2018年07月

 わたしが初めて宝塚歌劇を体験したのが2010年2月。あれから8年が経過し、わたしもヅカファン的に言うと「新公学年」を卒業し、ムラ遠征もソロで行えるようになり、お気に入りのジェンヌのファンクラブに入ってお茶会に参加するなど、まあ、ヅカ道における黒帯を取得したかなぐらいの経験を得てきた。
 そんなわたしが一番応援しているのが星組なのだが、よりによってイチオシの星組公演なのに、現在、東京宝塚劇場で行われている公演をのチケットがどういうわけかまるで取れず、ファンクラブ取次もお断りが入り、マズイ、これはマジで観られないのか? と若干焦っていたところ、わたしをヅカ道へ導いてくれた偉大なるヅカ師匠の美しいお姉さまから連絡が入り、チケットが1枚あるのだけれど、あなた、ご予定はいかがかしら? とお誘いを受けた。まったくもってナイスタイミングであり、わたしとしては即、押忍! 喜んでお供させていただきます! チケット全滅で困ってたんす! と返事をし、無事に昨日、観ることができたのである。はーーーホント助かった。師匠、マジあざっす!
 というわけで、わたしが昨日、日比谷の東京宝塚劇場で観たのが、我が星組公演『ANOTHER WORLD / Killer Rouge』である。落語原作の和物ミュージカルと、キラッキララキラッ!キラールージュ!とノリノリ&キラキラなショーの2本立てだ。
 結論から言うと、まあかなりトンデモストーリーな『ANOTHER WORLD』は最高に笑えて楽しめたし、ショーはもう大変なパワーで圧倒され、大変楽しめたのである。なんつうか、アレっすね、今の星組TOPスターである紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)でないと出来ない作品だったといえるような気がしますな。最高でした。

 まずは和物ミュージカル『ANOTHER WORLD』である。これは落語噺「地獄八景亡者戯」などを原作?として作られたオリジナル作品だそうで、まあ、とにかくトンデモない、笑えるお話であった。ざっと話をまとめると、主人公の康次郎は、大阪の両替商の若旦那なのだが、とある女子にひとめぼれし、その女子、お澄もまた康次郎に憎からぬ思いを抱いていたものの、なんと康次郎は「恋煩い」で死亡、はっと目が覚めるとそこは「あの世」であった。そしてそのお相手の女子も同じく恋煩いであの世に来ているらしく、現世での知り合いや、あの世で知り合った江戸の米問屋の若旦那、徳三郎たちとともに、お澄を探す旅に出る。かくして無事にあの世で再び巡り合った康次郎とお澄だったが、二人の恋路の前には閻魔大王さまが立ちふさがり、スケベな閻魔大王さまはお澄に惚れてしまい、康次郎に地獄行きの沙汰を下してしまい――!? てなお話で、まあ要するにかなりとんでもない、笑える物語であった。開幕は、暗転から拍子木がちょーーんと鳴り、パッと明かりがつくとキャスト勢ぞろい、といういわゆる「チョンパ」であり、その絢爛な絵面も見どころの一つであろう。
 で。こういうトンデモ喜劇は、ちょっと他の組ではできないんじゃないかな……という気さえするが、わが星組の紅子先輩は、現在の宝塚歌劇団の各組TOPスターの中では、「最強コメディエンヌ」であることはおそらく誰しも認めるところであろう。まさしく今回は紅子先輩の本領発揮、まあ楽しそうに演じておられ、観ているわたしも最高に楽しめたのであります。というわけで、軽くキャラ紹介と、わたし的に、お、と思った方々を紹介しておこう。
 ◆康次郎:主人公。演じたのは前出の通り紅子先輩。大坂人なのだが、いわゆる「はんなり系」上方人で、現代のわれわれが思い浮かべるいわゆるコテコテ系大阪人とは違う。そしておっそろしくポジティブだし、ふざけるところはふざけ、決めるところは決めるその様は、本当に紅子先輩にぴったりであったと思う。最高でした。
 ◆お澄:ヒロイン。康次郎への恋煩いで死亡w。あの世の「美人館」なるショーパブ?の看板女優?に抜擢されているところで康次郎と再会し、夫婦に。演じたのは勿論TOP娘役の綺咲愛里ちゃん(以下:あーちゃん)。あーちゃんに対しては何かと批判的な意見を見かけるけれど、わたしは大好きですね。可愛いし。その意外な低音ボイスも大変魅力的。以前は、やや幼児体形かと思ってたけど、なんかちょっと痩せて、顔も尖ってきたし体もメリハリボディーになってきましたな。その輝きはまさしくヒロインですよ。今回もとてもかわいくて最高でした。
 ◆徳三郎:江戸のモテモテ若旦那でイイ人。現世であらゆる遊びを堪能し、あの世での楽しみを求め、フグの毒を喰らって死亡。すげえw 演じたのは、わたしが一番応援している礼真琴さま(以下:こっちん)。こっちん自身、江戸川区出身ということで東京人なわけだが、やはり今回のいなせな江戸人としての江戸弁は苦戦したとおっしゃられてましたな。でもまあやっぱりカッコ良く、そしてこっちん最大の武器である歌も、ダントツに光ってましたね。いやあ、マジこっちんは最高です。
 ◆初音:あの世(冥途)の三途の川ほとりにあるお茶屋「めいどかふぇ」の看板娘。康次郎一行の話を聞いて、仲間に。可愛いのに超毒舌というか、ハード系ツッコミ女子。演じたのは、星組娘役でナンバーワン歌ウマ&芝居上手だとわたしが思っている有沙瞳ちゃん(以下:くらっち)。くらっちは元々三重県人か。今回は関西弁であったけど、なんか違和感なかったすな。今回のようなアグレッシブな元気娘な役は初めて見たような気がする。やっぱりくらっちはイイすねえ! 最高です。
 ◆艶治:閻魔大王の妾で「奪衣婆」という役職をつとめていたが、なんと実は虞美人であることが判明。演じたのは音波みのりさん(以下:はるこさん)。出番は少ないけれど、出てきたとたんにオーラが違うし、歌も超ウマいすねえ、やっぱり。今や星組ではすっかり上級生のベテランとなったはるこさん。抜群だったすね。最高です。
 ◆貧乏神:あの世で観光案内をしていたところで康次郎一行と出会い、仲間に。極楽へ行き、福の神になりたい夢がある。演じたのは華形ひかるさん(以下:みつるさん)。みつるさんも85期(=柚希礼音さんakaちえちゃんと同期)、花組から専科に異動になったベテランだけど、存在感たっぷりでした。そして「貧ちゃん!」と呼ばれるのは懐かしいというセリフがあったけど、これはかつて『蒲田行進曲』でヤスを演じて「銀ちゃ~ん」をやっていたからなんすね。これは師匠に解説してもらって初めて知ったっす。師匠あざっす!
 ◆阿漕:あの世のショーパブ美人館の女性オーナー。康次郎一行に合流。演じたのは93期の夢妃杏瑠さん。やっぱりベテランの貫禄は一味違いますな。
 ◆喜六:康次郎の現世での知り合いの男子。コイツは5日前に捌いた鯖をアテに酒を飲んでいたら、その鯖が腐ってて?見事食中毒死した残念系若者。演じたのは、ひろきのお兄様でお馴染みのかいちゃんこと七海ひろきさん。かいちゃんは宙組から星組に来てもう3年か……すっかり星組には欠かせない存在ですよ。素顔のかいちゃんはキリッとした大変な美人女子ですが、とにかく整ったお顔が美しいお兄様ですな。かいちゃんは茨城出身なので関西弁は苦戦したとのこと。わたし的には全く問題ナシ、最高でした。
 ◆赤鬼赤太郎:閻魔大王配下の赤鬼軍団軍団長。演じたのは、躍進著しい瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)。我が愛しのこっちんと同期のせおっちは、やっぱり去年の『阿弖流為』あたりから一皮むけましたねえ。大変良いと思います。最高です。
 ◆桃太郎:あの世で、閻魔大王率いる鬼軍団と対抗すべく、康次郎たちが助っ人を頼む中の一人。ほぼ出番はないのだが、やけに美形で、お、誰だろ? とすぐにわからなかったけれど、この桃太郎を演じている彼こそが、星組の期待の若手、極美慎くんですよ! ごめんよ……極くん推しとか以前書いたくせに、すぐわからなくて……でも今度こそ顔を覚えたので、次からは大丈夫と思いたい。
 とまあこんなところか。まあ、とにかく笑えて楽しい作品でありました。
 そして後半はショー『Killer Rouge』であります。
Killerrouge
 うお、写真撮るのが下手すぎる! あまりにキラキラなので、思いっきり光があふれてる……こりゃアカンわ。
 で、このショーは、秋の台湾公演に持っていく作品だからなのか、上記写真のようなタイトルロゴのオープニングであります。紅子先輩の名の通り、テーマは「紅(Rouge)」。星組のテーマカラーは青系なのだが、まあ今回はとにかく赤系の衣装で占められ、ある意味新鮮というか、大変にキラキラしている。このショーでは、もちろん紅子先輩を筆頭に、あーちゃんは可愛いし、こっちんは歌もダンスも最高に輝いており、わたしとしてはもう大満足であります。
 わたしは基本的にショーの時は、若いこれからの生徒をチェックするのがお約束なのだが、若手はソロ曲がまずないため、そのダンスのキレをチェックするのがメインとなる。今回、ダンスがとてもキレていたのは、やっぱり筆頭はこっちんであり、そしてくらっちも、ダンスもイケてますねえ! こっちんがTOPとなる時、その隣にいるのがくらっちだったら最高なのだが、どうなるかなあ……。こっちんは歌もダンスも芝居も見事な優等生だが、くらっちも、歌・芝居・そしてダンスも極めてレベルが高いすな。あと、どうしても名前が分からないのだが……ロケットに一人、すげえ美人がいたんすよね……アレは誰だったのだろうか……背が高かったから男役だと思うのだが……たぶん咲城けいくんか草薙稀月くんだと思うのだが、分からんす。そしてわたしが応援している新公ヒロイン星蘭ひとみちゃんや宙からやってきた華雪りらちゃんは、今回はあまり目立っていなかったけれど、相変わらず可愛かったす。
 まあ、この『Killer Rouge』は、わたしは9月に青年館で、そして10月に台北で再び見る機会があるので、その時もう一度チェックをしたいと思います。そうです。わたくし、秋は台湾へ行きます! 台湾子会社の知り合いがチケットを確保してくれたので! 行くつもりはなかったのに、チケット用意しときます! と連絡が来ちゃったので! 頼んでないのに! ありがとう! 楽しみにしてます!
 とまあ、こんなところかな。もう書きたいことはないかな……。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「江戸っ子は気が短けぇんだ! さあ、行くぜッ! (そして歌があってもう一度) 行くぜッ!」
 今回は、かなり冒頭で物語にあまり関係ないんだけど、こっちんが言うこの「行くぜッ!」がウルトラカッコ良かったすね。こっちんマジ最高す!

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇団の中でわたしが一番応援している星組公演が現在日比谷の東京宝塚劇場で絶賛上演中であるが、どういうわけかチケットが全然取れず、これはマズい、と思っていたところ、わたしのヅカ師匠に誘われて観に行くことができた。そしてミュージカル『ANOTHER WORLD』は落語原作の和物喜劇なわけだが、最強コメディエンヌたる星組TOPスター紅ゆずるさんにピッタリの、笑える楽しい作品で、結構声に出して笑っちゃいました。娘TOPの綺咲愛里さんも、相変わらずかわいらしく、時に低い声で毒を吐く姿も実にあーちゃんらしくて、とても良いと思います。そしてもちろん、わたしが一番応援する礼真琴さんは、姿もカッコ良く、歌もしびれるうまさで、ダンスのキレも抜群と全く文句のつけようのないお見事なステージングでありました。こっちんがTOPになれるのは、来年の暮ぐらいすかねえ……どうでしょうなあ……そしてその時一緒にTOPを張る娘役は誰になるんだろうなあ……大変楽しみであります。そして秋は台湾で会いましょう! そちらも楽しみっす。以上。

↓落語は全く観に行ったことはないけれど、一回行ってみるべきかもな……。

 うーーん……なんつうか……なんかイマイチ楽しめなかったような気がするな……。何の話かって? 昨日、わたしは会社帰りの夜、昨日から公開になったシリーズ最新作『Jurassic World:Fallen Kingdom』を観てきたのだが、はっきり言って非常に後味悪く感じ、なんだか、さっさと帰ろう……という気になってしまったのである。
 おそらく端的に言うと、物語に登場するキャラクターたちがことごとく愚かで、「先を考えない」身勝手な行動ばかりするため、わたしはなんだか腹が立ったのではないかと思う。科学技術の発達は、そりゃあ人類にとっては歓迎すべきものであろう。もちろんわたしだってそれを大いに享受しているのは間違いない。しかし、そこにはやはり、「倫理」というか、「それをやっちゃダメだろ」と思えるような何かがあるはずなのに、それらの倫理的・心理的ハードルを、いともたやすく、そして下劣に踏みつぶして超えていく人々は、どうやら間違いなく存在するものらしい。ただ、そういった連中こそが科学を発達させるトップランナーかもしれず、なんかもう、わたしとしては人類に絶望せざるを得ない気分をこの映画で味わうこととなったのである。
 なんつうか……マジでもう、人類は絶滅してもいいんじゃねえかなあ……まったく無責任だが、そんな気のする映画であった。

 わたしはこの予告を観て、あの恐竜の島で火山活動が活性化し、そこに住まう恐竜たちを別の場所?に引越しさせる話なんだろう、と思っていたのだが、結構その事前の予断は間違っていて、今回も結局、明確な悪党がいて、そいつの悪だくみでマズいことが起きる、というお話であった。
 つまり、この『Jurassic Park』シリーズは、ほぼ常に、「人災」なのだ。誰かの悪意が明確に存在しているのである。しかも、だ。実にばかばかしいことに、今回もそうだし、まあ毎回そうなのだが、その悪意の源にあるのは「金」なのである。ホントばかばかしい。なんで金のためにそんなことをするんだ、実に嘆かわしい……という思いがどうしてもわたしとしてはぬぐい切れない。
 おそらく、第1作目が公開された1993年と、それから25年を経た現在の2018年では、相当社会のありよう? が変わっていて、何でもかんでも「リスク」計算をしたがる今の世では、まず前提となる恐竜のクローン復元自体、挑戦しようとする企業はいないと思う。なぜなら危険すぎるからだ。あらゆる賠償責任を検討すれば、まず腰が引けてしまうような気がする。たとえ莫大な利益が得られようとも、万一のリスクを考えたら割に合わないのではなかろうか? おまけに、作中で描かれる通り、どんなに準備をしても、たった一人の人間の裏切りで、すべてがパーになるのだから。
 しかしまあ、その点を否定したらこの映画は成立しないので、その「得られる利益>万一の賠償責任」で、莫大な投資は回収して余りある事業企画だとしておこう。事業として収益が成り立ち、ちょっと危険な動物たちのいる動物園、程度に思って運営しようとしていたと思うことにしよう。何も危険はないよ、と。
 しかし、最初の「Park」シリーズ3作になく、前作及び今回の「World」シリーズ2作に共通する違いは、DNA工学の進歩による「遺伝子操作=ハイブリッド」恐竜の「製造」だ。ただでさえ危険極まりない生物を人為的に掛け合わせ、新種を製造する。これはもう、「やってはいけないこと」に他ならないのではなかろうか。もちろん人類は、そういった「人為的交配」による新種の製造をこれまでもう散々やってきたわけだが、予測不能なアンコントローラブルなことをするのは、まあ、たとえ自分が死んだってその影響は残るわけで、責任の取りようがない。そう、自ら責任を取れない、自らがコントロールできないことをするのは、もう完全に許されることではないだろう、とわたしは思う。
 その点で、わたしは前作の感想でも書いたが、この「World」シリーズでの一番の悪党は、DNA工学者であるDr.ウーなる人物だと断言したい。こいつは本当にクソ野郎で、前作ではさっさとバックレてしまうし、今回も……生きてんのかな? 死んでないと思うのだが、コイツこそ、明確に「ガブリ」と殺られてほしかったのに、またうやむやだったのが実に腹立たしく感じた。
 なお、わたしは完璧に忘れ去っていたのだが、このDr.ウーなるクソ野郎は、シリーズ第1作『Jurassic Park』にも登場してたんですね。さっきWikiを見て初めて知ったというか思い出したわ。ともあれ、コイツの悪行に比べたら、金目当ての悪党どもは大したことないと思う。基本的に、金目当ての小悪党どもは全員「ガブリ」の刑に処されるので、それはそれでざまあ!と観ていてすっきりするのだが、この博士はホント許せんとわたしは思った。
 そして、本作で大問題となるのは、人間の悪党どもはもはやどうでも良くて、一体、現代に製造された恐竜たちは、この後どうしたらいいんだろう? という点であろう。確かに、現代の高度に発達した文明が生み出した武器を使用すれば、いざという時の殺処分は可能ではある。その意味では、無理やりであろうとコントロール可能、とも見ることができる。しかし、そこには「命」に対する尊厳もクソもなく、家畜同様の扱いだ。それでいいのかどうか、そりゃあよくないのは間違いなくても、それしか方法がなければ殺るしかない。殺らねば殺られるわけだし。
 そういった正論は分かっていても……やっぱり、溶岩の迫る中で、巨大な草食首長竜(ブロントサウルス?)が噴煙に飲み込まれて崩れ落ちていくシーンなんかは、なんか悲しくなったすねえ……島の脱出シーンは大変つらかったす。そしてラストは、カリフォルニアに連れてこられた恐竜たちを解放して終わるだけだが、まあ、そりゃ無責任すぎると思っても、やっぱり殺されずに済んでちょっとほっとしたわけで、要するに、この映画が描くのは人間のエゴがもたらす地球規模?の悲劇なわけだが、結局のところ観ているわたし自身も、人間のエゴの塊だったな、という妙なオチがついたように感じた。なんつうか……とにかく愚かだよ。登場人物全てが。ついでに言うと観客のわたしも、ね。
 というわけで、以下、キャラ紹介をざっと記して終わりにしよう。
 ◆オーウェン:前作の男主人公。元ヴェロキ・ラプトルの飼育員で、「ブルー」と名付けたラプトルを飼いならす男。ブルーが、すっごくけなげなんすよ……泣ける……ブルーよ、元気でな……。なお、このオーウェンという男は、迫りくる火砕流に巻き込まれても無傷というスーパーマンなのだが、火山国に住まう我々日本人から見るとちょっとありえなさ過ぎるが、まあ、こまけぇことはどうでもいいか。コイツの愚かさは、危険なラプトルを人間に従わせようとしたことにあって、それがどんな悪事に繋がるか無自覚であった点であろうと思う。本作では、カリフォルニアに連れてこられた恐竜たちが、金持ちの悪党どもにオークションにかけられ、おとなしい草食恐竜はペットとして、凶暴な肉食獣は兵器として買われていくのだが、オーウェンのやったことは兵器利用のきっかけともいえるわけで、まあ、コイツも無罪ではないすな。演じたのはMCUのスター・ロードでお馴染みChris Pratt氏39歳。大変イケメンだと思うけど、頭は良さそうに見えないのが弱点かも……。
 ◆クレア:オーウェンの元彼女で元パーク運営会社の人間。彼女の愚かさは、まあ、パーク運営にかかわったこと=恐竜を金もうけに使おうとしたことでしょう。そして、今回の悪党を無邪気に信じて、冒頭30分であっさり裏切られて窮地に陥るのは、観ていて、そりゃそうなるな……この人アホなの? と愚かさを感じざるを得なかったすね。そんな彼女を演じたのはByrce Dallas Howerdさん37歳。今までにいろいろな作品でこの方をお見かけしているけど、サーセン、趣味じゃないす。
 ◆ロックウッド:最初のパークを作ったジョン・ハモンドの親友でウルトラ金持ち。もうかなりのおじいちゃんで体の具合は良くない。今回、このおじいが恐竜の保護をクレアに提案するスポンサーとなるのだが……。彼の愚かさは2つあって、一つは自らの財産管理をたった一人のゲス野郎に任せっきりで、人を見る目もないし、いろいろ知恵の足りない点にあろう。普通、あれだけの広大な土地&大邸宅&財産があったら、資産管理会社をきちんと立てて法人化するだろうに、たった一人の男に託した意味が分からん。愚かすぎる。一応作中では「財団」と称されていたが、財団なるものの実態は一切描かれず、財団なるものが一人の悪党に支配されている描写はすごく違和感があった。まあ、彼は自らの愚かさは裏切られて命で贖うこととなったのだが、せめて信頼する弁護士ぐらい身近に置いとけよな……。そして2つ目の愚かさは、許されざるクローン製造に手を付けたことだろう。これはネタバレすぎるので書きません。ホント愚かとしか言いようがない。演じたのは、超ベテランのJames Cromwell氏78歳。この方は若い頃から顔を知ってるだけに、なんかすっげえ老けましたなあ……年齢が年齢だけに当たり前なんだけど、そのふけ姿に若干ショックっす。
 ◆イーライ・ミルズ:おじいの財産を管理する財団とやらを支配する悪党。彼の動機は「金」だけ。実に底が薄く、薄っぺらな小悪党。見事八つ裂きにされますので、ざまあ、であります。コイツもそうだし、終盤に出てくる恐竜オークション参加者の顔がおっそろしく、あさましい、醜い人間どもの顔をしていて、実に不愉快であった。とにかく、いやーーなツラしてますよ。演じたのはRafe Spall氏35歳。この人は観たことない顔だな、と思ったら、どうやら私はかなり多くの作品でコイツを観ているはずらしく、全然気が付かなかった。どうやらこの人は、『PROMETHEUS』で一番最初にフェイスハガー的謎生物に襲われて死ぬ隊員を演じた彼らしいすね。全く顔を覚えてなかったわ。
 他にも、クレアの部下の獣医の女の子とかPCオタクの青年とか、あるいは金目当てに雇われている傭兵集団のリーダーのクソ野郎とかが出てくるけど、知らない人なので省略。そう、一人だけわたしの知ってる人が出てました。それは、特徴的な顔と163cmの小柄な体格が他の誰とも間違えようのないToby Jones氏で、えーと、例えば『CAPTAIN AMERICA』に出てきたヒドラのマッドサイエンティストのゾラ博士を演じた方ですな。今回の役は、凶悪なハイブリッド恐竜の製造を指示し、オークションを開催していた武器商人? なのかな、とにかく悪党で、「ガブリ」の刑に処せられます。実に愚かであさましいツラをした野郎だったね。
 最後に監督だが、本作を撮ったのはスペインの新鋭Juan Antonio Bayona氏43歳。わたしはこの人の作品は『Lo Impossible』しか観ていないけれど、それほどすごいと感じるものは特になく、普通にハリウッド大作だったな、ぐらいの印象しか持ち得なかった。CGは勿論すごい質感で、本物そのものにしか見えないけれど、ある意味もうお馴染みな映像だし、新しさも感じなかったかな。なのでとりわけメモしておくことはないす。

 というわけで、さっさと結論。
 3年ぶりのシリーズ最新作となる『Jurassic World:Fallen Kingdom』を観てきたのだが、そこに描かれているものは、無邪気な少年めいた恐竜へのあこがれのようなものではなく、あさましい人間たちの純然たる欲と悪意であった。まあ、そんな物語を観て無邪気に楽しめるわけもなく、当然後味悪いというか、スッキリしないわけだが、なんつうか……やっぱり、やっちゃあいけないことはやっちゃあいけないわけで、何をやっちゃあいけないのか、それを判断できるのは、おそらく個人の中にある「良心」と呼ばれるものなのだろうと思う。まあ、その良心を失くしたくはないですな、という教訓としておこうと思います。いやあ……ホントに人間は愚か者ばっかりで絶望しかないす。もちろん、自らもその一員ということは忘れないようにしたいものであります。以上。

↓ もう30年近く前に読んだ原作は大変面白かった。そして、この原作単行本版のカバーイラストの本物の原画を、以前「生頼範義展」で観ました。原画は超オーラが発散されてたっすね。
ジュラシック・パーク〈上〉 (Hayakawa novels)
マイクル クライトン
早川書房
1991-06-01



 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 そして、2015年10月15日の第44話から始めたこの『鮫島』ニュースも、132週分、2年9カ月にわたってお送りしてまいりましたが、これが最後の『鮫島』ニュースとなります。
 実に、実に残念であります。
 そしてわたしとしてはまず最初に、これを読んでいただいている方々へ、御礼を述べなくてはなりません。この、インターネッツという銀河の片隅で細々と記してきた『鮫島』ニュースが、一体どれだけの方々に読んでいただいたのか、実のところわたしにはさっぱり分かりません。しかし何十人の方々から温かいコメントをいただいたことは、とてもうれしく、心から感謝申し上げたく存じます。皆さんからいただいたお言葉も、わたしは忘れません!
 本当にありがとうございました!!!

 そして……みなさま。今週の、無念の、残酷な最終回を読む覚悟は出来ていますか? わたしはもう既に今週号を読み終わっており、いかに、自分の覚悟が、まったく薄っぺらなものだったかということを思い知らされ、愕然としました。わたしが読んだのは今日のAM2時ころでしたが、あまりのラストに、自分でも驚いたことに気を失うかのように寝ちゃいました。そうです。今週の最終ページは、ある意味予想通りであり、全く予想外の形で終わります。矛盾してますがそうとしか言いようがないラストです。
 もう一度問います。そしてこれはある意味警告とご理解ください。
 今週の、無念の、残酷な……くそっ! このあんまりな最終回を読む覚悟は出来ていますか? 今週は、まずはチャンピオンを買って読んでからの方がいいと思います。

 さあ、それではもう、今週は余計なことは書かず、始めます。あ、いや、関係ないけど一つだけ! J-SPORTSが毎夜放送しているツール・ド・フランスの中継には、例年何回か『弱虫ペダル』の渡辺航先生がゲストで登場されるのですが、今年も第3ステージのチーム・タイムトライアルで出演されていました。渡辺先生、本当にお忙しいところお疲れ様です。どうか、どうかお体にはお気をつけください! 渡辺先生のお体がとても心配です。今後も『ペダル』のために、チャンピオンは買い続けますよ!

 さて。それではありったけのカラ元気を振り絞って、最後の『鮫島』ニュースをお送りいたします!
 先週はとうとう13日目のVS『猛虎』先生との死闘に決着がつきました。「虎城」をもっとも色濃く受け継ぐ【猛虎】先生を倒したのは、鯉太郎の師匠である先代空流親方の必殺技「呼び戻し」、別名「仏壇返し」でありました。まさしく「虎城キラー」。いやあ、ホントに燃えたっすねえ……そして泣けました……。今週はその続きであります。
 冒頭は国技館の外観、そして土俵上で【猛虎】先生を投げ飛ばす鯉太郎の図であります。そしてめくった先では、場内シーーーンの様子。椿ちゃん&鯉母は土俵を見つめ、常&大吉&田上さんこと【稲虎】関はもう口あんぐり。支度部屋では白水兄貴がモニターを見ています。審判席の仁王兄貴こと現・空流親方も目を見張り、【王虎】さんは静かな表情、そして虎城理事長は目をつむり、無念……という表情でうつむいています。
 そして鯉太郎は半ば意識朦朧な表情、対する【猛虎】先生は、なん……だと……?的な驚愕?の表情です。そしてNHKアナの「勝負ありーーーー!! 勝ったのは鮫島ーーーー!!」という絶叫で場内はドアアアアと沸き立ちます!
 「鮫島これで何と13連勝ーー!! 昨日の王虎に続き今日もまた大関を倒したーーー!!」
 この先、NHKアナと虎城理事長の解説が続きます。
 「この一戦 勝敗を分けたのは何だったんでしょうか 虎城さん!」
 「二人に差はなかったですよ いや…むしろ技術力を見たら猛虎が上だった… 猛虎が出した最後の上手投げ 並の相手なら…いや…並以上の相手でも決まっていたでしょう…」
 「鮫島は…それ以上だと…」
 「やっかなんですよ…アレは…極限まで削られ 鮫島から最後に出てきたもの…アレは 先代空流親方の…虎城キラーと呼ばれ 私の天敵だった小結春風の技…」
 椿ちゃんが泣いてますよ……! わたしも泣いていいですか? もう我慢できん……!
 「たまたまでもなく 運でもなく…体が最後の技を出させた…鮫島に流れる空流の血が 離さなかった勝利でしょう…」
 ここは1ページブチ抜きで天を見上げ、すっくと立つ鯉太郎の図であります。見てたか……オヤジ……と鯉太郎が考えているか分かりませんが、わたしが代わりに言ってあげたいす。アナタの自慢の息子は、ここまで成長しましたよ!
 そして虎理路理事長は考えます。
 「心配なのはあれほどの力を出し 敗れた猛虎か…」
 そして当の本人である【猛虎】先生の心境はというと、理事長の心配はどうやらいらないようです。まあほんとカッコイイんすよ、この【猛虎】先生は。
 「何て男だ…今にもモロく崩れそうな…儚く消えてしまいそうな…これほどの男にそこまでされたことに 敗れても幸福感すら感じてしまう…」
 【猛虎】先生の表情は、完敗を認めた男の表情です。しかし、「ゴン」という音が響き、観客たちは「!!?」と驚きます。ページをめくるとその音の正体が描かれております。それは、【猛虎】先生の、男の意地でありました! 【猛虎】先生が、悔しさと自らへの怒りに、土俵へ正拳一発、たたきつけた音だったのです!
 「ダメだ…それでは俺が ここで止まってしまう 中にある悔しさのかけらを拾い集めろ…この敗北を悔しさでうめつくせ…ここからまた始めるんだ…必ず俺は いつか必ず…虎城(アナタ)の場所に…」
 なんという……【猛虎】先生、あなたこそ何て男でしょうか! カッコ良すぎます! 太字にしたのはわたしがあまりに感動した言葉です。敗北を悔しさで埋め尽くせ……これは並の男では至らない思いですよ。すげえなあ……【猛虎】先生は。そして紙面では【猛虎】先生がきっちりと腰を折って(たぶん理事長へ向けて)「礼」をしています。さらにその「礼」をみて、虎城理事長は嬉しそうに微笑んでいますよ。男っすねえ……お見事です!
 そして場内は鮫島コールで埋め尽くされております。「場内鮫島コールがおさまりません! 平幕の鮫島がここまで勝ち残ることを誰が予想出来たでしょう!」とNHKアナも伝えております。
 しかしそんな場内の喧騒をよそに、鯉太郎は背後?から、「ピキッ」と謎の感覚をとらえたようです。これは……体の変調か? その謎の感覚に、鯉太郎はきょろきょろと辺りを見渡します。その挙動不審の鯉太郎に、NHKアナも「……? 鮫島どうしたんでしょう…アレだけの激闘です 意識がもうろうとしているのかもしれません…」と解説します。そして行事さんも「おい…君は西方だ…早く戻りなさい…」と声をかけますが。鯉太郎はなにやらふらふらと…「おっおい…そっちは東方だ…」と東へ歩みを止めません。
 そしてページをめくると! そこは見開きで! 鯉太郎は東の土俵下に陣取る男の前に歩み出るの図であります!! この後ろ姿しか描かれていない、東の土俵下にいる男とは!? もちろん!
 ああっ! ページをめくった先も、見開きです! 鯉太郎の、若干不敵な笑みだ!
 「呼んだか…?」
 その声をかけた相手、それはもちろん! 最強横綱【泡影】だーーーーッッッ!!!
 そして!!!! ページをめくると今週の、そしてこの『鮫島、最後の十五日』という漫画の無念の最後となる1ページです!!!! そこに書いている文字を、わたしはたぶんずっと忘れないと思います! 覚悟はいいですか!? 本当にいいですか!!?

 14日目 泡影-鮫島

 オィィィィッーーー!! うそだろーーー!!? マジかよ!? マジなんですか!? 嘘って言ってくれよ!! くそっ!! 本当にこの先が読めないなんて、残酷すぎます!! なんてこった……わたし、マジで気ィ失ったんじゃないかな……。この衝撃を喰らったのがAM2時くらい、ハッ!? と気が付いたらAM4時でした。はーーーホント、わたしの覚悟は全く薄っぺらなやっすいモノでした……。
 はーーー……確かに、確かに14日目にVS横綱戦が組まれることは、十分あり得るものとは思っていましたが、まさか実現するとは……。そしてこの先を読めないとは……。なんて残酷な世の中なのでしょう。残念です。つらいす。とてもつらいすよ……。そしてもう完全に「伝説」がここに誕生したと思ざわるを得ないすね。でも、わたしは本当の最終回を読んで、「伝説」が誕生する瞬間を味わいたかった。 くそっ! 残酷にもほどがあるよ……。はーーーー……本当に、つくづく残念であります。
 そして、今週の週刊少年チャンピオン2018年第33号の巻末著者コメントでは、連載作家陣全員が佐藤先生へのメッセージを寄せてくださっています。皆さん残念に思っておられるのはそりゃあ当然でしょう。しかし、その中で佐藤先生のコメントだけが、一人完全に通常モードで、そこも実に悲しい思いです。ちょっと引用する気持ちにはなれないので、ご自分の目でご確認くださいませ。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
 14日目:【泡影】東横綱←NEW!!!&NEVER END!!!
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 わたしたちが愛した『鮫島、最後の十五日』という漫画は、本当に終わってしまいました……しかも超イイところで。本当に魂を削って執筆されていたんでしょうね……。こんな残酷なことがありますか!? 悲しいとしか言いようがなく、つらいす……。なお、今回の最終回は第176話ということで、計算すると、次の単行本(19)巻が第161話~169話、その次の(20)巻が170話~となるはずですが、いつもより2話分少なくなるわけで、どのような刊行になるか、まだわかりません。連続刊行あるいは同時刊行もあるかもしれないすな……ネーム掲載とかもあるのかなあ……。いずれにせよ、わたしはこの作品をずっとずっと忘れずに、大切に、そして愛し続けようと思います。
 『鮫島』ニュースはこれで終了ですが、単行本発売でなにか新たなニュースがあれば、また何か書くかもしれません。そして私の大好きな映画や宝塚歌劇や読んだ本など、備忘録としてのこのBlogというかテキトーなメモ書きはまだ続けるつもりです。
 というわけで、本当にありがとうございました。そして佐藤先生、本当にありがとうございました!! わたしがいいたいこと、それは勿論いつものこれです!
 いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね!
 そして、佐藤タカヒロ先生はマジ最高っす!
 以上。

 これまで何度もこのBlogで書いていることなのだが、わたしが初めて宝塚劇を観たのが2010年2月の星組公演で、その時の星組TOPスターちえちゃんこと柚希礼音さんのあまりのカッコよさに一発KOされ、以来、すっかりはまったわけだが、そんなわたしが2回目に観たのが、2010年6月の月組公演『The Scarlet Pimpernel』である。その公演でも、わたしは世に言う「まさみり」時代の月組の魅力にくぎ付けとなり、やっぱ宝塚歌劇っておもしれえな、とますますのめり込んでいくことになるのだが、この時、物語のキーキャラであるルイ・シャルル王太子を演じたのが、当時まだ入団2年目の愛希れいかさん(以下:ちゃぴ)であった。ちゃぴはこの時、男役としてキャリアを始めたばかりで、実際この新人公演ではピンパーネル団の青年の一人を演じていて、去年買った『The Scarlett Pimpernel Blu-ray BOX』で確認してみたところ、実に初々しくけなげに演じている姿を観ることができる。
tyapi
 ↑こんな感じ。2010年のスカピンのパンフからスキャニングしてみた。しかしその後ちゃぴは、もはや誰もが知る通り娘役への転向というちょっと珍しい進路を選択し、2012年には晴れて月組TOP娘役へと登極、以来、現在まで6年にわたってTOP娘役に君臨している最強プリンセスなわけだ。
 そして、その”最強プリンセス”ことちゃぴも、とうとう秋の『エリザベート』で退団することとなった。ほぼわたしのヅカ歴とリンクするちゃぴの退団はとても淋しく残念なお知らせだが、受け入れるしかあるまい。そして、6年にわたってTOP娘を頑張り続けたちゃぴに、宝塚歌劇団はその功績に対して異例のプレゼントとして、娘役が主役の単独バウ公演を企画したのである(ここ数年では、娘TOPが一人で退団する時は、宝塚ホテルでのミュージックサロン(ディナーショー的なもの)が一般的)。これはなかなか粋な計らいであり、わたしとしては、絶対に観に行くしかあるまい! と思っていたのだが、まあとにかくチケットが激戦で、最後の一般発売まで頑張ってみたものの獲ることはできず、しょんぼりしていた、のだが、劇団はここでもファンに向けて粋な計らいを見せてくれたのである。そう、今や定番?となった、全国の映画館でその千秋楽の模様を中継配信する、ライブビューイングを企画してくれたのだ。というわけで、わたしも地元シネコンのチケットに応募し、無事に今日、観ることができたのであります。タイトルは、『愛聖女(サントダムール)-Sainte♡d’Amour-』。とにかくビジュアルがスゴイ!
santdamour
 つうかですね、ポスターからしてヤバイよね。物語も、かの聖女、ジャンヌ・ダルクが現代に召喚されてさあ大変!! という少女漫画的?トンデモストーリーで、結論から言うと、「キューティー・ステージ」のサブタイトルの通り、超かわいくて、超楽しく、要するに最高であったのであります! いやあ、やっぱりちゃぴはいいすねえ!
 わたしのような男目線で言うと、例えば同期で退団済みの元宙組TOP娘だった実咲凛音さん(以下:みりおん)のような方は、男なら誰しも美人だと思う正統派美形だが、ちゃぴちゃんは……舞台メイクでない素顔のちゃぴちゃんは……まあ、若干癖がある微妙な可愛さであろうと思う。しかし、ちゃぴちゃんのすごいところは、やっぱり舞台の上での存在感で、とりわけ演技において神がかった輝きを放ち、そしてダンスが超キレていているのである。ダンサーちゃぴの凄さは、おそらく誰しもその眼にしたら、うおお、と感動するレベルだとわたしは思っている。普段のちゃぴはどちらかというと若干おとなし目だけど、明るく可愛い娘なのに、とにかく舞台上のちゃぴは、完全に役に入り込み、ある種の貫禄というか、オーラがバリバリな人物に変身するのだ。まあ、退団公演は『エリザベート』ということで、ダンサーちゃぴを観ることはできないけれど、演技者としてのシシィちゃぴはやっぱり超楽しみですな。
 というわけで、今回の『愛聖女』は、お話的にはかなりハチャメチャで、騒々しいコメディーであったけれど、基本的にうるさいのは周りのキャラ達で、ちゃぴ演じるジャンヌ様は中世の人物ということで、話し方は少し時代がかっているような、そしてやっぱり、その放つオーラは別格で、大変に輝いていたと思う。歌も断然レベルが違うぐらいのお見事な歌声でした。まあ、要するにちゃぴの、ちゃぴによる、ちゃぴのための公演だったのは間違いなかろう。チョイチョイ入るギャグも大変笑わせてくれました。本作はタイムスリップものなわけだが、時を超えて生きる人物として『瑠璃色の刻』でサンジェルマン伯を演じた美弥るりかさんの写真が出てきたときは声を出して笑っちゃったすね。
 というわけで、ちゃぴワンマンショーを一緒に盛り上げてくれた月組メンバーを4人だけ紹介しておこう。
 ◆パメラ:本作の狂言回し的キャラ。タイムマシンで現代へやってきたジャンヌの世話をすることになった現代のオルレアン工科大学学生。演じたのは、天紫珠李ちゃん101期生。彼女も元々男役だったのだが、前作からかな、ちゃぴと同じように娘役に転向したちょっと珍しいお方。かなり可愛い。そしてデカイ! 前作『BADDY』の時、鳥?というかちゃぴ演じるグッディの部下のようなパトロール・バードを可愛く演じていたのが印象的。今回は歌もオープニングナンバーを任されるほどの抜擢と言えそうな気がする。いいじゃないですか。大変気に入りました。
 ◆クララ:パメラをやたらとライバル視するモテ系お嬢様女子。演じたのは、ちゃぴと同期の晴音アキちゃん。とても美人。かなり好きっす。彼女はちゃぴとずっと一緒に月組で頑張ってきたわけで、その想いもひとしおでしょうな。次の『エリザベート』では、女官のリヒテンシュタインを演じるみたいすね。すっと一緒で一番近くにいる同期としてちゃぴも心強いでしょう。今回もとても良かったと思います。今回は同期95期生としては、晴音さんと、後半のキーキャラの議員を演じた楓ゆきさんの二人だけかな。
 ◆ファン・ドゥ・ファン:ジャンヌが大好きでともに100年戦争を戦った男。そしてジャンヌ同様、600年のタイムスリップの果てに現代へやってくる。演じたのは千海華蘭さん。92期生か。月組一筋の生え抜きの一人ですな。てことはやっぱり、ずっとちゃぴと一緒だった先輩ってことすね。パンフによると、現代にやってきたジャンヌの髪をカットしてあげる美容師も彼女が演じてたみたいだな。美容師さんがちょっとした『エリザベート』女官ギャグをブッ込んできたので、わたしは晴音ちゃんか?と一瞬思ったんだけど、千海さんでした。「~でござる!」と若干調子はずれなファン・ファンは最高でしたな。
 ◆ジル・ド・レ:歴史上でもお馴染み、ジャンヌに従い100年戦争を戦った戦士。演じたのは、どうもこの公演での月組生の中で最上級生だったっぽい紫門 ゆりやさん。イケメンですな! 紫門さんも月組一筋の生え抜きすね。91期の最上級生として、カーテンコール後のあいさつは紫門さんが仕切ってました。新公主役経験もあるベテランとして、ジル・ド・レというジャンヌ一筋のボディーガード的役柄はとても頼もしかったよ。
 とまあ、今回の公演は20名という少数精鋭での作品で、結構いろいろ役を掛け持ちしてたみたいすね。でも、ちゃぴを中心にとてもよくまとまっていて、なんかアットホーム感もあって、とても好ましく、楽しめました。

 というわけで、さっさと結論。
 おそらく今後、伝説となるであろう稀代のTOP娘役、愛希れいかさん、通称ちゃぴが、とうとうこの秋、退団することになった。そして6年にわたる最強プリンセスの座についていたちゃぴに報いるために、宝塚歌劇団が企画したスペシャル”キューティー・ステージ”『愛聖女(サントダムール)-Sainte♡d’Amour-』。こいつは絶対観たいぜ! と思ったものの、わずか9公演ということで、チケットは全く取れず、観ることができないのか……と思っていたら、劇団はライブビューイングを用意してくれて、無事、今日の千穐楽を地元シネコンで観ることができた。やっぱりちゃぴは可愛いですなあ……! 大変キュートで楽しく、そして部分部分でサヨナラを予感させる物語は大変楽しめ、ちょっとグッときたっす。そして退団が本当に淋しいよ……頑張って大劇場遠征もしたいと思います。そしてちゃぴの最後の、おそらくは魂のこもった『エリザベート』を楽しみにしたいと存じます。以上。

↓ この本、買っといてよかった……ヅカ本はすぐに品切れで買えなくなるんすよね……二人のプリンセスの写真集。麗しく、大変良い本です。
Deux Princesses―Reika Manaki & Rion Misak (タカラヅカMOOK)
小川友次
宝塚クリエイティブアーツ
2016-11-24

 わたしが今、一番面白いと思って毎週夢中になって読んでいる漫画、『鮫島、最後の十五日』。物語はまさしくクライマックスへ向けて、毎週すさまじい熱量をもってわたしを興奮させてくれている大好きな漫画ですが、その著者である、佐藤タカヒロ先生が、41歳という若さで亡くなられたとの報に触れ、わたしはまだ呆然としております……。
 くそぅっ! おれより全然若いのに!!
 わたしは、自身の経験として22年前に父を亡くし、また、恩師や上司、友人、親族といった身近な、そして大切な人々を亡くし、そのたびに、どこか心が乾いていくような気がしていました。

 一体、冥福を祈るって、どうやればいいんですか!?
 わたしはもう50近いおっさんなのに、いまだに、そのやり方がよく分かりません。
 悼むって、どうすればいいんですか?
 わたしはなんだかずっと、同じようなことを考えていたような気がします。

 そして、今のわたしは、この世に遺されたわたしが先に逝ってしまった人々に対してできることは、たった一つしかないのではないかと思っています。
 それは「忘れないでいること」。
 「忘れずに、ずっとずっと、憶えていること」。このことだけ、なのではないか。そんな気がしています。わたしは、11年前の2007年に、突如思いたって、会社を一日も休まず、土日だけを使ってお遍路を回ったことがあります。まあ、歩いたわけでなく、羽田からチャリを飛行機に積んで、全5回に分けてひたすらチャリで回って88箇所完遂したのですが(サーセン、どうしても高知だけは広大でレンタカー借りました)、その時ずっと、先に逝っちまったみんなのことを考えていたように思います。下手すると声に出してたかもぐらいです。親父よぉ、次まであと何キロあるんだよ……みたいな。当時はスマホなんてなくGPSもなかったもので。
 この1000km以上にわたる旅の中で、わたしはふと、将来おれが逝っちまった時、誰かがこうしてずっと忘れないでいてくれたら、結構嬉しいかもな、と思いました。そして、そうだ、おれに出来ることは、ずっとずっと、忘れないでいること、これだけなんじゃね? と思ったのです。そしてひょっとすると、これが「悼む」ってことなのかも? とはたと気が付きました。これが正解なのかよくわかりませんが、わたしはそう思うことで、心の整理がついたような気がしています。自己満だろうし、単純かつ、超いまさらなんですけど。

 なので、わたしはこれから先、ずっと、出会った人々に、漫画の話になったら必ず、佐藤先生の作品を紹介しまくり、おもむろにタブレットを取り出してその場で読ませ(電子書籍のメリット享受)、すげえだろ! おもしれえだろ!! 泣けるだろ!!! マジ『鮫島』って漫画は最高なんだよ!!!! と言い続けようと思います。
 そして最後まで読んでくれた人は、きっと誰しも「この先は?」と聞くでしょう。その時は、この不条理に対して半ば八つ当たり気味に、ここで終わりなんだよ!!! どんだけ連載時おれが泣いたと思ってんだ!!! と『鮫島』を連載リアルタイムで読んでいたことをキレながら自慢(?)しようと思います。そしてその先の展開を熱く妄想して盛り上がり、あまりに早く逝ってしまった佐藤先生を想って泣こうと思ます。
 佐藤先生、わたしはずっと、あなたとあなたの作品を忘れないでいます。

 と、いうわけで。毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です!
 そしてこの『鮫島』ニュースは、今回と次回で終了となります(いや、最後の単行本発売の時や、その後も妄想記事は書くかもしれません)。ほんとうに無念です。しかし佐藤先生や奥様、ご親族の方々や編集部の皆さんの無念に比べたらきっと100億分の1ぐらいでしょうから、あと2回、せめてカラ元気を出してお伝えしようと思います。チャンピオン概況は省略して、さっそく行きますよ!

 先週はついに鯉太郎が【猛虎】先生の左前まわしを取って、吽形さん直伝の「美しい」下手投げを放ったところまでが描かれました。そして相撲そのものを体現する横綱【泡影】の目が開き、鯉太郎が強敵(とも)たちと闘ってきた「点」が、とうとう横綱【泡影】へ至る「線」となった!的な、超イイところまでが描かれました。
 今週は当然その続きです。下手投げは決まるのか!? もうのっけから鼻息荒く、わたしは興奮を抑えられません。今週は、土俵を見守る虎城理事長の内的独白からスタートです。投げに行く鯉太郎を見て虎城理事長が思う事、それは愛弟子【猛虎】への想いです。
 「わずか…本当にわずかに…力んでしまった…悔やむべきはそこまで鮫島を 猛虎が引き上げてしまったということか…」
 しかし巻頭ページをめくるとこそには、まったく諦めていない【猛虎】先生の眼光鋭い眼差しです! あっと! 【猛虎】先生はザッと右ひざでつっかけて投げを回避! これには虎城理事長も「アレを 切り返すか…」と「!!!」の様子です。そして二人ともすかさず体勢を立て直し、両者四つに組んだ模様です!
 「なんという 技術の高さ…よくぞ…よくぞここまで…」こう思う虎城理事長の脳裏に浮かぶのは、かつて【猛虎】先生が言ったあの言葉です。
 「自分の虎の字は親方の虎の字です 大横綱虎城の息子は王虎(アイツ)だけじゃない」
 そう、もはや虎城理事長も「見事だ…息子よ…」と思わざるを得ないでしょう。くそっ! 泣ける!! どうしようもなく泣けますねえ!!
 しかし、それでも鯉太郎は、ズッ…と押し込んできます。これには【猛虎】先生も驚きの表情、虎城理事長も、なにぃ!?的フェイスだ! 椿ちゃんも常&大吉も、田上さんも、みんなが「どっ…どこにその力が…」と土俵にくぎ付けです! そして胸をつけ一番近くにいる【猛虎】先生は感じます。
 「生命を燃やすか…いや…このにおいは…鮫島の中にいる 王虎(おまえ)か…」
 【猛虎】先生はそれを感じて俄然表情が燃えてきました! 嬉しそうです!
 「寄こせ…鮫島…それを…それは俺が…その虎城の血は…俺が…」
 ここでの鯉太郎の表情は、もはやイっちゃってるような表情、そして【猛虎】先生が一気に! ページをめくるとそこには1ページブチ抜きで! 一気に寄る【猛虎】先生のすさまじく迫力ある絵であります!! そして台詞もカッコ良すぎる!
 「俺が持つべきものだ…!!!」
 イカン! こいつは万策尽きたか!? 鯉太郎の眼が、徐々に閉じていく!? こ、これは! 虎城理事長も、ここまでだ…的な終了のお知らせフェイスです!
 「コレですべての力を使い果たしたか…勝負ありだ…鮫島鯉太郎…」
 しかし次のページは! 「どうしたクソガキ そこまでかコラ」とあの時の父、火竜の顔が鯉太郎の脳裏によぎりました! そして次のページは! あーーーっと! 止めた! 【猛虎】先生の寄りを必死に押しとどめる鯉太郎の図であります!! この鯉太郎の様子に、鯉太郎母は、そして虎城理事長は、二人そろって同じものを見ます! それは!
 「かっ…火竜…か!?」
 しかしそれでも【猛虎】先生は冷静。最後のフィニッシュへ、これまでの全てを出すべく覚悟を決めます。
 「こい…何があろうと 誰が来ようと…揺るぎはしない!! 俺の相撲は…虎城の相撲は…」
 そしてページをめくった先は、見開きで一気に上手投げ(?)をぶち放つ【猛虎】先生の図です。 う、美しい!! 台詞もカッコイイ! なにより、【猛虎】先生の表情が最高にカッコ良すぎです!
 「最強だと…俺が証明する…」
 これで決まりか!? 鯉太郎ももはや「これで…俺は…もう…」と完全燃焼なのか? しかし、その脳裏のよぎるのは!! ああ、なんてこった! もう涙が止まらないす!! そう、鯉太郎がここで思うのは、家族である空流のみんなであり、「空流部屋の看板」です!!! そして、亡くなった先代空流親方、またの名を「虎城キラー」春風の優しい笑顔です!!!!
 そして……ページをめくると、そこには見開きで……! 行ったーーーー!!!! 呼び戻し!!! 別名「仏壇返し」炸裂だ――――!!!!
 来た! 来ちゃった!! マジかよ鯉太郎! お前って野郎は!!! 
 そして今週ラストページは、1ページブチ抜きで、【猛虎】先生を土俵にたたきつける鯉太郎の図で幕、であります……。はぁはぁ……つ……ついに……ついに! 決着……!! であります!!
 はぁ……今日はもう、わたしはこの興奮と感動で、何もかもが色あせて見えるような気がします。ありふれた日常を生きられるのが、そりゃあまあ、幸せなんでしょうよ。でも、あまりの興奮を味わうと、幸せなはずの日常が、どうしてこうもつまらなく思えちゃうのかなあ……なんかもう……抜け殻っすわ……涙が止まらないす……。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目まで10勝、その後【泡影】に1敗した模様
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。67連勝中(12日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はとうとうVS【猛虎】先生との死闘に決着がつきました。ある意味予想通りであっても、予想以上の感動で、わたしはなんだか抜け殻になったような気分す。今日は一人で飲みに行っていいすか……? 3時間後には来客もあるし、やらなきゃいけないことがあるのに、なにもかも、つまらねえというか、どうでもいいというか……誰にも会いたくないというか……またおれは残されちまった……みたいな感覚を非常に強く感じます。これは、ひょっとすると椿ちゃんたちが感じていること、天雷が感じたことに近いものなのかもしれないすな……。まあ、ともあれ、来週はラスト、最後の『鮫島、最後の十五日』です。その予定外の、そして無念の最終回を、わたしは受け入れる覚悟を固めようと思います。つうかですね、いやあ、ホントに『鮫島』は最高っすね! わたしはこの思いを、ずっとずっと忘れないでいようと思います。以上。

 ごめんなさい。
 わたしたちが愛した佐藤タカヒロ先生の訃報に触れ、今は気持ちがぐちゃぐちゃで、どうしても言葉がまとまらず、いただいたコメントに返事ができず申し訳ありません。
 明後日木曜日のチャンピオン発売までに、気持ちをまとめて文章にします。
 そしてもちろん! まだわたしたちが愛した『鮫島、最後の十五日』は、2話分、週刊少年チャンピオン2018年33号まで掲載されるとのことですので、最期まで『鮫島』ニュースは続けます。
 ごめんさい。今日はこれにて……お許しください。。。

 はあ……なんつうか、早くも今年の半分が終わり、すっかり夏ですなあ……わたしは暑いより寒い方が断然平気で、ズバリ言うと、夏は嫌いだ。直射日光がもうアカン。というわけですっかり梅雨明けしてしまった東京だが、現在、赤坂ACTシアターにおいて、わたしの愛する宝塚歌劇団の、月組選抜メンバーが『雨に唄えば』という作品を絶賛公演中である(※あと2日で終わっちゃうけど)。映画で有名なこの作品、舞台版では舞台上で本当に雨を降らせることでも有名だろうし、今回の宝塚版でも当然雨は降らせ、しかも相当などしゃぶりぐらいの勢いで雨を降らせると聞いて、わたしも劇場で観たかったのだが、いかんせん土日しか観に行けない身としては、こうしたいわゆる「外箱公演(注:宝塚歌劇団所有の専用大劇場以外の公演のこと)」は、行ける日程にも限りがあり、要するに、ええ、チケットが獲れなかったのであります。なので、今回は見送りかなあ、とか思っていたのだが、そうだよ、いまやほぼすべての公演を「ライブビューニング」なる手法で各地の映画館へ映像配信している宝塚歌劇団である。そうだ、ちょっくら家の近所の映画館のチケットを予約してみよう、というわけで、結構あっさりそのチケットは獲れたのでありました。おまけに、客入りとしては満席ではなく、若干の余裕がある販売状況であった。
 というわけで、昨日、わたしが近所のシネコンにて観てきたのが、月組公演『雨に唄えば』のライブビューイングである。結論から言うと、遠い日に観た映画版の内容を完璧に忘れているわたしとしては、こんなに笑えるコメディーだっけ!? とびっくりするぐらい、笑えて愛らしい、楽しいお話であった。コイツはホント、劇場で生で観たかったわ……! 大変面白かったす!

 お話としては、1927年だったかな、舞台はハリウッド、そしてサイレント映画のスターである男優ドン・ロックウッドと、女優リナ・ラモンドの二人は、大人気のカップルで、二人の主演作は大変人気があった。しかし、実のところドンはまったくリナが好きではなく、一方的にリナから婚約者ヅラされてやや迷惑に思っていた。そして、大問題として、リナは若干ぶっ飛んでる系の女子で、その喋り方はとんでもなく、声もまた甲高い、けど、サイレント映画なので問題ナシ、というギリな状況の中、いよいよハリウッドにもトーキー映画の幕開けとなり、しゃべれない、歌えないリナではトーキー映画はアカンだろうということで、ドンは、親友でミュージシャンのコズモが作る楽曲と、とあるきっかけで知り合い、そして恋に落ちたキャシーにリナの吹替えを演じさせることで、初のトーキー映画を成功させようとするが、吹替なんてとんでもないわ! というリナのプライドに邪魔されて……的なお話である。
 要するに、古き良きハリウッドらしい、ドタバタコメディーなわけだが、やっぱり見どころは各キャラクターを演じた皆さんの熱演であろうと思う。実に楽しく、素晴らしかったすね。
 ◆ドン:主人公のイケメン俳優。演じたのは勿論のこと、月組TOPスター珠城りょうさん(以下:たまきち)。わたしはたまきちくんはこういう優しい男系で等身大系で、スーツを着ている系の役がとても似合うと思っているので、今回のドンも、もう文句なしである。数多いタップダンスも良かったし、なんつうか、安定のたまきちくんでした。ホント、TOPとして歌も演技も安定してますな。そして雨のシーンは想像してた以上のどしゃ降りだったすね。これは生で観たかったわ……。たまきちくんは意外とコメディもイケるんですなあ。なんつうか、育ちの良さそうなイイ人を演じさせたら、現在のTOPスターの中ではピカイチだとわたしは思う。それだけに、次回作のトート様がどうなるか、すげえ楽しみですな!
 ◆リナ:ルックスは美しいけれど、しゃべりや声がトンデモ系の困ったちゃん系大女優。役回りとしては若干悪役になってしまうけれど、実際のところリナも一応は努力しているわけで、ちょっとかわいそうな女子でもあるように思えた。そして演じたのは、前作『BADDY』で銀色の肌の宇宙人を演じて笑わせてくれた輝月ゆうまくん(以下:まゆぽん)。『BADDY』を一緒に観に行った後輩女子は「むじんくん」と名付けていました。あの宇宙人はホント最高でしたな。そして今回は、普段の男役からもうって変わって女子役なわけで、しかもトンデモ女優ということで大変身なわけだが、まゆぽんは177cmとたまきちくんよりデカいので、なんかもうその圧がすごくて、役にぴったりだったような気がします。歌も見事でしたね。お話としては一番のキーキャラと言っても良いと思うけど、実に楽しそうに演じられているのが印象的でありました。95期ということで、わたしの一番好きな礼真琴ちゃんと同期なわけで、今後の活躍も期待したいと存じます。素晴らしかったよ!
 ◆コズモ:ドンの幼少期からの親友でミュージシャン。演じたのは月組2番手スター美弥るりかさん(以下:みやちゃん)。なんつうか、たまきちくんがTOPになってからのみやちゃんは、自分より5年若いTOPを支えるベテラン(たまきち:94期、みやちゃん:89期)として、ホントに味が出てきたように思いますね。コズモという役もぴったりだったと思うし、その美貌と歌、そしてダンスも非常に輝いてました。たまきちくんとしては、みやちゃんがそばにいてくれることはとても大きいだろうなあ、と感じます。そして星組イチオシのわたしとしては、元星組生だったみやちゃんが、短くてもいいからTOPになってほしいと強く望みます。TOPになれずに卒業してしまったらとても悲しいすね……みやちゃん……3公演ぐらいでも星組に戻ってTOPになってくれないかなあ……。
 ◆キャシー:ドンが知り合う演劇女子。そして美声の持ち主。舞台出身のため、映画なんてただの影よ! というご意見の持ち主のため、初対面時はドンのことは嫌いだった(?)だが、一方的に惚れちゃったドンの強力なアプローチで、だんだんとドンに魅かれていき恋に落ちる。演じたのは、過去新公ヒロインやバウヒロインを経験し着々とキャリアを積んでいる99期生、美園さくらちゃん(以下:さくら)。わたしは全然新人公演を観られないので、本公演でのさくらちゃんしか知らなかった、というより、ズバリ本公演での印象は全くないお方なのだが、なるほど、歌もダンスも、悪くないすね。さすがに99期生首席入団だけありますな。芝居に関しては、まあ、若干オドオドしている感じは受けたけれど、これはキャラクターに合わせたオドオドだったと思うことにしよう。その実力は確かなものとお見受けした。さっそく「おとめ」チェックしてみたところ、なんと、大妻出身かよ! そして特技は「数学」ときたもんだ。へええ~! わたしの姪っ子が通い、わたしの会社の近くでもあるので、大妻出身と聞くとなんか応援したくなるすね。そうか、月組のさくらちゃん、覚えておこう。顔に特徴があるから、今後すぐに見分けられると思うので、注目していきたい所存であります。
 ◆デクスター:映画監督。監督だけど、撮影所のお偉方とかドンよりも若干立場は下のようで、自分の意見を言うもあっさり場に流される、若干のボケ役。演じたのは、わたしのヅカ友の美人お姉さまがイチオシの漣つかさくん(以下:れんこん)。わたし、今回一番笑ったのはデクスターのボケかもしれない。おかしな男だったすね。れんこんくんは若干出番が少なかったけれど、きっちり印象にの起こる演技だったよ!
 今回の公演は、月組公演とは言え、現在月組は3班に別れているので、ちょっとキャストが分散していて、本作では、わたしの好きな月組ジェンヌが揃って欠席であった。月組TOP娘役のちゃぴこと愛希れいかさんは単独バウ公演中だし、美貌のれいここと月城かなとさんは単独主演作に出演中だし、わたしが月組で一番応援しているうみちゃんこと海乃美月さんも、れいこさん主演作でヒロイン中だし、というわけで、月組はやっぱり層が厚いなあ、と感じますな。つうか、ちゃぴ卒業後のTOP娘役は海ちゃんで決まりでいいんすよね……? さくらちゃんも有力候補なんすかねえ……。まあ、発表の時を待つことにしましょう。

 というわけで、さっさと結論。
 月組公演『雨に唄えば』を、ライブビューイングで観てきたわけだが、まあ、やっぱり生の舞台とは違いますな。その迫力はやっぱり比べ物にならないし、ホント、みんな大人しくシーンとして観ているので、拍手も出来ないし、なにより、視線が映像に固定されるので、自分の見たいジェンヌを追いかけられないし。でもまあ、それでも観られないよりはずっとマシなので、チケットが獲れなかったわたしとしては大変ありがたし、であった。そして作品そのものとしては、意外なほどのコメディーで大変楽しめた。面白かったす。そしてそれを支えるジェンヌの皆さんの確かなパフォーマンスも大変素晴らしかったと思う。たまきちくんとみやちゃんのタップダンスは見事だし、まゆぽんは笑わせてくれたし、さくらちゃんは可憐だったし。まあ、言うことナシ、大満足でありました。そしてサーセン! 今回はイケ台詞、メモするの忘れたので、かなりあいまいですが、1幕ラストの土砂降り直前の、「今日は雨ね」「フッ……僕のそばには(キミという)太陽がいつもあるさ……」的なセリフが一番カッコ良かったと存じます! いやあ、たまきちくんの等身大な男のスーツ姿は、ホントいいですな! 最高です。以上。

↓ 本当は予習していくべきだったのかなあ……。サボってサーセンした。
雨に唄えば (字幕版)
ジーン・ケリー
2013-11-26

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