2018年03月

 昨日は会社帰りに映画を観てきた。どこで観ようかな、と少し悩んだのだが、時間的に一番都合がいい、という理由で、新装OPENしたばかりの日比谷TOHOシネマズへ行ってみることにした。宝塚歌劇を愛するわたしとしては大変お馴染みの場所だし、そもそも80年代から映画オタク小僧として、当時その地に存在した有楽座や日比谷映画などへチャリンコで映画を観に行っていたわたしには、もう行き慣れた場所である。ま、わたしの会社から地下鉄で10分と近いし。
 しかし、わたしはもう、そのあまりの人込みと混雑に、日比谷を選んだことを深く後悔した。なにしろ、あのシャンテ前広場(というのかな?)に着いて、まず建物である日比谷ミッドタウンに入場するのだけで長ーい列だし、さらに、TOHOシネマズは4階にあるのだが、4階へどうやって行けばいいのか、一瞬ではよくわからない。エレベーターはいつまでたっても来やしない、頭にきてエスカレーターへ行こうとすると、これまたおっそろしく長蛇の列。おい、これ、間に合わねえかも? と若干焦りつつ、スットロイ歩みの人々にイラつきつつ、エスカレーターに乗り、イライライライラ……としながら3階へ。しかし3階から4階への導線も明確な案内がなく、いや、あるんだけど人込みでよく見えず、あ、こっちか!と気づいて4階へ。大げさではなく、わたしが有楽町についてチケットを発券するまでに30分ぐらいかかった。まあ、こりゃあ、当分の間は日比谷TOHOで映画を観ようと思うのはやめておいた方が良さそうですな。もう、なんでそんなに写真撮りたいわけ? ボサッと突っ立って撮影している人が異常に多くて、ホント勘弁してもらいたい。つうか、外から直接映画館に行けるか、専用のエレベーターとかエスカレーターがあるのかと思ってたわたしがアホだった。
 ともあれ。なんとか上映開始直前に無事到着し、ヤレヤレ、という気持ちでわたしが昨日見た映画、それは数カ月前に原作小説を読んだ『RED SPARROW』である。あ、数カ月じゃすまないか。読んだのは去年の6月だからだいぶ前だな……その時の記事はこちらです。
 で。のっけから結論を言うと、相当原作小説とは違っていて、かなり縮小圧縮されているのは間違いない。しかし、その縮小圧縮はなかなか上手で、テイストを生かしつつ、また物語としてきちんとまとまっていて、映画だけでも十分話は理解できるものとなっていた。のだが、やっぱり物語はヒロイン・ドミニカにフォーカスされ過ぎていて、事件そのもののカギであるロシア人スパイに関してはごく薄くしか描かれておらず、ちょっとクライマックスからエンディングへの流れはかなり駆け足展開であり、その点はもったいないな、とは思った。原作ではそのロシア人スパイのおじいちゃんの行動が一番グッとくるだけに、わたしとしては残念であった。
 というわけで、以下、ネタバレに一切配慮せずに書きなぐると思うので、まだ見ていない人は以下は読まない方がいいと思います。

 というわけで、相変わらずFOXの予告はイマイチなセンスだが、どうだろうな……この予告から想像できる物語とはちょっと違うような気がする。物語に関しては、原作小説を読んだ時に書いたので、ごく簡単にまとめるに留めるが、要するにこんなお話である。
 ボリショイバレエ団で主役を務めるバレリーナ、ドミニカは、その美貌と実力で嫉妬を買い、故意に足を踏んずけられるという事故で将来を棒に振ってしまい、あまつさえ病身の母の看護は打ち切られ、さらにアパートを追い出されそうになる。しかし、その美貌は叔父であるロシアSVR高官の目に留まり、ハニートラップ要員として協力を迫られる。要するに、母のために、お国のために、協力しろ、という脅迫めいた勧誘だ。やむなくドミニカはその汚れた仕事を引き受けるが、ドミニカは誘惑してスマホを入れ替えろ、という指示で動いていたのに、その誘惑した男はドミニカの目の前で、ズバリ言うとセックス中に暗殺者に殺される。その殺人も当然叔父の仕業なわけで、殺人を目撃したドミニカは、死ぬか、今後もスパイとなるかの2択を突き付けられ、かくしてドミニカはスパロー・スクールと呼ばれる養成学校へ放り込まれ、そこでは超おっかない監督官のおばちゃんに目を付けられつつも、人間の尊厳を無視したような過酷な試練も乗り越え、次に、アメリカCIAの男を誘惑し、アメリカに情報提供しているロシア高官の名前を調べ上げろという任務に投入されるのであったーーてなお話である。
 何度も書くが、わたしは原作小説を読んでいるので大体は原作通り……ではあるのだが、結構重要なポイントはカットされていて、かなり映画は速いテンポで話が進んでいく。
 わたしは原作を読んだ時に、すでにJennifer Lawrenceちゃん主演でで映画化されることを知っていたのだが、わたしはJenniferちゃんが大好きだし、とてもかわいいと思うけれど、ドミニカ役はどうなんだろう? と大変失礼なことを考えていた。というのも、Jenniferちゃんはご存知の通り、かなりグラマラス&むっちりBODYなので、バレリーナとしてどうなの? とか思っていたのである。おまけに、まあ、ロシア人には見えないわな。
 しかし! これは本当に驚いたのだが、冒頭しかJenniferちゃんのバレリーナ姿は見られないけれど、実に素晴らしいバレエダンサーぶりで、性格の悪いわたしは、これって……CGで顔を合成しているのか? と勘ぐってしまうほど見事なバレエシーンであった。冒頭ダンスシーンは実に素晴らしく、これは相当特訓したのではなかろうか。はっきり言って、わたし的にこの映画の最大の見どころは、冒頭のバレエシーンであったようにさえ思う。あ、そうなんだ、Triviaによると、1日3時間の特訓を4週間、特訓したようですな。いやあ、ホントお見事なバレエダンサーぶりでした。
 あと、これは全くどうでもいいことだが、本作ではJenniferちゃんはかなりいい脱ぎっぷりで、それも全然想像していなかったので結構驚いた。近年、女優のヌードはめっきり減っているけれど、この映画はガッツリ脱いでますな。栄光のオスカー女優たるJenniferちゃんの気合は相当なものですよ。お見事でした。ついでに言っとくと、本作はボカシなど一切なく(だったと思う)、どうでもいい男優のナニがボロンと画面に映るのも驚いたすね。そういう時代なんだなあ。
 というわけで、以下、キャラ紹介しつつ思ったことをまとめて終わりにしよう。
 ◆ドミニカ・エゴロワ:本作のヒロイン。もう散々上に書いた通り、元バレエダンサー。父の弟、つまり叔父がロシアSVR高官のワーニャ・エゴロフで、幼いころから変態的視線でドミニカは見られていたそうな。小説版では「他人の感情が色で視える」という特殊能力があったのだが、本作では叔父とともに人間心理を見抜く才能、みたいなものに格下げされて説明されていた。なお、映画版では冒頭の足を踏んずけられるシーンがやけにリアルな描写で、観ていて、超痛そう!でありました。拷問シーンも、非常に痛そうだし、辛い役でしたね……。また、小説版では比較的CIAの若者ネイトに本気LOVEのような展開だけれど、映画版は、結局ネイトをも利用するかなりクールな女子だったってことなのかな……若干キャラ変しているように思う。いずれにせよ、演じたJenniferちゃんはかなりの熱演であったと思う。なんだか最近は若干お騒がせ女優的扱いをされることが多いような気がするけど、やっぱりJenniferちゃんはオスカー女優であり、実に演技派ですよ。
 ◆ネイト・ナッシュ:CIA諜報員。かなり小説版とキャラ変している。小説版は、非常に若々しいゆとり小僧のようなキャラなのだが、思うに、日本語翻訳の味付けがそうだったのではないかと思う。会話のセリフとか行動がガキ臭かったりした印象なのだが、映画版ではなんか小汚いおっさんでした。そしてネイトも、小説版ではドミニカに本気LOVEだったのに、映画版はもっとドライな感じの印象。はっきり言って、かなり、じゃすまない。全然キャラクターが変わっていたと思う。演じたのは、『STAR WARS』のEP:2~3で、若きオーウェン・ラーズ(ルークを引き取るアナキンの義兄弟)を演じたJoel Edgerton氏43歳。残念ながらわたしの審美眼では全くイケメンではない。作中でドミニカは、あのCIAのハンサム野郎に惚れたのか?的な質問をされて、「はあ?」という顔をするシーンがあるのだが、わたしも、はあ? ハンサム? 誰が? と思いました。映画版のネイトは職務に忠実な出来る男として一匹狼的に行動するが、小説版では重要なキャラであるネイトの左遷先のヘルシンキ支部の支部長フォーサイスとその部下ゲーブルは一切登場せず。つうか、左遷自体ナシ。なんとフォーサイスは、US国内のネイトの上司?の女性として登場。まあ、時間的制約からすれば仕方ないかな……。でもその影響でだいぶ映画版は薄味になっちゃっていたように思う。
 ◆ワーニャ・エゴロフ:SVR高官でドミニカの叔父。演じたのはMatthias Schoenaertsさん40歳。原作では完全におっさんだと思ってたのに映画版では驚異の若返り。どう見ても、いや実際の年齢でも、ネイトを演じたJoel氏より若いじゃん。あ、Mattihiasさんはベルギー人なんすね? 完全にロシア人のように見えたすね。つうか、プーチン大帝をイケメンにして若くしたような感じのハンサムガイでした。かなり多くの映画に出ているようだけれどわたしは全然知らない方でした。なかなかのイケメンなので、今後ハリウッドで活躍できるのではなかろうか。
 ◆コルチノイ:ロシアSVR高官で、実はアメリカに情報を流している「モグラ」。彼の行動が原作の下巻では一番のメインなのに、大幅にカットされて縮小されていた。しかし、彼のエピソードが本作の一番面白い部分なのに、実にもったいない……。かなり冒頭から登場シーンがあって、わたしは結末を知っているからどういう伏線を織り込むのだろうと思いながら見ていたのだが、どうもそういったヒントは全く提示されず、ラスト近くでいきなりの秘密の暴露になだれ込むので、映画版だけだと、ラスト20分はホントに理解できるのか、心配なレベル。小説版では大変泣けるエピソードです。なお、小説版ではかなりおじいちゃんのイメージだが、映画版で演じたのはオスカー俳優Jeremy Irons氏69歳。実にカッコイイ。最近では、バットマンの忠実な執事アルフレッド役でもお馴染みですな。
 ◆ステファニー・ブーシェ:US上院議員補佐官。ロシアにUS国家機密(防衛情報)を垂れ流す女。彼女も小説版からはかなり変わっている。小説だと上院議員そのものだったんじゃなかったっけ。そして彼女はUS国内で情報漏洩するので、FBIも絡んできて大変な事態になるのだが、その辺は大幅にカット。そういえば、ネイトが左遷後、US国内勤務になった時の上司も出てこなかったな。その上司とコルチノイの関係が泣けるのに……。演じたのは、Mary-Louise Parkerさん53歳。53歳!?もっと若く見えるすね。40代かと思ってた。
 とまあ、主なキャラは以上です。監督は、Jenniferちゃんの出世作『THE HUNGER GAMES』の2以降を撮ったFrancis Lawrence氏47歳なのだが、まあ、なんつうか、ここがすごい的な部分はあまり思い当たらないす。それより、本作は結構音楽が印象的だったすね。音楽を担当したのは、数々の作品を手掛けるJames Newton Howard氏。ああそうか、彼もまた『THE HUNGER GAMES』の音楽を担当してたんだな。冒頭のバレエに流れる白鳥の湖も印象的だし、エンドクレジットに流れる曲も良かったすね。それから、エンドクレジットの結構最初の方に、日本人と思われる名前が2つあって、IMDBによるとかなり多くの作品にかかわってこられた方みたいですな。一人目がUnit Production ManagerとしてMika Saitoさん、もう一人がSecond UnitのSecond Assistant DirectorとしてTakahide Kawakamiさんという方の名前がわたしの記憶に残った。先日のアカデミー賞では辻さんが特殊メイク賞を受賞したけど、こういうハリウッドで活躍する日本人は大いに応援したくなりますな。

 というわけで、なんかまとまらないのでさっさと結論。
 昨日の夜、会社帰りに新装OPENしたばかりの日比谷TOHOシネマズにて、約10カ月前に原作小説を読んだ作品『RED SPARROW』を観てきた。まあ、原作小説を大幅に縮小圧縮したもので、ちょっと薄味であるのは間違いないのだが、意外と破綻なく話はまとまっていて、実は結構上手な映像化だったんじゃないかという気もする。ただし、わたし的に一番面白いと思っていたエピソードが大幅に縮小されていたのは残念。しかしそれよりも、小説を読んだ時はJenniferちゃんにバレリーナはどうなんだ、とか思ってたのに、非常に美しいダンスシーンを見せてくれて、実にお見事なバレリーナぶりであったと思う。そしてヌードも辞さない女優魂はお見事でした。やっぱり、Jennifer Lawrenceという女優は演技派ですよ。オスカー女優の看板は伊達じゃないね、と思いました。以上。

↓ まあ、実際のところ、小説の方が面白いと思います。確かシリーズ化されるんじゃなかったっけ? なお、作者については小説版を読んだ時の記事を参照してください。元CIAの本物が描いた作品です。
レッド・スパロー(上)
ジェイソン・マシューズ
早川書房
2013-10-29

レッド・スパロー(上)
ジェイソン・マシューズ
早川書房
2013-10-29

 ↓そうそう、こちらが続編だ。日本語化希望! 読みたい!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 わたし的にはかなり盛り上がった3月大阪場所も終わり、もう来週は4月です。早いなあ、ホントに。なお、3月場所は、わたしが愛してやまない松鳳山裕也君は7勝7敗で千秋楽を迎え、しかも千秋楽の相手は来場所小結に上がれるのではないかという好成績を残している遠藤関ということで、やっばい、ここがオレ的クライマックスだぜ!? とドキドキしながら土俵を見守ったわけですが、結果は松鳳山関の勝利、無事に勝ち越しを決めることができました。いやあ、あの取組は超興奮しましたすねえ……あーあ、わたし松鳳山関のファンなんです! みたいな奇天烈なことを言う女子と出会ってみてえ……いねえだろうなあ……。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年18号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙もナシ?みたいです。表紙は「マンガ大賞」を受賞したBEASTERSであります! 板垣先生、おめでとうございます! 短編の頃から応援してきて感無量す!
 ■弱虫ペダル:最後の筋肉の巻。変態小鞠君は本当に変態ですね。そして赤いマメツブこと鳴子くんの出番が来たようですよ!燃える! わたしは鳴子くんが一番好きっすね。
 ■刃牙道:これからの巻。どうやら次週最終回?だそうで、またタイトルが変わるのかな?
 ■BEASTERS:ないものねだり狂想曲の巻。ルイ先輩とレゴシ君の関係はイイすねえ!
 ■Gメン:さよならの巻。感動?の最終回、めでたしめでたしです。伊達先輩がカッコイイですなあ。みんな、幸せになるのじゃぞ……!
 てな感じの週刊少年チャンピオン2018年18号でありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 と、その前に。『鮫島』最新刊第(17)巻が来週発売になりますので、絶対買いでお願いします! わたしはこの『鮫島』ニュースでは、絶対スクショなど画像は貼らないことを掟としていますが、この新刊(17)巻のADページがクソカッコエエので、これだけはお見せします。広告だからいいっすよね? 本物はタテに掲載されています。
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 カバーは何と【王虎】さん! 『鮫島』でカバーが鯉太郎でないのは今回初めてです! 第(17)巻は、【王虎】さんVS【百雲】戦の続きから始まりますので、あの興奮をもう一度、単行本で味わいましょう! 以上広告終わり。
 さて――。それでは改めまして、『鮫島』ニュースであります。
 先週は、部屋に戻る途中の【猛虎】先生の車中の様子と、部屋に帰ってきた鯉太郎と椿ちゃんの心の内が描かれました。まず【猛虎】先生は、『バチバチ』第1巻第1話で素人高校生だった鯉太郎に負けてしまったわけですが、あの負けがなかったら今の自分はないと、極めてポジティブかつ真面目にとらえており、虎城親方のいた高みに昇るための「餌」だと断じた弟弟子【王虎】さんを「喰った」鯉太郎を倒してこそ、と静かに燃えていました。そして鯉太郎は、椿ちゃんへ、偽りのない、ある意味わがままな想いをぶつけ、ゴメンなと謝り、椿ちゃんはそんな鯉太郎を止めることも、背中を押すこともできず、できることは泣くことだけ……と顔を覆うのでありました。これも青春なんでしょうなあ……。
 そんな泣けるシーンで終わった先週ですが、今週は虎城部屋の様子からスタートです。若い衆たちがちゃんこのスタンバイは完了しているのに、また手を付けていない、それは、(恐らくは)部屋頭たる【猛虎】先生が、「メシ前に稽古場で汗流すって言ってたっス」だそうで、「猛虎関がまだなのに俺ら下っ端が食べられるわけないでしょう!」な状況だそうです。しかし若い衆も、それを不満に思っているわけではなく、「猛虎関は先に食べろって言ってたんスけど」「んな失礼なこと出来ないっスよ」と笑顔。それを聞いた田上さん改め【稲虎】関も、「まったく…あの人は…」と笑顔でヤレヤレ的な表情です。まったく、虎城部屋もいい雰囲気ですなあ!
 そしてページをめくると、そこには鋭い眼光で汗を流す【猛虎】先生の図です。立ち合いや左のおっつけのシミュレーション中でしょうか。まったく、真面目な人ですなあ、この先生は。そこに「付き合いますよ…」とやってきた【稲虎】関。「アナタを見ていると その努力に本当に敬服する…娯楽など一切やらず ただただ相撲だけに打ち込む姿勢を… 自分はまだまだだと心底思えますよ…覚えていますか? 昔一度 自分が相撲を諦めた時のことを…」ここから、田上さん時代の、あの場面の回想となります。
 あの場面、それは『Burst』の第(3)巻の「お前に才能があってどこまで登れるのか…そんなことは俺は知らん! ただ 今より弱くなることはない…」のあのシーンです。アレは本当にカッコ良かったですなあ……【稲虎】関も、「あの言葉に どれほど救われたか…あなたがいなければ 俺は関取にはなれなかった…」と述懐します。そしてそう言う【稲虎】関に、【猛虎】先生も「あれはきっと お前の姿がおれと重なって見えたからだろう…」と答え、少年時代からの回想へ突入です。
 なんと【猛虎】先生の少年時代は、「線が細く何をやっても不器用で 何の取柄も自信もない…俺はそんな子供だった…」そうです。走っても遅い、野球もサッカーもダメ、友達もいなかったようですな……そうだったんだ……。しかしそんな少年時代の【猛虎】先生が変わる転機となったのは、テレビで見た当時の大横綱【虎城】の一言だったそうです。
 「私も昔から強かった訳じゃないですよ…この世界に入った頃なんて体も細く 土俵ではいつもやられっぱなしで…悔しくてね…」「でも…ただひとつ…私に飛び抜けた才能があったとするなら…誰にも負けないぐらい 相撲が好きだったということでしょう…」
 この言葉に少年【猛虎】先生、当時の小林哮くんの心臓は高鳴り、「僕も相撲を取ってみたい…その衝動は抑えきれるほど軽いものじゃなかった…」のだそうです。そして中学の相撲部に入り、そのやせぎすな体は同級生から笑われても、ずーーーっと稽古に精進したわけです。曰く、「不器用さは愚直を生み 愚直さは時間をかけながら血肉となり その血肉は崩れない形となり その形は長い月日を経て結果となっていった」のです。このセリフの背後に描かれる、段々と成長していく姿はとても【猛虎】先生らしくてイイですなあ……。そして気が付けば学生横綱となった小林少年。マスコミたちは「天才」ともてはやすわけですが、勿論本人にしてみれば、「天才」の一言で片づけられることにイラだちを覚えていたわけです。
 「自分は天才なんかじゃありませんよ…ただ…誰よりも相撲が好きなだけです…」
 もうかなり今の【猛虎】さんのような鋭い眼光を持つ青年と成長した小林君。そして学生横綱というタイトルが「憧れ」を連れてきました。そうです、元大横綱【虎城】親方からの直々のスカウトであります。その誘いに迷いなく答えて入門した小林君。当然プロとしてやっていく自信に満ちていました。
 しかし! です。
 「だが俺はそのことで勘違いして鼻が伸びていた…周りに持ち上げられていて忘れていたんだ…俺は人一倍能力の低い 不器用な人間だったんだと…それを最初に思い出させたのが…鮫島だ ぶん殴られた気がしたよ…相撲に…お前ごときがナメるなってな…」
 かーーーっ! なんてカッコイイ告白なんだ【猛虎】先生! こういう真面目で、きっちりと自らを振り返り反省?できる人間というのは痺れますね! 憧れますなあ!
 思いもよらぬ話に、田上さんもそんな…と驚きです。しかし【猛虎】先生は語ります。
 「俺を近くで見てきたお前なら 分かるだろ…俺は…凡人だ…」
 凡人……でも【猛虎】さん! ぜひ『弱虫ペダル』を読んでください! 手嶋さんのように、あなたは凡人でも、努力をいとわない凡人ですよ! そして坂道くんの言う通り、積み重ねる力は「才能」なんすよ! そんな才能ある凡人だからこそ、奇跡を生むんすよ! ヤバイ! 何か泣けてきた!!
 そしてページをめくると……あああーーーっと! 【王虎】さん入場だ―――!
 「だからアンタは振り切れられた…誰も…届かねーほどに…似てるよ…アンタと鮫島は…」
 こんな【王虎】さんのカッコイイ登場で今週は幕、であります。
 そして、編集部謹製の次週アオリがヤッバイです!! そこには「次号、王虎だけが知る猛虎が明らかに…」と記されております。な、なんだってーー!? オイィ! それは一体どんな【猛虎】先生なんすか! 今すぐ来週号が読みたいっす!! こいつはやばいすねえ……! どうやら知られざる【猛虎】先生物語が次週から展開されようとしているようです。また泣けそうだなあ……こりゃあ。いやーーーホントに『鮫島』は最高ですね!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は、【猛虎】先生の回想話がメインでありました。体は細く不器用で何をやってもダメな少年だった当時の小林君は、「相撲が好き」の一念で愚直に稽古を続け、学生横綱となり、天才ともてはやされて虎城部屋にスカウトされて、一瞬、天狗になった、けど、鯉太郎に負けたことで目を覚ました、とまあそういうことなんですが、やっぱり、きっちり自分を振り返って反省する男はカッコイイですよ。何か泣けるっすねえ……。そして次週からは【王虎】さんだけしか知らない【猛虎】先生の物語が語られるようで、未来のオレ、今すぐ来週号を持ってきてくれ! 今すぐ読みたいんだよ! とワクワクが止まらない心境であります。というわけで、結論はいつも通りです。いやー、『鮫島』はマジ最高っすね! 以上。

↓ いいカバーイラストですなあ……絶対買いでお願いします。わたしは電子と紙、両方買います。

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末も、映画を観に行ってません。3週間映画を観ないって、ちょっと久しぶりなブランクのような……まあ、観たいと思う映画がないので仕方ないす。というわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をまとめて終わります。

 1位:『ボス・ベイビー』が公開土日で3.54億稼いで1位。木曜の祝日公開だけれど、4日間だと7.96億だそうです。しかし非ディズニーのアニメでも売れるようになったものですな。
 2位:『リメンバー・ミー』が9日間で11~12億あたりだと見積もるけれど、10億突破の記述ナシ。これはどういうことだろう……。<追記:やっぱり余裕で10億は超え、16.8億まで積んでいたそうです。すげえなあ!>週末は3.77億稼いだそうで、金額順では1位だそうです。やっぱりピクサー系は大人客が多いんでしょうな。
 3位:『映画ドラえもん のび太の宝島』が23日間で32億突破だそうです。すげえ。
 4位:『ちはやふる―結び―』が9日間で4~5億程度と見積もる。もっとかな? <追記:大変失礼いたしました。ぜんぜんもっと、7.79億だそうです>
 5位:『グレイテスト・ショーマン』が38日間で37億突破だそうです。これもすげえ。
 6位:『映画プリキュアスーパースターズ!』が9日間で4~5億ほどと見積もる。<追記:これは合ってた。正解は4.91億だそうです>
 7位:『トゥームレイダー ファースト・ミッション』が公開土日で1億未満なのかな、数字未詳です。<追記:土日で1.04王は稼いでいたそうです。そして祝日公開だったので、すでに2.46億まで稼いでいるそうです> ゲームの一番最初と2は、わたしももう20年近く前?にプレイし、すごく難しかった思ひ出が……懐かしい……。映画もアンジー版は両方観ましたが……もはやこの新作を観に行こうという気にはならなかったかな……。
 8位:『北の桜守』が16日間で5~6億ほどと見積もる。<追記:こちらもぜんぜんもっと稼いでいらっしゃいました。既に8.35億だそうです>
 9位:『去年の冬、きみと別れ』が16日間で4.5~5.5億ほどと見積もる。<追記:こちらも既に6.22億だそうです>
  10位:『ブラックパンサー』が25日間合計で13~14億ほどと見積もる。<追記:これも合ってた。13.8億が正解ですって>

 というわけで、数字もはっきりしないし書くこともないので結論。
 今週は『ボス・ベイビー』が1位となるも、あくまで動員数の1位で、一番稼いだ金額順1位は『リメンバー・ミー』だそうです。先週も金額順では1位だったわけですが、累計でどのぐらいまで稼いでるか、これは難しいな……10億は余裕で超えてると思うのだが……ま、詳細が分かったら追記します。そして『ドラ』ちゃんは新記録目指して驀進中。すげえなあ、ホント。さらに『グレイテスト・ショーマン』も順調に積み上げてます。あ、そうか、今は世は春休みなのでした。すっかり忘れてた。つうことは、予想よりも結構数字は上なのかもな……数字がかけ離れてたら追記して修正します。以上。

 今の若者たちは車に興味がないという。実はわたしも10代~20代前半まで、バイク野郎で、車には実際ほぼ興味はなかった。それに、確かに都内に住んでいれば全く車は必要ないのかもしれないとは思う。しかし、わたしは今や車が大好きで、1997年に初めて自分で車を買って以来、途切れることなく車を所有している。それは、要するに、あー、車があればなあ、という事態に意外とよく遭遇するということなのだが、わたしが自分の車を買おうと思ったのは、やはり親の病気・怪我・そして死、であったように思う。免許自体は10代に取得していたわたしであったが、当時の家の車、TOYOTA CROWNはデカくて、とにかく運転しにくくて、いざ「運転をしないといけない事態」に直面した時、これはちょっと……ではすまされない事態が90年代後半からわたしに立て続けに起こったのである。それ故、ちょっと小さくて運転しやすい自分の車を買おう、と思ったのがきっかけである。そして車の便利さに目覚め、ああ、やっぱりバイクより車の方がいいや、つうか圧倒的に楽だし、便利じゃん、とすっかりバイクには乗らなくなってしまったのであった。
 以来、もうすっかりどんな車でも、2トントラックでもハイエースでも、全く気後れ?なく、自在に運転できるようになったわけだが、実はわたしは2001年以降かな、生意気に車を2台所有している。というのも、2000年代から頻繁にチャリンコレースに出場するようになったため、チャリを積んでレース会場まで行くためのワゴン車をも買ったのである。じゃあ、それ1台でいいじゃんと思いますよね? いやいや、そう簡単にはいかないもので、わたしの場合は母も車をよく使うので、母用にはワゴンを普段使わせ、そしてわたし用には別の、ある意味見栄というか……まあ、カッコつけ?の高くてカッチョイイ車を所有するようになったのである。我ながらアホくさいけど、まあ、そういうわけである。
 しかし、その母も後期高齢者となって久しく、ホントに、2年前ぐらいまでは全く問題なかったのにもかかわらず、どういうわけか去年の後半あたりから、近所のスーパーの駐車場で、車体をこすって傷を作ってくることが多くなった。たしかに、近所のスーパーの駐車場は、鉄骨を組んで無理やり2階建てにしたような駐車場で、1区画が狭く、柱も相当建っていて、入れにくいのは間違いない。わたしのメイン車(高くてカッチョイイ方)ではほぼ無理、な区画も少なくない。しかしそれにしても……車の傷が増えていくのと比例して、わたしの不安はどんどん高まっていた。そろそろ、もう、運転やめた方がいいんじゃね?という、世を覆っている高齢者運転NGの気風である。
 だが、母の運転する車の助手席に座って観察するに、人にぶつけそうな気配はなく、まだ問題はなかろうと思えたし、わたしが気になるのは、増えていく車の傷が、車体の左側だけ、に集中している点であった。この点に関して、わたしには一つ、思い当たる節があった。その母に使わせている車は、HONDAのFREED SPIKEという車で、2012年に買った車であるのだが、この車、リアクオーターの窓がなくて、パネルではめ殺されているので、左後方の視界が極端に悪いのである。
FREED
 おまけに、バックモニターも、進路予想線がハンドルに連動しないので、単に後方視界を補助するだけで、ハンドルを切るタイミングがつかみづらいのだった。まあ、わたしはすっかり慣れたし、車庫入れも別に何とも思わなかったものの、いまだに「左からの合流」の際などは数秒全く視界がなくなるので、このHONDA FREED SPIKEという車は、荷室が非常に広くて、チャリを積むには大変重宝した優れた車なのだが、この点だけは、ちょっと嫌だな、とは思っていた。くれぐれも言っておきますが、実際この「左後方視界問題」はすぐ慣れます。SPIKEはとてもいい車であるのは間違いないす。
 しかし。車体左側だけに集中するちょっとした擦り傷が増えていく中、わたしはこの問題をほぼ放置していたのだが、今年に入って、母はなんと家の車庫入れの際に、わたしの高くてカッチョイイ車に、ほんのちょっと、だけど擦ってしまったのだ。
 もう、なんというか、母の運転技術の低下に深く失望する一方である。これはもう、マジで運転させない方がいいんじゃねえのかと、大いに悩んだ。一番上の兄は、別に人にぶつけたわけじゃねーし、とほぼ他人事だし、2番目の兄は、もう運転はやめろ、と言い出す。しかし、実際問題として、母はもう7~8年前か? チャリで転倒して左足大腿骨関節を骨折するという大怪我を負い、人工関節に置換するという、ゾッとするようなサイボーグ手術を受けているため、歩くのがかなりつらい状態であり、約800m先のスーパーへの買い物にも不自由な身だ。おまけにこれで車を取り上げてしまって、引きこもってしまっても困る。2番目の兄貴の運転禁止令も、所詮は他人事としての正論とみなさざるを得ない。
 そうして悩みに悩んで、とは言え先送りにすることもできず、ならば! と、わたしは車を衝動的に買い替えることにした。条件は、
 1)小さいこと。つまり、もう軽自動車で十分じゃい。チャリは、バラせばわたしの高くてカッチョイイ車のトランクに入ることが判明したし。
 2)安全装置がフル装備で最強レベルであること
 3)バックモニターの進路予想線がハンドル連動で、どうせならもう、アラウンドビューモニター的なフル装備であること。
 この条件のもとに、今の軽自動車はどんなのがあるんだ? と探したのだが、当然、最初は、同じHONDAの「N-BOX」でいいんじゃねえかと思っていた。安全装置は、自慢の「HONDA SENSING」搭載だし、何より現在日本で最も売れている車である。しかし、どうも条件3)が満たされていない模様で(これはちゃんとディーラーで聴いたわけではないのでわたしの誤解の可能性アリ)、おまけになんか……色やあまりに四角いスタイルが、どうも気に入らない。おまけに、意外と高いこともわかった。わたしは軽なんて150万も出せば買えるのかと思っていたので、SPIKEを下取りに出せば、100万ぐらいで買えるんでしょ、とか適当に思っていたのだが、どうもそうはいかないことが判明した。
 まあ、値段はこの際どうでもいいとして、アラウンドビューモニターはどうしても欲しい。いい車ねえかなあ、と、次に、アラウンドビューモニターといえばその元祖たる日産はどうなんだよ? とチラッと見てみたが、日産の軽自動車は、株を買い占めた三菱自動車のOEMである(※正確には製造だけ三菱で企画は日産と三菱の合弁会社で、どちらかというと日産からの企画らしい)。やはり、色々調べても、安全装置としてはHONDAの方が良さそうだし、アラウンドビューモニターはあるけれど、ヘッドライトがLEDじゃないとか、なんかどうも、これだ!感がない。
 じゃあ、TOYOTAはどうなんだ? と調べると、これまた子会社であるDAIHATSUのOEM車である……のだが、そのデザインや色、そして安全装置は最新にアップグレードされたばかりらしく、こ、これ、可愛いじゃん!という車に出会った。そしてDAIHATSUのWebサイトによれば、アラウンドビューモニターもオプションであるという。それがこの車である。
pixis
 TOYOTA名「ピクシス ジョイ」、DAIHATSU名「キャスト アクティバ」である。単なる感覚の話なので説明できないのだが、わたしはこの黄色が非常に気に入った。HONDAのN-BOXの黄色は、若干赤みの入った黄色(軽のナンバーの色に近い)でイマイチだと思っていたけど、この黄色は爽やかでかわいいじゃないの! と、ほぼわたしの心の中ではもう、コイツで決まりだぜ!ぐらい盛り上がっていた。ちなみに、もう、買い替えるしかねえ! と発作的に決断して、この車がいいな、と思うまでに要した時間は1時間ほどである。
 なので、この車のことを知って30分後には、さっそく近所のTOYOTAディーラーに赴いてみた。なお、その際はわたしの高くてカッチョイイ車で乗り付けてやったのは言うまでもない。
 で。色々聞いてみると……まず、一番近所のNetz店は、わたしの受けた印象では全く売る気がないようで、展示車もないし試乗車も用意できないという。そしてディーラーマンも、ほぼこの車に詳しくないようだった。お前、試乗もしないで車買う奴いると思ってんの?と思いつつ、カタログだけもらってさっさとNetz店から撤収し、その足で次に近いところにあるカローラ店を訪問してみた。するとそこは非常に丁寧な対応で、試乗車も今はないけど別の店から持ってきますよ、という。じゃあ、よろしくお願いします! ということで、翌週試乗に行ってみて、実際に運転してみると、動力性能は想像の範囲内の軽並みのものであり、ま、買い物車にはこれで十分だろうと判定し、よっしゃ、もう値引きとかつまらんことは言わないから、コイツをもらおうか!という気満々であったのだが……な、なんと! DAIHASTUには設定されているアラウンドビューモニターがTOYOTAでは設定がないらしいことが判明した。おまけにバックモニターの進路予想線も、ハンドル連動じゃないし! マジかよ! それじゃ困る!! おまけにもう一つ困ったのが、今契約しても(わたしはもう、さっさと契約する気まんまんで、実印と印鑑証明も持参していた)、納車は5月ぐらいになるかも、とのことであった。確かにこの車、まったく街で見かけた覚えはない。そんなに売れてねえのか? という気もしたが、逆に街で見かけない車の方がいいので、それはそれでアリ、なのだが、わたしとしては1日も早く欲しい。5月までは到底待ちきれないのが本音であった。
 なので、カローラ店にはとてもよくしてもらったし、非常に気が咎めるのだが……申し訳ない、ナシで! と断り、その足でDAIHATSU店へ行ってみた。なんで最初からDAIHATSU店に行かなかったかというと、単純に近所になく、調べてみると6kmほど離れたところにしかないらしい。これはすげえ遠いとは思わないけど……決して近くはないし、なんとも絶妙に遠い……のである。しかし、もう仕方ない。ので、高い車で乗り付けて、見積もりを依頼し、アラウンドビューモニターもあるし、納車も3月中には大丈夫、というので、よし、じゃあ、買ったるわ、とその場で決断した。
 で、下取りに出すことでお別れするSPIKEをその後に乗って行って査定をしてもらい、契約に至った。なお、DAIHATSUのディーラーマンには非常に物申したいことがいっぱいあったが(何より全然車に詳しくない。わたしよりも。これって話にならねえだろ……)、車種もターボの最高グレードにして、ナビやら何やらつけて、で下取り査定(査定額もカローラ店の方がいい数字だった)額を引いて、トータルで150万ほどでの契約となった。まあ、安くはないすな。でも、つまらん文句はグッと堪えて、それより1日も早く納車しやがれ、というニュアンスを込めて契約翌日には全額振込んだのだが、契約したのが2月17日、そして納車が昨日の3月24日となった。5週間もかかりやがって……。
 というわけで、早速やってきたDAIHATSU謹製「CAST ACTIVA」である。
CAST00
 どうすか。ぱっと見、大変可愛いでしょ。今や軽自動車はほとんどが軽の規格ぎりぎりまでの大きさなので、実はどの軽も、全高がちょっと違うぐらいで、長さと幅は皆同じサイズである。CAST ACTIVAの場合、幅が147.5cm(SPIKE比▲22cm)、全長339.5cm(同▲81.5cm)、高さ163cm(同▲8.5cm)と非常に小柄である。駐車している実車を眺めると、やけに立派な体格だなあ? と思えてしまって、カタログスペック値の実感がわかないのだが、街で走っている姿を見るとやっぱりやけに小さいし、なによりも、家の車庫に入れてみて、今までよりもすげえスペースに余裕が出て驚いたすね。こりゃちびっ子だよ、やっぱり。
 で、さっそく100kmほど都内を走らせてみたところ、ま、全く動力性能には不満ナシである。ただ、アイドリングストップはまだ慣れていないせいか、非常にウザいすね。CASTの場合、ホントにすぐエンジンが止まるので、そのたびにキュルキュル!とセルモーターが回る音も嫌だし、当然エンジン点火時にブルン、とちょっとしたショックも伝わるので、今やどんな車にも装備されているものとはいえ、まあ、1日では慣れないすな。渋滞で止まってるときはいいんだけど、交差点で一時停止する時も静止する直前にエンジンがストンと止まるのはかなりウザいす。
 あと、やっぱりうるせえすね、エンジン音が。わたしの高くてカッチョイイ車は、ホントエンジン回ってんのか?と思うほど静かで、音ではエンジンの存在を感じられないほどだけど、超主張してますよ、CASTのエンジンは。ま、軽はこんなもんでしょうな。首都高を(もちろん制限速度内で)かっ飛ばしてみたけれど、かなり頑張ってる感あふれる音が聞こえるのに、まだスピードは全然出てないじゃん、みたいなのが面白かった。なんか、がんばれ!と思いながら運転するのもとても久しぶりでありました。でも、さすがターボ車なので、うるせえけど意外と飛ばせますね。高速も問題なく、これなら片道150km程度の遠出は全然余裕と見た。燃費もイイようなので、タンクは小さいけど十分だろう。わたしの高くてカッチョイイ車はハイオク指定で満タンにすると8~9000円ぐらいかかるけど、CASTは30リットルしかタンク容量ないし、レギュラー満タンでも5000円もしないのね。これはいいわ。そして、アラウンドビューモニターもやっぱり便利すね。これなら母が擦ることも、完全になくなるかどうかはわからんけど、減ることを祈りたいものです。

 というわけで、結論。
 後期高齢者となって久しい母が、車を擦ってくるようになり、大変、イライラと心配とでわたしには非常なストレスだったわけだが、ならば! と金で解決することにした。そしてほとんど深く考えず、実際のところそのビジュアルにひとめぼれして購入を決定したDAIHATSU謹製CAST ACTIVAには、今のところ大満足であります。来週あたり、どっか遠出でもしてみるか……。なんかもう、この1台で十分じゃね?という気さえしてきたので、わたしの高くてカッチョイイ車は、場合によっては次の車検のタイミングで手放すかもな……。つうかですね、今の軽は大抵そうなんですが、とにかく後部座席が広い! 座って、余裕で足が組める広さって、すごいよなあ……。これはわたしの高くてカッチョイイ車よりも広くて楽ちんだと思う。ま、シートの出来が全然違うけど……。いずれにせよ、CAST ACTIVA、大変気に入りました。以上。

↓ なんでミニカーには黄色がねえんだよ!! と思ったら、どうやら黄色は、安全装置を最新のものに換装した時に新たに設定された新色なんだそうです。


 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 なんつうか、ホントにもう、大相撲協会には問題が尽きないというか……やれやれです。が、土俵で戦う男たちの熱戦には、わたしも毎日興奮しております。わたしの愛してやまない松鳳山裕也君は、昨日の祝日11日目現在6勝5敗。毎日いい相撲なんすよねえ……。残り4戦、勝ち越しに向け頑張ってほしいす。そして帰ってきた男、逸ノ城関は昨日、横綱鶴竜関に負けて8勝3敗となりましたが、ホントに今場所は強いですなあ。二桁に乗せる勝利を挙げて、今年中に一気に大関まで行っちゃいそうな気もしますね。毎日、マジ血圧上がるっすわ。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年17号概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は連載中の『魔法少年サイト』アニメ化記念でキャスト陣の声優さんたちです。サーセン……全然詳しくないのでコメントできないす。
 ■弱虫ペダル:逆境の巻。にくまっしぐら! 変態小鞠君VS悠人の戦いスタートです!
 ■刃牙道:供養の巻。徳川のご老公の言ってる意味が、ちょっとよくわからないす……。
 ■BEASTARS:君の振り子時計で巻き戻しての巻。巻頭カラーす。レゴシ君の尻尾……。
 ■Gメン:さよならーの巻。次週最終回。感慨深いすなあ……。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:ビタースイート・ショット・メモリーの巻。ショット君の過去話す。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿、三兄弟と対決すの巻。毛利編はまだ続くみたいす。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週ついに発表になった13日目の取組、鯉太郎VS【猛虎】先生。この物語のいっちばん最初、『バチバチ』第1巻第1話からの因縁がついに土俵上で決着がつくという、おそらくこの『鮫島』ニュース読者全員が大興奮したであろう割が発表となりました。しかし一方で、VS【王虎】さん戦後の「その後」が語られようとしております。果たして今週はどんな物語が待っているのか、ドキドキであります。
 というわけで、今週の開幕トビラは、空流部屋の前で一人鯉太郎たちの帰りを待つ椿ちゃんの図です。ところで、鯉太郎と椿ちゃんは今何歳なんすかね……二人とも同じぐらいの年齢のはずですが、鯉太郎は『Burst』第1巻の冒頭で17歳、あれから最低でも5年は経過しているはずなので(?)、22~23歳あたりなのかな……。当時は女子高生だった椿ちゃんですが、すっかり大人びた表情です。
 そしてページをめくると、何やら雄たけびを上げている豆助です。そんな豆助に「うるさいな~もう…いいかげん落ち着きなよ…」と冷静にツッコミを入れているのは、あの森田茜くんじゃあないですか。なにやらご飯をよそっている茜くん。豆助としては、「バカヤロー!! 鯉太郎さんのあの魂の一番を見て燃え上がらねー奴がいるか! クソ…ダメだ~思い出したら涙が止まらねー……」だそうで、仕事も手につかない様子。茜くんは「早くチャンコ用意しよーよ…関取たち帰って来るよ…つーか僕お客なんだけど…」とイラッとしています。茜くんもすっかり空流の家族の一員ですなあ。
 ここから、豆助が空流に弟子入りする話が語られます。なんでも、どこかの田舎ヤンキーだった豆助は、その田舎に巡業にやってきた相撲の「力士に挑戦」コーナーで、鯉太郎に軽~く吹っ飛ばされたそうです。「それが鯉太郎さんとの運命の出会いさ…」とカッコ良く語る豆助ですが、背景に描かれる当時の絵は、大変カッコ良くないギャグ交じりのものです。しかし、そんな豆助の過去を聞くと、当然我々の脳裏には、『バチバチ』第1巻第1話の、あの光景がよみがえるわけですよ。豆助の話は続きます。
 豆「後から聞けば鯉太郎さんも 素人時代に力士相手に相撲取ったって言うじゃねーか」
 茜「へーーー……じゃ鯉太郎さんも豆助さんと同じでブッ飛ばされたの…?」
 茜くん、ナイスツッコミだぞ! その顛末を我々はよーく知っています!
 豆「それがあの人のスゲーところよ…ズタボロになりながら何と勝っちまったんだとよ! しかも相手は当時幕下付け出しのスーパールーキーだった」
 ここでページをめくると! そこにはあのお方が1ページブチ抜きで描かれております!
 豆「現大関 虎城の猛虎に…」
 車の中の【猛虎】先生は、外を眺めながら若干の笑み?です。そんな【猛虎】先生に、助手席の田上さんこと【稲虎】関が声をかけます。
 稲「何か嬉しそうですね大関…」
 猛「オレの意識を初めて変えてくれた男だからな…鮫島は…奴に鼻を折られなければ 今の俺はないよ…それに…」
 稲「……… それに?」
 猛「今日鮫島(アイツ)は王虎を喰った…鮫島の中に王虎もいる…こんな形で…願望が叶うとはな…」
 【猛虎】先生の願望……『バチバチ』第11巻の【猛虎】先生のセリフを思い出しますな……ちょっと今週号からは離れますが、当時の【猛虎】先生の発言を引用しておきます。あれは、自分が十両に上がったら、当時クソ野郎だった【王虎】さんを自分の付け人にしてもらうという約束を取り付け、そして、十両昇進を果たし、今日からお前は俺の付け人だ! と【王虎】さんに宣言したあの時のことです。全くダメ野郎として殴り掛かる【王虎】さんの拳に全く動じなかった【猛虎】先生でしたが、【王虎】さんが父、虎城親方につっかかって、【猛虎】先生ブチ切れるのシーンです。
 (当時の)猛虎さん「自分の虎の字は親方の虎の字です 自分はそこに誇りを持っています だから相手が誰であろうと今の親方に対する愚弄を見のがすコトはできない…大横綱虎城の息子はコイツだけじゃない」
 (当時の悪党な)王虎さん「クックック…違うだろーが…俺に偉そうに説教タレんのも 親方のタメか? オヤジの古惚けた名を 守るタメにここにいるのか? 腹黒ーーーな…お前も…(以下略)」
 猛「そうだ お前はただの餌だ! 俺があの頃の虎城親方がいた高みに昇るタメのな…」
 こうして【猛虎】先生と【王虎】さんの「歪で殺伐とした兄弟弟子の関係」が誕生したわけですが、「餌」と断じた【王虎】さんを「喰った」鯉太郎は、その意味でも、【猛虎】先生にとって戦う相手として最上の相手なわけですなあ。コイツはもう、ヤバいすねえ……!
 で。今週号に戻りますが、ようやく空流部屋の前にタクシーが到着、椿ちゃんは出迎えます……が、鯉太郎の表情は……これは文字では表現できないな……何と言えばいいのか……憔悴しているのかな……そんな表情の鯉太郎に、椿ちゃんは言葉が出ません。
 ふと、そんな椿ちゃんに気が付き、「よう…」と声をかける鯉太郎。デキル弟の常松は空気を察して大吉を伴って先に部屋に入っていきます。二人きり、部屋の玄関前で言葉を交わす鯉太郎と椿ちゃん。鯉太郎は語ります。以前、椿ちゃんには、くすぶり続けながら生きるのが怖い、的なことを言いましたが、今日の【王虎】さんとの取組を経て、はっきりと分かったことがあるとのこと。それは……
 鯉「俺はやっぱ相撲が楽しくて仕方ねえ…生きてるって実感も喜びも 土俵(そこ)でしか手に出来ねーんだ…その気持ちは誰にも…俺にも…止められねーんだ…だから俺は土俵に帰るんだ…最悪の…ワガママだ…ゴメンな…椿…」この気持ちを語る鯉太郎の表情は、ぜひチャンピオンを買ってご確認ください。もう、表現できないす。そしてこんな気持ちを聞かされて、椿ちゃんに出来ることがあるでしょうか……!? 
 椿ちゃんは、鯉太郎の胸を拳骨で叩きながら、「最悪だ…何なのよ…いったい…何なの…何なのよ…」という言葉しか出ません。そして心の中で思っているのはこんなことです。
 (止めることも…背を押すことも…何も出来ない私が ただ出来ることが…泣くことだけだなんて…最悪だ…)
 椿ちゃん……泣かないでおくれ……! もう鯉太郎、お前、椿ちゃんを抱きしめてやれよ! とおっさん読者としては思ってしまいますが、鯉太郎は男ですよ……。まるで、クラリスを抱きしめたいのにグッッッと我慢したルパンのように、椿ちゃんの肩に手を添えて、「ゴメン…」と一言漏らすのみでありました……。今週はこれにて幕、であります……。
 いやあ……ホントにいろいろありますなあ……【猛虎】先生の想い、鯉太郎と椿ちゃんの想い……なんつうか、生きるのは楽じゃないすねえ……。どうなんでしょう、この「その後」はもうこれ以上描くネタがあるんすかねえ……猛虎さんのこれまでの軌跡があってもいいとは思うものの……意外とすぐ取組に行っちゃうのか、それともしばらく続くのか……全く想像がつきませんが、今週の椿ちゃんの想いは大変グッときました。はあ、来週号が今すぐ読みたいす!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は、【猛虎】先生が鯉太郎との戦いにかける想いと、鯉太郎と椿ちゃんの想いが描かれ、とりわけ、止めることも背中を押すことも出来ない私が出来ることは、泣くことだけ……と嘆く椿ちゃんの姿がとても印象的でありました。そしてそんな椿ちゃんの肩にそっと手を添え、ゴメンと謝る鯉太郎。青春なんだかよくわかりませんが、わたしとしては痛く心に響いたっすねえ……。みんな真面目に生きている姿には、やっぱり感動しますなあ……。もうすっかりおっさんとなり果てたわたしには、非常につらいというか、まぶしいす。わたしに言えることはもう、ただ一つです。ホント『鮫島』は最高っすね! 以上。

↓ 最新(17)巻の書影キター! とうとう! 『鮫島』初の鯉太郎以外のカバーは【王虎】さんだ! ヤバイ! カッコイイ! 4月6日の発売日は、もちろん買いでお願いします!!

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末も、先週に引き続き映画を観に行きませんでした。ので、さっさと興行通信社の大本営発表をまとめて終わりにします。

 1位:『映画ドラえもん のび太の宝島』が16日間で23億突破だそうです。すげえ。去年の同期間比較では122%ぐらいか? でもまあ50億は軽く超えるすかね。
 2位:『リメンバー・ミー』が公開土日で4.88億スタートだそうです。あれっ!? 意外と普通というか……でもまあ、グイグイこれから稼ぐのでしょうか。
 3位:『ちはやふる―結び―』が公開土日で2.57億スタート。1年前の上の句(1.79憶スタート)よりはいいけど下の句(3.50億スタート)よりは落ちる、という数字。どう評価すべきか微妙で何とも言えないす。
 4位:『映画プリキュアスーパースターズ!』が公開土日で2.26億スタート。去年の春キュア(1.57億スタート)よりかなりいいすね。
 5位:『グレイテスト・ショーマン』が31日間で32億スタート。好調ですな。
 6位:『北の桜守』が9日間で5億ちょい手前あたりと見積もる。
 7位:『ブラックパンサー』が18日間合計で12億突破だそうです。
 8位:『去年の冬、きみと別れ』が9日間で4億ちょい超えたあたりと見積もる。もうチョイ下かも。
 9位:『空海―美しき王妃の謎―』が33日間で14億超えたかどうかあたりとも積もる。
  10位:『シェイプ・オブ・ウォーター』が18日間で6.5億突破だそうです。

 とまあ、こんな週末だったそうです。
 おっさん映画オタクとしては、観たい作品がなかった週末でした。次にわたしが観るのは、おそらく3/30(金)公開の『ペンタゴン・ペーパーズ』『レッド・スパロー』『ウィンストン・チャーチル』あたりすかねえ……B級ハンターとしては、我らが戦うお父さんでお馴染みのリーアム・ニーソン氏主演『トレイン・ミッション』も観に行くべきかもな……この作品の監督ジャウム・コレット=セラ氏は何気にイイ腕してると思うんすよね。前作『ロスト・バケーション』も良かったし、この監督の作品は結構ことごとくわたしは観てるっす。
 しかしあっという間に4月も近づいているわけで、それすなわちわたしが今年一番観たい作品『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』も公開まで2カ月を切り、大変楽しみであります。とうとう日本語字幕入りの最終予告も公開されて大興奮す。早く観たい!

 というわけで、結論。
 今週も結局『ドラ』ちゃんが1位を堅守。ただし、あくまで観客動員数でのランキングで、金額順だと今週の1位は『リメンバー・ミー』だそうです。まあ『ドラ』ちゃんは客単価が安いすからね。まあ、これはしばらく『ドラ』ちゃん1位は続くのかもしれないすね。以上。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 まあ、なんつうか、いろいろ問題噴出? な日本相撲協会ですが、そっちの話題にはコメントしませんが、あくまで土俵で戦う男たちの話なんすけど、昨日の平成30年大相撲春場所4日目の時点で、わたしが愛してやまない松鳳山関が大変イイ感じで、負けなしの4連勝と、わたしとしては非常に嬉しく思っております。3日目のVS正代関との一番も良かったすねえ! わたしは出先で打合せ中だったのですが、「おっと、失礼、そろそろ出番なので……よーし、行けコラァ松鳳山! つうか合口悪いとかうるせーんだよ寺尾!(※解説が錣山親方だった) よし、よし、よし、よーーし! よっしゃああ! ふーーー……さて、先ほどの話ですが……」と打合せ先が勝手知ったる相手であったため、3分ほど中断してワンセグ観戦しておりました。そして何週間前かにここで書いた通り、逸ノ城関も遠藤関もイイすねえ! 二人とも1敗しちゃいましたが、まあ、そんな感じに毎日の大相撲春場所に興奮しているわたしであります。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年16号概況です。
 ■巻頭グラビア:牧野真莉愛嬢。モー娘’18のお方だそうです。大変良いですな。
 ■弱虫ペダル:新開悠人の覚悟の巻。タイトル通りす。悠人、かっこいいぞ!
 ■刃牙道:罪の巻。これにて武蔵編終了なのでしょうか? 若干オチなしのような……。
 ■BEASTERS:君はぼっちのナイトの巻。レゴシ君も強くなったすね。ルイ先輩登場す!
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:歌うんだ!カラオケの鉄人たちの巻。のっけから笑ったすw
 ■昆虫武将チョウソカベ!:ダテとモウリと囚われの殿の巻。ダテさーーーん!

 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は決着のついた運命の一番に、様々な人々の胸に去来する想いが描かれました。【王虎】さんは悔しくて、チッと舌打ちするほどなのに、鯉太郎に向けて「進め、この先へ」とエールらしきものを送り、鯉太郎もしっかりと「受け取った」と決意の言葉を返しました。そして一番感動的だったのが、かつて墓前で「俺は謝らんぞ」と言っていた虎城理事長が、「悪かったな、火竜」と謝罪を口にし、二人の息子たちに「ありがとうな」と涙を流して礼を述べるシーンでありました。そして一方の椿ちゃんは、鯉太郎がもう手の届かないところへ、たった一人で行ってしまったかのように思え、嬉しそうな鯉太郎を止められる訳がないと悲しさと切なさで涙するところで終わりました。
 そして今週からは「その後」のスタートです。実はわたしはもう今週号を最後まで読んでいるので、超・興奮しているのですが、順を追って見ていきましょう。今週も超ヤバイす!
 まずは国技館を背景に、「場内の騒めきがまだおさまりません!! 鮫島と王虎の一番の炎はそれだけ大きかったということでしょう!」というNHKアナの実況がかぶっています。そしてページをめくると、まずは【王虎】さんサイドの「その後」から始まります。全身に汗をかき、消耗した表情の【王虎】さん。この表情は、やっぱり言葉では表現できないすね……どんぐり君も「うわ…これがあの王虎の姿だなんて…」と目を見張っています。そんな【王虎】さんに、田上さんこと【稲虎】関が「お疲れ…」と声をかけます。
「星を落としたのは残念だが しかしまだ1敗だ…優勝の目がなくなったわけじゃない…」
 しかしそんな【稲虎】関に、【王虎】さんはズバリ答えます。
「フン…だからテメーは駄目なんだ稲虎…」
 ガビーン!な表情の田上さん。【王虎】さんは言葉を続けます。
「力を残すような取組を あのバカと出来ると思うか? 今場所はここで終わりだ…張っていた糸は完全に切れた…力は鮫島(アイツ)に全て置いてきた…」
 剣市くん、ホントにいい男に成長しましたねえ……素晴らしい一番でしたなあ……。そして描写は鯉太郎サイドに移ります。一人で「行って」しまった鯉太郎を、なんとも微妙な表情で迎える大器くん。その脇から、右腕を吊ったままの常松こと【松明】関が「鯉太郎さん」と駆けつけます。常よ、君も本当にデキル弟よなあ……なんかこういうところだけでも、かつてを知るだけに妙にグッと来てしまいますね……。
「大丈夫ですか!? 肩貸します! つかまってください!」
 そりゃあ、常からすれば、前日の【天雷】戦後の鯉太郎の様子を観てますからねえ……心配にもなりますなあ。つうかわたしも心配ですよ。しかし、今日の鯉太郎は、しっかりと立ち、常に応えます!
「いや…いい…」※口元のみ描写
「俺の中のもんと重なっちまったからよ…」※背中のみの描写
「許さねーんだ ここで崩れちまうことは…」※目元のみアップ!
「王虎(アイツ)がおいてった…ドンとしたもんが…」※1ページブチ抜きバストアップ!!
 この鯉太郎の表情は相当ヤバいす! カ、カッコイイ! そして凄惨な笑みだ! この表情に、常も大吉もゾクッと感じ、こ、これは!?な表情。そして大器くんは、なんてこった、的に目を伏せます。
「王虎…お前なら鮫島を止めることが出来ると思ったが…止めるどころか残酷にも背を押すのかよ…分かってたんだろ…それが出来るのは自分だけだって…」大器くんの悲しさ? つらさ? 切なさ? そして悔しさ? そんな様々な想いのこもった独白は、髪を直してもらいながら群がる記者たちを前にした王虎さんの絵を背景に、こう続きます。
「そして知ってたんだろ…もう次はないってコトも…」
 そしてそんな辛そうな表情の大器くんに、鯉太郎が声をかけました。
「コラ…石川…辛気臭ー顔してんじゃねーぞ 柄じゃないだろ…心配すんな…俺はどこも壊れちゃいねーよ…約束しただろ…お前も俺の中に…しっかり入っているからよ…」
 約束、それは今場所初日の二人の戦いの終わった土俵での「(お互い相撲に選ばれなかったけれど)お前は必ず、相撲を振り向かせろよ…」のアレです。そしてそれをきちんと果たそうとしてくれる親友。そんなことを、超イイ笑顔で言われたら、大器くんはもう、こう言うしかありません。
「バカヤローが…」
 背中姿しか描かれていませんが、大器くんは涙していると思われます。もうわたしも泣きそうです。泣いていいでしょうか……。ホント『鮫島』は最高っすわ……。
 そして描写は再び【王虎】さんへ。記者たちが群がってインタビューしようとしていますが、若い衆が、今はやめてくださいよ!と間に入っています。それでも、橋くんは【王虎】さんへ冷静に問いを発します。「大関の言っていた 時期が鮫島に来たと考えていいんでしょうか…?」この問いかけに、【王虎】さんは静かに答えます。
 王「今日の俺に勝つということは そうなのかもしれないな…」
 橋「では鮫島は 辿り着けると思っていいのですね…王虎(アナタ)という大きな点を超え 点を繋ぐ線の辿り着く先…泡影 勝てるんでしょうか…鮫島は…最強と言っていい時期を迎えている あの横綱に」
 王「泡影(アレ)は普通の精神では 決して触れるコトのない場所で生きるバケモノじみた何かだ… だから振り切れてねえ者は その強大さに引き込まれ 飲まれ…勝負師としても力士としても 終わる…」
 さあ皆さん! ここからが今週のクライマックスですよ!!! 心の準備はいいですか!? 描写は西の支度部屋、鯉太郎が風呂上りなのか、大吉に背中を拭いてもらっている様子に橋くんのセリフがかぶります。
 橋「だけど王虎関…今場所の鮫島は あきらかに振り切れている… 泡影に飲まれることなく 今も戦いを挑み続けている王虎(アナタ)のように…」
 ふ、と前を観る鯉太郎。そして【王虎】さんの横顔にこのセリフがかぶります。
 王「振り切れてるやつはまだいる…もしかしたら…俺よりもずっとな…」
 そしてページをめくると、鯉太郎の目の前に一人の男が立っています!!!! そしてその浴衣の肩には、なんてこった! ああ! とうとう!! 「」の一文字が!!!! 鯉太郎は「あんたは…」的な若干のキョトン顔だ!
 王「鮫島の流れの線上に残る大きな点が 泡影に辿り着くまでにまだあるということだ…」
 そしてその「猛」の浴衣の男が声を発します!
 「いつか必ずもう一度…回ってくると確信していたよ…あの時から…」
 あの時、それすなわち、『バチバチ』第1巻第1話です!!! わたしも確信してたよ!!!!
 橋「それは…」橋くん、きみは知らないだろうね……!
 王「虎城の 振り切れたもう一匹の虎…泡影の首に 一番近い場所にいるのは…」
 そして今週の最終ページは、あのお方の顔アップと黒ベタ白太文字でズドーーーンとこう書かれて終わりです。
 十三日目 鮫島ー猛虎
 やっばい!!!! ヤバすぎます!!! 来たよ、とうとうその日が!!! ヤッタ―――――!!! ついに、ついに【猛虎】さんキターーーー!!! 先生!!!! やっべええええ!!! はーーーどうしよう、嬉しすぎて失禁しそうです! 来たっすねえ……もうですね、実はわたしは今週号を今日のAM1時ごろに読んで眠気が吹っ飛んだわけですが、なんつーか……本当にもう言葉にならないす。マジ最高っすわ……とうとう来た【猛虎】先生との一番。鯉太郎には大きな借りのある【猛虎】先生。こいつはもう、盛り上がるなと言われても無理ですよ。ホントに『鮫島』は最高っす。佐藤先生、最終回間近かと心配してましたが、さらにこんなに興奮する展開を描いてくれて、本当にありがとうございます! こうなるとまた、あと一人は誰なんだ問題が再燃しますなあ……! なんつーか、もう今日はおそらく一日中ニヤニヤと妄想にふけりながら過ごすような気がします。いやーーーホントに最高ですわ……。興奮が収まらないす! 今回までが単行本(18)巻収録なはずなので、非常にキリのいい演出で、大変素晴らしかったすね。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 13日目:【猛虎】東大関←NEW!!!!!!! ヤバし!
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗。鯉太郎に敗北!
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇。12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週はもう、ラストにとんでもない興奮が待っていて、真夜中に読んだわたしは眠気が吹っ飛びました。ついに発表された十三日目の割、鯉太郎VS【猛虎】先生。夢の取組がついに現実のものとなりました。ヤッターーー!! しかしその興奮の前の、大器くんの想いや、それにこたえる鯉太郎の笑顔には本当に泣かされましたなあ……常も剣市くんも、かつてはとんでもない奴だったのに、ホントにイイ奴に成長して嬉しいすねえ。ただ、ここで【猛虎】先生との戦いはある意味順当だとしても、あと一人は誰なんだ問題が、ホントに謎になってきましたなあ。まあ、それはまたその時に、な、なんだってーーー!? と興奮することにして、まずは【猛虎】先生との一番を楽しみにしたいと存じます。なにしろ、【王虎】さんをして、「俺よりもずっと」振り切れているかも、と言わしめる【猛虎】先生。コイツはタダでは済まないでしょうなあ! ヤバいすねえ、ホント楽しみですなあ! はーーーホントに『鮫島』は最高ですね!! 以上。

↓ まずはコイツを読んでもらおうか! 話はそれからだ!

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は映画を観に行きませんでした。ので、さっさと興行通信社の大本営発表をまとめて終わりにします。邦画がいくつか新規ランクインしています。

 1位:『映画ドラえもん のび太の宝島』が9日間で17億突破だそうです。前作2週目は13.3億。対前年127%ほどの推移。すげえなあ。
 2位:『北の桜守』が公開土日で2.16億だそうです。えーと、吉永さんの東映作品となると、前作『ふしぎな岬の物語』が1.76億スタートの最終12.4億、その前の北シリーズ前作『北のカナリアたち』が1.8億スタートの最終14億なので……ちょっといい感じ、なんすかね。
 3位:『グレイテスト・ショーマン』が24日間合計27億突破だそうです。まじすか、先週終わりで20億を超えたとこだったのに。すげえ。平日も絶好調ってことなんすかね?
 4位:『ブラックパンサー』が11日間合計で……これは分からんな……10~11億ってとこか? いや、でも10億超えてたら興行通信社は10億突破と言うと思うから、チョイ届かずの9~10億ぐらいなのかな?
 5位:『去年の冬、きみと別れ』が公開土日で1.65億スタート。ふーん。
 6位:『空海―美しき王妃の謎―』が26日間合計で11億突破だそうです。ほほう。
 7位:『シェイプ・オブ・ウォーター』が11日間でこちらはアカデミー賞効果があっても5億まで行ってないだろうな……3~4億ほどと見積もる。
 8位:『坂道のアポロン』が公開土日で数字未詳。つうことは1億行ったかどうかレベルなのかなあ? ちょっとキビシイすね。
 9位:『文豪ストレイドッグズ DEAD APPLE』が9日間で2~3億と見積もる。
  10位:『劇場版ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!』が公開土日で数字未詳。ま、0.5憶とかそのぐらいなのでしょうな。

 てな感じの週末だったようです。
 わたし的に驚きなのは『グレイテスト・ショーマン』すね。ずいぶん伸びたなあ。今週は週末3回目だったわけで、公開土日→次の週末が約8.5億の積み上げ、そこから今回はさらに6.5億オン。あれっ? そう考えるとそれほど爆発的でもない……か? つうことは……『ブラックパンサー』は先週5億だったから、10億ぐらい行っててもやっぱりおかしくないか。わからん……ディズニーによる情報統制で非公開なのかな? やっぱりわからんす。

 というわけで、なんか今週はすっきりしないので、さっさと結論。
 まず今週第1位は先週に引き続き『ドラ』ちゃんがV2達成。まあ毎年のことですが、すごいすね。このまま5週ぐらい1位にいてもおかしくないような……いやいや、そんなことないか? 来週の『リメンバー・ミー』がガッツリ来るんすかね? そのあたりをちょっと注目してみたいと存じます。以上。 

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 はあ……なんつうか、今日の東京は朝からどんよりとしてぽつぽつ雨も降っており、非常にテンションが下がりますなあ……何も書くことがないのでさっさと始めます。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年第15号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版では欅坂の今泉佑唯嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:最後の8人の巻。いよいよキモー筋くん乱入でラストバトル開始です。
 ■刃牙道:送るの巻。なるほど、武蔵は昇天しちまいました……。
 ■BEASTERS:毛並みのよい”オオカミ”の巻。ホントにジャックはイイ奴ですなあ……。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:吸血鬼ドラクル対部屋に入ってきたカメムシの巻。そのまんます。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿とおじいちゃんの”策”袋の巻。毛利元就登場す。
 ■先生ー!〆切ですよー:「浦安」でお馴染み浜岡先生の新作です。夏から別冊で連載だそうで、プレお披露目だそうです。浜岡先生の描く女子は可愛いすな。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。
 
 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、とうとう宿命の対決に決着がつきました。ついに、【王虎】さんの「全部」を、いわば奪い取った鯉太郎。一気の押しで寄り切り、【王虎】さんの右足が土俵の外に出る描写で終了したわけで、当然今週はそこからの続きであります。いやあ、先週はホント、興奮しましたねえ……。
 今週の開始トビラは静まり返る国技館です。さっそくページをめくると、そこには見開きで行事が軍配を鯉太郎に挙げ、死力を尽くした二人の姿が描写されています。NHKアナも、「しょ…勝負あり…」と絶句。観ている人々もみな、絶句です。そして当の鯉太郎と【王虎】さんの、燃え尽きたような表情……これはもう、言葉では描写できません。そして次のページでは、立ち尽くす鯉太郎に、とうとう、あの! あの【王虎】さんが! 「ズルッ…」と崩れ折れ、左手を土俵につき、右ひざを地に付けるという完全敗北の図が……!
 これをきっかけに、場内はドワーーと沸きます。それにNHKアナの絶叫がかぶさる!
 「勝負あり――!! 勝ったのは鮫島―――!!」
 見守るバーキや【稲虎】関、椿ちゃんたちの絵を背景に、NHKアナの興奮は続きます。
 「何という熱戦!! なんという激闘!! 逃げず引かず真っ向からの力勝負!! あのクールな大関のこんな姿を 誰が予想できたでしょうか!? まさに死力を尽くした大一番!! 鮫島はなんとこれで12連勝―――!!」
 このセリフの背景にある、【天雷】関と石川大器くんの表情がとても切ないす……! 【天雷】関はじっと目を閉じていますが、この一番の相手が自分でなかったことへの想いがきっと胸にこみあげているのではないでしょうか。そして大器くんはとても複雑な表情で、「なんて相撲だ……テメーはそこまで、ひとりで行っちまったのか……」的な表情です。
 そして鯉太郎は、天井を見上げて思います。
 「最高だ…」
 その脳裏には【王虎】さんの言葉「持っていけ…俺の全部をくれてやる…」が響きます。
 「でも…まだ…崩れられねーじゃねーか…終われなくなっちまったじゃねーか…ここじゃ…まだ…限界なのに…どうしようもなく 沸いてくる… どうしようもなく 奮い立たせる…」
 そんな想いの鯉太郎に、【王虎】さんが言葉をかけます。
 「止まるな…最後まで…進め…この先へ…鮫島鯉太郎…」
 【王虎】さんの言う「この先」、それはすなわち横綱【泡影】です。そしてページをめくるとそこには、1ページブチ抜きで鯉太郎のバストアップが描かれております!
 「受けとった…」
 このページの鯉太郎はヤバいす! なんて表情なのでしょう! 大げさかもしれませんが、わたしには、過去最高の鯉太郎の表情のような気さえします。コイツはもう、絶対チャンピオンを買ってご確認ください! 悪たれフェイスとも違う、けど、笑みであり、【王虎】さんだけでなく、これまで戦った男たち全員の「すべて」をまさしく「受けとった」とでも言っているような表情。これは……父である元・大関【火竜】をとうとう鯉太郎は超えた、決定的な瞬間のようにわたしには思えました。
 土俵を見守る記者の橋くんは、そんな鯉太郎を見て、おもわずブルッ…と身震いをしています。先輩である山崎さんは語ります。山崎さんは、かつての大横綱【虎城】と、大関【火竜】の因縁の全てを知る唯一の人です。
 「アレだけの取組を見せて 限界まで出し切ったはず なのに枯れるどころか 気迫が鮫島から湧き出ているように感じるのは何故だ」(※ここまでは橋くんのセリフか?)
 「あいつらは百年…いや 千年分の言葉を交わし合ったんだ…互いに誰より認めあうからこそ 王虎の敗北(それ)が鮫島の気力に強烈に力を注ぐ…」このセリフの中で、【王虎】さんは1コマ、「チッ…」と悔しそうな舌打ちをかましますが、そりゃあそうでしょうなあ……ものすごく悔しいでしょうよ……鯉太郎相手ならなおさらでしょう。
 「ハジけ合うことはねーのさ…あの二人には 同じモノが流れている…あの頃の二人と同じ…あの二人の親父たちと同じ…同じ生き様が流れている…」
 この「同じ生き様が流れている…」セリフの背景には、号泣する虎城理事長の顔アップです!! そりゃあ泣きますよ、もうどうしようもなく! そんな理事長に、空気を読んでいないNHKアナが「大変な一番になりましたね 虎城さん!!」と興奮の体で話を振ります。おい! 今、理事長に話を振っちゃダメだろ!
 「何故俺は…アイツとコレが出来なかったんだろうな…悪かったな…火竜…ありがとうな…二人とも…」もちろん理事長の脳裏には、火竜の無邪気で明るい笑顔が浮かんでおります……。
 あかん……書いてたらわたしも泣けてきたっす……。はーーー……時は人を癒し、想いは人に通じ、受け継がれるんですなあ……にんげんだもの……。理事長や【王虎】さん……あんたたちはホント、かつてはとんでもない悪党だったけど……わたしとしてはもう、許してもいい気分です。まあ、ブタフグはいまだに許せませんが、吽形さんには国技館で観ていて欲しかったすねえ……。
 そして今週ラストは、盛り上がる空流後援会の皆さんと椿ちゃんのセリフです。
 「みたか椿!! ついに王虎まで倒しやがった!! すげぇぞ鯉太郎!!」
 「見たくない…見たくなかった…」
 椿ちゃんは顔を手で覆って涙しているようです。
 「愚直で…不器用で…ツッパッて…でも相撲してる時は本当に幸せそうで…そんな鯉太郎が私は好きで…止められる訳がない…奪える訳がない…そんな顔…しないでよ…」
 もう、この椿ちゃんの涙にもわたしは泣きそうです。椿ちゃん……十五日終わった時の鯉太郎がどうなっているのか、全く想像できないけど……すべてを終えた鯉太郎を抱きしめてやってくれ……。
 はーーー……今週はもう、やけにグッと来て泣けたっすねえ……どうやら最終回は免れたようですが、この先の鯉太郎はどんな戦いを見せるのか……単行本収録としては、おそらく来週の160話までが(18)巻に収まるはずなので、来週、何らかの一区切りになると思われます。13日目の対戦相手発表があるかどうかわかりませんが、来週も楽しみにしたいと存じます。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
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 【王虎】東大関。12日目現在11勝1敗←NEW!
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週はおそらく時間的には1~2分時間は進みました。決着のついた宿命の戦いは、鯉太郎の勝利、決まり手は寄り切りです。そしてその激闘は虎城理事長と椿ちゃんに涙を流させ、我々読者も泣けてきたわけですが、もちろん、理事長と椿ちゃんの涙の意味はまるで違います。理事長はかつての自分と火竜を重ね、そしてその想いを継いだ二人の息子の姿に涙したわけですが、椿ちゃんは、さらに先へ、もはや手の届かない先へ、たった一人で行ってしまった鯉太郎に涙したのでしょう。恐らくは【天雷】や大器くんも同じような想いではないかと思います。はーーーホントヤバいすねえ……鯉太郎は一体、どこまで行ってしまうのでしょうか……「相撲の神」たる横綱【泡影】に届くのでしょうか……もう本当に来週以降も楽しみです。楽しみ、というか、鯉太郎の行く末に、目が離せないすねえ。要するにですね、『鮫島』はマジ最高っす! 以上。

↓ この週末からいよいよ始まる春場所ですが、ホントにもう、怪我はキッチリ直してから出場した方がいいと思います。佐藤先生も巻末コメントで「大怪我をしている力士は無理しないで番付落ちても手術を決断してほしい……」と仰ってます。

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は、『ブラックパンサー』『15時17分、パリ行き』『ダウンサイズ』『シェイプ・オブ・ウォーター』の4本を観てまいりました。4本とも、確かに面白かったけれど……うーん、大絶賛は出来ないというか……オタクとしてつい余計な一言を言いたくなってしまうので、コメントするのはやめておきます。
 つうかですね、日本時間の今日、第90回アカデミー賞が発表になりました。もう既に結果はご存知だと思いますが、監督賞と作品賞が久しぶりに一致して『シェイプ・オブ・ウォーター』が受賞。デル・トロ監督、ホント良かったね! 2011年以来、5回連続で作品賞と監督賞はすれ違ってたので喜びもひとしおでしょうな。わたしとしては『スリー・ビルボード』の方が面白かったので応援してたのですが、主演女優賞と助演男優賞は獲得できて、この二人の受賞はもう超納得です。脚本賞も行けると思ってたのに、その点では大変残念でした……。そしてわたし的に嬉しかったのが、『ブレードランナー2049』が視覚効果賞と撮影賞を受賞したことすね。特に、撮影は『2049』の方が『ダンケルク』より上だと思っていたので、受賞できてよかったす。
 というわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『映画ドラえもん のび太の宝島』が公開土日で8.43億稼いで1位。去年シリーズ最高の44.3億稼いだ「カチコチ」が6.91億スタートだったので、さらに伸びましたな。これは最終着地はすごい数字になるかもしれないすね。すげえや。またPがドヤ顔だろうな……ぐぬぬ……。
 2位:『ブラックパンサー』が公開土日で3.1億、木曜日の3/1から公開しているので、それを加えた4日分だと5億チョイ越えまで来てるようです。わたし的にはMCU成分が全然薄かったのがなあ……次の「インフィニティ・ウォー」が超楽しみす。
 3位:『グレイテスト・ショーマン』が17日間合計で20億チョイ越えまで来ている模様です。こちらも大ヒット、ホントに良かったすねえ!
 4位:『空海―美しき王妃の謎―』が9日間合計で8~8.5憶あたりと見積もる。何気にいい数字じゃないですか。
 5位:『15時17分、パリ行き』が公開土日で1.2憶だそうで、こちらも3/1(木)公開なので、4日間だと、2.03億だそうです。さんざん告知されている通り、主演の3人の青年は事件の当事者本人という、まさしく再現フィルムなわけですが、なんと、事件で唯一撃たれて大けがをしたおじさんも、ご本人だそうですよ。超熱演というか、よくやれたもんだなあ……。
 6位:『シェイプ・オブ・ウォーター』が公開土日で1億チョイ、こちらも3/1(木)公開なので、4日間だと……2億には届いていないぐらいみたいですな。今後、アカデミー賞受賞ということでもっともっと売れてほしいですな。美術賞と作曲賞も受賞した、そのセットの美しさと音楽の切なさもぜひご堪能下さいまし。
 7位:『文豪ストレイドッグズ DEAD APPLE』が公開土日で0.7~0.8憶ぐらいか。まずまず、なんすかね。
 8位:『プリンシパル―恋する私はヒロインですか?―』が公開土日で0.7億ちょいあたりなのでしょうか? こちらはスクリーン規模的には若干おとなし目のスタートかも?。
 9位:『今夜、ロマンス劇場で』が23日間合計で8~9億程度と見積もる。ちょっと厳しいすね。。。
  10位:『さよならの朝に約束の花をかざろう』が9日間合計で……わからんな……2億に届いてないぐらいと見積もる。

 とまあ、こんな週末だったそうです。
 しかし、ホント謎なんですが、なんで3月1日の木曜日公開が多かったんすか? 1日で、ファーストデーでお安く観られるからなんすか? わたしが観た3/1公開の作品は全部ムビチケを買っていたので、1日にどれを見ようかすげえ悩みました。まあ、結局一番観たかった『ブラックパンサー』を1日は観ることにしましたが、なんつーか、安く観られるって言われても、若干大きなお世話というか……ま、おそらくそんなことを思う人はほとんどいないと思うので、数百円のことでガタガタ言っても仕方ないし、完全なる言いがかりなので流していただいて結構なんすけど、理由が知りたいんすよね……なんでなんだろう? ファースデー以外に理由はあるのでしょうか?? 何らかのマーケティング上のお告げでもあったのかなあ……US国内では木曜の夜興行からスタートが基本なんでしたっけ? ホント、よくわからんす。

 というわけで、今週の結論。
 今年の『ドラ』ちゃんがかなりいい数字でのスタートで1位獲得。とりあえず出だしは去年のシリーズ最高記録となった『カチコチ』を軽くしのぐ勢い。すげえなあ……。そしてMCU第18作目となる『ブラックパンサー』は、数字的にはまずまずな感じでしょうか。GW公開のインフィニティ・ウォーが本当に楽しみですな! でも、妹は大活躍できそうだけど、ブラックパンサー本人は意外と弱いような気がして、活躍できるのか若干心配です……。以上。

【追記:アカデミー作品賞・監督賞を受賞してこの記事のPVが上がってるので、最初に書いておきますが、ネタバレも含んでいるので、まだ観ていない方は読まない方がいいと思います。何も知らないで観に行った方がいいと思うな……】
【追記その2:わたしの敬愛するとある上場企業のTOPのお方から、お前の見方は薄すぎる!と長文のメールをいただき、その解説が超・腑に落ちたため、色々追記しました。その結果、かなり読みにくくなってます】

 日本時間では明日の3月5日の月曜日、第90回アカデミー賞が発表される。
 その数々のノミネート作品の中で、ひときわ注目され、受賞の下馬評も高い作品、それが、わたしが昨日観てきた映画『THE SHAPE OF WATER』である。
 監督は、日本が大好きなデブオタ野郎(ホメ言葉)でお馴染みのGuillermo del Toro氏。メキシコ人の気のいいおっさんである。わたしは正直、del Toro氏の作品はあまり好みではないのだが、その作風は非常に特徴的な、華美な雰囲気の中に怪物的キャラの登場する独特なもので、ファンも多い監督であるのは間違いない。そんな彼が今回挑んだのは、「アマゾンの半魚人」である。具体的な年の表記なかったと思うが、どうやら冷戦期、米ソ宇宙開発競争が盛んだった50年代後半~60年代あたりのアメリカを舞台に、アマゾンから捕獲されてきた半魚人と、声帯に損傷があってしゃべることのができない女性との恋模様を描いた、ラブロマンスだ。
 こういう、いわゆるFreak(=奇形・変種=転じて「化け物」)と心優しい女性との恋といえば、80年代から90年代にかけてのTim Burton監督作品を思い出すが、del Toro氏はその遺伝子を受け継いだ正統な後継者だとわたしは常々思っているので、これは面白そうだ、と思っていた。そしてその予告の醸し出す雰囲気は極めて上質で、コイツは相当キてんな、と大いに期待し、劇場へ向かったのである。
 そして観終わった今、確かに、確かに面白かったと思う。とりわけ、役者陣の芝居ぶりは極めて上等で、非常にクオリティは高い。ただ、うーーむ……超絶賛したい気持ちにはあと1歩、わたしには届かなかったような……。その原因として、わたしが思い当たるのはただ一つ、ロマンスにおいて重要だとわたしが考えているポイントが、あまりきちんと描かれていないように思えたためだ。それは、「恋に落ちる過程」であり、ズバリ言うと、「人が恋に落ちた瞬間」が、あまりはっきりしていないためではないか、と思う。この瞬間に、人は一番グッと来るのではないかと思うのだが……。なので、わたし的には、アカデミー賞候補作としては本作よりも1カ月前に観た『THREE BILLBOARDS』の方が面白かったと思う。【※2018/03/05速報&追記:アカデミー作品賞&監督賞は本作『THE SHAPE OF WATER』が受賞! 良かったね、すごいぞ del Toro監督! ぐぬぬ……!『THREE BILLBOARDS』は主演女優賞と助演男優賞にとどまりました。脚本賞も行けると思ったのになあ!】

 というわけで、物語はほぼこの予告から連想されるとおりに進行する。
 なので、ええっ!? という予想外の展開は、ほぼない。いや、一つだけあったな。それは、全く物語には関係ないけれど、ヒロインがかなり冒頭から、素っ裸のヌードシーンがあることにはちょっと驚いた。このヌードシーンがあるためだかどうか、知らないけれど、本作は日本公開に当たってはR15+のレーティングで公開されている。なんでも、US公開Verに1か所だけボカシを入れているのだそうだ。そんなことはおっさんのわたしには何の関係もないが、とにかく、女性ヌードとSEXシーン、そして、意外と血まみれシーン(とはいえ、わたしからすれば全く大したことがない)があることで、R15+のレーティングがなされる現代社会は、実にお優しい世の中ですのう、と皮肉の一つも言いたくなってしまう。アホくさい話だけど。
 【追:アホはわたしでした! いわゆる恋愛をSEX抜きで描けるはずもなく、この映画はそこまできっちり描いているわけで、そんな点も、お子様お断りはふさわしかったんだ! ということに気が付きました。そんなこともわからなかったお子様でアホな自分に恥死しそうです……】

 で。物語についてはあまり書くことがないので、各キャラクターごとに、役者を紹介しつつ、思ったことを書き連ねてみよう。ホント、役者陣の熱演は大変素晴らしく、極めて上質であったのは声を大にして申し上げておきたい。
 ◆イライザ:主人公の女性。孤児。川辺に捨てられていたらしい。そして幼児期に虐待?を受けた後遺症で声帯に損傷があり、発話できない(※この傷はラストでポイントとなるので、実は傷ではなかったのかも……?)。なので、耳はちゃんと聞こえる。そんな彼女は音楽が大好きで、何気にタップを踊ったり、ハンディがあってもけなげに生きる女性。宇宙開発研究所の夜間清掃員として、夜中に働いている(=そのため昼間寝ているからだと思うが、寝るときはアイマスクをしている)。住んでいるのは、映画館の上階にある部屋で、絵描きのジャイルズの部屋の隣で生活している。わたしがどうしてもよくわからなかったのは、イライザとジャイルズの関係性で、この二人は……別に恋愛関係にあるわけではなく(?)、かといって疑似親子でもなく(?)、よくわからなかった。どういう関係だったんすか、この二人?
【追:おれのアホ! ジャイルズに関する、とあるシーンのことを全く忘れてました。恥ずかしい……詳しくはジャイルズの項目へ】
 また、イライザの、起きてからのルーティンにも、どういう意味があるのか、実はわたしはよくわからなかった。起きる→風呂に入る→一人Hする(だよな、アレは?)→卵をゆでる→ジャイルズへの食事と自分のお弁当を作る→出勤、というルーティンを毎日こなしているようだが……一人Hはどうでもいいとして、とりわけ、意味深に画面に描かれる「ゆで卵作り」には、どういう意味があったのか……まあ、そのゆで卵が、半魚人とのふれあいのきっかけにもなるので、重要だとは思うものの、何らかのメタファーなのか、残念ながら浅学のわたしにはわからなかったす。
【追:ここは、イライザが、ハンディがあって、しょんぼりな毎日を送っていても、ちゃんと普通に性欲のある普通の女性と何ら変わらん、という意味もあったのでは? それに、卵はメタファーではなく、いわゆるマクガフィンだろ、とご指摘いただきました。その見方にはもう、まったく異議ナシです。浅学すぎてホント嫌になるっす……自分に】
 演じたのは、Sally Hawkinsさん41歳。とりわけ超美人でもないし、本作の中では超地味っ娘。でも、その地味さがイイ! 時折見せる笑顔は大変可愛らしく、時につい踊ってしまう様子も大変イイ。演技としては極めて情感あふれるすばらしいものでありました。明日、アカデミー賞が獲れるかどうかわからないけれど、素晴らしい演技だったのは間違いないす。
 ただ、虐待を受ける半魚人に心痛め、やさしく接し、好きな音楽を通じて心触れ合わせてゆくのは十分理解できるし、じわじわとくるものがあるのは確かだなのだが……やっぱりわたしとしては、イライザが半魚人に恋に落ちる決定的なシーンと、その時のイライザの乙女な表情が観たかった! やっぱり、自分もハンディを抱え、差別されてきたわけで、それを半魚人に重ねていたってことなんすかね? お互いしゃべれない、けど、ちゃんと意思疎通はできるんだということで、わたしをちゃんと一人の人間として接してくれる初めての相手、ってことなのかなあ……。でも、ずっと一緒に暮らしていたジャイルズだっていたし、親友?のお掃除仲間のゼルダだっていたのにね……それでもやっぱり壁があったんすかねえ……。この辺の機微が、鈍感でモテない男としてはよくわからなかったす。残念す。自分が。【追:ホントに、つくづく自分が残念す……】

 ◆ジャイルズ:イライザの隣に住む画家。どうやら元々広告代理店勤務のイラストレーターだったようだが、何らかの事情で会社を解雇されている。現在フリーランスとして仕事をしながら、古巣の会社に戻れることを願っている。ひどい言葉で言うと、イライザ同様社会的弱者というか、負け組な人。おそらくは、イライザを愛してると思うのだが……イライザは全くその気ナシ、のように見えた。ここぞというプレゼンにはズラ着用。いい人。後半大活躍。演じたのは大ベテランRichard Jenkins氏70歳。大変渋く、若干モテない冴えないおじいちゃんを好演されてました。アカデミー助演男優賞ノミネートも納得の演技であったと思う。
【追:<↑ 全く話にならない感想で全部消したい……! ジャイルズは、マズいパイを売るあの店の男に恋してたわけで、イライザにとっては、ジャイルズは恋愛対象外の男=SEXの対象にはなり得ない、女子扱いだったと言えるのかもしれないすね。わたし、ジャイルズが男の手を触って拒否されるシーンで、え、そういうこと? とは思ったのに、この記事を書く時には完璧忘れてました……アホすぎる! ジャイルズがひどく拒否されるシーンは、時代背景としても、さもありなんだったのに……】

 ◆ゼルダ:イライザの同僚でお掃除仲間のおばちゃん。旦那が若干アホ。いつもイライザのことを気にかけてくれるいい人。演じたのは、『The Help』でアカデミー助演女優賞を受賞して以来、活躍著しいOctavia Spencerさん47歳。まあ、いつもこの方は、毒舌だけど超イイ人、な役が多いような気がするけれど、今回もまさにそんなお役でした。ジャイルズ同様、イライザの手話を理解できる心の友。彼女も、アカデミー助演女優賞にノミネートされてます。
【追:ご意見をくれたお方曰く、半魚人と肉体的に結ばれたイライザに、あんた、やったのね、と気が付くゼルダが超良かった、とのことでした】

 ◆ストリックランド:半魚人の警備責任者。(元?)軍人。軍からは、半魚人の生態が宇宙技術に活用できるのではと期待されていて、もうさっさと解剖しちゃえよ、と言われていることもあって、半魚人を殺して解剖したいと思っている。そういう意味では、冷血漢であっても単に職務に忠実だっただけとも思えるが、中盤で半魚人に小指と薬指を食いちぎられ、半魚人に対して怒りと恨みを抱えている。しかし、単に警備担当なのに、やけに権力者だったのはどういうことなんだろう? ちなみに、若干変態で、美人でグラマーなエロい奥さんはいるし、子供もいる幸せ家族のはずが、何か欲求不満的なものを抱えており、征服欲旺盛な彼としては、しゃべれない弱者のイライザを欲望の目で見つめ、なんとかモノにしたいと妄想している。顔が怖いので、その変態ぶりもより一層怖い。もっと、単純なる悪党としてシンプルに描いても良かったのでは……。演じたのは、わたしにとってはSUPERMANの敵ゾット将軍でお馴染みのMichael Shannon氏43歳。えっ!? 43歳? うっそお? 53歳の間違いでは!? そうか……おれより全然年下じゃんか……そうだったのね……。まあ、とにかくおっかない顔をしていて、なんか日本で言うところの遠藤憲一さん的な感じすね。遠憲さんは笑顔が何気に可愛い方ですが、本作でのShannon氏は一切笑顔はありません。とにかくずっとイラつている気の毒なおっさんでした。
 ◆半魚人:今回、半魚人は、CGでの補正は当然あるのだろうけれど、おそらくは、基本的に着ぐるみ&特殊メイクだったように思う。違うかな? 演じたのは、del Toro監督作品では常連のDoug Jonesさん57歳。ひょろっとしたのっぽなおじさんですな。若干顔つきがWilliam Fichtner氏に似てるような……。
 
 てな感じで、キャスト陣の熱演は大変素晴らしかったし、del Toro監督の本領発揮ともいえる、どこか古めかしく、ゴシックホラーめいた画面は雰囲気抜群で、実に上品で大いに素晴らしかったとは思う。そういえば、エンドクレジットでは、SPECIAL THANKSの筆頭にJames Cameron監督の名前が挙がってました。仲いいすかね。いろいろアドバイスとか協力があったんだろうな。そして、同じメキシコの盟友Alfonso Cuaron監督とAlejandro G. Iñárritu監督の名前(この3人はメキシコが誇る3アミーゴズ・オブ・シネマとして仲良し)や、Coen兄弟Edger Wright監督の名前も挙げられてました。まあ、del Toro監督は愛されキャラなんでしょうな。本作は非常に評価が高いため、明日のアカデミー賞ではどんな結果となるか、WOWOWの生放送を、会社で職権を濫用して、横眼で眺めていたいと思います。でも、わたし的には『THREE BILLBOARDS』イチオシです!

 というわけで、結論。
 わたしがそれほどファンではないGuillermo del Toro監督最新作、『THE SHAPE OF WATER』を観てきた。本作は非常に評価が高く、日本時間で明日3/5(月)に発表されるアカデミー賞でも、作品賞・監督賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・脚本賞・衣装デザイン賞・撮影賞・録音賞・編集賞・音響編集賞・美術賞・作曲賞、と13部門でノミネートされている。もちろんわたしも、そのノミネートの価値のあるいい映画だったことに異論はない。けれど……どうしてもわたしとしては、ヒロイン・イライザが、恋に落ちる決定的な瞬間を見たかった。わたしとしては、最初怖がる>何かのきっかけで気になりだす>そしてさらに何かが起きて恋に落ちる、の段階を踏んでほしかったような気がします……。つまり、いつもしょんぼりした彼女の、乙女な表情が観たかったのである。それがあったらもう、わたしは大絶賛していたのだが……。なお、ラストはハッピーエンド、だと思います。半魚人とイライザの未来に幸あれ―――と心から願います。幸せになるんだぞ……。以上。
【追:いろいろ分かっていない点が多かったので、大いに反省しているというか、もう恥ずかしすぎて全部消したいぐらいですが、それでもやっぱり、わたしとしては『THREE BILLBOARDS』方が面白かったという結論は変えません】

↓ まあ、一応これが原典なんでしょうな。半魚人のビジュアル造形もお見事でした。
大アマゾンの半魚人 (2D/3D) [Blu-ray]
リチャード・カールソン
NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2016-08-24

 今日は朝から映画を2本はしごしてきた。他にやることないのかよ、と我ながら残念なお知らせだが、そりゃあ、あるといえばありますよ? けど、映画を観ることが優先されるのである。それが映画オタクとしての現実なのだ。と、強がっておこう。はあ……。生きててもいいことないので、映画でも観て現実逃避しているのかもしれないな……わたしの場合は。
 というわけで、今日わたしが観てきたのは、『DOWNSIZING』と『THE SHAPE OF WATER』の2本だ。両作とも、ズバリ結論を言うと、期待以上ではなかったような気がする。なんか……残念です。それでは、観た順番に、まずは『DOWNSIZING』から書いていこう。

 わたしが劇場で何度も観た予告が見当たらないので、上記のものを張っておきます。ほかの予告は結構、ええっ!? とわたしが劇場で驚いたネタバレが含まれていたので、貼るのはやめときました。
 といいつつ、わたしもネタバレを書いてしまうと思うので、以下はまだ見ていない人は読まない方がいいと思います。ここらで退場してください。
 さてと。物語は、上記動画にある通り、人間を約7%(身長180cm→12.8cm)に縮小してしまう謎技術が発明された世界で、縮小されることを選択した一人の男の身に起こる悲喜劇を描いた作品だ。わたしはそのぐらいのぼんやりした知識しか予習していなかったので、次々に描写される「DOWNSIZING」技術とその結果としての小人生活のうさん臭さに、かなりの頻度で、心の中で突っ込みが発動してしまう事態となったのである。この作品はコメディだろうから、笑えればいいのだろうけど、結構深刻ですよ、この話は。
 ◆DOWNSIZING技術の原理:一切説明ナシ。謎の薬物を点滴投与して、謎の電子レンジめいた装置に入れて、チンするだけで出来上がり、である。その手軽さにわたしは笑っちゃった。まあ、映画としてそんな細かいことを説明する必要なんてないので、説明ナシ、は十分アリだろう。しかし、「小さくなる」と聞いてわたしが真っ先に思い出したのが、わたしの大好きなMARVELヒーロー『ANT-MAN』なのだが、なぜ、ANT-MANがフルフェイスのヘルメット&マスクを着用しているかご存知ですか? 第一にはピム粒子充填のためだけどそれはどうでもいいとして、実は、体を縮小化したことで、酸素分子が逆にデカすぎて、肺に直接摂取することができないから、そして微細なホコリなんかが縮小した体にはデカすぎて肺に詰まっちゃうから、それを防ぐためにマスクをしてるという設定なんすよね(ただしどう処理しているかの説明はANT-MANにもない)。そういった、生理科学的な説明も一切ないのはちょっと残念に思った。自らの体(細胞)が小さくなる=他の自然界に存在する物質は逆にがデカくなる、ということなわけで、何らかのケアをしないと、確実に呼吸器系・循環器系が適応できずに生きていけないと思うのだが……一切そういう説明はなかった。死んじまうぞ……。
 ◆小さくなったら超リッチ!のうさん臭さ:普通に考えて、確かに、自らが消費する食料やその他物品の物理的な量は減るだろう。そりゃそうだ。だけど、だからって、金持ちになるなんてあり得るか? まず第一に、小人たちは経済的にも物質的にも、自立できていない。間違いなく普通サイズの人間の世話が必要だ。たしかに、小人コロニーは自立しているように描写されてはいたが、小人サイズの服だって家だって食べ物だって、自給自足しているとは思えない。仮に自給自足しているとしても、小人社会の経済活動が普通に行われれば、金はそれなりにかかるだろう。そもそもは、人口爆発による地球環境の破壊を防ぐために発明された技術だけど、普通サイズの人間なしに生きていけないなら、意味なくね? DOWNSIZING技術の会社も、普通サイズの人間なしには運営不能なわけで、この辺の説明も、一切ナシ、であった。小人がリッチなのは、あくまで普通サイズの人間がいるからで、それと比較するとリッチ、という相対的な価値観だと思う。だとすれば……そもそものDOWNSIZING技術発明の趣旨に反してるじゃん。おかしくね? まあ、だからこその、あのエンディングにならざるを得なかったのだとわたしは思うし、あのエンディングは、実際のところ、人類滅亡が前提なので、なんというか……生きててもいいことねえな、という、わたしが常に感じる悲観的未来を象徴しているかのようであった。なお、本作のエンディングに関しては、もう書く気になれません。
 ◆小人と普通サイズの共存は可能か?:おそらく無理だろうとわたしは直感的に感じた。世界から戦乱がなくなることはないわけで、小人化した人間はその武力も縮小してしまうわけだし、まあ、ズバリ踏みつぶされたら終わりだ。だって、7%に縮小した状態というのは、逆に言うと自分以外が約14倍にデカくなるってことなわけで、えーと、例えば身長130cmの小学生が、小人化した人から見たら18メートルのガンダムぐらいデカく見えるってことだぜ? そりゃもう、あかんすわな。
 また、劇中では、小人化を決意した主人公夫婦が小人化される直前に開催された送別会が描かれ、そこに、酔っ払いが「へえ、そりゃ結構なこった、でも、小人の権利は普通サイズと一緒なのか? 社会貢献しないで自分の小人コロニーに閉じこもって、税金だってほとんど払わないのに? それなのにお前らに選挙権があるっつーの?」と、至極まっとうな疑問を振りかざして絡んでくるシーンがある。これは恐らく将来的な火種として決して解消されない、普通サイズVS小人たちの対立を予感させるものだと思う。そりゃそうだよな。実に危ういとしか思えない。また、どうやらこのDOWNSIZING技術の機密情報は、もう既に全世界に公開されているっぽい描写だったが(世界中の各地で縮小化は行われている)、作中でも描かれた通り、国によっては政治犯などの反政府思想の持ち主を強制的に小人にしてしまうという非人道的な利用も行われているらしく、事態はもう非常に深刻だと思う。

 まあ、上記はわたしは感じた謎のほんの一端だが、本作はほぼそういった謎についての回答を用意していない。これが、完全なるコメディーで明るい物語なら、そんな説明はなくても別に問題ないのだが……意外と本作はシリアスな問題が取り上げられていて、どうにも笑ってすます気にはなれなかったのである。わたしが結構驚いたのは、小人となって夢のような贅沢三昧の暮らしを送る、かと思いきや、小人社会にも厳然たる「持てる者と持たざる者」の階層社会になっていて、小人コロニーに貧民層の集まる汚い場所があったり、全然楽しいだけじゃない現実が描かれてゆくのだ。まあ、冷静に考えれば、小人社会であっても、誰かがごみ収集だってしないといけないし、遊んで暮らせるわけもないわけで、じゃあ、どうしてまた小人になってまでそんな仕事に従事する人々がいたんだ? という謎もわたしの頭には浮かんできてしまう。それも、一切回答ナシ、である。
 たぶん、この映画に求めるのはそんな夢の生活とその裏に暮らす貧民層、みたいな社会の縮図(文字通りの縮図!)なんかではなかったように思う。なので、後半は全く笑えない展開で、映画として実に微妙な作品になってしまったような気がした。ついでに言うと、上映時間135分は明らかに長い。テンポが非常に悪く感じられたのは、きっとわたしだけじゃあないと思う。
 わたしが言いたいのは、数々の謎に答えてほしい、というものではなく、そういう謎を感じさせないような明るい話だったらよかったのにね、ということだ。なんか……この人類縮小化というネタは、80年代にEddy Murphy氏主演で作ったら楽しく笑える作品になりそうだったのにね。そう考えると、ちょっと残念だ。
 
 なんだか文句ばっかりになってしまったので、最後に意外と真面目な物語を真面目に、時に明るく演じてくれた役者陣を紹介して終わりにしよう。役者陣は全く素晴らしい熱演だったので、わたしとしては一切文句はありません。
 ◆ポール:主人公。元の職業は食肉加工会社?専属の理学療法士(作業療法士か?)。夫婦で小人化を決意して、小人化して、目が覚めても、なかなか妻が現れない。どうしちゃったんだろ? と思っていたら、なんと妻が超土壇場で「やっぱりやめる!」と逃げてしまい、あえなく離婚。小人化したことをずっと後悔する失意の毎日を送る羽目に……演じたのは、マーク・ワトニー博士でお馴染みのMatt Damon氏。しかし……小人化する際、歯の詰め物とかそういった生体以外のものを全部外すというのは分かるとして(それらのものは縮小化されないので外しておかないとヤバいという設定)、なんで全身の毛を剃る必要があったんだろうか?? 毛髪は縮小できないのかな? うっそお? 0.1mmぐらい髭とか生えてたらどうすんだよ。そんな点も一切説明ナシ、であった。
 ◆オードリー:ポールの妻。髪をそられ、眉毛を片方剃られたところで、ビビッてばっくれるひどい人。前半30分で出番終了。演じたのはおととしの夏、大復活した女性版『GHOST BUSTERS』のリーダー役でお馴染みのコメディエンヌ、Kristen Wiigさん。この人、結構可愛いと思うんだ……。
 ◆ドゥシャン:小人化されたポールの住むマンション?の上階に住む、パーティー大好き人間。演じたのは助演男優賞ハンターとしてお馴染みのChristoph Waltz氏。今回のはじけたパーリィピーポー役は大変良かったすね! 非常に楽し気に演じておられましたな。さすがの演技派すね。
 ◆ユルゲン博士:DOWNSIZING技術を発明したノルウェー人医師。いや、スウェーデン人だっけ? ともかく、演じたのは、あの! わたしが原作小説を読んで大感動した『幸せなひとりぼっち』の映画版で主役のオーヴェおじさんを演じたRolf Lassgård氏ですよ! わたしは冒頭の発明完成シーンから、あれっ!? 今の博士、ひょっとして? と気が付き、後半、主人公が会いに行った博士として出てきて、やっぱりこの人は! オーヴェおじさんだ! と確信に至った。ハリウッドデビューおめでとう!
 ◆ノク・ラン・トラン:ベトナムで反体制思想の持ち主として収監され、強制的に小人化された気の毒な女性。テレビの箱に潜り込んで?アメリカに亡命。その時の劣悪な環境で左足を失った。演じたのは、Hong Chauさんという方で、ひどくなまりのある、いかにもな英語だったけれど、この方はタイ生まれだけど現在はれっきとしたUS国籍のアメリカ人だそうです。よーく見ると、かなり可愛いお方とお見受けしました。

 というわけで、結論。
 予告を見て、これは面白そうだと思ったので観に行った『DOWNSIZING』という映画なのだが、実際に観てみたところ、どうもコメディーとしてはやや半端ではじけ切れておらず、意外とまじめな方向に話は進むという予想外の物語であった。縮小化技術そのものについては、別の細かいことまで描けとは全く思わないよ? でも、そこから発生するいろいろな「?」については、説明してほしいわけではなくて、そういう「?」を感じさせない物語にしてほしかったと思う。そのような数々の「?」を考えさせてしまった時点で、この映画は微妙としかわたしには判定できないす。もったいない……ホント、かつてのEddy Murphy主演作のような、腹を抱えてゲラゲラ笑える物語をわたしは期待していたのだが……残念ながらその期待はかなえられなかったす。ま、役者陣には何の罪はないので、役者陣に関しては素晴らしかったと賞賛の拍手を送りたいと存じます。以上。

↓ 例えばこれとか。最高に笑えるんすけどね……。


 わたしが映画オタクとして様々な映画を観ていることは、このBlogの過去ログを見ていただければ恐らく十分証明可能だろう。そんなわたしが、今現在も現役として活躍している監督たちの中でで、たぶん、一番好きな監督が、Clint Eastwood御大である。わたしは尊敬と愛をこめて、Eastwoodおじいちゃんと勝手に呼んでいるのだが、御年87歳、全く衰えることのないスーパーおじいである。ほぼ毎年1本以上作品を発表しているし、2本の年だってあるんだから恐れ入る。
 わたしがEastwoodおじいちゃんの作品が好きなのは、その極めて冷徹?な、客観的というか、感情を載せないシビアな視線や、特徴的な色彩の薄い画作り、そして、音楽のつけ方が超絶妙、とか、とにかくいっぱいポイントがあって、毎回、観終わると、やっぱEastwoodおじいちゃんはすげえ、という結論に至るのである。
 というわけで、わたしは今日、会社帰りにEastwoodおじいちゃん最新作『The 15:17 to Paris』を観てきたのだが……これはどう評価したものか難しいな……うーーーん……これは傑作というべきなのだろうか……どうなんだろう? ちょっと、この記事を書きながら、考えてみたい。
 以下、ネタバレ全開になる予定なので、気になる方は読まないで退場してください。全くネタバレを配慮するつもりはありませんので。

 上記予告の通り、本作は2015年8月21日に起きた、アムステルダムからパリへの特急列車内で起きたテロ事件において、犯人にとびかかってとっ捕まえた、勇気あるアメリカ人青年3人のお話だ。
 そして、本作最大のポイントは、な、なんと! その3人を、実際に犯行を止めたド素人の本人その人に演じさせているという驚くべき点にある。おまけに、事件で唯一撃たれて負傷した人とその奥さんも、本人そのものとしての出演だ。要するに、関係者本人による再現フィルム、ということだ。エンドクレジットには、本作は事実である、ただし会話やキャラクターはドラマチックに仕上げるためにちょっといじってます、という文字が(もちろん英語で)流れていた。ま、そういうことである。
 なので、本作はそのテロ事件が起きるまで3人は何をしていたのか、そしてどんな子供時代を経て、そういう勇気ある青年に育ったか、をさかのぼって追った物語である。
 演出としては、冒頭、犯人が列車に乗りむシーンはとても上質だ。犯人の足元だけをカメラは追い、ほとんど上半身は映さない。その怪しげでいて、妙に緊張感ある、客観的な映像は、確かにEastwoodおじいちゃんの作品の目印といってもよさそうだ。そして場面は時をさかのぼって10年前の2005年、3人がまだ中学生(?)のころに移り、のちにテロを止める青年と成長する子供たちの日常が描かれる展開となる。ちなみに彼らが育ったのはカリフォルニア州サクラメントだ。
 わたしが本作の評価を決めかねているのは、第一に、この3人が全く普通、いや、ひどい言葉で言えばむしろ普通より断然下の、何をやってもダメな3バカトリオ、であったことにも起因しているのかもしれない。いや、3バカはちょっとひどすぎるか。いずれにせよ、ちょっと普通じゃない、校長室に呼び出される常連の、ちょいデブ(白人)、チビ(白人)、ヒョロガリ(黒人)の親友3人組である。見た目も全くパッとしない。わたしの目には、彼らの母親は若干過保護のようにも思えたが、まあ、とにかく残念な子供である(そしてそれぞれの子役が超イイ感じ!!)。そして少し時が移り、それぞれ成長した姿となるが、最も時間を割いて描写されるちょいデブ君は、子供のころから軍オタで、サバゲ―大好き少年であり、長年?の夢として、軍への入隊を決意するに至る。しかし、ヒョロガリの親友(彼は一般企業に就職してるっぽい)は、お前は何やっても途中でやめちまうし、無理だろ、大体その太鼓腹で軍に入れると思ってんの? という趣旨のことを優しく告げる。それを聞いたちょいデブは一大決心して体を鍛え、1年後にはすっかりたくましい野郎へと変身し、晴れて軍への入隊がかなうが、一番入りたかった空軍のパラレスキュー部隊には、目の検査に引っかって(空軍は目が命!)入れず、配属された隊でも寝坊はするわ手先は不器用やらで落第の憂き目となり、また別の隊へ配属されてしまう。要するに軍でも落ちこぼれ君だ。そして少年時代チビだった彼もまたすっかりたくましくなって、軍(どうやら陸軍らしい)へ入隊するが、アフガンへ派兵されてももはやテロとの戦いも終わりかけていて、全く暇な毎日。
 こんな、ある意味普通か普通以下のアメリカ人青年3人。彼らはスカイプで連絡し合いながら、休暇でヨーロッパ旅行を計画し、イタリアから始まる休暇旅行の模様が描かれる。そして、実際のところ、何も起こらない。まあ、そりゃそうだ。普通に観光しているだけだし。そしてアムステルダムでの羽目を外した夜ののち、二日酔いで頭痛を抱えながら、次の目的地パリへと向かう、運命の列車に乗るという展開となり、3人の人生を大きく変える事件に遭遇するのであった―――てな展開である。
 なので、彼らのバカ騒ぎや、全くもって普通な観光に付き合っても、観ている観客としては、何一つ面白くない。いや、当たり前ですわな、そりゃ。人の観光を画面で観ても、面白いわけがないよ。おまけに3人は全く大したことのない連中だし。
 なので、わたしはこの映画が面白かったのか、判断に困っているのだが、強いて好意的に言うならば、そんな、ダメ野郎3人が、いざというときに勇気を奮った事実には、やっぱり心に響くものがあったと思うべきなのかもしれない。自らを省みて、もし自分がその場に居合わせたら、同じような行動がとれただろうか? と。
 そういったことを考えさせる力がある作品だったのは、これは否定できないだろう。平和な日本で平和に普通に暮らすわたしが、彼らを見て、なんだよ、ダメ小僧3人組じゃねえか、と偉そうに思うのも事実だが、お前、あいつらみたいに動けたか? と聞かれれば、それは分からん、としかわたしには答えようがない。YESかもしれないし、NOかもしれない。少なくともYESであってほしいとは思うが、どうだろう、実際無理だったかもな……。
 しかし自己弁護するつもりはないが、軍で訓練を受けた連中と自分を比較しても仕方がないような気もする。そして、偉そうに言っていることを自覚したまま書くけれど、あの突撃は、あまりに無謀すぎにも見えた。だって、突撃した元ちょいデブ君が命を失わずに済んだのは、はっきり言って運が良かっただけだよ。犯人のAK-47が不発だったから死なずに済んだだけで、あれが不発でなく、普通に発砲されていれば、100%確実に死んでたぞ、あれは。真っ正面から突っ込むか、普通? 
 まあ、結果としてはホント良かったね、なわけで、そんな点も、わたしとしては本作が傑作なのかどうか判断できないポイントの一つであったように思う。もうズバリ言うけど、バカですよ、この3人は。
 ただし、である。その3バカトリオが英雄的行為を成し遂げたのは紛れもなく事実であり、恐らくはわたしよりもずっとずっと、すごい勇気の持ち主だったことも間違いないので、その点はやっぱり、よくやったこのバカども! と賞賛すべきなんでしょうな。ホント良くやったよ、君たち。
 で、物語はラスト、ひょっとしたら実際のニュース映像なのか、ニュース映像っぽく取り直したのか分からないけれど、当時のフランス大統領オランド氏から勲章を授与されて、アメリカに帰国したのちも故郷のサクラメントでパレートで称えられるという映像で締めくくられる。このニュース映像っぽい画面には、オランド大統領も登場するのだが、あれは……CGだったのかな? エンドクレジットのキャストの一番最後に、オランド大統領役として知らない役者の名前がクレジットされていたので、撮影はその役者で行って、あとでCGでオランド氏を合成したのかもしれないな。わからんですが。そう、Eastwoodおじいちゃんは結構CGをバリバリ使うおじいなんすよね。でもその映像の質感はさすがのハリウッドクオリティでお見事でした。あと、演出として、一切犯人の内面に触れないという潔さも、ある意味Eastwoodおじいちゃんぽいようにも思う。音楽の使い方も、今回もとても良かったすね。ポイントに絞った最小限の音楽は、非常に上品で、そんな点もEastwoodおじいちゃんらしい音楽使用法でありました。
 というわけで、最後にその3バカトリオを紹介して終わりにしよう。
 ◆スペンサー:わたしが言う「ちょいデブ」君。演じたのはくどいけど、Spencer Stone君本人。デカくてごつい。身長193cmだそうだ。ちょいシャクレてるふつー(よりチョイ下)な白人青年。よく頑張りましたね。3人は1992年生まれだそうでまだ25歳。事件当時23歳か。若いなあ。
 ◆アレク:わたしが言う「チビ」君。もちろんAlek Skarlatos君本人。大人になった彼は、具体的な身長データが載ってないけど180cm以上はありそうで、ぜんぜんチビじゃないです。
 ◆アンソニー:わたしが言う「ヒョロガリ」君。唯一軍人じゃない。WikiによるとAnthony Sadler君本人は現在テレビ役者なんかもやってるみたいですな。へえ~。まあ、アメリカンヒーローだしね。
 どうやら本作は、この3人が出版した手記?をベースとしていて、一応脚本にもクレジットされてましたな。まあ、子供のころはダメ男でも、人間、頑張って生きて、勇気を試される場面で勇気を示すことができれば、人生変わるってことなんでしょうな。そういう当たり前ともいえる気付きを与えてくれる映画、という見方をすれば、本作はやっぱり、Eastwoodおじいちゃんがこのところずっと描き続けている「ヒーロー」の系譜に連なる、重要な作品ってことになるんでしょうな。わたしはこの物語の主人公の3バカ青年は、結局、Eastwoodおじいちゃんのスーパー・ウルトラ大傑作『AMERICAN SNIPER』で描かれたクリス・カイルと同じ人間なんだ、ということに、当たり前だし今更だけど、気が付いた。となると、Eastwoodおじいの大ファンのわたしとしては、本作はアリ、と判定しておきたいと、ついさっき、思った。

 というわけで、もうさっさと結論
 わたしの大好きな、Clint Eastwood監督最新作『The 15:17 to Paris』をさっそく観てきたのだが、まさかの本人を起用した豪華な再現フィルムで、事件にかかわった3人のアメリカ人青年の幼少期から事件直前までの行動を追っただけ、の珍しい物語で、観終わっても、これは面白かったのか、傑作だったのか判定できずにいたわたしだが、こうして思ったことをつらつら書いているうちに、Eastwoodおじいちゃんがここ数作品でずっと追いかけている「ヒーロー」を描いた、まぎれもないEastwood作品であることは間違いなく、やっぱり面白かったんだな、という結論に至った。Eastwoodおじいちゃんのファンとしては、やっぱり観ておいてよかったと思う。ひょっとしたらこの映画は、わたしがウルトラ・スーパー大傑作と認定している『AMERICAN SNIPER』と対になる重要な作品かもしれないす。え? Eastwoodなんて知らない? そういう人は……観に行ってもあまり意味がないと思います。以上。

↓ あっ! なるほど、日本語訳も出てるんすね。さすがわたしの愛する早川書房! これは読んでみたいかも。

 今年、2018年は、わたしの大好きなMARVEL CINEMATIC UNIVERSに属する映画が3本公開されるので、わたしは非常にワクワクしている。もちろんそのメインは、4月末に公開される『AVENGERS:INFINITY WAR』であり、その後US本国では7月(日本では秋?わからん)に公開される『ANT-MAN AND THE WASP』と続くわけだが、まずは2018年第1弾として公開されたのが、『BLACK PANTHER』である。
 すでに世界的に大ヒットとなっている本作が、ようやく日本でも公開されたので、わたしももう待ちきれず、初日の昨日の夜、会社帰りに観てきた。わたしは上野のTOHOで観たのだが、平日の夜だってのにかなりお客さんは入っていて、大変な盛況であったように見えた。これは結構稼ぐような気がしますね。で、結論を先に言うと、MCUの中では、『CAPTAIN AMERCA: CIVIL WAR』がすべての面において100点満点だったことを基準にすると、映像は確かに100点と言えると思うが、肝心の物語は75点ぐらいであったように思う。十分面白かったし、相当興奮したものの、若干の「あれっ!?」という点もあって、ちょっと100点は付けられないかな、というのが現時点でのわたしの採点である。
 というわけで、以下、ネタバレ全開になると思うので、気になる方はここで退場してください。一切の配慮なく思ったことを全て書くと思うので。

 というわけで、本作はそのタイトル通り、BLACK PANTHER単独主演作品である。BLACK PANTHERとは、MCUにおいては『CIVIL WAR』で初登場したヒーローで、アフリカの「ワカンダ」なる架空の国の王様、が担う役割・役職でもある。「ワカンダ」とは、CAPの盾の素材でお馴染みの「ヴィブラニウム」という鉱石の産出国であり、超科学文明の発達した謎の国、という設定だ。そしてMCUにおける時系列の中での本作の位置づけとしては、『CIVIL WAR』の直後のお話ということになっている。まさか、『CIVIL WAR』を観ていないのに『BLACK PANTHER』観るなんてことを考えては、そりゃあダメっすよ。そして『CIVIL WAR』も、もちろんそれまでのMCU作品すべて観ていないとその真の価値を理解できないと思うので、それもまたナシです。
 しかし、すでにMCUは本作が18本目であり、それら過去の17本をすべて観ていないと分からない、という一見さんお断りな映画ということになると、当然、観客動員・興行収入に影響してしまうわけで、マーケティング的に高いハードルとなることを避けるためにも、本作は比較的、単独作として観ても大丈夫なつくりにはなっていたように思える。まあ、わたしにとってはそこも、残念ながら減点ポイントとなっているようにも思えたのだが、それは後で書きます。
 さてと。まずは簡単に物語をまとめてみよう。本作は、わたしとしては結構意外なことに、1990年代(1992年だったけ?)から始まる。場所はアメリカ西海岸。駐車場でストリートバスケに興じる黒人少年たち。そしてその横に建つマンションの一室では、二人の黒人青年がなにやら武器を整備して怪しげな計画を練っている。そこに、槍を持った屈強な女性たちが登場、どうやら、部屋にいた黒人青年のリーダー格はワカンダ人で、槍を持った女子たちはワカンダの兵士のようだ。一瞬暗くなった部屋に再びぱっと照明がつくと、そこにはワカンダ王ブラックパンサー(後のCIVIL WAR事件で亡くなる先代)が降臨、すぐさま跪いて、王への敬意を示すリーダ黒人。どうやら彼は、ワカンダの鎖国政策を無視して、アメリカでの黒人解放的な?運動に参加しようとしているらしく、ワカンダの重要な資源ヴィブラニウムを横流ししていたのだ。ワカンダへ戻り議会に出頭して罪を告白せよ。冷たく言い放つ王。そして実はリーダー黒人と一緒にいた若い黒人青年が、王の意を受けてスパイしていたのだという。万事休すか、的なリーダー黒人であった……。
 そして時は現代へ。CIVIL WAR事件により、王は死亡。王子たるティ・チャラは新たなブラックパンサーとしてCIVIL WAR事件の終結に貢献し、一路、母国ワカンダへの帰途についていた。それは自らの即位式のためだったが、途中で、ワカンダが世界中に放っているスパイのうち、幼馴染で元カノのナキアを途中で拾って、国へ戻る。到着したワカンダでは、スーパー天才頭脳の妹シュリや母、そして各部族の長たちが待っており、さっそく即位するための儀式に挑むことに。その儀式とは、即位しようとしている者に対して、各部族の承認を受けるもので、異議ナシであればいいけれど、異議アリ!の場合は、決闘を行い、降伏か死をもって雌雄を決するという少年漫画的なものであった。そしてティ・チャラの即位に対し、いつも若干仲間外れ的にされている部族だけが異議を唱え決闘が始まるが、まあ軽く勝って、無事王座に就く。
 王座に就いたティ・チャラの最初の任務は、30年の因縁のあるユリシーズ・クロウの捕縛であった。クロウは、冒頭に描かれた90年代のヴィブラニウム流出事件の買い手であり、それ以来ヴィブラニウムを商う武器商人で、MUC的に言うと『ULTRON』事件の際、ウルトロンが欲しがったヴィブラニウムを提供して左腕をぶった切られたアイツである。いまやそのぶった切られた左腕には謎武装搭載の義手をしており、いまだ世界を駆け巡っているらしい。そしてクロウがロンドンの博物館から強奪したヴィブラニウム製の遺物を韓国で売りさばくという情報を得たティ・チャラは、妹の作った最新ブラックパンサースーツを着用し、出陣するのであった……てな展開である。
 というわけで、なかなかツッコミどころがある物語なのだが、わたしが、ちょっと残念に思ったことは、以下の3つのポイントだ。
 ◆ワカンダの経済発展について
 もう、ヴィブラニウムについては、そういうもんだ、で納得できるので、別に目くじらを立てるつもりはない。けれど、わたしが観る前に一番知りたかったことが、本作ではほぼ何も描かれていなかったような気がする。それは、「なんで鎖国していて秘密を抱えている国が経済発展できたのか?」という点だ。貿易は一切していないようなのだが……なんであんなに栄えることができたのだろう?? 国内経済だけで=輸入に頼らないで=金を使うことをしないで、あそこまで繁栄できるものだろうか? どうやらワカンダは、世界においては「農業国」と認識されているようなので、農産物の輸出で稼いでいるという設定だったのだろうか? 超高額で取引されるヴィブラニウムは禁輸品なわけで、アフリカの中央に位置する国が、そういった高額輸出品もないのに何故あんなにすげえ首都が建造てきたのか、よくわからない。ヴィブラニウム以外の資源も豊富だったのかな? ま、ヴィブラニウム(の研究から)派生する科学的発展に関しては、そういうもんだ、で納得できるけれど、そもそもそういった発展の源となるお金はどうやって調達していたのだろう? あれかな、世界中に派遣していたスパイたちの情報をもとに、何らかの金融取引もしてたってことなんすかね? だとしたら、なかなかの悪よのう……。このワカンダの経済的な発展に関しては、省略しないで、きちんと触れてほしかったと思った。金とかレアメタルとか、そういう資源に恵まれてたのかな?
 ◆意外と弱かった主人公ティ・チャラ
 この点がわたし的にかなり残念だったのだが……わたしは「BLACK PANTHER」の原作コミックを読んでいないので知らなかったのだが、なんと、ブラックパンサーは、ドーピング戦士だったんすね。ブラックパンサーというヒーローは、『CIVIL WAR』においても相当な超人的身体能力を持つかなり強い男、だと思っていたのだけれど、実は、謎のハーブを体内に摂取することで、その超人的身体能力を獲得していたのである。これは、どうやら原作通りの設定らしいので、別に問題ないけれど、知らなかったわたしとしては、へえ、そうなんだ、である。そして即位の儀式の決闘の際には、その謎ハーブを浄化する?薬物を摂取し、素の状態で決闘しなくてはならない設定であった。
 で、その謎ハーブは、例えていうならCAPの謎血清やSPIDER-MANの謎の蜘蛛に噛まれたとか、そういうものと同じなので、別にアリだし、文句はないのだが、わたしが本作で、意外と弱いなコイツ、と感じてしまった点は、今回の敵(Villain)であるエリック・キルモンガーが非常に強いためである。キルモンガーは、冒頭の90年代の描写で登場した、リーダー青年の子供で、駐車場でバスケをしていた少年であった。そしてそのリーダー青年は実は先代ブラックパンサーの弟であり、要するに、キルモンガ―もワカンダ王族の血が流れているわけで、ティ・チャラの従兄弟なわけだ。それゆえ、オレも王の資格がある! オレも異議アリだ! とティ・チャラに決闘を挑むのだが、なんと、結構余裕で勝っちゃうんすよね。それもそのはずで、キルモンガーはアメリカ育ちで、MITを卒業した頭のいい男だし、おまけにUS-NAVY-SEALsに在籍して世界中で闘ってきた男なので、謎ハーブの力を浄化されて素の状態になったティ・チャラでは、勝ち目がないんすよ。
 まあ、物語的には、王座を奪われたティ・チャラは妹たちの援助もあって再び謎ハーブのドーピングを受けて大復活し、再びキルモンガ―に挑み、大勝利に至るわけだけれど、ちょっと待てよ……お前、儀式に負けたし、謎ハーブナシじゃキルモンガ―に勝てないじゃん、と、わたしとしてはかなりガッカリした。ティ・チャラよ、お前、若干、主人公の資格を失ってやしませんか? おまけに、王として、キルモンガ―に味方した部族の気持ちをもう少しわかってやれよ……お前がまんまとユリシーズ・クロウを逃したからなんだぞ……。元カノとイチャついてる場合じゃねえだろうに……。
 ◆MCU成分はかなり薄め
 本作は、前に描いた通り、比較的単独作品としても観られる作りになっているため、そのトレードオフでMCU的つながりはかなり薄い点もわたしとしては残念だった。なお、本作はMCU恒例のおまけ映像が2回あって、そちらでチラリと出る程度、で、期待した「インフィニティ・ストーン」最後の6個目も登場せず、であった。
 (1)おまけ映像その1:最初に出てくるのは、メインキャストのクレジットの後、比較的すぐ出てくる。ここでは、本作の事件終結後、ティ・チャラがこれまでのワカンダの秘密主義を(少しだけ)捨てて、ワカンダの技術で世界に貢献します的な宣言を国連で演説するシーンだ。そこで、何も知らない奴が、農業国が何貢献するって言うのよ? 的リアクションを取るわけだが、その後、90年代描写で出てきた駐車場とマンションにて、ティ・チャラがいろいろ決断するシーンとなる。まあ、これはこれで美しいけれど、「賢者は分け与え、愚か者は壁を築く」的な発言は、現US大統領の元不動産王のおっさんへのあてつけなんでしょうな。ワカンダファーストをやめます、な宣言なわけで、わたしとしてはそんな政治メッセージは別に要らねえと感じた。ま、そういった点もUS本国で大ヒットしている要因なのでしょうな。
 (2)おまけ映像その2:これはすべてのクレジット終了後の一番最後に出てくる。天才妹が、とある人物の介護をしながら二人でアフリカの自然を眺めるシーンだ。そしてそのとある人物こそ、『CIVIL WAR』での重要人物、ウィンターソルジャーでお馴染みのバッキーであった。『CIVIL WAR』での最後のおまけ映像で描かれた通り、バッキーやCAPは、現在ワカンダにいるはずである。そしてバッキーは、自らに施された洗脳がきっちり解除されるまでは、また利用されて危険なので、冷凍睡眠に入ったことになっている。なので、わたしは本作でCAP達がチラッとでも出てくるんじゃないかと思っていたのだが、一切出てこず、このおまけ映像その(2)にバッキーが出てくるに留まった。
 てことは……順番としては、CIVIL WAR事件終結、ティ・チャラ、ジーモの身柄を拘束、法機関へ引き渡す→ティ・チャラ帰国、キルモンガ―事件勃発(同時期に、CAPは海中刑務所に侵入、バッキーたちを強奪)→キルモンガ―事件終結、国連演説→CAPたち、ワカンダ到着、バッキーは冷凍睡眠へ→そしてバッキーの洗脳解除に成功、という流れなのかな?
 という感じで、MUC成分が薄めな点も、わたしとしてはちょっと残念でありました。ちなみに、MCUにおいていまだ姿を現していないインフィニティ・ストーンは、オレンジ色で、Soul Stone(※原作のオレンジはTime)だったと思う。確か。
 以上のように、わたしとしては残念ポイント3つで25点減点、結果75点という判定を下したのだが、やっぱり映像はもうすごいもので、安定のハイクオリティだったのは間違いない。監督のRyan Coogler氏はやっぱり大した腕の持ち主ですな。監督の前作『CREED』を観た時もこの監督を絶賛したわたしだが、やっぱり映像のキレは抜群でしたね。今回もまあワンカットが長い! これは長いように見えるだけでCGでつないでいるだけ、かもしれないが、とにかくよくカメラが動く! しかも、CGバリバリ作品だと良くありがちな、速すぎて目で動きが追えない、ようなものではなくて、きちんとキャラクターを見せる動きは実に素晴らしかった。このCoogler監督はまだ31歳ととても若く、非常に才能あふれた野郎なので、今後も非常に期待したい男ですな。
 そして、Coogler監督と言えば、もちろん、Coogler監督の作品ですべて主演しているMichael B Jordan君も忘れてはならないだろう。彼は今回、キルモンガ―を演じたわけだが、今回も大変良かったと思う。あの髪型、カッコイイすね! ただ、今回もCoogler監督は自ら脚本を買いているのだが、わたしがあげつらったポイントをもう少し、精密に描いてほしかった。とりわけ、ティ・チャラよりも監督の盟友たるJordan君演じるキルモンガ―の方に重点が置かれちゃったようにも思えてしまったのが残念だったかも……。
 では、最後にキャストをざっと紹介して終わりにしたい。
 ◆ティ・チャラ=ブラックパンサー:演じたのはCIVLI WARから勿論そのままChadwick Boseman氏41歳。まあ、やっぱりイケメンですよ。大変カッコ良かった。けど、ティ・チャラよ、お前、ちょっと弱いぞ……INFINITY WARまでに、もうチョイ鍛えておいてくれよな。
 ◆ナキア:ティ・チャラの幼馴染であり、元カノ。本作ではすっかり元のさやに戻り、次期王妃は確実なんでしょうな。一応、おまけ映像(1)によれば、アメリカ在住となって難民支援センター長?的なポジションとなる模様。演じたのはオスカー女優Lupita Nyong'oさん34歳。このお方はもう、相当な売れっ子としてそこら中の作品で見かけるようになったけれど、わたしはあまり好みでないし芝居もそれほどすごいと思っていないので、省略! ちょっとお太りあそばしたか?
 ◆オコエ:ワカンダ王室親衛隊長の超おっかない戦闘女子。演じたのはDanai Guriraさん40歳。このオコエというキャラは非常に良かったすねえ! 王個人に忠誠を誓っているのではなく、王座に忠誠を誓っているのです! という決断は実にカッコ良かったし、親衛隊長なるものはそうあれかし、と思うので、実に毅然として美しかったす。キャラとしても、ちょっとしたギャグ担当でもあって(超真面目なので逆に笑えるという方向で)、今後の王様にはなくてはならない存在ですな。お見事でした。
 ◆シュリ:ティ・チャラの妹でスーパー天才科学者。若干ゆとり臭漂うお姫様で、なんか笑顔がとても可愛らしいキャラクターでした。わたしとしては、同じく天才科学者トニー・スタークと絡むシーンが見たいすねえ! 下手をするとトニーよりもすごい頭脳なのではなかろうか? 演じたのはLetitia Wrightさん24歳。24歳!? 若い! どうやらこれまでのキャリア的にはTVでの活躍ばかりのようですな。今後も期待したい若手女優として名を覚えておきたく存じます。
 ◆エリック・キルモンガ―:今回のVillain。前述の通り演じたのはMichael B Jordan君31歳。彼には本当に期待してますよ。彼と言えば、同じMARVELヒーローの『Fantastic 4』でヒューマン・トーチを演じたわけだが、残念ながら映画は酷評されてしまったわけで、見事リベンジ成功ってところでしょうな。わたしはあの映画、別に嫌いではないのだが……。
 ◆エヴェレット・ロス:コミック原作でもお馴染みのキャラで、前回の『CIVIL WAR』にも登場していた彼は、今回はCIA局員となっていました。演じたのは、BBCドラマ『SHERLOCK』のジョン・ワトソン君でお馴染みMartin Freeman氏46歳。しかし彼もMCUメンバーとなったわけで、わたしとしてはINFINITY WARで、相棒シャーロックこと、ドクター・ストレンジを演じるBenedict Cumberbatch氏との夢のツーショットを実現してほしいものです。ちょっと無理だろうな……ドクターは基本NYC住まいだけど、ちょっとだけでもすれ違ってくれないもんすかねえ……。
 ◆ユリシーズ・クロウ:コミック原作でもお馴染みだし、MCU的にも『ULTRON』で出てきた武器商人。悪い人。今回結構あっさりあの世に逝っちまいました。演じたのは引き続き、モーションキャプチャー俳優として有名なAndy Serkis氏53歳。素顔での出演。なんかすげえ、アクのある顔ですが、俳優にとってはそれもまた武器なんでしょうな。素顔での演技だからではないだろうけど、なんだかちょっと楽し気に演じられているのが新鮮でした。
 ◆ラモンダ:ティ・チャラとシュリの母。先王の妃。演じたのはもう大ベテランでかなり多くの作品に出演されているAngela Bassettさん59歳。やっぱお綺麗ですな。そして、母として、もうチョイティ・チャラを強く育ててほしかったす。かなり、息子に甘いというか……ま、母親だからしょうがないのかな……。

 というわけで、もう長いので結論。
 超期待して観に行ったMCU最新第18弾『BLACK PANTHER』を初日の平日の夜観に行ったわたしであるが、どうも、基本設定や主人公のキャラ付け、そしてMCUとのかかわりの薄さに関して、わたしとしては減点したいポイントのように思え、少しだけ、期待よりも下回る感想となってしまった。ただまあ、映像はすごいし、結局のところ、まずまず楽しめたので、結論としてアリ、だと思う。まあ、MCUももはや18本目となるわけで、それを全部見とけと言うのも確かにマーケティング的に厳しいものがあるのはうなづける。でも、『CIVIL WAR』があまりに完璧だったので、やっぱりアレと比べると、本作『BLACK PANTHER』は幾分、格下に思えてしまうのである。しかしなあ、どうでもいいけど、なんで木曜日に公開するんだろうか。1日だから? ファーストデーとしてお安く見られるから? それ、超大きなお世話っつーか……おれ、とっくにムビチケ買ってたのに……数百円損したわ……別にどうでもいいけど。それにしても、次の『INFINITY WAR』、そして『ANT-MAN AND THE WASP』が超楽しみです! 以上。

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小学館集英社プロダクション
2016-04-20



 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 はーーー今日の朝の東京は、すげえ大雨で参ったす。もうすっかりやんでる……
 しかし早いもので、もう3月ですなあ。それすなわち、もう3月場所、大阪での春場所が近いわけで、なんつうか、あっという間に時が過ぎ去っていくことに、愕然とするわたしですが、もう既に春場所の番付が発表になっております。わたしが愛してやまない松鳳山関は、東前頭4枚目となかなかの位置につけており、わたしとしては再びの小結への挑戦に向け、今一度気合を入れていただきたいと思います。他の力士はというと、横綱白鵬関はとうとう横綱在位64場所目となり、歴代最長記録となる場所のようです。三役でわたし的注目は、先場所優勝の栃ノ心関はさらに上への挑戦となる関脇、そしてこのところ、入幕時の勢いを取り戻しつつあるように見える逸ノ城関が久しぶりの小結。この人が稽古で体を作って技も覚えたら、相当強いはずだと思います。ほんと、ここ数場所調子いいすね。あと、遠藤関が東前頭筆頭につけましたが、筆頭につくのも久しぶりすね。怪我をして以降、どうも波がありますが3場所連続で勝ち越したのかな。初の三役目指して頑張ってほしいす。
 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年第14号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子はナシ。紙雑誌版は乃木坂の与田祐希嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:来襲!!の巻。まあ、そうなりますわな……。悔しいけどキモー筋最強説。
 ■刃牙道:終局の巻。こういう終わりとは……。昇天ッッッ……w
 ■BEASTRES:白炎にヤケドするぜの巻。ピナくん、これは面白くなってきましたよ!
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:タマシング・エロスの巻。Y談おじさんネタは鉄板すw
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿たちと僕たちの巻。おお、大きな展開に入りそうです。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。
 
 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、あまりに強く、鯉太郎の全てを吸い上げていく【王虎】さんに、とうとう鯉太郎の心も折れたか、と思いきや、密着する【王虎】さんの心臓が奏でる「楽しげ」なビートを感じた鯉太郎が、俺の力を返せ、オメーだけずりーぞ! 土俵で一番楽しむのは、俺だ! と目を覚ましたところまでが描かれました。
 そして今週は……ズバリ結論から言うと……
 いや、やっぱり、順を追って見ていきましょう。
 今週の扉は、がっぷり四つな状態の鯉太郎と【王虎】さんです。編集部謹製のアオリは、「相撲を愛する無垢な気持ちが込み上げた鮫島は!?」と記されています。
 そしてページをめくると、土俵を見守るみんなのカットインです。みな、ハッとした表情。マジかよ!? 嘘だろ!? 的な表情です。椿ちゃん、虎城理事長、仁王兄貴、白水兄貴&常松、大器くん、山崎さん、バーキ、仁くん&稲虎関。そして一人うつむいているのは【天雷】関でしょうか?
 「ここで息を 吹き返すのかよ…」
 土俵を中心に放射されるエネルギーに、観客席まで含めた国技館全体が「ゾクッ」としています。そしてページをめくると、笑う【王虎】さんです。
 「ハッ…ハハハッ 鮫島鯉太郎 本当にムカツクヤローだな テメーは… いいぜ…とことんまでいこーぜ… 俺かお前か… 相撲が選ぶのはどっちか…」
 腕にこもる力、きしむ骨、悲鳴を上げる筋肉。押し合う二人に、観客席からは「もう…いいよ…」という声も聞こえてきています。土俵の二人は、ともにもう限界だ! 橋くんも呆然と「限界だろ…二人とも…何でそこまで…そこまでやるものなのか…?」とつぶやきを発しております。そして観客席の名もなき女性は「でも…でも何か…楽しそう…」と土俵上の二人を見つめています。
 この先は、鯉太郎の心の声がゴシック体、【王虎】さんが明朝体で描かれているようなので(?)、それに沿って引用すると……
 王「よお…いけるか…まだ…」
 鯉「ああ…終わりたくねえな…まだ…あぁ…このままずっと…相撲を取っていてぇ…でも…あぁ…」
 ここで何かを感じた横綱【泡影】は、閉じていた眼を開きます。そしてページをめくると、
 王「終わりにしよう」
 この(心の中の)一言で、【王虎】さんが渾身の力を振り絞って押しに行く!! すごい形相だ! 鯉太郎は半ば失神寸前? なのか? しかし! ページをめくった先は、鯉太郎の右足が、ガガガッと土俵をしっかりとらえ、【王虎】さんの押しを止めたの図です!! 今度は【王虎】さんの表情が、「止めやがった!」的なマジかよフェイスだ! そして鯉太郎はがっしりと【王虎】さんの前みつを両手でホールドしているぞ!
 王「ま…だ…」
 あーーっと! 【王虎】さんはもう力を使い果たしたのか!? 震えている! そして手にはもう
 王「力…が…」
 残っていないのか? あーーーっと! ついに【王虎】さんの体から「ガクッ」と力が抜けた!!!
 王「クソ…」
 鯉「王虎…お前がいて…お前ともう一度相撲が取れて…よかった…」
 王「持っていけ…俺の全部をくれてやる…」
 鯉太郎は涙を流しております! そして、かつてはとんでもない悪党だった王虎剣市くんの表情は、全てを出し切った男の悔いのない、疲れ切った表情だ! そしてページをめくると、そこには見開き一枚絵で、鯉太郎が一気に持って行くの図です!!! これはマジで今週は絶対にチャンピオンを買って、その眼で確かめてください!!! 
 そして今週は土俵を割る、決着のシーンで幕でありました……
 どちらの足が土俵を割ったのか、それはもうお分かりでしょうし、なんだか書くのがはばかられます。この結末は、読者一人一人、受け取り方が違うのではないかと思います。わたしはホントに泣けそうになったのですが、人によっては、ちょっと漫画的すぎて有り得ないだろ、と思う方も当然いらっしゃるでしょう。冷静に考えればそれも否定できないとは思います。しかしそれでも、わたしとしては、この死闘を演じた二人に万雷の拍手をささげたいと思います。
 はーーー……血圧上がったわ……ホント、『鮫島』は最高ですね!!!

 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
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 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は、とうとう鯉太郎と【王虎】さんの運命の二人の死闘に幕が下ろされました。「最後の15日」目まで、あと3番あるわけですが、今のわたしは、先のことよりも、この勝負の余韻にしばらくふけりたい気持ちでいっぱいです。本当に素晴らしい一番でしたなあ……これが限界を超えるって奴なんでしょうなあ……ホントに『鮫島』は最高すね! それしか言えないす! 以上。

↓ ぜひ今週は、チャンピオンを買ってください! コンビニでもKindleでもどこでもいいので!!

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