というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 今年最後の週刊少年チャンピオンですので、『鮫島』ニュースも今年最後です。今は寒くて、早くあったかくなんねーかなあ、とか思っているのに、夏になったら早く涼しくなんねーかなあと思うわけで、まったくもって1年はあっという間ですなあ。
 さて、それではさっさと、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年4+5合併号の概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版は乃木坂の生田絵梨花嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:大声援の巻。山岳賞まであと少し。頑張れ純太!先輩たちも久々登場す。
 ■刃牙道:出端の巻。武蔵VS刃牙が続いています。決着が見えない……。
 ■BEASTERS:油を引いて火をつけろ!の巻。人気あるんすなあ。巻頭カラーです。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:リトル・リトル・協奏曲の巻。珍しく次号に続く、な展開でした。
 ■囚人リク:爆弾の巻。今週はもう、P216とP228に腹筋崩壊w ジャゴァアアァw
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。
 
 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 前回は、帰りの国技館内でバッタリ出会った鯉太郎と【王虎】さんの思いが交錯するグッとくるお話でしたが、今週は空流部屋での様子となります。ちゃんこが用意されているのに、空流の関取たちが揃って不在な様子。どうやら、【白水】兄貴は目丸手を連れて後援会とメシ、そして親方は常松こと【松明】関を連れて松明の後援会に挨拶に行っているようです。まあ、途中休場になってしまったので、挨拶も必要でしょう。
 というわけで、豆助が一人飯を食っている模様で、大吉はどこ行ったのか不明ですが、そこへやってきた椿ちゃんは、当然「鯉太郎は?」と聞きます。豆助によると、少し飯を食った後に稽古場へ行ったそうです。豆助曰く
 「やっぱりアレでしょう…明日は大一番だし あの人のことだ…気合が入りまくって漏れそうなのを 精神統一できっと抑えてるんスよ…」とのこと。
 そして描写は、薄暗い稽古場で一人座り込む鯉太郎の情景へ移ります。そこへパチッと電気をつけて椿ちゃん入場です。見ると、鯉太郎の周りにはバナナやエナジーゼリー類が。まさかコレで済ますつもりじゃないでしょうね…と心配な椿ちゃん。鯉太郎は明るい顔で、手っ取り早くエネルギー補給するにはこれが一番効率がいいんだ、なんて平気な顔。
 「明日の相手が相手だからな…少しでも長く動ける力を戻しとかねーと…」
 なるほど、どうやら鯉太郎は、VS【天雷】戦直後はもう歩くことすらままならない様子でしたが、【王虎】さんとばったり出会ったことで、それなりに気力は回復している模様です。あとは体力、なのか? そういう問題か?
 椿ちゃんはとても心配そうな表情で「明日って…」と聞きます。それに対して鯉太郎は想いを語ります。
 「王虎だよ…やっと…やっと届いた…クソムカツクヤローだけど アイツとの取組はやっぱ最高で…生きている実感が強烈で…限界超えてブチ当たり合える…言いたかねーけど…特別なんだ…王虎(アイツ)は…」
 しかし椿ちゃんの脳裏に蘇るのは、親友の石川くんこと【飛天翔】関の「鮫島のあの症状は、自分と同じだ」という言葉です。ゆえに、思わず椿ちゃんは鯉太郎に聞いてしまいます。
 「もう…体…限界なんじゃないの…?」
 石川くんは、椿ちゃんは唯一、鯉太郎を止められるんじゃないか、とも言っていました。だから椿ちゃんも、誠意を込めて、そしていくばくかの覚悟を決めて、鯉太郎に問います。もし何かあったらどうする。そこまですることじゃないでしょ、と。しかし、鯉太郎は、「そこまで…だと…」と椿ちゃんの言葉にかみついてしまいました。
 「黙れよ…お前…」
 おい! 鯉太郎……お前、椿ちゃんに当たっちゃダメだ! 椿ちゃんもそんな鯉太郎に、ついカッとなって、口論が勃発。ちょっと! 二人とも! 頼むから落ち着いてくれ! この口論は、わたしとしてはなんとも若干悲しいというか、つらいすね…。椿ちゃんは言います。
 「何よその言い方! アンタのこと心配だから言ってるんでしょ!」
 「うるせーんだよ! バカデケェお世話だ!」
 「あの石川君だって辞めちゃうようなことなのよ! 今だって限界なんでしょ!? これ以上続けたらどうなるか分からないの!?」
 「分かってねーのはお前だ!! 軽く言うんじゃねーよ!!」
 鯉太郎! ダメだそんなこと言っちゃあ! もうチョイ言い方考えて……! 
 「無茶することがカッコイイとでも思ってんの!?」
 椿ちゃん、それはちょっと違うんだよ……。 そうじゃあないんだよ……。
 というわけで、椿ちゃんの理論は、つまり引退した後も人生は続くわけで、相撲だけが全てじゃあない、というもので、まったく正論ではあります。が、鯉太郎は断言します。
 「全てだ!! お前も昔 俺に言ってただろ 俺の全てなんだよ…」
 そうです。「Burst」第(4)巻で、【王虎】さんに完敗し、不忍池のほとりのベンチで弱音を吐いた鯉太郎に「ふざけんな!!」と大激怒して再び土俵へ上がる勇気をくれたのは椿ちゃんでした。
 もう、ここまで鯉太郎に言われてしまったら、椿ちゃんは涙するしかありません。
 「なんで…分からないのよ……最悪…………死んじゃったらどうするのよ…」
 鯉太郎は言います。
 「コエーのはそこじゃねえ……俺は…見てっから…燃焼出来なかった人間の くすぶり続けながら生きる地獄を…死にながら ただ生きる地獄を…俺はアレが…怖くて堪らねー…」
 この時の鯉太郎の脳裏に駆け巡るのは、もちろん父、元大関【火竜】のあの姿です。
 「お前の言う通り体にガタが来たとしても…中で燃え続けるモノがある限り…止まれねーよ…もしこのまま土俵で終わっちまっても…終わりがきても…」
 そしてページをめくると、今週一番の見開きブチ抜きで、鯉太郎の、何とも素晴らしい表情が描かれています。
 「俺はそれでいい…」
 この表情は、いろいろ物語っているように感じられます。すがすがしさ、晴れやかさ、そして椿ちゃんへ、すまねえな、という申し訳なさと若干の照れも入っているような、何とも絶妙な表情です。これはぜひ、チャンピオンを買って、その眼でご確認いただきたいと思います。
 しかし、そんな顔で言われても、椿ちゃんとしては「だからって…だからってわかったなんて言えるわけないでしょ…」と涙が止まりません。わたしもまったく椿ちゃんと同じ気持ちです。つらいす……。
 今週は、そんな椿ちゃんに「心配すんな…俺の体はピンピンしてんよ…ほっとけよ…俺のことは…もう…」という言葉をかけて稽古場を後にする鯉太郎、で終了でした。
 はーーー……ほっとけるわけないだろ……鯉太郎よ……。椿ちゃん……こうなったら今すぐ、吽形さんに電話するんだ! 美和子先生にも相談して、もちろん親方にも相談するしかないすね……。ああ、先代が生きていれば……わたしとしては先代がいないことがとても残念す。
 いずれにせよ、椿ちゃんへの心情の吐露はこれで終わり、常識的に考えれば次は仁王兄貴こと現親方とのやり取りがあるのではないかと思いますが、今夜はもう無理だろうし、十二日目の当日朝稽古のときしかないか……でも、朝稽古は気力体力ともに、見かけ上は回復しちゃってるかもしれないすね……。
 どんどんとマズイ展開に近づいているように見えますが、まだ取組は4番残っており、大変今後が気になります!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
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 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 11日目現在9勝2敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中(10日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週描かれたのは、11日目が終わって部屋に戻った鯉太郎と椿ちゃんの模様で、口論となってしまったものの、鯉太郎の断固たる決意は表明されてしまい、椿ちゃんでも止めることは出来ませんでした。まあ、漫画的にここで鯉太郎が辞める展開はありえないでしょうが、椿ちゃんに泣かれてしまうと、やっぱりキツイすね……。わたしとしては、ここで吽形さんの出番を期待したいですが、どうでしょうなあ……。もはや鯉太郎の決意は誰にも覆すことはできないでしょうから、吽形さんが出てきても意味がないかなあ……とにかく、最後まで応援したいと存じます。以上。

↓ 葉子お嬢様の「好きなのよ! 矢吹くん! あなたが!」は19巻ラストでした。しかし「リングには世界一の男ホセ・メンドーサがおれを待っているんだ だから…いかなくっちゃ」と控室を出るジョー。そしてそっと葉子お嬢様に「ありがとう…」言うシーンは猛烈にグッときますね!