というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 今週末は、わたしは『沈黙―サイレンス―』を観て来ました。まあ、客層は完全におっさん&おじいちゃんで、それほどの入りではなかったですが、映画そのものは大変見どころの多い傑作でありました。詳しくは昨日のわたしの記事へどうぞ。この土日でいくらぐらい稼いだのか、大変気になります。
 で、あと、先週発表された、東宝と松竹の第3四半期決算の内容をメモとして記しておきます(※東映は3月決算なので発表はもうチョイ先です)。なんか、うーん、もっとすげえことになってると思ったのにな。
 ◆東宝:2016年3月~11月(9カ月累計/2月決算)
  売上高合計:178,120百万(前年同期比101.8%、+30億)
  営 業 利 益:41,468百万(前年同期比128.7%、+92億)
  営業利益率:23.3%(前年同期比+4.9pt上昇)
  経 常 利 益:42,528百万(前年同期比126.2%)
  四半期純利益:28,161百万(前年同期比134.9%)
 というわけで、増収増益です。売上は約30億円増加の一方で、営業利益が92億も増加しているわけで、大きく原価が減少して粗利が厚くなっているようです。おまけに販管費も減っていて、これは主に宣伝広告費を▲14億カットしたことによるものらしい。これは、想像するに東宝単独製作の『シンゴジ』や、子会社の東宝東和が配給する洋画など、利益率の高い作品が貢献したということだと思う。あとは子会社の直営劇場(TOHOシネマズ)がいくつか増えて、ヒット作にも恵まれたってこと、だと思います。何にせよ、大したもんだ。一方で、『君の名』のウルトラヒットが東宝の業績にどのくらい貢献したのかについては、読み取るのは非常に難しい。東宝の決算値でこれはすげえ!と驚くのは、売上増ではなく利益率の大幅上昇にあるのは間違いないわけだけど、それすなわち売上増加というよりも原価減少の方に意味があるので、大ヒット=売上増加と繋がっていないのが正直良くわからないす。逆に(?)いうと、『君の名』『シンゴジ』以外は結構外れも多かったってことかな?上手く説明できなくてサーセン。
 なお、セグメント別にみると、 
 ◆映画事業
  売上119,810百万(前年同期比102.6%、+30億)
  セグメント利益:28,857百万(前年同期比136.6%、+77億!)
 ◆演劇事業
  売上:10,745百万(前年同期比93.4%、▲約7億)
  セグメント利益:2,179百万(前年同期比83.6%、▲約4億)
  となっていて、ほぼ連結の数値は映画事業の頑張りが効いたってことみたいすね。不動産事業や本社コストはほぼ前年並みなので。

 ◆松竹:2016年3月~11月(9カ月累計/2月決算)
  売上高合計:73,923百万(前年同期比105.5%、+38億)
  営 業 利 益:6,977百万(前年同期比120.0%、+11億)
  営業利益率:9.4%(前年同期比+1.1pt上昇)
  経 常 利 益:6,192百万(前年同期比120.6%)
  四半期純利益:3,666百万(前年同期比112.2%)
 というわけで、松竹も増収増益です。ただし、東宝と対照的に、売上は東宝並みに30億増加している一方で、営業利益は11億の増加にとどまっている。つまり収益構造は、あまり変わっていないというわけだ(ちょっとだけ利益率は良くなっているけど)。 販管費も東宝と違って増加しているし。ただし販管費の内訳は開示されてないのかな、何が増えたのか良くわからんです。まあ、売上の増加は、明らかにヒット作が多かったことによるものでしょう。だけど構造としてあまり変わってないので、利益率はチョイ上昇にとどまったわけだ。それはセグメントごとに観ると明らかで、
 ◆映像関連事業
 売上:42,908百万(前年同期比112.9%、+49億!)
 セグメント利益:3,742百万(前年同期比161.2%、+14億)
 ◆演劇事業
 売上:18,451百万(前年同期比93.0%、▲13.8億)
 セグメント利益:1,649百万(前年同期比81.2%、▲3.8億)
 となっている。不動産事業は東宝同様に前年並みだけど、本社経費はほんの少し増加しているのかな。それにしても、松竹の映像事業の売り上げ49億円増はとても立派ですね。すごいと思います。
 というわけで、東宝と松竹はともにヒット作に恵まれたけれど、どうも東宝は事業構造の変化が進んでいるようで、驚きの営業利益率23.3%とすっげえことになっている。これが、自分の努力によるものなのか、はたまた、独占的立場を利用した、下請け(=例えば他社シネコン)たたきによるものなのか、それは分からない。いずれにしても、東宝の決算はスゲエ数字だし、松竹は、ものすごい頑張っているけど、体質的には変わってない、と言えるような気がします。とりあえず、この辺にしておきます。あ、あとそういえば今週、というかたぶん明日、映連から2016年の10億以上作品の数字の発表があるはずなので、来週の記事で取り上げようと思います。以上。

 はー。前置きが長くなった。それではいつも通り、興行通信社の大本営発表からメモっておこう。

 1位:『君の名は。』が22週目にして再び1位!累計で235.6億ですって。もうホント凄いとしか言いようないっす。
 2位:『本能寺ホテル』が9日間で2位キープってことは、累計で5~6億ぐらいかな? と見積もります。なんか、映画の物語に関係ないところで変に話題になってるような気がしますが……観たかったけれど、これはWOWOW放送待ちかな……そして劇場で観ればよかったと後悔しそうな予感……。
 3位:『新宿スワンII』が公開土日で1.6億ほど、だそうです。前作の公開土日が2.5億スタートで最終13億ぐらい?な着地だったので、それと比べると、結構落ちますね。10億に届くのかな……微妙なラインなのかもしれません。原作漫画は、ヤンマガ連載中に読んでましたが、まあヤンマガ得意のヤクザ系アウトロー漫画でしたなあ。そんな人気あったっけ……?
 4位:『沈黙―サイレンス―』が公開土日で1.3億ほどだそうです。非常にクオリティの高い映画でした。さすがのスコセッシ作品。作中ではもう日本語バリバリなので、US本国で売れるのか心配なレベルです。ああ、やっぱり全然売れてないみたいですな……1/13から正式公開だけど、全然劇場数が少ないな……。
 5位:『ザ・コンサルタント』は数字が出てなかったけど、公開土日で1.2億ほどであろうと思います。原題はThe Accountant=会計士、なんすけど……なんで「コンサルタント」になっちゃったのか良くわからないすね。わたしは今週、どこかで観に行く予定です。ちなみにUS本国では84M$の興収ということで、微妙ヒットぐらいでしょうか。日本では、10億は難しいとしても5億は行けるのかも。
 6位:『バイオハザード:ザ・ファイナル』が31日間で40億に届いたか、ちょっと届かずぐらいぐらいと見積もる。一番売れた「IV」よりちょっと落ちますね。 まあそれでも数字としては大変素晴らしいですね。ご立派です。
 7位:『この世界の片隅に』が72日間でまたもランキング上昇。なんとなんと、累計で15億を超えたそうです。わーい。良かったすねえ!
 8位:『映画妖怪ウォッチ空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン』が37日間で30億をチョイ超えたぐらいと見積もる。31~32億位ではなかろうか。
 9位:『劇場版動物戦隊ジュウオウジャーVSニンニンジャー』が9日間で2億に届かないぐらいと見積もる。まあ、大体いつもの新春戦隊レベルでしょうか。
  10位:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が38日間で43~44億ぐらいと見積もる。はあ……なんてことだ……こりゃあ厳しい……マジで50億ほどで終わってしまうとは……50億も届かない可能性もあるのだろうか……。なお、US本国では5億ドルを突破しており、立派な大ヒット継続中です。

 とまあ、そんな週末だったようです。

 というわけで今日はさっさと結論。『君の名』の異様な強さはもうホント天井がさっぱりわからねえす。そして『ローグワン』は、かなりさびしい数字ですなあ……こりゃあアカンわ……悲しい……。以上。