毎週月曜日は、映画の興行収入データをいつも書いているが、今日、大変な映画を見てしまったので、その興奮が冷めやらぬうちに、書いてしまおうと思う。興行収入データは、今日の夜、情報集めて明日書きますのでお許しを。
 というわけで今日、わたしが観たのは、世界・珍作映画選手権大会の監督部門で優勝可能なのではないかとわたしが常々思っている、M・Night Shyamalan監督による最新作、『VISIT』である。 いやー、参った。想像の斜め上を行く、とんでもない珍ムービーであったw どのくらいかというと、そうだなあ、同じシャマラン作品で言えば、『Signs』の上を行くような気がする。わたしとしては、シャマラン作品の中で一番ヤバイ珍ムービーが『Signs』だから……ええと……あれっ!! てことは、サーセン。ナンバーワンですな、つまり。(※11/3追記:一晩たって落ち着いて考えると、ナンバーワンは『Village』かな、という気がしてきた)

 ストーリー自体は、ほぼ上記の予告で語りつくされている。とある姉弟が、祖父母の家へ行くと。そして、大変な目に遭う、というだけの話である。
 ただし、のっけから、ズバリ書きますが、この予告からしてすでに、完全に予告詐欺であるw なので、わたしのように、どんな映画を見ても「うわー、すげえの見た!!」と笑って許せる人間でないと、この映画は厳しいと思う。まず、わたしが詐欺だw と笑ってしまったのは、上記予告に出てくる、3つのお約束なんてものは、映画では出てこない点だ。確かに、3つ目の、21時半以降は部屋から出ないように、というのだけは出てくるけれど、それは中盤以降だ。しかも、その約束(正確には、みんなでそうしようと決めた)も、そりゃあんなもの目撃したら、部屋から出たくないわww という出来事の後なので、別に約束事でも何でもない。むしろ自主的に、部屋から出ませんと思いたくなるものであった。
 また、この予告の最後に、シャマラン監督本人が出てきて、「アナタは既に騙されている!!」的なことを言うけれど、実際のところ、ストーリー上、観客を騙すような仕掛けは一点だけである。だが、はっきり言って、全く普通レベルの騙しで、全然驚くに値しない。むしろ、10年前のシャマランだったら、ここに絶対、良くわからないSuper Natural要素をブッ込んできて、な、なに―――!? と観客を驚きあきれさせるだろうな、と思った。今回はそういうSuper Natural要素はゼロなので、実際あり得るレベルの騙しだったのが極めて残念に思った。つまり、いちいちキモチワルイ画を見せたりもったいぶった割に、ストーリー的にはまったく普通なんだよね、今回の作品は。
 もちろん、シャマラン監督といえば、世界を驚かせた『The Sixth Sense』において、Bruce Willisこそが●●でしたーというあの騙しは、極めて丁寧で、非常に上品かつ上手な騙しだったと思う。はっきり言って中盤で余裕で見抜けるのでわたしは全然驚かなかったけれど、それでもやっぱり見事な映画だったと評価できる作品だった。しかしながら、その世界的な高評価に対して、それ以降のシャマラン監督は、何かを勘違いしているとしか思えない珍作ばかりを撮っており、おそらくは毎回、どうだ、また騙されただろ!! とドヤ顔でいるのではないかと思う。まさにそのドヤ顔を予告にくっつけた東宝東和は、相当な自虐あるいはギャグセンスをお持ちなのではないかと思う。確かに。騙されたよ。まさしく。予告そのものに!!! ※怒っていません。笑えたので許す。
 ただ、わたしが心配なのは、これが東宝東和による炎上マーケティング的な自虐・自爆プロモーションなのだとしたら、それが通じるのはわたしのような映画オタクだけなので、今後は慎んだ方がいいのではないかと思う。なにしろ、わたしはかなり劇場で爆笑出来たので、ある意味満足ではあるけれど、ほかのお客さんは……まったく笑っていなかったですよ。相当怒ってる空気感というか、何だこりゃ? 的な雰囲気だったので、真面目な映画通には全く通じないと思います。

 わたしは、シャマランの新作が公開される、というニュースを見ると、まーた来たか、とワクワクする一方で、もうそろそろ、劇場に行かなくても、WOWOWで十分でしょ……? と思うのに、いやいや、今度こそ『The Sixth Sence』並に素晴らしいかもよ!? と、何故かそんな確率は1%未満だと分かっているのに、観に行ってしまう。なんというか、つい、足のにおいをかいでしまうような、若干の変態行為に近いような気がしてならない。そして、やっぱ臭かった、と確認してしまうのはわたしだけ? だろうか。そういうわけで、本作を観たい人は、別に止めないけれど、まあ、常々、D級映画ハンターとか、クソ映画ハンターと呼ばれるわたしであっても、本作はかなり強力なパンチ力を秘めているので、ある程度の覚悟をもって劇場へ行っていただきたい。
 なお、映画の主人公である、幼い姉弟の二人は、とてもいい演技をしていたことは記録に残しておきたいと思う。特に、弟の方は、とにかくツッコミが素晴らしく、恐ろしいものを目撃して「What a hell is tha-----t !?」と、まさに観客であるわたしも「今のなんだあれ I?」と思う瞬間に、その観客の気持ちを代弁してくれるような絶叫シーンが多く、そういう点では素晴らしい脚本だったのかもしれない。また、ラップが大好きという設定で、弟は自作のラップを3回かな、披露してくれるのだが、事件がすべて終わった後のエンディングで、彼が歌うラップの歌詞が、ものすごく見事に事件を総括していて、周りの皆さんには大変迷惑だったかもしれないが、わたしは我慢できず声を上げて笑ってしまった。いやはや、ホントに、弟も観客のわたしも、えらい目に遭ったもんだw

 というわけで、結論。
 普通の人は、まあ、WOWOWやDVD/Blu-rayで十分じゃないでしょうか。
 わたしのような変態めいた映画オタクでないと、ちょっと厳しいと思います。
 いやー、久しぶりにシャマラン節が炸裂しまくったクソ映画でした。
 (※観ていただければ「クソ」映画とわたしが言う理由が分かりますw)

↓ これは本当に素晴らしい出来なんだけどね……
シックス・センス [Blu-ray]
ブルース・ウィリス
ポニーキャニオン
2009-07-24