わたしが宝塚歌劇を見始めるようになって7年が過ぎた。
 その経緯は、このBlog上において何度も書いているので、もう書かないが、わたしをヅカ道へ導いてくれた師匠がいて、大変お美しい方なのだが、 実はわたしは師匠とはこの7年間で1回しか一緒に観に行ったことがない。いつも、チケットを手配してくれるやり取りだけで、お互い会社が別々になってからは、お会いすることすら年に数回になってしまった。
 そんな師匠と2か月ほど前、こんなメッセージのやり取りをした。
【師 匠】そろそろあなたの一番好きな星組ね。来週までに希望日時を連絡なさい。
【わたし】押忍!ごっつあんです!いつも本当に有難うございます!承知つかまつりっす!
  <すぐにわたしのヅカ仲間の娘っ子ども×2&お姉さま×1に連絡し、日時を決定>
【わたし】押忍!いつも大変お世話になっております!それでは5月●日の11時の回でお願いします!
【師 匠】あら、そう、承知したわ。ところであなた、ムラに一人で観に行ってきたのよね?どうだった?
【わたし】押忍!ごっつあんです!最高でした!特に、オレのこっちん(※礼真琴さん。わたしが一番好きな人)の超絶なカッコよさにしびれたっす!最強に歌ウマっすね!
【師 匠】あら、さすがことちゃんね。期待しているわ。じゃああなた、わたし達が行くときもいらっしゃらなくて? チケットが1枚空きそうなの。あなたたちの希望日時より前だけどいかがかしら?
【わたし】押忍!ごっつあんです!もちろん参加させていただきます!
【師 匠】あら、よかった。会うのも久しぶりね。楽しみにしてるわ。
【わたし】押忍!ごっつあんです!オレも楽しみっす!
【師 匠】それではよろしくね。チケットは当日開演15分前に劇場前で。
【わたし】押忍!こっつあんです!よろしくお願いシャス!
 というわけで、3月に兵庫県宝塚市に鎮座する「宝塚大劇場」でのソロ観劇から約2カ月。いよいよ東京へやってきた宝塚歌劇団・星組公演『THE SCARLET PIMPERNEL~スカーレット・ピンパーネル』を火曜日の夜、観てきた。2回目となるので、今回は、わたしが一番応援している「こっちん」こと礼真琴さん演じる「ショーヴラン」について思ったことと、宝塚歌劇で頻繁に描かれる、フランス革命の頃の時代背景、それから関係作品について書き留めようと思う。ちょっと、フランスの歴史をおさらいしてみたい、とふと思ったのです。
ScaPim
 まず、今回は上手側ブロックの5列目ということで、非常にいい席だった。おまけに一番左の通路側であり、要するに、銀橋の両サイドにある階段の上手側・真正面というわけで、その位置は主人公がよく歌う場所であるため、もう大興奮の席であった。さすが師匠、半端ないす。ほんとありがたい限りだ。
 で。物語の舞台は、原作小説ではどうやら1792年の話らしいのだが(?)、Wikiによると1789年に端を発したフランス革命において「革命裁判所」が設置されたのは1793年3月であり、「公安委員会」も1793年4月から存在していたそうなので、まあ、その辺りのお話と思っておけばいいだろう。そしてその「革命裁判所」とは、「あらゆる反革命行動、自由、平等、統一の侵害」を裁く法廷であり、「公安委員会」は事実上の革命政府で、人民主権の名の下に権利行使に制限はなく、あらゆる行為は正当化できたそうだ。もちろん、「自由の確立のためには暴力が必要である」として暴力を肯定している。要するに、何でもアリの超ヤバイ存在と言っていいだろう。こういった存在は、現代の民主的な法治国家らしき国に住む我々からすれば、相当胡散臭いというか独裁にしか見えない。我々にお馴染みの独裁者としては、北の将軍様がいるが、まあ比較はできないにしても、とにかくその象徴というかTOPにいたロベスピエール氏が危ないお方ってことは間違いなさそうだ。もちろん、我々の日本だって、昔々は天下を取った奴による事実上の独裁(?)に近い政治形態だったと言えるかもしれないけど。
 本作『THE SCARLET PIMPERNEL』において、我が愛しのこっちんが演じたショーヴランという男は、まさにこの革命政府=公安委員会所属の男で、1幕後半にフランス革命政府全権委任大使としてイギリスへも渡るような存在なので、相当高位にあるのは間違いなかろう。物語としては、その権力を振りかざして主人公を追うわけで、要するに「悪役」である。しかし―――本当にショーヴラン氏は悪い奴なのか? つかむしろ相当かわいそうなんじゃね? と思い、せっせとその件を書こうとしているわたしなのである。

 それでは、以下にフランスの政権の流れをおさらいしてみよう。長いぞ~これは。
 ◆1789年:国王ルイ16世(ブルボン王朝=絶対王政=アンシャン・レジーム)が、三部会を招集。議題は、財政破たん寸前なので増税しますの件。そんな議題に対して、もちろん、唯一の納税者たる第3身分(平民)の怒り爆発、ビビった国王が軍隊出動要請、大暴動へ発展。この辺がまさしく『1789』で描かれたわけで、一部は『ナポレオン』でも描かれているのかな。で、国王、やむなく第3身分が作った国民議会を認定、平民中心で憲法作成に取り掛かるも、まだ主権者は国王であり、そんな平民の主導した法律や憲法なんて認めるか!とか言ってたら、ますます食料すらもなくなってきたパリ市民が大激怒、ベルサイユ宮殿にまで乗り込んできて、マジかよ!とベルサイユを捨てテュイルリー(一応パリ市内)へバックレる。そして一応、「フランス人権宣言」として知られる「人間と市民の権利の宣言」が憲法制定国民議会で採択される。ここでいう「市民」が本作で何度も出てくる「シトワイヤン(Cytoyen)」のこと。英語のCitizenってことかな。意味はちょっと違うけか。
 ◆1790年:この段階ではまだ立憲君主制(=イギリス型の、国王を擁し憲法による統治)を信じる人々が政治を支配。代表選手はミラボー(貴族ではあるけど第3身分代表)やラファイエット(この15年ぐらい前にアメリカに渡り義勇兵としてアメリカ独立戦争に参加。ジョージ・ワシントンとも親しい。アメリカの人権宣言をよく知る人で、第2身分でありながら第3身分の味方。フランス人権宣言の起草者)で、要するに彼らは一応、国王の存在は認めていたってことかな。そしてこの年、ラファイエット氏の発案で、いわゆるトリコロールの三色旗が革命のシンボルになる。
 ◆1791年:貴族は続々とフランスから国外へ亡命。折しもミラボーも亡くなり、いよいよヤバいと不安になったルイ16世は、妻のマリー・アントワネットの実家(=オーストリア・ハプスブルグ家)に逃げようと密かにパリ脱出、しようとしたところ(この時に脱出の手助けをしたのが「ベルばら」でお馴染みのスウェーデン貴族ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン様!)、あっさりパリ市民に見つかり、あんた逃げる気かよ!ふざけんな!と取っ捕まる。
 一方妻の実家(オーストリア)は、うちの国にも革命の嵐が来たら超迷惑だし、万一うちの娘(とその旦那)の地位をどうにかするようなこと考えてんだったら、てめえ、戦争吹っ掛けるぞこの野郎! という脅し(=ピルニッツ宣言)を神聖ローマ帝国及びプロイセンと共同で革命政府に伝達。なお、Wikiによると、まったくのなんちゃって宣言のつもりだったらしいのだが、受け取った革命政府は、やっべえ!最後通牒キタ!とやおら慌てることに。結局、じゃあルイ16世はそのまま生かしといてやらあ、として、立憲君主制を認める「1791年憲法」が成立。
 ◆1792年:事態を読み間違えた革命政府は、うっかり自分からオーストリアに宣戦布告。世にいう「革命戦争」の始まり(1802年まで続くこの長い戦争で、軍人ナポレオンが着々と力をつけていく)。8月にはルイ16世一家を幽閉(=8月10日事件)。また、国内に侵入した敵を押し戻す活躍をした義勇兵の下層民階級(=サン・キュロット)たちの発言力増大。虐げられてきたサン・キュロットたちは、急進思想を応援。その急進思想のTOPランナーがジャコバン派であり、ロベスピエール。そして新しい議会「国民公会」が設置され「第一共和政」が樹立、王政廃止が正式に決定する。ちなみに現在のフランスは「第五共和国」です。もうひとつちなみに、この少し前から、海外のフランス領植民地では人権宣言の影響でムラ―トや黒人奴隷の反乱が相次ぎ大混乱にあった。それが、宝塚的に言うと『カリスタの海に抱かれて』の事件の背景。あ、あの話は正確には革命前夜の事件か。
 ◆1793年:第一共和政政府による革命裁判において、ルイ16世、ギロチンでとうとう処刑される。ついでに王妃マリー・アントワネットも同じく斬首(なお、この時国王死刑に賛成票を投じた人々は、後の王政復古期に粛清対象になって殺される)。パリ市民は浮かれて万歳だが、イギリスやスペインが本気で激怒、フランス侵攻開始。革命政府はヤバい、みなさん、戦いましょう!と兵員募集をするも、無責任な(?)市民は、えーやだよ、と拒否続出、あまつさえ、まだ残存していた王党派と共和派で大喧嘩が勃発、内乱に至ってテロ続発の大混乱。この対立は、基本的にずっと続き、ナポレオン没後の王政復古期(1814年~30年)の動乱として『レ・ミゼラブル』の第2幕でも描かれた。マリウスは共和派の学生さんですな。こういった、国内情勢の不安定さから、ジャコバン派=ロベスピエールは6月に権力を掌握、8月に徴兵制を敷き、独裁政治=恐怖政治=テロリズム、を開始する。Wikiに書いてあって驚いたけど、ロベスピエールさんは、人類史上初のテロリスト(恐怖政治家)だそうです。へえ~。
 
 で、この後の展開はもう駆け足でいいかな。
 この翌年の1794年7月、ロベスピエール氏はあっさり失脚、テルミドール反動と世に知られるクーデターで逮捕、翌日にはギロチンの刃の露と消えたわけですな。しかし、王様を殺し、さらにはそのあとの恐怖政治も倒し、パリ市民はやれやれやっと落ち着いたぜ、となるはずが、当然そんなことにはならない。いわゆる中間層の市民(=ブルジョアジー)に国家を運営するノウハウはないわけで、1795年には国民公会は解散、テルミドール派(=ロベスピエールをぶっ殺した連中)が総裁政府を開き、新しい憲法を制定するが王党派・革命派の争いは収まらないし、外国との戦争も終わらず、ずるずると不安定な国内状況が続く。この国内の動乱を抑えるためにパリに大砲を持ち込んだのが若きナポレオンですな。これはまさしく、柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)主演の「ナポレオン」で描かれたアレですな。この功績で一気にナポレオン人気が高まり、1799年のクーデターでまんまとナポレオンが政権奪取に成功、統領政府を樹立し、かくして1804年、皇帝に就任し、第1帝政時代となるわけです。
 その後、皇帝ナポレオンは1814年に失脚し、フランスは、ウィーン会議による周辺諸国からのゴリ押しで再びブルボン家の生き残り、ルイ18世を王に戴き、王政へ逆戻り。これがいわゆる「王政復古」ですな。ちなみにルイ18世は、ギロチンでぶっ殺されたルイ16世の弟です。こいつが情けない奴で、『THE SCARLET PIMPERNEL』にも出てくるキーキャラのルイ・シャルル(=ルイ16世の息子)が幽閉されているときは、自分だけさっさと亡命して何もしなかったし、いやあ、ルイ17世と名乗っていいのはルイ・シャルル王太子殿下だけに決まってるじゃないですか、とか抜かしていて、ルイ・シャルルが死んだと聞くや、オレがルイ18世です、と名乗って、ロシアにバックレる。そしてナポレオンがロシアに攻めてくると聞けばさっさとイギリスに逃げ、そしてナポレオンが失脚したところでまたしゃしゃり出てきて、王様然とし、ナポレオンがエルバ島から復活して100日天下を奪うと、これまたさっさとバックレて逃亡、しかしナポレオンが1815年にワーテルローで完敗すると、再びフランスに戻ってきてちゃっかり王座に就く。なお、こいつはWikiによると、肥満からくる痛風が悪化して1824年に死去。また、これまたWikiによると、宝塚版『ナポレオン』で北翔海莉さん(通称:みっちゃん)が演じて最高にカッコ良かったことでおなじみの、フランス外務大臣タレーランの言葉によると、「ルイ18世はおよそこの世で知る限り、きわめつきの嘘つきである。1814年以来、私が王と初対面の折りに感じた失望は、とても口では言い表せない。……私がルイ18世に見たものは、いつもエゴイズム、鈍感、享楽家、恩知らず、といったところだ」だそうです。
 そしてこのブルボン朝はルイ18世が1824年に死んだあと、弟(=シャルル10世。つまりこいつもルイ16世の弟で、革命時はロンドンに亡命していた→コイツが『1789』の悪役であるアルトワ伯です!)に引き継がれ、こいつがまたも反動的な王政を敷いて、1830年の七月革命でオーストリアに逃亡・亡命し表舞台から退場する。
 変わって王座に就いたオルレアン公ルイ・フィリップは、若き頃は自由主義に傾倒して革命にも参加した男で、自らが王座に座ると絶対王政を排して立憲君主制を敷くことにする。これが7月王政というやつですな。で、フランスでもやっと産業革命がはじまり、一方で帝国主義的な植民地経営もせっせと行って資本主義的発展を見せる。しかし、そうなると今度は労働者階級(=プロレタリアート)が生まれてしまい、ブルジョアどもともども、普通選挙制度を要求し始め、1832年の6月暴動を招く。この6月暴動が、まさしく『レ・ミゼラブル』で描かれるマリウスたちの戦いですな。まあ、暴動を起こした共和派は鎮圧されてしまうけれど、最終的には1848年の2月革命でオルレアン朝も打倒され、第2共和国が樹立、ルイ・ナポレオン(後のナポレオン3世)が大統領に選出される。この後は、1852年にナポレオン3世の即位(しかも国民投票で選ばれた!)による第2帝政がはじまるわけですが、この年代に何か覚えはないですか? そう、ドイツにお住いの美女、エリザベートさんがオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世のもとにに嫁に行ったのが1853年ですな。はーーーやっとここまで来た。
 そして、フランスは1870年の普仏戦争でプロイセンにぼろ負け、パリ陥落&ナポレオン3世は捕虜に、という屈辱を食らい、以降、フランスという国には王様も皇帝も立つことがなくなると。それで第3共和国になるわけですが、これは第2次世界大戦後まで続き、ナチスの敗北でフランスが主権回復、1946年の新憲法公布で第4共和国が成立、そして1958年ドゴールのクーデターで新政府樹立、第5共和国となって現在まで続く、とまあそういうわけですな。

 はーーー疲れた。まとめるとこういうことかな?
 ◆1789年:ルイ16世(ブルボン朝)による絶対王政
 ◆1792年:ロベスピエール率いるジャコバン派による第1共和政樹立
 ◆1793年:ジャコバンの恐怖政治。ルイ16世&マリー・アントワネット斬首
 ◆1794年:テルミドール反動でロベスピエール失脚。総裁政府樹立。
 ◆1799年:ナポレオンのクーデターで統領政府樹立。
 ◆1804年:ナポレオン皇帝に就任、第1帝政の始まり
 ◆1814年:ナポレオン失脚、ルイ18世即位で王政復古
 (◆1815年ナポレオン百日天下で一瞬復帰)
 ◆1824年:ルイ18世死去、弟のシャルル10世即位
 ◆1830年:七月革命ルイ・フィリップが王座に(オルレアン朝・立憲君主制)
 ◆1832年:6月暴動。労働者階級の発生
 ◆1848年:2月革命でオルレアン朝打倒、第2共和政樹立、ルイ・ナポレオン大統領誕生
 ◆1852年:ルイ・ナポレオン、ナポレオン3世として皇帝に。第2帝政始まる
 ◆1870年:普仏戦争でぼろ負け、ナポレオン3世失脚、第3共和政スタート
 ◆1946年:第2次世界大戦終戦後、ドイツ支配からの解放、第4共和政スタート
 ◆1958年:ドゴールのクーデター発生、第5共和政始まる。そして現代まで継続中。
 なんというか……落ち着かない国ですなあ……しかしこれは、何もフランスだけの固有の問題ではない。どの国も多かれ少なかれ、支配者の変遷は経験してきたのが人類の歴史だろう。わたしがここまで延々とフランスの歴史をまとめて、自分で確認してみたかったことは、果たして一体、悪党は誰なんだということである。
 抑圧され、生命を蹂躙されれば、それに抗い、相手を打倒するのが人間の性だ。それは全く当然の成り行きだろう。しかし、問題はその後だ。自分を踏みつけてきた権力を打倒したはいい。けれど、その後どうなるか。どうやらフランスの歴史をたどると、結局自らも打倒され、代わって次の支配者が登場し、それもまた打倒され、と繰り返すことになる。実にむなしいというか悲しい連鎖だ。
 これは、一面では、失敗を学ばないということでもあろう。支配者としての器の問題である。しかし、何でもかんでもTOPにいる者個人に責任を転嫁していいのかという気も、一方ではする。ひどい言い方をすれば、名もなき一般市民の要求は尽きることがなく、ある意味何もしていないくせに文句ばかり言う、それが民衆の姿だと言っても言い過ぎではなかろう。
 そういう観点からすると、わたしは、どうしてもショーヴランという男が、悪党には思えないのだ。本作『THE SCARLET PIMPERNEL』を観ると、マルグリットという女子は、革命の時には付き合ってた元カレであるショーヴランを、ごくあっさり振るわけで、わたしとしては「そりゃあねえよ!」と思ってしまう。これは、わたしがモテないブサメンだから、ではなく、たぶん男なら誰でもそう思うのではなかろうか。また、主人公のイギリス貴族パーシーにしても、やっぱりどうもお気楽すぎて、ひとかけらの勇気をもってフランス貴族を救う、という姿はカッコイイかもしれないが、地元フランス市民からすれば、自分たちを散々搾取していた連中なわけで、外人は引っ込んでろ!と思われたっておかしくない。そして、わたしが大変気の毒に思うショーヴランという男こそ、実に真面目でまっとうに、自分の信じた正義を貫くわけで、その手法が暴力に訴えるものだとしても、その暴力は合法的に許されていたんだから、残念ながら誰も文句は言えないのではなかろうか。彼が追う「スカーレット・ピンパーネル団」こそ、フランス革命政府からすれば犯罪集団なわけで、わたしはショーヴランの行動は、まったく非難されるべきものではないと感じた。だから、もうちょっとパリ市民の心の変化が表現されていればなあ、と言う気がする。パリ市民は、冒頭から基本的には革命を支持してるんだから、彼らの視点からすれば、ショーブランこそ正義、と思っていたかもしれないし。ジャコバン派のやりすぎな行動に市民がだんだん引いていく様は、もっと描く必要があったような気がしてならない。
 ――と、以上が『THE SCARLET PIMPERNEL』という物語に対する、わたしの感想だ。
 まあですね、ここまで延々と書いてきてそれが結論かよ、と思われるかもしれないですが、要するにですねわたしが言いたいのは次のことです。
 ◆ショーヴランは悪くない!君は職務を全うしただけだし、君の信じる道を誠実に生きただけだよ。断じて君は悪党じゃないぞ! そして演じたこっちんは最強に歌ウマであり、本当に素晴らしかった。ムラで観た時と、若干歌い方が変わってたように思います。特に『鷹のように』のサビ部分。ムラの時は、やっぱり基本はちえちゃん風だったすね。今回東京で観たこっちんは、さらに進化してたと思います。
  ◆マルグリット……あなたちょっとヒドイよ!ちくしょう、せいぜい幸せとやらをかみしめるがいい!お幸せに!あばよ! としか、男なら言えないよもう。しかし、演じたあーちゃん(綺咲愛里ちゃん)は相当頑張ったと思います。以前書いた通り、わたしはあーちゃんの、ちょっとギャップのある大人な声が大好きです。ビジュアルも大変可愛いと存じます。
 ◆パーシーは……まあ、紅子(紅ゆずるさん)パーシーはこれでいいんでしょうな。ちょっと軽いのは紅子ならではということで、許します。ほんと。羽を背負った紅子に胸が熱くなりますわ。これからも応援します!

 というわけで、結論。
 いや、もう結論書いちゃったし。とにかくですね、ショーヴランはかなり可哀想で、そしてそんなショーヴランを演じたこっちんは最強に歌も芝居もカッコ良かった。終演後のパレードで、一番最初に歌うこっちんの「ひとかけらの勇気」は最高です。そしてダンスのキレもますます磨きがかかってますな。いやー、TOPに昇る日が何年後かわからないけど、その日が楽しみですな! 以上。

↓ 散々書いたフランス革命についてのわたしの記述は、結構適当です。ちゃんと勉強しようかな……。
フランス革命史〈上〉 (中公文庫)
ジュール ミシュレ
中央公論新社
2006-12