2017年11月

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね……現在日本相撲協会を覆う大変なニュースに、もはやコメントする言葉はなく、ただただ、残念としか言いようがありません……。。。ホント、本当に残念です……わたしとしては、土俵上で戦う男たちを今後も応援したいと存じます……はあ……。
 というわけで、テンション低めですがさっさと進行します。まずは、今週の週刊少年チャンピオン2018年1号概況です。今週から月号表記は早くも2018年、今年の刊行もあと3週で終わり、かな? 4週かな? ちょっと未確認ですが、もう年末ですなあ……。
 ■巻頭グラビア:牧野真莉愛城。大変スレンダーでお美しいですな。
 ■弱虫ペダル:響きあう震動の巻。山岳賞まであと2㎞、盛り上がってまいりました!
 ■刃牙道:今週は2話掲載、いよいよ刃牙と武蔵の戦いが開幕しました。
 ■BEASTERS:月だ 君は蛾になるの巻。レゴシ君、ゴウヒン先生に弟子入りです。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:バカ五番勝負の巻。今週も最高に笑えました。最高です。
 ■囚人リク:完了の巻。P330の「鬼道院永周潤む」の画が最高すぎて腹筋崩壊です。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週は勝負のついた【王虎】さんVS【百雲】関ののち、【百雲】関が引退届を提出した……というラストで終わりました。今週は【王虎】さんサイドの状況が描かれます。そして、ラストには(わたし的にはもう)とんでもない展開が予告され、わたしは今日のAM01:30頃に読んで一気に眠気が吹っ飛びましたよ! が、それは最後に記したいと思いますので、まずは最初から状況をお伝えします。
 冒頭は、NHKアナの絶叫中継、「勝負ありーーー! 勝ったのは王虎ーーー!」から始まり、その様子をTVで観戦している虎城部屋の模様から開幕です。
 虎城部屋では若い衆が「強っっっえ――!!」「やっぱハンパねーよ王虎関は!!」と盛り上がっていますが、そこに現れたのは、田上でお馴染みの【稲虎】関。みんなの嬉しい気持ちは分かるけど、ちゃんとチャンコの用意しろ、仕事せんか、とやれやれな表情です。あの田上も今や関取。俺も手伝ってやるからさっさとしろよ、なんて言う田上さんに若い衆は恐縮している模様です。
 そして支度部屋へ戻る【王虎】さんに、記者が群がってコメントを求める図になります。しかしそんな記者たちは完全無視の【王虎】さんですが、「鮫島も天雷を下し11連勝ですね…」と声をかける橋くんには、足を止め、ギロリとにらみます。橋くんは問います。
「大関の言う時機…再戦という運命の流れの点はまさに今なのかと…しかし今日の取組後 鮫島はまた倒れてしまった…もしかしたらこのまま休場の可能性も…それについて何か一言ありますか…?」
 【王虎】さんは身をひるがえし、橋くんに背を向けて答えます。
「だとしたら 俺の流れの中に 鮫島という点がなかったというだけだ…」
 この時の【王虎】さんはどんな表情だったんでしょうか。大変気になりますなあ。
 そして描写は再びちゃんこ準備中の虎城部屋へ。「やっぱカッコイイよな~王虎関」「おう…ものスゲーおっかねぇけどな」とかおしゃべりしながら作業している若い衆に、田上さんもだべってないで手を動かせよ、と呆れた表情。大体俺だって関取なのに王虎王虎って……とヤレヤレな顔です。若い衆曰く、稲取関は俺ら大好きっスよ、俺らの優しい兄貴っス。そして猛虎関は先生って感じ、そして王虎関は「ドン」すね、なんて言っています。ちなみに、「ドン」というコマには、マフィア的スーツ姿で右手にブランデーグラスを持つ【王虎】さんのイメージ図が描かれております。ちょっと笑っちゃいますが。
 しかし、田上こと【稲虎】関には、あの【王虎】さんがこれほど若い衆に慕われる現在が、もう感無量なわけです。それは我々読者も同じでしょう。田上さんは若い衆に、かつての【王虎】さんについて語ります。長いですが引用しましょうか。
「いや…もう昔はピリピリしてたよ…自己顕示欲が強いくせに誰よりも繊細で…誰にも腹を見せない奴でな…」「まぁ…王虎もここまですんなり来たってことじゃないからな…ウチの親方の…大横綱虎城の息子 入門時から確かにその光は他と違っていた…ただ…その光が一人飛び抜けなかったんだ…もう一人…史上最悪と言われた大関火竜の息子 鮫島の強烈な光があったからな…」「痛々しかったよ…あの頃の王虎(アイツ)は…」
 あの頃のことを思うと、田上さんの回想も実感がわいていてグッときますねえ! そしてそんな頃を知らない若い衆は、「鮫島って…でもまだ平幕じゃないっスか」「当時はそうだったとしても 方や王虎関は大関っスよ 顔じゃないでしょう…」と信じられない様子。しかし当時をよく知る田上さんは続けます。
「いや…鮫島がいなかったら今の王虎はないんじゃないかな…王虎をその暗闇から解放したのも また鮫島なんだ…本当…鮫島ってのは不思議な奴でな…俺らの世代は黄金世代…多くの人には王虎世代と呼ばれているが 王虎を含め同期の奴らで そう思ってるやつは誰もいないだろ…間違いなく 先頭にいたのは鮫島だ…俺も含め 鮫島の相撲に救われた奴は多いよ…」
 そうだよね……田上さんも本当にひどい目に遭ったもんな……そしてそれを救ったのは、鯉太郎だったよね……イカン、ちょっと泣けてきたっす……。
 そして描写は、診療所の鯉太郎の様子に移ります。診察を終えて座っている鯉太郎。しかしその眼はもうヤバい感じです。完全にうつろというか……タクシー来ましたよ、歩けますか? という常松こと【松明】関の言葉に全く反応しません。常も、クソ…ここまでか…この状態じゃ…明日はもう…とつらそうな表情です。そんな鯉太郎に肩を貸して通路を行く常&鯉太郎、そして帰り支度の【王虎】さん一行、そして田上さんの言葉がカットインされます
「顔を合わせればケンカばかりしている二人だが 王虎は鮫島を誰よりも認めているんだ…」
 常は鯉太郎を背負いながら、(何とかならないのか…ここまできて…ここまでして…)と無念の表情。そして田上さんのカットイン。
 「それは鮫島もきっと同じだろうな…」
 そして、常に半ば背負われていた鯉太郎の手が、ピクッ…と動き、常の肩から離れていきます。常は「?」と思い、目線を上げるとその先には―――ここで田上さんの言葉がかぶさります。
「土俵でお互い高め合える…特別な存在…」
 ページをめくるとそこに描かれているのは、通路で出会う鯉太郎と【王虎】さんの図であります! 見開きブチ抜きで描かれる二人が顔を合わせた瞬間は、なんか感動的ですらあります。運命の二人、ここに再会! な図ですよ! いいすねえ! こういう展開はベタかもしれませんが、わたしはもう、大好物です! そして、さらにページをめくると、そこはスミベタで、白抜きの大きな文字でズドーーーンとこう書いてあるのです!!!
 十二日目 鮫島ー王虎
 ヤバイ!!!!! キターーーーーー!!! 来ちゃった!!!! とうとう来た! なんとなんと、鯉太郎の次の相手は【王虎】さんで確定です!!!! やっべええええ!!! ど、どうしよう? これはヤバすぎますよ! 【猛虎】さんや他の誰かではなく、いきなり【王虎】さんが十二日目に組まれてしまいました!!! どうなんだ? 鯉太郎は戦えるのか? 親方の「おう、どうすんだ、鯉…」は発令されてしまうのか!? 今週はこの衝撃の発表で終了ですが、来週きっと描かれるであろう、空流部屋の模様が超・気になりますなあ!! いやー、もうホント楽しみすぎてヤバいす! 果たして一体どのような展開となるのか、続きは来週です! ドキドキしながら待ちましょう!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 12日目:【王虎】東大関 ←NEW!ヤバイ!
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 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目の結果不明
 【天雷】東関脇 11日目現在9勝2敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週描かれたのは、主に虎城部屋での田上さんによる、鯉太郎と【王虎】さん二人の心情の解説でしたが、ラストでとんでもないニュースが投下されました。十二日目、鯉太郎の相手は【王虎】さんで確定です!!! 最高の状態の【王虎】さん、そして神がかった気迫を見せているけれど、もはや心身ともに限界を過ぎている鯉太郎。コイツはヤバいことになりますねえ!!! そして、そもそもこの対戦は実現するのかどうか? も大変気になります。仁王兄貴こと現・空流親方は、無茶はさせねえ、どんなに恨まれようがブッ殺してでも止める、手遅れになる前に…と仰っていました。まさにその時なのか? それとも―――。もう本当に今後が楽しみ過ぎてたまらないすね! はーーー今週ラストの衝撃は我ながら並外れて興奮しましたわ……文字だけなのに。マジ『鮫島』は最高です! 以上。

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 わたしが宝塚歌劇団で最も応援しているのが星組であることは、もはや何度もこのBlogに書いていることだが、先週より東京宝塚劇場では、まさにその星組公演が始まり、わたしも昨日の夜の回を会社帰りに観劇してきた。一人で。何故ソロ観劇となったかというと、ファンクラブ取次で入手したチケットだからであり、なぜいつものように週末ではなく平日の夜の回かというと、この週末にファンクラブの集いがあるので、それまでに早く観たておきたかったからだ。恐らく、これらの理由は、ヅカ道に興味のない人には全く意味不明の理由だと思うが、ヅカ道中級者以上ならば理解できる理由であろうと思う。
 というわけで、現在東京宝塚劇場で公演中の演目は、ミュージカルの『ベルリン、わが愛』という作品と『Bouquet de TAKARAZUKA』というレビューショーの2本立てである。ズバリ結論を、若干偉そうな上から目線で申し上げると、まあまあ、面白かったかな、という感じである。とはいえ、見どころは多く、わたしとしては十分満足な一夜であった。

 さてと。まずはミュージカル『ベルリン、わが愛』の物語を簡単にまとめると、時は1920年代後半(30年代前半か?)、場所はベルリン、である。ベルリンでは映画産業も盛んで、既にハリウッドではトーキーが主流になりつつある中、ベルリンでは依然としてサイレント映画ばかりで、物語の冒頭はかのフリッツ・ラング監督によるSF映画の古典として知られる『METROPOLIS』のプレミア上映会から始まる。しかし『METROPOLIS』はその難解さとSFというジャンル的な面で観客の支持を得られず、製作した映画会社たるUFA(ウーファ)は莫大な製作費返済のために、経営危機に陥ってしまう。もっと観客に受ける、明るく楽しい作品、そして安い製作費で作れる映画。そんなUFAが求める映画を、オレが作る!と立候補したのはスタジオの助監督、テオであった。テオはまず、ベルリン映画界では初のトーキーに挑戦することを決意、そして新人役者を起用し、脚本には友人で児童文学作家のエーリッヒ・ケストナーを起用するなど金のかからないやり方で映画を撮ろうと奮闘する。そして、やけに押しの強いレビューショーダンサーだったレニ・リーフェンシュタールを起用しつつも、レニの紹介でやってきた若干地味っ娘のジルも端役に起用し、結果的に映画は大ヒットとなる。しかし、単発のヒットで会社の経営状態が回復するものでなく、スタジオはナチスの息のかかった投資家フーゲンベルク(後のナチス内閣に入閣する大物。ただし史実ではどうやらナチ独裁に反対したほぼ唯一の高官だったようで、戦後も無罪となった人だそうです)に売却され、いわゆる愛国的作品を取るよう強要されてしまう。さらに、ジルの清楚で美しい姿に魅了された、ナチス宣伝大臣ゲッペルスの横やりもあって、既にぞっこんLOVEな関係にあったテオとジルは―――てな物語であった。
 というわけで、かなり多くの実在の人物の登場する作品で、ドイツ文学で修論を書いた歴史好きのわたしとしては、結構、お、と思うような物語であった。ただ、ナチスの扱いは時代的にちょっと交錯しているような印象もあって、『METROPOLICE』のプレミア上映会は1927年だったらしく、その辺りだとまだナチスは政権を取っておらず、ゲッペルスの権力やハーケンクロイツも、劇中で示されたような権勢はなかったと思う。ま、とりあえずそんな細けえことはどうでもいいすかね。
 で。わたしとしては、当然一番注目していたのは、エーリッヒ・ケストナーを演じる礼真琴さん(以下:こっちん)である。こっちん大ファンを公言しているわたしとしては当然なのだが、今回こっちんは、若干出番が少なかったような気がするが、久しぶりにいい人の役だし、ちゃんとソロ曲もあって、こっちんの最強の武器である歌声も堪能でき、わたしとしては確かな満足だ。そして今回わたしが一番グッと来たのは、こっちん演じるエーリッヒの恋人ルイーゼロッテ(←この人も実在の人。ケストナーの代表作の一つ「二人のロッテ」の名前の由来の人)を演じた有沙瞳ちゃん(以下:くらっち)であろう。大変可憐で、おまけになんか最近はオーラが強くなってきたというか、舞台上の輝き、存在感が増してきましたなあ。大変良いと思います。この、こっちん&くらっちのペアは今後ますますの活躍をしてくれそうで大変楽しみですな。
 そしてもちろん、星組のTOPコンビ、紅ゆずるさん(以下:紅子先輩)と綺咲愛里ちゃん(以下:あーちゃん)も大変美しかったのは間違いない。このTOPコンビは歌が弱点と言われているような気もするしわたしも実際そうだと思っているが、なんかですね、わたしはもう慣れてきました。紅子先輩は歌はともかく芝居はとても良かったすね。あーちゃんも、わたしはあーちゃんの意外な低音ボイスが大好きなので、許せますな。これであーちゃんが超歌ウマだったら……と思わなくもないけど、まあ、やっぱりTOPコンビとして絵になりますよ。大変美しかったと思う。
 そのほか、専科に移って初めての大劇場公演?となった凪七瑠海さん(以下:カチャ)が助っ人として、本作ではゲッペルスをシブく演じてくれたし、UFAのプロデューサーを演じた七海ひろきさん(以下:かいちゃん)も相変わらず美しくカッコイイし、新人男優のちょっと調子のいい男を演じた瀬央ゆりあさん(以下:せおっち)も元気で良かったすね。星組組長である万里柚美さん(以下:ゆず長)も、若干訳アリな酒場の女店主を美しくかつ大人な魅力で魅せてくれましたな。
 まあ、物語としては、エンディングは意外とあっさりと、かつ美しく終わってしまって、若干、よくナチスからあんな簡単に逃げられたな、と驚いたけれど、This is TAKARAZUKA、ということで野暮なツッコミはやめておこうと思います。ま、面白かったす。
 で、後半は「タカラヅカレビュー90周年」と題されたショー『Bouquet de TAKARAZUKA』である。
星組20171128
 うわあ、我ながらへったくそな写真! 本物はとてもきれいです。
 わたしは、ショーにおいては、いつもお気に入りのジェンヌを双眼鏡で探して愛でるのが恒例であり、こと、わたしが一番推している星組においては、一番大好きなこっちんを観るのは勿論として、現在わたしが星組においてこっちんの次に応援している星蘭ひとみちゃん(以下:せーらちゃん)を探し、見つけたら追う、というのがお約束である。見つけるとですね、あ! いた! とか、嬉しくなるんすよね。せーらちゃんは101期生であり、入団3年目になるのかな。娘役としては、3年目だとそろそろいわゆる「路線」に乗るかどうかの時期であり大切な時期だ。そして、せーらちゃんは本公演で早くも新人公演ヒロインに抜擢されており、前作『スカーレット・ピンパーネル』でのルイ・シャルル役への抜擢も踏まえ、わたしとしてはどうやら無事に路線に乗ったような気がして大変うれしく思う。
 ※解説:「路線」=将来TOPになる道筋のこと。「新人公演」=宝塚歌劇団の大劇場公演は、約1カ月の公演中に1回だけ、入団7年目までの生徒のみで演じられる公演があって、その「新人公演」の主役/ヒロインに抜擢されるかどうかが重要な「路線」なのであります。以上解説終了。
 まあ、こっちんのカッコ良さと歌の素晴らしさ、そしてダンスのキレの美しさに関しては、もはや書くまでもなく明らかであろう。こっちんがTOPに登りつめる日が待ち遠しいですなあ。ただまだまだ、完璧優等生と言われるこっちんも勉強することがいっぱいあると思うので、紅子先輩の背中をしっかり見つめて精進してもらいたいと思います。もう、わたし、完全にお父さん目線ですわ。そして紅子先輩も、開幕はいきなりブランコで舞台の上に現れてびっくりであったけれど、やっぱり手足の長さ・細さはすごいすね。あーちゃんとのコンビも磨きがかかってますな。そしてあーちゃんも、当然かもしれないけどどんどん舞台上の輝きが増してますよ。大変お綺麗で、実際のところあーちゃんはとてもかわいいと思います。そしてくらっちも、やっぱりいいですなあ。
 で、わたしが推しているせーらちゃんは、ちょっと背が高めか? と昨日思ったけれど、「おとめ」によれば、あーちゃんと同じ身長163cmだそうで、目の錯覚?だったようだ。たぶん、とてもスリムでほっそりしていて、おまけに超小顔だから背が高いように見えたのではなかろうか。ちなみに、あーちゃんは、わたし好みのちょうどいい感じにむっちりで、実に良いと思います。しかしせーらちゃんのソロ歌が聞きたいですなあ。歌ウマだと文句なしなのだが……ルイ・シャルルとして歌った「ひとかけらの勇気」は、そう悪くなかったと思うのだが……どうなんでしょうなあ。まあ、今後大変楽しみです。
 というわけで、毎度お馴染みの、「今回のイケ台詞」を発表して終わりたいと思います。
 ※イケ台詞=わたしが「かーっ!! カッコええ!!」と思ったイケてる台詞のこと。
 「ジル! 俺は君を守る! どんな未来が待ち受けていようと!
 「テオ……!」 と熱いキス。
 今回は、やっぱりラストシーンでしょうか。この後、世界は非情な世となり、テオとジルはパリ経由でハリウッドへ脱出したからいいけど、こっちん演じたケストナーは、反ナチを貫きながらも亡命せずドイツに残ったわけで、戦後、みんなは再会できたと思いたいすなあ……

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇団でわたしが一番推している星組が、現在東京宝塚劇場で公演中である。その作品『ベルリン、わが愛』は若干地味?ながらも、ファンとしては確かな満足であり、わたしとしてはまあ面白かった、と結論付けたい。そしてレビューショー『Bouquet de TAKARAZUKA』も、相変わらずのキラキラであり、中には知っている曲も何曲かあってわたしは大変楽しめた。つーかですね、紅子先輩&あーちゃんのコンビは、わたしは結構好きです。歌が弱点と言われることもある二人だが、わたしはあーちゃんの低音ボイスが好きなので全然アリです。そして、こっちん&くらっちも、夏の『ATERUI』のときのように、今回も大変お似合いのコンビでありました。なお、ケストナーとルイーゼロッテは生涯共に暮らしたそうですが、生涯結婚はしなかったそうです。へえ~。そしてわたしが注目するせーらちゃんはとうとう新公ヒロインに抜擢され、大変うれしい限りであります。くそーーーどうしても新公のチケットが取れん! 今回はマジで観たかったよ……せーらちゃん、新公の舞台で持てる力をすべて出し切ってくれ! 応援してます! 以上。

↓ 「おとめ」とはこれのことです。ファン必携の基本書っす。
宝塚おとめ 2017年度版 (タカラヅカMOOK)
宝塚クリエイティブアーツ
2017-04-14

↓そしてケストナーでわたしが読んだことがあるのはこの3作品かな。
ふたりのロッテ (岩波少年文庫)
エーリヒ ケストナー
岩波書店
2006-06-16

飛ぶ教室 (岩波少年文庫)
エーリヒ ケストナー
岩波書店
2006-10-17

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))
エーリヒ・ケストナー
岩波書店
2000-06-16

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末も映画は観に行かず、ミュージカルを観に行ってました。とはいえ、勤労感謝の日には楽しみにしていた『ジャスティス・リーグ』は観に行きましたけど。なんというか……超人たちは殴られても別に痛くもかゆくもないわけで、殴ってずばーーんと吹っ飛び、そしてまたずばーんと殴って吹っ飛び、という繰り返しは、正直観ていてどうも退屈というか……ライダーキックとかスペシウム光線とか、そういう必殺技が炸裂する日本のヒーローとはどうも違うすね。なんか……せっかくの戦闘が盛り上がらないのが致命的のような……。
 ま、そんなことはさておき、さっさと興行通信社の大本営発表をまとめておきます。
 
 1位:『ジャスティスリーグ』が公開土日で2.04億稼いで1位。公開は23日(木)の勤労感謝の日からだったので、4日間では4.32億稼いだそうです。ずば抜けて凄い数字ではないわけで、かといって悪い数字でもなく、まあ、こんなもんか、としか言いようがないような気がします。そしてなんだか毎週同じことを書いてるような気がします。
 2位:『イット』が23日間で15億を突破したそうです。人気継続で大変良いことですな。中高生に大ヒットした理由は何なんでしょうか? Tweetなんすかね。素朴に疑問す。
 3位:『火花』が公開土日で1.11億稼いだそうです。こちらも4日間では2.19億だそうで、これはズバリ今一つな数字だとお見受けします。今年は結構東宝作品も厳しいすね。
 4位:『HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』が16日間で10億届かずぐらいと見積もるがどうでしょうか。
 5位:『ラストレシピ―麒麟の舌の記憶―』が24日間でこちらも同じく10億届かず9億チョイぐらいと見積もるがいかがでしょう?
 6位:『GODZILLA 怪獣惑星』が9日間で3億チョイぐらいと見積もる。3億届かず2.8億ほどのようです。ちょっとキビシイか?
 7位:『泥棒役者』が9日間で2~3億ほどと見積もる。
 8位:『映画かいけつゾロリ』が公開土日で0.34憶だったそうです。前作の倍の好スタートだそうで。
 9位:『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!思い出のミルフィーユ!』が30日間で7憶ほどと見積もる。
  10位:『ご注文はうさぎですか??―Dear My Sister―』が16日間で3億チョイと見積もる。こちらも3億届かず2.6億ほどのようです。
 とまあ、こんな週末順位だったそうです。
 つーかですね、『ジャスティス・リーグ』を観て、わたしのTOHOシネマズのシネマイルがまた6000マイル貯まったわけで、1か月観放題パスポートを頂けるわけなんですが、どうもこの年末年始にかけては、それほど観たい映画がそろっているわけではなく、かといってマイルが失効するのももったいなく……ううむ……スター・ウォーズは普通にお金出して観るだろうし……まあ、12月8日公開の『オリエント急行殺人事件』から使わせて頂こうかと若干悩み中です。まあ、タダなら年末の仮面ライダーも観ようかな、とか、普段ならちょっと躊躇しそうな作品を観まくる所存であります。
 現時点で、わたしはこの2017年に、洋画を36本、邦画を4本、アニメを4本、合計44本映画を見に行ったようですが、12月は少なくとも4本は行きそうな気配なので、50本に届かず、ぐらいで終わりそうです。今のところ、ナンバーワンは……ううむ……やっぱり『ブレードランナー2049』かなあ……また、年末に今年を振り返る記事で考えようと思います。スター・ウォーズはどうかなあ……期待してますが、また超いいところで終わるだろうから、観ないと分からんすね、当たり前だけど。

 というわけで、結論。
 この週末の1位は『ジャスティス・リーグ』でありました。まあ、新作だし大作だし、むべなるかな、であります。そして『イット』が何気に人気キープで2位を堅持。大変喜ばしいですな。先週、原作の電子書籍を買ったので、たぶん3回目か4回目になりますが久しぶりに読もうと思います。以上。

 今年の春先、わたしは一番応援している宝塚歌劇団星組による『スカーレット・ピンパーネル』を3回観に行ったわけだが、そもそもこの作品に関しては、2009年の初演は映像でしか見ていないものの、2010年の月組による再演は、わたしがヅカを観るようになって2作目に観た作品であり、今年の再々演も、わたしが一番応援している礼真琴さん(以下:こっちん)が超絶カッコイイ悪者を演じて大興奮したし、要するに非常に好きな作品である。
 しかし、わたしがこの作品で好きなのは、数々の名曲であって、実は、正直に言うと物語的には若干、えーと? と首をひねりたくなる部分があって、お話として面白いかというと、実に微妙である。とりわけ微妙なのが、よりによって主人公のふたりで、主人公のパーシーは、フランス革命政府からすれば、犯罪者の逃亡をほう助する悪党にしか見えないわけだし、そもそも、フランスを経済破たんさせた貴族に対して市民が革命を起こしたわけで、それを、イギリス貴族がしゃしゃり出てきて、フランス貴族を助けるなんてことは断じて許せないわけだ。また、ヒロインのマルグリットも、元は革命の女性闘志だったくせに、よりによってイギリス貴族と結婚して、自分が倒そうとしていた貴族社会にちゃっかり仲間入りするという女子だ。
 まあ、ちょっと敢えて意地悪に書いたけれど、わたしにとっての最大の謎は、パーシーとマルグリットの関係で、パーシーはマルグリットを信用していないように見えるし、マルグリットも、パーシー大好きオーラを出しているわけでもなく、それなのにやっぱりお互い愛してるわ、となるわけで、非常に分かりにくい、と思っていた。
 しかし、繰り返すが、とにかく歌が圧倒的に素晴らしく、カッコイイしちょっと泣けるという、やっぱりミュージカルっていいですなあ、と思わせる魅力にあふれた作品なのである。
 というわけで、以上は前振りである。
 今日、わたしは、現在赤坂ACTシアターにて絶賛公演中のミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』を観てきたのである。主役のパーシーに、劇団四季出身のミュージカルスター石丸幹二氏、そしてヒロインのマルグリットには、宝塚版の初演でパーシーを演じた安蘭けいさん(以下:とうこさん)を迎えての、宝塚版ではありえない男優も交えたミュージカルである。しかも、チケットはD列とあったので、A,B,C,ときて4列目か、やったぜ!と喜んでいたのだが、なんと、現場についてみると、驚きの最前列!であった。どうやらA,B,C列はオーケストラピットで取り外されていたようで、全く予想外、奇跡の最前列での観劇となったのである。
 結論から言うと、最高でした! これは面白い! 歌は、曲は宝塚版そのままなのだが、すべて歌詞は変わっており、お話の流れも若干違っていて、実に興味深かった。そして、パーシーとマルグリットの関係性も、非常に明確になっていて、わたしは非常に楽しめたのである。

 いやーー。ホント、想像よりもずっと面白かった。このBlogはわたしの備忘録という存在意義もあるので、宝塚版とどう違っていたかを少しまとめておこう。
 ◆歌の歌詞がほぼすべて、違う。
 このことについては、わたしは事前に知らなかったのでかなり驚いた。わたしの大好きな、ショーヴランの怒り爆発の歌でおなじみの「鷹のように」も、なんと隼に変わってた! おまけに、パーシーの歌うメインテーマ「ひとかけらの勇気」も、全然歌詞が違う! この白い手袋が血にまみれるまで! と歌う石丸氏は超カッコよかったですなあ! とにかく、すべて歌詞が違うのが一番驚いた点であろう。
 ◆関係性の違いその1:マリーとアルマンの関係
 宝塚版ではラブラブカップルのこの二人だが、なんとこちらのVerでは全く恋愛感情ナシ、つーか、マリーには全く別の婚約者が! ええ! とわたしはこれにも驚いた。おまけに、マリーの性格はそれほど変わりはなかったように思うが、アルマンが、若干ゆとり臭漂う青年にチェンジしていた点も驚いた。お前、ずいぶんキャラ変したな、アルマンよ!
 ◆関係性の違いその2:パーシーとマルグリットの関係
 こちらは、最初に書いた通り宝塚版ではわかりにくさがあったようにわたしには思えるのだが、こちらのVer.の非常に分かりやすく、そもそもマルグリットがショーヴランに協力しているのは、完全に脅迫によるもの、という姿勢が前面に出ていて、主にマルグリットの心理は非常に理解できるものとなっていたように思う。つうか、マルグリットもずいぶんキャラ変していて、宝塚版よりもかなり強気かつアクティブな、より現代的?な人物に変わっていた。ラストは何とマルグリットも剣を取ってチャンバラですよ! そしてパーシーも、正義感とおちゃらけがちょうどいい塩梅で、大変良かったと思う。パーシーがフランス貴族を助けようと思う心情ももっとダイレクトに分かりやすくなっていた。これは面白いというか、大変興味深かったです。
 ◆出てこない人々
 これもわたしは驚いたのだが、宝塚版でのキーキャラであるルイ・シャルル殿下が出てこない! のである。わたしは、ルイ・シャルルが出ないとなると、かなりお話が変わっちゃうんじゃね? と途中からどうなるんだろうとドキドキしながら観ていたわけだが、意外と大丈夫だったのが新鮮である。今考えてみると、「ひとかけらの勇気」がないわけで、あの歌がないとルイ・シャルルも出しにくいわな、とは思う。あと、宝塚版ではちょっとした重要キャラのドゥトゥルネー伯爵も、名前が出てくるだけで登場はしないし、とにかく、感想としては、結構違うんだなー、と当たり前のことを思った。
 では、キャストを簡単にまとめてさっさと終わりにしよう。
 ◆パーシー:演じたのは石丸幹二氏。わたしは今回が初めての生・石丸氏である。いやあ、やっぱり抜群の歌唱力ですなあ! 演技ぶりももう完璧。やっぱり歌が歌えるってのはカッコいいですよ。素晴らしかったです。
 ◆マルグリット:演じたのはとうこさんこと安蘭けいさん。とうこさん、すげえやせたように見えたけれど、大丈夫ですか!? とうこさんってこんなに華奢でちびっ子だったっけ? と心配になるぐらい痩せてたように見えたけど、あれかな、周りの男たちがデカかっただけかな? でもまあ、完全に女性でとてもお綺麗であったのは間違いないし、歌も完璧でしたね。強いマルグリットが大変お似合いでした。やっぱりとてもお綺麗ですよ、このお方は。
 ◆ショーヴラン:演じたのは石井一孝氏。数々のミュージカルに出演されているベテランですが、恥ずかしながらわたしは今日が初めて生で観た。ショーヴランと言えば、宝塚版では柚希礼音さん(以下:ちえちゃん)や龍真咲さんや明日海りおさん、そして我が愛しのこっちんが演じてきた、ソロ曲も多くてある意味おいしい役だが、わたしは今日、最初のころは石井氏の独特の歌い方に、非常に違和感があって、どうなんだこれ……とか大変失礼なことを思っていたのだが、どんどんとその、とにかく特徴的な歌い方がもう耳に残って、最終的には大満足というか大変気に入りました。なんだろう、音を区切るというか、非常に独特な歌い方をする方なんすね。また別の作品でお会いする日を楽しみにしていたいと思います。超汗だくだったのが最前列ではよく見えました。
 ◆ロベスピエール&プリンス・オブ・ウェールズ:この2役を一人で演じたのが上原理生氏。この方もわたしは今日が初めてなのだが、この方は最高ですね! 2幕冒頭のロベスピエール閣下のソロ曲は鳥肌もののカッコ良さだったし、その曲から、まさかの舞台上生着替えでプリンスに早変わりして、30秒前まで怒り狂うロベスピエールだったのに、超笑顔でプリンスに変身して場内爆笑でした。わたしもこらえきれず、声を出して笑ってしまったす。いやー、この方も特徴ある歌い方で、確実に声楽系・オペラ系の修練を積んだ方なんだろうというのがはっきりわかる歌い方でした。お、そうなんだ、藝大の声楽科出身なんすね。さもありなん、ですな。素晴らしいと思います。
 ◆その他
 あと、ピンパーネル団のイケメンたちの中に、わたしの知っている役者が二人出演されていた。まずは藤田玲君。わたしにとっての彼は、「仮面ライダー555」のい北崎くんすね。当時14歳。14年前のことか。歌に演技に、ずっと頑張っていたんでしょうなあ。これからも応援したいと存じます。そしてもう一人は多和田秀弥君。彼は2年前の「手裏剣戦隊ニンニンジャー」のスターニンジャーの彼ですな。君は歌える人だったんだね……知らなかった。どうかこれからも頑張っておくれ。

 おおっと!? まじかよ! 今日、ちえちゃん来てたのか!?

 くそーーー! 最前列という奇跡の席での観劇だったので、開演前と幕間は結構きょろきょろしてたんだけど気が付かなかったなあ……くそう! 抜かった……! 抜かりすぎてた! オレのアホ!

 というわけで、さっさと結論。
 宝塚版を何度も観た『スカーレット・ピンパーネル』の男性キャスト入り版を観てきた。奇跡の最前列は、すさまじい迫力で圧倒されました。最高です。お話も宝塚版よりもストレートに分かりやすくなっていた印象で、歌も歌詞が全部違ったり、キャラの性格変更やそもそも出てこないキャラなど、宝塚版とはいろいろな面で違っていて、実に興味深かった。そして、石丸氏やとうこさん、石井氏、上原氏など、ベテランの皆さんの歌は本当に素晴らしく、ブラボーの一言であります。特に石井氏と上原氏はまた別の作品で会いたいですなあ。つーか、この公演のCDって発売されているのだろうか? ぜひまた、車の中で聞きまくりたいものだが……ちょっと調べてみよっと。要するにですね、最高でした。以上。

↓ 宝塚最新Verの2017星組版。こっちんショーヴランは最高です!
星組宝塚大劇場公演ライブCD『THE SCARLET PIMPERNEL』
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2017-05-31

 実際のところ、わたしはDCコミックのキャラクターにあまり詳しくない。勿論、BATMANやSUPERMAN、WONDER WOMAN、それからAQUA-MANやGREEN LANTERN辺りは分かっているつもりだが、そのVillain(悪役)を全部知ってるわけではなく、正直に告白すると、全然にわか野郎である。
 それでも、映画オタクとしてはDC-Extended Univers(DCEU)は当然楽しみにしていたわけで、今日から公開された『JUSTICE LEAGUE』を初日にさっそく観てきたわけである。わたしは本作を観るにあたって、ポイントとなるのは2つ、Villainが誰か、そして、前作『BATMAN v SUPERMAN』で見事殉職したSUPERMANがいかにして復活を遂げるか、にあると思っていた。しかし一方では、実はわたしが最も楽しみにしていたのは、実際のところもはやストーリーではなく、美しき闘う女神、Gal Gadot様が演じるWONDER WOMANのワンダーな美しさを堪能することのみにあったと言っても過言ではない。
 で、結論から言うと、Villainは訳が分からんし、SUPERMAN復活もあまり劇的でなく、ただただ、Gal様の美しさと可愛さとセクシーさがワンダーな作品であったと言えるような気がしている。というわけで、以下、ネタバレ満載になる可能性大なので、知りたくない人は今すぐ立ち去ってください。では、中身を観ていこう。

 というわけで、事前に公開されていた予告では、一切SUPERMANは出てこない。けど、出てくるのは100%間違いないのは誰しもが分かっていることで、それがどう、感動的な復活となるか、が本作の本来の一番の鍵であったはずだ。が……どうなんでしょうなあ……アレは……。
 物語は、どうやら『BvS』の数か月後、らしい(よって『SUICIDE SQUAD』と時間軸的に被るのかも? よくわからん)。『BvS』で殉職したSUPERMAN不在の地球には、何やら謎の、羽の生えた昆虫めいた気持ち悪い化け物が現れていた。その化け物は、どうやら人間の感じる「恐怖」が大好物?らしく、20年間、Gotham Cityを守ってきたBATMAN曰く、こいつらは偵察隊だ、とのこと。一体何の偵察なのか? それは「侵略」であった。WONDER WOMANの話によると、この地球に3つある「箱」は、かつてアマゾン族とアトランティス族、そして人間が力を合わせて守ったもので、ウルトラパワーを秘めていて、それが一つになると超ヤバい事態になるらしい。そんな時、WONDER WOMANの故郷セミスキラで保管されていた「箱」が化け物の親玉に奪われる事態になってさあ大変。ブルース・ウェインは仲間を増やすためにFLASHとAQUA-MANを、そしてダイアナことWONDER WOMANはCYBORGをスカウトするために出かける。
 FLASHはごくあっさり仲間入りするも、AQUA-MANにはごくあっさり断られるブルース。そしてダイアナの方はというと、CYBORGは、どうやらその「箱」のパワーで誕生したらしいが、最初は警戒心バリバリで誰も信じようとしなかったものの、結局はWONDER WOMANの真摯な説得と美しさにノックアウトされて仲間入りを果たす。そんなころ、海中のアトランティスに現れた化け物の親玉=Steppen Wolfに、AQUA-MANもまるで歯が立たず余裕で「箱」を奪取され、最初は誘いを歯牙にもかけず断ったくせに、事ここに至って仲間入りする。かくして、「正義同盟」が成立、最後の箱を守るためにSteppen Wolfと戦う、のだが、これがまた恐ろしく強く、ならば、と天才的頭脳を持つブルースと超頭脳を授かったCYBORGが考えた結論は、死んだSUPERMANを「箱」パワーで蘇らせよう、というものだった―――てなお話でありました。
 どうですか? あんまり面白そうじゃないでしょ?
 やはり、決定的にMarvel Cinematic Univers=MCUと違うのは、BATMANとWONDER WOMANの二人以外はかなりキャラが薄いという点だろう。そして、SUPERMANも、わたしがさんざんコレジャナイ、と憤っている『MAN OF STEEL』での設定を踏襲しているので、相変わらず頭が悪いし、能力がスーパーすぎるチートキャラだ。最後はいつもの通り、超絶バトルとなるのだが、もう、またこれか、としか感想を抱けなかった。そもそも、殴っても殴られても、全く痛くもかゆくもない超人同士がどかーんと殴って吹っ飛び、さらにずばーんと殴り返して吹っ飛び、という、あの戦闘は意味があまりないような気がしてならない。アレが始まると、いかんともしがたい退屈さを感じてしまうのだが……。どうも、Warnerの幹部は、DCEUは暗いとか描写が暴力的とか、そういう点を反省材料としていて、軌道修正を図ろうと懸命のようだが、本作でそれが払しょくされたかというと、あまりそうは思えず、確かにFALSHのキャラはギャグ担当なんだろうけど特に笑えないし、ただの友達のいないおかしなガキにしか見えなかったのも残念だ。そもそも、Warner幹部の反省点がズレていて、ダークでも真面目でも暴力的でもそれは一向に関係なく、単に、キャラクターの設定が間違っているのだとわたしは思う。とりわけSUPERMANがマズイ。あれはイカン。
 今回、蘇ったSUPERMANは、当初記憶が混乱しているようで、『BvS』でボコられたこと(だけ)を覚えているにっくきBATMANをボコり返し、あまつさえ我が女神WONDER WOMANにこぶしを振り上げ、FLASHもAQUA-MAN、CYBORGもボコられる。あのシーン、本当に必要だっただろうか? いらないと思うのだが……まったくもって。素直に、善なるSUPERMANであればいいのに……。そして再生のきっかけも、謎の箱のパワーであるのはいいとして、やっぱり鍵は恋人のロイスか、母のマーサ・ケントであるべきだったと思う。今回もロイスはまるでどうでもいい扱いだったような気がしたのは残念過ぎる。なお、今回のロイスは、暴れまくるSUPERMANを止める単なる猛獣遣い役で、復活には一切関与せず、で、わたしはもう、がっかりであった。
 そしてあろうことか、VillainたるSteppen Wolfも、復活したSUPERMANにボコられ、うっかり、コイツ、怖え……とか恐怖を抱いてビビッてしまったために、恐怖が大好物の手下の化け物たちにむしゃむしゃ齧られてしまい、チクショー、覚えてろよー! と逃げてしまうオチ。なんじゃい! 笑うところだったのか、あれは?
 というわけで、かなり、何というか、もはや何も言えないような、決してつまらなかったとは思わないけれど、なんか……これでよかったのか? と良くわからない映画であった。
 なお、本作は、DCEUでは珍しく、エンディング後のおまけ映像が二つあるので、長~いエンドクレジットが終わるまで、席を立ってはいけない。一つ目は、すぐ現れるのだが、FLASHとSUPERMANどっちが速いの?選手権大会開催というある意味ギャグ映像なので、これは全くどうでもいい。問題は二つ目、エンドクレジットが全部終わってから映される映像だ。そこでは、アーカム(?)を脱獄したレックス・ルーサーが豪華なクルーザーで、とある有名Villainと会合を開くシーンが描かれている。このVillainはDeathstrokeという奴で、DCコミック的に言うとTVの『ARROW』にも出てきた悪役だ(※ただし役者はTVとは別人)。まあ、今後こいつとルーサーのタッグでSUPERMANとBATMANを苦しめるんでしょうな。DCEUが今後も続くなら、だけど。
 わたしとしては、DCEUは、SUPERMANのキャラクターを抜本的に変更しない限りダメだと思う。今回、前作『BvS』でさんざんSUPERMANをぶっ飛ばしたブルース・ウェインも、俺じゃなくてアイツの方が必要なんだ、とか、すっかりSUPERMAN擁護派になっていて、わたしとしてはなんだか興ざめだ。だって、今回だってBATMANのリーダーシップで何とか事件を解決できたようなものだし。なぜそんなにSUPERMANを持ち上げるのか良くわからない。なんというかな……正義のヒーローたちは、基本的に「愛の戦士」であるべきだとわたしは思うのだが、彼ら・彼女は、所詮身近な恋人のことばかりで、「愛の戦士」ではなく、単に「恋愛の戦士」のようにわたしには思える。それじゃあ薄っぺらくてダメだと思うなあ……。その点では、まともなヒーローはBATMANだけではなかろうか? ゆとり星人SUPERMANは、もっとちゃんとロイスやお母さんだけじゃなくて、人類への愛を持たないと、ヒーローになれないとわたしは思う。その点が、一番の問題だとわたしは思うのだが、Wanerの幹部はそんなことには気が付いてないのではなかろうか。かつての、Chjristopher Reeve版のSUPERMANは、人類のための戦士であり、そのためにはロイスでさえある意味見捨て、その結果死んでしまったロイスを復活させるために、地球の自転を逆回転させて時間を巻き戻すという荒業を使ったわけで、ああいった姿こそがSUPERMANだとわたしは思うのである。
 はーーーやれやれ。ポイントポイントは大変良かったけっれど、とにかくSteppen Wolfがザコ過ぎたのと、SUPERMAN復活のくだりが全く感動的でない、この2点においてわたしは深く失望した作品であった。
 しかし! 最後に、良かった点もちゃんと書いておこう。良かった点、それはもう、間違いなくWONDER WOMANのワンダーな美しさですよ。とにかくカッコよく、きれいで、可愛くて、セクシーで、もう満点です。冒頭の爆弾処理シーンもカッコよかったですなあ!! あの自動小銃乱射でばら撒かれた銃弾をすべてカキーーンと弾き返すGal様の美しさは失神モノでありました。本当に最高です。そして、役者陣では、やっぱりケツアゴでおなじみのBen Affleck氏演じるBATMANはカッコよかったし、アルフレッドのJeremy Irons氏も実にシブくてカッコよかった。新キャラ3人は、まあ、もちろんその見かけはカッコいいけど、キャラ的には微妙な感じすかね……一人、わたしが、おお!と思ったのは、CYBORGのお父さんの博士をJoe Morton氏が演じてましたな。『TERMINATOR2』で後にスカイネットを生みだしてしまう運命のマイルズ・ダイソン博士を熱演した彼ですね。え! うそ、今年70歳だって!? そうか、そんな歳なんですなあ。『TERMINATOR2』が公開されたのは1991年、もう26年前の映画か……やれやれだ。
 あともう一つ、わたしがこの映画で素晴らしいと褒め称えたいポイントは、音楽だ。今回音楽を担当したのは、1989年のTim Burton監督版の『BATMAN』で音楽を担当したDanny Elfman氏で、今回1989年版のオリジナルテーマもチラリと使われており、大変良かったと思う。わたしは1989年版のスコアはCDも持っているぐらい大好きで、Danny Elfman氏の音楽の大ファンなので、今回の音楽は非常に素晴らしかったと思います。

 というわけで、もうさっさと結論。
 DCコミックのヒーロー映画は、現在DC Extended Universという共通世界観で描かれているわけだが、その最新作『JUSTICE LEAGUE』は、わたしとしては2つの大問題があるように感じられた。それは、敵がショボいこと、そしてもう一つは、SUPERMAN大復活の様子が全く感動的でない点である。墓を掘り起こして死体まで見せる必要はあったのだろうか……。この2つがある意味最大のポイントだったはずなのに、見事にイマイチ感漂う仕上がりにあってしまっていて、非常に残念に感じた。ただし、今年の夏から大活躍のWONDER WOMANの美しさは際立っており、実はわたしはそれだけでもう、この映画を見に行って良かったと思えるほど大満足である。いや、本当にGal様は最高です。ホント可愛いよなあ……そして美しい……マジ最高です。Gal様は。以上。

↓ ちゃんと読まないとダメかもなあ……
ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!) (ShoPro Books THE NEW52!)
ジェフ・ジョーンズ
小学館集英社プロダクション
2012-12-15

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間ですが、明日は勤労感謝の日で祝日ですので、本日水曜日に『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 現在毎日熱戦が繰り広げられている大相撲九州場所については、いろいろ書きたいことがありますが微妙なことも多くてやめにしておきます。ひとつだけ、わたしが応援している松鳳山裕也君は、昨日の十日目現在3勝7敗と星は良くありませんが、相撲の内容はとても松鳳山関らしいいい相撲が多く、ま、実際のところ星には不満ですが、頑張っていることは間違いなく、今後も応援を続けたいと存じます。やっぱり、幕内土俵入りのときにはひときわ小兵すねえ、松鳳山関は。それでいてガッツあふれる張りや押しが、わたしを熱くさせるわけで、大変素晴らしい力士だと思っております。そして九州場所ということで、わたし的には「毎日必ず客性にいる和服美人」のお姉さまを日々探し、おっと、今日は洋服だ!とか、若干ストーカー気味ににやにやするの図であります。変態サーセン!
 では、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年52号概況です。
 ■巻頭グラビア:久松郁実嬢。超極上で素晴らしいすねえ!
 ■弱虫ペダル:つめたい雨の巻。手嶋先輩&葦木場くんの過去話終了、最後の勝負だ!
 ■刃牙道:今週は休載、どうも次号は2話掲載のようです。
 ■BEASTERS:博愛主義のディープワールドの巻。レゴシ突然襲われるの巻です!
 ■囚人リク:命令の巻。さあ、脱獄完了、リクたちのターンになるのか!?
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週はとうとう【王虎】さんVS新生【百雲】関の勝負の結末までが描かれ、【王虎】さんがぶん投げるの図で終わりました。今週は、NHKアナの「勝負あったーー!! 勝ったのは王虎ーーー!!」の絶叫と、ドワアアアと沸く観客席の様子から始まりです。
 今週はですね、【王虎】さんとNew【百雲】関の心のセリフですべてが語りつくされますので、その要約をお伝えするのが手っ取り早いと思われます。
 まずは、NHKアナの実況です。「百雲渾身の押しを見せるが王虎には通用せず 終わってみれば圧倒的な強さを見つけた王虎! 文句なしの圧勝で無傷の11連勝―――!!」
 です。うむ、という表情の虎城理事長、涙を流す新発田部屋親方、そして土俵でやり切った感?でゼェゼェと息を切らすNew【百雲】関が描かれます。
 そしてそんなNew【百雲】関を見下ろす【王虎】さんの長いモノローグが入りますよ!
 「どれほどのものか期待はしたが…しょせん何かを捨てなければ 何かを手に出来ない奴なんてこの程度 俺が欲しいのはもっと貪欲で強欲な純粋さ… お前のようにつくったものじゃなく…喰うか喰われるか… ギリギリのせめぎあいだけが俺を高みに上げる… 求めるのは 鮫島とのあの一番…」( ここでは、Brustでのあの一番が王虎さんの脳裏に描かれます。そして、「腹の足しにもならねーよ…テメーのレベルじゃ…」と捨て台詞を吐く【王虎】さんが1ページブチ抜きで描かれます! カッコイイ! 離れ眉の癖に! そして相撲記者としては新人の橋くんのモノローグが入ります。
 「驚いたな…似てたのは百雲じゃない…むしろ王虎の相手を引き上げる相撲こそ 鮫島と同じじゃないか…」 まあ、要するにそういうことなんすね。なるほど、す。そしてさらに、父であり師匠である往年の大横綱でもある虎城理事長も、この戦いを観て感じた想いがモノローグで語られます。
 「負ける訳にはいかなかっただろう…いや……負ける訳がなかったと言うべきか…百雲の相撲は 王虎…お前が通り過ぎてきた道……鮫島とのあの一番がなければ…今の王虎はなかっただろう…百雲にもそういったキッカケがもう少し早くあれば…百雲もまた違った答えを出したかもしれなんな…」
 というわけで、花道を引き揚げるNew【百雲】関には、観客席からは「あの相撲ならまた応援するぞ」とか「最後は良かったぞ」と信頼回復な声がかかっています。そして出迎えた新発田部屋親方もいい相撲だったと嬉しそう。しかし! 【百雲】関の表情はもはやボロボロで疲れ切った様子。親方たちは言葉を失います。そして【百雲】関の口から出たのは、今までご迷惑をおかけししました、もう疲れました、これで俺は、終わります、という引退宣言。【百雲】関は語ります。
 「いや…俺は終わってたんだ…あの泡影戦で…それを王虎のおかげでやっと飲み込めた…それどころか…あの泡影戦以上の力を…自分の能力以上の力を最後に出せた…その上で王虎(アイツ)は俺を 叩き潰してくれた…ちゃんと殺してくれた…アレも…器が違う…」
 この、最後の「アレも」というときの【百雲】関は、花道から振り返って土俵を見ています。そしてそこでは、勝ち残りの【王虎】さんが、横綱【泡影】へ力水を差しだしています。こここは何と見開きで、ズドーンと描かれる「横綱へ力水を差しだす王虎さんの図」です。なにやら極めて神々しい風景で、その様子に橋くんはブルリと身震い。ついに【王虎】さんも、横砂の存在感に負けていないほどになったようです! そしてそんな土俵を見た【百雲】関は、晴れやかな表情で言います。
 「最後の相手が…王虎(アイツ)で良かった…」
 というわけで、今週ラストはナレーションで終わります。
 「引退を決めた力士の目は 安堵に包まれたような優しさが宿るという…百雲の目にそれを見た親方の新発田は 何も言わずにそれを了承 そしてこの日 百雲は引退届を提出した」
 ラストのコマは、国技館から引き上げる【百雲】を待っていた綾子ちゃんの後ろ姿ですよ。は―――……【百雲】関、お疲れ様でした……。なんというか、綺麗にまとまりましたねえ……来週からは、また描写は鯉太郎に戻るのでしょうか。そして椿ちゃんや親方の想い、そして鯉太郎の行動は――!? と目が離せないわけで、来週も既にもう楽しみです! 最高すね、『鮫島』は!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
 --------
 【王虎】東大関。11日目現在11勝0敗
 【猛虎】東大関。10日目現在10勝0敗。11日目って結果出てましたっけ?
 【天雷】東関脇 11日目現在9勝2敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は【王虎】さんの考えがはっきりわかり、そして【百雲】関が引退を決意したところまでが描かれました。そして【王虎】さんの存在感はもはや横綱に匹敵する神オーラを纏うまでになり、いよいよ本命であるVS鯉太郎戦も近づいている気配です。もちろん、【猛虎】さんも、素人時代の鯉太郎への借りを返す時を待っているでしょうから、鯉太郎最後の4番も大変なことになりそうですなあ! ヤバいす。我々読者としては、毎週ワクワクしながら今後の展開を待つしかないわけですが、はあ……しかしつらいというか、もうとにかく鯉太郎が心配でなりません。まったく大丈夫じゃないわけで……どうなるんすかねえ……佐藤タカヒロ先生、今後ともよろしくお願いいたします! 何をよろしくなのか我ながら良くわかりませんが! 以上。

↓ 来場所はまた前頭10枚目ぐらいに下がってしまうなあ……まあ、それでも応援します!





 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は会社の引っ越しで映画は行けませんでした。とりわけ見たいと思っていた作品もなかったし、今日もこの時間まで、もうヘトヘトなので、さっさと興行通信社の大本営発表をメモって終わりにします。

 1位:『イット』が17日間で11.4億まで伸ばしたそうで、堂々の1位獲得。へええ~!口コミとかなんでしょうか。大したものです。King大先生の大ファンとしては嬉しいですが、どうか原作も読んでほしい! そして大人編の真のエンディングを味わっていただきたい!
 2位:『HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』が9日間で7~8億ほどと見積もる。
 3位:『GODZILLA 怪獣惑星』が公開土日で1.03億稼いだそうです。これは金曜公開か。3日間だと1.5億ほどだろうか? 数字的には……東宝的にどうなのでしょう、物足りないのか、十分なのか、ちょっと良くわからないです。本格ドSFな物語設定はかなり面白そうですな。
 4位:『泥棒役者』が公開土日で0.89億だそうです。これだけ映画を観ているわたしでも、1度も予告を見なかった……。どんな映画なのか知らないので勉強しておきます。
 5位:『マイティ・ソー バトルロイヤル』が17日間で10億届かず程度と見積もる。わたしのまわりは大絶賛が多く、アレで良かったんすかねえ……まあ、笑えたからいいのかな……。
 6位:『ラストレシピ―麒麟の舌の記憶―』が17日間で7~8憶ほどと見積もる。若干厳しいか。
 7位:『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!思い出のミルフィーユ!』が23日間で6~7億程と見積もる。
 8位:『ご注文はうさぎですか??―Dear My Sister―』が9日間で2億チョイ越えぐらい?と見積もる。
 9位:『ローガン・ラッキー』が公開土日で0.5億チョイ越えとかそんなあたりだろうか? この週末引っ越しがなければこの映画を観に行ったのに……多分もう劇場へ行く企画はなく、WOWOWでの放送待ちです。そして、ああ、やっぱり劇場へ行くべきだったと後悔しそう……。面白そうすね。
  10位:『ミックス。』が30日間合計で12億を超えたそうです。ガッキーマジ天使すね。
 とまあ、こんな週末だったようです。
 
 今週は23日の祝日公開の『ジャスティスリーグ』がわたしとしては大変待ち遠しく、当然観に行くつもり満々です。でもなあ……どうなんだろうなあ……物語的に……スーパーマンの大復活で盛り上がるんすかねえ……。。。ま、わたしは美しきWONDERWOMANことガル・ガドットさまが観られるだけで満足しそうな気がしますので、いずれにせよ楽しみであります!

 というわけで、結論。
 この週末は大型作品がなく(?)、3週目の『イット』が1位に躍進。個人的には大変うれしいです。そして注目の(?)アニメ版『GODZILLA』は1億チョイ発信。東宝の威信がかかっているのか知りませんが、まあ、公開スクリーン数も何気に少ないので、上々な滑り出しなのでしょうか(?)。そして、世界中が待っている『スター・ウォーズ』も公開まで1カ月を切ってきたわけで、いよいよ映画興行の世界はいわゆるお正月興行に近づきつつありますな。楽しみであります。以上。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 現在熱戦が繰り広げられている平成29年大相撲九州場所ですが……何ともコメントのしようがない事件発覚で、しょんぼりですが、わたしとしては土俵上で戦い続ける力士たちを素直に応援することにしております。我が愛する松鳳山裕也君は、昨日の4日目時点で2勝2敗。親方にカッコイイ報告をするためにもますますの頑張りを期待したいと存じます。初日のVS【嘉風】関との戦いはホントにカッコ良かったぜ!
 ホントは九州場所ということで、毎年わたしが探すのを楽しみにしている「毎日必ず客席にいる和服美人」の件について書こうと思ったのに、なんか調子が狂ったのでやめにして、さっさと始めます。
 では、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年51号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版は誰か調べてません。
 ■弱虫ペダル:ふたりの山岳賞の巻。手嶋先輩と葦木場くんの中学時代編です。
 ■刃牙道:喰らわばの巻。武蔵も刃牙もお互い御馳走みたいすな。わけが分かんけど。
 ■BEASTERS:信徒の生き甲斐の巻。巻頭カラーっす。新刊は12月発売す。
 ■囚人リク:脱出の巻。とうとう塀の外に出たリク一行。長かったすねえ!
 ■Gメン:嵐の一年生の巻。新学期篇突入す。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:女子会潜入大作戦の巻。ドラ美……笑えましたw
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週はラストでついに【百雲】関の闇は晴れ(?)、あの横綱【泡影】に勝ってしまった、【百雲】関得意の形を繰り出して【王虎】さんの前ミツをがっちりホールドするところまでが描かれました。いわば【百雲】関必勝の形、であります。
 そこに至るまでの流れは、【王虎】さんによる「偽物が」「チープなんだよ」「くだらねーことにつき合わせるな」というキツイ口撃があり、ダーク【百雲】のダーティーファイトに、何ら価値を認めない【王虎】さんの正論というか、まっとうな「相撲道」への姿勢?のようなものがあったわけで、それによって、ようやくReturn of the【百雲】関となったわけです。
 というわけで、今週は「ほう…王虎に掘られ 顔を出したか…」という虎城理事長のお言葉から開幕です。新発田部屋親方も、涙を流して「戻った…のか…!?」と驚きの表情、部屋の若い衆も「おっ…おい…」「あぁ…あの形は…」と動揺、場内も驚きの様子で静まり返ります。
 そして【百雲】関はというと―――鼻血を出し左目は腫れてふさがっていますが、全力で【王虎】さんと組んで、両者たがいに押し合う膠着状態。その時頭によぎるのは、やっぱり、愛する綾子ちゃんの姿であり、部屋のみんな、親方、そういった、これまで自分を支えてくれた人々の姿であります。
 「俺は…1人じゃ何も…ゴメン…ゴメン…ゴメンなさい…やっと…やっと飲み込めた…」
 そんな【百雲】関の姿に、部屋の若い衆が「押せ――――!! 押せ――――百雲!!」と大声で声援を投げると、ついに場内も百雲への応援が! 今までのダーティーファイトにまだふざけんな的感情を持つお客さんや、土俵上の姿に素直に応援したくなるお客さん、様々ですが、場内は沸いてまいりました! 【百雲】関も、ことここに至って、初めて、綾子ちゃんのあのセリフ「大丈夫だよ…」と言ってくれたあの笑顔の意味が分かったようです! 
 「うん…ありがとう…」
 さあ! 闇の晴れた【百雲】関の背中からは、光のオーラ的なものが立ち上がってまいりました! NHKアナも絶叫です!
 「ここにきて百雲 昔を取り戻してきたかのような押しを見せる!」
 しかし新発田部屋親方は、このNHKアナの解説に涙を流しながら反論します。
 「違うよ…あれは 昔の百雲なんかじゃない…苦しんで…悩んで…足掻いて…やっと辿り着いた新しい形…それが証拠に 俺は百雲(アイツ)の…あれほど美しい相撲は見たことがない…」とのこと。NEW【百雲】の誕生であります! そして「おおおおっ」の咆哮とともに押しに入るNEW【百雲】関! しかし! ページをめくると! 【王虎】さんの超イイ笑顔がドアップで描かれています! こ、これは!? 記者の橋くんは思います。
 「わざわざ これを引き出したのか…!? 王虎…」
 そうです。【王虎】さんの表情はまさしく、これを待ってたんだよ! と嬉しそう! Burst時代からは考えられない超イイ笑顔じゃあないですか! そして一気に押し返す【王虎】さん。「オラ…これがテメーの全てか…?」と言う表情も、若干嬉し気です。そして二人は全力をもって押し合い、力をぶつけあいます。NHKアナもまたしても絶叫です。「百雲 渾身の力で持っていったーー!!」
 しかし! 【王虎】さんはNEW【百雲】関の「全力」をしっかりと受け止めます。その刹那、NEW【百雲】関は悟ります。その表情は絶望ではなく、素直に相手を称賛する、いい顔をしているじゃあないですか!
 「クソ…吸われる…スゴイな…王虎(オマエ)…」
 そして【王虎】さんも、これは笑顔、でしょうか、当たりめーだ、的ないい表情ですよ。【王虎】さんはNEW【百雲】関の両腕を半ば極め気味に抱え……めくったページの先は、見開きでNEW【百雲】関をぶん投げる【王虎】さんの図、が大迫力で描かれておりました。勝負あり、で今週は幕であります。
 なるほど、こういう展開になったのですなあ……【王虎】さんが欲するものは、鯉太郎のような「ド直球」の「全力」であり、これまでの鯉太郎の戦いでも、相手は常に鯉太郎の「全力」に引っ張られて、自らの「全力」を出してきたわけで、鯉太郎と【王虎】さんには共通するものがあるのでしょうな。しかし、【天雷】関の言う通り、鯉太郎の「全力」は常識を超えるものであり、北斗神拳的に言うと、人間は自分の体が壊れないように潜在能力の100%を使うことはできないわけで、ブッ壊れることを恐れない鯉太郎の「全力」はもはや異常なわけです。これは……鯉太郎VS【王虎】さんの戦いが超ヤバいことになるのは、もはや確定的に明らかですなあ。しかし、恐らく【王虎】さんとの闘いの前に、まだ鯉太郎は【猛虎】さんとあと一人、倒さないといけない相手がいるわけで、はーーーとにかく鯉太郎の次の対戦相手が誰になるのか、大変大変楽しみですね。
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 11日目現在9勝2敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は【王虎】さんVS【百雲】関の結末までが描かれました。結果としては【王虎】さんの圧勝、と言えそうですが、そのことによってついに【百雲】関の闇も晴れたわけで、大変興奮する一番でありました。そしてこの戦いが終わると、おそらく来週からは鯉太郎の続報を我々は知ることが出来そうな予感です。はたして椿ちゃんの想いは鯉太郎にぶつけられるのか、そして親方からは「どうすんだ?」が発令されてしまうのか、それとも、何事もなく十二日目の描写に移るのか。鯉太郎の最後の十五日目まで、あと四番。相手が誰なのかも大変気にになるところでありますが、物語はクライマックスへ近づきつつあり、今後も大変楽しみであります。完結まであと1年ぐらいはかかるんすかねえ……わかりませんが、毎週応援し続けたいと存じます。以上。

↓ しつこいですが、単行本最新刊(15)巻が絶賛発売中ですので、せめて単行本は買って応援していただければと存じます。よろしくお願いします!

 以前、とある若者にお勧めしてもらって読んでみたところ、大変面白くて気に入った漫画『僕と君の大切な時間』。

 昨日その3巻が出たので(電子で。紙で同時なのか知らない)、さっそく買って読み、うん、やっぱ面白い、と再確認したわたしであるが、夕方、わたしが電子書籍を買っているBOOK☆WALKERより、一通のメールがポロリンと届いた。曰く、ゲリラコインバックフェアを今日の夜開催するぜ、とのこと。通称「ゲリラコイン」とは、まったくランダムに、(お知らせメール登録者以外には)事前告知なく急に始まるフェアのことで、通常は買い物の度に数%のコインバックがあるのだが、ゲリラ開催時は最大で45%とか、その還元率がグンと上がるわけである。
 えーと、要するにですね、400円のコミックを買うと、180円のコインを返還してくれるわけで、実質220円で買えます、ということだ。ただ、注意しないといけないのは、220円で買えるわけではなく、あくまで400円支払わないといけないわけで、後で使える180円分のクーポンがもらえる、みたいな感じである。ヨドバシのゴールドポイント的な感じですな。おまけにゲリラの場合は。たいてい直近1カ月以内に配信開始したものは除く、という縛りもある。
 しかしわたしは毎月1万円以上BOOK☆WALKERで買い物しているので、この「コインバック」されたコインがばかにならず、統計的に毎月4000円近くもらえており、前月にもらったそれを使うことで、結果的にわたしは毎月6000円ぐらいしか実際に支払っていないのが現状である。
 というわけで、「ゲリラ」のお知らせメールが届くと、よーし、なんか買ったるぜ!的な気分になり、昨日の夜も、なんか面白そうなのねえかなー、とサイトを渉猟することとなった。そして、まったく偶然? の結果、以下の漫画が、わたしの中に潜む何らかの面白センサーに反応したため、まずは(1)(2)巻を買って読んで見たところ、これが大変面白かったので、現状出ている最新刊の(6)巻までを一気買いして読んでみることとなったのである。そのタイトルは『町田くんの世界』という作品である。

 集英社の別冊マーガレットに連載中らしいこの漫画は、いわゆる少女漫画で、わたしの普段の生活においてはまったく縁がないはずだが、こうして電子の世界での出会いもあるわけで、全く不思議な世の中だと改めて思う。
 物語は、おっそろしく不器用な町田 一(まちだはじめ)くんの日常を追ったもので、とりわけ劇的な何かが起こるわけでもない。町田くんは、勉強もスポーツもまるでダメ男だが、とにかく、「ウルトラいい奴」なのである。わたしは、この漫画で、ここまでストレートに描かれる町田くんの行動に、なるほど、世に言う「優しい」ってのはこういうことか、と改めて知らされたような気がしてならない。
 おっと、どうやら今、集英社のWebサイトで、1巻目がまるまる無料で読めるようなので、一応そのリンクを貼っておこう。どうも期間限定だから、すぐにリンク切れになっちゃいそうだけど、まずは読んでもらった方が話は早かろう。→こちらへ

 わたしはおそらくは、世間的に冷たい男としてお馴染みであろう、と思っている。実際、表面的には落ち着いた男としての体裁を保っているつもりだが、心の中ではよく人に対して罵倒しているし、結構な頻度で人を嫌いになる。そして嫌いになった人はわたしにとってはもう視界に入らず、完全にどうでもいい存在になるわけで、そいつが大出世しようが、あるいは死んでしまおうが、「へえ~」の一言で、心には一切のさざ波もたたず、5秒後にはそのことは記憶から失われるほどなのだが、町田くんはまったくわたしと正反対だ。わたしは、「優しい」ってどういうことなのか、実のところこんなおっさんになった今ですら良くわからないでいる情けない中年オヤジなのだが、どうやら、町田くんの思考と行動は、まさしく「優しい」とはこういうことなんだろう、とわたしに思わせてくれるものなのである。こりゃあなかなか凄い漫画ですよ。
 わたしは今まで、世に言う「優しい」ってのは、それって要するに甘やかしてるだけじゃね?とか思ってきたわけで、全然関係ないけど、料理や食べ物に対して「優しい味~」とか言う評を聞くと、「アホか、味に優しいもクソもあるかこのボケ!」とか内心思ってきたヒドイ男である。
 だが、どうやら、この『町田くんの世界』という漫画によれば、どうも「優しい」というものは、「人に対する愛」であり、大げさに言うと「人類愛」的なものであるらしいということが分かった。もちろん、わたしもそれなりに人類愛のようなものは、内心に抱いているつもりだが、それを、ド直球で言葉にし、ド直球の行動に移すこと、がさらに重要なことなのではないかとわたしはこの漫画を読んで感じた。
 ちょっとだけ、ページをキャプった画像を載せておこう。
machida-1
machida-2
 これは(1)巻で描かれる、猪原さんとのシーンだ。町田くんは、とにかく勉強もスポーツもダメだけど、その「優しさ」で周囲に愛されているのだが、町田くんとしてはまったくその意識がない。そして同じクラスの猪原さんという少女と、段々仲が良くなって行く。猪原さんは、元々私立の女子中出身であったが、とあることがあって、高校は町田くんと同じ、ランク的には下の公立高校に通い、現在町田くんと同じクラスである。しかし彼女は、人嫌いで、人を寄せ付けないオーラを振りまいていたのだが……(6)巻現在ではもう、完全に町田くんが大好きでメロメロである。そんな猪原さんが、町田くんを決定的に好きになる、いいシーンであります。
 まあ、このページだけでは全く伝わらないと思うけど、こんなことを言われたら、もう完全に恋に落ちますよ。そりゃあもう間違いないっすわ。
 こんな感じで、町田くんは次々に多くの人の心を撃ち抜いてゆく。そして本人にはその自覚ゼロ(であり、猪原さんとしてはどんどんライバルが増えてヤキモキすることになる)。タチが悪いと言えばまさしくそうだと思うが、まったくの天然であり、町田くんに心射抜かれてしまった人々は、町田くんだからしょうがないし、そうでなければ町田くんじゃない、とさえ思ってしまうわけで、これはもう、本物であろうと思う。

 しかし思うのは、人は、たとえわたしのような冷たい男であっても、人を思いやる心は一応備わっているのに、それを行動に、言葉に表せないのは一体なぜなんだろうか? なんなんだろう……アレかな、いろいろ「先を計算」してしまうからなのかな? 打算……じゃあないな、なんだろう、その自分の言動が及ぼす影響について、その結果を無意識に、瞬時に、脳内で検討しているため、なんだろうか? 実はわたしは、最初のうちは、町田くんのキャラ設定について、そんなに人のことが思えるなら、十分賢いだろうし、勉強だってできるだろうに、なんでこんなキャラ付けにしたんだろう? とか思いながら読んでいた。でも、そうか、「先を考えない」から、ド直球な言動が取れるのかも? という気がしてきたのである。おまけに後悔のようなものも一切なく、見返りも求めることもなく、迷いなし、だ。
 故にわたしが抱いた結論は、ひょっとすると、これが人類愛ってやつか、というものである。これはもはや仏教だろうとキリスト教だろうと、なんでも構わないけれど、ある意味宗教的な根源? に近いモノなんじゃなかろうか、とさえ思えたのである。
 現在の最新刊(6)巻では、とうとう、猪原さんに対して、町田くんは「心がドキドキする気持ち」を理解しつつあり、これが恋なのだろうか? と気づき始めており、今後の展開が大変楽しみである。そして町田くんは現在17歳。果たして彼はどんな大人になるのだろうか? 悪意に満ちたこの世においては、正直若干心配だが、まあ、町田くんはきっと大丈夫であろう。別に何も求めていないのに、誰にでも愛される町田くん。まったくこれはすごいことで、わたしは大変気に入りました。

 というわけで、結論。
 ふとしたきっかけで、買って読んでみた少女漫画『町田くんの世界』という作品は、まるで不意打ちのように、わたしの心に刺さってしまった大変面白い作品である。優しいって、きっとこういうことなんでしょうな。しかしそれが分かっていても、町田くんのような言動を取るのは、おそらく容易ではなく、心がけよう、なんて意識すればそれはもう、違うものになってしまうような気もする。難しいですなあ。生まれ持ってのものなのか、育った環境なのか……性善説・性悪説なんて考えているようじゃあ、町田くんのようにはなれないんだろうな……まあ、わたしも少しは町田くんのように生きてみたいと思います。もう中年だけど、遅くないよね、きっと。大変面白い漫画でありました。以上。

↓ 作者の安藤ゆき先生のことが大変気になったので、こちらも勢いで買いました。大変面白かったです。

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末は、約1年前に読んだ『ザ・サークル』という小説が映画化されて日本でも公開になったので、観てきました。ズバリ言うと、小説版は超後味悪いエンディングなのですが、映画版は全然違うエンディングでありました。その結果、ちょっとだけすっきりな印象ですが、いかんせん、かなり原作を圧縮縮小した感は否めず、結論としては小説の方がわたしは興味深いものだったと思います。なんか……猛毒をはらんだ内容が、相当ライトになったような気がしました。
 では、さっさと興行通信社の大本営発表をメモっておきます。

 1位:『HiGH&LOW THE MOVIE3/FINAL MISSION』が公開土日で3.04億稼いで1位。強いですなあ。最終章だそうで、松竹はこのシリーズに大変お世話になりましたね。
 2位:『イット』が10日間で7.27億だそうです。頑張ってますなあ。公開スクリーンも52も増えたそうです。へえー。でも原作を読んでほしいなあ……映画で描かれる子供時代編だけじゃなく、原作では大人編も面白いのだが……
 3位:『マイティ・ソー バトルロイヤル』が10日間で7.37億だそうです。こちらも結構順調?すね。大変喜ばしい限りす。
 4位:『ご注文はうさぎですか??―Dear My Sister―』が公開土日で1.02憶稼いだそうです。40スクリーンでの限定公開、こういったコア向けアニメは今や劇場が一番手っ取り早く稼げるような気がしますな。
 5位:『ラストレシピ―麒麟の舌の記憶―』が10日間で5~6億ぐらいと見積もる。若干元気なしか? 
 6位:『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!思い出のミルフィーユ!』が16日間で6億届かずぐらいと見積もる。
 7位:『ミックス。』が23日間合計で11億突破だそうです。若干弱めのような気がしますが、10億を超えてくるのはさすがガッキー、マジ天使す。
 8位:『ブレードランナー2049』が17日間合計で8~9億ぐらいと見積もる。映画としての完成度は、わたしとしては今年ナンバーワンす。
 9位:『斉木楠雄のΨ難』が23日間合計で7~8億ぐらいと見積もる。
  10位:『先生!、、、好きになってもいいですか』が16日間合計で4~5億ぐらいと見積もる。
 とまあ、こんな週末だったようです。
 次の週末は、わたしは会社の引っ越し作業があって映画に行けませんが、ちょうど見たいものはない……かな。そしてまたTOHOシネマズのマイルが6000マイル貯まったので、また1か月フリーパスをもらえるわけで、どのタイミングでパスをもらうか、若干悩ましいところす。まあ、12月の頭かなあ……年末年始は、また一人寂しく映画三昧で過ごそうと存じます。

 というわけで、さっさと結論。
 今週の1位は人気シリーズ『HiGH&LOW』の最終章でした。ま、そりゃそうか。しかし『イット』が順調に売れていてうれしいすね。その勢いで原作も売れてくれないかなあ……とStephen King大先生の大ファンたるわたしは思うのでありました。以上。


 人間の心理には「怖いもの見たさ」という謎の情動が存在しているが、どういうわけか、やめときゃいいのに、「怖いもの」に妙に惹かれてしまうわけで、現在、上野の森美術館で開催されている絵画展『怖い絵展』は、連日大変な混雑となっているそうだ。
 わたしは、↓この中野京子氏による著作を10年前、朝日出版から出た当時(※現在は下記の通り角川文庫から出ている)に、知り合いに勧められて読んだが、特に、ふーん、ぐらいの感想しか抱かなかった。
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)
中野 京子
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-07-23

 そして今、上野で開催されている『怖い絵展』に関しても、あ、これ、アレか、とすぐに思い出したものの、実はあまり観に行く気にはなっていなかった。
 しかし、である。先週観劇した『Lady Bess』というミュージカルが大変素晴らしく、16世紀のイギリス史に大いに興味を持ったわたしとしては、そういえば今やってる『怖い絵展』のメインである「レディ・ジェーン・グレイの処刑」は、まさしくその時代で、『Lady Bess』に登場するメアリー1世、俗にいう”ブラッディ・メアリ―”に処刑されたシーンを描いたものだ、ということを連想し、やっぱ上野に行って来よう、とあっさり気が変わり、本日朝7時過ぎに家を出て、現地に7時54分に到着したわけである。
kowaikabe
 あちゃあ……朝日が射していて思いっきりボケてる……ホント写真の才能ねえなあ……。ま、そんなことはともかく、開場は9時というので、おっそろしく混んでいると噂の本展でも、1時間前に着けば何とかなるだろう、と根拠なく思い、実行したわけだが、わたしが到着した7時54分には、およそ5~60人の熱心な老若男女が集っており、へええ? と思わせる盛況であった。なお、開場時にはその列はおよそ10倍以上伸びており、わたしが観終わって出てきた時には同じぐらいかそれ以上の入場待機列となっていた。ちょっと早起きすりゃいいのに……そうしない理由がわからねえ。
 というわけで、小1時間、周りはみな複数での来場の中、わたしは一人突っ立って電子書籍を読んでいると、感覚的には結構あっという間に時間がやってきて、いざ入場となった。当然チケットは事前に購入済みだ。
kowaiticket
 入場に際しては、音声ガイドを借りる人と借りない人で分かれていて、驚いたことに2/3ぐらいの方は「借りる」人の列に並び、結果的にわたしは「借りない人」の最初の20人に含まれることとなった。そして開場して、借りる人20人、借りない人20人、と20人ずつの入場であった。なので、会場内は全くのガラガラで、気分よく見られたのが非常にありがたかった。
 音声ガイドは、わたしもたまーーーに借りることがある。実際、知らないことをいちいち教えてくれる便利なアイテムで、本展では女優の吉田羊さんがナレーションしてくれるらしい。まあ、借りる借りないは全く自由だが、今回わたしは元々の中野氏の著作を読んでいるのでスルーである。
 で。本展は、構成としては6章に分けられていて、総タイトル数は……83点かな、なかなか見ごたえのある作品が多く集められていた。意外と時代的に新しい作品が多いのがちょっと意外だったかも。
 が、作品ごとにちゃんと解説が展示されているのだが、ズバリ言って、わたしが怖いという意味で、コイツはヤバい、と感じた作品はごくわずかで、実際わたしは43分であっさり鑑賞を終えてしまった。
 主に前半は神話や聖書、ギリシャ悲劇をモチーフとした「怖い」作品がそろっている。この辺りは、わたしはほぼ知っているエピソードを題材にした作品で、興味深くは感じても、怖さは感じない。例えばセイレーンやオルフェウスだったり、あるいは現在絶賛公開中の映画『THOR:RAGNAROK』でもお馴染みの雷神トールがムジョルニアを振りかざしている絵だったり、映画に出てくる死の女神ヘラの元になったヘレネ―だったりと、キャラとしては有名人が多かったように思う。なので、怖いというより、おお、これはあの!的な感動の方がわたしは大きかった。
 そう、ズバリ言うと、わたしがこいつはヤバい!と感じたのは、『切り裂きジャックの部屋』とメインの『レディ・ジェーン・グレイの処刑』の2点だけだ。
 まず、『切り裂きジャックの部屋』である。1906-07年の作だというので、切り裂きジャック事件の約20年後という事になる。
Jackthelipper
 解説によると、作者のWalter Sicket氏は『スカーペッタ』シリーズでおなじみのPatricia Cornwellおばちゃんが7億円だったか、大金をかけた最新の科学調査によるDNA判定の結果、ジャック本人と推定されている人だそうだ。以前、切り裂きジャック関連の小説を読んだときに、調べてたことがあるのに、すっかり忘れていたよ。そうそう、画家だった、と思い出した。
 しかし、わたしとしては、その正体の真偽は実際どうでもいい。この絵そのものがはらむ、底知れぬオーラ、妖気めいたものに、わたしは漫然と怖さを感じたのである。上記の画像じゃあそれは全然伝って来ないと思うけれど、本物のこの絵は、実際ヤバイと感じた。なんだろうな……言葉にできないす。
 そしてもう1点は、メインの『レディ・ジェーン・グレイの処刑』だ。この絵の迫力はただ事ではないですよ。超生々しくて、マジ怖い!
LadyJaneGray
 そもそも、その大きさからしてわたしの想像を超えていた。この絵、どのぐらいの大きさだと思いますか? わたしは、120㎝×150㎝ぐらいかしら? と特に根拠なく思い込んでいたのだが……なんとその大きさは246㎝×297㎝、わたしの想像の倍のデカさであった。はっきり言って誰しもが圧倒され、息をのむのではないかと思う。この絵は、解説によると1833年の作で、その後ロシア貴族の手に渡り、長らく公開されずにいたものの、20世紀になってイギリス貴族が購入し、ロンドンのナショナル・ギャラリーに寄贈されたんだそうだ。そして、その後洪水で水をかぶった(?)ものの、修復リストの下の方に埋もれ、長らくその所在すらも忘れられていたところ、ひょっこり、こ、これは! と再発見されたものらしい。
 とにかくすごいのが、その強烈なコントラストで、黒と白のパキッとした色彩はおそろしく印象的だ。なんというか、奥行き感がすごく、白の衣装のグレイ嬢が浮き上がって見える超立体感がすごい。そして各人物の表情がこれまたヤバイ。ちなみに、右端の斧を手にしたタイツの男が処刑人です。ミュージカル『Ledy Bess』では処刑人をフランスから呼んだと言っていたけど、ビジュアル的にかなりイメージが違うし、やけにリアルで怖い! 現在の、いわゆる「ロンドン塔」での処刑だが、実際はこの絵に描かれているような室内ではなく、野外で執行されたらしいですな。くっそう……ロンドンもやっぱり1度訪ねてぶらついてみたいものですなあ……。

 とまあ、こんな感じに、ラストにこのメイン『レディ・ジェーン・グレイの処刑』がズドーンと展示されているのだが、まあ、これは混雑の中で観るとそのすごさが実感できないのではなかろうかと思う。この絵の前に人が立ってほしくないし、全体を見渡せないとダメなんじゃなかろうか。わたしが観たときは、部屋に10人ぐらいしかいなかったので、超快適に、視界に絵以外誰も入らないというほぼ独り占め状態で鑑賞することができた。
 そして観終わって、今回はどうするか少し悩んだけれど、読み物としても面白そうだし、人に見せる機会もあろうと思われたので、図録は買うことにした。2500円ナリ。ミュージアムショップも、きっと普段は混雑していると想像できるが、わたしが行ったときは3人しかいなかったっす。ま、結論としては早起きは三文の徳、ですな。

 というわけで、さっさと結論。
 10年前に読んだ中野京子氏の著作『怖い絵』を題材にした(?)『怖い絵展』を上野に観に行ってきた。やっぱり絵画鑑賞は朝イチに限ります。全く快適でした。そして、正直、本当に怖い作品は、わたしには2点しかなかったです。ただ、全く怖くないけれど、わたしの大好きなTuner氏の作品も1点展示されていて、わたしとしては大満足でありました。会期は残り約1か月かな、気になる方は今すぐGO!でお願いしたいですが、まあ、ちょっと早起きして、朝イチに行った方がいいですよ。観終わる頃に、上野の町のお店は開店し始めて、お茶でも飲んで買い物でもして下さい。わたしも、観終わった後、出来たばかりの上野パルコをぶらついてきました。以上。

↓ そういやこれもチケット買ったはいいけどまだ行けてないので、そのうち行ってきます。くそ、今日一緒に行ってくりゃ良かったかも……。
hokusaiandjaponism

 わたしがDave Eggers氏なる小説家の作品『The Circle』を読んだのは、去年の12月のことで、その時このBlogにも散々書いたが、おっそろしく後味の悪い、実に気味の悪い作品であった。しかし、たぶん間違いなく、Eggers氏は確信犯であり、読者を不愉快にさせ、SNSなんぞで繋がってる、なんて言ってていいのかい? というある種の皮肉を企図している作品なので、その手腕はなかなかのものだと思った、がーーーいかんせん、物語に描かれたキャラクターがとにかく絶望的にひどくて、とりわけ主人公の女性、メイのキャラには嫌悪感しか抱かなかったのは、その時このBlogに書いた記事の通りである。
 ↓こちらが原作小説。あ、もう文庫になってら。映画合わせか。そりゃそうか。
ザ・サークル (上) (ハヤカワ文庫 NV エ 6-1)
デイヴ エガーズ
早川書房
2017-10-14

 というわけで、わたしがこの小説を読んだのは、この作品が映画化されることを知って興味を持ったためなのだが、その映画作品がようやく日本でも公開されたので、さっそく観てきた。
 ズバリ結論から言うと、映画版は小説のエッセンスを濃縮?というか、要するに短くまとめられており、雰囲気は非常に原作通りなのだが、結末はまったく違うもので、映画版はほんのちょっとだけ、すっきりすることができる仕上がりとなっていた。まあ、原作小説通りの結末だと、わたしのように不快に思う人がいると思ったからだろうか? わからんですが。しかし、なんか、うーん……そのせいで、若干中途半端であり、かつ、ある意味、本作の持ち味は相当薄れてしまったようにも思える。
 以下、いつも通りネタバレに触れる可能性が高いので、これから観に行く予定の人は読まないでください。つーかですね、わたしのBlogなんて読んでないで、原作小説をちゃんと読んだ方がいいすよ。

 さてと。えーと……今、ざっとWikiのこの映画のページを読んでみたのだが、ストーリーを記述した部分は……ちょっと違うんじゃね? と思える部分があるので、あまり信用しない方がいいと思う。わたしももう、ストーリーに関しては、さんざん小説版の記事で書いたので、もう書かない。以下に、原作とちょっとキャラの変わった二人の人物を簡単にまとめてみようと思う。
 ◆メイ:主人公。基本設定は小説版のまま変わってはいない、が、やはり、演じているのがハーマイオニーあるいはベル、でおなじみの元祖美少女Emma Watsonちゃんであるため、原作通りの頭の悪い女子を演じさせるのは難があったのだと邪推する。映画版のメイは、小説版よりほんの少しだけ、まともな人間になっていた。なお、小説版ではメイは何度かセックスシーンがあるが、映画版では一切ございません。別に期待したわけでは全くないけれど、メイのキャラクターを表す行動の一つだったので、その点でも映画版のメイは「まともな」人間に見えました。序盤は。わたしが印象的だったのは、かなり序盤で、入社1週間目にやって来る二人のイカレた男女に、結構露骨に嫌そうな顔をしていたシーンだ。その二人がどうイカレているかというと、メイは入社して1週間、頑張って仕事をしていたので、全く自分のプロフィールを編集したりする暇もなく、大量に寄せられるメッセージへの返事なんかも放置していたわけですよ。それを、「なんであなた、プロフィール公開しないの? え! カヤックが好きなの? なんだ、僕も好きなんだよ! それを知ってたら一緒に行けたのに!」とキモ男に言われるのだが、観ているわたしは、(なんでてめーと一緒に行かねえとならんのだこのボケが!)とか思っていたところ、Emmaちゃん演じるメイも、(……なんであんたと行かなきゃいけないのよ……)という顔を一瞬して、すぐに「ええ、ご、ごめんなさい、ちゃんとプロフィールも入力するわ」と慌ててつくろった笑顔を向けるという流れで、わたしはこのシーンにクスッとしてしまった。しかしこのシーンはこの物語を示すのに非常に象徴的であったとも思う。
 そしてラストに描かれる、「メイの元カレを探そう、イエーイ!」のコーナーも、小説版では極めて後味が悪く腹立たしいシーンだが、映画版でも実に気持ち悪く描かれていた。ここは原作通りなのだが、映画版ではこの事件をきっかけに、メイはまともな人間の反応を示す方向に行ったので、ここは物語が大きく原作と変わる重要ポイントとなっていた。そりゃそうだよ、映画版の反応は普通の、自然な反応だと思う。たぶん、小説版ではそれまでの出来事がかなりいっぱいあって、それらは映画版ではかなりカットされてしまったので、小説版のような反応をする説得力を持たせられなかったのではなかろうか。そのため、ごく自然な人間の反応を映画版は描かざるを得なかったように思う。そういう意味では、やっぱり映画版はかなりの短縮版だったと言えそうだ。
 ◆タイ:The Circleの創始者。会社経営のために雇ったCEOともう一人の重役の暴走を傍観するだけの役立たず、であり、小説版ではメイには正体を隠して仲良くなり、最後はごくあっさりメイに裏切られる愚か者、というキャラだったが、映画版では中盤? 前半?の段階でメイに正体を明かす。そしてキャラとしてもかなり変わっていたし、そもそも名前も変わっている。演じたのは、FN-2187ことフィンでおなじみのJohn Boyega君25歳。STAR WARSの”フィン”は確かに熱演だったと思うけれど、あれは元々が素人同然だから頑張ったと称賛できるわけで、はっきり言って、彼はまだ演技が全然だと思う。存在感が非常に薄く、物語的にもほぼ活躍しない。その結果、なぜタイはメイをこいつは使える、と見染めたのかもよくわからないし、エンディングも何となく、小説版のショッキング(?)なものではなく、若干のとってつけた感を感じた。
 とまあ、以上のように、小説がはらむ猛烈な毒はかなり薄まっているような気がする映画であった。小説版が猛毒なら、映画版は軽いアルコールぐらいな感じだとわたしには思えたのが結論であろうか。
 ただし、やっぱり映画という総合芸術の強みはその映像にあり、小説では脳内で想像するしかなかった「Circle」の各種サービスが鮮明な映像として提示されると、非常にリアルで、ありえそう、という実感が増していると思う。
 しかし思うのは、本当に現実の世はこの作品(小説・映画とも)で描かれる世界に近づいているのだろうという嫌な感覚だ。まあ、一企業のシステムに政府そのものが乗っかる、というのはあり得ないかもしれないけれど、現実に、納税とか公共サービスの支払いを既にYahooで支払えたりできるわけで、「あり得ない」が「あり得る」世界がやってきてしまうのも時間の問題なのかもしれない。わたしが願うのは、そうだなあ、あと30年だけ、そんな世界が来るのは待ってくれ。30年経ったらわたしはくたばっているだろうから、そのあとはもうどうでもお好きなように、知ったことかとトンズラしたいものであります。しっかし、メイにプロフィールを更新しろだのメッセージに返事しろ、コミュニティに参加しろ、なんて、「自由意志」よ、といいつつ「強制する」恐ろしい連中に対して、生理的嫌悪をいただかないとしたら、もうホントに終わりだろうな。おっかねえ世の中ですわ。
 あと、そういえばこの映画でわたしがとても痛感したのは、日本の国際的プレゼンスの失墜だ。本作では、主人公メイが透明化して以来、画面にさまざまな言語でコメントが現れるのだが、ロシア語や中国語、アラビア語なんかはかなり目立つのに、わたしが認識した範囲内では、日本語は一切現れなかった。とりわけ中国語が目立つわけで、なんというか、20年ぐらい前はこういう未来描写に日本語は必ずと言っていいほど現れてきたのに、残念ながらそんな世はもうとっくに過ぎ去ったんですな。実に淋しいすねえ……。
 というわけで、他のキャストや監督、脚本については特に思うことはないので終わりにするが、最後に、名優Tom Hanks氏演じたCEOと、メイの父親を演じたBill Paxton氏についてだけ記しておこう。
 本作映画版に置いて、Hanks氏演じたCEOは、結局は金の亡者(?)ともとれるキャラで破滅エンド(たぶん)を迎えたが、小説版ではもっと、本気で自分のやっていることがいいことだと信じて疑わない天然悪だったような気がする。そういう意味では小説版の方がタチが悪く、キャラ変したキャラの一人と言えそうだ。
 そして、Bill Paxton氏だ。彼と言えば、わたしが真っ先に思い出すのは、『ALIENS』でのハドソン上等兵役だろう。お調子者で文句ばかり言う彼が、最後に見せる男気が印象的な彼だ。Paxton氏は今年の2月に亡くなってしまい、エンドクレジットで、For Bill(ビルに捧ぐ)と出るので、本作が遺作だったようだ。享年61歳。まだお若いのに、大変残念であります。
 あ、あともう一人メモしておこう。主人公メイをサークルにリクルートする友人アニーを演じたのが、Karren Gillan嬢29歳。アニーのキャラは、ほぼほぼ原作通りであったが、演じたKarenさんは、わたしは観たことない顔だなーとか思っていたら、なんと、『Guardians of the Galaxy』の超危険な妹でおなじみのネビュラを演じた方だそうです。素顔は初めて見たような気もする。いや、初めてじゃないか、『The Big Short』にも出てたんだ。全然知らなかったわ。意外と背の高い彼女ですが、素顔は……うーん、まあ、わたしの趣味じゃないってことで。

 というわけで、またしても全くまとまりはないけれど結論。
 去年読んだ小説『The Circle』の映画版が公開になったので、さっそく観に行ったわたしである。その目的は、あの恐ろしく後味の悪い嫌な話が、映画になってどうなるんだろうか? という事の確認であったのだが、エンディングは全く変更されており、ほんの少し、まともな結末になっていたことを確認した。まあ、そりゃそうだろうな、といまさら思う。小説のままのエンディングだったら、相当見た人に不快感を与えるであろうことは想像に難くないわけで、映画という巨大な予算の動く事業においては、そこまでのチャレンジはできなかったんでしょうな、と現実的な理解はできた。それが妥当な理解なのか、全く根拠はありませんが。しかしそれでも、世はどんどんとこの作品で描かれる世界に近づきつつあり、小説版を読んだ時の感想と同じく、わたしとしてはその前にこの世とおさらばしたいな、と思います。切実に。長生きしていいことがあるとは、あんまり思えないすねえ……以上。

↓ どっちかというと、この作品で描かれる未来の方がわたし好みです。結構対照的のような気がする。こちらは完全なるファンタジーかつ、わたしのようなもてない男の望む世界、かも。
her/世界でひとつの彼女(字幕版)
ホアキン・フェニックス
2014-12-03




 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、昨日、『鮫島』の最新(15)巻が発売になっておりますので、もしこのBlogに偶然辿り着いた方は、もはや購入は義務ぐらいの勢いで、買って応援いただきたいと存じます。

 わたしは電子書籍で予約しておいたため、昨日の朝起きたら自動的にダウンロードまで完了していました。紙の単行本は今日の帰りに買うつもりです。昨日買うのを忘れてしまったので……。やっぱり、どうも漫画単行本を本屋さんで買う、という行動を忘れがちなわたしですが、『鮫島』だけは、紙と電子の両方で買って応援しております。
 そして早いもので、この週末から大相撲九州場所が開幕ですね。わたしの愛する松鳳山裕也君は、先場所でわたしの目の前で勝ち越してくれたこともあり、東前頭3枚目にちょっとだけ枚数が上がりました。大変楽しみなのですが、一方では、ニュースでも取り上げられた通り、松鳳山関の部屋の師匠である元大関・若島津こと二所ノ関親方の容体も大変心配です。裕也よ、いい成績を上げて親方を喜ばせておくれ! 頼むぞ!
 では、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年50号概況です。
 ■巻頭グラビア:南口奈々嬢。GEMというグループのお方だそうです。
 ■弱虫ペダル:転校生の巻。巻頭カラーです。葦木場くんと手嶋先輩の中学の頃のお話。渡辺先生と先日JAPAN CUPで来日したコンタドール選手の特集ページのおまけつきです。
 ■刃牙道:なんと今週は休載です。
 ■BEASTERS:ブラックコーヒーにミルク垂れたの巻。再び演劇部内のお話。食殺事件を操作したいレゴシ君ですが、演劇部にイケメン草食男子が入部してきて――!?
 ■囚人リク:自分の巻。変態剣崎、まさかの仲間入り!です。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:Put a sock in it!!!の巻。今週も安定のギャグ満載で楽しめました。
 てな感じの週刊手年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週は【百雲】関に対して「偽物が……」とたいそう御立腹な【王虎】さんに対し、目の毛細血管がブチブチと切れ、血の涙を流す鬼の表情の【百雲】関が、殺してやる! とばかりに再反撃するところまでが描かれました。今週はその続きですが、扉はカラーで、かなりおっかないオーラを漂わせている【王虎】さんの図であります。これはぜひ、今週のチャンピオンを買ってご確認いただきたいところです。
 というわけで、冒頭から【百雲】関のブチ切れラッシュが描かれます。「どの口で俺を偽物と呼ぶ…テメーごときに…俺の何が分かる…」血の涙が【百雲】関の怒りと悲しみを表すような壮絶な表情ですが、もう観客席はうわっ…とドン引き。しかし、さらに上を行くのが【王虎】さんです。左の張りが【百雲】関の顔面にクリーンヒット! それを耐え、ぐっと再び腰を据えて張りに行こうとする【百雲】関ですが、その前に再び【王虎】さんの張りが炸裂! 無情! 無慈悲! やっぱり【王虎】さんは強い! しかし【百雲】関は、強烈な張りを喰らいながらも【王虎】さんの左腕を取り、常松の腕を壊したときのように極めにかかります。その口元には笑みが。そして親方も「やっ…やめろ…百雲!!」と叫びます!
 しかし! ページをめくると、取られた腕をくるりと回して、【王虎】さんが掟破りの逆関節技を極めるの図であります!! パキャッと嫌な音がしております! 【百雲】関の左肘はイッちまったか!? さあ、ここからは【王虎】さんのターン開始なのか!? 【百雲】やばし!
 「チープなんだよ…テメーは…」
 おおっと! なんという無情な台詞でしょう! 【百雲】関が全てを捨てて得た”非情”なるものを、【王虎】さんは「安い」ものと言下に否定、その表情も、きわめてつまらなそうな顔をしています。左腕を失い、右手一本で健気に戦う姿勢を示す【百雲】関ですが、これはイカン!【王虎】さんは続けて思います。
 「チッ…くだらねーことに付き合わせる…百雲(テメー)じゃ届かねーさ…泡影(あそこ)には…終わってるのさ…分かってんだろ百雲(テメー)も…相手を壊すことも自ら苦境に立つことも ただの自傷…そんなもんは 覚悟じゃねえ…顔じゃねえよ…死に場所を求める死に損ない…それがテメーだ…」
 キ、キビシイお言葉ですねこれは……【王虎】さん、あんた、ホントに成長したんだね……。自傷という言葉で思い出すのは、『バチバチ』(11)巻、第91話での【王虎】さんです。あの頃の【王虎】さんは、鯉太郎に敗れて自暴自棄?な状態で、【猛虎】さんの付け人になることになって大暴れし、自分の腕にかぶりつくという文字通りの自傷行為に走ってイカレまくっていたわけですが……あれから正確な時間の流れは分かりませんが、5年ぐらい? 経っているわけで、大きく成長したわけですなあ……この人も。ちょっと、当時の【王虎】さんを探すのに、『バチバチ』をザーッとチェックしたのですが、【猛虎】さんは現・空流親方、当時の阿形さんに勝って、【王虎】さんを付け人にする権利を獲得したのでしたね、そういえば。やっぱり、虎城部屋にとって【猛虎】さんの存在も大きいのでしょうなあ。鯉太郎VS【猛虎】さんも早く観たいですなあ!
 で、土俵上では【王虎】さんがカチ上げ気味のショルダータックルを決め、フィニッシュすべくまわしを取りに行きます。もはや【百雲】関は戦意喪失か!?
 「やめてくれ…俺から相撲を…奪わないでくれ…俺にはもう…相撲しか…他には…何も…もう…何も……」
 しかしその時、【百雲】関の脳裏に蘇るのは、愛する綾子ちゃんの「道明さんなら…大丈夫だよ…」と言ってくれた、あの、別れの優しい笑顔です。血の涙が、透明な、本当の涙となって【百雲】関の頬を流れます。そして半ば無意識に? 【王虎】さんへ向かう【百雲】関! その形は! そう、これはまさしく! 
「あ…あれは…泡影(よこづな)を倒した あの時の…百雲(いぜん)の形…」
 というわけで、左腕を【王虎】さんの右わきに刺し入れて返すことで【王虎】さんの右腕を殺し、まわしを取らせず、そして自分は右手で王虎さんの前ミツをホールドする【百雲】関の図、で今週は幕となりました。
 あの時、【百雲】関は触れた瞬間に圧倒的な力の差を理解し、かつ、すべてがお見通しという不思議な感覚をえました。そして横綱【泡影】関は、それを確かめるように、味わうように、ただ傍観していたわけです。しかし、今回、【百雲】関は【王虎】さんに何を感じるのでしょうか。そして【王虎】さんはどう動くのかーーこれが来週の最大のポイントとなりそうです。【王虎】さんはニヤリと笑って、これを待ってたぜ……とか言いそうですねえ! そして無情に投げ飛ばしちゃうのでしょうか。はーーーヤバいす。来週も超楽しみであります!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 11日目現在9勝2敗に
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は【王虎】さんVS【百雲】関の一番の山場までが描かれ、【王虎】さんのイラ立ちもクライマックスに達し、一気に勝負がつくか? と思わせながら、ラストは邪念?を捨てた【百雲】関が本来の形を取り戻し、あの「横綱に勝ってしまった」一番得意の型に持って行くところまでが描かれました。【王虎】さんの言う「チープ」「そんなのは覚悟じゃない」というお言葉は重いすねえ……【百雲】関は、すべてがお見通しなら、予想もつかないその先へ、というつもりで外目にはダーティーファイトに映るような取り口に変貌していったわけですが、それは【王虎】さんからすると、言わば立ち合い変化をするようなもので、まさしく邪道、真正面からすべてをぶつけろ、という意味なのでしょうか? かつてはとんでもなくイカレていた【王虎】さんですが、鯉太郎との闘いを経て、大きく成長しましたなあ……。【猛虎】さんに学ぶことも多かったのでしょうね……。いずれにせよ、来週、【王虎】さんが【百雲】関の必勝の形をどのように打ち破るのか、大変楽しみであります! 常松の光のパワーをもってしても、【百雲】関の闇を払うことが出来なかったのに、まさか【王虎】さんが、【百雲】関の闇を払う役となる(?)なんて、わたしとしては大変興奮します! 来週が超楽しみです! 以上。

↓ もう九州場所か……1年はあっという間だなあ……ホントに……。

 というわけで、毎週月曜日は週末映画興行データです。
 この週末3連休は、大変楽しみにしていた『イット』と『マイティ・ソー』を観に行き、ミュージカル『Lady Bess』も観てきました。そして『イット』は超最高だったわけですが、正直『マイティ・ソー』に関しては……いくらMCUが大好きなわたしでも、ちょっとアレで良かったのか……もう良くわかりません。少なくとも、わたしが観たかった『ソー』ではありませんでしたが、US国内では公開3日間で軽く1億ドル突破の大ヒットなわけで、世間的にはアレで受け入れられたんだろうなあ……ううむ……あれでいいのかなあ……うーん……なんというか……いろいろ積み残しちゃったしキャラも変わってしまったような……という感想はおっさん的感想なのかなあ……ま、いずれにせよ、来年3月の『ブラック・パンサー』も来年GWの『アベンジャーズ』も楽しみに待ちたいと存じます。
 ところで、11/3(祝)はわたしが行ったシネコンでは物販に凄い行列が出来ていて、なんじゃろか、と思ったらどうやら年末の「仮面ライダー」の前売券の発売だったみたいすね。パンフを買いたいわたしは上映時間に間に合わなくて困ったす。
 では、さっさと興行通信社の大本営発表をメモっておきます。

 1位:『マイティ・ソー バトルロイヤル』が公開土日で2.31億稼いで1位。文化の日からの3日間だと3.97億だそうです。すごくイイ数字ではないけど、悪くもなく、まずまずのような……10億は超えられるか。15億は……どうでしょう。行く、かな? US本国の30分の1ぐらいってことかな。
 2位:『イット』が公開土日で1.84憶稼いで2位。こちらも文化の日からの3日間だと3億乗ったのかな(※追記:3日間で2.83億だったそうでギリ3億届かず)。興行通信の記事によれば高校生のグループなんかも多かったとか。ホント? わたしが観た劇場では全く見かけなかったす。ちなみに映画は、子役たちの演技が抜群に素晴らしかったす。大人はほとんど出てきません。
 3位:『ラストレシピ―麒麟の舌の記憶―』が公開土日で1.38億稼いだそうです。こちらは3日間でも2億を超えたあたりだろうか。初日は劇場舞台挨拶でかなり売れているようだったけれど、意外と数字は弱めの模様です。※追記:やはり初日は数字が大きかったようで3日間だと2.92憶だったそうです。
 4位:『映画キラキラ☆プリキュアアラモード パリッと!思い出のミルフィーユ!』が9日間で4.5億だそうで、2012年の秋キュアと同じくらいのスタートで、2週目はもっといい感じに伸びているようです。
 5位:『ミックス。』が16日間合計で9~10億ぐらいと見積もる。自信なし。
 6位:『ブレードランナー2049』が10日間合計で6.95億だそうです。これはかなりいい数字でと言えそうすね。
 7位:『斉木楠雄のΨ難』が16日間合計で6~7億ぐらいと見積もる。
 8位:『先生!、、、好きになってもいいですか』が9日間合計で3~4億ぐらいと見積もる。
 9位:『劇場版Fate / stay night [Heaven's Feel]』が23日間で11億突破だそうです。
  10位:『バリー・シール』が16日間で6~7億程度と見積もる。
 とまあ、こんな週末だったようです。
 次の週末は、映画を観るかまだ決めてませんが、免許の更新に行くついでにこの作品を観るかも。

 原作小説は読みました。まあ、とんでもないお話で小説は実に後味が悪いのですが、果たしてどんな映画になったか、気になるので時間が合えば観てきます。予告を観ると、ひょっとしたらエンディングは小説と違うのかも? そこんとこを確認したいす。

 というわけで、結論。
 今週はMCU最新作『マイティ・ソー』が初登場1位。MCUが大好きなわたしとしては嬉しいけれど……あの内容でいいのかなあ……なんか……うーん……すっきりしないす。以上。

 16世紀中期~末期、というと、日本では1560年の桶狭間以降の織田信長の隆盛と、その後の豊臣秀吉による政権から1600年の関ヶ原へ至る、歴史が大きく動いた期間と言っていいだろうと思う。戦国オタクとしてわたしはそれなりに詳しいつもりだが、一方そのころイギリスではどんなことになっていたか。わたしとしては真っ先に思うのは、Shakespeareが生まれて活躍してた頃だな、という事で、それ以外では、イギリスの政治史、というより王室史、というべきか、とにかく、どんな政治変遷があったのか、実はあまり詳しくなかった。
 そんな、16世紀中期のイギリスの歴史を振り返るには大変興味深いミュージカル、それがわたしが今日、帝劇で観てきた『レディ・ベス』という作品である。とはいえ、まあ歴史の流れというより後にエリザベス1世として即位する女性の若き頃の恋を描いた作品なので、それほど歴史的な詳しいことは描かれないが、わたしとしては俄然、そのころのイギリスの歴史に興味がわいてきたので、ちょっといろいろ調べてみたいと思わせる作品であった。

 本作は、初演は2014年で、そのころのわたしはサラリーマン人生において最も忙しい頃で、ほとんど観劇をしていない。いや、まあ宝塚歌劇だけはちゃんと観に行っていたのだが、東宝・帝劇系の作品は観てぇなあと思っても全然行けておらず、再演されるのをひそかに待っていたのである。
 というわけで今日はe+の貸切公演で、席も6列目とまずまずのチケットを獲ることができ、大変満足であった。本作は、初演の時も、今回の再演も、メインキャストがダブルキャストである。わたしとしては、あまり迷わず、平野綾ちゃんVerを観たいと思ったので今日の観劇となった。おそらく、人気はもう一方の花總まりさんVerの方が高いと思うが、わたしは2013年に帝劇で観た『Le Miserable』でのエポニーヌがとても印象的だった平野綾ちゃんVerの方が観たかったのである。結論から言うと、平野綾ちゃん演じる主人公ベスは、とても可憐で、歌も文句なしであり、要するに最高でありました。いやあ、本当に綺麗で可愛くて、そしてわたしの大好物な、眉間にしわを寄せて眉の下がった「しょんぼりフェイス」が実に極上であった。ヤバいす。超今さらだけど、ファンになりそうなぐらい素晴らしかった!
Bess
 今日も帝劇は大変お客さんがいらっしゃっておりました。
 そして今日のキャストは↓こんな感じ。
Bess02
 まずは物語をざっとおさらいしよう。
 イギリス王ヘンリー8世は1509年に即位し、以降1547年までイングランド王として君臨したチューダー朝第2代の王である。彼はカリスマを持つ強いリーダーだったわけだが、男子に恵まれず、なんと6回結婚している。要するに離婚を5回しているわけだが、思い出してほしい。キリスト教、カトリックの教義では離婚禁止である。そのため、ヘンリー8世はイギリス国教会を作ってローマ教皇から離れ、一種のプロテスタントとしてキリスト教に帰依していたわけだ。
 その結果―――まあたくさんの女王候補の女子たちが生まれたわけで、本作は、そんな運命に翻弄された後のメアリー1世となるメアリー・チューダーと、後のエリザベス1世となる少女ベス、二人の女性の生き方を追ったものだ。この二人がどう対立するかをまとめると、こういう感じだと思う。
 ◆メアリー:母は、ヘンリー8世最初の妻であるキャサリン・オブ・アラゴン。しかし男児に恵まれず離婚され、追放されてしまったため、父であるヘンリー8世とイギリス国教会を憎み、熱心にカトリックを支持して、強烈にプロテスタント(=国教会)を弾圧。その苛烈なプロテスタント弾圧は「ブラッディ・メアリー(=血まみれメアリー)」と呼ばれるほど強烈なものに。ついでに、母を追放させた2番目の後妻であるアン・ブーリンも大っ嫌いで、結果としてその子であるエリザベスも大っ嫌い。
 ◆ベス(エリザベス):母はヘンリー8世の2番目の妻であるアン・ブーリン。元々アン・ブーリンは、メアリーの母キャサリンの侍女だったが、まあ見初められちゃったんでしょうな。で、どうやら意外とアンはしたたかな女子だったようで、あたしを妃にしないならHしないわ! と迫ってヘンリー8世はキャサリンと離婚し、アンを妻としたらしい(Wikiによれば)。しかし晴れて正式な妻となったのもつかの間、わずか3年で国王暗殺容疑及び不義密通を行ったとして処刑されてしまう。その結果、アンとの間に生まれたベスは一度庶子の立場に落とされ、おまけに国教会信者であるため、姉であるメアリーに何かと目を付けられてしまう。しかし、(少なくとも本作では)聡明で心優しいベスは、そのおっかないお姉さんに従う姿勢で、決して対立するつもりはなかったのに、完全なる言いがかりで牢に入れられてしまうのだったーーーてな展開である。
 この二人の女性に大きな影響を与えるのが、二人の男である。
 ◆ロビン・ブレイク:平民の吟遊詩人。まあ、今風に言えばストリートミュージシャン。どうやらモデルはまさしくShakespeareらしいが、ベスに出会い、ベスを愛し、ベスに愛を説くイケメン野郎。
 ◆フェリペ:スペイン王カルロス1世の息子であり後のフェリペ2世。ハプスブルク家の男でもある。メアリーと結婚するためにイングランドへやって来るが、本作ではかなりのチャラ男風でいて、なにかとベスを助けてくれる、これまたイケメン野郎。正直、彼の本当の目的は本作では良くわからない。スペインの野望としては、イングランドを再びカトリックに戻すことにあり、そのためにメアリーと結婚したわけだが、一方ではベスを何度も助けてくれるわけで、どうもそれは、人気のあったベス(→メアリーがとにかく苛烈すぎて人気がなかった)を処刑してはイングランドで内乱が起きてしまうので、それを防ぐため、というのが大義名分のようだったが、わたしには、要するにベスがかわいくて助けてやった、ぐらいにしか思えなかった。
 ともあれ、本作はこんな女子二人と男子二人を中心に描かれるラブロマンスと言っていいだろう。ベタではあるが、まあとにかく、各キャストの熱演と数々の素晴らしい歌がブラボーであった。以下、キャストをまとめてそれぞれ思ったことを書き連ねてみよう。
 ◆ベス:今日のベスは何度も書いている通り平野綾ちゃんが熱演。歌も良かったし、やっぱりどう見ても可愛いですよ、このお方は。すっごい華奢で、ちびっ子で、1幕ではずっとしょんぼりした困った顔をしていて、それなのに歌は力強くてカッコよく、ホント最高でした。衣装も抜群に似合っているし、ラストでエリザベス1世として即位するお姿は実に神々しく、わたしとしては最大級の賛辞を贈りたい。全くもってブラボーでした。もう、完全にミュージカル界になくてはならない女優の一人になったね。きっと、我々には想像の及ばない努力をしてきたんだろうと思う。どうかこれからも、いろいろな役に挑戦してください。また、会いに行くよ。本当に素晴らしかったす。
 ◆ロビン:今日のロビンは加藤和樹氏。わたしにとって加藤氏は、テニスの王子様ミュージカルの初代・跡部様であり、仮面ライダー・ドレイクの大介なわけだが、あれからもう10年以上の時が過ぎ、彼も今ではミュージカル界を背負う有力男優の一人になりましたなあ。彼もこの10年をたゆまぬ努力で精進してきたのは間違いないわけで、活躍がとてもうれしいです。ラストのベスとの別れでの表情はとてもグッときましたなあ。大変カッコよかったと思います。なお、Wキャストで山崎育三郎氏もロビンを演じているのだが、育三郎Verもカッコイイんだろうな……歌い方が二人は全然違うから、聞き比べたいですなあ。CD買おうかしら……。
 ◆メアリー:今日のメアリー様を演じたのは、元・劇団四季のベテラン、吉沢梨絵さん。本作では、メアリーは実におっかない女性だけれど、実際のところ、メアリーの立場なら、そりゃあベスが憎いでしょうなあ。それはもうしょうがないと思う。なのでわたしとしては別に悪役には思えず、自らの死期を悟った時、ベスと和解(?)するシーンにはやけにグッときましたね。素晴らしいパフォーマンスでした。
 ◆フェリペ:今日のフェリペは古川雄大くん。あ、もう古川くんも30歳なんだ……そうか、わたしが彼を初めて観たのは、これまたテニスの王子様ミュージカルでの天才・不二周助を演じているころだから、やっぱり10年以上前か。わたしは彼の声がかなり好きで、『エリザベート』での悲劇の皇太子ルドルフを演じたときの、「闇が広がる」「僕はママの鏡だから」がとても好きなんすよね。本作では歌は少なかったのが残念す。
 ◆アン・ブーリン:幻影としてベスの前に現れる母、アン・ブーリンを演じたのが和音美桜さん。元宙組の宝塚歌劇出身。わたしは現役時代を知らないのだが、非常に歌ウマな方で素晴らしかった。あ、87期なんだ? てことは、龍真咲さん(まさお)や早霧せいなさん(ちぎちゃん)と同期なんですな。ああ、でもそうか、2008年にはもう退団されてたんだな。あ! なんだよ、過去のパンフを漁ってみたところ、わたしが2013年に観たレミゼでファンテーヌを演じられていた方か! その時のエポニーヌを演じた平野綾ちゃんの印象が強くて忘れてた。アホだ……くそう、ホント失礼いたしました。いやー、和音さんの歌は本当に素晴らしかったす。
 ◆キャット・アシュリー:ベスをずっと支える侍女のキャットを演じたのは、これまた宝塚の元TOPスター涼風真世さん(かなめさん)。わたしとしては舞台でお会いするのはお久しぶりすね。相変わらずお美しく、歌ももちろん素晴らしかったす。綺麗な方ですなあ……ホントに。もう57歳だって。全く見えないすね。
 とまあ、こんな感じかな。なんだか同じことばかり書いているけど、とにかく平野綾ちゃんがかわいくて、わたしとしては大満足な作品でありました。そしてしょんぼり顔の平野綾ちゃんは、日本人最高レベルに可愛かったと思う。東京公演はもうあと2週間ぐらいで終わりなのかな。その後大阪へ会場を移して公演は続くわけだが、キャストの皆さん、どうぞ最後まで駆け抜けてください。最高です。

 というわけで、まったくまとまらないので、もう結論。
 2014年以来となる東宝ミュージカル『Lady Bess――レディ・ベス』を帝劇にて観てきたのだが、今日のベスを演じた平野綾ちゃんの可憐さはもう最高レベルに素晴らしく、そして歌も実に見事で、わたしとしては大満足であった。そしてこの時代のイギリスについてもっといろいろ調べたくなったわたしである。ところで、なんで「Beth」じゃなくて「Bess」なんだろう? これって英語的には当然のことなのかな?? そして、現在、非常に混雑しているという噂の、「怖い絵展」も俄然興味が出てきたすねえ。メアリーの前に女王として即位し、すぐに処刑されてしまったジェーン・グレイの処刑を描いたあの絵を観に行く必要があるような気がしますな。来週あたり行ってくるとするか。しかし……やばいす。どんどん平野綾ちゃんが好きになってきた……超今さらなんですが、これって……恋なんでしょうか? 以上。

↓ これっすね。本物の絵の迫力はホントヤバそうす。金曜は夜20時までやってんだな……いや、やっぱり朝イチに行くべきだな。よし、これは行こう!
怖い絵 泣く女篇 (角川文庫)
中野 京子
角川書店(角川グループパブリッシング)
2011-07-23




 というわけで、昨日は午前中にわたしの大好きなStephen King大先生原作の『IT』を観て、午後は立て続けに、これまたわたしの大好きなMARVEL CINEMATIC UNIVERS最新作『THOR:RAGNAROK』を観てきた。のっけから結論を言うと、ちょっと悪ふざけしすぎじゃね? という今までとはまるで違うギャグ映画となり果てており、わたしとしては、ナシ、と否定はしたくないものの……ちょっとやりすぎじゃね? と言わざるを得ない微妙作であった。おまけに、予告編から想像していた物語とは全然違うお話であり、正直、わたしはかなり肩透かしを食らったような気がしている。ただし、それはわたしが予告を観て勝手に盛り上がっていただけの話であり、ギャグもやりすぎとは言え、いちいち、くすっと笑えてしまうわけで、なんだかんだ文句を言いつつ、やっぱり面白れえなあ、というのが結論なのかもしれない。それでは、以下、思ったことを書き連ねていこうと思う。なお、もちろんのことながら、いつも通りネタバレ全開になる予定なので、まだ見ていない人は読まないでください。

 つーかですね、これは観た方なら誰もが思う事だと思うのだが……上記予告はすっげえカッコイイというか、わくわくする最高の出来じゃあないですか? でもですね、なんと、上記予告は予告専用の映像ともいうべきもので、本編での使用シーンと相当違う! ことにわたしは結構驚いた。端的に言うと、THOR様の大切なムジョルニア(=トンカチ)が砕かれてしまうでしょ? 個々のシーンは確かに本編にもある、けれど、背景が全然違う! のにわたしはとても驚いた。『SPIDER-MAN:Home Coming』の時も、予告だけで本編に存在しないシーンがあったし、最近はネタバレ防止にそんなことまでするんすかねえ……ま、いいや。
 で。今回のお話だが、予告を観て、わたしのようにMCUが大好きな人間ならば、確実に次の4つのことがらについて、いったいどういう事なんだろう? と思い、その点に注目して本作を観たはずだ。
 ◆その1) HULKは一体、どうして、どうやって惑星サカールに来たのか?
 この点については、まずは復習が必要だろう。MCUにおいて、HULKの一番最後の描写は、『Ultron』のラスト近くで、S.H.I.L.D.のクィンジェットをかっぱらって一人どこかへ身を隠してしまったシーンである。大好きなBLACK WIDOWの言葉も無視してどこかへ消えたHULK。そのHULKがいきなり宇宙の果て?の惑星にいるのはなぜなんだ? と誰しも思うはずである。わたしはまた、なんらかのMCU的な重大事件が起こって宇宙に飛ばされた、その背景にはサノスの影が……とかいう展開なのかと勝手に想像していた。が、結論をズバリ言うと、「特に説明はナシ」であった。うっそお!? それでいいのか? とびっくりしたのは言うまでもない。これは原作的にそうなってるのかどうか、わたしは知らないので何とも言えないのだが……あまりにテキトーな感じがして、今までの、「綿密に計算されたMCU」の世界観にそぐわないというか……なんだかとてもがっかりした。おまけにHULK状態で2年間いたらしく、HULK状態で普通にしゃべってるし! そんな……悩めるバナー博士像はどこ行っちゃったんだよ……。
 ◆その2)ムジョルニア破壊!? ムジョルニアはどうやって復活するのか?
 わたしは予告で描かれたムジョルニア破壊シーンに超興奮し、こいつはスゲエ展開だ! と超ワクワクしていた。そして、ひょっとしたら、いまだ登場していない最後の「インフィニティ―・ストーン」がムジョルニア復活のカギなんじゃね? とか勝手に想像して興奮していたのである。このことについても、もう結論を言おう、「ムジョルニアは復活しない」が本作の回答であった。えええ!? いいの!? ムジョルニアなしでTHOR様は今後戦えるの? 空飛べなくなっちゃうじゃん!? とわたしはこれまた激しくびっくりである。これでいいのかなあ……うーん……。
 ◆その3)そもそもTHOR様の現在の任務は……?
 MCU世界では、『Ultron』事件の後に、地球においては『CIVIL WAR』が勃発してトニーとCAPが大喧嘩していたわけだが、そもそも、THOR様は、『Ultron』事件の後は、インフィニティストーンの謎を追ってアスガルドへ帰って行ったために、地球におらず、『CIVIL WAR』にも参戦しなかったわけで、わたしとしては、本作では確実に、最後のインフィニティ・ストーンに関連する事件が描かれるのであろうと勝手に想像していた。しかし、である。冒頭でごくあっさり、「分かんねーから探すのやめた」的な一言で終了である。そんなバカな!? わたしはこの冒頭のTHOR様のセリフでイスから転げ落ちそうになるぐらいびっくりした。えええ? うっそお!? ほっといていいんすかTHOR様!? あなた、『Ultron』事件のときに観た幻影に従って、トニーに味方してVISONさん誕生を手伝ったんだし、その幻影で描かれた未来が気になって仕方ないから、インフィニティ・ストーンの謎を追う旅に出たんでしょ? いいのかなあ……これで。
 ◆その4)RAGNAROKとは? ま、まさか……?
 たぶん、世間一般的に言う「ラグナロク」とは、北欧神話で言うところの終末の日であり、Wagnerのニーベルングの指輪の最終章「神々の黄昏(Götterdämmerung)」のことを指すものだ。THOR様自身が北欧神話的世界観なわけで、ラグナロクという言葉は、アスガルド最大の危機を連想させるものとして、非常にそれっぽくもある。しかし一方で、MARVELコミックに通じている人ならば、ラグナロクと聞けば、原作の「CIVIL WAR」に出てきたTHOR様のクローンであるRAGNAROKというキャラを思い出す人も多いはずだ。おまけに予告の終わり近くには、何やら雷光をまとった、いつもと様子の違うTHOR様がカッコよく登場するシーンもあって、ま、まさかこれって、あのクローン・ソーが登場するのか!? と興奮したはずである。しかし―――結論を言おう。確かに、アスガルド最後の日ではあったので、タイトルとしてRAGNAROKは非常にピッタリではあったが……クローン・ソーは登場しない。その点では、正直肩透かしというか、なーんだ、であった。そして予告に出ていた「雷光をまとうTHOR様」は、ムジョルニアを失って覚醒した新たなTHOR様のお姿であったのである(しかもここも、予告の映像と本編は重大な違いがある)。しかしそれでも、「ムジョルニアを失ったからって何だ、お前はなに? トンカチの神様なのか? 違うだろ、お前は」「そうだ、オレは……雷神だ!」と、オーディンの幻影との会話で真の力に覚醒する流れはとてもカッコ良かったので、これはこれでアリだと認めたい。本作では、惑星サカールでの奴隷戦士の時には、さんざん「神様じゃなくて、お前、雷様だろ?」「雷様じゃねえ、雷神だ!」「はいはい、頑張ってね、雷様」みたいなやり取りが何度もあったので、強いTHOR様大復活はとても興奮出来て満足です。
 とまあ、わたしとしては驚き4連発で、ズバリ言うと「オレが観たかったTHOR3はコレジャナイ!」と思わざるを得なかった。
 しかし、である。ちょっと悔しいことに、単体として本作を観ると、やっぱりギャグには笑えちゃえるんだな……そういう点では大変デキのいいコメディであったのは間違いないと言える。まさかLOKI様まであんなコメディキャラになり果てるとは……哀しいやら笑えるやらで、わたしとしては大変微妙な気持ちである。
 はあはあ……だいたい言いたいことはもう書いたかな……では、ちょっと気を取り直して、本作の物語を軽くまとめてみよう。
 本作は、冒頭は鎖でがんじがらめに拘束されたTHOR様の愚痴から始まる。こういう、主人公の愚痴というのは、ハードボイルド小説の定番だが、THOR様は、インフィニティ・ストーンの謎を追って旅していたものの、その謎は解明できずにいた。そんな時、かつて父オーディンが封印(?)したスルトという火の王(?)が復活しかけているところに出会い、その討伐に出かけ、まあズバリ言うと楽勝で再封印成功、アスガルドに帰還するーーーが、帰還したアスガルドでは、何と愚弟LOKIがオーディンに成りすましており(※THOR:DWのエンディングでLOKIがオーディンに成りすましていることは描かれていた)、ふざけた芝居を上演して民衆と楽しんでいた。そのバカバカしさにカチンときたTHOR様は再び愚弟LOKIをとっつかまえ、つーかお前、父ちゃんをどうしたんだよ!? と尋問すると、なんと父オーディンは地球に追放されていたことが判明。すぐさまLOKIを伴って、LOKIがオーディンを置き去りにしたNYCへ再降臨する。しかし、その場所は既に建物が取り壊され、オーディンの行方は不明。まじかよ……と困っていると、なんとLOKIの足元に、オレンジ色の魔法陣グルグルが発生、なんだこりゃあ!? と戸惑うTHOR様の前に現れたのは、なんとなんと、Dr.Strangeであった。Dr.は、地球に害なす存在の監視をしていて、LOKIはそのブラックリストに入っていたのである。事情を説明するTHOR様に、Dr.は、オーディンが見つかったらすぐ帰るんだな、じゃあ、その場所を教えてやろう、今、ノルウェーにいるから、と魔法陣グルグルでTHOR様とLOKIをあっさりノルウェーに送り込む。そして再会する3人。しかし事態は急展開で、なんとオーディンの寿命は尽き欠けており、故郷は場所じゃない、人じゃよ……そしてマズイことに、わしが死ぬと、かつて封印したわしの第1子、つまりお前たちのお姉さん、凶暴なヘラが復活しちゃうのじゃよ……と言い残してオーディンは存在が消滅してしまう。おいィ! 無責任すぎじゃないすか! オーディン様! というわけで、オーディンの姿が消えるとすぐに、ヘラ様が降臨。バトルが始まる! のだが、ヘラ様は超強い! ムジョルニア破壊もこのシークエンスで、つまり地球での戦闘で起こったことです。予告と全然背景が違って驚いた。で、こりゃマズイ、とあせった愚弟LOKIは、戦闘のさなか、アスガルドへの帰還を要請、THOR様、LOKI、ヘラ様の3人はアスガルド召還の光に包まれ、アスガルドへ引っ張られるのだが、その中でも戦闘は続いており、LOKIが光の道の外に吹っ飛ばされ、そしてついにTHOR様も同様に吹っ飛ばされ、ヘラ様だけがアスガルド帰還を果たしてしまう。ヘラ様は、アスガルドにいるとますます無敵パワーを発揮できる体質で、なんとTHORの盟友であるウォリアーズ・スリーもごくあっさり殺され、アスガルドに君臨するのであった。一方、どこかへ吹っ飛ばされたTHOR様とLOKIは……てな展開であります。はーー、全然軽くまとめられなかったわ。
 というわけで、THOR様は惑星サカールへ吹っ飛ばされ、現地にいたアスガルト人のヴァリュキュリーに捕縛され、奴隷戦士としてサカールを治めるグランドマスターに売り飛ばされる。そして自由を得るには、闘技場で行われる試合に勝たなくてはならない。しかもどうやら現チャンピオンはおっそろしく強いらしい。上等だ、戦ってやるぜ! と気合十分なTHOR様の前に現れた、現チャンピオンこそ、盟友HULKであった―――てなお話です。
 まあ、とにかく以上のような、かなりとんでもないお話で、面白いけれどとにかくギャグがしつこく、どうも狙いすぎというか、全くこれまでとは作風の違う異色作であった。なんか……いろいろ今までのことを無理矢理無視しているようで、わたしとしてはどうにもコレジャナイ感をぬぐい切れなかったすね。以下、キャラ紹介を軽くやってみます。
 ◆THOR:アスガルドの王子様。試合直前に自慢の長髪を宇宙バリカンでバッサリ刈られてしまう。ちなみにその散髪屋さんを演じたのがStan Lee大先生御年94歳。楽しそうなのが印象的。今回のTHOR様はとにかくコメディキャラで、ツッコミ担当。演じたChris Hemsworth氏も大いにコメディセンスのあるお方なので、実際とても笑えるんだけど……まあ、いいんすかねえ、あれで。しかし後半の、真の力に目覚める雷光バリバリのTHOR様はカッコ良かった! しかし、ムジョルニアを失ってしまったTHOR様は、次の『Avengers:Infinity War』では大苦戦しちゃうだろうな……完全に故郷を失った宇宙難民になってしまい、地球はアスガルド人を受け入れることができるのでしょうか……。なお、地球の恋人ジェーンとは、どうやら完全に別れたようで、それもモブキャラのセリフでごくあっさり流されました。THOR様曰く「振られたんじゃねえ、お互いに振ったんだ」だそうです。いっそ、「彼女(を演じてるNatalie Potman)とはスケジュールが合わないんだよ!」と現実の理由を言ってくれた方が笑えたのに。
 ◆LOKI:宇宙一のデキない弟。今回はやけにTHOR様と仲良し。そしてボケ担当として笑わせてくれる。あんたも大丈夫なのかね……あんたを地球でブラックリストに入れてるのは何もDr.だけじゃないと思うのだが……ラスト、「地球はわたしを受け入れてくれるだろうか……」「俺に任せとけ!」という謎の兄弟愛は美しいけれど、そんなに甘くないぞ! 演じたTom Hiddleston氏もなんだか楽しげに演じられていたのが印象的。
 ◆Dr.Strange:今回チョイ役として出演。しかし相当成長している様子で、ソーサラー・スープリームとしての腕は格段に上がっている様子でした。どうも魔法の腕は既にLOKIをしのぐほど、の模様。Benedict Cumberbatch氏による偉そうなキャラは健在。
 ◆Odin:オーディン様はどういう理屈かよくわからなかったけど本作で寿命が尽きてしまった。しかし……第1子ヘラ様のことを丸投げで消えてしまうなんて……ちょっと神様としてどうかと思う。演じたSir Anthony Hopkins氏は今回コメディっぽさは一切なく、静かに消えていきましたな。もうチョイ、ちゃんと引継ぎした方がいいと思うの……。
 ◆HULK:結局なぜサカールにいたのか、わたしには良くわからんです。そしてHULK状態でもしゃべれるというか一定の理性を保っていられるのにも驚き。バナー博士状態に戻ってからは、クイン・ジェットに残されていたトニーの服をいやいや着るなど、この方もコメディ成分がかなり増量されていました。わたし的に一番笑えてしまったのは、トニーのパンツ(ズボン)がピタピタ過ぎて、常に股間のポジションを気にしてモジモジしている下ネタ系ギャグで、バナー博士のイメージ崩壊でありました。それにしてもバナー博士、あなた、結局『Ultron』事件の後で何がしたかったんすか? 単に隠棲したかっただけなの? ガキか!
 ◆HELA:オーディン様の第1子であり、THOR様の超凶暴なお姉さまだという事は全然知らなかった。とにかく演じたCate Blanshett様がおっそろしく美しい! まさしく女神! そして、髪をかき上げるしぐさが超セクシー! 長い黒髪をかき上げると、あのトゲトゲヘルメットに変化するシーンにわたしは大興奮。実際最高でした。本作1本で退場させてしまうのはもったいない……けど、再登場は無理かな……どうでしょうか。Cate様は本当に楽しそうに演じてましたなあ。
 ◆VALKYRIE:はっきり言って強いんだか弱いんだかよくわからない女戦士。元々オーディン様直属の女戦士部隊の総称で、かつてヘラ様に完敗して一人生き残ったのが彼女。彼女自身の個人名があるのか良くわからなかった。強そうにも見えないし、一応活躍はするけど、わたしとしてはほぼ空気。演じたのはTessa Topson嬢で、かなりイメージは違うけれど、『CREED』においてアポロJrことアドニス君の彼女を演じた方ですな。
 ◆HEIMDALL:アスガルドの門番でおなじみのヘイムダル。そもそもこの人はなんで職場放棄していたのか良くわからない。LOKIがODINに成りすましていた時に解任されたのかな? でもこの人スーパー千里眼の持ち主なので、なりすましを見抜いていただろうに……逃げるならあの刀を持って逃げていれば……この人が門番をきっちり務めていれば、ヘラ様のアスガルド帰還を防げたような気がしてならない。演じたIdris Elba氏は全く笑いを取りにいかない真面目演技でした。
 ◆GRAND MASTER:惑星サカールの統治者。原作的には無類のゲーム好きで、『GUARDIANS』に出てきたコレクターの兄弟。演じたのはベテランJeff Goldblum氏。この方は元々いつも笑わせるちょっとしたギャグ担当なので、ある意味いつも通りの芝居ぶりでしたな。

 というわけで。この『THOR:RAGNAROK』という作品はかなりいつもと違う作風で、MCU的にも位置づけが微妙な作品だったわけだが、恒例のおまけ映像で描かれたのは、おそらくはMCU的には次の『Infinity War』へつながるであろうワンシーンであった。アスガルド人を連れて難民として地球へ向かう宇宙船。THOR様とLOKIの、地球に行けば何とかなるさ的会話は、突然宇宙船を覆う影で遮られる。映像が引きになると、THOR様たちの宇宙船の上に、巨大な宇宙船が……というおまけ映像であった。わたしにはこの、謎の巨大宇宙船が何者か良くわからなかったが、おそらくは『GURDIANS』関連の宇宙海賊の船かなにかだろう。こうしてTHOR様はガーディアンズのみんなと出会い、『Infinity War』につながっていくんでしょうな、きっと。また、おまけ映像は最後の最後にももう一つあって、そこでは散々な目に遭ったGRAND MASTERのその後が描かれるのだが、ま、これは全く重要ではないと思うので、流していいです。
 それより気になるのは、アスガルドが滅亡してしまった結果、「オーディンの武器庫」に保管してあった「コズミック・キューブ」は一体どうなってしまったんだろうか? という点であろう。劇中では、どうもLOKIがまた悪さを企んで、こっそり持っているようにも思えたが……どうなんでしょうなあ? 確実に『Infinity War』ではキーアイテムの一つになるはずなので、行方が大変気にかかるところであろう。
 MCUの次回作は、来年GW公開の『Infinity War』の前に、日本では来年3月に公開の『BLACK PANTHER』を挟むことになっている。『BLACK PANTHER』と言えば、『CIVIL WAR』の結果、現在国際指名手配犯になっているはずのCAPたちをこっそり匿ってはずで、今のところの予告などではCAPたちが登場するとは一切描かれていないが、本当にCAPたちは出てこないのかな……時系列的に『CIVIL WAR』より前の出来事を描くならそれでもいいけど、そうでないなら、不自然だよなあ……。でもまあ、とにかく我々としてはドキドキワクワクしながら待つのが正しいのでしょうな。わたしも非常に待ち遠しく思います!

 というわけで、もはや収拾がつかないのでぶった切りで結論。
 超期待したMCU最新作『THOR:RAGNAROK』をさっそく観てきたわけだが、実のところMCU的にはかなり微妙な立ち位置の作品で、内容的には非常にコメディ色の強い異色作、であった。ほぼ日本とUS本国とは同時公開にしてくれたのはとてもうれしく、US本国ではどうやら上々の滑り出しのようだ。まあ、US本国ではこういう笑える映画は人気が出るでしょうな。わたしの前の列に座っていた白人のおっさんはもうずっと一人で爆笑していたし。わたしも、つい笑ってしまったのも事実だ。でもなあ……これで良かったのかなあ……ムジョルニアはどうするのだろうか……いくら真の力に目覚めたと言っても、ムジョルニアなしでTHOR様が戦い抜けるとは思えないし……あああ……くそう、早く『Infinity War』が観たいですなあ! その思いが強まった作品でありました。あ、その前に『BLACK PANTHER]』ですな。そちらも超楽しみです! 以上。

↓ 実は『BLACkPANTHER』は原作を読んでません。ので、かなりにわか知識です。

 このBlogを書き始めた一番最初の記事の冒頭で宣言した通り、わたしが世界で最も好きな小説家はStephen King大先生である。これはもう何度も書いてきたことだが、とにかく面白い。たまーに、微妙作もあるのは認めよう。だけど、やっぱりダントツナンバーワンでStephen King先生の作品が好きだ。
 まあ、日本の小説家の先生の中にも、King先生のファンを公言している作家はいっぱいいるし、ちょっとインターネッツなる銀河を彷徨えば、わたしよりはるかに凄い、重度のKing先生のファンの方もいっぱいおられるのは間違いないのだが、残念ながらKing先生の作品は、それほど日本で売れるわけではなく、新刊が出てもあっさり品切れ重版未定という名の絶版に追い込まれるわけで、とにかく見かけたら買うべし、が掟である。そんなファンの中で、おそらく人気TOP5に入るのではないかとわたしが根拠なく勝手に思っている作品、それが文春文庫から出ている『IT』である。
IT〈1〉 (文春文庫)
スティーヴン キング
文藝春秋
1994-12-01

 文春文庫版で全4巻にわたる長いお話だが、わたしも当然20年近く前に読んでいるし、その後10年ぐらい前に1回読み直したことがある作品だ。わたしとしては、長編で言うとこの『IT』よりも『THE STAND』の方が大好きなのだが、この『IT』は映像化も当然過去になされている(TVミニシリーズ)作品である。そもそも出版されたのもずっと前だし。
 だが、この度、どういう経緯か知らないが、今再びその『IT』が劇場映画となって帰ってきた。しかも、9月から公開されているUS国内はおろか全世界でも、おそらくは大方の予想を超える超ウルトラ大ヒットである。US国内ではすでに3億ドルを突破し、日本以外の全世界でも3億ドルを超え、合計6億7千万ドル(1$=114円として765億円)を既に超えて大ヒットとなった新・映画版『IT』。わたしとしては、早く日本で公開にならねえかな……と待つこと2か月。いよいよ今日から公開となったのでさっそく観てきたのだが、結論から言うと、わたしのオレ的2017年ナンバーワンかもしれないほどの出来の良さで、ウルトラ大ヒットも納得の仕上がりとなっていた。実に面白かった。そして実にハイクオリティであった。
 以下、ネタバレ全開になるはずなので、知りたくない人は読まないでください。

 まず、どうでもいいことからメモしておくと、日本公開タイトルは、何やらセンスのない邦題が付いているが、全く不要なので本Blogでは一切その邦題を記さないことにする。この映画は『IT』であり、日本語で言うなら「それ」、強いてタイトルとして表記するなら『イット』とカタカナで表記する以外になかろうと思う。つまらん邦題はゴミ箱行きでよかろう。
 そして、King先生による原作を読んだことがある人なら、絶対に思うのは、「あの長大な物語をいかにして2時間チョイに収めたのだろうか?」という疑問であろうと思う。わたしも実際、それが一番気になっていたし、どういう脚本になったのかについて最も興味を持っていた。
 この点について、もうのっけから書いてしまうが、King先生の『IT』という小説は、過去の少年時代編(1957~58年)と、大人になった現代編(1984~85年)、に分かれているのだが、今回の映画版は、完全に「大人編」を切り捨て、「子供時代編」のみに絞って描かれていた。しかも今回の少年時代編は1988~89年に改変されていた。これは大胆といえば大胆だが、かえってストレートに物語が進行し、結果的には大成功だったのではないかと思う。ちなみに、エンディングで「CHAPTER:1」と出るので、「大人編」を「CHAPTER:2」として今後製作するのかもしれない。何しろ本作は、製作予算3500万ドル(=約40億円)と、ハリウッド基準では低予算であるため、もはや黒字は確実で、同じ規模なら続編を3本ぐらい製作できるほど稼いだのだから。そして、時代を1988~89年に変更したのは、その27年後(※27年周期、が重要なのは後に書きます)がまさしく2015~2016年と現代にするためではないかと思う。要するに、大人編を作る気満々ってことと理解してもよいとわたしは確信している。
 さて。以下物語を追ってみよう。なお、今回はあえて、映画版のみを話題とし、原作小説とどう違っていたかは記さないものとする。なぜなら……ええ、正直に告白しよう。比較できるほど原作小説の細部を覚えてないからです。サーセン。
 物語の舞台は、King作品では超おなじみのメイン州にある町、デリーである。もうKing先生の作品では、同じくメイン州「キャッスルロック」と同じくらい舞台になっている町で、架空の町だ。デリーに住む少年、ビル・デンブロウ君13歳は、1988年の10月の雨の日、弟のジョージーを失う。ジョージーは、ビルの作ってあげた紙の船を雨の中流して遊んでいて、行方不明になってしまったのだ。それから数カ月、デリーの町では少年少女の失踪が相次ぎ、ジョージーの死を受け入れられないビルは、仲間の「負け犬クラブ」のさえない少年たちと、デリーの町の地下を流れる下水道に調査に向かうのだが、そこには恐るべき「それ」が棲んでいて……てなお話である。
 とにかくこの作品の面白さは、やっぱり「負け犬クラブ」のダメ少年たちと、紅一点の勇気ある少女べバリーのキャラにあると言っても良いだろうと思う。そして、超おっかないピエロの格好をした謎の「それ」、ペニーワイズの恐怖がヤバいのだ。わたしは今回の映画で、ペニーワイスのビジュアル的な怖さも凄いと思ったし、やっぱり少年少女たちキャストの熱演がとても素晴らしかったと思う。また、演出も、闇と光、それからカメラアングルあたりは、ホラーとして古典的かもしれないけど、非常にハイクオリティだったと称賛したいと思う。また、いままで脳内で描いていたデリーの町を実際の映像で見せられるとこうなるんだ、というのも非常に興味深かったし、ジョージーの原作での忘れられないセリフ「お兄ちゃん、プカプカ浮かぼうよ……」も、実際の映像で「浮かんで」いる様が観られてわたしは大興奮であった。
 というわけで、以下、キャラ紹介とキャストについてまとめておこうと思う。
 ◆ビル・デンブロウ:演じたのはJaeden Lieberher君。2003年生まれらしいから14歳かな。ビルは、吃音のある少年で、ひょろっとして色白な、若干虚弱少年だが、愛する弟が死んだのは(行方不明になったのは)自分のせいだと心を痛めている。勇気は十分で、なんとなく学校の「負け犬クラブ(Losers Club)」のリーダー的存在。彼は大人になってホラー作家として成功する(くどいけど今回の映画は子供時代のみ)。
 ◆べバリー:演じたのはSophia Lillisちゃん15歳。2002年生まれだそうです。目鼻立ちの整った美人に成長する可能性大ですな。べバリーは、学校のイケてる派の女子たちからいじめられていて、おまけに、お父さんがクソ野郎(原作小説でもそうだったか思い出せない……)という気の毒な境遇にあるが、彼女もまた度胸の座った勇気ある少女。とあるきっかけで負け犬クラブの仲間に。クラブの紅一点で、実はビルもべバリーも、お互いが大好き。べバリーは大人になってからファッションデザイナーとして大成する。なお、ビルとべバリーは、なんとKing大先生の『11/22/63』にちらっとゲスト出演している。まさかまたビルとべバリーに会えるとは思ってもいなかったので、『11/22/63』を読んだときは大興奮しましたな。※追記:間違えた!さっきチラッと『11/22/63』をパラパラ流し読みしたところ、ビルじゃなくてリッチーとべバリーが出てくるのが正解でした。サーセン。間違ってました。
 ◆リッチー:演じたのはFinn Wolfhard君。リッチーはメガネのおしゃべり少年でずっとDirty Word連発で下ネタギャグをかます突っ込み役。ビルと一番仲がいいんじゃなかったかしら。大人になってからはLA住まいのDJとして暮らす。
 ◆エディ:演じたのはJack Dylan Grazer君。この子はイケメンにの成長するんじゃないかなあ。エディは喘息もちで超過保護?なお母さんの元、常に薬を持ち歩いている少年だが、結構毒舌で喧嘩っ早くて活発とも言えそう。病弱には見えない。薬やバイ菌に詳しくみんなの傷の手当担当。後半、自分も腕を骨折し、そのギプスに、薬局のブス女にLOSERと書かれてしまい、SをVに自分で書き直す(LOVER)涙ぐましい努力をする。大人になった彼はたしかNYCでリムジン会社を経営してるのではなかったかな。
 ◆スタンリー:演じたのはWyatt Oleff君。彼はなんと『Guardians of the Galaxy』の冒頭の少年時代のピーター・クィルを演じた子ですって。全然気が付かなかった。で、スタンリーはユダヤ教のラビの息子。結構おどおど君だが仲間の中では明るく元気。負け犬クラブ内ではいつも慎重派。大人になったスタンは裕福な会計士だったかな。
 ◆ベン:演じたのはJeremy Ray Taylor君。ベンは、太っちょの転校生で友達がいなくて、いじめられているところを負け犬クラブのみんなに助けてもらって仲間入り。図書館に入り浸っていて、べバリーに恋心を抱いていた。詩を送っちゃうような内気な少年。大人になったベンはすっかりスリムに変身、建築家として成功している。なお、ベンが図書館でデリーの歴史を調べているときに、どうやら「27年周期」でデリーでは大量に人が死ぬ事件が起きたり失踪事件が相次いでいたらしいことを発見する。
 ◆マイク:演じたのはChosen Jacob君。マイクは原作で黒人少年という設定だったか覚えていないけど、羊を飼育する農家の少年で、大人になってからも唯一、デリーで暮らしている。彼もまたいじめられているところを、負け犬クラブのみんなに助けてもらい一番最後に仲間入り。大人編は、デリーにいまだ住んでいる彼からの電話で物語は始まる。
 こうしてみると、大人編もぜひ映画化してほしいものですなあ! 現代に置き換わるはずだから、メールとかFACEBOOKとかで連絡とるような描写に変わるんだろうな……。
 そして、少年編で本作は終わってしまったので、実際のところ、真のエンディングには達していない。重要な「亀」がチラッと出てきたのは、原作小説を知らない人には全く印象に残らなかっただろうと思うし、「それ」の真の姿も出てきていないというべきだろう。
 だが、それでも本作はとても面白かった。むしろ、大人編は結構トンデモ系なお話になってしまうような気もするので、純粋にホラーとしては少年時代編のみに絞ったのはとても良かったようにも思う。少年時代という事で、本作は同じKing先生の『Stand by me』的な空気感というプロモーションを見かけたような気がするけれど、お話の構造としては、大人編と少年時代編が分かれている『DREAM CATCHER』の方が近いと思う。そしてその『DREAM CATCHER』も映画化されたけれど、かなりキツイ、トンデモ珍ムービーになってしまったのは、ひょっとしたら大人編・子供時代編を一気に描いたからなのではなかろうか……まあ、『DREAM CATCHER』は明確に分けられないだろうから仕方ないけどね……。
 で、最後に、本作を撮った監督をメモしておこう。
 本作を撮ったのが、Andrés Muschietti氏というアルゼンチンの方だ。キャリアとしては、まだ本作が長編2作目だそうで、1作目は『MAMA』というホラーだそうだ。待てよ……この映画、わたしWOWOWで観たかもしれないな……Jessica Chastin嬢が主役だったらしいから、観てるかも。

 これか……いや、これは観てないなあ……怖そう……。ま、とにかく、『IT』における演出技法としては実に正統派というか古典的で、実にしっかりとられた作品だと思う。ペニーワイスの怖さはもう、ホントヤバいすよ。映像が実にクリアというか、ピントがきっちり合っているというか……非常に見やすく、光と闇のコントラストがはっきりしている印象を受けた。たぶんこのことは、King先生の作品においては重要なことで、光の先、日常のちょっと隣に怪異が棲まうという空気感を醸成するのに貢献していたように感じた。この監督が撮る、ホラー作品以外も観てみたいと思います。
 あ、なんだ、もうすでにIMDbに、『CHAPTER:2』がアナウンスされてますね。2019年公開か……これは楽しみだ!

 というわけで、まとまらないので結論。
 わたしが世界で最も好きな小説家はStephen King先生である! このことはもうこのBlogで何度も書いてきた。そんなわたしが、映画『IT』を楽しみにしていないわけがない。そして実際に観てきて、わたしの期待は十分かなえられたと断言できる。大変面白かったし、実にクオリティの高い作品であった。長大な原作を、「少年時代編」のみに集中した選択も実に効果的だったと思う。もしこの映画を観て、負け犬クラブの彼らに「その後」があることを知らない方は、今すぐ原作小説を読んでほしい。つーかわたしも読みたくなってきたのだが、本棚にどういうわけか3巻だけないんだよな……誰かに貸しっぱなしなんだろうな……くそう! あ、ちゃんと電子書籍版が出てるじゃないか! いつの間に……この映画に合わせて10月に電子版を出してたのか……これはさっそく買うしかないすね。以上。

↓ というわけで、電子書籍版が出てました。
IT(1) (文春文庫)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2017-10-03

IT(2) (文春文庫)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2017-10-03

IT(3) (文春文庫)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2017-10-03

IT(4) (文春文庫)
スティーヴン・キング
文藝春秋
2017-10-03

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、今月会社の引っ越しを予定しておりまして、もろもろの準備で無駄に忙しく、ネタがないので今週もさっさと始めます。
 まずは、今週の週刊少年チャンピオン2017年49号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版は3週連続欅坂のお嬢さんのようです。
 ■弱虫ペダル:南中の星の巻。引き続き手嶋先輩VS葦木場君です。ほぼ進展なし。
 ■刃牙道:待望の巻。今週は刃牙、入場まで。ほぼ進展なし。
 ■BEASTERS:ただ心臓が寄り添ったの巻。ルイ先輩がカッコイイ話です。イイすねえ!
 ■囚人リク:始末の巻。絶望の剣崎を描いたP332の1枚絵はもう完全にアートですよ。マジ最高です。
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:ハロウィン過ぎたけどハロウィンの巻。最高に笑えましたw
 ■Gメン:変身!ブラックエンジェルレイナの巻。勝太、お前やっと気づいたのかよ!
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて、それでは今週の『鮫島』ニュースをお伝えいたします。
 先週は【王虎】さんVS【百雲】関の立ち合い序盤の攻防が描かれ、【百雲】関の殺気溢れる非情な攻撃でやや優勢か、とみられるシーンまでが描かれました。今週はNHKアナの「あ――――!! 当たり勝ったのは百雲―――!!」という絶叫から始まります。
 その攻撃のすさまじさに、記者の橋くんは思わず「王虎の上をいくのか…」と目を見開き、虎城理事長は冷静に土俵を見つめます。そして土俵上では鬼気迫る表情の【百雲】関の攻撃が止まりません。ドンドンドンドンと強烈な張り手で【王虎】さんに迫る【百雲】関。その脳裏には、横綱【泡影】の顔が浮かんでいるようで、「ダメだ…まだ……ダメだ…もっと…もっと…染めろ」と、もう目の毛細血管がプチプチと切れまくり、狂戦士ばりの表情へと変化していきます! そして強烈なブチカマシが【王虎】さんの左胸にクリーンヒット! NHKアナも「強――烈なブチカマシ―――!!」と絶叫です。
 しかし、その狂戦士めいた戦いぶりに、土俵を見守る新発田部屋親方は、思わず涙です。「涙が出る…ただ純粋に…強さのために…一人孤独に苦境に立つお前に…最愛なる者を捨ててまで進む 修羅道に…クソ………あんなもん(=横綱)に出会わなければ…願わくば…願わくばそこまで捧げた百雲の願いを 成就させてくれ…」この親方の想いには大いに共感できますが、まあ、残念ながらそうはいかないだろうな……とわたしは思ってしまった冷たい男なわけですが、めくったその先は! 見開きでズドーーンと【王虎】さんが描かれています。すげえ存在感というか、悪役感バリバリです! しかもセリフは!
 「偽者が…」
 そ、そんな! キン肉マン的実況でお伝えするならば、「あーーーっと! 王虎、無傷ーーー!」です! 【百雲】関の修羅道は、【王虎】さんレベルには通じないというのでしょうか? そして【王虎】さんは、やおら振り上げた右手で【百雲】の左側頭部を引っ叩きます! コイツはマズイ! 【百雲】関の鼓膜はイッちまった模様です! キーーーンと効いてしまった【百雲】関に、右ショルダータックルで追い討ちをかける【王虎】さん! NHKアナも「強―――烈―――!! 今度は吹き飛んだ百雲―――!!」と絶叫、コイツは勝負あったか!? しかし、それを歯を食いしばって堪えた【百雲】関! 目がジワジワ赤く染まっていき、何やら目から出血、さながら血の涙を流しているような壮絶な表情となった【百雲】関! 今週ラストは、そんな【百雲】関のつぶやきで幕となりました。
 「に…せ も…の…だ…と……殺…して…やる……」
 はーーーー……。新発田部屋親方のような心境で考えると、もう見ていられないすねえ……しかし、なんというか、理解が難しくなってきたような気がしますね……ちょっとまとめるとこういうことでいいのでしょうか?
前提 VS【泡影】に対する意気込み
鯉太郎 小兵であり「相撲に選ばれていない」力士。取り口は「すべてを出す」もので、後のことなど考えない全力相撲。その覚悟は【天雷】をもってしても、隣に立ってやれなくてすまない……と泣かせるほど。 【泡影】が「相撲そのもの」であるならば、上等だ、振り向かせてやる! と思っている。
ただし体はもはや限界の時が……。
百雲 体格は十分? 元「角界の良心」。しかし【泡影】という圧倒存在の前に絶望、勝つためにはすべてを捨てて”非情”となるしかないと考える。 【泡影】が先を読めるというなら、今までのようなきれいな取り口ではなく、想像を超える攻めを、一歩でも、一手でも先を……そして奪われた誇りを取り返す! と思っている。
王虎 かつてはとんでもないクソ野郎だったが「Burst」ラストでの鯉太郎との戦いで改心(?)。血筋・体格とも申し分なし。 まだ【泡影】に届かないという自覚はある模様。【泡影】に勝つためには、かつて苦杯を味わった鯉太郎の全力を飲み込む必要あり、と鯉太郎をVS【泡影】への試金石のように考えている(?)
泡影 虎城理事長曰く「相撲そのもの」の存在。どうやら四股を踏むことで全てと繋がる、という神のような感覚を得ており、ほぼすべての取組の先が読めてしまう。相対した力士は、脳を無理矢理侵食されるような気持ち悪さと同時に気持ちよさも感じてしまう絶対王者。
 改めて考えると、【王虎】さんが【泡影】に届かない要因は何なのか、そこがもう少し知りたいですし、そして鯉太郎と【百雲】には本質的な違いはないのではないか? という気も非常にしますね。ともあれ、【王虎】さんVS【百雲】関もどうやらクライマックス。来週あたり決着でしょうか。そして鯉太郎の体はどうなのか、いよいよ物語全体の山場に近づいておりますな。来週も楽しみです!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけど11日目から休場
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 10日目現在9勝1敗
 【稲虎】田上改め。十両力士に成長してた!
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 
 
 というわけで、結論。
 今週は引き続き【王虎】さんVS【百雲】関の戦いの模様が描かれましたが、【百雲】関の”非情”は、もはや親方に涙を流させるほど”悲痛”であり、見た目にも痛々しく、つらい展開でありました。これはもう……大丈夫じゃあないすね……。そして気になるのは鯉太郎の体の様子ですが、大器くんにも託されてしまった椿ちゃんの心中も察して余りあるわけで、今後どんどんつらい展開になりそうな予感です。それでも、読むのをやめるわけには行きません。この物語の最後を、きっちり見届けたく存じます。以上。

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