というわけで――現在日比谷の東京宝塚劇場にて絶賛上演中の、月組公演『エリザベート』。わたしは既に9月にムラ観劇(=兵庫県宝塚市の「宝塚大劇場」で観劇すること)してきたわけだが、以前書いた通り、大変人気の高い演目であり、おまけに月組TOP娘役である愛希れいかさん(以下ちゃぴ)の退団公演というブーストもあって、とにかく、本当に、まったく、チケットが獲れない。特に東京はもう全くダメ、であったのだが、わたしのヅカ師匠の美しいお姉さまが行けなくなったということでチケットを都合してくださったため、なんとか観に行くことが出来た。
 わたしが観た2カ月前のムラ観劇では、2番手スター美弥るりかさん(以下みやちゃん)が体調不良により無念の休演となってしまって、ある意味超レアな配役での観劇は幸運だったかもしれないけれど、みやちゃんの無念を思うとまったく幸運とも思えず、東京までにみやちゃんが元気に復帰するとよいのだが……と心配していたわけだが、その心配は無事に解消され、東京公演ではみやちゃんが復帰し、物語の重要人物フランツ・ヨーゼフ1世を演じてくれている。
 というわけで、2回目の観劇となる今回、わたし的注目点として、以下について思ったことを書き連ねてみたい。もはや主役の二人については、今回は触れません。素晴らしかったのは言うまでもないので。
 1)みやちゃんのフランツはいかがであろうか……
 2)月城かなとさん(以下れいこ)の演じるルキーニはいかに。
 3)わたしが月組で一番好きな海乃美月ちゃん(以下うみちゃん)の美しさをずっと見守っていたい!
 4)ムラではノーチェックだった美園さくらさん(以下さくら)をちょっと気にして観よう。
 とまあ、要するにムラで観ることが出来なかった、本来キャストの演じぶり・歌いぶりと、大ファンのうみちゃん、それから全くムラではチェックしなかったさくらちゃんについてであります。

 はーー……しかし、ホントに『エリザベート』という作品は、歌が素晴らしいすねえ……オープニングからフィナーレまで、まったく飽きないし、数々の歌に聞き惚れますなあ……。
 というわけで、順番に思ったことを書き連ねてみよう。
 1)みやちゃんフランツは恐ろしく線が細くて、なんつうか、はかない……。
 まあ、みやフランツの美しさはやはり想像通り、とても際立っていたと思うけれど、やっぱり、演者が変わると印象も違うものですな。みやちゃんのフランツは、まず、なんといっても華奢で(ただし立ち姿はビシッと真っ直ぐで極めて美しい)、ホントにエリザベートが大好きな男だったように感じたすね。
 なので、超つれないエリザベートに心傷つくフランツぶりは、観てて悲しくなっちゃったす。わたしは男なので、どうしてもフランツが気の毒に思えてしまうんすよ……これは、わたしの後輩女子の意見とは全く正反対で、女子から見ると、1回浮気した時点でもう許せるわけがなく、ふざけんな、なんだそうだが、許してあげてほしいけどなあ……男としては……。ダメっすかねえ……。皇帝なんだから、側室を……持てないか、カトリックは無理か? ちょっと詳しくは分からんけれど、なんというか、みやちゃんフランツは、観ていてホントに、許してあげてくれよ……という気持ちになったす。それがいいことなのか悪いことなのか、わたしには判断できない、けど、これはこれでアリ、だとわたしは思う。歌も良かったすね。一部若干苦しげだったのかな……まあ、それはフランツの心が苦しかった故、とわたしは解釈したいと思います。結論としては、みやちゃんフランツは、超はかなく美しかった、すね。とりわけ、わたしがグッと来たのは、まあ夜のボートは当然として、「と~び~~らを~あけてく~れ~こころ~~やさ~しい~~~エリ~~ザベ~~~ト!」の最後通牒の時のみやちゃんに泣けましたなあ……この時は浮気もしてなかったのに……つらいす……。
 2)れいこルキーニはやっぱりカッコイイね!
 ま、これは想像通りのカッコ良さで、言うことなしであろうと思う。歌も、とても良かったと思うし、アドリブの余裕ぶりも、さすがに手慣れた感があって、大変結構なお点前であったと思います。はあ……年明けのみやちゃんとれいことうみちゃんのバウを観に行きてえ……絶対チケット獲れないよ……くそう……!
 3)本当にうみちゃんは美しいですなあ……オレ的ナンバーワンヅカ美人は揺るぎなし!
 今回はムラで買ったプログラムでバッチリ登場シーンを予習しといたので、きっちり双眼鏡でうみちゃんを追えました。冒頭の幽霊ヴィンディッシュ嬢がすごい見にくい位置で、前のご婦人の頭が超邪魔で、く、くそう、あと10cmズレてくれ!!とか思ったのはどうでもいいとして、とにかくうみちゃんの、スポットライトが当たっていない時も当然演じ続けるその姿勢に、やけにグッと来たすね。
 ちゃぴエリザが「エーヤン、ハンガリー!」の時に一番エリザに近い位置にうみちゃん演じるハンガリー貴族婦人がいたり、ウィーンの民衆の中にいても、当たり前かもしれないけど、一切手抜きナシの全力芝居でますますファンになりました。もちろん、渾身のヴィンディッシュ嬢は東京でも圧巻で、先日SKY STAGEの番組でこの時の芝居の解説をチラッとうみちゃんがしていたのを見たけれど、その説明通り、完璧だったとわたしは大絶賛したいと思います。
 うみちゃん曰く、ヴィンディッシュ嬢は、それまでは完璧に自分が皇后だと思い込んでいて、周りも、はいはい皇后さま、的に合わせてくれていたために、心が安定していた、けれど、本物の皇后がやってきて、周りのみんながヴィンディッシュ嬢を構うことなく、手にしていたボロボロの扇子を落としたとき、じゃああたしは誰? と真っ白になってしまったのだそうだ。そして、エリザベートと対面した時は、鏡として、演じるちゃぴの心をそのまま映す存在として放心しているんだけど、(エリザベートになり切っている)ちゃぴのハートがあまりにも圧倒的で、どうしてもあのシーンでは勝手に涙が出てしまう、てなことらしい。
 ここでのエリザベートの歌(日本語では「魂の自由」)は、ドイツ語では「Nichts, Nichits, Gar Nichts」という歌で、えーと、英語で言うと「Nothing Nothing Nothing at all」ってことかな。要するに私が得たものなんて、何も、まったく何もない、という歌なんだけど、ドイツ語で聞いても凄くわかりやすいと思うので、自分用メモとしてYou Tubeから貼っておこう。歌詞の内容は日本語版とかなり違うんすね。

 これをチェックしてみたのは、SKY STAGEで観た今回の月組『エリザベート』のメイキング的な番組で、演者の皆さんが「歌詞じゃなくて音自体」に感情を込めないといけない、と揃って同じようなこと仰っておられたからだ。我々日本人的には、どうしても歌詞の意味に感情を求めちゃうんだけど、それよりも音自体が重要なんだそうで、じゃ、他の言語で聞いたらどうなんだろう?と思ったからです。そしてオリジナルのドイツ語で聞いてみても、やっぱりグッときますね……このシーンは。本当にうみちゃんは最高です!
 4)さくらちゃん……キミ、意外とデカいね?
 というわけで、うみちゃんはTOP娘になることが叶わず、さくらちゃんが年末のタカスペからかな、月組TOP娘となるわけだが、わたしはうみちゃん派とは言え、さくらちゃんにはなんの罪もないし、さくらちゃんを嫌う理由は何一つないと思っている。
 歌もうまいし、99期首席、大妻出身の数学が得意な賢い娘さん、みたいな知識はあったけど、実はわたしがさくらちゃんを明確に認識したのは『雨に唄えば』でのヒロイン役しかなく、今回はキッチリとチェックさせてもらったのだが、第一印象としては、デカい、すね。さくらちゃんは。女官6人衆の後ろから2番目で、常に忙しく立ち回っている姿が印象的でした。あと、世界の美女の、なんかクレオパトラ的なエジプト娘がさくらちゃんだったけど、まあ、サーセン、オレ的にはスペイン代表フラメンコガールを演じた海ちゃんの方が圧倒的に美人で可愛かったす。なんというか、役柄的に仕方ないけれど、さくらちゃんはちょっと表情がカタイすね。まあ、勝手な想像をするに、きっと真面目で勉強のできる娘さんなんでしょうな。そのカタイ表情は、とても賢そうに見えるすね。今後の数々の演目で、さくらちゃんのいろいろな表情が観られることを期待します。男としては、こういうおカタイ真面目っ子が笑うと可愛いんだよな……ホント、頑張ってほしいすね。
 
 というわけで、もう書きたいことはなくなったので終わりにしたいけれど、やっぱりちゃぴは凄い娘役ですよ。本当に彼女の全力は観ていて心震えるし、退団後の東宝帝劇版シシィは間違いないでしょうな。そしてやけにダイナミックで活力あふれるたまトートも、やっぱりイイと思います。若干歌は苦戦してるのかな……という気もしなくもないけど、アリですよ、たまトートは。
 一応、千秋楽は近所のシネコンのライブビューイングで観られることになったので、ちゃぴの、ホントにホントの最後を目に焼き付けておこうと思います。ライヴューは視点が固定されちゃうから、うみちゃんの姿はあまり見られないかもしれないけど、渾身のヴィンディッシュ嬢は映画館の大画面で味わいたいすね!

 というわけで、結論。
 2回目となる2018年月組版『エリザベート』を日比谷の東京宝塚劇場で観てきたのだが、なんなんだろう、もう何度も観ている作品なのに、やっぱりイイすねえ……ホントに。やっぱり、楽曲の素晴らしさなんだろうな……そして演者によって雰囲気も変わるし、まったく飽きないすね。もう歌の歌詞まで憶えちゃってるわけで、ほぼ完ぺきにトレースできちゃうのは『エリザベート』ぐらいですよ。人気があるのもうなずけるす。今回の月組版も、とても楽しめました。来年あたり、東宝帝劇版またやってくれねーかなあ……。以上。

↓ ドイツ語版のCDが欲しいす……配信で買えってことかな……。日本語以外で聞いてみるのもおススメっすね。