2019年09月

 わたしは映画オタクとして、ここ30年ぐらい毎年40本程度の映画を劇場へ観に行っている。それはつまり月に3本ぐらいペースなわけだが、今年2019年は、全く本数が少なく、なんと我ながら驚きだが、6月の末から約3カ月、全く映画を観に行かなかったのである。
 その理由は、コイツは絶対劇場に行かねえと! という映画が少なかったのもあるのだが、実際には、コイツは絶対劇場へ行かねえと! という心のテンションにならなかったのが大きい。そう、今年は本当にロクなことがなく、いやーーなことばかりで、精神的にもうヘトヘトというか、心に重傷を負っていたと言わざるを得ないだろう。なんか、まあWOWOWで放送されるのを待てばいいや、的な、実にオタクの風上にも置けぬ精神状態であったのだ。
 しかし。そんなダメ人間になってしまうのも自分的に許せないし、実際、コイツは劇場で観ないと! という映画が昨日から公開になったので、今日は午前中にばあさまの買い物介護を済ませ、午後はその作品を観るべく、近所のシネコンまでチャリをかっ飛ばしたのであった。
 というわけで、今日観てきた映画は『AD ASTRA』であります。
 まあ、ズバリ言うと、超最高!とまではわたしは感じなかったけれど、見ごたえは十分で、確かにこれは劇場で観て良かったとは思った。ではまずはいつも通り、予告を貼っておこう。

 まずは物語をざっと説明しておくか。時は「近い未来」。人類は知的生命体の探索のため、宇宙に向けて有人探査を放っていた。そしてどうやら地球は、SF世界ではたまに描かれる「軌道エレベーター」のようなものが実用化されていて、ついでに言うと既に月や火星には有人基地が存在している。そして月面上では、資源をめぐって紛争というか戦争状態にあって、略奪する山賊というか海賊というか、そういう輩もいて、US宇宙軍が創設されている。
 主人公ロイは、そんなUS宇宙軍少佐として、軌道エレベーターに駐在、日々、施設のメインテナンスをしていたが、ある日、通常のルーティン業務中に、巨大な謎の「サージ電流」に遭遇、地表への落下事故に遭ってしまう。これが予告で描かれている軌道上からのフリーフォールだ。
 ロイは訓練された軍人としてこの落下事故にも冷静に対処し、一命はとりとめるが、回復もそこそこに軍司令部へ出頭命令が下される。落下事故の報告かと思いきや、軍司令部から伝えられたのは、謎のサージ電流は、海王星から発せられたもので、20数年前に有人探査に旅立ち、海王星付近で消息を絶ったロイの父が、その原因であるという話であった。そしてロイは、父を見つけ、「処分」する命令を受け、地球を旅立つのであった―――てなお話である。サーセン。いつも通りテキトーにはしょりました。
 というわけで、物語のカギとなるのは父の目的にある……ように思いながらわたしは本作を観ていたのだが、実のところそれは別に大した問題じゃあなかった。ま、一言で言えば、父は孤独に精神が耐えられなかったって話であろうと思う。なので、物語的に感動するとか、心に刺さったとかはわたしはあまり感じたなかった。
 なので本作の見どころは、物語ではなく、以下の3つの点にあったように思う。
【1.Brad Pitt氏のイケメンぶりと演技の素晴らしさ】
【2.映像と演出の素晴らしさ】
【3.音楽の素晴らしさ】
 というわけで、一つずつ思ったことを書きなぐってみよう。
【1.Brad Pitt氏のイケメンぶりと演技の素晴らしさ】
 わたしは常々、Brad Pitt氏は、そのイケメンぶりはもちろんのこと、この人は実は超演技派で、芝居がすげえいいんだよなあ、と感じているが、本作でも確かな演技ぶりはもう本当に素晴らしかったと思う。わたしは今回の物語で描かれる、何か上にある存在から、狂える対象を調査し、抹殺せよ、という命令を受けて行動する主人公像というのは ある意味『地獄の黙示録』的だと思ったし(この点はもう脚本執筆時から意図されていたらしい)、あるいは、『BLADE RUNNER』的だとずっと思っていた。正確に言うと『BLADE RUNNER』というより『BLADE RUNNER2049』の方が近いかな。
 本作では、どうやらストレスの多い宇宙での任務にあたっては、事あるごとに心理テストを受け、それに合格する必要があるらしく、無機質なAI音声の問いに淡々と答えるシーンが多いのだが、これはもう、『2049』での主人公そっくりである。さらに言うと、ロイの内的独白のナレーションが実に1人称ハードボイルド小説っぽくて、実に文学の香りを感じることができた。この点も『2049』っぽさがあったように思える。そして主人公ロイは、常に心拍が50を下回る徐脈の男だそうで、地表への落下中ですら、心拍が上がることがない、ウルトラ冷静な男だ。そういう点でも、どこか人間というよりレプリカント的な、感情を表に出さない人物像なのだが、実はその内面では常に苦悩を抱えている。ついでに言うと、「ロイ」という名前はまさしく『BLADE RUNNER』の反逆レプリカントの名前でもあって、そんな点も映画オタクとしてはつながりを感じちゃうすね。
 そしてロイの苦悩は、「孤独」に対する苦悩であり、幼いころに父は宇宙のどっかに行っちゃうし、母とも死別、さらに愛する妻とも別れ、ロイは深い孤独を感じている。だから宇宙での任務について、完全なる孤独に身を置いているのだが、その孤独が深くロイを傷つけ、苦しみ悩んでいるのだ。その演技が超すごいのです。
 おまけに、月で任務を手伝ってくれた気のイイ軍人は目の前で死んじゃうし、月から火星基地へ運んでくれたクルーたちも死んでしまう。ロイの周りの人々はどんどんいなくなってしまうのだ。そんな場面に遭遇しても、冷静、のように見えて、その内面はひどく傷つき、どんどん精神が消耗していく様は、Brad Pitt氏の秀逸な演技によって完璧に表現されていたように思えたっすね。実に見事だったと思う。やっぱりこの人は、本当にカッコ良いですなあ!
【2.映像と演出の素晴らしさ】
 映像と演出面でもとても光るものがあったと思う。映像に関しては、もう本物にしか見えない月面の様子だとか、宇宙船や各種ガジェット、それから木星や土星、海王星の表現も、本物にしか見えない素晴らしいクオリティで、その点でもこれは劇場の大スクリーンで観るべき映画だと思う。そして、演出について、わたしが一番秀逸だと思ったのは、「無音の宇宙」の表現だ。この「無音」が主人公ロイの孤独をさらに際立たせていたように思える。ポイントポイントで、画が引きになって、無音の宇宙からの視点になるのだが、大変効果的だったとわたしとしては称賛したいすね。お見事でした。
 あと、そういえば本作で描かれる「近い未来」の世界では、火星まで20日弱、火星から海王星まで80日弱で行けちゃう技術が確立されているらしい。なんでも、ロイの父が旅立った宇宙船は「反物質反応エンジン」なるものを搭載していたらしいが、確かボイジャー2号が海王星まで行くのに12年ぐらいかかったはずで、これまでのSF作品なんかだと木星へ行くにもコールドスリープ的な装置で眠ってたと思うけど、本作では異例なぐらい早く到達する設定になっていた。エンジンに関する詳しい説明はなかったけれど、まあ、こういったSF的なウソ、は、本物感あふれるガジェットや、Brad Pitt氏の悩める姿の演技のおかげで、そういうもんだ、と素直に受け入れられたと思う。これも、映像と演出によるマジックと言えるのかもしれないすね。実はわたし、監督/脚本を担当したJames Gray氏の過去作品は『The Immigrant(邦題:エヴァの告白)』しか観てないけれど、なかなか腕の立つ監督っすね。
【3.音楽の素晴らしさ】
 最後に挙げたいのは、やっぱり音楽ですなあ。わたしは冒頭のクレジットで、音楽の担当がMax Richter氏の名前が出た時、ドイツ人か……聞いたことある……けど誰だっけ、とか思っていた。けれど、すぐに流れる音楽を聴いて、あ、これはあの『ARRIVAL』で非常に作品にマッチした荘厳な音楽を聞かせてくれたアイツだ! と確信するに至った。今回の曲も実に素晴らしかったとわたしは思う。そして使い方、入り方も、実にお見事であったといえよう。こういう、スケールの大きさを感じられる音楽も、やっぱり劇場で味わうべき作品であったとわたしに思わせる要因の一つだったと思うす。
 というわけで、最後は主役のBrad Pitt氏以外のキャストを4人だけ紹介して終わりにしよう。
 ◆Tommy Lee Johnes氏:御年73歳。日本では宇宙人ジョーンズとしてもお馴染み。しかし年取りましたなあ。今回演じたのは、主人公ロイの父親にして、海王星宙域で一人、20数年間孤独に生きていた伝説の宇宙飛行士の役。その狂える様は、実に渋くて見事でした。しかし食料とか、よく足りなくならなかったもんだ。結局、この映画は、人間が孤独に耐えられるか、いや耐えられない、ってことが一番のテーマであったように思われるけれど、なんつうか、孤独という状態よりも、孤独であっても生き続けなくてはならない、という「生きる目的」の方が重要のような気がしますね。そしてさらに言えば「生きることそれ自体が目的」で、人は生きていけるのか、と問われたような気もする。主人公ロイは、孤独に苦悩していたというよりも、結局、生きるってなんだ? ということに苦悩し続けていたようにも思えます。この父親の最期を観て、わたしは、きっとこの人はもう疲れ切っちゃったんだろうな……と思ったっす。
 ◆Liv Tyler嬢:もう42歳か、結構年取ったな。でもお綺麗ですよ、とても。今回の役は主人公ロイの元奥さん。わたしはこの顔を見てすぐにMCUのバナー博士=ハルクの初代恋人にしてロス将軍の娘、ベティだ!と分かったす。なんとなく、男目線からすると若干放っておけないような、しょんぼりした表情は、なんか「どうしてなの……」と問い詰められてるような気がして、目を合わせづらいす。ほぼ出番は主人公の回想のみ。だけど妙に存在感あふれてて見事だったと思います。
 ◆Donald Suthreland氏:なんと御年84歳。年を取ってからは、アヤシイお爺ちゃん役としてはもう、ハリウッドナンバーワンレベルですよ。役柄としては、ロイの父親とかつて同僚だった現役大佐。これまた出演シーンは短いけど、実にアヤシイ、信頼できるのかよく分からない男として存在感バリバリでしたね。
 ◆Ruth Negga嬢:今までいくつかの映画で出会っているようだけど、全然顔に見覚えはなかった……けど、非常にキリッとした美人。37歳だって。意外と若いな。今回演じた役は、火星基地の司令官で、非常に印象に残る役柄でした。今後はもう顔と名前を覚えたので、大丈夫だと思うす。
 
 とまあ、こんなところかな……もう書いておきたいことはないかな……。
 というわけで、結論。

 ここ20年ぐらいで3カ月全く映画を観に行かないという、わたしにとっては異常事態の今年だが、3カ月ぶりに『AD ASTRA』という映画を観に行った。まあ、ズバリ言うと、ウルトラ最高! とまではいかないし、正直かなり地味な作品であったように思う。しかし、天下のイケメンBrad Pitt氏の苦悩に満ちた表情は実に素晴らしく、さらに丁寧な演出と本物にしか見えない質感あふれた映像、それから奥深い音楽があいまって、これは劇場で観て良かったと思うに足る見事な映画だったと思う。特に音楽と、無音の宇宙の対比も良かったですなあ。そして、全編苦悩に満ちた主人公を演じきったBrad Pitt氏は、ホント演技派だと思う。作品として、マジで『BLADE RUNNNER 2049』によく似ていると思った。孤独……孤独で生きてはいけないけれど、そもそも生きるって、何なんだろうなあ……なんかいろいろ考えちゃったす。おれも、主人公の父親同様、なんかもう疲れたよ……以上。

↓ ウルトラ大傑作。1点の非の打ちどころもない100点満点映画です。
ブレードランナー 2049 (字幕版)
ハリソン・フォード
2018-01-31

 わたしは宝塚歌劇をたしなむ世間的には珍しい男だが、まあ、最近は劇場に男の姿も結構見かけるようになっており、「珍しい」とは言えなくなりつつあるような気もする。
 そんなわたしは、2010年に一番最初に観た宝塚歌劇が当時のTOPスター、レジェンドと呼ばれる柚希礼音さん率いる「星組」であったため、ずっと星組をイチオシで応援している。
 以来、ズカ用語でいうとわたしのファン歴は「研10」なわけだが、星組以外の他の組の公演も可能な限り観に行っているわけで、もうこの10年で数多くのTOPスターの卒業を見送ってきたのだが、今年は2人の稀代のTOPスタ―が退団を表明しており、わたしとしては非常に淋しいというか、しんみりな心情なのであった。
 一人は、現在本拠地である宝塚大劇場(以下:大劇場)で退団公演中の、花組TOPスター明日海りお(以下:みりお)さんだ。みりお氏については、11月に東京で見送る予定なのでその時書くとして、既に大劇場にお別れを済ませ、現在東京宝塚劇場(以下:東宝)にて退団公演を上演中なのが、我が星組の紅ゆずる(以下:紅子先輩)さんである。
 紅子先輩は、わたしのズカ歴10年の中でもかなり特異なTOPスターで、カッコいいのはもちろんとして、その最大の持ち味はコメディエンヌとしての笑いのセンスだ。それは紅子先輩のオンリーワンの才能であり、悪ぶっているけど泣かせる、冗談ばっかり言ってるけど泣かせる、というキャラが多くて、いつも紅子先輩は、散々笑わせた後で、最後には泣かせてくれるのだ。
 その紅子先輩がとうとう卒業の時が来た。そして演目は、その設定やポスター画像からして、なんじゃこりゃ!? と思わせるようなコメディ作品であり、わたしとしては、もう行く前から、笑い、そして泣く準備は完了しており、昨日は日比谷へ赴いたのである。

 どうすか。もう、控えめに言って最高だよね。かなりトンデモストーリーで、腹を抱えて笑っちゃいました。そんな面白物語をまとめてみると、まず冒頭は、ヒロイン・アイリーンの幼き頃である。アイリーンは子供のころから、有名な孫悟空ではなくて、そのライバルでアンチヒーローである紅孩児(こうがいじ・牛魔王と鉄扇公主の子供)が大好きな活発な女子だった。一方天界では、その紅孩児が暴れて、どうやら現世へ……となったらしい。そして時は過ぎ、カワイイ大人に成長したアイリーンは、シンガポールで屋台経営をしていたが、そこは巨大資本の手によって地上げで立ち退きを迫られており、その資本系列の三ツ星シェフ、ホンと出会う。だがホンはなかなかの俺様ぶりで煙たがられており、巨大資本から追い出され、落ちぶれてしまう。そして行きついた先はアイリーンの屋台で、二人は屋台を守るために巨大資本に立ち上がるのだが、実はホンこそが天界から転落(?)してきた紅孩児だった―――的なお話であった。サーセン。いつも通りテキトーにはしょりました。
 まあ要するに、反目し合う男女がやがて恋に落ちて、一緒に巨大な敵と戦う、そしてラストは見事勝利して、めでたしめでたし、となるような、ある種のテンプレめいたお話なのだが、今回は随所に退団公演という空気感が織り交ぜられており、まさしく笑って泣いて、ハッピーなエンディングは湿っぽくはならず、笑ってお別れを告げるという紅子先輩の本領発揮、であり、実に紅子先輩の退団公演らしい作品であったと思う。非常に面白かったすね!
 というわけで、見どころとしては、当然、以下の4名の方々にあったわけですが、やっぱりそれぞれ皆さん素晴らしかったですなあ! なんか、ホントにこれで紅子先輩と一緒に退団するTOP娘役の綺咲愛里(以下:あーちゃん)さんとお別れかと思うと、マジで淋しいっすね……。
 ◆紅ゆずるさん:紅子先輩。当然演じたのは主人公のホン・シンシン。やっぱり最高でしたな。絶対この役は紅子先輩にしかできない役だったね。とにかく笑ったし、最後は泣かせる見事な卒業公演だったと思います。退団後は、変にテレビとかに出ないで、舞台中心で活躍してほしいな……紅子先輩はトークができちゃうので、バラエティ方面に行ってしまわないか、ちょっと心配す。大の仲良しであるちえちゃんと、ゆっくりランチを楽しんでください!
 ◆綺咲愛里さん:あーちゃん。演じたのは当然ヒロインのアイリーン。あーちゃんはとにかく可愛いし、今回のような、ちょっと強気で後半デレるような、いわゆるツンデレ的キャラが一番似合うような気がしますね。何度もこのBlogで書いているけれど、あーちゃんは地声が低いので、その意外な低音ヴォイスがとてもイイす。そして今回の衣装の奇抜さというか、トンデモ衣装は、絶対あーちゃん以外には着こなせないと断言できるね。あーちゃんだからこそのコスプレ的ファッションは本当に最高に可愛かったよ。退団後は、ちゃんと大きい事務所に入って、様々な方面で活躍してほしいす。ミュージカルに出ることがあれば、また会いに行くよ、必ず!
 ◆礼真琴さん:わたしがファンクラブに入って一番応援しているお方。わたしは勝手にこっちん、と呼んでます。こっちんが今回演じたのは、ホン打倒のために大資本がトップシェフに抜擢した真面目系男子シェフ、リー・ロンロン改めドラゴン・リー。今回は、いよいよ紅子先輩の後を継ぎ、次期TOPスターとなることが決まっているため、若干自虐めいた、僕がトップシェフなんて……的な部分も多かったすね。次に「星を継ぐもの」として、これでいいのかw? と笑わせるようなセリフも、やっぱり紅子先輩だから許されるんでしょうな。でも間違いなく、こっちんなら大丈夫だし、ヅカファン全員がこっちんがTOPスターとなって、大きな羽を背負って階段を下りてくるシーンを待ち望んでいると思うよ。まあ、恐らく、その時にはオレ、泣くね。確実に。ホント感無量っすわ。
 ◆舞空瞳さん:通称ひっとん。次期星組TOP娘役就任が決定している。花組からやってきて今回星組生デビュー。今回演じたのは、ちょっとしたスターでリーと最終的にラブるセレブ。ま、役どころとしてはほぼお飾り的な、なくてもいいようなものと言ったら失礼だけど、大きな役割ではなかったけど、明確にこっちんとのツーショットが多く、台詞的にもこれからよろしくね的なものもあって、いわば星組ファンの我々に対する顔見世的な登場でした。わたしは、正直ひっとんについて何も知らなかったのだが、この人はさすがに102期生首席だけあって、歌える方なんすね。なんとなく、妃海風ちゃんを思い出す歌ウマぶりで、歌は大変結構でした。95期首席である超歌ウマなこっちんとの並びも、文句ないす。ただ、どうやら世間的にはダンスの人という評判を聞いていたけれど、わたしの目には、ダンスはまだまだ、特にショーでのボレロを紅・こと・あーちゃん・くらっち(=有紗瞳ちゃん)・ひっとんで舞うシーンでは、あーちゃんとくらっちが完璧にシンクロしていた一方で、ひっとんは手の角度とか動きが若干甘いように見えたす。わたしとしては、今のところ、くらっちの方が数段上だと思うすね。今後に期待いたしたく存じます。しかしこのボレロのシーンは美しかったすなあ……そしてあーちゃんが、やっぱりTOP娘として、技量も高く、放たれるオーラも一番輝いていたのは印象的だったすね。
 はーやれやれ。ホント最高でした。
 そして後半はショー『Éclair Brillant』ですが、こちらもTOPコンビである紅子先輩とあーちゃんの二人の退団、そして次期TOPコンビであるこっちんとひっとんのお披露目的場面、それから、今回の公演で退団されるれんさん(=如月蓮さん)、まおさん(=麻央侑希さん)たちの場面など、今回特有の事情をきちんと踏まえた、華やかでとてもいいショーだったと思います。惜しくもTOP娘役に選ばれなかったくらっちもとても輝いていたし、せおっち(=瀬央ゆりあさん)もホントに歌が上手くなりましたなあ。わたしが何気に応援している華雪りらちゃんも、がんばっていたし、それから星組が推している若手のぴーすけ君(=天華えまさん)ときわみ君(=極美慎さん)の二人は謎の女装場面もあって、これはちょっとびっくりしたすね。くらっちとひっとんに混じって、あれっ!? あのデカい女子はぴーすけときわみ君じゃね? と目を疑ったすわw 
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「星なんていらない!! お前にくれてやる!! 俺は、俺はアイリーンが笑顔ならそれでいいんだ!!」
 今回は、まあどう考えてもこの、「星」を「お前(=リー=こっちん」に譲り渡す場面でしょうな。なんか真面目に考えると、それでいいのか?という気がするけれど、紅子先輩からこっちんへのバトンリレーは、これでいいんでしょうな。わたしとしてはセリフ後半の、俺はお前の笑顔があればそれでいい、という部分にグッと来たっすね。ま、前回の『エルベ』のカールもそうだったわけだし、男というものはそういうもんですよ。しかし今回は、エンディングもハッピー&ピースフルでホント良かったすね。紅子先輩とあーちゃんのこれからを、心から応援いたしたく存じます。

 というわけで、結論。
 ついに来てしまった星組トップコンビ、紅ゆずるさんと綺咲愛里さんの退団。そして年末にはついに訪れる、わが愛しの礼真琴さんのTOP登極。ファンとしては淋しさとうれしさが入り混じる感情の中で、星組公演『GOD OF STARS―食聖― / Éclair Brillant』を観てきたわけだが、やっぱり紅子先輩は稀代のコメディエンヌとして最高の舞台を見せてくれたし、あーちゃんは本当に可愛くて強い女子を熱演してくれました。これでわたしは二人が宝塚歌劇の舞台で輝く姿を見納めてしまったわけだが、退団後の二人に幸あらんことを強く望みたいと思います。そしてこっちん、とうとうその時が来ちゃったね! そしてTOPに登極するということは、まさしく終わりの始まりであり、間違いなく数年後にこっちんも卒業となることが確実なわけで、わたしとしてはこっちんの最後の時まで、全力で応援いたしたく存じます! なんか、どうでもいいような過去Tweetがニュースになってたけど、いいんだよそんなこたあ! 「星を継ぐもの」として、こっちんのこれからに超期待いたします。しっかしプレお披露目のチケット、全く取れる見込みがないんですけど、どうしたらいいんでしょうか……!! 行きてえなあ……! そして、急遽星組にやってくることになったあの方を、ファンとしてどう受け止めればいいんでしょうか……せおっち2番手でいいじゃん……ダメなんでしょうか……。以上。

↓ こちらもまったくチケットが取れず観に行けなかった……Blu-ray買わないとダメかもな。。。


 何度もこのBlogに書いていることだが、わたしは毎年富士山に登っている。そしてその話をすると、大抵、なんてまた毎年登ってんの? と聞かれるわけだが、もう理由は一つしかない。それは、何か嫌なことや良くないことが起きた時、ああ、今年は富士山に登ってねえからだ、と思ってしまうような気がしてならないからだ。おれがサボったせいだ……と思うのがイヤなのだ。たとえそれが何の根拠もない、思い込みだとしても。
 この感覚は、分かってもらえないかもしれないけど、他に説明しようがない。なので、わたしは毎年富士山に登っているのである。
 しかし。今年、2019年――。
 今年は3月に母が脳出血でブッ倒れて以来、まったく、本当に、嫌になるぐらい、ロクなことがない。仕事でも、いやーーなことが起きていて、なんかもう、生きてていいことなんてありゃしねえ、と世を儚んでいるのが今年のわたしである。ズバリ言えばもう、この世に何の未練もねえな。
 そんな精神状態だし、母の介護や梅雨の長雨の影響で、毎年6月末ごろに登っている富士山にも、まだ登っていないわたしであった。なので、わたしとしては1日も早く富士登山を遂行したいと思っていたのである。
 しかし、今や富士山の5合目は、毎年毎年「マイカー規制」の期間が長くなりつつあって、今年は7月の初めから9月10日までだったかな、富士スバルラインを車で登ることができない状況にあっため、今日、マイカー規制が解除された最初の週末に、わたしの毎年恒例富士登山を敢行してきたのであります。確か2004年から毎年だから、今回16回目じゃなかろうか。良く続くよなあ、我ながら。
 というわけで、以下、いつものタイムをまとめたいのだが……今年はもう本当にダメだった。全くトレーニングできなかったのが如実にタイムに現れてしまい、ホント、わたしとしてはここに記すのが恥ずかしい、ヒドイもので、ここ10年で最悪のタイムであった。せっかく天気は数年ぶりにスッキリ晴れて気持ち良かったんだけどな……登ってる途中で、左足、右足とも、10回は攣ったね。うがあ、いてえ! と言いつつ歩を止めることなく休憩なしで歩き続けたのに……タイムはこのざまですよ……。悲しい……。ギリ3時間は切ったけど、マジで3時間切れなくなったら引退かな……だっておれ、もう50だぜ……。。。
自己ベスト
2011/7/9
2017/7/1 2018/6/24 2019/9/14
5合目駐車場出発 5:25 4:41 5:51 5:50
6合目指導センター前 0:17:52 0:17:04 0:19:43 0:19:15
7合目花小屋前通過 0:41:11 0:43:15 0:47:02 0:47:00
7合目日の出屋 0:42:44 0:45:05 0:48:53 0:48:54
7合目トモエ館 0:45:00 0:47:43 0:51:39 0:51:43
7合目鎌岩館 0:48:49 0:51:30 0:56:20 0:56:25
7合目富士一館前通過 0:50:36 0:53:49 0:59:00 0:59:21
7合目鳥居荘 0:55:09 0:58:53 1:04:14 1:05:21
7合目東洋館前通過 0:58:27 1:02:50 1:08:10 1:09:42
7合目太子館前通過 1:09:56 1:15:38 1:21:29 1:25:05
8合目蓬莱館前通過 1:13:47 1:19:47 1:25:55 1:31:10
8合目白雲荘前通過 1:25:43 1:32:45 1:39:36 1:48:11
8合目元祖室前通過 1:30:31 1:37:40 1:44:51 1:54:46
8合目富士山ホテル 1:40:39 1:49:21 1:57:33 2:08:42
8合目トモエ館通過 1:42:37 1:50:42 1:59:54 2:11:27
8合5勺御来光館 1:50:37 2:00:04 2:08:36 2:22:10
1本目の鳥居   2:12:11 2:22:20 2:38:25
頂上到着! 2:16:43 2:27:44 2:39:29 2:57:39
下山タイム
須走吉田分岐 0:19:27   0:25:30 0:23:20
避難所 0:35:39   0:43:04 0:41:53
バイオトイレ 0:49:37   0:56:38 0:56:46
6合指導センター前 1:04:36   1:10:43 1:17:00
ゴール! 1:18:03   1:28:19 1:38:20
 ああ、なんてこった、7合目に入ったあたりではほぼ去年並みだったんだな……そうだったのか。そしてそこから急にタイムが悪くなったのは超思い当たるね。岩場で足が攣り始めたんだ。情けないなあ……ホント。
 下山時もほぼ去年と変わらないペースだったのか……最後、新しい靴で右足のかかとの皮がべろりと剥けて、そこからタイムが落ちてんな……ちくしょう! 本当に悔しいす。。。
 まあ、とりあえずタイムはヒドかったけれど、毎年のお約束は果たせたし、後半はいいことがあるといいのだが……どうなるかなあ……。もう長生きは絶対にしたくないよ……。
 最後に、今日は本当に天気が良くて雲海もきれいだったので、写真を載せておしまいにします。
huji_02_20190914
 ↑これは頂上から東の方向を撮影したもの。このずっと奥に東京があります。
huji_01_20190914
 ↑こちらは西側。気持ち良かったすね。頂上は誰もいなかったよ。完全貸し切りでした。

 というわけで、結論。
 16回目となる2019年富士登山を無事完了いたしました。しかしその登坂タイムはここ10年で最悪なもので、本当に自分が情けない。願わくば、この年になっても頑張ったご褒美として、今年の後半が少しはましな毎日が訪れんことを……。ホント、今年はここまで最悪なことばかりで、生きる気力がもうほぼゼロっす……。以上。

↓ 新しい靴としてコイツを買ったのだが、ちくしょう、かかとが痛てえ!! 今までの靴をまた買えばよかった。。。

↓こっちが10年以上、2足続けて履いてた今までのやつ。オレンジ色のを愛用してました。
 

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