ご存知の方にとっては常識だが、知らない人ために説明しておくと、わたしが愛する「宝塚歌劇団」は、星組、花組、月組、宙組、雪組の5つの組からなり、それぞれが年に2回、大劇場公演を行う。大劇場公演とは、宝塚大劇場→東京宝塚劇場という順番でそれぞれ約1ヶ月ずつ行う公演を指すものだが、その傍ら、若手を中心とした「バウ劇場公演」や、「全国公演」という地方を回る公演、あるいは名古屋・大阪・福岡限定の短めの公演をこなしており、さらに、TOPスターになると単独コンサートがあったり、2番手3番手クラスだとディナーショーなどもある。なので、基本的には1年中、どこかでどこかの組の公演を観ることができる。チケット争奪戦は大変だけれど。
 何が言いたいかというと、宝塚歌劇の皆さんは、ホントに忙しいということである。
 公演はもちろん、当然その稽古もみっちり入るので、休みはそりゃあるんだろうけど、まあ大変な毎日を送っていることと思う。その結果として、我々に見せてくれるパフォーマンスは、やはりプロとして素晴らしいものになるわけだ。それに比べれば……我々リーマンなんて、楽な商売だと思うよ。
 というわけで、現在東京宝塚劇場は、花組が公演中である。今回の演目は、『新源氏物語』。わたしも昨日の昼の部を観てきた。
 なお、これもヅカファンには常識だが、知らない人もいると思うので蛇足ながら付け加えると、宝塚歌劇の演目は、いわゆる「1本もの(2幕モノ)」と「2本もの(1幕のミュージカル+レビューショーの2本立て)」という区分がある。
 「1本もの(2幕もの)」は、2幕のミュージカルで、上演時間約3時間。間に30分の休憩時間アリ、という長いお話のミュージカルである。例えば、有名かつ人気のある『エリザベート』などはこちらにあたる。そして、昨日わたしが観てきた『新源氏物語』は、もう一方の「2本もの」にあたる。上演時間は、約1時間半。今回の『源氏』はちょっと長くて1時間45分ぐらいはあったかな。まあ、その短いミュージカルと、いわゆる「ショー」と呼ばれる歌&ダンスで魅せてくれるレビューの2本立て公演である。

 『新源氏物語』は、3回目の再演だそうであるが、ヅカ歴約6年の駆け出しファンであるわたしは、もちろん初めての観劇である。なので、今回のわたしの興味は、あの長い源氏物語をどう1時間半にまとめて構成するのだろうか? という点にあった。もちろん、TOPスターである明日海りお(通称:みりおちゃん)さんの美しさは、わたしとしては現在のTOPスターの中で一番好きなので、まったく不安はない。わたしも久しぶりの日本モノなので、非常に楽しみに劇場へ向かったわけである。
 まあ、とにかくみりおちゃんの顔の小ささといったら、毎度ながら驚く。わたしがみりおちゃんを初めて観たのは、月組時代の『スカーレット・ピンパーネル』でのショーヴランだったと思う。現在の月組TOPの龍 真咲(通称まさお)さんとのダブル2番手時代から何度もみりおちゃんには出会っているのだが、毎回、まず最初に思うのは、「ほんっとこの人は顔が小さいなー可愛いなー」というものである。とにかく、月組時代から、まさおと共に、いずれこの人はTOPに至るんだろうと思っていたが、2年前かな、花組に異動になって、去年いよいよTOPに登りつめた美人である。星組イチオシのわたしでも、ずっと気になる存在だったみりおちゃん。和装を観るのは初めてであったが、まあ、素晴らしいの一言。さすがに和装なので、派手なダンスはないが、非常に美しかった。
 ちなみに、わたしは毎回、宝塚歌劇を観に行くと、わたしが選ぶ「今回のイケ台詞」を一緒に観劇した先輩お姉さまたちに披露するのだが、今回は……ちょっと悩んで
「共に罪に落ちましょう。あなたと二人なら、どんな地獄も楽しそうだ」
 にしておきました。ホントは台詞で毎回選ぶのだが、今回は歌の出だし部分です。サーセン。正確にはちょっと言葉が違うかも。
 なお、この台詞は、母(正確には継母)である藤壺に言う(歌う)結構最初の方の場面で出てきます。
 つまり、ですね。今回の『源氏』は、この台詞が結構はじめの方に出てくることから分かる方もいるかもしれないが、最終的には、頭中将の息子の柏木と女三宮に子供が出来るところまで、と時間軸的には源氏物語のだいぶ最後の方まで物語が進んだのである。わたしはまた、須磨に流されるあたりまでかなと思っていたので、これは全く想定外だった。なので、ちょっと言葉は悪いけれど、その副作用としてかなり物語ははしょられていて、駆け足展開であるといわざるをえないだろう。
 しかし、間をつなぐ物語はコーラスで歌われて説明されるので、ちゃんと観ていれば十分物語は理解できると思う。ので、まあ問題なしだと思うが、一応は、源氏物語の最低限の知識があった方が楽しめるのは間違いなかろうと思います。夕顔とか空蝉とか明石の方などは出てこなかったけど、紫の上を見初める有名なシーンでは、「いぬき」がちゃんと出てきて、わたしとしては、ああ、ここはちゃんとやるんだ、と変に感心しました。紫の上を連れて行きたい源氏が、「いえ、決して不届きな(?正確な台詞忘れた)理由ではありません」と言い訳するシーンは、つい笑ってしまった。お前、思いっきり不届きな理由だろうが!! 完全に事案発生だぞw ただしイケメンは許されるのか……ブサメンのわたしとしては実に憤懣やるかたなしである。
 というわけで、源氏物語のストーリー展開を知っている人には、かなり、ああ、こう来たか、とか、なるほど、という構成で、わたしとしては大変楽しめた。もし、源氏に詳しくない方がいたら、公式Webサイトにある人物相関図だけ、事前に頭に入れておいた方がいいと思います。今回の公演では、わたしが花組ではみりおちゃんの次に推している柚香光(ゆずか れい。通称れいちゃん)も、いつも通り非常に美しかった。この人も、おっそろしく顔が小さい、超・美人である。わたしイチオシの星組で、わたしが非常に推している礼 真琴ちゃんと同期で、いずれこの二人もTOPに登極する日もやってくるでしょうな。あと5年ぐらい後ですかね……楽しみに待っていよう。なお、礼真琴ちゃんも、前回の公演で娘役を演じていたが(本来はれっきとした男役スター)、今回の柚香 光ちゃんも、なんと「六条御息所」という女性を演じていたので驚いた。ええと、源氏物語の中では有名な、生霊になって葵の上を呪い殺す、あの激しく教養ある女性ですな。詳しくは、Wikipediaでも見といてください。なお、柚香 光ちゃんは柏木も演じていますので、2役での出演です。

 というわけで、結論。
 花組公演『新源氏物語』は、和モノとしては宝塚初心者にも分かりやすく、また衣装も非常に絢爛で美しく、万人にお勧めできる作品であった。まあ、最低限の人物関係は頭に入れて観るのがよいと思います。歌もなかなか良いですよ。そして、全く触れませんでしたが、ショーも華やかで、超キラキラです。その点でも、初心者にも十分楽しめると思います。以上。

↓しかし……星組推しのわたしとしては、これはマストアイテムですかね……。礼真琴ちゃんの歌う「Let it go」は聴かずにはいられないよな……。買うしかないか……。
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V.A
WALT DISNEY RECORDS
2016-01-06