というわけで、NY滞在のDAY-03の夜に観たのが、『Aladdin』である。
 昼間に『MISERY』を観て、相当テンションが上がっている中、次は、もっとハイテンションの明るく楽しいミュージカル『Aladdin』である。この作品は、去年のTONY賞の授賞式をWOWOWで見て以来、あの主演男優賞(?)を獲得したジーニー役の太っちょのおっさんことJAMES MONROE IGLEHARTさんのパフォーマンスが非常に素晴らしくて、あー、これはすごい。観たいなーと思っていた矢先に、劇団四季から日本語版上演の発表がなされ、マジか!! と興奮した思い出のある作品である。そして劇団四季の公演は今年の5月から始まったのだが、チケット発売開始が3月だったかな、あっという間に今年いっぱいの公演チケット20万枚が完売してしまったそうで、劇団四季の新記録を更新したのだそうだ。わたしは、運よく5月のチケットをゲットすることができて、すでに鑑賞済みである。やっぱり、この作品は、ジーニーのハイテンションぶりがすべてを左右すると言っても過言ではなかろうと思う。まあ、とにかく歌って踊って大騒ぎ、それがまた非常に陽気で楽しいんだな。音楽も超ノリノリで素晴らしく、観ていない人は、絶対に観に行った方がいいですよ。ホントにこれは超おすすめです。

 ↑こちらが劇団四季Ver. ↓こちらがBroadway Ver。

 で。今回NYに行くことになって、真っ先に思ったのは、『Aladdin』が観たい! というものだったので、『WICKED』同様に日本でHISのWebサイトでチケットを手配した。で、あてがわれた席が6列目とまたかなり前だった。けど、またしても右の端っこ付近で、やっぱりどうしてもセットが邪魔で、一応許せる範囲ではあるけど、舞台奥が見えにくいという微妙席であった。なお、客層は昨日の『WICKED』よりも断然ファミリー率が高く、また、日本語で話している日本人客もちらほらと見かけた。
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 なお、お話は基本的にDisneyアニメのまま、ではある(11/23追記:今ちょうどWOWOWでアニメをやっていて改めて見たところ、ごめん、結構違うな、ストーリーも。ミュージカルのほうが明るく陽気だね)。ただ、アニメだと動物のキャラが、ミュージカルでは人間に置き換わっていたりする。わたしが劇団四季版を見て、とにかく大爆笑したのが、悪党のジャファーとその手下のイアーゴのコンビなのだが、イアーゴはアニメではオウムだったので、そういう風にちょっとだけ変わってはいる。
 あと、とにかくすごいのが、「魔法のじゅうたん」で、これ、全く仕掛けが分からない。吊ってるワイヤーは全く見えないし、下から支えてるわけでもない、しかもぐるぐるくねくね、相当自由に空を飛ぶ。実は、劇団四季版を観たときに、なんだアレどうなってんだ!? と度肝を抜かれたので、NYでもう一度、とにかく超・ガン見して見極めてくれるわ!! と思って、実際ずっと見ていたのだけど、やっぱり全然わからなかった。なんなんだ?? どうなってるんでしょう、あれは。今回は端っこ席だから、むしろじゅうたんに注目しやすいかも、と思って、実際すごく近かったにもかかわらず、全くわからない。こいつはマジでMagic Carpetだぜ、とホントにすごいと思った。
 
 まあ、どうしても劇団四季版とBroad Wayどっちが素晴らしかった? と聞かれると思うのだが、そりゃもちろん我々日本人は、劇団四季版を観た方がいいと思う。言葉が分からないと意味ないでしょ。で、今回BroadWayで体験して、やっぱり、だいたいは分かる、けど、とにかくジーニーを筆頭にスーパーマシンガントークでしゃべり倒す、歌いまくる、ので、ギャグなんかはさっぱりわからなかった。
 だけど、さすがオレの認めたジャファー&イアーゴだね。あいつら、何言ってるかわからなくても、その芝居ぶりだけでもとにかく笑える。イアーゴは、劇団四季版ではちょっと背の低い、サルっぽい役者さんだったけど、BroadWayでは太ったおっさんだった、ので、ちょっとイメージが違っていて、アレッ?と思ったのだが、中身は全く一緒で本当におかしな奴で笑わせてくれました。イアーゴはもう出てくるだけで笑える。最高です。で、親分のジャファーに関しては、これはわたしは日本で観た劇団四季版のジャファーの方がわたし好みであった。だって、美声の持ち主というキャラであるわけだけど、日本の役者さんの方が圧倒的に美声だと思った。なんという役者さんだったか、今、手元にデータがないんだよな……。帰ったらまた調べときます。
 そして、ジーニーである。JAMES MONROE IGLEHARTさんはこの役でまさにTONY賞を受賞したわけだけど、やっぱりそのパフォーマンスは圧倒的で、もう素晴らしいの一言に尽きる。TONY WINNERは伊達じゃなかった。そして、劇団四季版でのジーニーももちろん素晴らしかったけど、今回本場を見て、改めて、非常に丁寧にかつ完璧に、JAMES MONROE IGLEHARTさんのジーニーぶりを研究したんだな、ということが良くわかった。わたしは劇団四季版ジーニーにも、もちろん大満足です。
 あと、本来の主人公であるアラジンとジャスミン姫ですが、ま、この二人はいいよね省略で。もちろん、素晴らしいですよ。二人が「魔法のじゅうたん」に乗って「A Whole New World」を歌ってくれるのも、とても良かった。でも、一言だけいらないことを言わせてもらうと、やっぱり私は日本人女性の方が好きですな。ジャスミン姫の衣装は、結構セクシー系で、四季版でも今回でも、ええ、堪能しました、はい。あのですね、わたしがとりわけスケベだから、ではなくてですね、男なら確実に視線がそこに行くのは、もう生物的に、自動的にそういう仕組みになってるので許してください。
 そうだ、昨日『WICKED』で書き忘れたのだけれど、『WICKED』も『Aladdin』も、生オケの生演奏だった。劇団四季は、基本生オケじゃないよね? あれ? わたしの勘違いかな?

 というわけで、結論。
 『Aladdin』も、やはり素晴らしかった。そして、本場を見てあらためて、劇団四季版もすげえな、と思った。負けてないと思うよ。もう一度観に行きたいけれど、次はいつぐらいのチケットが取れるもんなんじゃろか……。

↓ 一応、予習しておくと、より楽しめるかも。でも、圧倒的にミュージカルの方が楽しいと断言できる。