というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、いよいよ開幕した大相撲平成29年5月場所、通称夏場所ですが、なかなか波乱の展開であります。昨日4日目終了時点で、横綱・稀勢の里関は2敗。やっぱりどうも左が万全ではないようですな。しかし弟弟子の高安関が元気いっぱいです。今場所でいい成績を残せば大関昇進となるわけで、大変期待できそうです。一方で、わたしの応援する黒ブタくんこと松鳳山関は未だ勝ち星なしの4戦4敗。大変心配ですが、どうか頑張って! そしていよいよ公開された「北斗三兄弟」の化粧まわしですが、よく考えたら当たり前だけど……横綱は、その名の通りぶっとい綱(注連縄)を締めて、さらに紙垂をつけているわけで……凛々しく描かれたラオウ様がまるで見えない!のは大変残念です。まあしょうがないすけど……でも、露払いを務める松鳳山関の化粧まわしに描かれたトキはカッコイイすねえ!! 裕也よ、その化粧まわしにふさわしいカッコイイ力士になるのだぞ!
 はー。以上。では、まずは週刊少年チャンピオン2017年25号の概況です。
 ■巻頭グラビア:宮本佳林嬢。ハロプロの方だそうで大変お可愛いですな。
 ■『弱虫ペダル』:橋の上の決着!!の巻。えーと、ちょっと無理があるような……。 
 ■『刃牙道』:侠客立ちの巻。えーと、この話、もう何回目だろうか……。
 ■『BEASTERS』:ボディガードは神妙にの巻。狙われるルイ先輩、守るレゴシの巻。
 ■『囚人リク』:荷物の巻。やっと合流したリクとレノマ。さっさと移動しないと!
 ■『Gメン』:兄の懺悔の巻。なかなかイイお約束展開ですね。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。
 
 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。今週は巻頭カラーですよ! 何とも晴れやかで華やかな、まさしく初夏といった浴衣姿の空流の戦士たちが見開きカラーで描かれていますので、これはぜひチャンピオンを買ってご確認ください! 電子書籍だと、見開きの絵は切れ目がなく大変美しい一枚絵として観ることができますなあ。
 前話では、【百雲】関の悲痛(?)な決意が描かれ、いよいよ対する【松明】関こと常松との取組は時間いっぱい、ハッキョイ、までが描かれました。今週は、数秒時間をさかのぼって、時間いっぱいから、NHKアナが虎城理事長に、勝負のポイントは、と話を振るところから始まります。理事長曰く、出だしは【百雲】がエルボーをモロに当ててカチ上げに来るだろうから、【松明】がそれにどううまく対応するかでしょうな、だそうです。そして土俵上の常松も、同じことを考えています。さすがデータ力士、【百雲】の放つ嫌な気を当てられても冷静ですね。常も、「もらえば間違いなくアウト……」と【百雲】のエルボーアタックは警戒していますが、「一見ただ粗いだけの粗悪な戦法に思えるが 恐怖を主体にした隙の少ないよく考えられた攻め」と【百雲】の戦型の本質をちゃんとわかっているようです。空流の軍師と言われるだけありますな。そして、それが分かっていて、なら必要なのは……と常は決意の表情、いよいよハッキョイ、正面から二人は立ち合います! その真っ向勝負に【百雲】は「アホが…」と容赦ないエルボー。しかし! 我々は知っています! 常の右肩のこぶの意味を! そうです! 常もまた、右ショルダーアタックでのカチ上げを得意とする男ですよ! 常の右ほほをかすめる【百雲】のエルボー。そして下から【百雲】の右腕を、常は右肩でカチ上げます! よっしゃ! いいぞ! NHKアナも、あ―――!!?と絶叫、虎城理事長も、やるな、的なお顔です。そして! なんとその常のカチ上げに、あの男がこんなことを言います!
 「フッ…勇気あるじゃねーか…常松…」
 なんとここで王虎さんからまさかのお誉めのお言葉です! 王虎さん! なんか宮田くんみたいじゃないですか! ヤバイ、王虎さんがどんどんカッコ良くなっていく! まあ、王虎さんと常の因縁ももはや懐かしいですな。わたし的には今週はこの1コマでもう満足です。
 そしてこの後は、【百雲】と常のハイスピード&レベルの高い戦いが繰り広げられます。左を取りたい常、そしてそうはさせじと攻撃を繰り出す【百雲】。その応酬を制したのは常です。とうとう左をがっちりホールド! 場内大歓声、松明(まつあかり)コールが国技館に響き渡ります!
 しかし―――。ここで一人、大歓声の国技館で呆然とする男がいました。そうです。常のクソ親父です。ここから親父の現役時代の回想に入ります。なんと、現役時代の四股名【松明(たいまつ)】の名付け親は、当時の大関【火竜】、すなわち鯉太郎の父であることが明かされました。そういや【火竜】は虎城理事長こと元横綱【虎城】と同部屋だったので、横綱【虎城】の付け人だった常の親父とも同部屋だったわけすね。そしてどうやら、当時は常の親父は【火竜】と仲が良かったようで、
 「おうよ…生き様に火を点けて燃え上がるのよ 土俵でな…」という思いがこもった四股名【松明(たいまつ)】だったそうです。しかし現在の国技館に響く【松明(まつあかり)】コールを聞いて、常の親父の脳裏には当時のことが思い出されます。必死に稽古を積んできたのに、なかなかいい成績が残せず、しょんぼりしていた時に、「諦めんな!飾りじゃねーぞその四股名は!燃やしてみろ もっと!」と激励してくれたのは、弟弟子だけど先に出世した大関【火竜】でした。そしてその【火竜】はまさしくその言葉通りに、土俵上で燃えたぎり、「見てたか松明!こうやるんだ!」と身をもって示す頼もしい弟であった思い出。そしてその激励に応えるべく、渾身の一番で勝利した時――【松明(たいまつ)】が得たものは……ガラガラの観客席から聞こえてくる、ちょっとした拍手のみ。まあ、幕下以下では、そりゃあ観客は少ないでしょう。親父は、ここで悟ってしまいます。
 「人には…持って生まれた分てのがある…その分を超えたものを望んでも 得るのはみじめさだけだ…」
 かくして常の親父【松明(たいまつ)】は横綱【虎城】の金魚のフン的な、男芸者と蔑まされる男に堕ちてしまったようです。うーーん……これは、しょうがないじゃすまされないと思うけど……やっぱり、にんげんだもの……な理解をしてあげるべきですかねえ……
 というわけで、そんな過去を、常の親父は国技館を埋め尽くす【松明(まつあかり)】コールの中で思い出していました。現在時制の親父は、そんな場内で一人、つぶやきます。
 「さっさと終われ、お前は俺のガキだ、分を超えてんだ、この声援は…」
 ちょっと! あんた、一人すねてないで、うつむいてんじゃないよ! 土俵を観ろよ! 土俵で戦う常を見やがれこのクソ親父! 「お前の名は…その名は…輝かねぇんだ…」じゃねえっつーの!!
 土俵上では、【百雲】の鋭い左の突き、からの、右の強烈な張りが、左をがっちりホールドする常の左ひじにヒット! ゴギッっと嫌な男が響きます! 見開きで描かれるこの一撃は、若干極まって常の左ひじがあらぬ方向へ!? こりゃあヤマ行ったか!? と思わせる迫力の絵で描かれています。そしてそこへ、【百雲】の左エルボーが常の顔面を襲う―――!!? というところで今週は終了でした。
 いやあ、常の親父はクソですが、そう言うのは簡単なわけで、やっぱりみつお的な理解を示したくなっちゃう……けれど、あんた、生き様を燃やして戦う息子をちゃんと見てないのは、そりゃあ男としてダメですよ。そしてその姿を観れば、感じるものがあるでしょうに……それでもあんた、分を超えてる、みじめだ、なんて思うのかね……。いったい、「分」って何かね……!? と菅原文太的に聞きたくなりますな。
 しかしそれにしても、やっぱり【百雲】は強い! さすがは勝つためにすべてを、愛すらも捨てた非情の男よ……。俄然面白くなってきたVS【百雲】戦ですが、果たして勝者は!? いや、まあ普通に考えたら常でしょうけど、常の勝利で、【百雲】に、そしてクソ親父に光が照らされるといいですなあ! いや、今週も最高だったす。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけどその後は不明
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。64連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 
 というわけで、結論。
 今週は、常VS【百雲】戦の立ち合いからの攻防、推定10~20秒ほどが描かれました。【百雲】もやっぱり強い! そして常の親父の堕天ぶりも、だいたい事情は判明しました。この親父を許せるかどうか、まあ普通は許せませんが、おそらくは、誰しも年齢を重ねていくと、許せないけど理解はできるようになっちゃうような気がしますね。しかしだからと言って、自分の息子の生き方まで決めつけないでいただきたいですな。息子は、いつだって親父のようになるまいと足掻くものなんじゃないすかねえ。そして結局、ああ、俺もあいつの息子だったと思うかもしれないし、見たかクソ親父!と胸を張れるようになるかもしれないし、そこが男の生き様なのではないかしら。いずれにせよ、常はカッコ良く、そして王虎さんがやけに印象的な第120話でありました。いやー、『鮫島』はホント最高すね! 以上。

↓ 王虎さんと常の因縁は『Burst』で! 王虎を「さん」付けで呼ぶなんてありえない、そう思っていた時期が俺にもありました……