Keanu Reeves兄貴と言えば、無類のバイク好きだったり、数々のぼっち伝説だったり、日本が大好きで味噌ラーメンと帝国ホテルをこよなく愛するなど、まあとにかく、何やってんすかw!? とツッコミを入れたくなるような私生活を送っていることでお馴染みだが、まあ、そんな点がとても魅力的でわたしは大好きな役者なわけです。そんなKeanu兄貴だが、ずいぶん前、たぶん去年だったと思うけど、とある映画のUS版予告編を観て、おおっと、これはまた香ばしいB級臭がぷんぷんするな……という作品に主演することを知った。どうやらUS本国では今年の1月に公開されたものの、全く興行的には大爆死、さらに評価もとんでもなく低い、相当ヤバい作品だったようで、こりゃあ日本では公開されねえだろうな……と思っていたら、ひょっこり昨日から公開となったので、これは観に行く必要がある!と鼻息荒く、本日8:50の回という早朝からチャリをぶっ飛ばして観に行ってきた。ちなみにいうと、公開スクリーン数も少なく(なので近所では公開されてなかった)、当然のごとくガラッガラであったのは言うまでもなかろう。
 その映画は『REPLICAS』。結論から言うと、結構なお点前なY級映画で、ズバリ言えばWOWOWで放映されるのを待てば十分だったと思う(※Y級映画=最低のZ級の一歩手前、の意)。そのトンデモSFと言っていいその内容は、予告を観ていただければ一目瞭然だろう。というわけで、その予告がこちらであります。

 あああ……日本版予告は今、初めて見たけど、この無駄にカッコイイ立木ボイスのナレーションはホントにセンスねえなあ……ま、とにかく、基本的にはこの予告でほぼ物語は語りつくされていると言ってもよかろう。まさしくこの予告通り、MAD科学者の主人公が事故で亡くした妻子をよみがえらせようとする作品だ。
 しかし、観終わった今思うのは、主人公は予告のようにクローン研究なんてやっておらず、SF的ポイントとしては「(死体の)脳に保存された記憶と人格を抽出し、外部装置に移す」研究の方であった。クローンに関しては、なんだかよく分からないけど、勤務先のバイオ企業にそういう装置があったから使っただけである。もちろん無断で。しかも自宅の地下室に持ってきてやっちゃうんだからすごい。そして「記憶と人格」のコピーは、そもそもは軍人向けで、作戦中に死亡した兵士の記憶を謎テクノロジーのアンドロイドめいた義体に移植するというもので、その技術をもとにロボットソルジャー的な兵器開発をしようとしていた、なんて悪党の真の目的もあるのだが、実のところそんなことはもう物語の主軸では全くない。とにかく物語は、Keanu兄貴演じる主人公が、家族をよみがえらせようとすることにまっしぐらなのだが……残念ながら脚本的には0点としか言いようのない、低レベルものであった。とにかく主人公は、まさしくツッコミ待ちのボケなのかと言わんばかりに、えっ!? うそでしょ!? という行動をとり続けるのだが、観てて相当つらかったすね……。。。
 そもそも、人間の生涯にわたるすべての記憶や人格が電子的に複写可能なのかという点もアレだし、おまけになんと、その記憶を都合のよいように改変も可能、さらにはそれが数分でできちゃうんだからもうブッ飛んでいるよね。そしてクローンの方も、17日間で死亡時の年齢まで成長させちゃえるし、おまけにどういう理論なのか全く不明だが、奥さんは40代、子供たちは10代とそれぞれ年齢が違うのに、同じ17日間でそれぞれの年齢になるんだから、もうさっぱり意味不明というか、そんな馬鹿な!?であろう。
 まあ、そういった点をとやかく言うのは、恐らくは無粋で、本作は我らがKeanu兄貴の、とにかくド真面目にイカレている様を味わうのが正しい鑑賞スタイルなのだろうと思う。ので、もうこれ以上の無粋なツッコミはやめておこう。本作の制作予算がどのぐらいあったのか分からないが、本作はキャストも少なく、どうやらロケも全編(?)プエルト・リコで行われており、恐らくは低予算だったものと思われる。謎サイボーグの動きも、どうも若干『TERMINATOR』第1作めいた、モーションアニメっぽい妙なぎこちなさもあって、今時CGを使ってないとは考えられないけど……とにかくチープさも漂っていて、実にY級映画として素晴らしいお点前であったと思う。
 というわけで、各キャラとキャストを紹介して終わりにしよう。
 ◆ウィリアム:主人公。様々なことを人任せにする無責任野郎であり、とても共感はできないトンデモパパ。クローンを3人分しか作れない、けど妻&子供3人なので4人作りたい、誰のクローンを見送るか? という選択をしなきゃいけない場面で、「俺には選べない……お前が選んでくれ」と友達にゆだねようとするシーンにはもう、マジびっくりしたわ。
 しかし……本作は、「あなたがこの状況になったらどうする?」的な問題提起を投げかけているのかもしれないけれど、仮に本作で描かれた技術が確立していたとしても、「死者をよみがえらせる」選択をするとは考えられないなあ……倫理的なことよりも、何よりわたし自身がよみがえりたいとは思わないもの。わたしは観がなら思ったのだが、こういう「死からの復活」って、ひょっとするとキリスト教的な思考なのではなかろうか。ある意味「ゾンビ」も「復活」の一形態で、欧米人がゾンビ大好きなのは、キリスト教的背景もあるんじゃなかろうか。愛する者の死を受け入れることができないのは、ホント、哀れだなあ……と思った。まあ、にんげんだもの……なんすかね……。
 演じたのはもちろん、おれたちのKeanu兄貴。まったくのマジ、ド真面目にイカレている姿がさすがのKeanuクオリティで素晴らしかったす。
 ◆エド:本作で最もひどい目に合う一番気の毒な男。ウィリアムの友達兼同僚。さまざまな無茶ぶりを、無理だよそんなこと……と言いながら引き受けるスーパーいい奴。いい奴すぎて気の毒すぎて泣ける! 演じたのはThomas Middleditch氏37歳。どうやらこれまでいろいろな映画に出演されているようだが、わたしは全然知らない方でした。
 ◆ジョーンズ:本作の悪い人。主人公の勤務するバイオ企業の偉い人(?)。その正体はよくわからんけれど、まあ、どう見ても企業人としては出資者の意に沿った言動は、普通にあり得るもので、実はそれほどの悪党だとは思えない。ま、その出資者の狙いは悪いことだったかもしれないけど。演じたのはJohn Ortiz氏50歳。この人も多くの作品に出演していて、わたしも観た映画が多いけど、サーセン、まったく記憶に残ってません。
 ◆モナ:主人公の奥さんで開始10分で事故死。まあ、美人……でしょうな。奥さんは復活させられて、幸せだったのでしょうか……本作では幸せだったみたいなので、ま、いいんじゃないでしょうか。演じたのはAlice Eveさん37歳。Keanu兄貴は今54歳みたいだから、17歳差ってことかな。いつも不思議なんだけど、どうして欧米人ってそのぐらい歳の差があっても不自然に見えないんでしょうな……日本人で言うと、唐沢寿明氏が55歳、広末涼子さんが38歳か……あれっ!? 不自然じゃないな? そうか! わかった! イケメン&美女ならおかしくないんだ! そうだったのか……! 超どうでもいいことだけど、妙に腑に落ちたっすわ。
 とまあ、あとは子供たちぐらいしかメインキャストはおらず、子役はもう割愛します。それほど魅力的なチビたちではなかったかな……。そして監督も脚本も、全然知らない方なので省略! します。

 というわけで、さっさと結論。
 わたしの大好きなKeanu兄貴主演作、『REPLICAS』を観てきたのだが、予告からぷんぷんと漂ってくるB級臭は、本編ではかなり香ばしく、いくらB級ハンターのわたしでも、極めてマズいレベルの危険な映画であったと言わざるを得ないだろう。これはWOWOで放送されるのを待ってれば十分だったと思う。わたしとしては、本作のことはきれいさっぱり記憶から洗い流し、Keanu兄貴の次なる新作、『John Wick』最新作の公開を心待ちにしたいと思う。US本国ではまさしく公開されたばかりで、順調に売れてるっぽいすね。日本では10月までお預けか……早く観たい!! 以上。

↓ こちらはもう本当に最高です。
ジョン・ウィック(字幕版)
キアヌ・リーブス
2016-02-10