というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 全国的にあまり天気のいい週末ではなかったですが、 洋画新作2本の公開があったものの、1位は3週連続で『オデッセイ』だったようです。ああ、そういえば、来週の今頃は、第88回アカデミー賞が発表されてますね。何が獲るか楽しみだなー。あと、今日はネタとして、『七人の侍』と『生きる』の4K修復記事を見かけたので、最後にそれを紹介しときます。オタク心にグッとくる記事でしたので。

  ではさっそく、いつもの興行通信社の大本営発表から。
 1位:『オデッセイ』:18日間累計で22億超。これで三週連続1位。今のところ、わたしの2016年暫定ナンバーワン。最終30億±2億ぐらいの当初予想は変更なし。もうチョイ上かも?
 2位:『信長協奏曲』:30日間合計で37億弱か? 当初予想の35億~40億は軽く超えそう。先週比較した去年の『HERO(最終46.37億)』は、5週目では38億超えてたので、43~45億着地か?
 3位:『X-ミッション』:公開2日間で1.4億スタート。懐かしの『ハート・ブルー(原題:Point Break)』のリメイク。洋画としては並の初動。10億行くか今後次第。まだ観てないけど、オリジナルは好きだったなあ。
 4位:『さらば あぶない刑事』:23日間合計で12億ほど? 当初予測の最終20億に届くかどうかぐらいから変更なし。ただ、ちょっと厳しそう。『母と暮らせば』とほぼ同じくらいの数字で推移しているので、行っても18億ぐらいか。
 5位:『スターウォーズ/フォースの覚醒』:66日間合計で110億は突破。最終的に110億近辺という最初の予測から変更なし。だいぶ上映館/上映回数も減ってきた。120億までは難しいかな。どうだろう。
 6位:『Born in the EXILE 三代目J Soul Brothersの奇跡』:9日間合計で4億弱か。3.7億ぐらいかな。十分立派な数字ではなかろうか。
 7位:『SHERLOCK/忌まわしき花嫁』:公開3日間で1億チョイ届かずか。まあ、公開規模が105Scrと小さいけど、わたしとしてはもっと稼ぐのかと思っていた。残念。NHK-BSの放送は全部見たけれど、劇場は今のところあまり行く気なし。
 8位:なんと『ガールズ&パンツァー』が上映館が増えてランク返り咲き!! ホントすごいわこれ。11億はとっくに突破しているので、もう12億間近では。すげえ。
 9位:『同級生』:公開2日間で0.3億ぐらい? サーセン……勉強不足で実はよく知らないの……BLっすよね?でも人気が高いんでしょうな。立派ですわ。
 10位:『妖怪ウォッチ』:65日間合計で54億弱か。粘る。前作比較ではずいぶん落ちてしまったけれど、『ポケモン』の落ちを補って余りある働きは賞賛されていいのでしょうね。

 ほか、ランク外では、わたしが激賞している『キャロル』:11日間でまだ2億も行ってない気配。超おススメなのに、公開規模が57Scrと少ないのが悲しい……来週のアカデミー賞発表で、賞を獲って、ぐっと公開規模が広がることを心から望みます……。  
 
 で。
 まあ、わたしは生粋の80年代ハリウッド大作育ちの映画オタなわけだが、日本映画も当然それなりに観ており、、とりわけ黒澤明作品は大好きなのです。わたしの年代だと、『影武者』か『乱』以降しか劇場で観ていないわけですが、わたしも公開時に見たのは『』以降だけで、『乱』『夢』『八月の狂詩曲』『まあだだよ』は、ちゃんと劇場に観に行った男であります。『乱』を観に行った時のことは今でも覚えてる。有楽町マリオンの、日劇東宝だったと思うのだが、確か、「千葉県民の日」で学校がお休みだった6月15日に観に行ったはずだ。今調べてみたところ、県民の日が制定されたのが1984年で、『乱』の公開は1985年6月1日だったそうだから、どうやら制定された翌年だったようだ。ま、どうでもいいかそんなことは。
 なので、黒澤明監督作品のほかの作品は、わたしが大学院生の時に、銀座にあった今はなき「並木座」での、「黒澤映画連続上映」に毎週通って見たのである。毎週2本立てで、たしか2カ月ぐらいは毎週通った覚えがある。入場料は500円とか600円じゃなかったかな? 1000円はしなかったと思う。ま、今は全作品ブルーレイで持っているけど。
 で、問題はですね、古い作品の、「音声」なのです。映像じゃなくて。一度でも黒澤作品の古い作品を見たことのある人ならご存知の通り、これがまた非常にセリフが聞き取りにくいのですよ。なので、映像技術がガンガン進歩している今、映像の修復は想像を絶する高画質に生まれ変わることもあるんだろうな、と思っていたのだが、音声については、この記事を読んで驚いた。そんな方法があったのか!! と超・目から鱗である。思わず今日は、朝から「な、なんだってーーーー!?」と叫んでしまった。
 詳しくはこちらの、Impress AV WATCHの記事を読んでもらいたい。音声に関する記事は真ん中よりちょっと下の部分にあります。そもそも、「サウンドトラック」って、もはやご存じでない若者の方が多いかもしれないな……。「光学録音」について説明するのはわたしじゃ難しいので、TDKのWebサイトのここを見てもらえばいいかな。今回の修復作業では、なんと音声を「光学的に」記録した部分(=サウンドトラック)を、「画像データとして取り込み、修復して音声化する」という技法を使っているようです。すげえ。確かに、考えてみればその手があった!! 従来は、フィルムを回して、再生した音声を「録音」して、その録音データを加工・修復するのが一般的だったはずだが、なんとサウンドトラックを波形データとしてとらえるとは。これは超・興味がありますね。もちろん、映像も最新デジタル技術で生まれ変わっているはずだから、今年の「午前十時の映画祭」で上映される『七人の侍』と『生きる』は、超必見だと思います。あー、『アマデウス』ももう一度劇場で観たいなあ。忘れないうちに上映期間をGoogleカレンダーに入れておこう。これは映画好きを名乗るなら、マジで劇場へ馳せ参じる価値はあるんじゃなかろうか。わたしは行きますよ、絶対に!!

 というわけで、結論。
 依然として『オデッセイ』好調で大変うれしいです。そして、『CAROL』はなんとしてでも来週のアカデミー賞を獲り、興行ももっと盛り上がることを期待します。難しいかな……ま、発表を楽しみに待とうと思います。以上。

↓ Bru-layで映像はかなりクリアになったのだが、音声はなあ……まだまだ超・聞き取りにくいんすよね……。

 
↓ わたし的には、黒澤映画入門者には、この2つをオススメ。超・現代性にあふれてて、とても昭和20年代の話とは思えないと驚くと思う。 
<あの頃映画> 醜聞(スキャンダル) [DVD]
三船敏郎
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
2013-01-30
※こちらはアイドルの恋愛スキャンダルの話。
 公開は昭和25年だよ?信じられん!! 

※こちらは、梅毒に感染してしまった医者の話。
 ラストの三船の激しい感情の爆発がすごい。
 超傑作。昭和24年公開。