というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、先日の横綱【稀勢の里】関の明治神宮奉納土俵入りをご覧になりましたか!? わたしが大好きな【松鳳山】関が堂々露払いとして参加したわけで、わたしはそっちに大興奮ですよ!同じ二所ケ関一門の関取として、【松鳳山】関も嬉しそうでしたな。そして横綱【稀勢の里】関の弟弟子である【高安】関も、太刀持ちとして一緒の時を過ごせて本当にうれしそうで、、なんかみんなが幸せそうなのがいいすね。しかし、【松鳳山】関は相変わらず黒いし、【高安】関は毛むくじゃらだし、面白い露払いと太刀持ちコンビで、わたしとしては大変ウケました。次の大阪場所がとても楽しみですな!
 というわけで、まずは週刊少年チャンピオン2017年第10号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週はナシ。
 ■『弱虫ペダル』:京伏ヤマさんの決意の巻。さあ、追いついちゃいましたよ!どうする泉田君!
 ■『牙刃道』:両断の巻Part2。完全に殺人犯ですね。クローン武蔵篇はもう飽きたっす。
 ■『囚人リク』:中門通過の巻Part2。面白キャラ玉木の面白さがまだ発揮されてません。
 ■『Gメン』:Gメン登場の巻。土井君ナイス!! これで形勢逆転だ!
 ■『六道の悪女たち』:平和な日常の巻Part2。乱奈さんはホント可愛いなあちくしょう!
 ■『BEASTARS』:雌鶏のプライドの巻。この雌鶏もナイスキャラで今週は超傑作ですよ。最高!
 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 では、今週の『鮫島』ニュースをお送りします。
 と、その前に、最新刊11巻の発売が先週から告知されています。

 この鮫島ニュースを毎週チェックしている方は、購入は義務ですのでよろしくお願いします。
 さて。先週からいよいよ10日目に入り、どうやら常松主役回のようです。『Burst』でとんでもないクソ野郎だった常松は現在、東前頭の立派な関取として、四股名も【松明】 と改め、妹や母親の面倒を見るイイ奴に変身したわけですが、そんな常松の教習所時代が先週のラストから始まりました。
 先週、常松は、自分の教習所時代を 何も分かっていない「どうしようもねえアホ」だったと述懐しました。しかし、今週いくつか新たに判明したことがあります。まず、常松が教習所に通っていたのは「5年前」だそうです。そして常松の初土俵は5月場所で、教習所に通っていたのは6月のことのようです。つまりですね、常松は鯉太郎の激闘、そして幕下優勝を見届けた後、ということになります。ここは重要なポイントですね。『鮫島』(2)巻で描かれた、まだ関取になる前の鯉太郎が【宝玉光】にガイにされたのも5年前。あの時、常はまだ髷も結えない状態でしたが、既にイイ奴になっていたので、どうやらやっぱり鍵は教習時代にありそうですな。
 で、教習所では、ゆとり力士養成員たちが、おしゃべりに夢中でまともに稽古していません。教官も大層おかんむりですが、その原因は、先週描かれた通り、常松が指導員の先輩力士をぶっ飛ばしてしまったからです。なので、指導員たちもすっかり縮み上がっていると、そんな状況です。
 そんな中、後に【毘沙門】と名乗ることになる、当時の速川君は、常と一番取りたくてたまらない様子です。常は偉そう言います。お前らのレベルに合わせて稽古したって何のメリットもないと。
 お前なあ……親方に強くなりたいって言ったのに、なんだよその態度は!
 しかし、トンパチな速川君も引きません。つか、コイツ、マジでバカなんですかね?デカい声でわめきます。
 「チッ…何だよ!逃げんなよ!! つまんねーなー!どっちがここで一番偉いのか 決めようって言ってるだけじゃん…」
 こんなことを言われては、常も黙ってはいません。あぁ?と凄んだところで、教習所に、さらにでかい声が響き渡ります。
 「オイオイオイ何だ何だ何だ!! この覇気がねー空気は!!?」
 この声の主はまさか!? わたしはドキドキしながらページをめくりました。たぶん、わたしはうれしくてにやけていた可能性が高いです。電車の中でしたが。 
 そうです! 我らが鯉太郎&石川のバチバチトンパチコンビの入場です!! そう、教官はたるんだ空気を壊すには「こいつらを呼ぶのがベストだろうと思っ」たのだそうです。教官、ナイスです!
 そして鯉太郎は、ゆとり養成員どもに言います。
 「オイ…挨拶は…!? 挨拶は!!!?」
 「ハイッ お疲れ様でございます!!」 と、一発でビビるゆとりども。いいですねえ! 
 しかし、トンパチな速川君はイマイチわかってません。まーた威張ってるのが来たね~~~~みたいな反応です。そして常に聞きます。どうするの常松君、またやっちゃう?と。しかし常は、もう場所での鯉太郎の熱い戦いを観ていますので、そんな馬鹿なことはしません。スッと鯉太郎の前に行き、きっちりと頭を下げて言います。
 「お疲れ様でございます…」
 鯉太郎も笑顔で、「おう!」と嬉しそうですよ。あのクソ生意気な常が、きちんと頭を下げるなんて、ホントうれしいじゃないですか。そもそもですね、常は大卒、つまりこの時23歳ぐらい。そして鯉太郎は、前の年に(?)高校中退(たぶん)で入門したわけですから、まだ17~18歳ぐらいですよ。歳の差が5歳はあるわけですが、この世界のルールがちゃんとわかってきた常に、おっさん読者としては胸が熱くなります。
 そして、常のそんな態度に、トンパチ速川君は、どういうこと?とハテナ顔ですが、【大吉】が教えてやります。
 「あの石川ってヤンキーみたいな人は 場所で常ちゃんを一撃で倒しているんだ…そしてその石川さんを倒しているのが幕下優勝してる鮫島鯉太郎さんだ 常ちゃんよりも強い同部屋の兄弟子だよ」 当然『Burst』を読んでいる我々はその時のことをよく知っています。ホントに一発でしたなあ。
 それを聞いて、またも「うはっ!」と嬉しがる速川君。
 「ちょっと! 邪魔! どけよ常松! 鮫島さん!俺と一番取ってもらえますか!」
 お前なあ!さっきまで「常松君」って言ってたくせに、もう呼び捨てかよ!そして鯉太郎は、まだ入門したばかりで腹筋の割れている速川君に、稽古をつけてやることにします。というわけで、鯉太郎と速川君は土俵に入りました。速川君は、右か左か、いや、絶対まっすぐ来る、と鯉太郎の動きを予想します。そしてその予想通り真正面からぶつかる鯉太郎。そこで、速川君は、石川ですら、「おっ……速ーぞあのガキ……」と心の中で思うほどのスピードで変化しました! しかし! そんな変化に全く慌てず、右手をハズにかけて、あっさり速川君を投げ飛ばします! 石川も思います。「まあ…俺らの比じゃねーがな……」
 土俵に大の字になった速川君は、その驚きに、爆笑で答えます。
 「強っえーーーーー!! アーハハハハ」
 まわりのゆとり養成員たちも鯉太郎の実力に唖然。そして、「つーか何笑ってんのアイツ……」と速川君の態度にも呆然です。そんな周りを一切気にせず、興奮気味に速川君は言います。
 「俺 速川って言うんス! スゲェっス鮫島さん! まさか今の動きに付いて来れるなんて…」
 「正面から来いよ正面から…今から稽古でそんなだとクセがついちまうぞ…」
 「でも…俺…軽いっスから…頭使わねーと…」
 「俺も入門した頃は虫みてーな腹してたんだよ…んなもんこの世界で言い訳にはなんねーぞ ただお前のスピードは大したもんだよ…それを逃げに使わず攻めに使えよ…」
 「うはっ! もう一丁いいっスか!?」
 「オウ! いくらでも来いよ…」
 鯉太郎はカッコいいすねえ!教官も、「あの鮫島(トンパチ)も成長したな…」と嬉しそうです。そして傍らの常に言います。
 「なぁ常松…上に行く力士ってのは度量もあるもんなんだぞ…お前には力がある…小さな力士になるなよ…」
 そんな優しい言葉に、この頃の常は変わりつつあるとはいっても、まだこんなことを言いました。
 「関係ないでしょ…学生ならまだしもここはプロの場だ…確かに鯉太郎さんの強さは認めるが オレは彼とは違う…何より考えるべきはどう番付を上げるか…自分がどう強くなるかそれだけでしょう…」
 まだ常は、「強い」ということがどういうことか、もがいていたわけですな……そして教習前期が明けた名古屋場所(七月場所)では、明暗が分かれます。なんと序の口を全勝優勝したのは速川君。そして常松は4勝3敗と何とか勝ち越しを決めるのがやっとでした。この時の常松は幕下かな? 三段目には落ちてないと思うけど、まだ幕内の壁を破れないでいたようです(※鯉太郎は、前場所で幕下優勝したわけですが、稽古のまわしが黒なので、まだ十両昇進には至ってなかった模様)。速川君が大喜びで鯉太郎に全勝優勝を報告に来て浮かれているそばで、常はタオルを頭からかぶって「こんなはずじゃ…こんなはずじゃねえ」とつぶやく有様。この時のことを、常松はこう述懐します。
 「あの時の俺はただ 突き付けられるリアルを視界から逸らし 崩れる自我を支えるのに必死だった…」
 そうか……常よ、今の【松明】になるまで、辛い日々があったんだな、やっぱり。そりゃあ、学生横綱を張った男だもんね、年下の力士に苦戦していては、プライドも何もズタズタでしょうよ。しかし、それでも今は立派な関取なわけで、きっと、鯉太郎をはじめとする空流部屋の兄貴たちの背中をしっかり目に焼き付けてきたんでしょうな。もう、何かそれだけで泣けるっすね。来週以降の展開も楽しみっす!

 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。 
 どうやら、本当に常松主役回の様相を呈してまいりました。いいですねえ!大変イイと思います。そして、実はわたしは、『Burst』から『鮫島』に至るまでにどのくらいの時が経ったのか、はっきり分かっていなかったのですが、今週のお話で明確に5年と判明しました。【宝玉光】にガイにされていた頃が5年前だったので、あれはこの常の教習時代とほぼ同時期なんすね。これは、ちょっと『バチバチ』から『Burst』を経て『鮫島』に至る、年表的なものをまとめておいた方がいいような気がしますな。リクエストがいっぱい来たら、記事にまとめようとと思います。いやー、それにしてもホント、常松話は泣けそうですよ! 以上。

↓ というわけで、わたしはいつも通り、紙と電子の両方を買って応援します!