイマン氏にまた1年後、会えることを楽しみに待ちたいと存じます。もう、次が来年2月にUS発売されることは決まってるらしいすよ。早川書房様ならまた、来年の今頃、日本語版を出してくれるはず! よろしくお願いします! 以上。

↓ 状況が理解できるようななんかいい本ないすかねえ……池上さん、お願いしますよ!

 早いものでもう8月も終わろうとしています。東京は昨日はちょっとだけ暑さ和らぎましたが、今日はまた暑くなるみたいすね……。
 というわけで、今日発売の週刊少年チャンピオン2018年第40号に、ようやく来週発売の『鮫島、最後の十五日』第(19)巻の新刊告知が載っていましたので、それだけ備忘録として貼っておきます。広告だから、画面スクショ載せてもいいですよね……?
 ちなみに、わたしは電子書籍でチャンピオンを毎週買っているわけですが、先週号から「再連載」と称してシリーズ第1作の『バチバチ』が1話ずつ巻末に掲載されております。今週は第2話でした。
 というわけで、今週のチャンピオンに載っていた新刊ADと、既刊ADを貼りつけておきます。これはアレなのかな、電子版だけ、に載ってるものなのかな? 紙雑誌版は未チェックです。サーセン。
same19
 カッコイイすねえ……第(19)巻は第161話から第169話までが収録されているものと思われます。えーと、【王虎】さんとの闘いの後、部屋に戻った鯉太郎と椿ちゃん、それから【猛虎】先生と田上さんこと【稲虎】関のやり取りのあたりから始まって、VS【猛虎】先生のハッキヨイ、バトルスタート、まで、でしょうか。また(19)巻を買って、一人興奮しようと思います。
 それから、たぶんこれは電子版のみのADだと思われるのですが、『バチバチ』『Burst』のADも、こちらはカラーで掲載されていました。とてもイイ感じっす。
bachibachi
Burst
 わたしは先日また佐藤先生の『いっぽん!』を読み直してみたりなどしているのですが、ホント、既に『いっぽん!』においても、この『バチバチ』『バチバチBurst』『鮫島、最後の十五日』に通じるモノが熱く描かれていて、なんつうか、読んでいて非常にグッと来たっすね……この『いっぽん!』で描かれたものは、すべて『バチバチ』シリーズでさらに深く進化していると思います。
 もし! 『バチバチ』や『鮫島』は大好きだけど、『いっぽん!』は読んでないという方がいらっしゃいましたら、これはもう、マジで今すぐ読んだ方がいいと思いますよ。最高ですので。


 というわけで、結論。
 わたしたちが愛した『鮫島、最後の十五日』のコミックス単行本の最新刊、第(19)巻は来週9月7日(金)の発売であります! ぜひ買っていただければと存じます。
 そして今、電子版の週刊少年チャンピオンでは、「再連載」と称して『バチバチ』が1話ずつ掲載されています。しかし『再連載』ってどういう意味なんじゃろか……まさか最終話まで載せるつもりなんでしょうか? いやいや、それはナイっすよね? わかんねーす。秋田書店の意図が。以上。

↓ わたしはいつも通り、紙と電子の両方を買います。もはや義務っす。

 むおっ!? なんと! Amazonには次の、最期の(20)巻の告知もあるじゃあないですか!? どうやら10月発売、連続刊行のようです! マジかよ!




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 そして以下、追記です。 コメントにて情報提供ありがとうございました!! なんてこった! こ、この表紙は……! これはもう買うしかないっす! 明日買ってきます!!



 2年前、2016年の秋ごろに読んでみて、とても面白かった海外翻訳小説がある。一度死んでも、再び人生をリプレイしてやり直す男の、15回目の人生を描いた『The First Fifteen Lives of Harry August』(邦題:ハリー・オーガスト、15回目の人生)という作品だ。控えめに言ってもこの作品は超面白く、大傑作であるとわたしは認定しているのだが、この作品を書いたのは当時20代の女性で、なんでも10代で作家デビューしていて、そのペンネームも複数使い分けしているそうで、へえ、これはすげえ才能あるお方だなあ、とわたしは結構驚いたのである。
 そして先日、と言っても実は発売になったのは5月で、わたしが発売されていることに気が付いたのが先日、なだけなのだが、ともかく、Claire North先生の新刊の日本語訳が発売されていることに気が付き、うおっとマジかよ! 全然チェックしてなかった! 抜かってた! とあわてて買った本がある。それが、角川文庫から発売されている『TOUCH(日本語タイトル:接触)』であります。
接触 (角川文庫)
クレア・ノース
KADOKAWA
2018-05-25

 おっ、Claire先生自身のWebサイトに、BOOK-TRAILERが置いてあるので、とりあえず貼っておくか。この動画は、英語をよく聞くときちんと物語のあらすじというか、どういう物語なのか想像できるものなので、ちょっとチェックしてもらいたい。YouTubeの設定で字幕自動生成をオンにすると、英語が苦手な方でも大丈夫だと思うな。

 物語はこの動画のナレーションから想像できる(?できないか)通り、人の中に「ジャンプ」して、その人に憑りつき?、誰にでもなることが出来る謎の存在のお話で、まあ、実際のところ今までも似たような作品はいっぱいあると思う。そして本作だが、ズバリ、非常に回りくどくて分かりにくく、読み終わるのにかなり時間がかかってしまった。文庫版で608ページのところ、わたしは電子書籍の記録によれば545分かかったらしい。なんつうか、ちょっとずつ読んだことも悪かったんだろうな、読んでいて、ええと? と何度も前に戻ったりしてしまい、どうもスッキリ頭に入らない物語だったような気がする。
 恐らくその要因は、基本的な設定というよりも、前作『ハリー・オーガスト』でもみられた通り、かなり頻繁に時と場所が移り変わって、場面転換が激しいからではなかろうかと思う。前作では、わたしは別に混乱することなく、物語を楽しむことが出来たのだが……本作においては、明確な「現在」が設定されていて、一本筋が通った物語があるものの、とにかくコロコロと回想が始まってしまって、本筋の進行が遅いのが、わたしの足りない脳みそではついていけなかったのではなかろうか。メインの筋が進みだすのは中盤以降で、そこまで我慢できるかが本作を味わう上でのハードルになっているような気がします。
 さて。どうしようかな、最初に、物語についてまとめる前に、主人公たる「ケプラー」に関して、基本的な設定を短くまとめておこうかな。
 ◆「ジャンプ」能力
 人の肌に直接触ると、その人の体に「ジャンプ」することが出来て、その人の体を乗っ取れるという謎能力。そして乗っ取られた人は、その間の記憶がない。物語の中では、ほんの数秒だったり、数十年の間乗っ取られた状態が続いたような例も描かれている。
 ◆主人公「ケプラー」
 どうやら女性だった、らしい。「ケプラー」という名も、本名なのか不明。もう既に自らのオリジナルの体は消滅していて、自分の体を持っていない。そして正確にはよくわからないが、とにかくもう数100年以上も生きている、らしい。体がなくて「生きている」と言えるのか良くわからないが、これまで、男にも女にもジャンプしてきたので、もはや自分が女だったことすら記憶があいまい、だそうだ。わたしは読み始めた時、どっかにオリジナルBODYは寝てるのかな? と思ったら、もう既に体は持たない存在でした。なので、「ゴースト」と自分で称していて、人にジャンプすることを、その人の体を「着る」と表現している。つうか、まさしくこういう存在を「幽霊」というのではなかろうか。
 ◆実は「同類」が世界にいっぱいいる。
 どうやら、主人公ケプラー同様に、他人の体に「ジャンプ」出来る同類のゴーストが世界にはいっぱいいる。ケプラーが、あ、自分と同じようなゴーストがいるんだ、と初めて知ったのは18世紀、1798年のことらしい。そしてケプラーは、そういったゴーストに、乗っ取る体(=曰く「不動産」)を紹介するエージェント業をなりわいとしていた。乗っ取る体の素性をきちんと調べ上げておかないと、乗っ取ったはいいけど、(元の体の持ち主の記憶がなく、まさしく中身は別人になってしまうため)すぐに周りの人々に、なんか変だぞ?とバレたり、持病があったりするとマズいので、事前調査がとても重要で、ゴーストたちからすると重宝がられていた存在だそうだ。なるほど。そして、ゴーストと契約して、主に短時間だけ、体を貸す協力者もいる。
 ◆彼らを「狩る者たち」がいて、天敵のような存在に追われている
 どうも、ずっと昔から彼らゴーストという存在はごく一部に認識されており、ゴーストを狩る者たちがいて、闘争を繰り返している、らしい。
 とまあ、ごく基本的な設定は以上かな。
 わたしはこの設定がだんだんわかっていく中で、なんだか、あまり売れなかったけどわたし的には結構好きな映画『JUMPER』を思い出した。あの映画では、単に空間移動の「ジャンプ」だけだったけれど、彼らジャンパーを狩る謎の連中が出て来ましたよね。そういう意味で、なんか似てると思ったのだが、本作はそこに『ハリー・オーガスト』的な「永遠を生きる存在」というスパイスが加わっていて、ちょっとした変化球となっている。
 というわけで、物語は現代、トルコのイスタンブールから始まる。「わたし」たる主人公「ケブラー」が銃撃され、瀕死のところで別の人間ににジャンプする。その体にはもう「わたし」がいないことが分かっているのに、襲撃者は「わたし」が「着て」いた人間にとどめを刺す。一体なぜ、自分と、自分が着ていた人間は狙われたのか。その謎を解明すべく、自らを銃撃した男にジャンプして、ヨーロッパを横断する逃避行(?)ののち、真のラスボスとの対決へ、という流れであった。
 その逃避行及び追撃の中で、「わたし」が今までにどんな人間を「着て」、どんな歴史を歩んできたのか、あるいは、同類のゴーストにどんな奴がいたのかなどが語られるわけだが、ほぼ本筋には関係ないようなエピソードが結構面白いのです。
 例えば、時は19世紀末、「わたし」はロシアにいて、とある貴族から、素行の悪い娘の体を「着て」、令嬢らしくしとやかな娘を演じてくれないか、という依頼を受ける。依頼期間は半年間。そして「わたし」は、その依頼通り、娘の体で貴族の令嬢にふさわしくふるまうことで、それまでの周りの悪評を払拭し、半年を過ごす。そして体を返却した後、それまでの半年の記憶がない娘と貴族の父はーーーみたいなちょっとグッとくる話だったり、他にも、同類のゴーストが「不動産エージェント」としての「わたし」に、「一度マリリン・モンローになってみたい」という依頼を持ち掛けて来て、ハリウッドのスタジオ関係者となってモンローへのジャンプを手引きする話だったり(しかも依頼期間が過ぎてもモンローの体を返そうとしないので、ちょっと懲らしめてやったり)、とか、まあ、そういったゴーストならではの不思議で興味深いエピソードがいろいろ描かれている。ただ、くどいけど、そういった面白話はほぼ本筋と無関係です。そこが若干問題と言えば問題なのかもしれないな……。

 というわけで、物語は複雑だし、キャラクターも多いので、その辺りを細かく説明することはもうあきらめた。ので、もう思ったことだけを書くことにする。
 おそらく……前作の『ハリー・オーガスト』と本作において、共通しているのは「人生一度きりじゃない」という状況だろうと思う。特に本作は、永遠ともいえる生を、ずっと過ごしているわけで、「死」を超越してしまっている。もちろん『ハリー』においては「死」が「リセット」のスイッチとして存在していたし、本作でも死の間際に周りに誰もいなくてジャンプする体がなければ死んでしまうんだけど(死にそうになっても誰かの体に逃げて死を回避できる、けどその逃避先の体がなければどうにもできない)、主人公のわたしことケプラーは一度も死んでいない。実際のところ、自らの体はすでになく(その意味では死んでいる)、精神憑依体として在り続けているので、生きていると言えるのかわからんけど。
 そんな状況で、数百年在り続けているわけだが、果たして、人間はそんな孤独の数百年間、正気を保っていられるのだろうか?? 普通に生きる普通人の我々には、ちょっと想像がつかない世界だ。人生についてもはや絶望しているわたしには、生きるというある種の牢獄に、永遠に囚われるなんて、むしろ願い下げというか、ぞりゃもう拷問以外の何物でもないんじゃね? という気すらする。
 たぶん、その永遠を過ごすためには、何らかの明確な「目的」が必要なのではなかろうか? やるべきこと、と見据えたなにか。そういったものが絶対に必要なはずだ。『ハリー』では、その目的がきちんと描かれていて、それ故面白かったと思うのだが、残念ながら本作では、主人公が生き続けるための「目的」が、正直良くわからないんすよね……どういうことだったのか……何のために存在し続けていたのか……絶対、100年もいたら飽きると思うんだけどな……これは、ちゃんと書いてあったのに、わたしが集中できずスルーしちゃっただけかもしれないけど、その辺りの説得力がわたしには感じられなかったのが大変残念だ。
 なんつうか、やっぱり「人生1度きり」でないと、ダメなんじゃないすかね、人間は。永遠の時を生きられる、しかも肉体的には(誰かの体をかっぱらうことで)永遠に若いままでいられる、としたら、普通は喜ぶべきなのかなあ……? わたしはもう、絶対に嫌ですな。無理だよ。絶対に飽きるし、無間地獄とすら思えるすね、わたしには。ふと考えると、ゲームみたいすね。『バイオハザード』でも何でもいいんだけど、ゲームクリア(=目的達成)のために、何度死んでもオープニングに戻るのが前作『ハリー』だったけれど、今回はそのゲームクリア、目的が明確じゃなくて、なんだかやっぱり途中で飽きちゃうすな。本作は、最終的なエンディングは若干のほろ苦エンドで終わるけれど、はたしてケプラーは、その後何をして、何を求めて在り続けるのか。その辺がちょっと想像できないす。

 というわけで、もう長いのでぶった切りですが結論。
 2年前に読んでとても面白かった作品の著者Claire North先生の日本語で読める最新作『TOUCH』が発売されていたので、さっそく買って読んでみたところ、ズバリ言うと若干イマイチ、であったように思う。それは時と場所が入り組む複雑な構造に起因するというよりも、結局はキャラクターの問題ではなかろうか、というのがわたしの結論だ。わたしの浅い脳みそでは、主人公ケプラーに対してどうにも共感を得ることが出来なかった。それはケプラーに、生きる(存在する)意義というか、目的を見出すことが出来ず、どうしてまたコイツは数百年、正気を失わずにいたんだろうというのが実感としてよくわからなかったためではないかと思う。恐らくケプラーは、単に死ねないから存在し続けただけだし、死にたくない(=消えたくない)という、生命の根源的な衝動に従っていただけなんだろうと思う。わたしだって、散々この世に未練はねえなあ、とか思っていても、死の間際には、絶対に「死にたくない」とそれこそ生にしがみつこうとするのは間違いないだろうし。そういう意味では、まあ結局のところ「にんげんだもの」というみつお風な結論なんでしょうな。それが面白いかどうかは別として。はーーしっかし長かったわ……次は、1年ぶりの発売となったわたしの大好きな「グレイマン」シリーズ最新作を読んで、頭を空っぽにして楽しみたいと存じます。以上。

↓ こちらは超傑作です。
ハリー・オーガスト、15回目の人生 (角川文庫)
クレア・ノース
KADOKAWA/角川書店
2016-08-25

↓そしてこちらを次に読みます。電子書籍版は来週ぐらい発売かな……?
暗殺者の潜入〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)
マーク・グリーニー
早川書房
2018-08-21

暗殺者の潜入〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)
マーク・グリーニー
早川書房
2018-08-21

 先日の土日に、わたしの愛用する電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」において、かなり還元率の高いコインバックフェアを実施していたため、ほほう、ならばごっそり買ってやろうじゃないか、と面白そうな本を求めて渉猟していたわたしであるが、結果的に20冊近く買った作品のうち、おっと、これって、確か秋からテレビドラマ化されるアレじゃね? と思って買って読んでみた漫画がある。
 それは、日本人女優の中でわたしが現在TOPクラスに好きな、高畑充希ちゃん主演でドラマ化されるという作品である。あれっ? なんだ、既にスペシャルドラマで放送されていて、秋からは連ドラになるってことか? な~んだ、全然知らんかったわ。

 というわけで、わたしが買って楽しんだ漫画、それは阿部 潤先生による『忘却のサチコ』という作品であります。上に貼った動画を見て、そしてこちらのコミックス(1)巻のカバーをご覧ください。なかなかイイ感じに再現されているみたいですな。

 現在、最新巻は第(10)巻まで刊行されているようで、スピリッツに絶賛連載中らしいが(読んでないから知らん)、とりあえずわたしは(1)巻だけ買って読んでみたところ、大変面白かったので、すぐに(5)巻まで一気に買って読んでみた。これはですね、相当イイすねえ! 主人公・幸子さんがかなり可愛いす。
 物語は、わたしの嫌いな小学館から各巻の1話分が試し読みで提供されているので、そちらを読んでいただいた方が早いだろう。URLをメモっておこう。https://shogakukan.tameshiyo.me/9784091866707
 簡単にお話をまとめると、結婚式当日、というか式の最中に、花婿に逃げられてしまった佐々木幸子さんが、傷心を抱きつつ入った店で食べた飯がウマすぎて、何もかも忘却の境地に至り、以降の毎話、つい、なにかにつけてふと思い出してしまう元彼氏のことを忘れるために、おいしい物をモリモリ喰う、というのが基本のストーリーである。
 幸子さんは、元彼氏のことだけじゃなくて、仕事のイライラを忘れるためだったり、まあ、いろんな理由からとにかく毎回食べまくるのだが、そんな幸子さんの心の葛藤もなにもかもすべて、「おいしい」というご飯への感動とともに忘却の彼方にーーーとなるわけです。そしてそんな、無我の境地に至った幸子さんの表情で物語は締めくくられるのがお約束となっている。↓こんな表情。
sachiko02
 まあ、以上の説明だけだと面白さが全く伝わらないと思うので補足すると、要するに佐々木幸子さんが非常に魅力的な、カワイイ女子なのです。というわけで、主人公・幸子さんについてわたしが知り得たことをいくつか挙げてみよう。
 ◆超ド真面目な幸子さん。
 幸子さんは、中学館という出版社のデキる編集部員(小説誌)なのだが、とにかく何かにつけ大げさなほど丁寧でド真面目であり、まあ、一言で言えばかなり常識からぶっ飛んでいる女子である。その結果、いろいろ不器用なのだが、何事にも過剰に全力投球&ド直球であるため、無法天に通ず、的に、担当している作家先生も、編集部のみんなも、幸子さんのことが大好きなのである。もちろん読者たるわたしも幸子さんの魅力にハマったわけだが、空気を読み過ぎて、一周回って読んでない、みたいな、斜め上の行動を取る、ある意味すっとぼけな幸子さんは大変可愛いと思う。よく会社の椅子に正座して仕事をしていて、作家のためならコスプレも辞さない全力プレーが身上。
 ◆お堅い表情ととろける笑顔のギャップがGOOD
 幸子さんは、基本的に常に全力、であるため、その表情も常にキッ!としていて、常にある種の「怒り顔」ではある。しかし、おいしい物をいただいている時の幸子さんのとろけた表情が大変良いのです。まったく本人に自覚はないと思いますが、間違いなく男なら誰しも、そのギャップにグッとくると思う。もはや変態でサーセン。ちなみに幸子さんの上司たる編集長や、担当しているとある作家も、何かにつけ大好きな幸子さんを狙ってる下心満載の変態だが、まあ、男ならやむないでしょうな。可愛すぎる幸子さんは罪な女ですよ……。
 ◆幸子さんのスタイル&ファッション
 常にタイトミニのスーツに準じる服を着ていて(クローゼットに1週間のローテーションがキッチリセッティングされている)、何気にかなり胸はデカい(一緒に温泉に行った先輩女子編集部員曰く「すっごい美乳」らしい)。まあ、こんな人、小説の編集者にいるわけねーよ、という若干のファンタジー的存在である。髪型は肩にかかるぐらいのボブで、前髪は眉ぐらいでパッツン(に近い)。もちろん黒髪。もう最強に理想的じゃねーか、と思う男は世にゴマンといると思います。もちろんわたしもその一人ですが、残念ながら現実には存在しないことも理解しております。
 ◆幸子さんの好み
 幸子さんは高倉健さんが大好き。とりわけ、『幸せの黄色いハンカチ』が大好きらしい。不器用なんで……。
 ◆幸子さんの家族
 どうも実家暮らしなのかな? お母さんは全く普通な常識人のため、幸子さんのぶっ飛んだド真面目さがやや心配のご様子。母は幸子さんのことを「コッちゃん」と呼んでいて、結婚式の事件以来、大丈夫かこのコは、と幸子さんのことを心配している。まあ、大丈夫じゃないんですけどね。

 まだまだ他にも幸子さんの魅力的なところはいっぱいあるのだが、これ以上書くとどんどん変態度が増すのでこの辺にしておこう。この幸子さんを高畑充希ちゃんが演じるなんて、相当ぴったりというか、かなり期待できるような気がしますね。連ドラ版の放送が大変楽しみにであります。ただ、高畑充希ちゃんが可愛いのは間違いないし、幸子さんにも雰囲気は似てるので最高なんですが、幸子さんの何気にセクシーなBODYは、ちょっと再現するのは難しいかもしれないすな……。

 しかし思うに、最近、こういった「ド真面目すぎてズレている」主人公の漫画や小説をよく見かけるような気がしますね。ま、最近じゃなくて昔からあるパターンというべきかな……。また、本作はある種のグルメ漫画でもあり、いわば『孤独のグルメ』的でもあって、そういう意味では、売れる要素をきっちりと掴んでいる作品なんでしょうな。絵も非常に丁寧できれいだし、取材もキッチリされていて、毎回登場する料理の描写もとてもいいし、非常に漫画力の高い作品だと思う。わたしの大好きな有楽町のロメスパの名店、「ジャポネ」も、たしか「ジャンボ」と名を変えて登場してたすね。「ジャポネ」の大盛りを軽く平らげる幸子さん……これは「ジャポネ」を知ってる人なら、すげえ、と思うと思います。小食のわたしには到底食えない量ですよ、あれは。あと、幸子さんは極めて頻繁に出張で地方へ出かけるのだが、まあ、小説の編集者でここまで出張が多い人はまずいないだろうな……しかしそこを否定すると物語は成り立たないので、ファンタジーとしてまったくアリ、だと思います。
 というわけで、もう(10)巻まで発売されている作品ので、超今さらすぎるけど、わたしはこの『忘却のサチコ』という作品が大変気に入りました。まだ(5)巻までしか買って読んでいないので、この後、果たして幸子さんを振った元婚約者が登場してくるのか、そして(4)巻から登場してきた新入社員のゆとり小僧は、少しはましなガキになっていくのか(今のところ典型的ゆとり小僧のクソガキ)、そのあたりも大変楽しみにしたいと思う。

 というわけで、結論。
 ふとしたきっかけで買ってみた漫画『忘却のサチコ』という作品は、映像化されるだけあって確かな面白さを備え、漫画としての出来も非常にクオリティの高い作品である、と思う。大変面白かったので、続刊も買って読みたいと存じます。そして、幸子さんを演じる高畑充希さんの芝居ぶりも、楽しみにしたいと思う。これは期待が高まりますな。大変結構なお点前でした。あと、最後にこんなことを言うのは超今さらなんですが、本作は、ある意味、男目線からの、こんな女子がいたら最高なんだけどなあ、的な男のためのファンタジー漫画なのかもしれず、女性が読んで面白いのか、正直分かりません。根拠はありませんが、女性が読んだら、若干イラッとする可能性があるかも……どうだろうな……分からないので、女性にはお勧めしないでおきます。以上。

↓ ちょっとこれは、すでに放送されたスペシャルドラマを見ておかないとマズいすかね……超気になるっす。

 ふああ……長かった……。
 わたしはおとといの夜、読んでいた海外翻訳小説を読み終わったのだが、読み終わっての偽らざる第一声である。そしてその読み終わった本とは、6日前に買ってきた、コイツのことです。
FIREMAN


 買ってきた6日に前に書いた通りだが、Joe Hill先生による最新長編『THE FIREMAN』であります。わたしとしては、この才能ある作家Joe Hill先生が全然日本で紹介されていないのが本当に残念に思う。かの世界的大ベストセラー作家であり、わたしがこの世で最も大好きな小説家、Stephen King大先生の次男長男(姉と弟がいる第二子)で、なんでも、本人としては、King大先生の息子であることで、ちやほやされるのが嫌でJoe Hillというペンネームを使い出したらしいが、現在ではもう、King大先生の息子であることはまったく隠しておらず、世に知られている。しかし、ここ日本ではさっぱり知名度は低く、その作品が非常に面白くて、優れた才能の持ち主であることは、King大先生の息子であるということを知らなくても、作品を読めば一発で分かると思うのだが……ほんともったいない。もっともっと売れてほしいのだが、いかんせん日本の版元である小学館にはまったくやる気がなく、ほぼ埋もれているのが現状だ。ホント腹立たしいわ。
 それはともかく。まずは『THE FIREMAN』の物語をざっとまとめてみよう。
 物語は、冒頭、学校の保健室から外を眺めた主人公が、「燃える人間」を目撃するシーンから始まる。そしてあっというまに、その人体発火の病気(?)が地球を覆い、一転して世界はディストピア的状況に陥る。まあ、欧米人はディストピアものが大好きですな。で、主人公は「感染者」の押し寄せる病院へ看護師として働くようになるのだが、自らが妊娠していることが判明、こんな状況で妊娠するとは……と若干途方に暮れていると、ついに自らも発症してしまい、そのことで(頭のイカレた)夫にぶっ殺されそうになる。そんな大ピンチを救ったのが、消防士(FIREMAN)の格好をした謎の男と、なぜかキャプテン・アメリカのマスクを着用した少女だった。辛くも難を逃れた主人公は、二人に連れられて、自宅から数kmにあるキャンプ場に集まる「感染者」たちの集団に合流する。しかし、そのキャンプも、その場を仕切る「ファーザー」はいい人だったが、やがて妙な狂信めいた集団心理が醸成されていき、ファーザーが殺されかけ、意識不明に。代わってリーダーとなった女、ファーザーの娘のキャロルは、とんでもない狂信で人々を支配していくのだが……てな展開であります。
 こういう物語なので、Kingファンとしては、なんとなく『The STAND』(超インフルエンザで人類の大半が死に絶えた世界の話)や、『UNDER THE DOME』(謎の隔離バリア空間に閉じ込められた人々の話)、あるいは『The MIST』(謎の霧にスーパーマーケットに閉じ込められた人々が狂信によってイカレていく話)など、父たるStephen King大先生の作品を思い出すのではないかと思う。
 しかし、Joe Hill先生は、一番最初の序文で思いっきりこう表明している。
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 インスピレーション
 J・K・ローリング――その数々の作品が、ぼくに本書の書き方を教えてくれた。
 P・L・トラヴァース――僕に必要な薬をもっていた。
 ジュリー・アンドリュース――その薬を飲みやすくするスプーン一杯の砂糖を持っていた。
 レイ・ブラッドベリ――本書の題名を盗んだ。
 わが父――題名以外のすべてを盗んだ。
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 まあ、こうも堂々と宣言されたら、なんつうか、むしろ期待が高まりますね。ハリー・ポッターとメリー・ポピンズ、それから『華氏451度』と父King大先生に対する敬意をもって書かれたわけで、とりわけ、父からは題名以外の全てを「盗んだ」と記すのは、わたしにはある種の決意表明のようにも感じられる。読者たるわたしとしては、その意気やよし! 父を超えてみせてくれ! とワクワクが止まらない見事な序文だったように思う。
 というわけで、わたしはこの長~~い物語を実質4日間で読み終えてしまったのだが、まあ、やっぱりちょっと、冒頭に記した通り、長げえよ……とぐったりしてしまったのは確かだ。とりわけキャンプでの日々が長いよ……。中盤ぐらいから犯人捜し的なミステリー風味が加わって来て、一体だれが、なんのために?的な興味もわいてきて、面白いことは間違いないのだが、キャラクターも多いし、そしてどんどんと主人公及びファイアマンが心身ともにボロボロになっていく過程は、正直読んでてつらかったす。この辺りのボロボロ具合、もうこれ、逆転できないじゃん!? ぐらい追い込まれていくのは、実に『UNDER THE DOME』っぽさが炸裂してたように思う。そして後半の逃走劇は、なんだか『MAD MAX2』あるいは『MAD MAX:Fury Road』的でもあったように思う。完全にヒャッハー世界ですよ。恐ろしいことに。
 わたしが本作を読んで少し残念に思ったのは、肝心の『FIREMAN』があまり活躍しないんすよね……そして弱い……。まったくもってスーパーヒーローではなく、心身ボロボロで、これでもかというぐらいやられていく様は、ホントつらかったす。
 で、次に、本書でのカギとなる病気についてまとめてみよう。こういうことだと思う。
 ◆竜鱗病<ドラゴン・スケール>:正確には病気というよりも、「竜様発燃性白癬菌」というカビの一種の菌類に寄生された状態。この菌に寄生されると、肌に竜の鱗のような模様がタトゥーのように現れる。そして燃える。発生元は不明だが、温暖化で溶けたシベリアの永久凍土から数万年の休眠から目覚めたという説もあるらしい。そして、保菌者と接触しても感染することはなく、どうやら胞子を含む「灰」が媒介しているようで、菌はその灰を生成して広く増殖するために宿主を燃やす、らしい。
 しかし、この菌と共生する方法があって、燃えないでいられる状態を維持することも可能。それは、脳から分泌される「幸せホルモン」でお馴染みのオキシトシンを感知すると、菌はこの宿主は安全だ、と思うらしいのだ。面白いよな……こういう設定。キャンプでは皆が歌って心を一体化することで、体のスケール(鱗)が発光し、「ブライト(Bright)」と呼ばれる恍惚状態になり、精神的なテレパシーめいたもので「繋がってる」意識を持つ(=こういう人と繋がっている状態が人にとって最も幸せな状態=オキシトシン分泌、らしい)ため、燃えない、ということらしい。この「ブライト」というのも、Kingファンとしては「輝き(Shining)」能力を思い起こさせますな。そして問題は、燃えないだけでなく、炎を自在に操るジョン=FIREMANは一体どうやっているのか? ということになるのだが、これはある種の修行的な訓練で身に着いたそうです。この訓練のくだりはちょっとアレだけど、まあ、とにかくよくできた設定であると思う。そしてどうでもいいけど、<ドラゴン・スケール>というネーミングはセンス抜群すね。
 で、最後に、キャラについてだが、本作は小学館文庫版で<上>が660ページ、<下>があとがきなど含めて637ページ、合計1297ページと膨大で、キャラクターもそれなりに多いので、まずはわたしがパワーポイントでテキトーに作った人物相関図を貼りつけておこう。
FIREMAN
 ◆ハーパー:主人公の女性。30代後半だっけ? 年齢は忘れました。学校の保健室の先生だったが、「竜鱗病」蔓延後は看護師に。彼女の問題点は、果たして何もなく平穏な世界のままだったら、夫の本性に気が付けていたのだろうか? という点だろうと思う。ある意味平均的US家庭の奥様で、保健室のメリー・ポピンズとして厳しく、優しく子供相手に過ごせていたはずで、まさか夫があれほどクソ野郎だったことには気が付かずに終わっていたのではなかろうか。そして、それはそれで、まったくの幸せな人生だったのではないだろうか? そう考えると、若干ハーパーというキャラに対する共感は薄れてしまうような気もするけど、まあ、人間だれしもそうなんでしょうな。普通の人代表として、そして異常事態でも変わることのない善良な魂の持ち主として、主人公の資格を持っていたと思うことにしよう。なんつうか、善良さによるものなのかどうか分からないけど、ハーパーはかなりあっさり人を信用するし、好きになっちゃうという、フツーの女性だと思う。そして妊婦なのに、無茶しすぎだよアナタ……。
 ◆ジョン:元菌類学者のイギリス人。現FIREMAN。消防士の格好をしていて、炎を操る男。フツーの人なので、肋骨は折るわ手首は脱臼するわと、満身創痍。中盤ほとんど出番なし。キャンプにはおらず、すぐそばの小島で一人ひっそり暮らしていて、「ブライト」状態で人と繋がることを拒否している。その理由は―――まあ、書かないでおきます。読んでお楽しみください。
 ◆セーラ:すでに故人。焼け死んだ。が、実はジョンの小屋のかまどの火の中にーーな方なので、わたしは勿論『ハウル』のカルシファーを思い出したっす。
 ◆ファーザー・トム・ストーリー:キャンプの主導者。元学校の先生。セーラとキャロルの父。まあ、なんつうか、いい人なんだけど……あまりに無防備というか、ちょっと危機感が足りなかったのではないかしら……。
 ◆キャロル:セーラの妹で超奥手な女。何歳か忘れたけど処女。ファーザー襲撃&昏睡ののち、どんどんとおかしな方向へまっしぐらなイカレたお方。この人も、この異常事態ではなく、普通な世ならば、普通に生きて行けたかもしれないのに……。たぶん、本人には全く罪悪感のかけらもなく、正しいと思ったことをしただけだと思う。恐ろしい……。
 ◆アリー:セーラの娘。16歳だっかな、絶賛思春期の扱いの難しい娘さん。ジョンを慕っていて、ジョンのFIREMAN活動のサイドキック(相棒)的に、キャプテン・アメリカのマスクをかぶって活躍。しかしキャンプでは、周りに影響されやすいのかな、コロコロと態度が変わる、ホント難しい娘さんですよ。
 ◆ニック:セーラの息子でアリーの弟。聾唖で、読唇術を身に付けていないため(作中で曰く、読唇術なんて映画の世界のモノで、出来っこない)、手話か筆談で意思疎通する少年。しかし「菌」の扱いが実は非常にうまく、2代目FIREMANになれるレベル。基本的に、甘えっ子です。
 ◆ジェイコブ:ハーパーの夫。公務員だが、実はずっと人々をバカにして、オレが世に認められないのはクズどものせいだと世界を憎んでいた。ついでに妻のハーパーに対しても、内心ではこのアホ女め、とずっと見下していて、それを小説に書いてストレス解消していたクソ野郎。ハーパーが感染したことで、自分ももう保菌者なんだと血迷って無理心中しようとするアホ。そしてその際、ハーパー&FIREMANにこっぴどくやられて、ずっとハーパーとFIREMANと感染者をぶっ殺すことを生きがいにする。でもまあ、ジェイコブもまた、平穏な世界であれば、それなりに平穏に生きて行けたんでしょうな……。
 ◆ルネ&ドン:最後までハーパーの味方のいい人。ルネは黒人のおばちゃん、ドンは元軍人のおじいちゃん。詳しくは相関図参照
 ◆ベン:元警官で、コイツはいい人かな? と思っていたけど、どんどんと元警官の血が騒いだのか、圧制側に回ってキャロル陣営へ。「ブライト」中のトランス状態でハーパーのケツをもみまくる変態おやじ。読んでいて、ついドンとベンが、どっちがどっちだかわからなくなるので、気をつけよう!
 ◆マイクル:アリーが大好きな少年で、コイツもいい人だと思ってたのに……単に、ヤリたくてしょうがない男子高校生(童貞)でした。
 ◆ハロルド:既に故人。キャンプでは嫌われ者のキモオタデブの変態野郎。しかし実は、一番事態を把握している賢い奴で、日記を残しており、数々のヒントを残す。なので、実は大変かわいそうな野郎でした。
 とまあ、主なキャラはこんな感じかな。他にもいっぱいいろいろなキャラが出てきますが、彼らに共通するのは、平穏な世界ならば、誰しもが普通の人であったはずだという点で、この「菌」が、あらゆる人に、ある意味平等に、その人の本性をむき出しにする事態へと突き落としたわけで、なんつうか、恐ろしいというか、こういう事態でも変わらない自分でありたいと願わずにはいられないすな。いや、変わらない、というのは違うか? 変わったように見えてもその人そのものなわけで、仮面を無理矢理剥されたってことなのかな……その仮面があまりに別物だと、なんかゾッとするっすね。おれは果たして大丈夫なんだろうか……という怖さは、とても強く感じるに至ったす。

 というわけで、もう長いのでぶった切りだけど結論。
 US発売から2年(?)。待ちに待ったJoe Hill先生の最新作『THE FIREMAN』の日本語翻訳が発売されたので、さっそく買い求め、むさぼるように読んだわたしである。読み終わって、まず第一に、長い! 疲れた! という感想が一番最初にわたしの口から洩れたのは確かだし、実際、途中ちょっとダレるかも……とは思うけれど、それでもやっぱり、結論としては面白かった! と申し上げたい。少なくとも、Kingファンならば絶対に読むべき物語であり、Kingファンに対しては絶対のおススメだ。ただし、Kingファン以外の人々に対しては……どうかなあ……最後まで読み切る気合は必要だと思います。そして、わたしは偶然、今年上演された『メリー・ポピンズ』の舞台を観に行ったし、その予習として映画版も見直しておいたのだが、本書は数多く『メリー・ポピンズ』を知らないと困る描写が多いような気がする。なので、読む前に、ぜひ! 映画版『メリー・ポピンズ』を観ておくことを推奨します。知っていると、ニヤリとしてしまうような場面がいっぱいありますよ! そんなところも、わたしとしては大変楽しめました。つうかですね、King大先生のDNAは確実にHill先生にも受け継がれているのは間違いないですな。すごい才能ですよ。次の新作が楽しみです。以上。

↓ マジで観ておいた方がいいと思います。映画としても最高に楽しいしね。若き頃のジュリー・アンドリュースさんはホントかわええっすな……!

 先ほどメッセージをいただいてしまいました。ありがとうございます! 朝、このネタは書こうかとちょっと悩みましたが、メッセージをいただいてしまったからには、書かざるを得ません。
 もちろん、わたしも今朝見て、思わず吹きましたw
 なんのことか、お分かりですよね?
 そうです。今日発売の週刊少年チャンピオン2018年第37/38合併号に掲載されている、『あっぱれ! 浦安鉄筋家族』の「第21ミャオ★鯉」のことです。
 浜岡先生、ありがとうございます! 浜岡先生は、「天国でもチャンピオン読み続けて下さい」というメッセージを書いておられましたが、今頃きっと、佐藤先生も、ゲラゲラ笑っていることでしょう。もちろん、わたしも、すごいのキタ!!wwwと電車で噴き出しました。
 わたしは今まで、『鮫島』ニュースでは絶対に画面キャプチャーは貼らないという自分ルールを貫いてきましたが、今週の『浦安』だけは、どうかちょっとだけ貼りつけることをお許しください。『鮫島』ファンなら、なんかとてもうれしくなる素晴らしいものですので、これはちょっと、皆さんにもお見せしたいと存じます。
 えーと、お話としては、大鉄おやじと順子お母さんが、また禁煙を巡って喧嘩しているところで、「言った言わないは相撲で決めろ―――!!」と小鉄が言い出し、二人が戦ってる最中に、家の中では裕太君が両親の相撲を見て、相撲楽しそう、とか言い出して人形で相撲ごっこを始めるのだが……てな流れです。
 わたしは、もう冒頭の「相撲」というワードに、おっ!? と思い、読み進めていくうちに……どんどんと『バチバチ』テイストが入って来て、なんかずっとニヤニヤしておりました(※タイトルの『鯉』は読み終わったあとで気が付いたす)。
 で、どんなのかというと……。
urayasu01
 どうすか。ヤバいすねw おまけにこう来ますw
urayasu02
そして……! ロゴまで!
urayasu03
 どうですか。まあ、控え目に言って最高ですね!w
 そしてラストはこんなメッセージで終わりです。
urayasu04
 
 というわけで、結論。
 浜岡先生、本当にありがとうございました! なんか、とても嬉しいす! 以上。

↓ チャンピオン本誌には全然情報が載らないんですが、Amazonではもう(19)巻の告知があります。9月発売のようで、楽しみであります! どういうカバーになるんすかねえ……。

 もうこのBlogではおなじみのフレーズだが、何度でも言うッ!
 わたしが世界で最も好きな小説家はStephen King大先生であるッ!!
 まあ、King大先生の作品の、日本語で読める最新刊は、すでに9月21日発売が予告されている『END OF WATCH』(日本語タイトル「任務の終わり」)なわけだが、そちらは当然もう、今から早く読みたくてたまらないわけで、大変期待しているわたしである。
任務の終わり 上
スティーヴン・キング
文藝春秋
2018-09-21

任務の終わり 下
スティーヴン・キング
文藝春秋
2018-09-21

 しかし、以前もどこかで書いた通り、どういうわけかここ日本においては、King先生の知名度はそれなりに高く、作品の人気もそれなりに高いはず、なのに、本自体は正直、あまり売れていない。ま、それは単に出版不況と呼ばれる構造的、あるいはもはや、若年層における小説を読む習慣の欠如という文化的?な時代の変転によるものと思わざるを得ないのだが、そんなことはある意味どうでもよく、わたしが極めて残念に思っていることは、King先生には、まさしくそのDNAを継承した、おっそろしく才能のある息子がいて、その息子の作品が超絶に面白い!ことがまるで日本で紹介されていないことである。
 この点に関しては、明らかに日本における版元である小学館の責任であり、その惰弱な営業活動のもたらした罪、とわたしとしては断言したい。これが例えばKing作品を継続して刊行している文藝春秋社からの刊行であれば、恐らくはもっと父King作品に絡めた宣伝告知などが可能だろうし、もっともっと売れているはず、ではないかと推察する。まあ、ひょっとすると父Kingがらみの七光り的扱いはNGと禁じられている可能性はあるが、わたしが営業担当者だったら、今の部数の10倍以上売る自信はあるね。残念ながら小学館には何の期待も出来ない。実に残念だ。
 その才能ある息子(※ちなみに次男姉と弟がいる第二子です)の名前はJoe Hill。1972年生まれの現在46歳。この野郎の作品が、まあとにかく面白い! のである。読んで絶対損しないと思う。少なくともKing大先生のファンならば。そのJoe Hill氏の新作が今日、やっと日本でも発売になったので、わたしはもう大急ぎで買って来て、これから読もうと思っております。US発売からもう2年かな? もう日本語版は出ないんじゃないかと心配していたけれど、ようやくの発売だよ! それほどわたしは待っていたのです!
 そしてその作品がこちら。小学館のくせに、いいカバーデザインじゃんか! なかなかかカッコイイので撮影してみた。ズバリ帯が邪魔だったので、外して下に置いときました。
FIREMAN
 タイトルは『THE FIREMAN』。あらすじを、小学館の使えないWebサイトから勝手にパクって貼っておこう。
-------<上巻>--------------------
世界の終わりに現れた炎を操る謎のヒーロー
 全身に鱗状の模様が現れたのち、発火現象を起こして火だるまになり焼死する--人類にとってまったくの未知の疾病が急速に広がり、世界の終わりが迫っていた。感染者隔離施設で看護にあたっていた元学校看護師のハーパーは、妊娠と同時に感染が発覚。錯乱した夫に殺されそうになった彼女は、間一髪のところをキャプテンアメリカの姿をした少女と消防士姿の謎の男〈ファイアマン〉に救われ、迫害された感染者達が身を寄せ合う山中のキャンプに導かれる。外の世界では社会不安が広がり、自警団組織が感染者狩りをしてまわるようになり、やがてハーパーの暮らす弱者たちのコミュニティの中でも不穏な動きが……。
 ニューヨークタイムズ・ベストセラー1位、『トランスポーター』の監督ルイ・レテリエによる映画化進行、ベストセラー作家による傑作エンタメ超大作!
-------<下巻>--------------------
 全人類を滅ぼさんとする未知の疾病〈竜鱗病(ドラゴンスケール)〉に冒された妊娠中の看護師ハーパー。夫に命を狙われたところを消防士姿の男〈ファイアマン〉に救われ、迫害された感染者たちが身を寄せ合うキャンプに避難するが、新たなリーダーの登場でコミュニティもまた不穏な状態に。一方、外の世界では感染者狩りがますます激化し……。
本当の敵はどこに?生き残るのは誰か?全人類が追い詰められた極限の中で、愛する人を守るため瀕死の傷を負いながら闘う炎の使い手〈ファイアマン〉を描く、傑作エンタメ大作、超スペクタクルな完結編!
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 どうすか、結構ネタバレかましてくれてるような気もするけど、超面白そうじゃあありませんか! なんか、Kingファンとしては『The Mist』や『UNDER THE DOME』あるいは『THE STAND』を思い起こさせるような気がしますね! まあ、この説明文が果たして適切なのかどうか。これから読んで確かめたいと思う。

 というわけで、結論。
 待ちに待った、Joe Hill氏最新作、『THE FIREMAN』が発売になったぞ―――! わーい! さっそく読み始めます! やっばいすねえ! 上巻が660ページ、下巻が620ページ。コイツは歯ごたえあるぞ……! 超ワクテカが止まんないす! 以上。

↓ 腹立たしいことに、Kindle版は出ているのに、わたしの愛用するBOOK☆WALKERでの電子書籍の発売はナシ。ホント小学館にはイラつくわ。【2018/8/8追記:昨日の発売日は一切なかったのに、今朝見たらB☆Wに8/17配信開始と告知されていた。その情報の遅れも、紙から10日遅れで電子を出すという方針も、共に話にならん。結論として小学館はさっさと資産食いつぶして、どこかに身売りすれいいのにと思う】


 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 そして、2015年10月15日の第44話から始めたこの『鮫島』ニュースも、132週分、2年9カ月にわたってお送りしてまいりましたが、これが最後の『鮫島』ニュースとなります。
 実に、実に残念であります。
 そしてわたしとしてはまず最初に、これを読んでいただいている方々へ、御礼を述べなくてはなりません。この、インターネッツという銀河の片隅で細々と記してきた『鮫島』ニュースが、一体どれだけの方々に読んでいただいたのか、実のところわたしにはさっぱり分かりません。しかし何十人の方々から温かいコメントをいただいたことは、とてもうれしく、心から感謝申し上げたく存じます。皆さんからいただいたお言葉も、わたしは忘れません!
 本当にありがとうございました!!!

 そして……みなさま。今週の、無念の、残酷な最終回を読む覚悟は出来ていますか? わたしはもう既に今週号を読み終わっており、いかに、自分の覚悟が、まったく薄っぺらなものだったかということを思い知らされ、愕然としました。わたしが読んだのは今日のAM2時ころでしたが、あまりのラストに、自分でも驚いたことに気を失うかのように寝ちゃいました。そうです。今週の最終ページは、ある意味予想通りであり、全く予想外の形で終わります。矛盾してますがそうとしか言いようがないラストです。
 もう一度問います。そしてこれはある意味警告とご理解ください。
 今週の、無念の、残酷な……くそっ! このあんまりな最終回を読む覚悟は出来ていますか? 今週は、まずはチャンピオンを買って読んでからの方がいいと思います。

 さあ、それではもう、今週は余計なことは書かず、始めます。あ、いや、関係ないけど一つだけ! J-SPORTSが毎夜放送しているツール・ド・フランスの中継には、例年何回か『弱虫ペダル』の渡辺航先生がゲストで登場されるのですが、今年も第3ステージのチーム・タイムトライアルで出演されていました。渡辺先生、本当にお忙しいところお疲れ様です。どうか、どうかお体にはお気をつけください! 渡辺先生のお体がとても心配です。今後も『ペダル』のために、チャンピオンは買い続けますよ!

 さて。それではありったけのカラ元気を振り絞って、最後の『鮫島』ニュースをお送りいたします!
 先週はとうとう13日目のVS『猛虎』先生との死闘に決着がつきました。「虎城」をもっとも色濃く受け継ぐ【猛虎】先生を倒したのは、鯉太郎の師匠である先代空流親方の必殺技「呼び戻し」、別名「仏壇返し」でありました。まさしく「虎城キラー」。いやあ、ホントに燃えたっすねえ……そして泣けました……。今週はその続きであります。
 冒頭は国技館の外観、そして土俵上で【猛虎】先生を投げ飛ばす鯉太郎の図であります。そしてめくった先では、場内シーーーンの様子。椿ちゃん&鯉母は土俵を見つめ、常&大吉&田上さんこと【稲虎】関はもう口あんぐり。支度部屋では白水兄貴がモニターを見ています。審判席の仁王兄貴こと現・空流親方も目を見張り、【王虎】さんは静かな表情、そして虎城理事長は目をつむり、無念……という表情でうつむいています。
 そして鯉太郎は半ば意識朦朧な表情、対する【猛虎】先生は、なん……だと……?的な驚愕?の表情です。そしてNHKアナの「勝負ありーーーー!! 勝ったのは鮫島ーーーー!!」という絶叫で場内はドアアアアと沸き立ちます!
 「鮫島これで何と13連勝ーー!! 昨日の王虎に続き今日もまた大関を倒したーーー!!」
 この先、NHKアナと虎城理事長の解説が続きます。
 「この一戦 勝敗を分けたのは何だったんでしょうか 虎城さん!」
 「二人に差はなかったですよ いや…むしろ技術力を見たら猛虎が上だった… 猛虎が出した最後の上手投げ 並の相手なら…いや…並以上の相手でも決まっていたでしょう…」
 「鮫島は…それ以上だと…」
 「やっかなんですよ…アレは…極限まで削られ 鮫島から最後に出てきたもの…アレは 先代空流親方の…虎城キラーと呼ばれ 私の天敵だった小結春風の技…」
 椿ちゃんが泣いてますよ……! わたしも泣いていいですか? もう我慢できん……!
 「たまたまでもなく 運でもなく…体が最後の技を出させた…鮫島に流れる空流の血が 離さなかった勝利でしょう…」
 ここは1ページブチ抜きで天を見上げ、すっくと立つ鯉太郎の図であります。見てたか……オヤジ……と鯉太郎が考えているか分かりませんが、わたしが代わりに言ってあげたいす。アナタの自慢の息子は、ここまで成長しましたよ!
 そして虎理路理事長は考えます。
 「心配なのはあれほどの力を出し 敗れた猛虎か…」
 そして当の本人である【猛虎】先生の心境はというと、理事長の心配はどうやらいらないようです。まあほんとカッコイイんすよ、この【猛虎】先生は。
 「何て男だ…今にもモロく崩れそうな…儚く消えてしまいそうな…これほどの男にそこまでされたことに 敗れても幸福感すら感じてしまう…」
 【猛虎】先生の表情は、完敗を認めた男の表情です。しかし、「ゴン」という音が響き、観客たちは「!!?」と驚きます。ページをめくるとその音の正体が描かれております。それは、【猛虎】先生の、男の意地でありました! 【猛虎】先生が、悔しさと自らへの怒りに、土俵へ正拳一発、たたきつけた音だったのです!
 「ダメだ…それでは俺が ここで止まってしまう 中にある悔しさのかけらを拾い集めろ…この敗北を悔しさでうめつくせ…ここからまた始めるんだ…必ず俺は いつか必ず…虎城(アナタ)の場所に…」
 なんという……【猛虎】先生、あなたこそ何て男でしょうか! カッコ良すぎます! 太字にしたのはわたしがあまりに感動した言葉です。敗北を悔しさで埋め尽くせ……これは並の男では至らない思いですよ。すげえなあ……【猛虎】先生は。そして紙面では【猛虎】先生がきっちりと腰を折って(たぶん理事長へ向けて)「礼」をしています。さらにその「礼」をみて、虎城理事長は嬉しそうに微笑んでいますよ。男っすねえ……お見事です!
 そして場内は鮫島コールで埋め尽くされております。「場内鮫島コールがおさまりません! 平幕の鮫島がここまで勝ち残ることを誰が予想出来たでしょう!」とNHKアナも伝えております。
 しかしそんな場内の喧騒をよそに、鯉太郎は背後?から、「ピキッ」と謎の感覚をとらえたようです。これは……体の変調か? その謎の感覚に、鯉太郎はきょろきょろと辺りを見渡します。その挙動不審の鯉太郎に、NHKアナも「……? 鮫島どうしたんでしょう…アレだけの激闘です 意識がもうろうとしているのかもしれません…」と解説します。そして行事さんも「おい…君は西方だ…早く戻りなさい…」と声をかけますが。鯉太郎はなにやらふらふらと…「おっおい…そっちは東方だ…」と東へ歩みを止めません。
 そしてページをめくると! そこは見開きで! 鯉太郎は東の土俵下に陣取る男の前に歩み出るの図であります!! この後ろ姿しか描かれていない、東の土俵下にいる男とは!? もちろん!
 ああっ! ページをめくった先も、見開きです! 鯉太郎の、若干不敵な笑みだ!
 「呼んだか…?」
 その声をかけた相手、それはもちろん! 最強横綱【泡影】だーーーーッッッ!!!
 そして!!!! ページをめくると今週の、そしてこの『鮫島、最後の十五日』という漫画の無念の最後となる1ページです!!!! そこに書いている文字を、わたしはたぶんずっと忘れないと思います! 覚悟はいいですか!? 本当にいいですか!!?

 14日目 泡影-鮫島

 オィィィィッーーー!! うそだろーーー!!? マジかよ!? マジなんですか!? 嘘って言ってくれよ!! くそっ!! 本当にこの先が読めないなんて、残酷すぎます!! なんてこった……わたし、マジで気ィ失ったんじゃないかな……。この衝撃を喰らったのがAM2時くらい、ハッ!? と気が付いたらAM4時でした。はーーーホント、わたしの覚悟は全く薄っぺらなやっすいモノでした……。
 はーーー……確かに、確かに14日目にVS横綱戦が組まれることは、十分あり得るものとは思っていましたが、まさか実現するとは……。そしてこの先を読めないとは……。なんて残酷な世の中なのでしょう。残念です。つらいす。とてもつらいすよ……。そしてもう完全に「伝説」がここに誕生したと思ざわるを得ないすね。でも、わたしは本当の最終回を読んで、「伝説」が誕生する瞬間を味わいたかった。 くそっ! 残酷にもほどがあるよ……。はーーーー……本当に、つくづく残念であります。
 そして、今週の週刊少年チャンピオン2018年第33号の巻末著者コメントでは、連載作家陣全員が佐藤先生へのメッセージを寄せてくださっています。皆さん残念に思っておられるのはそりゃあ当然でしょう。しかし、その中で佐藤先生のコメントだけが、一人完全に通常モードで、そこも実に悲しい思いです。ちょっと引用する気持ちにはなれないので、ご自分の目でご確認くださいませ。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
 14日目:【泡影】東横綱←NEW!!!&NEVER END!!!
 --------
 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 わたしたちが愛した『鮫島、最後の十五日』という漫画は、本当に終わってしまいました……しかも超イイところで。本当に魂を削って執筆されていたんでしょうね……。こんな残酷なことがありますか!? 悲しいとしか言いようがなく、つらいす……。なお、今回の最終回は第176話ということで、計算すると、次の単行本(19)巻が第161話~169話、その次の(20)巻が170話~となるはずですが、いつもより2話分少なくなるわけで、どのような刊行になるか、まだわかりません。連続刊行あるいは同時刊行もあるかもしれないすな……ネーム掲載とかもあるのかなあ……。いずれにせよ、わたしはこの作品をずっとずっと忘れずに、大切に、そして愛し続けようと思います。
 『鮫島』ニュースはこれで終了ですが、単行本発売でなにか新たなニュースがあれば、また何か書くかもしれません。そして私の大好きな映画や宝塚歌劇や読んだ本など、備忘録としてのこのBlogというかテキトーなメモ書きはまだ続けるつもりです。
 というわけで、本当にありがとうございました。そして佐藤先生、本当にありがとうございました!! わたしがいいたいこと、それは勿論いつものこれです!
 いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね!
 そして、佐藤タカヒロ先生はマジ最高っす!
 以上。

 わたしが今、一番面白いと思って毎週夢中になって読んでいる漫画、『鮫島、最後の十五日』。物語はまさしくクライマックスへ向けて、毎週すさまじい熱量をもってわたしを興奮させてくれている大好きな漫画ですが、その著者である、佐藤タカヒロ先生が、41歳という若さで亡くなられたとの報に触れ、わたしはまだ呆然としております……。
 くそぅっ! おれより全然若いのに!!
 わたしは、自身の経験として22年前に父を亡くし、また、恩師や上司、友人、親族といった身近な、そして大切な人々を亡くし、そのたびに、どこか心が乾いていくような気がしていました。

 一体、冥福を祈るって、どうやればいいんですか!?
 わたしはもう50近いおっさんなのに、いまだに、そのやり方がよく分かりません。
 悼むって、どうすればいいんですか?
 わたしはなんだかずっと、同じようなことを考えていたような気がします。

 そして、今のわたしは、この世に遺されたわたしが先に逝ってしまった人々に対してできることは、たった一つしかないのではないかと思っています。
 それは「忘れないでいること」。
 「忘れずに、ずっとずっと、憶えていること」。このことだけ、なのではないか。そんな気がしています。わたしは、11年前の2007年に、突如思いたって、会社を一日も休まず、土日だけを使ってお遍路を回ったことがあります。まあ、歩いたわけでなく、羽田からチャリを飛行機に積んで、全5回に分けてひたすらチャリで回って88箇所完遂したのですが(サーセン、どうしても高知だけは広大でレンタカー借りました)、その時ずっと、先に逝っちまったみんなのことを考えていたように思います。下手すると声に出してたかもぐらいです。親父よぉ、次まであと何キロあるんだよ……みたいな。当時はスマホなんてなくGPSもなかったもので。
 この1000km以上にわたる旅の中で、わたしはふと、将来おれが逝っちまった時、誰かがこうしてずっと忘れないでいてくれたら、結構嬉しいかもな、と思いました。そして、そうだ、おれに出来ることは、ずっとずっと、忘れないでいること、これだけなんじゃね? と思ったのです。そしてひょっとすると、これが「悼む」ってことなのかも? とはたと気が付きました。これが正解なのかよくわかりませんが、わたしはそう思うことで、心の整理がついたような気がしています。自己満だろうし、単純かつ、超いまさらなんですけど。

 なので、わたしはこれから先、ずっと、出会った人々に、漫画の話になったら必ず、佐藤先生の作品を紹介しまくり、おもむろにタブレットを取り出してその場で読ませ(電子書籍のメリット享受)、すげえだろ! おもしれえだろ!! 泣けるだろ!!! マジ『鮫島』って漫画は最高なんだよ!!!! と言い続けようと思います。
 そして最後まで読んでくれた人は、きっと誰しも「この先は?」と聞くでしょう。その時は、この不条理に対して半ば八つ当たり気味に、ここで終わりなんだよ!!! どんだけ連載時おれが泣いたと思ってんだ!!! と『鮫島』を連載リアルタイムで読んでいたことをキレながら自慢(?)しようと思います。そしてその先の展開を熱く妄想して盛り上がり、あまりに早く逝ってしまった佐藤先生を想って泣こうと思ます。
 佐藤先生、わたしはずっと、あなたとあなたの作品を忘れないでいます。

 と、いうわけで。毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です!
 そしてこの『鮫島』ニュースは、今回と次回で終了となります(いや、最後の単行本発売の時や、その後も妄想記事は書くかもしれません)。ほんとうに無念です。しかし佐藤先生や奥様、ご親族の方々や編集部の皆さんの無念に比べたらきっと100億分の1ぐらいでしょうから、あと2回、せめてカラ元気を出してお伝えしようと思います。チャンピオン概況は省略して、さっそく行きますよ!

 先週はついに鯉太郎が【猛虎】先生の左前まわしを取って、吽形さん直伝の「美しい」下手投げを放ったところまでが描かれました。そして相撲そのものを体現する横綱【泡影】の目が開き、鯉太郎が強敵(とも)たちと闘ってきた「点」が、とうとう横綱【泡影】へ至る「線」となった!的な、超イイところまでが描かれました。
 今週は当然その続きです。下手投げは決まるのか!? もうのっけから鼻息荒く、わたしは興奮を抑えられません。今週は、土俵を見守る虎城理事長の内的独白からスタートです。投げに行く鯉太郎を見て虎城理事長が思う事、それは愛弟子【猛虎】への想いです。
 「わずか…本当にわずかに…力んでしまった…悔やむべきはそこまで鮫島を 猛虎が引き上げてしまったということか…」
 しかし巻頭ページをめくるとこそには、まったく諦めていない【猛虎】先生の眼光鋭い眼差しです! あっと! 【猛虎】先生はザッと右ひざでつっかけて投げを回避! これには虎城理事長も「アレを 切り返すか…」と「!!!」の様子です。そして二人ともすかさず体勢を立て直し、両者四つに組んだ模様です!
 「なんという 技術の高さ…よくぞ…よくぞここまで…」こう思う虎城理事長の脳裏に浮かぶのは、かつて【猛虎】先生が言ったあの言葉です。
 「自分の虎の字は親方の虎の字です 大横綱虎城の息子は王虎(アイツ)だけじゃない」
 そう、もはや虎城理事長も「見事だ…息子よ…」と思わざるを得ないでしょう。くそっ! 泣ける!! どうしようもなく泣けますねえ!!
 しかし、それでも鯉太郎は、ズッ…と押し込んできます。これには【猛虎】先生も驚きの表情、虎城理事長も、なにぃ!?的フェイスだ! 椿ちゃんも常&大吉も、田上さんも、みんなが「どっ…どこにその力が…」と土俵にくぎ付けです! そして胸をつけ一番近くにいる【猛虎】先生は感じます。
 「生命を燃やすか…いや…このにおいは…鮫島の中にいる 王虎(おまえ)か…」
 【猛虎】先生はそれを感じて俄然表情が燃えてきました! 嬉しそうです!
 「寄こせ…鮫島…それを…それは俺が…その虎城の血は…俺が…」
 ここでの鯉太郎の表情は、もはやイっちゃってるような表情、そして【猛虎】先生が一気に! ページをめくるとそこには1ページブチ抜きで! 一気に寄る【猛虎】先生のすさまじく迫力ある絵であります!! そして台詞もカッコ良すぎる!
 「俺が持つべきものだ…!!!」
 イカン! こいつは万策尽きたか!? 鯉太郎の眼が、徐々に閉じていく!? こ、これは! 虎城理事長も、ここまでだ…的な終了のお知らせフェイスです!
 「コレですべての力を使い果たしたか…勝負ありだ…鮫島鯉太郎…」
 しかし次のページは! 「どうしたクソガキ そこまでかコラ」とあの時の父、火竜の顔が鯉太郎の脳裏によぎりました! そして次のページは! あーーーっと! 止めた! 【猛虎】先生の寄りを必死に押しとどめる鯉太郎の図であります!! この鯉太郎の様子に、鯉太郎母は、そして虎城理事長は、二人そろって同じものを見ます! それは!
 「かっ…火竜…か!?」
 しかしそれでも【猛虎】先生は冷静。最後のフィニッシュへ、これまでの全てを出すべく覚悟を決めます。
 「こい…何があろうと 誰が来ようと…揺るぎはしない!! 俺の相撲は…虎城の相撲は…」
 そしてページをめくった先は、見開きで一気に上手投げ(?)をぶち放つ【猛虎】先生の図です。 う、美しい!! 台詞もカッコイイ! なにより、【猛虎】先生の表情が最高にカッコ良すぎです!
 「最強だと…俺が証明する…」
 これで決まりか!? 鯉太郎ももはや「これで…俺は…もう…」と完全燃焼なのか? しかし、その脳裏のよぎるのは!! ああ、なんてこった! もう涙が止まらないす!! そう、鯉太郎がここで思うのは、家族である空流のみんなであり、「空流部屋の看板」です!!! そして、亡くなった先代空流親方、またの名を「虎城キラー」春風の優しい笑顔です!!!!
 そして……ページをめくると、そこには見開きで……! 行ったーーーー!!!! 呼び戻し!!! 別名「仏壇返し」炸裂だ――――!!!!
 来た! 来ちゃった!! マジかよ鯉太郎! お前って野郎は!!! 
 そして今週ラストページは、1ページブチ抜きで、【猛虎】先生を土俵にたたきつける鯉太郎の図で幕、であります……。はぁはぁ……つ……ついに……ついに! 決着……!! であります!!
 はぁ……今日はもう、わたしはこの興奮と感動で、何もかもが色あせて見えるような気がします。ありふれた日常を生きられるのが、そりゃあまあ、幸せなんでしょうよ。でも、あまりの興奮を味わうと、幸せなはずの日常が、どうしてこうもつまらなく思えちゃうのかなあ……なんかもう……抜け殻っすわ……涙が止まらないす……。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はとうとうVS【猛虎】先生との死闘に決着がつきました。ある意味予想通りであっても、予想以上の感動で、わたしはなんだか抜け殻になったような気分す。今日は一人で飲みに行っていいすか……? 3時間後には来客もあるし、やらなきゃいけないことがあるのに、なにもかも、つまらねえというか、どうでもいいというか……誰にも会いたくないというか……またおれは残されちまった……みたいな感覚を非常に強く感じます。これは、ひょっとすると椿ちゃんたちが感じていること、天雷が感じたことに近いものなのかもしれないすな……。まあ、ともあれ、来週はラスト、最後の『鮫島、最後の十五日』です。その予定外の、そして無念の最終回を、わたしは受け入れる覚悟を固めようと思います。つうかですね、いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね! わたしはこの思いを、ずっとずっと忘れないでいようと思います。以上。

 ごめんなさい。
 わたしたちが愛した佐藤タカヒロ先生の訃報に触れ、今は気持ちがぐちゃぐちゃで、どうしても言葉がまとまらず、いただいたコメントに返事ができず申し訳ありません。
 明後日木曜日のチャンピオン発売までに、気持ちをまとめて文章にします。
 そしてもちろん! まだわたしたちが愛した『鮫島、最後の十五日』は、2話分、週刊少年チャンピオン2018年33号まで掲載されるとのことですので、最期まで『鮫島』ニュースは続けます。
 ごめんさい。今日はこれにて……お許しください。。。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、先日発表になった7月場所(名古屋場所)の番付はご覧になりましたか!? とうとう! ついに! わが愛しの松鳳山裕也君が小結復帰ですよ!!! ひゃっほう! やったーーーー!!! いやあ、なんつうかですねえ、超嬉しいんですけど、どうしたらいいのでしょうか! これはアレっすかねえ、二所ノ関部屋の後援会に入れってことなんすかねえ!? 年会費がいくらとか、どういう特典があるのかとか、そういう詳細がWebサイトに載ってないんすよね……高っけえのかなあ……。とりあえずこれは問合せしてみるしかないすな。いやー、しかし嬉しいす! 何とか名古屋でも勝ち越してほしいす!!
 そして、佐藤タカヒロ先生のツイートを2つ載せておきます。なんと、先週の第173話に誤植があったという件(コメントで情報をいただきました!あざます!)と、現在発売中の単行本最新(18)巻に、連載時は泣く泣く削った2ページが収録されているというお知らせです。


 ということだそうで、わたし、単行本(18)巻を買ってすぐ読んだ時は全然気が付かなかったものの、先生のツイートを見て、お? と思ってチェックしてみたらすぐに、これか、と気が付けました。【王虎】さんを一気に寄るところなんすけど、これはぜひ、お手元の単行本でご確認下さい!
 それでは、もう冒頭から長いので、今週の週刊少年チャンピオン概況は今週は飛ばします。いや、一つだけ。『ドカベン』完結、水島先生お疲れさまでした! 電子には載っていないので、紙雑誌版も買いました。久し振りの紙雑誌は、やっぱり読みやすいすね!

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りします。
 先週は強烈なのど輪攻めで土俵際に詰められた鯉太郎が、「スッ…」と抜けてくるりとターン、【猛虎】先生の左腕を抱えて!? という超イイところまでが描かれました。【猛虎】先生をしても、何が起きたのか理解不能な鯉太郎の動きに、大逆転は起こるのか。もうこの1週間がわたしにはひどく長く感じられたすわ……。
 というわけで、今週は勿論そこから再開です。そして冒頭1ページ目から、【猛虎】先生は何が起きたのかを見抜いたようです。
 「こ…こいつ今…抜きを使った…!?」
 そして虎城理事長も理解しています。「何と…力押しを見せていたのも まばたきほどのあの隙を つくるためか…」
 なるほど!? つまり、押し込まれたのど輪に対して、ぐぐぐ、と上半身を起こそうと力で対抗してたのも、フッ……という一瞬の「抜き」のための伏線だった、ということでしょうか? そういうこと?
 「あのわずかな隙をのがさない あの抜きは 偶然か… それとも…」
 しかし【猛虎】先生はすぐさま対応、90度左へ回ってすぐさま鯉太郎へぶちかます! ドゴッと強烈なヘッドバットが鯉太郎の胸に直撃! しかもまだ鯉太郎は若干半身の体勢なので、これは体が崩れるぞ! そして喰らった鯉太郎は血反吐を吐きながらも「クソ…ダメだ…笑っちまう…」と戦いを楽しんでいる様子です! あーーっと! その若干の笑顔に【猛虎】先生の強烈な右張りが炸裂! 容赦なしだ! NHKアナも「猛虎 鮫島を逃さないーーー!!」と絶叫、張り手ラッシュが鯉太郎を襲う! しかし鯉太郎はそれでも嬉しくてたまらないようです!
 「こんなスゲー男が これまでの相撲にかけてきた時間を すべてオレにぶつけて来てくれる… こんな最高なことがあるか…? こんな嬉しいことがあるか…? こんな幸せな場所があるか…?」
 あーーっと! フック気味の右が鯉太郎の耳に直撃! こいつは鼓膜がイッたか!? そして意識も飛んだか!? 椿ちゃんの青ざめる表情がヤバい! それでも鯉太郎の思考は止まらない!
 「楽しくて… ただただ楽しくて… でも……ダメなんだ…心身をここまで練磨した猛虎の域で戦うには…この沸き上がる気持ちさえ邪念…」
 な、なるほど? 邪念……邪念!? ページをめくった先は、鯉太郎の動きがビタッと止まっています。そして半ば飛んでる表情で思うことは……
 「我を消せ…もっと純粋に…体に委ねろ…肉を…骨を…血を…細胞を…意識支配から切り離せ…」
 そしてさらにページをめくると! そこには1ページブチ抜きで「委ねろ…」という思いとともに、鯉太郎が【猛虎】先生の胸にブチカマシを「ドン」と炸裂させるの図であります! こ、これは……無意識の一撃、いわゆる無想転生的な!? とうとうケンシロウレベルに来たのか?
 吹っ飛ぶ【猛虎】先生は、ゲハァッ!的な形相、そして喰らわせた鯉太郎の表情はもはや無表情に近いものです。
 そして「委ねろ…」にはまだ続きがあります。
 「そう……己がいない 気持ち悪さを感じるほどの…」
 ここでページをめくるとそこには!
 「あの四股(とき)のように ただ…透明に…」
 そうです、ここでは【王虎】さんとの闘いの朝にみせた、仁王兄貴こと親方が「どうすん……」の先を言えなくなったあの「四股」が1コマ、フラッシュバックで描かれております。
 そして【猛虎】先生はそれでも気後れなどせず、前に出ます! 勇気と決断だ! 右張りを繰り出そうとするモーションに入っている! コイツは鯉太郎の顔面に決まるか!? そしてページをめくると! なんと!! 見開きブチ抜きで、鯉太郎、【猛虎】先生の左前まわしをがっちりキャッチするの図です!!! 素晴らしい絵です!!!
 「ただ…相撲(それ)になる…」
 場内は一瞬時が止まったかのようです。ナレーション曰く…
 「左下手を取る…幾度となくそれをやり 幾度となく目にしたその様が 別物と断言できるほどの 美しさに あれほど充満していた 熱気が… 熱風が…斬られる」
 そして次のページでは「バ、バカな…」的表情の【猛虎】先生を置いてけぼりにして、鯉太郎の体が左に傾く! これは投げのモーションだ!!
 「見る者の思考すら止める 魅了という止まった空間の中で… まるでスローモーションのように 静かに…」
 そして隣のページには、土俵を見つめる横綱【泡影】だ! 目が開いております! そして、なんてこった! 【泡影】がしゃべった!!
 「また… コイツ…」
 このセリフ、横綱のつぶやきでいいんですよね? 相撲を体現すると言われる横綱【泡影】ですが、鯉太郎の相撲が横綱のお目にかなったってことでしょうか。どんな殺気を浴びせかけても、完全ガン無視だった横綱ですが、数多くの強敵(とも)との戦いを経て、強敵たちの全てを取り込み、強敵たちという「点」を結んできた鯉太郎の行く「線」が、とうとう横綱に到達したということでしょうか!?
 そして今週ラストページは、1ページブチ抜きで「下手投げを 放った…」の図で幕、であります……。このラストページ、【猛虎】先生はいまだ鯉太郎の動きが見えておりません。まだ時が止まっているかのように一瞬の硬直状態のように見えます。こ……これは……来週、決まっちゃうのでしょうか!? いよいよクライマックスのVS【猛虎】戦は、とうとう決着がつくかもしれない予感です。来週はどうなっちゃうんすかねえ……? 【猛虎】先生が最後にガッと踏みとどまれるのか、いや、わたしとしては踏みとどまってほしいす! そしてそこに仏壇返してほしいすねえ……! いやー……ホント来週号が今すぐ読みたいす! はーーー今週も超イイところで終わりで、このおあずけ感にまた168時間ほどモンモンとするのはつらいす……。来週がホント楽しみです!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週は、ついに鯉太郎の無想転生的な動きが炸裂?し、一瞬時を止めたかの如く、【猛虎】先生の左前まわしをがっちりキャッチ、すぐさま下手投げへ! というところまでが描かれました。そして、土俵下で見守る横綱【泡影】が、とうとう鯉太郎を明確に意識するという事態、それすなわち、まさしく【王虎】さんが言っていた「時機」が来ちゃったんじゃね!? というところまでが描かれたわけであります。コイツはもう、期待がいやがおうにも高まりますなあ! つうかですね、ここまでくると、果たして14日目は誰なんだ問題がまたしてもわたしの中で高まるわけですが、ここまで全勝らしい角界の怪鳥こと【天鳳】なのか、それとも、14日目で横綱と当たることも十分あり得るはずですが、一体どうなるんすかねえ……まあ、でもやっぱり今は、VS【猛虎】先生との戦いを見届けるのが先でありましょう。はーーー来週号が楽しみですなあ……! つうかですね、いや、ホントに『鮫島』は最高っすね! 以上。

↓ 松鳳山裕也くんの小結昇進がどのようにメディアに取り上げられているのか、ちょっと買ってこようと思います!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、今週も特に書くネタが浮かばないのでさっさと進行したいのですが、恐ろしいことにもう今年も半分終わりつつあり、なんつうかもう、その時の流れの速さに、なにかいやおうなしに追い立てられているような気すらする毎日であります。小学生の頃に感じた、夏休みの異常な長さはなんだったんだろう……。やれやれですな。
 それではまずは、さっさと今週の週刊少年チャンピオン2018年30号概況です。
 ■巻頭グラビア:モーニング娘。’18の牧野真莉愛嬢。大変結構ですな。
 ■弱虫ペダル:全てを捨てての巻。鳴子くんが泣かせてくれますなあ! 今泉くんと坂道くんの精神注入でついにボケー筋に追いついた鳴子くん。カッコ良すぎっす!
 ■BEASTERS:新星、助演男優賞の巻。チャラ男なピナ君の本気! が描かれ、大変面白かったす。絵的にも大変力がこもってますな。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:デキる男はベッドがスゴいの巻。ドラクルの棺桶、超快適w 初っ端の「楊枝に抵抗する信玄餅」に吹いたすw 今週も最高でした。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿たちの決断の巻。あ、そういう話だった、と思い出させてくれました。「時の巻き戻し」という本筋編が始まろうとしています。
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年30号でありました。つうかですね、忘れてた! わたしはもう2年近く前にチャンピオン「電子版」に乗り換えてしまい、その結果、『ドカベン』を読めなくなってしまっていたわけです(※電子版だと『ドカベン』が載っていない)。そしてその『ドカベン』が来週なのかな? ついに最終回を迎えるとか……来週は久しぶりに紙雑誌版を買うしかないかもしれないすね……。。。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、【猛虎】先生の相撲の秘密その(2)的な、ある意味での種明かしの回でありました。その(1)で語られた「視覚的錯覚(?)」に加え、先週のその(2)では「力学的に最適化された動き(?)」と言えばいいのでしょうか? 【猛虎】先生の強さは、きちんとした科学的な根拠を「自覚している」ことにあるようにわたしは感じました。天才型は理屈不要ですが、努力型は「これだ!」と納得できる理屈(あるいは体験のようなもの)があって初めて、進むべき方向性が得られるわけで、単なるがむしゃらとは全く違う、技術を磨き抜いたのが【猛虎】先生なんだな、とわたしは思ったのであります。そして椿ちゃんは、思わずうつむきそうになる鯉太郎母と対照的に、決して目をそらすことなく土俵を見つめております。いよいよクライマックスに近づいている気配の13日目ですが、果たして今週はどこまで、どんな展開になるのでしょうか。
 というわけで、今週はNHKアナの「鮫島強引に体をもどしていく!!」という絶叫中継から開幕です。
 土俵際、【猛虎】先生は鯉太郎の左前まわしをがっちりキャッチしつつ、右手は鯉太郎ののど輪をグイグイと押し込む形、つまり鯉太郎はかなりのけ反っているわけですが、それを、「ブチッ ビギッ メ゛ギッ ベギッ」と背筋からすさまじい音をたてながら押し返しています。
 ここで描かれる鯉太郎の表情は、若干笑みを浮かべている様子です。そしてクールな【猛虎】先生は、あわてず騒がず全身の点を線で結んだ最適化された動きでそれに対抗、ああっと、再び「ぐおっ」と【猛虎】先生がのど輪で押し込む! 鯉太郎ピンチ!
 「しかし猛虎 そうはさせじと押し返す!!」とNHKアナも絶叫だ!
 鯉太郎もさすがに「くっ…」と苦しそう。そして【猛虎】先生はここでも冷静だぞ!
 「鮫島…大した男だ…その足りない体で 壊れることも覚悟で 限界を超えた力を出す… だがそれでは…その使い方… その振り切れ方では 俺には勝てん…」
 そして土俵を見つめる【王虎】さんがカットインです。
 「鮫島の覚悟に 熱に…呼応されることも引き出されることもない… 揺るぎなき己の技術への絶対的な誇り…愚直に突き進み 全うに振り切れた猛虎の相撲… どうする 鮫島… それとも… ココが終わりか?」
 鯉太郎はもうすごい表情です。ぐぐぐ、と耐えております! その表情に、橋くんはつぶやきます。
 「この窮地で まだ目から絶望がこぼれないのか…」
 そしてNHKアナも中継を続けます。「それでも強引に押し返す!! 鮫島あきらめない」 そんな耐える鯉太郎の姿に、場内は鮫島コールが自然発生だ! 「鮫島!!」「鮫島!!」「頑張れー!!」「あきらめんな!」「押せー!」「押し返せー!!」
 この、場内を満たす鮫島コールに、観客席の鯉太郎母は亡き夫、火竜の言葉を思い出します。
 「一度場所に観に来いよ スゲーもん見せてやるから」
 はっ!? と思う母は、土俵の鯉太郎に火竜を見たのです! まだ終わっちゃいねーんだと事件後嘆いていた火竜。そして俺はここにいると宣言していた幼き鯉太郎少年。あの時の言葉の通り、まさに今、火竜は鯉太郎の中にはっきりと生きていたのです!
 「また…ここに… あの子の中で… アナタはもう一度…あの頃のように…輝いて…」
 そして土俵上の鯉太郎の脳裏には、対する【猛虎】先生への想いが交錯します。
 「そうだ…ヒリヒリしてバチバチして 重くて…怖くて…俺の始まりは猛虎(ここ)からだった…そして今…その重さは 怖さは 比べられないほど強烈で…この男のここまでの道は きっと壮絶だったのだろう…肌で感じる叩きあげられた技術力の高さ…力士としての芯の硬さに 尊敬の念すら抱いちまう…でも…俺の道も軽くねーから…まだ…ここで…終われねーから…」
 ここで終われない。この思いは【王虎】さんとの約束と言ってもいいのかもしれません。「持っていけ…俺の全部をくれてやる…」男にこんなことを言われたら、終わるわけにはイカンのです!
 「もて…あともう少し…あと少し…崩れ落ちるな…」
 俵にかかっている鯉太郎の左足首もビチッギシッと悲鳴を上げております! そしてページをめくると! あ゛あ゛あ゛あ゛の雄たけび一発、ぐおっと押し返す鯉太郎の図だ! しかし【猛虎】先生はいまだ冷静! カッコ良すぎる表情!
 「まだ分からないのか…ただガムシャラな力押しでは…」
 そしてページをめくると、いよいよ【猛虎】先生、フィニッシュに行くか!?
 「残念だ…ここまでだ…」
 しかし!? ページをめくった先では、1ページブチ抜きで、「スッ…」とのど輪攻めを抜ける鯉太郎の図であります! こ、これは!? 何が起きたんだ!? 【猛虎】先生も「!?」と一瞬虚を突かれた表情です! その瞬間にはもう、鯉太郎が【猛虎】先生の左サイドに回り込もうとしている!! 鯉太郎は、自らの前まわしを握る【猛虎】先生の左手を支点として…くるりと反転!
 「ぬっ…抜けたーーーーー!!」
 とNHKアナも絶叫、わたしも同じセリフで絶叫です!! 抜けた! マジかよ鯉太郎! 今何やったんだ!?
 というわけで、今週ラストは【猛虎】先生の「な、なん…だと…!?」的な驚愕の表情と、もはや無心・無表情に近い鯉太郎の何とも言えない表情、という対照的な二人の顔アップで幕、でありました。【追記:ラストの猛虎先生の「右!?」は誤植で「!?」が正しい、と佐藤先生がツイートされてますので、直しました。コメント欄への情報ありがとうございます!】
 ラストの状況をまとめておくと、【猛虎】先生が握っていたまわしはもう切れています。そしてそのまわしを握っていた【猛虎】先生の左手というより左肘を鯉太郎は掴み、抱え込もうとしている状況です。これは小手投げ? の体勢でしょうか? そして二人は同じ方向を向いていますので、再び相対するには90度回転しないといけないポジション。しかももはや土俵際です。これは大変なことになってきましたね……ここから投げ合いに行くのか、来週の展開が大変楽しみであります。はあ……どうやらいよいよVS【猛虎】戦も大詰めですなあ……この戦いの結末をワクワクしながら見届けたいと存じます! くそー! 早く読みてえなあ!!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週は、先週ラストののど輪攻めからくるりとターンして形勢逆転か!? という超イイところまでが描かれました。投げ……投げなんすかねえ……最終的には……。しつこいですが、わたしとしてはやはり、大横綱・虎城の血を引く若虎退治には、虎城キラー春風の血を引くあの技しかないと思うんすよね……。どうだろうなあ……今のところ、鯉太郎=火竜の「親子の血縁」推しな感じですが、わたしとしては【猛虎】先生との戦いは「部屋の血」推しにして欲しいんすよ……。まあ、いずれにせよ、決着がウルトラ楽しみっすねえ……! ちなみに、今さらっとチェックしてみたところ、ナンバリングとしてはVS【宝玉光】戦が(19)まであって一番長いすね。まああれは回想編が長かったし、実際の取組は4週ぐらいしかなかったかな。今回の【猛虎】戦はすでに(9)。いよいよ決着近し、ですな。いやー、『鮫島』はホントに最高っすね! と今週も締めくくりたく存じます。以上。

↓ つうかですね、わたしは発売日に紙と電子で買ったのですが、紙版の方は、いつもの本屋に置いてなくて、3軒回って確保しました。マジかよ、売れてねえのかなあ……と大変心配になったので、しつこいですが今週もリンク付けておきます。それとも売れちゃったために置いてなかったのだろうか??


 ライトノベル、という言葉が普通に通じる世になって、もう15年近くたつのではなかろうか。たぶん21世紀はじめの頃だとテキトーに思うので、15年ぐらいとテキトーに発言したが、今、本屋さんへ行くと、文庫コーナーはまあなんつうか、カバーに漫画的イラストを用いる作品が多く、何をもってライトノベルというのか、実際良くわからない状態になっているように思える。
 そもそもは、中高生向けのファンタジー小説を起源としているのは間違いないと思うが、わたしが思うライトノベルの定義は、簡単かつ厳格だ。ズバリ言うと、わたしは「主人公が10代の少年少女であること」、この1点をもってライトノベルと見做している。この認識はおそらく世間一般とずれていることは自覚しているけれど、なぜわたしがそう思うのかについても、ごく簡単な理屈である。それは、「主人公が10代の少年少女」である時点で、現実の10代の少年少女が読んでも面白いはず、だと思うからだ。つまり、「10代の少年少女が読んで面白いもの」、それすなわちライトノベルである、という理屈である。
 そしてある意味逆説的?というべきなのか、若干怪しいけれど、そういったわたしの言うライトノベルが、10代だけが面白いと思うかというとそんなことは決してなく、わたしのような40代後半のおっさんが読んでも十分以上に面白い作品はいっぱいあるのは、厳然たる事実である。
 何が言いたいかというと、たとえカバーが漫画チックであったり、一般的にライトノベルといわれるレーベルであったりしても、面白い小説を読みたいならばそこに変なフィルターは全く必要なく、貪欲に本屋さんで渉猟すりゃいいんじゃね? ということだ。
 というわけで、今朝の電車内で読み終わった本がこちらであります。

 これは、わたしには大変思い入れのある(?)、竹宮ゆゆこ先生による『あしたはひとりにしてくれ』という作品で、何でも3年前「別冊文藝春秋」に連載されたのち、2年前に文庫として発売された作品だそうだ。なので、もはや超今さらなのだが、先日、わたしが愛用している電子書籍販売サイトで、大きめのコインバックフェアがあった時、なんかおもしれ―小説ねえかなー、と探していて見つけ、買って読んでみたのである。全然本屋さんで出会ったわけではないのが上で書いたことと矛盾してるが、ほぼ毎日本屋さんに通っていても、こうして見のがす作品もいっぱいあるわけで、世はわたしの知らない「面白いもの」が溢れているものよ、とテキトーなことを言ってお茶を濁そうと思う。
 さて。竹宮ゆゆこ先生というと、アニメ化された作品もあり、いわゆるライトノベル界でも有名だし、近年はその活動をいわゆる一般文芸の世界にも広げており、わたしが思う日本の才能ある作家TOP10に余裕で入るお気に入りの作家のお一人だ。実際この本は文春文庫というレーベルから出されているわけで、それゆえ「いわゆる」と表現してみたけれど、その1点をもってのみ、一般文芸とするのは、冒頭に記した通りわたしとしては変な感じで、わたしの感覚では、本作は紛れもなくライトノベルであった。
 わたしが思うゆゆこ先生のすごいところは、なんで先生は女性なのに、男子高校生の日常及び心の中を、これほど詳しくあからさまにご存知なんすか!? という点に尽きる。とにかく、先生の描く主人公(大抵は男子高校生、たまに大学生)がおっそろしくリアルで、そしてその周辺の友達たちとのやり取りが、もうこれ、当時のおれたちそのまんまじゃん、と思えてしまうほどナチュラルで、そして愛すべきバカばっかりなのだ。
 ゆゆこ節とも言える、主に会話文で繰り広げられるキャラクター達のやり取りは、そりゃあ万人受けるすものではないのかもしれない。とりわけ女性受けするのかどうか、わたしには良くわからない。だが、かつて男子高校生だったわたしにはもうジャストミートである。これはもう、わたしがいかに面白いかを語ってみても無駄なことで、読んでもらわないと通じないだろう。
 物語は、ざっと要約すると、とある男子高校生が謎の女性に出会い、いつしか彼女を愛するようになる顛末を描いたものだ。こりゃざっと要約しすぎだな、うん。でもまあ、物語の筋は結構複雑なため、要約するとこうとしか書けない。なのでいつも通り、キャラ紹介をまとめておこう。
 ◆月岡瑛人:主人公。通称「エイト」。高校2年生。それなりな進学校に在籍し、日々の「ルーティン」を守って「イイ子」であることを己に課している少年。なぜエイトが「イイ子」であろうとするのかは、結構序盤で分かると思う。出生の秘密は意外とすぐ明かされるし、本人も周りに秘密にしているわけではないので。
 ◆高野橋さん:月岡家に居候している「親戚のおじさん、またはお兄さん」。20代?の無職の男。エイトを溺愛し、甘やかす。この人の秘密はラスト近くで明かされるが、え!と驚くけどそれほど感動的じゃあないかな。いずれにせよ、普通にはないシチュエーションだと思う。
 ◆アイス:エイトが「拾って」きた女性。どうやら20代。華奢。土に埋められていた。アイスの本名や、一体何者かということも当然ラスト近くで明かされるが、意外と現実的というか、現実的じゃないか、なんつうか、ずっとその存在はこの世のものならぬというか、不安定?な感じを受けるけれど、実のところ普通の人間だという秘密の暴露は、なんか安心、あるいは納得できた。
 ◆お父さん&お母さん:おっそろしく心の広い夫婦。なんつうか、この二人が一番ファンタジーなのではなかろうか。
 ◆月岡歓路:エイトの妹。体育科の有名な女子高に通う。彼女はレスリング部で、それゆえ身体能力が高く、朝練のため朝も早い。頭の出来は残念な女子高生。みかんが好き。
 ◆藤代:エイトの友達A。分厚い眼鏡を着用し、肩下までのロン毛をきゅっと一つに束ねている少年。まあ要するにキモオタ風な容貌らしいが、大変面白いイイ奴。
 ◆車谷:エイトの友達B。自称「わがままボディ」のデブ少年。絵にかいたような「食いしん坊」キャラ。コイツも大変イイ奴。
 とまあ、主なキャラクターは以上の通りだ。
 本作のどこが面白いのか、もちろん端的に言えばそのキャラクター(の言動)だろう。いそうでいない、絶妙なファンタジーでもあると思うし、細部のやり取りなんかは妙にリアルだし、そのバランスがとても見事な作品だとわたしは思う。まあ要するにですね、安定のゆゆこ節はやっぱおもしれえな、ということで、わたしはとても好きであるというのが結論です。

 というわけで、結論。
 いや、結論はもう書いちゃったけど、久しぶりに読んだ竹宮ゆゆこ先生の作品はやっぱり面白かった。本作、『あしたはひとりにしてくれ』は、珍しく? 男子高校生と年上の女性の関係が描かれているけれど、その恋愛?というよりも、それ以上に、メインテーマは「家族」と言っていいんでしょうな。シチュエーションがかなり特殊なため、深く感動したとか共感したとかそういう感想は持たなかったけれど、最後まで大変面白かったっす。以上。

↓ この辺りはまだ読んでないので、そのうち買って読むか……。これは主人公が社会人のようなので、わたし的にライトノベルじゃない判定す。
応えろ生きてる星 (文春文庫)
竹宮 ゆゆこ
文藝春秋
2017-11-09


 というわけで、そろそろかな、と思っていた新刊が発売になっていたので、さっそく買って読んだ。昨日の土曜日、わたしは朝の8時ぐらいから会社で仕事をしていたのだが、駅前の本屋さんが開く10時過ぎに買い、そのまま仕事をして12時過ぎには一区切りついたため、やれやれ、かーえろ、と乗った電車内で読みはじめ、そのまま昨日はずっと読んでいたら18時くらいには読み終わってしまった。やっぱ面白いわ。というのが端的な感想である。
 で、何を読んでいたかというと、もうこのBlogではおなじみの、佐伯泰英先生による「居眠り磐音」の続編シリーズ最新刊、『空也十番勝負 青春篇 異郷のぞみし』であります。「十番勝負」というのだから、まあ、おそらくは全10巻になるんでしょうな。今回の新刊は、その「第4番勝負」の模様を描いたもので、主人公・坂崎空也くん19歳の冒険を読者は味わうことができる。

 以下はネタバレに一切考慮せずに書くので、未読の方は、ここらで退場してください。まあ、できれば今すぐ本屋さんに行って、買って読むことをお勧めします。こんなBlogを読んでる場合じゃないすよ。今回は、前回よりかなり面白かったように思いますぜ。
 さてと。これまでの空也くんの旅をざっとおさらいすると、「磐音」シリーズ最終巻での大団円ののち、磐音の息子である空也くんは、父の故郷である豊後関前藩(架空の藩・まあ大分のあたりなんでしょう)から武者修行の旅に出た。その時16歳。そして薩摩へ向かい、運命の出会いを経て、東郷示現流との「1番勝負」に勝利。そしてその後、人吉藩~熊本藩に出て、追ってくる示現流との「2番勝負」にも勝利、そこから船で今後は五島列島へ渡り、狂える神父剣士との「3番勝負」に勝利したところまでがこれまでのお話である。
 ちなみに旅に出てから既に2年半経過していて、今回の「4番勝負」は、1798年の正月、空也くんは19歳まで成長している。そして今回の場所は、五島から北上して対馬から物語は始まる。対馬は、朝鮮との貿易の窓口なわけだが、まあ、ある意味当然、外国貿易をしている裏にはなにやら「お上に知られたくない」ことがあるようで……という流れはまったく自然に読めるし、実際面白い。しかし、実のところそういった政治めいた部分は、あまり関係がない。そりゃそうだ。空也くんは武者修行であって、密偵でもないし、水戸黄門的な世直しの旅をしてるわけではないのだから。
 そもそも、空也くんが対馬へ向かった理由は、もうシリーズを読んでいる方には想像がつくだろう。そうです。空也くんがぞっこんLOVEな運命の女子、眉月さまには高麗の血が流れているわけで、愛する女子のもう一つの故国をその眼で見たかったから、でありますよ。冒頭で対馬の北の端っこの岬に立ち、「眉姫様、それがし、そなたの祖国をわずか十二里の海を挟んで見ておりますぞ」と見つめる空也くんは大変カッコイイというか、その情景が浮かびますね。
 で、当然今回は対馬での戦いになるのだろうと思ったら、そうではなかった。対馬での抜け荷をめぐる冒険で、幕府密偵?と出会い、さらには朝鮮剣士との戦いはあるものの、結構あっさり対馬を去り、壱岐島のすぐ北にある辰ノ島へ舞台は移る。そしてそこで、後々いろいろ影響が出てきそうな孤高の朝鮮剣士との無言の修行の日々があって、その後で平戸島に上陸する。そしてその地で若き平戸藩主・松浦清と出会い、充実の稽古と、今回の「4番勝負」に勝利したのち、いよいよ本土に戻り、長崎を目指すことになる。長崎と言えば、前巻で知りあった密偵女子の高木麻衣ちゃんを思い出すが、まあ、再会は次回あるものと思いたいですな。そして今回出会った幕府密偵のトラ吉も。きっと今後ちょいちょい出てくるのでしょう。つうか、平戸って島だったんですな。無知なわたしはそんなことも知らなかったす。今は橋でつながってるみたいだけど、平戸は元々は貿易港として栄えたけれど、鎖国以降の、本作の舞台となる時代ではその地位はすっかり長崎に取られてしまってたんですな。そんな歴史豆知識も今回は非常に興味深く味わえました。
 というわけで、空也くんは充実の武者修行継続中なのだが、なんつうか、やっぱり何度も書いている通り、『密命』シリーズの清之助くん的な、超人的強さがどんどん身について、スーパーマン化しつつあるのが、物語の面白さという意味において若干心配ですな。そしてもう4番勝負が終わってもまだ九州にいるわけで、これから今後当然江戸方向に向かうにしても、10番じゃすまないような気もしてきます。あれかな、どこかから船で一気に東上するのかしら。まあ、兄弟子ともいえる辰平の仕える福岡はもうすぐだし、利次郎の生地である土佐、それから自らの生地である高野山あたりも行かないとイカンのではなかろうか。
 で、本作でも当然、一方江戸では……という様子も描かれており、今回江戸での磐音周辺ではいくつかの、今後に影響する出来事があった。まず一つ目は、すっかり小梅村が気に入ってしまったことでお馴染みの薬丸新蔵くんの元に示現流一派が喧嘩を売りに来て、まあごくあっさり撃退するも、これ以上ここにいたら迷惑なのでは、と新蔵くんは出て行ってしまう。江戸での新蔵くんとの戦いが最後の十番勝負なんじゃないかという気もするけれど、彼もまた、間違いなく今後出演してくれるでしょう。
 二つ目は、現在の11代将軍・徳川家斉がなんと尚武館にお忍でやってきて、薩摩藩前藩主・島津重豪と対面するシーンがある。これは、速水様がしくんだっぽい対面なのだが、要するに、もう示現流の連中が空也くんと新蔵くんを追うのはいい加減にしとけ、という釘を刺すためのもの?とわたしは受け取ったが、この理屈がわたしには面白く感じられた。つまり、空也くんは、将軍様が直々に対面して授けた刀である「備前長船派修理亮盛光」を携えているわけで、ある意味天下御免の存在なわけだ。そして空也くんは賢いことに、薩摩入りした時はその刀を持っていかず、丸腰だったことも効いていて、「薩摩での出来事は(おれがくれてやった刀は持ってなかったから)許してやる、けど、今は、(その刀を持っている)空也になんかあったらマジ許さんぜ」と将軍は言ってるんだろうとわたしは理解した。まあ、薩摩藩としては最初から空也くんも新蔵くんも別に敵だとは思っておらず、示現流の連中の勝手な暴発なわけで、それはちゃんとお前の責任で何とかしろ、という釘を刺したということなんだろうと思う。困ったすね、薩摩藩的には。実のところ、将軍・家斉の正妻は島津重豪の娘なわけで、つまりは舅なんだけど、この対面シーンがわたし的には非常に印象に残った。
 そして薩摩で言うと、今回は江戸にいる眉月ちゃんのお父さんも尚武館を訪れ、磐音と対面するシーンもあったし、なにより眉月ちゃんも、そのお父さんから江戸に戻って来いとの文を受け、絶賛お悩み中である。眉月ちゃんは今後、空也くんの足取りを推理しながら長崎へ行くのか、それとも江戸へ直行するか分からないけど、まあ、江戸での再開は間違いないだろうし、おっさん読者としては、幸せにな、お二人さん! と見守るしかなかろうと思います。
 そして今回は、空也くんが人吉で知り合った常村又次郎くんもまた江戸にやってきて、空也くんが薩摩でもらった刀を磐音に届けるシーンもあった。ここでの、空也くんの妹である睦月ちゃんの素朴な疑問が大変良かったすね。
「兄がどうしてかくも皆様方に好意的に受け入れられるのか、妹のわたしにはわかりませぬ」
 まあ、そりゃ睦月ちゃんからしたら、兄貴は単なる朴念仁の剣術野郎だもんな。これに、又次郎くんが何と答え、睦月ちゃんは納得したのかは、ご自身で読んで味わってください。ま、要するに人柄ってことなんすかね。いずれにせよ、空也くんの武者修行の旅はまだ当分続きそうだし、出会いもこれからまだまだいっぱいあるのでしょう。江戸に帰ってきて、修行を終えた空也くんがどんな男になっているか、旅に同行しながら味わいたいですな。
 最後に、ひとつふと思ったことが。本書の舞台は冒頭に記した通り1798年であるわけで、それはつまり、明治維新の約70年前ってことで、ということは、空也くんの子供か孫世代=磐音の孫かひ孫世代は、幕末を生き抜いてるんだなあということだ。何が言いたいかというと、現代を生きる我々の5~6世代ぐらい前、なわけで、意外と近いような気がした、ということです。サーセン、それだけ。特にオチはないす。

 というわけで、結論。
 わたしが新刊が出るのを楽しみにしている、佐伯泰英先生の『空也十番勝負』の新刊が出たので、さっそく買って読んだところ、なんか今回は一番? 面白かったような気がします。いや、1番?かどうかは分からないけど、前巻よりはかなり面白かったすね。しかし、わたしは五島も対馬も壱岐も平戸も行ったことがないけれど、なんか行きたくなりますな。空也は19歳で、まあ、言わば着の身着のままのぶらり旅を敢行中なわけだが、どんな景色を見て、何を思っているんすかねえ……現代人には想像がつかない旅だけど、まあ、なんつうか、カッコいいすな。ホント、どんな男となって江戸にもどってくるか、大変楽しみであります。もうほぼ無敵だし、重大なピンチもこれから訪れるだろうけど、きっと見事に修行を終えることでありましょう。まったく、お前は大した野郎だよ。そして空也よ、江戸で眉月ちゃんを娶って、幸せになるがよい! 以上。

↓ 今回のお話で登場する、平戸藩主・松浦清はかなりやり手の頭のいい男として描かれてました。参勤の折は尚武館に弟子入りしよう、とか思うほど、剣術の腕もある男で、なんかいい殿様だったすね。というわけで、平戸に今わたしは超興味津々す。
日本の城 改訂版 69号 (平戸城) [分冊百科]
デアゴスティーニ・ジャパン
2018-05-08


 わたしは昭和の男として、いまだ新聞をちゃんと毎朝読む男なのだが、たまに、新聞の書評を見て、へえ? と思った本を買って読むことがある。そういう場合は、まあ、ほぼ100%小説なのだが、1カ月ぐらい前かな、たしか作家の宮部みゆき先生の書評を読んで、かなり好意的だったので、じゃあ、買って読んでみるかと思った作品があった。
 それはどうもドイツミステリーらしく、わたしはドイツ語で修論を書いた男なので、現代ドイツ文学(文学、というのもアレかな)を読んでみたいと思う気持ちは、おそらく普通の人よりずっと高い方だろう。なので、本屋で探してみたのだが、まるで見当たらず、本当に最近の本屋さんはアレだなあ……と思っていたら、ごくあっさり、電子書籍で発売していることを発見し、さっそく購入、読み始めた。それはこの作品であります。
乗客ナンバー23の消失 (文春e-book)
セバスチャン・フィツェック
文藝春秋
2018-03-28

 著者のSebastian Fitzek氏は一応日本語Wikiがありますな……わたしとしてはこの方の他の作品も読んでみようかと思ったものの、どうも柏書房なる版元から出ている本はことごとく品切れ重版未定みたいすね……amazonによると。あ、早川書房から出ている本は買えるっぽいな……。まあ、いずれにせよ、この著者は1971年生まれのドイツ人で、新作は映画化もされるようで、それなりに有名らしいすね。全然知らなかった。ベルリン生まれのベルリン育ち……西出身ってことでいいのかな……。
 お、ちょっと検索したら文春のツイートに宮部先生の書評のリンクがあるからこれをのっけとこう。

 で、ズバリのっけから結論を言うと、宮部先生のオススメには申し訳ないのだが、はっきり言ってかなりイマイチであったようにわたしには感じられた。最後まで読み通す自信が全然わかず、電子書籍の便利機能である読了タイム計測によると、わたしは338分かかってこの本を読み終えたらしい。紙の本だと377ページあるのかな? なので、読んだスピードはわたしの標準速度だったようにも思うが、実感としてはスゲエ時間がかかった、という気がしてならない。そして今から感想を書こうとしているのだが、実は読み終わったのもだいぶ前で、なんか……なんか書くことがあんまりないんすよね……。うーむ。
 まず、物語を簡単に説明すると、豪華クルーズ船において起きた失踪事件を、刑事が解決するものである。わたしにはかつて、元海自潜水艦乗り→陸自レンジャーという経歴の男が部下でいたため、そいつからいろんな話を聞いたことがあるのだが、そいつも言ってたことで、本書にも出てくることなのだが、外洋船から落ちたら、100%助からないんだそうだ。それはもう簡単な理屈で、100%見つからないから、らしい。なぜなら、船が止まる(静止する)のに要する距離が我々の想像を超えていて、本書に出てくる豪華客船は数km必要らしいが、落ちたその瞬間を目撃したとしても、あっという間に見失うものらしい。元部下の元自衛官曰く、マジ無理っす、だそうで、実際、フェリーから海に身を投じることは確実な自殺手段としても有名らしい。あと、船によるんだろうけど、客船の場合は海面まで高さが数10メートルある場合もあり、下手に落ちれば当然骨折もするだろうし、その点でも、もう海に落ちたら完全アウト! だそうだ。
 というわけで、本書では、以下のような、非常に多い登場人物が入り乱れる(?)お話であった。ちなみにわたしは、とにかくキャラ数が多いし、それぞれにエピソードが多くて、次々に視線が移っていくし、しかもあまり本筋と関係なく、なんかうんざりした。なんでStephen King大先生の作品ではそういうことにならないんだろうな……キャラ多いのに。ま、そこがKing先生のすごいところかもしれないすね。とにかくキャラが多いので、全員は紹介しません。
 ◆マルティン・シュバルツ:主人公。刑事。おとり捜査での潜入捜査官。オープニングの事件はすごい話でビビるが、物語本筋にはほぼ関係なし。凄腕、らしいが、凄腕……どうだろうそれは……。心理学的教養・知識がある。そして重要なポイントは、舞台となる「海のスルタンIII」という豪華客船で、5年前に妻と息子を亡くしていることで、この事件は公式に自殺として解決済みだが、その裏には……的なお話。そしてその裏を知っても、彼にはあまり同情しないし共感も出来ないすなあ。
 ◆ボンヘーファー船長:「海のスルタンIII」の船長。未だにマルティンからはお前が妻子を見殺しにしたんだと逆恨みを喰らっている気の毒なおっさん。訴訟も喰らい、そのせいで一時期停職処分となったが再び船長に復帰。結論から言うと、この人はほぼ悪事に加担してません。実際、むしろ単なる被害者ではという気がする。
 ◆ユーリア:船長の友人の女性で看護師かな。ただ、かなりひどい女で、娘の担任の先生と絶賛不倫中。頭の具合はかなり悪い。
 ◆リザ:ユーリアの娘。ゴス系パンク女子高生。なにやら援助交際疑惑があり、動画が流出し、学校に居場所ナシ、な女子。ほぼ同情の余地なし。
 ◆アヌーク:マルティンの妻子同様、消えた乗客(=船で行方不明になった乗客を、業界用語で「乗客23号」というんですって)のはずだったが、ひょっこり姿を現し、保護された女の子。何歳だったか忘れましたが幼稚園・小学生レベルのちびっ子。しゃべらない。精神的にイッちゃった模様。母親であるナオミは依然行方不明、だが実は……的な展開。
 ◆エレーナ:船医。アヌークを保護しつつ、マルティンにも一応協力的(?)。終盤、え、そういうことなの? 的な秘密の暴露はかなりいきなりだし、読んでて想像がつきっこないじゃんレベルのように感じた。
 ◆ゲルリンデ:「海のスルタンIII」の部屋を分譲で購入し、住み着いているおばあちゃん。船での行方不明ネタでミステリー小説執筆中。何気にいろいろヒントらしきものをくれる。この人が一番まともというか、常識人だったような気がします。
 まあ、もっと登場キャラは多いけれど、メインキャストとしてはこの程度で十分だろう。そして、ことごとく、キャラに共感できないのがわたしには致命的であったように思う。なので、主人公と一緒に、行動し、考えたくなるようなことにならなかったのが、わたしをして「イマイチ」と思わせた最大要因であろうと思う。メインのお話自体も、若干無理があるような……抽選であなたに豪華客船のクルーズ旅行が当たりました! なんてメールか何かで連絡が来たとして、それにやったー!と素直に応じる奴なんているのだろうか?? まあ、いるんだろうな、きっと、とは思うものの、わたしは100%そんなのには引っかからないので、重大な秘密の暴露も、え、なるほど? うっそお? とか思ってしまったのも残念でありました。
 というわけで、わたしとしてはお話に関してはそれほど面白いとは思えなかったものの、そこかしこにちりばめられたトリビア的面白知識には、いちいち、へえ~と思ったわけで、わたしが全然知らず、初めて知った面白知識を二つほど書いて終わりにしよう。
 ◆豪華客船=一つの町である。なのに、警官なんていない。当然暴力沙汰や盗難なんかも普通に発生するわけで、まあとにかく大変、なんだそうだ。へえ~。確かに言われてみりゃそうすね。なるほど。おまけに、乗務員も1,000人レベルで乗っているため、もめ事も絶えないし、なんとセックス用連れ込み部屋なんてのもあるんだそうだ。この連れ込み部屋は、乗務員だったり、客だったり、フル活用されてるんですと。なんつうか、すげえ生々しくて知りたくなかったすね……。なんか、客の知らない裏側は汚らしいというか、不潔なイメージが頭にこびりついちゃったす。なお、不潔=精神的なものじゃなくて、実際的にきったねえ、バッチイという方向の不潔です。
 ちなみに、著者本人のあとがきによると、乗客は、乗船と同時に国外に身を置くことになり、船上での犯罪は、基本的に「船籍港の属する国の機関」の管轄下に入るのだそうだ。そして、アメリカはそれを問題視していて、アメリカ人に関して何か起きた時は、沿岸警備隊とFBIが捜査権を行使できるようになってるんですと。へえ~ですな。日本人は大丈夫なのでしょうか。まあ、大丈夫じゃないでしょうな、きっと。
 ◆豪華客船=一つの町である。てことは、膨大な廃棄物が発生する。本書の豪華客船の場合、発生するゴミのたぐいは1日9トン、屎尿なんかは1日28,000リットルですって。まあ、そりゃそうだわな。そして、それをどうしてるか知りたいすか? 本書では、基本垂れ流し、が現実なんだと書いてありました。本書の客船にはゴミ焼却装置がついているのにぜんぜん使われておらず、何故ならヨーロッパ圏の港は全て分別とリサイクルに理解がなく、ごみ収集施設がまったくないか、廃棄費用が高額か、という理由から、全部海に投棄されてるんですってよ。まあ、実際それで海が汚染されるとかそういうことはきっとないんだろうけど、なんかゾッとする事実にわたしはびっくりしたっすね。まあ、飛行機も上空で屎尿をぶちまけているという話も聞いたことがあるし、今更かもしれないけれど、28,000リットルというその膨大な量には、やっぱり驚きっす。

 というわけで、もう書いておきたいことがなくなったので結論。
 新聞の書評で知ったドイツミステリー『PASSAGIER 23』を読んでみたところ、どうもわたしの趣味には合わず、イマイチだった、としか言いようがない状態である。わたしとしては、登場キャラクターたち全員に共感を得られず、なんだかつまんない奴らというか、彼らが何をどうしようと、どうでもいいというか、関心を抱くことが出来なかったのがわたしの敗因だろうと思う。だって、なんつうか……頭の具合が悪いというか、冴えてないというか……とても友達になりたいと思うようなキャラはいなかったす。でも、まあ、いわゆる豪華客船に関する面白知識はそれなりに得られたので、その点だけは良しとしておきたい。なんかなあ……6時間チョイの読書はあまり楽しくなかったす。以上。

↓ つうわけで、こちらが愛する早川書房から出ている作品です。どうもまだ電子化されていないっぽいので、電子化されたら買うかも、ぐらいな感じかな……。ドイツ語原題は『Der Augenjäger』すね。
アイ・コレクター (ハヤカワ・ミステリ 1858)
セバスチャン・フィツェック
早川書房
2012-04-06

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、今、何も書くことが思いつかないんですが、そういや3末決算の上場企業は株主総会の季節ですなあ。わたしも、かつては年明けから本格化する次年度予算策定~4月末の決算確定&IR決算説明会~6月の総会準備&実施と途切れることなく忙しく、ちょうど今頃は、もうあと総会を乗り切ればオレはほんの一瞬息が抜ける! 的に最後の気合を入れていたものですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 さて。それではさっさと今週の週刊チャンピオン2018年29号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版はNGT48の中井りか嬢のようです。
 ■弱虫ペダル:最後の糸の巻。マズイ……鳴子くん!! 泣けそうす!
 ■BEASTERS:この深淵に箒星の巻。ゴウヒン先生と食殺したキツネの少女のお話す。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:響け貧弱恨み節の巻。ほんとネーム多い漫画ですなあ。だがそれがイイ! ギャグ漫画はやっぱりマシンガンネームじゃないとね!
 ■昆虫武将チョウソカベ!:虎と龍と殿の巻。シンゲン公との戦い終了す。
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年29号でありました。

 さてと。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、虎城理事長や【王虎】さんの言葉から、【猛虎】先生の相撲の秘密らしき内容が語られました。要するに、体さばきで錯覚を生じさせ、隙を生み出し、そしてその隙を確実にモノにする体さばきで相手にあたる、と言えばいいのでしょうか? 相手にとって嫌な=自分にとって有利な体さばき、をまったく自然に行えているのが【猛虎】先生なわけで、ラストでは、鯉太郎は【猛虎】先生へ渾身の張りを喰らわせるも、どうやら効いてなーい、な状況で幕となりました。【王虎】さんの「全て」を「受け取った」鯉太郎。そんな鯉太郎に、お前の中の王虎を見せてみろ、大横綱・虎城の存在を感じさせてくれ! と望む【猛虎】先生。大変な展開になってきました!
 というわけで、当たり前ですが今週はその続きです。
 が、今週開幕は【猛虎】先生の稽古場での様子、すなわち回想から始まります。のっけから【猛虎】先生の長い独白で始まりますが、【猛虎】先生はそれまで稽古をしながらこんなことを考えていたそうです。
 「倒れてはいけない 土俵の外に出てはいけない 相撲という競技… 指一本でも地につけば…外に出ればその戦いの死を意味する特殊さ… わずかな崩れが文字通り命取りとなるうえで 足二本で立つという不安定さ…」
 な、なるほど? はい。今のところ分かります。
 「何より力を入れる初動の箇所が 親指というから始まる違和感…… 点という不安定さから最大の力が出るという のどを通らない理屈……」
 なるほど。確かに足の親指に最大パワーがかかるのは理解できます。しかしそこに違和感を感じたことは……あるかなあ? ま、ともかくそんな【猛虎】先生ですが……
 「くり返す自問自答は 親方の一言で光明を得る…」という出来事があったそうで、虎城理事長曰く、
 「何? 立つことに違和感がある?」「それはブワーっと広がらないということか? 足からブワーっと染み出し スーーー…っと吸い上げる感覚がないということか…? ならどうやって力を出しとるんだ? それがなきゃフワッフワのグラッグラだろ…」とのことで、【猛虎】先生には、
 「ウソのように…その言葉が脳に溶けていった…」そうです。
 なるほど? そして描写は土俵に戻り、先週ラストの鯉太郎による強烈な張りが炸裂したシーンに移ります。そしてやっぱり、【猛虎】先生には効いてなーーい模様ですが、その秘密とは、
 「使うべきは点ではなく 面…外側から染み出し 力が下から上へと伝わる 外旋
 ここは半見開きで、仁王立ちする【猛虎】先生の図で表現されています。実にカッコイイですなあ! そして「外旋」という言葉は、恥ずかしながら無知なわたしには理解できなかったので、すぐさまGoogle神にお伺いを立ててみたところ、どうやら解剖学における用語のようです。すなわち「回旋の動きのひとつ。回旋とは、上肢や下肢などの運動の種類のひとつで、位置を変えずにその場で回す動き」のことだそうで、「外旋で回す向きは右上肢・右下肢では右まわり、左側では左まわり。逆回転は内旋」だそうです。ええと、つまり「外旋」は外向きの回転運動ってことかな? これは実際に腕を回してみると分かると思います。なるほど。そしてちょっと待ってくださいよ……? 回転がキーだとすると、わたしの脳裏には虎城キラーであった先代・空流親方が鯉太郎に伝授してくれた、あの技をやっぱり思い出すっすね……。あの技も、足の回転がキーでしたな……。でもありゃ解剖学的な回旋とは違うか。まあそれはともかく、【猛虎】先生の解説めいた独白的思考は続きます。
 「足裏の安定は体の安定につながり 体の安定は攻守での体の使い方に変化をもたらした…点ではなく足裏からの線の連動・繋がり・動員で 肉…骨を動かす」
 そして描写は再び土俵へ。見守る橋くんは「あのハリがきかないってのか…」とゾッとしていますが、NHKアナの絶叫が状況を説明します。
 「猛虎 鮫島のハリを意に介さず前に出たー!!」
 吹っ飛ぶ鯉太郎! イカン! あーーっ! 【猛虎】先生が左前まわしを「ガシッ」と掴んだ! マズイ!! そしてページをめくるとさらに【猛虎】先生の右手がガシッと鯉太郎の顎を掴んだの図です! ぐんと押された鯉太郎は完全にのけぞり状態! コイツはのど輪を決められた格好だ!! ヤバイぞ!!
 「才能ひしめく大相撲というこの世界で 終わりの見えない階段を踏み外さず ただただ一心不乱に上り続けた 天賦の才がなかったからこそ… 必死に足掻いたからこそ たどりつけた己の力を…体を 最大限に発揮させる技術」
 持っていない才を、努力と理論で裏打ちされた技術で埋めてきた【猛虎】先生、というわけですが、そこには、こんな思いがあるわけです。
 (TVインタビューに答える大横綱・虎城)「ただひとつ わたしに飛び抜けた才能があったとするなら 誰にも負けないくらい 相撲が好きだったということでしょう…」
 (猛虎)「そう…それは……それだけは誰にも……アナタにだって…負けはしないから…」
 そういうことなんですな、つまりは。【王虎】さんのいう「振り切れてる」というのは、この相撲に対する想いが、圧倒的に振り切れているということでもあるのではないでしょうか。ここが【猛虎】先生の根幹であり、ドンとして砕けないものでもあるように思えます。
 というわけで、土俵上では鯉太郎大ピンチの図であります。NHKアナの絶叫中継が続きます。
 「猛虎がもっていった――!! 一気に土俵際!! 鮫島の快進撃もついにここまでか―――!!」こりゃあ、TVを見てたらもう相当血圧が上がって、おそらくわたしも絶叫していることでありましょう。場内の空気も「あ…」「あぁ…」ともはや絶望間際。常と大吉の空流ブラザーズも「腰を落として!」「堪えて鯉太郎さん!!」とこぶしを握ります。そして対する虎城ブラザース【稲虎】さんは「よし… よーし…!!」と勝利の予感に歓喜のこぶしを握ります。そして、鯉太郎の体から、もはやお馴染みの「ブチッ」「ビキッ」という筋繊維の断裂する音、的な書き文字が過剰なほどに描写されております。これはもう鯉太郎の全身の筋肉総動員令が発動されています!
 そしてページをめくった先には、大ゴマで笑みを浮かべる鯉太郎の不敵な表情だ! 鯉太郎はまったくもって楽し気です! そして「ギギッ」「メ゛ギッ」「ビキビキッ」もさらに増加! ページをめくると、NHKアナ絶叫です!
 「えっ・・ええっ!? 鮫島の体が沈み始めてる…」
 がっちり【猛虎】先生の右手がのど輪にきまってのけ反っていた状態の鯉太郎ですが、なんと体勢を戻しつつあります! これには【猛虎】先生もマジかよこの野郎的苦笑? です!
 「鮫島(コイツ)もまた そこはゆずれない 領分か…」
 そこ=相撲大好き、というポイントだと思いますが、どうやら勝負を分けるのもの点なのでしょうか? そして今週ラストは、この白熱の土俵を見守る二人の女性のやり取りで幕となります。
 鯉太郎母は、思わず目を閉じうつむきそうになりますが、ふと隣の椿ちゃんを見ると、椿ちゃんは決して目を離さず、土俵を食い入るように見つめています。その手はスカートをぐぐっ…と握りしめながら。鯉太郎母はそんな椿ちゃんを見て、幸せだったあの頃を思い出します。夫であり炎のファイターだった火竜は言いました。
 火竜「何で場所見に来ねーんだ? たまには生で見に来いよ…」
 母「(幼き鯉太郎を抱きながら)無理よ… どうせいっても 怖くて目を開けてられないもの…」
 そんな思い出のある鯉太郎母は、ギュッと椿ちゃんの手を握ります。ハッとする椿ちゃんに鯉太郎母は「ありがとね…椿ちゃん…」と一言漏らし、今週は幕でありました……。
 この様子は、編集部謹製のエンディングキャッチですべて語られていますので引用しましょう。
 「かつて自分が出来なかった 椿に尊敬と感謝を込めて―――」
 はーー……なるほど。今週は現実時間ではおそらく数秒しか経過していないと思いますが、濃かったすねえ……。決着までにまだ何週間かかかるんでしょうか? これはもう大変な大相撲になってきました。どういう結末を迎えるのか、大変楽しみであります! くそう、もう今すぐ来週号を読みたいですなあ!!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週は、さらに【猛虎】先生の相撲の秘密が明らかになってきました。点ではなく、面。これは大変分かりやすいと思います。しかし新たに今週登場した「外旋」という概念は、これは読んでいてなるほど、と分かるような気がするものの、実感としてつかみにくいようにも思えます。しかし、なんだかもう、最強と思えるような【猛虎】先生でさえ、まだ横綱【泡影】には届かないわけで、【泡影】はいったいどんなバケモノなのでしょうか……はーーーホントに毎週読み終わったそばから次週が読みたくなりますなあ。こういうのを傑作というのでしょうな。要するにですね、いやあー『鮫島』はホントに最高っすね! といつもの結論で終わりたいと存じます。以上。

↓ つうかですね、しつこいですが最新(18)巻は先週発売になってますよ! 是非ともお近くの本屋さんでお買い求め下さい!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、明日6/8(金)は、コミックス単行本の最新第(18)巻が発売になりますので、是非とも購入のほど、よろしくお願いいたします。毎回書いてますが、わたしは電子と紙の両方買って応援いたしたく存じます。

 表紙にキャラ単独でないのは、『鮫島』シリーズ初であります。内容は、第152話から第160話までとなるはずですので、【王虎】さんとの闘いが終わってVS【猛虎】先生がドーンと発表されるところまでだと思われます。わたしとしては、おそらく何度も何度も読むことになるでありましょう。今後復習するためにも必携の書ですので、どうか皆さん、買って応援していただければと存じます。
 さて、それではまずは今週の週刊少年チャンピオン2018年28号概況です。
 ■巻頭グラビア:久松郁実嬢。大変結構なお点前であります。イイすねえ……。
 ■弱虫ペダル:鳴子特急!! の巻。ホント、いつも鳴子くんには泣かされますよ……。クソカッコエエすねえ……今回はきっちりボケー筋に勝ってほしいす!
 ■BEASTERS:僕らの血は下水でも分離しているだろうかの巻。えっ、この世界では異種婚で子供もできるんですか!? ははあ、なるほど、レゴシ君はコモドオオトカゲの血が1/4入ってるクオーターだったんすね。へええ!?
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:無限修正のオートグラフの巻。や~~い半田~~~ドジっ子ピッピ 鼻毛がボーン にわたしはもう電車内で肩を震わせるしかなかったす。オチも最高す。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿はなにしにかわなかしまへ?の巻。ケンシン公VSシンゲン公の戦いに殿は……! という展開は意外と真面目で漫画らしく、面白かったす。
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年28号でありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 ついに始まったVS【猛虎】先生との取組ですが、先週は立ち合いで後れを取った鯉太郎に【猛虎】先生のハイスピードな攻めが次々に繰り出され、鯉太郎も応戦するも後手に回るというか、起死回生のブチカマシさえ「パスッ…」と受け止められてしまうところまでが描かれました。また、同時に、虎城理事長による【猛虎】先生への教えも回想で描かれ、かつての大横綱・虎城の相撲を最も忠実?に体現しているのがまさしく今の【猛虎】先生である的なことも描かれました。
 というわけで、今週はその「パスッ…」からの続きです。入ったはずのブチカマシが入っていない。すぐさま【猛虎】先生の右手が鯉太郎に迫りますが、ゾクッと危機を察した鯉太郎はバッと離れ、距離を置きました。
 そして、NHKの実況が入りますが、この内容が結構驚きのものであります。
 「!? どうした鮫島 ブチカマシを軽く当てたと思ったら急に距離を取った!!」
 そうなんです。どうやら、第三者目線で土俵を見ている者には、「鯉太郎が軽く当てた」ように見えるのでありました。これは興味深い現象です。そして虎城理事長の解説が入ります。
 「脳をつかまれましたな…鮫島は… そうなることを予測するのではなく、そうなるように仕向ける技術…」
 な、なるほど? 言葉では理解できます。ブチカマシが来る!と予測していたのではなく、ブチカマシを来させるよう、【猛虎】先生が仕向けていたというわけですが、NHKアナも「??」と理解できていませんし、土俵を見つめる常松も、「何で途中でブチカマシを辞めちまうんだ…」といつもの顔面蒼白フェイスでつぶやきます。そして田上さんこと【稲虎】関は、「スゴイ……猛虎さんの言ったとおりだ……鮫島の相撲が届かない」と汗だくでやったぜフェイス。空流部屋と虎城部屋で明暗が分かれました。
 これは一体……という表情の鯉太郎。そこに【王虎】さんの独白がかぶります。
 「魔法か何かにかかったみてーだろ…鮫島……」
 そしてページをめくった先は、再び鯉太郎のブチカマシが発射されます! そして再び【王虎】さんの解説です。
 「人間は視覚から得られる情報から 己がどう動くのかを脳が定める…」
 描写としては、【猛虎】先生が「ぐんっ」と前に出、鯉太郎は「よし…」と思っている模様ですが、【王虎】さん曰く「まずは前に出ることを見せることにより 鮫島にブチカマシの最大威力で当たれる距離を予測させる…」
 そして鯉太郎は「!」と何かを見つけたか!? 【王虎】さんの解説は続きます。「その上で半身をさげ インパクトの距離をズラす… そのわずかなタイミングの時間のズレが 最大の威力を逃がし…消す…」 な、なるほど!? だんだんわかってきましたね……【猛虎】先生の秘密が。あっと、再びのブチカマシも、またも「パスッ」とナイスキャッチされた模様です!
 そしてページをめくった先では虎城理事長が、若干のドヤ顔で一言発します。
 「ピンと空間を把握し ピッと距離を掌握する」
 なるほど、これは分かります。なんというか、高度な物理演算を瞬時に行っている感じでしょうか。【王虎】さんの解説も続きます。
 「立ち合いの当たり負けも マワシを簡単にとられたのも 鮫島は視覚からの距離時間の予想を意図的にハズされたからだ…そして視覚から入る情報からのズレは 脳がパニックを起こし 思考が一瞬空白という隙をつくる ストループ効果…そして猛虎にはそのわずかの隙を逃さないスピードをうむ ヒザの抜きがある…」
 なるほど……なるほどっすね……ストループ効果という言葉、ご存知でしょうか? いや、恥ずかしながらわたしは無知で知りませんでしたが、詳しくはWikiへのリンクを張っておいたので、そちらをご覧ください。二つの情報が干渉しあうために起こる脳の情報処理がワンテンポ遅れる現象なんすな。なるほど。そしてその「一瞬生まれた隙」を【猛虎】先生は逃さないと。なるほど……! 大体わかって来ました。というわけで、再びの「パスッ」に対して、【猛虎】先生が攻撃に入ります!! そして理事長ふたたびの解説です!
 「ふみ込む力が重要なのではなく 大切なのはどう動きたいのか 体に任せる抜き…」
 【猛虎】先生のハズに構えたもろ手突き? が鯉太郎の胸にヒット!!! 鯉太郎の上体が崩れる! コイツはマズい!
 「闇雲に力を入れたところで それが間違っとれば何の意味もない…力ではないのです…これを理解できたのは 数いる弟子の中で猛虎だけです…」
 そして【猛虎】先生は体勢の崩れた鯉太郎に対し、右の張りを発射する準備を完了しているぞ! イカン!! これはキツイのが来る! 【王虎】さんの言葉が入ります!
 「相撲にすべてを捧げ…狂いぬき…妥協なき探求から猛虎が辿り着いた境地だ…」
 あーーっと! めっくったページの先は、1ページブチ抜きで【猛虎】先生渾身の右ストレートが鯉太郎の顔面にヒ―――ッット! マズイ! 鯉太郎いきいきごんぼ!(※半死半生のさまを指す言葉。サーセン、使ってみたかっただけっす)
 そして【猛虎】先生は戦いのさなかに思います。「どうした 鮫島… さぁ見せてみろ…お前の中にある王虎を…感じさせてくれ お前の中にある 大横綱虎城の 存在を…」
 この言葉に呼応するかのように、鯉太郎は反り返った体で無理矢理耐えます。思わずゾッとする【猛虎】先生。そして心臓が「ボッ」と音を立てたぞ! そしてめくったページの先は、見開きで鯉太郎が「ハッ…ハハッ」と笑い声をあげ、お返しの右ストレートの構えだ! この見開きは素晴らしいすね! 【猛虎】先生も「そうだ! それを期待してるんだ!」的な嬉しさと、「まだ来るか!」的な驚きの入り混じったニヤリです! そしてさらにページをめくった先も見開きです! そこには、鯉太郎の全体重が乗せられたような渾身の右の張りが「ゴボォン」という迫力の書き文字とともに、【猛虎】先生の顔面をとらえるの図であります!
 しかし! ああ、なんてこった!! 今週最後のページは3コマで表現されています。
 1コマ目:どうだ! 的鯉太郎のしてやったりフェイス
 2コマ目:【猛虎】先生の表情は描かれず、ふしゅう……と霧が晴れていく様子
 3コマ目:鯉太郎の、「な、なにい!?」的驚愕フェイス
 こ、これは……! 鯉太郎渾身の張りにも、【猛虎】無傷!! なのでしょうか? 今週はこれにて幕でありましたが、これは大変な戦いになってまいりました。ただこのままだと、決まり手がないというか、現在両者は離れて戦っていますが、勝負の行方はまわしを取っての投げに行くのか、それともがっぷり組んでの寄りになるのか、ちょっと想像がつかないす。鯉太郎的には、是非とも左下手が欲しいすね……。フィニッシュホールドとしては、やっぱり「虎城キラー」であった先代空流親方直伝の必殺技、そう、「アレ」が炸裂したら、わたし的に最強に興奮するんすけど……敢えて、火竜と虎城の時を超えた対決だけではなく、虎城キラー小結(?)【春風】のDNAも取り込んだ鯉太郎、がわたし的に一番熱くなるような気がします。わたしの希望としては、その時カットインで、吽形さんの「ヨシッ!」的な表情が観たいんすねえ……! はーーーホント、今週も興奮してサーセンした!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はVS【猛虎】先生との闘いも中盤という感じでしょうか。そして、虎城理事長や、とりわけ【王虎】さんのお言葉で、だいぶ【猛虎】先生の相撲の秘密? が分かってきたように思います。まあ、ジャンプ的バトル漫画だと、確実に「ならば目を捨てる!」的に目を閉じたりして戦っちゃうような気がしますが、果たして鯉太郎は大横綱虎城の相撲を色濃く受け継ぐ【猛虎】先生に、どのように勝利を得るのか、実に今後の展開が楽しみであります。打撃系はもはや通用しないみたいですし、組技しかないように思いますが、まあ、きっとそんなわたしの浅はかな考えの上を行く展開となろうことは間違いないでしょう。しかし、「虎退治」には「アレ」しかないと思うのですが、果たしてどうなるか、鯉太郎の今後を熱く応援いたしたく存じます。いやあ、ほんと『鮫島』はマジ最高っすね! 以上。

↓ しつこいですが、とにかくもう何も考えず自動的に「買い」でお願いします。



 はーーーなんだかあっという間に読み終わってしまった。もちろん、わたしが大好きな「ジャック・ライアン」シリーズの新刊のことであります。日本語で読める最新刊『欧州開戦』の(3)(4)巻がやっと発売になり、わたしは5/27の日曜日に買ったのだが、ごくあっさり翌月曜と火曜の2日間で読み終わってしまった。
欧州開戦3 (新潮文庫)
マーク グリーニー
新潮社
2018-05-27

欧州開戦4 (新潮文庫)
マーク グリーニー
新潮社
2018-05-27

 今回のお話は、シリーズではおなじみのロシア大統領ヴォローディン氏がやらかす顛末なわけだが、一方でわたしとしては、いつも人の言うことを聞かないでやらかすジャック・ジュニアのその後にも大変注目していた。ジュニアは、かなり命令を聞かず、独断で行動するゆとり小僧だけれど、いつも結果オーライになるし、結果オーライどころかジュニアの独断が世界を救うことも多く、まあ、今までは特にキツイお咎めなどはなかったのだが、本作のラストでは、まあ、そうなるよな、というジュニアへの処分もあって、今後のシリーズ展開はどうなるのだろう、という期待?と不安?の残るエンディングだったように思う。なお、以下ネタバレにも触れると思うので、気になる方はここらで退場してください。

 それではまず、本作の物語をざっとまとめておこう。ロシア大統領ヴォローディン氏は、度重なる失敗で、ロシア国内での地位が脅かされている状態にあった。そのため、原油価格上昇を目論んでいて、世界各地で工作活動を行わせつつも、万一の時に備えて、自らの個人資産80億USドルを洗浄して隠ぺいしようとしており、それを我らが「ザ・キャンパス」の面々が阻止する、てなお話である。サーセン、超はしょりました。
 まあ、ズバリ言って本書(というかジャック・ライアンシリーズ)に描かれていることを素直に信じる人はいないと思うけれど、読むと実際面白いので、わたしとしては内容がメリケン万歳であっても別にどうでもいいと思っている。というわけで、本書の中で、わたしがこれは面白い、と思った点を列挙していこう。ストーリーの順番は無視して、面白かった順に書き連ねます。
 ◆NATO首脳の対応が愉快。
 本書では、ロシアが(親ロシアであるベラルーシを経由して)リトアニアへの侵攻を狙っていて、それに対してNATO(北大西洋条約機構)としては「第5条」の「集団的自衛権」を発動するかどうかが一つのカギになっている。要するに、NATO加盟国であるリトアニアへの侵略はNATO全体への侵略とみなし、それをNATO全体が全力で阻止する、というものなのだが、まあ、結論から言うと、NATOは集団的自衛権の発動には至らないで、何もしないで終わる。なので、ライアンUS大統領はUS単独でリトアニアに派兵するのだが、この、コペンハーゲンで開催されるNATO首脳会議での各国の対応がものすごく面白いんだな。これは、恐らくこうなるだろうな、という点では結構リアルなのではないかと思う。
 ■集団的自衛権発動に賛成派:イギリス・ドイツ・ポーランド・リトアニア
 ■集団的自衛権発動に反対派:フランス・オランダ・デンマーク・スペイン・イタリア
 このグルーピングは、地理的な要因も大きいように思える。つまりロシアと近いか遠いか、の話で、リトアニアが侵攻された後、でも十分だと思うかどうか、がカギになっているように見える。また「集団的自衛権」の行使には、「攻撃を受けた後」でいいのか「攻撃を受けそうでヤバイ状態」も含まれるのか、という点もポイントで、勿論、本作でのライアン大統領は、後では取り返しがつかなくなるから言ってんだよ、という立場。

 で、まずフランス大統領の主張をまとめると「ロシアが腐敗してるからと言ってそれをけしからんと言うのは内政干渉で、経済制裁がうまくいってるんだから外野の我々はそれ以上手出しすべきじゃない。それに、まだ侵攻は始まってない(=集団的自衛権発動要件に達していない)」というある種の正論ではある。しかしそれと同時に、いざ戦争となったら、フランスの負担が大きいのでヤダ、それにまだ先の話だろ、とも思っている。まあ、フランスがUS/イギリス/ドイツの意見に賛成することはないでしょうな。なお、本作執筆時の現実世界のフランス大統領はオランド氏かな。
 オランダは、本作登場する首相が「40代後半のハンサムな男」として描写されていて、その主張は「まだ何も起きていないので、派兵する義務はない」とし、そもそもオランダにそんな戦力はないっすよ、戦車なんて1台も持ってないし、と若干開き直り気味。ちなみに現実世界のオランダ王国の首相マルク・ルッテ氏は本作執筆時はまさしく40代後半で、2010年から長期政権運営中だそうですが、わたしは全然知らない人でした。
 デンマークは、本作ではヒステリックな女性首相が登場する。これは、現実世界でのヘレ・トーニング=シュミット女史のことで(首相歴2011/10~2015/06)、基本的に中道左派のお方。2015年に中道右派に負けてすでに辞職しているお方だが、まだお若いすね。現在51歳ってことは本作執筆時は40代中~後半ですな。で、本作ではとにかくライアンUS大統領が大嫌いな人として登場。彼女の主張は、ヴォローディンなんぞ古い軍隊を持っているだけの取るに足らん奴であり、ライアン大統領こそ反動的狂信者だ! と思いっきりケンカを売る。ここは読んでて笑っちゃいました。しかし、デンマークは北海/バルト海に突き出た要所でもあるわけで、そんな態度で大丈夫なのか心配ですな。
 スペインは、ドイツが「NATOが何もしないかどうかをロシアは探っていて、何もしないんだな、と分かれば即リトアニアに進軍する(ので、ライアンの言う通り行動に移すべき)」という発言の後で、「それじゃあ、やるぞ、おれたちは本気だぞ、遣ったらマジで報復するぞ、と言い続ければいいじゃない。それでロシアは引っ込みますよ。本当に軍を動かすのは挑発しすぎでしょ」とまあ、果てしなく呑気な態度で、ここもなんだか笑えました。現実世界での時の首相はマリアーノ・マホイ・ブレイ氏で、このお方は現在も首相ですな。
 そして一番最後に発言するイタリア首相がもう最高なのです。曰く「彼(ヴォローディン)が侵入してきたら、われわれは引き下がればいい。あるいは、もともと係わりにならないようにすればいい。そう……わたしとしては最初からかかわりにならないようにするという方を強く望みますね」と、もう軍事同盟であるNATOを完全否定。笑っちゃった。そして「もちろん外交的に、ひょっとしたら経済的にも、干渉はするわけです。そしていまはそんな野蛮なことをする時代ではないと言って諭し、こちらのほうが道徳的に優れていることを行動で示すのです」とまるで宗教指導者のようなことを抜かすに至る。これは、現実世界の当時の首相はマッテオ・レンツィ氏かな? ドイツのメルケル女史が大嫌いで有名な、超若いお方(1975年生まれ)すね。
 とまあ、こういった反対派の反応が、わたしとしては本書では一番面白かったかも。ちなみに、ロシアは、なんと作品世界の中においては、かつて中国と戦争した時に一時的にNATOに加盟したこともあったのですが(『大戦勃発』にて)、その後ヴォローディン氏の政権となってあっさり脱退したみたいすね。
 ◆ヴォローディン氏……やることなすこと失敗だらけで人生終了の巻
 ズバリ、ネタバレですが、最終的にロシア大統領ヴォローディン氏は、ロシア国内を牛耳る「シロヴィキ」に殺られます。残念ながら。わたしは、最悪、シロヴィキの刺客から逃れるために、まさかのUS亡命とか、そんな展開を妄想していたのだが、そんなことにはなりませんでした。しかもこれまた残念なことに、ヴォローディン氏がなぜ殺されたかというと、政策や戦争の失敗ではなく、自分だけ自分の金を洗浄して安全な口座へ避難させていたこと、がバレたことにある。それすなわち「シロヴィキ」を裏切ったということだ。本書の中では、「シロヴィキ」なる連中は、端的に言えば「国家の富を自分の財布に入れる泥棒」に過ぎず、ならず者なわけで、ヴォローディン氏亡き後にロシア大統領となった人物も、まったく同じ穴の狢で、ライアンUS大統領としてはまだまだこの国はダメだな、と思って本作は終わる。
 で、当然読者たる我々としては、ヴォローディン氏=現実世界のプーチン大帝という図式になるわけだが……まあ、プーチン氏が独裁者なのは間違いないし、想像を絶する恐ろしいお方であるのも、きっと間違いないでしょうな。しかし、今のプーチン氏を見ていると、プーチン氏を脅かす存在(=本書でヴォローディンが恐れたシロヴィキ連中)がいるのかどうかは、もうさっぱり想像もつかないですな。どうなんでしょうか、その辺は。ま、まだまだ当面はプーチン大帝の独裁はかわらないでしょうよ。世界で怒らせてはマズい人ナンバーワンレベルの恐ろしいお方であるのは間違いなさそうですな。
 ◆いけいけ僕らの USS-James Greer!
 今回、北海(いや、バルト海だっけ)において、合衆国海軍のイージス艦と、ロシア海軍の秘密兵器である原潜のバトルが勃発するのだが、この一連のシーンはとてもワクワクしたっすね! とりわけ、わたしを含めシリーズのファンとしては、そのイージス艦の名前がUSS-James Greerという点にもう大興奮というか、うれしくなっちゃいますな。もちろん、James Greerというのは、ライアン大統領の師匠であるグリーア提督のことで、初期のシリーズでは重要人物だったのだが、もうかなり前にガンで亡くなってたんすよね。その名を冠したイージス艦の大活躍は、ファンにとってはホントに「分かってる」配慮で嬉しかったです。どうやら艦長は次回作ではテロの標的として登場するみたいなので、楽しみですな。命を狙われるので、楽しみってのはマズいか。生き残れるのかしら? くそう! 早く読みたい!
 ◆ザ・キャンパスは今後どうなる問題
 (1)(2)の感想をサラッと書いた時も記したように、本シリーズの「正義の味方」である「ザ・キャンパス」は、現在深刻な人手不足の状況にある。前作でベテランのサム・ドリスコル兄貴が殉職し、さらに本作ラストではとうとうジュニアにも処罰が下り、これでもう、現場工作員としてバリバリに戦えるのはシャベスとドムの二人しかいなくなってしまった。そんな人手不足の折、本作ではすっかり年老いたクラークも現場に出張るわけだが、結構あっさり失敗して殺されかけ、その後、これまたあっさりリベンジする展開だが、まあ、ちょっとアレだったかもしれない。ご都合主義というかありえないというか……。今回も、クラークのピンチは、超有能な美女アダーラ・シャーマン嬢のバックアップで乗り切るわけだが、本作では一切描かれていないけれど、アダーラ嬢は実はドムとこっそりイイ仲に進展してるし、アダーラ嬢の現場工作活動への動員率も上昇中である。ジュニアはジュニアでゆとり恋愛脳だし……。もうちょっと大人になってほしいすなア……彼には。
 なので、わたしはそろそろザ・キャンパスに新人が入ってくるのではと期待したのだが、本作では結局それもナシ。もう、ほんと深刻にヤバい状況だと思う。なんでも、訳者によるあとがきによれば、すでにUS本国では発売されている次回作で「ザ・キャンパス」シリーズは完結になるのだとか。まあ、もう厳しいよな……本作でも人手不足が原因で起こるピンチが多く、ホントにギリギリの闘いでした。そのせいで、本作はもう(4)巻の冒頭ぐらいまで、全く事件の行方が分からず、(4)巻中盤ぐらいからあれよあれよと解決に向かって片がついていく展開になっており、正直に言うとかなりバタバタしているというか、結構あっさり悪い奴らは退治されちゃった感がありましたな。その点では、ちょっとあっさり感漂うエンディングだったと言えそうです。
 どうやら次回作はUS国内が舞台のようで、大変楽しみなのだが……極めて残念なことに、われらがCLANCY先生の後継者、Mark Greaney先生もまた、次の作品でお別れだそうです。マジかよ……でもまあ、Greaney先生には、わたしの愛してやまない「グレイマン」シリーズに集中していただきたいすね。「ジャック・ライアン」シリーズ自体は、また別の先生が引き継ぐそうなので、そちらは心配ないようです。わたしとしては、今後もシリーズが続く限り、やっぱり読んでしまうと思うし、楽しみにしたいと思います。

 というわけで、まとまらないのでもう結論。
 新刊が出ると必ず買って読む「ジャック・ライアン」シリーズの、日本語で読める最新作『TOM CLANCY'S COMMANDER IN CHIEF』~トム・クランシー ジャック・ライアンシリーズ『欧州開戦(3)(4)』が発売になったので、即買って読み、楽しませてもらったのだが、まあ、面白かったけど、若干あっさりと事件は収束してしまった感はありますな。そしてついにライアンUS大統領の天敵(?)、ロシアのヴォローディン大統領はあの世に逝っちまいました。しかしそれでもロシアという国は全く変わることなく、代わりに別の悪党が出てきただけで、なんつうか、永遠に人類は殺し合うんでしょうなという無常感漂うエンディングでした。ついでに、独断専行で世界を救ってきたジュニアにもお灸が据えられ、今後のシリーズ展開に大きく影響を与えそうな気がしますね。というわけで、ますます次の作品が早く読みたいのだが、古臭い気質の新潮社はどうせ次作も電子書籍は出さないだろうし、紙で出るのもまた1年ぐらいあとなんでしょう。恐らく新潮社の決算は年々加速度的に悪化していると思うが、ま、滅びていくんでしょうな、そういう会社は。さっさと別の版元が版権を握ってほしいと思います。以上。

↓ 次回作はもう2年前にとっくに発売されてます。つうか、久しぶりに原書で読もうかしら。電子ならすぐ手に入るし!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、平成30年大相撲5月場所の千秋楽はご覧になりましたか!? 世の中的には栃ノ心関の大関昇進や横綱・鶴竜関の二場所連続優勝に沸いていたわけですが、もちろん! わたしが一番大興奮して、いよっしゃああーーー! とこぶしを握ったのは、わたしが一番応援している松鳳山裕也君の取組ですよ! 千秋楽で7勝7敗、勝てば勝ち越し、そしてさらに鶴竜関が優勝すれば、唯一鶴竜関に土をつけた男としての殊勲賞も、という超ドキドキな取組前だったわけですが、見事に勝利、そして殊勲賞もGET!!
 いやー、なんつうか、とても嬉しいす!! これで来場所、本当に小結復帰できちゃったらもう、実際ヤバいす! 三賞インタビューもイカしてましたねえ! それにこの表彰前に、三賞力士たちが花道で揃って待ってる画が撮られていたのですが、同期である栃ノ心関(敢闘賞&技能賞W受賞)や、敢闘賞を受賞した千代の国憲輝君も一場所違いの同期なわけで、同期のみんなと何やら笑顔で話をしている松鳳山関の図に、どういうわけかわたしはもう激萌えですよ! 最高っすわ! マジで後援会に入るしかないかもな……現在、松鳳山関の所属する二所ノ関部屋は、去年倒れた師匠、元大関・若島津さんも順調に回復しつつあり、さらに、幕下の「一山本」君もあとちょっとで十両昇進が見えつつあって、わたしとしては大変応援したい気持ちMAXであります。ちょっと問合せしてみようかしら。はーーーしかしホントに嬉しいす!
 さて、暑苦しい興奮じみた妄言はこの辺にして、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年27号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版はひらがな「けやき坂」の小坂菜緒嬢かな。
 ■弱虫ペダル:奪われた200mの巻。ゴールまで5.5km。多分セミ・ファイナル・バトルなんすかね、VSキモー筋との戦いは。VS箱学がきっとファイナルなのでは。
 ■BEASTERS:その手 乱気流 巻いての巻。さあ、ヒグマのリズとのバトル開始っす!
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:ちんは国家なりの巻。こういうギャグマンガ、ホント好きっす……
 ■開田さんの怪談:NO MORE怪談の巻。最終回。最初から短期集中の予定だったのかな?
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿が友と呼ぶ者の巻。ケンシン様のライバルと言えば! シンゲン公がとうとう登場す!
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年27号でありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週はいよいよハッキヨイ、VS【猛虎】先生との闘いが始まりました。そしてファーストアタックは当然鯉太郎のブチカマシで、常松はその無駄のない完璧な出足に、思わず「勝った」なんてつぶやいてしまったものの……「打ち勝ったのは猛虎!!」ということで、脳内で混乱する鯉太郎に【猛虎】先生の素早い次の手が迫る!! という超イイところで幕でありました。
 というわけで、今週は「何っ!?」という混乱した鯉太郎を別アングルから描写した絵から始まります。すでに【猛虎】先生は鯉太郎の右側に体をスイッチ、ハイスピードで左まわしを取りに行く【猛虎】先生! 鯉太郎も「速い…」と驚きながらも、「左…取らせるか…」と対応しようとします……が! 【猛虎】先生の、「ピタッ…」という一瞬の溜めが、戦いの流れというかリズムを崩します!! 鯉太郎も「!!」と反応するも、その一瞬のリズムの狂いに乗じて「ユラッ…」と出された【猛虎】先生の左手は、鯉太郎の右前まわし(猛虎先生から見ると左前まわし)を「パシッ…」と、いともたやすくキャッチ、鯉太郎が「えっ…!?」と思う間もなく! 【猛虎】先生の出し投げが炸裂だ―――ッッ!!
 はあはあ……展開が速いので文字での説明が難しいす! どうやら【猛虎】先生の奥義は、一瞬の溜めによって相手のリズムを崩すこと? なのでしょうか……? まあ、はじめの一歩的に言うと、来るぞ来るぞ、このパンチをしのげ!という覚悟をもって喰らうのと、まったく不意にパンチを喰らうのとではそのダメージが違うわけで、ある意味でのカウンター、に近いのかもしれない、と思いました。いやいや、カウンター、ではないか。なんて言うのでしょう?
 そして「なっ…」と驚きつつもダンッと右足を返して耐える鯉太郎! すぐさま体を90度反転し、【猛虎】先生を正面に掴まえようとします! しかし! なんてこった! その振り向く回転に合わせて、【猛虎】先生の右手が鯉太郎の顎にクリーンヒット! これは純粋な意味でのカウンター張り手だ! イカン! 虎城理事長も真面目な表情で「キマる…」と見ています! しかしこのカウンターも鯉太郎はすかさず左手で【猛虎】先生の右ひじを下から突き上げ、何とか回避! 【猛虎】先生、ニヤリの図です! まるで「そうだ、それでこそ鮫島だ」的な不敵なニヤリです! これには虎城理事長も驚きの表情です! (※サーセン! 左と右が間違ってたので直しました)
 「アレを咄嗟に…鮫島の勝負勘も極限まで研ぎ澄まされているのか…」
 そしてページをめくると、鯉太郎は得意の型、左下手を狙って動きます。その動きに今度は常松&大吉の弟コンビが「左下手…速い…」と驚愕の図です! しかし、【猛虎】先生が左手でがっちりつかんでいるまわしはまだ切れていない! フッという神速の動きで、掟破りの連続出し投げ炸裂だ―――!! これには常も「!!?」と驚き、鯉太郎も「何なんだ…このスピードは…」と驚愕不可避です! そして鯉太郎はこの連続攻撃にも耐え、なんとか【猛虎】先生の左を切ることに成功します。「鮫島さんが 翻弄されている…」と常は顔面蒼白、鯉太郎も「スピードは 猛虎の方が上だってのか…!?」と考えながら体勢を整えようとしたその時! ああ! ページをめくった先は! 一瞬の隙に【猛虎】先生の強烈なブチカマシが鯉太郎の胸のど真ん中にヒーーーット! やばい! 鯉太郎の体が崩れた! そしてマズイ! 【猛虎】先生の右手が引かれ、強烈な張りが発射体制準備完了している!! コイツを喰らってはまずいぞ鯉太郎!
 しかし!! ページをめくった先では、「くっ…」と浮いた体をすぐさま前傾させ、0.5秒後にやって来る張りに対する防御姿勢をとりますが……張りが来ない! 「……アレ…?」と思う鯉太郎。しかし、その「アレ?」の一瞬の溜めこそが【猛虎】先生の奥義なのか、一瞬ゆるんだその時を狙って張りがキターーー! 「ボゴ」とすさまじいインパクトで描かれております!
 さあ、ここから【猛虎】先生の奥義に関する説明タイムの始まりです。
 まず、【猛虎】先生は、普通の常識として、「肉を太らせ 強靭な力を手にするのが力士…相撲は剛 強さは力とどこか信じていた…」そうで、いわゆる筋トレ、ビルドアップに励んでいたようです。「しかしどれだけ必死に力を求めても それを上回るものがいるという事実(※ここでは、仁王さんや天鳳、天雷といった代表的なパワー型力士が背景に描かれております) 肉の強さは…力の強さもまた先天的なモノが存在し…しかもそれだけが絶対ではないことを…体感する…(※ここでは泡影が背景に描かれています)」
 なるほど? HUNTER×HUNTERで言うところのオーラのタイプ別の戦闘スタイルの違いのような感じでしょうか? そして描写は三役昇進前の稽古の模様です。【王虎】さんに稽古でやられ、【王虎】さんからも「何だその様は どうしたテメーらしくもねぇ…」と激を飛ばされていた模様です。「三役を前に 己の相撲への迷い…違和感が体に絡まり始める 俺は…俺の体を…本当に使えているのだろうか…理解しているのだろうか…ここが俺の限界なのではと…」なるほど。
 そしてまた描写は土俵に戻ります。NHKアナも絶叫中です。「猛虎勝負に出たか 強烈に前に出る!!」土俵上では鯉太郎が【猛虎】先生の張りを何発も喰らいながら堪えている模様で、常もいつも通り「マズイ…流れを断ち切れ鯉太郎さん」と絶叫です。鯉太郎は張りを下からあてがって回避している状況。これは長くは続かないぞ……ヤバし!
 そして描写は再び回想へ。すっかり自分の相撲を見失い始めてしまった【猛虎】先生。とうとう負け越しも経験し、周りからも「あんな精彩を欠く猛虎さん初めて見たな…」なんてことまで言われる始末。真面目な【猛虎】先生は、虎城親方に謝罪します。
 猛虎「申し訳ありません…こんな大事なところで足ぶみをしてしまって…」
 虎城「どうした…? 最近相撲がよくなってきてるな…」
 !? 良くなってるって言ったこの人? 的ポカーンフェイスの【猛虎】先生。わたしもポカーンです。そしてここから、独特の虎城親方語による解説の始まりですよ。
 「お前の悪いトコはピンとひとつしか使ってなかったトコだ…腕なら腕…足なら足とそこだけギュッとなっていたが ソコを効果的に使うために他の箇所に ビビッと耳を傾けはじめとる…」
 一コマだけ、土俵上に描写は移ります。そこでは鯉太郎が渾身のブチカマシを発射ーーー!!
 そして虎城親方語の解説が続きます。「何よりフッと抜きが出来るようになってきとる…大事なのはユルッとした間…力だけで制するのは限界があるのよ…相手も…己もな…問題ない…その相撲を探求していけ…」
 どうですか、わたしにはまだその意味が咀嚼しきれていませんが、「凡人」として、努力をし続け、天才型の親方の言葉を翻訳し続けてきた【猛虎】先生には伝わったようで、涙を流す当時の【猛虎】先生。そして今週ラストの大ゴマは、鯉太郎の渾身のブチカマシを「パスッ…」と受け止める【猛虎】先生の図であり、そのコマには、虎城親方の言葉が重なっています。
 「昇ってみせろ…俺のいた場所まで…」
 というわけで今週はここで幕、でありました。編集部謹製のエンディングキャッチは「完成された猛虎にやはり攻撃は通じず」とあります。マズいすね……まあ、北斗の拳で言うところの、トキの柔の拳とでも言いましょうか、相手の攻撃の衝撃を受け止め、自らの攻撃のタイミングを一瞬ずらし、確実に相手を削っていく【猛虎】先生の戦闘スタイルは、かなり危険ですなあ……こういう相手に有効なのは、無想の一撃、無意識のうちに出る攻撃しかないのでは……と北斗の拳が大好きなわたしは思いましたが、果たして鯉太郎は勝利を掴めるのか、今後の展開が大変気になります……! ああ、来週号が今すぐ読みたいす……!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はファーストアタック以降のハイスピードバトルが展開され、【猛虎】先生の先手先手の攻撃が繰り広げられ、来る! と思った瞬間からわずかにズレてやってくる【猛虎】先生の猛攻に、鯉太郎は実際ピンチであります。そして、【猛虎】先生の奥義のようなものも、難解な虎城親方語で一応は説明されました。要するにパワー一辺倒では上には上がいて、通用しない壁にぶち当たってしまうからダメ、ユルッとした間が重要なんだ、ということ……でいいのかな? サーセン、まだわたしも咀嚼できておりません……。いやあ、今週はホントに文字で説明するのが難しく、内容的にも、なんでもジャンプ的に考えてしまうわたしにはちょっと難解でありました。いずれにせよ、「完成された猛虎」先生との戦いは、間違いなく鯉太郎にも何らかの変化をもたらしていくんでしょうな。鯉太郎よ、【猛虎】先生という壁を乗り越えるんだ! というわけで、結論としては若干消化不良ですが、毎週書いている通り、いやー、『鮫島』は最高っすね! ということでよろしくお願いします。以上。

↓ おっと、どうやら次の新刊(18)巻はもう来週発売ですって! 超イイ表紙!! 初めてのツーショットすね!!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、昨日で11日目までを終えた大相撲5月場所、通称「夏場所」ですが、なんつうかもう栃ノ心関の強さは本物ですなあ! 強い。昨日、琴奨菊関をもう力づくでぶん投げるの図には痺れたっすねえ! 間違いなく大関は手中にするでしょうし、一気に横綱まで行っちゃいそうな勢いすね。わたしとしては、栃ノ心関の強力なパワーは、なんだか「怪力・天雷」を思い出さずにはいられないのですが、強引に吊りに行ったりぶん投げたりする栃ノ心関は大変カッコ良いと存じます。そして、わたしの一番応援している松鳳山関は、その栃ノ心関と同期であり、幕内力士の中では明らかに小兵なわけですが、さすがに鯉太郎のようには行かず、現在5勝6敗と後がなくなりつつある戦いを繰り広げております。しかし昨日は活躍著しい阿炎関をぶっ飛ばしたので、その勢いのまま、勝ち越してほしいす。
 それにしても今日の結びの一番、栃ノ心関VS白鵬関の戦いも相当血圧が上がる激闘となる予感すね。今日は、職権を濫用して17時半からは会社のTVをつけようと存じます!
 さて、それではまずは今週の週刊少年チャンピオン2018年26号概況です。
 ■巻頭グラビア:小倉優香嬢。Wikiによると「リアル峰不二子」だそうで、極上す。
 ■弱虫ペダル:捕食の巻。とうとうキモー筋先頭へ!やっぱりこの人一番強いよ……。
 ■BEASTERS:ただの抱擁は布団にでも託しますの巻。タイトルがw
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:オータムより新たなる刺客の巻。タイトル通りw 一番笑いました。
 ■開田さんの怪談:グリーンフィーバーの巻。絵はとても好きなんすけどね……。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:きりんさんの心と殿の巻。イイお話なんですが、本筋はどうなったんだ……
 どうも、ここ1年ぐらいのチャンピオンの新しい作品がイマイチわたし的に盛り上がらないす……。ううむ……ジャンプはまた面白い漫画が増えてきているのですが……。。。
 
 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は土俵入りからハッキョイ1秒前までの様子が主にNHKアナと虎城理事長の掛け合いで描写され、鯉太郎から噴出される熱は国技館を興奮のるつぼとし、対する【猛虎】先生も静かに熱く燃え上がっているという対照的な様子が描かれたわけですが、さあ! いよいよ! 今週から闘いが始まりますよ!
 というわけで、扉はもう臨戦態勢の二人です。【猛虎】先生は既に両手をついておりますので、鯉太郎の左腕が土俵に着いた瞬間、戦闘開始となります。そんなバトル1秒前の状況で、橋くんは、国技館全体の熱にあてられた鯉太郎を前にして「少しも揺るがない」【猛虎】先生に驚愕しています。NHKアナも実況を続けています。
 「猛虎の構えはダラリと両手をおろす 力の抜けた独特な…異様ともいえる仕切りですね…」確かに、見たことのないその仕切りの型は特殊なフォームです。それを虎城理事長は以下のように解説します。
 「だが隙がない…開始の主導権は鮫島のふり下ろす手にあるが 呼吸は既にあっていると言っていいでしょう…たとえどんな嵐に襲われようとも…心ひとつ乱れることのない 精神力 愚直に積み上げ確立した 断固とした己の相撲への自信 そこからくる揺るぎない 強固な我 超一流ですよ 猛虎という力士は…」
 なるほど。「どんな嵐に襲われても心ひとつ乱れない」。いい言葉ですなあ。まあ、サラリーマンも20年もやってると、どんなピンチな状況に直面しても、大抵は、既に経験している、知っているピンチに思えて、まあ何とかなるだろという気になるような気がしますが、アスリートは何万何十万という練習(稽古)によって、そういう経験を積んでいくわけで、それが自信につながるんでしょうな。
 そして、そんな【猛虎】先生を前に、鯉太郎はもう、なにやらワクワクな表情?であります。思わず「スゲェ…」と声を漏らす鯉太郎。鯉太郎の脳裏には、【猛虎】先生と初めて出会った『バチバチ』第1巻第1話のあのシーンが蘇っております。
 「あの時とはすべて違う……ここで…また巡り会えてよかった…」
 さあ、【猛虎】先生から発せられるプレシャーがまた一段と増したようです! 凄い迫力の絵だ! コイツはヤバげです!
 鯉「真っ直ぐ…俺だけに当たる 俺だけに見える強烈な重さ…」
 猛「こい…」
 鯉「最高だ…」
 そしてページをめくると、おおっと! そこには見開きで! 「俺の全部をくれてやる…」とうとう鯉太郎の左手が土俵に着いた――!! ハッキヨイ!! バトルスタートの瞬間です!!! 行け―――!
 さらに次のページも見開きです! おおっと! 鯉太郎の出足が速いぞ! あーーーっと! 常松こと【松明】関の口からは「勝っ…た…」の一言が漏れている! オイィ! 常! ホントかそれ!? ナレーションにはこう書いてあります!
 「無意識に松明の口から その言葉が漏れた…それほどまでに無駄のない完璧な それでキマるほどの鮫島のブチカマシだった」
 マジかよ! キマるのか!? そしてページをめくると、「しかし…すぐに気付く…違和感…」というナレーションとともに、両者「ゴン」とぶつかるの図です! こ、これは!?
 あああーーーっと!!! 次のページに進むと、ああ、なんてこった! ジーザス! 
 「打ち勝ったのは猛虎!!!
 の図が見開きで描かれております! イった―――ッ! コイツは強烈だ!! この図は、もう絶対にチャンピオンで確認する必要がありますよ! ヤバイ! 鯉太郎! 大丈夫じゃないぞこれは!!!
 そしてページをめくると、鯉太郎のあのひたいの傷から血が噴き出ております! これは! まさしく『バチバチ』第1巻第1話の再現か!? この様に、場内「えっ…!!?」と一瞬静まり、田上さんこと【稲虎】関は「よしっ…」とこぶしを握り、常はまーた青ざめて「なっ…」と驚愕しております! 常の「何で…!!?」という思わず出ちゃった一言ですが、鯉太郎も思いは同様なのか、何が起きたか理解が追いついておりません。
 「タイミングは 完璧だった…が…そこにはいなかった… スカされた…? いや、そこにはいた…何で…何でだ…」
 『バチバチ』第1巻第1話では、若き幕下【猛虎】も相打ちで意識が吹っ飛んだはずです。しかし今回は、まったく違う状況。今週は、一瞬混乱している鯉太郎の右に、【猛虎】先生がすかさず回ってもう次のモーションに入る、その瞬間で幕、でありました。
 ラストのコマの鯉太郎の表情は、疑問が頭に渦巻いてしまっていて、ある意味意識が飛んでいるのかもしれません。完全に【猛虎】先生の動きを見失っています。さらに加えて【猛虎】先生の動きが速い! 鯉太郎からすると、消えた!? ぐらいなイメージなのかもです。はーーーこれはヤバいすなあ……! 右側に回られたので、鯉太郎の得意の左下手は無理か?  逆に【猛虎】先生は左上手をがっちり取れそうな位置取り。果たしてまわしを取りに行くのか、それとも右で張りに行くのか? さっぱりこの後の展開が分かりませんが、今のわたしの気持ちを一言で言うと、「未来のオレ、今すぐ来週号を持って来い!」であります。一言じゃないけど。いやーーーマズいなあ……ヤバイなあ……今後の展開がホント楽しみですね! なお、おそらく単行本(19)巻も、今週のここまでの収録となるはずなので、単行本派の方も、ぐぬぬ、(20)巻早よ!とギリギリすることでしょう。 はーーーホント『鮫島』は最高っすね!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はとうとうハッキヨイ、鯉太郎VS【猛虎】先生のバトルスタートから、ファーストブチカマシが見事吹っ飛ばされ、混乱の鯉太郎に【猛虎】先生の次の手が迫る!! という超ヤバイ状況までが描かれました。しかし、ここで『バチバチ』第1巻第1話のリベンジという展開は、本当にお見事ですなあ! いや、そりゃあですね、鯉太郎が楽勝で勝つわけはないと分かってますし、そういう意味では予想通りではありますよ? でもですね、ここまで興奮させてくれる『鮫島』という漫画は本当に素晴らしいとわたしは思うわけです。とりわけ今週の【猛虎】先生の絵は、まさしく渾身のもので、佐藤タカヒロ先生を大絶賛いたしたく存じます。カッコイイすねえ【猛虎】先生は! ホント、『鮫島』は最高っすわ! 以上。

↓ そういえば昨日のNHK解説は元大関・琴欧洲でお馴染みの鳴門親方でした。栃ノ心関はヤマ行って険しい道のりを経てきましたが、今の栃ノ心関は、なんか全盛期の琴欧洲関を思い出しますなあ……

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、現在両国国技館で開催されている大相撲平成30年5月場所なんですが、わたしの応援している東前頭2枚目の松鳳山裕也君は、初日から栃ノ心関、豪栄道関、白鵬関と格上相手に3連敗し、おまけに相撲内容も若干元気がなく、わたしとしてはかなりしょんぼりしていたのですが……見ましたか! 昨日の松鳳山裕也君の戦いを!! 横綱・鶴竜関を前に前にと攻め続けての勝利、いやあ、ホントに昨日は興奮したっすわ! しかし一方で、昨日は十両に下がっている照ノ富士関の休場も発表となり、このままだと、幕下へ落ちる気配濃厚ということで……なんか淋しいすなあ……ホント、あっという間に大関まで駆け上がり、こりゃああっという間に横綱になるんじゃね? と思うほど強かったのになあ……ヤマ行っちまって、極めて残念であります……。
 さて、それではまずは今週の週刊少年チャンピオン2018年25号概況です。
 ■巻頭グラビア:大原優乃嬢。大変結構なお点前ですな。控え目に言って最高す。
 ■弱虫ペダル:攻防!ダウンヒル!! の巻。さあ、最終局面、キモー筋も来たっす!
 ■疵面:今週はナシ。代わりに、夢枕獏先生による刃牙小説「ゆうえんち」掲載開始す。
 ■BEASTERS:アクロス ザ ユニバースの巻。ちょっと今週は若干意味不明?す。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:仕事しろ吸血鬼対策課の巻。もうタイトル通りす。笑いましたw
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年25号でありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、主にNHKアナと虎城理事長の会話をベースに、いよいよ鯉太郎と【猛虎】先生の土俵入り直前まで進展しました。なお、NHKアナからは、なんと角界の怪鳥でお馴染み【天鳳】関が未だ負けなし全勝キープであるという情報ももたらされました。そして虎城理事長からは、自らの相撲を最も忠実に体現しているのが【猛虎】である、的なお話もなされました。
 というわけで、今週は国技館内に響き渡る呼び出しさんのコールから始まります。そしてページをめくると、お互い蹲踞して柏手を打つ鯉太郎&【猛虎】先生の図です。【猛虎】先生の表情が相当気合が入っているというか集中してますな。そして国技館へ到着し客席に着く椿ちゃん&鯉太郎母の二人。母は椿ちゃんに、やはり私は…と若干遠慮、あるいは鯉太郎と対面する心の準備が出来てない様子ですが、そこに、場内からは「鮫島!!」コールが。場内はもう、大変な盛り上がり。NHKアナも絶叫です。
 「場内 大鮫島コールです!! ここまで快進撃の鮫島の背をファンが後押しする!」
 この場内を満たす鮫島コールに、常や大吉は嬉しそう。【白水】さんはもう涙ぐんでますよ! わたしもなんだかうれしくて泣きそうです! そして椿ちゃんは「さぁ…始まりますよ…」と真剣な表情。そこには一瞬たりとも目をそらさない的な覚悟のようなものすら感じられます。NHKアナの実況は続きます。
 「この声援は力になりますね…きっと鮫島にも届いていることでしょう…!」
 まあ、そりゃ聞こえてるに決まってんだろ、とかわたしは思ったのですが、ページをめくるとそこには、「抑えろ…まだ…漏らすな…まだ…抑えろ…」という戦い直前の鯉太郎の独白とともに、虎城理事長のこんなイイ台詞が重なります。
 「いや…逆でしょう…鮫島の力が客の方に届いてるんですよ…」
 どういうことかと言うと……ページの先には理事長の台詞の続きがあります。
 「見てください…客の楽しそうな顔を…鮫島にあてられているんですよ…完全に…相撲をまだとれるという 歓喜を…」
 これは、数々の舞台やミュージカルを生で観に行っているわたしには、なんだかとても良くわかる話です。応援が舞台に届くというより、舞台の熱がこちらに伝わるんすよね……モロに。ダイレクトに。鯉太郎の全身からは、湯気のような、北斗の拳で言うところの「闘気(オーラ)」めいたものが発散されております。こいつが伝わっているのでしょうな、国技館全体に。わたしがこの場に居合わせたら、おそらくはもう相当血圧が上がって「鮫島――――!!」と絶叫していることは間違いないかと存じます。
 この鯉太郎の様を見て、【猛虎】先生は冷静に分析します。
 「これが…力士鮫島か…当たり前だがあの頃とは撒き散らすモノが まったく違うな…王虎ほどの奴が何故あれほど執着したのか 対峙するとよく分かる…喜びと厳しさが混同した鮫島の雰囲気は 俺の魂を滾らせ背筋を凍らせる…いい力士だ
 なんつうか、【猛虎】先生のこの分析もやたらカッコイイすねえ。気に入ったので思わず太字にしておきました。そして審判席の仁王兄貴こと現・空流親方の右手がスッと上がって、いよいよ時間いっぱいのサインが出ました! ドアアアアアアと一層盛り上がる国技館! ヤバイす! わたしも盛り上がってきました! そしてページをまくると、おおっと! 見開きで鯉太郎の強力なオーラはリミッター解除、全開で噴出しております! そして鯉太郎から噴出される熱が観客席を覆いつくしています! ナレーション曰く、
 「瞬間 鮫島から 全部が解き放たれる ソレが暴風雨のように 場内を激しく巻き込み 収縮し」
 そしてまたページをめくるとそこも見開きだ! 
 「一個の巨大な塊と化す」
 この一連の描写は是非チャンピオンを買ってご堪能下さい! これはもうこの場にいたら失神あるいはしめやかに失禁してもおかしくないオーラに大興奮ですよ! 常松も「何だ…アレ…」と驚愕、橋くんも「ス…スゲェ…」と絶句です! そして虎城理事長も驚愕しながら、またしてもイイことを言います。
 「まさか…これほど…これほどまで繋がるか…ここまでの激闘…死闘が想像以上に 見る者の心に蓄積していたということか…まるで自分の人生の一部であるかのように…もう…並では…ない」
 そう、そういうことだとわたしも思います。人は、まるで自分自身の人生を投影するものに、共感し、感動し、興奮し、応援したくなるのではないでしょうか。そしてこの熱は土俵下で見守る【王虎】さんにもビリビリと伝わっているようですが、一方の横綱【泡影】には、伝わっているのか良くわかりません。いつもの無表情です。【王虎】さんはちょっと嬉しそうに言います。
 「さぁ…どうする猛虎……」 そしてページをめくると……
 おおっと! 今度は【猛虎】先生のおっそろしく気合の入った立ち合いの図が見開きで描かれております!! この絵は超カッコイイ!! そして【猛虎】先生は先に両手を土俵に着いた! 完全に臨戦態勢、鯉太郎が真っ赤に燃える炎なら、【猛虎】先生は青く冷ややかに燃える炎か? 実に対称的であります!! というわけで今週はハッキョイ1秒前、以下のナレーションで幕、であります。
 「鮫島の巻き起こす熱風に……揺るがず…静かに…押し返す…」
 はーーーー……サーセン……今週も無駄に興奮してお伝えしてしまいました……。あと連載がどのくらい続くのかわかりませんが、もうホントに、わたしは『鮫島』が終わってしまった後でも生きていけるのでしょうか……燃え尽きてしまいそうな気がしてなりません……。いやあ、ほんと『鮫島』は最高っすね!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週は呼び出しさんのコールから始まって、ハッキョイ1秒前までの場内の様子が描かれたわけですが、なんつうかもう、ヤバいすね。この興奮は。まだ立ち合い前なのに。つうか、やっぱり、スポーツでもミュージカルでも、やっぱり生の現場のリアルな熱は、体験するともう他では代替しえない記憶として深く胸に残るすね。それを漫画で表現・再現しちゃう『鮫島』という作品は、ホントにすごいと思います。いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね。もう同じことしか言えないす。来週からはおそらくいよいよハッキヨイとなるであろうと思われますが、この戦い、脳に刻み付けたく存じます。はーーー興奮した。以上。

↓ どうでもいいですが、わたしはミュージカル等の際はコイツを愛用しております。やっぱり演者の表情を見たくなるので。意外とそんなに高くなく、イイものはレンズが明るく超見やすいことを知りました。

 約1年ぶりに新刊が発売となりました。何のことかって? そんなの、わたしが大好きな「ジャック・ライアン」シリーズの新刊のことに決まってるでしょうが! と半ばキレ気味に始めたいのだが、なぜわたしが若干キレ気味かと言うと、版元の新潮社に対して軽くイラッとしているからだ。
 というのも、本書『TOM CLANCY'S COMMANDER IN CHIEF』(邦題は「欧州開戦」となかなかセンスのないダサいものになっている)がUS本国で発売になったのはもうかなり前で、ようやくの日本語版発売だし(つまり遅せえ)、おまけにいまだに新潮社は、相変わらず電子書籍では全然発売する気がないようで、今回も紙の書籍(文庫本)でしか発売されなかったためである。そしてもう一つついでに言うと、初期「ライアン」シリーズのように文春から出版されていたならば、きっと本書は上下巻の2冊(あるいは上中下の3分冊)で出されたであろう分量なのに(そして電子版も同時に出していただろう)、F〇〇K'n 新潮社はまたしてもうっすい文庫4分冊、しかも(1)(2)を出した1か月後に(3)(4)を出すという、読者のことを全く考えない営業戦略をとっているのも実に腹立たしいと思っている。以上のことに対して、わたしはイラッとしているわけだが、もちろんのことながらこれは、一言で言うと完全なるいちゃもんであり、言いがかりも甚だしいので、普通の人は何も感じないだろう。ホントになあ……新潮社はおっくれってるー、だぜ。やれやれ、はーーー書いたらスッキリした。
 さて。というわけで、本当は(3)(4)が発売されて読み終わってからまとめて感想をしたためようと思っていたのだが、恐らく、年々記憶力が低下しているわたしとしては、少しメモをしておかないと完璧忘れてしまうのが目に見えているため、こうしてキーボードをたたいているのである。なお、今回の(1)(2)巻は4月末に発売され、GW中にとっくに読み終わっておりました。くっそう、続きが早く読みてえ!
欧州開戦1 (新潮文庫)
マーク グリーニー
新潮社
2018-04-27

欧州開戦2 (新潮文庫)
マーク グリーニー
新潮社
2018-04-27

 というわけで、「ジャック・ライアン」シリーズの日本語で読める最新刊、である。本書は、もうUS版発売時から、次は「眠れる熊」としてシリーズではおなじみの、ロシア大統領ヴォローディン氏がまたやらかすお話として、わたしは早く読みたいなあ、と願っていた物語である。端的に言うと、「ライアン」世界では、ロシアは4作前の「米露開戦(原題:Command Authority。日本語訳されてないJrの単独スピンオフと日本語訳されてるドム単独スピンオフ含めて4作前)」でコテンパン(?)にやられており、ヴォローディン大統領はロシア国内を支配する「シロヴィキ」層からかなり厳しい態度をとられていて、経済政策の失敗(と言っていいのかな?)も重なり、いよいよヤバい状態にあり、ならば殺られる前にせっせと溜めた個人資産80億USドルを安全なオフショア経由で「洗浄」して、クリーンな金として分散させよう、という意図をもって悪だくみをする、てなお話である。サーセン。かなりはしょりましたし、(3)(4)巻でどう展開するか分からないままテキトーなことを言いました。わたし的には、その「洗浄」の手段としてビットコインを利用する展開にはかなり興味深く物語を見守っている段階であります。
 なお、「シロヴィキ」とは、「ライアン」世界の言葉で言うと、要するにソヴィエト崩壊時にちゃっかり多くの利権と権力を握って現在もロシアを裏から支配する「情報・治安機関か国防機関」出身の人々のことで、つまりは元KGBと元軍人を主体とする悪い奴らだ。ソヴィエト崩壊からもう30年、当時若かった彼らももう60代70代に入りつつあり、ほぼあらゆる国営企業の株をごっそり持っていて、いまだロシアを裏で支配しているという設定になっている。
 そしてもう一つ、設定として、対するGOOD GUYチームである「ザ・キャンパス」の状況をメモしておくと(※もうザ・キャンパスなる組織が何者かの説明はしません)、日本語訳での前々作『米朝開戦(原題:Full Force and Effect )』で、ベテランのサムが殉職し、皆かなりしょんぼりな状況である。
 というわけで、さっそく読んで、あっさり読み終わった(1)(2)巻だが、初めて知って、へえ~?と思った点と、現代の現実世界との関わり、それから、各キャラについて思うことをメモしていこうと思う。
 ◆ロシアの飛び地「カリーニングラード州」
 わたしはまったく無知で知らなかったのだが、↓この地図で、ポーランドの北とリトアニアの間に、バルト海に面した国境に囲われてる部分があるでしょ?

 ここは、カリーニングラード州という、ロシアの領土(飛び地)なんですって。これって常識? 全然知らなかった。地図をもっと引いてみると、モスクワとの位置関係が良くわかると思う。で、リトアニアの東にあるベラルーシは、最後の独裁国家と言われている通り親ロシア国家で、ロシアとしては、ベラルーシを通って、NATOに加入した裏切り者リトアニアを進軍してカリーニングラードへの回廊を築こうとしている、というのが本書でのロシアの軍事ルートだ。そしてリトアニアは、もういつ戦争が始まってもおかしくないヤバい状況にさらされているのに、どうせNATOはグズグズして、集団的自衛権が発動されてもまるで頼りにならないため、戦争が大好きな(と思われている)ライアン大統領としては、NATO首脳会議に合わせてリトアニアへの軍派遣を承認してもらいたいと思っている。そして、シリーズではおなじみのメアリ=パットDNI(国家情報長官)は、それに先立って、どうしても要員の足りないCIAを援護してもらうため、直接「ザ・キャンパス」を訪れ、その要請を受けてシャベスとドムの二人が先遣隊として情報収集のために現地リトアニアへ飛び、CIAリトアニア局長と行動を共にしている状態、が(1)(2)巻だ。なんかもう、我々日本人的には全然お馴染みではないけれど、読んでいるともうすごいリアルというか有り得そうな展開が恐ろしいですな。
 ◆眠れる熊ことロシア大統領ヴォローディンの狙い
 もう既に上の方で書いた通り、ヴォローディン大統領は、ロシアを裏で支配しているゼーレ的な「シロヴィキ」会議において、かなり立場が危うくなっている。その原因は、経済政策の失敗によるもので、要するにゼーレの連中は、自分の金を心配しているわけだ。原油価格の下落、主に東欧圏のエネルギー(天然ガス)を支配していたのに、ロシア離れが進んでいること、等によるロシアの影響力の低下はお前のせいだ、と責められてるわけです。
 なので、ヴォローディン氏は、実際殺されるかも、ぐらい心理的に不安な状況で、彼が取る行動は2つある。まず第一に、80億USドルもの個人資産を「洗浄」して、保全しようとしている。要するに完全なる私欲ですな。そしてもう一つが、原油価格をつり上げるような、危機の演出、だ。(1)(2)巻の段階では、様々な破壊活動や軍事行動で世界を不安定にしようとしているわけだが、ついでに、裏切り者のリトアニアもブッ飛ばして領土を広げようとも思っている(ようなポーズを取っている)。さらには、ヴォローディンの天敵ともいえるライアンUS大統領に対する脅しを強化するためにも(?)、現在、最新鋭原子力潜水艦をUS東海岸直近へ派遣・潜航させており、(1)(2)巻の段階では「最新技術で姿を消した」ミサイル原潜が大西洋を南下しつつある状況だ。ヤバし。
 まあ今のところ、わたしにはヴォローディン氏の一番の目的は80億USドルもの資産を安全に隠す(そしてハッピーな引退生活を暮らす)こと、そして何より「シロヴィキ」に殺されないことにあるように思えるので、あくまで「危機を演出」出来れば十分で、実際に戦火が始まる始まらないに関係なく、戦争を本気でやろうとは思っていないのではないかという気がしている。
 しかしそうなると……最終的にはまさかのUS亡命もあり得るんじゃないかと今後の続きをとても楽しみにしております。「レッドオクトバー」や「カーディナル」のように、ヴォローディンが亡命したら面白いのにな。でもその時には、たぶん金は全部取り上げられちゃうか……? でもまあ、ロシアに残っても命の保証はなさそうだし、金より命を取る可能性はナシじゃないような気がしている。ホント続きが楽しみす。
 ◆人材不足の折、ゆとりJrは全く困った奴よ……。
 「ザ・キャンパス」の人員は減ってしまい、シャベスとドムは現場に出ている中で、一方のライアン大統領の長男(Jr.)は、まずローマにて得意の金融情報の調査のために活動しているところから物語は始まる。のだが、まーたこの小僧は仕事をしながら女とイチャつくゆとりを見せ、余裕でヘマをやらかすのはもう読んでてアホかコイツとしか思えなかった。コイツは、そもそもまだガキなので、仕方がないと認めるにやぶさかではないですが、まあ、いまだに(大統領の子息という)立場をわきまえず、現場の工作仕事をしたがるし、女も大好きだし、実際のところ、かなり足手まといなのでは? という気がしてならない。確かに頭が非常にいいし、戦闘力もまずまずだけど、Jr.でなくてはならない理由は、ほぼないと思う。さっさとヘンドリー・アソシエイツはもっと経験豊富で、強くて、頭のイイ男をリクルートした方がいいと思いますね。あるいはアダム・ヤオ君あたりをキャンパスに入れちゃえばいいのにな。いや、彼は頭と度胸は超一流だけど戦闘力は低いかもだし、そもそもメアリ=パットが離さないか。『米朝』で使い捨てられたヴェロニカが生きていればなあ……。まあいずれにせよ、ザ・キャンパスの人材不足はかなり深刻で、人員補充が急務なのは間違いないと思う。
 あ、そういえば、本作では「レインボー」時代のクラークの知り合いが一人出てきて、なかなか良いキャラでした。おばちゃんなので戦闘力はないけど、そういや「レインボー」出身者をリクルートすればいいのにね。それが出来ない理由があるんだっけか?
 ◆ところでDPRK=北朝鮮って……
 まったく本作には関係ないけれど、ライアン世界では、前々作でついにUS大統領の直接暗殺という暴挙に及んだ北朝鮮。しかし現実世界ではまさかの米朝会談開催も見えてきつつあるほど、世界はあっという間に変化してしまった。これは、Tom Clancy大先生がご存命だったら予測しえてのだろうか……Clancy先生が生きてたら、今の情勢は驚いただろうなあ……
 ◆というわけで(2)巻ラストは……
 お話としては、シャベスとドムのいるリトアニアはいよいよキナ臭くなってきており、そしてヴォローディン大統領の資金洗浄のために、手下がビットコイン取引をしようとしている英領ヴァージン諸島には、クラーク直々に、超有能なアダーラ嬢とともに乗り込んでおり、ヘマをやらかしたゆとりJr.はDCに強制送還された状況にある。そしてヴォローディン大統領はお抱え国営テレビで何やら発表しようとしており……というところまでで、要するに、早く続きが読みてえ! という感じです。今のところ。

 というわけで、もうクソ長いので結論。
 いや、もう結論は上記の通り、早く続きが読みたい! の一言に尽きます。もちろんClancy先生ではなく、わたしの大好きな「グレイマン」シリーズの著者Greaney先生による物語だけれど、今のところわたしとしては不満はないです。はい。しかし、ホントJr.はなあ……なんつうか、もっと慎重に行動していただければと思います。そしてヘンドリー・アソシエイツの人材不足はかなり深刻ですよ。サムを亡くしたことは勿論痛いけれど、あと5人ぐらいは必要でしょうなあ……まあ、とにかく、しつこいですが早く続きが読みたいです。以上。

↓ 実はもう、US本国ではかなりシリーズの先の方まで発売になっている。本編は下の1作だけか。テロ系の話みたいすね。他は単独スピンオフかな。新潮社よ、早くしてくれ! 出来ないなら版権を文春辺りに譲れ!



 連載開始は2003年の3月だそうだから、もう15年も前のことだ。当時わたしは営業部にいて、この作品に関しても、結構な思い入れがあるのだが、先月の末に2年半ぶり? の新刊が出たので、買わないと、と思っていたものの、近年のわたしはすっかり電子書籍野郎になっているため、すっかり買うのを忘れており、昨日、ふと、ヤバイ、そういや買ってねえじゃん、ということに気が付いてさっそく本屋さんでとあるコミック単行本を購入してきた。
 それが『よつばと!』の最新第(14)巻であります。
よつばと!(14) (電撃コミックス)
あずま きよひこ
KADOKAWA
2018-04-28

 この作品に関しては、まあいろいろと言いたいことがあるのだが、それを端的にまとめると以下の2点に集約される。まず第一に、わたしは本作を制作しているよつばスタジオが好きではない。ま、理由はいっぱいあるのだが、電子書籍を出さないことやもろもろの理由はこの際どうでもいい。とにかく好きではない。しかし第二に、制作者がアレである一方で、作品そのものは――実に悔しいことにーー、超・面白いのである。この作品はおそらく誰もが楽しめると思うし、ある意味癒される内容だと思う。なので、いつも、ちっくしょう、おもしれえ……と思いながら読み、いつの間にか頬が緩み、あまつさえ、声に出して笑ったりしている自分を発見して、再び、くそう、とか思ってしまうのである。ええ、分かってます。自分が偏屈で狭量で歪んでいることぐらいは。そんな、ひねくれた心の優しくない冷血人間のわたしでも、このマンガをつまらないとか否定することは決してできないのだ。そうです。この漫画は、認めたくないけど、やっぱり最高に面白いのです。
 帯によると、既にシリーズ累計部数は、国内1,370万部+海外300万部だそうだ。まあすごい数字であるのは間違いないけれど、それでも日本国民全員が知っている国民的漫画であるとは全く思わない。知らない人の方が全然多いのは間違いなかろう。しかしまた、少なくともマンガを読む習慣がある人なら大抵はご存知の作品だろうと思う。なので、もういちいちキャラクターなどは詳しく説明しない。結構Wikiに詳しく書いてあるので、詳細はそちらへどうぞ。どういう物語かを端的にまとめると、5歳児の「小岩井よつば」なるチビっ子の日常を追うだけのもので、そこには劇的な何かがあるわけでもなく、そこら中にある「日常」が描かれているだけのものだ。
 じゃあ、なんでそんな物語がそこまで面白い、とわたしが絶賛するかというと、やっぱりキャラクター造詣がお見事だからというほかなかろうと思う。完全なる自由なふるまいのよつばはもちろんのこと、そのよつばの自由を守る大人たち(子供もいるからよつばより年上の人々というべきか)が、本当にそこらにいそうな普通の人なのに、素晴らしく共感できてしまうのだ。
 まず、よつばは5歳児である。まあ、一般的に5歳児なら幼稚園に通うものかもしれないが、よつばは幼稚園には通っていない。現代社会ではかなり稀なのではないかと思うが、実際のところ幼稚園に行く義務なんぞはなく、在宅で仕事をしている「とーちゃん」こと小岩井葉介が毎日そばにいるので、行く理由も実際のところほぼなかろう。日々、起きて、とーちゃんの仕事を邪魔しながら過ごし、昼飯を一緒に喰って、午後も一緒、そして夕飯を食って寝る。それだけだが、よつばの言動は実に5歳児らしく生き生きしている。
 そして一緒にいるとーちゃんだけでなく、お隣の綾瀬家の人々、とーちゃんの友達のジャンボややんだ、そして綾瀬家の友達の人々や街の人々も、皆よつばを可愛がる。そりゃそうだ。だって、可愛いもの。わたしはいつも、人んちのガキなんぞ可愛かねえ、と思っているが、無責任に数時間だけならば、よつばを可愛いと思えるのは間違いないと思う。そう、恐らくわたしが本作を読んで面白いと思うのは、きっと所詮は人んちの可愛いガキ、という目線で単純に愛でているだけだからなのではないかと思う。ある意味、孫を愛でるおじいちゃん目線なのではなかろうか?という気もするが、まあ要するに、よつばに対して何の責任も負っていない他人だからなのではないかとわたしは感じている。
 冷静に考えれば、やっぱりよつばは幼稚園にやった方がいいんじゃないか、とか、5歳児にしてはもうチョイしっかりしてほしいとか、いろいろなんだか心配になって来るほどよつばは自由気ままな毎日を過ごしているのだが、それを一切感じさせないのは、よつばが可愛いから、と同時に、よつばに対して別に何の責任もない他人だから、のような気がする。
 まあ、実際のところそんなわたしの思いはどうでもよく、ただ読んで、楽しめればそれでいいわけで、今回の最新(14)巻も大変楽しませていただいたのは間違いなく、今回もまた、ちくしょう、おもしれえ、というのがわたしの感想である。
 というわけで、今回の(14)巻に収録された各お話をエピソードガイドとして短くまとめておくか。確実にどんなお話だったか忘れるのは間違いないので。なお、そもそも本書のタイトル『よつばと!』というのは、「よつばちゃんと〇〇」という意味で、各お話のタイトルもそうなっている。
 なお、以下は完全ネタバレですが……別に構わないすよね? いや、構うか。ネタバレが困る人は以下は読まないでください。
 ◆第91話:よつばと「しごと」
 冒頭、ジャンボととーちゃんが何やら荷物を搬入している。それは丸テーブルで、組み立てセッティングする二人。とーちゃん曰く、(よつばと)一緒に座れるし、おしゃれかと思い購入したらしい。そしてここでバリバリ仕事をする、出来る男、を演出したいらしい。それを聞いたよつばもさっそく椅子を持って来て、自分も仕事をするという。よつばの仕事は何だ? と問うジャンボが、よし、じゃあこれをやるといい、と手土産に持ってきたものは、ビーズのセット。それを使って三人はアクセサリーを作り始めるのだった―――的なお話。まあ、とにかくジャンボはイイ奴で、よつばもジャンボは大好き。色とりどりのビーズに心ときめかせたり、とーちゃんにビーズを嫌々?あげる様子など、とてもよつばらしい行動はやっぱり頬が緩みますなあ……。
 ◆第92話:よつばと「ヨガ」
 いつも通り部屋で、新調した丸テーブルで仕事をするとーちゃん。そしていつものように、とーちゃんに絡みついて来るよつば。そんなよつばが突然、ヨガに行ってきていい? ととーちゃんに問う。聞くと、どうやらお隣の女子高生、綾瀬風香ちゃんとその友達のしまうーが無料体験のチケットをゲットしたため、よつばを誘ったのだという。そんなわけで、ヨガ教室へ向かう風香・しまうー・よつばの楽しいヨガが始まるーーー的なお話。子供なので体の柔らかいよつばが、ヨガのポーズを自在にできるのに対し、体の硬い風香としまうーの苦戦ぶり、そしてテキトーぶりが読んでいて楽しい!
 ◆第93話:よつばと「おひめさま」
 童話を読んでいるよつば。なにやらよつばも女の子として、「お姫様」がブームになった模様。髪にビニールひもをながーーく垂らし、どうやらラプンツェルにインスパイアされてるらしい。それを理解できないとーちゃんにおかんむりのよつばは、隣の綾瀬家へ。そしてソファーでまったりしていた綾瀬家の長女で女子大生のあさぎは、よつばを一目見るなり、長い髪してどうしたの、とよつばの意図を理解して、よつばはご満悦。そんなよつばに、あさぎはゴミ袋を使ったドレスを仕立ててあげるのだったーーー的なお話。あさぎは本作に出てくる大人の女性の中で、一番のよつばの理解者だし、よつばも一番尊敬?しているような気がしますね。もちろん一番の美人。
 ◆第94話:よつばと「まえのひ」
 何の「前の日」かというと、次以降のお話でよつばは「とうきょう」へ「こはるこにくるまをもらいにいく」のです。そのため、よつばはいろんな人に「東京に行くならどこへ行くべきか?」を取材しているのです。綾瀬家のお母さんは銀座、あさぎ姉ちゃんは新宿と渋谷、綾瀬家三女で小学生の恵那ちゃんは東京タワー、そして風香は原宿、あさぎ姉ちゃんを迎えに来た虎子は代官山、と様々。そしてとーちゃんがスマホを買ったと知って家にやってきたジャンボは、人がいっぱいいるから迷子になるなと注意し、やんだは東京で一番気を付けるのは自動改札だ、なんて言う。そんな、翌日東京へ行くわくわくのよつばであったーーー的なお話。
 ◆第95話:よつばと「はらじゅく」
 というわけで、とーちゃんと東京へやってきたよつば。やんだに注意されていた自動改札で、ちょっと失敗して落ち込むも、すぐに元気を取り戻し、約束までに時間があるからどっかぶらつこう、というとーちゃんの提案に、ちょうど山手線は原宿に着き、原宿をぶらつくことに。とーちゃんとクレープを食べたり原宿を楽しむよつばであった―――的なお話。よつばのしょんぼりフェイスや怯え顔もイイすねえ。つうか、小岩井家はどうやら西武池袋線?の沿線の埼玉県ようですな。小手指あたりな感じ、みたいすね。
 ◆第96話:よつばと「よよぎこうえん」
 東京に来た目的である「こはるこ」と代々木公園で合流する話。合流するまでのよつばの行動もいちいち可愛い。そして「こはるこ」=小春子で、前巻(13)巻でばーちゃんの口から出ていた人物だが、なんととーちゃんの妹、であった。そして黒髪&眼鏡の大変な美人! そして、小春子が兄に、もう乗らないから、と譲った車はなんとMINIコンバーチブル! マジかよ、なんてシャレオツな車なんだ! まあ、こういう車の選択も、わたしがよつばスタジオを好きでない理由だけど、よかったね、よつば! これでどこにでも行けるぞ!
 ◆第97話:よつばと「ランチ」
 普段よつばが行ったことのないようなところ、として小春子が連れて行ってくれたのは、東京駅近くの高級ホテルのランチビュッフェ(ただしとーちゃんのおごり)。あまりに多くの料理に戸惑い怖がりつつもランチを楽しむよつばであった―――的なお話。そして正月にばーちゃんちでの再会を約し、電車で帰る小春子と別れ、帰りはMINIの屋根を開け、高速を使って帰る二人。これでいっぱいいろんなところへいける、と楽しみだなーと言うよつばで幕でありました。

 というわけで、結論。
 久しぶりの新刊となった『よつばと!』第(14)巻を発売から2週間ほどしてからやっと買ったわたしである。なので結構今さらなのだが、読んでみるとやっぱり面白く、ホント、たまに読みたくなるんすよね、この漫画は。全巻常に本棚に揃えておくべき作品とわたしは思うのだが、マジで電子書籍がないのが残念だ。電子書籍で発売されていたら、常に持ち歩いて、まだ『よつばと!』を知らない人にもすぐに読ませてあげられるのにな。そしてふとした時に、いつでもよつばに会えるのに。その点は残念ですが、まあ、とにかく読んでもらいたいすね。まず間違いなく、誰しも読んで頬が緩むこと請け合いだと思います。つうか、次はいつ発売になるんだろうなあ……まーた2年とか先なんだろうなあ……完結の日が来るのか知らないけど、それまでわたしは生きてないような気がしますな。よつばが小学生になる日は来るのだろうか。ま、生きている限り、孫の成長を愛でるおじいちゃん目線で、よつばの成長を見守りたいと存じます。以上。

↓ 全巻必携でしょうな、間違いなく。あ、こんなセットが売ってら。

 



 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、この週末から大相撲5月場所が始まるわけですが、わたしもチケット争奪に参加してみたものの、いい席は獲れず、生観戦は諦めました。はーーー残念す。そして注目の番付は、世の中的には3横綱や、大関取りを目指す関脇・栃ノ心関、そして久しぶりに関脇まで上がった逸ノ城関や、とうとう小結となった遠藤関、あるいは再びの入幕を果たした安美錦関など、見どころの多いものとなっておりますが、わたしとしては、最も応援している松鳳山裕也君が東前頭2枚目に付されたことに、大変喜んでおります。そして、何気に入幕後2場所連続2ケタ勝利を挙げている阿炎政虎君も、西前頭2枚目と、松鳳山関と同格で上位陣総当たりとなる位置につけており、果たして阿炎関の強さは横綱・大関陣に通用するのか、大変注目しております。
 そして、ふと松鳳山関のTwitterをチェックしたら、こんな素敵なお写真が!
 ちょっと、これヤバくないすか!? わたし的ヤバイポイントその1)松鳳山関の浴衣の柄が何気にシャレオツ。カッコイイじゃないの! その2)両者の表情が最高すぎるw 阿炎関w そして松鳳山関が黒い! なんでこんなに黒いんだろうか……w その3)松鳳山関の腕毛と胸毛と無精ひげがヤバイww 最高ですよ、松鳳山関は。マジで後援会に入ろうか検討中です!
 というわけで、わたしとしては5月場所が大変楽しみであります。
 さて、それではまずは今週の週刊少年チャンピオン2018年24号概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は電子も紙雑誌(?未確認)もナシ、のようです。
 ■聖闘士星矢:闇からの蘇生の。久々連載復帰! 物語が思い出せない……!
 ■弱虫ペダル:のこり7kmの緊迫の巻。さあ、最終バトルPart1が始まりそうです!
 ■疵面:2つの源王会の巻。花山君の怒りはヤバそうす。
 ■BEASTERS:漆の器が2つ並んだような眼の巻。イケメンのピナ君がイイすね!
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:デート・オア・グルグルドーン!の巻。最高すw ぐるぐるどーん!
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年24号でありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 前号は、突如現れた鯉太郎の母による回想がメインで、不忍池のほとりの「例のベンチ」で話を聞いた椿ちゃんが「何があっても(鯉太郎)を一人にはしない、相撲がなくなったら何もなくなるなんて、私がさせない!」と決意を新たにし、鯉太郎母を鯉太郎に会わせるべく国技館へ向かい、一方鯉太郎は国技館に到着して少年ファンににっこりサインをしてあげるシーンで終わりました。
 そして今週はカラー扉から始まります。いい絵ですねえ! そして本編は、国技館前の様子にNHKアナの解説がかぶさって始まります。わたしも国技館前で力士たちが国技館入りするのを眺めたことがありますが、やっぱり興奮しますよあれば。ふつーーに歩いている力士は、ちょっと近寄れないオーラがありますね。そして、NHKアナの言葉にひとつ重要な情報がありました。
 なんと、横綱【泡影】がここまで全勝なのはもう分かっていることですが、驚いたことに、「角界の怪鳥」でお馴染みの大関【天鳳】も「今場所好調! ここまで負けなし」だそうです。なるほど、そうなんですね。【白水】兄貴との対戦で気分良くなっちゃったんでしょうな。こうなると、鯉太郎の「あと一人の対戦相手は誰なんだ問題」は、【天鳳】になるのでしょうか? そしてNHKアナの言葉は続きます。
 「そしてまだ負けなしの力士がもう一人 この力士が勝ち残ることを誰が予想できたでしょう!? 今日も奇跡の一番を見せるのか 幕内14枚目 鮫島!! しかしその鮫島 今日の相手も強者! 虎城部屋 猛虎!! 昨日は激戦の末 鮫島は王虎をくだしましたが この快進撃をどう見ますか虎城さん…」
 というわけで、虎城理事長がそれに応えて語ります。その背景には支度部屋で大吉にテーピングをしてもらう鯉太郎が描かれております。
 「「化ける」という言葉があるが まさにそれでしょうな… 勘違いしては困るが突然簡単に強くなったということではないですよ…長い月日 毎日を必死に鍛錬しつづけ まさに死線といっていいギリギリの勝負を越えて手に出来る 強さ…全ての者がその強さを手に出来るというものでもないが 「化けた」と感じるほどの強さを得るとは 必然的にそうなるもの… そして猛虎もまた それを繰り返し昇ってきた男… そのへんは鮫島と猛虎… この二人はよく似てるのかもしれない…」
 そして描写は【猛虎】さんサイドの支度部屋の模様に移ります。全力で当たってこい、と田上さん改め【稲虎】関に指示する【猛虎】先生です。おっと、【王虎】さんも目を閉じて腕組みして集中している様子です。
 「ただ鮫島は今日の取組 いつものようにはいかないでしょう…」
 【稲虎】関の気合の入った表情からのブチカマシ! あーーっと!? ページをめくった先では、その渾身の当たりを、【猛虎】先生はいともたやすく受けるの図です! しかも、それはガッシイイィィィーーン! 的なものではなく、「パスッ…」と全てを静かに吸収したかのような受け。こ、これは、横綱【泡影】の極意、北斗の拳で言うところの「柔」の拳か? 理事長の言葉はまだ続きます。
 「虎城部屋の中で…いや…今までの弟子の中でも 一番私の相撲を 理解している…」
 ぶつかって止められた【稲虎】関は心の中で「本当に…どういう仕組みで なんでこうなるか分からねーんだよな…」と思います。た、確かに。わたしも分からないですが、【王虎】さんに「だからお前はダメなんだ稲虎…」と言われそうなので、心の中だけにしておきましょう。そしてNHKアナも問います。
 アナ「おお…大横綱虎城の相撲…それは具体的に言いますと…」
 理事長「ピンと空間を把握し ピッと距離を掌握し 土俵を意識下で フッーーつと捕らえることですな…」
 アナ「?」
 いや、こりゃ分からんわ……しかし努力の天才【猛虎】先生は、この難解な虎城語の翻訳メモを完成させてきた男ですので、通じるのでありましょう。【猛虎】先生は【稲虎】さんとのウォーミングアップも完了、準備万端な様子です。
 「悪いな稲虎…十両のお前に相手させてしまって…」
 「いえ…俺の力なんかでよかったらいくらでも…ただ…俺ごときのブチカマシが 鮫島の代わりになるとは思えないのですが…」
 「心配ない…鮫島の相撲は 俺には届かない…」
 かー、カッコイイすねえ! 【猛虎】先生さすがっす。そして描写は鯉太郎サイドの支度部屋へ移ります。四股を踏む鯉太郎。そのパワフルな四股に、常松こと【松明】関も息をのんでおります。
 「スゴイ…どうなってるんだ…この力強さは…」
 しかし鯉太郎としては、納得のいく四股ではなかったようで、それはどうも、鯉太郎もワクワクが止まらない気持ちでいるからのようです。
 「クソ ダメだ…コレじゃねぇんだ…どうしても 相撲が取れる嬉しさが溢れちまう」
 そして大吉がそろそろ出番ですと呼びに来ました! 「オウ!」の一声で土俵へむかう鯉太郎。一方の【猛虎】先生の元にも。そろそろ…と若い衆が声をかけます。「あぁ…」とクールに浴衣を脱ぐ【猛虎】先生。その瞳は、チラリと横綱【泡影】へと向けられます。
 「証明しないといけない…俺の相撲は…横綱虎城の相撲は最強なのだと…来場所こそ泡影を倒せる それに必要な最後の力を俺はここで手に入れる…」
 というわけで、いよいよ両者花道に登場、場内大歓声の図です! どうやら歓声は鯉太郎有利の模様です。嬉しいすねえ! かつてはあんなにヒールだった鯉太郎なのに、こんなにも応援されているなんて。これも鯉太郎が勝ち取ってきたものなのでしょうなあ……胸熱すわ……。NHKアナの実況が続きます。
 アナ「完全に場内を味方につけてますねー…これは猛虎のアウェー感は拭えないですが その心中はどうか…」
 理事長「この程度のことで崩れませんよ…確固たる強烈な我がある…」
 アナ「我ですか…?」
 理事長「えぇ…この一番はその我の崩しあい…どちらがそこに引き込めるかになるでしょうな…」
 というわけで、今週はこのハッキョイ直前の花道入場にて幕、でありました。
 ふあーー……ヤバイすねえ、相当国技館の熱量は高まっているようで、いよいよ来週は開戦となりそうな気配です。こうなると……椿ちゃんに連れられてやって来る鯉太郎母は、この取組後に会うのか、それとも、花道の途中で会うのか? いや、それはもうないのかな? まあ、いずれにせよ、とうとう始まろうとしているVS【猛虎】戦に向け、爆発寸前の緊張感がひしひしと伝わりますね。いや、ほんと『鮫島』は最高です!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はいよいよ鯉太郎と【猛虎】先生の土俵入り直前まで話は進みました。そして虎城理事長の言葉から、【猛虎】先生が最も「大横綱・虎城」の相撲を体現する存在ということも分かりました。つうことは、やはりこの戦いも「虎城VS火竜」の第2ラウンド、になるわけで、果たして、【王虎】さんとの第1ラウンドを制した鯉太郎は、横綱【泡影】ばりの「柔の拳」を体得しつつある【猛虎】先生相手に、再び勝利を勝ち得るのか。もうホントに相当な熱量が高まり、わたしも大興奮であります。そして、何気に大関【天鳳】がここまで全勝というのも重要なポイントになってきました。この13日目を入れてあと3番。アレですかね、【天鳳】関はまだ【猛虎】先生や【王虎】さんと戦ってないんですかね? またちょっと以前の描写をチェックしないと分からないな……。鯉太郎の明日14日目の相手も気になるところですが、まずは来週からのVS【猛虎】戦を毎週ドキドキしながら楽しみたいと存じます! 以上。

↓ はーーー観に行きたかったす……。

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