2018年02月

 とりあえず、手抜きとして経緯を昨日の記事をパクって貼っておこう。
 おとといの2月25日の日曜日、わたしは宝塚歌劇の公演を2本ハシゴして観てきた。というのも、本命の花組による大劇場公演『ポーの一族』のチケットが全然取れず、久しぶりに、こりゃあ観られないか、と半ば諦めていたのだが、ある日、宝塚歌劇の公式Webサイトに、とあるチケットの販売に関する告知が出ていて、どうせ当たりっこないんでしょうよ……と思って申し込んだ「W観劇チケット」なるものが当選したから、であります。
 そのチケットは、わたしが見逃すかもと危惧した花組公演『ポーの一族』@東京宝塚劇場のチケットと、赤坂ACTシアターにて開催される星組公演『ドクトル・ジバゴ』のチケットがセットになったもので、11時からの『ジバゴ』@赤坂、15時半からの『ポー』@日比谷の二本立て、というわけである。
 まあ、ズバリ言えば、『ジバゴ』のチケットの売れ行きが渋かったための、いわゆる一つの抱き合わせ商法であることは否めないだろう。わたしも、星組を一番応援している身とは言え、実はあまり見たいとは思ってはいなかったので、まあ、いいか、ぐらいのテンションであったのだが、結論から言うと、わたしとしては『ポー』よりも、『ジバゴ』の方がずっと面白く、楽しめたのである。
 というわけで、今回は『ポーの一族』についてしたためたいと思う。思いっきりもう書いてしまった通り、わたしとしては『ポー』より『ジバゴ』の方が面白かったかな……その理由についてをメインに書こうと思っています。今のところは。

 というわけで、上記動画の通り、その美しさ、極上である。萩尾望都先生による原作コミック『ポーの一族』は、もはや説明のいらない名作であろうと思う。男のわたしですら、もう数十年前に読んだことのある作品だ。永遠の時を生きる、不老不死の存在「バンパネラ」の少年エドガーの数奇な運命を描いた短編連作的なお話で、一つ一つのお話は続き物ではなく、かなり時代が飛ぶし、長編で一つの物語を追うものではなく、その時どきのエドガーを描いた傑作コミックだ。
 なので、わたしは一体、どのようなミュージカルになるのであろうか? と興味津々でおり、観る前にわたしが抱いていた注目点は、以下の2点にあった。
 1)一体どのエピソードを?
 わたしは、今回は原作コミックのどこかのエピソードに絞っているのではないかと想像していた。どうやら登場人物としてアランも出てくるようなので、まあきっと、アランがバンパネラとなるエピソードではないかしら、と勝手に想像していたのだが、まあ結論からすると半分あっていたというか、全然違っていました。本作は、エドガーがバンパネラになる時の冒頭のエピソードと、アランの話と、それからメリーベルの話、ポーツネル男爵消滅の話、と意外なほど盛りだくさんでわたしは少し驚いた。というのも、観終わった今、わたしは果たして「原作未読の人」が理解できたのだろうか? とかなり懐疑的だからである。ホント、観に行く前に電子書籍で全巻揃えて予習しといてよかったわ……と思う。これは……原作知らないと、特に1幕は相当分からんのではなかろうか。
 2)メリーベルの天使具合や如何に?
 メリーベルというのは、エドガーの妹で、基本的にメリーベルが超可愛い天使でないと、話はおかしくなってしまうはずだ、とわたしは考えていた。なにしろ、エドガーは可愛くてたまらない妹を守るためにバンパネラとして生きることを受け入れるのだし、アランだってメリーベルの可愛らしさにぞっこんとなるわけで、実際のところ、一番の重要キャラだとわたしは思っていたので、果たして本作でのメリーベルは、どれだけ天使クラスに可愛いだろうか、と期待していたのである。この点に関しては、まずビジュアル面では全く問題ナシ、というか、まあとにかくかわいいのは間違いなかろう。ただ、重要人物なのに今一つ、メリーベルの心情が心に響かず、歌もそれほど多くなくて、その点では若干残念に思った。
 そうなのです。ズバリ言うと、わたしとしては本作、ミュージカル版『ポー』は、ちょっとイマイチだったのです。その理由は、おそらく歌にあって、どうも歌がグッと来なかったのだ。これは、キャストの問題ではなく、歌の歌詞とメロディーそのものに対する感想で、その結果、どうも心に響かなかったんすよね……。
 確かに、キャストは超絶に美しく、衣装も華やかで、歌声もとってもとってもイイ! のは間違いないと思う。その点では、もう何の文句もなく、パーフェクトだと言ってもいいぐらいだ。でも、歌なんすよ……問題は。物語が複雑、というよりはしょりすぎなのか、説明不足なのか、若干判定に悩むけれど、とにかく、一見さんお断りな物語展開だったように思えたのだが、それを、歌でカバーしてほしかったんすよね……わたしとしては。わたしはいつも、初めて宝塚歌劇を観る人でもこの作品は楽しめただろうか、という点を重要視しているのだが、ちょっと『ポー』に関しては、宝塚未体験の人を連れて行く気にはなれなかったような気がします。
 というわけで、文句はもうこの辺にして、演じたキャスト陣絶賛コーナーに移ろう。
 ◆エドガー:14歳でバンパネラとなる美少年。演じたのは、もちろん花組TOPスター明日海りおさん(以下:みりおちゃん)。まあ、みりおちゃんの美しさはこの世のものとは思えない美しさで、人ならざる存在としてのエドガーは超ピッタリですな。みりおちゃんはあとどのくらい、TOPでいてくれるだろうか……もう就任3年半か。あと1年半ぐらいは卒業しないでほしいすね。わたし的には、エンディングのミニ・ショー(2幕モノの終わった後のアレってなんと言うんでしょう?正式名称あるんすか? パレードとは違うもんな)でのみりおちゃんの、青系の燕尾?がすげえカッコ良かったと思う。ああ、ひょっとしたら、わたしが宝塚男役に魅かれるのは、大人なカッコ良さであって、エドガー的な子供、エドガー的な美しさじゃないのかもな……それでイマイチに思ってしまったのかもしれないな……ま、いずれにせよ、みりおちゃんの美しさはもう別格で、その点では最強でした。
 ◆アラン:絶望の淵に出会ったエドガーに魅かれ、バンパネラとなることを受け入れる、これまた美少年。演じたのは、もちろん花組の誇る美形、柚香光さん(以下:かれー)。かれー君の美しさも、もはや完璧で、今回は悩めるエドガーの苦悩も非常に上手に表現できていたと思う。かれー君の課題である歌も、回を重ねることにどんどん良くなっていることも認めよう。次期花組TOPはもう完璧にかれー君で決まりであろう。わたしが一番好きな星組の礼真琴さん(以下:こっちん)と同期の95期生なわけだが、なんか……こっちんより先にかれー君がTOPになる可能性も十分あるような気がしてきましたな……まったく根拠はありませんが。そうなったら、こっちんファンとしては実に遺憾だが、まあ、受け入れざるをえまい。いいもん、こっちんの方が断然歌が上手いもん! と子供のような拗ね方をしておきたく存じます。ともあれ、今回のかれー君は、事実上初めての2番手扱いということで、実に美しく、芝居も確かで大変良かったと存じます。
 ◆シーラ・ポーツネル男爵夫人:エドガーの名目上の母親(勿論全く血縁ではない)。元々、人間の時に、バンパネラだったポーツネル男爵に恋をして、自ら志願して男爵にバンパネラにしてもらった女性。大変気の毒な最期を……。わたしは、『ポー』が宝塚で上演されることを知って、一番最初に思ったのは、はたして花組TOP娘役の仙名彩世さん(以下:ゆきちゃん)が演じるのはどのキャラクターだろう? という疑問だったのだが、まあ、順当?にシーラでした。そして今回歌では一番ゆきちゃんの美声が目立っていたような気がしますね。やっぱりゆきちゃんは歌もうまいし芝居もイイですなあ! さすがの実力者だと思います。素晴らしかったす。
 ◆ポーツネル男爵:エドガーを養子とするバンパネラ。原作では意外とよくエドガーと口論になる。演じたのは瀬戸かずやさん(以下:あきら)。わたしは、あきらさんがダメとは決して思わないが、どうしても、もし半年前に宙組へ異動になってしまった芹香斗亜さん(以下:キキちゃん)が今もなお花組であったなら、この男爵の役はキキちゃんが演じていただろうな、と想像してしまうし、そしてキキちゃん演じる男爵は超絶にカッコ良かっただろうな……と思わずにはいられないす。花組で一番応援していたキキちゃん……宙組は次の次か。また早く会いたいす……。
 ◆メリーベル:エドガーの妹。超絶に可愛い。演じたのは華優希ちゃん(以下:はなちゃん)。100期生ということで、まあいわゆる抜擢と言えるのだろう。そのビジュアルは大変可憐でありました。しかしまあ、ホントに可愛いすね。「おとめ」によれば読書が趣味で肉とチョコが好きなんですと。いくらでも食わせてやるっつーの。ちょっと今後の成長を注目したいすな。
 とまあ、こんな感じでしょうか。
 では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「僕はもうおしまいだ……誰か助けて! メリーベル、メリーベルに会いたい……!」
 今回は、ラスト間近の、アランの悲痛な叫びを選びました。この絶望感が非常にグッと来たすね。かれー君、お見事でした!

 というわけで、結論。
 名作コミックの宝塚化、ということで注目されている花組公演『ポーの一族』を観てきたのだが、その美しさは格別で、大変素晴らしい舞台だったことは間違いないのだが、どうもわたしは今回、歌にあまりグッと来なかったような気がしてならない。結果、若干イマイチだったかも? という気にすらなってしまっており、ひょっとすると、根本的な原因は、わたしがそれほど原作の『ポーの一族』に思い入れがないせいなのかもしれない。しかし原作未読で物語は理解できたのだろうか? なんとなく、一見さんお断りな気もする。どうなんでしょう、そこんところは。ま、いずれにせよ、みりおちゃんの美しさはますます持って磨きがかかっており、TOPとしてまだまだ、そのお姿を拝見したいものだと思う。そして事実上2番手となったかれー君の、2番手羽を背負った姿も早く見たいすね。でも、かれー君よ、くれぐれもこっちんより先にTOPにならないでくれよな。そこは譲りたくないんすよ……サーセン。そして、やっぱりキキちゃんの存在は花組で非常に大きかったんじゃないかなあ、てなことを思ったのでありました。以上。

↓ 全5巻かな? 結構すぐ読めます。観る前に絶対予習しといた方がいいすよ。

 というわけで、毎週月曜日は映画週末興行データです。
 はーーー忙しくてやっと一息ついた。この週末は、わたしは『空海』を観てきました。あの映画、中国語の原題は『妖猫傳』というらしいですな。つうか、むしろそのタイトルはピッタリな内容でありました。
 というわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『グレイテスト・ショーマン』が10日間合計で13~14億ぐらいと見積もる。なかなか調子が良くていいですな。歌とダンスは最高でした。
 2位:『空海―美しき王妃の謎―』が公開土日で2.82億稼いで2位。お客さんはかなり年齢層高めでした。わたしとしては、中国語&日本語字幕で観たかった。吹替はやっぱりどうも苦手っす。
 3位:『今夜、ロマンス劇場で』が16日間で7億突破だそうです。
 4位:『祈りの幕が下りる時』が30日間で14億弱まで伸ばしているそうです。
 5位:『さよならの朝に約束の花をかざろう』が公開土日で0.48億だそうです。アニメということ以外、全くどんな作品か存じません。
 6位:『不能犯』が25日間で6~7億程度と見積もる。
 7位:『羊の木』が23日間で5~6億程度と見積もる。先週ちょっと乗せすぎました。
 8位:『パディントン2』が30日間で6億届いたかどうかぐらいと見積もる。こちらも、先週ちょっと乗せすぎました。
 9位:『ジオストーム』が37日間で12億突破だそうです。
  10位: 『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が74日間で74.5億突破だそうです。

 とまあ、こんな週末だったそうです。
 次の週末、というか、もう今週の木曜3/1から、わたしが観たい映画が続々公開になるので超楽しみですな。『ブラックパンサー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『15時17分、パリ行き』『ダウンサイズ』の4本は、確実に見に行くと思います!
 
 というわけで、さっさと結論。
 この週末は『グレイテスト・ショーマン』がV2達成。良かったすね。そして『空海』は2.82億スタート。この数字がいいのか悪いのか、わたしにはちょっとよくわかりません。悪くはないけど、超すごい数字でもなく、どのぐらいまで稼いでくれるか、その推移を見守りたく存じます。以上。

 昨日の2月25日の日曜日、わたしは宝塚歌劇の公演を2本ハシゴして観てきた。というのも、本命の花組による大劇場公演『ポーの一族』のチケットが全然取れず、久しぶりに、こりゃあ観られないか、と半ば諦めていたのだが、ある日、宝塚歌劇の公式Webサイトに、とあるチケットの販売に関する告知が出ていて、どうせ当たりっこないんでしょうよ……と思って申し込んだ「W観劇チケット」なるものが当選したから、であります。
 そのチケットは、わたしが見逃すかもと危惧した花組公演『ポーの一族』@東京宝塚劇場のチケットと、赤坂ACTシアターにて開催される星組公演『ドクトル・ジバゴ』のチケットがセットになったもので、11時からの『ジバゴ』@赤坂、15時半からの『ポー』@日比谷の二本立て、というわけである。
 まあ、ズバリ言えば、『ジバゴ』のチケットの売れ行きが渋かったための、いわゆる一つの抱き合わせ商法であることは否めないだろう。わたしも、星組を一番応援している身とは言え、実はあまり見たいとは思ってはいなかったので、まあ、いいか、ぐらいのテンションであったのだが、結論から言うと、わたしとしては『ポー』よりも、『ジバゴ』の方がずっと面白く、楽しめたのである。
 というわけで、まずは『ジバゴ』についての記事をまとめ、『ポー』については別記事として明日以降アップしようと存じます。それではまずは『ジバゴ』である。
DR_GIBAGO
 本公演は、星組公演と銘打たれているものの、主演を張るのは専科の轟悠さん(以下:理事)である。というのも、わが星組のTOPスター紅ゆずるさんとTOP娘役の綺咲愛里さん率いるチームが名古屋の中日劇場で公演中(昨日が千穐楽かな)であり、また2番手スターでわたしが一番応援している礼真琴さん(以下:こっちん)は、先日まで単独ディナーショーを開催していた(既に終了)ためだ。わたしとしては、愛するこっちんのディナーショーへ行きたかったのだが、全くチケットが取れずダメでした。
 というわけで、星組はこの『ジバゴ』を含め、3チームに分かれていたわけである。そのため、『ジバゴ』の主演には理事がやってきたわけだ。ちなみに、理事は、なんで理事と呼ばれているかというと、劇団理事(=会社で言えば取締役のようなものか?)の肩書を持つ現役最強のジェンヌであり、数々の伝説を持つすごいお方で、おそらく年齢もわたしよりも上(たぶん50歳ぐらい)、の超歴戦の勇者なのである。それだけにファンも多く人気も高いお方なわけだが、ヅカ歴が浅いときちんと理事の出演作を観ていないという人もまた多いと思う。わたしも、2014年だったかな、当時の星組TOPスター柚希礼音さん(以下:ちえちゃん)と共演した『The Lost Glory』でしか観たことはない。当時、わたしは、なんでちえちゃんが主役じゃねえんだよ! とか思ったものだが、実際に観劇してみると、悪役?のちえちゃんの方がおいしい役だったので、これはこれでアリ、と納得した思い出がある。そしてその時初めて生で観た理事は、やっぱり歌も芝居もすげえ、貫禄というかオーラが段違いだ、とその実力に唸ることとなったのである。なんつうか、理事の歌い方はシャンソン系で、現役の中ではあまり見かけない、若干、昭和なテイストがあって、非常にオンリーワンな魅力を持つジェンヌであることを認識するに至ったのである。
 というわけで、わたしは昨日、正直に告白すると、理事主演の『ジバゴ』は積極的に観たいとは思わなかったものの、観られるならやっぱ観たい、という中途半端な気持ちで赤坂ACTシアターに推参したのである。そして結論は既に書いた通り、大変素晴らしいものであった。しかし、そのわたしの絶賛は、実は理事へ向けたものが25%ぐらい、残りの75%ぐらいは、若き星組メンバーへ向けたものである。とにかく、ヒロインの有沙瞳ちゃん(以下:くらっち)や、こっちんと同期の瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)たちがもの凄く良かった。これはやっぱり観に行って良かったわ、とわたしとしては大感激であった。
 まず、物語を軽くまとめておこう。原作小説はノーベル文学賞を受賞し、映画化された作品はアカデミー賞5部門を受賞した超名作なので、今更かもしれないが、大変恥ずかしながらわたしは原作も映画も味わっておらず、昨日初めて物語を知ることとなった。これがまた、超面白くて、これは原作を読むしかねえ! と思いますね。
 時は1905年、場所はモスクワである。この年号を観てぱっと思いつくのは、日露戦争終結の年であり、ロシア革命のはじまりの年であるということだ。つまり、日本に負け、貴族たちの抑圧に農民を中心とした人々の怒りが頂点へ向かおうとしているころであろう。物語は二人のキャラクターを軸として展開される。一人は、下級貴族の青年ユーリ・ジバゴ。彼の父親は悪徳弁護士のコマロフスキーに先祖伝来の土地をだまし取られ、失意のうちに亡くなり、孤児となったユーリは父の兄弟(つまり叔父さん)の家に引き取られて育った男で、詩を愛し、同人誌なんかを出版するような男だが、医師として人を救うことを天職と定めた、貴族ながらも優しい男である。そしてもう一人は、お針子として働く仕立て屋の娘、ラーラだ。彼女は、恋人パーシャが革命思想に染まり、デモに参加していることを心配しているが、ある日、デモでけがをしたパーシャを家で介抱していることが悪徳弁護士コマロフスキーに目撃され、そのことで脅迫されてレイプされてしまう。そう、このコマロフスキーは、仕立て屋を出店する時に母を(愛人にして)援助したパトロンだったのだ。悲しみに暮れるラーラは、その後、ユーリの自宅で開かれた、ユーリとトーニャ(叔父さんの娘なので親戚)の婚約祝いパーティーの場に銃を持って乱入、町の有力者としてそのパーティーに参加していたコマロフスキーを撃つという暴挙に出る。コマロフスキーを医師として手当てするユーリは、お、お前は!?と父の仇であることを認識するが、それでも、オレは医者だ!と復讐心をぐっとこらえて治療するのだった――。
 そして少し時が流れ、第1次世界大戦が勃発。ユーリは、周囲の反対を押し切って、軍医として従軍することを決意し、妻や叔父さん(くどいけど妻の父)を残してモスクワを去る。そして戦地の野戦病院で、ユーリは看護婦として働くラーラに再会する。なんでも、ラーラは、コマロフスキーにレイプされたことを恋人パーシャが良く思っておらず、どうせ今でも繋がってんだろ、とかひどいことを言って、やけっぱちになって軍に志願し、行方が分からなくなってしまったのだという。そのため、パーシャを追って、自らも戦地へ身を投じたのだとか。そんな状況で出会った二人は、一瞬心が通じ合うが、戦地に届いた報せで、軍は撤退を決意、ユーリとラーラはそこで分かれ離れとなってしまう。その軍に届いた報せとは、皇帝の退位、すなわちロシア革命の勃発であった(※このあたりは去年の宙組公演『神々の土地』と時代が重なってますな)。
 ユーリは無事にモスクワに帰るが、革命の嵐が吹き荒れ、既に家も接収されており、妻たちは不自由な暮らしを強いられていた。そこでユーリは、貴族ではなく、一人の医者として、母の故郷であり、母の墓のある遠く離れた田舎へ移住することを決意し、叔父さんや妻を伴って列車でモスクワを去る。そしてその途中で、貴族ということで革命勢力に目をつけられ、ユーリはとある将校の元に連行されると、その将校こそ、ラーラの恋人パーシャだった。すっかり、冷血&残酷な男になり果ててしまったパーシャに、ユーリは、ラーラはお前を心配して探し回ってんだぞ!と説くも、パーシャは、けっ!知ったことかよ!的態度。実はパーシャも苦しんでいたのだが、もはや取り返しがつかない。釈放されたユーリは、目的地である母の故郷へ辿り着き、そこで静かで平和な日々を過ごす……と思いきや、ある日、医者のいない隣町で急患が出たということで、妻たちを残してその村へ急行、しかしその村には、ラーラが住んでいて、二人は運命的に再開し、とうとう、一夜を共に過ごすのだった―――てなお話です。はーーー全然短くまとまらねえわ。
 お話は、この後も怒涛の展開で、わたしはもうずっと、こ、これはどうなっちゃうんだ……と固唾をのんで見守ったわけだが、いろいろとどうしても駆け足展開で、分からないことも多く、これはもう、原作小説を読むしかねえ! と思うに至ったわけであります。はっきり言って物語はすっげえ面白かったすわ。超ドラマチックな展開で、すごいお話ですよ。
 というわけで、このすごい物語を熱演したキャスト陣をキャラとともにまとめておこう。
 ■ユーリ・ジバゴ:主人公。演じたのは勿論、轟悠様aka理事。芝居は大変素晴らしかった。けれど、どうも喉の調子が悪かったのだろうか? 歌は若干伸びやかさがなくて、なんだか少し苦しげに歌われていたような印象だ。それとも、役に合わせてわざと苦しそうに歌ってたのだろうか? わたしには良くわからなかったが、セリフ回しさえ少し聞き取りずらいような気もして、なんか、本調子でなかったよな気がしてならない。どうなんでしょう?? でもまあ、ビジュアルはもう、ホントにもう、男、すね。実に美しくカッコ良く、なにより立ち姿のピシッとしたシルエットはもう、さすがっすね。足が超まっすぐなんすよ。最強ジェンヌの名は伊達ではないと存じます。
 ■ラーラ:ヒロイン。ただ、わたしがどうも分からないのは、ラストでラーラは何故ユーリに会いに行かなかったのか? ということなのだが……おそらくここが男と女の違いで、男は、過去の女をじっと、ある意味未練がましく待つ生物であるのに対し、女性はきっと違うんだろうな……きっと、新たな人生を、過去を振り返ることなく生きてるんだろうな……とわたしは理解することにした。女性の皆さん、教えてください。なんで会いに行かなかったんすかねえ……。そしてこのラーラという女性を演じたのが、今、星組の娘役でナンバーワン歌姫とも言えるくらっちであります。いやあ、マジ素晴らしかったすなあ……歌は勿論、芝居もいいですねえ……くらっちは。わたしとしては是非ともこっちんの嫁となっていただきたいのだが、ちょっと難しいかもな……くらっちの方が先にTOP娘になってしまうような気がしますね……まあ、とにかく今回のくらっちは過去最高レベルに素晴らしかったと存じます。
 ■パーシャ:ラーラの恋人で革命思想の若者のち残虐な将校。演じたのはこっちんと同期の95期メンバーせおっち。やっぱりせおっちも、去年の夏の『阿弖流為』のように、役として目立つとその実力が非常に光りますなあ。大変良かったと思います。日々努力・研鑽を積んでいるのは間違いなく、歌も良くなってきたし、非常に将来が嘱望されますな。TOPになれるかどうかは分からないけれど、応援し続けたいすね。最高でした。
 ■トーニャ:ユーリの恋人のち妻。健気なイイ子。実はわたしはトーニャもまたよくわからない。なんでさっさとパリへ亡命してしまったんだろうか……もはやユーリの体も心も(この場所へ、そしてわたしの胸へ)戻ってこない、と見切ったってことなのでしょうか? それとも単に情勢としてもう待てない危険が迫っていたということだったのかな……つらいすね……そんなトーニャを演じたのは99期生の小桜ほのかさん。大変可憐でありました……今後の星組公演では、注目していきたい所存であります。
 ■コマロフスキー:悪党弁護士のち革命政府要人。まあ、とにかく悪い奴でしたが、ラストのウラジオストックへの逃避行は、どう理解したらいいんだろう……ここも実は良くわからなかった。コイツは要人なのに、逃げる必要があったのか……その関係性がもうチョイ理解したかったす。そして演じたのは星組ではなくてはならない貴重なバイプレーヤーの天寿光希さん。91期なんすね。素晴らしい悪役ぶりで、ほんとムカつきましたわ。でもそれこそが悪役の存在意義なわけで、実に目立っていたし、超渋かったす。
 
 とまあ、こんなところかな。しかし、フランス革命とロシア革命って、やっぱりずいぶん違うもんだなあ、というような漠然とした感想も抱いたわたしであるので、少しいろいろ文献を当たってみたいと思う。両者に共通するのは、「踏みつけられてきた怒り」であるわけで、その怒りを「自由・平等・博愛」の精神でぶちまけたフランス革命は、後に恐怖政治を生み出し、王政復古にも至ってその後ナポレオンを登極させ、その先も混乱が続くわけだが、ロシアの場合も、「自由・平等」の旗印で怒りが爆発したものの、手段としては「社会主義」という壮大な国家実験に至り、それも大失敗に至ることを我々はすでに歴史として知っているわけだ。なんつうか……わたしが言いたいのは、最終的に失敗に終わろうとも、人類に憑りつく「怒り」というものは抑えようがなく、一定のキャパを超えたら確実に爆発するものなんだろうな、ということで、人を怒らせていいことなんか一つもねえ、というわたしの持論は間違ってないかもな、と感じる次第であります。まあ、怒らせてもいいことないし、怒っても同じく、いいことは一つもねえと思いますよ。
  では最後に、毎回恒例の今回の「イケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
  ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「誇りは、この家にあるのではなく、心にあるのです!」
 今回は、主人公ユーリが1幕ラスト近くで叔父さんに言うこのセリフを選びました。モスクワを離れよう、と主張するユーリに、家が……とグズグズ言う叔父さんに対してピシャッというセリフです。まあ、生きてこそ、だし、誇りは胸に抱くものでしょうな、やっぱり。それにしても、大変グッと来た物語でありました。

 というわけで、もう長いので結論。
 昨日、W観劇チケットなるものを入手したわたしが、若干、まあ、観に行きますか程度の低めのテンションで観に行った星組公演『ドクトル・ジバゴ』は、そのわたしのボンクラ頭を吹っ飛ばすほど素晴らしくグッとくる物語で、非常に面白かった。そりゃそうだよな、もう超名作として世に知られた小説&映画だし。というわけで、わたしとしては原作小説を読みたくてたまらない気持ちであります。そしてキャスト陣も、理事こと轟悠さんは若干のどの調子が悪かったのではないかという気がしたけれど、星組の若いメンバーの熱演は素晴らしく、結論としては大満足でありました。実によかったす。最高でした。以上。

↓なにーー!? 小説はどうも絶版らしく、クソ高いプレミア価格がついてる! マジかよ! つうことは、こちらの映画を観ろってことか……ぐぬぬ……!!!

 わたしは映画オタクなので、洋画を見る時は字幕以外考えられない。その理由は……当たり前すぎて説明がむしろ難しいのだが、要するに役者本人の声が聞けないと意味がないと思うから? ではないかと思う。まあ、理由はどうあれ、もはや字幕以外で観る選択肢は0%、皆無である。
 しかし、わたしが今日観てきた作品は、どういうわけか役者のしゃべる中国語Verは上映されておらず、なぜか日本語吹替版しか上映されていないようで、極めて遺憾ながら、やむを得ず日本語吹替版を観てきたのだが、まあなんというか、結論から言うと、恐ろしく違和感があって、吹替ってこうなっちゃうんだっけ? と、子供のころテレビの映画放送で見慣れていたはずの日本語吹替作品に、深く失望したのである。
 そう、わたしが今日観た映画は、日本語タイトル『空海 ―美しき王妃の謎―』というタイトルで公開されている、中国語原題『妖猫傳』という作品だ。タイトルコール?には英語でも『Legend of the Damon Cat』と付されていたのだが、ズバリ言うと、実のところ物語としては全く想像していなかった捜査ミステリー風味で、非常に興味深いものであったものの、その中国語原題や英語のタイトルの方が作品にぴったり合っていて、むしろ日本語タイトルの方が異常な違和感を醸し出しており、その点でも非常に、「なんか変」な気持ちがずっと続く作品であった。そして、正直に告白します。わたし、途中で5分ぐらい寝ちゃった……映画館で寝たのは、超久しぶりで、そんな自分にショックだよ……。。。

 上記予告はご覧になりましたか? 主役の空海を演じる染谷将太くんもきちんと中国語をしゃべって……いやいや、この声は染谷くんじゃなくて、白楽天の彼か。でも、どうして、なぜ、字幕版を上映しないのか? 確かに、今やすっかり洋画の売れない日本においては、吹替えの需要は高いのだろうことは想像できる。しかし、この映画のメイン客層は、100%おじさんおばさんであり、もっと言えばおじいちゃんおばあちゃんなわけで……事実、わたしが今日観てきた劇場内もそんな客層だったので、そんな高齢客に、高橋一生氏の声がウリになるのだろうか……、とわたしにはよくわからない。しかも、わたしは確かに高橋氏の最大の魅力はその「声」にあると思っているが、本作の吹替ぶりは、まったく話にならないとダメ出ししたい出来であったように思う。まあ、配給の東宝&KADOKAWAによるマーケティング的判断だろうけれど、わたしとしては中国語&日本語字幕で本作は観たかったと思う。この「なんか変」な違和感のある吹替えによって、本作の魅力は、少なくともわたしにとっては半分以下に減じてしまっているように思われた。これはアカンわ。
 で、物語である。わたしは夢枕 獏氏の原作は読んでいないので、冒頭に記した通り全く想像していなかった展開をたどる物語であった。
 時は804年~805年の、空海、後に「弘法大師」の諡号で知られることになる青年(当時31歳)がエリート僧侶の遣唐使としてに留学しているころである。ある日、空海は当時の世界最大の都市長安で、病に苦しむ皇帝(第12代徳宗皇帝だっけ?)の元に、病平癒の祈祷のために宮廷へ招かれる。しかし空海が駆けつける目の前で皇帝は崩御、そしてその死の場には、謎の「猫」の影があった。時を同じくして、皇帝守護隊の隊長(?)の家にも、同じように謎の「猫」が現れており、なにやら怪しげな空気が漂っていた。皇帝の死に立ち会った空海は、その場に皇室の記録係として同席していた白楽天(後に「長恨歌」で玄宗皇帝と楊貴妃の物語を歌い、超メジャー詩人になる)とともに「猫」の謎を解くための捜査を開始する。そしてその「猫」を追ううちに、二人は40年前に唐にいた阿倍仲麻呂の日記を入手し、鍵は玄宗皇帝時代の楊貴妃の死にあることを突き止めるのだが、そこには驚愕の事実が―――てなお話である。
 要するに、この物語は空海がホームズ、白楽天がワトソン、のようなバディ推理ミステリーで、物語自体はなかなか面白い。また、巨額の予算を投入したセットも見応えがある。そしてもちろん、役者陣も、熱演だったと思う。しかし、わたしにはどうにも性に合わない中華風味がきつすぎて、あまり心から楽しめなかったのである。それはわたしの好みの話なので、中華風味が気にならない人なら十分以上に楽しめるとは思うのだが……やっぱりわたしはダメであった。
 わたしが胸焼けしてしまう中華風味とは、ズバリ言うと、CGの使い方というか……画面そのものに現れるカット自体だ。カメラアングルというか……まあ、演出そのものですな。何と言うか、うまく説明できないのだが、なんか不自然なんすよね。大げさと言えばいいのかな……独特の風味がどうしても好きになれないんすよね……ただし、これは明確に申し上げておきたいのだが、CGの出来自体、すなわち、CGの本物感、に関しては、明らかに日本のレベルを凌駕していて、実にオブジェクトの質感が見事なCGであることは間違いない。このレベルのCGを描ける日本の映画スタジオは存在していないと断言できる。ゲームの世界のCGは日本も負けていないけれど、映画としてのCGは、悔しいけれど中国の方が数段上なのは間違いなかろう。虎や鶴といった生物オブジェクトも、大変上質な描画で大変見事であった。ただまあ……ここまで絶賛しておいてアレですが、肝心の「猫」は……毛並みなどは非常に高品位としても、その表情は若干微妙だったかもな……。
 というわけで、キャスト陣についてまとめて終わりにしたいのだが、残念ながら日本語吹替えのため、はっきり言って中国人キャストの皆さんの芝居ぶりが良かったのかどうか、わたしには良くわからない。一つ言えることは、前述のように吹替ぶりがどのキャラクターもイマイチであったとわたしには感じられてしまった結果、なんだかかなり、うーーーん……な演技に見えてしまった。ので、日本人キャストを少し触れるだけで終わりにしたい。やっぱり、セリフ回しが演技のキモなので、本人の声でないとダメだと思うな……。
 ◆空海:演じたのは染谷将太くん。なんでも、中国本土では染谷くん演じる空海が、常に笑みを浮かべていることに批判が多いそうだが、わたしには全く問題ないように見えた。たしかに、とりわけ前半の空海は常に笑みを浮かべている。が、その笑みは何とも絶妙な、仏像めいたアルカイックスマイルで、お遍路を完遂したわたしとしては、おお、弘法大師様だよ……南無大師遍照金剛……と思わずつぶやいてしまうような空海ぶりであったように思う。なお、中盤で、阿倍仲麻呂の日記を手に入れるために訪れた場所で、松坂慶子さん演じる未亡人との会話部分だけ、きっちり口とセリフが合った日本語演技でありましたな。そうなんです。それ以外はきっちり中国語のようで、口の動きとセリフ音声が合ってなくて、そんな点もやっぱりわたしには違和感が感じられてしまった。彼の中国語での演技を堪能したかったよ……。
 ◆阿倍仲麻呂:演じたのは阿部寛氏。そのローマ人のような彫の深い端正な容貌は誰がどう見ても阿部氏だが、阿倍仲麻呂がどんな男だったのかさっぱり知識のないわたしとしては、とりわけ違和感はなく、またその確固たる意志のみなぎる眼力は迫力があって、大変良かったと思う。
 ああ、いかん、もう書くことがなくなってしまった……。

 というわけで、わたしのBlogでは異例に短いけどもう結論。
 日中合作映画『空海―美しき王妃の謎―』、中国語タイトル『妖猫傳』を観てきたのだが、まずタイトルからして中国語版の方がしっくり内容に合っているし、やっぱり全編日本語吹替というのもわたしにはやけに違和感を感じずにはいられない出来栄えに思え、要するに、なんか変、であり、いまいちであった。ただ、物語自体はなかなかの変化球で、かなり興味深く、なにより空海、弘法大師様を演じきった染谷将太くんはお見事であったと思う。なので一層のこと、染谷くんがきっちり中国語で演技をし、中国人キャストの皆さんの中国語演技も観てみたかった……。わたしには、豪華俳優陣?を起用した吹替版は、まったく心に響くものがなく、ただただ、なんか変なの、という感想しか持ち得なかったのである。実にもったいないというか、残念す。つうか、これ以上はもう、言いたいことは特にありません。以上。

↓ 原作を読めってことなのかなあ……読む気にならないす。今のところは。あ、原作は4巻にもわたる長いお話なんすね。てことは、映画版はかなり縮小濃縮されてたのかな……。

 

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つうかですね、今週も特に書くことがないのですが、なんつうか、時間の流れが速いというか……もう3月もすぐそこ、なんてこった、あっという間にまた桜が咲く季節がやって来ちゃいますなあ……。結構、朝夕の日も伸びてきたし。わたしの会社は去年引っ越したのですが、まだ靖国神社に近く、桜並木もあって春が待ち遠しく存じます。
 まずは今週の週刊チャンピオン2018年第13号概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は都丸紗也華嬢。大変素晴らしいグラビアかと存じます!
 ■弱虫ペダル:動き出す!!の巻。3対3となった総北VS箱学、いよいよ最終決戦!
 ■刃牙道:剣の道の巻。あれっ!? まだ続くの!? キリがないというか……。
 ■BEASTERS:僕らの日々の中の1日の巻。おっと、ついに食殺犯確定か!?
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:エロそうでエロくないちょっとエロい何かの巻。もうタイトルすら長げーよ!最高に笑えるしつこさは最高です。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿と大人の人たちの巻。ははあ、大人には殿たちが見えないんすな。そういう設定だったんだ……。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。しかし『囚人リク』が先週最終回を迎え、なんか寂しいす……「リク」ロス……。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週はがっぷり四つからの押し合いの中で、鯉太郎と【王虎】さん二人の心のうちが描写され、鯉太郎はもうあとかたもなく自分を使い果たそうとし、そして【王虎】さんはそんな鯉太郎の思いも全てを身に受け吸収し、思い残すことなく逝くがいい、的に一気に土俵際まで鯉太郎を押しにかかる―――!! というところまでが描かれました。
 というわけで、今週は押される鯉太郎の図から開幕です。見守るみんなも歯を食いしばって鯉太郎を応援します。バーキは「チッ…どうした…」と汗を滴らせ、寺井くんも「押せ…」とつぶやき、なんとあのクソ野郎【宝玉光】すら「押せよ…」とこぶしを握ります。そして、石川大器くんの「押し返せ 鮫島!!」の絶叫! 鯉太郎も、「あ゛あ゛あ゛あ゛」の雄たけび一発、押し返します!
 しかし! ページをめくった先は、そんな鯉太郎の押しをあっさり返す【王虎】さんの図です! いともたやすげな【王虎】さんの押し返しに、バーキや寺井くん、【宝玉光】も大器くんも顔面蒼白だ! コイツはヤバい! 【王虎】さん強ええ!!! 
 そしてさらにページをめくると、そこには【王虎】さんの超晴れやかな、邪心のないイイ顔のアップです! 必死さ皆無。そこにあるのは喜びか!? これには鯉太郎も「吸…吸われる…」と鯉太郎の顔や目から、なにやら生気めいた何かが流れ出している模様です。天城元親方(着ぐるみ)も「鮫島の限界を全てのみこみ 更なる高みへと歩を進めるか 王虎…!」と腕組み解説、そして父である虎城理事長も「見事…」と涙を浮かべて息子を称賛しております。
 あーーーっと! ページをめくった先では、鯉太郎が力尽きたのか!? フッ…とガクリとした様子です! あかん! 【白水】&常松コンビも口あんぐり&顔面蒼白、大器くんも椿ちゃんも、うそだろ!?的ショックを受けているようです! 力なく押される鯉太郎、その表情にはもう生気が宿っておりません!
「もう…いいかな…」
 ヤッバイ! 心が折れたか!? どうした鯉太郎!! そして鯉太郎の脳裏には、椿ちゃんとの会話が蘇ります。椿ちゃんは「そこまですることじゃないでしょう…」とかつて言いました。そして鯉太郎は、父である火竜の「死にながら生きる」地獄を見ているので、それが怖くてたまらねえんだ、と答えました。あのやり取りです。しかし、ここで、謎の「楽しそう」な音が鯉太郎の脳に聞こえてきます。その「楽しそうな」音は、まるで父・火竜が全盛期の頃の、少年の頃の楽しい思い出を揺り動かします。
「そうだ……土俵のオヤジはいつだって こんなふうにスゲー楽しそうで…そうか…これは心臓の音…俺の…? いや…王虎(コイツ)の…」
 そうです。この「楽しげな」音の正体は、どうやら密着して感じている【王虎】さんの心臓が奏でるハートビートであります! 震えるぞハート!!! 絵としても、【王虎】さんは嬉しくて微笑んでいるようにさえ見えます!!
「嬉しそうな音だな…踊ってんじゃねーか…そうか…うん…そうだな…そうなんだ…どっちが強いとか弱いとか…勝ちとか負けとか…そんな理由すら…本当はいらなくて…」
 そして押されていた鯉太郎の左足が俵でピタッと止まります。虎城理事長、山崎さん&橋くん、そして仁王兄貴こと現・空流親方、それぞれがその様子に「……!?」と驚愕の表情です!
「俺は相撲が…ただ 楽しくて…ただただ…楽しくて…相撲(ソレ)だけが最高で…」
 【王虎】さんも鯉太郎の様子の変化に気づいたか? コイツ……的な表情です。
「だから…返せ…返せ…持って行った俺の力…テメーだけズリーぞ王虎…それも全部 よこせ!!」ちなみにここでの「それも全部」の「それも」は傍点が振られており強調されています。それ=その楽しげな音、のことでしょう。そして今週ラストページは、再び闘志の蘇ったもの凄い表情の鯉太郎の顔アップで終了でありました。
「土俵(ここ)で一番楽しむのは 俺だ!!」
 この表情はもう、言葉では表現不可能ですので、ぜひ、チャンピオンを買ってご確認ください。実際ヤバイす。どっちかっつうと、マジヤバいすね。強いて言うと、超ヤバイす。はーーー……なんてこった……これは本当に最終回が近いのではないかと、わたしは不安でなりません……これ以上の取組が描けるのでしょうか……確実に終わりの時が近づいているのは間違いないとして、それが予想よりはるかに近いのではないか……そんな不安が高まる今週の『鮫島』でありました。はーーー……どうしたらいんだよ……いや、どうもできないけど……つらいす……。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は押される鯉太郎が、一瞬心が折れかかるも、密着する【王虎】さんの心臓が奏でる「楽しそう」なビートに、再び闘志を取り戻すところまでが描かれました。漫画的に考えると、鯉太郎大復活&勝利!な未来が想像できますが、どうでしょう、そうあっさりいくものかどうか……佐藤先生がどのようにこの勝負を描き切るか、超楽しみですなあ! そしてその先は一体どうなるのか、もう不安とワクワクで、今日一日頭から離れそうにないす。今日の東京は朝から雨というかみぞれめいた、スッキリしない空模様ですが、これが今日快晴だったら、わたしはたぶん仕事をさぼってどこか陽の当たる場所で小1時間ぼんやり思いにふけっていたかもしれないす。はあ……しかし本当に、『鮫島』は最高ですね! 以上。

↓ 春になったら、おれ、どこか気持ちのいい場所へ行って、ぼんやり『鮫島』への思いを巡らすんだ……と軽く死亡フラグを立てておきます。

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は『グレイテスト・ショーマン』を観てきました。わたしはミュージカルが大好きなわけで、このBlogタイトルにもその意を込めているわけですが、まあ、歌とダンスは超最高でした。そしてミシェル・ウィリアムズさんが超歌って踊れることにかなり驚いたっす。歌えるお方だったんすねえ。知らなかったわ……ホント、とにかく歌とダンスは素晴らしかったのですが、ただなあ……いや、何でもないす。つまらん難癖はここでは言わないでおこう。しかしヒュー・ジャックマン氏の生のパフォーマンスを観てみたいものですなあ! またブロードウェーの舞台に立ってくれないかなあ。そしたら絶対観に行くのに!
 てなわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『グレイテスト・ショーマン』が公開土日3.91億稼いで1位! 立派な数字じゃないですか。そんなに入ったんだなあ。わたしが観に行ったときは、年齢層高め&4割程度の入りで心配したのですが、良かったす。金曜公開だから、3日間だと5.08億だそうです。上々すね。ちなみに去年の『ラ・ラ・ランド』は5.68億スタート。この分だと、結構行きそうすね。
 2位:『今夜、ロマンス劇場で』が9日間で4億超えたぐらいと見積もる。この週末だけで1.07億だそうです。
 3位:『祈りの幕が下りる時』が23日間で12.5億だそうです。
 4位:『不能犯』が18日間で6億程度と見積もる。
 5位:『羊の木』が16日間でこちらも6億程度と見積もる。
 6位:『マンハント』が10日間で3億程度と見積もる。厳しいすね……。
 7位:『ジオストーム』が30日間で11.5億ほどだそうです。
 8位:『パディントン2』が23日間で6億程度と見積もる。
 9位:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が前夜祭含めて67日間で74億突破だそうです。
  10位:『嘘を愛する女』が23日間で8.2億だそうです。10億行かないか?

 とまあ、こんな週末だったそうです。
 わたしとしては、大好きなMARVEL CINEMATIC UNIVERS最新作『BLACK PANTHER』がもうUS本国や韓国や台湾では公開されているのに、日本では2週間後……というのが残念で、またカッとなって台湾行の航空券をポチリそうになったのですが、落ち着け、2週間じゃないか、と何とか右手人差し指を抑えることに成功しました。ふーー、危なかったぜ……。つうか、非常に楽しみであります。とりあえずUS国内では大ヒット中なので、あと10日ほどグッと堪えて日本公開を待ちたいと存じます。しかし公開日が3月1日の木曜日ってのは、意味があるのでしょうか? ファーストデーでお安く観られますよってこと? うーん、もうとっくにムビチケ買ってるからむしろその配慮はいらねーんだけどなあ……無駄になっちゃうじゃんか……なので、1日の初日に、会社帰りに『BLACK PANTHER』を観に行こうと思ってたけど、やめて、1日は『シェイプ・オブ・ウォーター』を観て帰ろうかと思案しております。こちらも楽しみであります!

 というわけで、今週の結論。
 この週末は『グレイテスト・ショーマン』が1位獲得。良かったすねえ! そしてかなりの回数、予告を観た『マンハント』はどうも苦戦しているような……この週末、BS日テレだったかどこかで、オリジナル版の『君よ憤怒の河を渡れ』が放送されてましたな。高倉健氏が超渋カッコ良かったす。関係ないけど、以上。

 わたしが今、日本の小説で一番新刊を待ち望んでいる作品、それが高田郁先生による『あきない世傳』というシリーズである。そして、この度最新の(5)巻が発売になったので、やったー! とさっそく買い求め、一気に読み終わってしまった。というわけで、さっそくネタバレ満載で感想をつづってみたい。本当にネタバレまで書いてしまうと思うので、気になる方は読まない方がいいと思います。なお、以上は(4)巻の時の記事を丸々コピペしました。手抜きサーセン。というわけで、今回は(5)巻です。

 この『あきない世傳』という物語は、もうこれまでも散々書いた通り、現代ビジネスの視点から見ると大変興味深く、普通のサラリーマンが読んでもとても面白い作品だと思う。もう(5)巻なので、これまでのお話のあらすじは記さないが、前巻のラストでは、主人公の幸ちゃんが所属する大阪天満の呉服屋さん「五鈴屋」がずっとお世話になっていた老舗の桔梗屋さんが、とんでもないクソ野郎に買収されかかるという事態に陥り、ちょっと待ったー! そのM&A、わたしもビットに参加させてもらう! と幸ちゃんが名乗りを上げるところまでが描かれた。ビジネス的に言うと、いわゆる「ホワイトナイト」ってやつですな。詳しい話は、前巻(4)を読んだ時の記事をご覧ください。こちらです→http://ebat42195.blog.jp/archives/72127438.html
 で。今回の(5)巻はその続きであるので、当然ながらM&Aのその後が描かれる。が、これがまたきわめてスムーズかつ順調で、五鈴屋はとうとうこれまでのお店を本店、そして桔梗屋さんを2号店として事業拡大に成功するのだが、ここでのポイントは、桔梗屋さんの思いだ。
 まず、桔梗屋さんは前巻で「卒中風」、現代で言うところの脳卒中を発症してしまい、半身にまひが残る状態となってしまったわけだが、それはともかくとして、M&Aというものは、現代では非常に難しいというのが常識だろう。わたしも長年の経営企画としての経験から言うと、はっきり言って、当初目論んだ、いわゆる「シナジー効果」なんてものは、なかなか現れず、うまくいかない場合が多い。それは、結局のところ企業とは人であり、要するにM&Aは、買収する側とされる側の「ハートの問題」になってしまいがちだからだ。これは理屈ではないので、いったんこじれると実に厄介なことになる。通常、M&Aでは、まずは買収(=株式取得)があって、しばらくはそのまま、屋号も変わらず、単に子会社として並列するものだと思うし、本作でも、あくまで幸ちゃん=五鈴屋=買収した側は、桔梗屋さんはこれまで通り桔梗屋さんとして、あきないに励んでもらいたい、だたまあ同業なので、仕入れ先などの統合や効率化は進めていきましょうという常識的なオファーを出す。そのことで、桔梗屋さんの現場の従業員たちも、良かった、何も変わらないんだ、桔梗屋は桔梗屋でいいんだ、という安心感をもてるわけだ。しかし! 桔梗屋さん本人の想いが、わたしには非常にグッと来た! なんと、桔梗屋さんは、もう買収されたのだから、桔梗屋の名を捨てて、五鈴屋の新たな部門として一体化したい、という逆オファーを幸ちゃんに進言するのである。
 このことがどういう意味を持つか、現代的に言うと、要するに買収だけではなく、吸収合併を望むということである。つまり、桔梗屋という屋号を捨てる、ということだ。この決断は、現代ではなかなかできないことであろうと思う。これは、オーナーたる桔梗屋さん本人ではなく、雇われている従業員の心情からして、現代では非常に難しいのだ。というのも、現代的に言うと、従業員サイドから見ると、吸収合併にはメリットとデメリット、両方あるためだ。
 まず、デメリットから言うと、これは完全に、まさしくハートの問題、モチベーションの問題で、普通の場合、やっぱり誰しもが自分の会社に愛着や誇りがあるわけで、なかなかその社名を捨てることはできない。どうしても反発や、なんというか……従属意識が芽生えてしまう。おれたちは買われたんだ、おれたちの会社はなくなっちまうんだ、的な。これは、おそらく実際にそのような事態にならないと、実感できないかもしれないが、わたしはもう、そういう光景を何度も何度も観てきたので、この桔梗屋さんの決断には深く敬意を抱いた。現場の反発は全部自分が説得する、という態度である。これは非常に立派ですよ。一方で、現代においては従業員にも実はメリットがあって、単なる買収で子会社としてそのままだと、まさしく何も変わらない、のだが、これが吸収合併となると、すべての制度が買収した側に合わせることになるので、例えば、上場企業の羽振りのいい会社に吸収合併されれば、当然自分もその上場企業の一員となるので、人事制度が変わって給料が上がる可能性が出てくるし、ある程度の「上場会社の社員」として社会的ステータスが向上する可能性もある。なので、小賢しい奴は、口では吸収合併に反発しても、実は内心喜ぶ、なんてことも実に頻繁にある。まあ、本作における桔梗屋さんの従業員のみんなは、そんなことに喜ぶ人々ではなく、桔梗屋という屋号が消滅することを悲しむ人ばかりだが、そこを、桔梗屋さん本人がきっちり言い聞かせるのだ。そこにわたしはグッと来たのである。
 というわけで、今回の(5)巻は、この企業統合の話がメインになるのかな、と思ったのだが、まったくそんなことはなく、この辺りのお話は実にスムーズに進み、本題ではなかった。今回の(5)巻で一番のメインとなるビジネスプランは、もっと根本的なもので、かつ、実に現代的なものであったのである。それは、現代で言う新商品開発と、ブランド戦略である。
 そもそも、五鈴屋さんは呉服屋さんであり、それすなわち、現代で言えばアパレル業だ。もっと細かく言うと、小売店であり(一部卸もやってるんだっけ?)、一般消費者と一番違いところに位置している。そのアパレル業として、呉服を売っているわけだが、幸ちゃんは今回、「帯」に注目をする。1枚の呉服でも、「帯」を変えることで何通りもの着こなしが可能、なわけだが、周りの呉服屋さんは「帯」をそれほど推していないし、メイン商材としても扱っていない。これは、「帯」の販売に拡大の余地があるんじゃね?と気が付くのである。この辺りの幸ちゃんの思考は実に現代的で、「帯」も、太さがこの頃変わってきているし、結び方もいろいろある。これをお客さんに提案していこうじゃないの、というわけで、ある種のトータルコーディネートの提案であり、ファッションの流行を自ら作ろうという思考だ。そうすれば、お客さんも買ってうれしいし、五鈴屋も売上UPで嬉しいし、ということになるわけで、本作でよく出てくる「買うての幸い、売っての幸せ」という言葉は、高田先生の『みをつくし』で言うところの「三方よし」という思想に近いものだ。
 で、このアイディアはもちろん大成功し、やったぜ! になるものの……ここでまた、桔梗屋さんを買収しようとしていたクソ野郎、真澄屋がパクリ戦略で、同じように帯に力を入れ始め、何と五鈴屋の方がパクリじゃんか、と世間に言われてしい、五鈴屋及び旧桔梗屋の従業員一同が、ぐぬぬ!と悔しい思いをしてしまう展開となる。まあ、これも現代では良くあることですな。画期的なアイディアはすぐにパクられるのはもうどうしようもない。
 しかし、このピンチに幸ちゃんがひらめいたのが、「ブランド戦略」である。そもそも、前巻だったかでも登場していた通り、五鈴屋は、「鈴」の絵柄を自社のコーポレートアイデンティティとして、販促に使っていたのだが、とうとうその「鈴」の絵柄を商品にも使って、五鈴屋のブラント品として販売していくことをひらめくのだ。その販売にあたっても周到な準備を行い、以前、浄瑠璃で成功したように、今度は歌舞伎の舞台で、プロダクトプレイスメントを成功させ、ロゴが入っているので、今度は真似されることがなく、大ヒットとなるのである。そもそも、「ブランド」とは、牛の焼き印のことで、この焼き印の入った肉はうまいぜ、という目印なわけで、その目印があれば安心だぜと消費者に伝えるモノであるわけで、五鈴屋の「鈴」も、おお、あのおしゃれな帯は……鈴の柄が可愛らしいじゃないか! そうか、あの鈴は、五鈴屋さんの帯だよ! と目印になるわけです。大変お見事でした!
 とまあ、そんなわけで、本作は本当に現代ビジネスマンが読んでもとても面白い作品だと思う。わたしも大変楽しませていただきました。
 ただ、今回は、幸ちゃん自身に大変な不幸が立て続けに起こる。これはもうここには書きません。大変気の毒で痛ましいが、幸ちゃんはそれにも負けずに頑張り、「いつか江戸支店を出店する!」という野望に向け、本作ラストではその布石を打つところで、さらに最大の不幸?かも知れない不吉な報せが入るところで終わる。この終わり方はもう、続きが超気になりますな!
 あと、これは幸ちゃんに降りかかる不幸の副産物?として、どうしてもメモしておきたいのだが、その結果として、妹の結ちゃんが、五鈴屋さんに住まうことになる。彼女はまだあきないを分かっていない娘なわけだが、彼女の存在も、徐々に五鈴屋になじんで、何気にコーディネート見本のモデルとしても活躍したり、素朴な疑問で幸ちゃんにひらめきを与えたりと、存在感が増してきそうな気配ですな。結ちゃんもイイ男を見つけて、幸せになってほしいですよ、ホントに。おっさん読者としては、完全に見守る親戚の叔父さん風な想いを抱きましたとさ。

 というわけで、結論。
 わたしが新刊を待ち望む作品の一つである高田郁先生の『あきない世傳 金と銀』の最新(5)巻が発売になったので、さっそく買い求め、読んだところ、今回も実に興味深く、楽しませてもらったのでありました。現代ビジネスを戦うリーマンの皆さんにもぜひ読んでいただきたいですな。なんつうか、ビジネスの様相は250年前も今も、根本は変わらないと思いますね。でも、現代では買って良し・売れて良しの気持ちのいい関係は薄れてるんすかねえ。まあ、顧客第一はビジネスの基本であろうと思う。幸ちゃんが江戸に店を出して、「あきないの戦国武将として天下を取る」日を楽しみに、今後も読み続けたいと存じます。そして結ちゃんの天然ぶりは、今後も幸ちゃんの助けになってほしいですな。きっとまた、とんでもないピンチが起きるとは思うけれど、次の(6)巻が大変楽しみです。以上。

↓ M&Aのポイントは、そのスキームやテクニカルな面ではなく、「その後」の事業展開にあるのは間違いないと思う。なので、こういう本を読んで役立つのか、さっぱりわかりません。

 わたしはミュージカルが大好きで、このBlogのタイトルにもその意を込めているわけだが、ここ数年、映画においてもミュージカル作品がちらほらヒットするようになってきたような気がする。
 その先鞭をつけたのは2012年の『Les Misérables』だと主張すると、それは違うぜ、もっとずっと前からあったよ、と当たり前の反応をされるとは思う。わたしも例えば『The Sound of Music』とか大好きだし。が、やっぱりあの『Les Misérables』のクオリティはすさまじく、キャスト陣のパフォーマンスのクオリティが素晴らしいのは言わずもがなとして、映画として、その撮影・演出がすごい、とわたしは思っている。普通、映画の場合は、撮影と歌は別で、別撮りした歌をかぶせるのが当たり前のような気がするが、あの作品は、本当に歌っている芝居そのものを撮影していたのである。これにはわたしはいたく感動し、それ故にすさまじいクオリティと賞しているわけだが、その主人公、ジャン・バルジャンを演じたHugh Jackman氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったとわたしは今でも思っている。
 そもそも、Hugh氏は、映画オタクのわたしにとっては、X-MENのWolverineでお馴染みなわけだが、実はBroadwayでも活躍している歌えるオージーであることは十分に承知していたものの、『Les Misérables』でのパフォーマンスはわたしの想像を超えていて、おまけに2014年かな、TONY賞の司会を務めた時(しかも4回目だったらしい)のパフォーマンスがこれまたウルトラ素晴らしく、なんてこった、Wolverineのくせにすげえ! とわたしの中ではHugh氏は最強に歌えるハリウッドスターとして認識されるに至ったのである。とにかくカッコいい。おまけに超イイ人キャラだし。イイ人なのは関係ないか。
 というわけで、以上はいつも通りの前振りである。
 今日、わたしはHugh氏最新作のミュージカル映画『THE GREATEST SHOWMAN』を観てきたのだが、これがまた歌が超最高だし、ダンスも超キレがあって素晴らしいし、大絶賛したい、けれど、若干アレだなあ、という点もあって、絶賛するかどうしようか迷っているのである。うーーーん……うーーーん……やっぱり、手放しでは絶賛できないかなあ……これはキャスト陣の問題ではなく、キャスト陣に対しては絶賛したいのだが……やっぱり撮影と、あれかな、編集のキレが悪いのかな……。だって、完全に口パク?で、歌が流れているのにキャストが歌ってないシーンがすげえ多いんすよ……これは完全に歌だけ後乗せだと思うな……そのため、なんというか、超長いPVを見たような印象なのである。その点がすげえ残念なんすよね……。でも、くれぐれも言っておきますが、歌とダンスは超最高です! これは劇場で観るべき映画だと思う。以下、物語の結末まで書いてしまうと思うので、ネタバレが気になる人は今すぐ退場してください。思いっきりネタバレると思います。

 というわけで、上記予告で聴ける歌もイイすねえ!
 ただし、物語は上記予告から想像されるものとは全く違うのではなかろうか。少なくとも、わたしが想像していた物語とはかなり違っていて、わたしは結構驚いた。
 主人公P.T.バーナム氏は実在の人物で、「サーカス」という興行を発明した男だそうだが、どうもWikiの内容を読む限り、今回の映画はかなり史実とは違うようだ。まあ、それは全然かまわないのだが、本作の物語をまとめると、こんなお話であった。
 時はどうやら19世紀の後半、バーナムは仕立て屋さんの息子として、上流階級のお屋敷に出入りしていて、とある金持ちの娘さんと恋仲になり、その父親には「どうせ娘はすぐに帰ってくる。貧乏暮らしに耐えられなくなって、な」なんて言われながらも結婚にこぎつけ、貧しいながらも二人の愛らしい娘に恵まれ、日々を送っていた。が、勤め先の商船会社が倒産し、無職となったところで、ふとひらめいたアイディアをもとに、「ユニーク(=唯一無二)」な身体的特徴を持つ人々を集め、ショーを開催する常設劇場をオープン、それが大ヒットとなって財を成すことに成功する。しかしそのショーも、所詮は見世物小屋という評価しか得られず、上流階級の人々からは蔑みの目で見られ、単なる成金野郎としかみなされていなかった。そんな中、上流階級向けの舞台作家として活躍していた青年と意気投合し、その青年のコネでイギリス女王(=ヴィクトリア女王)と謁見したり、何とか上流階級を見返してやろうとしていたところ、ヨーロッパで大人気の「本物の」オペラ歌手と出会い、アメリカに招いて全米ツアーを企画、それがまた大成功する。バーナムはその歌姫の本物の実力に心酔し、自分の劇場のショーをほったらかして、歌姫ツアーにのめりこんでいくのだが、そのことで妻や娘を蔑ろにしてしまい、あまつさえ、「家族」であった「ユニーク」な連中との間にも溝ができてしまい……てな展開となる。まあ、最終的には歌姫にも去られ、劇場を燃やされ、と無一文になってしまうけれど、残った仲間たちと、そうだよ、劇場なんていらねえ、テントで十分だぜ! と現在の「サーカス」の元となる興行を「地上最大のショー=The Greatest Show」として成功させるのだった―――てなお話である。
 まあ、要するに、途中まで、家族を蔑ろにする姿には、おいおいWolvarine、お前何やってんだよ、奥さん泣かせやがって、とか若干主人公への共感は薄れてしまうのだが、最終的にはめでたしめでたしに収まる、実に美しいお話である。ま、ちょっと美しすぎるけれど。なので、物語としては、ありがちというか、作り話めいているというか、冷静に考えるとそれほどグッとくるものはないのだが、前述の通り、とにかく歌とダンスは超最高である。というわけで、各キャラ紹介をしながら思ったことを綴っておこう。
 ◆P.T.バーナム:観ていてわたしが思ったのは、この主人公の、逆境を跳ね返すための挑戦を繰り返す、その不屈の気合、はそりゃもちろん凄いとは思うし、挑戦にはリスクが付き物だ的な発言も、そりゃそうだ、とは思う。けれど、あまりにその手法は詐欺師めいているし、計画も結構ずさんに見えるわけで、こんな危なっかしい男に惚れちゃった奥さんの心労は絶えなかっただろうな、とそっちの心配がずっと頭から離れなかったすね。しかしまあ、演じたHugh氏のパフォーマンスは本当に素晴らしかったですなあ! もう本作は冒頭からその歌とダンスを堪能でき、のっけから超ノリノリでありました。お見事です!
 ◆バーナムの妻:もう本当によく耐えましたねえ! そして演じたMichelle Williamsさんが超イイ!! この人、こんなに歌えて踊れたんだ!? と驚愕のパフォーマンスであった。あれは……ダブルなのか? 本当にMichelleさんなのか? かなり冒頭の、貧乏時代にアパートの屋上でHugh氏と歌って踊るシーンは超グルグル回ってすげえスピンでもう大興奮でした。演技も実にしっとりとした上質な芝居で、大変良かったと思います。ああ、Broadwayで『キャバレー』に出演したこともあるんすね。本物ですな、この実力は。
 ◆バーナムの二人の娘:まあとにかく可愛らしいチビたちでしたなあ! 最初の劇場こけら落としの時の、客席で踊るチビたちが超可愛い! どうかすくすくと育っておくれと祈らずにはいられないすね。最高です。
 ◆フィリップ:バーナムのパートナーとなる上流階級出身の男。演じたのは『High School Musical』でおなじみのZac Efron君30歳。おう、もう30歳になったんだな。歌はもちろん、ダンスもキレがありますねえ、やっぱり。キャラクターとしては、若干なぜ空中ブランコの彼女に惚れてしまったのか良くわからないけど、まあ、恋に理由はいらねえってことで、ひとめぼれだったってことなのかな。わたしは今まで彼の演技を見る機会はほとんどなかったけれど、なかなかいいですな、やっぱり。なかなかのイケメンでありました。
 ◆アン:「ユニーク」な劇団員の一人で空中ブランコの名手。演じたのはUS国内で大人気のZendaya嬢21歳。わたしは彼女のことは実はほとんどよく知らず、去年の『SPIDER-MAN:Home Coming』で初めてその顔と名前が一致するようになったのだが、やっぱり、歌もイイし、ダンスも超キレてますねえ! スレンダーで長身(180.3cmだって! Zac氏より全然背が高い!)な体の美しさも極めて上等でした。
 ◆ジェニー:バーナムがヨーロッパから招いた歌姫。演じたのはRebecca Fergasonさんで、な、なんて歌のうまい人なんだ!!! とわたしは超大興奮し、今まで何作かこの方の出演している作品を見ているけど、まさかこんなに歌がうまいとは!驚愕の歌ウマだぜ、と思ったのだが……残念ながら歌は別の方の声を当てているらしいです。なーんだ。超がっかり……。で、その歌を担当されたのがLoren Allredさんというお方だそうで、とにかく歌う『NEVER ENOUGH』という歌が素晴らしかった。

 Rebeccaさんが初めてUS国内で歌うシーンは超鳥肌モンでしたな。まさか本人が歌ってないとは……残念す。
 とまあ、キャスト陣に関しては以上でやめておくけれど、とにかく素晴らしいパフォーマンスであったのは間違いないのだが、冒頭に書いたように、映画としては若干アレなところがあって、ホント、PVを見ているような気がずっとしていたのは間違いない。それはやっぱり、役者をきちんと追わず、結構群舞だったりとキャラクターが画面に多いシーンが多く、せっかくのソロやデュエットでもきちんと役者の表情を追わず、引き目の画が多かったような気がする。カットも多いし。そういう意味では、去年の『LA LA LAND』のような一発撮影でもなくて、若干物足りなさを感じてしまった。まあ、今回の作品に流れる歌の数々は『LA LA LAND』のチームによるものらしいが、映画の出来としてはやっぱり、断然『LA LA LAND』の方が上だとわたしは感じた。本作を監督したのはMichael Gracy氏という方だそうだが、ほぼキャリアなしの新人監督みたいですな。何歳なんだろう……見た目は若い兄ちゃんですね。まあ、今後の活躍を期待したいと存じます。

 というわけで、結論。
 ミュージカルが好きなわたしとしては、Hugh Jackman氏主演ということで大変期待した『THE GREATEST SHOWMAN』という映画を観てきたのだが、確かに、歌とダンスのパフォーマンスは極めてレベルが高く、キャスト陣全員を激賞したい、のだが、どうも映画として、若干の問題点があって、ライブ感が薄く、長いPVを見ているような気分になる作品であった。その問題点は、ズバリ言うと撮影と編集にあるような気がしてならず、要するに演出の問題だろうと思う。あと、せっかくキーとなる重要な歌を、役者ではなく別人の歌をかぶせるというのも、正直とても残念だ。最初から歌える役者で撮ってほしかったす。それにしても、Michelle Williamsさんの歌とダンスは、本当に本人なのだろうか……?? 本人であってほしいと強く思います。何しろ、とにかく素晴らしかったので。以上。

↓ わたしはもちろん舞台版(日本語版)も観たことがありますが、この映画のクオリティはやっぱりすさまじいす。最高です。やっぱり、わたしとしてはエポニーヌの歌う「On My Own」が泣けますなあ……映画版でエポニーヌを演じたSamantha Barks嬢は、ほぼ唯一の舞台版本物キャストじゃなかろうか?

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 今週もとりわけここに記すネタがないのでさっさと始めます。
 まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年第12号概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は紙雑誌版もナシのようです。巻頭カラーは『弱虫ペダル』連載10周年記念企画でした。新城選手や別府選手からのコメントや、チャンピオン連載作家陣からのお祝い色紙です。板垣巴留先生の描く御堂筋くんが最高です。猫!?
 ■弱虫ペダル:総北のキセキの巻。手嶋さんのラストがもう泣けますよ!
 ■刃牙道:生殺与奪の巻。おっと、つまり刃牙勝利、ということでしょうか!?
 ■囚人リク:将来の巻。とうとう今週は最終回です。幸せな未来。良かったすねえ……瀬口先生、7年お疲れさまでした。次回作を楽しみに待ってます!
 ■BEASTERS:文明のゆりかごの巻。久しぶりに本筋以外の動物の日常篇。大変良いと存じます。まためんどりのレゴムにも会いたいす。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:今週もしつっこいギャグ合戦は笑えました。最高です。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿と壁の前の少年の巻。新キャラは、実は……とか裏のあるキャラかと思いきや、大変いい奴でした。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週はまわしの取り合いからの、左下手VS小手、の投げの打ち合い、からの、がっぷり四つ、そしてグイグイとお互い引き付けあう様子が描かれ、土俵上の熱は高まる一方でありましたが、なんだかもう、最終回的な盛り上がりに、わたしとしては非常に不安な想いがよぎる戦いの模様でありました。
 今週はそのがっぷり四つの体勢に興奮するNHKアナの絶叫から開幕です。
 「鮫島と王虎 申し合わせたかのようにガップリ組み合った――!! 互いに強烈に引き付け合う!!」もちろん、鯉太郎も【王虎】さんも、歯を食いしばり、その表情は気迫に満ちております。この状況に、土俵を見守るみんなの表情も様々です。【大山道】兄貴は「うはっ ここで力勝負かよ…」と興奮気味。クソ野郎【宝玉光】は「……二人ともバカじゃねーのか…」とあきれ顔、寺井君は「スゲェ…」と圧倒され、石川大器くんは無言でぐぬぬ……と自らも戦っているような表情です。そして天城元親方(着ぐるみ)は腕を組んでこうコメントします。
「純粋に正面から 勝つことに意味がある…か… 単純にして難儀だな…ライバルというものは…」
 そして場内はもう、ドワーーと沸いております。「よっしゃーー押せーーー!!」「力入れろ押せーー!!」「根性見せろ!!」そんな観客の応援が場内を観たいしておりますが……椿ちゃんはとてもつらそうな表情です。
「やめて……そんな楽しい顔で…そんな気楽に…無責任に応援しないで…」
 まあ、椿ちゃんとしてはそう思ってしまうのも無理はないですなあ……しかし一方で、観客が無邪気に応援するのも、これまた当然でしょう。辛いすねえ……椿ちゃん的には。
 そして土俵上では、鯉太郎が「おおお」と雄たけび一発、押しにかかります! 【白水】兄貴&常松も「おおっし!」「もっていった!!」とやおら興奮! しかし橋くんは冷静に指摘します。「いや…やはり力勝負なら…体で勝る王虎が上」【王虎】さんも「おるああああ」と鯉太郎の押しを押し返す! 鯉太郎の全身からは破滅の音めいた筋肉や骨が軋る音が響いております! そしてそのまま【王虎】さんは鯉太郎にのしかかった! これはキツイぞ! ヤバイ! 橋くんも「こ、壊れるぞ…」とゾクッとします。しかし、先輩山崎さんは興奮しながらも橋くんに話します。
「引かねぇよ…何があっても…俺は昔一度コレを見てる…そっくりだぜ…二人とも父親と…」
 そうです。これはあの場に唯一立ち会った山崎さんしか知らない、『Burst』の(11)巻で描かれた、二人の父親、火竜と虎城のぶつかり合いそのままなわけです。
 なので、土俵上の鯉太郎と【王虎】さんのぶつかり合いを観て、虎城理事長が何も感じないわけがないのです。NHKアナに「互いに渾身の力を出す大相撲! これをどう見ますか虎城さん」と振られても、虎城理事長は何も返せません。理事長の頬を伝う涙……やっと出た一言、それは「頑張れ…頑張れ…」という、かつての自分そっくりな息子への、そしてかつて唯一の友だった男の息子への、心からの応援でありました。その想いが涙となって溢れたわけです! もう最終回並みの盛り上がりなんですが大丈夫なのでしょうか!?
 そして土俵を見つめる観客たちも、その気迫と熱に、圧倒されています。
「土俵が…割れる…」
 そして戦う二人は、それぞれに思いを乗せています。鯉太郎は考えています。
「ここだ… 今… ここだ…!! 全部使え… あとかたもなく 俺を使え!!!」雄たけびを上げて押しまくる鯉太郎! そして【王虎】さんの脳裏にも思いがよぎります。
「寒気がする そう…お前と初めて戦った時から… ここまでやる奴がいるのかと… その足りねー体 足りねー能力を…お前は補うように 魂を燃焼させる… その常軌を逸した相撲は 土俵で消えちまってもいい覚悟から来てるんだろ… 心配するな…テメーの覚悟を…存在をまるごと 俺がもっていってやるよ… 残るさ…お前の生き様は俺の中でずっと…だからもう 安心して ここで終われ!!」
 【王虎】さん、渾身の力を発揮して一気に土俵際まで持って行く―――!?
 はーーー。興奮するわ……そして今週ラストは、椿ちゃんの辛そうな一言で終了です。
「もう… いいよ… 鯉太郎を… 連れていかないで…」
 これはもう、大変な戦いになってきましたねえ……どうなるのでしょうか……単行本収録を考えると、普通に行けば次の(17)巻が第143話~151話の9回分、そしてその次の(18)巻が第152話~160話までが収録されるはずですので、えーと、今週が第156話だから、あと4回分、(18)巻収録になるはずです。てことはあと4週、【王虎】さんとの戦いが続くのか、逆に言うと4週後に決着となるのか。分からんですが、とにかくこの戦いの後に、【猛虎】さんとの闘いや、横綱【泡影】との戦いが本当に描かれるのかどうか、かなり怪しい雲行きになってきたように感じられます。どうなのでしょうか……なんだかいろいろ心配でなりませんが、最後まで、毎週楽しみにしたいと存じます。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週はがっぷり四つからの押し合いの攻防が描かれたのみですが、その様相はまさしくかつて火竜と虎城が稽古場でぶつかり合った様そのものであり、虎城理事長は思わず涙するシーンには大変グッときました。そしてお互いに、鯉太郎はもう「あとかたもなく」自分を使い果たそうとし、一方【王虎】さんは鯉太郎の生き様を胸に刻み、安心して逝け、みたいな想いが交錯しました。そして椿ちゃんの悲痛な「鯉太郎を連れて行かないで」という想い。これはもう、なんつうか……こうとしか言えないすね。
『鮫島』は最高です! 以上。

↓ 瀬口先生、お疲れさまでした……。その絵力、毎週楽しみでした……。


 先日、わたしが愛用している電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERにて、還元率の高いフェアが開催されていて、なんか面白そうな作品はねえかしら、とあてもなく渉猟している時に、ふと、とあるコミック作品が目に留まり、ちょっと気になった。ので、さっそく試し読みをチェックし、さらに版元の講談社のサイトで3話ぐらいまで読めたので、読んでみたところ、コイツはちょっと先が気になるというか、大変面白そうだ、という判定が下り、すぐさままずは(1)巻を買った。そしてさらにまだ先が気になるんじゃい!というわけで、現状出ている最新巻の(2)巻までを買ってみた。
 その作品は、講談社のイブニングに連載中?らしい、『五佰年BOX』という作品である。ちなみに読み方は、「いほとせボックス」だ。


 まあ、物語は講談社の公式サイトで試し読みを読んでもらった方が早かろうと思うので、URLをメモしておく。こちらです→http://evening.moae.jp/lineup/766
 というわけで、わたしは(1)(2)巻を一気読みしてみたのだが、まだ作品としては序盤であって、いろいろな謎が謎のままであり、わたしとしては大変先が気になる作品だ。
 物語は、主人公の叶多(かなた)という大学生が、隣の家の蔵の地面の下に埋められていた、謎の「箱」を掘り出すことから始まる。そしてその「箱」がもたらす謎現象に翻弄?されてゆく模様を描いた、バタフライエフェクトめいたタイムパラドックスSFなのだが、その謎の「箱」の設定が、いままで観たことがないという意味で極めてユニークなもので、わたしとしては大変興味深く読ませてもらったのである。
 どうやらその「箱」は、まるで水中を見る箱眼鏡のように、500年ほど前の、その場所が、ミニチュアのジオラマめいた光景として、空中から俯瞰してみることができるらしい。しかも、こちらから手を出したりもできるようで、一人の少女が斬られようとするのを、思わず助けてしまったりもできるようだ。ただし、ポイントは二つあって、まず、第1に、箱の中を観ている叶多くんの姿や、思わず手を出してしまった時の叶多くんの手、などは、箱の中の世界の人々からは見えない、らしい。ただし、実験の結果、水や木のような自然物は、そのまま箱の中の世界にも置けるようだ。例えば、火事になっている家に対して箱の外から水をかけてやると、箱の世界では超大雨が降って消火される、みたいな。なので叶多くんに助けられた少女は、何が起こったのかわからない。しかし、どうやら、なにか神様的な力が働いていることを感じ、あまつさえ叶多くんの視線をどこか感じているようで、自らを守る神様的存在がいる、ということを信じるようになる。
 またもう一つの、本作で最も重要なポイントは、「箱の中の世界(=500年前の過去)に干渉するとその影響が現代に及ぶ」という点だ。まだ謎なのだが、叶多くんは少女を守ろうとして野武士めいた男を軽くはたいてしまったために、その野武士を殺してしまうのだが、そのことが巡り巡ったためなのか、叶多くんの隣の家の幼馴染のお姉さんが存在しないことになってしまい、その代りまったく見知らぬ男が幼馴染であったことになってしまう。さらに、そのお姉さんが存在していた「元の現実」の記憶もどんどん薄らいでしまうという事態に陥る。
 というわけで、ちょっとした過去への干渉で現在が変わってしまうバタフライエフェクトが本作の鍵なわけだが、タイムスリップものではよくあるパターンのこの設定も、本作では主人公は一切タイムスリップせず、普通に現在に存在したままの状態である。あくまでその謎の「箱」を使っての過去への干渉であるため、非常にその雰囲気は独特だ。はたして叶多くんは、お姉さんの存在した元の歴史を取り戻すことができるのか? 読んでいて、わたしは大変ドキドキして、これは一体どうなるんだ? と先が非常に気になるのである。どうすか、面白そうでしょ?
 普通、タイムパラドクス的な話だと、過去に干渉しても結局起こる事件は起こるわけで、変えられないパターンが多いと思う。例えば、死んでしまう運命の誰かを助けようとしても、何度やっても結局助けられない、みたいな感じに。この作品がどう進むか全く想像がつかないけれど、この作品では、歴史が変わったという理解ではなく、多次元世界、いわゆるパラレルワールドの方向に話は進む予感だ。箱は、複数の可能性の世界を渡る鍵、のようなとらえ方を現状ではしているみたい。そういう展開は、なんか、荒木飛呂彦大先生の『STEEL BALL RUN』におけるヴァレンタイン大統領のスタンド「D4C(Dirty Deeds Done Dirt Cheap=いともたやすく行われるえげつない行為)」の能力みたいすね。
 また、わたしとしては、わたしが世界で最も大好きな小説家Stephen King大先生の近年でナンバーワンに好きな作品『11/22/63』も思い起こしますな。『11/22/63』は完全にタイムスリップものだけど、あの作品でわたしが一番のカギだと思っているポイントは「過去は変えられることを拒む」という設定で、歴史が変わるようなことをしようとすると、いろいろな謎の妨害が働くという点が非常に面白いすよね。例えば、急に腹が下って大ピンチになるとか、何か決定的な歴史の改変につながる行動をしようとすると、とんでもない事態に陥るのが、『11/22/63』では独特だと思います。
 話はそれたけれど、とりあえず、本作は「買い」でお願いしたいと存じます。これは今後の展開が大変気になりますよ。

 というわけで、さっさと結論。
 ふとしたきっかけで買ってみたコミック『五佰年BOX』という作品は、非常に独特な世界観を持つ、大変先が気になる漫画であった。タイムスリップもののようで若干違うし、改変された歴史を修正しようというよりも、どうもパラレルワールド的な展開になりそうな予感です。そして、きっと今後、「箱」の中に住む少女との交流も描かれそうな気がしますな。いや、まったく当てずっぽなので、全然違う展開になるかもしれないけど、とにかく先が読めないドキドキ感は大変上質だと存じます。結論としては、この作品は面白い、です。「買い」でお願いします。以上。

↓ ホント、ここ数年のKING大先生の作品の中でダントツに好きっす。超面白い。ダンスは人生ですよ!
合本 11/22/63【文春e-Books】
スティーヴン・キング
文藝春秋
2016-10-07

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データですが、祝日が入ったので火曜日のお届けです。この週末はミュージカルを観に行っただけで、映画は観てないです。ミュージカル好きとしては、今週金曜日公開の『グレイテスト・ショーマン』は超期待ですな。Hugh Jackman氏は超歌える男ですので、大変楽しみです。
 てなわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をメモって終わります。

 1位:『今夜、ロマンス劇場で』が初登場1位。この土日で1.66億稼いだそうです。うーん、数字的にはおとなし目でしょうか。なお、昨日の祝日までの3日間では2.49億まで伸ばしたとのことです。原作なしのオリジナル作品はとりわけ頑張ってほしいです。わたしのようなおっさん映画オタクとしては、『カイロの紫のバラ』を思い出しますな。逆だけど。
 2位:『祈りの幕が下りる時』が16日間で11億突破だそうです。
 3位:『不能犯』が11日間で4~5億程度と見積もる。
 4位:『マンハント』が公開土日で0.79億稼いで4位だそうです。かなり厳しい出足すね……。公開日の金曜日から昨日の祝日までの4日間だと1.39億だそうです。
 5位:『羊の木』が9日間で4~5億程度と見積もる。
 6位:『ジオストーム』が23日間で10億突破だそうです。
 7位:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が前夜祭含めて60日間で73.5億だそうです。
 8位:『コードギアス反逆のルルーシュII 叛道』は数字未詳ですが公開土日で0.3~0.5億とかそんな感じなんでしょうか。根強い人気ですな。
 9位:『パディントン2』が23日間で5億突破だそうです。
  10位:『嘘を愛する女』が23日間で7億ほどと見積もる。

 とまあ、こんな週末だったそうです。
 ところで、日本時間の3月5日(月)に開催される第90回アカデミー賞授賞式まで1カ月を切りましたが、今年は観ていない作品ばかりで、わたし的に全然盛り上がっておりません。今のところ、わたしが観てとてもグッと来た『スリー・ビルボード』に期待したいところですが、3月1日公開の『シェイプ・オブ・ウォーター』も早く観たいすねえ。かなりおもしろそうで泣けそうな予感がしますな。
 日本では6月公開予定の『レディー・バード』という作品で助演女優賞にノミネートされているローリー・メトカーフさんは、2015年の秋にわたしがNYブロードウェーで観た、演劇版『MISERY』であの伝説的イカレ女アニー・ウィルクスを演じたお方ですな。あれは大変緊張感あふれる作品で、Stephen King先生の大ファンとしてはもう大興奮でありました。そんな縁?もあって、わたしはローリーさんを応援しております。あとは撮影賞・視覚効果賞・録音賞・音響編集賞で、わたしの2017年ベストである『ブレードランナー2049』が総なめしたら最高なんすけどね。
 
 というわけで、結論。
 この週末は『今夜、ロマンス劇場で』が初登場1位。あ、ワーナー配給なんすね。まあ、数字的にはちょっと厳しいかもしれないですが、オリジナル作品が売れるのは大変良いことだと存じます。以上。

 わたしが宝塚歌劇にハマったのは、2010年2月に、日比谷の東京宝塚劇場で初めて観に行った時からのことなので、もう8年前になる。その公演は星組公演で、当時のTOPスター、柚希礼音さんがウルトラカッコよくて、一発KO&Falling LOVEとなったわけだが、今思い返すと、もしわたしがあの時初めて観た作品が星組の作品でなかったら、もっと言えばあの時の柚希礼音さん(以下:ちえちゃん)でなかったなら、ここまで宝塚歌劇を愛するようになったか、かなり怪しいような気がする。あの当時、ちえちゃんはまだTOPに就任して半年経過したばかりであり、大劇場作品2作目であったのだから、ホントに奇跡的にナイスタイミングであったように思う。
 そのちえちゃんも、2015年の春に宝塚歌劇団を退団し、既にもう2年半以上が過ぎた。退団してからも、ちえちゃんはコンサートやミュージカル、あるいはシェイクスピア作品などに出演を続け、わたしも恐らくはほぼすべてを劇場へ応援に駆け付けているわけだが、今回とうとう、「本格的なミュージカルの主演女優」として舞台に立つこととなった。まあ、わたしがあえて「本格的」といったのには訳があるのだが、それは後で書くとして、その作品こそ、わたしが今日観てきた『マタ・ハリ』という作品である。
 まあ、結論から言うと素晴らしい歌に酔いしれることができ、大満足だったわけだが、やっぱり、ちえちゃんは最高ですな!というのが、観てきて興奮冷めやらぬわたしの今抱いている感想である。ホント、あんなにカッコいい男役だったのに、もうすっかり女子も板についてきましたなあ!

 まずはお話を簡単にまとめておこう。舞台は第1次大戦中のヨーロッパである。パリの人気ダンサー、マタ・ハリという女性は、その人気はヨーロッパ全土?を席巻していて、戦時中であるにもかかわらず、フランス国内でだけではなく、敵国ドイツへも招かれるほどで、要するに国外どこへでも顔パス的に行くことができていた。そこにフランス情報部のラドゥー大佐は目をつけ、マタ・ハリをフランスのスパイに利用しようとする。そのため、部下のアルマンをマタ・ハリに接近させるのだが、アルマンとマタ・ハリは、本当の恋に落ちてしまい……てな展開である。サーセン、かなりはしょりました。
 わたしは全然予習していかなかったので、プログラムを買って読むまで知らなかったのだが、この「マタ・ハリ」という女性は、実在の人物なのだそうだ。しかし! もしこれから『マタ・ハリ』を観ようと思っている方は、絶対にWikiで調べてはいけません! その運命を知らないで観た方がいいと思うな……わたしはうっかり、1幕が終わった幕間で調べてしまい、最後どのようなことになるか知ってしまったので、うわ、これは知らない方がよかった、と後悔しました。観劇後に、心行くまで調べる方がいいと思います。
 いずれにせよ、1幕はマタ・ハリとアルマンが出合い、愛し合うようになるけれど、ラドゥーの指令を無視しようとするアルマンが、マタ・ハリ運営エージェントの任を解かれ、空軍パイロットとして前線に送られてしまい、マタ・ハリとの仲を引き裂かれるところまでであった。で、2幕では、撃墜されたけれど命は助かり、ベルリンの病院にアルマンがいることを知ったマタ・ハリが、危険を冒してベルリンへ行くことになる。そして結果的には、そのベルリン行きがマタ・ハリの運命を決めてしまうという展開で、観ていて話は分かりやすい。
 しかし、ズバリ言うと、わたしはそれほど物語には感動しなかった。どうしてなのか、我ながら謎だけれど、たぶんわたしは、恋愛に醒めているせいなんだと思う。それに、正直に告白すると、ラドゥー大佐の心情がちょっと良くわからないというか……まあ、彼は愛より仕事を取ったってことでいいのかな? いや、そもそもラドゥーはマタ・ハリを愛していたわけではないってこと? いやいや、えーと……? という感じで、いまだわたしは良くわかっていない。ズバリ冷たい男で、エンディングはちょっと驚いたすね。
 しかし、だ。だからと言ってつまらなかったかというと、全然そんなことはなく。はっきり言ってもう、最高に良かったと思う。なぜなら、歌が最強に素晴らしいからだ。この点が、わたしが冒頭で「本格的な」ミュージカルというゆえんで、今までちえちゃんが退団後に出演してきた作品は、去年の『ビリー・エリオット』以外は正直ミュージカルとしていまいちだったような気がするんすよね……。『ビリー』はもちろん素晴らしかったけれど、主役じゃあないし。なので、わたしは本作が、ちえちゃん退団後初の本格ミュージカル主演だと思うのだ。
 なにしろ、本作の楽曲を担当したのは、ズカファンにはお馴染みのフランク・ワイルドホーンおじさんである。この人の曲は、ほんと毎回イイんすよ! このBlogでわたしが何度も書いている『スカーレット・ピンパーネル』もワイルドホーンおじさんの作品だし、最近では先日の雪組の『ひかりふる路』もワイルドホーンおじさんの作曲だった。ちえちゃんが2番手時代に出演し、その超絶なカッコよさを発揮したのがまさに『スカーレット・ピンパーネル』という作品なわけで、なんつうかですね……すごいドラマチック? というか、キャラクターの心情の吐露が、超絶に爆発してるんすよね。これはもう、生でその歌を聞かないと伝わらないかもしれないけれど、とにかく、本当にすごいエネルギーで、もう圧倒されるのです。
 そういう意味では、わたしが心情がよくわからんと思ったラドゥー大佐も、歌は超イイんすよ。でも、物語としてどうも納得できないというか……うーん、この辺りはうまく説明できないです。脚本か演出の問題? なのかもしれないし、単にわたしが人の心を理解できないボンクラ野郎だってことなのかもしれない。まあ、後者の可能性が高いですな、たぶん。
 というわけで、キャストを紹介して終わりにしよう。まずはもちろん、主役マタ・ハリを演じたちえちゃんだ。

 今回の衣装は大変布の面積の少ないもので、大変眼福でありました。しかしちえちゃんの体は本当に美しいですなあ……! 明らかに鍛え上げられた肉体美のような、そこらの女優とは違いますな。腹筋の何と美しいことよ! そしてその腹筋からのウエストラインの何とセクシーなことよ!! 腕も足も、きっちり鍛えられていて、まさしく美しいとしか言いようがないす。ちえちゃんは元々バレエダンサーなわけで、しなやかでいて強靭な、大変美しい肉体を維持されているのがとてもうれしく思う。もともと歌が苦手だったちえちゃんも、たゆまない鍛錬によって得た歌唱力で「伝説=LEGEND」とも呼ばれるTOPスターの登りつめたわけで、わたしは本当にちえちゃんのかすれ系な低めの歌声が大好きです。今回はかつての男役の声ではなく、今のちえちゃんの女性としての声だけれど、まぎれもなく慣れ親しんだちえちゃんヴォイスで、今回は本当にイイ歌満載で大満足でありました。ホント最高です。
 そして冷徹?なラドゥー大佐を演じたのは加藤和樹くん。

 彼はもうわたし的にはお馴染みの男でこのBlogでも何度も触れているけれど、かつて、10年以上前に観た『テニスの王子様ミュージカル』での跡部様から見事に成長しましたなあ。去年観た『レディ・べス』でも見事だったけれど今回の歌もとても良かったです。
 そしてマタ・ハリを落とす任務のはずが、本気LOVEに落ちてしまうアルマンを演じたのが東啓介くんだ。

 彼は去年ACTシアターで観た『スカーレット・ピンパーネル』にも、ピンパーネル団の一人、ハルという役で出演してましたね。キャリアとしては主に2.5次元系で活躍していたそうで、なんと『弱虫ペダル』では葦木場君の役を演じてたそうですね。そう、知ってる方には説明不要ですが、葦木場君といえば、箱根学園のエースで身長2mのデカイ男ですが、まさしくこの東くんも、超デカイ! さっきWikiで調べたら身長187cmだそうですな。加藤くんだって181cmあるのに、段違いにデカくて、見た目2mちかいか?ぐらいに見えました。歌もどんどん良くなってますよ。間違いなく彼も、不断の努力を続けているのでしょうな。今後も様々な作品で出会うことになると思うので、成長を見守りながら応援したいすね。
 しかし驚きなのが、加藤和樹くんは、今日わたしが観た回ではラドゥー大佐を渋く演じていたわけだけれど、今日の夜公演ではこのアルマンを演じているそうで、まあいわゆるWキャストだけど、よくもまあ、正反対とも言えそうな役を演じ分けられるものですなあ。すごいや。つうか、そもそもこの圧倒的なエネルギーの詰まった作品を1日2回公演するってだけでも、常人には計り知れぬ努力と気合が必要だと思う。加藤和樹くんはやっぱり只者ではないすね。『テニミュ』の跡部様や、仮面ライダードレイクを演じていたころが懐かしいすな。両方リアルタイムで観ていたわたしには大変感慨深いすね。
 あともう一人だけ紹介しておこう。マタ・ハリの衣装係兼お世話係の女子を、元宙組の和音美桜さんが演じていた。

 わたしは2010年から宝塚歌劇を観始めた男なので、2008年に退団された和音さんの現役時代は知らないのだが……今回、1曲だけソロ曲があるのだが……超巧い!!! そう、このお方は、わたしは去年の『レディ・べス』でのアン・ブーリン役だったり、2011年かな、帝劇で観た『レミゼ』のファンテーヌだったり、実は何度もその実力を目の当たりにしてきて、その実力は良く知ってるつもりでした。でも今回、わたしはキャストすら予習していかなかったんすよね……なので、歌を聴くまで和音さんだと気づいていなかったのです。アホだった……でも、歌声で、あれっ? あっ!? っとすぐ気が付きました。マジで最強クラスに歌ウマですよ。またどこかでお会いしましょう! 今度は必ず、すぐに気づくと思います!

 というわけで、結論。
 わたしがいまだに大好きで愛してやまないちえちゃんこと柚希礼音さん主演の本格ミュージカル『マタ・ハリ』を観てきた。席は14列目と、もうチョイ前だったらなあ、とか思っていたのだが、会場に着いてみたら、5列目ぐらいまで? オーケストラピットでつぶされていて、実質的には10列目ぐらいだったので、大変よく見えて満足であった。そしてそんな近いのに、わたしは双眼鏡でちえちゃんの腹筋をガン見しておりました。さらに、数々の歌もいちいち圧倒的な熱量で、要するにですね、ホントにもう最高でした! とにかく歌がイイ! 加藤くんも東くんも実に良かった。この圧倒的なパフォーマンスを1日2回上演するというだけでもすごいのに、加藤くんは役替わりで正反対のキャラを演じ分けるという技も見せてくれているようで、ただただ感服いたします。なお、一緒に観に行った後輩女子に、オレ、ちえちゃんの腹筋に触りてえ、つうか、もし許されるなら噛みつきたい……と言ったら、冷静に「逮捕されますよ」と返されました。ホントサーセンっした。とにかく、ちえちゃんは最高です。以上。

↓こういう本も出版されてるんですなあ……全然勉強不足でした……。
マタ・ハリ伝: 100年目の真実
サム ワーヘナー
えにし書房
2017-12-26

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 今週は無駄に何か書くネタがまるでなく、なんだか妙に忙しかった……ので、さっさと始めます。まずは今週の週刊少年チャンピオン2018年第11号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版はAKBの入山杏奈嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:決着の握手の巻。山岳賞の次は鳴子くんVS新開弟が始まりそうです。
 ■刃牙道:今週はお休みです。
 ■囚人リク:決着の巻。まさに決着。そして次号、とうとう最終回!
 ■BEASTERS:糸電話の回線乱れておりますの巻。巻頭カラーです。板垣先生のロングインタビュー付きです。キャラ人気投票も開催。うおう!?電子版では投票できない!ぐぬぬ……!
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:ペンギン・デスロードの巻。ほんと毎週最高に笑えますなあ!
 ■六道の悪女たち:コウモリの巻。ひっさびさに第4の悪女登場です!
 ■昆虫武将チョウソカベ!:獏の苦悩を殿たちは知っているの巻。新キャラ登場、コイツはイイ奴なのか? 裏がないといいのですが……。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、なんというか【王虎】さんの魂のこもった愛の告白めいた激が鯉太郎に直撃し、鯉太郎も全力をもって応えるという、もうその様には椿ちゃんも思わず嫉妬するような熱い展開でした。このように書くと若干アレですが、内容的にはいたって感動的?というか、きわめてグッとくる、大興奮のぶつかり合いが描かれました。「お前の命をかける価値が俺にはある!」なんと傲慢でカッコいいセリフなんでしょう。あの剣市くんが……ホント先週は興奮しましたねえ!
 というわけで今週は一旦離れた両者でしたが、鯉太郎がスッと腰を下ろし、電光石火の動きで【王虎】さんの左下手を取りに行くところから開幕です。その動きに思わず解説の常松も「速い…」と叫んでおります。左下手、それは鯉太郎の「得意の形」であります!
 そして続く2ページにわたって、両者ともに、素早い動きでまわしを取ろうとする攻防が描かれます。しかし、とうとう鯉太郎は左下手をガシッと取り、そして同時に、【王虎】さんはガシッと鯉太郎の左腕を抱え込みました! これは! 左下手vs小手だ!
 常松「取った…左下手…」
 稲虎関「よしっ…王虎も腕を抱えている…」
 仁くん「速っ…」
 橋くん「両者 得意の形…そしてそこから出る得意技は…」
 そうです、もちろん鯉太郎は下手投げ、そして【王虎】さんは小手投げです!おお、懐かしいというか、来ましたぞ!!
 とページをめくると、1ページブチ抜きで迫力ある二人の投げ合いの図です! これは読んでいるわたしも思わず力が入りますよ! バーキも寺井君も天城元親方(着ぐるみ)も、来た!的な顔です! そしてNHKアナも絶叫です!
 「あっ あ――――――――!! 両者同時に投げに行った――!!」
 しかしこの投げの打ち合いは、両者の手がバチっと外れました! 空振りです! NHKアナも叫びます。「両者その勢いでハジケ飛ぶ! 一瞬の中で何という攻防!! 何というレベルの高さ!!」
 そして二人は一瞬にらみ合いますが、ページをめくると、二人の顔アップでお互いに「ニッ」っと笑みを漏らしております! 嬉しそうな二人です。
 鯉「おう…違うよな…」
 王「そうだな…もったいねえ…」
 鯉「俺とお前の間に…」
 王「小手先のやり取りはもういらねえよな…」
 鯉「王虎…」
 王「鮫島…」
 完全に想いがシンクロしている土俵上の二人ですが、この先は、9ページにわたって、土俵上でぶつかり合う二人が描かれながら、ナレーションが綴られています。なんか、これもう、最終回間近なのでは? と思ってしまうような演出に、わたしはもうかなりドキドキなんですが、だ、大丈夫なのでしょうか……以下に、そのナレーションを抜粋いたします。
 「その二人は まるで幼い子供が 愛を与えてくれる者の 胸へと迷いなく 飛び込むような姿だった 己の全てを 必ず受け入れてもらえるという 真っ直ぐで… 純真で… そしてワガママな 絶対的な信頼」※ここは見開きで、二人が脇を締めて低い体勢で飛びかかるの図が描かれております。
 「その想いを 僅かも零さず 受け止める」※ここも見開きで、ガッシーーーィィンン!!と鯉太郎の左下手、【王虎】さんの右上手が互いのまわしを取ってぶつかるの図です! どうやら四つに組んだようです!
 そして次のページは、ぶつかり合うその瞬間、土俵から光が、あるいは熱が、放射されているの図です。そしてその光に虎城理事長はこれは! という体で目を見開きます!
 「そして躊躇なく その想いに 牙を喰いこます」
 まさしく二人のがっぷり四つは、牙が互いの体に喰い込んでいるかのようです!
 そしてさらにページをめくると、そこには迫力の見開き1枚絵だ!
 「渾身の力で引きつけあう」
  両者互いに思いっきり、グイイイイッッッ! と引きつけ合っています! わたしはもう思わず、常松ばりに、ダメだ鯉太郎さん、パワー勝負では! とか見当違いのつぶやきを発してしまいました! これは、これは一体どうなる!?
 「鮫島と王虎 誰より認めあう二人の…互いに存在を肯定するような…咆哮だった」
 はあはあ……もう、今週は到底文章ではその迫力が伝えられません。無理です。今週はここで終わりでしたが、どうか、今週もチャンピオンを買って読んでいただければと存じます。
 はーーーーー……つうかですね、これはもう、本当にマジで最終回が近いのではないかと、超心配なんですけど……大丈夫なのでしょうか? なんか、大丈夫じゃないような気がしてならないす……『リク』も来週で最終回だしなあ……はあ……この先、一体全体どのようなことになるのか、さっぱり想像できませんが、この先まだ3番残っているわけで、その3番が描かれるかどうか、かなりあやしいというか、もう保証は出来ないような気がしますね……このVS【王虎】戦が、スラムダンクの山王戦になってしまう可能性は捨てきれないですなあ……杞憂であるといいのですが……まあ、どんな結末になろうとも、毎週、最後まで、応援を続けたいと存じます。ホントヤバいすわ……。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週はまわしを巡る攻防から、真っ向からのがっぷり四つ、そしてお互い引きつけ合う様子までが描かれました。興奮したっすねえ……見開きの迫力ある絵に、ナレーションがかぶると、なんだかもう、本当に最終回マジかなのではと思ってしまうわけですが、いったいこの先どうなるのでしょうか……ちょっと、これはもう本当に想像できないです。でも、このまま終わってしまったら、横綱【泡影】はなんだったんだ……になってしまうし、わたしとしては大変楽しみにしていたVS【猛虎】戦もナシだったら残念だなあ……でも、この【王虎】さんとの戦い以上の熱はもう、有り得ないような気もするし……もう分かんねえっす! ただただ、毎週のチャンピオンを楽しみに、最後まで応援を続けたいと存じます! どんな結末に至ろうとも! 以上。

↓ 今月のチャンピオンコミックスは今日発売す。これをもうさっき電子版で買ったっす。あの読み切りがとうとう単行本化。やったーー!


 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は、『スリー・ビルボード』を観てきました。いやあ、わたしはとても良かったと思います。わたし的には現在の暫定2018年1位ですよ、これは。ま、まだ今年は6本しか観てませんけど。でも恐らく2018年オレベスト選定の際は、上位に位置しそうな予感です。なんというか、キャラクター達の感情がとても激しくて、かなりグッと来たっす。
 てなわけで、さっさと興行通信社の大本営発表をメモっておきます。

 1位:『祈りの幕が下りる時』が2週連続1位獲得、9日間で7.22億だそうです。2週目終わりでも前作ほんのチョイ落ちキープ。着地も前作チョイ落ちでまとまるなら15億は超えそうですが、どうなるのでしょうか。
 2位:『羊の木』が公開土日で1.29億稼いだそうです。わたしは全然勉強不足なのですが、「イブニング」に連載されていたコミック原作なんですね。しかも原作はわたしのような40代後半以上の方ならきっとご存知の、山上たつひこ先生なんだそうで、びっくりしました。『がきデカ』の先生ですな。懐かしすぎる……。
 3位:『不能犯』が公開土日で1.28億稼いだそうです。こちらは2/1(木)から公開なので4日間だと 2.04億だそうで。そしてこちらの作品もコミック原作。「グランドジャンプ」に連載していたそうで、恥ずかしながらわたしはこちらも読んでません。去年TVドラマ版も放送してたらしいすね。しかし桃李君はカッコいいですなあ。
 4位:『ジオストーム』が16日間で9億突破だそうです。ほええ。結構がんばってますな。
 5位:『パディントン2』が16日間で5~6億ぐらいと見積もる。自信なし。※追記:正解はまだ4億チョイだそうです。多く見積もりすぎた!!
 6位:『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』が前夜祭含めて53日間で72億突破だそうです。ふーん。100億はもう無理確定すかね。
 7位:『嘘を愛する女』が16日間で7~8億ぐらいと見積もる。自信なし。※追記:正解はまだ6億チョイだそうです。こっちも多く見積もりすぎた!!
 8位:『スリー・ビルボード』が公開土日で0.49億、2/1(木)公開なので、4日間だと0.85億稼いだそうです。公開スクリーン数が127と少なめだったので、ランキング入りしないのかと思ってましたが、8位に食い込む健闘ぶりは嬉しいす。アカデミー賞が取れるか分からんですが、売れてほしいなあ。大変良かったす。
 9位:『キングマン:ゴールデン・サークル』が31日間で15億突破だそうです。こちらは前作からすればホント伸びましたなあ。
  10位:『8年越しの花嫁 奇蹟の実話』が51日間で26億突破だそうです。松竹としてはホントに嬉しいでしょうな。良かったすね。

 とまあ、こんな週末だったようです。
 はーーーしかし早く『BLACK PANTHER』『AVENGERS:Infinty War』『ANT-MAN AND THE WASP』が見たいですなあ……! 最新予告を観るだけで興奮しますね。はーーー楽しみだなあ。

 というわけで、さっさと結論。
 今週は『祈りの幕~』が2週連続の1位でした。そして127スクリーンでの公開となった『スリー・ビルボード』が8位にランクイン。わたしとしては大変お勧めです。以上。

 昨日の記事で書いた通り、わたしは昨日の土曜日、朝7時過ぎに出勤して、ちょっと気になっていた仕事をさっさと片づけて、9時になったところで一度切り上げ、会社の戸締りをして上野へ向かった。そうです。これを観に行くためであります。
oorai_01
 そう、ずっと行きたかった、『生頼範義展』であります。今日が最終日かな、もうだいぶ前にチケットを買っておきながら、行く時間が取れずにいたため、昨日はもう絶対行かねえと、というギリギリのタイミングだったのでした。
 ところで、生頼範義(おおらい のりよし)大先生については説明はいらないすよね? えっ!? 知らないだって!? この『STAR WARS Ep-V: THE EMPIRE STRIKES BACK』のポスターを描かれた、日本のイラストレーション界の巨人ですよ! 2015年に惜しくも亡くなられてしまったけれど(享年79歳)、その作品はいまだ強い輝きを放っているのです。
oorai_04
 映画のポスターや出版物のカバーイラストなど、様々なイラストを手掛け、日本国内ではスーパースターと言っても過言ではない巨匠だが、日本版の小説かな、かの「スター・ウォーズ」の挿絵を担当された生頼先生のイラストが、George Lukas氏の目に留まり、2作目の「帝国の逆襲」の公式イラストに起用されたわけです。もうそのあたりの話は半ば伝説化されていて、有名なエピソードだと思う。わたしはもちろん生頼先生のイラストは大好きで、この「帝国の逆襲」のイラストの下敷きを小学生から高校生ぐらいまでずっと使っていたこともあり、わたしとしては、その原画が来ているなんて、絶対に観に行くしかねえじゃねえか!とワクワクしていたのだ。
 この展覧会は、実は2014年だったかな生頼先生の地元である宮崎で開催され、その後2015年、2016年にも3回にわたって開催されていて、わたしも最初の2014年には、こ、これは行きたい!と周りの部下たちにも散々言っていたものの、2014年はわたしのサラリーマン人生で最も忙しかった頃合いであり、どうしても行けなかった。なので、今年とうとう東京で開催されると聞いて、さっさとチケットも買っていたのだが、最終日前日の昨日、やっと生頼先生の本物の生原画を観る機会に恵まれたのであります。
 一言で言えば、もう圧巻である。とにかくすごくて、もう大興奮であった。
oorai_02
 わたしが昨日、↑この上野の森美術館についたのが9時25分。列が見えなかったので、お、これはガラガラか? と思ったら、すでに15人ほどの熱心な方々が寒空の中、並んでおられた。でもまあ、15人ならこれは最高の状態で鑑賞できるな、と思い、わたしも列に並ぶこととした。すると、10時の開場にはおよぞ100名弱の列となり、まずまずな盛況であったと言えるだろう。わたしが帰る頃にはもっと混雑していたようで、やはり絵画展は朝イチに限る。
 で、入ると、いきなりの「スター・ウォーズ」コーナーである。もうのっけから大興奮ですよ! ただ、上に貼った「帝国の逆襲」のポスターイラストは、原版はなくて、下絵として構図を試し描きした作品しか展示されてなかった。おそらく原画は、LUCASフィルムの倉庫に眠ってるんじゃないかなあ。分からんけど、きっと買い取られたんだと想像します。でもその下絵でもその迫力は尋常じゃない。そして続く展示は、様々な映画のポスター、となった原画である。
 実はわたしが今回一番観てみたいと思っていたのが、こちらの『MAD MAX2』だ。
ohrai_MAX
 このイラストは、わたしが持っている『MAD MAX2』のパンフレットに付属していたA3サイズのミニポスターに使われているイラストで(2つ折りで挟み込まれていた)、中学生当時のわたしの部屋にしばらく貼られていたことがある。超カッコよくて、今ではパンフと一緒に大事にしまってあるけど、中学生当時のわたしは無造作に画鋲で貼っていたので、もう結構ボロボロになってしまっているのが悔やまれる。中学生当時のわたしをぶん殴りたい気分だ。
 で、この作品も、本物の原画が展示してあって、わたしはもう失神するんじゃねえかというぐらい興奮した。まず、わたしはそもそも生頼先生の使っている画材は何なんだろう? 油彩じゃあないだろうし……? と思っていたのだが、どうやらほぼすべて、カラー作品に使われている画材は「リキテックス」のようだ。いわゆるアクリル絵の具ってやつですな。油彩のような厚塗りもできるし、とにかくその筆力に放つ迫力は、圧倒的である。これは原画をぜひ見てもらいたいものだ。そして、想像以上に原画のサイズがデカイ! ほぼすべてのポスター作品は、キャンバスサイズP40号であった。つまり、天地1000mm×左右727mmである。要するに、だ、通常の映画のポスターサイズは現代ではB1サイズが一番多く使われると思うけれど、B1=1030mm×728mmなわけで、要するに、「原寸大」で描かれている、ということだ。これって、凄くないですか? 今やイラストレータの大半はデータで描く方が多く、手書きの方もそれほど大きなサイズのイラストを描くことはまれなのではなかろうか。この原画を前に興奮しない奴とは友達になれないすね。ホント最高です。

 というわけで、この後はゴジラや小松左京作品のカバーイラスト、海外SF小説のカバーイラストなどのカラー作品が続き、その後、鉛筆によるモノクロ作品が圧倒的物量で展示されていて、もう窒息寸前、脳の血管ブチ切れ寸前の大興奮の嵐である。総数248点、圧巻である。
 わたしがひとつ、へええ!?と思ったことは、モノクロ作品(主に人物画)にみられる「点描」の手法である。なんと、生頼先生は、新聞広告に使われることを想定して、そのための技法として点描を選んだのだそうだ。これって、意味が分かりますか? 出版に携わったことのある人なら分かるでしょ? つまり、新聞(や印刷物)での、「網点」に、最初から自分で分解していたわけなんすよ!! だから、印刷された時に、原画の迫力がそのまま伝わるわけで、そこまで計算している現代イラストレーターはいないのではなかろうか。
 そしてもう一つ、重要なポイントとしてメモしておくと、生頼先生のイラストの最大?の魅力は、その構図、どのキャラをどう配置するか、というそのコラージュ力にあるわけです。これは、イラストレーターのセンスが一番問われるもので、多くの場合は編集者から、このキャラを真ん中にズドーンと、そしてこのキャラとこのキャラをテキトーに配置してほしい、みたいなオーダーがあって、イラストの構図やキャラが決まっていくものだと思うけれど、その配置や場面描写に、イラストレーターのセンスが強く反映されるわけです。で、生頼先生の場合は、まずは原稿(=小説)を完璧に読み込んで、キャラクターを完全に把握してから考えるのだそうだ。きっと映画の場合は、先に観てから考えるんでしょうな。だから、小説や映画という元の作品の世界観が完璧に再現されるわけで、これも、現代イラストレーターには失われつつある努力だろう。わたしが編集者時代には、先にきっちり原稿を読み込む人と、全く原稿を読まないで、特徴だけ書き出したメモを欲しがる人、両方のイラストレーターがいましたね。まあ、スケジュール感が違うだろうから、後者の人を非難するわけには全くいかないけれど、まあ、生頼先生は、きっちりと世界観をつかまないと描けっこないじゃん、という方だったのでしょうな。そしてその残された作品は、ある意味永遠に輝き続けるわけで、本当に素晴らしい作品群でありました。

 最後に、展覧会の運営としてちょっとどうなの、と思ったことをメモしておこう。ただし以下は完全なるわたしのいちゃもんであり、会期終了間際に訪れたわたしの罪であるので、自戒の意味を込めて備忘録としておこう。
 まず、入場列について。2列で並ばせるのはまあ当たり前だし、4列だっておかしくはない。でも、チケットもぎり要員が一人だけで、入場直前に1列にするのはどうなんだ? おまけに前売りを持っている人と持っておらず当日券を買う人を同じ列に並ばせるのも、まあ間違ったやり方だろうな。簡単に改善できるので何とかしてほしいものだ。
 そして、わたしが非常に困ったのが、普通の絵画展なら必ず入場口に置いてある作品一覧が、置いてなかったことだ。なんだ、ないんだ……とがっかりしていたわたしだが、帰りに聞いてみたところ、当日券を買う窓口に置いてあるから、欲しかったらもう一度、入場列に並べ、なんて言われ、ええっ!? それはひどくないですか? と列整理の女子に軽く文句を言ってみたら、見かねたのか?運営関係者のおじさんが1枚持ってきてくれた。聞くところによると、実はもう用意していた分がなくなってしまい、欲しい人だけ、とりわけ外人客に渡す用に、両面コピーをちょっとだけ用意してあったという。ううむ……まあ、終了直前だったから仕方ないのかな……まあ、めんどくさい客ですみませんでした。今後はやっぱり終了直前に観に行くのは避けないと、とわたしも深く反省します。
 あともう一つ。何と公式図録も売り切れていて、買えなかった。今回は買う気満々だったのだが……まあ……しょうがないか……在庫になるより売切れ御免の方が、ビジネスとしては正しいのは良くわかる。だから運営のせいだとは思わず、終了直前に行ったわたしの愚かさの戒めとして、やっぱり終了ギリギリに行くのはダメという教訓としたい。
 最後にもう一つ。本展は、珍しく一部で撮影OKとなっていた。のだが、やっぱり、撮影OKってどうなんだろう、という気がしますね。確かにね、わたしも興奮して撮影したくなる時は良くあります。なので、ファンとしては嬉しい配慮であるのは間違いないとは思う。しかし、わたしは今回結局撮影はしなかった。というのも、わたしが大興奮で、うおおお!と観ているわきで、一心不乱に撮影をバシャバシャして、ろくに作品を「自分の目」で見ることもなく、さっさと次々に作業のように撮影している人々がいっぱいいて、そいつら観てたら、なんか、ああはなりたくねえわ、と思ってしまったのである。撮影自体が悪いんじゃなくて、まずはその眼で、きちんと作品を味わったらどうなのよ、せっかく「本物」が目の前にあるのに! なんか、一心不乱に撮影している姿は実に気持ち悪かったす。ああ、そういや、本展は、わたしの年齢±10歳ぐらいのおっさん率が異常に高かったすね。そりゃそうだ。70年代以降の映画オタク・SFオタクいはもう、たまらない展覧会であったと思う。ホントに最高でした。

 というわけで、結論。
 日本が誇る稀代のイラストレーター生頼範義氏の作品展『生頼範義展:THE ILLUSTRATOR』を終了前日にやっと観に行くことができた。2014年に宮崎で開催されて以来、やっと御対面がかなった生頼先生の本物の肉筆原画は、想像以上のすさまじい迫力とオーラで、わたしはもう本当に失神しかけ、逝っちまいそうになるほど大興奮であった。とにかくすごいよ。これは本当に、自分の目で見ないとダメでしょうな。印刷や写真じゃ絶対に伝わらないと思う。本当に最高でした。そして、会期終了に行くのは絶対にダメ、という教訓も得られ、図録を入手することはできなかったけれど、自戒として受け止めたい。もうチョイ、長く開催してほしかったなあ。今回の東京展は1か月もなくて、非常にもったいないと思った。もっともっと、多くの方に生頼先生の放つオーラを感じてほしかったすね。はあ……それにしても最高でした。いまだ興奮が冷めないす。以上。

↓ 画集を買えってことなのかもしれないな……。
生頼範義: The illustrator
生頼範義
宮崎文化本舗
2014-02

生賴範義Ⅱ 記憶の回廊 1966-1984
生頼範義
宮崎文化本舗
2015-07

生賴範義Ⅲ THE LAST ODYSSEY 1985‐2015
生頼範義
宮崎文化本舗
2016-12-03

 いやあ、すごかった。大変面白かった。物語に超引き込まれた。これは現時点での、といってもまだ2月になったばかりだけど、2018年暫定ナンバーワンだな。
 今日、わたしは土曜だというのに朝の7時過ぎには会社に出社して、ちょっとだけ気になってた仕事をせっせと片付けていた。そして9時チョイに、時間だ!とあわててPCを落とし、会社を出て一路上野に向かい、とある絵画展を観てきた(※それは明日記事にします)。そしてその後また会社に帰ろうか、と思ったのだが、通りかかった新しい上野TOHOにて、映画を1本観ていくことにした。それは、何度も劇場で予告を観ていて、非常に気になる作品だったのである。そのタイトルは『THREE BILLBOARDS OUTSIDE Edding, MISSOURI』。邦題はシンプルに『スリー・ビルボード』である。すでに様々な賞レースをにぎわせており、やや話題になっているようだ。まあ、アカデミー賞がとれるかどうかは知らないけれど、2018年オレ的映画祭では相当上位に位置されそうな予感である。ズバリ言って、冒頭に書いた通り大変面白かった。これは相当な傑作ですよ。というわけで、以下、結末まで書かざるを得ないような気がするので、まだ観ていない人は絶対に読まないでください。間違いなく、結末を知らないで観る方が感動?は増加すると思う。これはマジです。

 物語は、もう上記予告で描かれている通りである。娘を殺された白人中年女性。進まぬ警察の捜査に業を煮やし、地元のミズーリ州エディングという田舎町の片隅に建つ、3枚の野外広告ボードに、とあるメッセージを載せ、そこから生じるさまざまな人々の生き方を描いた物語だ。ちなみに、メッセージとはこんな感じだ。
 1枚目:RAPED WHILE DYING
 2枚目:AND STILL NO ARRESTS?
 3枚目:HOW COME, CHIEF WILLOUGBY?
 これは簡単なので、おそらく誰でも日本語訳できるだろう。が、わたしは1枚目の言葉のニュアンスにかなりゾッとした。「死につつある中でレイプされた」とでも訳せばいいのだろうか? えーと何が言いたいかというと、レイプされてその後殺されたということではなく、その両方同時だったというニュアンスにわたしは ゾッとしたのである。そりゃあ、自分の娘がそんな目に遭ったら、「で、逮捕はまだなの?」「ウィロビー署長、なんでなのよ?」と問いたくもなるだろう。
 というわけで、上記予告の冒頭のシーンが、警察署の真正面にある広告代理店を訪れた主人公・ミルドレッドお母さんが野外広告の契約をするシーンである。そして建てられた野外広告。そしてそれを警官が見て、慌てて署長に電話するという流れは予告に描かれている通りである。
 果たしてこのミルドレッドお母さんの怒りは何をもたらすのか、本作はずっとその緊張感がピリピリしていて、なんだか観ていてドキドキする。ここで、緊張の構造をまとめておこう。
 ◆お母さんサイド:事件から7カ月たっていて、全く手掛かりなしでずっとイラついている。もちろん一番憎いのはそりゃあ犯人だろうけれど、何も成果を上げない警察にイラつきMAX。なお、息子を毎日学校へ送っているが、息子は怒れるお母さんのことで嫌な目に遭っている模様で、せっかく妹の死を乗り越えようとしているのに、若干うんざり気味(?)。もう一つおまけに、旦那とはとっくに離婚しているようで、その元旦那は警官でDV野郎だったらしい。現在は19歳の小娘と付き合っているようで、それにもイラついている模様。
 ◆お母さんサイド応援団:広告代理店の若者レッド君は最初からお母さんに同情的。そして看板付け替え作業人の黒人青年もお母さん擁護派。そしてお母さんの勤務先のお土産屋さんの女性ももちろんお母さん応援団のひとり。
 ◆警察サイドA_署長:ウィロビー署長は、真面目な男で、実のところ全然手掛かりが得られないことに悔しい思いをしている。ただ、この看板はないでしょ、オレだって頑張ってるのに、的な心情。そして、何と署長はガンに蝕まれており、余命僅か。お母さんはガンのことも知っていて、「知ってるわよ。街中で知らない人なんていないでしょ。(この看板は)あんたが死んでからじゃ遅いでしょ」とバッサリ。そして署長は、この看板騒動とは関係ない、という遺書を残して自殺してしまう。
 ◆警察サイドB_ディクソン巡査:コイツがまたとんでもないクソ野郎で、何かとけんか腰。わたしは観ていて、このバカがいつ暴発するのか、もうハラハラしながら観ていただのが、なんとその怒りは、署長の自殺で頂点MAXに。そしてかわいそうなことに、その怒りの矛先は広告代理店のレッド君に半ば八つ当たりのようにぶつけられ、レッド君はボッコボコにされてしまう。
 このシーンは、うがあ!と怒りが爆発して、つかつかと警察署を出て、真正面の広告代理店のガラスをたたき割って、階段を上って、オフィスのレッド君をボコボコにして、おまけに2階から突き落として、そしてアシスタントの女子を一発殴ってまた階段を下りて、そして道路に放り投げられて足を折ったレッド君をもう一度ボコボコにして、ふーーーっと警察署に入っていく、という一連のバイオレンスで描かれ、何と驚きのワンカットで撮られていた。ここはもう、わたしは本当に度肝を抜かれた。これ、CGでつないでいるのかな? 本物のワンカットなのかな? とにかくその緊張感、張りつめた心情が見ているわたしにも突き刺さって来るほどすごい迫力であった。
 なお、実はこのディクソンは、何歳かわからないけどいまだ実家暮らしで、わたしが思うに、ディクソンよりも、同居の母親の方が何倍も邪悪な存在で、このクソばばあと毎日過ごしてたら、そりゃクソ野郎になっちゃうよね、と納得のクソ家族であった。しかし、レッド君をボコったことで警察をクビになり、運命が変わって来る。ズバリ言うと、コイツはラスト近くで超改心します。

 とまあ、こういう構造で物語は進むのだが、とにかく、えっ!? という出来事が次々と起こり、劇作として非常に高度で上質なものだとわたしは思った。素晴らしい脚本だったと絶賛したいと思う。
 そして、わたしが一番グッと来たのが、この映画の恐らく一番のポイントが、「赦し」にある点だ。わたし自身は、世間的に善人で通っているが、内面はかなり怒りを秘め、多くの人に憤っている男だ。そして、そんなインチキなわたしが思う、人類にとって一番重要? というか、一番人類を救うポイントだと思っていることが「赦し」である。
 このことはこのBlogでも何度も書いているような気がするけれど、恨みや憎しみの連鎖を断ち切ることができる、唯一の人間に備わった力が「赦し」だと思う。だが、「赦す」には、相当の気合と精神力と自己抑制が必要だと思う。つまり、並大抵の人間にはなかなかできないということだ。
 だが、本作のキャラクターたちは、この異常事態の中で、グッッッと唇をかみしめて、「赦す」のだ。そこがわたしには感動的なのだ。
 まず、ボコられて入院していたレッド君は、顔面にやけどを負い、包帯だらけで顔が見えない男が同室にやってきたとき、とてもやさしく対応する。のど乾いてないか?オレンジジュースならあるよ、ストローも付けてあげるよ、みたいな感じに。すると包帯男はそのやさしさに、つい泣いてしまう。そして、自らの名を名乗る。そう、その包帯の男こそ、自分をボコったディクソンだったのだ。それを知ったレッド君は、態度が豹変する。そりゃそうだよね、誰だったそうなるよ、間違いなく。だけど、レッド君は、くそう、てめえなんか!と怒りに身をふるえさせながらも、オレンジジュースをコップに注ぎ、ストローを立て(しかも飲みやすいようにちゃんと角度を直してあげる!)、そっとディクソンの枕元に置いてやるのだ。てめえの顔なんか見たくもねえ、という態度とともに。わたしはこのシーンには非常にグッと来ましたねえ!
 そしてそんな優しくされたディクソンは、署長のディクソン宛の遺書の感動的?な内容も相まって、すっかり改心し、バーで聞いた話をもとに、とある男が犯人なのではないかと思い、そいつのDNAサンプルをとるために、その男に敢えてボコられる。そして血だらけになってサンプルを鑑識に回す行動をとる。まあ、その行動は、えっ!?という結果になるけれど、ディクソンの「赦し」には、わたしも彼を赦してやろうと思いました。パンフには、よく知らない日本人監督があざとい脚本と賞していたけれど、上等ですよ。わたしはディクソンの改心は大いにアリだと思いますね。
 この辺は、先週観た『DETROIT』とは大きく違っていて、あの作品はホントに現場に観客を叩き込むことしかしないで、ある意味投げっぱなしであり、実に後味が悪かったが(そもそも実話ベースのお話だった)、やっぱり映画は、ちゃんと救いがあってほしいとわたしは強く思う。実話ベースでは難しいかもしれないけれど、本作は完全にフィクションであり、エンディングは非常に救いがあって美しいものだったと思う。
 最後に、お母さんの方の「赦し」だ。お母さんの場合は、さんざん小ばかにしていた元旦那の彼女の小娘が言った、ちょっとした一言で、あのすさまじい怒りが解けていく。その一言はこんな言葉だ。
 ”Anger Begets Anger.”
 日本語訳すると「怒りは怒りを生む」という感じだろう。字幕では「怒りは怒りを来す」となっていて、よく分からんけど聖書の言葉なのかもしれない。言葉自体は、冷静であれば誰だってそう思うだろうし、今更かもしれない。けれど、あのバカにしていた小娘が言ったことが重要なのであって、ここもお見事な脚本だったとわたしは称賛したい。お母さんは、看板が焼かれたことに怒り狂って、警察署に火炎瓶を投げ込む暴挙に出るのだが、そのためにディクソンは大やけどをしてしまったわけで、ラストの二人のやり取りは映画的な美しさが際立っていたと思う。
 お母さん「警察署に火を放ったのはわたしよ」
 ディクソン「……あんた以外の誰だってんだよ。知ってるよ」
 ここで初めて見せるお母さんの笑顔。わたしはこの笑顔にも激しくグッと来た。二人はこうして、銃を持って、犯人と思われる野郎が住んでいるオハイオへのドライブに出発するところでブツっと終わる。二人がこの後どういう行動をとるか……もう散々描かれているので誰でもわかるだろう。二人は、きっと「赦す」に違いない、でしょうな。

 というわけで最後に本作で熱演を見せた各キャストと監督を紹介して終わりにしよう。
 まずはミルドレッドお母さんを演じたのがFrances McDormand女史。60歳だそうで、パンフによれば、最初は殺された女の子の母親役じゃなくて、おばあちゃん役じゃないとできないわ、と考えていたそうだ。しかし結果としてはお母さんでよかったと思うし、素晴らしい熱演だったと思う。アカデミー賞(映画)・トニー賞(演劇)・エミー賞(TV)の全ての主演女優賞を受賞した三冠女優ですな。本作も本当に素晴らしかったです。
 次。ウィロビー署長を演じたのがWoody Harrelson氏。予告では嫌な人の役なのかなと思っていたけれど大違い。基本イイ人、でした。でも自殺してしまったのはちょっと突然すぎて非常にびっくりしたっすね。でも、署長の書いた遺書がいろいろと人々の心に波紋を投げかけたわけで、脚本上どうしても外せない出来事だったかもしれないな。とてもいい演技でした。実際素晴らしかったす。
 次。イカレ野郎のちイイ奴に改心したディクソン巡査を演じたのがSam Rockwell氏。この人はいっぱい出演作があるんだよな……わたしが一番覚えているのは、何といっても『IRONMAN2』でトニー・スタークのライバル企業の気取った(けど無能な)社長のジャスティン・ハマー役だろうな。なお、ディクソンについては、観る人が見ればゲイであることが明らからしいのだが、わたしは署長の遺書の内容を知るまで全然気が付かなかったすね。彼も素晴らしい演技ぶりでした。お見事です。
 次。わたしがとても気に入ったのが、かわいそうなレッド君を演じたCeleb Landry Jones君28歳だ。彼の演技はとてもイイすねえ! いかにもゆとりあふれた青年のような、ひょうひょうとした感じは極めて良かったと思う。そしてわたしは、この顔は絶対観たことがある、けど誰だっけ……と調べないと分からなかったのだが、調べたら20秒で分かった。彼は、わたしがX-MEN映画最高傑作と認定している『X-MEN:First Class』のバンシーを演じた彼だ。えーと、あの口から超音波?を出して空も飛んじゃう彼ですよ。
 最後。ウィロビー署長の若い奥さんを演じたのが、3週間前に観た『GEOSTORM』に冷静で有能なシークレットサービス女子で出演していたAbbie Cornishさんですよ。ま、本作ではほとんど出番はありませんが、この方は一発でわかりました。なかなかお綺麗な方すね。
 そして監督は、Martin McDonagh氏47歳。この方は恥ずかしながらわたしは全然知らない方なのだが、なんでも劇作家&演出家ということで、舞台人なんだそうですな。映画はまだ長編3本目だそうですが、詳しくはWikiのリンクを観ておいてください。まあ、実に腕の立つお方ですよ、脚本も監督としても非常にクオリティが高いのは間違いないです。前作の『Seven Phychopath』はWOWOWで放送したのを録画してあるような気がする……ので探してみよっと。

 というわけで、はーーー長くなっちゃったな……さっさと結論。
 今日、ふと観てみようと思い立って観てきた映画『THREE BILLBOARDS OUTSIDE Edding, MISSOURI』は、実に見事な脚本の素晴らしい作品であった。演出的にも非常にハラハラドキドキで緊張感が張り詰めていて、実に上質な、クオリティの高い作品であったと思う。わたしはかなり頻繁に、一体、人類は憎しみの連鎖を断ち切ることができるのだろうか? という問題について思い悩むのだが、可能性として考えられる唯一の方法?は、やっぱり「赦し」しかないんだろうな、と思う。以前もどこかで書いたけれど、カンカンに怒っていて、あの野郎ぶっ殺す! と思っていても、そう思っている自分も、誰かを怒らせている可能性は高いわけで、ひょっとしたら、「赦す」前に「赦されている」のかもしれない。そう考えると、怒りは怒りを生むしかないわけで、どこかで赦すことを自分に言い聞かせないといけないのかもしれないすな。ホント、肝に銘じておきたいと思うよ。
 そういや、この映画こそタイトルは『怒り』がふさわしいように思います。ところで、タイトルに入っている本作の舞台、ミズーリ州ってどこかわかりますか?

 まあ、要するにド田舎なわけですが、なんというか、アメリカって国は本当に問題山積ですなあ……どうも、ミズーリ州も、いわゆる「南部」のようで、差別バリバリな風土も描かれています。あ、この物語の舞台は現代ですよ。以上。

↓ これ、WOWOWで放送されたのを録画してあると思うんだよな……。。。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 いやあ、なんつうか、今年の初場所は、わたしとしては大いに熱くなりましたねえ! まず、何といっても【栃ノ心】関の平幕優勝はお見事でした。上位陣がイマイチ……という最大のチャンスを見事にモノにしましたなあ!
 わたしはですね、散々ここで書いている通り、【松鳳山】関が大好きで応援しているわけですが、【松鳳山】関の同期というとですね、この初場所では【錦木】関、怪我からとうとう帰ってきて初入幕の【竜電】関、そして【栃ノ心】関と4人活躍中なわけで(※2006年3月場所初土俵。【千代の国】関は同年5月場所初土俵なので教習所は同期なのかな?)、『鮫島』ファンならば、「同期」と聞けば当然なんかグッと気になる存在になるわけですよ。なので、14日目の、【栃ノ心】VS【松鳳山】の一番は、もうホントに血圧上がりましたわ……優勝のかかる【栃ノ心】関に勝たせてあげたい、けど、久々の二けた白星がかかる【松鳳山】関にも、もちろん勝ってほしい、みたいな、まさにもう、鯉太郎と石川大器くんや【天雷】や【王虎】さんの戦いのようにわたしには思えちゃったのです。いやあ、ホントに興奮しましたわ。
 しかし、【松鳳山】関の千秋楽の相手は、先週わたしがここで注目していると書いた新入幕の【阿炎】関だったわけですが、あの一番は勝って欲しかった……! 【阿炎】関のファンの方には申し訳ないのですが、あの勝負は勝って、顔じゃねーんだよ! と言って欲しかったすねえ……。というわけで、我が【松鳳山】関は9勝6敗で初場所を終え、4~5枚番付を上げられるかもしれないすな。そして千秋楽に【松鳳山】関を下した新入幕【阿炎】関は10勝5敗で見事に敢闘賞をゲット! 三賞インタビューでのガキっぽいVサインは若干イラッとしましたが、まあ実際ガキなので許しましょう。これからも精進していただきたいすね。
 はっ!? イカン、無駄にだらだら書きすぎた! それではまずは今週の週刊少年チャンピオン2018年第10号概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は『浦安』25周年祭りにつきどうやら紙雑誌版もナシ、みたいす。
 ■弱虫ペダル:仰ぎ見た空の巻。いやあ!もうわたしも「よっしゃ!」と声をあげそうになりました。手嶋さん! とうとう報われる日が来たね! 山岳賞おめでとう! 泣けたよ! そしてラストの田所さんにまた泣かされたよ……。
 ■刃牙道:おさらばの巻。おおっと、刃牙の反撃開始だ!
 ■囚人リク:対面の巻。いよいよ最終回まで今週入れて3話。長かったね、リク……。
 ■BEASTERS:ご挨拶冷えた口元燃える手にの巻。タイトルがいつも長い……単行本の板垣先生のあとがきによると、描き終わってからタイトルを決めるそうです。
 ■昆虫武将チョウソカベ!:殿はおイチの声を聞くの巻。シリアス展開が続きますが面白いす。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。それでは今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週はいよいよ始まった鯉太郎VS【王虎】さんの一番の序盤のぶつかり合いが描かれました。今のところ互角のように見えますが、頭と頭をぶつけ合う二人の熱い魂の雄たけびまでが先週は描かれました。今週はそこからの展開です。
 というわけで、今週のオープニングは額を合わせてギシッギシッと押し合う二人の顔アップから始まります。その押し合いの熱はすさまじく、土俵を見つめる田上さんこと【稲虎】関も「王虎(アイツ)があんなに汗を…」と驚くほどの熱量のようです。
 そして鯉太郎の目を見つめる【王虎】さんの脳裏には、鯉太郎への想いが去来します。もうこれ、愛の告白ですよ! 
 「そう…その目 そのクソムカツク目だ…俺を終わらせ…そして始まりとなった目…俺は強くあったぞ…分かるか鮫島…テメーがいつその眼でまた俺の前に現れてもいいように 俺は強くありつづけ待っていた…それを鮫島(テメー)は その目を他者に向け そして勝手に消えかかりやがって…だが誰もテメーについていけなかったんだろ…? 満足できなかったんだろ…? だからまだ土俵(ここ)にいるんだろ…俺に喰われるタメに…ここにいるんだろ…?」
 いやあ……ここの【王虎】さんの表情は、絶対にチャンピオンを買ってその目で確認してください。何とも嬉しそうじゃあありませんか!
 そして【王虎】さんはドッと前に出て鯉太郎を吹き飛ばします! がしかし! 鯉太郎も必死で踏みとどまる! そしてそこに、【王虎】さんの右ショルダーアタックが迫り……ボゴっという音とともに、鯉太郎の胸に王虎さんの右肩が炸裂! 血反吐を吐く鯉太郎、思わず膝がガクッと落ちたか!?
 そしてさらに! 狙いすましたかのような右張り手がアッパーのように下から鯉太郎の顎を直撃―――ッッッッ! コイツはえげつない、容赦ない攻撃! 土俵を見守るみんなにゾクッと悪寒が走る! そしてページをめくると、顎の浮いた鯉太郎にさらにショルダーアタックで追い打ちだ! 【王虎】さん、強ええ!!! 鯉太郎の骨や内臓が悲鳴を上げているぞ!
 しかし、左足を俵にかけ、何とか踏みとどまる鯉太郎は、まだ闘志満々の表情だ! そしてぐぐっと腰を沈め、体勢を整えて……これは! と大器くんも感じるように……高速張り手で応酬!
 白水兄貴「おお! チマゴリ殺法」
 大器くん「よし! そのまま…王虎の上体を起こせ…!」
 しかしページをめくると、そこには【王虎】さんの強烈な右張り手! 今度はフックです! 鯉太郎の顔の左側を強烈な衝撃が襲う! おお! なんと無慈悲! これは鯉太郎の鼓膜すらイッちまったかもしれないほどの強力な右フックが炸裂! 観客席からも「強ぇぇ…」「圧倒じゃん…」といった声が聞こえています。山崎さんも「破格だ…」とその圧倒的破壊神を評価。そして【王虎】さんは、どうやら怒っているようです!!
 「どうした…ナメてるのかテメーは…俺を誰だか忘れたか? 来いよ…何も残さねえほど もっとムキ出しで… テメーが欲しかった場所は ここだろ…」
 崩れ落ちそうな鯉太郎を見つめながら、【王虎】さんはさらに続けます。
 「燃やせ…もっと強烈に…テメーの生命(いのち)を…テメーが生命をかけるほどの 価値が…」
 そしてページをめくると、【王虎】さんが吠える!!!
 「俺にはあるぞ!! 鮫島!!!」
 ここの【王虎】さんの叫びはもう本当に熱くなりましたねえ! なお、正確に言うと、「俺にはあるぞ!!」までが心の中の独白であり、最後の「鮫島!!!」は本当に声に出して叫んだ描写になっております。こんな愛の告白めいた叫びは、当然鯉太郎にも届くわけで、再び鯉太郎の心臓は炎にまみれ、【王虎】さんの胸に強烈なブチカマシをお見舞いします。吹っ飛ぶ【王虎】さん。そんな光景にですね、観ている皆さんの心は様々に分かれるわけですよ……。
 「その…光景に…ある者は目をそむけ(=天雷関の描写)… ある者は奥歯を噛み(=大器くんの顔アップ)… その眼差しに映る 王虎(ソレ)に 嫉妬した…」
 というわけで、今週は鯉太郎と【王虎】さんの関係に、しょんぼりとうつむく椿ちゃんの図で幕でありました……。もうなんなんすかねえ……最高じゃあないですか、今週も! ラストの、椿ちゃんが思わず嫉妬してしまうような、最終ページの鯉太郎の表情も、ぜひチャンピオンで見ていただきたいと思います。いやあ、もうこの二人の間には入れない、という椿ちゃんのつらそうな表情がグッときますねえ……なんなんだよもう……まさか最終回が近いのでしょうか!? なんか本当にそんな空気に包まれていますが、最後の15日目まで、応援を続けたいと存じます!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関
 --------
 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 12日目現在9勝3敗に←New
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。66連勝中(11日目現在)。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は鯉太郎への【王虎】さんの熱い想いがあふれ、思わず「鮫島!!!」と叫んでしまった【王虎】さん。そしてその叫びに全力で応えようとする鯉太郎。もうこれは、いわゆるひとつの「愛」ってやつではないでしょうか。そりゃあ椿ちゃんも嫉妬しますよ。これで決まり手が首投げだったら大変なことになりますな。おっと、いかん、変に興奮してしまった……。しかしまあ、はーーー本当に今週も最高でした。この一番はどういう結末になるのか、本当に楽しみです! 以上。

↓ 何気に表紙に松鳳山関が! これは買いかも。

↑このページのトップヘ