2017年07月

 というわけで、毎週月曜日は映画週末興行データです。
 わたしはこの週末も映画に行きませんでしたが、ひとつ、ミュージカルを観て来ました。『BILLY ELIOT THE MUSICAL』の待望の日本版公演であります。いやーーー。まあ主役のビリーを演じる少年の素晴らしさは大感動ですよ。タップもバレエも、実にお見事でありました。ビリー役の少年は5人で回しているそうですが、わたしが観た回の前田晴翔くん(13歳かな?)はなんとNYCアポロシアターのアマチュアナイトで年間グランドチャンプになった実力派で、完全にわたしはもうお父さん目線で観ておりました。このミュージカルがもっともっと話題になって売れることを祈ります。大変素晴らしいパフォーマンスでした。
 さて。それではさっそく、興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『怪盗グルーのミニオン大脱走』がV2達成。10日間ですでに20.16億だそうです。すげえ人気ですなあ!
 2位:『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』が公開土日で3.11億稼いで2位。金曜日を含めると4億超えてるかもしれないすね。へええ! この洋画不振の現在、わたしはまた、どうせランク下位なんだろうな、と勝手に思ってました。評価も結構低いし。しかしさすがはトム様、ってことなんでしょうか? 実はわたしも観たいと思ってます。今週中に行けるかどうかだなあ……。
 3位:『君の膵臓をたべたい』が公開土日で2.52億稼いで3位。こちらも金曜公開だから、3日間だと3億超えてるんでしょうな。わたしはこの作品は読んでないので何とも……大変申し訳ないのですが、ほぼ興味ナシ……。
 4位:『銀魂』が17日間で23億ほどだそうです。実はわたし、毎週ジャンプを買ってますが、ここ数年はもう銀さん読んでないす……。
 5位:『東京喰種 トーキョーグール』が公開土日で2.32億稼いだそうです。こちらも原作コミックを読んでいないのでほぼ興味ナシ。松竹配給ってのが、ちょっと今後の動向を注目したいすね。
 6位:『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が16日間で17~18億ぐらいと見積もる。2011年は3週目で20億届いていたけれど、それよりチョイ下目、と計算しました。
 7位:『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が30日間で50億は突破したはず。54~55億ぐらいと見積もる。
 8位:『メアリと魔法の花』が23日間で20億届いたかどうかぐらいと見積もる。『マーニー』が4週目で20.6億でした。あの時は3位キープだったかな。今回はそれより落ちてるので、20億近辺かなと。
 9位:『カーズ/クロスロード』が16日間でどうだろう、11~12億ぐらいと見積もる。『2』は3週目で18億ぐらい行ってたはずですが、どうも元気ないすねえ……。
  10位:『忍びの国』が30日間で……順位からするとこちらも20億届いたかどうかぐらいと見積もる。ちょっと作品が多すぎて、どんどん新作に埋もれてしまう感じですなあ……。

 とまあ、今週もあまり自信はありませんが、こんな週末だったようです。

 つーかですね、作品が多すぎ! ですよ。東宝は一体何本あるんだ? 洋画の東宝東和を入れたら、ミニオン・マミー・きみすい・ポケモン・メアリ・忍び、とこりゃあ多すぎですよ。なんというか、映画も消費されていくんすねえ……。これもシネコンの発達による変化というか進化なんでしょうか。出版界も、新刊点数がどんどん増えて、1作品当たりの部数は落ちる一方ですが、まあ同じですなあ。本屋さんは新刊(と映像化作品)を並べるので手一杯だし。これはもう、いい悪いじゃなくて、そういう時代と理解するしかないんでしょうな、きっと。

 というわけで、さっさと結論。
 今週は新作3本がランクインするも、1位は『ミニオン』がV2でした。なんか、今、見たい映画がないす。あでもあと10日で『SPIDER-MAN』が始まる!ので、わたしはそれまで待ちっす。以上。

 わたしが宝塚歌劇を愛していることは何度もこのBlogで書いてきたし、そのきっかけが、2010年に観た星組公演で、その時のTOPスター柚希礼音さん(通称:ちえちゃん)のあまりのカッコ良さに一発KOを食らたためであることも、何度も書いたと思う。そしてそのちえちゃんは、2015年5月に宝塚歌劇を卒業・退団し、その後、さまざまなチャレンジを続けて、今もなお、前へ前へと前進しているのは、少なくともヅカファンならだれでもご存知の通りだろう。
 しかし、これまでの挑戦は、比較的「柚希礼音」というブランドの元に、ちえちゃんファンをメインのお客さんと見立てた舞台が多かったように思う。『Prince of Broadway』や『バイオハザード』、そして今年の初めの『お気に召すまま』という3作品は、全く根拠がない単なるわたしの印象なので、全然テキトーな意見なのだが、わたしが観た限り、お客さんの9割方は「ちえちゃん」ファンであったように思う。実はわたしは、そのことについて、非常に残念に思っていた。なぜなら、ちえちゃんはもっともっと、広い人々に知られるべきだし、ちえちゃんの歌やダンスなど、ちえちゃんを知らない人にこそ見てもらいたいと思うからだ。そしてもっともっと多くの人を魅了する力がちえちゃんにはある、とわたしは信じているからだ。
 なので、わたしは常々、ちえちゃんは主役ではなく、脇役で、そしてこれはわたしとしては絶対に譲れない条件だが、とにかく「歌が素晴らしい名作と呼ばれるような作品」、そういうものに出演してほしいと思っていた。
 そんな風に思っていたわたしであるので、ちえちゃんがとうとう本格的な「名作」と呼ばれるミュージカル『BILLY ELIOT THE MUSICAL』の日本初公演に出演すると聞いた時の喜びはとても大きく、しかも演じるのは主人公の少年ビリーを教え導くウイルキンソン先生の役と聞いてさらにその喜びは増大したのである。やったー! ちえちゃんが、BILLYに、しかもウィルキンソン先生役! コイツは絶対観に行くしかねえぜ! というわけで、チケットも早々に確保し、待ちに待った今日、赤坂ACTシアターに推参したわたしである。そして結論から言うと、非常に素晴らしい作品で大興奮となったのであった。

 わたしは、すでにこの作品を、WOWOWで去年の初めごろだったかな、とにかく結構前に放送されたユニバーサル映画・WORKING TITLE製作(=映画のレミゼを作った会社)の、『BILLY EIOT THE MUSICAL LIVE』で観ていた。なので、物語も歌も、まあ歌は英語版だけど、知っていた。わたしが観たのは、舞台をそのまま撮影したもので、お客さんのリアクションや拍手もそのまま撮影されており、とても臨場感が高くて、大変面白く、Elton John氏の手による楽曲の素晴らしさも知っていた。だからわたしは、その日本版公演にちえちゃんが出演すると聞いた時は、本当にもう、うれしくてたまらなかったのである。ちなみに、わたしは映画版の『Billy Eliot』(邦題はリトル・ダンサー)は観ていないのだが、ミュージカル版を見た記憶から言うと、今回の日本版はほぼそのままであったように思う。一部セットの仕掛けが違ってるぐらいで、お話や歌はそのままだと思う。本場の『BILLY』は、あの特徴的なビリーの部屋(階段上がっていくアレ)は、奈落からセリでせりあがってくる造形だったが、今回は袖から引っ張り出してくる形に代わってましたな。まあ、その辺は別にどうでもいいけど。
 
 とまあ、わたしとしては非常に満足な日本版『BILLY』だったわけだが、何から書こうかな……。まずは物語だが、実のところ物語は単純で、1984年、イギリスは国策として20の炭鉱を廃坑とする政策を打ち立てた。時の首相は”鉄の女”としておなじみのかのMaegaret Thatcher女史。そしてそんな政府の方針に炭鉱労働者たちはストライキを持って対抗したが、北部の炭鉱町に住む少年ビリー・エリオットは、母を亡くし、父と兄と暮らしていた。父も兄も炭鉱夫で、ストに参加している。そんな大人の事情の中でも、少年ビリーはある日、バレエと出会い、バレエダンサーとして生きる希望を抱くのだがーーーみたいなお話である。イカン、全然うまくまとまらないや。
 いずれにせよ、わたしが一番言いたいのは、本作の主人公は明確に少年ビリーであり、ビリーのパフォーマンスがとにかく素晴らしい作品である、ということだ。そしてその少年ビリーにバレエを教えるのが、ウィルキンソン先生という女性で、本場版では結構タフで元気なおばちゃんである。今回の日本公演では、ビリー役の少年は5人いるのかな。先日、ビリーの少年たちを追ったドキュメンタリーをTVで観たけれど、大変才能あふれた少年たちだと思う。1年にわたるトレーニングで特訓してきた精鋭とはいえ、ほぼ出ずっぱりで体力にも大変だし、ダンスも歌も満載で、5人でも、おっさんとしては大丈夫か心配なレベルである。ちなみに今日わたしが観た演者は、以下のメンバーであった。
Billy
 というわけで、キャラごとの紹介を軽くやっておくか。
 ◆ビリー:今日のビリーを演じてくれたのは前田晴翔くん。2004年生まれで現在中学1年生だそうだ。彼はなんとアポロシアターのアマチュアナイトで年間グランドチャンプになったことがあるそうで、そのダンスはもう、完全に本物ですよ。美しく、素晴らしかったね。きっとあと5年もすれば、相当なイケメンに成長するんじゃなかろうか。ほんと、大満足のビリーであった。素晴らしい! 見せ場としては、やっぱり2幕の最初の方、クリスマスにバレエへの思いをぶちまけるダンスシーンでしょうな。あの、未来の大人になった自分、と一緒に踊るシーンはもうホント感動的でしたなあ! フライングも実に美しく、バッチリ決まっていたと思います。この子はホントすげえというか、本物ですよ。間違いないす。ダンス・歌・芝居、すべて120点を差し上げたいと思います。きっと、他の4人のビリーも素晴らしいんだろうな。ほんと、素晴らしい頑張りに惜しみない拍手を送りたいと思います。つか、手が痛くなるほど拍手をしてきました。最高です。
 ◆お父さん:今日のお父さんは益岡徹氏であった。無名塾出身なんすね。不器用なお父さんを熱演されていたと思う。大変失礼ながら、歌えるお方とは存じませんでした。ビリーのバレエへの想いを知って、それまではダメだと言っていたのに、ビリーを応援するために、ストを破って街の仲間から裏切り者呼ばわりされちゃうなど、ビリーのために頑張るお父さんはとても良かったです。そう、わたしは英語版を見たときは全然意識になかったんだけど、きっと英語もすごい方言バリバリな英語だったんだろうな。今回の日本版では、お父さんや大人たちは、どういうわけか博多弁(?)でしゃべります。まあ、炭鉱節でおなじみの三池炭鉱=福岡県ってことなんだろうと思います。
 ◆お兄ちゃん(トニー):今日のトニーは中河内雅貴氏が演じられていた。おお、久しぶりですなあ! 彼は、わたしが観に行っていた『テニスの王子様ミュージカル』第1シリーズで、王者・立海中学の仁王という役でわたしにはおなじみですね。彼が出た比嘉戦、ドリライ5、そして最後の立海戦の前編・後編、わたしは全部生で観に行きましたなあ。なつかしい。もう10~7年ぐらい前か。彼は今やすっかり日本のミュージカル界では有名なイケメン役者として頑張っていて、今回もおっかないお兄ちゃんを好演されていたと思います。ああ、まだ31歳なんだ。じゃあ当時はホントに若かったんだなあ。まあ、わたしも当時は若かったよ……。
 ◆ウィルキンソン先生:今日は当然ちえちゃんが演じる回で、だから今日のチケットを獲ったのだけれど、まあ、ちえちゃんがすっかり女子になっていて、ホント感無量ですよ。やっぱりちえちゃんは女子としても大変かわいく、歌も普通に女子の声で歌うのは初めてじゃなかろうか? ラストのカーテンコールでは、バレリーナ風な衣装で、実に可愛かった。実にナイスバディと言わざるを得ないす。そしてウィルキンソン先生としても、時におっかなく、時にやさしく、とても良かったと存じます。ちなみに、島田歌穂さんがダブルキャストでウィルキンソン先生役にクレジットされており、島田さんVerも観てみたいと思いました。今日は、やっぱりちえちゃんファンと思われる淑女の方が半分以上はいたと思うけれど、今までのちえちゃん出演舞台と違って、どうやらちえちゃんファンではない、親子連れや、純粋に『ビリー・エリオット』を観に来たと思われる方々も多かったように思う。わたしとしてはそれが非常にうれしく思う。ちえちゃんを知らない方々が観ても、ちえちゃんの素晴らしさが伝わったとわたしは確信できる、満足の出来でありました。
 ◆マイケル:ビリーの親友のちびっこ。女装趣味があり、どうもゲイ?らしい少年。今日のマイケルを演じてくれたのは持田唯颯くん。2006年生まれだって。まあ、芸達者というか、彼も素晴らしかったすねえ! ビリーだけじゃなく、彼、マイケルや女子チームのちびっこたちが本当に素晴らしく、まあ、とにかくわたしのようなおっさんには、彼らちびっ子たちの頑張りはとにかく胸にグッと来ますよ。マイケルのラストの「またな!」が心に残りますね。そして幕が下りてきて、降りきらないうちに自転車で去っていくタイミングは、完全に本場Verと同じでした。お見事っす!

 ところで、今日は、わたしは前から15列目ぐらいの端っこだったのだが、ACTシアターは録音なのかな、と思っていたけど、ちゃんと生オケみたいすね。指揮者の方はいたし、見えないけどオーケストラピットもあるのを初めて知ったす。ただ、音楽の音量がでかすぎてセリフが聞こえなくなるような部分がちょっとあったような……ま、7/19から始まったばかりで、これからもっとこなれていくんでしょうな。あ、あと一つ、備忘録としてメモしておきたいのは……なんで無駄にパンフレットを2Ver作るんだろう? 1つにすればいいのに……どっちを買ったらいいか、正直判断つかないよね。まったくそういう無駄なことはやめてほしいと強く感じた。そしてACTシアターは、ロビーがクソ狭いことでお馴染みなので、物販がすげえ行列になっちゃってる影響で歩きにくいし、いっそ物販は外でやるとか、パンフだけの専用売り場を作るとかすればいいのに。その辺は主催者の意識が全然甘いと感じました。

 というわけで、どうもまとまりのない記事になってしまったけれど、もう結論。
 待ちに待った日本版『ミュージカル ビリー・エリオット~リトル・ダンサー』を今日観てきたのだが、期待に違わず、少年ビリーは実に素晴らしかった。そして、やっぱりちえちゃんはいいすねえ! 着実に女子化が進行していて、男ファンとしてはとてもうれしく思う。歌も素晴らしかった。しかし、やっぱり本作の一番の見どころは主役のビリーですよ。今日ビリーを演じた前田君の名前は忘れないようにしておこう。絶対この少年は、大変なイケメンに成長すると見た。もうそろそろ、声変わりしちゃうんだろうな……今回の経験を生かして、今後もぜひ、活躍してもらいたいと思う。以上。

↓ 予習として、観ておくのもアリだと思います。少なくともわたしは、事前に観ておいてよかったと思いました。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、先週で大相撲7月場所もLe Tour de Franceも終了してしまい、わたしの夏は早くも終了でクソ暑い毎日を消化するだけの抜け殻なのですが、最近わたしは、毎日「カルピス」を愛飲しております。先日スーパーで、いわゆる「原液」を見かけ、そういや自分で原液を買ったことなんてなかったかも、と思い、ふと買ってみてさっそく作ってみたところ、こ、これはやっぱり……んまーーーい! と大変気に入りました。会社の近くだと税込で330円ぐらいと意外と高く、家の近所だと250円ぐらいとかなり差があるようで、わざわざ家の近所で買って会社にも常備しました。夏はやっぱりカルピスですなあ! となつかしさに浸っております。
 とまあ戯言はさておき、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年35号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版だと乃木坂の斎藤飛鳥嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:平坦道の果ての巻。平坦屋終了は意外とあっさりしてました。京伏はどうしちゃったんでしたっけ? さらに先に行ってるかと思ってた……
 ■刃牙道:義と剣の巻。まさか花山君まで!? なんかゴールが見えない……。
 ■BEASTERS:温い汗に固められての巻。レゴシ君朝帰りでざわつくみんなの巻です。
 ■囚人リク:動力の巻。おおリク…良い顔だ…とは田中のおっさんの弁ですw
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:ミッドナイト・テンションの巻。ロナルドさんが原稿を書き終えて超ハイになって暴れるお話。相当笑えて面白い。とにかくボケがしつこくて最高です。
 ■出撃☆昆虫武将チョウソカベ:新連載。虫に転生って……面白くなるか様子見す。
 ■音速ノロノ:読み切りギャグ。素晴らしいセンスとお見受けしました。おもろいす。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。今週は新連載や読み切りなどもあり、ギャグマンガ勢もキレがあって大変面白かったと存じます。

 さてと。それでは、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は”怪力”【天雷】VS”ビクトリースター”【白鯨力】の一番に決着がつき、【天雷】の怪力が【白鯨力】の必殺技ガブリ寄りを制して勝利、というところまで描かれました。今週は、花道を引き上げる【天雷】と我らが鯉太郎が泣かせる”再会”を祝してがっちり握手、そして支度部屋ではこの日も勝った横綱【泡影】の様子をモニターで観ていた【百雲】が、仮面ライダー王蛇ばりに「チッ……イラつくんだよ……」的な悪役フェイスをかます様子と、それを観ていた【王虎】さんがちょっとチャチャを入れて、一触即発の険悪ムードになる、で終了でした。
 あれっ!? いっけねえ!全部説明し終わっちゃった!
 では、ポイントを3つに絞ってもう少しだけ付け加えておきます。
 1)しょんぼりうなだれて花道を下がる【白鯨力】
 というわけで負けた【白鯨力】関はしょんぼりなわけですが、観客席のちびっこ(親方の息子?)からは「コラァ!! 頭上げろー!! 一度負けてもパワーアップして次は勝つんだ!! それがスーパーヒーローだろ!!」と檄が飛び、花道奥で控える尾多留部屋親方も、「大丈夫です! 君はまだまだ強くなる! 次こそ真正面から天雷(カレ)を倒しましょう!」と思っており、それらの励みをもらって、【白鯨力】関は再び「マッ」と前を向くのでありました。【白鯨力】関よ、君は良い部屋に巡り合えて良かったね。そして尾多留部屋親方は、なんか、”デコッパチ”でお馴染みのカマーン【岩ノ藤】関に若干キャラが似てますね。
 2)【天雷】meets 鯉太郎! 約束の時は来た!!!
 引き上げる【天雷】に付け人たちがお疲れさんです、と浴衣を羽織らせますが、ふと前を見るとそこにはーーー『バチバチ』5巻で描かれた教習所での出会い、そして7巻で描かれた序の口時代のあの一番が【天雷】の脳裏を駆け巡ります。まだ「村神」と名乗っていた、まだ何もわかっちゃいなかったあの日のことが!! そうです。目の前には鯉太郎が待っていました!! きっと毎日顔を合わせているはずなのに、なんなんすかこの「再会」は。そしてなんでこんなにグッとくるんすかもう!二人の会話はもう大感動ですよ。
 天「やっとだな」
 鯉「あぁ…」
 天「見てたか…?」
 鯉「あぁ…やっぱお前は 強い…」
 天「約束しただろ…俺は万全で待つと…お前はどうだ…」
 鯉「あぁ…強ーぞ…今の俺は……振り切ってる…」
 天「(待ったかいがあった…闘い続けたかいがあった…やっと…やっと その時期が来た…)次を考える気は…余裕は…俺にはもうない…もう…今場所は…明日以外はどうでもいい…俺の全てでお前を倒す…お前も全てで倒しに来い…」
 鯉「あぁ…何も…何も残す気はない…最高の…一番にしよう…」
 天「あぁ」
 というわけで、鯉太郎の11日目の相手は【天雷】で確定です!!! やったーーーー!!!
 そしてこのシーンは9ページにわたって描かれているわけですが、今週は絶対にチャンピオンを買って、二人の表情を味わってください!! もうですね、何とも言えない最高の表情ですよ。とくに、鯉太郎の「強ーぞ、今の俺は、振り切ってる」の闘志あふれる表情はおっそろしくカッコいいですし、【天雷】の待ち続けてきた勝負が実現することへの喜び溢れる表情も素晴らしいと思います! いやあ、もうホント最高ですね!
 3)イラつく【百雲】と余裕の【王虎】さんの一触即発ムード
 一方そのころ、支度部屋のモニターで横綱【泡影】が65連勝(※相手は不明。誰なんだ?”牛鬼”さんこと【明王山】であることが125話の冒頭に描かれてました。ご指摘有り難うございます!)したシーンを観ていた【百雲】はイラついているわけですが、そこに風呂上り?と思われる大関【王虎】さんがやってきました。またこの【王虎】さんが余裕というか、そんなこと言わなくても……とハラハラするような、完全にケンカを売っているとしか思えない言動をかまします。
 王「フッ…まだいたのか…熱心なことだな…まるで手の届かないものに憧れる 子供のようだなテメーは…」
 百「テメーも…潰してやるよ…」
 王「そりゃあ楽しみだ…」
 【王虎】さん! まわりの付け人たちが完全ドン引きですよ! この二人の表情も、素晴らしいすね。ブッチ切れて爆発寸前の【百雲】、余裕の笑みの【王虎】さん。コイツはヤバいす! これはもうタダじゃあ済まない展開ですよ。
 とまあ、今週はここで終了なわけで、11日目の取組はもう大変熱くなることは確定的に明らかですね。しかし問題は、【天雷】戦の後の12日目から15日目の4番、一体鯉太郎は誰と戦うのか、が大問題なわけですが、要するに、
 【泡影】:まあ確実に戦うはず、でしょう。千秋楽かどうかは分かりませんが。
 【王虎】:100%確実に戦うはず、ですわな。ヤバいす。
 【猛虎】:きっと確実に戦うはず。素人時代の鯉太郎に負けた借りを返す必要アリ。
 と、3番はおそらくは確定しているわけですが、じゃあ、あと一人は誰なのよ問題が残ります。まだ鯉太郎と戦っていない候補者は……
 【新キャラ】:いきなりあり得るかなあ??
 【天鳳】:大関。通称”角界の怪鳥”。でも、白水兄貴との戦いで十分描かれたので、まだ彼について描くことが残っているかどうか……。
 【明王山】:関脇。通称”牛鬼”さん。でも、『鮫島』第1話で戦ったので、まだ彼について描くことが残ってるかどうか……。いや、でも大関陥落後の激闘編とかはアリかも?
 【百雲】:関脇。元”角界の良心”。でも、【王虎】さんにやられて廃人化する可能性大。大丈夫かなあ……。
 【白鯨力】:小結。通称”ビクトリースター”。うーん、彼はないか……。
 【飛天勇】:前頭4枚目。”石川の兄貴”としておなじみ。そういや闘ってない。が、番付的に今さら感はある。
 というわけで、さっぱりわたしは予想がつきません。強いて挙げるなら”牛鬼”さんかなあ……。はあ……しかしまあ、年内決着はないすね。あと1年以上は連載が続いてもおかしくないですな。わたしとしてはまだまだ楽しみたいので、長くなっても一向に構いません。しかし、まずは11日目、VS【天雷】戦が確定して大変うれしいです。大変な戦いになるのは確実でしょうな。超楽しみです!!!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけどその後は不明
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇 で確定!!! やった!!
 --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 10日目現在9勝1敗
 【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる模様。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。 

 というわけで、結論。
 今週はとうとう、11日目の鯉太郎の相手は【天雷】であることが確定いたしました! やったーーー!! そして同じ11日目の【王虎】さんVS【百雲】も大変な取組になるのは確実でありましょう。これはもう楽しみすぎますなあ! 単行本収録を考えると、ハッキョイまであと2~3週はあるわけで、そろそろ鯉太郎と椿ちゃんの関係進展な展開も入ってくるんすかねえ……場合によっては、ボロボロな鯉太郎の元に、吽形さんがやって来るのもアリかもしれないすねえ……どうなるかわかりませんが、とりあえず来週は何が描かれるか、ワクワクドキドキしながら待ちたいと存じます。以上。


↓おっと、意外とネット通販はそれほど安くないな……やっぱり近所のスーパー最強説!
カルピス 希釈タイプ(470mL)【カルピス】[ジュース 乳酸飲料]
カルピス 希釈タイプ(470mL)【カルピス】[ジュース 乳酸飲料]

 はーーー暑い……そして湿気が不快だ……やっぱり寒い方がわたしは耐えられるのは間違いなかろう。夏はなんというか……酸素が足りないというか……すべての体機能が低下しているような気がする……。
 というわけで、昨日に引き続き、Isaac Asimov先生の『FOUNDATION』シリーズ最初の三部作、の3作目『SECOND FOUNDATION』について今日は書こうと思う。

 まずは、昨日も書いたおさらいをコピペしておくか。手抜きサーセン。
 今から数万年後の遠い未来、「帝国」が1万2千年の長きにわたって広大な銀河を統治していた。が、その長大な歴史は停滞をもたらし、崩壊が迫っていることを一人の男が警告を発する。その男の名は【ハリ・セルダン】。そしてセルダンは、人類の英知たる知識を保管・管理するために、【銀河百科事典第1財団】=【第1ファウンデーション】を、帝国の首都星【トランター】から遠く離れた辺境の星【ターミナス】に築き上げることに成功する(※第1巻時点ではほぼ謎に包まれているが、「セルダンは、銀河の反対側に第2ファウンデーションを設置した」ことも知られている)。その目的は、何もしないと、帝国滅亡後、人類は3万年にわたって無政府状態の闇に陥ることになるが、その3万年の闇を、1千年に縮めるために、ファウンデーションを設立したわけである。セルダンの主張はセルダンが編み出した【心理歴史学】という、統計科学を用いた複雑な方程式によって数学的に導かれたもので、第1巻は、そこから300年にぐらいの間に起きた、3回の重大な【セルダン危機】=ファウンデーションに降りかかる重大なピンチ、を描いたものである。
 そして続く第2巻では、冒頭に銀河帝国の滅亡に繋がる事件と最後の皇帝について描かれ、その後、【セルダン・プラン】の唯一の弱点である「イレギュラー」、【ザ・ミュール】と呼ばれるミュータントの出現により、セルダンの予言は初めて外れ、とうとうファウンデーションはミュールに占領・征服されてしまう。そしてミュールに唯一対抗することができる可能性として、第2ファウンデーションの謎を解くために人々は行動するが、その謎が解かれる寸前で、大事件が起きて―――というエンディングであった。
 で。本書、第3作目にあたる『SECOND FOUNDATION』は、冒頭のプロローグにおいて、Asimov先生直々に、次のように物語が紹介されている。
 「こうして謎の第2ファウンデーションが、みんなの探し求めるゴールとして残った。ミュールは銀河系征服を完遂するために、それを発見しなければならなかった。第1ファウンデーションの生き残りの忠誠心のある者たちは、まさに正反対の理由でそれを発見しなければならなかった。だが、いったいどこにあるのか? それは誰も知らなかった。というわけで、これは第2ファウンデーション探索の物語である」

 <第1部:ミュールによる探索>
 この第1部で描かれるのは、そのタイトル通りミュールによる【第2ファウンデーション】探索の物語である。第2巻のラストから5年後、第2巻で出てきた【ハン・プリッチャー】がミュールによって探索の命を与えられ、新キャラの【ベイル・チャニス】を引き連れて旅立つのだが、その宇宙船には追跡機が付けられており、ブリッチャーは疑心暗鬼の中で混乱する中、ついにミュールと第2ファウンデーションは対面する―――! という展開になる。そして第2ファウンデーションが告げた、ミュールに対する宣言とは! というのがお話の筋で、構成として特徴的なのは、短い章が次々連なる中で、第2ファウンデーションでの【第1発言者】たちの会議の模様?が交互に挿入されている点である。ラストでこのミュール側の話と第2ファウンデーション側の話が交わる形になっていて、ラストは、えええ―――!! という驚きの展開でした。
 主な登場人物と地名をまとめておこう。
 【カルガン】:ミュールの本拠星
 【タセンダ】:チャニスが怪しい、と目を付けた星系
 【ロッセム】:タゼンダに属する冬の惑星。1年のうち9カ月雪が降っており、かつては監獄星でもあった。
 【ミュール】:ミュータントであり、人間の感情をコントロールすることができる特殊な能力を持っている。そのため、ミュールによる征服は、一切戦闘が起きない。ミュールに反抗する心(だけ)を消されてしまうため、本人的には何も変わっていないように思えるけれど、ミュールに反抗できない状態になる。現在ミュールは、銀河系の1/10を支配して【世界連邦】を築き、その【第1市民】と名乗っている。痩せこけていて手足は棒のようで、5フィート8インチ(=172.7cm)、120ポンド(54.43㎏)に満たず、鼻が3インチ突き出ているそうで、まあ、異形、と描写されている。つーかですね、身長と体重はわたしとほぼ同じなんですけど! ちょっと笑えました。
 【ハン・プリッチャー】:第2巻にも出てきた、元ファウンデーション国防軍の諜報部員。現在は、ミュールに【転向】させられ、ミュールの第一の側近的な存在に。役職的には将軍に任ぜられている。真面目だけど、結構気の毒な人。ミュールの敵だったころのことを明確に覚えている。
 【ベイル・チャニス】:カルガン出身。ハンサムで頭が良い、28歳の若い男。【非転向者】であるが、ミュールの統治に不満はない模様。ミュールは、チャニスのコントロールされていない生の野心を第2ファウンデーション探索に必要なものと見込んで(※ミュールは、何者かが転向者に対して精神コントロールをしようとしていることを知っており、プリッチャーを100%信頼できずにいたため、非転向者が必要だった、ということらしい)、プリッチャーに同行させる。しかし、ミュールがチャニスを起用した真意は別のところにあり、さらにチャニスにも秘密があり、そして事態はミュールやチャニスの意図さえも超えて―――というラストの展開は大興奮でありました。
 【第1発言者】:謎の第2ファウンデーションの幹部的存在(?)。行政評議会の構成員。彼らの会議は、独特のもので、談話(声)をもって行うのではないらしい。Asimov先生の地の文の解説によると「ここに集合している人々の精神は、おたがいの働きを完全に理解する」そうで、説明不能だそうです。
 【ナロビ】:ロッセムの農夫。その上に【長老】がいて、さらにその上に【タゼンダ】から派遣されたロッサムを治める【総督】がいる。彼らはみなほぼチョイ役。

 <第2部:ファウンデーションによる探索>
 この第2部は、第1部から1世代分時間が経過している。すでに、第1部ラストでミュールは第2ファウンデーションに完全敗北し、ミュールの創り上げた世界連邦もほぼ崩壊している。そんな世界で、【トラン・ダレル】博士を中心とするファウンデーションの小グループは、「電子脳写」という技術で人の精神や感情がどうも「何者」かに操られている、人工的な精神状態にある、ということを発見し、これは【第2ファウンデーション】によるコントロールなのではないか、という結論に至る。そしてその謎を解くために、かつてミュールが本拠地としていた【カルガン】でミュールの記録を調査するために、仲間の一人をカルガンへ送り込む。しかしその船には、ダレル博士の一人娘、アーカディアもこっそり乗船していた――――という展開で、さらにカルガンを現在治める【ステッティン】という男や、ちょっとした戦争まで勃発し、果たしてダレル博士は第2ファウンデーションの謎を解けるのか、そしてアーカディアは無事に父の元へ帰れるのか、という活劇タッチで物語は描かれる。なお、ラストでとうとう、第2ファウンデーションの謎は完全に明らかになります。ちょっと意外な、そうきたか、というものでわたしは大変楽しめました。
 主な人物は以下の通り。
 【トラン・ダレル】:42歳。第2巻第2部の主人公、ベイタの息子。科学者。妻は死別。ターミナス在住。結果的に第2ファウンデーションのすべてを解き明かすことに成功する。
 【アーカディア・ダレル】:14歳。ベイタの孫娘。家にこっそり盗聴器を仕掛けて、父たちの計画を盗み聞きし、第2ファウンデーション捜索のためにカルガンへ向かう宇宙船に密航。結果的にはすごい大発見をして大活躍する。主人公の一人と言って過言ではない。
 【ポリ】:ダレル家に仕える家政婦のおばちゃん。
 【ベレアス・アンソーア】:若き科学者。トランのかつての共同研究者の最後の弟子として、トランのグループに参加してくるが、その正体は―――!! というラストがかなり驚きの展開。
 【ホマー・マン】:トランのグループのメンバー。図書館司書のおじいちゃん。すごい気弱でどもり癖もあるのに、ミュール研究の第一人者だったため、カルガン調査にはあなたが適任だ、と任命され、しぶしぶ1人で行くことに。そしてアーカディアが密航していることに気づいて大混乱するも、現地では意外と活躍する。
 【ジョウル・ターパー】:トランのグループのメンバー。報道記者。ほぼ役割ナシ。
 【エヴェレット・セミック】:トランのグループのメンバー。物理学教授。ほぼ役割ナシ。
 【第1発言者】:第1部に出てきた第1発言者の後継者で、同一人物ではない。この第2部も、第2ファウンデーション側の会話が交互に現れる構成になっている。
 【若者】:第1発言者の会話相手。評議会入りを控えた有能な若者らしい(?)。わたしはコイツこそが実はアンソーアなのかと思っていたのだが、どうも違うみたい。
 【ステッティン】:ミュール亡き後のカルガンを治める君主。ただしまだ在位5カ月の新米。完全にセルダン・プランは崩壊したと思っていて、第2ファウンデーションのことも信じていないのか、どうでもいいと思っているのか、良くわからないけど自分がミュールに代わって銀河を征服する、とかアホな野望を抱いている。ほぼ何も活躍せず、無駄にファウンデーションに戦争を吹っ掛け、あっさり敗退。
 【カリア】:ステッティンの正妻。カルガンにやってきたアーカディアを保護する。しかしその正体は―――! という意外な展開になるけれど、実際物語上の役割はそれほど大きくない。アーカディアに余裕で見抜かれるし。
 【プリーム・パルヴァー】:荒廃したトランターで農業を営む男。たまたま仕事でカルガンに来ていたが、アーカディアのカルガン脱出を手伝い、トランターの自宅へ彼女をかくまう。しかし、本作の一番最後の文章で、彼こそが実は―――!! という超驚きの正体暴露があって、売っそ、マジかよ!! とわたしは非常にびっくりした。

 はーーー。なんかまとまらない。要するにこの第3巻は、まず前半でミュールのその後が描かれ、後半ではとうとう第2ファウンデーションの謎が解かれ、というわけで、大変スッキリする完結編、と言っていいと思う。ただ、ホントに読みづらい、という印象は最後まで薄れなかったのが我ながら良くわからない。これは……翻訳の日本語文章の問題ではないと思うのだが……やっぱり、時間軸が長くて場面転換も多くて、キャラクターも多い、ってことなんだろうか。しかし、ふと思ったけれど、やっぱり『スター・ウォーズ』の元祖、みたいなことを言われるだけあって、確かに展開やキャラ造形は『スター・ウォーズ』を思わせる要素はいっぱいあるような気がしますな。基本的には、一人の主人公が、難問に対して頭脳で勝負する展開が多く、ほとんどの場合、主人公自身は戦わない。あくまで背景として戦争があるため、戦闘描写はほぼないという点も非常に独特ですな。大変面白かったです。
 わたしが非常に痛感したのは、
 1)超人、という個人に頼る体制はやっぱり永続しえない
 2)超人のスーパーパワーより組織の方が強い。
 ということです。そして第2ファウンデーションはなんというか、「ブギーポップ」シリーズでお馴染みの「統和機構」みたいすね。
 ちょっと関係ないけれど、わたしはいつも思うのだが、たとえば北の三代目将軍様は、ある日突然イイ奴になるかもしれないし、あるいはあの世に消え去るかもしれず、そうなったらあの国はガラッと変わり得る、けど、彼を支援してきた強大なGNP2位のあの国は、完全に組織として強固で、はっきり言えば誰がTOPになっても大きく変わることはなく、常に同じなんだろうな、ということも、なんとなく本作を読んで思い出しました。

 というわけで、もういい加減にして結論。
 時間がかかってしまったが、やっとSFの名作と呼ばれる『FOUDATION』三部作をずべて読み終わった。非常に長大な物語で、その規模は第1巻の冒頭から第3巻のエンディングまでは400年ぐらい経ってるのかな? 非常に読みごたえのある作品でありました。様々なSF宇宙モノの元祖、みたいなことを言われる古典作品だが、これはやっぱり読んどいてよかったわ。というのがわたしの最終結論です。以上。

↓ 次は、とうとうコイツを読みます! ずっと日本語訳を待ち望んでいたぜ! 昨日やっと電子書籍で買いました。昨日はコインバックフェアがあったので。
ダークタワー IV‐1/2 鍵穴を吹き抜ける風 (角川文庫)
スティーヴン・キング
KADOKAWA / 角川書店
2017-06-17


 はーーーやっと読み終わった……。そして面白かった!
 6月の末に、わたしはIsaac Asimov先生のSF古典ともいうべき作品、『FOUNDATION』を読んだのだが、これがめっぽう面白く、(最初の)3部作はもう全部読むしかねえ、と続く2巻目3巻目をせっせと読んでいたのだが、今日の朝の電車内でやっと全部読み終わった。超満足です。
 で、2冊まとめてレビューしようと思ったけれど、分量的にかなり長くなるような気がするので、やっぱり1冊ずつ取り上げることにした。
 ちなみに、わたしは電子書籍で読んだのだが、わたしの読んだフォーマットは46文字×24行で、2巻は276ページある。それをわたしは333分かかって読んだと記録が残ってました。3巻目は同じフォーマットで277ページで、362分だったようです。そう、読むスピード自体はそれほど遅くないんだけど、途中で別の本を読んだりしてたので、結構時間がかかっちゃったな……。
 まあというわけで、まずは2巻目を今日、そして3巻目は明日、書こうと思う。そしてその第2巻はこちらの『FOUNDATION and EMPIRE』(日本語タイトル「銀河帝国興亡史(2) ファウンデーション対帝国」)であります。

 すでに基本的な世界観は、1巻目を書いた時に散々書いたので、もう短くまとめるが、今から数万年後の遠い未来、「帝国」が1万2千年の長きにわたって広大な銀河を統治していた。が、その長大な歴史は停滞をもたらし、崩壊が迫っていることを一人の男が警告を発する。その男の名は【ハリ・セルダン】。そしてセルダンは、人類の英知たる知識を保管・管理するために、【銀河百科事典第1財団】=【第1ファウンデーション】を、帝国の首都星【トランター】から遠く離れた辺境の星【ターミナス】に築き上げることに成功する(※第1巻時点ではほぼ謎に包まれているが、「セルダンは、銀河の反対側に第2ファウンデーションを設置した」ことも知られている)。その目的は、何もしないと、帝国滅亡後、人類は3万年にわたって無政府状態の闇に陥ることになるが、その3万年の闇を、1千年に縮めること、であり、そのためにファウンデーションを設立したわけである。セルダンの主張はセルダンが編み出した【心理歴史学】という、統計科学を用いた複雑な方程式によって数学的に導かれたもので、第1巻は、そこから300年にぐらいの間に起きた、3回の重大な【セルダン危機】=ファウンデーションに降りかかる重大なピンチ、を描いたものである。そしてラストでは、いよいよ帝国の滅亡間近、までが描かれていた。
 そして第2巻である。
 第1巻が5つの章からなり、それぞれの章の間には結構な時間経過があって、登場人物も移り変わっていくのが形式的な特徴であったが、今回の第2巻は、大きく分けて二つの章で構成されているという微妙な違いがあった。それでは、それぞれの章を簡単にまとめていくとしよう。
 <第1部:将軍>
 この第1部で描かれるのは、【帝国サイド】からの物語である。とある帝国の将軍が、「魔法使い」の噂を耳にし、【ファウンデーション】の存在を知り、帝国臣民としてファウンデーションの技術を奪うために長征を仕掛けてくるが、展開としてはファウンデーションVS帝国の戦争が勃発し、帝国有利で進むものの、最終的には帝国内の意志が統一されていない・つまらん勢力争い(?)といった状況を利用され、帝国はある意味勝手に破れ、1万2千年の歴史に幕が閉じられる、ということになる。これまたセルダンの計算通り!的な流れですな。
 主要人物は以下の通り。
 【ベル・リオーズ】:帝国の軍人(将軍・34歳)で、「帝国最後の臣民」と後に呼ばれることになる、なかなか頭のいい男。ドゥーセム・バーから聞いた「魔法使い」の話を確かめるために最初は単独遠征、そしてのちにVSファウンデーションの戦火を開くことに。実際のところ、全然悪者ではなく、むしろ、帝国に忠誠心の篤い真面目な男。可哀想な運命に……。
 【ドゥーセム・バー】:隠棲していた彼のもとにリオーズがやってくるところから物語が始まる。彼は第1巻ラストで、【ホバー・マロウ】と取引した【オナム・バー】が言っていた「6番目の息子」のことらしい。なお、どうやら時の経過としては、第1巻のラストから40年(か50年)が経っている模様。そしてカギとなる個人用フォース・フィールド発生機も、第1巻ラストでマロウが取引に使ったアレ、が50年を経て重要な役割を果たす。
 【クレオン2世】:帝国最後の皇帝。まったくファウンデーションのことを知らず、現状を分かっていないおじいちゃん。実際無能。
【ブロドリック】:クレオン2世の一番の寵臣。若き野心家。下賤の生まれのくせに可愛がられていて、と宮廷内で憎まれている。リオーズの遠征に皇帝名代として同行。しかしその野心をファウンデーション側に利用されてしまい……
 【ラサン・デヴァーズ】ファウンデーションの貿易商人。リオーズの艦隊に捕らえられ、ドゥーセムと出会い、かつて50年前にマロウと取引したオナム・バーの息子であることを知って、ドゥーセムが帝国に対して抱く憎悪を利用して、帝国打倒に協力する。そして、リオーズとブロドリックの関係に注目し、工作を始めるのだが……実質的にファウンデーションを救う一番の功労者になる。
 【セネット・フォレル】ファウンデーションの貿易商人。チョイ役と思いきや、どうやらデヴァーズを派遣した商人協会のお偉いさん、なのかな? 実は良くわかりませんでした。
 【モリ・ルーク軍曹】帝国の軍人。リオーズの忠実な部下だが、デヴァーズの看守として見張っている間に、デヴァーズからちょっとしたモノをもらったり話を聞いているうちに……

 <第2部:ザ・ミュール>
 どうやら帝国滅亡から80年が経過している時代が舞台。とうとう帝国は滅亡し、自由世界が広がる、かと思いきや、ついに【セルダン・プラン】に予定されていない突発事件が起こり、「プラン」崩壊の危機に陥るという超ヤバイお話。その、セルダンをもってして予期できなかったイレギュラー、それが【ザ・ミュール】と呼ばれる一人のミュータント(=超能力者みたいなもの)で、セルダンの「心理歴史学」が、あくまで総体としての人類の行方を計算したものであり、個人の動向を予知できない、という唯一の弱点を突いて、ファウンデーションは史上最大のピンチを迎える―――!!! というのがお話の筋。
 主な登場人物と地名は以下の通り。
 【ヘイヴン】:辺境の洞窟惑星
 【ターミナス】:第1ファウンデーションの母星
 【トランター】:旧帝国の首都星
 【カルガン】:保養地として有名な、リゾート惑星。ファウンデーション陣営の星だが、ミュールに(たった一つの戦闘もなく)征服され、ベイタとトランは新婚旅行を装って潜入する。
 【ベイタ】:ホバー・マロウの子孫で活動的な女子。24歳。歴史学専攻。ファウンデーション(ターミナス)出身。今回の主人公。セルダン危機が迫っていると考えている。なかなか賢く勇敢な女子。
 【トラン】:ベイタの夫。ヘイヴン出身。
 【フラン】:トランの父。59歳。貿易商人。事故により隻腕。ヘイヴンの商人の顔役的な存在。ファウンデーションのヘイヴン侵攻に不安を抱えているが、ここ1,2年、銀河に流れているミュールの噂に、ファウンデーションにミュールをぶつけることで有利な交渉ができるのでは、と考えている。
 【ランデュ】:トランの叔父。父の弟。
 【ハン・プリッチャー】:登場時は大尉。43歳。アナクレオン出身。ファウンデーション国防軍の秘密諜報員。非常に有能で「私の義務は国家に対するものであり上司に対するものではない」と言い切って無能な上司をぶん殴って軍を辞め、カルガンで小船員として働いていたが、ミュールの到来でカルガンが征服されたことをいち早くファウンデーションに報告した男。ベイタとトランの二人にカルガンで出会い、二人の脱出に手を貸す。が……のちにミュールに心理操作され、ミュール軍の大佐に(※第3巻では将軍として登場)。
 【インドバー市長】:現在のインドバーは三代目。初代インドバーは残忍かつ有能な市長で、市長職を世襲にした。2代目インドバーは残忍なだけの世襲市長。現在の三代目は残忍でも有能でもなく、生まれる場所を間違えた簿記係に過ぎない、と言われている。組織とお役所仕事が大好きな無能。
 【マグニフィコ】:ミュールに仕えていたという道化師。なんかちょっと良く分からない謎人物で、手足がひょろ長くその容貌も異様。そして唯一、ミュールの姿を見たことのある人間として彼の争奪戦が起こる。ベイタに懐き、ベイタにつき従うが、その正体はーーー多分誰でも、結構早い段階で正体に気付けると思う。わたしも想像した通りでラストはそれほど驚かなかった(※ただし、ラストのベイタの決断には超驚いた)。
 【エプリング・ミス】:第1ファウンデーションで唯一、事態を正確に洞察していた科学者。インドバー(三代目)市長にもずけずけモノが言える人物。ミュールの支配がファウンデーションを覆った後半、ベイタ・トラン・マグニフィコとともにターミナスを脱出し、ヘイヴンで一時避難したのちに、トランターへ。帝国の残骸と化した荒廃したトランターで、ミュールに唯一対抗できるのではないかと推測した【第2ファウンデーション】の謎をついに解明するが、その時、大変なことが起きる――!

 はーーもうきりがないのでこの辺にしておこうかな。とにかく、この第2巻での山場は間違いなく第2部の【ザ・ミュール】にあるといっていいだろう。一体全体、何者なのか。これがこの第2巻の最大の謎であろう。また、ターミナスがミュールによって占領、陥落する直前に出現したセルダンのホログラムも、これまですべて正確な予知のもとに、状況に合う「セルダン危機」に対する話をしていたのに、今回は全く予測がずれてしまったシーンも非常に印象深い。
 かくして、第2巻はミュールによるファウンデーション陥落と、ミュールの天敵、と思われる【第2ファウンデーション】の謎が示されて終わる。実に次が気になる終わり方で、果たして銀河はミュールによって支配されてしまうのか、それとも、ついに【第2ファウンデーション】が姿を現すのか、というドキドキな、2作目にふさわしいエンディングだとわたしは非常に感動?さえした。三部作モノはいっぱいあるけれど、これ以上ない「第2作目」のエンディングだと思うな。例えていうと、やっぱり、『帝国の逆襲』のエンディングに近いような気さえしますね。いやー、本当に面白かった!

 というわけで、結論。
 Isaac Asimov先生による『ファウンデーション』シリーズ第2巻、『FOUNDATION and EMPIRE』を読み終わったとき、わたしが真っ先に思ったのは、「2作目のエンディングとして完璧」という思いであった。本作はかなり時間軸も長いし、若干の冗長さもあるような気がするし、キャラクターも多いので、実は結構読みづらいかも、という気はする。しかし、ついに予言が外れた「セルダンプラン」と謎の「第2ファウンデーション」の存在をほのめかすエンディングは完璧であり、読み終えた瞬間に第3作目を読みだしたくなることは間違いないと思う。これは面白い! というわけで、明日は第3作目について書きます。以上。

↓ いやーーー実は第3作目も最高でした。詳しくは明日!

 というわけで、毎週月曜日は映画週末興行データです。
 この週末は映画を観に行っておりません。が、去年の秋ごろUS公開されて、わたしがずっと観たいと思っていた映画の日本公開がきまり、この週末から前売りのムビチケカードが発売になる、という情報を得て、マジかよ! そいつを待ってたぜ!とばかりに、それを買うためだけに、とあるシネコンへ行ってきました。その映画とはこれです。

 タイトルの『SWISS ARMY MAN』とは、要するにスイス・アーミーナイフのように超便利、な男(の死体)という意味ですが、上記予告の通り、この発想は本当にスゲエとしか言いようがないすね! 日本では公開されないかもとあきらめかけていましたが、US公開から約1年、やっと今年の9月公開決定です。日本語公式Webサイトの劇場情報によると、今のところ16スクリーンかな? 超小規模公開のようですが、コイツは観るしかないぜ! と思っております、はい。公開までに劇場数は増えるのだろうか?
 あ、あと2つニュースがあったのでメモをしておくと……
 1)2月決算の東宝と松竹の第1四半期決算(3月~5月)が発表された。が、ズバリ驚きはない数値なので、取り上げる必要はなかろうと思う。中間期、年度末の2回で十分であろう。
 2)San Diego Comic Con、通称コミコンが開幕し、いくつか注目すべき予告編が発表された。特に、11月公開の『THOR:Ragnarok』は最高ですね。日米同時公開がありがてぇ!

 てな感じですが、それではさっさと興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『怪盗グルーのミニオン大脱走』が公開日の金曜日からの3日間で7.51億稼いで1位。土日だけだと5.99億だそうです。すっかり日本での認知も定着したようで、すごい人気ですなあ。前作『ミニオンズ』(最終52.1億)は2015/07/31公開だから、これも金曜日公開か。同じ3日間で比べると……7.38億だったそうで、チョイプラス、なんですな。へえ。こりゃあすげえや。
 2位:『銀魂』が金曜公開なので10日間、で17億突破だそうです。順調、なんでしょうか。20億届いたか? とか思いましたが、そこまでは行ってませんでした。
 3位:『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が23日間で48億突破だそうです。50億目前ですな。ふーん。
 4位:『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が9日間で12~13億ぐらいと見積もる。土日だけで2.58億だったそうで、先週末5億チョイ+海の日に2.5億+平日4日で2.5億ぐらい? とかそんなテキトー計算です。
 5位:『カーズ/クロスロード』が9日間で8~9億ぐらいと見積もる。ポケモンと同じような計算で10億届いてないかな、という見積もりになりました。前作よりやっぱりちょっと元気がないすねえ……前作『2』は、2週目で11.7億かな、10億は軽く突破してたはずです。
 6位:『メアリと魔法の花』が16日間で15~16億ぐらいと見積もる。15億突破は間違いないと思うのだがどうでしょうか……。『マーニー』と同じくらいの推移でしょうか。
 7位:『忍びの国』が23日間で17~18億ぐらいと見積もる。どうだろう、もうチョイ上かな? こちらは『のぼうの城』より若干いい推移でしょうか。
 8位:『魔法少女リリカルなのは Reflection』が公開土日でこの位置だと1億届いてないぐらい、なのだろうか。しかし息が長いというか……元々のエロゲーは2000年代初頭の『とらいあんぐるハート3』で、そのスピンオフってことでいいのかな。まあ、もう完全に別物だろうけど。いずれにせよ、いまだパワーを秘めているのは素直に凄いと思います。
 9位:『心が叫びたがってるんだ。』が公開土日で9位とは、これも1億未満ってことでしょうか? じぇき乗数は公式サイトで数えた限りでは286と結構多いので、こりゃあちょっと厳しいスタートと言わざるを得ないのかな。アニプレ配給、実写では苦戦ということか?
  10位:『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』が9日間で2~3億ぐらいなのでしょう。これは意外と粘っていますね。へえ~。

 とまあ、こんな週末だったようです。

 というわけで、もうさっさと結論。
 今週は「ミニオン」の最新作が登場、数字的にも前作よりもチョイプラスなようです。学校も休みに入り、完全に夏休みですな。わたしは中1だったかの夏休みに、チャリンコをぶっ飛ばして東銀座にあった松竹セントラルへ『ブレードランナー』を観に行き、確かその翌週は同じく有楽町までチャリを飛ばして、今マリオンの建っているところにあった旧丸の内ピカデリーへ『ファイヤーフォックス』を観に行き、さらに翌週に旧日比谷スカラ座へ『ポルターガイスト』を観に行った思い出があります(多分この3作は同じ年だったはず)。あれからもう30年以上が過ぎましたが、今の中学生が今年10月公開の『ブレードランナー2049』を観に行くとは思えないわけで、当時のわたしが変わったガキだったのか、今の世が変わっちまったのかもう全然分からんですが、なんか、もっと洋画が売れてくれねーかなーと思います。時代がもう違うんすねえ……とTOP10を見てるとつくづく思いました。以上。

 はーーー。もう7月もあと1週間で終わりか……。
 時の流れの速さは、どうも年を取るほど速く感じるような気がするのだが、これはわたしだけなのだろうか? それとも、人間にあまねくプログラムされた自動的な現象なのだろうか? その辺はまったく良くわからないが、とにかく、わたしはそう感じる。よく、何か集中している時とか、あるいは楽しく過ごしている時とか、そういう時に主観的な時間の流れの速さは加速する的なことを見たり聞いたりする。たとえば、30分の通勤通学の電車内でも、本を読んでいるとあっという間だったり、友達とおしゃべりしているとあっという間に過ぎる、みたいな現象のことだが、恥ずかしながらわたしは毎日を集中して過ごしているとは思えないし、楽しいとも全く感じていない。むしろ毎日をむなしい繰り返し、とすら感じているわけで、そういう時は永遠に続く時の長さを感じてもいいはずなのだが、あっという間に7月も終わり、この分だときっとあっという間に年末になり、おそらく東京オリンピックとやらも、あっという間にやって来るのだろう、と若干の絶望的な気持ちもわいてきたのが、昨日の夜のわたしである。
 昨日は、わたしが毎日楽しみに観戦していたスポーツイベントが2つ終了した。
 一つは我らが国技、大相撲の7月場所、通称名古屋場所である。
 わたしはこのBlogで何度も書いているが、家から一番近いところにある相撲部屋、ということで、元大関若島津さんが親方として指導している二所ケ関部屋を応援しており、その部屋頭たる関取松鳳山関を一番応援している。松鳳山裕也君という、やけに色が黒く、なかなかおっかない顔をした関取であり、ここ数場所、負け越しが続いていたために、今場所は西前頭十枚目という番付で臨んだ名古屋場所であった。わたしが松鳳山関を応援している理由はいくつかあって、一つは前述のように二所ケ関部屋自体を応援しているのもあるのだが、他にも、これまた前述のように、やけに、理由はまったく分からないが、おそらく幕内力士の中でもっとも色黒で目立つ、というのが一つ。そして、松鳳山関の取り口が、基本は押しであり、とにかく前進あるのみ、というそのハートが大変応援したくなるから、ではなかろうかと思っている。
 日本相撲協会のWebサイトで紹介されている松鳳山関のデータによると、直近6場所の90取組のうち、44勝している中で、34%が「押し出し」だ。これは、全力士の中で押し出し率が高い、というほどでは全然ない。他にも押し出し率の高い力士は結構いっぱいいる、が、松鳳山関は身長177.0cm、体重141.0㎏と、どちらかと言えば小さい部類に入るわけで、松鳳山関より身長が低く、体重が軽い力士は、石浦関と宇良関の2人だけだ。ちょっとメモっておこう。
 ◆松鳳山関より低い身長の関取:
  阿武咲関(176cm)、貴景勝関(174)、宇良関(174)、石浦関(173)。※嘉風関は同じ177cm
 ◆松鳳山関より軽い体重の関取:
  千代の国関(140㎏)、横綱日馬富士関(137)、宇良関(137)、荒鷲関(136)、千代翔馬関(132)、石浦関(118)
 ですって。まあ、だからなんだという結論は特にないのだが、小兵、という部類に入る力士であるため、やっぱり体の圧を使った「寄り切り」よりも、「押し出し」が多くなるのはそういうことなのかな、と言う気もする(※とはいえ、松鳳山関より軽い横綱日馬富士関は、寄り切り率が32%で一番高いので、一概にはそうとも言えない)。いずれにせよ、松鳳山裕也君は、わたしの眼にはやけに目立つ存在であり、その押し相撲は非常に応援したくなるわけで、とにかく「気になる存在」なのだ。
 その松鳳山関は、今場所は十枚目ということで、わたしはここで負け越したら、次は幕尻付近、そして来場所でさらに良くない成績だと、また十両落ちのピンチだぜ……と大変気になっていたのだが、終わってみれば成績は10勝5敗と、久し振りの二けた勝利を挙げ、大変安堵した次第である。あーよかった。特に後半は5連勝と、大変カッコ良かったと思う。千秋楽では幕内の一番最初に取組が組まれ、勝った時には「ッシャーーアッ!」と年甲斐もなく大喜びしたのは言うまでもなかろう。ホント血圧上がりますね、相撲観戦は。
 今場所は、2横綱1大関が途中休場、そして三役上位陣も二けた勝てたのは横綱の白鵬関と日馬富士関だけ、というまあ波乱?の展開だったわけで、白鵬関の強さだけが目立つ場所であった。まあ、白鳳関の勝ち星も1050勝まで伸び、まだ32歳という若さを考えれば、まだまだ記録が伸びるのは確実で、その記録はそりゃあいつか誰かに破られるのだろうけれど、その「いつか」は、きっとわたしの生きている間には訪れまい、というような気がした名古屋場所であった。まあ、わたし的結論としては、松鳳山裕也君が二けた勝利を挙げて大変うれしく、やったぜ!的な気持ちであります。

 そして昨日は、もう一つ、毎日その熱戦を見守ったLe Tour de France2017も、最終21ステージが無事に終了し、全日程が幕を閉じた。総合優勝は大本命のChristopher Froome選手で、見事に4回目のツール総合優勝となった。結果的には2位のRigoberto Uran選手との差は54秒、ということで、接戦だったように見えるかもしれないが、はっきり言って超余裕の横綱相撲であり、去年も書いたけれど、今年も、どうにも熱くない、ああ、やっぱね、という感想をわたしは抱いた。そもそも、結局ステージ1勝もしてないし。まさしく「寄り切り」と言えるだろうな。今回の勝利は。
 ただ、その総合優勝争い以外では毎日何らかのドラマがあって、それはそれで大変楽しめたのは間違いない。今回のツールでわたしの印象に強く残ったのは、次の2点だ。
 ◆ポイント賞ジャージ=マイヨ・ヴェール争いの顛末
 今回は、開幕前からマイヨ・ヴェールを誰が獲得するか、と言う点は非常に観どころであろうと考えられていた。しかし、話題の中心である現世界王者のPeter Sagan選手は、6年連続での獲得成るのか、とわれわれをドキドキさせていたのに、第4ステージでまさかの失格、ツールから去ってしまい、その際の大転倒で、ツール最多勝利を狙っていたMark Cavendish選手も骨折リタイア、となってしまった。そして、第2,6,7,10,11ステージを全て勝利し、もはや決まりか、と思われていたMarcel Kittel選手も、ある意味何もないところでの大転倒に巻き込まれ、無念のリタイアとなってしまい、2番手につけていたMichael Matthews選手がかっさらう、という展開は、わたしとしては相当ガッカリした。たしかに、Matthews選手の追い上げは強力だったので、これは最終ステージ、パリ・シャンゼリゼの戦いがヤバいことになるな……ゴクリ……と楽しみだったのにね。
 ◆最後のツールとなるContador選手の魂のアタック
 <※追記:Contador選手ホントにごめん!TV中継中に「最後のツール」と言ってたような気がしたんだけど、正式には引退表明してないみたい。勝手に引退とか書いてごめんなさい……! アレかな、Voeckler選手がツール終了をもって引退する、って話と混同したのかな? ホントに申し訳ありませんでした! なので以下はわたしの妄言です>
 すでに引退を表明しているContador選手、結果的には総合9位で終わり、不完全燃焼と言わざるを得ないかもしれないが、わたしはとにかくContador選手のアタックに痺れまくっていたのであります。もちろんそれは、あまり成功しなかったわけで、大変残念であるけれど、カッコ良かったすねえ……もうContador選手がツールを走ることはないというのが淋しくてたまらないす。今回第13ステージと第17ステージで「敢闘賞」を獲得したContador選手だが、「敢闘賞」というものは、総合狙いでない、逃げ選手とかがもらうものであって、はっきり言えばただの「頑張ったで賞」だ。そんな賞をContador選手がもらってうれしいものではないわけで、13ステージでのContador選手は実際全然嬉しそうではなかった。勝ちに行ったのに勝てなかった、その悔しさがにじみ出ていたと思う。もう一度、バキュンポーズが観たかったよ、本当に。そして、アタックしなくても勝てちゃう(ように見えるだけで、実際は勿論すごい)Froome選手を積極的に応援する気にはあまりなれなかったす。しかし、わたしは最近知ったのですが、Froome選手は猫が大好きなんですな。それまで全然Froome選手は好きではなかったけど、こんなFroome選手(の猫)のInstagramを見て、ちょっとわたしの中の好感度は急上昇しましたw しかもすごいブス猫w

He thinks he's the boss around here 😏✋😽 @chrisfroome

Coco Froomeさん(@froomecat)がシェアした投稿 -



 とまあ、以上がわたしの2017年7月の備忘録であります。
 
 というわけで、結論。
 まず、大相撲七月場所は、内容的には結構荒れて、結果としては横綱白鵬関の強さが際立つ優勝となったわけだが、わたしの応援する西前頭十枚目の松鳳山裕也君が二けた勝利の10勝5敗という結果となり、大変満足というか嬉しく思います。
 そしてLe Tour de France2017の方は、わたしとしてはあまり面白くない3週間で、総合はFroome選手の横綱相撲でありました。ただ、一つ言えるのは、当然Froome選手の強さは間違いないのだけれど、それと同等かそれ以上に、その所属するTEAM SKYがずば抜けて強いチーム、ということに尽きるような気がする。完全にレースを支配しているわけで、Contador選手が一人で奮闘しても勝てる見込みはないわけで、アシスト勢の選手層の分厚さは勿論、その運営、その予算、すべての面において、「戦いは始まる前から決していた」と言わざるを得ないんだろうな、と思う。残念ながらそれが自転車ロードレースなので、わたしが大富豪だったら、絶対にSKYにぎゃふんと言わせるチームを作るのに、ぐぬぬ……というのがわたしの感想です。以上。

↓ 9月場所こそ、チケットを獲りたい所存です……!

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、現在わたしは毎日帰りの電車内で大相撲七月場所の結果をチェックし、その結果にマジかよ、とか、よーし、頑張ったな!とか、一喜一憂し、そして帰ってからは、今年はスタートからゴールまでの完全生中継を実施しているJ-SPORTSでLe Tour de Franceの熱戦を観ているわけで、大変暑い夏を過ごしております。昨日のLe Tour第17ステージでは、わたしの大好きなContador選手が魂のこもったアタックを中盤でブチカマシ、もう大興奮だったのですが、さすがに逃げ切れるものではなく、集団に吸収されるその瞬間まで、全身から漲るガッツになんか感動しちゃったステージでありました。しかしポイント賞争いが面白くなってきやがったぜ、と思ったのもつかの間、Kittel選手のリタイアは本当に残念でありました……。そして、昨日の大相撲11日目では、これまたわたしの応援している黒ブタくんこと松鳳山裕也くんが勝って6勝5敗と勝ち星先行、勝ち越しなるかどうか、非常にギリギリの厳しい戦いを続けております。裕也よ、あと4日、全勝する勢いで頑張っておくれ!
 とまあ、戯言はさておき、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年34号概況です。
 ■巻頭グラビア:モー娘’17の牧野真莉愛嬢。大変可愛いす。電子でも掲載アリです。
 ■弱虫ペダル:銅橋正清のインターハイの巻。タイトル通りです。平坦屋ラストへ!
 ■刃牙道:純粋力比べの巻。タイトル通りです。やっぱり花山君はカッコイイ!
 ■BEASTERS:オートマチック青年の巻。レゴシ君初ラブホでやばしの巻でしたv
 ■囚人リク:決意の巻。今週は顔芸ナシ。実に普通な展開でした。
 ■Gメン:新記録の巻。梅主役回2話目。暗雲の予感……という展開です。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。うーん、まあ平常運転すね。

 さてと。それでは、今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は【白鯨力】VS【天雷】の戦いで、【白鯨力】の必殺技、”ビクトリーアタック” こと「ガブり寄り」が猛烈に炸裂するも、”怪力”【天雷】が真正面から受け止め、押し返すところまでが描かれました。「力の天雷」……仮面ライダー2号的でカッコイイですなあ!
 で、今週はその続きなのですが、今週はNHKアナの絶叫実況から始まります。
「白鯨力の寄りを押し返す天雷ーーー!! 何という懐の深さ! 何という馬力!! 角界一とも言われる怪力ここにあり!!」なんかアマゾンライダーの歌みたいすw アナの実況は続きます。「ジワジワと後退する白鯨力! やはり天雷相手に真正面から勝負を挑むのは無謀だったか…」
 そんな土俵上の二人の力比べに、虎城理事長は若干嬉し気につぶやきます。
「フン…見かけによらず 意地っ張りな奴だ…横に振ろうともせず 下がった道を押し返す…力勝負は譲れない領分という訳か…」さすが理事長、わかっていらっしゃる!
 今、状況としては、土俵中央付近で二人はがっぷり四つで膠着状態。正確に言うと、がっぷり四つではなく、【白鯨力】は左下手で天雷のまわしを握り、右手は天雷の左わきにねじ込んでおっつける形。そして【天雷】は、もろ差しというより【白鯨力】の両腕をがっちり極めている体勢。そして力比べは【天雷】やや有利でジリジリと【白鯨力】を押し戻しているーーという状況です。そしてどうやら【白鯨力】のスタミナが切れたか、腰が落ちそうになってきました! まさか「変身」にはカラータイマー的な時間制限があったのか!? この推移に尾多留部屋親方も、完全に【白鯨力】の型に入っていたのに、関脇クラスの力士にはさすがにすんなりとは勝たせてもらえないか、大丈夫、この負けを糧に、また鍛え直しましょう、と既に負けを意識。NHKアナもこれは勝負あったか―――!? と絶叫です。そんな、もうチョイみんな信じてあげようよ!
 そんな状況の中、【白鯨力】だけが自らのこれまでの稽古を信じ、負けるなんて思っていません! そりゃそうだ! というわけで、最後の力を振り絞って鬼の表情で、ファイナルガブリアタックが見開きの迫力ある絵で炸裂です!!! 「ドドドドド」とガブリ寄りの炸裂する様は、先週わたしは「絵」で表現するのは難しい技と書きましたが、今週のこの見開きは非常にその勢いと動きが伝わる渾身のガブリアタックです! NHKアナも「あーーーーー!! 突如として白鯨力が 息を吹き返した―――!!」と絶叫、負けを覚悟していた尾多留部屋親方も「君の真っ直ぐさには…いつも驚かされる」と感動の様子。だから信じてって言ったでしょうが!
 しかし【天雷】もやられっぱなしではありません。「おぉおぉ」と咆哮一閃、ここも力で押し返す!! それでも止まらない【白鯨力】のファイナルガブリ! 一気に【天雷】を土俵際まで追い詰めます! しかし! 天雷の脳裏にはかつて鯉太郎と戦うはずだったあの日の約束が脳裏をよぎります。あの日、【天雷】は鯉太郎にこう言いました。
 「今回はまだ時期じゃなかったってことだろ…待つさ…その時が来るまで…いつでも…万全の状態で…今の俺は…強いぞ…鮫島…」そうです! その時は今ですよ! そして今の自分が強いことを証明する義務があるんすよ、そうだろ【天雷】!
 ―――というわけで、勝負はつきました。【天雷】は強力に【白鯨力】の両腕をがっちり極めて抱えたまま、そのまま土俵に捻じ伏せ、膝を付かせました! この決まり手はなんていうんだろうな……サーセン、ちょっとわかんねえす。「極め倒し」? でしょうか??
 NHKアナ絶叫中継は続きます。「つっ…潰した―――!! 勝ったのは天雷―――!! 白鯨力の強烈なガブリ寄りをまさに力でねじ伏せた怪力天雷――!!」場内は大歓声。尾多留部屋親方も息子?も壮絶な戦いに口あんぐりです。そして【天雷】はフーーーと一息ついて、【白鯨力】に声をかけます。これがまたカッコいい!
「強かったよ…おかげで俺も強いと胸を張れる 万全の状態で 明日を迎えられる…ありがとう…ビクトリースター」
 はーーーー……興奮したわ……【天雷】は強い! ……そして「明日」の取組が、もう鯉太郎で確定だと思っていいんだよね? 大丈夫ですよね!? 頼む、大丈夫だって言ってくれ! つかもう、これでどうやら11日目の鯉太郎VS【天雷】は確定とわたしは信じます! やったーーーーー!!!
 ヤバいすねえ! 鯉太郎VS【天雷】……こいつはヤバすぎる! そして楽しみすぎる! 嬉しいなあ! いやあ、今日はもうこれだけで一日元気でいられるわ……はーーー良かった……でも、ここまで浮かれさせておいて、「何か」が起きたら、もうわたし、マジで寝込むかもしれません。佐藤先生、ホント、マジでそこんとこよろしくお願いいたします!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけどその後は不明
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:【天雷】東関脇!!だと思いたい!!
 --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 10日目現在9勝1敗
 【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる模様。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 
 というわけで、結論。
 今週は【白鯨力】VS【天雷】の決着がつきました。勝ったのは【天雷】。鯉太郎へ約束した「その時」がいよいよ来た! ような気がします! そして今の【天雷】が強い! ことも良くわかりました。これはもう、翌11日目は鯉VS【天雷】で確定! と宣言したいところですが……正式発表はまだ来週以降に持ち越しですので、わたしはもう完全に確定だと信じていますが、まさかのうっちゃりが炸裂しないという保証はありませんので、賢明なる方々は、くれぐれもわたしのように浮かれない方が良いかと存じます。はーーーヤバイ。鯉VS【天雷】……こいつはもう想像するだけで興奮しますなあ! そしてこのペースで行くと、わたしは鯉VS【王虎】さんが決まったらもうとんでもない大興奮で逝っちまうんじゃねえかと自分が心配です。年内にそこまで行くかなあ……どうでしょうねえ……いずれにせよ、単行本収録を考えると鯉VS【天雷】のハッキョイまであと4週は空くような気がしますね。ああ、どうかVS天雷戦が実現しますように……以上。

↓ 昨日横綱【白鵬】関を破った新関脇【御嶽海】関ですが、やっぱり強くて人気のある力士はこういうグッズも売っててうらやましいなあ……松鳳山裕也君の応援タオルが売ってたら絶対買うのに……。はっ!? そうか、作っちゃえばいいのか!? 自作しようかなあ……。

 先日、インターネッツなる銀河をあてもなく逍遥している際、新潮社のサイトで、妙な告知を見た。曰く「≪担当編集者からお願い≫『すごい小説』刊行します。キャッチコピーを代わりに書いてください!」というもので、それを目にしたときは、アホかお前、自分の仕事を放棄するつもりか? と呆れたのだが、どうやらその小説を7/14~7/27の2週間限定で全文公開する(※まだ修正途中の原稿なので、校了したものではないらしい)ので、まずは読んでくれ、というものらしい。要するに、話題作りの一環であろうと思われる。炎上マーケティング、ではないけど、なんか近いものがあるような……。

 そしてその原稿は、各電子書籍サイトでも配布する、とあったので、わたしの愛用する電子書籍販売サイトでダウンロードし、とりあえず読んでみた。それが、『ルビンの壺が割れた』という作品である。


 まあ、ズバリページ数も少なく(わたしが読んだフォーマットで113ページ)、これで本当に全文なのか、良くわからないが、2時間かからずあっという間に読める。
 そして読み終わった感想としては、なるほど、という一言だけだ。
 ネタバレは絶対禁止のようなので、核心を突くことは書けないのだが、簡単に構造だけをメモしておくと、とある男女のメールのやり取りだけで構成されていて、地の文?のような、第三者目線の語り手はいない。お互いがお互いに宛てて書いたメールだけである。そしてどうやら二人は現在50代、Facebookで偶然、かつて結婚の約束をしていた女性を見つけた男が、一通のメール(メッセンジャー?)を送るところから始まるお話である。

 最後まで読めば、なーるほど、とすべてわかる仕掛けは確かにお見事で、大いに称賛したいと思う。
 しかし、わたしにはそれ以外の感想は特にない。新潮社社内では、「年に100冊小説読んでるけどここ5年で最も驚かされた作品」だとか、「大満足の読書体験をお約束します。この作品、売れる予感しかない!!」とか基本、大絶賛の方向だが、そんな(自分の会社の商品を絶賛しているという意味での)自画自賛には、しらけるというか、ふーん……としか思えないのだが……。
 わたしがふと思い出したのは、大学の文学史の授業で、フィクション小説の元祖は、18世紀の書簡体、あるいは日記体小説で、その頃はまだ散文において「物語る第三者」の概念が発明されておらず(この辺は記憶があやしい)、基本は一人称で、たとえばLaurence Sterneの『Sentimental Journey』なんかがその例だ、なんてことを習った記憶だ。それが正しいのかどうか、もうよく覚えていないが、まあ、手紙(≒メール)という形式の小説はある意味古典的で、別に珍しくはないものだ。
 書簡体小説――あるいはいっそ一人称小説、とひとくくりにしてもいいのかもしれないが――の特徴は、それはあくまで、それを書いている人自身の心情の吐露であり、ある意味一方通行であり、その結果、そこに書かれた相手の誰か、の心情は書き手によるまったくの想像にすぎず、事実あるいは真実とはズレがある、という点にあろうと思う。そしてそれ故に、別の誰かの手紙では、同じことがまったく別の一面をさらけ出すことになる、というのも定番コースだろう。まさしく、本作のタイトル「ルビンの壺」のように、「壺」以外の何物でもない、と思ってたら、別の人は「見つめあう二人」だと思ってた、というそのギャップが、読者たる我々に、な、なんだってーーー!?という驚きをもたらすわけで、基本中の基本ともいえるだろう。そういうパターンで、近年のわたし的ベスト作品は、やっぱり湊かなえ先生の『告白』じゃないかしら。ありゃちょっと違うか?
 とまあ、そういう意味で、本作『ルビンの壺が割れた』を読んだわたしも、その結末に、なーるほど、と思ったわけだが、それは、そういうことですか、という納得?であって、決して驚きではない。なので、それが面白かったかというと、まあ、わたしは年間に100冊は小説は読んでいないけれど、別にありがちだし、キャラクターに魅かれた点もないし、ふーん、という感想で終了、であった。
 じゃあ、なんでこんなBlog記事にしようと思ったのか。わたしも最初は書くつもりもなく、流そうとは思ったのだが……なんというか、要するにこういう商法が気に入らなかったんだろうな、きっと。そして、きっとこの本はそれなりに売れるだろうし、場合によっては映像化までされちゃうかもな、と思って、それに対するやっかみ?のようなものを感じたんだと思う。たぶん。つまり、わたしの心が狭く醜いということの証左に他ならないと認めます。
 
 しかし、やっぱり誰しも、Facebookで、元カレ・元カノ探しって、したことがあるもんなんすかねえ。わたしはズバリない。理由は簡単で、今の名前を知らないから、だ。まあ、きっと、今頃は幸せにしているであろうよ……と思うに留めといた方がいいんじゃねえかなあ。知らないでいた方がいいことってあるもんなあ。知ってしまったがために、気にやむようなことは避けた方がいいような気がしますね……。そういう、知らない方が良かったことが、ごくあっさり分かるという、変な世の中になりましたなあ……というのがわたしの本作に対する一番大きな感想です。はい。壺と思っとけばいいじゃない。改めて、別の見方をしなくても……ねえ。
 ところで、わたしが本作を読んで一番興味を持ったのは、果たして宿野かほる氏なる著者は一体何者なんだろう? という疑問だ。男? 女? 若いの? 中年以上? そんな疑問を実は一番強く感じたのだが、まあ、それも敢えて知る必要もないか。どれもあり得るだろうし、分かったところで何の意味もなかろうし。若い女子ってのがありそうかなあ。一つだけそう思う理由はあるけど重大なネタバレなので書けない! それにまあ、若い野郎・おっさん・おばさん、そのどれかなら普通過ぎて面白くないしね。

 というわけで、どうでもよくなってきたので結論。
 新潮社が8月に刊行するという作品が、2週間限定で全文読める、そしてそのキャッチコピーを募集! という妙な企画があったので、とりあえず作品を読ませてもらったのだが、結論としては、面白い、と判定するに全くやぶさかではないので、2時間ほどお時間の取れる方は是非読んで、オレならどんなキャッチコピーにするかなあ、と考えてみるのは結構アリだと存じます。わたしとしてはまあ、普通の面白さで、とりわけ深く思うことは何もない。少なくとも、わたしにとっては、この5年で読んだ小説の中で一番驚いた作品、なんて感想は持ち得なかった。たぶん、世の小説好きの皆さんも、そこまでの感想をもつのか、若干疑問です。なんか、そこまで持ち上げてハードル高めて大丈夫か、と他人事ながら心配だが、ま、話題作りってことでしょうな。以上。

↓ そうだなあ……ここ数年で読んだ中で、一番、な、なんだってーーー!? とわたしが驚いたのはなんだろうなあ……小説じゃないけど、映画だとこれかなあ……

手紙は憶えている(字幕版)
クリストファー・プラマー
2017-05-03

いや、やっぱり、こっちかなあ……

小説の完成度では、やっぱりこれかなあ……。7年前だけど……。


 というわけで、3連休明け火曜日ですが映画週末興行データです。
 この3連休は映画を観に行きませんでした。観たい作品はなかったので。なのでぼんやり上野の国立西洋美術館へ絵画を観に行ったぐらいしか活動してません。あとはずっと家で漫画を読んでいました。休み中に電子書籍販売サイトでコインバックフェアがあったので、懐かしい漫画を一気に大人買いして、そいつをぼんやり読んでおりました。
 なので、書くことがほぼ何もないので、さっさと興行通信社の大本営発表をメモって終わりにします。

 1位:『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が公開土日で5.16億稼いで1位。ええと、映画は第20作目、なのかな。ここ数年、だいぶ数字的に落ちてきているポケモンですが、ここはタイトルも素の「ポケットモンスター」に改めて仕切り直し、というわけで、久しぶりの5億台のスタート。どこまで興収は稼げるでしょうか。参考:前作2016年は3.23億スタート→最終21.5億。2015年は3.84億スタート→最終26.1億。2011年ぐらいまでさかのぼると5.40億スタート→最終43.3億、と、それ以前は40億は普通に超えてました。
 2位:『銀魂』が公開土日で5.41億稼いで2位。金額順だと1位だったってことですな。これは堂々たる大ヒットスタートでしょう。今年の邦画ナンバーワンスタートだそうです。金曜からの公開で昨日の祝日までの4日間でもう9.82憶ですってよ。同じくWarner&ジャンプの『JOJO』は、果たしてどうなるのでしょうか……。
 3位:『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が昨日の祝日までの17日間で41億突破ですって。面白いのかどうか、わたしの周りに観た人がいないので良くわからんす。
 4位:『カーズ/クロスロード』が公開土日で3.2億稼いで4位スタート。参考までに2011年の前作『カーズ2』は4.58億スタート→最終30.1億でした。
 5位:『メアリと魔法の花』が9日間で祝日明けの10日間で12億突破だそうです。『思い出のマーニー』は2週目終わりで10億チョイだったかな。まあ順調、なんすかね。
 6位:『忍びの国』が16日間で14~15億ぐらいと見積もる。先週末で10億を超えたということで、週末で2億+平日5日間で2.5~3憶ぐらいか? というテキトーな計算です。全然自信なし。派手に間違ってたら数字が分かり次第修正します
 7位:『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』が公開土日で1億弱なんでしょうか1億チョイだそうです。数字ナシです。通称『ノゲノラ』で」お馴染みの本作は、原作ラノベを小説もイラストも両方自分で書いて/描いてしまう榎宮祐先生の大人気作ですが、満を持しての劇場版ということで大変高いアベレージのようですね。公式サイトで数えた限りでは61スクリーンか? コアアニメの初動はさすがですなあ。
 8位:『兄に愛されすぎて困ってます』が17日間で6~7憶ぐらいと見積もる。もうチョイ上か?わからんです。
 9位:『パワーレンジャー』が公開土日で数千万、というところなんでしょうか。数字情報なし。さすが、東映の配給なんすね。当たり前か。あ、なんかやけに日本語吹き替え版はキャストが豪華なんですなあ。ちなみにUS本国ではあまり売れなかったようです。頼みの中国でもイマイチだったみたいすね。
  10位:『22年目の告白~私が殺人犯です』が37日間で22~23億ぐらいと見積もる。こちらも全然自信のない見積もりです。派手にずれてたら修正します。

 とまあ、夏興行本格化、な週末だったようです。

 というわけで、結論。
 『ポケモン』は見事復活なるか、そして『銀魂』は一体どのくらいまで数字を伸ばすのか、大変興味深いですな。わたしは『SPIDER-MAN:Home Coming』までは観に行く作品はないかな……地雷覚悟で『THE MUMMY』を観に行くかもしれないす。そのぐらいかなあ。はー……しかし早くスパイディが観たい! そして『WONDER WOMAN』や『DUNKIRK』も楽しみですなあ! ああ、そういやUSではComi-Conの季節ですね。そちらでまたMCUがらみの予告が続々出るだろうし、年末の『SW:EP-VIII』あたりの映像も出てくるんすかねえ。楽しみです! 以上。

 ちょっと前に、どっかの駅のホームの目の前に、ズドーンと掲げられている告知看板を見て、なんだこれ? と思ったことがある。それは、野菜や花を組み合わせて人の顔になっており、何とも不思議というか、とにかくやけに印象に残るものだった。ええと、言葉では説明できないので、要するにこれです。
archim_tiket
 どうすか? 変というか……なんだこれ!? でしょ?
 わたしはこの絵を見て、なんというかそのやけにリアル系な描写に、結構年代としては新し目の、近現代のシュールレアリスム系の作家なのかな? と勝手に、そして恥ずかしいほど盛大に勘違いしていた。しかし、ちょっとインターネッツなる銀河に住まうGoogle神にお伺いを立ててみると、それは16世紀の作家の描いた作品だということが判明して驚いた。
 作家の名をGiuseppe Archimboldo(ジュゼッペ・アルチンボルド)といい、イタリア・ミラノ出身で、なんと神聖ローマ帝国(=ハプスブルグ家)に仕えた宮廷画家なんだそうだ。しかも、ハプスブルグ家第4代のフェルディナント1世→第5代のマクシミリアン2世→第6代のルドルフ2世、と、3代にわたって仕えたそうで、宮廷の祝祭や馬上試合の衣装デザインや演出まで手掛けていた、総合アートディレクター的な仕事をしていたらしい。まったくもって、へええ~!である。わたしもそれなりに美術愛好家のつもりだが、そんな画家の、こんな作品があるなんて、まるで知らなかったす。
 というわけで、わたしは連休中日の今日、朝から上野へ推参し、国立西洋美術館で絶賛開会中の『アルチンボルト展』を観てきたのだが、結論から言うと、その本物が放つオーラは強力で、こりゃあすげえ、と大興奮してきたのである。これは一見の価値があると存じますよ。
archin01
 上野の森や東京都美術館なんかは結構頻繁に行っているような気がするが、わたしとしては国立西洋美術館は結構久しぶりのような気がする。9時半開場ということで、わたしの標準である「開場30分前」に到着したところ、40人ほどが列を作って待っていた。へえ。全然マイナーだろうから、ガラガラかなあ、と根拠なく思っていたが、そんなことはまるでなく、まあ、覚悟の上で30分前に来たわけで、待つのは全然かまわないというか、40人ほどなら上等だぜ、と列に並ぶことにした。わたしのすぐ後ろに並んだおっさんと中学生らしきガキの、まったく交わらない、内容のない会話(むしろおっさんが一方的にどうでもいいことをしゃべり続け、息子は超うぜえ、という顔をしていた)をうるせえなあ……と聞き流しながら、くっそ暑い……ちょっとだけでも早めに開場してくれねーかなーとぼんやり待つこと30分。気の利いた、暑さへの配慮は全くなく、まったく時間通りの会場で、冷房の効いた館内へ入館した。ちなみに、帰りは10時半ぐらいだったと思うけれど、チケット購入に20分、入場するのにまた30分ぐらい待つ、と入場待ちも結構行列になっていました。前売りを買っておく、のは美術展ではもはや必須だと存じます。上野駅構内でも売ってるしね。

 で。まあ、観てみて、いろいろなへえ~という発見があったのだが、それらをいくつかまとめておこう。
 ◆思ったより全然古い人だった。
 Archimboldo氏は、1527年生~1593年没、のイタリア・ミラノ出身だそうで、要するに、かの有名なLeonardo da Vinci氏(1452~1519)のすぐ次の世代に当たるそうだ。お父さんはda Vinci氏の友達の友達なんですと。で、若き頃は当然イタリアで主に教会のステンドグラスや絵画やタペストリーの仕事をしてたそうだが、35歳の時(1562年)にウィーンに行ってハプスブルグ家へ仕え始め、66歳、亡くなる年に引退してミラノに戻ってその生涯を終えたんですって。どうやら、歴代皇帝たちに非常に気に入られていたらしいですな。時代的には、宗教改革アウグスブルクの和議(1555年)で(ルター派も一応認めてやるよ、と)決着した直後あたりにウィーンに来たってことになるんですな。まあ、その争いの続きは三十年戦争へと至るわけですが、その前にはもう亡くなっているわけで、Archimboldo氏のいたウィーンは、それなりに平和だったかもしれないすね。いや、平和かどうかわからんな。サーセン。テキトーに言いました。
 ◆そもそもArchimboldo氏自身の作品は少ない。
 今回の展覧会は、『アルチンボルド展』と題するものの、作品としては77点展示されていて、それが全部Archimboldo氏自身の作品というわけではなく、もらってきた作品リストによると、17点なのかな、明確にArchimdoldo氏の作品であるのは(一部は「After Archimboldo=アルチンボルトに基づく」「Attributed to Archimboldo=アルチンボルトに帰属する」という良く分からないクレジット作品が何点かある。これって……模写とかってこと?)。つまり他は 別の人の作品で、da Vinci氏の作品もチョイチョイ展示されていました。
 ◆ただし、メインはすげえオーラ!
 今回のメインである『四季』『四大元素』『司書』『法律家』『ソムリエ』『庭師/野菜』『コック/肉』に関しては、実物のオーラはすさまじく、そしてかなり面白い。つかこのデザインセンスはすげえ!と大興奮でありました。どんな絵なのかは、公式サイトにほぼ網羅されていますので、そちらを見てください。あ、なんだ、この動画を見れば一番わかりやすいんじゃね?

 この多くのお花や魚とか、なんでそんな絵を書いたのか、ということも、上記動画でちゃんと説明されてますな。要するに、当時、da Vinci以降の自然科学研究が進んで、百科事典的な、博物学的な知識を求めるのが王宮のステイタスのようなもので、そういう研究が盛んだったらしいです。で、さらには世界から様々な珍しいものもどんどん集まるようになり、そういう学究的な下地があったってことらしい。基本的に宮廷絵描きは、普通は肖像画がメインの仕事だと思うけれど、Archimboldo氏はこういう作品で、皇帝たちを虜にして、皇帝もその絵を見て大興奮して、この絵すげえだろ!と親せきに送ったりしてたそうで、なんかそういう話って、非常に面白いですな。
 あと、どうでもいいことだが、わたしが結構驚いたのは、このメイン級の作品でもいくつかの作品は「個人蔵」となっていて、つまり世界のどっかの金持ち?だか誰かが個人的に所有している作品があるという事実だ。いいなあ……本物の、すげえオーラを放つ芸術作品が家にあるって、ものすごく気分がアガるよね、きっと。わたしもいつか、なにかいい作品と出会って所有し、毎日ニヤニヤ眺めたいものです。

 で。個人所有といえば、国立西洋美術館へ行ったならば、当然常設の「松方コレクション」にもご挨拶申し上げないとイカンだろう、というわけで、そちらも久しぶりに見物してきた。大変失礼ながら前半の宗教画はすべてスルーし、国立西洋自慢の「モネルーム」やルノアール作品をはじめとする名作たちをを堪能してきた。やっぱり、絵が飾ってあるって、ホントいいすねえ……わたしはこの部屋で仕事したら超はかどるんだけどなあ……という妄想を沸かせながら、久しぶりの国立西洋を後にしました。ああ、そういや世界遺産に指定されてから初めての訪問だったんだな。まあ、何度行っても気持ちのいい場所ですね、国立西洋は。

 というわけで、結論。
 恥ずかしながら全く知らなかった作家であるArchimboldo氏の展覧会、『アルチンボルト展』を観てきたわたしだが、メイン級の作品は思ったより大きくて(モノによってサイズはバラバラなのも意外だった。大体タテ100~70cm×ヨコ60~40㎝ぐらいか? 作品リストにサイズが書いてない!)、わたしとしては大変楽しめた。なんだってこんな変な絵を? という疑問は、正直明確には解けなかったのだが、要するに「誰もが描くような普通な作品じゃなくて、なんかすげえものを描く!」というようなArchimboldo氏のアート魂の爆発だとわたしは理解することにした。それって、宮廷画家としてはある意味画期的といか、かなりあり得ないチャレンジなのではなかろうか? それでちゃんと皇帝たちがご機嫌になるんだから大成功、ってことですな。Archimboldoさん、あんたすげえっす。わたしも大変楽しく鑑賞させていただきました。あざっす! 以上。

↓ わたしの大嫌いな宝島社は、すぐにちゃんとこういう本を作る、その機動力は悔しいけどすげえと思う。これは素直に称賛したい。したくないけど。

 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、毎日熱戦が繰り広げられている大相撲七月場所(名古屋場所)ですが、初日から波乱が起きており、昨日の4日目終了時点で、横綱【稀勢の里】関と【日馬富士】関はともには2勝2敗、【鶴竜】関に至っては休場となってしまいました。おまけに大関陣も【照ノ富士】関が1勝3敗、【豪栄道】関は2勝2敗、そして新大関【高安】関も3勝1敗となっており、唯一、横綱【白鵬】関だけが4勝0敗と全勝を維持しております。元大関で現在小結の【琴奨菊】関も0勝4敗、新関脇の【御嶽海】関も2勝2敗と苦しい立ち上がりです。【白鵬】関の通算勝利数最高記録達成はもう間違いないところですが、ここまで上位陣が崩れると、なんか……なぁ……。そしてわたしが一番応援している黒豚くんこと【松鳳山】関は、2連勝のあと2敗となり、正直いいのか悪いのかさっぱりわかりません。わたしとしては、【松鳳山】関の次に応援している【錦木】関が、今場所は幕内に復帰して(先場所、十両に落ちちゃった、けどすぐ復帰)、現在4勝0敗と元気にしているのが大変うれしい感じです。松鳳山裕也よ、どうか勝ち越して、また番付を上げておくれ! でないと君もまた十両落ちが近づいてしまうぞ! 応援してるぜ! 
 そして! しつこいですが、この『鮫島』ニュースを読んでいる方は、先週発売の最新刊(13)巻は絶対に買いでお願いします! せめて単行本は買ってください! わたしは紙と電子の両方を買いました!

 それでは、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年33号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙雑誌版は欅坂の渡邉理沙嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:先輩の役割の巻。いよいよ平坦屋の最後の仕上げ間近。泣ける展開です。
 ■刃牙道:花山流の気遣いの巻。あれっ!? 花山君までも!? もう……なんかなあ……。
 ■BEASTERS:味が濃い夜に僕ら2匹の巻。あれっ!? ま、まさかルイ先輩が……!!?
 ■囚人リク:慈愛の巻。今週はすさまじい絵が続出で笑うしか……。ご母堂様ッ!!!
 ■Gメン:ヒロキの巻。おおっと、今度は梅が主役回のようですよ。
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。今週もまあ通常運転すね。

 さてと。それでは、今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は【白鯨力】の過去話から、いよいよVS【天雷】戦のハッキョイまでが描かれました。【天雷】としては、オモシロイ奴だけど負けるわけにはいかないな、と気合十分。かつて【闘海丸】君に不覚をとった時とは違い、しっかり目の前の相手に集中しておりますので、大丈夫だと信じたいところですが……果たしてどうなるでしょうか。
 まずはNHKアナが虎城理事長に、この勝負のポイントはどこでしょう、と話を振ります。虎城理事長曰く、「どちらも小細工するタイプではないですからな…力勝負になることは間違いないでしょう 一気に持って行ければ突進力で勝る白鯨力 受け止められれば懐の深い天雷」と、観ているようです。
 そしていよいよハッキョイ!! 見開きで【白鯨力】が【天雷】の胸板にキッツイブチカマシを炸裂させる様が描かれます! カキ文字は「ボゴン」とすさまじい勢い!思わずNHKアナも「強烈―――!! 有り得ない衝突音とともに 天雷の巨体が吹き飛ぶ―――!!」と立ち合いからもう大興奮の様子。そのまま詰める【白鯨力】に、尾多留親方も「よし…もらいました!」と内心ニヤリ。そして【白鯨力】は左前まわしをしっかりホールド、右は【天雷】の脇へしっかり差し、「白鯨力得意の型に入った―――!!」と興奮の実況が続きます。そのまま突進する【白鯨力】に、「速い!速い!速い!一気に前に出た―――!!」とNHKアナの血圧は上がる一方です!
 しかし!! 俺たちの【天雷】さんの二つ名「怪力」は伊達じゃないぜ!! 前まわしを取る【白鯨力】の左手をガッと抱え込み、右足にグッと力を入れる【天雷】。そしてめくったページの先では、「ズン」と【白鯨力】の突進を止める、【天雷】のバックショットが1ページブチ抜きで描かれます! カッコイイ!! これにはNHKアナの血圧はさらに上昇せざるを得ません!
「とっ…止めた―――――!! 真正面から白鯨力の突進を受け止めた―――!!」
 これが俺たちの”怪力”【天雷】さんですよ! そして「おぉぉおおぉぉお」という雄たけびをあげて、極め気味に一気に「吊り上げに行く―――!! まさに怪力 天雷ーーーー!!」と続きます。この吊り上げの様も、1ページブチ抜きの迫力ある絵になっています!
 しかし【白鯨力】も、そのままではありません。何とか堪えて必死に踏ん張る【白鯨力】に、観客席の親方の息子(?)から声がかかります。
「今だ!行け!! ビクトリ~~~~~~~~~アターーーーック!!!」
 解説しよう!【白鯨力】の必殺技「ビクトリーアタック」とは! なんと! すさまじいガブり寄りなのだ!! しかしまあ、これがなんというか……いわゆる「ガブり寄り」は、その「動作」として特徴的なわけで、相撲ファンならすぐに【琴奨菊】関が頭に浮かぶと思いますが、漫画的には「絵」として表現するのはすごく難しいわけです。これはまた佐藤先生、漫画的に難しい技を選びましたなあ。なので、表現としては「ガブったーー!! ガブるガブる ガブるガブる 白鯨力猛烈にガブる――!! 天雷必死に堪える!! しかし止まらないガブりーー!! ガブる ガブる ガブるガブる ガブるガブる ガブる ガブ…」というように、NHKアナの実況で表現せざるを得ないというか……まあ、分かっている我々にはその様子は想像できるので、これはこれでアリすかね。わたし的にも大興奮の【白鯨力】のガブリです。【白鯨力】はまさしく【琴奨菊】関だったんすね。
 そして今週は、その猛烈なガブりを【天雷】が「ぐんっ」と止めて押し返すところで終了です。NHKアナ今週最後の絶叫は「おっ…押し返した―――!! 力の天雷――――!!」でありました。
 いいすねえ……「力の天雷」。カッコイイですなあ! しかしですね……【天雷】はかつて【闘海丸】君を土俵際まで追い込みながら、うっちゃりでの逆転を許してしまったわけで(『Burst』(8)(9)巻を読もう!)、この勝負の行方も最後まで分からないすねえ……。我々ファンとしては、まずは【白鯨力】を撃破して、次は鯉太郎との戦いに挑んでいただきたいですなあ。佐藤先生、そこんところ、くれぐれもよろしくお願いしたいと存じます!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけどその後は不明
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:???【天雷】or【白鯨力】どちらか
 --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 9日目現在8勝1敗
 【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる模様。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 
 というわけで、結論。
 今週は【天雷】VS【白鯨力】の立ち合いから、【白鯨力】の必殺技「ガブり寄り」が炸裂するも、なんとかそれを押し止めた【天雷】の”怪力”ぶりが描かれました。この勝負の行方は、まだわからないすねえ……どっちが勝つんだ!? まあ、正直どちらが勝ってもいいと言えばいいんですが、それでも、鯉太郎の次の相手は【天雷】であってほしいす……。あ、そういえばふと思い出しましたが、今週の週刊少年ジャンプの『火ノ丸相撲』では、主人公の潮くんが我々『鮫島』ファンにはお馴染みの「仏壇返し」で優勝を決めるを最強ライバルに放たれるも、右下手投げで投げ返す(でいいのかな?)という熱い展開で大興奮しましたね。わたしは10代20代の頃はテレビで相撲を見ても「何がおもしれえんだこれ?」とか思っていたアホなガキでしたが、いやあ、相撲は本物も漫画もやっぱり面白いすねえ! 無差別級ってすごいよなあ……。
 まあとにかく、来週かその次ぐらいには、鯉太郎の次の相手が判明してほしいと思います。頼むから【天雷】であってくれ……どうかお願いです……以上。

↓ こちらも漣頼開始からずっと応援してます。やっぱり面白いす。最新刊は(15)巻かな?

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 今週末は、『ジョン・ウィック:Chapter2』と『ライフ』の2本を観ました。両作ともたいへん楽しめました。が、売れてねえのかなあ……と若干心配なお客さんの入りで、数字が気になります。『ジョン』さんは、前作が気に入った方なら(つーか前作観てない人が、いきなりこの「2」を観るのはやめた方がいいです)絶対のおススメです。大変爽快かつ、なんかちょっと笑えさえします。そして『ライフ』は、実際似たようなお話はこれまで結構多くあるような気もしますが、大変真面目に、そしてクオリティも高く、細かい突っ込みなしに観るなら楽しめると存じます。真田広之さんがカッコ良く、キャストも何気に豪華です。
 さて。さっさと興行通信社の大本営発表をメモっときますか。

 1位:『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』がV2達成。9日間で26億突破だそうです。前作と比べると、だいぶ控えめな感じ、でしょうか。前作は5/下旬公開で2W目には36億超えてました。
 2位:『メアリと魔法の花』が初登場2位。公開土日で4.28億だったそうです。想像していたよりかなりおとなしめのスタート、な印象です。あ、でも『マーニー』は3.7億スタートだったからそうでもないのか。ちなみに『マーニー』は最終35.3億まで頑張りましたが、果たして『メアリ』はどのあたりまで行くでしょうか。
 3位:『忍びの国』が9日間で10億を超えたあたりだそうです。比較になるような、同じスクリーン規模で同じくらいのスタートの作品を探すと……去年の『DEATH NOTE New World』は同じくらいのスタートで、2W目には12億ぐらい稼いでいたみたい。てことは、ちょっと微妙ってことか? イメージ的に年配客が入ってないような感じがしますがどうなんでしょうか。
 4位:『兄に愛されすぎて困ってます』が10日間で4~5憶ぐらいと見積もる。情報なしでまったく自信なし。
 5位:『22年目の告白~私が殺人犯です』が30日間で20億突破だそうです。20.77億だそうで、良かったすね。
 6位:『ジョン・ウィック:Chapter2』が数字公表なし。1億超えたのかな? 0.8億程度のギリ1億届かずぐらいなのでしょうか。金曜公開なので3日間だと1億チョイなんですかね。前作も金曜公開で、土日で0.78億、金土日で1.04億スタートでした。
 7位:『それいけ!アンパンマン ブルブルの宝探し大冒険!』が9日間で2億程度と見積もる。去年は2W目で1.8億ぐらいだったので。
 8位:『昼顔』が30日間でこちらも20億突破だそうです。20.38億だそうです。十分大ヒットと言っていいんでしょうな。立派な興行成績ですね。18位だそうで、17位の『SW:EP-1』まであと5億まで迫っているそうですが、まだ5億稼ぐスケジュールなんでしょうか……?
 9位:『美女と野獣』が79日間で122~123億ぐらいと見積もる。現在歴代興行記録
  10位:『ライフ』が公開土日で数千万というところなのでしょう。150スクリーンぐらいの公開だったので、ランク入りしないかな、と思ってたけれど、サーセン、10位に入ってよかったす。

 とまあ、こんな週末だったようです。
 わたしも『メアリ』は観たいと思ってますが、出資社にわたしの嫌いな会社が入ってるんだよなあ……という大変心の狭い理由で観に行きませんでした。非常にクオリティは高そうだし、映画に罪はないので、そのうちに観に行こうと存じます。
 そしてこの週末は、US及び世界各国で『SPIDER-MAN:Home Coming』がいよいよ公開となりました。順調な数字を挙げたようで、早く日本でも公開していただきたいものです。日本では1か月後の8/11(金)公開。すげえ悩んだのですが、まあ1か月なら許せるか……と台湾に観に行くのはやめました。これが3か月とか先だったら、絶対に台湾か香港あたりに観に行ってたと思います。かーーホント楽しみですなあ! そして、果たして日本国内でどれくらい稼げるのかも大変気になります。スパイデイは、日本ではアメコミ作品最大クラスのヒットを記録した認知度の高いIPなわけですが、今回は、MCUの一部であり、明確に『CAP:CIVIL WAR』の続編なわけで、若干心配です。大丈夫なんだろうか……。

 というわけで、結論。
 とりあえずこの週末は、『パイレーツ』がV2となったものの、若干数字は大人しめ。そして公開の始まった『メアリと魔法の花』は4.28億スタートと、これまたいいのか悪いのか、何とも微妙ラインでありました。来週というか今週末からは、『銀魂』『カーズ』『ポケモン』が始まり、夏興行も本格的に始まりますな。わたしはいつも通り、洋画中心に攻めてまいりたいと存じます。以上。

 何度もこのBlogで書いている通り、80年代に中高生として青春を送ったわたしであるが、当時からすでに、順調に映画オタクの道を究めんと精進していたわたしは、当時のいわゆる「角川映画」が大好物であった。もちろんわたしがいまだに一番好きな芸能人は、原田知世様一択なのだが、一方で、男として、この人はホントカッコイイな、とずっとあこがれ続けたのが、今やすっかりハリウッドスターとして活躍を続けている真田広之氏である。わたしは高校3年の時に、本気でJACに入ろうと思い、わざわざ恵比寿に当時あったJACの事務所に入所手続きの書類をもらいに行ったことがあるほど、千葉真一氏と真田広之氏は今でも大ファンである。
 まあ、映画好きな方なら、真田広之氏の現在の活躍はもうお馴染みだと思うが、半年ぐらい前に、わたしはとある映画のUS版予告編を観て、非常に興奮したのである。その作品が、わたしが今日観てきた『LIFE』だ。なんと真田広之氏以外にも、『DEADPOOL』でおなじみのRyan Reynolds氏や、わたしの大好きなJake Gyllenhaal氏など有名スターとの共演で、舞台は宇宙、どうやら未知の生命体とのお話らしいことを知って、わたしはもう、こいつは観ないとダメだ! と思ったのである。しかし、残念ながらUS興業ではあまり売れず、ほぼ話題にもならず、こりゃあ日本公開はないかもな……と思っていたところで、わたし的には結構突然、日本公開が決まり、今日の初日にわくわくしながら劇場へ赴いた次第である。そして結論から言うと、少しだけ惜しいようなポイントはあるけれど、映像的にも役者陣の熱演においても、かなり楽しめる良策であることが判明した。これは面白い、が、若干ありがちな展開で、オレだったらここは脚本会議で問題ありと指摘するだろうな……と思うような点がいくつかあった。まあ、いつもの言うだけ詐欺で対案が思い浮かばないので、映画オタの戯言と思っていただければと存じます。
 というわけで、以下、備忘録として誰がどんな最期を迎えたか、まで書いてしまうので、ネタバレが困る方は決して読まないでください。

 物語は、まあ、上記予告を見て想像できる通りのお話であるといっていいだろう。舞台はISS船内。冒頭、火星の地表から採取されたサンプルを積んだ無人船を、ISSがキャッチするところから始まる。この冒頭のシーンは、5分以上あると思うのだが、完全にワンカット(のように見えるだけかな)の長回しで、おまけにISS内の無重力状態を反映して、極めて自由にふわふわと漂うか如くに、ISSの6人のクルーたちの活動を追っていく。非常にクオリティの高い撮影技術とVFXで、もう冒頭からかなり期待感と緊張感があふれる出来になっている。
 そして無事回収したサンプルの解析作業に入るクルーたち。するとその中から、1個の単細胞生物が発見される。それは細胞膜と細胞壁を備え、核が存在している、ゾウリムシ的なものだったが、活動を停止していたため、厳重に隔離したラボ(=日本がISSにドッキングさせた「きぼう」。これがあったので日本人キャストを入れたんでしょう、たぶん)内で、温度を上げたり酸素を供給したり、と実験しているうちに、とうとうその細胞は目覚め、活動をはじめる。人類初の地球外生命の発見に沸くクルーや地球の人々。NYCのタイムズスクウェアで大々的なTV中継までされて、子供たちに公募した名称「カルビン」という名がその単細胞生物に与えられる。しかし、まだその時、クルーたちは誰も予想していなかった。カルビンは生物であり、それはすなわち、「生きるため」に必要な酸素やエネルギーを、貪欲に欲する存在であることを……てなお話である。
 要するに、例えていうと『ALIEN』と『GRAVITY』が合体したようなお話なのだが、大変スリリングで面白かった。まずは、6名のクルーを書き記しておこう。ええ、はっきり言って完全なBAD-ENDです。そこにわたしはケチをつけたいような気がするんすよね……。
 ◆ローリー:第1の犠牲者。役割的にはパイロット兼メカニック、かな? いろいろ修理したり船外活動もする陽気なアメリカ人。演じたのはRyan Reynolds氏。結構冒頭で殉職。元々は、うっかり野郎の生物学者を助けるために、勇敢にラボに突入し、生物学者は助けるのだが、代わりに犠牲になってしまう。実に可哀想。
 ◆キャット:第2の犠牲者。ミッションオフィサーたる勇敢なリーダーのロシア人女性。ロシアなまりの英語がセクシーな美女。演じたのはOliga Dihovichnayaさんという知らない方。壊れた通信装置の修理のため、船外活動をしているときに襲われ殉職。カルビンを船内に入れないため、勇敢な決断を下す立派なリーダー。しかしわたしは「あれっ!? 宇宙空間に耐えられるって、極低温・無酸素に耐えられる生物なのかよ?」とびっくりしたが、「奴は酸素をある程度体内に貯められるんだ……」的な解説セリフだけで流された。えーと……だとしたら後半の「閉じ込め→酸素供給を断つ」の作戦は何だったんだ……
 ◆ヒュー:第3の犠牲者。生物学者のイギリス人。眼鏡の黒人のおじさん。どうやら地球では車いすが必須な方らしい。演じたのはAriyon Bakare氏。この方も知らないなあ。キャラとしては、カルビンに愛情を注ぎ、ラボの研究主任として一番カルビンに触れる役割なのだが、ある時ちょっとしたミスでラボの環境を崩してしまい、また活動停止に陥ったカルビンに、軽い電気ショックを与えてみよう、と言い出し、みんなが気をつけろ、と言ってるのにまんまとカルビンの攻撃本能を刺激してしまい、最初に襲われ右手をボッキボキに砕かれてしまう(が、前述のようにローリーの英雄的行動で助かる)。その後、普通にしていたが突如弱りだし、なんだなんだと調べてみると、足にカルビンが寄生していて……という最期を遂げる。ただ、この時、カルビン探しで生き残っていたクルーたちは懸命になっていたのに、いつの間にか足にくっついていたのは突然すぎて若干変だと思った。わたしは、実は最初にヒューを襲った時に分裂していて、2体になっていた!のかと思ったがどうもそうではない模様。実際良く分からん。
 ◆ショウ:第4の犠牲者。日本人のシステムエンジニア。演じたのは我らが真田広之氏。みんなに頼られる知恵袋的存在。地球では奥さんがまさに出産するところで、生まれたときはみんなが祝福してくれた。ショウは、カルビンから逃げるときに、敢えて自分を追わせるように別ルートをとって隠れるが、そのことで、ISSにドッキングしてきた船を救援隊と勘違いし(本当は、カルビンのいるISSを地球降下軌道に入れないために、ISSに強制着艦して軌道を変えようとした船だった)、ハッチで待ち伏せていた?カルビンに襲われ、残りの二人を救うために自らおとりとなって殉職。
 ◆デヴィット&ミランダ:デヴィットはアメリカ人医師(演じたのはJake Gyllenhaal氏)で、宇宙滞在470日を超えるベテラン。元軍医でシリアにも派兵されたことがある。戦地での経験や、10日前まで赴任していた学校(病院だっけ?)が破壊されたりという経験から争いを嫌い、地球の人々を80億の馬鹿ども、と軽蔑しているようなキャラ。ミランダはイギリス人検疫官(演じたのはRebecca Fergusonさん)で、ずっと、「隔離」の重要性をクルーに説き、カルビンに対しても、最初から未知の脅威とみなしていた。第1の隔離が培養器、第2の隔離がラボ=きぼう、それらが破られたとき、第3の隔離としてISS全体を、絶対に地球に降下させてはならないとして、1人乗りの救命艇×2機を使って二人は最後の決断を下すのだが―――!! という展開になる。
 というわけで、物語の端々に、若干良く分からないところがあって、微妙にアレなのだが、狭い閉鎖空間での緊張感ある展開は最後まで飽きさせず、大変お見事であったと思う。ただラストは、ホラー映画にありがちな、終わったと思ったら実は終わってませんでした!というもので、まあズバリ想定内であり、後味はあまり良くない。なんか、基本的にカルビンが圧倒的に有利、というか追い詰められてばかりで、もっと明確に、人類の知恵を駆使した反撃がわたしとしては欲しかったと思う。その点が一番残念かな。せっかく最強の頭脳を持つ人々なんだから、もっと戦えてしかるべきだったような気がする。
 最後に監督についえメモして終わりにしよう。本作を撮ったのは、スウェーデン人のDaniel Espinosa氏で、『Child 44』を撮った監督さんですな。まだ40歳だって。若いなあ! 演出的には、まさしく『ALIEN』を撮った若き日のSir Ridley Scott監督のような、画としてきれいでキレのある演出であったとは思う。日本人で、40歳で、このレベルの作品を撮れる監督は一人もいないだろうな。そして本作は、エンドクレジットによるとILM謹製のハイクオリティCGなので、質感も申し分なしでありました。惜しむらくは脚本が……もうちょっときぼうのある終わり方であってほしかったかな……変にホラー的なオチはつけなくてもよかったのにね……という気がしてならないす。スッキリしたかったなあ。

 というわけで、結論。
 今日から公開になった『LIFE』という作品は、我らが真田広之さんが大活躍するSF作品で、映像そのもののクオリティは極めて上質で素晴らしいのは間違いないし、豪華キャストといってもいいだろう。しかし、お話は、実際ありがちでこういう作品はこれまでにもいっぱいあったわけで、もうひとひねり、オリジナリティがあってほしかったかもなあ、という気はした。そういう意味でわたしは、ほんの少し微妙、という判定をせざるを得ないけれど、おそらく誰が観ても楽しめる一級品だと思いますので、ええ、結論としては、実際面白かったし、おススメです。はい。日本政府はきぼうをISSに送っといてよかったね。それがなければ、きっとまた中国人が出てきたんじゃないかしら。真田広之さんは現在56歳だそうだが、相変わらず、イケメンのかっこいいおじさんとして存在感のある熱演でありました。以上。

↓ まさかこの2作を観てないなんて言わないすよね? 両作ともに最高です。
ゼロ・グラビティ(字幕版)
サンドラ・ブロック
2014-04-09


 いやあ、ホント最高でした。
 2年前の10月に日本で公開された映画『John Wick』。日本が大好きなことでおなじみのKeanu Reeves氏が、ウルトラ凄腕の殺し屋を演じた痛快アクション作である。まあ、物語的に若干アレな作品だが、Keanu氏演じるジョンさんが大変面白いというかイイキャラクターで(※善悪で言えば純然たるBADGUYではある)、そのばったばったと敵を倒すGUNアクションは最高に気持ち良く、わたしも大変楽しませてもらった映画である。
 そのジョンさんが、帰ってきた!のである。わたしとしてはもうとても楽しみで、我慢できずに今日は仕事をさっさと切り上げ、日本橋TOHOシネマズへ行き、その続編たる『John Wick:Chapter2』を早速観てきたのだが、感想は冒頭に書いた通り、最高でありました。いやあ、これは面白い! しかし、1点だけ注意点として挙げておくと、やっぱり前作を観てないとちゃんと楽しめないと思います。そういう意味では完全なる続編と思っていいのではなかろうか。というわけで、以下、たぶんネタバレまで全開で書いてしまうと思うので、気にする人は読まないでください。

 さてと。まずは前作がどんなお話だったか、軽く復習しておくと、主人公ジョン・ウィックは殺し屋である。が、愛する妻を病気(だったと思う)で亡くし、殺し屋稼業も引退、妻の遺したわんことともに、静かに暮らしていた、が、ヤクザの親分を父に持つゆとり小僧が、ガソリンスタンドで給油していたジョンさんの愛車、ビンテージのFORDマスタングに一目ぼれし、「金ならいくらでも出すから売ってくれよ(ニヤニヤ)」「彼女は売り物じゃあない(She is not for sale)」とぴしゃりと断られる。バカなゆとり小僧はカッとなって、あろうことかジョンさん邸に仲間を引き連れて夜襲をかけ、大事なわんこを殺し、おまけにジョンさんの愛車をかっぱらって逃亡。ジョンさんは深く静かに激怒しながら、親分も、「ジョンさん、うちのバカ息子が申し訳ねえ、なんとか怒りを収めちゃくれねえか」と最初は手打ちにしたかったものの(ジョンさんは業界的スーパー有名人のため、親父は真っ先にバカガキに何てことしてしてくれたんだこのドアホが!と激怒する)、ジョンさんとしてはバカ息子に落とし前をつけてもらわないと怒りが静まらないわけで、交渉決裂、親分も事ここに及んでは後に引けず、壮絶な殺し合いに発展。怒り心頭に達したジョンさんは、封印していた銃を再び手にし、舐めたクソガキをぶっ殺しに出陣するのであった―――てなお話であった。
 そして今回の『Chapter2』では、前作ラストで無事にガキとヤクザの親分をぶっ殺し、やれやれ、となったーーかと思いきや、愛車がまだ戻ってきていないので、その愛車奪還の壮絶なアクションシークエンスから物語が始まる。このオープニングアクションもすごくいいです。前作でぶっ殺したヤクザの親分(ちなみに演じたのはつい先日亡くなったMikael Nyqvistさん。非常にシブくて味のある役者さんで惜しい方を亡くしました……)、の弟が保管していたジョンさんの愛車を取り戻し、まあ取り戻したはいいけど、これでもかってくらいぶつけまくってボロッボロになって(ドアも1枚外れちゃってる)しまったため、前作にも出てきた車屋の旧友に、「どう? 直る?」「……どうって……エンジンもドライブシャフトも何もかもいかれてるじゃん……でもまあ、直るよ。クリスマスごろかな。つっても、2030年のクリスマスだけどな(笑」みたいなちょっと笑えるやり取りがあって、とりあえずひと段落。
 そしてジョンさんは家に帰り、前作で物置の地下に保管していた、けど掘り出した武器、を元に戻して、一人せっせとセメントを練って、再び封印する。そんな地道な作業が終わって、やれやれ、と一息つくと。何やらドアベルが鳴り、来客がやってくる。その客は、どうやらジョンさんが引退する際に、ちょっとだけ助けてもらったイタリアンマフィア(=カモッラ)の野郎で、この作品に特有の「殺し屋協会」の会員として、「一度作った借りは必ず返すべし」みたいな掟を盾にとって、とある仕事を依頼しに来たのだった。ジョンさんは、俺はもう引退したし、無理なもんは無理だ、と当然断る。しかしイタリア野郎は、へえ、掟を破るのか。そりゃあ残念だ。ジョン、オレは友達だと思ってたけどなあ。しょうがない、じゃあまたな。と一度帰るも、すぐさまジョンさん邸を焼夷弾(?)で攻撃、焼き討ちにする。
 激怒したジョンさんは、焼け出されてボロボロな姿で、てくてくと徒歩でマンハッタンへ向かい(あれは……ブルックリンブリッジかな? 左から右に歩いてたから、違うのかも……?)、前作でも出てきた「殺し屋協会」が経営するあの「コンチネンタル・ホテル」(どうやらロケ地としてはウォール街のそばの、Pearl StとBeaver Stの交わる三角のところらしいので、ブルックリンブリッジからはすぐ近くではある)へ直行、支配人に面会を求めるが、支配人には、ジョンさん、そりゃあ、あんたがあいつに借りを作っちまったんだから、どうしようもないよ、と言われてしまう。真面目で律儀なジョンさんは、マジかよ……としょんぼりして覚悟を決め、イタリア野郎に会いに生き、まったく気が進まないながらも、仕事を受けることに。その依頼とは、カモッラの次期BOSSに指名された、自分の姉を殺してくれ(そして自分が次期BOSSになる!)というものだったーーーかくしてジョンさんの死闘は舞台をローマに移すのだが、ローマでの「殺し屋協会ローマ支部」がまた非常にいい感じで、銃の専門家のおじさんを「ソムリエ」と呼び、まるでワインのテイスティングするかのように、必要な武器を見立ててもらい、服も、カッコイイイタリアンオーダーメイドのスーツを仕立てるのだが、完全防弾仕様で(ただし衝撃は消せないので、超痛い)、以降このスーツは大活躍する。で、仕事自体はあっさり片が付く(ターゲットのお姉さんもジョンさんの旧友?で、超潔い死に方)のだが、その後の脱出劇では大勢VSぼっちのジョンさんの激しい戦いとなり、途中からは、ジョンさんに仕事を依頼したイタリア野郎も裏切ってジョンさん抹殺に参加、複数勢力が入り乱れる大乱戦となる。その戦いもなんとか切り抜け、ジョンさんはボロボロの体で「殺し屋協会ローマ支部」のホテルに帰り着き(※前作通り「殺し屋協会」のホテル内では、仕事=殺しは厳禁のルールがある)、一応無事にNYCへ帰ると。で。帰ってきたNYCでは、イタリア野郎がジョンさんに700万ドルの懸賞をかけて、ジョンさんはマンハッタンのいたるところで狩りの対象となってしまうのだがーーーてなお話でありました。はー。短くまとめられなかった……。
 まあ、本作の見どころは、激しいGUNアクションにあるのだが、今回は前作以上に「殺し屋協会」の各キャラが大変良かった。ホテルのメンバーは前作通り。キャストも同じ。今回も、NYCのホテルのコンシェルジュの黒人青年は出てきます。大変ナイスキャラで、今回はジョンさんのわんこも預かってくれます。「当ホテルでは預かれません……が、もしよろしければ、わたくしが個人的にお預かりいたしましょうか?」「ああ、助かるよ」みたいな、ジョンさんとコンシェルジュの性格が良く分かるほほえましいシーンですな。もう一つ、今回は「殺し屋協会」の本部の描写があった。なんと! ちょっと笑えることに、本部は60年代風のレトロな装置を使っていて、働いているのはみんな中高年のおばちゃんたちで、極めて事務的に、殺しの依頼を協会員にメールを送ったりする様がとてもよかったと思う。ちなみに、NYCの支配人は、ジョンさんのことを「ジョナサン」ときちんと呼ぶのだが、まあ、信頼関係があるんでしょうな。そして今回、ラストでジョンさんはとある掟を破ってしまい、支配人も苦渋の判断でジョンさんを協会から破門せざるを得ず……なエンディングで、まあ確実に続編は作られそうですな。それもまた楽しみです。
 というわけで、わたしは大変楽しめたわけだが、わたしが一番面白いと思うのは、やっぱりジョンさん本人のキャラクターだろうと思う。なんというか……ほんとKeanu氏そのもの?のような、妙に律儀で妙にきちっとした真面目な殺し屋なんすよね。そこが一番わたしは笑えたし、なんつうか、愛すべき殺し屋なんですな、とても変な言い方ですが。そして今回のアクションは、もうすさまじいの一言に尽きるだろう。今回、ジョンさんは、殴られる・蹴られる・刺される・撃たれる・車に跳ね飛ばされる・階段から転げ落ちる、など、とにかく満身創痍で痛そうなこと甚だしく、まあ大変な目に遭います。観ているわたしはもう、ずっと、アイタタタ……とつぶやかざるを得ず、一方であまりの状況に笑いも抑えられないという妙な状態であった。
 そして、もちろん他のキャラクターも魅力がいっぱいで、わたしが気に入った5人のキャラと演じた役者をメモしておこうと思う。まずは、NYCのコンチネンタル・ホテルの支配人ウィンストンを前回に引き続き演じたのは、Ian McShane氏74歳。実に渋くて、何気にジョンさんをいつも助けてくれるが、今回ラストでは苦渋の決断を下すことに。大変かっこいい。そしてその部下であるコンチネンタルホテルのコンシェルジュ、シャロンを演じたのがLance Reddick氏54歳。あれっ!全然青年じゃねえ!54歳なんだ……もっと若いかと思ってた。今回もきわめて丁寧というか慇懃無礼で有能なコンシェルジュを好演。まあ、いわゆるギャップがもたらす笑い、ですな。
 で、今回の新キャラとしてわたしが気に入ったのが以下の3名だ。
 まずは、NYCのホームレスを束ねるギャング?なのか良く分からない影の実力者的なキャラとして、なんと! Laurence Fishburne氏が登場、名作『The Matrix』以来のネオ&モーフィアスのツーショットを披露してくれます。このお方は、前歯が猛烈にすきっ歯で、なんかいつもすごくシブくてカッコつけてるのに、そのすきっ歯がわたしは気になって仕方なくなっちゃうんすよねえ……しかし今回のキャラは、わたしは実は良く分かりませんでした。あれは……殺し屋協会の理事の一人ってこと? 違うよな……何だったんでしょうか。そんな良く分からないキャラだけど、やっぱりFishburne氏が堂々と演じると、やけに存在感バリバリですね。Wikiによるとこのお方は、日本のアニメが大好きだそうです。
 次。イタリア野郎の護衛団のTOPである、しゃべれず手話を使う超攻撃的なおっかない女子を演じたのはRuby Rose嬢31歳。非常に印象に残る殺し屋でした。大変な美人さんです。そう、ジョンさんは、この作品では、ロシア語、イタリア語、そして手話まで出来ちゃう凄い語学力のお方であることも描かれました。さすがデキる男は違いますな! ジョンさんと、この女子とは殺しあう仲なんだけど、ジョンさんのラストの手話はちょっとカッコ良かったすね。
 ラスト。今回初めて出てきた、殺し屋協会ローマ支部、のコンチネンタル・ホテル・ローマの支配人ジュリアスを演じたのは、往年のマカロニウエスタンの大御所、Franco Nero氏でありました。いかにおっさんのわたしでも、さすがにマカロニウェスタンはEastwood先生の作品ぐらいしか見てないんだよな……なので、わたしが一番覚えているFranco Nero氏といえば、やっぱり『DIE HARD2』のエスペランザ将軍でしょうな。あとは、『Letters to Juliet』のロレンツォおじいちゃんかな。アレもいい映画でしたね。
 とまあ、こんな感じに、新キャラも魅力いっぱいで、ジョンさんの激闘を盛り上げてくれました。まあ、おそらくは続編も作られるであろうと思うので、また2年後ぐらいに、ジョンさんのその後が観られることを期待しつつ、今回はこれにておしまいにしようと思う。

 というわけで、結論。
 2年前に大興奮した『John Wick』がパワーアップして帰ってきた! というわけで、さっそく初日の今日、その続編である『Chapter2』を観てきたのだが、今回もやっぱり大変面白かった。ただまあ、ものすごい数の死者が出るので、それを面白がっていいのかという気がするけれど、その様子は、下品なものではなく、ジョンさんに完全に感情移入しているわたしとしては、向かってくる奴は全員ぶっ殺す! しかないわけで、大変痛快でありました。ただ、最初に書いた通り、この作品を楽しむためには、前作を見ていることが必須条件ですので、もしまだ観ていないならば、今すぐ観て、そして明日にでも劇場で『Chapter2』を観に行くことをお勧めします。以上。

↓ 観ていないならば、今すぐWatch This Right NOW!でお願いします。最高です。



 というわけで、毎週木曜日は『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、現在毎日熱戦が繰り広げられているLe Tour de Franceなんですが、おとといの第4ステージで、ゴール前のスプリントで大変なことが発生し、なんと人気者の世界王者Peter Sagan選手が進路妨害(?)でまさかの失格→レースから退場→6年連続マイヨ・ヴェールは夢と消え、さらに、コースをふさがれたMark Cavendish選手も大転倒→鎖骨骨折&指も骨折→レースから退場→ツール最多勝利は夢と消えました。先週、わたしが見どころとして指摘したポイントがあっさり無くなってしまったわけで、わたしとしては大変残念であります。わたしは、ズバリTVつけっぱなしで寝落ちしていたのですが、その直前の集団落車でハタと目が覚め、うおお、マジかよ、と思っていたらゴール前でも大転倒となり、本当にびっくりしました。
 そして昨日、今回初の山岳となる第5ステージでもまた動きがありました。期待のQuintana選手は、最強の兄貴Valverde選手を初日の雨のTTでの転倒→足首骨折→ツールから退場、ということで援軍をなくしてしまい、昨日の第5ステージではまるっきり活躍せず終え、わたしが応援するContador選手も精彩を欠き、結果として、昨日の第5ステージで大本命Froome選手が早くもマイヨ・ジョーヌをゲットしてしまいました。わたしとしては、なんか……終わった……と言う気がしますが、これから何らかの波乱な展開も当然ありうるわけで、まあ、一応毎日見届けようと存じます。
 そして! この『鮫島』ニュースを読んでいる方は、明日発売の最新刊(13)巻は絶対に買いでお願いします! 連載が続くためにも、せめて単行本は買ってください! わたしは応援のために紙と電子の両方を買います!



 それでは、まずは今週の週刊少年チャンピオン2017年32号概況です。
 ■巻頭グラビア:電子版はナシ。紙の雑誌版は欅坂の平手友梨奈嬢だそうです。
 ■弱虫ペダル:支え合うチーム!!の巻。いよいよ鏑木君のラストへ向け平坦屋の意地炸裂のようですね。ホント使えない一年生でしたが、やっと見せ場が来ます!
 ■刃牙道:肉の宮の巻。えーっと……この展開、前にもあったような……。
 ■BEASTERS:犬型忠誠心の巻。いよいよ次週当たり決着の予感です。
 ■囚人リク:覚醒の巻。永周ちゃん……笑うなという方が無理ですw
 ■吸血鬼すぐ死ぬ:メイドの土産はいい土産の巻。今週も最高に笑えましたw
 てな感じの週刊少年チャンピオンでありました。まあ通常運転すね。

 さてと。それでは、今週の『鮫島』ニュースをお送りいたします。
 先週は、新キャラである小結【白鯨力】関のちょっとした過去話でありました。どうやらデブオタ的キャラであったものの、なんらかのスイッチが入ると初号機並みの暴走モードになるという、ちょっと今さらそういうキャラを出されても……という気がしますが、まあ、そんな妙な力士と、我らが”怪力”【天雷】関との戦いも時間いっぱい、から今週はスタートです。
 が……結論から言うと今週も【白鯨力】関の過去話でほぼ終わりました。
 冒頭、完全に鬼の形相に”変身”した【白鯨力】ですが、NHKアナは興奮気味に伝えます。「さぁ!時間いっぱい!! 角界一の怪力で今日も相手を捻じ伏せるか関脇・天雷! そしてこちらは強靭な足腰から一気に前に出るスタイル! 気合の入った面構え! 小結・白鯨力!!」
 まあ、完全に別人の顔です。フシューーフシューーとか言ってるし! そして尾多留部屋親方のつぶやき「白鯨力の二面性…普段は眠る凶暴な顔…それをどう引き出すのか…また抑制するのか…はじめはそれが問題だった…」というわけで、回想に突入です。もう面倒なので、今週も箇条書きでまとめることにします。
 ◆初めに教えたのは股割・四股ではなく「変身ポーズ」。そのポーズで力を自在に出す、という意図があった模様。
 ◆とはいえ最初はうまくいかず、よく”暴走”していた。が、暴走を止められるのは親方の子供だけだった。
 ◆どうも、弱者相手には”暴走”しなかった、らしい。それすなわち、コイツは優しい男なんだな、ってことらしい(!? なんじゃそりゃ)
 ◆幼いころ両親が離婚し、祖母の元で育ったが、そんな祖母も亡くなり、それ以降は親類の家を転々とする日々。追い詰められると出てくる荒々しい顔は自分で自分を守る唯一の術だったのだろう(なるほど)。
 ◆右手のリストバンドは「勝手に変身しない」ための親方の子供からのプレゼント。
 ◆親方は、白鯨力の身の上に同情して入門させたわけではない。「その素質に強烈に惹かれた」ため(※絵的には兄弟子たちが乗っかったタイヤをぐいぐい引っ張る稽古中の白鯨力の様子)。
 ◆夏合宿で、親方はその足腰の鍛錬のために、合宿中はひたすら走れと指示。その結果、ずーーーーっと夜中も走り続け行方不明に。まさかスカしたか!? と思われたが、なんと走り続ける白鯨力の姿がSNS上で話題に。マジかよとトラックで迎えに行くと、海辺で、道がなくて走れない、困った……と足を血だらけにしている白鯨力を発見・確保。
 ◆白鯨力としては「走れないと…僕……また…いらなく…なる…」と不安だった模様。親方曰く「すまなかったね…私の説明不足です…大丈夫ですよ…いずれスーパーヒーローになる男を 私は見捨てたりはしません…」
 ◆その愚かなほど度を過ぎた真っ直ぐさは ほかに行く当てのない切迫した状況から来ていたのだろう…そう…彼はただただ必死だった ただただ真っ直ぐに…ただただ精一杯に…その愚直さは 着実に…確実に…実を結び…才能を開花させていった 厄介者として誰からも求められなかった少年は 自分の力で その存在を求められる 力士に”変身”していった とのことです。なんか、ジョージ君こと【巨桜丸】関と、若干キャラ被ってますな。
 とまあ、こんな回想の後、場面は再び【天雷】と対面する土俵へ戻ります。NHKアナは解説を続けます。「しかし白鯨力 変身ポーズはヒーローもののオマージュらしいですが ヒーローというより悪役のような形相ですね…」
 この解説に、「プッ」と吹き出すのは我らが【天雷】。
「オモシロいけど負けるわけにはいかないなー…俺は悪者じゃないんでね…」
 おおっと、さすがは【天雷】! なんか余裕というかカッコイイじゃあないですか。そして開いたページは、見開きで超気合の入った【天雷】が、いよいよ右手を土俵に付けるの図です! 1mmも油断している様子はありません! この殺気漲る【天雷】の姿に、それまで白鯨力コール一色だった場内も、ピリッと緊張が走り、一瞬の静寂が訪れます。そんな【天雷】のカッコイイ姿に、虎城理事長もご満悦のご様子。
 「天雷(アイツ)もまた土俵では変わる力士の1人だな…」
 というわけで、今週はこのまま「ハッキョイ!!」で終了でした。なるほど、【白鯨力】関のキャラはもう分かってきましたね。しかし……しかしこれで【天雷】が負けることって……あり得るのだろうか……? いや、そりゃあり得るだろうけど……鯉太郎の11日目の相手が、【天雷】ではなく【白鯨力】というのはあり得ないような気がするのだが……もう【白鯨力】で語ることが残ってないような気が……この戦いで【天雷】がBurstからどれだけ成長しているかを描き、さあ、次は鮫島、お前だ! 的な、カッコイイ【天雷】が見たいんすよ……。どうか佐藤先生! 素直に【天雷】と鯉太郎を戦わせてください……! よろしくお願いいたします!
 それでは最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝したけどその後は不明
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:【毘沙門】東前頭五枚目
 11日目:???【天雷】or【白鯨力】どちらか
 --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関。共に10日目現在10勝0敗。
 【天雷】東関脇 9日目現在8勝1敗
 【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる模様。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。65連勝中。モンゴル人。
  他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 
 というわけで、結論。
 今週も、基本的に小結【白鯨力】のキャラ紹介的なお話で終わりました。まあ、若干ハワイからやってきたジョージ君でお馴染みの【巨桜丸】関に似ていますな。気は優しくて力持ち、なんだけど、”変身”によって鬼と化す、というわけで、ズバリ言えば、漫画的にはよくあるキャラ、ではあります。しかし問題は、この勝負の行方というより、鯉太郎と対戦するのはどっちなんすか!ということで、かつて【闘海丸】君に不覚を取ってしまった【天雷】としては、あれからどれだけ成長したのかを我々読者に見せていただきたいものであります。大丈夫かなあ……大変心配ですが、期待して待ちたいと存じます。以上。

↓ 昨日、会社のそばの文房具屋さんで売ってるのを発見、つい買っちゃった……今日の来客打ち合わせ時に使用して、ちょっとしたネタとしたい所存です。A6サイズのミニノート。結構かわいい……v


 このBlogで何度も書いているような気がするが、わたしはもう40代後半のれっきとしたおっさんである。わたしの世代は、80年代に中高生だったわけで、要するに、わたしの世代は、ジャンプ黄金時代にジャストミートであり、実際わたしは『北斗の拳』が一番好きな漫画である。以来、30年以上ずっと週刊少年ジャンプを買い続けているわけだが、残念ながら今のジャンプは、あまり面白くない。実際、もはや惰性で買っていると言って差し支えないくらいである。
 そんなわたしが、今、ジャンプで真っ先に読む漫画としてイチ押しなのが、以前も書いた通り『Dr. STONE』という作品だ。今週のジャンプ(2017年第31号)に掲載されているのが第17話なので、まだ連載が始まって3カ月チョイってとこか? 今日、とうとうその単行本(1)巻が発売になったので、早速購入したのである。

 わたしはもはやコミックスは完全に電子書籍野郎にトランスフォームしているので、電子書籍で購入した。ちょっと前までは(?)集英社のコミックスは電子書籍は紙の単行本の発売の1か月後、がお約束だったような気がするが、どうやらすでにもう、同時発売になっているらしい。勘違いかな? ジャンプ作品は最初から同時発売だったのかも。まあ、いずれにせよ、わたしが愛用している電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERでは、発売前に予約しておくと、発売日の0時に配信が始まり、自動的にダウンロードも完了しているため、わたしが朝起きたら既に購入は完了していたので大変ありがたし、である。あれっ!? ちょっと前までジャンプの公式サイトで試し読みが出来たのに、もうできなくなってるみたいだな……アレか、単行本が発売になったからやめたのかな? 集英社もわかってねえなあ……単行本が出たからこそ、ちょっとだけでも読んでもらって、興味を持ってもらえばいいのに。ま、ジャンプというブランドは素晴らしく価値があるけれど、もはやそのブランドを築き上げた人々はいないわけで、今はなあ……。ま、どうでもいいか。
 ※追記:ごめん嘘!ちゃんと試し読みのページあった! ので、URLをメモっときます。サーセンした! http://jumpbookstore.com/client_info/SHUEISHA/html/player/viewer.html?tw=2&lin=1&cid=SHSA_ST01C88118400101_57
 ともあれ。
 とにかく『Dr.STONE』は非常に面白い。原作は『アイシールド21』でお馴染みの稲垣理一郎先生、そして作画は韓国のBoichi先生、というわけで、物語も絵も、きわめてハイレベル、実にハイクオリティだ。わたしとしては少年漫画の王道的な傑作の予感がしている。
 物語は、第1話で、人間(や一部の動物)が突如「石化」してしまうところから始まる。二人の主人公は、それぞれ、石化しても「意識を持ち続ける」とこで自我の消失を防ぎ、3700年後の世界で目覚める。そこは当然文明は失われた「石の世界=STONE WORLD」であり、二人はそこから、文明をゼロから取り戻す努力を始めるが―――というのが物語の大枠だ。あーイカン、全然面白さが伝わらないな……まずはメインキャラを軽く紹介しておこう。
 ◆千空:「知力」担当。幼少期から科学大好きなマッドサイエンティスト的キャラ。言動はちょっと危ない系だが、実に仲間想いの、頼れる頭脳の男。石化中の3700年を、ずっと「数を数えて=時間を計って」過ごし、石化が解けてからは、持てるすべての知識をフル活用してサバイバルに挑む。石化の原理は未だ謎。この千空というキャラは、いちいちカッコイイことを言うのだが、ホントにすごい奴で、かなり胸にグッときます。口癖は「そそるぜこれは!」。そういえば、千空の様々な試行錯誤の様子は、非常に『The Martian』のマーク・ワトニー博士に似ている。
 ◆大樹:「体力」担当。天空の親友で体はデカく、無尽蔵の体力の持ち主。そのため千空からは「デカブツ」と呼ばれている。千空は大樹より半年前に石化から復活していたのだが、大樹の復活は天空による仮説で成し遂げられた。大樹は、石化直前に、大好きな杠(ゆずりは)という女子に告白するところだったのだが、その想いを告げる前に石化してしまったため、3700年間ずっと「おれは絶対、杠に告白するんだ!」と考え続けて石化を耐え抜いた。千空と大樹のきずなは絶対で、お互い完全な信頼を寄せ合っている。
 千空「ずっと待ってたんだよ 大樹 テメーを 100億%生きてるってわかってたからな! 杠に言うって決めた男が 志半ばで たかだか数千年ぽっちふんばれねえような んなタマじゃねえだろ テメーはよ!」
 大樹「ああ もちろんだ!」
 第1話のこのセリフはおっそろしくカッコイイす! そして第2話で、石化を解く薬品の調合に成功し(成功まで1年かかる)、二人の人間が石化から復活する。
 ◆杠(ゆずりは):大樹が大好きな少女。そしてたぶん、杠も大樹が好き。手芸部で手先が器用。もちろん大変可愛い。千空のような科学知識は持っていないが、いろいろと、ちゃんと察することができる頭の回転の速い、賢い女子。
 ◆獅子王 司:杠の石化を解こうとした時に、野生化しているライオン(!)に襲われ、超絶ピンチとなったため、ある意味止む無く杠のための石化解除薬を使って復活させた男。「霊長類最強の高校生」として世間的な有名人で、実際ライオンと素手で闘えるほど。ただし強すぎる司の「武力」は、現状では抑止力がなく危険な存在に―――!?
 第2話での千空のカッコイイセリフは、やっぱり石化解除薬の実験が1年がかりで成功した時のこれでしょうな。
 千空「教えてやるよデカブツ 『科学では分からないこともある』じゃねえ わからねえことにルールを探す そのクッソ地道な努力を 科学って呼んでるだけだ……!! 実験始めて1年――第100何十回目か? 意外と早かったな ククク 地道なもんだ ファンタジーに 科学で勝ってやんぞ そそるぜこれは…!」
 そして司が目覚めた時の、第3話のセリフも、この時は非常にカッコイイ。
 司「詳しい説明は うん ゆっくり聞くよ ただ一つ約束する! 君らにはもう二度と危険って奴は訪れない これからは この俺が戦うからだ!!」

 と、まあ、これ以上はもうネタバレも甚だしいので引用はやめておこう。とにかく熱くてそそりまくる物語であることは間違いなく、絶対のおすすめです。今すぐ読んでいただきたいと存じます。
 ジャンプの連載漫画は、基本的に19ページで、単行本1冊当たり9話収録が基本なのだが、本作は、最初の第1話が50ページ、第2話も25ページかな、ちょっと長めになっているので、今日発売になった第(1)巻は7話収録です。どうやら(2)巻は2か月後の9月発売だそうで、先週号の第16話ぐらいまで収録されるんじゃないかな? 確かに、16話はいい区切りだったかもしれないすね。是非、まずはこの第(1)巻を楽しんでいただきたく存じます。

 というわけで、さっさと結論。
 ここ数年、とみに面白い漫画が減った週刊少年ジャンプだが、今年から始まった『Dr.STONE』という漫画は大変面白い! 物語も絵も、実にハイクオリティで、少年漫画の王道的な傑作の予感がしております。今後の展開もとても気になる作品で、わたしは毎週、真っ先に読む作品であり、超おススメです。SFとしても、非常に出来がいいと思いますよ。心配があるとしたら……物語的にあまり長く続けられる作品ではないと思うので、単行本10巻ぐらいで終わるのがいい、ような気がするけど、どうなるか、そんなことぐらいですな。とにかくこれからの展開が気になります! 以上。


↓ やっぱり、人類の知恵を武器に、過酷な状況と戦うってのは、大変面白いですな。主人公が頭がいいと大変読んでいて気持ちいいす。というわけで、コイツになんだか似ていると思います。最高に面白い映画です。
オデッセイ(字幕版)
マット・デイモン
2016-04-22


 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 今週末は、毎年登っている富士山にやっと登ってきました。7月に入ると大変な人出で登りにくくなるため、わたしは大抵6月中に登っちゃうのですが、雪解けのタイミングや天気の関係もあって、今年は7月1日となってしまいました。しかし……家を出る時&5合目の駐車場では雨は降っておらず、あまつさえ朝日がちょっと射しつつあって、これなら大丈夫かな? と思ったものの、7合目からは完全に「雲の中」であり、要するにびっしょり&眺望ナシ&すっげえ風、というただの苦行となってしまったのが残念です。まあ、なんつうかですね、わたしもなんで毎年飽きずに登っているか、ほぼ理由はないんですけど、もし何か、悪いことが起きたりしたときに、「ああ、今年は富士山に登ってねえからだ……」とか思うような気がするんすよね……。誰にも理解してもらえないと思いますが、まあルーティーンみたいなものです。年単位の。
 というわけで、今週末は特に観たい作品もなかったので、映画は観てません。日曜日は、昼間にWOWOWで放送されたマニー・パッキャオの試合を見て(まさかの判定負け!)、その後『ファンタスティック・フォー』の旧版2作が放送されているのを超久しぶりに見て、夜はツール・ド・フランスの生中継を見るというぼんやりグータラな週末を過ごしました。
 さてと。それではさっそく、興行通信社の大本営発表をメモしておきます。

 1位:『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』が公開土日で10.48億稼いで1位。前作『命の泉』(2011年5月公開)は12.05億スタート→最終88.7億。これと比べると落ちているのは間違いない、けど、数字としてはまだまだすごい人気なのも間違いないすね。わたしはどうも……合わないっつーか、2作目以降は劇場で観てません。
 2位:『忍びの国』が公開土日で4.85億稼いで2位。和田竜先生の小説原作で比べると『のぼうの城』(2012年11月公開)が4.05億スタート→最終28.4億。『のぼう』は震災の影響で公開が延期されてしまったこともあるし、今回は嵐パワーも加わって30億は超えてほしいですね。
 3位:『兄に愛されすぎて困ってます』が公開土日で1.65億稼いで3位。あ、この作品は金曜公開か。3日間だと2億届いているぐらいでしょうか? 原作は小学館「Sho-Comi」連載中。同じキャストでTVドラマ(全5回)放送アリ。Sho-Comiの公式Webサイトで、1巻が丸ごと試し読みできちゃうみたいなので読んでみましたが、なるほど……こういうお話なんすね……これは想定読者は中学生ぐらいなんだろうか……? 松竹配給で252スクリーン。規模的にはまずまずでしょうか。
 4位:『22年目の告白~私が殺人犯です』が23日間で18~19億ぐらいと見積もる。この分なら、20億はなんとか超えられるのかな……。大変立派な数字だと思います。
 5位:『美女と野獣』が72日間で120.81億だそうです。6/28(水)時点で119.16億ほどだったそうなので、平日はあまりもう稼げてないってことか? 都心以外は上映回数が減ってるのかな? いつまで上映が続くか次第だけど、もう一声、数字はまだじわじわ伸びるのかもしれないすね。
 6位:『昼顔』が23日間で18~19億ほどと見積もる。こちらもギリ20億には届くのでしょうか。ちゃんと調べてませんが、CX作品としては、20億越えは結構久々な印象です。
 7位:『それいけ!アンパンマン ブルブルの宝探し大冒険!』が0.88憶だったそうで、去年よりちょっとイイ感じかな。あ、過去最高のスタートだそうです。まあ、毎年キッチリ稼げるのは、大変素晴らしいことですね。卒業するちびっ子もいる中で、ちゃんと毎年毎年新しいお客さんが入って来るってことなんでしょうな。
 8位:『こどもつかい』が16日間で4~5億ほどと見積もる。やや元気なしか……?
 9位:『ハクソー・リッジ』が9日間で2.5~3.5億ほどと見積もる。最終5億には微妙届かずラインか?
  10位:『劇場版Free!―Timeless Medley―約束』が10位だけど数字データなし。前作同様なら、0.5億スタートぐらいだろうか? しかし最初のTVアニメからもう4年、いまだ人気維持は本当にすごいことです。よりコア化が進んで、初動はもっといい数字になってるかもしれないすね。

 とまあ、こんな週末興行だったようです。
 わたしとしては、来週というか今週金曜日からの『ジョウン・ウィックChapter2』を大変期待しております。今回のジョンさんはどんな戦いを演じるのか、楽しみですなあ! そして、ちょっと上映スクリーン数が少ないような気がする『ライフ』も、我らが真田広之さんが大変カッコイイので観に行くつもりでおります。若干B級臭が漂っているのも大変わたし好みでありますね。まあ、世の中的には『メアリと魔女の花』も公開になるし、その次の週は『銀魂』など今後話題作が続々と公開になります。しっかし……8月の『JOJO』は観に行った方がいいんすかねえ……どうなんでしょうか……。

 というわけで、結論。
 今週は『パイレーツ』と『忍びの国』という大作2本に加え、『兄に愛されすぎて~』『アンパンマン』『劇場版Free』など新作が5本もランクインという興行でありました。ま、気が付けばいつの間にかもう7月。夏休み興行前哨戦スタートですな。以上。

 はーーーー疲れた……
 何を疲れているかって? 今日は、わたしは毎年恒例の富士登山に出かけてきたのである。本当は先週の日曜に行こうと思っていたのに、雨だったのでやめにして、今日、行くことにした。去年も書いたけれど、今年でわたしは15回目の富士登山になる。2003年から年に1回登っているのだが、はーーー今日は天候のコンディションとしては、過去最悪、までは行かないか。過去2番目にひどい天気で参ったわ……。起きた時、雨は降っていなかったし、5合目の駐車場も降っていなかったので、決行したのだが、7合目ぐらいかな、明らかに「雲の中」を歩くことになり、当然どんどん濡れてくるわけで、8合目からはすさまじい風とたたきつける雨(というか霧?)で、視界もほぼなく、久しぶりにキツかったです。
 当然頂上は、吹っ飛ばされるような強風と雨で、記録によるとわたし、頂上には18分しかいなかったようです。いつもは、30分ぐらいは下界を眺めてぼんやりするのだが、今日は無理だったす。
2017_Top
 これ、頂上の様子。カメラも濡れてたけど、実際マジでこんなぼんやりな視界しかなくて、まあ寒かったすね。頂上で、やっと濡れたジャージを脱いで、ゴアテックスの防水ジャケットに着替え、グローブも、本来防水のものなんだけど、もう10年は使ってるので完全に浸水し、手が、手が死ぬ! とザックをあさってみたら、ちゃんとビニール袋に入れて乾いたままになってる軍手を発見し、おお、さすがオレ!抜かりないぜ!と軍手を着用しました。超あったけえ!と軍手の威力に感動です。なお、ザックの中身は、すべて一つずつビニール袋に入れて縛ってあり、ザックカバーなんかよりひとつひとつ防水処置しておくことが当たり前というか必須です。乾いたタオルが超ありがてぇ……のは、山で雨に濡れたことがある人なら誰でも実感したことがあると思う。
2017_TOP_attitude
 これは山頂で、高度計の様子を写したものです。まあ、誤差がかなりあるけど、富士山の標高3,776mというのは、わたしが登った吉田口のちょうど対角線の向こうにある剣が峰だと思うので、吉田口の頂上はこんな高度を示していました。ちなみに気温は5℃あったみたい。雨と風がなければ全然余裕な気温だったのにな。あと、写真は撮り忘れたけれど、気圧は650hPaぐらいだったと思う。
 まあ、わたしは富士山レベルでは全く高山病に悩まされないので、実際余裕です。
 さてと。それでは、今日の行動記録をメモしておくか。くっそう、道はすいてたし人でも少なかったし、雨さえなければ超楽しかったのになあ……。
 02:00…起床。当然眠い。歯を磨いて顔を洗い、コーヒー飲んでさっさと出陣。
 02:35…家を出る。ガソリンは先週満タンにしといた。道はガラガラだぜヒャッホイ!
 04:25…スバルライン5合目駐車場到着。準備開始。今日は7月1日ということで、今日から入山料をとられてしまう。後で、入山料払ったらくれた、謎アイテムの写真を載せときます。
 04:41…登山口からいざ出陣! 意外と人はパラパラいる、けど、混んでいるというほどではなかった。この時、まさかびっしょりになるとは全く考えてなかったよ……うっすら、朝日がさしてきて超きれいだったのに……。
 以下、ラップタイムです。
 0:17:04…6合目指導センター通過。0時間17分04秒、の意味です。
 0:43:15…7合目「花小屋」前通過
 0:45:05…7合目「日の出屋」前通過
 0:47:43…7合目「トモエ館」前通過
 0:51:30…7合目「鎌岩館」前通過
 0:53:49…7合目「富士一館」前通過
 0:58:53…7合目「鳥居荘」前通過
 1:02:50…7合目「東洋館」前通過
 1:15:38…7合目「太子館」前通過
 1:19:47…8合目「蓬莱館」前通過
 1:32:45…8合目「白雲荘」前通過
 1:37:40…8合目「元祖室」前通過
 1:49:21…8合目「富士山ホテル」前通過
 1:50:42…8合目「トモエ館」前通過
 2:00:04…8合目「御来光館」前通過
 2:12:11…1本目の鳥居通過
 2:27:44…山頂到着!!!
 こうしてみると、去年より若干タイムは短縮できたけれど、わたしの全盛期のベストタイム2時間17分には遠く及ばず。ちっくしょう。天気が良ければあと3分ぐらいは短縮できたかもしれねえなあ……と考えると悔しいけど、ま、しょうがないというか言い訳以外の何物でもないので、ちゃんとトレーニングしないとダメだ、という戒めにしたいと思う。
 ※追記:最近やけにこの記事のPVがあがってるので一応書いておきますが、普通の人はこのペースでは登れません。断言してもいい。このペースは、速いと自慢するほどではまったくなく、本当にすごい人はもっと速いので、実際まあまあ程度?ですが、このペースで登るには、そうだなあ、ハーフマラソン80分台前半でクリアできる心肺能力が必要だと思う。逆に言うとそれができるなら、わたしより速いペースで登れると思う。まずは平地で鍛えた方がいいですよ。
 なお、山頂到着はAM07:09ごろ。そして寒くて濡れてて、タバコの火もつかず、超イライラしながら、コカ・コーラを一気飲みしつつ、薄皮アンパンを2つ10秒ぐらいで食す。そしてAM07:27に離脱を決意。ちなみに、頂上の小屋とか神社は、まだ空いてませんでした。7/10から開きます、って張り紙がしてありました。なお、スバルラインは7/10からマイカー規制で普通の車は登れません。なんか、電気自動車は申請すれば許可が取れるんだってさ。へえ~。
 以下、下山のラップタイムです。
 0:24:26…吉田ルート避難所前通過
 0:43:06…須走口との分岐点通過
 0:55:44…吉田ルートバイオトイレ前通過
 1:10:27…6合目指導センター前通過
 1:26:45…5合目登山口まで帰還
 とまあ、帰りはこんなもんです。が、このタイムもいつもより10分ぐらい遅いタイムなんです。だって! 全然視界がないし、まだブル道の整備も完全じゃないし、まあかなりいつもより苦労しました。ちなみに、登山道も下山道も、9合目ぐらいまでかなり雪が残ってましたね。いつもなら、6月中に登山道の方は雪は消えちゃうけど、今年はアレなのかな、雨が少ないとか日照が少ないとかあったのかしら? 気温が低かったとか? 下山道はいつも雪が残っている箇所があるのは普通なんだけど、今年は結構下まで残ってましたな。まあ、慣れていない人はびっくりするかも知れないけど、さすがに15回目なので見慣れた感じです。でもとにかく視界が悪くて参ったっす。

 で。駐車場に戻ってきたのがAM9時チョイ前だったと思う。駐車場は、7月になると5合目まで行けず、スバルラインの路肩に置くようなことになっちゃうことが多いけど、今日はちゃんと一番上まで行けたので、駐車場が近くて助かりました。で、衆人環視の中、恒例の半裸での着替えを実行し、スッキリしてから、温泉へ直行。わたしがいつも行くのは、去年も書いたけれど富士五湖道路を使って隣の山中湖で降りて、山中湖インターからすぐの「山中湖温泉・紅富士の湯」というところなのだが、着いたのがAM09:45頃で、よーし、まずは体をごっしごしに洗ってあったまるぞーーー!! と勇んで玄関に行ったら、な、なんと営業時間は10時からだそうで、げええ! は、早すぎた! としょんぼり車の中でしばし待ち、それから入湯しました。一番乗りしてやったぜ!

 で。わたしは温泉は当然大好きなのだが、長時間はいるとマジで頭がくらくらするので、15分ほどで出て、すぐにコーヒー牛乳をグビッと一気飲みし、おトイレに行ってから一路、中央高速をぶっ飛ばして帰ってきました。
 帰ってきたのはお昼の00:15ぐらいだったかな。すぐに洗濯物やザックや靴の手入れ&車に付着した虫の死骸などを軽くふいて、ふいーーーーっと今に至る、とまあ、そんな感じです。
 で。入山料を払ったら、くれたのがこちら。
2017_Top_omake
 まあ、わたしとしては別に1,000円払うのは全然かまわない。けど、富士山は……もうちょっと整備すべきポイントがあると思うけどなあ……たとえば、ルートガイドは、もう少し「あと●●」みたいな目安があると、登っている人々は勇気がわくんじゃなかろうかという気がするし(基本的に初めてだと、あとどのぐらい、ってのはすごい気になると思う。わたしはもう慣れたけど)、下山も、ずっとジグザグなわけで、「このジグザグは後どんだけ残ってんだ!」というのが明確に分かると、かなり精神的に違うと思うけどな。たぶん、初めての人は延々と続くジグザク下山道に、超うんざりするというか、普通はもう二度と来ない! と思うんじゃなかろうか。あと、どうでもいいけど、あの山小屋はもう、ぜんぶ国か県か市が運営すべきだろうなあ……。あんなボロイのばっかりうじゃうじゃあっても、はっきり言って利用する気になれんし、もし落石とか、万が一の噴火があったら、終わりだぜ、あんなの。まあ、既得権益なんでしょうな。わたしは15回登って一度も利用したことはありません。わたしが上場企業のTOPだったら、絶対いろんな山にバイオトイレとか避難所を作るための寄付をしまくるけどなあ……すげえ宣伝になるしイメージアップにもなると思うのだが……。

 というわけで、さっさと結論。
 はーーー15回目の富士登山は、久しぶりのバットウェザーで参ったっす。明日はいい天気みたいだから、明日にする、という手も当然考えたのだが……7月に入ってしまうとすっげえ人であふれかえるので、今日、強行したのだが、まあ、疲れました。あ、あと、ここ3年か4年かな、連続で、登るときにアクションカムを装着して、登山の様子を撮影してきましたが、今回はやめました。理由はただ一つ。飽きたから。ま、今日は撮影してもひどい天気だったのでろくな映像が撮れなかったと思います。とりあえず……寝る! 以上。

↓ わたしの愛用する、ゴアテックス製レインジャケット&パンツ。何がいいかな、と相談されたら、わたしはかならずこの「モンベル」製の「ストームクルーザー」一択ですよ、とおススメしてます。ホント、濡れない・乾いているって素晴らしい!と実感できますよ。絶対買って後悔しないと思うな。あーーーなんかデザインカッコよくなってる!





↑このページのトップヘ