わたしは、かつて仕事において「女性に絶大なる人気を誇るコンテンツ」について、かなり真面目に調査をしていたのだが、その調査の一環で、10年前に大人気だった(今でも大人気だが)『テニスの王子様ミュージカル』を10回ぐらい観に行ったことがある。確か一番最初は、取引先の女子が大好きだということを聞いて、オレも連れてってください! とお願いして連れて行ってもらい、その後、会社に生息する女子オタのみんなとも行くようになった。
 わたしが「女子向け」作品を調べていたのは、ズバリ言えばビジネスのためであり、その流れで宝塚歌劇も観に行くようになったのだが、そもそもわたしは、何か大好きなものを熱く語る女子に非常に惹かれるというか、そういうときの女子が一番かわいいと思っている。そして一緒に『テニミュ』を観に行った女子たちも、まあ、会社では見たことのないような笑顔であり、そして、わたしは今でもその光景をよく覚えているのだが、『テニミュ』が終わってカーテンコールで場内が明るくなった時、わたしは振り返って客席の淑女の皆さんがどんな顔をしてるんだろう? と観てみたことがあるのだが、あの時の、なんとも嬉しそうに輝く数百人の女子たちの超イイ笑顔を観て、ああ、こりゃあ凄い、とある意味感動したのであった。
 そのころの『テニミュ』は、ほぼたいてい、会場は神宮球場の横の「日本青年館」であった。最後の方は水道橋のJCBホール(現在のTOKYO DOME CITY HALL)に移ってたかな、まあとにかく、わたしとしては「日本青年館」=『テニミュ』なのである。しかしその日本青年館も、老朽化もあったのだろうが、改築のために取り壊され、現在、跡地は東京オリンピックへ向けた国立競技場建て替えの資材置き場(?)となってしまっているのだが、昨日の月曜日の真っ昼間、わたしは、新たに生まれ変わり(そして場所もちょっと移動した)新装オープンしたばかりの、新生・日本青年館へ推参したのである。
 その目的は―――新生・日本青年館のこけら落とし公演となる、宝塚歌劇団星組公演『ATERUI 阿弖流為』を観劇するためである! そう。わたしが一番愛する星組の、一番愛するスター、礼真琴さん(以下、こっちんと略)の東上初主演公演である! やったぜこっちん! こっちんは、現在星組の2番手スターという地位にいるが、これまで、単独主演公演を2回こなしているものの、両方とも宝塚バウホール公演であった(そのためわたしは観られなかった。くそう!)ため、東京での主演は初めてなのであります。そしてそれが、記念すべき新生・日本青年館のこけら落としなんて、こっちんを愛するわたしとしては、何があろうともその初日に駆け付けなくてはならないのである。そう、例え平日の昼間、というリーマンには到底厳しい状況であろうとも、それは絶対に行かなくてはならんのです! はっきり言って、この初日に青年館に行くこと以上に重要な仕事なんて、あるわけないよ。というわけで、わたしは自らの立場と職権を乱用し、11時からの打ち合わせを、あ、オレ、今日12時で出ちゃうから、と言い切ってぶった切り、タクシーを飛ばして青年館へ駆けつけ、こっちんのウルトラカッコイイダンスと歌に酔いしれてきたのである。いやー、まあなんつーか……一言で言うと、最高でした!!!
aterui
 あかん、映り込みがひどいな……本物のポスターは最強カッコエエのはもはやいわずもがなであろう。それでは、書き留めておきたいことがいくつもあるので、いいことも、うーん、なことも、箇条書きでまとめておこうと思う。
 ◆物語は……
 すでに当Blogでも書いたように、わたしは原作小説を読んで予習してから観に行った。原作は、高橋克彦先生による『火怨 北の耀星アテルイ』という作品で、ストーリーに関しては以前書いた記事をご覧いただきたいが、簡単にまとめると、時は奈良時代から平安時代にかけて、朝廷の手の及ばぬ北の民、蝦夷(えぞ、じゃなくて、えみし)の英雄・阿弖流為の苛烈な戦いを描いたもので、その結末は涙なくしては読めないお話である。登場人物も非常に多く、この物語をこっちん主役で描いたら、超とんでもない感動大作になるに決まってるぜ! とわたしは確信し、昨日を大変楽しみにしていた。
 が――ズバリ言うと、まあ実際のところ心配していた通り、物語は相当なダイジェストになっていて、原作小説に激しく感動してしまったわたしとしては、若干物足りなさは感じた。これはですね、ぜひ、原作小説を読んでもらいたいと思う。そして、原作小説を読んでいると、こっちんの歌う歌がもっと胸に響くというか、感動は増加するように思う。つかむしろ、原作を読まないで観て、お話が理解できるのかどうか、わたしには良くわからない。とにかく相当な駆け足&ダイジェストであるのは、残念ながら間違いないと思う。まあ、原作は23年間にわたる物語なので、実際しかたがないけど。
 ◆じゃあなに、面白くなかったとでも?
 いやいやいや、そんな事は全くなく、非常に面白くカッコ良かったと断言しよう。まあ、ポイントとしては、当たり前だけど以下の3つであろうと思う。
 1)こっちんがウルトラ超カッコイイ。
 まあ、こっちんは現役ジェンヌの中で最強レベルの歌ウマであることは誰しも認めると思うが、歌はもちろん、ダンスも超イイ。そしてお芝居というかセリフ回しもグンバツであり、わたしがこっちんファンであることを差引いても、たぶん、ヅカファンなら誰しも、こっちんの強力な歌に酔いしれ、鳥肌モンだぜ、と思うに違いなかろうと思う。間違いないす。やっぱり、ショーヴラン役を演じ切ったことが効いてますなあ。こっちんは、2番手という立場上、TOPスターが演じる主役の敵役を演じることがこれからも多くなるだろうと思う。だけど、TOPというか主役が輝くのは、敵役がカッコよくないといけないわけで、わたしとしてはこっちんには、まだまだ敵役を恐ろしくカッコよく演じ続けて、その芸を磨いてほしいと勝手に思っている。実はショーヴランはあと1年以上先に演じてほしかったとわたしは思っている。TOPになる直前の集大成として、ショーヴランを演じたら、超最強にヤバいことになったんじゃねえかなあ、という気もしている。こっちんのショーヴランは、確かに素晴らしかった。それは100%間違いない。けど、こっちんファンのわたしでも、やっぱりいまだ柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)のショーヴランの迫力と衝撃の方が、まさしく伝説ともいうべき凄まじい印象を残しているわけで、まあ、比較するのはこっちんに対して失礼かもしれないけれど、間違いなくこっちんは、将来その域に達するものと信じてます。そして、今、主役として阿弖流為をカッコ良く演じ切った経験は、必ず力になるとわたしは感じたのであります。本当に素晴らしかったよ。
 2)くらっち! よくぞ星組に来てくれたね! あなた最高ですよ!
 いやーーー。前作『スカーレット・ピンパーネル』でのマリー役でその歌ウマ&演技上手な片鱗を見せつけてくれた有沙瞳(通称:くらっち)ちゃんですが、今回も実に素晴らしかった! 雪組からやってきてまだ2作目だけれど(※宝塚のスターは「組替え」といういわば人事異動があるのです)、最高じゃないですか! 98期生ということで、こっちんの3学年下か……わたしの眼には完全に、数年後こっちん&くらっちがTOPとなっている図が浮かびますが、どうでしょうなあ……娘役はTOP適齢期が男役よりも短いので、こっちんがTOPになるまで待っていられるかどうか……もう98期同期の真彩希帆ちゃんは雪組でTOPになってしまったし……かなり微妙な気もするし、ピッタリなような気もするし、何とも難しいですなあ。いずにせよ、くらっちは現状の娘役TOP以外では、相当上位の実力ある娘役だと思う。こっちんとのデュエットも超最高でした。顔も声も、大変かわいいと存じます。身長も、こっちんとちょうどいいんじゃないかしら。
 3)せおっち田村麻呂を始め、キャスト全員イイ!
 現在、我が星組は、2班に分かれて公演を行っている。TOPスター紅ゆずるさん(以下、紅子先輩と略)率いるチームは、梅田芸術劇場にて、今年の初めに東京国際フォーラムでお披露目された『オーム・シャンティ』を再演中である。なので、こっちん率いる東京『阿弖流為』チームは30人ほどのメンバーだったそうだが、若手中心で、みんなとても生き生きと素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたと思う。とりわけわたしの目を引いたのは……いっぱいいるんだけど、まずは、こっちんと同期の95期生の二人、瀬尾ゆりあさん(通称:せおっち)とひろ香祐さん(通称:ひーろーくん)を挙げたい。
 まず、せおっちは、物語のもう一人の主役ともいうべき、朝廷側の坂之上田村麻呂を実にりりしく美しく演じてくれた。この『阿弖流為』という物語は、田村麻呂がカッコ良くないと感動的にならないので、せおっちには大変期待していたのだが、わたしの期待は完全にかなえられたといってよかろうと思う。大変失礼ながら、これまでで最高にせおっちをカッコイイと感じましたね。もうチョイ歌うシーンがあればなあ。そしてひーろーくんが演じたのは、原作では阿弖流為の仲間の中で一番明るく好戦的でキャラの立っている伊佐西古だ。原作小説での彼の最期は涙なしには読めないすよ。今回は最後がちょっと違っていたけど、ムードメーカー的な伊佐西古(いさしこ)を魅力たっぷりに演じてくれたと思う。二人とも素晴らしかった。
 そして、原作小説では、その最期が一番泣ける、阿弖流為の軍勢で軍師として知略をもって戦う男、母礼(もれ)を演じた綾凰華さん(通称:あやなちゃん)、そして阿弖流為の最期まで常にそばに従う蝦夷最強の男・飛良手(ひらて)を演じた天華えまさん(通称:ぴーすけくん)、この二人の98期組も素晴らしかったすねえ! 星組の次期スター候補生たちですが、あやなちゃんは秋には雪組に移動なんだよなあ……星組ファンとしては寂しいけど、雪組でも応援するよ! そしてぴーすけくんは2作続けて新人公演主役を演じ切って、ぐんと成長したような気がしますね。二人ともお見事でした。
 もうきりがないから最後。今回、わたしが結構びっくりしたのが、わが星組組長、万理柚美さん(通称:ゆず長)が、なんと桓武天皇の役を演じていたことだ。ゆず長様が男の役を演じることがあるんすねえ!? つか、もしかして桓武天皇って、女帝? とか思って思わず調べちゃったけど、そんなことはなく普通に男性のようで、いつもは大変お美しいご婦人を演じることの多いゆず長様が男を演じていてかなり驚いた。今までも男の役を演じたことがあったのかわからないけど、まあ、その意外な低音ボイスは、ゆず長さま、さすがっす!と思いました。そういえば初日なので、組長挨拶とこっちん挨拶がありました。何を話してくれたかは書きません!

 はーーー。もうこのくらいにしておくか……あ、あと、新生・日本青年館なのだが、わたしは今回、1階席の後ろから3列目ぐらい、のド・センターで観たのだが、結構客席の傾斜が大きくて、後ろの席でも超よく見えました。宝塚大劇場や東京宝塚劇場は、座席が前の列とズレていて、見やすく配慮されているけど、前の列の人がでかいと超邪魔じゃないすか。でも、新生・青年館は、席はズレてなくて真ん前に座席があるけれど、段差が結構あるので、全然平気でした。なんか噂では2階席は観にくいらしいすね。
 それともう一つ2017/08/02追記!なんで大劇場公演以外はDVDしか発売しないんだよ劇団!! いまさらDVD画質で満足できるかっつーーの!! なぜBlu-rayで発売しないのか、マジで理由が分からんわ!!! ガッデム!

 それでは、最後に恒例の今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「ともに死んでくれるか?
 「初めからそのつもりだ
 今回は、いっぱい泣かせるセリフがあったのだが、ラスト近くの阿弖流為と母礼の泣けるこれを選びました。でも、正確なセリフとはちょっと違うと思います。わたし、実は気に入ったセリフは忘れないようにすぐにメモをしてるんですが、なんと! 愚かなことに! メモ帳を座席に置来っぱなしで忘れてきちゃった……恥ずかしいっつーか、誰かが見たら、死ねる……w アホだった!

 というわけで、結論。
 日本青年館が新装オープンし、そのこけら落とし公演として、わたしの愛する宝塚歌劇の、一番好きな星組の、その中でも一番応援している礼真琴さん主演の、『ATERUI 阿弖流為』を、その初日である昨日の13時に観に行ってきたわたしであるが、結論はただ一つ。最高です。こっちんの歌は胸に迫り、その演技やダンスは非常に素晴らしかった。共演陣も、ヒロインのくらっちは美しくかわいく、同期のせおっちやひーろーくん、そして次期スター候補生のあやなちゃんやぴーすけくんももちろん素晴らしかったと断言できる。惜しむらくは公演回数が少ないことか。一応、もう1回観に行く予定なので、再びこっちんのすべてに魅了されて来ようと思います。そして今度こそメモ帳を忘れないように、セリフも覚えてきます! 以上。

↓ マジ最高に泣けます。原作小説は読んどいたほうがいいと思うな……。その方が事件の背景だとか、キャラたちの関係性がより理解できると思う。まあ、詳しくは過去の記事を読んでください。