2020年02月

 わたしが宝塚歌劇を愛する珍しい男であることは、すでに周りにも広く認知されており、このBlogの賢明なる読者の方々にもお馴染みであろうと思う。
 そしてわたしは、宝塚歌劇団の中でも、星組を最も応援していて、さらに言うと星組に所属している礼真琴さんを贔屓として、最も強く応援しているわけです。
 ついでに言うと、礼真琴さんのファンクラブに入って4年か5年経っているわけなんですが、今まで何度もお茶会などに参加しながら、応援しているわけで、去年の暮、ついに! 礼真琴さんが星組TOPスターに登極し、いよいよ宝塚大劇場でのお披露目公演が今月の頭から始まっていて、わたしとしては、マジでもう、本当に感慨深く喜びも大きいわけです。
 わたしは関東人ですが、礼真琴さんのお披露目を、日比谷の東京宝塚劇場にやってくるまで待てるわけがなく、すでに「ズカ道」の黒帯である以上、兵庫県宝塚市の本拠地、宝塚大劇場へ遠征し、観劇するのは、至って当然、つうか、全く日常的行為なわけです。
 そして、昨今では、宝塚歌劇のチケットはそれなりに激戦で獲るのは難しいわけですよ。その激戦を幸運とともに勝ち抜け(?)、わたしはキッチリと去年のうちに、「礼真琴さん宝塚大劇場お披露目公演」のチケットを購入していたわけです。
ticket02
 このチケットが取れた時は、マジで、よっしゃ! やったぜ! と小躍りしたものです。
 しかも珍しく結構いい席が取れ、コイツはマジで楽しみだぜ!! と心から楽しみだったのです。

 まさかその3か月後の世界が、こんなことになるなんて。。。

 日付をご覧ください。わたしは明後日、遠征する気満々で、午後の回だから、午前中はどっか観光していこうかな~久しぶりに京都でも寄ってから行くかな~それとも姫路でも行ってみようかな~とか、のんきに考えていた時期がオレにもありました。。。
 (※注:基本的にズカ道黒帯たるもの、普通の遠征は日帰りで全く観光などしません)

 コロナ!!!!! 何なんだよガッデム!!!!

 まあ、こればっかりはいかんともしがたいすね。。。つらみ……。。。
 
 というわけで結論。

 コロナ、マジ勘弁!! オレ……マジつらいす。。。もちろん、日々舞台上で懸命に頑張っていた礼真琴さんはじめ、関係者の皆さんや、もっと言えば、ほかの劇場やコンサートなど、日本全国でわたし以上にしょんぼりな方々が大勢いらっしゃることでしょう。はあ……ホント、何なんだよコロナ!! としか言いようがないす……。以上。

 というわけで超久々に、今週の『もういっぽん!』であります。
 わたしたちが愛した『鮫島』の無念の未完後、わたしが週刊少年チャンピオンを買い続け読み続けているのは、もちろん『弱虫ペダル』や連載当初から応援している『BEASTERS』などを読むため……ではあるものの、現在一番楽しみにしている漫画が、村岡ユウ先生による『もういっぽん!』であります。あっ! いつのまにかWikiでページが作られてる! 作った人偉い!
 『鮫島』ファンなら、もうそのタイトルだけで泣けるというか、故・佐藤タカヒロ先生の連載デビュー作(だっけ?)『いっぽん!』の遺志を明確に受け継ぐ、女子柔道漫画であります。とにかく、キャラたちが大変共感できる、とても素晴らしい作品でわたしはホントにそこらじゅうで絶賛し、宣伝しております。佐藤先生の『いっぽん!』の主人公の魂を受け継いでいると思うし、村岡先生の前作(ではないか、ちょっと前の作品)『ウチコミ』で登場した学校が出てきたり、チャンピオンをずっと読んできた人なら絶対楽しめると思うな。
 で。
 詳しいキャラ紹介は、誰かが作ったWikiを読んでもらうとして、この『もういっぽん!』という作品でわたしが一番惹かれるキャラは、南雲安奈ちゃんであります。通称南雲ちゃん、あるいはナグ、ちゃんは、元々剣道部でインターハイ出場の腕前で剣道部期待のルーキーだったわけですが、小さいころからずっと友達でいる本作の主人公、園田未知ちゃんとともに高校生活を楽しみ、一緒に戦いたいという強い衝動から、剣道部をやめて未知が頑張っている柔道部に転部したわけですが、当然柔道は未経験の素人で、まだ白帯、のため、全国の高校柔道部員が集う夏の「金鷲旗」は出場できず、情報収集やみんなの乱取りパートナーとして参加したわけですが……いよいよ季節は2学期となり、2週前の第64話から、埼玉県の柔道新人戦が始まったわけであります!
 そしてついに! そう、ついに!! 南雲ちゃん出陣の時が来たのです!!
 今週はまさしく南雲ちゃん主役回、とうとう南雲ちゃんの初陣の模様が描かれたわけですが、もう、わたしは観客席で見守る南雲ちゃんパパと同じ思いで、今週号を堪能して大興奮しているわけであります。
 いやーー素晴らしいすねえ!!!! つうか南雲ちゃんがカッコよすぎます!!
 南雲ちゃんは、水泳大会優勝、球技大会のソフトボール(だっけ?)でも6打数6安打、おまけに成績も上位ヒトケタ、さらに中学時代は生徒会長だったという、通称「神童」であり、「何でもできる完ぺき超人」なわけです。警官であるパパの影響で始めた剣道は、前述のようにインターハイ出場レベル。しかも、南雲ちゃんは明らかに「努力の人」であり、天才とか特別な才能とかそういうのではなくて、常に全力! でまっすぐな、非常に魅力的な女子なのであります。だいぶ前、家で勉強する姿も描かれてましたが、南雲ちゃんはそういう真面目で元気で明るい素晴らしいキャラなわけです。はあはあ、ヤバイ、熱弁ふるいすぎて血圧上がったわ。
 こんなウルトラハイスペック・ガールの南雲ちゃんの初陣の相手は、なんと元中学女子柔道チャンピオン選手。しかし、先週未知が言った通り、相手が強いほど、ぶん投げた時は超超気持ちいい、と、南雲ちゃんも全くひるんではいないし、むしろ「私がやってやんよ!」的凛々しい表情で今週は始まりました。
 そして始まった戦い。開始からほんの一呼吸、の次の瞬間、南雲ちゃんの神速ダッシュ! いきなり相手の間合いに飛び込み、先制の大内刈りがさく裂!!! さすが剣道選手、間合いへの飛び込みは超速いぞ!! ついでにこの時の絵が最高にカッコいい! いけ!! 安奈!! とわたしも完全にお父さん目線であります!!
 しかしさすがに相手は中学チャンピオン、大内刈りを耐えます……が、間髪入れず大外刈りだ!!! しかしその大外も相手は対応、さらに一気に背負う! あかん! 南雲ちゃん、投げられた!! に見えて、ページをめくると南雲ちゃんの抜群の運動神経は、ひねりを入れて受け身着地! 技あり!は獲られたけどまだまだ! 相手はすかさず寝技を狙いますが、それも南雲ちゃんは織り込み済み、素早く転がって退避完了、体制を整えます!
 が、さすが俺たちの南雲ちゃん、またしても素早い飛び込みで間合いをつめる! 早苗ちゃんの焦らなくていい……というアドバイスは完全無視だ!
 そしてページをめくると、南雲ちゃん、姿勢を低くして相手の下半身にタックルに行く!の図であります。しかし! 未知から「バカ! 相手の下半身を持つのは反則……」という声が飛ぶや、南雲ちゃんは急ブレーキで「そうだっけ!?」と停止、おーーっと、身を起こしたので、南雲ちゃんの後頭部がアッパー気味に相手の顎を強力にヒット! 相手は痛そうだが南雲ちゃんは無傷! どうやら、エース永遠ちゃんが南雲ちゃんに貸した柔道の教本が古く、下半身タックル禁止のルール改正前ものだったようです。さあ、相手のナンバーワン選手も、南雲ちゃんのスピードや抜群なボディバランスに「何 この子…」と若干動揺気味だぞ! そして最後のページは、南雲ちゃんの攻勢に、チームのみんなが驚き興奮しつつ、さすがは神童! と期待するカットインと、南雲ちゃんの戦う凛々しい表情でありました。
 村岡先生、秋田書店様、サーセン、このページだけ画像を貼りつけることをお許しください!
 俺たちの南雲ちゃんの雄姿は、ぜひお見せしたいので……!
nagumo

 というわけで、結論。

 『鮫島』後の週刊少年チャンピオンでわたしが一番楽しみにしている漫画、村岡ユウ先生による『もういっぽん!』。今週はとうとうわたしがイチオシの南雲安奈ちゃん出陣の巻でありました。いやー、マジ最高っすねえ! いけいけぼくらの南雲安奈!! わたしもお父さん目線で応援いたしたく存じます。とにかくカッコ良かった! さすが「神童」南雲ちゃん! でもまあ、冷静に考えると相手は中学チャンピオンであり、勝てるとは考えにくいわけで……この試合後の南雲ちゃんがどんな表情を見せてくれるのか、そこをわたしは楽しみにしたいと存じます。きっとまた、村岡先生が超グッとくる美麗な絵を見せてくれることでありましょう。楽しみっす! 以上。


↓ 現在最新刊は(6)巻、わたしは当然電子でも紙書籍でも、両方買って応援しております。今ならまだ追いつけますよ! 超オススメ!










 はーー……ヤバいす。前巻の時も書きましたが、今回も、結論をのっけから言ってしまうと、「高田先生!! 次の(9)巻はいつですか!! 今すぐ読みたいんすけど!!」であります。なんのことかって!? キミィ! わたしが毎度新刊を楽しみにしている『あきない世傳』の最新(8)巻のことに決まってるでしょうが!! いやー、マジ面白かったし、今すぐ続きが読みたいす!

 しっかし今回のお話はヤバかったすね……今回は、ズバリ主人公「幸」ちゃんの妹である「結」ちゃん主役回だったように思う。今までの流れはもうまとめないので、過去記事をご覧ください。
 この(8)巻冒頭の段階では、五鈴屋のビジネスの面では2つの大きな問題解決が急務となっている。
 1つは、ずっと先送りになっていた「女名前禁止」に対する回答だ。これは、大坂においては女性は商家の店主になることができない、というお上の定めたルールがあって、主人公幸ちゃんは9歳で五鈴屋に奉公に上がってから、4代目(クソ野郎・死亡)、5代目(冷酷野郎・失踪)、6代目(優しいけどだめんず野郎・死亡)の妻として五鈴屋を支えてきたわけだが、6代目の死亡によって五鈴屋は後継ぎがおらず、実際存亡の危機に陥っている。現状では猶予をもらっているところで、その猶予期間もいよいよ期限切れが迫っているわけだ。幸ちゃんとしては、この問題はとにかく何とかしないといけない。
 そしてもう1つは、新規商材の開発だ。前巻で、「江戸紫」カラーの「鈴の小紋」という商材開発に成功し、大ヒット!になるものの……江戸において「小紋」は武士が着るものあるいは女子向け、ということで、まだまだ普通に市中の一般男性が着られるものではない。鈴(や今巻で開発したコウモリ)の柄が可愛すぎるのだ。老若男女が普通に着てくれないと、五鈴屋のビジネスとしては脆弱だし、そもそも既に「小紋」をパクったライバル店もすでに出現しつつある。五鈴屋ならではの、オリジナル小紋がどうしても必要な状態である。
 こんな状況なので、幸ちゃんはじめ、五鈴屋江戸店のみんなはいろんな努力をするのだが……今回、そんな五鈴屋に二人の男がかかわってくる。
 まず一人は、大阪五鈴屋時代にあまりに冷酷なビジネスで信頼を損ねてしまい、失踪していた5代目だ。彼は、前巻だったかな(前々巻だったかも)、ふらりと江戸、浅草で目撃情報がもたらされていたのだが、今回とうとうその姿を幸ちゃんの前に現す。ただ、5代目は、確かにちょっと問題アリではあったけれど、実際、ビジネス面では極めて有能な男であり、幸ちゃんのこともマジで好きだったんだと思うし、要するに、悪党では決してない、とわたしは思っている。
 実は、五鈴屋のみんなは、5代目が現れて、ワイこそ正当な店主じゃい!と主張されたら困るな……と戦々恐々に思っていたんだけど、今回、その心配は明確に否定される。この5代目の動向は今後も要チェックだけど、わたしとしては、結構味方になてくれるんじゃないか、そして正々堂々と戦う最終ラスボスにもなり得るかも、と思います。楽しみですな。
 そしてもう一人が、今回の超問題キャラ、音羽屋だ。音羽屋は日本橋の両替商で、もう50近い(?)おっさんなのだが……なんと、27歳の結ちゃん(幸ちゃんの妹)に一目ぼれ?してしまう。しかしその様がですね……どう考えても単にヤリたいだけのスケベ野郎で、完全に性的な目で結ちゃんを見ていて、ズバリ、気持ち悪いんだな。さらに、どうやらこのゲス野郎は、五鈴屋のビジネスにも実は背後でいろいろ妨害工作をしているようで……まあ、とんでもないクソ野郎であることはもう確定です。
 そしてその様子を幸ちゃんは目撃していて、うわあ、コイツ最低!と思っているのだが、当の結ちゃんがですね……これまた途方もなくゆとりあふれた恋愛脳で、もちろん結ちゃん自身も音羽屋にはまったく気がないのに……余計なことばっかりしてしまって幸ちゃん激怒!という展開になってしまうのだ。そして、こういう時、ダメ人間にはありがちなことに、ダメな結ちゃんはどんどんダメな方向に行ってしまい……今巻ラストは、結ちゃんのとんでもない行動で幕が下りることになる。もう、なにやってんだよ結ちゃん!! つうか続きが今すぐ読みたい!! と思ったのはわたしだけではないだろう。恐らく、本作を読んだ読者全員が思ったはずだ。
 わたしとしては、結ちゃんの行動に対しては、姉たる幸ちゃん同様に、もう、何やってんの! という気持ちが大きい。今回の結ちゃんは、とにかくネガティブ方面に気持ちが行ってしまっているし、「デキる姉」と比べてなんて自分はダメなのかしら、的な気持ちが強いし、さらに言うと、恋愛脳で、大好きな賢輔くん(年下のデキるイケメン君)に対しても、余裕でフラれかけてしまっていて、もう精神的にヤバい状態だ。恐らく賢輔くんも結ちゃん大好きなんだろうけど、ド真面目過ぎて、いや、オレは今は仕事が大事で恋愛してる場合じゃないんすよ……的な対応で、結ちゃんはますますしょんぼりが募る。
 言ってみれば、そういう精神的な隙に音羽屋はお恐らく「悪意を持って」つけ込んでくるわけなんすけど……ま、音羽屋が最低なのは間違いないとしても、結ちゃんはもうチョイしっかりしてほしいし、一方で幸ちゃんも、仕事第一過ぎて、妹ケアがが若干甘かったんだろうな、と思った。結ちゃんだけをダメ人間と断罪するのは、やっぱりちょっと気の毒ではあると思う。結ちゃんは江戸に出て、帯締め教室だったり店頭だったりで、モデルとして活躍して、自分の居場所を自分できちんと見つけていた、と思っていたのに、なんつうか、ままならないですなあ、ホント。
 というわけで、本作は冒頭時点での2つの大問題である、跡目問題及び新規商材開発問題は、何とかクリアできそう、だが、新たに結ちゃん問題が勃発してしまい、それが新規商材開発に大きく影響してしまいそうで、わたしとしては、もう何度も書いて恐縮ですが、「今すぐ続きが読みたい!!」であります。
 最後に、本作で沸き上がった(けど解決の見込みの付いた)大問題である、お上からの「上納金」納付命令についてメモしておこう。どうやら、当時の江戸(作品時間としては18世紀末かな?)では、「運上金」という名の、今でいう法人所得税的なものがあるのだが、今回、幸ちゃんが代表取締役を務める五鈴屋江戸店は、その運上金とは別に「上納金」を納めよ、というお上からの命令を受けてしまう。しかもその額1500両! ときたもんだ。この問題に対して、幸ちゃんは、姿を現した5代目のちょっとしたアドバイスで知恵を絞り、見事クリアするんだけど、わたしがへええ、と思ったのは、この上納金納付命令の理由だ。五鈴屋さんは前巻で一躍江戸アパレル界に名を成したわけだけど、それがお上まで届いてしまい、儲かってるならもっと金をよこせ、と、それだけの理由で、かなり理不尽というか、もう言い分が完璧にヤクザなんすよね。。
 わたしは去年、久しぶりに会社の税務調査に立ち会ったのだが、税務署の言い分はまさにこれで、もう、ホントヤクザと変わらない言いがかりばっかりで、ホント腹が立ったすわ。しかも税務署は全く法的根拠は示さないし、担当が変われば言い分も変わるし、ありゃホントに合法ヤクザそのものだね。木っ端役人のくせにムカつくほど態度デカいし。
 まあ、五鈴屋さんに降りかかった上納金問題は、どうやらクソ野郎の音羽屋の陰謀っぽいし、実際何とかクリアできそうだけど、わたしとしてはもう、幸ちゃんには、そういう「お上というヤクザ」には負けないでほしいと心から応援したくなるっすな。わたしも税務署の木っ端役人どもには負けん!

 というわけで、書いておきたいことがなくなったので結論。

 わたしが毎回新刊を楽しみにしている、高田郁先生による『あきない世傳 金と銀』の半年ぶりの新刊(8)巻「瀑布篇」が発売となったので、さっそく読みました。今回も大変面白く、興味深く、とても満足であります。そしてラストは非常にヤバいところで終わっており、マジで今すぐ続きが読みたい! が結論であります。そのサブタイトル通り、まさしく「瀑布」のような怒涛の展開でありました。つうか、ハルキ文庫も電子書籍を出してくれないかなあ……。すっかり電子野郎になってしまったわたしとしては、電子で出してくれるととても助かるのだが……今回も、この人誰だっけ? とかアホな疑問も、電子ならその場で前の巻とか参照出来ていいんだけどな……。もし電子で出し始めたら、ちゃんと最初から買い直すので、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。以上。

↓ こういうの、眺めるだけでも楽しいすな。小紋の型職人は切り絵作家みたいすね。

 先日の第92回アカデミー賞は、韓国映画の作品賞&監督賞受賞で幕が下りたわけだが、わたしとしてはあの映画にはほぼ興味はなく、また、ノミネート作品の大半をまだ観ていなかったので、実のところ今年のアカデミー賞にはそれほど興味が持てないでいた。まあ、『JOKER』のJoaquin Phoenix氏の主演男優賞はカタイだろうとは思っていたけれど。
 しかし、作品賞にノミネートされていた、とある作品に関しては、わたしは早く観てえなあ、ととても興味を持っていた。その映画とは『1917』のことであります。なんでも、全編ワンカット、に見えるような編集で、戦場に放り込まれたような臨場感ある体験を得られる凄い作品らしい。
 というわけで、やっと日本でも公開となったのでさっそく観てまいりました。
 結論から言うと、大変面白く、ドキドキがすさまじい傑作であることを確認した次第である。これはすごいや。なんつうか、あのウルトラ大傑作『GRAVITY』にちょっと似てるような気がしますね。題材は第1次世界大戦の戦場と、宇宙空間、とまるで違うんだけど、一つのMISSIONのために一人の人間があらゆる努力を積み重ねていく姿は、非常に近いものがあるように感じたっす。いやー、面白かったわ!

 まあ、物語は上記予告の通りだ。そして字幕が全然台詞と合ってないことは一応突っ込んでおこう。この予告でチラッと現れるBenedict Cumberbatch氏演じる大佐のセリフは、まったく字幕と違うよこれ。
 というわけで、物語は1917年4月6日のフランス(あるいはベルギー)の、第1次世界大戦におけるいわゆる「西部戦線」での出来事を追ったものだ。かの名作『西部戦線異状なし』は、ドイツ軍視点の物語だったが、この映画はイギリス軍視点の「西部戦線異常あり」というべき物語だ。
 この日は、Wikiによるとアメリカ軍が参戦した日だそうだが、状況をまとめておくと、前年のヴェルダンの戦いを経て、ドイツ軍はアルベリッヒ作戦を発動し、西部戦線から戦略的撤退を始めていた。これは、後方のヒンデンブルグ線で待ち受けて連合軍を一網打尽にしようという罠の一環なのだが、前線にいたイギリス軍は、そのことを航空写真ですでに分かっていた。分かっていたのだが、全軍に伝える手段がなく、最前線のイギリス軍人たちは、チャンス、一気にドイツの奴らをぶっ飛ばすぜ!と追撃戦に移ろうとしていた。そのため、まんまと罠に引っかかってしまうのを防ぐべく、作戦本部から二人の若者が伝令として最前線へ向かうのだった―――てなお話である。なお、この物語は本作の監督、Sam Mendes氏のおじいちゃんから聞いたお話をベースとしたフィクションなのだが、そのおじいちゃんは実際に1次大戦に従軍した伝令兵だったそうです。
 現代のような情報伝達手段の発達していない当時において、全軍へ指示を行き渡らせるのは極めて難しく、当時すでに「有線」の電話網はあったけれど、有線は文字通り電話「線」を切断されたら使えないわけで、戦国時代の日本のように、伝令兵を使うしかない。軍組織は大きければ大きいほど、統一した意志をもって行動するのが難しくなるわけだが、その意思統一のための情報連絡は極めて重要だ。
 わたしは映画オタクとして、中学生の時に「GALLIPORI(邦題:誓い)」という映画を観ている。これは、たしか『MAD MAX2』が公開された後、Mel Gibson氏の人気が高まって日本でも公開された作品だが、あの映画も第1次世界大戦の「ガリポリの戦い」(1915年)を描いたもので、主人公が伝令兵として戦場を駆けるお話で、わたしは『1917』のストーリーを知った時、真っ先にこの映画のことを思い出した。『GALLIPOLI』はなあ……泣けるんすよ、すごく。Mel Gibson氏も若くてすごいイケメンで……でもラストがなあ……ダメだ、これは重大なネタバレなので書かないでおこう。とにかくエンドクレジットの映像がショックというか悲しいウルトラ傑作なのだが……わたしは今回の『1917』も、ラストまで大丈夫だろうか……とドキドキしながら観ていた。
 が……まあ、その予感は半分だけ当たっていたと言っておこう。詳しくはもう、今すぐ劇場へ行って確認してください。とにかくこの映画最大のポイントは、やっぱり「撮影」であろうと思う。監督がレッドカーペットで話していたけれど、実際には最大の長回しは8分ほどだったそうで(と言ってもそれでもすげえ長い!)、実際には超うまくつなげているのだが、よーく見ていると、ここでつないでいるな、というのは実は結構わかる、けど、もう見事としか言いようがないすね。そういう技術面では、すさまじい技量で、これはもう世界最高峰レベルだと思う。本当に戦場にいる感覚は半端ないす。
 というわけで、各キャラと、何気に豪華なチョイ役陣を紹介しておこう。
 ◆ウィリアム・スコフィールド:通称「スコ」または「ウィル」。主人公。正直、彼が何故、故郷に帰りたくない的なことを言っていたのか、その背景はよく分からない。最初は、もう戻ろうぜ、とか任務に消極的だったが、とあることから、その任務に全力をかける! 大変な熱演でした。素晴らしかったすね。ザ・フツーな青年だったのに、だんだんとその表情が鬼気迫っていくのがとても良かったと思います。演じたのはGeorge MacKay君27歳。彼はわたし的には「How I Live Now」の彼氏だとか、WOWOWで観た『Ophelia』でのハムレット役だとか、意外と見かける顔で、なんつうか、いかにもイギリス人っぽい顔っすね。もちろん本物のイギリス人です。
 ◆トム・ブレイク:最前線に兄がいるため、兄を救うべく伝令兵に選ばれた上等兵。友達のスコを相棒に、戦場を駆ける若者。演じたのはDean-Charles Chapman君22歳。彼も意外と見かける役者で、映画デビュー作は『Before I Go to Sleep』での主人公Nicole Kidmanさんの息子役だったみたいですな。優しすぎたトム、君は立派だったよ……。。。
 ◆エリンモア将軍:二人に伝令を託す作戦司令部の将軍。出番は数分だけど演じたのはイギリス王でお馴染みColin Firth氏。
 ◆スミス大尉:道中でスコと出会い、スコを途中までトラックで送ってくれるカッコいい士官。わたしはこの人が本作に出てることを知らなかったので、画面に登場した時は、おおっと! これはこれは、イギリスの誇るセクシーハゲ、Mark Strong兄貴じゃないすか! と大歓喜したっすw なお、本作ではずっと軍帽着用なので、ハゲ具合は観られません。
 ◆マッケンジー大佐:最前線で今にも特攻しようとしている司令官。伝令の届け先。演じたのは前述の通り、ドクター・ストレンジあるいはシャーロックでお馴染みBenedict Cumberbatch氏。この人も出番は数分だけど、存在感ありましたなあ。
 ◆ジョセフ・ブレイグ中尉:トムの兄貴でマッケンジー大佐の連帯に所属。演じたのは、Game of Thonesでお馴染みらしいRichard Madden氏。もちろんイギリス人。次のMCU『THE ETERNALS』に出るらしいすね。彼もまた本作での出番はほんの数分です。
 というわけで、ホントに数分しか出ない士官として大変豪華なキャストがチラッと出てきますので、その点は要チェックすね。
 で、監督は『007』の『SKYFALL』と『SPECTRE』の2作を撮ったSam Mendes氏だが、わたしとしてはその007作品はあまり好きではなく、Mendes監督作としては『JARHEAD』や『ROAD TO PERDITION』の方が好きっすね。しかしまあ、本当に本作は凄い映画でした。大変満足です。

 というわけで結論。

 惜しくもオスカー作品賞と監督賞は逃してしまった『1917』という作品を観てきたのだが、噂にたがわぬ凄い撮影で、ある意味映画の醍醐味としてはもう、最上級にすばらしく、極めてハイクオリティの作品であったと思う。実に面白かった。まあ、殺し合いの戦争を描いた作品だし、悲しい部分もあるので面白かったというのは若干アレだけど、でも、やっぱり映画として見事で、面白かったと結論付けたいす。これはなるべくデカいスクリーンで、大音響で観たいただきたい作品すな。でも、ちょっとThomas Newman氏による音楽が主張しすぎなところもあるんだよな……まあそれでも、大音響で観る環境は必須かと存じます。いやあ、ホント素晴らしかった。以上。

↓ こちらもぜひ見ていただきたい! あーくそ、配信でもラインナップされてないか……名作っす!
誓い [DVD]
メル・ギブソン
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2007-09-21

 というわけで、あっという間にもう、2月も中盤に差し掛かるのだが、わたし的今年初の宝塚歌劇を鑑賞してまいりました。お正月から東京宝塚劇場で始まったのは、宙組公演であります。来週で終わりかな、ギリでやっと観てまいりました。
 今回はお芝居とショーの二本立てで、そのミュージカル『El Japón-イスパニアのサムライ-』は、歴史好きにはお馴染みの、なんと慶長遣欧使節団のお話であります。つまり舞台はスペインとなるわけだが、主人公は武士、侍であって、和物でもあり洋物でもあるという不可思議な舞台でありました。

 わたしは「慶長遣欧使節団」に関しては結構調べたことがあって、現代においてもスペイン(やメキシコ)に「ハポン」(=日本)という姓の人々がいて、侍の末裔と呼ばれていることも知っている。簡単に言うと、関ヶ原の後の1613年に、仙台藩主、独眼竜でお馴染みの伊達政宗公が、スペインとの交易のために使節団を派遣したのだが、これがまたかなりドラマチックな道筋をたどっていて、太平洋を渡ってメキシコにつき、メキシコから今度は大西洋を渡ってスペインへ、という凄いルートを取っている。そしてスペイン国王に謁見することに成功するし、ローマ教皇にも会えた、のだが、結局は日本という国家の代表ではなく、地方領主である伊達家ということで、交渉は全然うまくいかず、しょんぼり帰ってくるという結果に終わったものだ。そしてどうやら帰国せずにスペインに留まった連中もいて、その子孫が今でも「ハポン」を名乗っているというわけだ。
 というわけで、今回のお話は、とある理由でその使節団に参加を命じられた一人の武士が、スペインの女性と恋に落ちるお話であります。まあ、観終わった今となっては、かなりトンデモ物語で、ラストは結構唖然としてしまうのだが……それでもやっぱり演じる皆さんのカッコ良さは極上で、ま、細かい無粋なツッコミを入れるのはやめておこうと思います。
 なので、主なキャラ紹介と演じたジェンヌを5人だけ列挙してお茶を濁そうと思います。まず最初は、物語を説明するためにもこの人からにしよう。
 ◆藤九郎:架空の人物で、和賀の一族の若者。和賀、というのは、岩崎一揆を起こして津軽南部藩に反乱を起こした一族なんだけど、元々は秀吉の奥州仕置に反抗するもので、Wikiによると伊達家に扇動されたものらしいですな。で、結論から言うと伊達家に裏切られ(?)てしまい、そのことでこの藤九郎は伊達政宗暗殺をもくろむけど、主人公に阻止されてしまい、結局遣欧使節団に参加することで命は救われると。なかなか複雑な若者ですが、演じたのはわたしが宙組を観る時一番注目している和希そらくんであります。やっぱり、そらくんはいいですなあ! 芝居も歌もダンスもお見事で、もうチョイ出番が多ければよかったのにね。ただし、今回はショーでは女装もあって、これがまた最高に美人!でオレ得でした。やっぱりこのお方は、Halle Berryさんにとても良く似てると思うね。特に女装時のブロンドショートが最高でした。帽子かぶってたけど。口の形が超美しい!
 ◆蒲田治道:主人公。この人は実在の人、だけど、本当は岩崎一揆の後、仙台に戻る時に戦死したみたいすね。本作では、生きてます。そして藤九郎のお姉さんと恋中だったという設定になっていて、藤九郎が政宗暗殺を企てたことを詫びるために、死罪にしてくれ、とお願いするけれど、政宗に、じゃあ生きて遣欧使節団に参加しろ、てな展開となる。なので、本作ではずっと、わたしはもう刀を捨てたのだ……的に死に場所を求めているのだが、スペインでの出会いに、再び剣を取る!という王道の展開となります。演じたのは勿論、宙組TOPスター真風涼帆さん。やっぱりビジュアルは最強レベルのカッコ良さっすね。もうTOP就任2年が経ったんですなあ。わたしが一番応援している星組出身。その長身と御曹司ぶりは宙組にぴったりですな。
 ◆アレハンドロ:架空の人物で、謎のガンマン&剣士。主人公のライバルキャラかと思いきや、意外と出番は少ない。基本チャラいけどイイ人で、ラストは、えっ!? そういうことだったの!? とお話を強引に(笑)まとめる役割。演じたのは宙組2番手スター芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)。キキちゃんはもう、なんつうか余裕っすね。でもホント、意外と出番が少なかったのが残念す。銃の名前はアドリブじゃなく、台本に書いてあったとおっしゃってました。アレはどうなんでしょうな……笑。
 ◆カタリナ:スペインで宿屋を経営する未亡人。地元の有力者の強欲エロオヤジに狙われている。殺されてしまったご主人は、実はアレハンドロの親友だったという設定。アレハンドロは、親友に代わってカタリナを守ろうと思っていたが、治道の出現に、フッ……オレの出番じゃあないようだぜ……とクールに去る、みたいな、車田正美的展開に(笑)。で、カタリナを演じたのは勿論宙組TOP娘役の星風まどかちゃん。まどかちゃんは基本ロリ系だと思ってたけれど、今回も少し年齢UPな感じで、地声に近いのかな、低い声で演じ、歌ってましたな。基本的にわたしは低い声の女子が好きなので、わたし的にはアリです。
 ◆エリアス:強欲エロオヤジの息子だが、親父にうんざりしていて王立(?)剣術学校に修行に出ていた。主人公のライバルキャラだけど、意外とあっさり負け&改心(?)する、若干イマイチよく分からんキャラ。演じたのは、このところグイグイ存在感が増してきた桜木みなとくん。なんか、やっぱり全作『オーシャンズ』での経験がグッと効いてるんすかねえ、かつてはちょっとかわいい系の若者役が多かったような気がするけど、今回も前回同様、非常に大人になりましたなあ、これはマジで次の2番手もありそうすね……。宙組念願の生え抜きTOPはあり得るのでしょうか。ホント、グッと存在感が増してますな、ずんちゃんは。
 というわけで、正直トンデモすぎて、歴史好きのわたしにはちょっとアレだったミュージカルだが、後半はキラキラの炸裂するショー『アクアヴィーテ』であります。以前、花組で「ワイン」をテーマにしたショーがあったけど、今回は「ウィスキー」をメインテーマとして繰り広げられるキラキラショーでした。わたし的には、最初に書いた通り、和希そらくんの女装が一番のハイライトでしたな。そしてそらくんは何気にセンターで歌うことも多くて、大変良いと思います。ダンスのキレも素晴らしいですな。
 あと、今回はわたしはセンターブロック下手側の通路側だったわけですが、客席降りでやってきた鷹翔千空くん(以下:こってぃ)と乾杯出来たっす! もう大興奮、すげえ綺麗でカッコ良かったすね。こってぃくんは101期生、新公主役も2回経験している路線スターなので、今後宙組を観る時は応援したく存じます。若干、顔つきが龍真咲ちゃんに似てるような気がするっすね。でも背も高いし、正統派の美形ですな。今年で研5か。よし、将来TOPスターになることが出来たら、オレ、研5の時超近くで乾杯したぜ!って自慢しよう!

 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「こうみえても、オレは謙虚なんだぜ!?」
 今回は、スカしたキキちゃんのこのセリフを選びます。しかしキキちゃんの2番手生活もホント長くなりましたなあ……宝塚人事は全く予測不能ですが、キキちゃんのチャラいけどイイ奴、というキャラも、もはや定番になりつつあるわけで、そろそろまた、強力にギラついた悪党も見たいものですね。そして、宙組では和希そらくんとともに、こってぃこと鷹翔千空くんも今後応援いたしたく存じます!

 というわけで、結論。
 現在東京宝塚劇場で絶賛公演中の宙組公演『El Japón-イスパニアのサムライ-/アクアヴィーテ!! ~生命の水~』をやっと観てきました。題材が慶長遣欧使節団ということで、歴史好きのわたしはちょっと色めきたつほど期待したのだが……まあ、はっきり言ってトンデモすぎたし、エンディングもかなりあっという間に事件は解決してしまって、なんかちょっと……アレだったすね、やっぱり。だけど、やはり今の宙組は安定してますな。TOPスターの真風さんと2番手のキキちゃんのコンビは、実にどっしり?しているというか、余裕があるというか、安心して視てられますね。そして、今回のわたしの結論としては、やはり、和希そらくんは女子としてもとても美人で、女装もばっちこい!の別嬪さんであったということでありましょうか。さらに、宙組期待の鷹翔千空くんも非常に美形ですな。要するに、宙組の将来も盤石、ってことで、結論といたしたく存じます。なんか変な結論だけど、以上。

↓ 天正の遣欧使節団は九州のキリシタン大名、大友宗麟が派遣したものでこちらも大変興味深いす。伊達政宗は公益を求めて派遣したけど、こっちは宗教的な派遣ですな。



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