あーあ。2019年は今日でおしまい。本当に2019年という年は、オレ史上最悪に近い年だったと思う。マジで全くいいことがなく、悪いことが重なり、ホントにもう、毎日ぐったりである。
 家でも仕事でも、イヤなことばかりだった。しかも最悪なのは、その悪いことは年をまたぎ、いまだ解決せず現在進行形ということだ。わたしは、どんなにつらいことでも、その「終わり」が設定できるなら、耐えられるし、耐えてみせる。けど、その終わりの図が見えない今は、本当に我が人生最悪な時と言って差し支えない。今後もっとひどいことがあるかもしれないけど、もういろいろなことにこりごり、だ。
 というわけで、今年は大好きな映画を観に行くことが全然できず、なんとここ30年ぐらいで最低記録の年間24本にとどまってしまった。しかもまったく1本も観ていない月もあるのが我ながら信じられない思いだ。
 よって今年2019年のオレベストはごく短く終わると思いますので、さっさと始めましょう。今年は、本数が少ないので、ベストの順番は付けません。
【2019年1月は2本】
 ◆『CREED II』 クリード 炎の宿敵
 シリーズ第8弾、となるのかな。控えめに言って最高です。ただし、わたしが最高だと思うのは、あくまで老いたロッキーとドラゴの因縁に決着がついたという1点であり、現役世代の主人公、アドニス君及びその妻、には全く共感できません。そもそも弱すぎるし。きちんとアドニスが戦う理由が語られてほしい。全然リア充で、正直彼がボクシングをする理由はほぼないと思う。でも、そんなゆとり小僧の話はどうでもよく、ロッキーとドラゴの二人は最高でした。
 ◆『THE GIRL IN THE SPIDER'S WEB』 蜘蛛の巣を払う女
 かの「ミレニアム」シリーズ第4弾がハリウッド映画化されたこの作品。シリーズを知らない人がいきなり本作を観て面白いのか、よく分からないけれど、まあ、わたしはそれなりに楽しめました。でもなあ、リスベットが可愛すぎるし、若干ポカをやり過ぎたというか……まあ一言で言えば原作小説の方が5万倍は面白いです、はい。
【2019年2月は5本】
 ◆『MARY POPPINS RETURNS』 メリー・ポピンズ リターンズ
 うーん……未だよく分からないのだが、50年前の前作の正当な続編であり、音楽も役者陣も素晴らしかったのだが、なんかテンションが上がらず、ワクワク感が前作比1/100ぐらいだったような気がしてならない。何故なんだ!? 映画としてのクオリティはとても高いんだけど……うーーん……わからんけど、微妙にノれなかったのが残念す。
 ◆『FIRST MAN』ファースト・マン
 うーん……凄い期待したし、映像も凄いクオリティで、一流の作品であることは間違いないのだが……思うに、主人公たるアームストロング船長が超地味というか、物語の山場がないというか……なんかドラマチックではないように感じた。わたしとしては、有り余る才能を持ちながら「選ばれなかった男」、チャック・イェーガーを描いた『THE RIGHT STUFF』の方がずっと面白かったし好きっすね。
 ◆『AQUAMAN』アクアマン
 控えめに言って最高です! 予告を観た時は、これはまた香ばしいクソ映画じゃないかなあ……とか思ってたおれのバカ! 本作のイイところは、やっぱり主人公たるアクアマンが憎めない野郎ということに尽きると思う。まあ、ただの筋肉バカ、ではあるものの、きちんと反省するし、素直な点が大変好ましいと思う。それに、見た目は完全にバーバリアンなくせに、意外と笑顔は可愛く、なんつうか、ゴールデンレトリーバー的なワンコ系陽キャラなのもいいっすね。また、映像的にも、もうどうやって撮ったのか分からないぐらいのCGはやっぱり凄いと思う。キャストも豪華で、結論としては大変楽しめました。
 ◆『THE FAVOURITE』 女王陛下のお気に入り
 独特のカメラアングルとか、とにかく汚ったねえ宮殿とか、はっきり言って、生理的に嫌悪感を抱く点が多く、好みではないのは間違いない。が、演技合戦は極めて高品位で素晴らしく、アカデミー賞主演女優賞も納得の見事なお芝居でした。そしてもちろん、わたしの大好きなEmma Stoneちゃんも実に見事で最高でした。
 ◆『ALITA: Battle Angel』 アリータ:バトル・エンジェル
 わたしは原作である日本のコミック『銃夢』を読んだことがなかったのだが……劇場を出てすぐさま電子書籍版を全巻買い、すぐに読んでみたところ、想像以上にコミック通りの「絵」であったことに驚いた。物語は微妙にコミックとは違うんだけど、一コマ一コマがかなり忠実に映像化されてるんだよね。そして、なんといってもキャラクターがCG補正されてて、目がデカくて最初は違和感があるのに、どんどんと主人公アリータが可愛く見えてくるから不思議っすよ。非常に不思議な魅力のある作品でした。
【2019年3月は2本】 
 ◆『THE MULE』 運び屋
 しっかし、本当にClint Eastwoodおじいちゃんはすげえ人ですよ。久しぶりの、10年ぶりになるのかな、自ら主演した本作は実に最高でした。脚本、撮影、そして演技。全てパーフェクトと言ってもいいぐらい。実にお見事。現役最強監督の一人であることは間違いないす。
 ◆『CAPTAIN MARVEL』 キャプテン・マーベル
 ついに登場した「最強」のお方。そのオリジンストーリーは80年代を舞台にしていて、大変楽しめました。わたしとしては、単独モノとしてはMUCの中でもアイアンマン>アントマン>ドクターストレンジ、に続いて4番目に好きかも。キャプテン・マーベルことキャロルの最大の問題点は「強すぎる」ことに尽きると思う。強すぎるために、バランスを壊してしまうので、クロスオーバーの際に扱いが難しくなってしまうんだよな……。その端的な例が『END GAME』なわけだが……。ともあれ、この作品は自体は最高でわたしは好きです。特にキャロルの「マスク・オン!」の姿が超カッコイイ!
【2019年4月は3本】 
 ◆『HUNTER KILLER』 ハンター・キラー 潜航せよ
 まあ、お話的にはかなりトンデモで、その点ではアレなんだけど……意外と魅せる演出やキャラ造形は、エンタテインメントとしては一流だったように思う。わたしはそもそもTom Clancy先生のJack Ryanシリーズが大好きなので、その若干劣化版としては十分楽しめました。悪くはないす。
 ◆『SHAZAM!』 シャザム!
 「アクアマン」同様に、予告は全く面白そうじゃないのに、本編は大変楽しめました。これは良かったすねえ。設定がかなりテキトーというか穴だらけ? だし、主人公の少年には全く共感できないけれど、とにかく主人公と共に生活する少年&少女がとても魅力的。ラスト、全員が「変身!」する姿には燃えましたなあ! 大変面白かったす。
 ◆『AVENGERS ENDGAME』アベンジャーズ:エンドゲーム
 うーん……わたしはBlu-rayも買って、既に4回ぐらい観ているのだが……やっぱり面白くないすね、結論としては。どう考えても、Back to the Futuer part IIだし、そのドタバタがあまり面白くないというか……うーん……。ただし、ことトニー・スタークに関してはすべて完璧で、最初から最後まで、トニーだけは最高にカッコ良かったし、あのエンディングもグッときました。あと、わたしがずっと嫌いだったCAPが、ついにムジョルニアを手にするあのシーンは最高でした。そのぐらいかな……。キャロルが全然活躍しないのも残念だったし、ソーのデブ化もほぼ意味がないし、ナターシャ殉職も問題アリだし、なんか残念だったす。
【2019年5月は1本だけ】
 ◆『REPLICAS』レプリカズ 
 まあ、ネタムービーとしてはいろいろ突っ込みがいのあるトンデモムービーでした。主人公のキアヌ兄貴は一人ずっとしかめっ面で困っていて、さらに友達に無茶振りばかりかまし、とんでもないエンディングへと至る物語は、率直に言って0点です。本作はキアヌ兄貴観賞用ファンムービーということで良いと思います。勿論、観に行って後悔は何一つありません。だっておれ、キアヌ兄貴の大ファンなので。
【2019年6月は2本】
 ◆『X-MEN DARK PHOENIX』 X-MEN:ダーク・フェニックス
 何度も書いている通り。FOXはもう『LOGAN』でX-MEN作品を終わらせるべきだったと思う。とんだ蛇足の本作は、全く面白くありませんでした。ま、無事FOXはDISNEYへ買収されたので、今後MCUにX-MENキャラが登場する日を心待ちにしたいと思います。本作は、駄々をこねる超能力を持ったガキを大人がオロオロしながらなだめるという実に退屈なお話でした。
 ◆『SPIDER-MAN:FAR FROM HOME』 スパイダー・マン:ファー・フロム・ホーム
 『END GAME』後を描く、MUC-Phase3最終作。そもそもミステリオがイイ奴のわけないよな……という知識がない人は驚いたかもしれないけど、そうじゃないわたしのようなオタク野郎は、やっぱりね! と思いつつ、その時点までそれと悟らせない見事な脚本でした。そしてエンディング後のおまけ映像が超ヤバイ!! 続き早よ観して!! 楽しみにしてます!!
【なんと2019年7月から8月は1本も観に行かなかった。こんなこと7年ぶりぐらい!】
【2019年9月は1本】
 ◆『AD ASTRA』 アド・アストラ
 若干、物語的にツッコミどころはある。が、その映像と、主役のBrad Pitt氏の秀逸な演技は素晴らしかった。あまり本筋とは関係ないけど、月面の描写が非常に良かったすね。近未来、人類は月面でも領土争いをして、戦闘に明け暮れるんだろうな、という気がしてならないすね。ま、その時にはわたしはとっくにこの世にいないだろうから、どうぞ好きなだけ殺し合いしてください。と無責任に思ったす。
【2019年10月も1本】
 ◆『JOKER』 ジョーカー
 観終わった時は興奮していて、今年ナンバーワンじゃねえか!? と思っていたが……びっくりしたことに、世間的にはジョーカーに同情的? というか、共感している人々が多いのだという。そんな馬鹿な!! たしかに、ジョーカーの境遇はひどかったとは思うけど、人殺しが許されるはずもなく、ジョーカーは間違いなく悪、であり、共感してはならないキャラクターだとわたしは信じる。ジョーカーを肯定することは、全ての犯罪者を肯定することだと思うけどなあ。ジョーカーは一生、アーカムに監禁すべき「人間であることをやめた怪物」だと思うし、日本なら確実に死刑ですよ。そしてジョーカーと同じぐらい、騒ぎに乗じて暴れた民衆が恐ろしいですな。というわけで、演技や脚本など、映画としてのクオリティは超一流で素晴らしかったと思うけど、この映画をほめると、世のよく分からない感想と勘違いされるので推すのはやめます。
【2019年11月は4本】
 ◆『IT Chapter2』 イット 第2章
 わたしがこの世で最も好きな小説家は、ダントツでStephen King大先生である! よってこの作品にわたしが興奮しなかったわけがない!! 原作とちょっと違うけど最高でした!! 役者陣も、「子供編」と面影のあるスターをよく集めたもんだと思う。でも、実際のところ、わたしとしては前作の『Chapter-1』の方が面白いと思います。
 ◆『TERMINATOR:DARK FATE』 ターミネーター/ニュー・フェイト
 物語的に、これまでのシリーズでどうしても枷となっていた「カイル・リース」と「スカイネット」を一切考慮しないという、ある種のブレイクスルーは立派だと思う。思うのだが……残念ながらシリーズでは絶対に必要な、ターミネーターに「狙われる存在」である女子のキャラがあまりに弱く、かつ「ターミネーターを派遣した存在」であるリージョンなるAIがまったく説明不足で、結果的にイマイチすぎる出来となってしまったと思う。ただし、本作の新キャラである強化人間の女子はとてもカッコ良かった! まるで名作『UNIVERSAL SOLDIER』でしたな。熱暴走後は全裸で氷風呂に入ってほしかったすね。
 ◆『BRIGHTBURN』 ブライトバーン/恐怖の拡散者
 何とも後味の悪い物語。ただしド真面目に作ってあって、映像的にも極めてキレがあってシャープで良い。見どころはかなり多いとは思う。そして、とんでもない邪悪なガキを演じたJackson A. Dunn君16歳の演技が超秀逸で、人間を虫けらのように見る冷たい目が非常に印象的であった。実際コワイ!!
 ◆『FROZEN II』 アナと雪の女王2<字幕版>
 6年前、誰も予想していなかったウルトラ大ヒットとなった通称『アナ雪』。ついに公開されたPart2は、正直物語的にイマイチだったような気がする。そもそも、なんでエルサは魔法が使えるんだ? をつきつめる必要はほぼなかったのでは。結局、祖父の代の清算を迫られたエルサが気の毒……。わたしとしてはむしろ、なんで妹のアナは魔法が使えないんだろう? の方が疑問だったので、そっちの方向の物語を期待したのだが……。でもまあ、相変わらず歌は素晴らしいし、映像もさすがのDISNEYクオリティで、実際楽しめたっす。つうか、ついに日本でも上演が始まる劇団四季版ミュージカルに行きたい! チケット取れないだろうなあ……。
【2019年12月は3本】
 ◆『DOCTOR SLEEP』 ドクター・スリープ ※2019年映画版
 わたしがこの世で最も好きな小説家は、ダントツでStephen King大先生である! よってこの作品にわたしが興奮しなかったわけがない!! のだが……まあ、この作品は明らかに原作小説の方がずっと面白かったすね。つうか、本作は、King大先生による小説『Dr. Sleep』の映画化、というよりも、Kubrick監督版映画『THE SHINING』の続編映画だったな、と思います。ただし、それでもやっぱり映像で見る「True Knot」の怖さは格別で、とりわけそのリーダー、ローズ・ザ・ハットのエロ美魔女ぶりは最高でした。
 ◆『STARWARS:Episode-IX The Rise of Skywalker』 スター・ウォーズ:スカイウォーカーの夜明け
 ついに最終章を迎えた『STARWARS』。そのエンディングには万感の思いが乗るわけです。ここに至るまでの、『EP-3』への失望、トンデモクソ映画と堕した『EP-8』への怒り。これらを乗り越えての今回の『EP-9』には、やっぱりわたしとしては最大級の賛辞を送りたいと思う。よくぞここまで、という思いが強いすね。もう、これ以上の続編は全く不要ですよ。サイドストーリーとか、関係ないところでやってほしいすね。そしてやっぱり『MANDALORIAN』は観ないとダメなんだろうな……。観るしかないか……。
 ◆『男はつらいよ50 お帰り 寅さん』
 非常に面白かったけど、完全シニア向けであり、若者お断り映画であったのは明らかだろう。しかしあの満男がもう50歳に近く、年月の流れの無常を感じますな……。今の10代20代の若者たちは、30年後に、「今」の何を懐かしく思うことになるんだろうか。50代近辺の我々には、STARWARSや寅さんがいるし、北の国からもある。そういった、輝ける80年代コンテンツがいっぱいあるわけだけど、ガツガツとコンテンツが消費され、短命に終わる現代は、後に残るものがないというか……なんか、今の「コンテンツ消費」の様相は、イナゴが襲来してあっという間に食い散らかす様子を連想してしまって、底知れぬ恐怖のようなものを感じるっす。ま、こんなことを思うのも老害ってやつでしょうな。

 とまあ、2019年に観た映画24本はこんな感じであります。そして、現状では2020年も、今から楽しみだぜ!って映画があまりないんだよな……。強いて言えば『WONDER WOMAN 1984』ぐらいかなあ……でも、トレバーが生きてたって設定は面白くなるんだろうか……。アリなのそれって? つうか、彼女はBvSまで隠棲してたんじゃなかったのかよ……。あーあ。せめて2020年は、もうチョイマシな一年になることを心から願いたいす。以上。

 あ、忘れてた! 2020年最大の期待作はコイツだった!! 相変わらず予告だけでもう超ドキドキ!! 今すぐ観たい!!

↓ そしてこちらも一応貼っときます。主役のGal Gadot嬢は最強に美しいす。