というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、今日の東京は大変寒い雨の朝を迎えており、わたしは暑いのが苦手なので、今ぐらいのひんやりぐらいな気候の方が好きなわけですが、気温が25度とかを超えている日々だと、わたしはですね、便座の電源をオフにしているわけですよ。急な話ですが。で、ですね、今日の朝、よっこらせ、と便座に座ったらですね、その冷たさに思わず「ひゃんッ!?」とか、もう完全に不意打ちだったので、飛び上がるぐらいビクッ!としたわけです。すかさず電源オンにして、数秒でじんわりと温まってゆく便座に、ああ、日本って素晴らしいとか思ったわけですが、まあ要するにそれだけ寒くなってきましたなあ、という時候のご挨拶と、最近やけにこの『鮫島』ニュースは海外からのアクセスをいただいているようなので、海外にお住まいの方はこの電熱便座の恩恵にあずかっているのだろうか……とぼんやり思った次第です。はい。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年47号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシです。紙雑誌版は欅坂の渡邉理佐嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:届いた震動の巻。いよいよ終盤、手嶋先輩最後の覚悟が発動しますよ!
 ■刃牙道:ガラス玉の巻。刃牙の準備も体の方は完了しているようですが……。
 ■BEASTERS:イブは林檎を食べたからの巻。いよいよ最初の食殺事件に戻るのかな。
 ■出陣!昆虫武将チョウソカベ:殿と魔王の巻。ついに第六天魔王様登場です!
 ■囚人リク:完璧の巻。P126とP130の表情の違いが凄いすw
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週、ついに決着のついたVS【天雷】戦。結果は鯉太郎の掬い投げによる勝利で、これで鯉太郎は負けなしの11連勝となりましたが、その一方で、【天雷】は鯉太郎が「その先」へ行ってしまうことを止められず、一人で踏み込んでゆく孤独について行ってやれない自分に涙を流したわけです。そして鯉太郎も、勝利したとはいえ体はもうボロボロ、花道で肩を貸した石川くんも、その、もう終わりが近いという状態に気付いてしまった所までが描かれました。
 今週は、ある男の支度部屋の様子から始まります。
 ある男―――それは【王虎】さんです。付け人が【王虎】さんに、そろそろ、と声をかけ、鯉太郎の様子も【王虎】さんに伝えます。「ちなみに鮫島は…まだ診療所でブッ倒れてるみたいです…」
 それを聞いた【王虎】さんの表情がヤバいすよ。ほぼ1ページブチ抜きに近い大ゴマでつぶやきます。「チッ…失望させる…」
 なんすかもう! のっけからやけにカッコイイすねえ! そして場面はまさしく「ブッ倒れている」鯉太郎を常松や豆助、大吉たちが看護している様子に移ります。こりゃあ、本当にもうヤバいじゃあ済まないのでは……どうも脱水&熱まで出ている模様です。
 そして、客席では椿ちゃんが悲しそうな表情でうつむいています。脳裏に再現されるのは、セクシー女医でお馴染みの美和子先生のあの一言。「彼の体は…もう限界だと思う…よく見ててあげて…手遅れにならないように…」
 そんな、しょんぼりした椿ちゃんの元に、石川大器くんがやってきましたよ! 君は本当に、気が利く青年ですなあ! ちょっと顔貸してくれるか……? と連れ出す大器くん。
 しかし場面は土俵上に戻ります。結び前、【王虎】さんVS非情の【百雲】関の一番です。場内大歓声。NHKアナは虎城理事長に話を振ります。この一番どうですか、と。理事長は、今の【王虎】は心身ともに充実している、けれど、そういう時こそわずかな隙が生まれるかもしれない、結局は、「百雲は己を貫き王虎に侵食できるかどうか…互いの思想…イデオロギーの強さが勝敗を分けるかもしれませんな…」ということらしいです。となると……VS常松戦で見せた通り、【百雲】関はすべてを捨ててでも、非情をもって横綱を倒すという覚悟がもう既に完了しているわけですが、果たして【王虎】さんに通用するのでしょうか……。なんというか、【王虎】さんは、【天雷】のいう「孤独」に、とっくに足を踏み入れて、一人で横綱【泡影】への道=相撲そのものの道、を切り開いているような気がします……。この取組もやっぱり大注目ですなあ!
 そして描写は、国技館の外に出た椿ちゃんと大器くんに移ります。大器くんは、さっき鯉太郎に肩を貸したときに気づいたことを、椿ちゃんに伝えます。どうもあれは、あまりにも自分と同じ、すなわち「慢性外傷性脳症」かもしれねえ、と。今、Wikiで初めて知りましたが、いわゆるボクシングの「パンチドランカー」として我々が知っているこの症状は、死後の脳の病理学的検査でしか診断することができないんだそうです。ともあれ、椿ちゃんは大ショック。あんなに相撲に一途で、あんなに相撲が大好きな奴なのに、なんで、どうしたらいいの……と悲観に暮れるしかありません。大器くんは言います。アイツのことだから、きっと誰にも言わない、たとえ兄弟弟子や親方にも。そして何より、今、鯉太郎がそういう体の変調があったとしても、自分から止まることはないだろう、なぜなら、今の鯉太郎の相撲は、「一番一番良く…いや……えげつねーほど 凄くなってる…」のだから、と。この先、大器くんの長い独白が続きますが、泣けるので引用します。
 「俺には…鮫島がいた…だからここで止まることが出来た… アイツも土俵なら止まれる力士がいるかもしれねえ…でもよ…椿ちゃん…君なら土俵の外から 唯一鮫島を止められるんじゃねーかな…(略) アイツ アホだろ…もし俺と同じなら多分1人で抱えてると思うんだ…なっさけねーけど…俺には何もできねーから…もう土俵を降りちまった俺には…止めてやることも隣に立ってやることも出来ねーから…ダチなのに…だから椿ちゃん…悪ーけど…本当…なっさけねーけど 頼むわ…鮫島を…孤独に突っ走らせないでくれ…頼む…」
 まあ、つまり大器くんも【天雷】同様の気持ちなわけですが、しかし仮に椿ちゃんが止めても、鯉太郎は止まらないでしょうし、そもそも、椿ちゃんも最終的には行ってらっしゃいと送り出すような気がしますね……これは来週以降が大変楽しみ? というか、気がかりですなあ……。
 さて、土俵上では、時間いっぱい、いよいよハッキョイ直前です。場内は、【百雲】関へのひどいブーイングが響いています。しかしそんな中でも【百雲】関はいつも通り、フン…とお構いなし。そんな【百雲】関へ、【王虎】さんが声をかけて今週は終わります。
 「おい……つまらねー相撲取るんじゃねーぞ…俺は今…」
 そしてページをめくると! 1ページブチ抜きの【王虎】さんが!
 「機嫌が悪い……」
 やっばい!! 【王虎】さんが激怒してます!! そしておっそろしくカッコイイ!! さんざん悪党だった【王虎】のくせに!! 【王虎】さんが何に対して怒っているのか、それは恐らくは鯉太郎に対してでありましょう。「相撲に選ばれた」【王虎】さんにしてみれば、「天雷との取組ぐれーでへばってんじゃねえよ、アホが!」ぐらいな気持ちなのかもしれません。【王虎】さんにとっては、鯉太郎はラスボス横綱【泡影】への重要なアイテム、これを取らないと【王虎】さんの考える相撲道はエンディングを迎えられないということでしょうか。まさしく修羅道ですなあ……! この怒れる【王虎】さんに、【百雲】関の”非情”は通じるのか!? わたしとしては、久しぶりに凶悪【王虎】さんの相手の腕をへし折る勢いの小手投げが見たいすねえ! 来週がもう楽しみでならないす! 
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 10日目現在9勝1敗
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。   
 今週からは「その後」が始まりましたが、描かれたのは2つ、ひとつは【天雷】に勝利はしたもののブッ倒れた鯉太郎を心配する石川大器くんが、椿ちゃんに想いを託し、縋る姿です。悲痛ですなあ……。そしてもう一つは、【王虎】さんの怒り、でありました。果たして椿ちゃんは鯉太郎を止められるのか、そもそも止めようとするのか、そして怒れる【王虎】さんは、その怒りを半ば八つ当たり的に【百雲】関にぶつけ、あっさり勝つのか、それとも【百雲】関の”非情”が隙をつくのか、と大変ドキドキな展開であります。恐らくは、椿ちゃんとともに、師匠である【仁王】兄貴こと現・空流親方も、当然事態を察しているでしょうから、ひょっとしたら鯉太郎へ「どうすんだ?」が発令される事態もあり得るのかもしれません。しかし、椿ちゃんでも、親方でも、鯉太郎を止められないでしょうなあ。止められたら物語終わっちゃうし。椿ちゃんや大器くん、そして常松や白水兄貴、親方といった部屋の家族たちの想いを、鯉太郎はどう受け止め、さらに「その先」へ征こうとするのか。そこがどうやら一番のポイントになりそうですなあ。はあ……どういう形で完結を迎えるにせよ、泣くしかないすねえ……。最後まで、応援したいと存じます。以上。

↓ やっぱり、どうしても矢吹丈が重なりますなあ……全巻まとめ買いするか……映像も最高す。「好きなのよ矢吹くん!あなたが!」という葉子お嬢様の声が脳裏に響きます。。。

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2016-07-22