はーーー。。。
 3/27に母が倒れ、救急搬送→入院、となってもう2週間以上が過ぎ、幸い命に別状はなく、意識もしっかりしているものの、今後どんな老々介護が待っているのかと考えると、全くもって明るい未来は想像できず、ええ、ズバリ言うと落ち込んでいます。毎日会社を早めに出て見舞いに行っているのだが、着実に回復に向かっており、日々のリハビリも頑張っているようなので、母の前ではバカ話をしたりするわけだが、どれほど回復できるのかは全く分からないし、まずは冷蔵庫の中身を何とかせねば……とか、日々いろいろあって、このところ映画を観る気になれなかったのだが、今日は天気も良く、朝から洗濯をして、気分さっぱりしたところで、午前中は映画を観に行くことにした。
 今日わたしが観た映画は、『HUNTER KILLER』。そう、わたしは潜水艦モノの映画は大好物なのです。おまけに、このBlogでも何度も書いている通り、「ジャック・ライアン」シリーズのような、海外翻訳ミリタリーアクションも大好物なわけで、わたしの好みに結構ジャストミートな映画であった。
 ただ、「ライアン」シリーズもそうだけど、結構トンデモ話なので、真面目に見ると相当ツッコミどころはあるとは思う。だけどいいんだよ、そんなこたあ! 悪いヤツがぶっ飛ばされて、アメリカ万歳!でいいんです。というわけで、結論としては、わたしとしては大変楽しめたし、まあ、なんか映画でも見ようかな、と思う方がいたら、この作品はそれなりにおススメであります。面白かったすね、とても。

 というわけで、物語は、実は上記予告からは相当違った流れで進む。上記予告はかなり時系列がぐちゃぐちゃに編集されていて、あまり参考にならんです。なので、わたしは結構予想外の物語に結構興奮できたのでありました。
 物語は、冒頭で、USS-タンパ・ベイという原潜と、ロシアの原潜コーニクが沈没するという事件から幕が上がる。US政府は、まずアイスランドだったかな、そこに停泊していた原潜USS-アーカンソーを現地へ極秘裏に派遣。同時に、4人のNAVY-SEALs隊員をHALO降下で現地に派遣、情報収集に当たらせる。つまり物語は、主人公の原潜アーカンソーの船長と、SEALs隊員たちの2方向から進むのだ。これは全く上記予告には示されていないけれど、非常に効果的で、現実的だったと思う。
 で、まずアーカンソーは事故?現場に到着すると、2つのことが判明する。一つは、タンパ・ベイは魚雷を喰らっていること。そしてもう一つは、コーニクは「内部からの爆発」によって沈没し、おまけにソナーによると中に生存者がいるらしいことが判明する。アーカンソーの副長は、ロシア人を助けるなんて、とお約束の反発をするも、船長は当然救助することを選択、お約束通り救助されたのは、コーニクの船長他3名であった。
 そして一方のSEALs隊員たちは、ほぼ何も苦労もなく、事故現場近くの軍港へ潜入し、監視活動を開始。なんとそこでは、ロシア大統領が拘束され、国防大臣によるクーデターが発生していたことが判明する。US政府は、戦争上等、戦闘配備を強く進言する統合参謀本部議長と、ロシア大統領を救出しクーデター阻止=戦争回避を主張するUS-NAVYのRA(少将)&NSA女子職員に分かれるが、US大統領(女性だった)は戦闘配備しつつロシア大統領救出、つまり、SEALs隊員によるロシア大統領救出&アーカンソーによる回収、という難ミッションを指示するのであった――てなお話であった。サーセン、いつも通りテキトーにはしょってます。
 というわけで、海の中の緊張感という、潜水艦モノの醍醐味も味わえるし、陸上でのSEALs隊員たちの激闘というミリタリーアクションも味わえるわけで、わたしとしては、まあ、ちょっとトンデモ感が強いけれど、大変楽しめたわけであります。
 まあ、ロシア大統領が、まさか子飼いの国防大臣にクーデターを喰らうとは、現状のプーチン大帝の世では考えられないだろうし(たぶん)、かなりミッションはスムーズに進むのは、若干アレだなあ、とか、そういうツッコミどころはかなりあるのは間違いない。
 おまけに、このミッションを成功に導く一番のカギがアメリカ軍人とロシア軍人の「信頼」に置かれていて、映画的には美しいけれど、残念ながら本作で描かれたようなことは起こり得ないだろうとは思う。しかしおそらく、このようなトンデモ話を「それっぽく」思わせる要因として、キャストが何気に豪華という点も大きいだろう。そう、この映画はキャストがなかなか粒ぞろいなんだな。
 というわけで、以下にキャラクターと演じた役者を6人だけ、パンフに載ってたので軽くまとめてみよう。
 ◆グラス艦長:USS-アーカンソーの船長。士官学校は出ておらず、現場たたき上げ、という設定も、まあお約束でしょうな。かなり独断で物事を判断するので、若干トンデモ感は強い。けど、まあ、正義の味方というキャラは軸がぶれていないので、観ていてとても共感できるというか、安心すね。演じたのは、イギリス人だけど、もういろんな映画でアメリカを守りまくっているGerard Butler氏49歳。わたし的にこの人は、『300』のレオニダス様、あるいは『The Phantom of the Opera』のファントムの方が印象が強いけれど、近年の「Fallen」シリーズのシークレットサービス隊員の方がお馴染みかな。まあ、強くてカッコいいすね。
 ◆アンドロポフ艦長:ロシア原潜コーニクの船長。歴戦の戦士で、ロシア海軍内に教え子多数。なんとなく『THE HUNT FOR RED OCTOBER』のラミウス艦長を思い起こさせるけれど、このアンドロポフ艦長は純粋にロシアへの愛国心のあるお方で亡命しようなんてことは思いません。グラスを信頼して、いろいろ秘密を教えてくれたり、ロシア海軍への呼びかけも担当。アンドロポフ艦長が本作では一番重要だったような気がする。彼がいなかったらミッションは成功できなかったはずです。演じたのは、2017年に惜しくも亡くなってしまったMikael Nyqvist氏。渋い、いい役者でしたなあ……亡くなったのが残念でならないす。もちろんスウェーデン人で、スウェーデン版『ミレニアム』で主人公(?)ミカエルを演じたお方ですな。
 ◆ドネガン統合参謀本部議長:SDUS(アメリが合衆国国防長官)につぐ、US4軍の制服組TOPですな。本作では、やけに好戦的で、わたしはまたコイツはロシアと密約がある的な、バッドガイなのかな? とか思いながら観ていたのだが、どうやらそんなことは全くなく、単に気が短い愚か者だったようです。愚か者ってのは言い過ぎか。でも、もうちょっと、後々のことも考えて行動した方がいいと思うよ……。あんたの命令通り行動してたら、核を使う羽目になってたぜ、間違いなく。演じたのは、なぜこの役を引き受けたのか分からないけど、Gary Oldman氏でありました。渋くてカッコいいのに、今回は完全にアレな人でしたな。
 ◆フィクスRA(海軍少将):統合参謀本部議長がイケイケなのに対して、こちらのRAは慎重かつ現場寄りの戦争回避派。何気にキャラが立ってたと思う。演じたのは、Common氏47歳。この人は、元々ミュージシャンなんだけど、なんつうか、イケメンですね。結構映画のキャリアも増えてきて、わたしが一番最近で印象に残っているのは、『John Wick Chapter2』でキアヌ兄貴と死闘を演じたカシアンという役ですな。アレは大変カッコ良かったです。
 ◆ビーマン:SEALsの隊長。つうか、SEALsの隊員が2人殉職してしまったのは観てて悲しかったすね。殺すことなかったのに……映画的な味付けとして殉職させられちゃった感じがする。そしてもちろんこの隊長は生還します。とてもプロとしてカッコ良く、光ってましたな。演じたのは、Toby Stephens氏49歳。あっ!なんてこった! この人、『SPACE COWBOYS』でEastwoodおじいちゃんの若き頃を演じた人だったんだ!? マジかよ。
 ◆女性NSA職員:フィクスRAと共に、戦争回避のためロシア大統領救出を推す。イイ人。演じたのはLinda Cardelliniさんという方で、知らねえなあ? とか思ったのだが、パンフによると『AVENGERS:Age of Ultron』に出てたそうで、何の役だろう?と調べたら、なんとこの人、HAWKEYEの奥さん役で出てた方らしい。ほえーそうだったんだ。全然気が付かなかったわ。『END GAME』には出てくるんだろうか。チェックしとこうと思います。
 とまあ、こんなところかな。監督はDonovan Marsh氏という方で、どうやらそれほど目立った経歴はなさそうですな。本作も、ここがスゴイとかとりわけ目についたところはなかったけれど、CGの品質は高いし、手堅くきっちりまとまってたと思います。

 というわけで、書いておきたいことがなくなったので結論。
 このところ、全く気持ちの沈んでいるわたしだが、今日は天気も良くあったかくて、久しぶりに映画を観に行こうという気になった。そして、よし、これを見ようと決めたのが『HUNTER KILLER』という作品である。わたしは映画オタとして、潜水艦モノは大好物だし、ミリタリーアクションも大好きなので、好みにぴったりだったわけだが、まあ、いろいろなツッコミどころは結構あるにしても、十分面白かったと思う。まあ、プーチン大帝がクーデターを喰らうことはまずないだろうし、SEALsのミッションもあれほど楽に進むとは思えないけれど、まあ、いいんじゃないすかね。映画だし。少なくともわたしは2時間、大変楽しい時間過ごせました。楽しいってのは違うか、えーと、なんだ、2時間、つらい現実を忘れるような、物語にのめり込む快感、とでも言えばいいのかな。要するに、映画って、いいもんですね、的な2時間でありました。面白かったす。以上。

↓ 潜水艦モノとしては、最高傑作はやっぱこれっすかねえ……中学の時、今は無き新宿ミラノ座にて、今は亡き父と観に行ったす。