【注意:ネタバレが含まれていますので、まずは映画館で観てきてからにしてください。しかもネガティブ感想も含まれていますので、観て、すっげえ面白かったと思う方は読まないでください。その興奮を台無しにするのは本意ではありませんので】

 しかし……ホントに1年なんてあっという間ですなあ……。
 というわけで、前作『INFINITY WAR』から1年。いよいよ待望の「後編」たる『ENDGAME』が公開になった。普段のわたしなら、間違いなく初日の昨日、金曜に、日比谷IMAXあたりに観に行ったはずだが、残念ながら今は時間の自由がなかなかつかない身であるため、土曜の8時半からの地元シネコンでの上映を観てきた。
 そもそもわたしは、1年前の『INFINITY WAR』に関して、それほど面白かったとは思えないでいた。それはもう1年前このBlogに記した通りだが、まあ、なんつうか、あくまで「前編」であって、この先どーすんの?という困惑しか残らず、すげえ、こう来たか! と膝を叩くような、予測を上回るような感動がほぼなかったからである。ただし物語は実に真っ当で、こう来てこうなる、という流れは、その真っ当さゆえに、そりゃそうなるわな、としかわたしには思えなかったのだ。
 なので、後編たる『ENDGAME』では一体全体、物語はどのような結末をたどるのだろうか、という興味はあったものの、もう100%完璧に、THANOSは敗北し、アベンジャーズ大勝利になることは誰でも予想がつくわけで、問題はその結末に至る過程にあり、わたしとしては、見どころは以下にあると思っていた。
 1)果たしてトニーはどうやって地球に帰ってくるのか? そしてCAPとの和解は?
 2)ついに現れたCAPTAIN MARVELことキャロル・ダンヴァースの活躍や如何に?
 3)消え去った人々が復活するのは間違いないとして、それは感動的なものかどうか。
 これらは、今までのMCUの流れや予告編を見ていれば、誰だって気になるだろう。そもそも、夏公開の『SPIDER-MAN:Far from Home』の予告も既に公開されているわけで、ま、間違いなく消えた人たちは復活するんだろうと誰だって思うはずだ。
 ただ、MCUの予告編というものは、まるで本編に使われていない、インチキダミーシーンが含まれることがあるので、たとえ予告でNYCを飛ぶIRONMANが登場しても、トニーが地球に帰ってくるかどうかすら怪しいとは思っていた。そして、わたしが最も強く、どう描かれるかを期待したのは、
 4)果たしてTHANOSはいかにして敗北するか。
 5)そしてその代償としてどんな犠牲が払われるか
 にあったのである。なにしろ、前編『INFINITY WAR』では、THANOSがある意味主人公であり、THANOSはキッチリと自分の「信念」を持って――それが全くもって中2病めいた共感できないものとはいえ――行動したのだから、その「信念」が「間違っている」ことが示されないといけないとわたしは思っていたのだ。そう、THANOSは、その最期に「オレが間違っていた。オレの負けだ」と認めて敗北する必要がある、とわたしは考えていたのである。それがないと面白くないっつーか……。そしてその時、アベンジャーズ側も大きな犠牲を払うはず、というのは、日本人として漫画を読みまくっている人間なら、誰だって考えることだろう。ではまずは、最終予告を貼りつけておこう。

 というわけで、結論を言おう。
 『ENDGAME』を観終わった今、わたしはかなり期待を下回るものであったと感じている。もちろん、ポイントポイントでは、おお、キターーッ!と興奮した場面もある。けれど、全体的に観て、まずもって長すぎだし、失望した点の方が多かった印象である。監督やプロデューサーは、上映時間3時間を、凝縮された95分に感じることでしょう的なことを言っていたような気がするけれど、いやいや、すっげえ長く感じたのはわたしだけではないだろう。ちなみにいうと、MCUお約束のおまけシーンは今回はないので、終わったらもう、スタッフに興味のない方はさっさと席を立っても大丈夫だったと思う。
 というわけで、いろいろ思ったことをまとめてみよう。

 【ガッカリポイント(1):開始10分でトニー地球に帰還の巻】
 わたし的見どころの一つにも挙げた、トニーの地球帰還だが、もう、開始10分で片づけられてしまった。ただしその方法は、ちょっと興奮できるもので、まあ、予想通りと言えばそれまでだけど、キャロルが助けてくれた、が答えである。正直、ええっ!? なーんだ? そうっすか……とがっかりしたのは間違いないのだが、時間的に『INFINITY WAR』から21日、3週間経っていたようで、このシーンでの、げっそりやつれたトニーはそれなりに衝撃ではあった。あのトニーの消耗ぶりに免じて、この展開はアリ、としたいと思う。
 【ガッカリポイント(2):キャロルの活躍は、正直少ない】
 わたしとしては、キャロルが戦いのカギになることを期待していたわけだけど、確かに、ラストでは颯爽と現れてカッコイイものの……それ以外はほぼ出番ナシ。おまけに、わたしがとても好きな、キャロルの「マスク・オン」も全くナシ。さらに、なんと映画『CAPTAIN MARVEL』のおまけシーンで描かれた、ニック・フューリーのポケベルが機能停止して、振り向くとそこに……のシーンは全面カット、本編にナシ、であった。これらは、もう本当にガッカリしたよ。ただ、トニーを地球に連れてきて、怒り心頭のキャロルを筆頭にTHANOS討伐へ向かうのは良かったし、まさか開始30分でTHANOS死亡まで行っちゃうのは、予想外過ぎて、な、なんだってーっ!? と大興奮したっすね。でもなあ……それからいきなり「5年後」に飛ぶのはどうなんだろうな……。
 【大興奮ポイント(1):おれたちのANT-MANが物語のカギに!!】
 わたしはANT-MANが大好きなので、果たしてTHANOSの選別が行われたときに「量子世界」にいたANT-MANは、どうやって通常世界に戻ってくるのだろう? ということがとても気になっていた。答えは、5年間放置されてボロボロになったあのライトバンの機械の上をネズミがちょろちょろして、偶然機械を作動させて(?)「スポーーーン!」と量子世界から放り出されて戻る、であった。だっせえ!! とわたしは思わず笑っちゃったのだが、ANT-MANらしくてあれはあれでアリ、である。蟻だけにとか言わないすよ。そしてその「時間を超越した量子世界」=「タイムトラベル」が物語の最大のカギであったのは、はっきり言って予想通り過ぎてガッカリだが、ANT-MANが重要な役割を果たしてくれたことに免じて、許してもいいと思った。
 だが、従来のタイムトラベル物は、「過去に戻ってやり直す」というものが一般的だが、本作はそこが違う。本作で語られたところによると、一度起こったことはチャラに出来ないそうで、あくまで、THANOSによって消滅させられてしまったインフィニティストーンを過去に戻って再びそろえ、THANOSによる「選抜」後の5年間のことはそのままに、消えてしまった人だけ戻す、という方法を採るのだが、この点が物語上一番重要で、独特なポイントだろう。この設定は大変良かったと思うけど……なんか、描かれたのは結局『Back to the Future Part2』だったね。結局のことろ。
 【大興奮ポイント(2):さすがはトニー! 地球最高の天才!】
 わたしはトニーが一番好きで、まあ、おそらくトニーは殉職する=人類の未来のために犠牲になるのだろうことは覚悟していた。けど、なんつうかもう、今回のトニーは最初から最後までカッコ良かったすねえ!! 冒頭のガリガリに衰弱したトニー、そして予想通り子供が生まれてパパになったトニー、SPIDYとの再会に抱擁して喜ぶトニー、そして! 最後の最後に宇宙を救うために犠牲となったトニー!! なんかCAPとの和解は全く感動的じゃなく、うやむやっぽかったのは極めて残念だけど(アレは絶対もっと感動的にできたはず! だけど、あの盾のさりげない渡し方は、まさしくトニーっぽいさりげなさがあってアリと言えばアリ)、もうすべて許しますよ、トニーに関しては。本当にカッコ良かったすね。今回おまけ映像はないから、さっさと席を立っていいと書いたけれど、一番最後に劇場に響く、鉄板をトンカチで叩くあの音……。あれはきっと、ガレージエンジニアたるトニーへのレクイエムであり、また同時に、娘にその精神が確実に受け継がれたことを表す、泣かせる演出だったすね。。。トニー・スタークという男は最高の男でした。本当にお疲れ様でした……。
 【ガッカリポイント(3):THOR様、アンタ、なにやってんの!!】
 恐らくわたしが一番失望したのは、5年間だらしない生活をした結果、腹が付き出したただのデブになり下がったTHOR様の姿だろう。ありゃないよ。断じてナシ。意味なくないすか? なんのためにTHOR様をあんなザマにしたのか、いまだにわたしには理解不能だ。全く無意味だったね。おまけになんなのあのラストは。まさかのガーディアンズ入りも、全く不要だったと思います。つうか、まったくどうでもいいVALKYRIEが生きてたってのは不自然過ぎのような……お前どこで何やってたんだよ。お前の乗ってた船、大爆破されたのに……。アスガルド民は全滅してて良かったのにな。。。
 【大興奮ポイント(4):ムジョルニア時限復活! そしてCAPの手に!!】
 わたしはズバリCAPは大嫌いなのだが、ファイナルバトルはもう、血圧上がったすねえ!! あのバトルはまたしても乱戦で、わたしは観ていて、あーあ、またこれか……とか思ってたんだけど、CAPがムジョルニアを手にしたシーンにはもう大興奮ですよ。アレは非常にカッコ良かった。『Ultron』では持ち上げることができなかったCAP。やっとお前もムジョルニアに認められるほどになったな……わたしもトニーのように、お前のこと許してやるよ……とか思いましたね。一番ラストの、CAPの決断も、極めて美しかったですな。時を超えたペギーとの約束を果たすことができて、ホント良かったね。マジ許すわ。今までのことはすべて……CAPも本当にお疲れ様でした……!
 【大興奮ポイント(5):ペッパー、通称レスキュー・スーツで大バトル参戦!】
 まあ、既にレスキュー・スーツを着用している写真が公開されていたので、驚きはなかったけれど、ファイナルバトルにペッパーまでも参戦してきたのは興奮したっす。そしてペッパー、キャロル、ホープ(=WASP)、ワンダたち女性ヒーローたち大集合の図は大変絵になってましたな。でも、そこにナターシャがいないなんて……
 【ガッカリポイント(4):ナターシャ殉職! もうチョイやり方はなかったのか……?】
 今回は物語上、あくまでTHANOSの選択によって消えてしまった人々だけが復活する、というものなので、それ以前に死んでしまった人たちの復活はないのだが、ナターシャをガモーラと同じように、そう、全く同じように! 死なせる必要はあったんだろうか……。アレは脚本的に0点と言いたいところだ。ナターシャも本当にお疲れ様でした。いままで、ちょっとした潤滑油というか、間に立ってくれてたのにね……。ホント残念だよ……。
 【ガッカリポイント(5):前作で変身できなかった意味ゼロ。常態化に価値ナシ】
 前作では、HULKに変身できず、タダの足手まといキャラに転落したバナー博士。わたしとしては今回、どういういきさつで再びHULKになれるのか、その変身にとても期待したのだが……期待したわたしがアホだった。どうやら前作で変身できなかった意味はほぼゼロ。なんと5年間で、HULK化が常態になってしまい、おまけに言うことなすこと中途半端で、全くもって映す価値ナシのバナー博士だったと思う。お前の愛するナターシャとは大違いだよ。お前、男としてホントダメな野郎だな、としかわたしには思えませんでした。お前こそ、ナターシャと一緒にソウルストーンを取りに行くべきだったのにね……。
 【ガッカリポイント(6):HAWKEYE=RONINの下手くそすぎる日本語の件】
 わたしは弱いくせに生意気なHAWKEYEが嫌いなのだが、冒頭の、THANOSの選択が行われたときHAWKEYEは何をしていたのか、のシーンは、物語の不穏な空気が良く出ていて、シーンとしてはとても良かったすね。しかし、妻子を失くして必殺仕事人になるより、まずはアベンジャーズ基地と連絡取るだろ……常識的に考えて。そして話題の真田広之氏とのチャンバラは、シーンとしてはカッコ良かったけど、大体お前、いつ刀剣使いになったんだ……そしてお前、日本語しゃべる意味あったのか? 真田氏の英語は超キレイなんだから、お前のへったくそな日本語は不要だったんじゃないかなあ……日本人としては、何を言ってるかよくわからず、興ざめだったすね。でも、一方の真田氏の日本語演技は完璧で、アレはもう、最高に興奮したっすわ。
 【大興奮ポイント(5):まさしく「大同窓会!」あのキャラたちも続々登場!!】
 というわけで今回は、「過去に戻ってインフィニティ・ストーンを集める」というミッションが長々と描写されるわけだが、まあとにかく、あのキャラもこのキャラも、とこれまでのシリーズの主要キャラが総出演してくれたのは最高でした。わたしとしては、2012年のNYCにいた、エイシェントワン様のお姿を見られたこと(しかも彼女だけはガッツリ物語に絡んでいてチョイ顔出しレベルじゃない!)、『CAP:WS』での悪党、S.H.I.L.Dのピアース理事も勿論本物のRobert Redford氏自ら登場してくれたこと、そして、別れたTHOR様の恋人ジェーン(アレは……若干本物のNatalie Potman嬢だったかアヤシイ)も登場してくれて、最高に興奮したっすわ。まさしく「同窓会」でしたな。最高でした。
 【ガッカリポイント(7):復活者の全く感動的でない復活について】
 見どころの一つとしてわたしが注目していた、選択によって消滅したみんながいかに復活するか、については……まあ、SPIDYことピーター・パーカー少年の話によると、目覚めたら5年経ってた、ということだそうで、復活シーンは描写されず、であった。実際、そのシーンはいらなかったと思うのでいいんだけど、なんなの、空間さえも超越して復活しちゃうんだというのは、都合が良すぎてガッカリしたっすね。それともアレか、タイタンで復活したんだけど、すぐさまドクターが地球に運んでくれたってことなのかな。よくわからなかったけど、そういうことと思うことにしよう。ドクターはほとんど出番ないけれど、今回もカッコ良かったすね。ドクターが前作で視た「1400万分の1の可能性」はそういうことだったんですな……。ドクターの前作での決断が、今回エイシェントワン様がタイムストーンを貸してくれることに繋がっているわけで、まさしくすべてお見通しだったわけですよ。さすがっすね! ところで、ANT-MANことスコットの娘は、消滅を逃れていたようで、5年歳をとっててすっかりカワイイティーンエイジャーに成長していたけど、ピーターの親友ネッドは普通にそのままだったのは、アレって、同級生もみんな消滅していて復活したってことなの? 
 【最大のガッカリポイント(8):改心しない悪役に価値はない! THANOSモブ化現象】
 結局THANOSは改心もしないし敗北を認めることもなく、ある意味、オレの野望は達成された、オレを殺してももはや手遅れ。地獄で笑って待ってるぞ、はっはっは的に、THOR様による斬首の刑に服してしまったわけで、はっきり言えば、冒頭30分でTHANOSの役割が終了してしまったのは、やっぱり脚本的にいただけないように思う。そして後半に登場する5年前のTHANOSは、ちょっと性格が違い過ぎるというか、完全に小悪党というか……モブ化してしまったのはとてもがっかりだ。ついでに言うと5年前の、ガーディアンズ入りする前のガモーラも、ちょっとキャラ違いすぎなんだよな……まあ仕方ないけどさ……。やっぱり、5年前のTHANOSは、ガモーラの命を代償としてソウルストーンを得ることになることを知ったのだから、何らかの改心めいた行動があっても良かったと思うし、やっぱりですね、「自分が間違っていた」ことを自覚して退場してほしかったと強く思う。後悔はしなくていいんだよ。わが生涯に一片の悔いなし、でいいんだよ。だけど、「敗北を認める」必要は絶対にあるんすよ!! この点に関しては、やっぱり日本の漫画の方がわたしは好きっすね。

 はあはあ……とまあ書いておきたいことは以上かな……もっと細かいこともあるんすけどね……ジャーヴィスってのが、実はパパ・スタークの秘書?の人の名前だったとか。でもあそこは是非とも、Paul Vetaney氏に演じてほしかったすねえ! 別人だったのが超残念す。
 まあ、なんだかんだ言いながら、わたしとしてはトニーの決断に敬意を表して、がっかりしたことはいっぱいあって、期待を上回ることはなかったけれど、すべて受け入れようと思います。大同窓会であり、見事な大団円だったのは間違いないすね。本当に11年間、お疲れ様でした!!!

 というわけで、結論。
 とうとう公開された『AVENGERS:ENDGAME』だが、正直なところ、わたしの期待を上回ることはなく、実際ガッカリではある。THANOSには、敗北を認めてほしかった……。。。けれど、MCUの先頭を走り続けてきたトニー・スタークというキャラクターに限ると、すべてやり尽くしてくれたと思うし、見事に地球を、そして銀河全体を救ってくれたわけで、実に実にカッコ良く、見事であったと思う。そしてわたしは大嫌いだったCAPも見事な引退劇となり、もうすべて許してもいい、という気持ちになりました。ラストカットがCAPとペギーのダンスシーンなのは、オイィ! ラストはトニーの娘を映して未来を予感させるシーンを持って来いよ! とか思ったけれど、まあ、美しかったので許してやります。まあ、夏の『Far from Home』が楽しみですな! 今後もMCUを楽しみたいと思います。つうかですね、こんなBlogを読んでる暇があるなら、今すぐ劇場へGO!でお願いします!! 以上。

↓ やっぱり、わたしとしてはMCU最高傑作はこれっすね。痺れたっす。