というわけで、公開となった『INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE』。20年ぶりの続編ということで、わたしも大変楽しみにしていたわけで、さっそく劇場へ向かったわけであるが、まあ、のっけから結論を言うと、イマイチだったかな、で終了である。アレッ!? もうこの一言でもネタバレか!? なんか……書くことねえす……。

 上記動画は、正確には予告編ではなく、劇中世界のNEWSという設定のプロモーション動画である。ま、物語はもう説明の必要はないだろう。1996年に地球へやってきたエイリアンが再びやってくる、それだけの話である。なので、問題は、どう撃退するかということになるわけで、別にエイリアンの生態だとか、知性だとかはほぼ関係なく、とにかくぶっ殺せ、である。
 劇中世界では、1996年に地球は大変な目に遭ったわけだが、その後の20年で何がどうなったという設定なのか、一応映画本編でも語られるけれど、ちゃんとパンフレットには年表っぽくまとめてあったので、それを引用しておこう。
 1996年:襲来&反撃。これは映画で描かれたとおり。
 1997年:世界の再建。世界各国でぶっ壊された都市機能の再建。ただし、コンゴに墜落した大型宇宙船に搭乗していたエイリアンとの地上戦が展開されていたらしい。が、場所が場所だけに世界の救援は手が入らず、コンゴのゲリラテロ勢力が勝手に戦っていたそうだ。まあ、なにしろ、コンゴは現在でも無法地帯であり、地球上で人の命が最も安い地であるわけで、これはあり得なくもない。
 1998年:指導者たちの団結。人類が滅亡しかけたおかげで、何世紀にも渡った国家間の対立や政治的な不信感が消え、かつてない協調が生まれた、らしい。ま、これはちょっと現実には考えにくい設定のような気がする。未知のテクノロジーの争奪戦で世界はもっと不安定になる可能性もある。
 1998年:ESD(たぶんEarth Space Difenceforceの略。地球宇宙防衛隊)の結成。うーーん……2年でそんな組織が出来るとは到底思えないが、まあ、とにかくそういう軍事組織ができたそうな。
 1999年:F-22にエイリアンの技術を導入したハイブリッドファイター完成。このエイリアンの技術というのは、どうも重力制御に関する技術のようで、航空機の常識が一変するわけだ。しかし……その謎技術があったら、もっともっと応用できると思うし、一方では地球の大気圏内や重力圏内では有効でも、宇宙空間では別の技術が必要になるのではなかろうか……そこのところは、わたしは正直よく分からない。
 2002年:コンゴの地上戦、継続中。
 2004年:US-Armyがエイリアン技術を利用した銃火器を開発、正式採用。ま、現実にそんなことになったら、世界中のテロ組織が使い始めるのも時間の問題でしょうな。
 2007年:前作でWill Smith氏が演じたヒラー大尉が訓練中に事故死。結果的に今回は写真だけの出演でしたが、スケジュールかギャラの折り合いがつかなかったんでしょうな。それか、Smith氏が興味を持たなかったか、製作側が使う気がなかったか、どっちかでしょう。代わりに今回は息子がぱっとしない青年として出演。いや、本物の息子のJaden君じゃないですよ。
 2009年:ESD月面基地完成。対エイリアン用防衛施設ということで、これは普通に考えてもあり得る、けど、たぶん、一番問題となるのは、いろいろな兵器や基地などの、部材というか金属素材の問題ではなかろうか。エイリアン技術に耐えうる素材の開発のほうが難易度が高そうな気がする。
 2014年:第2世代ハイブリッドファイター完成。
 
 とまあ、こういう20年間が過ぎ、地球の各地にに残されている宇宙船から母星への信号が送られ、それを受信した船団が再び地球に襲来する、と、そんな流れが映画公開前から情報公開されていたストーリーだ。
 しかし、実は重大なポイントが一切公開されていなかったことが、結構冒頭で明かされる。実はエイリアンには2種類いて、前回地球侵攻に失敗した、通称イナゴ族が再び地球にやってきた理由は、もう一つの知性体を追っかけて来たわけで、しかも、イナゴ族には、いわゆる「Queen」なる存在がいて、そのイナゴ族の長たる「Queen」が全ての意志を代表しているらしいことも描かれる。なので、物語はそのQueenを(問答無用で)ぶっ殺せ、という方向性になる。
 しかし、イナゴ族が追う知性体が先に月に現れるわけだが、地球の対応は「エイリアンは全てぶっ殺せ」なので、主人公の博士(前回も活躍したJeff Golgblums氏演じるデビット)はちょっと待て、友好的かもしれないよ、と忠告するのに、世界のリーダーたちは、ぶっ殺せ派とちょっと待て派に一瞬分かれるものの、リーダー・オブ・リーダーの女性US大統領は、とりあえずぶっ殺せを承認し、月に設置した兵器で攻撃してしまう。まあ、結果論ではあるが、ここで攻撃しなければ、今回地球は大分被害が少なくて済んだはずなのだが、こういう世界になってしまったのは、前回のイナゴ族にやられたトラウマってことでご理解いただきたい、的なお話である。
 で、最終的には無事にQueenをぶっ飛ばしてめでたしめでたし、となるのだが、その途中の流れはとりわけ観るべきところはない。わたしが面白いと思ったポイントはというと……。
 まず一つは、コンゴのゲリラ(?)隊の隊長だ。地上で対エイリアン戦を戦ってきた男で、その白兵戦の基本は、「背後からブッ刺せ(あるいは撃て)」という、とても我々日本人的には卑怯すぎてw苦笑せざるを得ない戦法がコツなんだ、というのがわたしは笑ってしまった。前作を観ていれば分かる通り、イナゴ族は、実は分厚い宇宙服を着ていて、本体はちっこいので、背中にまで注意が向かないんすかね? 変なの。
 もう一つは、結構多くの役者が前作から引き続き出てくるのだが、中でも、前作でイナゴ族エイリアンに精神を乗っ取られた? 白髪ロン毛&眼鏡の博士が今回もまた出てくる。しかも20年間の昏睡状態から、今回の襲来で突如目覚めるという設定だ。しかし……20年昏睡状態にあった肉体が目覚めてすぐに歩き回れるとは到底思えないのだが……ちょっとそのテキトーな設定には驚き笑いました。
 それから、そうだなあ、ヒラー大尉の息子は、前作にもちびっ子として出ていたわけですが、それが立派な青年となって、エースパイロットになっている、という設定は十分アリですが、残念ながら今回は、ほとんどモブ扱いで、それより新キャラのLiam Hemsworth君に全部持っていかれちゃっているのが可哀相なぐらいでした。ちなみに、ヒラー大尉の未亡人であるお母さんは、前回の女優がそのまま演じてます。年取りましたなあ。
 最後に、わたしが本作で一番気に食わなかったことを蛇足ながら付け加えておくと、ですね。まーた中国ですよ。ESDのエースパイロットの一人で、まあ可愛らしい女子パイロットが出てくるのですが、中国人だし、ESDの月面基地指令も中国人だし、正直やれやれすね。まあ、冷静に考えると、今後の未来において中国が人材を輩出することは現実として十分ありうるのは間違いないけれど、あの国がESDのような地球統合組織に協力するとはあまり思えないけど、まあ、政変があったとでも理解しておくことにしよう。残念ながら、今回の映画では、日本は完全に空気で一切登場しません。残念ですなあ。でも、それも当然なんですよ。だって、日本の興行収入なんて、中国でのウルトラヒットに比べたら、全然規模が小さいもの。ハリウッドから見れば、もはや日本は大したことのない市場なので、そりゃあそうなってしまうわけで、要するに、我々日本人が映画を見なくなったことが原因なわけで、いわば自業自得といってもいいはずだ。それもまた、極めて残念至極です。
 ※さっき調べたところ、中国では現在約70億稼いでいるようですが、それほどの「ウルトラヒット」までは行ってないですな。US国内でも、まだ1億ドルに達していないようで、正直イマイチな興行になっているようです。

 というわけで、本当は監督やキャストについていろいろ書こうと思ったけど、もうめんどくさくなったので強引に結論。
 20年ぶりの続編となった『INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE』であるが、まあ、とりわけ興奮するような新しさはなく、いつも通りの想像の範囲内の映画でした。ヒラー大尉Jrの扱いがいい加減すぎて泣けた……もうでなくていいレベルのモブ扱い。気の毒……。そしてJeff Goldblum氏は順調に高田純次氏のような、いい年の取かたしてますね。『THE FLY』のセス・ブランドル博士の頃が懐かしい……。ええと、要するに、前作にとりわけ思い入れがない方は、今回の作品は見なくて大丈夫だと思います。以上。

 
↓ わたしとしては、Emmerich監督作品では、これが一番好きです。今観ても最高。
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2012-11-07