2016年12月

 昨日の夜、録画していた映画を観ていたところ、HDDレコーダーが何かを録画し始めようと起動したので、何を録画するんだっけ、とそっちを確認したところ、とある映画を録画しようとしているらしいことが判明した。全く記憶にない映画だが、これはいったいどんな映画だっけなと、再生していた方を止めて、放送をそのまま見てみようという気になった。
 冒頭に登場する男は、『Money Ball』でアカデミー助演男優賞にノミネートされた太っちょでおなじみのJonah Hill氏だ。 わたしはコメディもシリアスもイケるコイツの芝居ぶりはとても好きなので、どんな映画だろうと観始めたのだが、すぐに場面はメキシコに移り、続いて頭もよくてイケメンでおなじみのJames Franco氏が出てきた。ほほう、これは面白そうだ、というわけで、そのまま最後まで見てみた次第である。録画してるのに。
 その映画のタイトルは、『True Story』。本当の話、という意味の本作は、日本語Webサイトがないので日本で劇場公開されたのかよく分からないけれど、 結論から言うとなかなか見ごたえがあって重苦しい映画であった。へえ、こんな映画があったんだなあ、という思いである。しかし、さっき調べてみたところ、格付けサイトRottenTomatoesあたりでは評価は低いので、ちょっとUS本国では微妙判定のようだ。まあ、どうやら完全に実話ベースのお話のようだし、実際、最終的に嘘か真実かわかりにくい面もあり、一般受けは難しかったのかもしれない。一部はちょっと美化しているような面もきっとあるのだろう。まあ、それは観終ったあとで知ったことなので、とりあえず置いておくとして、観ながらわたしは、これは……ジャーナリストが観たら痛いだろうな……と思った。この物語は実はベースで、登場キャラクターは実在の人物だそうだ。

 物語は大体上記予告の通りである。ただ、本編でカットされたのか、見かけなかったシーンもあるような……気もする。まあいいか。Jonah Hill氏演じる物語の主人公、マイケル・フィンケルはNY TIMESの記者。冒頭はとある取材シーンだ。そして続くシーンでは舞台はメキシコ。そこで現れる男が、同じくTIMESの記者を名乗ってドイツ人女性をナンパするシーンが描かれる。そして再びカメラは主人公へ。NYに戻り、取材の結果書いた記事が表紙を飾ってうれしい主人公だが、すぐに上層部に呼ばれ、記事は真実なのか、問われる。しかし、記事は、複数の少年に起こったことを、一人の少年に起きたかのように「ねつ造」されたものだった。そしてTIMESをクビになり、失意のもとに、妻の住む(?別居していたのか、よく分からない)モンタナ州へ移る。そしてこの失意の帰郷と同時進行で、メキシコで女性をナンパしていた男が殺人犯として逮捕拘留されるシーンも描かれる。そして、地元でいろいろなメディアに再就職をしようとしてもうまくいかない主人公のもとに、一本の電話がかかってくる。ローカル新聞社の記事からの電話で、会って話を聞いてみると、クリスチャン・ロンゴという男が妻子を殺して逮捕された、そしてその男は、NY TIMESの記者、マイケル・フィンケルを名乗って逃亡していたというのだ。全く初耳の出来事に、主人公マイケルは、ロンゴに会いに行くのだが……てな展開である。
 そしてこの先は、監獄での二人の面会シーンや法廷シーンがメインになっていく。どうして自分の名前を名乗ったのか? 君の記事のファンだったんだ、君は本当にやったのか? 今は言えない――というように、会話しながら、主人公マイケルはどんどんロンゴの取材にのめりこんでいく。そしてこの取材を本にして、ジャーナリストとして再起する野望も膨らんでいく。そして最後に迎えるのは、かなり残酷な「真実」であった、とまあそんなお話でした。
 ポイントとなるのは、二人の男の目的が、一致しているようで全く一致していない点、であろうか。
 まず、主人公マイケルが一番望んでいることは、この独占取材の結果、本を出版してジャーナリストとしての名声を取り戻したいという思いだろうと想像する。要するに取材は手段だ。そして、この取材の根底には、ロンゴへの共感と信頼がある。しかし残念ながらその基盤はひどくもろい。裏切られたらパーである。
 そして、殺人容疑者ロンゴの目的は――ここが実に難しい話だ。おそらく様々な解釈があるだろう。あるキャラクターは、単なる自己顕示欲で、マイケルは利用されているだけだという。それはそうかも、である。また一方では、裁判に有利なように操作しようとしているだけ、というキャラクターもいる。それもまた、そうかも、である。しかしそれでも、マイケルはどんどんとロンゴにのめりこんでいく。そうさせていくロンゴの言動は、作為なのか天然なのか、観ている観客にはよく分からない状態だが、ロンゴが一番望んでいることは、おそらく自分の人生の物語を語ることであり、マイケルとの接触はそのための手段であったと言えそうである。
 一方で、どんどんロンゴにのめりこんでいくマイケルを、一番近くで観ている妻は心配している。本当に、夫は正しく状況を見ているのか、そして、そもそもロンゴは人殺しなのかどうか。夫であるマイケルは、ロンゴが本当にやったのかどうか、それは問題ではないという。ここが非常に難しいところだ。おそらくマイケルの意図は、有罪であれ無罪であれ、彼の話は聞くに値すると思っている。なぜなら、「人を引き付ける物語」だと思うからだ。しかし妻は、ロンゴが有罪を認めた後で、Carlo Gesualdoの音楽を例えにして、語る。「彼の音楽は素晴らしい。けれど、Gesualdoは人殺しであり、そのことを決して忘れてはダメ」であり、ロンゴの話が興味を引くからと言って、彼が殺人者である事実は変わらない、と。
 だから妻は、夫であるマイケルにはそんな人殺しの取材はしてほしくないし、その結果、ロンゴの審理に影響が出るような書き方、すなわち、マイケルが記者として常に心がけてきた「人を引き付けるような」書き方をしてはダメだ、と思うのだ。
 ジャーナリストして、マイケルは「人を引き付ける」ために、意識的に、故意に、複数の少年の話をあたかも一人の少年の話にまとめ上げて、ねつ造記事としてクビになったわけだが、その嘘を、マイケルは反省している。そしてさらに、マイケルはロンゴに対する取材の結果執筆した本を、嘘は書いていないと信じている。そしてロンゴも、嘘をついているつもりは全くないし、事実、たぶん嘘は言っていないはずだ。
 この点で、マイケルのジャーナリズムは客観ではなく主観であることが明白だ。人の関心度の高さで記事の価値を測るわけだから、結局のところ金のため、であろう。まあ、それが悪いという話ではなくて、嘘はダメだけど金になる話じゃないとダメ、というのは、もはやどのジャーナリストも無意識に思っていることなんじゃなかろうかと思う。その点が、わたしが観ていてマイケルに共感できないポイントだと思う。わたしにはむしろ、全く天然で、単に自らの人生を人に知ってもらいたいと思っている(ように見える)ロンゴの方に興味がわく。
 物語の結末を観るに、ロンゴが殺人を犯したのは確実なんだろうし、実際の事件も、ロンゴは現在も投獄されているそうだ。何なんだろう、結局心神喪失ってやつなのかな。同情の余地はないし、まぎれもない人殺しだけど、ロンゴの語りには、まさしく人を引きつけるものがあるように感じる。
 そう思うのは、おそらくJames Franco氏の演技の素晴らしさ故、であろう。実に演技は上等で、素晴らしかった。そしてもちろんマイケルを演じたJonah Hill氏もいい。ついでに言うと、マイケルの妻を演じたFelicityJones嬢もとてもいい。このところ大作続きだが、こういう地味な作品にも出ていたんですな。とてもしっかりした演技で彼女も素晴らしかったすね。相変わらずのデカい前歯が大変愛らしいですな。

 というわけで、もう何が何だか分からなくなってきたので強引に結論。
 実在の事件をもとにした『Ture Story』という作品は、そのタイトル通り「真実」をテーマにしている物語だが、その「真実」というものは、人によって違うものであり、とりわけ、ジャーナリストにとっての「真実」は、まあ、極端に言えば「金こそすべて」なのかもしれないすな。その辺は、じつにモヤッとするものの残る映画であった。しかし役者陣の熱演は確かなもので、素晴らしかったのは間違いない。まあ結局……わたしはこの映画が面白かったのかどうか、うーーん……微妙……いや、面白かったのかな。はい、面白かったと思います。今年最後のレビューなのに、パッとしねえ記事になっちまったなあ……。以上。

↓ Jonah Hiil氏といえば、やっぱりこれでしょうな。こちらは最高に面白い。

 というわけで年末である。
 大掃除、というものは、普段からせっせときれいにしていれば、とりわけ必要がないわけで、わたしも別に部屋の大掃除はしないが、それよりも……と、HDDにたまっている、WOWOWで録画したはいいけれど観てねえ、というたまった映画を大掃除する必要があった。
 ので、昨日の夜からせっせと観始めているわけである。まず一発目として、じゃ、観てみようと再生ボタンを押してみたのが、日本映画の『人生の約束』という作品だ。公開されたのは今年2016年の1月。ちょうど1年ほど前ということになるが、散々劇場で予告は観ていたものの、正直どんな映画なのか、まるで予備知識はなく、予告で観た竹野内豊氏のカッコよさと、江口洋介氏が相当怒っている表情が印象的だったので、観てみようと思った次第である。どうも、原作小説などは存在しない、オリジナル脚本のようですな。そして観終った今、結論から言うと、役者陣の熱演は素晴らしいし泣けるお話であある。しかし、どうも演出や、やっぱり脚本かなあ、とにかく、ポイントポイントで、若干残念というか、もっと面白くできたんじゃねえかなあ、と生意気な上から目線の感想を抱くに至ったのであった。

 予告はいくつかのVerがあるようで、わたしが去年の今頃劇場で散々見た予告は別のものだったように思うが、上記の予告は、比較的物語を伝えてくれていてわかりやすい。まあ、だいたい上記予告のような物語である。ただし、少しだけ補足しておいた方が良かろうと思うので、ちょっと大まかな流れを説明しておこう。
 竹野内豊氏演じる主人公は、新興IT企業で、上場もしている大きな会社のCEO。現在大きなM&Aの最中であり、完全なワンマン社長で、200億でまとまりそうなバリュエーションも、180億まで叩け、と取締役たちや経営企画の若造どもといった、取り巻きのイエスマンたちに指示している。そのやり口は強引であり、一人異論をはさむ若者(演じたのはシンケンレッドこと松坂桃李くん)に対しては、あいつはクビにしろ、とイエスマンどもに命じるような男だ。
 そんなCEOのもとに、数日前からとある男から電話が何度もかかってきている。が、取らないで放置していたところ、あまりに何度もかかってくるので、ええい、なんだよもう!と取ってみたところ、無言電話。何なんだよ、と思うも、その相手は、かつて主人公とともにこの会社を起業した親友であり、経営方針をめぐって解任した男(当時の副社長)で、もう3年会っていないし消息も知らない男であった。そんな男の携帯からの着信、そして無言電話。そのやり取りを見守っていた有能な秘書(演じたのは優香ちゃん。相変わらずかわいい)は、何かあったのでは、一度お会いした方が良いのでは、確か故郷に帰られてるはず、と具申し、CEOもやけに気になるので、秘書を伴い、親友の故郷である富山県氷見市へ向かう。そこでは、まさにその親友の葬儀が行われていて――てなお話である。
 そして親友が大切にしていた地元の祭りで象徴として町中が大切にしていた山車が隣町に譲渡されてしまったことや、祭りを通じて「繋がる」ことの意味を知ってゆく主人公、さらには、東京では自分の会社が金融商品取引法違反(どうやら粉飾決算)で東京地検特捜部の強制捜査が入り、自らも任意出頭を求められるなど会社として超マズい状況にも陥り、すべてを失ったことで主人公は、亡くした親友の存在がかけがえのないものだったことを知ってゆくのだった――という展開である。
 わたしも経営企画として会社の経営に携わり、M&Aも数多く経験しているので、冒頭のあたりは思い当たる光景が続き、ああ、懐かしいと非常に身に染みて思った。ま、会社のTOPだけしか見ていない取り巻きのイエスマンなんてのはきっとどの会社にもいるんだろうし、わたしだって、そりゃあ積極的にイエスマンになった覚えはないけれど、結果的には、心の中でそりゃあ違うんじゃねえすか、と思っても明確に反対意見を表明するようなこともせず、へいへい、そうっすか、と従ってきた身としては、この映画で戯画化されているイエスマンどもと本質的な違いはなかろうし、明確に反対意見を述べる松坂桃李くんのキャラは、現実的にはこんな奴ほぼいないとは思っても、やっぱりとてもまぶしく見えた。そして会社側の人間であった身としては、CEOの気持ちもわからないでもない。はっきり言えば、多かれ少なかれ、会社のTOPはこの主人公に通じるものがあると思う。このあたりは、たぶん普通の人には全く伝わらないことだろうし、普通の人が観たら冒頭の主人公は単なるイヤな野郎にしか見えないと思う。
 というわけで、わたしはかなり主人公よりの視点でこの映画を観ていたわけだが、どうしてもここは……と思う点がいくつかあった。
 ◆やけに素直でイイ奴な主人公
 おそらくはまだ若いからかもしれないが、主人公はやけに素直でイイ奴だ。きっちり自分の非を認めるし、自分が起業した会社を手放すことになっても素直に応じる。それはそれで美しいし、泣かせるポイントでもあるけれど、まあ、現実はこうはいかねえだろうな、とわたしは冷ややかに思った。加えて言うと、IT企業のTOPたる男が、親友の正確な所在地を知らぬまま、取り敢えず故郷の町へ行ってみようと行動するのも若干違和感がある。親友の葬儀に偶然行き着いたわけで、あれは変というか、ばっちり調べてから行くか、秘書が知ってた、という流れであるべきだったと思う。空振りだったらどうするつもりだったんだろう。
 ◆ポイントとなる親友と、その残された娘
 この亡くなった親友は、逆光での影と声しか登場しない。キャストクレジットにも、誰が演じたか公開されていない(声は上川隆也氏っぽかったけれど、どうだろう?)。故にどうも実在感がない。おそらくこの親友とのやり取りがリアルであれば、主人公の改心にも説得力が増したはずだが、そこが若干薄いのが残念に思った。この親友を一切見せなかった演出は、結果論としてはかなり微妙だと思う。もちろんあからさまに登場させても全く別の感想になった可能性が高いわけで、どっちが良かったのかは正直分からないけれど……。また、カギとなる親友の娘も、どうしてもよく分からない。彼女は、亡くなった親友(彼女にとっては父)のことを、「あの人」と呼び、若干心の距離があるようなのだが、その点についてほぼ説明がない。彼女にとっての父がどういう存在だったのか、その点も非常にドラマとして重要だと思うのだが……そして父のことを嫌っていた的に描かれているのに、妙に主人公になついていく様子も正直よく分からない。もっと言えば、主人公がこの親友の娘の存在を知らなかったという点も、どういうことなのか分からない。ただし、娘を演じた高橋ひかるちゃんはウルトラ可愛くて、とても魅力的だった。超可憐です。名前を憶えておきたいと思った。
 ◆カット割りや演出面
 正直イマイチ、だと思う。間がわざとらしいというか……たとえば、主人公が東京の豪華マンションで携帯を机に置く。そして数秒そのままのカット。わたしはきっとこの携帯が鳴るんだろうな、と思うと、その通り携帯が鳴り、主人公はそれを取る、みたいに、意図が分かるというか先が読めるような場面が多いし、場面のつなぎもテンポが悪い。それに……ラストシーンの中途半端感が半端ないように思う。どうも余韻というか、え、ここで終わり感もあったように感じる。わたしはまたエンドクレジットでなにがしかのその後の物語を示唆する映像があるのかと思った。あそこで終わらすならもうちょっと別のラストショットがあっても良かったような気がしてならない。

 というわけで、脚本や演出面でわたしとしては若干残念に思う所があったものの、一つ一つのセリフや役者陣の熱演は素晴らしく、その点ではとても美しくて良かったと思う。胸にグッとくる名セリフはいっぱいあったなあ。上記に貼り付けた予告にも、それらのグッとくる台詞は収録されていますね。
  つっぱしるだけじゃなく、立ち止まってしか見られない風景もある。
 人生の踊り場。過去も未来も見渡せる年齢。
 失くしてから気付くことばっかりだよ、人生は。 
 全くその通りなんだろうな、と、まさしく主人公たちと同年代のわたしには心に響く。まあ、わたしは主人公たちよりちょっとだけ上なのかな。もう人生の踊り場を過ぎて、先に登ってしまったわけで、後はもう登りきるだけ、なのかもしれない。キャスト陣も、良かったすねえ。町会長の西田敏行氏、親友の奥さんの兄の江口洋介氏、イヤーな隣町の町会長を演じた柄本明氏、など、皆さん芸達者でグッとくる演技を見せてくれます。その点では非常に上質で素晴らしかったと思います。

 というわけで、結論。
 『人生の約束』という映画は、美しく泣ける話、ではあるものの、演出や脚本には若干残念なところもある微妙作、というのがわたしの総合判定である。ただし役者陣の熱演は素晴らしく、見ごたえは十分であろう。興行的には10億に届いていないので、最終的には赤字かなあ。だとしたら大変残念だ。オリジナル作品が売れてくれないと、ホントに邦画の未来は暗いとしか言いようがないのだが……今に邦画はコミック原作とアニメしかなくなっちゃうぜ。なんか、とても残念です。以上。

↓ もうとっくに配信もされてるし、いつでも観られます。
人生の約束
竹野内 豊
2016-07-06

 というわけで、2016年最後の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、新年最初の週刊少年チャンピオンの発売日は1/12(木)だそうですので、次回はまた2週間後になります。もう1年以上、この『鮫島』ニュースを綴っていますが、そろそろ辞めようかな……と言う気もしていますが、とりあえず、次の相手が誰か、そこでわたしのテンションが上がるかどうかで決めようかな、と思っています。書き続けるモチベーションが……続くといいのですが……。
 というわけで、まずは2016年最後の週刊少年チャンピオン2017年5・6合併号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は渡辺梨加嬢。欅坂の方だそうです。顔もスタイルもお綺麗ですな。
 ■『聖闘士聖矢 冥王神話』:紫龍VSスコーピオンの巻。車田節が炸裂してイイですなあ。
 ■『弱虫ペダル』:広島始動の巻。まーたこの展開か……。もうどうでもいいような……。
 ■『刃牙道』:武蔵捕縛?の巻。もう全員発砲しちゃえよ……。
 ■『囚人リク』:ヘルメットの巻。相変わらず熱いすねえ……。
 ■『少年ラケット』:第1試合の巻。イチロー君はいいとして、ヒロさんに何が起こったんだ!?
 ■『Gメン』:レイナのピンチの巻。またかなりヤバい展開になりそうな予感です。
 ■『六道の悪女たち』:魔法ならある!の巻。おっと、六道君がまた男を見せそうだ!
 ■『吸血鬼すぐ死ぬ』:ロナルドの戦い(笑)の巻。毎週面白いですが、今週の話はかなり好きです。電車内で思わず笑ってしまった……。
 ■『BEASTERS』:部長登場の巻。舞台は無事終わったので、まあよかったす。いよいよ単行本(1)巻が発売になるので、コイツは買いかも。

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、土俵下に落ちる【白水】兄貴と大関【天鳳】までが描かれ、軍配はまだ上がっていませんでした。そして今週は、その軍配がとうとう上がります!
 結果は――――【白水】兄貴に上がりました! 小結【白水】が大関【天鳳】に勝った!やったぜ! 私も大喜び、そして空流の弟たちも大喜びです。【白水】兄貴も、「やっ…やった…やった―――!! 見てたか…親方…しっかり見てたかよ…!!」と、喜び涙を浮かべて、親方たる【仁王】兄貴に視線を送ります。
 しかし、審判席の【仁王】兄貴は、すっと右手を上げています。なんとここで、【仁王】兄貴の「物言い」だ――!! 唖然とする【白水】 兄貴をよそに、NHKの中継は取組のリプレイを放送します。「あっ!! 確かにこれは白水が先に落ちているように見えますね~~…」
 そして審議の結果は、なんと差し違えで大関【天鳳】の逆転勝利!!! NHKアナと、たぶん解説の虎城理事長(?)もこう言ってます。
 「しかし自分の親方の物言いで星を落とすことになってしまいましたね……」 
 「まあ…当然と言えば当然でしょうな…」
 ええ、そりゃまあ当然、でしょうなあ。しかし唖然の【白水】兄貴と青筋を立てている【仁王】兄貴の想いが面白いというか、ちょっと笑えます。
 「しっかり 見てんじゃねーよ……(ワナワナ)」
 「それはそれ! これはこれ!(プンスカ)」
  まあ、【仁王】兄貴はしっかり見てたってことで、しょうがないっすね。そして思わぬ勝ちを拾った【天鳳】は、素直に空流の強さを讃えます。
 「スゴイナ~~~仁王ハ~~~本当ニ強クナッタヨナ~~~白水 モット俺モ気合イ入レテイカネートナー…ノンビリシテルト 過去ノ人間ニナッチャウゾ…」
 【天鳳】のすがすがしい笑顔に、新寺親方も、うむ、的なほほえみです。そしてちくしょー的な悔しい表情で、あと一歩、あと一歩だったのに、と悔しがる【白水】兄貴に、【仁王】兄貴は声をかけます。
 「詰めが甘いんだよテメーは…まぁ…取り組みは少しはまともになったかな…バカヤローが…」
 その言葉を聞いて【白水】兄貴はハッとします。そして唇をかみしめて言いました。
 「ゼッテーアンタを超えてやるからな……次もしっかり見とけよ バカヤロー…」
 ここの【白水】兄貴は、【仁王】兄貴は言葉は悪いけれど、いつも自分を鼓舞する言葉を投げていてくれたということに気が付いた、という事でいいのでしょうか? 唇をかみしめたのは、慰め、激励してくれた、そしてそれがうれしい、けど、その感謝に答えるにはもっと強くならねーと、と覚悟を新たにした、というてことなんでしょうか?  こういう姿が、不器用な生き方しかできない空流の男たちの姿なんすかねえ。
 そして花道に引き上げてきた【白水】兄貴を、弟たちが出迎えます。そして、そんな弟たちに、【白水】兄貴は宣言します。
 「俺が見てきた阿吽(あにでし)みてーなカッコイイ背中は見せれねぇかもしれねーけど…でもよ…俺にしか見せれねぇ背中を見せっから…俺みてーなダセェ凡人でも 必死こけばなんとかなるって必ず見せっからよ…」
 その宣言に鯉太郎が応えます。
 「さすが俺らの部屋頭だよ…スゲー取組だったぜ…まだヘバッてらんねーって 力もらったよ…やっぱ間違いなく空流のぶってー柱だよ 白水さんは…」
 もう、まったくできた弟ですよ鯉太郎は。ここにジャギ様がいたら、「よくできた弟~~~!!」とクワッと反応しそうなレベルですな。 
 と、ここで今週は終わりかと思いきや、なんとちょっとした続きがありました。なんと、【白水】兄貴は、「オレ……この取組で何か変われたら、自分に少しでも自信が持てたら……真琴姉ちゃんに告白するんだ……」と完全に死亡フラグめいた想いがあったそうで、 鯉太郎に真琴姉ちゃんを呼び出すよう、兄貴職権の濫用です! だ、大丈夫か!? いや、大丈夫じゃないに決まってるけど、まさかの展開があり得るのか!? そんな読者の心配をよそに、結果は2週間後の年越しとなって今年は終了です。
 しかし……正直長かったすね、【白水】編は。おまけにまさかの年越しとは……。どうなんすかねえ、この展開は……まさか、【白水】兄貴に告白されて、真琴姉ちゃんの、ごめんなさい、からの、実は【仁王】兄貴が好きなの宣言もあり得るのでしょうか。まあ、正直その辺はあまり興味がないっす……とにかく、鯉太郎の次の相手は誰なのか、そしてどんな戦いとなるかが楽しみですな。
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:??? 
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 【白水】兄貴の戦いは、結論としては敗北に終わったわけですが、親方との絆は深まったわけで、一応はめでたしめでたしと言えると思います。そして次回に持ち越された、真琴姉ちゃんへの告白は……1週でさらっと流していただいて結構ですよ、佐藤先生! そして、次の相手や、現状での他力士の星取りもそろそろ教えていただければ幸いに存じます。来年も、よろしくお願いいたします!! 以上。

↓ マジで買うしかないかもな……結構好きです。この漫画。


 

 先日電子書籍で安くなっているのを見かけて買った本があるのだが、実は読み終わったのはもう1か月ぐらい前で、このBlogに感想を書こうかどうしようか、迷って放置していた作品がある。
 なぜ迷っていたか? ズバリ、のっけから結論を言うと、あまり面白くなかったから、である。しかしそれでも、やっぱりなにか書いておこう、と、さっきふと思い立った。特に理由はなく、単に、このBlogが自分のための備忘録である、という存在意義を思い出したからだ。
 というわけで、その本とはこれです。

 愛する早川書房から出ている、いわゆる翻訳ミステリーで、原題は『THE BONES OF YOU』といい、邦題として「誰がわたしを殺したか」という日本語タイトルがついている。わたしがこの本を買った理由は、わたしが愛用している電子書籍販売サイトで、早川書房、で絞り込み、リリース順に並べたときに上位に来ていたというだけで、ああ、最近出たばっかなんだ、ふーん……まあ、古典的なミステリーかな? とそのタイトルだけしか手掛かりがないまま、とりあえずポチって見た次第である。
 で、さっそく読み始めてみた。お話はごく単純で、そのタイトルの通り、誰がわたしを殺したのか、をめぐるお話である。わたしがタイトルから想像していたのは、「誰がわたしを殺したか」ということは、要するに「わたし」はもう殺されているわけで、てことは、「わたし」以外の誰かが殺人を捜査することになるのか、はたまた「わたし」が幽霊にでもなって捜査するのか、まあきっとどっちかなんだろうな、と思っていた。
 しかし実際は、殺された女子高生(=わたし)が幽体?的な存在となって幼少期から殺されるまでの決して幸せではなかった人生を語り、そして現世では、その殺された女子高生と少しだけ(ホントに少しだけ)仲の良かった近所の主婦が、その殺された女子高生の母親の心のケアをしつつ、あれこれと犯人は……と、結構見当違いの想像を巡らせながら、いろいろな人々の話を聞いて様々に思うところを語る、とういうように、語り手が交互に入れ替わって進むお話であった。ちなみにその主婦は、別に積極的な犯人探しをするわけではなく、ほんと、傍観者と言っていいような存在である。そして最終的には、女子高生を殺した犯人は当然明らかになるのだが、正直わたしとしては、ああ、やっぱりね、な道筋で、別にな、なんだってーーー!? と驚くほどでもなく、そりゃあ消去法的にはそうなるよな、まあその動機は最後の方までわからないけど、みたいな感想しか抱けず、なんか……要するにあんまりおもしろくなかったのである。
 一応、わたしのBlogにおいて恒例となっているキャラ紹介だけしておきます。
 ◆ケイト:殺された女子高生のご近所の主婦。ガーデンデザイナーで園芸のプロ(なんか作家本人もそうらしいです)。小さな牧場(?)も経営していて馬が大好き。娘と殺された女子高生が同級生で、たまに馬の世話の手伝いに、殺された女子高生も来ていたので、よく知ってる間柄。善意の人間、として描かれているが、わたしは結構、こういった、何も真相を分かっていないのに、人が良くて誰の言うことも信じかけてしまうような、いわゆるNaiveな人は苦手。非常に人の言うことに影響されやすく、危ないというか、むしろ無意識の悪意、すら感じる。わたしは最初、この人が犯人で、そのことを自覚してないのでは、とさえ思った。
 ◆アンガス:ケイトの夫。常識人。
 ◆グレイス:ケイトとアンガスの娘。頭は空っぽなゆとり女子高生→大学生。彼女は、殺された女子高生を友だちだと思っている。
 ◆ロージー:殺された女子高生。とにかく親が最悪だということが中盤以降判明する。ロージーから見れば、グレイスは同級生だけど別に好きでも何でもないというか、むしろ嫌いな人種なのでほぼ友達とは思ってない。また、ケイトに対しても、善良な人だとは思っていたけれどそれ以上ではなく心を開いた覚えはない。ケイトのところに通っていたのは、馬に魅かれただけ。
 ◆ジョー:ロージーの母親。主婦。依存体質の頭のおかしい女性。ドM。
 ◆ニール:ロージーの父親。世間的には有名なTVリポーター。金持ち。しかし本当の顔はPCにごっそりエロ動画をため込んでいるド変態。そして支配体質でドS。
 ◆アレックス:庭師。ロージーと付き合ってた疑惑アリ。しかし、実際にはロージーはアレックスのことはたいして好きではなかった模様。単に読者やキャラをミスリードするためだけの役割と言えそう。
 とまあこんなキャラクターたちが出てきます。
 わたしは、この小説を読みながら、この映画のことを思い出していた。

 そうです。かの『The Lord of the Ring』で世界を熱くさせたPeter Jackson監督による『The Lovely Bones』です。この映画は、当時14歳か15歳のSaorise Ronanちゃんがウルトラ可愛い一方で、お話は超暗く、そして後味も超悪い作品で、わたしも観終って、なんだかしょんぼりというか悲しくなっちゃったことをよく覚えている。この映画では、殺された少女が、自分を殺した犯人を知らせようと、幽霊的存在ながら非常に積極的に、家族に何とかコンタクトを取ろうとするのだが、犯人が恐ろしく陰鬱というかいや~~な野郎で、最後は犯人に対しては明確な裁きが下るんので、その点ではすっきりしてざまあ、なんだけど、結局殺された少女の遺体は見つからず、すごいエンディングが待ってるんすよね……。あれはつらい終わり方だったなあ……
 ともあれ、映画『The Lovely Bones』は、殺された女の子がとても魅力的で、その点はとてもいいのだが、今回読んだ小説「誰がわたしを殺したか」においては、ほぼどのキャラクターにも共感は抱けず、しかもなーんだで終わってしまい、結論としてはあまり面白くなかったとしか言いようがありません。

 というわけで、短いですが結論。
 いや、結論も何も、もうさんざん書いた通り、Debbie Howell女史による小説『THE BONES OF YOU』はイマイチでした。なんかこの作家は、もともと電子書籍で自費出版してたところを注目されて商業デビューした人みたいですね。やっぱり、ちゃんとした編集者がついてないと、こうなっちゃうんじゃないかしら。そういう意味では、以前読んだ「アトランティス・ジーン」同様、素人作家ですな。以上。

↓ たしかWOWOWで放送したのを録画して持ってたはず……久しぶりにちょっと観たくなってきた。
ラブリーボーン [Blu-ray]
マーク・ウォールバーグ
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2012-01-13







 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末は、うっかり仕事で出勤してしまい、クリぼっちどころか仕事に精出すむなしい週末でありましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。ふと昨日、もう今年は劇場に映画を観に行く予定がないので、今年2016年はどんな映画を観たんだっけ? と一覧に書き出してみたところ、どうやらわたしは2016年に45本、映画館へ観に行ったようです。例年は、だいたい30本~35本ぐらいなので、今年はちょっと多いような気がします。詳しいことは、昨日の記事を参照してください。

 それでは、いつもの通り興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『バイオハザード:ザ・ファイナル』が1位獲得。土日2日間で6.19億、金曜の祝日公開なので、3日間だと9.78億だそうです。毎回強いすねえ。前作「5」が最終38.1億ですが、その初動よりいいようです。わたしはハリウッド映画版『バイオ』は「1」と「4」を観に行っただけだったかな。まあ、わたしとしては久しぶりにゲームの最新作「7」の方が気になっており、プレイするためにPS4を買うかどうか、超悩み中です。どうすべか……。
 2位:『映画妖怪ウォッチ空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン』が9日間で10億を超えたぐらいと見積もる。去年が9日間で23.4億だったので、いよいよ半分程度、という推移ではなかろうか。ちょっと厳しい展開ですが、それでも30億ぐらいは行っちゃうんでしょうか。
 3位:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が10日間で19.61億だそうです。『EP VII』が10日間で38.3億で最終113.5億。てことは、51%か。てことは、やっぱり最終55~60億ぐらい、なんでしょうな。えーと、本物の次の『SW:EP VIII』は来年の今頃には公開されているはずで、そっちもきっと、100億切るぐらいに下がっちゃうかもしれないですな。いずれにせよ、そっちも大変楽しみです。
 4位:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開から31日間で55億を超えたあたりと見積もる。まあ、順調と言ってよさそうですが、上映回数がガクンと減って来てますので、やっぱり粘って70億程度での決着でしょうか。
 5位:『土竜の唄 香港狂騒曲』が公開土日で2.23億だったそうです。こちらも金曜祝日公開だったので、3日間で3億チョイ程度でしょうか。前作は2014年の公開で、驚きの21.9億稼いだわけですが、今回は初動としては78%ぐらいかな、チョイ落ちぐらいで済んでいますので、15億ぐらい稼ぎそうですね。なかなかのヒットと言ってよさそうです。
 6位:『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が9日間で5億は超えたのかな、6~7億ぐらいと見積もる。こちらもまあ順調、でしょうか。もう少し欲しかったかも、ぐらいかな。こちらも10億以上、15億を超えるかどうか当たり、と思われます。
 7位:『君の名は。』が18週目にして213~214億ぐらいだろうか? 祝日直前の12/22段階で210億突破だったそうなので、どうだろうな……3連休で最低でも3億は積んだと予想。もっとかもな……。でもこの順位だともうチョイ下か……? 若干自信なし。
 8位:『海賊とよばれた男』が16日間合計で11~12億ぐらいと見積もる。うーーん……ちょっと数字的には前作と比べると淋しいすねえ……若年層が取り込めてないのではなかろうか……。岡田准一氏の芝居ぶりは本当に素晴らしいと思います。
 9位:『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』が16日間合計で6~7億ぐらいと見積もる。こちらもほぼ想定内の推移ではなかろうか。10億はちょっと届かずか、チョイ超えるか、ギリギリのラインとお見受けします。
 10位:『この世界の片隅に』が44日間合計で8.2億だそうです。頑張れー! この週末から上映館が増えているようですが、公式サイトを見ると、どうやら年明けからまた結構劇場数が増えそうですね。イオンシネマ系がガッツリ増える模様です。この分だと、10億は余裕で(?)超えそうですね。やった!

 とまあ、こんな週末だったようです。

 というわけで、今年はこれでおしまい。年明けは、いつから週末興行が発表されるのか分からないですが、元日は月曜だけど、さすがにないだろうな……となると、次の週からまた、毎週月曜日は映画の興行収入の数字を追ってみようと思います。ただ、1週開くと数字の見積もりシミュレーションがすっげえ難しいんすよねえ……しかし、この数字追っかけをはじめてはや1年半。なんかあっという間っすねえ……とりあえず、飽きるまで続けるつもりであります。いつまで続くかなあ。分からないですが、映画はずっと見続けようと存じます。
 それでは来年も、よろしくお願いいたします。以上。 

 ※自分用メモ:1月2月のオレ的要チェック作品
 『本能寺ホテル』 1/14(土)公開
 『沈黙―サイレンス―』1/21(土)公開
 『ザ・コンサルタント』1/21(土)公開
 『スノーデン』1/27(金)公開
 『マグニフィセント・セブン』1/27(金)公開
 『ドクターストレンジ』1/27(金)公開 
 『王様のホログラム』 2/10(金)公開
 『セル』2/17(金)公開
 『ラ・ラ・ランド』2/24(金)公開 
 うーーむ……年明けからまた随分あるな……全部は観られないかもな……B級ハンターとしては、愛するStephen King大先生原作の『セル』は見逃せないぜ! でもきっと上映館数が少なそう……。新潮社は、この原作小説を当初「携帯ゾンビ」という邦題で発売しようと告知していました。まあ、その通りの話だけど、センスねえなあ……いや、逆にあるのか!?  結局カタカナの「セル」で発売されましたが、その意味は、Cell-Phone=携帯電話のことです。日本公開されないと思ってた映画なので、超楽しみっす!原作小説は最高です。以上。

 というわけで、もう2016年も終わろうとしている。
 わたしは映画が大好きであり、観に行った後に、このBlogに備忘録としていろいろ書いているわけだが、どうやら今年、2016年は映画館へ45本の映画を観に行ったようだ。例年よりちょっと多いかな。それぞれの作品の詳しいことは、それぞれの記事に当たってもらうとして、とりあえず今年劇場へ観に行った映画のタイトルを列挙してみよう。たぶんもう、今年は劇場に観に行く映画はないので。そして、オレベストの選定も行ってみたいと思う。

【1月は4本劇場で観た】
■ 『BRIDGE OF SPIES』ブリッジ・オブ・スパイ 
 面白かった。わたしは恥ずかしながら、この物語の主人公James Donovan氏のことはまるで知らなかった。凄い男ですね、彼は。そして映画としては、ロシア人スパイのおじさんを演じたMark Rylance氏がめっぽう光っていて、素晴らしかった。この映画で今年のアカデミー助演男優賞をゲット!おめでとうございます。
 ■『CRIMSON PEAK』クリムゾン・ピーク
 わたし的にはかなりイマイチ。主演のMia Wasikowskaちゃんは可愛かったし、Tom Hiddleston氏のだめんずぶりも悪くはないものの、いかんせん物語的に、全然Super Natural要素が活かされておらず、単なるサイコ女子のイカれた話だった。そしてそのサイコ女子を演じたJessica Chastainさんは大変美しかったです。
『IN THE HEART OF THE SEA』 白鯨との闘い
 悪くない、けど意外と地味。モービーディックの話ではあるものの、主軸はモービーディックに襲われて難破した後の、漂流生活の方だったので驚いた。いつもはマッチョなThor様ことChris Hemsworth氏がガリガリに痩せた姿となるのは必見かも。あれ、CGかな?
『THE WALK』 ザ・ウォーク
 面白かった。この映画は3Dで観ないと意味がないと思います。超リアルというか超ハラハラドキドキ。そして何気に音楽が素晴らしく印象に残る作品であった。主役のJoseph Gordon-Levitt君はアカデミー賞にかすりもしなかったけど、素晴らしい演技でした。

【2月は3本劇場で観た】
『THE MARTIAN』 オデッセイ
 最高!素晴らしかった!2016年オレ的映画祭2位。物語も映像も文句なし。主人公とともに喜び、怒り、ガッカリし、そして興奮するというような、映画の醍醐味に溢れた超傑作。やっぱり、主人公が頭がいいと、観ていてイライラすることがなくて、大変気持ちがいいですな。I need some Hot Stuff Baby Tonight !!!
『CAROL』 キャロル
 こちらも素晴らしかった。最高です。2016年オレ的映画祭3位。受賞は出来なかったけれど、アカデミー賞授賞式に出席した時のCate Blanchett様の美しさはマジ女神クラスでしたね。そしてお相手のRooney Mara嬢も大変可愛らしいですな。映画としては、極めて美しく、切なくて、わたしとしてはもう手放しで称賛したい。「このうえもなく美しく、このうえもなく不幸なひと、キャロル」というキャッチコピーも素晴らしい。まさにそんな映画でした。
『天將雄師/Dragon Blade』 ドラゴンブレイド
 久しぶりに劇場で観たジャッキー映画は正直イマイチだった。映画としてはかなりよろしくない。ただし、中国のCG技術は、悔しくてたまらないけれど、日本を超えていると認めざるを得ない。

【3月は4本劇場で観た】
『The Hateful Eight』 ヘイトフル・エイト
 悪くない、けど、久しぶりにTarantino監督節が強烈にさく裂していて、正直おなか一杯。そして……ちょっと脚本力が落ちたような気がしてならない……無駄話が多すぎるよ……。それが魅力と言われても、わたしにはもはや魅力には映らないなあ。
『THE BIG SHORT』 マネー・ショート~華麗なる大逆転
 面白かった。正確に言うと興味深かった、の方向かな。たまたまわたしは知識があったので楽しめたけれど、おそらく「金融工学」と呼ばれる現代の錬金術を知らないと、全く話について行けないと思う。
■『家族はつらいよ』
 最高です。かなり笑えて楽しく面白い。2016年オレ的映画祭9位。やっぱり山田洋二監督は、現役最強監督の一人ですな。この映画は、同じく山田監督の『東京家族』と対になっていますので、そちらを観ておくとよりイイと思います。でもまあ、この映画が楽しめるのは40代以上でしょうな。若者に通じるとは思えない。
『BATMAN v SUPERMAN DAWN OF JUSTICE』 バットマンVSスーパーマン ジャスティスの誕生
 微妙すぎる。たしかに興奮はした。Batmanがゆとり星人Supermanをボコボコにするところは、わたしもいいぞもっとやれ!と熱くなった。が、脚本的に「?」がありすぎるような……そしてこの映画で一番素晴らしいのは、Wonderwomanを演じたGal Gadot様が美しすぎる点だろう。来年はWonderwoman単独作品も控えており、超期待したいです。

【4月は3本劇場で観た】
『SICARIO』 ボーダーライン
 最高。この映画は相当イイ!2016年オレ的映画祭5位。主役の女子はどうでもいいとして、とにかくおっかないおっさんたちの演技がすごい。そして演出・撮影・音楽など、技術面でも非常に優れている作品だと思う。監督のDenis Vileneuveは、なんと現在、あの『BladeRunner』の続編を撮影中です。そしてやっぱりメキシコは恐ろしい国……。
■『The Revenant』 レヴェナント 蘇えりし者
 ううーーん……微妙……。この作品で念願のアカデミー主演男優賞を受賞したLeonard DiCaprio氏の演技はすさまじく、その顔芸がすげえ。敵役の2代目マッドマックスことTom Hardy氏の眼光も恐ろしく、芝居は素晴らしい。しかし……物語的に、なんか変。突っ込みどころが多い。坂本龍一氏の音楽は全く印象に残らず。
『CAPTAIN AMERICA: CIVIL WAR』 シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ
 超最高。ダントツで2016年オレ的映画祭1位のグランプリ。間違いないっす。最高すぎてもう泣けるぐらい。The MIND(知性)の代表であるトニーと、The Heart(感情)の代表であるキャップの悲しいすれ違い劇。ラストで、実はトニーこそ感情を爆発させ、キャップこそ理性的に行動していたことが判明するくだりは感動的。この映画は、あくまで「キャプテン・アメリカ Part 3」であり、「アベンジャーズ」ではありません。その意味も極めて深い。ホント最高。

【5月は3本劇場で観た】
『ZOOTOPIA』 ズートピア
 かなり面白い。2016年オレ的映画祭10位。Disneyのすごさが実感できる超優良作。物語も映像も超一流。とてもキャラクターが立っていて、日本のコンテンツ業界の人間なら必見だと思う。万人が楽しめる優秀な映画。
『MACBETH』 マクベス
 正直イマイチ。なんで今「マクベス」を映画にしたかったのか全く分からない。ちなみにこの映画の主演男優・主演女優・監督のカルテットは、来年、大人気ゲーム『Assasin's Creed』の映画化で再び集結します。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN III 暁の蜂起』
 最高。とにかくクオリティが高い。そして完全に後乗せサクサクな物語なのに、一切の矛盾なく、つじつまが合っていて、安彦先生の物語力には最敬礼で敬意を表したい。

【6月は6本劇場で観た】
『殿、利息でござる!』
 最高。2016年オレ的映画祭8位。コメディと見せかけて、実は超イイ話だった。「冥加訓」という書物に書かれている、「善を行えば天道にかなって冥加(=神仏の助け・加護)があり、悪を行えば天に見放されて罰が与えられる」という思想は忘れないようにしたいですな。役者陣も素晴らしい。
『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』
 面白い。悪くない。高畑充希ちゃんのしょんぼりフェイスと、はじける笑顔は最高です。彼女のミュージカルに行きてぇなあ、と思ってたのに、チケット獲り損ねたのが悔やまれる……。
『SOUTHPAW』 サウスポー
 悪くない。役者陣の熱演はとても素晴らしい。けど……どうしてこの映画のタイトルを「サウスポー」にしたのか、その点が非常に納得がいかない。もっとボクシング好きをうならせる脚本であって欲しかった。
『DEAD POOL』 デッドプール
 面白い、つーか笑えて楽しい映画であることは間違いない。しかし、笑うためには相当な映画知識やX-MEN知識が必要なはずなのだが、その辺が全くない現代ゆとりKIDSたちがこの映画をどうして受け入れたのか、さっぱりわからない。洋画不振の日本において20億を超える大ヒットとなったのだが、KIDSたちは知識なしに観てどうして楽しめたのかわからん。実際、映画館でゲラゲラ笑ってるのはわたしだけ、場内シーーンであったのが印象的。そして、FOXはこの映画を見に来たお客にこそ、夏の「X-MEN:アポカリス」のプロモーションをかけるべきだったのに。そういう点は、実に腹立たしいというか、FOXのダメさ加減が現れていると思う。
『Money Monster』 マネーモンスター
 面白かった。役者陣も良かったし、演出も実に堅実でよかったと思う。しかしアメリカという国は、やっぱりいろんな点でテキトーなんでしょうな。そんな思いが強まった作品であった。
『10 Cloverfield Lane』 10 クローバーフィールド・レーン
 2016年オレ的観なきゃよかったムービー筆頭クラス。わたしが名作だと思っている「クローバーフィールド」とはまるで別物。カニだ―!わーい!とかぶりついてみたら、カニカマだった!よりも深く激しくガッカリ。

【7月は4本劇場で観た】
『INDEPENDENCE DAY:RESURGENCE』 インディペンデンス・デイ:リサージェンス
 正直イマイチ。人類は成長したんだか、変わらねえんだか……なんか非常に残念な20年ぶりの続編で、観る意味はほぼなかったような気がする。
『BROOKLYN』 ブルックリン
 面白かった。主演のSaoirse Ronanちゃんはこの映画でアカデミー主演女優賞ノミネート。その演技ぶりは確かに素晴らしかった。が、この映画は女子が見たらどうなんだろう?というのが気になったので、後輩女子に薦めてみたところ、数日後に微妙、との返事が来た。そして原作小説はもっと微妙らしく、読んだ後輩女子から逆にぜひ読んでみてくれと言われた。ごめんよ。。。まだ読んでねえや……。
『THE SHALLOWS』 ロスト・バケーション
 面白かった。非常に緊張感あふれる一発モノ。ある意味ソリッドシチュエーション系としてなかなかの出来。カモメ(=Seagal)のスティーブンが健気でイイ。ちなみにその名前の意味、分かりますよね? 分からない人は、7月のわたしの記事を読むか、映画道黒帯の人に聞いてください。
『The Legend of TARZAN』 ターザン:REBORN
 悪くない。「ターザン」という存在が、実はイギリス貴族の物静かな知的な男だということを知らない方は是非ご覧いただきたい。しかし、どうもCGの出来が、本物感という意味では完璧に高品位だけど、妙に動物の頭身がおかしいような……? 気のせいかしら?

【8月は3本劇場で観た】
『X-MEN:APOCALYPSE』 X-MEN:アポカリプス
 超微妙……わたしとしては、既に前作「Days of Future Past」で映画のX-MEN世界は壊れてしまったと思っている。映像やキャラはいいのだが、話がかなりイマイチ。そして結局X-MENシリーズ本編ともいえる本作は日本で10億に届いたかどうかレベルの興行で終了。ホント、なぜ「Deadpool」の客を誘導しようとしなかったのか、理解に苦しむ。FOXはさっさとX-MENの権利をMARVEL-DISNEYへ返却すべきだと思うな。
『The JUNGLE BOOK』 ジャングル・ブック
 面白い。意外と歌が多くて良い。全編CGというのも信じられないほどの映像。わたしとしては、大蛇の声を担当したScarlett Johansson嬢のセクシーボイスが非常に好き。今回なんとエンディングの歌も担当。シビレますな。
『GHOSTBUSTERS』 ゴーストバスターズ
 意外と面白かった。女性にキャストを一新してのバスターズは予想よりずっと面白かったし、すっとぼけ青年を演じたChris Hemsworth氏も大変コメディの才能があることが判明して満足です、オリジナルのバスターズもちらっと登場し、非常に「分かっている」演出だと思った。

【9月は2本劇場で観た】
『SUICIDE SQUAD』 スーサイド・スクワッド
 0点。やり直し!と申し上げたい。ただし、ハーレークィンを演じたMargot Robbie嬢のエロ可愛さと、BATMANとして登場したBen Affleck氏のカッコよさは素晴らしかった。他は一切見るべきところなし。
『SULLY』 ハドソン川の奇跡
 面白かった。やっぱりEastwoodおじいちゃんは最高です。そして何気にこの映画はCGがすごい。わたしも含め、素人目には実物なのかCGなのか、到底判別できない本物感はさすがにハリウッドだと思う。エンディング曲も大変良かった。

【10月は3本劇場で観た】
『生きる』 4Kマスター版_午前十時の映画祭
 何度見ても最高。劇場で意外と笑い声が多かったのが新鮮。そうか、「生きる」ってコメディだったんだと再認識。真面目だけを取柄に生きてきた男の生きざまは、はたから見ると滑稽なんすね。ま、それでもいいさ。わたしも笑われるほど真面目に生きようと思います。
『七人の侍』 4Kマスター版_午前十時の映画祭
 何度見ても最高。ラストのむなしさがすげえグッときますね。そして4Kマスター修復の驚愕のクリアさは本当に凄い。音声もかなり修復されていて聞き取りやすくなっていた。4Kマスター版のULTRA BDが出たら買うしかあるまいて……。
『STAR TREK Beyond』 スター・トレック Beyond
 悪くない、けど、全2作に比べると格段に落ちたという印象。とりわけ前作の「Into Darkness」が本当に素晴らしかっただけに残念無念。まあ、JJは「EP:VII」で忙しかったんでしょうなあ……。作中でエンタープライズ号は大破してしまうけれど、エンディングであっさり再建されるのが、なんか強烈に違和感を感じた。

【11月は8本劇場で観た】
『DOCTOR STRANGE』 ドクター・ストレンジ
 超最高!日本公開が2017年1月27日なので、そんなの我慢できねえ!とうっかり航空券をポチり、台湾へ観に行った。2016年オレ的映画祭6位。映像がすさまじく、見どころ満載。主役のドクターも大変カッコいい。わたくし、大変失礼ながらBenedict Cumberbatch氏を初めてカッコいいと思いました。そしてドクターが纏うマント「Cloak of Levitation」が「アラジン」の魔法のじゅうたん的な意思を持つマントで、主人思いの大変いじらしい奴なのも気に入りました。やっぱり「MCU=Marvel Cinematic Univers」は最高です! 次の「SPIDER-MAN:Home coming」や「Thor:Ragnarock」がとても楽しみですな。
『Remember』 手紙は憶えている
 最高。2016年オレ的映画祭7位。これはラストがすさまじく、脚本的に極めてレベルが高い。役者陣の演技も素晴らしく、全編緊張感に満ちている。主役のおじいちゃんを演じたChristopher Plummer氏は現在86歳。「Sound of Music」のトラップ大佐もすっかりおじいちゃんですが、ピアノ演奏シーンではその腕前が健在であることを見せてくれた。素晴らしいと思います。
『JACK REACHER:Never Go Back』 ジャック・リーチャー:Never Go Back
 面白い。とはいえ、前作の方が面白かったかな。今回は、無敵のジャックが疑似家族を守る良きパパを不器用に好演。悪くないす。自分、不器用なんで。
『INFERNO』 インフェルノ
 悪くない、けど、どうも計画がずさんというか、イマイチキレが悪いというか……。ヒロインを演じたFelicity Jones嬢のげっ歯類のようなデカい前歯が可愛いくて印象的。彼女は声もいいですね。12月の「ROGUE ONE」のヒロインでもあります。
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』
 最高。地球に降りたシャアとララァの出会いが見どころ。さらに人類初のモビルスーツ戦が月面で勃発。そしてとうとう宣戦布告がなされてしまい、「1年戦争」の開戦までが描かれた。次作は、いよいよ「ルウム戦役」です!
『The Girl on the Train』 ガール・オン・ザ・トレイン
 び、微妙……。一人称小説を映像化してしまうとこうなるという悪い見本かもしれない。そして、何より問題なのは……ぜんぜん「ガール」じゃねえじゃん!という点でしょうか。主人公はアル中の33歳女子でした。
『Fantastic Beasts & Where to Find Them』 ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
 悪くない……けど、なんというか無理やりシリーズ化させようとしているような気がする……。もっと素直に、魔法動物とニュートのお話が観たかった。ニュートも、どうもぼんやりしているというか、のんきなのも、ちょっとイラッとしてしまった。さっさと捕まえればいいのに。
『この世界の片隅に』
 超最高!! 2016年オレ的映画祭4位。全く事前知識なく観たのだが、すさまじく心にグッと来た。そして劇場を出てすぐに原作コミックを全巻買って読んでみたところ、かなり原作そのままの映像化だったことを知った。いやー、それにしても、能年玲奈ちゃんことのんちゃんの声は大変ほっこりしますな。実に良いと思います。そして映画としても大変素晴らしい傑作でありました。

【12月は2本劇場で観た】
『海賊とよばれた男』
 面白い。ただし、本作はあくまでフィクションであることを了解しておく必要はありそう。わたしは出光興産の創業者出光佐三氏の物語かと思っていたのだが、映画は非常に美しく泣ける話で、下世話に言えば相当美化してあるのだと思う。その泣かせようとする美化をした原作小説は全く読む気にならん。が、映画は、主役の岡田准一氏はじめ、素晴らしい演技で大満足です。
『ROGUE ONE--STAR WARS STORY』 ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
 面白い。が、どうも乗れなかったというか、コレジャナイ感が残るというか……ラストのX-WING入り乱れる大乱戦は超素晴らしく見ごたえばっちりだけれど、主人公をはじめとしたキャラクターたちの設定が、どうも中途半端というか……イマイチ納得できず。ただし、ラストの狂えるベイダー卿や、設計図を受け取って脱出するレイア姫のくだりは本当に素晴らしかった。もっとなあ……レイアの育ての父であるオーガナ議員が活躍すべきだったと思うのだが……。

 はーーー。やれやれ。長くなったなあ。最後に、2016年オレ的映画祭ベスト10をまとめておきます。
 1位:『CAPTAIN AMERICA: CIVIL WAR』 シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ
 2位:『THE MARTIAN』 オデッセイ
 3位:『CAROL』 キャロル
 4位:『この世界の片隅に』
 5位:『SICARIO』 ボーダーライン
 6位:『DOCTOR STRANGE』 ドクター・ストレンジ
 7位:『Remember』 手紙は憶えている
 8位:『殿、利息でござる!』
 9位:『家族はつらいよ』
  10位:『ZOOTOPIA』 ズートピア
 特別賞:『生きる』 『七人の侍』の4Kマスター版及び『ガンダムTHE ORIGIN』
 とまあ、こんな感じであります。
 来年は、今のところ直近で一番観たいのは『LA LA LAND』かな。ミュージカルが大好きなわたしとしては、歌が肝心だと思うのだが、どうでしょうか。大変期待しています。そして歌と言えば、今年のTONY賞を圧倒したLin-Manuel Miranda氏が書き下ろした楽曲が使用されるDisneyの『モアナと海の伝説』も気になりますね。果たして日本語版キャストの声(歌)を担当したのは誰なのか、気になりますな。

 そしてわたしが大好きなMCUにおいては、既に『SPIDER-MAN:Home Coming』の予告が公開されています。

 IRONMANと共に宙を舞うSPIDER-MAN。これだよ、これを待ってたんだよ! SONY-PicturesがMCUに参加したのはホントに一大決心だろうし、素晴らしいですな。さっさとX-MENもMCUに参加していただきたいものです。あと、↓コイツもヤバいすね……

 前作『プロメテウス』が微妙すぎたので、今回は超期待ですな。この予告は超アガります!5月にUS公開で日本はいつだろうなあ……また夏になっちゃうのかなあ……FOXだからなあ……。同時公開はないだろうなあ……。

 というわけで、結論。
 2016年、わたしは45本の映画を劇場で観た。作品や短評は上記の通りです。そして、会う人会う人に聞かれるのですが……わたしは『君の名は』と『シン・ゴジラ』は、劇場では観てません。が、台湾旅行の際に飛行機で観ました。この2作はうっかり変なことを書くと炎上するので、何も書きません。サーセン。以上。

 はーーー。なんというか……超後味が悪い小説を読んでしまった。
 先日、わたしの愛用する電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」にて還元率の高いフェアがあったので、何か面白そうな小説はねえかしら、と渉猟していた時、あ、これ、この前予告が公開されてた映画の原作じゃん? と思って買った作品がある。その映画は、主役にハーマイオニーでお馴染みの、そして来年の春には『Beauty and the Beast』のベルとしてきっとお馴染みになるであろうEmma Watsonちゃんを迎え、Tom Hanks氏も出るというので、へえ、と思ってチェックしていたのだが、どうやら原作小説があるということはそのとき知ったものの、愛する早川書房からとっくの昔に翻訳が出ていたことは知らなかった。なので、たまたま見かけたので、電子書籍で買って読み始めたわけである。
ザ・サークル
デイヴ エガーズ
早川書房
2015-01-29

 タイトルは『The Circle』。邦題もそのまま「ザ・サークル」である。とあるSNSをWeb上で提供しているIT巨大企業を舞台としたお話だ。こちらがその映画の予告編です。まだ日本語字幕はないっす。

 まずはごく簡単に物語を紹介しよう。ズバリ単純だ。ネタバレもあると思うので、気になる人は即刻立ち去るか、自己責任でお願いします。
 US西海岸――どうやらSan Franciscoのようだが――に、SNS「Circle」を運営する「Circle」という会社がある。主人公メイは大学時代の3つ年上の友人アニーが勤務する「Circle」に、コネで採用される。夢に見た素敵な会社に転職できてうれしくてたまらないメイ。そして、最初はカスタマーサポート部署に配属され、優秀な仕事ぶりで次第に認められていく。しかし、この会社及びSNSは、その巨大な資金力と技術力で、次々と新しいサービスを展開してゆき、ついにはそこら中にカメラを設置して誰でもどこでもライブ映像が見えるようになり、他にも、子供の誘拐防止のため、という名目で子供に電子チップを埋め込んだり、と暴走してゆき、とんでもない事態になっていく。そしてその中心に主人公メイが巻き込まれて(というか自ら進んで入り込んで)いき、狂気の事態に……てなお話である。
  わたしは、読みながら、そして読み終わった今も、実に腹立たしく気持ち悪い思いでいっぱいだ。はっきり言って、読まなきゃよかったとさえ思っている。実に不愉快な結末に、怒りの持って行きようがない。
 ただし、これは、確実に、作者による確信犯だ。作者は、あえて読者を怒らせ、不愉快にすることで警鐘を鳴らしていると解釈すべきだろう。間違いなく、この物語を肯定してほしいと思っていない。こうなるかもしれないから、SNSなんかで「繋がってる」とか言ってちゃ、ヤバいんじゃねえの? という問題提起として受け取るべきだろうと思う。 その問題提起には、わたしも全く同意なので、LINEのアカウントすら持っていない「繋がってない」わたしとしては、現代の世に溢れている「なんでも共有したがる」気味の悪い人々にはぜひ読んでもらいたいと思う作品であった。
 そういう意味で、主人公メイは、典型的な「意識高い系」女子そのものだ。気にするのは他人による評価だけであり、常に不安を抱え、深刻な精神疾患を患っているとしか思えない女子である。まず、彼女のプロフィールを簡単にまとめておこう。
 ◆出身はCiscoから車で2,3時間(?)ぐらい離れた、西海岸の田舎らしい。両親は健在だが、父はとある重病を患っている。元カレは地元でインテリア製造なんかをやっていて、それなりにデザインセンスはあるらしい。とっくに別れているが、両親と元カレは今でも仲がいいようだ。ちなみにメイは一人っ子。そして大学卒業後は、地元の電気水道局(?)で地味に働くも、周りのおっさんたちにうんざりしていて、「わたしが働く場所はここじゃない」と妄想していた。まあ、おっさんのわたしから言わせれば、そんな君の居場所なんてこの世のどこにもないよ、と申し上げておこう。
 ◆大学でアニーと出会う。アニーは金持ちの娘で思考も行動もブッ飛び系だが、妙に気が合う友として大学時代を共に過ごした。そしてメイは、何不自由ないアニーに対して、ずっと心の奥底で嫉妬している。そしてアニーが働く「Circle」に口利きしてもらって入社できることになり有頂天。「こここそあたしの働く場所よ」的な感じ。そしてその転職に両親も大喜び&鼻高々。これまたわたしに言わせれば、コネ採用で喜ばれてもなあ……と申し上げたい。
 ◆基本的に脊髄反射で生きている。貞操感覚ゼロ。好きでもない男と「淋しいから」余裕でSEXする。つーか、どこでもSEXする、ある意味性欲旺盛肉食女子。謎の男とトイレでヤッたり、元カレとはかつてグランドキャニオンの崖っぷちでヤッたこともある。まあ、確かにEmma Watsonちゃんとイイ感じになったら、愛はなくても断れねえっすね。なお、謎の男に関しては、登場3回目ぐらいでその正体の想像がつくのだが、物語的には最後の最後で正体が判明して、メイもその時初めて正体を知る。ちょっと考えればわかるので、全く驚きはなかったし、いまさら何やってんだコイツ、と思った。出てくるの遅すぎでもはや全て手遅れになって、最悪のエンディングで幕切れとなる。
 ◆基本的に自分がない。故に影響されやすい。実に愚か。この点がわたしは一番許せない。
 あーイカン。もうわたしはこういう女子が大っ嫌いなので、憎しみがこもってきてしまうのでこの辺にしておこう。たぶん、一番のポイントは、「想像力の欠如」だと思う。自らの行動がどのようなことをもたらすのか、がまるで意識に登らない(故に脊髄反射とわたしは評した)ので、考えが浅すぎるのが致命的だ。また、自分の狭い視野にしか思いがよらず、他者の気持ちや考えに想像が及ばない。この様相は、「自ら(の浅はかな考えで)閉じている」という意味においては、逆説的ではあるが、新種の自閉症と言っていいのではなかろうか。コミュニケーションが取れているようで、その実、全く成立していない。これは、現代のゆとりKIDSたちの特徴だと常々わたしは指摘しているが、経験のなさが問題ではなく、単に、「ごく近視眼的に浅~くしか考えてない」だけなんだと思う。そういう意味では、そこらにいっぱいいそうで実にリアル、ではあると思った。

 そして、何より恐ろしいのがCircleというSNS&会社そのものだ。わたしがゾッとしたというか、気持ちわりぃと思った点はいっぱいあるのだが、いくつか紹介しよう。
 ◆超ナーバスな気持ち悪い人々
 たぶん、一番最初の出来事は、メイがとあるコミュニティーからの誘いを放置していたところ、このコミュ主が、オレ、嫌われてるのかなあ、どう思う? もう人間不信だよ……みたいなクレームをメイの上司に突き付け、上司立会いの下で、メイ、君はひどいんじゃないか? いえいえ、ごめんなさい、そんなつもりはなかったの、と仲直りさせてそれをSNS上で和解宣言させる出来事だろう。回答を強要する「お優しい」世界。つねに100を望む、ほんの少しの拒絶も耐えられない、実にもろいハート。最悪ですね、ホント気持ち悪い。ちなみに、この回答の強要と、少数意見の排除はどんどんエスカレートしていきます。
 ◆「透明化」という名のプライバシーの放棄
 メイは、シーカヤックが好きなのだが、会社から「なんでその経験をみんなと共有しないの?体が不自由でカヤックなんてできない人にその体験を伝えないのは、むしろそういった体が不自由な人の楽しむ権利を奪ってると言えないか?そのために当社が開発した超高性能小型カメラがあるじゃないか!どうして使わないんだ!?」と言われ、ええ、そうですね、わたしが間違ってました、次からは必ずカメラを身に着けていきます、と約束しちゃう。
 さらに、メイは黙ってカヤックを借りて海に出て、帰ってきたところで全てがそのボート屋に設置されていたカメラで見られていたために、(無断借用で)逮捕されそうになる。そして翌日、会社でつるし上げられる。
 「どうしてそんなことをしたんだ」
 「……常連だし、誰も見てないからいいかなって……」
 「じゃあ、君はカメラにすべて写っていると知っていたら、あんなことはしなかったかい?」
 「……はい、そうですね、しなかったと思います」
 「ほらみろ、当社のカメラは犯罪防止につながるんだよ!」
 「そうですね。素晴らしいと思います。じゃあ、もうわたし、24時間カメラを身に着けます!」
 という展開になる。ここに至るには、既に政治家がどんどん24時間すべてを公開し始めたという背景もあって、「秘密は嘘。分かち合いは思いやり。プライバシーは盗み」と大勢の前で宣言する羽目になってしまう。この宣言は、実際に物語を読まないとピンと来ないかもしれないけれど、とにかく恐ろしい事態になり、わたしはこの時点で、本書を読むのをやめようとさえ思った。しかもメイは、その時本気でそう思っているからタチが悪いというか愚かしい。
 結局、物語はどんどんエスカレートして、完全に「プライバシーは悪」という風潮になっていく。風潮、という言葉じゃあ生ぬるいな、常識、あるいは当たり前のこと、というニュアンスかな。これはもはや、完全に「洗脳」と言っていいだろう。たとえば、メイはうっかり両親のエッチ現場を撮影してしまうのだが、周りのみんなは、「いやあ、エッチは誰でもする当たり前の行為なんだから、恥ずかしいことじゃないよ!」とあっさり丸め込まれて、確かにそうね、とその映像を普通に公開しちゃったりもする。極めてタチが悪いことに、耳障りのいい言葉ばかリで、明確に反論・反証・論破するためには、かなり高度な頭脳が必要な点であろうと思う。完全に誘導尋問であり、回答に気を付けないと、主人公メイのように、誰しも「アッハイ、そうすね」と答えてしまう危険性は極めて高いと言えるかもしれない。
 そしてCircleの会員数は10億を超え、世界中で、Circleのカメラで覗けない場所がほぼなくなっていく。そして極め付けが、メイの元カレ(彼は物語の中でほとんど唯一まともな考えで、Circleの危険性を訴え続けていたが、もはやどうにもならんと絶望し、山奥に隠棲していた)を探しだそう、いえーい的なイベントの標的とされてしまうくだりだ。そしてそのイベントはとんでもない悲劇に終わるのだが、メイは全く反省しないし危険性も認識しない。むしろ、Circleを拒否した元カレの罪だ、とさえ思うようになる。もう完全に狂ってますな。

 わたしは、この愚かな人間(たち)が最後はどんなひどい目に合うのか、出来れば自殺か殺されるか、そういう悲劇を期待することだけをモチベーションに最後まで読んでみたわけだが、ラストはもう本当に気分の悪い、いやーな終わり方であった。ホント最悪でした。
 ただ、幸いなことに、この物語のようなことが、実際に起こるかというと、おそらく現状では技術的な問題と法的な問題の両面から、NOであると言えそうだ。
 まず、簡単な技術面で言うと、おそらくカメラについてはバッテリーの問題が現状の技術では解決不能だろうと思う。その点の説明は一切ない。寝るときに充電していると仮定しても(そんな記述はないけど)、ペンダントサイズで、24時間365日駆動し、HD動画を通信し続けられる小型カメラは無理だ。そして、通信インフラの問題もあるだろうし(世界の10億台の高画質24時間365日ストリーミングを支えることはどう考えても無理では?自前衛星をもってしてもとても無理だと思う)、そして膨大なデータを処理するプロセッサ及びサーバー容量も、非現実的なのではないかと思う。ただ、これはわたしが無知なだけで、実は実現できるのかもしれないな。
 あと、ソフトウェア的な詳しい話は一切出てこないので、AIについては全く言及がないのも、物語を若干ライトなものにしているようにも思う。おそらく作中で描かれる各種サービスは、高度なAIに支えられているものと想像できるが、おそらくはそういった部分は全く人々に意識されることがないために、何も書かれていないんだろうと思う。でも、どうだろう、本作で描かれている各種サービスは実現できるのかなあ。よく分からんです。
 それに、そもそも完全実名でしか参加できないCircleというSNSサービスも、まあ、ちょっと無理でしょうなあ。どうやって実名&本人確認するのか、書いてあったかどうか、もうよく覚えてません。
 そして法的問題で言うと、これはまずありえなかろうと思う。元カレに起きた悲劇は、たぶん簡単に犯罪行為として刑事告発可能であろうし、裁判となれば有罪間違いなしではなかろうか。そしてプライバシーの問題でも、たぶん数多くの違法行為があるし、そもそもCircleの収入源である広告事業も、たぶん違法行為を前提にしていると言えそうだ。あくまで、現状の法においては、だけど。
 わたしは、Googleのサービスを様々に享受しているし、実際便利だと思ってる。けれど、ふと訪れたWebサイトで、勝手に自分の住んでいる街のマンションの広告が表示されたりするのは、正直ぞっとするし、amazonで「あなたにお勧め!」とか言われると、うるせーよ、と嫌悪感を感じてしまう。しかし、残念ながらというか恐ろしいというか、そう思う人間はどうやら圧倒的に少数派で、むしろ普通の人はそれを便利で有り難いと思ってさえいる。たぶん、この、わたしによるどうでもいいBlogにも、そういう機能はついているので、お前が言うなと怒られそうだけれど、実際、得体のしれない不気味な世の中ですわな。
 これはわたしとしては、ほぼ確信に近いのだが、この物語で描かれたような世界が現実のものとなったとしたら、おそらく、わたしはもう生きていたくないと願うと思う。もはやそんな世には何の未練もないし。絶望とともに死ぬだろうな。ちょっと想像すれば、それがどれだけ恐ろしいか、すぐわかることだと思うのだが、残念ながらメイにはその想像力は備わっていなかった。まさしく全体主義。物語の中で、メイたちは「完全な民主主義、全員参加の真の民主主義が実現した」と浮かれているのだが、ホント、狂ってるとしか言いようがない。そんな世には、わたしのようなおっさんに生きる場所はねえですよ。死ぬしかないでしょうな、もはや。NO Place for Old Man、ですよ。
 そして物語のエンディングで描かれた世界は、まさしくわたしが生きていない世だろう。まったくもってソーシャル乙。あっしはお先に失礼しまーす、とでもほざいて、さっさとわたしはあの世へ行くだろうな、と思った。まあ、どんな映画になるか、非常に楽しみです。

 というわけで、まとまらないしもう長いので結論。
 Dave Eggers氏による小説『The Circle』は、実に最悪な世界を描いた恐ろしい物語であった。もちろん、Eggers氏は、この物語を、警鐘として描いているはずだろうと思う。でも、ここまで極端ではないにしても、確実に世界はこの物語で描かれている世界に近づいているわけで、実にゾッとしますな。残念ながら、Eggers氏にも、わたしにも、この流れを変えることは出来ない。もはや流されるだけ、かもしれない。まあ、長生きはしたくないですな。この先いいことがあるとは、残念ながら思えないすね。たぶんこの小説は、読み終わって怒り狂うのが正しいというか、Eggers氏の望むリアクションだと思います。以上。

↓ この著者が、他にどんな作品を書いているのか、少しだけ興味があります。おっと?この作品もTom Hanks氏主演で映画化されてるんすね。読んでみようかしら……。
王様のためのホログラム (早川書房)
デイヴ エガーズ
早川書房
2016-12-31

↓こちらが予告です。なんか面白そうじゃん。これは観たいかも。

 いやー。マジで泣けたというか、これは「感動」だろうな。
 悲しいのではなくて、何か熱いものがこみ上げるというか、……何かとてつもなく大切なものを感じ、心が動かされたわけで、わたしはこの作品が大好きだと全世界に宣言したい気分である。本当にラストは泣けました。最高です。


  わたしは、この上橋菜穂子先生による『守り人』シリーズと呼ばれる一連の作品を、存在は知っていたが、実際に読んだのは今年の春である。紙の本は、もう10年?近く前に刊行されている作品なので、もはや世の中的にはお馴染みだろうし、アニメにもなった作品なので、大勢のファンがいるだろうと思う。だから、わたしがこうして感動に打ち震えているのも、実のところ、超いまさら、な話ではあろう。わたしはこの『守り人』シリーズを読むよりだいぶ前に、『獣の奏者』や『鹿の王』などを読んで、これまたいたく感動していたので、上橋先生の作品が素晴らしいことはもちろん分かっていたつもりだが、この『守り人』シリーズも、ホントにまあ、素晴らしく、心に残る作品であった。
 わたしが読み始めたきっかけは、実のところNHKの実写ドラマ化だ。そのドラマ化に合わせて、電子書籍化もなされたため、それじゃ読んでみるか、と今年の春に買ってみたわけである。
 しかし、春の段階では、まだ電子書籍では全巻発売になっておらず、最後の完結編である『天と地の守り人』の3部作だけはおあずけ状態となっていたのだ。なので、早く出ないかなー、つかもう紙の本で買っちまおうかしら、と何度も悩んでいたところ、ようやく先週、わたしが愛用する電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERから、「新刊が出ましたよ~」とお知らせが来たのである。このときは、わたしはものすごくうれしくて、すぐさま購入し、読み始めたわけである。
 一応、この完結篇たる三部作以外は、このBlogでもいちいち記事を書いたので、ちょっと自分用にまとめてリンクを貼っておくとしよう。
 1作目の『精霊の守り人』の記事はこちら
 2作目の『闇の守り人』の記事はこちら
 3作目の『夢の守り人』の記事はこちら
 4作目の『虚空の旅人』んぼ記事はこちら
 5作目の『神の守り人<来訪編><帰還編>』の記事はこちら
 6作目の『蒼路の旅人』の記事はこちら

 というわけで、今回の『天と地の守り人』は、シリーズ7作目にあたる。そして3分冊になっていて、ボリュームとしてはシリーズ最大の読みごたえがあり、物語としても非常に濃厚かつ劇的で、そして結末としては(ほぼ)すべてに明確な回答が描かれ、完結編として完璧な完成度であるといってよいのではないかと思う。
 シリーズを読み続けてきた人(そうじゃない人でいきなりこの7作目を読む人はいないよね?)であれば、間違いなく喜び、悲しみ、怒り、楽しんで、そしてラストは非常にすがすがしいものを感じるだろうと思う。これまで出てきたほぼ全てのキャラが今回総出演だし、何といっても、チャグムのまっすぐでりりしい成長には、誰しも目を細めることだろうと思う。
 そもそも、本作は、明確に前作『蒼路の旅人』のラストシーンからの続きである。1作目でまだ幼かったチャグム、バルサと出会い、成長し、バルサとの別れにしょんぼりするチャグム。あの少年がすっかり成長し、外交官的な役割をもって周辺諸国に赴き、世界を知っていく過程は、読者も一緒にこの物語世界を体験していくことにシンクロするわけだが、前作でとうとう戦争が起こり、囚われの身として南の大陸にあるタルシュ帝国の帝都に連行され、その後、海に一人飛び込み、行方不明になったわけで、もう読者としては心配で心配でならなかったわけだ。本書はそこからのスタートである。
 ここで、関係各国の思惑を簡単にまとめておこう。
 ◆タルシュ帝国
 領土拡大でどんどん栄えている新興軍事国家。南の大陸はほぼ手中にしており、侵略した国々を「枝国」として併合し、現地人を徴兵し、税を徴収することで国家を運営している。ただし、とりわけひどい圧政というわけではなく、有能な人間なら枝国出身者でも重要ポストに出世できる柔軟性を持っている(実際、皇帝の右腕である宰相や兄王子の右腕も被侵略国出身)。そして現在はもう拡大の余地は北の大陸しかない、という状況でもある。なんとなく、豊臣家的な、家臣に与える土地がなく朝鮮出兵するしかない的な状況だったり、M&Aで外見的には成長を続けているように見える(けど実際の本丸は何も変わらずシナジーとやらもまるで生み出していない)、よくある大企業のパターンと少しだけ似ているかもしれない。そしてこの国の皇帝は、もはや余命いくばくもなく、二人の王子が手柄を競って次期皇帝の座を狙っていて、実は一枚岩ではないという状況にある。
 前作で、チャグムが出会ったのは、「南翼」と呼ばれる弟王子の方で、北の大陸侵攻軍の総司令官的な立場にあるが、本作では「北翼」の兄王子も登場。その関係性が結構大きなポイントでもある。あ、各キャラクターにつていは、上記の過去の記事を参照してください。
 ◆ロタ王国
 第5作目の舞台となった国。騎馬民族。聡明な王がいるが病弱で、王弟が政務を任されている。国は実際のところ南部の富裕層と、北部の貧困層に分かれていて、その溝は深い。王弟は悪い奴ではないし、話の分かる男だけれど、北部に肩入れをしているため、南部では人気がない。タルシュ帝国の北の大陸侵攻に際しても、意見が分かれたままであり、あまつさえ、南部の富裕層は密かに「北翼」側のスパイたちと共謀していて……という状況。そんなことは知らないチャグムは、まずはロタ王国へ向かい、同盟を求めるが……。
 ◆サンガル王国
 第4作目の舞台となった国。すでにタルシュに下っている。海洋国家で、王はあくまで最も強く影響力のある人間=その人間について行けば利益がある、というような存在とみなされていて、悪い言葉で言えば日和見な国民性があり、この国も一枚岩ではない。ある意味ビジネスライクな国民性のため、利に聡いし、交渉力も強くしたたか。今のところ、おとなしくタルシュに従う体ではあるが、内心では、従うつもりはない。本作ではほとんど出てこない。
 ◆カンバル王国
 第2作目の舞台となった国。バルサの故国。高地民族。北の山の向こう側の痩せた地に住み、豊かではない。現王はまだ若く経験不足であり、王としての器も若干問題アリ。「王の槍」と呼ばれる屈強な男たちがいる。その「王の槍」の筆頭であるカームは、もはやタルシュに隷属するしかないと考えていたが、彼もまた「北翼」側のスパイにいい話しか聞かされておらず、チャグムとバルサの到来で、事件の背景を知るに至り――てな展開。
 ◆新ヨゴ皇国
 シャグムの故国。元々は200年前に南の大陸から侵攻・移住してきた人たちの国。設定として、帝=神の子であるとされていて、実に古めかしい政治体系を採っている。この国では、皇太子チャグムを追い落とそうとする勢力があって、そいつらは、基本的に戦争さえも神の力で何とかなると考えており、そんなのんきな連中が牛耳っている。もはや征服される一歩手前で状況は極めて切迫しているが、愚かなことばかりしていて、さっさとチャグムは死んだものとして盛大な葬式までやっちゃった。戦争に対しては、民間人を徴用して場当たり的にしのごうとしていて、タンダも草兵として徴兵されてしまうが――と、超ハラハラする展開が待ってます。
 
 というわけで、物語は、まず、バルサはチャグムと無事に再会できるのか(そりゃできるに決まってる)、そして北の大陸の各国は同盟が組めるのか(そりゃ組めるに決まってる)、そして、タルシュとの戦いの趨勢は――という点が重要なのだが、結論が分かっていても、その過程は非常に読みごたえがある。とにかくですね、チャグムはかなり傷だらけ&血まみれになるし、バルサももちろんいつも通り全身傷だらけ&血まみれだし、もうとにかく一瞬たりとも飽きさせないペースで、読者としてはもうずっとハラハラドキドキであった。
 今回、わたしが一番素晴らしいと感じたのは、やっぱり故国に凱旋したチャグムと、父である帝とのやり取りであろうと思う。このやり取りで、本作のタイトル「天と地の守り人」の意味もはっきり分かる仕掛けになっていて、わたしはいたく感動した。チャグムは、まったく現実を直視しようとしない父=帝に対して、もはや弑するしかないのか、と悩むわけですが、この葛藤はとでもグッときましたね。この国の現実的な人々はみな、もう帝をぶっ殺すしかない、と思っている中での、チャグムと帝のそれぞれの決断は、実にまっすぐで美しく、これしかない、と納得の結末であった。
 また、バルサとタンダの関係も、非常に良かったすねえ……。一兵卒として戦場に駆り出されたタンダ、そしてチャグムを見送った後に、戦場に消えたタンダを探すバルサ。この二人の最終的な結末も、読者として本当に良かったね、と心から安心したし、二人に幸あれと心からの祝福を贈りたいと思った。
 上橋先生の作品は、常に「まっとうに」生きる主人公が、時にひどい目に遭ったり、あるいは過去に苦しむことがあっても、真正面からそういった苦難に向き合い、逃げることなく、最後にはその「心にやましさのない、まっとうさ」故に救われるお話だと思う。そういう意味では、チャグムやバルサは、上橋作品の主人公たる資質を最後まで失うことなく、読者としては共感してしまうわけで、実に読後感も心地よいと思う。
 それから、サブキャラでは、やっぱりヒュウゴが光ってますね。命を懸けて、タルシュ帝国を変えようとするヒュウゴも、今回大活躍だったし、ヒュウゴがいなければ、この物語は成立しなかった大功績者ですよ。
 チラッとしか出てこなくて、若干残念だったのは、第5作目で出てきてバルサと戦ったシハナと、同じく5作目のキーキャラであるチキサとアスラの兄妹かな。シハナは、ロタ王国内でバルサとチャグムを助けてくれるけれど、あまり活躍の場はなかったし、結局どういう立場にいるのか、の明確な説明はなかったかも。チキサとアスラは、冒頭でタンダのところにやって来るけれど、物語的な役割としては特に重要ではなかったかな。どうせなら、サンガルのタルサンや、女海賊のセナも出てきてくれたら嬉しかったのだが、まあそれは贅沢というものかな。

 つーかですね、わたしは読み終わって、ますます来春放送予定のNHKでの映像化セカンドシーズンが楽しみになってきました。シハナを真木よう子さんが演じることが発表されているけれど、綾瀬バルサVS真木シハナは相当かっこいいでしょうな。大人になったチャグムにも、早く会いたいと思います。詳しいキャストは、NHKのWebサイトに載ってます。超期待すね。

 探したけれど、セカンドシーズンの予告動画はyoutubeにはアップされてないな……なのでDVD&Blu-rayセールス用の予告でも貼っとくか。NHKの公式Webサイトhttp://www.nhk.or.jp/moribito/には、一つだけ、30秒の短い動画が置いてあります。そちらでは、ちらっとだけ、綾瀬バルサVS真木シハナが収録されてますので、それを観てテンションを上げておくのが良いと思います。また、上橋先生のセカンドシーズンへ向けたお言葉なども掲載されているので、必見かと存じます。うおー、楽しみだ!

 というわけで、なんかまるで取り留めないけれど結論。
 上橋菜緒子先生による「守り人」シリーズは最高である! そしてその完結編、『天と地の守り人』三部作は感動のフィナーレであり、物語はすべて収まるところに収まり、美しくて心にグッとくる見事な作品であった。わたし的には、『守り人』『獣の奏者』『鹿の王』は甲乙つけがたく、どれも最高だと思います。読んだこののない人は、ぜひ一度読んでもらいたいものです。マジ最高です。以上。

↓ 後はこれだけ、外伝が1冊残ってますが、勿論すでに購入済み。正月ゆっくり読むんだ……

 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末は、いよいよ公開となった『ROGUE ONE』を観に行ってきました。わたしが観た回は、金曜日の夕方の日本橋TOHOでしたが、意外と席はガラガラでしたね。土日は混んだのかな。内容的には……ちょっとわたしの好みではなかったです。ポイントポイントは最高にカッコイイし、映像もすごくて、おまけに泣ける場面もあるのだが……なんかですね……やっぱりジョン・ウィリアムスの音楽じゃないとダメなのではなかろうか……とわたしは感じました。
 わたしはこの土日は大阪へ行っていたのですが、国内最強IMAXとしてお馴染みの「109シネマズ・大阪エクスポシティ」でもう一度『ROGUE ONE』を見るのもアリだな、と大阪へ行く前は思っていたものの、結局やめました。どうも……イマイチ乗れなかったす。
 
 それでは、いつもの通り興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『映画妖怪ウォッチ空飛ぶクジラとダブル世界の大冒険だニャン』が公開土日で6億を荒稼ぎして1位だそうですが、あくまで動員順の1位で、金額順では2位みたいすね。そして、去年は公開土日で10.57億、おととしが16.28億稼いだことに比べると、だいぶ数字は落ちていると言わざるを得ないでしょうな。まあ、今回は実写ミックスという挑戦的スタイル(?)なので、期待通りなのだろうか? とは言え、数字的に6億スタートは流石です。最終50億は厳しいのかな……どうなるでしょうか。
 2位:『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』が金曜日公開なので3日間合計で9.2億ほどだったそうです。金額順だと、土日2日間で1位だったようですね。こちらも、去年の『EP VII』が金土日の3日間で16.1億スタートだったことを考えると、6掛けを下回るのかな。まあ、去年の『EP VII』は10年ぶりだったし比べ物にならないか。どうだろう、最終50~60億あたりなのでしょうか。ちょっとまだ予測不能ですな……。
 3位:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開から26日間で48~49億あたりと見積もる。まだ50億には届いてないはず、だと思うけどどうだろう。良いペースで順調です。『死の秘宝(1)』より上、だけど『死の秘宝(2)』より下、な推移で予測が難しいですな。この分だと70億は超えそうな感じだと思われます。
 4位:『ぼくは明日、昨日のきみとデートする』が公開土日で1.89億だったそうです。数字的には微妙すね。10億は超えるとは思うものの、15億以上はどうなんだろうか。ギリ超える、のかな。ちょっと要経過観察です。
 5位:『海賊とよばれた男』が9日間合計で7~8億ぐらいと見積もる。やっぱり『永遠の0』の半分よりチョイ下ぐらいだろうか。2週終わりで10億に乗せられなかったのは、ちょっとイタイすね……。泣きたいお父さんにはおススメです。若者は……観に行かないんだろうか……。
 6位:『君の名は。』が17週目にして208.97億まで積んだそうです。もう何もコメントできないす。もはや異次元なので。
 7位:『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』が9日間合計で5億届いてないぐらいと見積もる。先週も書きましたが、ここ数年の年末ライダーでは結構いい数字です。内容的な評価も上々のようですね。主におっさんマニア層には。ちびっ子評価はどうなんだろうか? おもちゃは売れてるのかなあ……。春ごろになれば、バンダイナムコのIRで売れ行きがうっすら見えてくるのだが、今のところ良くわからんです。
 8位:『モンスターストライク』が9日間合計で、この位置だと5~6億ほどだろうか? まあ、ある意味予想通り、初動型でした。それでも最終的には10億近くは稼ぐのだろうか? それはそれですごいす。
 9位:『好きになるその瞬間を。―告白実行委員会―』が公開土日で0.47億だったそうです。90スクリーンぐらいなのかな。上映時間も63分だそうで、それでTOP10に入るのだから、相当な人気なんでしょうな。しかしまだボカロ人気は健在なんすね。おみそれしました。
 10位:『この世界の片隅に』が37日間合計で7億チョイ届かずかチョイ超えたか、あたりと見積もる。7億超えていると嬉しい。今年のオレ的BEST、というわけではないですが、非常に良かったと思います。

 とまあ、こんな週末だったようです。

 しかしまあ、もう完全に年末ですな。ラインナップ的に、わたしはもう今年は劇場で映画を観ないかもしれない……なんか、観たい作品がないんすよね……。正月休みはたぶんそこらじゅうの大掃除と箱根駅伝で終わってしまいそうで、なんというか、オレもホントにつやのないおっさんになっちまったなあ、と我ながらガックリです。まあ、あとはWOWOWで撮りためた映画を見まくって消化するぐらいすかねえ。いらないものは消していかないと、もうHDDがヤバいので。あ、それもある意味、大掃除か。やれやれですのう。
 そういえば、今わたしが一番観たい作品は、これです。

 ミュージカルが大好きなわたしとしては、超期待している『ラ・ラ・ランド』。タイトルもいいすねえ。曲も非常に良さそうだし、早く観たいのだが……もうUS国内でも、台湾でだって公開中なのに……そろそろ、アカデミー賞合わせで公開を2月とか3月に遅らせるのはやめた方がいいと思うけどな……あんまり効果ねえんだもの。旬なときに公開した方がいいと思うけどな。もはや洋画は、一部のコアファンに支えられてるんだから。まあ、未だに幻想を抱いてるんだろうなあ、配給社は。

 というわけで、結論。
 いよいよ公開となった『ローグ・ワン』は、去年の『EP VII』の60%にも届かずでスタート。少なくとも60億ぐらいは稼いでほしいなあ……。そして同じく今週から公開になった、今年の『妖怪ウォッチ』は、去年の60%スタート。最終的にどのぐらいまで稼ぐか、要チェックすね。以上。

 というわけで、昨日は大阪にいたわたしだが、今日は朝イチで大阪を後にし、大阪発7時22分発の大和路快速に乗って、奈良へ行ってみた。
 いつも、宝塚歌劇を観に行った帰りは、京都あたりをぶらつくのが恒例だったのだが、今回はわたし一人だし、以前から行ってみたかった奈良へ向かったわけである。その目的は、実際のところただ一つ。興福寺の「阿修羅像」を観たかったからだ。
 大阪から奈良へ向かうには、おそらく地元の人なら迷わず近鉄を使うのかもしれないが、わたしは特に理由はないけれどJRにした。ま、難波まで行くのがめんどくさかったしね。JRで乗り換えなしで54分ほど、ぼけーーーっと車窓に流れる風景を一人眺めながら、電車の旅を堪能した。さすがに日曜の朝っぱらなので、電車はガラガラ。快適であった。
 JR奈良駅に着いたのが8時16分。大きめの荷物をコインロッカーにぶち込み、さっそく奈良の街を散策である。実は、わたしは奈良へは2回目である。わたしの通っていた中学は、平泉や小岩井農場をめぐる東北の旅、高校は、倉敷~広島~萩・津和野をめぐる山陽山陰の旅が修学旅行だったので、初めてわたしが奈良へ行ったのは大人になってからである。もう10年以上前かな。大仏殿の柱の穴くぐりもその時挑戦して余裕でクリアしたことぐらいしか覚えていないが、その後、わたしはお遍路周りをしてみたり、俄然仏教美術や仏教そのものへの興味がわいていたため、やはりもう一度、奈良を見物したい、特に「阿修羅像」にはぜひ一度お目にかかりたいものだと思っていたのである。
 興福寺は、JR奈良駅から三条通をずっとまっすぐ行くだけ、Google Mapによれば1.4㎞ほどらしいが、まだ全くお店の開いていない時間帯で、人すらもまばらな、キリッと冷えた空気はとても気持ちが良かった。たぶん、わたしの足で10分ほどだったと思うが、ごくあっさり興福寺へ到着。 ちなみに、「阿修羅像」が公開されている興福寺国宝館は、9時開館とのことで、あまりに早かったので、JR奈良駅からすぐのサンマルクカフェでチョコクロ&コーヒーで15分ほど時間をつぶしてからの出陣だったので、興福寺へ着いたのは8時45分ぐらいだったと思う。
 境内も、人はごく少なく、先に南円堂にお参りして御朱印をいただきつつ、境内を散策した。
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 ↑これが最初にお参りした南円堂ですな。ここで御朱印もいただきました。
 ↓こちらが五重塔です。超立派。すげえ!朝なので逆光です。。。
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↓こちらが本堂になるのかな。国宝館とセットで拝観料800円也。
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↓そしてこちらが、いよいよご対面となった「阿修羅像」が展示されている国宝館。
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 写真の通り、ほとんど人がいなくて超快適であった。間違いなく、ヅカ友のお姉さんたちが一緒だったらこんな早い時間に来られなかっただろうし、それなりに歩くので迅速な行動もできなかっただろう。一人旅の特権である。
 そして、9時5分前でもわたしのほかには老夫婦2組ぐらいで、興福寺国宝館にわたしは一番乗りして、思う存分見学することができた。まあ、とにかくやっぱり凄いオーラというか、圧倒的な存在感ですね。
 順にみていくと、まず、結構いきなり、身の丈5メートル以上の「千手観音菩薩」像がズドーーンと立っているのが左手に見える。あまりにデカくて全身が目に入らないからなのか、すぐに気が付かないかもしれない。というか、わたしは何かすごい気を感じて、ハッ!? とその存在に気づき、ひどくびっくりした。正面から見るにはぐるっと回らないといけなくて、その間に様々な像を観ることができる展示になっているのだが、その、正面に立つと、もう圧倒されますな。この千手観音菩薩様は、例えが低俗と怒られるかもしれないけど、まさしく、『HUNTER×HUNTER』のネテロ会長のアレそのものですよ。今にもズバーーーンッ!と手刀が繰り出されそうな超絶迫力である。
 わたしはもう、うおっ! とか、す・すげえ……(ゴクリ)……みたいな反応しかできなかったです。
 そして、その超絶千手観音菩薩様とまさに相対しているかのような場所に、今日のオレ的メインの「阿修羅像」が凛と立っておられた。わたしは初対面なのだが、千手観音菩薩さまもそうだし、阿修羅像様もそうなんだけど、もう、自然と合掌してしまうね。なんという表情なのか……言葉では表現不能ですよ。阿修羅像様の表情は、絶対に機械では作り上げることは出来ないと思う。人間の手によらないとこの表情は不可能ですよ。右側面の唇をかみしめている表情も、もうなんとも描写できませんな。機械で複製は出来たとしても、オリジナルとして創造することは絶対不可能だと断言できる。そして、とても驚いたことに、想像してたよりもずっとデカかった。153.4㎝だったかな、わたしはもっと小さいのかと勝手に思い込んでいたのだが、実に凛々しく神々しいさまで、スッと立っていて、その大きさにわたしはかなりびっくりした。出来立ての時の色はどうだったんでしょうなあ……合掌どころか、思わず跪いてしまうんじゃなかろうか。
 ここには、阿修羅像を含めた乾漆八部衆立像(かんしつはちぶしゅうりゅうぞう)や、木心乾漆造四天王立像(もくしんかんしつぞうしてんのうりゅうぞう)、それから、お釈迦様の弟子たちのオールスター乾漆十大弟子立像(かんしつじゅうだいでしりゅうぞう)という仏像がずらりと揃っていて、もう何時間でも観ていられるね。
 わたしは、お遍路を完遂した男なので、いまだに般若心経を暗唱できるのだが、般若心経を知っている人なら、「舎利弗」さんのことはよくご存じではなかろうか。般若心経の中で、お釈迦様が、舎利子、と呼びかける、智恵第一と言われるお弟子さん筆頭の男ですな。その「舎利弗像」も、わたしとしてはとても感動というか感激したね。ああ、舎利弗さん、あんたこんな顔してたんだ、と妙にうれしかったです。
 というわけで、半ば放心状態で国宝館を出てからは、東大寺の大仏殿で大仏様に会いにゆき、そのあとで、こちらも初めて訪ねる春日大社へお参りしてきた。
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 春日大社も、大仏殿から1.8㎞ほどあるのかな。砂利道の若干上り基調なので、ここも、連れがいたら行けなかっただろうな。ぶつぶつ文句言われるような気がするね。やっぱり、こういう神社仏閣を訪ねるのは、寒いキンと張り詰めた空気の中で、人が少ない時間に行くのが一番だと思う。どうしてそれが分かってもらえないんだろうか……。わたしはなんだかもう、テンションが上がりまくっていたので、人もほとんどいないし、時間も迫ってるので、大仏殿から春日大社へは軽く走ってしまった。たぶん、興福寺に1時間、大仏殿と春日大社は合わせて1時間ぐらいかかってないかな、そして歩いているときはおそらく普通の人の3倍以上の速さでつかつか歩いているので、JR奈良駅に戻ってきたのは11時過ぎであった。たぶん、非常識に速いと思う。普通に回ってたら、冗談抜きで倍は時間がかかると思うよ。
 というわけで、わずか2時間チョイの奈良滞在であったが、もうわたしとしてはおなか一杯。興福寺はまた行きたいなあ。最高でした。最後に、お約束のコイツで締めよう。
nara_006
 わたしが帰るころには、かなり多くの団体がそぞろ歩いてましたね。そして、8割方がアジア系観光客でしたな。そして鹿を観て興奮し、うっかり鹿せんべいを買って鹿たちに囲まれてデカい声でわめきまくってました。あれは中国語かなあ……でも大陸なのか香港や台湾なのかよく分かんねえっす。日本人も、修学旅行で行くのはいいけれど、大人になって分別がついてからもう一度行くと、印象が全然違うんじゃなかろうか。
 わたしは結局、11時過ぎにはJR奈良駅から京都経由で新幹線のぞみに乗り、家に帰ってきたのは15時過ぎだったかな。行く直前まで躊躇していた今回の旅だったが、昨日の『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』も素晴らしかったし、今日の奈良も本当に最高でした。一人旅は気楽でいい……けど、やっぱり淋しいすね。ま、しょうがねえか。一人じゃないと奈良には来られなかっただろうしな。――と、ボッチ旅を肯定しないと、やってらんないすよ、ええ。
 
 というわけで、結論。
 興福寺国宝館はおそろしくオーラの強い存在感バリバリの仏像が数多く展示されており、必見であろうと思う。あれぞ、まさしく国宝、ですな。素晴らしかった。そして、やっぱり朝イチに限りますな。ついでに言うと、やっぱり夏より冬の方がいいような気がします。汗だくじゃあね……やっぱり、わたしは暑いより寒い方が耐えられますね。以上。

↓ こういうのって、どうなんでしょうなあ……まあ、欲しいとは思わんなあ……。

 突然だが、わたしは今、大阪にいる。梅田の北の方の、安くてぼろいビジネスホテルの一室である。予約を取ったのは昨日の23時頃、すなわち直前である。実は直前まで、来るつもりはなかった、が、来ちゃったのである。一人で。何をしに大阪に来たかって? そんなの決まってますよ。こいつを見に来たのである。
eliza001
 話せば若干長いのだが、手短に済ますとですね、要するに、間違っちまったのです。
 わたしはこのBlogで何度も書いているとおり、宝塚歌劇が大好きなわけです。で、宝塚の演目の中でも、非常に人気の高い『エリザベート』という作品があって、それが今年、初演から20周年であり、その記念として、主にOGを主体としたコンサート公演が行われているわけです。で、そのチケットは、まあ普通には全然取れないもので、わたしも東京公演を1回やっと取れて喜んでいたわけですが、11月になるちょっと前だったかに、追加席の発売があって、どうせダメなんでしょ?と思いながらチケットぴあを覗いたら、普通にするっと買えてしまって、やった―――!! だったわけです。そして、席はどんな席かなあ、いい席だといいなあ、とかのんきに確認メールを見たらですね……やっちまった―――――!!! 東京じゃなくて、大阪の公演を取っちまった―――!!! オレのバカバカバカ!!! というありさまだったわけです。東京は年明け1月中旬に公演があるのですが、オレ……日付しか目に入ってなかったよ……17日、夕方の回、これだ―!! という勢いで買ってしまい、よく見たら1月17日じゃなくて12月17日、だったのです。ホント、自分に呆れるわ……
 なので、わたしも、周囲のヅカ仲間のお姉さんたちに、やっちまったんですけど、買ってくれませんか……? もしくは一緒に行きませんか…? と散々聞いて回ったのだが、もう皆さん、「あら、やっちゃったわね……まあ、ヅカあるあるよそんなのは。あたしも東京公演取ったつもりで大劇場の公演を取っちゃったなんて何度もあるわ。これであなたも一人前ね」みたいなことを片っ端から言われ、誰も一緒に来てくれないし、あまつさえ、わたしも売ろうと思ったけど全然買い手がつかない!!! ので、ならばオレが一人で行くしかねえ!!! 上等だぜ! とまあ、昨日の夜、決心したわけであります。
 というわけで、わたしは今日の昼に東京駅からのぞみ号をぶっ飛ばして大阪に降り立った次第である。いまだに歩きたばこのおっさんがいることには驚いたが、大阪はかなり久しぶりである。まあ、久しぶりとはいえ、大阪はそれなりに地理感もあるので、まずはホテルに荷物を置いて、さっそく初めての梅田芸術劇場に向かってみた。ロフトのあたりも、なんかだいぶ変わったなあ、とか思いつつ、全く迷うことなく劇場に着いたはいいが、時間は16時、開演まで大分時間があったので、ちょっと街をぶらぶらしてみたが、まあ、特にすることもないのでいかにも大阪な古い喫茶店で時間をつぶし、開演となる17時半を待った。
 そして乗り込んだ梅田芸術劇場は、想像よりもかなり大きかった。天井高が非常に高いような気がします。入る前に、入り口のチケットブースを見てみたら「全公演当日券あります」的なことが書いてあった。おいおい、まじかよ、であるが、まあ、席は非常に遠い3階とかなんでしょうな、きっと。
 で。会場は、男客も結構いたけれど、まあズバリ、わたしのようなおっさん一人客は見かけなかったすね。いいよ、別に。もう慣れてるし。そして2000円の公演パンフを買って、劇場内の喫煙ルームでタバコを吸いながらパラパラ読んでいたところ、これまた典型的な大阪のおばちゃん4人組が、本物大阪トークを飛ばしている様をみかけ、そのトークがまた面白くて、ずっとパンフを読んでいる体を装って、大阪のおばちゃんトークを聞いていました。なにやら、コートが邪魔らしく、「ロッカーどっかにあったやろ?」「奥にあるで」「あたしは持っとるからええわ」「なんで?じゃまやんか」「あたしもべつにええわ」「確か奥やったで、ロッカー」「はよいかんとなくなるで」「なんでやの、いれといたらええやんか」「いらんちゅうねん」、みたいな途切れることのないおばちゃんトークは最高に笑えました。
 で。この公演は、実は3種類のバージョンがあって、初演のキャストで演じられるバージョン、フルコスチュームを着用して演じるバージョン、そして過去『エリザベート』に出演したことのあるOGが大勢出演して演じられるアニヴァーサリーバージョンと構成が違っている。今日、わたしが観たのは、3つ目のアニヴァーサリーバージョンで、キャストはこんな感じでした。
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 そして、上演時間はこんな感じ。
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 わたしはこのタイムスケジュールを見て、なんだよ、20時に終わるなら余裕で帰れたじゃん!! ホテル予約する必要なかった!!! とまたも抜かってしまったことを知った。わたしは、きっと3時間ぐらい、つまり21時近くなるだろうから、多分最終の新幹線に間に合わねえ、もし間に合わなかったら最悪だ、と思ったのに。これなら余裕で間に合ったすね……。やれやれだぜ。

 ともあれ。
 わたしはまだ宝塚ファン歴6年11カ月のビギナーなので、実際のところ、今日のキャストで現役時代を観たことがある方は非常に少なく、メイン級では水 夏希さん、霧矢大夢さん、そして夏に卒業されたばかりの龍真咲さん、通称まさおちゃんぐらいしかいない。他の方々は、もちろん名前も顔も知っているが、現役時代を知らない。そんな私がこの公演を楽しめたかというと、実に楽しめたのである。いやー、やっぱり素晴らしかったす。
 水さんはオープニングのトート様だったかな。そして霧矢さんは2幕後半のルキーニ(1幕でちょっとだけフランツもやってたのかな)、そしてまさおちゃんは2幕後半のシシィで、とりわけまさおシシィは、予想よりもずっとずっと素晴らしかった。シシィにしてはデカいけど、歌がですね、きっちり女子ですよ。元々男役のまさおちゃんだけど、抜群に美人だし、実際まさおシシィはとても可愛らしかったですね。まあ、2幕後半の、ずっと黒い服の暗いシシィからの登場だったけれど、歌もいつものまさお節はほとんど感じられない、ストレートに女子でした。つーか、やっぱり本当にこの人は美人だと思う。ラストのトート様を受け入れる純白ドレス姿も素晴らしかったすね。フルコスチュームでないので、ズラではなく髪がまだ短い今のまさおヘアのシシィもとても可愛らしかったですよ。このまさおシシィが観られただけでも、大阪に来てよかったと思いました。
 そのほか、LEGENDクラスのOGたちも、当然のことながら素晴らしかったです。わたしがとても気に入ったのが、ゾフィーを超おっかなく演じた出雲綾さんと、第1幕のシシィをずっと演じた白羽ゆりさんかな。あと、女官長(リヒテンシュタインだっけ?)を演じた紫城るいさんも良かったすね。皆さん、抜群に歌がうまかったです。まあ、あたりまえか。出雲さんは元月組組長で宝塚卒業後、劇団四季にもいたことがあるバリバリのベテランだし、白羽さんも紫城さんも、元TOP娘役だもんな。白羽さんのシシィは特にかわいかったなあ……素晴らしかった。ああ、そうだ、出番は少なかったけど、安蘭けいさんのちびっ子ルドルフもよかったすねえ。大変可愛らしかったです。もちろん、オープニングのルキーニを演じてくれた湖月わたるさんも、2幕冒頭のルキーニを演じてくれた樹里咲穂さんもノリノリで、やっぱりルキーニという役はこうでなくちゃね、という素晴らしいパフォーマンスを披露してくれました。当然、霧矢ルキーニも素晴らしかったです。
 今日の、アニヴァーサリーバージョンは、この通り一つの役を複数の演者が代わる代わる演じていて、まあ、数多くの方々を観て聴くことができたので、わたしとしては大満足である。そして、コンサート、という体裁なので、芝居部分がなく、歌が連続する感じである(※もちろん、歌に入る直前のお芝居はある)。そしてみな、マイクを手に持って歌うので、その辺は通常のミュージカルとは明確に違う。また、このバージョンは衣装は劇中衣装と同じ(全く同じなのか、わからないけれど)で、メイクは抑えめ、そしてズラはほぼなし、という形であった。歌に関しては、わたしはもう帝劇版のCDを車でエンドレスに聞いているので、ほぼ完璧に知っているのでとても楽しめた。これまで知らないOGの皆さんの歌を聞けたのはとても嬉しかったすね。いや、ホントに素晴らしい2時間半でありました。

 というわけで、結論。
 わたしのうっかりミスで取れてしまった、『エリザベートTAKARAZUKA20周年スペシャル・ガラ・コンサート』の大阪公演であるが、大変素晴らしく、大阪に来てよかったと心から思う。年明けに、1度だけ再び見る機会があるが、それはフルコスチュームバージョンだったと思うので、今日の公演との違いもまた楽しみにしていたいと思う。まさおシシィは東京では観られないのかな? まさおはやっぱり超美人でありました。そしてやっぱりデカイ! 以上。

↓ はあ……この時にフランツを演じた、愛する北翔海莉さんことみっちゃんにも、ぜひ出演してほしかった……
『エリザベート ―愛と死の輪舞―』 [Blu-ray]
宝塚歌劇団
宝塚クリエイティブアーツ
2014-11-06

 わたしは現在40代後半であるが、おそらく、一番最初の『STAR WARS』、いわゆる『Episode IV : A NEW HOPE』を公開時に劇場で観た最後の世代だろうと思う。わたしですら当時は小学校低学年であったわけで、わたしより若いともうダメだろうし、わたしより年上でも、50代前半ぐらいまでだと、「映画が好き」な人でないと劇場では観てないはずだ。その後、わたしの場合で言うと、小学校高学年で『Episode V : THE EMPIRE STRIKES BACK』が公開され、中学生の時に、『Episode VI : RETURN OF THE JEDI』が公開されたわけで、わたしはすべて劇場で観ている。今はなき「テアトル東京」という映画館の超巨大なスクリーンで最初の2作を観て、3作目は、こちらも今は日比谷シャンテになってしまった「有楽座」というデカい劇場で観た。親父と兄貴と観に行ったテアトル東京は、「シネラマ」というちょっと特殊な上映方式で、とにかくデカかった印象しかないのだが、今のおっさんとなったわたしがテアトル東京で観たらどうなのか、ちょっと気にはなる。もう、二度と、永遠に体験できないことだけれど……とにかく、今のわたしが映画オタであるのは、100%間違いなく『STAR WARS』がきっかけだと断言できる。「フォース」を訳した字幕の「理力」が理解できずに、親父に「ねえ、理力ってなに!??」と質問したことが今でも忘れられない。親父は英語が堪能であったので、確か「まあ超能力みたいなもんだな」と教えてくれたような記憶がある。
 そして、わたしが高校生になるちょっと前ごろに、やっと家庭用ビデオデッキも普及し始め、すでにクソオタクに成長していたわたしは当然のようにβ-MAXを買ってもらい、TVで放送された『STAR WARS』を録画し、その後VHSでも録画、さらに、初めてソフトを買ったのはレーザーディスク版(たぶん80年代終わりごろ)で、その後VHSの廉価版ビデオパッケージを買い(これが90年代の中ごろか?)、2000年代になって、新三部作が完結したのちにDVDで出たSAGA-BOXを買い、そしてさらに、2010年代にはBlu-rayBOXを買うに至るわけだ。要するに、わたしは『STAR WARS』に関しては、β(TV録画)→VHS(TV録画)→レーザーディスク(販売ソフト)→VHS(販売ソフト)→DVD→Blu-rayと、その時々の映像再生ソフトをその度ごとに購入して、その映像を進化させてきたわけです。
 そんなわたしであるので、『STAR WARS』の『IV:A NEW HOPE』の直前の出来事、すなわち、デス・スター設計図を盗み出すお話が映画になると聞いて、期待しないわけがない。というわけで、今日からついに公開になった『ROGUE ONE ――STAR WARS STORY』をさっそく日本橋TOHOシネマズにて、3D字幕・DOLBY ATOMS版で観てきた。以下、いつも通りネタバレ全開で結末まで書くと思いますので、知りたくない人は即刻立ち去ってください。読む場合は自己責任でお願いします。

 ところで。わたしは観る前から、ちょっと心配なことがあった。
 わたしのぼんやりした記憶では、確か問題のデス・スター設計図がレイア姫の手元にもたらされるまでの過程では、「多くの人々が命を落とした」んじゃなかったけ? てことは、今回の『ROGUE ONE』はキャラクター全員が助からないんじゃね? と思ったのだ。なので、わたしはおととい、Blu-rayで予習というか復習として、『EP IV:A NEW HOPE』を改めて観てみることにした。
 しかし、実際に観てみると、何故かはっきりとレイア姫だったか秘密基地の司令官だかが、この設計図は多くの人々が命を懸けて我々に届けたものだから、この情報を無駄にしてはならない、的なセリフがあったように記憶しているのに、そんなシーンは見当たらなかった。あれっ!? 何かオレ勘違いしてるのか? と全く自分の記憶が信じられないが、ないものはない。そして、冒頭の物語説明の銀河に流れていく文字でも、よく読むと、決して設計図強奪チームが死んだとは書いていないことを認識した。
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Episode IV
A NEW HOPE
It is a period of civil war.
Rebel spaceships, striking
from a hidden base, have won
their first victory against
the evil Galactic Empire.
During the battle, Rebel
spies managed to steal secret
plans to the Empire's
ultimate weapon, the DEATH
STRA, an armored space
station with enough power to
destroy an entire planet,
pursued by the Empire's
sinister agents, Princess
Leia races home abroad her
starship, custodian of the
stolen plans that can save
her people and restore
freedom to the galaxy....
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 それどころか、帝国軍に対して最初の勝利を挙げた、とさえ書いてある。ああ、そうなんだっけ、と今更再確認したわけで、わたしのSTAR WARS愛も大した事ねえなあ、とガッカリだが、とりあえず簡単に言うと、本作はまさしくこの反乱軍の「First Victory」を描いた作品であった。
 しかし。もう結論を言ってしまうと、わたしのインチキな記憶通り、まさしく全員死亡エンドで、わたしは非常にびっくりした。これは一体どういうことなんだ??わたしは観終って、若干混乱中である。
 (※追記:さっきWOWOWで『EP VI:Return of th JEDI』を観ていて思い出した。こちらで、第2デス・スターに皇帝が直々に来ている、という情報を「命がけ」で仲間がもたらしたのです、というシーンがあった。こっちと勘違いしてたことがさっき判明)
 そして正直に言うと、わたしはどうも本作『ROGUE ONE』にイマイチ乗れなかった。たしかに、通路を隔てた横の席のおっさんは開始30分でグースカ寝てイビキまでかきやがるし、わたしの横の老夫婦はギリギリに入ってきて、コートを脱いでポップコーンやチュロスをガサガサゴソゴソ食っててうるせえし、イラついていたという環境のせいもあるだろう。だが、どうも……何か違和感というかしっくりこなかったのだ。それは一体何故なのか、と考えてみたところ、たぶん、キャラクター造形にムラがあるのが問題なのではないかという結論に至った。
 ◆ジン:主人公。デス・スター設計者の娘。父(演じたのは北欧の至宝と呼ばれるイケメンオヤジ、Mads Mikkelsen氏。やっぱりカッコいい!)が帝国軍に連れ去られるときに何とか逃げ切るが、母は目の前で殺された。なので、帝国軍が大嫌いなのは頷けるのだが……しかし、どうせならもっと激しい性格を貫いてほしかった。思うに、父は結局反乱軍に殺されたわけで、ジンは反乱軍にももっと牙をむいてほしかったように思う。たぶん、わたしが一番もったいないと思うのはその点で、彼女の行動の最も重要な動機は、父に再会すること、そして帝国に協力したという父の汚名を雪ぐことであるはずなのだが、妙に反乱軍に協力的なのは、わたしとしてはどうも違和感を感じてしまうポイントであった。ジンは、もっと尖った危ない女子、であって欲しかったというのがわたしに感想である。ちなみに演じたのはFelicity Jones嬢。あいかわらず、デカい前歯が可愛かったすね。声も可愛いと思います。
 ◆アンドー:反乱軍のスパイ。任務のためなら人殺しも厭わない男。演じたのはDiego Luna氏。あまり見かけた覚えはないですが、それなりのイケメンですな。ジンに協力。しかし彼もどうにも半端というか……彼も親兄弟を帝国軍に殺された過去があるため、帝国軍を憎んでいるのは分かる。そしてジンの父も見つけ次第殺せ、という任務を帯びていたのに、やっぱり殺せない、という躊躇は十分理解できるし美しかった。けれど、うーーーん……どうも行動の動機がはっきりしない。キャラ造形が若干浅いと思うのだが……ジンに協力する筋道がもっとエモーショナルに描けたはずで、非常に残念。
 要するに、どうやらわたしは反乱軍のお偉方が非常に気にくわないのだと思う。そしてそのお偉方に対して激しく歯向かったり、抵抗しない二人の主人公がイマイチ気に入らないのだと思う。反乱軍は、旧・銀河共和国の残党たちなわけで、また長々と議論したり戦いに消極的だったりするシーンは、はっきり言って不要だとわたしは感じた。あのつまらない議論のせいで、物語の流れは途切れてしまうようにも思うし、『EP IV』直前の時間軸においては、あんなに意見がまとまっていないのは何か違和感を感じる。そんな議論してる場合じゃねーだろうし、意思が統一されていないのは致命的ですよ。ひょっとしたら、オーガナ元議員をもっと上手に、反乱軍の中で唯一ジンを支持・援助するようなキャラとして物語に組み込んだら良かったのになあ……と思った。そしてアンドーも、反乱軍本部に何らかの形で裏切られ、ジンとオーガナ元議員に救われるような展開が欲しかった気がします。
 ◆K-2SO:元帝国軍のアンドロイドで、プログラム改変済み。まあ、C-3POを連想していただいて構わないが、今回のK-2は、元帝国軍だけあって妙に皮肉屋?で、おまけに戦闘にも参加する。そして冷静に文句を言いながらもしっかりサポートしてくれる頼れる野郎で、ラストは大変カッコ良かった。泣ける……! 今回ひょっとしたら一番のナイスキャラ。彼は最高でした。
 ◆チアルート&ベイズのコンビ:二人とも、惑星ジェダの「ウィルズ」の守護者。特に盲目のチアルートは、フォースを感じることができるようで、常に「フォースは我とともにあり。我はフォースとともにあり」とつぶやいている不思議な男。この二人も戦闘では頼りになるし、ラストバトルでは泣かせてくれる。とても良かった。出来れば、もう少し「ウィルズ」についての説明が欲しかった。あれじゃあ、正直全然わからんよ。なお、チアルートを演じたのがアジアのスターDonnie Yen氏。イップマンですな。アクションのキレは一番輝いてましたね。一方のベイズはWen Jian氏が演じています。彼も中国の方すね。全然知らない人です。
 ◆ボーディ:元帝国軍輸送船パイロット。ジンの父に託されたメッセージをもって脱走してきた。彼は結構わかりやすいのだが、正直キャラ造形は薄い。ただし、後半は結構活躍してくれたし、ラストは泣かせてくれたので許します。演じたのはRiz Ahmed氏。この方もわたしは知らないなあ……ぎょろ目が非常に印象的です。
 ◆ソウ・ゲレラ:ジンの父の友人で、ジンを16歳まで育ててくれた恩人。現在は対帝国の過激派としてゲリラ活動(?)をする団体のリーダー。さすがにオスカー男優Forest Whitaker氏が演じただけあって、見かけや存在感は圧倒的だけれど、やっぱりジンとの絆が非常に薄くしか描かれず残念。反乱軍においても、彼のゲリラ部隊は過激すぎて嫌われている、という設定は全く不要だったと思う。この点も、反乱軍が一枚岩でないことを印象付けてしまって、対立構造を複雑化させているだけでほぼ意味がない。意味を持たせるならば、その組織にジンも加えるべきだったのではなかろうか。そうすれば激しい闘士としてのジン、というキャラが強く印象に残ったのに。つーか、素直に、ジンと二人で隠棲していて、そこに父からのメッセージが届くという『EP IV』と同じ構造にすればよかったような気がしてならない。もしくは、ジェダイの生き残りという設定もありえたのではなかろうか。ダメかな?
 ◆ベイダー卿:あの、ベイダー卿がいた惑星って、『EP III』でアナキンがオビ=ワンにぶっ飛ばされたムスタファ―なのかな? 溶岩とか見かけはムスタファーっぽかったけど、どうなんだろう? ま、いずれにせよ、今回はベイダー卿も結構ちょいちょい出てきます。ラストは非常に良かったですな。赤いライトセーバー振り回して反乱軍兵士を斬りまくる狂ったアナキンは大変良かったです。
 ◆C-3PO&R2-D2&レイア姫:3POとR2は、一瞬だけ出てきます。つーか、反乱軍の基地のある衛星ヤヴィンにいたんですけど……あのヤヴィンって、『EP IV』で出てくる反乱軍の基地の星だよね? だとすると、3POたちは『EP:IV』の後半で「戻ってきた」ことになるわけで、もう知ってる星ということになるけど、若干矛盾してないか? 大丈夫なのかな? そして今回、レイア姫がきっちりラストに出てきて、設計図を受け取るわけですが、エンドクレジットによるとIngvild Deilaさんという方が演じたようです。が、画面ではもう、かつてのレイア姫そのものでした。まさかあれ、CGなのか?? そしてレイアを引き取って育ててくれた、オルデラーンのオーガナ元議員は今回も登場、ちゃんと演じた役者も、『EP:II』『EP:III』と同じJimmy Smits氏でした。でも、アンドーのところで書いた通り、彼にはもっと重要な役割があってよかったと思う。その方が、レイアへのつながりも明確だっただろうに……もったいない……。
 いずれにせよ、レイアが設計図を受け取り、間一髪脱出し、それをベイダー卿が、くそっ!と見送るエンディングは素晴らしかったと思います。あのシーンはもう100点満点と称賛したいですな。

 キャラクター以外でいうと、ラストのX-WINGやY-WINGが入り乱れるバトルシーンは素晴らしい!! と思う。迫力満点で、3Dで観てよかったと思った。ただし、音響設計はイマイチかもしれない。せっかくDOLBY ATOMSで観たのに、すさまじいまでの音響的迫力は足りないと思った。映像100点、音響60点ぐらいかなあ。わたしは常々色々な人に言っているが、映画館の最大の魅力は音響だと思う。大きなスクリーンよりも、音響の方が重要だ。だからわたしはIMAXよりATOMS派なのだが、どうも今回は正直、音の迫力はイマイチだと思う。
 音響つながりでいうと、今回、音楽がJohn Williams氏ではなく、はっきり言って印象に残らず。ひょっとしたら、わたしが一番この作品で問題アリだと感じたのは、音楽なのかもしれない。やっぱりですね……盛り上がらないんですよ。冒頭のメインテーマもないし(ついでに言うと冒頭の銀河に流れゆく文字もない。必要だったと思うなあ……)、やっぱり、John Williams氏の音楽じゃないとダメだってことはよく分かりました。エンディングだけいつもの曲が流れるのは、やっぱりおかしいと思う。
 思うに、やっぱりですね、『STAR WARS』が大好きな人間が『STAR WARS』を撮ってはいけないんだと思う。大好きすぎて、世界何億人もの『STAR WARS』ファンが納得するものにならないんじゃなかろうか。その点でいうと、やっぱりJJ Abrams氏はすごい男ですよ。彼はもちろん好きだろうけど、きちんと観客の観たいものをわかってるわけで、その点は本当に大した奴だと思う。今回のGareth Edwards監督は『STRA WARS』愛が強すぎたのではなかろうか。Gareth監督の持ち味である凄い映像は、確かに超一流で文句の付けどころはないけれど、どうしても、物語が弱いような気がしてなりません……。

 というわけで、結論。
 『STAR WARS』初めてのサイドストーリー、『ROUGE ONE』は、映像100点、物語/キャラクター70点、音楽/音響50点、とわたしは判定いたします。まあ、今回は(周りの客の)環境が悪かったこともあるので、またBlu-rayが発売になったら買って何度も観て、同じ感想を持つか確かめてみようと思う。ひょっとしたら、あれっ?こんなに面白かったっけ、という発見もあるかもしれないし。しかし……主要キャラ全員死亡とは……マジで驚きました。以上。

↓ もう一度読むか……わたしの本棚の奥に眠ってるはず……。





 

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、もう年末までカウントダウンなわけですが、週刊少年チャンピオンは、今週は合併号で、次号は12/28(水)の発売だそうです。なので、来週はお休み&2週間後が今年ラスト、だそうですよ。
 というわけで、今週も特に書くことがないのでさっさといつも通り、 今週の週刊少年チャンピオン2017年第3・4合併号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は斎藤飛鳥嬢。乃木坂の方だそうです。サンタコスですな。
 ■『聖闘士聖矢 冥王神話』:紫龍、天蠍宮への巻。ほぼストーリーは進んでいません。
 ■『弱虫ペダル』:総北&箱学の協調の巻。また次号以降で広島がやらかすようです。
 ■『刃牙道』:武蔵出陣の巻。もうさっさと逮捕しちゃえばいいのに。
 ■『囚人リク』:ピカソ内海祭りの巻。またしても大変な顔芸炸裂。最終ページの少女漫画風な内海が最高です。なんなんすかもうw
 ■『少年ラケット』:試合直前の巻。一番手はイチロー君です。大丈夫でしょうか。
 ■『Gメン』:またしても天王会の影の巻。勝太もレイナも妄想してる場合じゃないぞ!
 ■『六道の悪女たち』:乱奈さんの決意の巻。いやー、ホント乱奈さんは素晴らしいですね!
 ■『BEASTERS』:レゴシ怒るPart2の巻。本番舞台上でのレゴシ君VS虎、大丈夫かこれ!?

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、とうとう会心の「真・ゴリラ張り手」をかました【白水】兄貴、そしてNHK実況アナの絶叫で終わったわけですが、今週は、そのNHKアナの絶叫の意味が分かるところからです。
 えーと、結論から言うと、要するに【天鳳】が堪えたということなのですが、新寺親方や空流親方が思うように、「並の力士ならあれで決まっていただろう…だが…相手は大関・天鳳 底が違う!!」わけです。
 そして、すっかり男塾の雷電のような解説キャラになりつつある常松こと【松明】が「マワシを取りに来た 距離を取れ――!!」と絶叫するも、【白水】兄貴は完全に「もう…ガス欠でんがな…」なわけで、がっちり【天鳳】に右上手をとられたと、とまあそんな展開でありました。
 しかし、その体勢に、新寺親方は「よし!これで問題ねぇ」としてやったり風な表情ですし、【松明】も、やられた的な顔をして下を向きそうになりますが、鯉太郎は言うわけです。
 「まだだ…下を向くな…まだ先かかかっただけだ…握れちゃいねえ…ギリ堪えてる…!信じて見てろ…最後まで何があるか分からねぇ…それが白水さんだ…」
 そして【天鳳】は「逃ガスカ!!」と気合一発、力をこめますが、なんと【白水】兄貴のまわしがびよーーーんと伸びてしまいました!! これは実際の大相撲でも良く見る光景で、がっちりとまわしが握れず、いわゆる「1枚まわし」だと、ずるりと伸びちゃうことがあるんですな。おまけにどうやら、なんと【川口】さんが、こんなこともあろうかと、まわしを緩く締めていたらしい。そんな、それはちょっとどうかと思うぜ【白水】兄貴!? そういえば、わたしの亡くなった親父も、1枚まわしで伸びちゃう状況に、「あー!! こいつ「ゆるふん」だぞ卑怯者!!」とTVに向かって怒鳴ってましたっけ……まさしく、【白水】兄貴は「ゆるふん」だったわけです。そしてその一瞬のすきに、【白水】兄貴は最後の力を振り絞って、最後の「真・ゴリラ張り手」を繰り出します! もちろん、【天鳳】も同じく「パクリVer.ゴリラ張り手」で迎撃だ!!
 しかし!! 見開きで描かれた両者の張りは、【白水】兄貴に分があった!! 吹っ飛ぶ【天鳳】に、空流の弟たちはガッツポーズ、新寺親方はやられたー!的に天を仰ぎ、空流親方はやりやがったあの野郎!的な笑顔です。
 が……!!! 土俵際、【天鳳】が最期のうっちゃり(?)というか、右の一枚まわしで強引に上手投げ(?)を放った――――!!! 
 という感じに、今週は土俵下になだれ落ちる二人で終了、軍配はまだ上がってません!! さあ、果たして勝ったのはどっちだ!? 結末は次号までお預けでありました。いやーーーホントに毎週、血圧上がるわ……。 

 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:??? 
  --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 いよいよ【白水】VS【天鳳】戦の決着は見えましたが、まだ軍配が上がっておりません。一応、次号には判明するはずなので。年内はそこまでですね。しかし鯉太郎の次の相手は誰だろうなあ……まったく根拠はありませんが、次は関脇【天雷】のような気がする、というか、そうだといいなあ……と思っています。でも、前頭14枚目の力士が関脇と戦うことがあるのか……関脇までなら十分あり得るか。どうでしょうね。はーーー楽しみというかもう、鯉太郎の戦いから目が離せませんな。以上。

↓ しつこいですが買っていない人は『鮫島』ファンとは認めたくないものです。
 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末は、『海賊とよばれた男』を観に行ってきました。わたしが観た回は、土曜日の昼間でしたが、正直動員の方は、結構空いていました。大丈夫なのか若干心配なので、さっさと数字を追っかけてみたいと思います。ちなみに、わたしがシネコンにいる時、一番お客さんが入っているのは『モンスターストライク』だったのではなかろうか。映画終了時にすげえ大勢の若い人々がロビーでスマホをいじってました。なんか限定配信があったみたいすね。
 あ、そして先週はかなりいろいろ数字を間違えてすみませんでした。。。
 
 それでは、いつもの通り興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『モンスターストライク』が公開土日で4.36億稼いで1位! おっと、やっぱり一番か。まあ、ロビーはひでえ混雑で参ったす。この勢いは続くものなのかさっぱり不明ですが、来週も楽しみですな。ところで、この「モンスト」は、もう業績ガタ落ちで虫の息だったmixiの経営を一発逆転満塁ホームランで黒字転換させたことでもお馴染みですが、mixiのIR情報を見る限り、だいぶ落ち着いて数字も落ちてきているみたいですな。へえー。わたしがシネコンで見かけた観客層はかなり若かったすね。そんなに人気があったんだ。へえー。
 2位:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開から19日間でもう41.9億まで伸ばしているそうです。えーとこの数字をどう評価すべきかというと……『ハリー:死の秘宝Part1』の3週目終わりが37.7億だったのかな。それで最終的に68.6億だったので、てことは、どうやら70億には行きそう、みたいな感じでしょうか。
 3位:『仮面ライダー平成ジェネレーションズ』が公開土日で2.76億ほど稼いだ模様。わたしも仮面ライダーは大好きです毎週ちゃんと見てますが、どうもここ数作、ちょっと乗れてません……。まあ、年末ライダーとしてはここ数年ではかなりいいスタートかと存じます。年末ライダーの初動だけでいうと、2015年末のゴースト&ドライブが2.2億、2014年末のドライブ&鎧武が2.0億、2013年末の鎧武&ウィザードが2.2億、2012年末のウィザード&フォーゼが2.8億、と、それ以来のいい数字かな。まあ、それ以前は3億スタートが当たり前だったけど……。
 4位:『海賊とよばれた男』が公開土日で2.86億(→てことは金額順だと3位)ほどだそうです。やっぱり今一つか……わたしが観た回は300人キャパで30人ぐらいだったかなあ……。映画としてはかなり泣けます。そして岡田准一氏の演技はやっぱり素晴らしいと思いますが、あくまでフィクションとして、事実とは関係ないものとして観るべきなんでしょうな。なお、『永遠の0』は、公開土日で5.4億、2週目には合計16億、3週目までの累計で32億となかなかのハイペースで稼ぎ、最終的に87.6億まで上り詰めましたが、今回はどうだろうな……出だしの土日で約52%でも、40億も厳しいと見るのが当然、かな……どうだろう、年末年始効果で上乗せできるのだろうか……。普通に考えて、3億届かないスタートだと20億も厳しいかも? どうなるかちょっと予測不能です。
 5位:『君の名は。』が16週目にして205億をチョイ超えたみたいですね。毎週5億ぐらいずつ積み上げているわけですが、未だ上映回数はちょっと減った程度なので、まだ増加率は落ちず、みたいですな。とりあえず、今週は下の方にこれまでの軌跡をグラフにしておきました。
 6位:『ミュージアム』が30日間合計で13.5億ほどだそうです。今や実写で20億を超えるのは本当に難しいですなあ。
 7位:『この世界の片隅に』が30日間合計で5~6億あたりと見積もる。上映規模拡大が予定されているそうですが、息長く、ロングで地道に売れて行って欲しいです。わたしの周囲に激推し中。
 8位:『劇場版艦これ』が16日間で3億チョイ届かずぐらいだろうか。ちょっと数字には自信がありません。小規模公開としては非常にいい数字です。
 9位:『疾風ロンド』が16日間で3~4億ほどと見積もる。いやー、東野先生の原作をもってしてもこの数字とは、本当に厳しいですなあ……。東宝製作&配給だったらどうだったんだろうか……。
 10位:『溺れるナイフ』が37日目で合計7億ほどだろうか。先週からランクアップでTOP10返り咲き。素晴らしいことです。GAGAの30年記念作品だそうです。

 とまあ、こんな週末だったようです。
 やっぱり、わたし的にはちょっと『海賊とよばれた男』が心配です。そして、『この世界の片隅に』も、10億はやっぱり無理なのか、それともこれからまた上映館が増えるようなので、ロングで売れ続けてくれるのか、そちらも気になります。そして、いよいよ今週の金曜日から『ROGUE ONE』が始まるわけで、そちらは大変楽しみですが、興行的にはどうなんだろうか……100億は難しいのかなあ……とにかく、どんなスタートを切るか、来週の数字が楽しみです。
 で。今週は、『君の名』の200億までの道のりをグラフにしてみました。こうしてみると、ホントに順調に伸びたものです。普通は8週目あたりで上映回数が減って来て、12週当たりでほぼ終わるわけですが、この映画はずっと公開規模を維持させた東宝の作戦(?)もあって、おそらく、誰も予想していなかった興行成績となりました。
 以下、データだけ、です。もはや分析できないので。
kiminona_ana
 これが推移のグラフです。青が『君の名』、ピンクが『アナ雪』、茶色が去年の『SW:EP-7』です。そして棒グラフが、毎週の週末興行成績の数値。折れ線グラフが、累計値の推移。棒グラフが、左となりの棒より落ちが少なければ勢い衰えずを意味していて、さらに折れ線グラフの傾きが急だと、平日を含めた興行の勢いが衰えてない、ということになります。
 参考までに、以下2つのデータを上げておきます。
◆累計値が、前週末からどれだけ増加したか
君の名 アナ雪 SW:EPVII
1W→2W 303.0% 305.3% 236.9%
2W→3W 162.3% 175.3% 166.8%
3W→4W 135.8% 146.0% 124.0%
4W→5W 130.8% 120.5% 113.6%
5W→6W 115.1% 115.5% 106.5%
6W→7W 110.5% 113.2% 105.2%
7W→8W 108.5% 120.7% 103.7%
8W→9W 106.5% 116.5% 103.4%
9W→10W 104.7% 108.5% 102.0%
10W→11W 104.6% 107.1% 101.5%
11W→12W 102.9% 107.0% 101.1%
12W→13W 102.6% 105.2% 100.8%
13W→14W 102.7% 103.5% 100.7%
14W→15W 102.4% 102.9% 0.0%
 これは要するに、1週目で累計1億で、2週目に累計3億、になった場合が300%というような意味で、累計値がどれだけ前週末時点に比べて増えたか、の割合です(なので、100%以下はあり得ない。累計値が減ることはあり得ないので)。
 この数字が大きいほど、上記グラフの「折れ線グラフの傾きが急」になる。小さいと、折れ線グラフは水平に近くなる。こうしてみると、『君の名』は毎週毎週きっちり増えていった事が分かります。
◆週末興行値の、対前週減衰率
君の名 アナ雪 SW:EPVII
2W目週末 124.8% 114.3% 58.3%
3W目週末 97.7% 101.0% 113.9%
4W目週末 94.8% 96.6% 75.0%
5W目週末 80.1% 99.0% 62.5%
6W目週末 91.6% 97.9% 68.0%
7W目週末 88.7% 87.6% 95.8%
8W目週末 66.8% 156.2% 65.9%
9W目週末 101.8% 65.6% 83.9%
10W目週末 80.1% 109.1% 74.5%
11W目週末 77.9% 86.8% 70.5%
12W目週末 87.1% 108.4% 75.1%
13W目週末 98.1% 78.0% 70.3%
14W目週末 83.3% 66.3% 112.3%
15W目週末 116.2% 92.7%  
 で、こちらは、週末興行成績が前週末と比べてどうか、という数値で、例えば前週の週末興行値が1億で、次の週の週末興行が0.9億になった場合を90%、と表現している。これはつまり勢いが持続しているか、落ちているか、の参考指標です。何度も書いているのでクドイですが、普通は100%以上(前週末より稼ぐ)となることはかなり稀で、100%以上になるのはお正月・GW・お盆休み、といった季節要因がほとんど。例えば、『アナ雪』の8W目は、明らかにGWの影響。
 この数字は、上記グラフにおいては「棒グラフの大きさの減衰率」に等しい。そしてこの数値を観ると、『君の名』の落ち方が非常に少ない=ずっと人気を維持していたこともわかります。すげえなあ。

 というわけで、結論。
 今週は東宝の大作『海賊とよばれた男』を注目していたのですが、どうも若者客がイマイチ、ということなのではないかと思われます。数字的には、『永遠の0』の実績を考えると正直かなりさびしいです。そしてわたしは早く『ROGUE ONE』が観たくてたまらないので、金曜日の夜、観に行くぞ!以上。 

 わたしは相当本を読む男として周囲に認識されているが、どうも、「本屋大賞」なるものは好きではない。まあ、理由は単純で、わたしの趣味とあわない作品が受賞することが多いから、というだけである。そういう意味では、「直木賞」も「芥川賞」も、実際どうでもいい。しかしながら、不況がもはや恒常的になった出版界においては、そういった賞を獲ると売り上げがググッと伸びるわけで、出版関係者からすれば、「本屋大賞」は一番欲しい賞でもある。あ、今ふと思い出したけど、例外的にわたしが超好きな作品で「本屋大賞」を獲った例があったことに気が付いた。上橋菜穂子先生の『鹿の王』は、あれは「本屋大賞」を獲ってうれしかったっけ。
 のっけから矛盾したわたしの心中を書いてしまったが、 まあ要するにわたしの場合、「本屋大賞」を受賞したから、ということが本を買って読む動機になりえないわけで、2013年に、第10回本屋大賞を受賞した『海賊とよばれた男』という作品も、最初から全く読む気はなかったし、今現在も読んでいない。著者に対する微妙な偏見もあったことは正直に告白しよう。あいつの作品なんて買うわけねーじゃん、と思ったんだと思う。たぶん。
 しかし、今回その『海賊とよばれた男』が映画化され、あまり積極的に観たいとは思わなかったものの、前作『永遠の0』は、物語的には十分面白かったと思うし、映像も一部見どころがあったので、まあ、今回も観てみましょうか、という気になった。それに主役は、ジャニーズナンバーワン演技派の岡田准一氏である。おそらくはきっと、その芝居ぶりは素晴らしいだろうという期待もあって、映画館へ出かけたわけである。
 そして観終った今、確かに物語は美しく泣ける話だとは思う。そして期待通り、岡田氏の演技は素晴らしかったと思う。思うのだが、いくつか気になる点があったので、以下、備忘録として書き留めておきたい。いつも通り、以下ネタバレがいっぱいあるかもしれませんので、自己責任でお願いします。

 物語は、上記予告から想像できる通りであるので、物語について書くのはやめておく。
 はっきりと最初に書いておこうと思うが、映画としてこの作品は非常に泣ける。とても素晴らしい映画だと思う。なので、あまりこの映画に対してケチをつけたくないという気持ちが大きいので、わたしは自分の行動を若干後悔しているというか、ああ、調べなきゃ良かった、と思っているのだが……実は、わたしが観終って真っ先に思ったことは、この物語は、事実にどれぐらい基づいているんだろう? という興味であった。
 冒頭に、確か英語でこう出たように記憶している。
 This Story is inspired by True Event.
 正確には単語が違ってたかもしれないが、要するに「この物語は実際に起きた出来事にインスパイアされています」ということで、わたしはその冒頭の文字を観て、ああ、なんだ、事実に基づいているんじゃあないんだ、創作なのね、と少し肩透かしを食らった。わたしはまた、出光興産の創業者出光佐三氏の物語かと思っていたので、その点は明確に違うんだなということを冒頭で知らされたわけだが、別にそれは、作品そのものの本質には関係ないので、実際のところ特に問題だとは思わない。
 しかし、だ。やっぱり、物語が出来すぎている。実際、わたしも泣きそうになるぐらいグッと来てしまったわけであるが、映画館を出た瞬間に、わたしは、はたと「事実はどうだったんだ?」ということが気になってしまったのである。
 で、インターネッツ神にお伺いを立て、さまざまに調べてみたところ、なるほど、『海賊とよばれた男』の物語はおそらくは事実とだいぶ違うんだろうな、ということが想像できた。あくまで推測だが、ポイントは、おそらくは出光佐三氏の親族に関する描写であろうと思う。映画には一切登場しない、佐三氏の息子(それぞれ第2代・第5代の出光興産の社長)はもっと重要人物であっただろうし、そもそも出光興産が上場したのはつい最近、というか2006年のことで、それまではいわゆる同族経営の会社であり、多くの親族が重要なポストについていたのは間違いなかろう。その辺は一切映画では描かれない(映画には兄は出てくる)。日章丸事件でのイランとの交渉ももっと時間がかかったはずだし、交渉役もまた佐三氏の弟だったようだ(映画では元大日本帝国陸軍中野学校出身の、元GHQ通訳が入社して大活躍)。
 つい最近まで株式上場してなかった事実に関しては、映画の中でも石油メジャーと呼ばれる外国企業との資本提携を一切断ることからも想像できるとおり、本物の出光佐三氏の意向だろう。そして今現在、昭和シェルとの経営統合に向けて出光興産は動いていることが報道されているが、出光佐三氏が存命であったなら絶対ありえないだろうし、実際に、上場後は経営から退いている(?)出光家の人々も大株主としてその経営統合には反対の意見表明をして対立している。このような事実から想像するに、会社経営において一族の影響力は絶大だったはずだ。そして、物語に息子を登場させなかった理由も明白だろう。息子が出てきては、一番泣ける、一番ラストの「ユキ」さんのエピソードに影響してしまうから、であろう。
 つまり、結論から言えば、『海賊とよばれた男』という作品はどうやら相当美化されてんじゃねえかな、というのがわたしの結論である。しかも、意図的に、である。あからさまに言ってしまえば、「泣かせるために」であるとも邪推できる。なので、その点に関して言えば、わたしは原作小説に対して、なーんだ、という気がやっぱりしてしまうし、やっぱり小説を読んでみたい気持ちには全然なれなかった。出光家の人々や、現在の出光興産の人々がこの映画を観てどう思うのかなあ、という言わばどうでもいいことが、わたしは非常に気になった。まあ、佐三氏が絶対にダメ、と言っていた外資との経営統合も検討せざるを得ないほど、現在の出光興産の業績は厳しいわけだけど。<※追記:今回の出光と昭和シェルの合併は、むしろ昭和シェル救済の意味も強いみたいですね。出光興産の業績が厳しいのは事実だけれど、それよりも会社側としては石油業界全体の厳しさゆえの経営統合、なのかもしれない>
 もちろん、そういうわたしの思いはかなりねじ曲がった見方であるので、作品そのものの評価に対してはフェアではなかろう。だからもう一度言っておくが、映画としてはかなり面白かったと思う。おそらく、なんだかんだと文句をつけつつも、映画をほめたい気持ちでいるわたしの心境は、役者陣の素晴らしい演技に対する敬意なのではないかと思う。
 そう、わたしには、いろいろ調べてみた結果においても、岡田准一氏の芝居ぶりには、まさしく出光佐三氏のスピリッツがきっちり受け継がれ、表現されていたと思えるのだ。 冒頭にわたしは、岡田准一氏はジャニーズナンバーワン演技派と書いたが、ホントにいつも思うのは、ジャニーズ演技派の双璧である二宮和也氏と、非常に対照的だなあ、という点である。
 二宮氏が、いわば天然、素の演技派の素晴らしい俳優であるのに対し、岡田氏は明らかに作り上げタイプの役者だ。今回、20代から90代のキャラクターを特殊メイクで演じ切った岡田氏の芝居は、本当に出光氏の魂が乗り移ったかの如く、素晴らしかった。その渾身の演技は誰がどう見てもパーフェクトだと感じることだろうと思う。本当に素晴らしかったとわたしは心から賞賛したい。

 そして、映像に関してであるが、日本のCG技術に関するわたしのいら立ちは、散々このBlogにおいて書いてきたので、もうあまり触れたくはないのだが、やはり、本作でも、ちょっとイマイチかなあ、という出来であるように感じた。問題は、CGで描く対象物の「質感」にある、と何度も書いてきたわたしだが、やっぱり、日本最高技術を誇る白組であっても、正直まだまだ、だと思う。
 冒頭で、わたしは『永遠の0』の映像において一部見どころがあると書いたが、わたしがあの映画でこれはすげえ!と興奮したのは、航空母艦「赤城」のCGただ一点だ。あの赤城は素晴らしい出来栄えで、おお、日本のCG技術もここまで来たかとわたしは大興奮したものの、残念ながらそれ以外の零式艦上戦闘機の空戦シーンなどは全くダメで、ガッカリしたのだが、今回も、ポイントポイントのCGは非常にクオリティは高かったものの、人物やモノなど本撮影したオブジェクトと、CGで描いたオブジェクトの質感が均一化されていない箇所が見受けられ、全体的にCGのクオリティは、現状では日本最高であろうとは思えても、世界基準ではまだまだレベル、映画オタク的に言うと、1993年の『Jurassic Park』ぐらいには十分追いついたかな、レベルであった。同じ山崎監督の『Space Battleship YAMATO』では全く感じられなかった「巨大感」は今回かなり向上されていたことは間違いないが、ホント、もうチョイ質感が上がるといいのだが……今回も空戦がちらっとあるけど、飛行機の質感は前作に比べたら格段に良かったものの、どうにも「本当に飛んでいる」ようには見えず、残念であった。ひょっとしたら、空戦シーンの問題点は、CGの出来の問題ではなく、カット割りの問題なのかもしれない。見せ方、演出の問題なのかもしれないなあ……。ただ、これはホントに言いがかりに過ぎず、普通の人には全く感じられないであろうことはちゃんと書いておこう。あくまで、映画オタクの備忘録なので、わたしとしては次回作に期待したいと思う。

 やれやれ。なんだか非常に散らかった文章になってしまったので、自分のために整理しておくと、
 ◆映画としては非常に良かった。泣ける。岡田准一氏が素晴らしい!!
 ◆ただし、事実とは別物と思った方が良さそう。相当な美化があるのかも疑惑。
 ◆(なので、今更原作小説を読みたいとは思わない)
 ◆CGのクオリティは、前作から確実に良くなっているが、世界的に見たら今一つ
 ◆書かなかったけれど、岡田氏の演技がすごすぎて、共演の皆さんが若干霞む。
 ◆(ただしそれぞれの役者の皆さんの熱演はやっぱり素晴らしい) 
 ということを、わたしは言いたかったようです。

 というわけで、結論。
 いや、結論は上記の◆の通りです。人に勧めたくなるかというと、若干微妙ではある。非常に失礼なことを言えば、描かれる出来事をそのままうのみにしてしまう、Naiveな方にはお勧めですが、事実はどうだったんだろうと興味を持ってしまう人には、「これはフィクションですから」で矛を収められないようならやめておいた方がいいかもしれない。まあ、長大な時間軸をかなり駆け足で描くので、その点も、なにかと難しく考えてしまう人には、ちょっと、あれっ!? と思ってしまうかもしれない。わたしとしては、事実と切り離せば、十分面白い映画であったと思うので、観てよかったと思っています。以上。 

↓  へえ、こんな著作があるんですなあ。非常に気になる。つか、読んでみたいな。


 

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、今日は我らが『鮫島、最後の十五日』第10巻の発売日ですので、今すぐ皆さん買いましょう! 本屋さんにGO、またはどこかのWebストア、あるいは、どこかの電子書籍販売サイトで今すぐポチッて応援しましょう。わたしは既に電子書籍は買ったので、帰りに本屋さんで紙でも買って来ます。

 というわけで、今週も特に書くことがないのでさっさといつも通り、 今週の週刊少年チャンピオン2017年第2号の概況です。えーと、年内の発売は次の次、までかな?
 ■巻頭グラビア:今週は平手友梨奈嬢。欅坂の方すね。水着はありません。
 ■『聖闘士聖矢 冥王神話』:久しぶりの連載再開!ちなみに今号の表紙にいるキグナス氷河は今週は出て来ません。しかし真面目に読んでるはずのわたしでさえ、お話を忘れかけているわけで……チッ……これは単行本をちゃんと買えってことかもな……。
 ■『弱虫ペダル』:坂道、今泉くんと合流の巻。今のところ順調ですが、まあ、すんなり事は進まないでしょうな。
 ■『刃牙道』:今度はヒナリー登場の巻。かなり「花の慶次」風な下ネタのオーガが笑えます。
 ■『囚人リク』:ピカソ内海再びの巻。今週も大変な顔芸炸裂で最終ページがとんでもないことに。マジでこの漫画を電車内で読むのは大変危険ですw ピロピロピロピロリンにわたしはもう笑いを耐えきれんせんでした。
 ■『少年ラケット』:試合前夜の巻。さあ、来週はいよいよ大会スタートか? そして1回戦で当たることになる謎の新キャラも登場です。
 ■『Gメン』:日本童貞連盟の巻。勝太もキモ田も、伊達さんもいいすねw そして最後にヤバそうな新キャラ登場でまたも大喧嘩の予感です。
 ■『六道の悪女たち』:飯沼くん、課長、大佐頑張るの巻。そしてラストは乱奈さんがハーレーに乗って登場ですよ!
 ■『BEASTERS』:レゴシ怒るの巻。虎に対して怒りを見せるレゴシは何気にカッコ良しですな。
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:最終回の巻。あーあ。わたしが応援するとことごとく終わっちゃうような気がしてなりません……せっかくどんどん画力が向上してたのになあ……

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 そして今週は、『鮫島』連載第100回記念としてカラー扉です。まあ、単行本も今日発売だしね。
 先週は、ようやく繋がった空流親方と【白水】兄貴の想いから、派手な一発を捨て、ショートジャブ「コゴリラ」張り手を小刻みに当てていく戦法にスイッチした【白水】兄貴の逆襲が描かれました。今週は、結論から言うとまだ勝負がつくところまでは行きませんでした。たぶん、年内あと2回(?)は、この【白水】兄貴の戦いで終わってしまいそうです。
 で。 NHK解説が叫ぶ通り、「じりじりと下がる天鳳!これは有効だ!効いている!!」状態です。【白水】兄貴は親方が「チマチマした相撲をやれ」と言っていたことを思い出しながら攻め続けます。
 「へっ…チマチマって…ボキャブラリーが貧困なんだよ…そりゃ丁寧って言うんだよ 理解すんのに労力かけさせんなよ…まったく…「基本に忠実に…丁寧に…もっと速く」だろ…」
 いやいやいや、【白水】兄貴、先代にもしっかりそれは叩き込まれてるはずなのに、余計なこと色々考えておかしくなってたのはあなたですよね? まあ、思い出したならいいのですが、ずっと頭の中で「チマチマ」という言葉を考えていた【白水】兄貴の「コゴリラ」張り手は、いつの間にか「チマゴリ」張り手に名称変更です!
 いけーー!と熱くなる空流の弟たち、やべえなコリャと青くなる新寺親方、そして「チマゴリ!!」と心が熱くなる空流親方こと【仁王】兄貴。しかし、そんな「チマゴリ」を喰らいまくって防戦一方の大関【天鳳】関ですが、その内心はもう嬉しくてたまらないようです。思わず笑みが漏れる【天鳳】関は思います。
 「強イナ~~~~~~~…サスガ空流ノ力士…前ニ出テモ押シ返サレル コノ感ジハ…マルデ俺ノ現状ソノモノダナ…イヤ…デモナ~~~…コンナモンジャナインダヨナ~~~…コンナモンジャ~~~横綱(アレ)ノ弾キ返ス力は…引ケナイヨネ…コノ程度デ…(略)進ムンダ…モット…強ク…何ガ来ヨウトモ…ドンナ力ダロウト平然ト進ム力デ…突キ抜ケル力デ…」
 というわけで【天鳳】も引かず、得意の「四つ相撲」に展開すべく、まわしを掴みに行きます。が、そこに、【白水】兄貴渾身の強力な本家「ゴリラ」張り手がカウンターで炸裂! 【白水】兄貴は、「これだろ…バカヤロー…」と思い、【仁王】兄貴も「それだよ…バカヤローが…」と思いはシンクロ。そして崩れ落ちる【天鳳】関ですが、ラストのコマは、NHKアナウンサーの「あっ……あ――――――ッ!!?」という絶叫で今週はお終い、でした。
 さあ果たして、ラスト、【白水】兄貴は見事【天鳳】関を撃破できたのか、それとも意識が飛びそうな【天鳳】はがっちりまわしを掴めたのか、来週までのお預けとなりました。こりゃあ、来週決着がつきそうですな。うーーん……まあ、漫画の定石的には、【白水】兄貴の惜敗となるような気がしますが……勝つのは【白水】兄貴か【天鳳】か、ドキドキしながら来週を待ちましょう!! はーー。やれやれ。今週も血圧上がったわ……。
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結
 10日目:??? 
  --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 いよいよ【白水】VS【天鳳】戦もクライマックス。来週結論は出るような展開ですが、はたして、勝つのはどっちだ!! そして、勝負の結果もそうですが、ほかの【松明】や【天雷】【猛虎】【王虎】の現在の勝ち星も気になりますので、佐藤先生、そろそろ教えて下さい!! よろしくお願いしゃす!! 以上。

↓ これが一番直近巻、かな? 一気に全巻買うしかないか……。

 わたしの場合、USの都市「DETROIT」と聞いて、真っ先に思い浮かべるのは、当然のごとくに『ROBOCOP』である。あの映画の中では、DETROITという都市は完全にもう治安が崩壊していて、そこでロボット警官=ROBOCOPが導入されるわけだが、現実世界においても、自動車の街として栄えたDETROITは、近年ではかなり治安がよろしくない、全米ワーストCityとさえ言われているという話を聞くに至ってしまっている。ちょっと「デトロイト 治安」と検索するだけで、マジかよというぐらいの数多くのバイオレンスな情報が溢れているわけで、ますますもって『ROBOCOP』が必要な街にならないことを祈るばかりである。まあ、ある意味、日本車の快進撃でDETROITは倒れたとも言えるかもしれないが、とにかく、デトロイトという都市は2013年には財政的にもアウトとなり、なんと市の美術館の作品を売り払って何とかしのごうとさえしたそうだ。
 その話を小説に書いたのが、原田マハ先生による『デトロイト美術館の奇跡』という作品だ。
デトロイト美術館の奇跡
原田 マハ
新潮社
2016-09-30

 わたしは全然知らなかったのだが、原田先生は、NYCのMoMAにも勤務したことのある本物のキュレーターでもあるそうだ。へえ~。全然知らなかった。ま、わたしは先生の作品は1冊も読んだことがないし、今回の作品もあまり読むつもりになっていないので、何も言えないけれど、まあいずれにせよ、その美術品を売って財政補てんしようぜ、という行政企画はポシャったらしい。良かった良かった、と素直に喜んでいいのかどうか、詳しいことは分からないが、まあ、売り払われなかったおかげで、我々は↓コイツを観られるわけだ。
Detroit
 はい。というわけで、行ってきました『デトロイト美術館展』。上野の森美術館にて、来年1月21日までの開催なので、あと1カ月ほど、すね。
 わたしは今回、この絵画展を観に行くにあたって、大変楽しみにしていることがあった。なんと、デトロイト美術館の計らいによって、「いや、ウチの美術館は作品の写真撮影OKにしてるから、日本でも写真撮影OKでいいよ」なーんてことを言ってくれたのである。作品の状態保存のために普通は撮影禁止が常識の我々日本人としては、ホントにいいのかと若干ビビるかもしれないが、まあ、NYCのMETもMoMAも、普通にみんなバシバシ撮影してたし、メリケン人的には当たり前、なのかもしれない。
 というわけで、とても面白い試みというか、せっかくなら撮影させていただこうとわたしもちょっと張り切って会場に向かった。ただし、会期中、撮影OKの日程は決まっていて、毎日OKなわけではなく、月曜と火曜だけ、の限定OKであるのだ。なのでわたしは今日の火曜日を狙って、(ちょっとだけ仕事をサボって)上野に参上した次第である。
 会場前に着いたのが9時12分ぐらいだったと思う。9時半開場なので、ま、ちょっと早いかぐらいに行ってみたところ、わたしより早く来ていたのは、年齢不詳のソロ参戦おじさん、おばさまチーム3人組&2人組、の合計6人しかいなかった。会場の時間になっても、たぶん30人いたかどうか、ぐらいで、2週前に行ってきた『ゴッホとゴーギャン展』@東京都美術館では、ほぼ同じ時間に着いてもう100名弱の人々が行列を作っていたのに、ずいぶん違うもんだなー、と謎のガラガラ具合であった。まあ、おかげで非常に快適に観賞できたわけだが、これは、おそらくは2つ理由があるのではないかと思う。ひとつは、まだ会期に余裕があるから、ではなかろうか。『ゴッホとゴーギャン展』はもうそろそろ終わっちゃうしね。こちらはまだ年明けまでやってるし。そしてもう一つの理由は、観終わって思ったのだが、若干ボリュームが少ない、ような気はした。入ってすぐのところに置いてある作品リストを見ると、今回の『デトロイト美術館展』は作品数52点だそうだ。そして一方の『ゴッホとゴーギャン展』は68点だったみたい。まあ、量としてはそんな感じに、ちょっと少ない感じはした。
 けれど、ですね。質としては、今日観た『デトロイト美術館展』の方が、上のような気がします。作家も豊富でバラエティに富んでいるし、何より、スーパー・オールスターですよ。名だたる名画がごっそりで、大変観ごたえはあったと思う。
 入場していきなり出迎えてくれるのはルノアールを筆頭としたチーム印象派だ。わたしも、さっそく写真を撮りながらのんびりと観賞開始である。印象派ゾーンでは、やっぱりモネの「グラジオラス」の鮮やかさと、冒頭のルノアールの「白い服の道化師」がいい表情でよかったすね。撮影した写真をここに載せようと思ったけど、あまりきれいじゃないのでやめときます。
 続いて、ポスト印象派ゾーンになって、ゴッホやセザンヌが現れ、その次は2階に移り、急に20世紀ドイツ絵画として、カンディンスキーの抽象画がいきなり迎えてくれて、わたしはちょっとビビった。おもわず、うおっ!? と声が出てしまうほどに。ここでは、ココシュカの「エルサレムの眺め」という少し大きな作品がとても心に残った。そして最後に20世紀フランス絵画ゾーンになり、ここではピカソの作品が6点、それもかなり年代が幅広く選ばれて展示されていた。ほかにはマティスやルオー、モディリアーニなどを観ることができる。
 で、わたし的に今回、一番気に入った作品を写真入りで紹介しよう。
 ↓これです。
sezane
 絵画に慣れ親しんだ人なら、一発でわかるよね。まさしく、いかにも、セザンヌ。「サント・ヴィクトワール山」というタイトルの、1904年制作の作品だ。
 わたしがなぜ、この作品が一番気に入ったかというとですね、実は、わたしはこの作品と同じ山を描いた、別のセザンヌの作品があることを知っていて、しかも何度も何度も観に行って、大好きな絵があるんだな。
 ↓これです。※本物は、もっと青が深い印象があります。
stvictor
 この絵は、今、ビルの建て替えで長期休館中のブリジストン美術館が持っている作品で、セザンヌの「サント・ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」という作品です。わたしは勝手に、「黒屋敷(=シャトー・ノワール)」と呼んでます。前にもこのBlogで書いたけれど、ブリジストン美術館は本当に常設が充実していて、わたしの趣味的には国内ナンバーワンの常設コレクションだと思う。しかも大学生当時のわたしが行くような平日の日中なんてガラガラで、もう貸し切り状態で観賞できるような贅沢な時代だった。ブリジストン美術館は元々東京駅から歩いて5分ぐらいのところにあったんだけど、現在は再開発でビルを建て替え中で、いつ再開されるかさっぱり不明です。せめていつ頃に再オープンとなるか、それぐらい示してくれてもいいのにね。まあ、新たらしくできたビルで、ふたたびこの「シャトー・ノアール」に再会したいですな。
 というわけで、わたしは今日の展示の中で、セザンヌの「サント・ヴィクトワール山」が一番気に入りました。今日はもう、わたしは、あーーっ!! ヴィクトワール山だ!! と、観るなりいきなり大興奮しましたね。セザンヌは、この山が大好きだったようで、何枚もあるんだよね、この山を描いた作品が。今日観た作品は紺から藤色の塩梅が超絶妙で大変美しかったと思います。いやー、イイ。とてもイイです。

 というわけで、結論。
 現在、上野の森美術館で開催中の『デトロイト美術館展』は、月曜日と火曜日に限って写真撮影を許された、日本ではちょっと珍しい美術展である。若干ボリューム不足のような気はするけど、質は極めて高く、絵画好きなら迷わずGO!! でしょうな。そして、写真を撮りたいなら、絶対に朝イチで行った方がいいですよ。人の頭を撮影してもしょうがないし、撮影してる野郎が邪魔でじっくり観られないかもしれないしね。ま、撮影する気がないならほかの曜日の方が空いてるかもしれないすね。会期はあと1か月なので、お早めに! 以上。

↓ くそー。ほしい。。。

  というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末は、2回目の『この世界の片隅に』を観に行ってきました。動員の方は、まずまずの入りで人気衰えず、な印象でしたが、全国的にはどうだったのか、数字が気になります。なので、さっさと本題に入ります。

 それではいつもの週末興行数値を興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開から12日間でもう31.3億まで伸びているそうです(※2016/12/06修正。わたしの見積もりが甘すぎました。)もう25億を超えていると思う。先週末時点で17.2億+この週末だけで6.7億だったそうで、そこに先週の平日分を入れれば……28億ぐらい行ってもおかしくないですね。30億チョイ手前、ぐらいかもしれません。まあ、いわば外伝ということで、出版界だと外伝7掛け、的な経験則がありますが、どうなりますかね。しかし、実はわたし、原作としての書籍『Fantastic Beast』と、この映画の関係がイマイチ分かってません。映画はオリジナルストーリーってことなんですか?
 2位:『君の名は。』が15週目にして199.6億まで積んだそうで、今日明日にも200億突破だそうです。わたしもこの映画を面白くないというつもりはないですけど……ここまでの数字というのは、正直ピンときません。一体全体、何がどうしてこうなった? 誰か説明Please!来週は、200億突破記念として、もう一度、これまでの軌跡をグラフにしてみようと思ってます。なんと言っても観客動員19501535万人超だもんな……日本国民の1512%以上ですよ。もうホント分からんす。(※2016/12/06:動員数を盛大に間違えましたので修正しました)
 3位:『ミュージアム』が23日間合計で12~13億ほどと見積もる。素晴らしいと申し上げて良いかと。大友監督の前作『秘密』は10億届かずの興行だと思うので、今回はなかなかの数字で良かったすね。
 4位:『この世界の片隅に』が23日間合計で4~5億あたりと見積もる。公開4週目で先週に引き続きランクアップキターーー!! わーい! 実のところ、非常に重い内容ですが、キャラクターが大変良くてなんというか救われますね。能年玲奈ちゃんことのんちゃんの広島弁は最強レベルに素晴らしいと思います。超必見でお願いします。劇場数も徐々に増えつつありますな。
 5位:『疾風ロンド』が9日間で2~3億ほどと見積もる。もうチョイ上かもしれないな。もう少し勢いが欲しいところですが、東映作品はホントここ数年厳しいすねえ……ナンデ? プロモーションの問題なんでしょうか? 上映スクリーン数はいくつだ……えーと、280チョイかな?少なくはない、どころか多い方ですな。てことはやっぱり、プロモーションなのでしょうか……?
 6位:『劇場版艦これ』が9日間で3~4億ぐらいと見積もる。2億チョイのようです。こちらも数字は自信なし。先週も書いた通り、たった60スクリーンでの興行としては極めて良好といってよさそうですな。平日も売れているなら、という前提で数字は計算しました。
 7位:『マダム・フローレンス!夢見る二人』が公開土日で0.7~1億ぐらいと見積もる0.37億ほど。この作品は12/1(木)からl公開しているから、4日間合計で1.5~20億0.6億ほどだそうです。 調べてみたところ、US国内では8月に1500スクリーン規模で公開されて27M$ほど、で終わってるみたいですな……アカデミー賞狙いってわけでもなさそうだし、どうなんでしょう。数字的にはかなり微妙です。
 8位:『RANMARU神の舌を持つ男』が公開土日でこちらも1億行ってないのではなかろうか。わたし、TVドラマがあることをさっき初めて知りました。なるほど、堤監督のTVドラマからの劇場版なんすね。堤監督の作品は……わたしは全然観ていないので何も語れないす。
 9位:『黒子のバスケ ウィンターカップ総集編』が公開土日で0.5億程度であろうか?ジャンプでの連載が終了してずいぶん経ちますが、さすがの人気ですな。2週間限定上映だそうです。
 7位:『デスノート Light up the NEW world』が37日間合計で21~22億ぐらいと見積もる。先週20億に乗ったようなので、このぐらいと見るが、最終的には24~5億ぐらいでしょうか。内容についていろいろ言われていたようですが、この数字なら、堂々と大ヒットと言えそうです。勝ち負けでいえば、間違いなく勝ち、でしょうな。

 とまあ、こんな週末だったようです。

 しかし先週は月末月初で大変忙しくて、なんか週末はぐったりしてました。せっかくのTOHOフリーパスも来週で期限が切れてしまう……くそう、あまり劇場に行けなかったのが残念だ……とりあえず、来週は『海賊と呼ばれた男』を観て、TOHOフリーパスを有効に使う所存であります。

 というわけで、結論。 
 気になる『ファンタスティック・ビースト』ですが、 いまのところ、『ハリー死の秘宝Part1』(2010年11月公開・最終68.6億)と同等ぐらいには順調に稼いでいるようです。ここから先、伸びるか萎むか、要チェックですな。そして『君の名』200億、おめでとうございます。しかし……このヒットは次も再現できるのだろうか? 新海監督というブランドが形成されたのか、そこが非常に重要というか興味ありますな。以上。

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、先週は雪で今日は雨模様の東京ですが、ホント寒くなりましたな。そして今日からもう12月。なんてこった……本当に時の過ぎ去るのは早いですなあ……なんらかのスタンド攻撃を喰らっているかのようです。
 そして毎回しつこいですが、来週は第10巻の発売なので、皆さん買いましょう!

 というわけで、何も書くことがないのでさっさといつも通り、 今週の週刊少年チャンピオン2017年第1号の概況です。おお、今週号からもう2017年号だ!
 ■巻頭グラビア:今週は浅川梨奈嬢。デカい!何がデカイか自分で確かめよう!
 ■『弱虫ペダル』:今泉くんは信じるの巻。坂道よ、さっさと今泉くんの元へ急げ!
 ■『刃牙道』:武蔵TV出演の巻。生放送エア惨殺事件……たぶん、板垣先生は笑いながら描いてると思います。そして、巻頭カラーで第2部「バキ」のアニメ化の告知です!
 ■『囚人リク』:戻らんぞの巻。今週もリクの顔芸炸裂で、もう大変w
 ■『少年ラケット』:イチロー君の成長の巻。だいぶ顔つきも変わってきましたね。
 ■『Gメン』:レイナの恋愛特攻作戦、大失敗の巻。大変イイですが、やりすぎ!ですw
 ■『六道の悪女たち』:鬼ごっこスタートの巻。さあ、乱奈さんのターンが始まりますよ!
 ■『BEASTERS』:部長降板、レゴシ登板の巻。いやあ、ホント面白いす。!
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:舞台は2年後へ一気に進展の巻。あれっ!? かなりの急展開に驚きました。

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、空流親方からの「悲しみのバカヤロー」に【白水】兄貴が奮起する展開でしたが、今週も引き続き大関【天鳳】と戦う【白水】兄貴の様子が描かれております。最初にズバリ言うと、今週も決着はつかず、です。
 というわけで、今週も大関【天鳳】の、満面の笑顔でのパクリ「ゴリラ張り手」が【白水】兄貴に炸裂しまくりです。必死に頭を下げ堪える兄貴ですが、なすすべなしか。力の入る【白水】兄貴の右手に、空流親方こと【仁王】兄貴は歯を食いしばって土俵を見つめます。
 「バカヤローが まだ大振りの一発を狙ってんのか…そんな無駄に力の入った見え見えの張りなんぞ 天鳳に通じるわけがねーんだ…(略)確実にチマチマ当てた方が勝率は上がるんだ…カッコつけんな…それじゃ負けちまうんだよ…」
 しかし! 次に【白水】兄貴が繰り出したのは、いつもの豪快な「ゴリラ張り手」ではありません。ショートレンジのジャブとでもいうべき「コゴリラ」張り手でありました! 驚く【仁王】兄貴 。そして空流の弟たちもあっけにとられ、新寺親方までなにぃ!? 的な顔です。10発のショートジャブこと「コゴリラ張り手」を飛ばす【白水】兄貴ですが、【天鳳】のパクリ「ゴリラ張り手」一発で返されます。再びブッ飛ぶ【白水】兄貴。その脳裏には、鯉太郎の想いや【仁王】兄貴への想いが交錯します。【仁王】兄貴は「カッコつけんな テメーはみっともねぇ位がちょうどいいんだよ!」と言ってくれました。そして鯉太郎は【白水】兄貴が自分を見捨てなかったことへの感謝を口にしてくれました。それは【白水】兄貴にとっては当たり前のことで、なぜなら、自分も【仁王】兄貴にそうしてもらっていたからです。弱くてヘボくてどうしようもない自分を、【仁王】兄貴はずっと見捨てなかった。あの人は、いつだって自分を勝たせようと、必死だったんだ。
 ようやくそのことに気づいた【白水】兄貴。気合で【天鳳】のパクリ「ゴリラ張り手」に耐えつつ、新技のショートジャブ「コゴリラ張り手」を打ち続けます。そしてそんな【白水】兄貴の姿に、空流親方こと【仁王】兄貴も若干嬉しそうに苦笑いです。
 「みっともねぇ相撲だな…バカヤローが…」
 ようやくここに、空流の師弟であり兄弟の心が通じたわけです。【白水】兄貴は思います。
 「俺の…俺だけの相撲を…見せてやる…」
 さあ、反撃開始ですよ! 執拗に打ち続ける「コゴリラ張り手」を喰らいすぎの【天鳳】。新寺親方もとうとう心配になってきました。
 「やべぇな…楽しみ過ぎだ…天鳳…」
 その言葉通り、【白水】兄貴の「コゴリラ張り手」は、天鳳にパクリ「ゴリラ張り手」を繰り出す余裕を与えません。そりゃあそうです。【仁王】兄貴の言う通り、
 「チマチマ打っても軽くねぇんだよ…テメーの一発は…」
 というわけで、今週はとうとう劣勢だった【白水】兄貴が大関【天鳳】を押し返している!! ところまで、でした。
 はーーー。やれやれ。どうなんすかねえ、この展開は。 問題は、この相撲を観ている鯉太郎が、次の戦いにどう生かすか、だと思うわけで、あくまで主人公鯉太郎の心の成長のための今回の【白水】兄貴の戦いであろうと思うのですが、やっぱり、自分の兄貴分が泥臭く必死で戦っている姿というのは、弟として当然、胸に沁みるのでしょうな。
 【白水】兄貴と鯉太郎の関係は、『バチバチ』でのラストの同門対決や『バチバチBrust』でのVS王虎戦などでかなり描かれてきました。そして、普通に考えて鯉太郎の方が強いだろ、と読者に思わせておいて、いつも男を見せたのは【白水】兄貴でした。そういう歴史があるからこそ、泣けるわけですよ、今回も。鯉太郎は現在もはや満身創痍。そのボロボロの体を突き動かすのは、こういう兄貴たちへの想いもあるわけで、いやー、やっぱり『鮫島』は最高ですね!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結。いよいよ三役戦!! 
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 とうとう空流親方の想いと【白水】兄貴の想いは重なり、そして新技のショートジャブ「コゴリラ張り手」を無意識に編み出した【白水】兄貴。ところで、【白水】兄貴はこの9日目で、星はどんなもんなんでしたっけ? 現在小結で、横綱には負けているわけで、何勝ぐらいしてるのかな? 自分より上位の三役との戦いがフルで組まれてるはずだけど、勝ち越さないとまた平幕だぞ! がんばれ【白水】兄貴! そして来週は、記念すべき第100話です! 以上。

↓ ホントにしつこいですが、来週発売ですよ!わたしは紙と電子両方買います。

 

 

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