はーーーやっぱすげえなあ……
 と、いうのが、昨日3回目の観劇となった、宝塚歌劇・星組公演『THE SCARLET PIMPERNEL~スカーレット・ピンパーネル』の感想である。そしてもちろん、わたしが「すげえ」というのは、わたしが一番応援している礼真琴さん(以下「こっちん」と略)の歌唱力である。たぶん、まったく宝塚歌劇に興味がない人が聴いても、間違いなく10人中10人が、その歌唱力に凄いと感じるのではなかろうか。
 というわけで、もはや3回目なので、書くことがないのだが、愛するこっちん演じるショーヴラン氏のカッコよくも残念なセリフと、男目線からすれば、ちょっとヒドイよ!と言いたくなるヒロイン・マルグリットの塩対応をいくつかメモして短く終わりにします。

 しかし、やっぱり物語的には結構突っ込みどころが多いんだよな……それでも歌が素晴らしすぎて文句を言うつもりはありません。物語としては、フランス革命期の1794年、ルイ16世とマリー・アントワネットをギロチンで処刑し、ロベスピエール率いるジャコバン党が革命政府として実権を握っていた時代、イギリス貴族のパーシヴァル・ブレイクニー(通称:パーシー)が、「スカーレット・ピンパーネル団」という秘密組織を結成して、フランス貴族がイギリスへ亡命するのを助けるというものである。パーシーは、あえてお気楽でおバカな男であると周りに思わせながら、ひそかにルイ16世の遺児、ルイ・シャルル奪還を目指していた―――というのがメインストーリーで、妻となった元コメディ・フランセーズの女優マルグリットにも正体を隠しながら活動を続けていて、その秘密が夫婦の仲に亀裂をもたらす、が、最終的にはめでたしめでたしとなる宝塚らしいお話だ。
 で、問題のショーヴランという男は、革命政府でロベス・ピエールの手足となって働く公安委員会の将校的な男で、元々は貴族に虐げられていた下層市民出身であり、革命初期は革命の女闘士として名を馳せていたマルグリットと付き合っていた(?)ようで、要するにマルグリットの元カレである。
 そんな3人を軸に物語は展開されるのだが、まあ、とにかくショーヴラン氏が気の毒で……。というわけで、その名言というか残念なセリフを3つ、紹介しよう。なお、わたしの記憶にあるものなので、正確なセリフと微妙に言葉が違うと思います。

 <マルグリットがパーシーと結婚することを知り、若干まじかよ的な気持ちながら、とあるフランス貴族の居場所を教えろ、と脅した後のセリフ>
 マルグリット:もう、あなたには二度と会いたくないわ!
 ショーヴラン:(ニヤリ……)ふん……オレはまた会いたいね……!

 <フランス革命政府全権大使として、イギリスにわたったショーブラン。プリンス・オブ・ウェールズ主催の仮面舞踏会で、マルグリットに出会い、この舞踏会にスカーレット・ピンパーネルが来ているはずだから、オレに代わって情報収集しろ、でないと弟をぶっ殺す、と脅した時のセリフ>
 マルグリット:そんな、わたしにはできないわ!
 ショーヴラン:(お前は女優だろう? というニヤリな顔で)演ずるんだ、あざむけ! 弟のために!!
 マルグリット:あなたは……地獄に落ちているわ!
 ショーヴラン:(クックック……何とでも言うがいい、な表情)

 <ラスト近く、何もかもうまくいかず、ルイ・シャルルの身柄を奪還されてしまったショーヴラン氏。そこにダメ押し的なマルグリットのキッツイ一言>
 マルグリット:わたしが愛したのは、革命の夢!あなたはその一部分でしかないわ!
 (※追記:↑のマルグリットのセリフは1幕のロンドンにやってきたショーヴ氏に言うセリフでした。ラストじゃなくわたしの勘違いす。このセリフの後、ショーヴ氏は「君はどこに」をちくしょーとばかりに熱く歌う)
 ショーヴラン:(わなわな……)このオレを……愛したことはなかったというのか……!?
 マルグリット:(ショーヴランを見ず、くるっと正面(というか客席)を見て)ないわっ!!
 ショーブラン:(ガーン!とショック)……ククク……わっはっは! そうか、ならばその真実の愛とやらを堪能するがいい!!
 
 いやあ、もう、そういわれたら笑って、勝手にしろ、お幸せにな、としか言いようがないすよ、男としては。つらいす(笑。しかし、貴族に対して革命を起こしたくせに、貴族と結婚するマルグリット……これまた男目線からすると……やっぱり理解できないす。

 というわけで、さっさと結論。
 3回目となる『THE SCARLET PIMPERNEL~スカーレット・ピンパーネル』だったが、回を重ねるたびに、わが愛しのこっちんはどんどんと凄みを増しているように見える……というのはファン目線の贔屓目だろうか。いいのそれでも。とにかくこっちんは最強に歌がうまく、カッコイイのでありました。そして、ショーヴ氏は何度見ても、気の毒ですw
 わたしの希望としては、こっちんには2024年の、宝塚110周年の時に、星組のTOPスターでいてほしいのだが……仮に5年とか長期政権を築くとしても、2019年ぐらいにTOPになり、2020年もTOPに君臨し、2024年の110周年をTOPで迎え、10年ごとに開催される運動会にも参加してほしいものです。なので、紅子さんにはぜひ、2019年前半まではTOPでいてほしいなあ。勝手な願望、サーセン。以上。

↓ なんかやっぱり読んどいたほうがいいような気がする……原作小説です。
紅はこべ (創元推理文庫 507-1)
バロネス・オルツィ
東京創元社
1970-05