2016年11月

 いやー。参った。こういう作品だったとは。とても驚き、そして――泣けた。
 日曜日に観に行った、『この世界の片隅に』というアニメーション映画のことである。
 わたしは、映画を観て、驚き、笑い、ほほえましくて嬉しくなり、そして泣いたわけだが、終了後、すぐにカフェでコーヒーを飲みながらタバコをくゆらせつつ、その場で原作コミック(上中下の3巻)電子版をまとめて買って、すぐに読み始めた。 たぶん、映画を観終わって10分以内であろうか。そして、映画がほぼ原作コミックを忠実に再現した作品であることを知ったのである。なんてこった。こんな素晴らしい漫画を全然知らなかったとは。こういう作品を知らないなんて、ホントにオレも大した事ねえなあ、と自分にガッカリである。
 はっきり言って、この作品は日本人すべてに観ていただきたいと思う。本当に素晴らしい作品であった。個人的には完全に『火垂の墓』をぶっちぎりで超えてるね。ずっと心に残る映画だと思います。

 上記予告は、セリフの一切入っていない、最初の特報である。セリフの入った予告もあるのだが、あえてこちらを紹介してみた。セリフありVerよりもこちらを観ていただいた方が、世界観は伝わるような気がするので。
 ただ、これだとどういう物語かさっぱりわからないと思う。実のところ、わたしもどんなお話か、まったく予習せずに観に行ったのだが、その分、え、こういうお話なんだ、という驚きも強まったのかもしれない。もちろん、原作コミックが存在していることは知っていたが、原作も読まないで、観に行った。結果論としてはそれでそれでアリだったように思う。
 というわけで、物語について書き記すのはやや気が引けるのだが、少しだけ書いておくと、本作は広島及び呉を舞台に、昭和9年から昭和20年まで、そんな時代に少女から大人になった一人の女性の目を通して、戦争前から終戦を迎えるまでの日常を、淡々と描いたものだ。淡々と、というのもふさわしくないか。何しろ激動の時代であるし、舞台は広島と呉であり、当然、原爆投下も物語に描かれるわけで、凄惨でもあるし、現代に暮らす我々の想像を超える厳しい日常でもあるのだから。
 しかしわたしはそれでも、淡々とした生活、という表現があながち間違っていないような気もしている。それはひとえに、主人公の「すず」さんのキャラクターによるものだと思う。
 「すず」さんは、広島の江波の海のそばで、海苔作りを生業とする家に生まれた少女だ。おっかないお兄ちゃん(怖いから鬼(オニー)ちゃんと呼ぶ)と妹の「すみ」ちゃんの3人きょうだいで、絵を描くことが大好きな、いつもほんわかしていて、ゆっくりな、おっとりガールである。
 そんな「すず」さんは18歳で呉にお嫁に行く。本人は全く知らない(正確に言えば少女時代に出会っていることを覚えていない)相手に嫁ぐなんて、今では考えられないけれど、当時はごく普通のことだったんだろう。そしてそこで優しい夫の周作さんと、周作さんの両親、そして結構辛辣な周作さんのお姉さんと、その娘「晴美」ちゃんとの共同生活を始めるが、やがて戦争は激しさを増し、ついに呉も空襲にさらされて――てな展開である。
 「すず」さんはとにかくマイペースかつぼんやりさんなので、お姉さんにはくどくど説教されるけれども、それでも一生懸命毎日を生きるわけだが、そのなんとも耳障りのいい広島弁の喋りは、観ている観客すべてに好意的な印象を残すような、楽しくてかわいい女性だと思う。絵柄も非常に柔らかなタッチで大変好ましいと思うのだが、この辺は好みによるのかもしれない。ただまあ、この絵を観て不快に思う人はまずいないだろうな。さらに言えば、「すず」さんの声を担当した、能年玲奈ちゃんこと「のん」ちゃんの声優ぶりも大変「すず」さんのキャラクターに合っていると思うし、実際とても芝居ぶりが良い。このBlogで何度も書いている通り、わたしは「声」で女性を好きになることが多いほど、「声」フェチめいたところがあるのだが、やっぱり、とても可愛らしい声だと思う。
 また、先ほど「ほぼ原作コミックを忠実に」と書いたけれど、一部大幅カットとなったエピソードや、細かいセリフのカット/追加などもあった。大きくカットされたのは、呉の遊郭の遊女「白木リン」さんのエピソードで、登場はするけれども原作のような背景や、夫の周作さんとの関係は、映画では描かれていないので、鑑賞後にすぐに買って読んだ原作でその辺りが結構描かれていることには驚いた。この部分をカットした判断は、良かったのか悪かったのかで言うと、わたしはこれで良かったと思っている。もちろん残っていればそれはそれで勿論アリだと思うけれど、この部分がカットされたことで物語はもっとストレートに、「すず」さんの毎日を追えたのではないだろうか。周作さんの想いもストレートになったと思うし、一層のこと、「この世界の片隅」で出会った二人の世界を好ましく描けたように思う。まあ、時間の制約もあるし、やむを得ないというか、実際仕方がなかった面もあるだろう。まあ、偶然にしては出来すぎな面もあるといえばあるしね。ところで、さっき初めて知ったのだが、本作は2011年にTVドラマ化もされてるんすね。しかもどうやら、このアニメ版でカットされた白木リンさんとのエピソードがきちんと描かれているみたいですな。ははあ、なるほど、ドラマ化されていたとは全然知らなかった……。
 というわけで、わたしはとてもこの映画を気に入ったし、主人公「すず」さんをとても可愛らしい女性だと思ったわけだが、少し思うのは、女性がこの映画を観たらどう思うのだろうか、という面だ。女性から見て、「すず」さんは好ましく見えるのだろうか? この点は、男のわたしには正直分からない。わたしのように、好意的に見る人もいるだろうし、あるいは、現代的に見てあまりに主体性がないと思う女性もいるような気もする。そういった意見が様々にあるのはきっと当たり前だろうと思うので、別にいい悪いの問題ではないのだが、やっぱりわたしは「すず」さんを嫌いになれない。物語のラストでの「すず」さんのセリフは心に響きましたなあ。
 本作は、マジでグッとくるセリフが多いんすよね……その中でも、わたしが一番グッと来たのは、やっぱりこれかなあ……。確か映画ではちょっと言葉が違ってたような気もするが、原作のセリフを引用するとこんな感じです。
 「生きとろうが死どろうが もう会えん人が居って ものがあって うちしか持っとらんそれの記憶がある うちはその記憶の器として この世界に在り続けるしかないんですよね 晴美さんとは一緒に笑うた記憶しかない じゃけえ笑うたびに思い出します たぶんずっと 何十年経っても」
 そうなんだよな……この世に遺された人間に出来ることは、憶えていること、それだけだもんね。悲しんだり、恨んだり、墓を立てたり、何か形に表したり、いろいろなことをしても、やっぱり一番大切なのは、亡くした人をいつまでも憶えていること、に尽きますな。人は記憶の器、か……その表現はなんか詩的で美しいような気がしますね。わたしは大変心に残りました。

 さっき調べたところによれば、今月発表された2016年6月1日現在の確定値で、日本人の総人口125,134千人に対して、75歳以上の人々の人口は16,747千人。その割合は13.4%ほどだそうだ。つまり、1945年当時4歳の人が現在75歳なわけで、それ以前の生まれの人を仮に「戦争を知っている人」とすれば、もはや日本人の86.6%の人々が「戦争を知らない」わけだ。もちろんわたしも戦争を知らない世代である。そして、両親がキリギリ戦争を知っていても、あまり両親や爺ちゃん婆ちゃんに戦争の話は聞いていない世代でもある。わたしよりももっと若い、20代や30代の人々なら、もう両親も戦争を知らない世代だろう。そういった若い世代の人間がこの映画を観ると、きっと得るものがあると思う。それはおそらくは、今の当たり前の日常を大切に思う心であったり、毎日を当たり前に過ごすことのできる幸運、というか、感謝のようなもの、だと思う。別にそれを毎日意識する必要は全くないとは思うけれど、知らないより知っていた方がいいのは間違いないだろう。わたしは、そういったことを知るのはとても大事だと思うし、ぜひ、この映画を観て、多くの人が昭和初期の人々の日常を知ってもらいたいと思うわけであります。記憶の器として、やっぱり受け継ぎたいものですなあ。
 きっと、日本各地でいろいろな生活があったんだろうなあと思うし、東京は東京で焼け野原になり、疎開先の生活もまたちょっと違うだろうし、地方でも空襲はあったわけで、この時代の暮らしを知るのは、やっぱり今の平成の世に生きる我々には必要なことだと思う。それは今を生きる責任とか、義務だとか、そこまで大げさに考えなくてもいい。ただ単に、今の自分が「この世界の片隅に」存在するに至った道筋の中で、ほんの70年ほど前にどんなことがあったのか、どういう運命の車輪が働いて、今、自分が生きているのか、そんなことを考えてみるだけで、なにか悪いことをしようとかそういう気持ちはなくなるんじゃなかろうか、とわたしは思うのです。
 でもまあ、現代人は、足元しか見てないからなあ……。過去には興味がなく、未来も観ようとせず、ただ今しか見ないでいると、人にぶつかるか、すっころぶか、車にひかれちまうと思うけどな。あーイカン。ただのおっさんの戯言になっちまうのでこの辺にしとこう。とにかく、本作は日本人すべてに超おススメです。

 というわけで、どうにもまとまりがないけど結論。
 『この世界の片隅に』という映画は、絵もいいし、音楽もいいし、のんちゃんをはじめとする声優陣の演技も素晴らしいし、もちろん、物語も大変心にしみる大傑作であった。たぶんわたしはもう一度観に行くような気がする。原作も読んだし、もう一度、「すず」さんに会いたくてたまらない。原作も超オススメです。電子書籍だと3冊で1500円ぐらいじゃないかな。絶対に買って損はしないと思う。もちろん映画も、観て損は致しません。最高でした。以上。

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  というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末は、『ファンタスティック・ビースト』と、『この世界の片隅に』を観てまいりました。まあ、『ファンタビ』は老人から子供まで幅広い客層でしたが、わたしが観たのは3D字幕版なので、どっちかというと大人の方が多かったす。しかし、わたしが驚いたのが『この世界の片隅に』の方で、老夫婦や一人のお爺ちゃんクラスの方が多く、やけに年齢高めでした。確かに、内容的には年齢高めの方の方がグッとくるのかもしれませんが、おっさんのわたしも大感動&大感激で、いやー、大変心にしみる作品で、ホントにいいお話でありました。明日レビューを書こうと思ってます。ちなみにわたしは原作未読だったので、劇場を出てすぐに電子書籍版を買い、カフェでしばらく読みふけりましたが、かなり原作に忠実な映画でしたよ。超オススメです!!
 
  さてと。それではいつもの週末興行数値を興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が土日の二日間で8.2億稼ぎ、公開初日の水曜日から通算5日間で早くも17億を超えたそうです。さすがですな。ただ、わたしが想像していた物語と全然違っていて、わたしはまた魔法動物をメインとした博物的な物語かと勝手に思い込んでいたのですが、思いっ切りバトル展開になり、シリーズ的にもどうも暗い方向へ行きそうな?予感がしました。これって原作通りなのかしら? 読んでいないからわからんです。まあいずれにせよ、100億に届くかどうか、今後の伸長を見守りたいすね。
 2位:『君の名は。』が14週目にして194億まで積んだそうです。こりゃあもう、どう考えても200億突破は時間の問題です。年内に。まったくもって本当に凄いす。なんも言えねえですな、もはや。
 3位:『ミュージアム』が16日間合計で10億に届いたのではなかろうか。かなり頑張ってます。この分だと15億は大丈夫、20億はどうだろう、ぐらいな着地でしょうか。20億も楽に届くかどうか、今週来週の興行が重要すね。
 4位:『疾風ロンド』が公開土日で1億チョイじゃなかろうか? 具体的な数字は分からないですが、東映的には若干弱めな出だしの数字でしょう。この分だと、まずは10億が壁になりそう。超えられるかどうか期待したいですが、ちょっとどうかなあ……東野圭吾先生のベストセラー原作ということで、大丈夫、と思いたいが……。ところでこの作品って、コメディなんですか?
 5位:『劇場版艦これ』が公開土日でこちらも1億チョイ稼いだ模様ですね。たった60スクリーンでこの数字は、たぶんアベレージで見れば『ファンタビ』以上じゃなかろうか。凄いもんですなあ。10億に届くのか、さっぱりわからないです。
 6位:『この世界の片隅に』が16日間合計で3億チョイあたりと見積もる。公開3週目で大幅ランクアップキターーー!! 冒頭に書いた通り。マジで最高なので、是非とも多くの方に観ていただきたいと思います。そして、原作コミックもぜひ読んでいただきたいですね。わたしは劇場を出て10分後には全巻(上中下の3冊です)買って読み始めておりました。相当泣けるし、ほほえましくて笑えるし、グッと心に刺さるものがあるし、大変素晴らしい映画だと思います。今、なんか映画でも観ようかしらと思った方は、この映画で決まりですよ!! 最高です。
 7位:『デスノート Light up the NEW world』が30日間合計で20億に乗ったかどうかまで積んだと見積もる。これまた大したものですなあ、もう映画的には10年経っているのにね。つーか、あれからもう10年経ったのかと思うと、あまりの時の流れの速さに愕然としますね。おっさん的には。
 8位:『ジャック・リーチャー:Never Go Back』が17日間合計で、まだ7~8億ぐらいと見積もる。10億には全然届いていないはず。まあ、この調子ならなんとか10億には載せたいですな。前作が11.3億だったので、ひょっとしたら近い値まで行けてしまうかも? 何気にTom氏の人気はさすがですな。
 9位:『聖の青春』が9日間でおそらく2~3億ぐらいと見積もる。かなりTV方面ではキャストを動員したプロモーションをしている印象だけれど、ちょっと数字的には弱いかも。先日はNHKでも村上棋士の番組をやってましたが、どうも動員につながってないような……。
 10位:『溺れるナイフ』が23日間合計で5~6億ぐらいと見積もる。出だしは結構良かった印象ですが、ちょっと元気なしでこの分だと10億に届かず、の見込みです。

 とまあ、こんな週末だったようです。

 ところで、わたし的には、年末は『ROGUE ONE』で決まりなわけですが、実は今、さんざん劇場で予告を流している『本能寺ホテル』が気になって仕方ないのです。これって、原作あるのか? と思って調べてみたところ、どうも完全オリジナル脚本みたいですな。 オリジナル脚本なんて、東宝作品としては三谷幸喜作品以外では相当久しぶりなんじゃなかろうか? いや、そんなことないかな……どうだろう。
 もちろんわたしは綾瀬はるか嬢は可愛いと思ってますので、まあ綾瀬嬢観賞ムービーになっても構わないわけですが、それよりもですね、基本プロットが、なんとなくわたしが世界で最も好きな作家、Stephen King先生の『11/22/63』に若干似ているような気がしてならないのです。いや、まあ、似てるのはタイムスリップするところだけかもしれないのですが、実に気になる映画として、大変期待をしております。

 というわけで、結論。
 まずは『ファンタビ』が上々の滑り出しで、どこまで伸びるか期待しつつ、『君の名』も200億は確実ということでまあ大方の予想通りの週末だったと言えそうです。 
 しかし、本当に『この世界の片隅に』は良かったですよ。キャラクターも大変魅力的だし、思った以上に、主人公の「すず」さん を演じた能年玲奈ちゃんこと「のん」さんの声はぴったりだったように思います。原作コミックを読んでから、もう一度観に行ってもいいかも、とさえ思ってます。以上。

 日本の出版界は、残念ながら完全に右肩下がりであり、ひどい言葉で言えば斜陽産業なわけだが、2000年代、書籍売上において、ある作品が発売になると前年よりも数字が上がる、スーパーウルトラ大ベストセラー作品シリーズがあった。言わずと知れた『ハリー・ポッター』シリーズである。映画においても、全8作すべて大ヒットしたシリーズであり、もはや日本においても絶大なる知名度を誇る作品だ。
 かく言うわたしは、実は原作小説は一切読んでいない。何故読まなかったか、特に明確な理由は思い当たらないが、おそらく高くて買わなかったんだと思う。後半は上下巻だったし。ただし、映画はすべて劇場で観た。が、原作を読んでいないわたしにとって、映画は、正直に言ってややわからない点がいくつかあって、若干ノれないというか、最高に好きな映画、というわけではなかった。とりわけ、後半のお話はどんどん暗く、果たしてこれを小学生が観て理解できるのだろうか?と思うような展開になり、実は、恥ずかしながら映画しか見ていないわたしは、ラストのハリー陣営の勝利条件をはっきり覚えておらず、何を求めてハリーたちが行動しているのか、分からなくなる部分さえあった。ニワトコの杖(=ダンブルドアの杖)とか、なんのことやら?  とか思ったし、結局スネイプ先生は……いい人だった、ってことだよね?みたいな実にあやふやな感想で終わってしまった。ま、これはわたしの理解力のなさゆえだろう。全くもってサーセンとしか言いようがないが、映画しか見ていない、しかも1度だけ、の観客で、あの物語をきっちり正確に理解するには、そもそも映画の上映時間が長すぎると思うし、シリーズとしても長期にわたりすぎていると思う。
 とまあ、そんな、ある種の言いがかり的な感想しか持っていないわたしなので、実のところ、「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフが映画になる、と聞いても、それほど超みたいぜ的な期待はしていなかったのが、正直な心境である。 しかし、やっぱりシリーズを観てきた人間としては、観ておくべきだろう、というわけで、昨日、美術館に絵画を観に行った帰りに観てきたのが、『Fantastic Beasts & Where to Find Them』(邦題:ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅)である。結論から言うと、この映画も、わたしには若干のノれない、微妙作にとどまったのである。ただしその美術は極めて高いクオリティであり、さらに、この物語に登場する「魔法動物」たちは大変魅力的であったことは明記しておきたい。というわけで、いつも通り以下ネタバレ全開です。結構クリティカルなネタバレもあるかもしれないので、自己責任でお願いします。

 おそらく、上記予告を見てもどんなお話か、さっぱり分からないと思う。わたしも、実際に本作を観る前に想像していたお話と全然違っていて驚いた。ごく簡単にまとめると、時は1926年。一人の魔法使い、ニュート・スキャマンダーがロンドンからの船旅を経てアメリカ合衆国のNYマンハッタンに上陸するところから物語が始まる。彼は、元々イギリス魔法省の職員だったらしいが、魔法動物学者(?)として世界各国を旅しており、アメリカに上陸した目的は、アメリカ原産のとある魔法動物をその生まれ故郷に返してあげよう、というものだったらしい(ただしそれがわかるのはかなり後)。そして上陸後、あっさりトランクに詰めていた魔法動物に逃げ出され、その回収の騒動を起こし、これまたあっさり、アメリカ魔法省の役人に逮捕される。折しも「グリンデルバルト」という悪党魔法使いが世界を不安に至らしめている情勢であり、アメリカ国内では人間に魔法使いの存在を知られそうな緊張状態にあって、ニュートが上陸する前から、NYは、人間にとっては謎の現象が起きていて、魔法使いにとってはグリンデルバルトの襲来ではないか、と不安が高まっていた―――てな展開である。
 こういう基本的な状況説明も、かなり駆け足なので、どうもピンとこない。そして、わたしが一番よく分からないというか、何なんだコイツ、と思ったのが主人公ニュートのキャラクターである。
 まず、魔法動物に逃げられる点からしてうかつすぎる。また、捕まえようとする行動も、実にスットロイ。全然必死さがない。だから、ニュートの本当のUS上陸の理由が明かされるまでは、コイツ、一体何しに来たんだ……? という思いが消えない。おそらく、ニュートが余裕をかましているのは理由が明確にあって、まず、逃げた魔法動物はそれほど人間に危険なものでない、という点が一つ。そしてもう一つは、人間に目撃されたり、モノを破壊しても、ごくあっさり魔法で何とかなるのだ。人間の記憶は簡単に消せるし、そして破壊された建物も、ごくあっさり魔法で直せる。だからきっと、ニュートはのんきなんだろうと思う。
 思うのだが、そんなことは分からない人間のわたしには、超イライラした。なんでもっと本気でとっ捕まえないんだこの人!? 余裕ブッこいてる場合じゃねえのでは!? おまけにあっさり逮捕されて、なんなのこの人? とわたしは見ながら思っていた。まあとにかくそこらじゅうを破壊して回るので、いくら魔法で直せるとはいえ、ホント大丈夫なのかと心配になるレベルであること請け合いだ。そもそも、捕獲するのになぜ魔法使わないんだコイツ? 一発で捕まえられるんじゃないの? とわたしは観ながらずっと思っていた。
 また、そういった逃げた魔法動物探しの一方で、物語の本筋?となるUS魔法議会長官であるグレイブスの怪しい動きも、いつまで経っても交差しないで、どう関係してくるかよく分からない。後半、ニュートのトランクの中(4次元ポケット的に広大な空間になっている)にいる、魔法使いの不安や恐怖から生み出されるモノ(?正直動物なのかよく分からない)が、関係してきて、それがどうやらグレイブス長官が求めているものらしい、ということが分かってくるが、実際、最後の展開はかなり急で、バタバタしているような気がした。いや、なんというか、ニュートの行動と物語の本筋と、バランスが悪いというか、まとまりがないというか、とにかく脚本的にどうも問題アリなような気がしてならない。はっきり言って、長官の正体と、真の姿を演じたとある有名スターなんて、まったくどうでもいい。普段の長官を演じたのは、ミスター富士額でおなじみのCollin Farrell氏だが、ラストでこのキャラが実は……となるわけで、そのラストで現れる真の姿を演じた役者にわたしはびっくりしたけれど、だから何なの程度であった。あのラストは、原作ファン的には非常に盛り上がるところなのかな?
 加えて言うと、本作は上映時間133分と若干長い映画だが、ズバリ言って明らかに長すぎる。もうちょっと脚本を整理すれば、120分で十分まとまると思う。ストーリーに関係しない余計な部分もあるし、妙な間も長い。そして、決定的に物語のテンポが悪すぎるように思う。そして、わたしは本作を3D字幕版で観たのだが、相変わらずCGの動きが早すぎて、ファイナルバトルはもう、何が何やらで全く目が追いつかない。これは普通に2Dで観た方が良かったかもな、と思う映像であったことは記録に残しておこう。結構暗い場面も多いし、わたしの視力のせいなのか、イマイチ映像にシャープさが足りず、どうもはっきりくっきりしない画で、観ていて疲れる画でもあった。
 とまあ、ひどいことばかり書いてしまったが、この映画でやっぱり素晴らしいのは、数多くの魔法動物と、キャラクターたちの着る衣装デザインといった美術面であろうと思う。こちらはホントに金がかかってるなーという極めてクオリティの高いもので、特に衣装が素晴らしい。ニュートの着ている青いコートがやけにカッコいいんすよ。ああいうコート、売ってないからなあ……わたしはオタク野郎なので、欲しいものがあれば買うし、なければ作るしかねえ!! という行動の男なので、いつかあのコートを作ってみたいと本気で考えている。またほかのキャラクターの衣装も、どれもカッコ良かったのが、今回わたしにとって一番強い印象を残した。魔法動物は、基本的にすべてCGだが、やっぱりどれも本当に生きているようにしか見えないハイクオリティなCGで、その点での観ごたえも抜群であろう。(※2017/02/27追記:やった!アカデミー衣装デザイン賞受賞!やっぱりカッコイイもんな!)
 また、キャラクターも、ニュート側の話だけでいえば、人間のジェイコブと魔法使いのクイニーの恋の行方はなかなか見ていてほほえましく、切なくもあって大変良かったと思うし、ニュートも、そもそも演じたEddie Redmayn氏のイケメンぶりはそのカッコイイ衣装も相まって大変際立っていた。彼をわたしが初めて知ったのは、やっぱり『Les Miserables』のマリウスを演じた時だけれど、あの時からカッコ良かったし、歌もなかなかいいし、特に、アカデミー賞のパフォーマンスの時の、コゼットを演じたAmanda Seyfried嬢とのラブラブぶりがとても印象的だった。もうすでに栄光のアカデミー主演男優賞を受賞した男であり、今後も大活躍が続くのでしょうな。間違いなくイケメンだし演技派だと思う。
 たぶん、本作の監督であるDavid Yaets氏は、『ハリーポッター』の後半のダークな空気感そのままに、本作を撮ってしまったと思うのだが、その結果、たしかに『ハリー』の世界観そのままの雰囲気だし、ひょっとしたら原作ファンからすれば、もうこれ以上ない映画化だったのかもしれない。しかし、だ。たぶん、わたしは監督を変えるべきだったような気がしてならない。本作の主人公は、あくまで動物学者ニュート・スキャマンダーであり、もっと魔法動物とニュートを明確な主人公とした、楽しい作品にすべきだったんじゃないかという気がする。本作が、シリーズ2作目とか3作目なら文句は言わないけれど、1作目でちょっと詰め込みすぎなんじゃね? というのがわたしの今回の結論であろうか。でもまあ、次のニュートの冒険も、たぶんわたしは観に行くと思う。でも、ニュートには純粋に学者として、旅をしてもらいたいわけで、妙なバトル展開はもう、どうでもいいかな……。

 というわけで、結論。
 結論はもう書いてしまったけれど、正直、わたしとしては、お話し的に微妙だとは思うものの、間違いなく超一流の人々が作り上げた作品であることは疑いようもなく、それだけに、なんかとても残念だと思う映画であった。やっぱりシリーズ1作目は、もっと世界観と、主人公のキャラクターをわかりやすく描いてほしかったですな。ニュートがUS上陸前に、それぞれの魔法動物を集める過程の方が、わたしは観たかったっす。以上。

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NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン
2016-11-02


 

 そういえば、そろそろ行かねえと終わっちまう……と昨日の夜、ふと気が付いたので、今日は朝から上野へ行ってきた。目的はこれ↓。上野の東京都美術館にて絶賛開催中の『ゴッホとゴーギャン展』である。
Goch_tiket
 まあとにかく、昨今の絵画展はビックネームの場合はもう確実に混雑は必至であり、わたしは大抵朝イチに行くわけだが、今日は9時半開場ということで、9時10分ぐらいに現地到着を目標に家を出た。実際に上野の森美術館に着いたのは9時09分だったが、既に80人ぐらいかなあ、100人まではいかないかな、ぐらいの方々が、寒空の中、列を作っていた。しかし今日は9時20分に開場してくれ、館内へ移動し、それからもうすぐ会場入りすることができたので、寒さに打ち震える時間はごくわずかで済んだ。お気遣いあざっす。そしていざ入場した館内の混雑具合は大したことがなく、十分堪能できたと言えるだろう。
 以前、このBlogにも書いた通り、わたしが好きな三大画家はゴッホ・ターナー・マグリットである。なので、ゴッホ展となればわたしは迷わず会場へ足を運ぶわけだが、今回来日した作品は、主にオランダのゴッホ美術館からやってきた作品がメインで、風景・静物・人物と基本は揃っていた。が、正直、ちょっと地味かな、という印象である。去年、NYにて観たMetropolotan-Museumの常設の方が質・量ともに圧倒的に勝っているのは、まあ当たり前かもしれないが、しかしホントに、METはすげえなあと思う。METに行くためだけにでも、またNYに行きたい……。そして今回の企画は、あくまで『ゴッホとゴーギャン展』なので、もちろんのことながらゴーギャンの作品も多いのだが、いわゆるタヒチものは少なく、ゴーギャンの作品もやや地味、であったように感じた。また、比較的わたしが知っていることが多く、えっ、そうなんだ!? 的な驚きのようなもの少なく、実にスッと観終ってしまったような気がする。ただし、会場はご存じのとおり3層になっている東京都美術館なので(エスカレーターで2回、上階に登る)、点数は多く、見ごたえはあったことは間違いない。
 実は……どうも書くことがないんすよね……。いまさらゴッホとゴーギャンのアルルでの生活を長々と書いても仕方ないしなあ……。
 というわけで、今日、わたしが一番気に入った作品を紹介してお茶を濁そう。
 今日の展覧会の中で、わたしが一番気に入った作品のポストカードを買ってきたので、スキャン画像を貼ってみよう。これです↓。実物の作品の大きさは、かなり小さくて24cm×19cmだって。B5サイズ=25.8cm×18.2cmだから、まさにB5判ってとこすね。
Armond_Gogh
 これは、「Blossoming Almond Branch in a Glass」という作品で、アーモンドの花、なんですって。わたしは、この作品を一目見て、「あれっ!? なんかやけに日本ぽいな!?」と思った。わたしのゴッホ知識では、確かにアーモンドの小枝がグラスに生けてある作品があることは、画集か何かで観て、おぼろげに記憶にあったのだが、こんな絵だったっけ?と思った。てゆうか、わたしはこの絵を見て、「桜」の小枝かと思った。だから日本っぽい、と感じたのかもしれない。
 この絵のことが妙に気になったので、さっき帰って来てから調べてみると、おお、これこれ、これとオレは勘違いしたんだ、という作品が見つかったので紹介しておこう。
Blossoming-Almond-Branch-in-a-Glass-with-a-Book
 ↑ これっす。Wikiによれば、この二つの作品はいずれも1888年の作品で、別に創作時期が違うってわけではないみたい。なのに、これほど作風が違うって、面白いと思いませんか?
 実は、なぜこれほどタッチが違うのか、今日の展示にはヒントというか答えが書いてあって、わたしが「やけに日本っぽい」と感じた理由がズバリ書いてあった。というのも、ゴッホは日本の浮世絵が大好きだったわけですよ。有名ですわな。いわゆる「ジャポニスム」ってやつですが、今日わたしが観たアーモンドの作品は、ゴッホが浮世絵をイメージして描き上げたものなんですって。そう聞くと、すごい腑に落ちませんか? わたしは、ああ、なーるへそ、と妙に納得である。 
 ちなみに、下の、いかにもゴッホらしいタッチの作品は、誰かの個人が所有している作品だそうで、ああ、ホント、こんな作品を家に飾れたら、最高でしょうなあ。いつか本物を、自分のものにしてみたいすねえ。金の問題じゃないんだろうなあ、こういう作品を所有するというのは。でも、金を出せば買えるなら、いつかその野望をかなえてみたいと、あきらめないで、日々頑張って生きていきたいものですな。
 わたしの生涯の野望は、ゴッホ・ターナー・マグリットという、わたしの大好きな三大画家の作品を家に飾ることなんですが、そうだなあ、15回ぐらい生まれ変わらないと無理かなあ。がんばろっと。

 ちなみに、現在上野では、今日わたしが行った東京都美術館の対角線(?)にある上野の森美術館において「デトロイト美術館展」が開催中である。そちらでも、ゴッホの作品がメインとして来日している。こちらは、なんと月曜日と火曜日限定で、展示作品の写真撮影が可能!!! と日本では珍しい展覧会となっているらしいので、わたしは今日一緒に観ちゃおうかと思ったけど、せっかくならやっぱり月曜か火曜に行こうと決め、今日は前を通るだけにしておきました。来週……は無理か、まあとにかく、近日中にそちらも行ってこようと思っています。

 というわけで、結論。
 上野の東京都美術館で開催中の『ゴッホとゴーギャン展』だが、もう始まってからだいぶ経ったし、朝イチだったので、超快適に観賞することができてよかった。帰りに入り口を通ったけど、それほど混んでいる様子はなかったすね。展示されている作品はもちろん素晴らしいけれど、若干地味かも。その中でわたしは「グラスに生けられたアーモンドの小枝」という作品が一番気に入りました。そして、早めに「デトロイト美術館展」も行こうと思います。以上。

↓ これの会場限定のホットチョコスプーンをお土産に買ってきたっす。うまそう!冬はホットチョコに限りますな!

 

 おとといの勤労感謝の日、わたしはTOHOシネマズの1か月フリーパスで、『ファンタスティック・ビースト』を観に行く気満々であったのだが、残念ながらフリーパスは「当日の窓口」でないとチケットを発行してもらえない弱点がある。なので、わたしは朝イチの字幕の回を狙っていたのだが、既に家を出る30分前には、朝イチの回も昼の回も夕方の回もほぼ満席となっていることがWebチケット販売の画面で確認できていたので、素直に、ああ、今日はダメだこりゃ、とあきらめた。
 とはいえ、せっかくの休日&せっかくのフリーパスなので、ちょっともったいねえなあ、と思いつつ、他に何かめぼしい映画はないかしら、というわけで、おとといは全く別の作品を観ることにした。結果、わたしが選んだのは『The Girl on the Train』である。どんな映画なのは、一応予告を何度か劇場で観ているので、薄らぼんやりとは承知しているけれど、実際のところは単に主演のEmily Bruntt嬢を眺めに行くか、ぐらいの軽いノリであったのだが、これまた恐ろしく後味悪く、なかなか気分のいい映画ではなかった。ただし、脚本的にはややトリッキーで、前半からは想像していなかった意外な展開は、あ、そういうことなんだ、なるほど、と、ミステリー小説を読んでいるような気分にさせてくれる映画であった。ま、きちんと原作小説のある作品なので当たり前だけど。
 というわけで、以下、ネタバレ全開ですので、自己責任でお願いします(ただしズバリの犯人については書くつもりはありません)。

 上記予告を観たら、誰しもが、主人公が電車から失踪した女性を見かけたことで、事件に巻き込まれていく話かな、と思いますよね? 少なくともわたしはこの予告を何度か劇場で観て、そう思っていた。しかし、はっきり言うと全くそんなお話じゃあなかった。説明のために、冒頭の20分ぐらいで判明する主なキャラクター像を紹介しておこう。最初に言っておきますが、このキャラクター像は、最終的には全然間違ってます。いわゆるミスリードってやつですな。
 ◆レイチェル
 主人公。アル中。演じたのはEmily Brunt嬢33歳。つか、今回のEmily嬢はアル中でひどい顔をしているので、とても33歳には見えない。もっと老けて見える。全然Girlじゃねえじゃん!というのがわたしの真っ先に抱いた感想。マンハッタンへの通勤電車から見える、元夫とかつて自分が住んでいた家と、その隣の家を眺めて(つーか覗いて)妄想する頭のおかしいサイコ嬢。ぐでんぐでんに酔っぱらっていたため、肝心の事件当日の記憶なし。
 ◆トム
 レイチェルの元夫。演じたのはJustin Therux氏45歳。レイチェルがアル中になったのは、人工授精もうまくいかず子供ができないためだけれど、そのアル中ぶりがひどくて離婚した。ただし自分も女グセの悪いクソ野郎。眉がクドイ。つか顔全体がクドイ。
 ◆アナ
 トムの現在の妻。演じたのはRebecca Ferguson嬢33歳。へえ、この人はスウェーデン人なんですな。実はレイチェルと離婚する前から、トムはアナと不倫していて、トムに離婚しろとたきつけた張本人。さっさと子供を作って、かつてレイチェルとトムが住んでいた家に平気で暮らしている。子供はベビーシッターに任せて、自分はLOHAS生活に余念なし。なかなかの美女。
 ◆メーガン
 トム&アナの隣の家に住む若い女。演じたのはHaley Benett嬢29歳。トム&アナの子供のベビーシッターをしていたが、キャリアアップのため転職。その際、アナに、でめーの子供はテメーが面倒見ろよ、と若干けんか腰で言ってしまってやや気まずい。何やら複雑な過去がありそうな、妙にセクシーな美女。レイチェルはいつも、この女なんて幸せそうなの、イケメンの旦那もいて、いつもいちゃいちゃしていて、と毎朝メーガンのことを電車から眺めていたが、ある日、メーガンと別の男がいちゃついているところをレイチェルは目撃し、その翌日、メーガン失踪のニュースを知ることになる。
 ◆スコット
 メーガンの夫。演じたのは、『The HOBBIT』で弓の達人バルドを演じたことでおなじみのLuke Evans氏37歳。若干やくざっぽい雰囲気だが職業不詳。メーガンとの子作りに余念がなく、SEX依存症なんじゃねえかと心配になるほどヤリまくっているハッスルGUY。若干変態のイケメン野郎。
 
 とまあ、最初の段階ではこんなキャラクター像が観客に提示される。なので、あまりにレイチェルのアル中ぶりがひどくて、残念ながらわたしは全く感情移入ができない。こいつ、人をぶっ殺しておいて、酔っぱらってて憶えてないとでもいうつもりか? みたいな感じであった。実は、この状況は、かなり先までずっと続く。各女性キャラの目線に、カメラの視点は次々移っていくのだが、残念ながらどんどんと、レイチェルがイカレた女にしか思えない展開である。しかし、ラスト30分ぐらいで急に、実はそれは違っていた、というヒントが提示され、そこからはかなり急展開となり、事件はきっちり片が付くわけだが、正直わたしは、やれやれ、なーんだ、で終わってしまった。最後まで、全キャラに対して好意を抱くことができなかったわけだが、わたし的に唯一、この人は可哀想だったね、と思うのは、変態ハッスル野郎のスコットだろうか。彼は今回純粋に妻を殺された被害者であり、犯罪も何一つかかわっていない。大変かわいそうではあると思うが、いかんせん変態なので、あまり同情心は沸きません。なんでまたこの役をLuke Evans氏が引き受けたのか知らないが、うーん、もったいないキャスティングのような気がしてならない。
 キャストとしてはわたしが一番気に入ったのがメーガンを演じたHaley Benett嬢だろう。彼女は、何かフェロモンめいた妙なセクシーさがプンプン漂っているお方で、実になんというか……エロい。男としては、だがそれがいい、わけであって、おまけに恐ろしく幸薄そうな表情も極上であった。大変美しい方だと思います。
 ところで、わたしはクソ映画オタク野郎なので、レイチェルが通勤の時に降りる駅が、明らかにマンハッタンのGrand Central Stationであり、去年見た光景そのままだったので、おお、じゃあ、レイチェルが通勤電車から毎日眺める景色はGoogleMapで探せるのかな? と、さっきいろいろ調べてみた。
 確か、作中でレイチェルが毎日眺めるかつての家は、Ardsley-on-Hudson駅が最寄駅だと言ってたような気がしたので、帰ってから調べてみたところ、確かにその駅はすぐ見つかった。なるほど、やっぱりレイチェルが乗っていた電車は、Grand Centralを起点にしたMetro-North鉄道のHudson線で間違いないようだ。ちなみにディーゼル車なのかな、と思ったけど、だいぶ北の方以外は電化されてるみたいなので、一応「電車」すね。そしてArdsley-on-Hudson駅は、Grand Central Stationから21.7マイル(=34.72Km)ほどらしい。つまり……ええと、東京駅から中央線快速で国立駅までぐらいか。つーと、大体50分ぐらいってことかな。総武線快速だと東京駅から稲毛駅ぐらいか。まあ全然近くはないけど超・遠いってほどじゃない距離感なんだな。
 しかし、MAPで見てみると、どうやらこの路線は、その名の通りハドソン川左岸(※北を上とする普通の地図で言うと右側)をずっと北上する路線なので分かりやすいんだけど、川沿いだから、線路のわきは基本的に防風林のようになっていて、電車から家が見えるポイントがあまりないんだよな……ダメだ、作中に出てくる景色が全然見つからない……分からねえ。もっと北の方なのかな……。それともロケ地は全然別なとこなのかな。ラスト、とある場所からレイチェルがマンハッタンを遠望するショットがあるのだが、あれは明らかに、BROOKLYN方面から見たマンハッタンだったと思う。川(角度的にイーストリバーしかありえない)の向こうにマンハッタンのONE-WORLD Trade Centerが見えたので、たぶん間違いないと思う。
 ところで、なんでこんなことを調べてみようかと思ったかというと、通勤の距離感を知りたかったのが一つ、そしてもう一つは、ズバリ、他に何も書くことがなかったからである。
 たぶん、この作品は、小説で読んだ方が面白いのではないかと、特に根拠はないがそう思う。おそらくは、この小説はそれぞれの女性キャラクターの視点から語られる1人称小説なんじゃないかな。えーと、分かりやすく言うと、湊かなえ先生の『告白』的な作品なのではないかと予想する。つまりキャラクタはーは、自分の行動しか知らないわけで、出来事の真の状況を理解しておらず、自分の目を通しての出来事を語る形で、最後はそれが集約されて全貌が明らかになる、みたいな、そんなお話なんだと思う。なので、それを普通の映画にしてしまった本作は、しつこいけれど、全く根拠はないのだが、おそらくはその本来の味が薄まっちゃってるのではなかろうか。ま、そんなわたしの推論が正しいかどうかは、原作小説を読めば一発で判明することだけど、サーセン。あんまり読みたいとは現状思ってません。なので、もし原作を読んだ方が偶然このBlogを目に留めることがあれば、正解かどうか教えてください。間違ってたら相当恥ずかしいな……ま、いいや。

 というわけで、結論。
 なんとなく時間があったから観た、という全然消極的な動機で観てみた映画『The Girl on the Train』は、いわゆるベストセラーミステリー小説を映画化した作品であり、たぶん、原作小説の方が面白いんじゃないかと勝手に推測する。映画はですね……うーん……正直イマイチっす。なんかキャラクターに共感が持てなくて……わたしの好みには合いませんでした。申し訳ありませんが……。以上。

↓ これが原作っすね。おっと!? あ、そうなんだ、原作はロンドンが舞台なんだ。なるほど。へえ~。


 

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、スイスやフランスの皆さん、そちらの天候はいかがですか? 今日の東京は、クッソ寒いです。雪混じりの冷たい雨です。都内でこの時期に雪が降るのは54年ぶりだそうです。はーーーーマジで寒い……。そして日本では現在大相撲九州場所が開催されており、綱取りのかかっていた【豪栄道】関は昨日11日目時点で3敗とあっさり綱取り絶望、そして横綱【鶴竜】関と【日馬富士】関が1敗、【白鵬】関が2敗と優勝を争っておりますが、今場所は初入幕の【石浦】関が前頭15枚目で10勝1敗と非常に元気よく戦っております。【石浦】関は【白鵬】関と同部屋、すなわち弟弟子にあたるわけで、今後が大変楽しみであります。

 というわけで、まずは、いつも通り今週の週刊少年チャンピオン2016年52号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は松本愛嬢。大変良いモノをお持ちですな。
 ■『弱虫ペダル』:最終日スタートの巻。坂道……お前、水田君に負けるなよな……?
 ■『刃牙道』:次期US大統領、オーガに会うの巻。無事に「不可侵宣言」引継ぎ完了で笑えます。
 ■『囚人リク』:リク一行脱出への巻。久々登場の主人公リク、相変わらずの顔芸ですw
 ■『少年ラケット』:ジョー先輩の成長の巻。サブキャラもイイですなあ。
 ■『Gメン』:レイナ、勝太をデートに誘うの巻。完全に呼び出しです。どうなるか楽しみですな。
 ■『六道の悪女たち』:六道君乗り込むの巻。乱奈さん置いてけぼりがかわいそう……。
 ■『BEASTERS』:演劇部の公演の巻。部長!大丈夫なのか!? 大変イイです。!
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:那由多、世界の秘密を知らされるの巻。えっ!? そういう話だったの!?

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、相撲を楽しむ【天鳳】にゴリラ張り手をパクられ、キッツイ一撃を受けた【白水】兄貴がもうだめだ……と崩れるところに、審判席の空流親方から大喝が飛ぶところまででした。今週は、まずは気が遠くなる【白水】兄貴が頭の中で見る走馬燈が描かれます。
 かつての入門時から、今現在まで、常に兄貴として自分を奮い立たせてくれた【仁王】兄貴であり、現・空流親方。【白水】兄貴にとって、【仁王】兄貴は、つねにバカヤローが!! としか言ってくれないけれど、そのバカヤローが!! という言葉に対して「オッかなくて…」「口が悪くて…」「キビしくて…」「しょーもなくて…」「優しくって…」「強くって…」、と様々な感情を抱いていたわけです。そしてなにより、「カッコよくて…」「誇らしくって」「俺もいつか…あんな風になりてぇって…弱さを微塵も見せねー男になりてぇって…ずっと……ずっと……思ってた」男、それが【白水】兄貴にとっての【仁王】兄貴という存在でした。
 そんな、薄れゆく意識の中で走馬燈を観てる場合じゃないだろ、とばかりに、審判席にいる【仁王】兄貴から、「この バカヤローが!!!」とすさまじい怒声が飛び、【白水】兄貴の意識がはっきり戻ります。【白水】兄貴は、その声とともに、【仁王】兄貴こと空流親方の顔をはっきりと見ました。そして悟ります。
 「分かってるよ…分かってる…今の「バカヤロー」は…今のは…悲しんでる「バカヤロー」だ…」
 そうですよ、【仁王】兄貴はもう悲しいのです。何やってんだお前は!! という悲しみの「バカヤロー」ですよ!! というわけで、覚醒した【白水】兄貴は思います。
 「終われるか…あんな顔させたままで…終われるか…!!」
 そして「あああああ!!」という咆哮とともに、再び右のゴリラ張り手を繰り出します!! が、カウンターで【天鳳】のゴリラ張り手パクリVerが【白水】兄貴の顔面にクリーンヒット!! NHKアナウンサーも「強――烈――!!」と絶叫です。「やっぱ…俺じゃあ…」と再び涙目で崩れ落ちていく【白水】兄貴。
 しかし、【仁王】兄貴にも、兄貴なりの苦悩がありました。鯉太郎に言われるまでもなく、【白水】兄貴が必死で頑張っているのはよーく分かってる。そして頼りになる新寺親方に「力士時代は歯ぁ食い縛って背中を見せていればよかった…けど親方ってのはそれだけじゃやれねえ…」と言われているわけで、親方であることの自覚は十分に持っているつもりです。しかしです。
 「だが…ここで誉めちゃダメなんだ…アイツの持っているモノは…俺の真似で終わるもんじゃねー…白水(アイツ)の力は…必ず俺を超えていく…」
 だからこそ、【仁王】兄貴は審判という立場であるにもかかわらず、そして虎城理事長が厳重注意だな……と頭に来ているにもかかわらず、土俵に向かって再び叫びます。
 「オメーはオメーでいいんだ!! バカヤローが!!」
 【仁王】兄貴! なんでその言葉をもっと前にかけてやれなかったんだよ……!! 誉めちゃダメ、ってのは、部下を持つ身なら非常に実感できるわけですが、誉めるタイミングと言葉は、まあ新米親方にはそりゃあ難しいでしょうなあ……分かります。でも、ちょっと遅かったんじゃねえかなあ……。
 いずれにせよ、その一言で再び蘇生した【白水】兄貴。ぐっと体をこらえ、涙と鼻血で汚れた顔は、いささかも闘志を失っていません。そんな顔をされて挑まれては、対する【天鳳】関も嬉しくてたまらなくなります。思わずアハッと笑う【天鳳】関に、師匠の新寺親方は嬉しそうに言います。
 「久し振りだな…天鳳(アイツ)のあんな顔は…」
 【白水】兄貴は、泣きながら思います。
 「バカヤローバカヤロー本当にうるせーよ…しっかり見てろよ…バカヤロ――――…」
 と、今週はここまで。反撃体制の覚悟の出来た【白水】兄貴の顔アップでおしまいです。
 いやー、しかし、ここから大逆転というのも、ちょっと難しいような……でも漫画だし、盛り上がるからいいのかな……。正直なところ、部下を散々教育してきたおっさん読者としては、空流親方の苦悩はよく分かるし、そしてこのエピソードを描かずにはいられなかった佐藤先生の気持ちも、理解できなくもない。けれど、やっぱりもどかしく思う部分も多く、じれったさを感じなくもない。しかしまあ、そんな兄貴二人を持つ鯉太郎のキャラクターを表現するには、やっぱり空流という家族も描かずにはいられなかったんでしょうな。
 しかし、【白水】兄貴ってそんなに強かったんだ……。もうちょっと、【白水】兄貴の強さの説得力があればよかったのだが、まあ、『Burst』の幕下時代に、現在の関脇【天雷】と大関【王虎】に勝ってる男なんだから、まあいっか……。
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結。いよいよ三役戦!! 
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 何度もくじけそうになる【白水】兄貴を叱咤する空流親方だが、果たして勝負の行方は!! 来週には決着がつくのでしょうな、きっと。勝っても負けても、【白水】兄貴は鯉太郎の誇れる兄貴ですよ。そして兄貴らしい戦いを見せていただければと存じます。しかし鯉太郎の10日目の相手は誰になるんすかねえ。大変楽しみであります!! 以上。

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 わたしが大好きなMCU、Marvel Cinematic Universのヒーロー(チーム)の中で、『Guardians of the Galaxy』という作品がある。1988年に地球から連れ去られた少年が、銀河海賊(?)に育てられて成長し、銀河をまたにかけるトレジャーハンターとなって活躍するお話だ。その主人公、通称「スター・ロード」ことピーター・クィルは、地球から拉致された1988年時点で10歳だか13歳ぐらいなわけで、いつもSONY製ウォークマンを持ち歩く音楽が大好きな少年であり、彼にとってのヒーローは、1984年に公開された映画『Footloose』の主人公レンを演じた俳優Kevin Bacon氏である、という設定になっている(なので、クライマックスでスター・ロードが悪のラスボスと、「ダンスバトルで勝負だぜ!!」と踊り出すのが最高に笑える)。
 そしてかく言うわたしも、『Footloose』は中学生の時に観て超ハマった世代であり、当然サントラは買ったし、今現在でもわたしの車に突っ込んであるSDカードにはそのサントラも入っていて、たまに聴くほど好きな映画だ。そして当然、Kevin Bacon氏は、わたしが好きなハリウッドスターTOP5に入る大好き役者の一人である。現在58歳。随分年を取ったけど、相変わらずイカすおっさんであり、コメディもシリアスもイケるし、なにより、悪役を演じるときに超ヤバイ演技をいつも見せてくれる最高の役者の一人であろう。
 世には「Kevin Bacon GAME」というものがあるのをご存じだろうか? ある役者から、何人のつながりでKevin Bacon氏につながるかの映画知識を競う(?)もので、わたしも確か20年ぐらい前、映画オタ仲間とムダな映画知識を競ったものだ。Kevin氏と直接共演している役者は「1」、直接共演していなくても、「1」の役者と共演している役者は「2」、というように、この数値を「Bacon指数」と呼び、世界の大抵の役者は「3」以内でつながるんだそうで、それほど多くの作品に出演しているとも言えよう。わたしはこの遊びを、監督も含む、で遊んでいたっすね。
 というわけで、わたしはKevin Bacon氏が出演している、と聞けば、無条件でその映画は観たくなり、しかもどうやら悪役らしいと聞くと、超ドキドキワクワクでその映画の公開を待ち望んでしまうのである。
 そして、 去年2015年に、とある映画がUS公開になった。タイトルは『COP CAR』。要するに日本語でいう「パトカー」のことである。どうやら、Kevin氏は悪徳保安官であり、どうやらほんの10歳ぐらいのクソガキコンビにパトカーを盗まれ、そしてそのパトカーのトランクにはヤバいものが載せてあり……という映画らしいことを、US版予告で知ったわたしは、やっばい!超すげえのキタ!! と、やおら興奮して日本での公開を待ったのだが、全然公開される気配はなく、ガッカリしていたところ、今年の春に、ぽろっとごく小規模で日本公開されてしまって、まんまと劇場に観に行く機会を逸してしまったのである。
 が、さすがわたしの愛するWOWOW。さっそくもう、先日放送してくれたので、わたしも超楽しみに視聴を開始した次第である。結論から言うと、恐ろしく不愉快な、イラつく映画であったものの、やはりBacon氏の演技は素晴らしく、そして演出も極めて巧みな映画であることが判明したのである。

 もう、物語は上記予告の通りである。相変わらずのBaconクオリティ全開の悪役ぶりに大興奮したあなたはわたしと友達になれるであろう。
 しかし、である。この映画は、そのカギとなるパトカーをパクったクソガキコンビが、あまりにクソガキ過ぎて、わたしはもう、観ながら、調子に乗ってんじゃねえぞクソガキども……!! とイライラしっぱなしであった。ズバリ言って、度が過ぎている。予告のBacon氏のセリフにある通り、イタズラじゃあ済まない。わたしとしては、観ながら、まさかラストはこのクソガキたちは無事に家に帰ってめでたしめでたしじゃあねえだろうな? と不安になるほど、早くひどい目にあうがいい!! などと思いながらの視聴となった。なので、ラストは、正直若干ぬるいな、とは思うものの、一応ガキどもは痛い目に合うので、まあ、少しだけ胸を撫で下ろしたけれど、ホントは明確に死んでいただきたかったほどだ。
 なにしろ、二人のガキはとんでもないゆとりKIDSで、パトカーは盗む、逆走して暴走する、のやりたい放題である。おまけに、積んであったライフルや拳銃もおもちゃにして遊んだりもする。わたしは、ガキどもが銃のセーフティを外せないで、なんだこの銃、撃てないじゃん、と銃口をのぞき込んだり、ポイッと放り出したりしているさまを、その危なさにハラハラしながらも、暴発してガキの頭ふっ飛ばされねえかな、とか思いながら観ていたのだが、とにかくこの二人のガキには、キッツイお仕置きが必要だぜ、と完全にBacon視点で観ていた。
 ただし、Bacon氏演じる悪徳保安官も、これまたとんでもない悪党であり、人殺しやドラッグなど、全く同情の余地はない。なので、ラストはガキをぶっ殺しつつ、自分もガキにぶっ殺される、全員死亡エンドしかないのではなかろうか、でもそれじゃああまりにアレだし、どういうオチにするんだろうか、というのが本作の一番のポイントであったと思う。その点で言えば、前述のとおり、ややぬるいエンディングであり、わたしとしては本作の総合評価は、物語的には微妙かつ不愉快、と言わざるを得ない。
 とはいえ。やっぱり、演技としてのKevin Bacon氏の芝居はもう100点満点で、わたしのBacon氏に対する評価はさらに高まったのである。やっぱりイイっすねえ、さすがのBaconクオリティは半端ではなく、素晴らしかった。悪党ぶりもいいし、盗まれてから、やばい、どうしよう、どうする?という部分の芝居は超最高で、何Km あるのかわからないほどの草原を全力ダッシュで走って、超汗だく&超ゼーハーしたり、街に戻ってから車を盗もうとして、ブーツの靴紐をほどいて一生懸命ドアロックを外そうとしたり(ここのなかなか外れなくて苦戦するシーンは最高!! 観ているわたしも超イライラした)、パトカーを盗まれたことを警察署に悟らせないよう、いろいろ細工をしたり、なかなか涙ぐましい努力をするくだりは本当に素晴らしい演技であった。悪党だけど。やっぱりKevin Bacon氏は最高ですね。
 
 とまあ、わたしとしては微妙かつ不愉快な映画ではあったものの、Bacon氏は最高なので観てよかったと思っている。
 しかしこういう、アメリカ合衆国の片田舎を舞台にした映画を見ると、いつも思うのは、アメリカ合衆国の最大の問題は、要するに国土が広すぎる点にあるのではないか、という点である。
 端的に言って、広すぎて、国家としての統治が行き届いていないのではなかろうか。あの国土は、一つの国家としては、その人口に比して広すぎるのではないか、とわたしは常々考えている。だからこそ、州政府が存在する「合衆国」なわけだが、結果としては全く統治が機能していない。我々日本人から見ると、何もかもが足りないし、遅れていると思う。教育も行き届いていないし、雇用も行き届いていないし、公共交通網も全く行き届いていない。その原因は、つまるところ「広すぎるから」に他ならないように思える。アメリカ人が銃を持つのは、要するに誰も信用していないからであり、国家を信用していないからであろうと思う。じゃなきゃ、自分の身は自分で守るなんて言わないよね。その癖に、責任を国家に求めるわけで、おそらくアメリカ合衆国は、少なくともわたしが生きているうちは、今のまま、何も変わらないだろう。意見もまとまるわけがない。移民で成り立つ多民族国家であり、その多彩な文化や思想を、いい意味では許容し受け入れ、悪い意味では「自由」という耳障りのいい言葉でほったらかしにしているわけで、少数意見の切り捨てに過ぎない現代民主主義においては、不満はたまる一方だろう。また、富も一部に集中し、貧富の差も激しい。これだって、おそらく根本的な原因は、国土が広すぎる点にあるとわたしは見ている。富や教育を享受し、法の保護に置かれるのは、ごくごく一部の国民だけなのは、要するに、地理的に分散しすぎているからだと思う。そういう土壌がTrump氏当選に導いたと見るのも、おそらく的外れでないはずだ。
 たぶん、もしアメリカ合衆国が、日本並みの教育・鉄道・法の統治が行き届いていたら、きっと本作のような事件は起きなかったであろうと思う。悪徳警官は日本にもいるだろうけど、まずパトカーで死体を運ぶ警官は、まああり得ないだろうし、パトカーをまんまとガキに盗まれるような間抜けな警官もいないだろう。万一いたとしても、そのパトカーに乗り込んで、盗んで道路を爆走するバカガキは、現代日本でもいるかもしれないけれど、日本であればほぼ確実に、すぐに見つかってしまうだろう。そしてもし、奇跡的にそういう悪徳警官とクソガキがいたとして、まんまと本作のような事件が仮に起きたとしても、車内に銃やライフルが無造作に転がっていることは、これだけは絶対にないことだと思う。結果的にはたぶん数時間以内にあっさりお縄になるのがオチではなかろうか。
 というわけで、わたしは本作を観て、ああ、やっぱりアメリカ人はTrump氏を選んだんだな、ということに妙な納得を得たのだが、そう思ったわたしの思考の流れは以上のような連想である。たぶん、アメリカ合衆国という国は、メートル法を取らない限り、三流国のままだろうなというわたしの持論は、妙な確信をもって断言できそうな気がする。たぶん、あの国がメートル法を採用することは当面ないだろうね。無理なんだよ。意見の統一は。国土が広すぎて。だから、アメリカ人でも軍人だけがさすがに国際基準であるメートル法を取っているのが、わたしから見れば、まあそりゃそうだ、と不思議と腑に落ちますな。軍は一つの強固な意志統一体だもんね。
 もちろん、「自由」は尊重されるべきだが、その自由は、守るべきルール、すなわち法の下での自由だ。そして「法」自体が恣意的でインチキなものである場合が存在するのが残念だが、それを否定してしまったら、みんなが大好きな民主主義の否定になってしまう。文句があるなら、自分が唯一の立法機関である国会に出席する国会議員になるしかなかろう。そして国会議員になる努力がめんどくせえ、と思っているわたしは、文句があっても、そしてある程度の自由を失っても、法に従うしかない。
 だが、法を(なるべく)順守する一方で、わたしが最も遵守したいと思っているのは、自らの「良心」である。わたしの良心に照らし合わせれば、殺人はもちろんのこと、パトカー泥棒をすることも、100%ないと断言できる。そんな良心を持ちえたのは、現代日本の教育システムと、日本という国そのもののおかげであろうと思うわけで、本作であのクソガキどもや悪徳保安官を見て、わたしは、あーアメリカに生まれなくてよかった、と平和に、そして無責任に思った次第である。
 最後に、本作を撮った監督Jon Watts氏について備忘録を記しておこう。何と本作は長編劇場作品2作目であり、すでに次の3作目が、MCUの超・期待作『SPIDER-MAN Home Comming』であることが発表されている。これはもう、破格の大抜擢であると言えるだろう。確かに、本作はその演出は素晴らしいもので、とりわけ画のセンスは抜群だと思う。非常にうまい。具体的にどこがどうと説明できないのが歯がゆいが、とにかく本作『COP CAR』は、非常に台詞は少ない映画だけれど、ロングカットも多いし、その映像がキャラクターの心理を物語っているかのようで、極めて巧みであった。今回は脚本もWatts氏が書いたもののようで、わたしをイラつかせた物語が問題提起のための確信犯であるとするなら、その手腕はおっそろしくレベルが高いと認めるよりほかにない。この男、今後が非常に楽しみだ。

 というわけで、結論。
 Kevin Bacon氏は最高である!! そして『COP CAR』という映画は実にイライラする不愉快な映画である一方、現代アメリカの問題点をわたしに提示してくれる興味深い映画であった。演出も抜群で、この監督、Jon Watts氏は今後要チェックだ。しかしまあ、現代のお優しい世の中の、お優しい人々がこの映画を観て、クソガキどもをどう思うのか知らないけれど、このガキどもを許せるお優しい人たちとは、たぶんわたしは全く話が合わないと思う。そしてこの映画をノーテンキに面白がる人とも、近寄りたくないすね。つーか、それより先にわたしの方が嫌われるだろうな。それはそれで、受け入れましょう。お互い不干渉でお願いします。以上。

↓ うーーーん……わたし的にBaconナンバーワンムービーはどれだろうな……いっぱいあるのだが、今、わたしの頭に一番最初に浮かんだのはこれっすね。実にイイ!!!
 

 散々このBlogでも書いている通り、わたしはいわゆる「ライトノベル」にも特に偏見を持っておらず(ただしレーベルには大いに好き嫌いがある)、面白そうなら普通に買って読む男である。であるが、昨今のライトノベルには残念ながらあまり面白そうな作品がなく、それ故に読む冊数も減っているわけだが、先日、なんか面白そうなのねえかなあ、と本屋さんで渉猟していたところ、とある作品が目に留まった。タイトルとイラストがとてもイイ。それだけの理由で、あらすじもチェックしていない。だが、わたしはこれまたこのBlogでも散々書いている通り、すっかり電子書籍野郎に変身しているので、本屋さんで手に取って、へえ? と思った後、帰りの電車内で、さっきの作品は電子書籍で買えるのかな? とさっそくチェックしてみたところ、ちゃんと売っていたので、とりあえずチェックを入れて、その数日後にコインバックフェアがあったので、早速買ってみた。
 わたしが愛用している電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERは、その運営会社の資本的に、どの出版社の作品でも扱っているわけでなく、たとえばAmazon Kindleでは売ってるけど、BOOK☆WALKERでは売ってない、みたいなことがあるので、本作がわたしの嫌いな、そしてBOOK☆WALKERではほぼ取り扱っていない小学館の作品だったので、買えるか心配だったのだが、ライトノベルの品ぞろえに強みを持つBOOK☆WALKERだからなのか、小学館の作品でもガガガ文庫はきちんと扱っていて助かった。さすがBOOK☆WALKER。あざっす。
 というわけで、この度わたしが買って読んでみた作品が、小学館ガガガ文庫から今年の9月に発売になった『やがて恋するヴィヴィ・レイン』という作品である。

 わたしは小学館が大嫌いなので、ガガガ文庫を買うのはたぶん2冊目なのだが、その著者、犬村小六先生は、わたしは読んでいないけど、アニメ化(劇場アニメ)もされた『とある飛行士への追憶』で世の中的には大変お馴染みの作家だ。結構売れたはずだけれど、わたしは単にガガガ文庫が嫌い、という理由だけで読んでいないので、大変失礼ながら犬村先生の作品は初めてである。では、なんでまた嫌いなガガガ文庫を買ってみようと思ったかというと、前述のようにタイトルが気に入ったのが一つ、そして、こちらが最大の理由なのだが、わたしはイラストを担当している岩崎美奈子先生の描くイラストが大好きだから、である。今回も、大変良いと思う。淡くて柔らかいタッチは大変わたし好みで、結論から言うと、いわゆるジャケ買いした、というのが実際のところである。
 というわけで、さっそく読み始めた。
 物語は、まあいわゆるファンタジーに属するものだろう。ただしその世界観は、とりわけ珍しくはなく、ズバリ言えばどこかで読んだ様な気のするものだ。世界はどうやら3層に分かれていて、下層は魔物の世界、上層は天界のようなイメージ、そして中間層が普通の人間界、みたいな感じである(読み進めていくと、上層に住むのは高度に文明の発達した普通の人間、下層も魔獣はいるけど普通の人間の住むところと分かって来る)。
 で、物語は中間層に住む一人の奴隷的立場の少年が、「空から降ってきた少女」と出会うところから始まる。なんだ、ラピュタかよ、と思いつつ読み進めると、ごく初めの段階で少女は亡くなり、その後、少年は少女がいまわの際に残した「ヴィヴィ・レインを探して……」という言葉に従って、各地を巡る旅に出る――が、金がなくなると傭兵となって軍に参加する生活を送り、そこで「王国」の姫君に出会い――てな展開である。
 というわけで、どっかで読んだようなお話なのだが、それが悪いということでは決してない。結論から言うとわたしは最後までかなり楽しんで読ませてもらった。この少年、ルカのキャラクターがとても好ましく、出てくるヒロインも(ライトノベルの例に違わず複数のヒロイン候補が出てくる)非常に好感が持てる。物語の端々に、本作がシリーズの1巻であり、後に・・・・・となることをまだ知らない、的な語りが出てくるのが正直興ざめだが、今後の物語の展開に大変期待したいような、新たな物語の始まりとしては非常に楽しめたのである。
 この作品で一番独創的なのは、上層階(=「エデン」と呼ばれる)と中間層(=グレイスランド)は妙な交流があって、中間層での戦争で派手な戦いや劇的な戦い、大規模な戦いに勝利すると、エデンから「グレイスポイント(GP)」というものが与えられ、そのポイントを集めると、エデンから先進兵器が「下賜」されるんだそうだ。読み進めていくと、エデンの人々が飛行船でグレイスランドの戦争を娯楽として見物している描写が出てくるが、要するにそういうことらしく、エデンの先端技術で製造された兵器である「機械兵」という、まあ要するにロボット的な兵器が、戦局において重要な役割を担っているらしい。なんかそんな点もラピュタっぽいけれど、この「ポイントをためて引換える」というのは、世界観にふさわしいか良くわからないが、独特で興味深いポイントだろう。また、科学技術的な面では、特に説明がないが、機械兵は「ソーマ」なる燃料を燃焼させて動力を得る「ソーマエンジン」なる内燃機関があるらしく、とりわけポイントとなるものではないが、そういった謎テクノロジーも、若干のスチームパンク的な雰囲気を醸し出している。
 で。わたしがとりわけ気に入ったのは、主人公ルカのキャラクターなわけだが、彼は全く持たざるもので、身体能力的にも全く普通。だけど、彼は読書を通じて知力を鍛えることに余念がなく、すべては頭で勝負する少年だ。作中で、ルカの所属する陣営が城塞都市を陥落し、軍のお墨付きで「麻袋に入る分だけ」の略奪が許され、周りの兵士たちは待ってましたと金目の物を漁るのに対し、ルカも、戦後の「ヴィヴィ・レイン」を探す旅のための金を得たいと思うものの、彼が選んだ略奪物は、その都市の図書館に収蔵されていた稀覯本だった、というエピソードも、わたしとしてはなかなか好ましい。そしてその、ルカにとってとても大切な本を、後半でやむなく別の目的に使ってしまうくだりもイイ。また、ルカの頭の良さを見抜いて登用する姫様も大変よろしいキャラクターで、二人のちょっとしたドキドキ感も読んでいて心地いい。二人の運命は、謎の予知夢的なものによって、将来的に対立することがほのめかされてしまうが、それもある意味お約束なので、まあ許せる部分だろうと思う。
 ただ、わたしとしては、ルカや周りのキャラクターの言葉遣いあたりは、あまりに現代日本的すぎて、若干興ざめではあると思った。なんか、ファンタジー世界のキャラクターが、現代若者言葉で話し始めると、急にガッカリしますなあ……。ま、このあたりはわたしがおっさん読者だからであろうと思うし、主要読者であるゆとりKIDSたちには全く問題ない点だろう。とりわけ、キーキャラとして中盤から登場するアステルは、キャラ的にも若干とってつけた感があるし、しゃべりの内容も性格付けも、正直テンプレっぽさは感じる。このキャラに妙なツンデレ的言動をさせても仕方ないと思うのだが、まあ、そういう需要があるんすかね。別にどうでもいいんだけどな。
 というわけで、わたしとしてはなかなか楽しめた本作だが、明確にシリーズ1巻であり、次巻以降へのヒキとして、かなり多くの謎が残されたままになっている。そのラストのヒキも、まあ普通のありがちな終わり方ではあるものの、わたしとしてはおそらく次巻も買って読むであろうほどには、本作を気に入った、というのが結論であろう。しかし、やっぱりタイトルがとてもイイすね。とりあえず1巻の段階では、まだタイトルの意味は(明確には)判明しません。薄らぼんやりとほのめかされます(?)けど。

 というわけで、結論。
 いや、もう結論書いちゃったけど、本作『やがて恋するヴィヴィ・レイン』は、大変期待の持てる第1巻であった。わたしが飽きずにこのシリーズを読むとしたら、読者に媚びたような恋愛話やハーレム展開にページを割くのではなく、ヴィヴィ・レインという存在の謎を、主人公ルカには真摯に追って行っていただきたいと思う。結論としては、面白かっす。そして、やっぱり岩崎美奈子先生のイラストは極上ですね。以上。

↓ 2巻は1月の発売のようですな。楽しみです。まだamazonには登録されてないようなので、コイツを貼っとくか。

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 今週末は、数カ月ごと恒例の『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の第4話を観てきましたが、しかし新宿ピカデリーはいつ行っても混雑がひどくてたまらないすね。わたしとしてはなるべく行きたくない映画館の筆頭ですが、構造上、客の動線がひどいよね……。そして全く商売する気のないストアも、必ずパンフレットを買うオタク野郎としては、イラッとするんすよね……。まあ、今後もなるべく行かないつもりです。でも、『THE ORIGIN』は最高に面白かったですね。とにかくハイクオリティで、かつてガンダムやガンプラに夢中になったことのある40代のおっさんが一番興奮すると思います。まさしくわたし自身がそうなんですけどね。
 
  さてと。それではいつもの週末興行数値を興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『君の名は。』が13週目で今週も1位キープ。累計で189.8億まで積んだそうで、ほんの少し190億に届かずだった模様。どこまで行くのやら、さっぱりもう予測不能な域に達してますな。まだまだ上映スクリーン数、上映回数も多いですが、来週以降はちょっと良くわからないです。
 2位:『ミュージアム』が9日間合計で6~7億円ほどではないかと見積もる。ワーナー配給ですが、この分なら10億楽勝、15億も届きそう、20億はまだなんとも、ぐらいの進展でしょうか。
 3位:『ジャック・リーチャー:Never Go Back』が10日間合計で、こちらは5~6億ほどかな……と見積もる。こちらは、まだ10億に届くかどうか、微妙ラインでしょうか。なんとか大丈夫、かな……どうだろう。あさって23日から始まる『ファンタスティック・ビースト』に洋画客を奪われなければいいのですが、どうでしょう、客層が違うかなあ……?
 4位:『デスノート Light up the NEW world』が23日間合計で17~18億ぐらいと見積もる。もうチョイ上かな? 先週書いた通り、わたしのDEATH NOTE熱はジャンプ連載終了で終わっているので、ほぼ興味なし。
 5位:『聖の青春』が公開土日で1億届いていないと思う。0.7~0.9億ぐらいか? わたしは全く将棋界に詳しくないというか無知なので、羽生名人(という称号でお呼びしていいのかすらわかってない)に本作の主人公のようなライバルがいたことは知らなかったです。しかも若くして亡くなっているとは……。大変興味アリなので、観る可能性大です。
 6位:『インフェルノ』が23日間合計で 12~13億ぐらい、と見積もる。過去のラングトン教授シリーズと比べると、興行成績的にはだいぶ落ちる感じでしょうか(『天使と悪魔』は2009年公開で最終33.5億)。しかし世界は我々一般人の全く知らないところで、いろいろな危機に出遭っているものですなあ。
 7位:『溺れるナイフ』が16日間合計で5億届いたかどうかぐらいと見積もる。毎回ランク下位の数字の読みが難しいわけで……あまり自信なしです(言い訳)。
 8位:『魔法使いプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!』が23日間合計で 5~6億ぐらいと見積もる。うん、やっぱり去年の秋キュアより数字的良さそうな展開ですな。
 8位:『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN IV 運命の前夜』が公開土日で0.5億チョイだと思う。まあ、シリーズ的には毎回同じような初動ですね。要するに固定客がっちりということ、と言えそうです。わたしもその一人ですが、確かに、やたらと年齢層高めのおっさん主体の客の入りでした。まあ、そりゃそうなるわな。なお、「運命の前夜」というのは、今回ラストでとうとうジオン独立&宣戦布告となるわけで、1年戦争前夜、ってことだと思います。大変面白いすよ。基本的には原作コミック通りです。(12)巻の終わりまで、かな。ちなみに次の第5話は、来年の秋だそうで、1年後のようです。
 10位:『この世界の片隅に』が9日間で1.6億ほどだそうです。やたらと評価は高いようですな。わたしも来週あたり観に行ってみようかと存じます。上映規模が小さいのでちょっと気の毒というか、埋もれてしまってる印象ですね。

 しかし3週目であっさりランク外になった『ボクの妻と結婚してください』は5億も行ってないでしょうなあ。厳しいですね、とても。『シン・ゴジ』は別格として、今年の邦画の、実写映画で一番稼いだのは何だろうな……『信長協奏曲』かな? あれが確か45~47億ぐらいだったと思うけれど、それ以外は、ホント厳しい一年になったと言えそうです。東宝もまた、このままだとアニメ屋になっちまいそうですな。あ、前からそうか。忘れてた。

 というわけで、結論。
 今週も『君の名』が1位をキープ。果たして来週以降の上映規模はどうなんでしょうな。それ次第で、数字に変化が出てくるかもしれませんが、いずれにせよ、来週の1位は『ファンタスティックビースト』なんでしょうな。わたしもたぶん初日に観に行きます。それにしても字幕&3D版の上映劇場が少なくて困りますな。 以上。 

 はあ……泣けた……もう何回も泣けた……みっちゃん……もう会えないのが淋しいっす……。
 というわけで、今日は3回目の観劇となる宝塚歌劇団星組公演『桜華に舞え/ロマンス!!』をTOHOシネマズ市川にてライブビューイングで観てきた。もう1回目の観劇の際に、このBlogに記した通り、もう泣けてたまらなかったわけであるが、おまけに今日をもって、星組TOPスター北翔海莉さん、通称みっちゃんは宝塚歌劇団を退団するわけで、そのラストデイ・千秋楽だったわけである。はーーー……思い出し泣きするわマジで……。
 しかし、それにしても本作『桜華に舞え』は、イケ台詞が多くて大変素晴らしかった。前回、1回目に観た時の記事では、恒例のイケ台詞の発表をしなかったのは、あまりに多すぎて選べなかったからだし、2回目を観た時はもうBlogを書けないほどグッと来てしまったのだが、今回は憶えているイケ台詞を備忘録として書きなぐってみよう。
 ※なお、「イケ台詞」とは、わたしがいつも宝塚歌劇の公演を観た後、かーーーカッコええ!! と心に残ったイケてる台詞のことです。 
 というわけで、まずは動画を貼って、主要キャラのイケ台詞をまとめておこう。

 ◆桐野利秋=中村半次郎:主人公。演じたのはもちろんのことTOPスターみっちゃん。本当にこの人の歌は素晴らしい。芝居もダンスも超一流。本当にもう、これが見納めかと思うと淋しいよ……。サヨナラショーも良かったですな。まさか、最後の曲に、わたしの大好きな『The Sound of Music』の中の名曲「Climb every Mountain」を選ぶとは、さすがみっちゃんだとわたしは大感激した。これは、『The Sound of Music』の中で、トラップ大佐に恋してしまったマリア先生が、その恋に怖くなってしまって、一度修道院に逃げ帰ってくるのを、修道院長が諭すシーンで歌われる名曲だ。詩がいいんすよ、とにかく。ひじょーーに、みっちゃんの生き方に通じるものがあって、たいへんわたしは感動して泣けました。すべての山に登りなさい。あなたの夢を見つけるまで。まさしくみっちゃんのための、みっちゃんが残るみんなに伝える気持ちそのものの歌っすなあ。
 で、本作でのわたしが一番グッと来たイケ台詞はこれです。
 「ぼけ桜じゃあ。季節ば間違えて咲いてしもうた桜じゃ。おいも、生まれてくる時代ば間違えてしもたんじゃろねえ
 季節外れに咲く桜を見て、オレも生まれる時代を間違っちまったな……なんて、苦笑する半次郎にわたしはもう泣けてたまらなかったす。みっちゃん……あなたはそんなことないですよ。大げさかもしれないけれど、わたしはあなたと同時代に生まれてよかったです。本当に。退団後の活躍を楽しみにしてるからな!

 ◆吹優:ヒロイン。演じたのは、今回みっちゃんと同時に退団した、TOP娘役の妃海風さん(通称風ちゃん)。今回もう何度も芝居の中でもショーでも涙を流し、常に泣きそうな眉間にしわを寄せた下がり眉が猛烈に可愛かった。2回目の超いい席で観たときは、風ちゃんが泣いているのがはっきり見えたよ。みっちゃんを「最愛の人」と呼ぶ風ちゃん。本当にお疲れさまでした。みっちゃんが、最後のカーテンコールの時に、「二人で一緒に星組公演を観に行こう」と言ったら、本当にうれしそうに、何度もピョンピョン飛び跳ねていたね。これからどういう活動をするのか知らないけれど、ずっと応援してるよ。
 で、この「吹優」の一番のイケ台詞は、わたし的にはやっぱりこれだと思う。
 「わたしは行かねばならないのです!! わたしは桐野様に会わなければいけないのです!!
 強い意志の感じられる、とても凛としたカッコいいセリフだったし、演じる風ちゃんの必死な思いもとても伝わる素晴らしい演技でした。風ちゃん、君も最高だよ!

 ◆隼太郎:政府内にとどまった薩摩隼人。演じたのは2番手スター紅ゆずるさん(通称:紅子)。いやー、今回の千秋楽の紅子も気合入ってましたねえ。完全にもう怒鳴ってたよね。感情の爆発が伝わる激しい芝居でした。コメディで光り輝く紅子だけれど、今回のシリアスな芝居ぶりもとっても素晴らしかった。やっぱり、今回のイケ台詞はラストのセリフでしょうな。
 「わいら!恥を知らんか!命が果てた勇敢な侍に卑怯な真似ばしよっせ!」
 「おはんが伝えたかった「義」と「真心」、おいが預かった!!!

 もう号泣ですよここは。紅子も、しっかりとみっちゃんからバトンを受け取り、「義」と「真心」を受け取ったわけで、わたしは今後も、紅子がTOPスターになる星組をイチオシで応援したいと思います。
 
 ◆八木永輝:会津藩士。後に警視庁抜刀隊に入り、西南戦争へ出征。演じたのは、わたしが一番応援している礼 真琴ちゃん(わたしは勝手に、「こっちん」と呼んでます)。今回は敵役、ではあるのだが、まあ、壮絶にカッコ良かったすね。特に今日の千秋楽は物凄い気合入ってました。素晴らしかったよ。でも、本当に残念ながら、本作ではちょっと出番が少なく、今日のライブ中継ではさらに画面に映る頻度が減ってたような……2回目に観たときは、わたしは6列目の超いい席で観たのだが、もう、ほぼずっとこっちんを見てました。もともとこっちんは、女の子として可愛いので、男役としてはいつも可愛い系だったんだけど、今回は明確にカッコいい系のぎらついた男でしたね。6列目なのにずっと双眼鏡で観てました。表情も非常にいつもよりも険しく、この感じだと次の大劇場公演『スカーレット・ピンパーネル』で演じる敵役ショーヴランが壮絶にカッコいいのは間違いないでしょうな。超期待できますね。何しろ歌が超上手いことでもお馴染みなので、ショーブランはかなりソロ曲が多いから、歌いっぷりも超楽しみです。ムラ遠征したいところですな。そして今回のイケ台詞は3つ。
 「おのれ薩摩め! 薩摩の中村半次郎! この恨み忘れてなるものか!!!」 
 「永輝は魂を捨てて参りました。会津と愛奈姫様の仇を討つために。さらばでございます!
 「あいつを倒すまで、わたしは死なぬ!」 
 今回はとても悲劇的な気の毒な男を、こっちんが非常にカッコ良く、そして悲しく演じてくれました。相変わらずの歌のうまさも披露してくれましたね。そしてショー『ロマンス!!』では、恒例の(と自分でCafe Breakで言ってたね)女装もあって、今日の千秋楽では黒髪だったね。1回目2回目を観たときは、茶髪のショートがすっげえ似合ってて可愛くて、30年前の荻野目洋子ちゃんに非常に似てるように思いました。ホントかわええわ……でも、これからはクールな敵役の似合うカッコいい男役を見せてくれると思うので、これからもずっと応援します!! 次のファンミーティングは絶対行く!!

 ◆西郷隆盛:演じたのは、今回みっちゃんと一緒に退団した美城れんさん(通称さやかさん) 。みっちゃんと同期の84期生であり、みっちゃんが音楽学校に入学して一番初めに声をかけたずっと仲の良い方。今回、みっちゃんとさやかさんが退団したことで、84期生は全員卒業となり、現役はもう一人もいないんだそうだ。今回はショー『ロマンス!!』でも、サヨナラショーでもソロパートがあって、温かい送り出しでしたな。拍手も一番大きかったんじゃないかな。ファンの応援も暖かかったすな。さやかさんみたいな、貴重な脇役というかおっさん役がいなくなると、ホント淋しいです。専科に移る前はずっと星組で、わたしも何度もさやかさんの芝居ぶりは観ていたので、ホント、残念です。そして今回の西郷隆盛役も素晴らしかったよ。イケ台詞はこれかなあ。
 「半次郎どん、人を愛しやんせ。そして、天を敬うっとじゃ」 

 とまあ、とにかく、わたしはもう泣けてたまりませんでした。そして猛烈に寂しいよ……。
 みっちゃんの、退団後の初舞台はいつ、どんな作品だろうなあ……普通に、コンサートでもいいんだけどな。絶対観に行く。絶対に。つーか、これも何度も書いているんだけど、みっちゃんは、髪を伸ばして女性らしい服装をしたら、普通に美人で可愛いと思うな。これからも、その歌声を聞かせてほしいと切に思います。風ちゃんも、いろいろ活躍してほしいね。風ちゃんは、ひょっとしたらダンスが一番得意なんじゃなかろうか? もちろん、歌も芝居も素晴らしい女優として活躍してほしいけれど、まずはやっぱりミュージカルかな。どんな役がいいだろうな……とにかく楽しみに待ってるよ。 そして、紅子率いる新生星組も、年明けからさっそく始動するわけで、もちろんわたしは星組イチオシとして、応援を続けます。こっちんがTOPになる日を想像するのはまだ早いけれど、まずは来年の『スカ・ピン』がウルトラ楽しみです!!!

 というわけで、結論。
 今日、宝塚歌劇団星組TOPスターコンビ、北翔海莉さんと妃海風さんが、退団した。その退団公演及びサヨナラショーは、もう場内みんなくすんくすんと涙のあらしで、大変泣ける素晴らしい作品であった。しかし……ライブ・ビューイングでも、みなさん、普通に拍手と化して盛り上がりましょうよ。わたしが観た会場では、ほんの少しだけ拍手しているお客さんがいたけれど、基本的にお行儀よく静かだったですが、わたしとしてはもっと盛り上がりたいのですが……ダメっすか? ほかの会場はどうだったんだろう。 以上。

↓久しぶりに買いました。読み応え抜群っす。これがいわゆる「みっちゃんロス」ってやつか……淋しい……。
歌劇 2016年 11 月号 [雑誌]
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宝塚GRAPH(グラフ) 2016年 11 月号 [雑誌]
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2016-10-20


 というわけで、またこの季節がやってきました。
 何のことかわからない? ええ、まあそりゃそうでしょうな。
 本日より、わたしが毎回楽しみにしている『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』の最新作、『IV 運命の前夜』が公開になったので、さっそく観に行ってきたのである。わたしはいつも、ガンダムが大好きな元部下のMZくんがせっせと舞台挨拶付きの回のチケットを取ってくれるので、ま、それに便乗というか、行きましょうよ!! と熱く誘われるので、付いて行っているだけなのだが、いつもは、さいたま市民のMZくんの家に近いさいたま新都心のMOVIXさいたままで、わざわざ車をぶっ飛ばして1時間チョイかけて観に行っている。しかし今回は、珍しくMZくんが午前中は用事があって都内にいるので、新宿にしたいというので、はあ、さいでっか、と、わたしの最も嫌いな新宿ピカデリーへ赴いた次第だ。
 が、16時10分の舞台挨拶付きの回で、正直わたしは舞台挨拶はどうでもいいのだが、MZくんたっての希望なので付いて行ったものの……深く後悔した。とにかく、混んでいる。新宿ピカデリーは、今ではどうか知らないけれど、数年前までは日本で最も観客動員の多いシネコンとして業界的におなじみであるし、休日に行ったことのある人ならご存じのとおり、とにかく動線が最悪で、構造上とにかく混んでしまうのだ。今回もまあひどかった。まず、物販の列はなかなか進まない。これはオペレーション上の問題も残念ながらあると思う。要するに客さばきがド下手である。なので、上映開始ギリギリまでかかってしまう。そしてゲートはもう、朝のラッシュアワーかというぐらい、列は無秩序だし、もうどうしようもない。実際、わたしはもう二度と行かないと思う。そもそも、わたしは現在TOHOのフリーパス有効期限内なので、日本橋TOHOで観たかったのだが、明確に新宿は嫌だとMZくんに主張すべきだったと深く反省している。新宿ピカデリーの混雑は予想していたのだから、自分が愚かだった。以上、愚痴終了。
 しかし、そんなことはどうでもいいほど、作品の方はいつも通りハイクオリティで、期待通りの素晴らしさであった。

 この、『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』というアニメシリーズは、元々の一番最初のTVシリーズの、いわゆる「1年戦争」を安彦良和先生が完全漫画化したものを原作とし、その中で、TVシリーズでは描かれなかった前史、つまり1年戦争勃発前から開戦初期のころの回想部分を映像化した作品だ。原作コミックでいうとジャブローの戦いでばったりキャスバル兄さんことシャアと出会ってしまったセイラさん、すなわちキャスバルの妹アルテイシアが、過去を回想する(9)巻~(14)巻の部分に相当する。映像化作品との対比は、以下のような感じである。
 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN I 青い瞳のキャスバル』
 →(9)巻まるごと。ホントにもう、すべてのコマまで完全映像化
 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN II 哀しみのアルティシア』
 →(10)巻のラスト直前の、キャスバルとアルテイシアの別れまで。
 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN III 暁の蜂起』
 →(10)巻ラストのキャスバルとシャアの入れ替わりから、(11)ラスト前の暁の蜂起事件終結まで
 というように、基本的にはほぼ完全に原作コミック通りなのだが、前回の『III』で初めて、映像オリジナル要素がいくつか加わったのは、前作のレビューを書いたときにチェックした通り
 なので、わたし的興味は、今回はどこまでだろう、というのが一つ。そして、とうとう描かれる「人類初のモビルスーツ戦闘」の映像ならではの迫力、そして、実はこの頃に出会っていたという設定となったララァの登場、を大変楽しみに劇場へ向かったわけである。
 で、結論から言うと、今回の『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN IV 運命の前夜』は、(12)巻のラストまで、であった。ただし、前回からオリジナルの展開や、若干の順番の入れ替わりがあったように、今回は大幅なカットと順番入れ替わりが少しあった。
 カットされたのは、事前の予想通り、サイド7でのアムロの学校生活の模様で、残ってはいるがだいぶ短くなっている、原作コミックだとハヤトもちらっと出てくるけれど、今回出番なし。ま、仕方ないすね。ちなみに、アムロは、お父さんの部屋で見つけたガンダムの資料を読みふけっていて、実は事前にガンダムの知識があったことになっています。この点は、原作コミックを読んでいない人はびっくりだろうと思う。TVシリーズではなかった設定なので。
 そして、わたしが楽しみだった、「人類初のモビルスーツ戦闘」の迫力は大変素晴らしく描かれていたと思う。音響も、映像も、全く文句なし。なお、原作コミックでは、シャアはあまり戦闘に参加しないで観ているだけだったと思うが、今回の映画では結構積極的に、何気に派手な戦いをしていました。そして、やっぱりシャアという男は赤いモビルスーツが似合いますな。赤い旧ザクは大変カッコ良かったです。
 ただし、この戦いの後のデブリーフィングで、原作だとアムロの父、テム・レイがなぜジオンのモビルスーツが圧倒的に強く、ガンキャノンが惨敗したかの理由を連邦高官(だっけ?アナハイムの重役だったかな?)に説明するシーンがあって、それ故に新たな計画、「RX-78」、通称「ガンダム」が必要なんだと熱弁をふるうのだけれど、そこがちょっと短くなっていたのがとても残念に思った。ここはすっごく重要なポイントなので、ちょっと原作コミックからテム・レイの言葉を備忘録として引用しておこう。
 「用兵思想が違っていたのです! 戦車の話はいい例だ ご説明いたしましょう! もともと戦車という兵器は 歩兵を制圧するために造られた その後は戦車戦を想定した BT(バトルタンク)の発想が生まれたのです ジオンのモビルスーツは、BT(バトルタンク)です これに対してRX-77(=初期型ガンキャノンのこと)は対歩兵戦闘車ですっ! 勝てるわけがないっ!」
 要するにガンキャノンは対人兵器であり、(動かない)拠点制圧用の兵器なので、機動性よりも攻撃力と装甲の方が重視されているわけで、だから固定砲も装備されてるわけだ。いわば戦車の進化形だったわけで、人型である理由は、ガンタンクより機動性を高めることぐらいしかないんだな。しかし、一方のジオンのモビルスーツは、その戦車を攻撃するための対戦車兵器なわけですよ。それ故に機動性も高く、格闘戦も想定に入れているため、固定武器は装備されず、殴る・蹴る・タックルすることが想定されているし、手にする武装も多彩なわけで、人型である理由があるわけだ。しかも明確に宇宙空間での運用も想定されている。結果、勝てっこない、ということになるわけです。この説明はものすごく重要だと思うのだが、カットされたのが非常に残念に思った。
 そしてもう一つわたしが楽しみにしていた、ララァとシャアの出会いだが、このエピソードはほぼ原作コミック通りだったと思う。原作を読んでいない人は驚くと思うけれど、「暁の蜂起」事件の責任を取る形で、シャアは士官学校を退学となり、地球に降りてジャブロー基地建築の土木作業員になるのだが(この時の経験が、後のジャブロー攻撃作戦の際に役立つことになる)、そこで、すでにララァと出会っているんだな。ここのエピソードは、TVシリーズしか知らない方は超必見ですよ。そして、わたしが一番気にしていたララァの声なのですが、もうだいぶ前に、今回ララァの声を担当するのが早見沙織さんであることが発表されていたのだが……結論から言うとアリですね。大変良かったと思う。今日は舞台あいさつで早見さんも登壇されていたけれど、まあ大変可愛らしい方ですな。人気なのも頷けますね。声もとてもイイと思います。TV版で登場するララァを演じた藩恵子さんは、結構落ち着いた感じの女性としてララァを演じていたけれど、よく考えると実はまだ10代の少女なわけで、今回の早見沙織さんの声はとても似合っていたと思う。
 今日の舞台挨拶は、シャアの池田秀一さんやランバ=ラルの喜山茂雄さん、キシリア役の渡辺明乃さん、ララァの早見沙織さん、それから安彦先生、さらには、『F91』以来25年ぶりに劇場版ガンダムの主題歌を担当した我らがおっさんのアイドル、森口博子さんまで登壇してくれて盛り上げてくれた。
THEORIGINIV
 超ボケてるけど、写真撮影可で、どんどんネットにアップしてくれ、と言ってたので、わたしも貼ってみます。席は前から5列目だったので、結構近かったのだが、写真で見ると小さいなあ……しかし、森口さんはわたしと同じ年ぐらいなのに、本当にいつまでもお綺麗ですな。実際可愛いし美人だと思います。歌もうまいし。意外とちびっ子でした。
 あと、最後に書いておきたいのが、今後の展開である。特報映像として、「ルウム編」の映像がちょっとだけ観られました。とうとう始まってしまった「1年戦争」。次回はあの「毒ガス」と「コロニー落とし」で悪名高い「ブリティッシュ作戦」が描かれます。ランバ・ラルの「これは戦争ではない……殺戮だ!!」も予告に入ってました。まあ、原作コミック通りでしょう。公開は来年2017年秋で、その次が、安彦先生の話によれば2018年のあまり間を開けずに、とのことなので、きっと2018年の3月までには公開になるのだろうと思う。大変楽しみですな!

 というわけで、どうもまとまりがないけれど、結論。
 『機動戦士ガンダムTHE ORIGIN』は大変な傑作である。そして今日公開になったシリーズ第4作『運命の前夜』は、とうとうジオン独立から「1年戦争」の開戦までが描かれた。言ってみれば、この『THE ORIGIN』は完全に後付けの物語で、当初は想定されていないものだったはずなのに、ほぼ完ペキに、破たんなくつじつまが合っているのは、本当にすごいことだと思う。毎回書くけれど、30年前、ガンダムやガンプラに夢中になった40代のおっさんこそ、楽しめると思うな。ぜひ、世のかつてガンダムが大好きだったおっさんたちは、この『THE ORIGIN』を観て興奮し、是非とも自分の子供にも観せてやっていただきたいと思います。最高です。あと、もう二度と新宿ピカデリーには行かないこと。混みすぎてうんざりっす。以上。

↓ 通常版はチョイ先の発売です。世のおっさんたちにはぜひ買っていただきたい。わたしは今日劇場でクソ高い限定版を買ってきました。正直、通常版で十分なんすけどね……。
機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV [Blu-ray]
池田秀一
バンダイビジュアル
2016-12-09



 

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、全然関係ないのですが、この「鮫島ニュース」は、毎週(ほぼ)必ず、スイスからアクセスされている方がいらっしゃることは以前書いたような気がしますが、その後、どういうわけか、フランスとシンガポールとメキシコからも定期アクセスが観測されており、実はそろそろやめようかと思っていたものの、日本を遠く離れた地でも、『鮫島』が気になって仕方ない方々がいるならば、まだ続けようかな……と思い直した次第です。電子書籍なら、海外でも買えますので、ぜひ、単行本化の折は海外の皆さんも買ってください!! そして日本国内の人は、ちゃんとチャンピオンを買いましょう!
 ※ちなみに、わたしが使っている電子書籍販売サイトBOOK☆WALKERは海外から買えるのか、先日台湾で実験してみたところ、ちゃんと買えました。ただし、作品によってはダメなものもあるようです。
 今週号には、次の最新(10)巻の発売告知がありましたので貼っときます。12/8(木)発売ですよ!

 というわけで、まずは、いつも通り今週の週刊少年チャンピオン2016年51号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は武田玲奈嬢。極上です。非常に美しいですな。
 ■『弱虫ペダル』:キモー筋再び坊主頭の巻。今年の総北は厳しいだろうなあ……。
 ■『刃牙道』:お見それしました!の巻。戦い終えた本部&牙刃の語らいです。
 ■『囚人リク』:逃がっさ―――ん!! の巻。まさかのピカソ内海の大復活に爆笑です。
 ■『少年ラケット』:イチロー君、再会を喜び健闘を誓うの巻。いよいよ公式戦かしら?
 ■『Gメン』:2学期編開始!の巻。非常にイイ展開が来ましたね!! 今後が楽しみ。
 ■『六道の悪女たち』:当たり前に理由はいらない!! の巻。六道君男を見せますな。そして乱奈さんが可愛いです。
 ■『BEASTERS』:部長&レゴシ君の巻。いやーホントに部長のキャラがイイ!!
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:那由多、拉致されるの巻。おっと、新展開きましたよ!!

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 そして今週は巻頭カラーです!!! 皆さん、チャンピオンを買いましょう!!
 先週は鯉太郎の兄弟子であり、空流部屋の部屋頭である【白水】兄貴と、かつて現在の空流親方が関脇【仁王】だった時代にしのぎを削っていた大関【天鳳】との取組の立ち合い直前までが描かれましたが、今週はいよいよ時間いっぱい、バトルスタートです。
 現在の【白水】兄貴の心の中では、(1)ボロボロになりながら戦う弟弟子・鯉太郎に、兄貴として誇れる姿を見せてやりたい (2)周りの親方衆から風当たりの強い空流親方に、あんたのハートをしっかり継いでるぜ、という姿を見せたい (3)ついでに言うと、真琴姉ちゃんにもカッコイイところを見せたい というような想いがあるのだと思われます。要するに、「部屋頭の自分が空流のぶっとい頼りになる柱だってことを見せて」やりたいわけで、気合十分ではあり、その気合に反応して大関【天鳳】も、「アハッ・・・ワクワクサセルジャ~~~ン・・・」と取組を楽しんでいるわけなんですが……この漫画において、力士たちは全員「自分」のために相撲を取っているのであって、「相撲」が好きで好きでしょうがない連中ばかりなわけですよ。この【白水】兄貴の想いは美しくはあるものの、ある意味「他人の目・他者からの評価」を気にしている時点で、マズいような気がしますね……。
 そういうわけで、そんな心中の【白水】兄貴は、ハッキョイとともに当然必殺の「ゴリラ張り手」を繰り出します。そしてその張りが大関【天鳳】の顔面にクリーンヒット!! 空流の弟たちも、やった!! 的な顔で土俵を見守ります。しかし!! 大関【天鳳】はノーダメージ!! まるでSGGKでお馴染みの若林くんのような余裕です。驚く【白水】兄貴にすかさず右のショルダータックルで【天鳳】は反撃!! おもわずNHKの解説も「あ―――!! 白水の巨体が弾け飛ぶ――!!」と絶叫、空流の弟たちも顔面蒼白!
 「内臓が爆発したと思った――・・・なんつー破壊力だよ・・・・・・クソ~~~~だが引かねえぞ・・・もう一度だ・・・」と、辛くも耐えた【白水】兄貴は思います。
 しかし、この後の【白水】兄貴と大関【天鳳】関の心のうちが、わたしは非常に対照的だと思いました。
 まず、【白水】兄貴は、反撃するにあたって、こう思います。
 「さっきのはきっと当たりが弱かったんだ・・・もう一発・・・俺のゴリラ張り手は最強だ・・・!!」
 そして大関【天鳳】はこう思ってます。
 「イイネ~~~・・・楽シーナーコイツ~~~・・・サッスガ仁王の弟子ジャ~~~ン・・・デモマダ足リナイ・・・俺ニ今必要ナノハ新弟子(あのころ)ノヨウナ楽シサ・・・馴レルナ・・・今ニ 楽シメ・・・モット・・・」
 どうですか。これじゃあ、【天鳳】こそ空流の弟子のようじゃあないですか?
 そして二人が放ったのは、二人ともが「ゴリラ張り手」!! その時の二人の顔もまた対照的です。決死の表情の【白水】兄貴に対して、なんと【天鳳】の楽し気な笑顔でしょう!! そして見開きで描かれる、二人の顔面に炸裂するお互いの張り手。【白水】兄貴は白目をむき、【天鳳】は「コンナ感ジ?」と嬉しそうです。そして崩れ落ちようとする【白水】兄貴は、薄れゆく意識の中でこんなことを思います。
 「だ・・・駄目だ・・・やっぱ俺はアンタみてーにはなれねーよ・・・仁王さん・・・」
 そして今週のラストカットは、審判席に座る【仁王】兄貴こと現・空流親方の大激怒です。
 「この バカヤローが!!」
 まったくですよ……わたしもそう思いました。このバカヤローが……!!! 【白水】さん……それじゃあ、ダメでしょうが……!!! まあ、親方として【仁王】兄貴がきちんと言葉に出来なかったのが悪いんすかねえ……オレの背中を見ておけ、というのが最高の教育だというのは、実のところわたしも大変頷けます。けれど、なんかちょっと変な方向に行ってしまったら、やっぱり指導してやらんとイカンのでしょうなあ……。一歩間違えばただの放任、指導者・管理者としての責任放棄だからな……。
 はーーー。なんというか、部下を持つ人間ならば一度は必ず悩むわけで、このあたりは、先代が急逝してしまったために【仁王】兄貴はまったく受け継げなかったとしても仕方ないすねえ……。まだ全然若いしなあ……。新寺親方に相談した方がいいっすよ、マジで。とにかく、鯉太郎の体も大変心配ですが、【白水】兄貴と【仁王】兄貴も、おっさん読者としては心配でなりません。がんばれ空流部屋!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結。いよいよ三役戦!! 
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 とうとうはじまった、【白水】兄貴VS大関【天鳳】関戦だが、ちょっとどうもまだ貫目が違うんすかねえ……悲壮な決意の【白水】兄貴と、周りからもうアイツは終わったなんて言われてもなお、相撲が楽しくてしょうがない【天鳳】関。これは最初から勝負は見えてたと言わざるを得ないのかなあ……でも、空流親方の大喝で、【白水】兄貴大復活&大勝利の図もあり得るかもしれないので、この勝負、まだ見えたとは思いたくありませんな。来週が楽しみです!!! 以上。

↓しつこいですが、次の(10)巻は12/8(木)発売ですので、この「鮫島ニュース」を読んだ方は義務として、必ずご購入いただきたく存じます。わたしはいつも通り、応援のために紙と電子両方買うぜ!!

 どういうわけか、このどうでもいいことしか書いていないBlogにおいて、TOPクラスのPVを誇る記事が、わたしが愛用しているAndroid TabletのNEXUS9についての記事だ。
 『Nexus9をAndroid6.0にアップデートしようとしたら文鎮化してしまい、修理に出した件
 良くわからんけれど、この記事は、書いたのがもう1年以上前の2015年10月27日なのに、いまだにやけにPVを集めている。それほどまでに、NEXUSを使っている人でトラブルに陥った人が多いということなのだろうか?
 で。
 わたしがTabletを何に使っているかというと、これもこのBlogでは何度も書いているが、ほぼ、電子書籍閲覧専用機として使っている。わたしは月に1万円ぐらい書籍購入に費やす男であるのだが、れっきとした昭和の男なので、そもそもは紙の本の方がずっと好きだし、今でもやっぱり紙の方に愛着があるのは間違いない。が、いかんせん、読み終わった本を収納する空間と、さらには地震が来た時に崩れないようにきちんと整理整頓する手間、など、そう言う点では若干困っている部分があった。事実、3.11の時には、家に帰りついたら部屋がとんでもないことになっており、まさしく足の踏み場もないほど本が散乱していて参ったこともある。ま、そんなのは片づければいいだけなのでどうでもいいのだが、しかし、そんなことがあっても、電子書籍なるものに対しては、ケッ!本は紙に決まってんだろうが!! オレは昭和の男だぞこの野郎!! と全く無駄な抵抗をしていたわけである。
 しかし。わたしの元部下の、サイバーなY君がバンバン電子書籍を買い、「いやー、マジ便利っすよ。つーか、もう紙には戻れねえっす」とかほざいているのを横で聞きながら、「そんな便利かねえ?」とある日、会社の備品の古~いAndroid TabletにY君コレクションを入れてちょっと借りて読んでみたところ――あっさりわたしもその便利さに目覚めてしまったのである。こ、これはやっぱり超便利だ、と。
 以来、わたしもすっかり電子書籍野郎に変身中である。Y君は、本当にもう紙の本は買わないようだが、わたしの場合は「紙でしか売っていない本」は当然紙で買うわけで、現状の比率は、おそらく紙35:電子65ぐらいの割合だと思う。テキトーですけど。

 そして2014年の年末に買ったのが、Googleのリファレンス機であるところのNEXUS9というマシンである。電子書籍のために買うので、画面は16:9よりも、なるべく4:3がいいなー、と思っていたので、悩みに悩んで、このTabletを買った。そして約2年使い込んできたわけで、その間、OSのアップグレードに失敗して製造メーカーであるHTCのサポートに送ったり、あるいは容量いっぱいまでデータを詰め込んでしまってハングアップ→オールリセット→データがパーになったり、なかなか手を焼かせてくれたものの、全般的には非常に大活躍してくれてわたしはとても満足していた。
 しかし、である。時代は加速度的に流れてゆき、今現在の状況からすると、致命的な2つの困ったポイントがあった。ひとつは、ズバリ「重いこと」である。
ZenPad003
 ↑こんな感じ。その重さ、429g。これがですね、別に普段はとりわけ重いとは全然感じないのだが、やっぱり、電車内で片手で持って電子書籍を読んでいるとですね……15分もすればすげえ手が痛くなるのです。マジで。つまり、変な言い方だけれど、絶妙に重い、んだな、これが。
 そしてもうひとつのわたし的難点は、SIMはおろか、外部ストレージ(MicroSDカードとか)さえ一切使えない点にある。100歩譲って、SIMは許すとしよう。どうせスマホでテザリングれば済むことだし。でも、SDカードが使えないと……わたしの場合は、せっかく買った電子書籍を「一部」しか持ち歩けないわけです。
 そもそも、電子書籍に乗り移った理由は、いつでもどこでも好きな本を好きな時に!読めることにあるわけです。たとえば、急に『北斗の拳』が読みたくなったらどうしますか? 急に、「あ、あのセリフはJOJOの何巻だっけ!?」と思ったらどうしてくれるんだよ。そういうことのために、わたしとしては、なるべくすべての購入書籍をダウンロードしておきたいわけです。だけど、32GBモデルだと、どうしても上限があって無理なわけで、現在わたしは電子書籍を900冊ぐらい買っているわけですが、コミックが中心のため、1冊1冊のデータサイズも大きく、全てをダウンロードして常時携帯することは、どうしても無理、なのが現実であった。
 Y君は、「そんなの読みたい時にテザリングしてダウンロードすりゃいいじゃあないですか。何が不満なのか意味わかんねえす」と至極ごもっともな意見を抜かしていたが、いや、そりゃそうなんだけど、そうじゃねえんだよなあ……分かってもらえねえかなあ……要するにわたいは、結構何事においても手元に貯めこむのが好きな性質を持っているのかもしれない。
 
 というわけで、NEXUS9を愛用しつつも、若干の不満点があって、これらを解消してくれるマシンが出ねえかなーと思うこと約2年。この2年は、AndroidTabletはもう生産をやめるメーカー続出で、今後、わたしの希望にかなうモノは発売されないかもな……と軽い絶望を味わっていたところ、結構急に、わたし的には前触れなく、とあるマシンが発売になった。スペックを観ると、NEXUS9より若干画面は小さいようだが、100gぐらい軽いし、Micro-SDは当然使用可能、あまつさえ、SIMフリーにも対応!! とある。おまけに画面解像度も2,048×1,536であり、NEXUS9と同じである!
 なので、発売の記事を観た時は、マ、マジか……とわたしはかなり興奮した。しかも、発売になる、という記事ではなく、発売されました、という記事であったのだ。おお、なんとわたしのチェックの杜撰なことよ!! と嘆く一方で、コイツは……買いだぜ!? とわたしの内面でささやかれる声を聴いたような気がするので、よっしゃ、買ったるわい!! とすかさずポチろうと思ったものの、どこの販売サイトも品切れのオンパレード。買えないじゃん!! という状態が約1.5カ月ほど続いたのである。人気ってことなのか、そもそも人気がなくて生産台数が少ないのか、その真偽のほどは全く不明だが、とにかく売ってない。チキショーーーとギリギリすること約50日。つい先日、わたしの愛してやまないYODOBAHI.comにて、「在庫有ります」の表示を観た時のわたしの喜びは並々ならぬものがあり、よっしゃ、1台ワイに寄こさんか!! と元気にポチッたわけである。それがこの、ASUS謹製の「ZenPad3 8.0」である。
ZenPad001
 さっそく開封し、128GBのMicro-SDをブッ刺し、まずは体重測定をしてみた。
ZenPad004
 ご覧の通り、その体重314g。NEXUS9より100gほど軽いわけである。よーし、これだよこれ!! そして、せっかくSIMフリー端末であるので、今回SIMも用意してみた。
 わたしは既にスマホをSIMフリーマシンにチェンジし、1枚MVNOのSIMを使っている。なので、実は最初、ちょっとだけ悩んだ。SIMフリースマホ、もういらねえんじゃね?この新Tabletがあれば十分だろ、と。だから使ってるSIMをそのまま新Tabletにブッ刺せばいいのでは? 計ったかのようにSIMサイズもMicroで同じだし、と2日間ほど、いろいろなシチュエーションを考えて検討してみた。確かに……確かに!! 考えれば考えるほど、それでいいかな、とは思った。けれど、SIMフリースマホの、携帯性(=要するに小さく軽い)や、何気にデジカメとしても愛用している点を考えると、ちょっと捨てるには惜しい、けれど、その度にSIMを抜き差しするのもアホらしい、さてどうすんべ? と半ば思考はデッドロック、『聖闘士聖矢』で言うところの千日戦争(サウザンドウォーズ)になりかけてしまったのだ。
 そんな時、ふと見つけたのが、So-net謹製の「ゼロSIM」である。
 詳しいことは、公式Webサイトで観ていただきたいが、要するに500MB/月は無料で使えるSIMである。もちろん音声通話やショートメッセージなどは別料金だし、500MBを超えると、結構割高な料金がかかるので要注意だが、純粋にデータ通信だけなら、500MBまでタダ。そこで、わたしは一体毎月どのくらいのデータ量を通信しているか、使用しているMVNO-SIMの実績を調べたところ、笑っちゃうことに毎月300~600MBしか使ってないことを発見した。そりゃそうだよ、家も会社もWi-Fiだし、使うのは通勤途中の電車の中と休日だけだし、それもメールチェックとちょっとした調べものにWebブラウジングするだけだもの。その、使用しているMVNO-SIMは、月額900円で3GBまで、使い切れなかった分は翌月持ち越し可能で、毎月わたしの場合6GBまで使える状態になっているが、まったく余裕で、実際残っていた。
 つまり……わたしの場合、「ゼロSIM」はアリであるッ!! という結論に8分ほどで到達し、超幸運なことに、その結論を得たのが11/09(水)のことであった。なんと、どうやら大人気だからなのか、「ゼロSIM」は「ゼロのつく日」=毎月10日20日30日の3回しか申し込めないのである。なので、さっそく翌日の11/10に申し込み完了。わたしの手元に「ゼロSIM」が届いたのが2日後だったかな、ちょうど新Tabletが届いた翌日のことであった。
 フッ……全て計算通り!!! 何をやらせても完璧だぜ……。
 と、ひとり悦に入るおっさんの図は想像しないでください。実際、悦に入りましたけどね。

 さて、最後に、NEXUS9と新Tabletこと、ZenPad3 8.0のツーショット写真を載せて終わりにしよう。サイズ感が結構違うし、画面も、当たり前だけどやっぱりちょっと小さくなっている。
ZenPad002
 こんな感じ。小さい方が、新TabのZenPad3 8.0で、ブルーライトカットフィルターをオンにしているので、ちょっと色味が違います。けど、まあ、十分許容範囲かな。男の場合、40歳を過ぎるとてきめんに「老眼」が始まるわけで、わたしもその例に漏れないわけだが、やっぱり、コミックの小さい字は正直読みにくいです。が、ちょっとピンチアウトで拡大すればいいだけだし、それはむしろ紙の本ではできない利点でもあるので、まあアリ、としたいと思う。
 そしてさっそく、約800冊ほど、Micro-SDにコミック中心の電子書籍を保存してみたところ(すげえ時間がかかった)、やっぱり、たまにちょっとだけ、挙動が引っかかる。超サクサクのヌルヌル、ではない。けれど、十分これも許容範囲内かな、と思う。念願の、『北斗の拳』『花の慶次』『蒼天の拳』『男塾』『ブラックジャック』『JOJO全部』『HUNTER×HUNTER』『バチバチ』『バチバチBrust』『鮫島最後の十五日』『弱虫ペダル』といった大好きなコミックシリーズ全巻、それに小説でも例えば『銀河英雄伝説』全巻やたくさんの好きな小説をダウンロードした状態で、現在約32GBほど。今までのNEXUS9では100%無理だったことが実現出来てわたしは大変満足である。調子に乗って、また今後も、好きな作品を一気に買い揃えてしまおうと思っている。
 また、初めて使ってみた「ゼロSIM」も、APN設定なんて、既にあるリストから選択するだけでOKだったし、通信速度も全く問題ナシ。つか、さすがのnuroはむしろかなり速いんじゃなかろうか。あとは、普段は「モバイルネットワーク」をオフにして、使う時だけオンにする運用で、500MBの壁は十分守れると思う。通信量ゼロだと契約解除されちゃうのかな? なのでたまに使わないとな。

 最後に、手元に届いてさっそくいじっている中で発見した不満点を書いておこう。まず、OSについては、Android6.0なので、NEXUS9が既に7.0に移行していること考えれば、不満と言えなくもない。この点は今後のVersionUPを期待するしかないが、ま、実際のところあまり重要ではない。それより、もっと大きな不満は、とにかくプリインストールされているクソ要らねえアプリが多いことだ。これもまあ、今後せっせとアンインストールするなりして消していくしかないな……めんどくさいけど、それぐらいは受け入れるしかあるまい。

 というわけで、結論。
 とうとう、2年間行動を共にしてきたNEXUS9とお別れする日がやってきた。今後、NEXUSには、「友達に貸してあげられない」という電子書籍の唯一の弱点を克服するために、人に一時的に貸してやる専用マシンとして活躍していただこうと思う。そして新TabのZenPad3には、これからわたしとともに、どこへ行くときも常に同行していただくことになろう。わたしは外出する時、小さいカバンが好きなので、それにも余裕で入るキミが、すげえ気に入ったぜ!! 以上。

↓ 今はそれなりに流通してるのかな? わたしはYODOBASHIで39,730円で買いました(溜まってたポイント使用で現金3万円だけ出した)。高いところで買ってはいけません。そして、マイナー機種なのか、画面保護シールやケースが全然店頭で売ってない!!





 

 普段わたしはいかにも教養ありげに、そしてクソ偉そうにこのBlogを書いているわけだが、実のところ結構苦手分野というか全然知らないことも多く、その度にせっせと勉強しているインチキ野郎である。そして、わたしが一番自分の性に合わないというか、どうもピンと来ないため、ほとんど知識として蓄積できていない分野が、イタリアのルネサンス期である。もちろんその歴史的背景などは興味深いし、宗教観などもそれなりに勉強したつもり、ではいる。けれど、どういうわけかイタリアのルネサンス期に関しては、あまり興味が持てないでいる。自分でも理由は良くわからない。多分食わず嫌いだと思うのだが、何なんだろう、あまりに巨人すぎるというか、天才文化で民衆から離れているように感じるからなのか(それが正しいのかどうかすら良く分かっていない)……。実際、わたしとしては宗教革命以降の16世紀以降の方が断然興味深い。
 というわけで、日ごろ海外翻訳ミステリーが大好きな男として周囲にはお馴染みのわたしなのに、2004年に日本でDan Brown氏による『The Da Vinci Code』が出版されたときは、全然読んでみたいと思わなかった。未だ自分の心理が良くわからないが、「ダ・ヴィンチ」と聞いて何故か敬遠してしまったらしい。そして続くシリーズも、当然(?)未読である。その結果、周りの人々にはこぞって、面白いから読め、つーか君が読んでいないなんて超意外!! とまで言われる始末であった。
 なので、映画化されたときも、それほど観たいとは思わなかったものの、M君が大絶賛で絶対に観るべきとうるさかったので、結局映画は観た。そして映画2作目の『Angels & Damons』も、一応観た。結論としては、もちろん面白かった、けれど、どうも良くわからない部分がいくつかあって(例えば、わたしは未だに『Da Vinci Code』で冒頭の人体図に模した死体の意味が良くわかっていない。ヒントを残すために瀕死の状態で素っ裸になってポーズをとって息絶えたってこと?)、絶賛とまではいかない感想であった。これはひとえに、わたしの理解力のなさに起因するものであって、作品の責任ではないと思う。全然勉強せずに観たわたしが悪い。
 というわけで、この度、映画版シリーズ第3弾『INFERNO』が公開されたわけだが、こんなテンションのわたしなので、今一つ超観たいぜ的なワクワク感はなく、いわば義務的に劇場へ向かったのであるが、本作は前2作に比べてかなりトリッキーな展開で、かなりワクワクドキドキ感は高かったものの、想像するに、おそらくは原作をかなり短縮・濃縮したものなのではないかという気がする。おまけに、わたしは情けないことに、Dante の『神曲』も、3回挑戦して3回とも最後まで読めずに挫折したダメ人間なので、実際、若干良くわからないところが残るという、これまでの2作と同じような感想を持つに至った。うーん、やっぱり原作未読だとキツイのかも? そして、これはどうでもいいことですが、原作的には『INFERNO』は、ラングトン教授シリーズ第4弾で、3作目の『The Lost Symbol』を飛ばしての映画化である。原作読んでないので、その飛ばした理由は全然知りません。映像化すると途方もなく金がかかりそう、とかそういうことなのかしら?

 というわけで、今回もラングトン教授inイタリア、である。物語の大筋は、上記予告の通りである。わたしはちょっと勘違いしていて、今回は謎のウィルス(上記予告では「菌」という字幕だけど、ウィルスだと思うのだが……)を巡る争奪戦なのかな、と思って劇場に向かったわけだが、実のところ争奪戦というよりも、既に今回の事件の首謀者は死んでおり、首謀者がどこかに仕掛けたウィルスを探し当てる、いわば宝探しゲームであった。全然宝じゃないけど。
 そして今回は、肝心のラングトン教授が、病院で目を覚ますところから物語は始まる。自分はアメリカにいると思っている教授は、目を覚まし、窓の外を見ると、まぎれもないフィレンツェの街並み。あれっ!? オレ、なんでフィレンツェにいるんだっけ? と、どうも記憶にない。おまけに頭に傷を負っている。聞けば銃撃の痕らしい。おまけに冒頭から、病院には謎の刺客が現れて銃をぶっ放してくる。ナンデ? 一体何が!? という状況からのスタートだ。 そして病院の女医さんを相棒に病院を脱出し、謎の「地獄絵図」の幻視に悩まされながら、段々と記憶を取り戻しつつ、謎のウィルスの仕掛けられた場所へと迫っていく――というのがお話の大筋である。
 なので、ポイントは、一体なぜ、ラングトン教授はフィレンツェにいたのか、なぜ命を狙われているのか、そして、ラングトン教授をフィレンツェに派遣したのはどの勢力なのか、ということになる。
 今回は、ラングトン教授と同じように、ウィルスを確保しようとする勢力がいくつかあって、金のために確保しようとしている(ように見える)連中、そしてウィルス拡散を防ぎたいWHOチームがラングトン教授を追いかけてくる。そしてラングトン教授は、いつもの超博識な頭脳でピンチを切りぬけ、核心に迫っていくわけだが、結局この映画は、その博識さが一番の観どころになってしまっているように感じられた。
 なので、肝心の、首謀者の主張である人類半減計画(正確には人口半減計画)が、どうにも薄っぺらに感じられる。首謀者の主張は、このまま人類の人口が増え続ければやがて地球は破滅に至る、だから今、勇気をもって半分にしちゃおう、という中2病めいたもので、ある意味、シャア的な、いろいろな作品でお馴染みのものだ(そしてどうやら、ウィルスの正体については原作と違うみたい(?)。おまけにエンディングも全然違うらしい)。なので、わたし個人としては、その主張に、実はある程度賛同できるのだが、やはり常識的に考えればどうにも軽い。そして、どう考えても回りくどい。まるで阻止されることを願っているようかのな回りくどさが、わたしにはどうもピンと来なかった。さっさと実行しちゃえばよかったのに。そしてこれはどうでもいいけれど、WHOがあんな重武装の戦闘部隊を保有しているのもわたしは全く知らなかった。アレって、本当に実在するんだろうか? どうなんだろう……まあ、存在するんだろうな、きっと。
 というわけで、結局本作も、わたしとしては「きっと原作読んだらもっと面白いんだろーなー……」という感想しか持ちえず、であった。
 ただし、いつも通り、映像は完全に本物ぞろいで、その点の観ごたえは十分以上の迫力である。まあそれが映画の醍醐味なんでしょうな。すっげえところでよく撮影出来たなー、と思うようなショット満載である。しかし、いつもこういう映画を観ると思うのだけど、イタリアの美術館や博物館や世界遺産的なところって、あんなにも警備がザルなものなのだろうか? あまりに楽勝すぎて、ホント心配になる。日本でもあんなに簡単に「関係者以外お断り」の場所に忍び込めるものなんですかね? やってみたことないし、わざわざやってみたいとも思わないけれど、ラングトン教授が博識で、そこら中の抜け穴や出口に詳しいのはいいとしても、潜入が楽勝すぎてびっくりしました。欧米人よ……もうチョイ、仕事熱心&セキュリティ万全な方がいいと思うな……。

 で。役者陣は相変わらず豪華というか、見事な演技者ぞろいである。
 もう主役のラングトン教授を演じたTom Hanks氏はもう何も書かなくてもいいすよね? ホントにまあ、相変わらずの大活躍ですな。先日の『SULLY(邦題:ハドソン川の奇跡)』では来日したそうですが、うちの会社の近所の蕎麦屋に来たそうで、一度生Hanks氏と出会ってみたいものです。この人、身長どのくらいなんでしょう? 結構デカいすよね? あ、Wikiに書いてあった。185cmか。やっぱデケエすね。
 そして今回わたしが、実のところこの映画を観に行った最大の動機でもあるのが、教授とともに逃げる女医さんを演じたFelicity Jones嬢33歳を観ることでした。もう皆さんご存知の通り、公開が1か月後に迫った『ROUGE ONE―Star Wars Story』で主役の「ジン」を演じるのが彼女なわけで、わたしは彼女の顔は『The Theory of Everything』の時しか思い出せないので、今回じっくり観て見たかったのです。オックスフォード出身の才媛ですな。前もどこかで書きましたが、まず声が大変可愛らしいと思う。そして、今回じっくり見て、わたしは彼女の、若干出っ歯気味な、リスっぽいデカイ前歯が大変気に入りました。実に可愛いすね。ええ、わたしはそういう、変態じみた視点で女性を観察する男なので、口を閉じているのにチラッと覗く前歯にわたしはもう大興奮ですよ。変態でサーセン。
 ほかには、事件の首謀者の大富豪を演じたのがBen Forster氏36歳。この方の顔を見て、わたしが真っ先に思い出したのは、『X-MEN:Last Stand』で演じたミュータント、エンジェルすね。あの時と比べると、当たり前だけど若干歳を取りましたな。それから、この人が一番カッコイイのはやっぱり『LONE SURVIVOR』のアクセルソン兵曹の役じゃなかろうか。もの凄く悲しいけど壮絶にカッコ良かったすね……。若干チャラ目の言動ながら、最後まで立派でした。おっと!? マジか! わたしは観ていない映画なんだけど、『疑惑のチャンピオン』でLance Armstrong役を演じたのが彼なんだ。そうかーーー。自転車ロードレース好きとしては超観たかったんだけどなあ……。WOWOW放送を待つか……。
 あと二人。WHOフランス支局員の怪しい男を演じたのがOmar Sy氏38歳。彼で一番有名なのは、もちろん出世作の『Intouchables』。日本語タイトル「最強のふたり」は日本でも大ヒットしましたね。そして非常に面白かった映画です。ちなみに彼も、『X-MEN』でミュータントを演じてますが、アレはちょっと能力的に微妙だったすね。ほかにも、ずっと前にこのBlogでレビューを書いた『Good People』だとか、『JURASSIC WORLD』なんかにも出てましたな。結構活躍中です。
 ラストに紹介するのは、今回謎の組織を率いて教授を追う男を演じたIrrfan Khan氏49歳。49歳!? なんだよ、わたしよりチョイ上なだけじゃん。もっと全然年上かと思ってた。この方はインドの方ですが、特徴的な顔なので、わたしが真っ先に思い出したのはやっぱり『Slumdog Millionaire』の警部すね。そしてこの方も、『JURASSIC WORLD』に出てましたな。役名は忘れたけれど、パークの社長(?)で、社長なのに意味なく自らヘリで討伐隊に出発して、あえなくプテラノドン(だっけ?)の群れに遭遇して撃墜される、良くわからない最期を迎えたあの人、すね。今回彼が演じたキャラクターが、非常に怪しく、いい人なのか悪者なのか、というのも物語のキーになってます。
 そして、監督はシリーズ3作すべてを撮っているRon Howard氏62歳。今年の初めに観た『In The Heart of Sea』もそうだったけれど、実に堅実というか、職人的な監督ですな。とりわけ凄いと思わせずに、実はかなり凄い映像を本物のように撮る監督、とわたしは思っています。例えば今回の、教授がフラッシュバックで時折見ることになる「地獄絵図」の映像は、アレは何気に凄く金もかかってるしエキストラも考えたら相当大規模な撮影だったんじゃなかろうか。そういうのをまったくメインストーリじゃないところでチラッとしか使わないのに、きちんと撮っているのは流石だなあと変なところでグッときました。あと、そうだ、本作の音楽を担当しているのはHans Zimmer氏58歳でした。58歳で若手というのはアレですが、現在の映画音楽作家の中では、若手ナンバーワンでしょうな。特徴的な重低音の不協和音のようなな使い方(うまく表現できない!)は今回ももちろんあります。
 
 はー。いい加減長いので、ぶった切りですが結論。
 ラングトン教授映画シリーズ第3弾『INFERNO』を観たが、やはり、どうも原作の方が面白いんじゃないかしら、という気がしてならない。また、ひょっとしたら原作を読んだ方は、超絶賛する人と、原作の持ち味が薄れていると怒る人と、二分されるような気もする。単純に映画としてどうだったか、と聞かれると、十分面白かったと言うにやぶさかではないけれど、どうなんだろう、人類半減計画(人口半減計画)って……日本のアニメや漫画ではまったくもってありがちというか、おなじみだからなあ……それならもうチョイ、計画は単純にして実行できたんじゃね? と思ってしまいました。まあ要するに、そこまで首謀者は絶望していたわけではなく、人類の愛ゆえに計画し、そして愛によって倒されたかったということかもしれないですな。ラオウ様的に。いろいろ解釈は許容されると思います。以上。

↓ これは4回挑戦して4回目でようやく読了できた、とわたしの25年前の日記に書いてあった。どうも読みにくく、コイツのせいでルネサンス期のイタリアが苦手になったような気がしてならない……。
デカメロン
ボッカッチョ
河出書房新社
2012-10-11

 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 今週末は、3本映画を観ました。『手紙は憶えている』『ジャック・リーチャー』『インフェルノ』の3本です。TOHOシネマズの1カ月フリーパスポートをゲットしたので、ホントはもっと見ようと思ったものの、それなりにわたしもやることがあるのでその3本しか観られなかったす。一番面白かったのは『手紙は憶えている』かな。素晴らしい脚本でした。驚きのラストにマジで打ちのめされました。『手紙は憶えている』『ジャック・リーチャー』はレビュー済みですが、『インフェルノ』のレビューは明日書きます。
 そして、東宝・松竹・東映の中間決算が出ていますので、それについて少しコメントしておきます。今回は冒頭にもう書いてしまおう。つーかですね、東宝と松竹は2月決算なので、中間期は8月末なわけで、とっくに数字は出ていたのですが、東映が一般的な3月決算なので、ズレるんすよね。今後はもう、合わせないで、出た段階で数字チェックしようと思います。
 ◆東宝2017年2月期第2四半期決算(2016/03/01~2016/08/31)
 売  上:114,983百万(対前年92.8%)
 営業利益: 24,403百万(対前年100.3%)
 減収増益。はっきり言って実写は『シン・ゴジ』ぐらい。そしてアニメは絶好調。春の『コナン』君大ヒットも記憶に新しいですな。まあ、『シン・ゴジ』や『君の名』が決算に大きく寄与するのは9月以降なので、通期での業績見込みは、この中間決算開示と同時に上方修正をしていて、増収増益を発表してます。下期は、年末の『海賊と呼ばれた男』がどのくらい行くかがカギでしょうか。一応安泰、です。
 ◆松竹2017年2月期第2四半期決算(2016/03/01~2016/08/31)
 売  上:47,819百万(対前年100.0%)
 営業利益:  4,168百万(対前年  91.0%)
 微増収減益。松竹はヒット作が立て続けに出たので(『家族はつらいよ』『利息でござる』『植物物語』『HiGH &LOW』)、確実に増収増益だろ、と思ってたのに、そうでもなかったですね。前年の前半は『ラブライブ』が大きな貢献をしただけだと思ってました。なので、あれ、そうなんだ、と決算短信を読み込んでみると、セグメントで観た時、映画事業は増収減益ですが演劇がちょっとだけ大きめの減収減益のようですな。良いことしか書いていないので、演劇事業の減収減益の要因は全く書かれてませんが、南座の休館(耐震工事中)なんかが響いたのかもしれません。通期の業績見込みは増収減益の予定。しかし減益の度合いが大きくて、何か費用のかかることがあるのか、正直良く分かりません。営業利益率が3社で一番低いのも気になります。でも、『聲の形』の大ヒットは織り込んでない通期見込みだと思うな。どうなんだろ?
 ◆東映2017年3月期(2016/04/01~2016/09/30)
 売  上:63,168百万(対前年102.0%)
 営業利益:  8,924百万(対前年90.0%)
 増収減益。ヒット作がONEPIECE以外なかった東映が増収とは、わたし的にはやや驚き。まったく株価に影響していないのが笑えますが、増収の要因として、一応は『ONE PIECE FILM GOLD』の大ヒットや「連結子会社の上方修正」なんかが挙げられています。この連結子会社とはもちろん東映アニメーション株式会社のことで、どうやらアプリゲーム向けライセンス収入や、海外版権、グッズ販売でがっぽり売上が入ったようですな。さすが、こういう時にIPをいっぱい持ってると助かりますね。資料を見ると、未だに『聖闘士聖矢』なんかは、主に海外で年間数億の売上をたたき出してるんですよ。しかし東映の実写映画は全く売れてないのに、アニメパワーは凄いですね。文芸や雑誌は全く売れてないけど、コミックやラノベがきっちり支える、的などっかの出版社みたいですな。

 とまあ、そんな中間決算だったそうです。相変わらず東宝1強ですな。
 さてと。それではいつもの週末興行数値を興行通信社の大本営発表から見てみよう。

 1位:『君の名は。』が再び連続1位。累計で184.9まで積んでいるそうです。もう、上映が続く限り、ずっとランキングに居座りそうですな。いつまでどのくらいの規模での上映となるか、それが分からないので予想しようがありません。
 2位:『ミュージアム』が初登場2位。公開土日で2.44億円ほどだったそうです。10億はまず行けそうなスタートです。わたしは原作コミック未読なのでよく知りませんが、映画はなかなか面白そうですな。現在フリーパスポートがあるので、とりあえず見ようとは思ってます。タダで。わたしは何気に小栗氏の芝居が結構好きかも。
 3位:『ジャック・リーチャー:Never Go Back』が公開土日で1.9億ほど。金曜公開なので、3日間合計で2.5億ぐらいと予想。土曜日に観て来ました。なんか、ちょっとキャラが変わったか? というような、今回は結構しゃべります。そして一匹狼が女子二人を連れての逃避行なので、少し前作と雰囲気が変わったように思います。前作は公開土日で2.27億→最終11.3億だったので、今回10億ギリギリあたりのような気がします。
 4位:『デスノート Light up the NEW world』が公開16日間で15~16億ぐらいと見積もる。わたしのDEATH NOTE熱はジャンプ連載終了で終わっているので、ほぼ興味なし。
 5位:『インフェルノ』が17日間で10~11億チョイぐらい、と見積もる。やっと観て来ました。明日レビューを書く予定です。ちょっとね……人類半分抹殺計画……正確には人口半減計画か。よく考えると相当中2病ですなあ……。映画シリーズとしては前作になる『天使と悪魔』は2009年公開で最終33.5億。意外と随分前すね。まあ、今回は20億に届くかどうか、というところでしょうか。
 6位:『溺れるナイフ』が公開9日間で3億ほどと見積もる。これは難しい。もうチョイ下かもしれないし上かもしれない。わたし的に菅田君は、「仮面ライダーW」のフィリップなんですが、ホントにここのところ売れっ子っすね。
 7位:『魔法使いプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』が17日間合計で5~6億ぐらいと見積もる。去年の秋キュアより数字がいいのでは? やっぱりシリーズごとの人気ってのがあるんでしょうなあ。
 8位:『ボクの妻と結婚してください』が9日間合計で3億に届いていない可能性があると思う。厳しいすね……非常に厳しい興行だと思います。
 9位:『オケ老人!』が公開土日で1億行ってないようですね……このランキング位置からすると0.5億も行ってないのかもしれない。あ、金曜公開だから、3日間で0.5億ぐらいかな。観たら絶対面白い、ような気がするのだが……。よし、杏ちゃん応援のために観に行こう!! わたし、杏ちゃんの声が大好きっす。
 10位:『この世界の片隅に』が公開土日でこちらも0.5億に届いていない可能性が……厳しいすね。いろんなところで、能年玲奈ちゃんこと「のん」ちゃん叩きの記事が出てますが、そんないじめたって仕方なかろうに……。叩かれる理由があるんすかねえ……誰がどう見ても、可愛い娘さんなんだけどなあ……。映画の評価は高いようですな。負けずに頑張れ!!

 とまあ、こんな週末興行だったようです。

 土日の映画館は、わたしがみかけた中で一番お客さんが多かったのは『この世界の片隅に』だったので、もっと上位で稼いでいるのかと思ってましたが、今公式サイトで上映劇場の数を数えてみたところ、今現在63スクリーンのようですね。うーん、従来のコアアニメとしては標準、だけど一般アニメとしてはちょっと少ないですね。なんというか……ほんと、ノンちゃんには頑張っていただきたいと存じます。以上。

 わたしが通っている映画館は、家からチャリンコをぶっ飛ばして15分ほどのところにあるTOHOシネマズだが、その前身はヴァージン・シネマズであった。2003年に買収されて、看板がTOHOに変わったわけだが、元々はVirgin Atlantic航空でおなじみのVirginグループから出資を受けた野郎が1997年に作った、現在のシネコン文化の起源と言っていいような映画館である。そして、その親会社が航空会社を運営していたからか、当時から「マイレージ」サービスを行っていて、1本映画を見ると、その上映時間の1分=1マイルに換算し、そのマイルを貯めるといろいろ特典がありますよ、というサービスを実施していた。そしてTOHOに看板が掛け変わった今でもそのサービスは継続されている。
 要するに120分の映画を見ると120マイルもらえるわけで、そのマイルを6000マイル貯めると、「1か月映画見放題パスポート」をくれることになっている。6000マイルというと、つまり120分の映画×50本分、ってことですな。さすがに映画を見まくっているわたしでも、1年でそこまではいかず、マイルの有効期限は2年なのだが、大体、2年に1回、わたしはこのパスポートをゲットしている。それも大抵が秋から年末にかけてで、どのタイミングでパスポートをもらおうかなーというのも、わたし的には2年に1度のお楽しみになっている。
 で。年末もそろそろ近づいており、ちょっと観たい映画が結構ありそうな今のタイミングで、昨日パスポートをゲットしてみた。確か2回前、だから4年ぐらい前にゲットしたときは、デジカメで写真を撮られ、写真入りのパスポートだったのだが、前回、2年前からは写真はなし、の簡単なものになった。
 というわけで、 昨日は、まずすでにこのBlogに記事を書いた『REMEMBER(邦題:手紙は憶えている)』を午前中に観て、午後は本作『JACK REACHER:Never Go Back』を観てきた。
 ちなみに先週訪れた台湾ではとっくに公開中で、↓こんなバスを見かけました。
taiwan102
 こんなラッピングバスがいろんな種類、台北の街を走り回ってます。
 で、本作はLee Child氏による原作小説シリーズがあり、現在21作(?)刊行されているそうだ。しかし、わたしも読んでみたかったものの、大嫌いなクソ講談社が日本語訳をきちんとシリーズすべて出版していないので原作は一切未読である。シリーズを歯抜けでチョイチョイ出すって、どういう神経してるのか……ユーザー無視も甚だしい。ま、要するに売れなかったのであろう。売れなくても全部出せよな講談社。わたしの愛する早川書房なら、絶対そんなことはしないだろうに……。
 なお、映画としては、2作目にあたり、前作は日本では『アウトロー』という微妙な邦題で2013年2月に公開されている。 あれ? そんな前だっけ!? そうか、あれからもう3年半か……。

 さて。物語は大体上記予告の通りである。が、そもそも、ジャック・リーチャーって何者なの? ということが分からないと、ちょっとついて行けないかもしれない。それから、今回の仕事というか行動についても、上記予告では一切説明されていない。なので、そこら辺をごく簡単に解説しておこう。ただし、わたしも原作未読なので、わたしの知識は前作『アウトロー』で知ったこととwikiで読んだことなので、はっきり言ってニワカ知識であることをあらかじめお断りしておく。
 ◆ジャック・リーチャーって何者なの?
 元々はUS-Army所属の軍人である。なのでめっぽう強い。最近流行り(?)の、無口で軍務経験ありの無敵系主人公である。銃火器のエキスパートであり、対人格闘も恐ろしく強い。しかし彼は戦地で敵を相手にドンパチをやっていた男ではなく、Military Police=MP=憲兵隊に所属し、軍内部の犯罪行為を捜査することを仕事としていて、退役した元・少佐(だっけ?)だが、今もなおWashington DCにある陸軍憲兵隊本部では「LEGEND」と呼ばれる凄腕捜査官だったようだ(と本作で説明されていた)。なので、彼はとにかく正義感が強く、悪党をほっとけない性格であり、正義のためなら手段を選ばず悪を罰するが、そこに良心の呵責はないという、ややゆがんだ男、それがジャック・リーチャーである。あれ、軍を辞めた理由は何か説明があったかな……前作で何か説明されてたかもしれないけど、サーセン、憶えてないっす。
 ◆今回は単独捜査じゃない。
 ジャック・リーチャーは、退役後、住所を持たず、私物を持たず、全米各地を放浪するアウトローで携帯ももちろん持っていない。そんな完全一匹狼の男が、今回は団体行動である。どんなお話かというと……とある悪党をとっ捕まえたリーチャーさんは、そのことを古巣の陸軍憲兵隊に報告、その際、報告先の女性少佐(リーチャーの後任)と電話でやり取りするうちに、どうもその女性少尉のことが気に入っちゃったようで、近いうちに飲もうぜ的な展開に。そして何気に嬉しそうに、後任の女性少佐に会いにDCへ。そこでは、いつも電話を取り次いでくれていた若い女性軍曹が何やら緊張している様子。そして、会いに行った女性少佐が逮捕拘留されていることを知る。容疑はスパイ行為。そんな馬鹿なと調べていくと、そこには何やらキナ臭い陰謀があり、ジャックはさっそく女性少佐を脱獄させ、かくして合衆国陸軍から逃亡しながら、悪党を狩る二人旅が始まり、そしておまけに、ジャックの娘かも疑惑の女の子も巻き込まれるように狙われることになり、ついでにその女の子も連れ、奇妙な3人での逃亡&ハントの旅となるのであった……みたいなお話である。
 この、ジャックの娘かもしれない、と思われている女の子が結構ポイントで、うっかり電話したりカードを使ったりして敵に居場所を察知されてしまうアホなミスをやらかす一方で、ジャックも女性少佐も行き詰って、どうしよう? という状況の時に、何気に機転を利かせてピンチを脱することになったり、なかなか重要な活躍をする。
 そして女性少佐の方も、さすがにジャックの後任らしく、よく訓練された軍人であり、本作ではとにかくよく走る。その走るフォームがなかなか美しくて大変よろしい。女の子ともだんだん仲良くなって、潜伏するホテルではジャックを蚊帳の外に女の子とガールズトークで盛り上がるなど、ユーモアシーンも前作には全くなかったところだろう。
 というわけで、本作はどうもジャック・リーチャーの無敵ぶりが薄いというか、調子外れというか、なんとなく角が取れたように思える。そこをどう思うかは人によって違うと思うが、まあ、わたしとしてはこんなジャックはジャックじゃない、というやや冷めた思いを抱いたのは事実だ。しかしそれでも、この3人のチームは疑似家族としてなかなかよく描けていて、ジャックらしくはないけれど応援したくなるところはあり、とくに女性少佐の美しさは際立っていて、まあ、これも悪くないか、と思うに至った。

 で。もはや主役のジャック・リーチャーを演じたTom Cruise氏については説明する必要はなかろう。御年54歳、相当痛そうなアクションシーンも必死で頑張っているさまはやっぱり凄いすね。しかし今回は、車の運転も女性少佐が担当する場面が多く、活躍ぶりは前作比若干控えめかも。
 そして今回わたしが非常にイイと思ったのが、女性少佐を演じたCobie Smulders女史である。彼女は、わたしにとってはMarvelヒーロー映画のエージェント・マリア・ヒル役でおなじみですね。 大変美しく、凛とした佇まいは非常に存在感がありますな。しかし34歳か……言われてみればそのぐらいだろうし、一方でやけに貫禄もあるし、不思議な感じがしますね。元々モデルとして活躍されていた方なので、プロポーションは完璧な美しいお方ですが、ちょっと完璧すぎて、近づけないオーラが沸き上がってますな。
 あと、もう一人、わたしが、この子は可愛い!! と思ったのが、ジャックと女性少佐の電話を取り次いでくれていた、若い女軍曹Sgt.Leachを演じたMadalyn Horcherちゃん21歳である。彼女は女性少佐の忠実な部下で、無罪を信じているため、ジャックに協力して何気にいろいろ情報をくれる重要な役だが、常に合衆国陸軍の迷彩作業服&帽子着用なので、顔のアップなんかはあまりないんだけど、たまーに見せる笑顔が大変かわいく、わたしに強い印象を残した。どうやらTVドラマ中心でまだ映画のキャリアはほとんどないみたいですな。日本語Wikiも記事が存在しないし。 でもこの娘さんは大変イイですね。とても気に入りました。名前を憶えておきたいと思う。
 ラスト。ジャックの娘かも疑惑のために、敵に狙われることになる女の子を演じたのがDanika Yaroshちゃん18歳。最初の登場時は微妙面かと思っていたけれど、活躍するにつれて可愛く見え始める若干のブサワカガールであった。彼女もキャリアはTVドラマ中心みたいですな。しかし、ジャックの娘か? と思わせるような冒頭の鋭い注意力など、キャラとしては非常に立っていました。ラストも結構泣かせましたね。本作では非常に重要な役割を頑張って演じ切っていたと思います。彼女の名前も憶えておきたいですな。
  
 というわけで、結論。
 シリーズ最新作『ジャック・リーチャー:Never Go Back』は、予期せぬ疑似家族を描いたアクション活劇であった。いつもと調子の狂うジャック氏の不器用パパぶりは、まあアリといえばアリだし、こんなのジャックじゃないといえばその通りだろうと思う。しかし……ジャックはある意味ホームレスなわけで、事件解決後はいつも通りクールに去るというわけで、ジャックの全米悪党退治の旅はまだまだ終わらないようです。わたしとしては、本作が面白かったかと聞かれると、正直微妙。悪くないとは思うものの、もっと無口でクールなジャックの方がやっぱり面白いような気がします。実はあまり書くことがないので、テキトーなことを書き連ねてしまいましたとさ。以上。

↓ 1作目は、観ていなくても大丈夫、だとは思う。けど、観てない人は観た方がいいに決まってます。どちらかというと、わたしは1作目の方が好きかな。
アウトロー (字幕版)
トム・クルーズ
2013-11-26
 

 ついに、次期アメリカ合衆国大統領は共和党のDonald Trump氏に決まったわけだが、わたしとしては、もはや決まってしまったことなので、願わくば周りやバックについている頭のいい連中が「善良」であることを祈るばかりである。少なくとも言えることは、我々日本人から見たら、「なんじゃそりゃ!」と思うような選挙制度であっても、まぎれもなくTump氏は合法的に、誰も文句の言えない方法でアメリカ合衆国大統領になるわけで、その点はもう、受け入れるしかない。ホント、どうなるんすかねえ。
 そして、我々は、世界の歴史において、おそらく今後の歴史において永遠に悪党であると言われるであろう政党Nationalsozialistische Deutsche Arbeitpartei(国家社会主義ドイツ労働者党)、通称「Nazi」が83年前にドイツの政権を「合法的に」握ったことを知っている。もちろん、合法的と行ってもそこは議論の余地のあるもので、裏には恐喝や欺瞞、違法行為があったことは知られているが、表面的であっても合法的で、なおかつ支持した一般市民が大勢いることは紛れもなく事実だろう。日本だって、いわゆるタレント候補が国会議員や知事になる時代だ。まちがいなく、そういった人々を支持した名もなき民衆が大勢いるのは明らかだ。 
 なので、Trump氏に関しても、これから、後の世の人々がその評価をすることになるはずで、今のところは誰も何も言えそうにない。 実は超イイ奴かもしれないし、世界を破滅に導くことになるかもしれない。それはまだ、実際のところよく分からんので、みんな不安なわけだ。主に外国の我々から見たら。
 しかし、既に結果の出ているNaziに関しては、その行為によって、全世界から今もなお悪党として忌避されているわけだが、とりわけ、一番犠牲者の出たユダヤの方々は、現在もその恨み晴らさでおくべきか……!! と復讐の牙を磨いていることは、これまた全世界的にも知られていることであろう。その復讐の炎は永遠に晴れないものなのか、いわゆる「憎しみの連鎖」というものは、果して永遠に断ち切れないものなのか、という問題は、わたしは大いに興味がある。 こうして文字にすると他人事のようになってしまうけれど、実際、わたしは人間の心理・行動において、その点が一番大きな問題だと思っている。
 というわけで、今日、わたしが観た映画は、90歳近いユダヤのおじいちゃんがNaziの当時の将校をぶっ殺しに行く、結構物騒なお話である。そして、その巧妙に練られた脚本にわたしは仰天し、非常なる傑作と認めるにやぶさかでないわけであります。いや、マジで素晴らしかった。映画のタイトルは、『Remember』。観終った今のわたしとしては、ニュアンス的には「忘れるな」という命令形と取るべきのような気がするが、邦題は「手紙は憶えている」というタイトルの作品である。

 物語は、ほぼ上記予告の通りである。
 妻を1週間前になくした老人。彼は軽度(と言っていいだろう)の認知症を患っており、妻を亡くしたショックもあって、毎朝目覚めると、妻を亡くしたことを忘れている。だが、入居している介護施設の職員に諭されれば、ああ、そうだった、と思い出せる程度であるので、まあ軽度であろうと書いたわけだが、1週間の喪に服した後、息子夫婦や孫たちがやってきてユダヤの49日的な集まりが済んだあと、同じ施設にいる別のユダヤの老人から、一通の手紙を渡される。それは妻が亡くなったときに二人で話して決めたことが書いてあり、それを読んで主人公はこっそり施設を抜け出して、手紙に書かれた決断を実行すべく行動開始する。
 その決断とは――二人の老人は、ともにアウシュヴィッツの同じ房の生き残りであり、その収容所の所長的立場にあった男が、戦後身分を偽ってアメリカに移住しているということを知り、「生かしてはおかない」ことを約束し合ったものだった。一方の老人は車椅子と酸素ボンベが必要な老人なので動けない、なので主人公が「殺し」を引き受けるというものらしく、計画はすべて綿密に立てられていて、主人公の老人は旅先で自分がどこにいて何をしようとしていたか忘れてしまっても大丈夫なように、手紙にすべての計画をまとめた、ということになっている。そして、同じ名前の男が4人、つまり容疑者は4人。その4人を一人一人訪ねて回る、というのが主なお話の流れである。
 そしてこの先のお話は、もう一切書けない。実は予告映像にはネタバレになるカットがいくつかあるが、それは観終らないと意味が分からないので大丈夫だと思う。とにかくこの作品はネタバレしては絶対ダメだ。わたしは上記予告は何度か劇場で観ていたので、ここまでの流れは予告から想像できる通りであろうから書いたけど、ここから先は書けない。正直に言えば、見事にやられた! と思うような、わたしの想像した結末とは全く違うシビアなお話であった。書きたいけど……書けない!!! ちょっと冷静に考えると、若干ご都合主義的な部分はある、とは思う。けれど、この驚きの脚本は非常に見事だった。ぜひ、劇場でそのラストは確認していただきたいと思う。いやー、ホントに素晴らしかった。
 しかし……第2次大戦終結から71年が経っているわけで、当時20歳とすれば現在91歳(US公開は去年の今頃らしいので、戦後70年)。18歳だとしても89歳。そりゃあ戦地に出た人間はもう相当なお爺ちゃんか亡くなってるかですわな。そしてその恨みの炎が未だ消えないわけで、人間はそういう生物なんでしょうかねぇ……。そういう恨みを「Remember」、忘れない、憶えているというのは、なんというか、人間は悲しい存在だなあ……とのんきに思うわたしは、おそらくはまだ幸せなんでしょうな。
 わたしも、「あの野郎絶対ぶっ殺してやる!」と思うような奴に今まで何人も出会ってきたけれど、はっきり言って普段はもうすでにとっくに忘れちまっているわけで、結局、あの時のわたしの怒りや、わたしを怒らせたクソ野郎どもなんてのは、大したことがなかったんだろうなと思う。あの時は、ホントにすべてを捨ててもコイツを生かしておかない!!! と頭に来てたはずなのに、すっかりどうでもいいことになちゃってる。まあ、それほどの怒りや恨みの念に捕らわれていないこれまでの40数年の人生を感謝すべきなんだろうな、と漠然と思いました。
 ちなみに、わたしがこの映画で、一番、じゃないかもしれないけど、かなりぞっとしたのは、88歳のおじいちゃんに、しかも使い方が覚えられないから紙に書いてくれ、なんてお願いするおじいちゃんに、余裕でGLOCK17(19だったかも)を売ってしまうアメリカ合衆国の国民性だ。勿論合法なので、US-Citizenでないわたしが文句を言う筋合いは全くないのだが、おっかない国ですよ、やっぱり。彼らの主張の根拠としてよく耳にするのは、西部開拓時代から自分の身は自分で守るのが当たり前、という理論だが、お前らさ……21世紀の法治国家だぜ……? まあ要するに、他人への、人間への信頼がゼロ、ってことなんだろうと思う。怖い国だなあ、本当に。

 さてと。では、お話の部分ではなくて、ちょっとだけ役者と監督について書いておこう。
 まず、主役の老人を演じたのは、大ベテランのChristopher Plummer氏。御年86歳。このお方は、わたしにとっては永遠のトラップ大佐ですよ。え!知らない!? 超名作『SOUND OF MUSIC』のお父さんですよ。目元は全く変わらないすね。そして超美声。元々ブロードウェーでも活躍した人だしピアニスト志望だったそうですね。本作でも、御大がピアノを弾くシーンが何度かあります(その曲が結構重要!!!)。最近では、と言ってももう5年前だけど、ハリウッド版の『The Girl with Dragon Tatoo』のヘンリク・ヴァンゲルでもお馴染みですし、今、Wikiを見て初めて知ったけれど、なんと元部下のYくんが大好きなゲームの『The Elders ScrollsV:SKYRIM』でも声優として声の出演をしてるんですな。もはや何本の映画に出ているか数える意味もないほど数多くの作品に出演されてます。そして今回の演技は実に、実に渋くて素晴らしかったっす。
 そして監督だが、Atom Egoyan氏という方で、正直に告白すると、映画オタクを名乗るわたしでも一瞬、誰? と思う人だったが、調べてみたところ、ちょっと前に観た『DEVIL'S NOT』を撮った監督でした。『DEVIL'S NOT』も非常に重くてシリアスなお話でしたな。わたしがことあるごとに推している、Dane DeHaan君もちらっと出ている秀作ですので、そちらもお勧めです。

 というわけで、結論。
 『REMEMBER』、邦題「手紙は憶えている」は、わたしが想像した結末とは全く違うエンディングを迎える衝撃作であった。傑作と言っていいと思う。素晴らしかった。そしてかつてのトラップ大佐も、すっかりお爺ちゃんなわけで、それでもやはり、Christopher Plummerという役者は今もなお素晴らしいと断言できると思います。
 しかし……憎しみの連鎖というものは、今現在の人類には断ち切ることは出来ないんだろうな。みつを的に言えば、だって人間だもの、ってことなんでしょうね。そして、民主主義というものも、現在の人類にとっては少数意見の切り捨てに過ぎないわけで、かといってそれに代わるシステムというか方法もないわけで、なんというか、人類は少々行き詰ってんじゃねえかしら……と大変不安になりました。
 ところで、全然関係ないですが、この映画はもう2週間前に公開されており、そろそろ終わっちゃいます。なんで今頃観たかというと、今日、TOHOシネマズの6000マイルと引き換えに1か月フリーパスポートをゲットしたからです。あれ、今頃観に行った理由になってねえな。以上。

↓ 最高です。そして、以前もこのBlogで書いた通り、何気に日本語版の平原綾香ちゃんの吹き替えが超絶に素晴らしい。マジで歌も芝居も完璧です。観ていない人は、超必見。
サウンド・オブ・ミュージック 製作50周年記念版 ブルーレイ(3枚組) [Blu-ray]
ジュリー・アンドリュース
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2015-05-02

 

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、急に寒くなってきたわけで、もはや東京もコートナシはつらい程なわけですが、気が付くといつのまにか11月になっているわけで、まあそりゃあ11月だから寒いか、と、さっき妙に腑に落ちました。いよいよもう来週から、大相撲も今年最後の九州場所なわけです。ホントに1年が早いなあ……そしてわたしの愛する【松鳳山】関は東前頭5枚目です。鮫島的に言えば、常松こと【松明】より上ですよ。がんばれよ、【松鳳山】!! 応援してるぜ!!
 というわけで、まずは、いつも通り今週の週刊少年チャンピオン2016年50号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は入山杏奈嬢。水着で寒そうですが、大変いいと思います。
 ■『弱虫ペダル』:広島、青八木さんにからむの巻。極めて不愉快ですね。去年と同じ展開は観たくないですな
 ■『刃牙道』:本部のおっさん大勝利!!その2の巻。で? これからどうすんの?
 ■『囚人リク』:沢田&レノマ、分かりあう?の巻。沢田がこうなったのは変態・大場のせいなんすね。
 ■『少年ラケット』:ヨルゲン君勝利!! の巻。さあ、イチロー君の今後はどうなるんすかね。
 ■『Gメン』:番外編、勝太たち、TVの取材を受けるの巻。えーと、これは1話完結ですよね?
 ■『六道の悪女たち』:バイクガール、ピンチか? の巻。わたし的には乱奈さんイチオシで。
 ■『BEASTERS』:レゴシ君何気に演劇部になじんでるの巻。部長のキャラがすっげえいいすな。
 ■『AIの遺電子』:リサちゃん&須藤先生、山に登るの巻。リサが大変かわいいですな。
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:那由多、活躍す?巻。最後の決めゴマが大変カッコいいと思います。

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。 
 先週は九日目の取り組みを終えた鯉太郎、そして悲壮な思いを胸に大関戦の土俵に向かう【白水】兄貴と仁王兄貴こと空流親方のやり取りなどが描かれました。そして今週は、まずはその相手の大関、「角界の怪鳥」でおなじみの、【天鳳】関の心のうちから物語が始まります。
 シリーズを読んでいる我々には、大関【天鳳】といえば、空流親方が現役の関脇【仁王】関だったころ、綱取りに手がかかっていたのを、【仁王】兄貴に負けて綱を逃したことで大変おなじみです。そして所属部屋は、鯉太郎の親友、石川でおなじみの【飛天翔】関と同じ、新寺部屋です。そして新寺親方といえば、先週も出てきた通り、空流部屋と同門で、いつも気にかけてくれる超いい人です。
 場内の観客の話題は、横綱【泡影】がどこまで連勝を伸ばすかということに沸いています。そして、もし勝てるとしたら、虎城部屋の二匹の若虎こと【猛虎】か【王虎】じゃね? なんて話が出ています。でも、待ってくださいよ、大関はもう一人いるでしょ? しかし、シリーズ最大のクソ野郎である 十文字のクソ親方は、まーたひどいことを言っています。
 「あ――――・・・アレはもう無いだろ・・・機を逃しすぎた・・・」
 このクソオヤジが言う「アレ」とは、まさしく 【天鳳】関のことです。お前うるせーよこの野郎、とわたしの怒りもふつふつと沸いてまいります。
 しかし、初めて描かれた、【天鳳】関 の心のうちは、なかなか泣かせるものでした。支度部屋で髪を結ってもらいながら、故郷の写真を見つめる【天鳳】関。思い出すのは故郷の母、そして新寺親方の温かい言葉です。母は、もうそろそろ故郷へ戻ってゆっくりしたら? なんて言ってくれたようです。そして新寺親方も、そろそろ日本国籍を取得したらどうだ、自分にもしものことがあったとき、後を任せられるのはお前だと思っとるんだよ・・・なんてことを言ってくれたみたいです。泣かせますねえ……。しかしです、大関【天鳳】は思います。
 「マダダヨネ・・・マダ終ワレナイヨ・・・幾度弾カレテモ・・・マダ俺ハ 綱(アレ)ガホシインダ・・・」
 その目線の先にいるのは、無敵横綱【泡影】。【天鳳】の目には、【泡影】は「ピカピカニ輝イテ」いる存在なわけで、場内のファンたちの「一時期の勢いはもうねーだろ・・・」という声には「忍ビ寄ル諦メノ香リヲ払拭スルホドノ熱ヲモウ一度」と思い、「俺はまだ信じてるぜ・・・」とあきらめずに応援してくれるファンには「マダシガミ付ク機体ヘ 感涙サセルホドノ 結果ヲ贈ッテアゲナイト・・・」と思っています。そしてなにより、【天鳳】関はこう思っています。
 「大丈~~~夫・・・ ダッテ・・・ホラ・・・土俵ハマダ コンナニモ俺ヲ・・・ワクワクサセテクレルジャ~~~ン」 
 つまり【天鳳】関は、まだまだ相撲を取るのが楽しくてたまらないわけです。
 そして今日、【天鳳】関と戦うわれらが【白水】兄貴といえば……当然、現役時代の【仁王】兄貴としのぎを削った姿を見ているわけで、当然強敵であるとしっかり認識しており、気合十分。テッポウ禁止の壁をゴリラ張り手でドオォンとかましています。 大関在位7年にして一度もカド番になったことのない【天鳳】関は、もちろんのことながら「相手にとって不足なし・・・!」であります。
 そんな気合十分の【白水】兄貴のもとへ、鯉太郎を筆頭に空流の弟たちが集合です。体はボロボロの鯉太郎に、【白水】兄貴はさっさと帰って休めと言ったのに、ですよ。鯉太郎は言います。 
  「寝てられるかっての・・・背中 見させてもらうぜ 白水さん・・・」
 全く、よくできた弟ですよ。【白水】兄貴は「コイツ・・・ヘトヘトのくせに・・・俺を心配して・・・」と内心思いますが、口を出る言葉は、兄としてのセリフです。
 「オウ! しっかり見てろ!」
 まったく、不器用な男たちですなあ……。そして花道から土俵へ向かう【白水】兄貴。鯉太郎たちへの想い、そして仁王兄貴こと空流親方への想いが心に溢れます。
 「見せてやるさ弟弟子(おまえら)に・・・俺が見てきたようなデッケエ背中を・・・見ててくれ・・・いつまでたっても俺はダメな弟弟子で いつまでたってもガッカリしかさせねえ弟子だ・・・けど・・・けど! それも今日までだ!」
 というわけで、土俵に立つ【白水】兄貴。そして対峙する大関【天鳳】。二人とも、思いの丈は大きなものがあり、そんな二人がいよいよ立ち合いだ―――!!! というところまででした。
 しかしあれっすね、盛り上がるし泣けますねえ……ホントにこの漫画は。【白水】 さんが気負いすぎなのは明らか。これはちょっとマズいのでは……大変心配ですが、単行本収録を考えると次の97話までが(11)巻になるはずなので、来週で「その後」は終わるのでしょうか? 終われそうにないような気がするんだけど……どうなるのかその辺も来週を楽しみにしておきましょう。いやー、鮫島は最高っすね。
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結。いよいよ三役戦!! 
  --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 今週は、主人公・鯉太郎の兄弟子である小結【白水】関VS大関【天鳳】関のハッキョイ直前までが描かれました。この勝負、なんだか大変心配です。弟たちに兄貴としての背中を見せるために、【王虎】に腕をへし折られても闘った男ですからね……まさか白水、最後の十五日、にならないっすよね? 大丈夫かな……わたしは大変大変、心配です!。以上。

↓  あーあ……一度国技館で生観戦したいもんだなあ……。

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 今週末は、宝塚歌劇を観に行ったり部屋掃除したりで、また映画を観ない週末でした。先週、ちょっくら台湾に行ってきた時に、往復の飛行機の中で、超今さらながら『シン・ゴジラ』と『君の名は』をやっと観ました。まあ、台湾までは行きが3時間半、帰りは2時間半の搭乗時間なので、映画を一本観てうつらうつらしてるともう到着しちゃいますな。そして台湾で観た『DOCTOR STRANGE』は、マジ最高でした。

 では、さっそくいつもの興行通信社の大本営発表です。

 1位:『君の名は。』が大方の予想通り(?)1位を奪還。これでもう、累計179.69億まで積んだそうです。何がそこまでヒットさせたのか? これは相当難しい問題です。正直わたしにはさっぱり分かりません。台湾でも非常にお客さんは入ってる様子でした。平日の夕方、シネコンのチケット販売機でチェックしたところ、最前列の5席ぐらいしか空いてなかったっす。そして飛行機内でも、わたしのような40代のおっさんが、わたしの席から見た限り4人ぐらい、この映画を観てたっすね。
 2位『デスノート Light up the NEW world』が公開9日間で12~13億ぐらいでしょうか。ちょっと数字の読みが難しいすね。どうだろう。ところで、台北市内でこんなの見かけました。
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 『死亡筆記本』……いや、まあ、確かにそうなんすけど……台湾は漢字が我々日本人にも読める漢字(繁体字)なので、結構意味が理解出来て面白いすな。ちなみにわたしが観に行った『DORCOTR STRANGE』は、台湾では『奇異博士』です。いや、ええ、まあそうなんすけど……なんか愉快っすね。
 3位:『インフェルノ』が10日間で7~8億ぐらいだろうか……もうチョイ行ったかも。まだ観てないですが、なるべく早く観に行く所存であります。ちなみに台湾では『地獄』ってタイトルでした。そのまんまですね。
 4位:『溺れるナイフ』が公開土日で1.05億ほど稼いだそうです。この出足だと、10億は狙えるか微妙ラインでしょうか。上映館数が少ないので今度の動向次第ですが、かなり読みが難しいところです。コミック原作モノですが、残念ながらわたしは原作未読です。しかし、高校生で「一生ぶん、恋をした」って、10年後にも言えることなんすかねえ……まだまだ人生長いと思うのだが……そして人は忘れる生き物なんすけどね……。ま、おっさん的には観に行く予定はないです。
 5位:『魔法使いプリキュア! 奇跡の変身!キュアモフルン!』が9日間合計で3~4億ぐらいではないかと推測します。去年の秋キュアよりもちょっとだけ上かも。去年の秋キュアは、2週目終わりで3億ちょうどぐらいだったはずなので。
 6位:『ボクの妻と結婚してください』が公開土日で1億稼げなかったようですね。これはまたちょっとキビシイですね……10億は届かないでしょうな……。舞台化&ドラマ化済みのこの映画、予告で観た限りわたしの会社のすぐそばでロケした部分があるようで、毎日通りかかる場所が出ててなんか親近感があります。観たいのですが、行けるかな……。
 7位:『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』が9日間合計で3億に届いたかどうかぐらいと見積もる。まあ12年ぶりの続編なので、シリーズを観てきた方は思い入れもあるでしょうな。わたしはないですが。2001年公開の1作目が日本では21.4億、2005年日本公開の2作目が日本国内興行13.0億と人気のシリーズですが、今回はちょっと厳しそうです。
 8位:『何者』が23日間で8~9億ほどと見積もる。これは10億まであとちょっとだけど、超微妙なラインかも。なんとか10億は超えてほしいところです。
 9位:『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』が16日間で5億ぐらいと見積もる。原作はまだ連載中でしたっけ? 最初の方しか読んでないので、今どうなっているのか、もう全然わからないです。
 10位:『HiGH & LOW THE RED RAIN』がTOP10返り咲きで、公開から30日間でおそらく10億に乗ったのではないかと思います。先週の段階で9.3億ほどだったようですので。やっぱり人気がすごいですなあ。素晴らしいと思います。

 とまあ、こんな週末だったようです。

 結局『スター・トレックBEYOND』は3週目にしてTOP10から外れてしまったわけで、この分だと10億はもう事実上無理、でしょう。本当に洋画が売れないですなあ。 そういう状況なので、たとえ全世界的にヒットをかっ飛ばしているMARVELヒーロー作品でも、日本での公開は先送りされちゃうわけで、わたしとしては大変残念です。これは良い悪いの問題ではないです。ただ、あくまでわたしにとって残念なだけで。そして、このままの方向性で、邦画の未来が明るいとは到底思えないわけで、例えば技術としてのCGなんかも、もっともっと発展する余地があると思うけどな。邦画は。だいたい、CGで世界一の技術が日本じゃないのが大変残念です。と、『DOCTOR STRANGE』の映像を観ながら思いました。まあ、とにかくスゲエっすよ。ありゃあ、絶対今の日本じゃ無理っすね。

 というわけで、どうでもいいことまで書いてしまったけれど結論。
 『君の名』が今週は1位を奪還!! 凄いすねホントに。 もう完全にわたしの予想を超えてグイグイ伸びております。200億……行っちゃいそうだなぁ……。以上。

 2010年1月に宝塚歌劇を初体験して以来、すっかりわたしは宝塚歌劇にはまってしまったわけだが、わたしが「ヅカ」について語りだすと、たいていの人は驚く。何しろ、世間的に宝塚歌劇は世の淑女のためのエンタテインメントとして認識されており、男のわたしが「いやー、ヅカは最高なんすよ」と言うと、「えっ!? なんでまた?」と反応されるのが普通のリアクションなのである。
 まあ、わたしもヅカ歴6年の駆け出しファンなので偉そうなことは言えないのだが、ここ数年は劇場に男の客もだいぶ増えてきたような気がする。ただ、やっぱりおっさん主体で、奥さんに連れてこられたようなお父さん世代や、彼女に連れてこられたような30代ぐらいの男が多く、わたしのような中途半端なおっさんはまだ少ない印象だ。おまけに、一人で観劇している男はまだまだ少ない。が、ゼロではなくなってきたかな、と見受けられるようになってきたように感じる。
 かく言うわたしも、昨日、結構久しぶりに一人で日比谷に推参した次第である。しかも初めて、いわゆる「ファンクラブ」の取次でチケットを入手して観劇に臨んでみた。まあ、あの淑女率90%ぐらいの劇場に、おっさん一人のボッチ観劇は普通のハートの持ち主には相当ハードルが高いというか実際無理な人が多いと思うが、さすがにヅカ歴6年ともなれば、はっきり言ってぜーーーんぜん平気。わたしは全くもって堂々と入場し、楽しんできた。なお、一応言っときますが、普段はいつもヅカ友の美しい女子たちと行ってますよ。今回は、ファンクラブ取次であったので、わたしの分しかチケットが確保できなかっただけです。
 というわけで、わたしが昨日観に行った演目は、星組公演『桜華に舞え』。現在の星組TOPスターコンビの退団公演であり、はっきり言って泣けたのである。マジでもう……泣けるわ……みっちゃん……あなたホントに最高です……。

 もう何度もこのBlogで書いているのでしつこいけれど、わたしは一番最初の宝塚体験が星組公演であった影響で、いまやすべての組の公演を観るようになったけれど、やっぱり星組が一番好きである。そして現在の星組TOPスター、北翔海莉さん、通称みっちゃんは、現在の各組TOPスターの中では歌・芝居・ダンスの三拍子が抜群にそろった、「技」のTOPスターだと思う。歌が超上手い、芝居は絶妙、アドリブ力もナンバーワン、そしてダンスのキレ、優美さ、全てを兼ね備えており、わたしはマジでみっちゃんasナンバーワンだと思っている。
 そして、そういった役者としての「技」だけでなく、経験もTOPスターの中では最も豊富で、星組を見事にまとめ上げているわけで、男役TOPスターにこう言うのは失礼かもしれないが、わたしはみっちゃんに対し慈愛に満ちた母性のようなものを感じている。まさしく、観音菩薩様ですよ。
 わたしにこう思わせるのは、やはりみっちゃんの人柄の良さに起因しているんだと思う。なんていい人なんだこの人は、というようなエピソードが多いし、言動も、とても明るく周りを盛り上げるような気づかいの人だし、長年の苦労もそういった人柄に現れているんだろうと思う。なにしろみっちゃんは、月組からキャリアをスタートして宙組に異動になり、さらには専科も経験しての星組TOP就任である。そういう経歴は、かなり異例であろう。みっちゃんは、退団に際していろいろな場で、決して平たんな道ではなかったと何度か発言している。それでも常に、前に進むことをやめなかったみっちゃん。そしてその険しい道を歩んできたからこそ得た技と人格。そんなみっちゃんの退団にあたって、わたしは泣かずにいられるわけがないのである。
 というわけで、今回の公演『桜華に舞え』である。
 物語は、幕末から明治にわたる、とある薩摩藩士の生涯、しかも政府側ではなく西郷側、ということで、わたしはこりゃあヤバいと思った。西郷側の薩摩藩士の話となれば、確実に物語は悲劇的なエンディングとなることが予想されるわけで、きっと、思いを次の世代に託し、散っていくんだろうな、と真っ先に想像した。
 実は、わたしはいわゆる「戦国武将」は相当詳しいオタではあるのだが、「幕末」に関しては、大体の流れしか知らず、個別の人物に関しても、有名どころしか知らないので、今回みっちゃんが演じた桐野利秋こと中村半次郎については、全く事前知識がなかった。また、星組2番手スターであり、次期TOPスター就任が決まっている紅ゆずるさん(通称:紅子)が演じる役や、わたしが一番大好きな礼 真琴ちゃん(通称:ことちゃん)が演じる会津藩士も、実在の人物なのかどうかもよく分かっていなかった。が、わたしは、普段なら物語のバックグラウンドをきっちり予習していくのだけれど、今回は一切予習しないで、まっさらな状態で、物語を味わうことにしてみた。これはわたしにはかなり異例なことである。なんというか、今回はそういった史実の人物像や出来事は、どうでもいいと思ったのだ。ただただ、みっちゃんを見つめ、みっちゃんその人として、物語に没入したかったのである。
 そして、実際の物語は、大体わたしの予想通りだった。みっちゃん演じる主人公は、その剣の腕前と人柄で、西郷隆盛に認められ、会津での激しい戦いにも生き残り、無事に明治政府で立身出世していく。しかし、同じ薩摩の同志である大久保利通と西郷の確執(?)により、西郷の鹿児島帰還に同道、そしてとうとう、日本における最後の内乱と言われる西南戦争が勃発。西郷側についた桐野もまた、同じ薩摩兵児・薩摩隼人同士との戦いに散る……という流れである。
 本作は、全編薩摩弁であり、正直、聞き取れない部分もある。また、実際の史実と合致した物語なのかも、わたしはよく分かっていない。しかし、そんなこたあどうでもいいほど、泣かせる話であった。やっぱり、ともに幼少を過ごした二人の男が、お互い敵同士となって戦わなくてはならない状況になり、たとえ道を分かつとも、己の信じた道を進み、自らの正義に殉じる姿は鉄板ですよ。歌も良かったっすねえ。やっぱり、歌唱力は現役ナンバーワンだと思うなあ。本当に素晴らしかった。そして、その道を分かつ親友・隼太郎を演じた紅子も、とても良かった。また、主人公に恨みを持つ会津藩士を演じた、わたしの大好きなことちゃんも、ウルトラクールでカッコよかったすね。もうチョイ出番が多ければなあ。
 あと、これは完全にわたしのうっかりミスなのだが、今回、わたしは初めて2階のA席での観劇となったのだが、やっぱ遠いね。いつもはちゃんと持参する双眼鏡を、うっかり持参し忘れてしまったので、顔の表情が分からなかったのが唯一の残念ポイントだ。いつもは、生意気にも10列目以内といういい席で観ているので、その罰が当たったと戒めとしておこう。来週、もう一度SS席で観劇する機会があるので、それでもちゃんと双眼鏡を持参しようと思う。
 そして一方のショーの方だが、今回もまた非常に素晴らしかった。個人的には、前回のショー『THE ENTERTAINER』が素晴らしすぎて、あちらを退団公演にしても良かったんじゃね? という気もしたけれど、実はわたしが今回、うっかり涙を流したのは、『桜華に舞え』の方ではなく、こちらのショー『ROMANCE』の方である。特に、扉をモチーフにした枠を、次々と駆け抜け、先へと進もうとする星組のみんな。もちろん、みっちゃんも今までいろんな壁、扉にぶつかってはそれをこじ開けてきた19年間の宝塚生活。それを想うとなんだかとても目頭が熱くなり、そしてみっちゃんのソロで始まる星組みんなの大合唱となるエンディングは、マジで泣けたっすわ……。はあ……マジかよ……みっちゃん……と、わたしはもうぐすんぐすんである。参った。
 わたしは、何度かこのBlogで書いた通り、みっちゃんが専科に行く前のことを全然知らない。そもそも、みっちゃんのことを生で観たのも、既に専科異動後の2014年星組公演『ナポレオン』が最初だ。だから、ぜんぜんみっちゃんに関してはニワカである。でも、星組TOPスターとなってからの1年半という短い期間は、本当に全力で応援してきたつもりだ。だから本当に、淋しいよ……。ちなみに、わたしはこれまでWOWOWやNHK-BSで撮りためた公演映像を結構な数を持っているのだが、みっちゃんが出演している作品を片っ端から見て、まったくもって超・今更ながら、みっちゃん熱を高めていたので、号泣する準備は整っていた。2014年の『TAKARAZUKA Special』も非常に良かったし、古いところではちょっと前にNHK-BSで放送された2000年の『LUNA』や2007年のショー『宙―FANTASISTA!』やかつてWOWOWで放送された2010年宙組公演『シャングリラ』などを観て、あーーー!! みっちゃんいた!! とか、探すのが楽しく、そしてやっぱ歌上手い!! と改めて感激したりしたわけで、今もなお、わたしは、みっちゃんの19年に思いを馳せ、淋しさを募らせている。
 宝塚音楽学校を受験する少女たちは、「宝塚歌劇が大好きだから」受験するのが、まあ普通の受験動機だろうと思う。しかし、わたしの愛する前・星組TOPスターの柚希礼音さんことちえちゃんも、そしてみっちゃんも、二人とも、そういった「宝塚ファン」歴ゼロで、音楽学校を受験した点で共通している。二人とも、背が高く周りの勧めで受験したのだと聞いている。だから、二人とも、音楽学校に入学してから、不断の訓練と勉強によって、宝塚歌劇というものを知り、芸を磨き続けた人だ。つまり、明らかに努力の人である。そりゃもちろん、元々の才能は当然持っていたとしても、決して天才とかそういうものではない。常に前へと休まずに足を動かし続けてきた姿に、きっとわたしは魅かれたのだと思う。今回の公演でみっちゃんは宝塚歌劇を卒業し、次のステージへ向かうわけだが、たぶんわたしは、ずっとファンでいると思う。
 退団後の初舞台はガラコンになるんじゃねえかなー、と、密かに期待しているのだが、しっかしチケット獲れないすねえ……一応、1公演だけチケットは取れたものの、その回はまさお・ルキーニの回だからみっちゃんは期待できないだろうな……。まあ、別の機会でもいいから、みっちゃんには歌い続けてほしいと思う。前も書いたけれど、髪を伸ばし、女性らしい服装をしたら、びっくりするほどの美人だと思うな。ほんと、これからも応援し続けたいと思います。以上。

 というわけで、結論。
 宝塚歌劇団星組TOPスター北翔海莉さんの退団公演『桜華に舞え/ロマンス!!』は号泣必至である。今回初めての2階席での観劇は、思ったより遠かった。双眼鏡必須なのに忘れたオレのバカ!!! あと2回見るチャンスがあるので、次回は超いい席だけど、絶対に双眼鏡忘れんなよ!! そして、北翔海莉という偉大なるスターの雄姿を、目と心に刻みたいと存じます。以上。

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2014-12-20

 初めて台湾へ行ったのは、確か2011年の夏だったと思う。毎年夏に、台湾で行われるコミック系イベントがあって、そこに子会社の現地法人が出展していて、それをちょっとチェックしたいという目的があった。しかし、わたしとしては、真面目に仕事のため、と言ってしまうと出張になってしまうし、現地法人のみんなもわたしを接待しようといろいろ気を使ってしまうので、いやいや、オレ単に遊びに行くだけだから、自分の金で、という体にして、元部下のYくんと一緒に、気ままな台北ぶらり旅を敢行したのである。
 その時は、1日目だったかに現地観光ツアーなんぞにも申し込んでみたので、だいたいその時に台北市内の主だった観光スポットは連れて行ってもらった。 ので、以降は、ほとんど観光名地的なところには行かず、もう普通に台北市内をぶらついているだけ、である。なんかですね、台湾はほんと、日本っぽいというか、落ち着くんすよね。
 そして今回は、どうしてもわたしが観たくてたまらない映画が、日本では3か月先の公開のため、そんなの待ちきれんわ!!! とカッとなって、つい、JALのWebサイトで航空券をポチってしまった次第である。 ちなみに、2012年のゴールデンウィークにも、日本では夏休み公開となった『Avengers』を今回同様に、夏まで待てんわ!! と観に行ったことがあり、それ以来、4年ぶりの台湾訪問である。なお、台湾はほぼたいていのハリウッド映画はUS本国と同時公開であり、わたしの知る限り、「吹き替え」版の上映はない。いや、あるかもしれないけど、基本的に英語&現地語字幕、である。

 さてと。では、今回はわたし自身の備忘録として、いろいろ忘れないようにメモ的に記事をまとめてみるとするか。今回4年ぶりで、結構以前と変わっていることがあって、へえ~と思うことが多かったように思う。
 ◆空港は「松山空港」一択ですよ。
 台北には、空港が二つあって、要するに日本の成田と羽田と思っていいんじゃないかな。そして成田に当たるのが、古い方の「桃園空港」で、はっきり言って市内から遠い。バスで1時間かかる。わたしは利用したことがない。そしてもう一方の羽田にあたるのが、わたしが毎回利用している「松山空港」である。今回も、迷うことなくJALで羽田→松山の便を予約した。
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 朝っぱらの便を利用すれば、昼には着きます。飛行機に乗っている時間は3時間半かな? 時差が、日本より1時間遅いので、それを考えれば4時間半後、に到着する。初めてわたしが台湾に行ったときは、台湾のNational FLAGであるEVER航空を利用したけど、以降はずっとJALです。まあ、特に理由はないけど、単にわたしのプラチナカードがJALと提携してるから、ってだけの理由です。
 そして何故、「松山空港」一択かというと、とにかく便利なんだな。MRTという地下鉄(高架部分もある)が乗り入れていて、市内まで10分で行けちゃう。わたしはいつも、空港から2駅目の「南京復興」という駅に近いホテルを予約している。超便利。
 ◆現地通貨は松山空港で両替すりゃ十分
 で、台湾に着いたら、わたしの場合は、まず第一に、現地通貨への両替をします。これは、いつも空港の到着ロビーを出てすぐのところにある「兆豊国際商業銀行」のブースで現地通貨へ両替してます。ま、ほかの銀行も空港にはブースがあるので、どこでもいいんだけど、とにかくゲートを出てすぐあるので、いつもここを利用してます。そして、お土産代を別とすれば、一日5000円分もあれば十分だと思うな。2泊3日なら、2万円分両替すれば十分だと思う。わたしは今回、お土産代含めて、5万円分両替して、お土産は1万円分ぐらい使ったけど、結局半分も使わなかったすね。レートは、だいたい1元=3円チョイと思っとけばいい。あと、ホテルによってはデポジットを取られる(大体2000元)ので、その分、まあ5000円分ぐらい余計に両替しといたほうがいいかもな。もちろんチェックアウトの時に返してくれます。そしてもちろん、デポジットはクレジットカードでも大丈夫です。ま、わたしは面倒がないので現金にしてます
 ◆今やSIMカードも安い!!
 そして今回、初めて買ってみたのが、現地SIMカード。去年、わたしはSIMフリースマホに替えたので、現地SIMさえあれば、インターネッツ環境はバッチリです。ただ、SIMを入手してから気が付いたけれど、かなり市内は無料Wi-Fiが使えますね。ホテルは当然としても、かなりのお店やスポットが、Wi-Fiを開放してますな。でもまあ、SIMも安いので、買っといたほうがいいと思う。
 空港の、外に出る前に左の方へちょっと行くと、クロネコヤマトの宅急便のブースがあって、その隣に、「中華電信」のブースがあったので、迷わず「3DAYS-SIM」をゲット。
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 ↑こんな感じ。写真撮っていい? と聞いたら、もちろんOKさ、と英語で答えてくれたナイスな兄ちゃん、ありがとう。超丁寧にセッティングまでしてくれました。
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 わたしは、「3DAYS、Please」としか言ってません。で、SIMのサイズを聞かれるので、Micro、と答えただけ。スマホを取り出したら、さっさとやってくれました。超親切。これで300元ナリ。わたしが使ってるスマホは、まさしく台湾メーカーのASUSだし、SIMスロットも2つあるので、日本で使ってるSIMを外すことなく、超簡単にセッティング完了です。たぶん、自分でも余裕でできたと思う。ちなみに、100元分の音声通話も可能なSIMです。データ専用はないみたいすね。詳しくはこちらへ。日本語でちゃんとWebサイトが用意されてます。海外旅行に行くなら、絶対SIMフリースマホは便利すよ。去年のNY旅行でも大活躍しました。
 ◆さっさと移動……の前に一服。
 わたしは喫煙者なので、着いたらとりあえず一服、がお約束なのだが、どうもたばこ事情が4年前と変わってました。以前は、空港の建物を出て、MRTに降りていく階段のわきに灰皿が置いてあったんだけど、なくなってる!! マジか!! と思ったら、2か所、右端と左端に、灰皿は2か所だけになってました。
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 ↑こんな感じ。今回は、わたしは映画の時間が迫っていて急いでいたので、空港ではたばこは吸いませんでした。帰りは一服したけどね。
 しかし、4年前は、比較的どこでもタバコを吸っている人を見かけたけれど、今回はかなり減ってましたね。特に、若者がタバコを吸っている光景はほとんど見かけなかったすね。もちろん、4年前もホテルや飲食店はすでに完全禁煙だったけど、道端で吸っている人は結構いたんだけどな。
 ただ、街中の、結構そこら中にあるごみ箱の横っちょについている灰皿はまだ健在で、そこではいくらでも吸えます。もっとも、歩きたばこはほとんど見かけないので、その、灰皿があるところでの喫煙にした方がいいっすよ。携帯灰皿はダメ。ちゃんと探せばいくらでも灰皿は見つかるので、設置されてるところで、若干肩身狭く、サーセン、とこそこそ吸った方がいいと思うな。
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 ↑こんなやつ。右側の銀色のごみ箱が、街中でかなり見かけるもの。で、普通のごみとリサイクルごみの二つになっていて、右側のごみ箱の横っちょに、小さい箱みたいなのがついてるでしょ? これが灰皿っすね。
 ◆MRTを使い倒せば超便利!!
 で、一服したら、MRT乗り場へ。建物を出て、左右をキョロキョロすれば、絶対に入り口が目に入るはず。迷いようはないと思う。
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 入り口はこんな感じ。「站」が駅のことっすね。この階段で地下へ。そしてちょっと歩いてぐるーりと進むと、自動改札があるはず。そのわきの、人がいるガラスのブースで、「EASY-CARD」をゲットしよう。これは要するにSUICA的なICカードで、超便利。街中のコンビニでも使えるし、バスにも乗れる。
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 ↑こんなの。わたしは既に持ってるから、チャージするだけでいいんだけど、今回、うかつなことに持ってくるの忘れちゃった!!! ので、新しく買いました。デザインがなんか可愛くなっててほほえましい。
 ブースの人に、「I wanna buy a EASY-CARD」とかテキトーな英語で十分通じる。そういうと、デポジットで100元取られるよ、と言われ、そして、いくらチャージする? と聞かれるので、わたしは今回は300元チャージした。なお、NYCのMetro-Cardは、磁気テープの付いたペラペラな紙でダサい。そして、どうやら日本でいう「チャージ」は、正しい英語ではRefill(カタガナでいうリフィール、ですな)というそうですよ。
 ちなみに、今回はとにかく急いでいたのだが、空港の駅は日本人の家族が3組ぐらいちんたらやっててとても待てなかったので、初めて普通にトークンを買い、映画を見た後で別の駅でEASY-CARDを買いました。
 トークンは、普通に切符自販機的なもので買える。しかもICチップ内蔵のもので、入るときはタッチし、出るときはスロットにぶち込む。あれは誰がどう見ても迷いようないというか、分からないようなものではないと思うので説明は割愛。
 なお、以前わたしがEASY-CARDを買ったときは、たしか2年使わないと使えなくなる的なものだったと思うので、実はその点が不明だったので、持参するか悩んでたら持ってくるのを忘れちゃったのだが、今回調べたところ、最新のEASY-CARDは、事実上、有効期限はないっぽいです。というのも……
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 これはチャージする機械の画面なんだけど、驚きの日本語対応!! そしてカードの有効期限は2036年になってました。これは帰りに撮影したものなんだけど、2泊の滞在中かなり利用して、300元チャージしたのがまだ166元残ってました。ま、次回に使いましょう。
 ちなみに、「場所:109台北小巨蚕」と書いてあるのが見えますか? これはわたしがEASY-CARDを買った、「台北アリーナ駅」のことっすね。ホテルのすぐ近くっす。そして4年前にはなかった駅です。
 そう、4年前とかなり路線が新設されたり駅も増えてました。ただし、乗り換えは、全然迷わず案内もしっかりしているものの、すげえ地下だったり、高架だったりと、乗り換え距離は結構ある場合もあります。
 ◆そして映画を観に行くんだ!!!
 映画については、もう長――い記事にも書いたのでそちらを読んでもらえばいいのですが、わたしは、↓この映画を、「IMAXで」観たかったわけです。
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 この映画を見るためだけに、わたしは台湾を訪れたのであります。
 で、わたしが知っている台北市内のIMAXシアターは、「西門」という街にあるわけで、空港から「西門」まで、荷物を持ったまま移動したわけです。
 わたしは山男でもあるので、とにかく荷物は最小限&軽量化が身についているので、荷物を持ってても移動や映画鑑賞には支障なし。まあ時間的にもまだチェックインタイムよりだいぶ早かったし、とにかく映画が始まるまであと30分しかない!!! ので、直接映画館へ向かったわけです。
 しかし、「西門」は、便利なMRTを使っても、空港から2回乗り換えないとな……と思っていたら(※追記:これはわたしの勘違い。4年前も乗換1回で行けた)、なんと4年前には工事中だった新線が開通していて、1回の乗り換えで行けました。しかも乗換駅はわたしが予約したホテルの最寄駅「南京復興」だったので、映画が終わったら乗り換えなしの1本でホテルに向かえるじゃん!! と、大変便利でありました。
 というわけで、映画には余裕で間に合い、チケットも、筆談&英語で十分簡単に買えました。
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 席も、ここでいい? と勝手にいい席を選んでくれたので、全く問題なし。430元は、日本円で1,400円ぐらいかな、ちょっとほかの映画よりさすがにIMAXは高いけど、日本と比べたら半額近いわけで、日本でIMAX-3Dだと2,600円でしょ? 高すぎだよ日本は。普通の映画はだいたい330元(約1,000円チョイ)、そしてやっぱりなんかよくわからない割引もいろいろあるみたいです。会員割引とか、提携カード割引とか。別のシネコンには、チケットの自販機もありました。それは現金はダメでクレジットカード専用だったすね。NYCでも、自販機はカード専用だったなあ。そして、映画は平日の昼間ということで、かなりガラガラだったっす。そして、『DOCTOR STRANGE』は最高に面白かったっす。
 ◆市内の観光スポットには、たいていMRT&バスで行ける
 以前、現地法人の台湾人のみんなに、一体、みんなどこに住んでるの? そしてどうやって通勤してるの? と聞いてみたことがある。その理由は、まず第一に台北市内は家賃が非常に高い、そしてその現地法人の会社がMRTから微妙に遠かった、ので、聞いてみたのだが、結構住んでいるところはバラバラで、そして、ほぼみんな、「いや、タクシーで通勤してます」と言っていて驚いたことがある。
 わたしはまた、バスとか、原チャリ通勤なのかな? と思って聞いてみたのだが、現地に住む女子たち(美人ぞろい!!)曰く、「原チャリは服が汚れるし髪がメチャメチャになるから乗らない」と言っていたのが印象的で、タクシーも、実はかなり安い。たぶん、どこの観光スポットへ行くにも、200元(700円弱)はしないと思う。要するに日本的に言えばほぼどこでも初乗り運賃並みの金額で行けるわけだ。
 なので、たぶんガイドブックや人に聞くと、ああ、タクシーですぐですよと言われるんじゃなかろうか。
 しかし、わたしの場合はコミュニケーションに自信がないし(紙に書けばたいてい大丈夫だけど)、自分で運転をするからなのか、日本国内でも、タクシーというか他人の運転する車に乗るのがあまり好きじゃないんすよね。おまけに台北は右側通行&左ハンドル&とにかく台北市内の車の運転が危なっかしすぎて(初めて台湾に行ったとき、空港から市内までのバスから見た市内は3か所ぐらい交通事故を目撃したw)、どうにもわたしは慣れないというか好きではないので、ほぼすべて、MRTと、バスを利用している。市内ではないけれど、有名な「九份」も、普通に路線バスで行けるし、超安い。
 というわけで、今回、台湾旅行の定番の「台北101」と「故宮博物館」といった有名どころや、マンゴーかき氷で有名な「永康街」あたりに、用もないのにとりあえず行ってみた。まず、完全に市内の「台北101」だが、なんと4年前になかった新線開通で、そのふもとに駅ができて、直結になってました。以前はMRTの駅から歩いて15分ぐらいかかってたのに。超楽に行けました。
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 ↑これっすね。地下のSHOP巡りでたいていのお土産はゲットできるような気がする。人でも多いし。ちなみにわたしは上の展望台に行ったことがありません。だって半端に料金が高いんすよね……。ま、いずれにせよ「台北101」はMRT直結なので誰でも迷わず行けると思う。
 そして、「故宮博物館」だが、最初に台湾に行った時の観光ツアーで行ったものの、今回初めて自力で行ってみた。ら、意外と簡単に行けました。
 MRTで、夜市で有名な「士林」駅まで行き、そこからバスなんだけど、バスも駅を出てキョロキョロすれば、思いっ切り「故宮博物院」と書いてあるバス(またはバス停)が見つかるはずなので、それに乗ればいいだけ。わたしが乗ったバスは、行きは「料金後払い」で、降りるときにEASY-CARDをタッチするだけ。帰りは「先払い」で、乗るときにEASY-CARDをタッチ。たしかバス代は15元(=50円ほど)だったかな。超簡単&超安い。
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 ↑故宮博物館前のバス停を降りたところ。ここから広くて長い階段をえっちらおっちら登っていく。そして、今回、前まで行って中には入らなかったっす。だってすげえ混んでるんだもの。ミュージアムショップを冷やかして撤収。何やってんだオレ……。
 そして「永康街」も、MRTの「東門」という4年前にはなかった新駅ができていて、超余裕で行けました。そして行って、ちょっとシャレオツなカフェやお土産などを漁ってさっさと撤収。マジでオレ、自分の行動が良くわからないわ……。

 とまあ、こんな感じに台北市内はまるで緊張することなく、ぼんやりうろうろして楽しめます。間違いなく海外、日本じゃない、のに、なんであんな落ち着くんでしょうな。不思議っす。ただ、わたしはもう観光にはほとんど興味がないので、今回映画を見た後はホントにやることもなく、とりわけ行きたいところもなく、マジでぶらぶらしてるだけでした。でもまあ、そういうのもアリじゃないすかね。ところで、今回泊まったホテルは、これまた恐ろしくシャレオツ&ムーディーで、日本語をしゃべれる人はいなかったものの、英語はきっちり話せてコミュニケーションに問題はなかったす。しかし、部屋を案内してくれた若い兄ちゃんが、「部屋はアップグレードしといたっす!!」とドヤ顔で話してくれたんだけど……それは大変ありがたいし嬉しいんだけど……だけどさ、だけどあえて言わせてもらうぜ!?
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 こんなムーディーな部屋で、こんな巨大なベッドで、オレ一人どうやって過ごせっちゅーんじゃいw
 いやー参った。まさかシャワールーム&バスタブ&トイレがガラス張りのスケスケルームとは……。あまりに寂しくて、早く帰りたくなりましたとさ。おしまい。

 というわけで、結論。
 台北は、日本人には非常に落ち着く、実に身近な海外である。そして映画はほぼUS公開と同時。わたしのような映画オタクには、大変ありがたい街である。また今後も、日本公開まで我慢できない映画が公開されるときは、迷わず台北へGOで考えたいと思います。ああ、あとひとつ、忘れてた。わたしの愛用している腕時計CITIZEN ATTESA CC9015-54Eをはじめて海外で使用してみたところ、ボタン一発でGPS信号をとらえ、針がぐるーーーりと回って現地時間に修正されました。もちろん帰国してからも、ボタン一発で日本時間に。カッコいい!! 買ってよかった!!! あともうひとつ。4年前は、意外と英語が通じねえな? と思った印象が強かったのですが、今回はそこら中で英語で大丈夫でした。わたしは中国語の知識が一切ないけれど、お店やホテルなんかは英語で十分にコミュニケーション可能でした。以上。

↓ 一応、こいつは電子書籍で持参しました。街の最新情報予習のために。まあ、一応持ってた方がいいんじゃないすかね。
 

 と、いうわけで、やってきました4年ぶりの台湾。11月に訪れるのは初めてだが、意外と涼しいというか、20℃だそうで、長袖1枚でいられる快適な気温です。ただし空模様はどんより曇り空、雨は降ってないから問題なし、としよう。なお、台湾滞在記については、明日以降に詳しく書くことにして、今日はもう、空港から映画館に直行して、今回の旅のメインイベントをのっけから敢行したので、いきなり映画の感想レビューにします。
 いや、調べたら台北松山空港に到着するのが現地時間11時半、そして映画は12時45分からということで、空港で両替やSIMカードを入手していたら時間が迫ってしまったので、直接もうMRT(地下鉄的な超便利な交通機関。高架の部分もある)に乗って、「西門」という街に向かったわけである。
 台湾に詳しい方ならご存知の通り、「西門」は、空港からMRTで20分ぐらいで行ける街(※4年前よりなんかMRTの路線が伸びたり駅が増えてる!!)で、若者カルチャーの街としてガイドブックなんかでは、「台湾の原宿」的な記述を見かけますが、まあ、原宿というより、そうだなあ……渋谷センター街的な感じだろうか。で、その「西門」には、「電影街」という一角があって、シネコンが結構な数あるわけで、 そこに、VieShowという地元シネコンチェーンのIMAX劇場「台北日新威秀影城」があるのです。
 実はわたしは4年前の2012年にもここで『Avengers』を観たので、地理感は把握しており、今回もMRTの駅を出て、全く迷わずに劇場へ到着した。 そして、もちろん、観た映画はこれであります。
DRSTRANGE01
 そう、日本では来年1月27日公開の、『DOCTOR STRANGE』であります。このBlogで何度も書いている通り、マーベル・ヒーロー映画が大好きなわたしにとって、来年1月末まで待てるわけがなく、じゃ、台湾か香港に観に行くか!! と相成ったわけであります。どんな映画か、日本語字幕入りの予告も一応貼っておきますか。でも、DisneyはしばらくするとYouTubeから削除しちゃうので、大嫌いなシネマトゥデイがUPした予告を貼っておこう。

 どうですか。超面白そうでしょう? 実際、とても面白かったです。
 さて、じゃ、何から書くかな……原作におけるDOCTOR STRANGEに関しては、実のところわたしはあまりよく知りません。わたしが読んだ作品で、DOCTORが出てきたのは、「CIVIL WAR」ぐらいかな……かなり冒頭のトニー・スタークが開く会議で、DOCTORやFantastic4のリード博士やX-MENのプロフェッサーXといった、「頭のいい人チーム」にいて、まあその会議はあっさり決裂しちゃうんだけど、一応トニー派と言っていいんじゃないかしら。まあ、くわしくはインターネッツなりで調べてください。
 そして、今回とうとうわたしの大好きな「MCU=Marvel Cinematic Univers」に参戦したDOCTORである。ところで、MCUについてはもういいですよね? 以前すっげえ長い記事にまとめてあるので、知らない人は上のリンク先を読んでください。まあ、どうやらおおむね原作コミック通り、の設定ようだけど、意外とわたしの予想とは違っていて、映画は以下のようなお話でした。というわけで、以下、ネタバレ全開です。自分が覚えていることを備忘録として書くので、ホント全部書いちゃいます。そしてわたしのまったく大したことのない英語力では誤解している点や間違ってる部分もある可能性大ですので、読む場合は自己責任で。

 ◆謎の魔術師たちの戦い
 冒頭は、後にDOCTORの師匠となる「エイシェント・ワン」と、今回の悪役「ケシリウス」(と、わたしには聞こえた。綴りはKaeciliusと書くらしい)一派のバトルである。ここで、どうやらケシリウスが魔術師集団を裏切って、謎の古文書のページを破り取って逃走するシーンが描かれる。まあすげえ映像だし、エイシェント・ワン(ちなみに台湾での字幕では「古一」と訳されてて笑った)がカッコイイ!!
 ◆DOCTORの自動車事故
 もう既にいろいろ情報が出ている通り、主人公スティーヴン・ストレンジは、NYCで活躍する天才脳外科医である。音楽をかけながら、足でリズムを取りながら、超難しい手術をこなしちゃう男で、わたしの英語力では正直完全に意味を理解できなかったけれど、どうも、ああ、こりゃ俺でも無理だ、みたいな手術はしないような、ちょっとした嫌な野郎らしい。そんな彼が、ある日愛車のランボルギーニ・ウラカン(あれはアヴェンタドールか? テールライトはウラカンっぽかった)をぶっ飛ばしている時に事故を起こしてしまい、自慢の両腕をめちゃめちゃに砕き、もはやメスが握れない手になってしまう。
 わたしの予想外だったポイントは、この事故の模様で、単なるDOCTORのよそ見運転が原因だったので、あ、なんだ、そうなんだ、と驚いた。わたしはまた、何かそこに何らかの陰謀的な悪の罠のようなものがあるのかと思ってたのだが、完全に自業自得でした。
 ◆リハビリ~謎の回復をした男からヒントを得るDOCTOR
 そして、まあ、命には別条がなく、助かったわけだが、いかんせん、手が使えなくては、自分のすべてである手術ができない。なので、何度も手術を受け直し、必死でリハビリをするDOCTOR。そして、理学療法士の青年から聞いた、かつて自分の診断では完全に回復の余地のない、脊髄損傷?の男が、今やすっかり元気になっていると言う話を聞く。な、なんだって――!? そんなのあり得ない!! と、その男を探し当て、一体全体どうやって治ったんだ、と取材を敢行。どうやら、カトマンズで受けた治療というか修行?が効いたらしいことを聞き出し、カトマンズへ向かうDOCTOR。この、すっかり治った男がどうもちょっとしたキーなのだが、正直わたしの英語力では良くわからなかった。ここでもう書いてしまうけれど、今回はエンドクレジット後のおまけ映像が2回あって、1回目の、比較的すぐ出てくるおまけ映像は、なんと雷神ソーとDOCTORのやり取りで、これは明確にMCUの次の作品『THOR:Ragnarok』に関係してくるシーンだ。そして一番最後の2回目のおまけ映像は、この「治っちゃった男」についての映像でした。これについては後ほどまた書きます。
 ◆出会いと修行編スタート
 で、カトマンズで謎の存在(=エイシェント・ワンのこと)を探すDOCTOR。わたしはここも若干予想外だったのだが、結構あっさり、目的の謎の存在であるエイシェント・ワンに出会えちゃうんだな(→たぶん、DOCTORを逆に探してたという事だと思う)。ちなみに、DOCTORをチンピラから助けて、エイシェント・ワンのもとに連れてきてくれたのがモルドという男で、エイシェント・ワンの弟子であり、以降、DOCTORの兄弟子的(?)に気をかけてくれる。そしてエイシェント・ワンも、最初は、DOCTORのチャラい人柄に弟子入りを断るけれど、モルドの説得(?ここが良くわからなかった)でやっと弟子入りし、修行の道へ。だけど、修行の様子も、時間経過が分からないので、ちょっとあっさり感はありますね。でも、いいっすねえ~。やっぱり、シリーズの初めの、いかにしてヒーローになるかの描写で、真実に目覚め、そこから苦労や修行する情景が描かれると盛り上がりますな。例えば、修行の初期段階で、なかなか次元ポータル的なものを作れないDOCTORに、エイシェント・ワンはあっさりポータルを開き、30分で生命活動停止するから頑張ってね~、とDOCTORをヒマラヤ山中に置き去りに。凍死寸前でやっとポータルを開いて生還し、ばたりと倒れこむところなんてのは、笑うべきシーンなんでしょうな。そんなこんなで、修行を進め、徐々に「魔術」を使えるようになるDOCTORであった。
 ところで、ここでもわたしが意外に思ったのは、DOCTOR以外にもかなり多くの修行している人々がいて、ちょっとした組織になっている点は、へぇ~と思った。そしてその組織は、「闇の次元(Dark Dimention)」との力の均衡状態のバランスをとって、地球を守っている存在らしい。そして支部がNYCとLONDONと香港の3か所にあって、それぞれアンカーというか封印的な役割があるらしいことが説明される。なんか、Stephen KingのThe Dark Tower的な設定というか世界観に似てると思いました。
 ◆敵と目的とバトルスタート
  で。元々頭もいいし、努力を惜しまない男なので、どんどん腕の上がっていくDOCTOR。図書館の王(ウォン)というおっかないおっさんともだいぶ友達っぽくなってきたが、ある日、エイシェント・ワンの個人蔵書である本を見せてもらう。そして、冒頭で描かれた、ケシリウスによって破り取られたページがあることに気が付く。どうやらそれは、闇魔術に関するものらしい。そして、DOCTORは、ウォンの目を盗んでとある秘宝(?)的アイテムを勝手に試してみると、それは「時間魔法」で、時間を巻き戻すことができるマジックアイテムであることも判明する。しかしそのアイテムは、宇宙の節理を乱すもので、タイムパラドックスを生じさせてしまう危険があるため、多用してはいけないらしい。あ、そうなんだ、と怒られているところで、ケシリウス率いる敵軍団が来襲し、バトルスタート!!
 ケシリウスの目的は、NYC、LONDON、香港の支部を潰して、均衡を破り、「闇の次元」の力をこの世にもたらすこと、らしい。なんでそういう思いを得たのか、という深い動機の部分は、わたしの英語力ではわからなかったが、どうやらエイシェント・ワンもまた、ちょっと闇魔術を使えるらしく、その点に対してモルドは反感を持っているらしいことも描かれる。また、闇次元だけでなく、宇宙の多重次元構造や、そこを支配する(?)魔王的存在なんかも出てくる。一瞬サノスかと思ったけど、どうも違うみたい。
 というわけで、新米魔術師のDOCTORも戦いに巻き込まれ、一度超重傷を負ってしまうんだけど、NYCにポータルをつないで元の生活での彼女(彼女も医者)に治療してもらって復活したり、エイシェント・ワンもやられ、と大ピンチに陥るが―――てな流れで、最後までド派手な映像でバトルが続きます。もうこれ以上、最後の落ちまで書く必要はないっすよね?
 ◆今後のMCUとどうかかわるか?
 どうやら、DOCTORが以後使う事になり、時間魔法を操るためのマジックアイテムとして常に首から下げているアレが、MCUにおいて最大のポイントとなってる「インフィニティ・ストーン」の一つである「タイム」みたいですな。英語力に自信がないので、若干確信はないけど、どうも、そういうことのようです。違ってたらサーセン。なので、確実に次のAvengersにDOCTORは参戦することになると思われます。↓これっす。

 あと、作中で、「AvengersはPhysical Threat(物質的脅威)と戦っているが、我々はMythical Threat(神秘的な脅威)と戦っている」というセリフがあり、明確にAvengersという存在が認識されていました。もちろん、DOCTORが住むNYCには、Avengers-Towerことトニーのあのデカい家もきちんと存在してます。
 ◆物語の本質にはあまり関係ないポイント
 <その1:すっげえ映像>
 今回の『DOCTOR STRANGE』という作品は、とにかく映像がすごい!! なんというか、Christopher Nolan監督の名作『INCEPTION』がさらにスケールアップしたような、超絶映像は相当見ごたえありである。なんといえばいいのかな……だまし絵的な、万華鏡的な、とにかくもうすっごいです。わたしはIMAX-3Dで観たわけですが、ものすごく情報量の多い画なので、ひょっとしたら、メガネナシの2Dで観た方が集中できるかも、です。わたしは普段裸眼な男なので、どうにもメガネが邪魔っつーか、気になりました。3Dの飛び出し具合・奥行き具合は相当あります。
 <その2:DOCTORのマント>
 そして、わたしは今回初めて知ったのですが、DOCTORの赤いマント、カッコイイっすよね? なんとあのマント、生きてるんすよ!!! なんというか、AladdinにおけるMagic Carpet的なもので、どうしてDOCTORを気に入ったのかわからないですが、かなり健気にご主人様であるDOCTORを守ってくれたりして、大変わたしは気に入りました。さっき調べたところ、あのマントはCloak of Levitationというもので、日本語訳すると「浮遊マント」って感じか? 原作ではエイシェント・ワンがDOCTORに授けたものとして有名らしいです。映画ではどんな感じに出てくるか、教えません!!
 <その3:DOCTOR=医者>
 あと、これは原作通りなのかよくわからないけど、DOCTORは、「ミスター」とか「マスター」と呼ばれるのは嫌いなようで、何度か「オレはドクターだ」と訂正させるシーンがあります。この場合の「ドクター」というのは、たぶん「医者」という意味だと思う。台湾では、「奇異博士」というタイトルで公開されていますが、博士じゃなくて医師、じゃねえかな?と思っただけなんですけど、その、自分は医者であり、命を救うのが仕事で殺しはしない、というDOCTORの矜持、みたいなのが結構ポイントにあるんだと思いました。
 <その4:恒例のおまけ映像>
 最後、おまけ映像について。上の方でも書いた通り、今回は2つのおまけ映像があって、1つ目が、NYCのDOCTORの家(たぶん)に、雷神ソーが来ていて、「父親を捜しているんだ」とDOCTORに相談しているシーンでした。これは確実に、次のMCU作品である『THOR:Ragnarok』のワンシーンだと思われます。ちょっとだけ笑える面白いシーンでした。「人探しか、オーディンの居場所ね、良し、協力しよう」と、なんだかもうベテラン魔術師っぽい偉そうな言動でした。おまけにDOCTORは愚弟ロキのことも知ってるようでした。そして2つ目のおまけシーンが、どうも意味深で、DOCTORがカトマンズへ行くきっかけになった、「半身不随の大けがが治っちゃった男」の元に、モルドが現れ、その男の体に作用している魔術パワーを奪い取るシーンでした。ここは日本公開時にもう一度ちゃんと字幕付きで観ないとよく分からない。たぶん、元々モルドは、原作上はDOCTORの兄弟子であり敵になるバロン・モルドのことなので、今後の展開では敵として立ちふさがる可能性があるのかもしれないっす。わたしの英語力はたいしたことないので、肝心なとこが分からないんすよね……ちくしょー。

 はーーー。書きすぎた……キャストについては、もういいっすよね?
 DOCTORを演じたのは、TVシリーズ『SHERLOCK』でおなじみのBenedict Cumberbatch氏。爬虫類っぽい顔でもおなじみですが、わたしは大変失礼ながら、今回初めて彼をカッコイイと思いました。いやー、髭もマントも似合ってますね。大変良いです。ちなみに、DOCTORの彼女、クリスティーンを演じたのがRachel McAdams嬢で、大変可愛らしかったです。後半に出番が結構ありますが、原作コミックでどう描かれているのか知らないっす。
 兄弟子モルドを演じたのが、すっかり最近いろいろな作品に出ておなじみのChiwetel Ejiofor君。なんかちょっと太ったすね。このモルドという役は……今後の展開が楽しみです。敵になるのかなあ……。非常に言動が怪しいっすね。そして師匠のエイシェント・ワンを演じたのが、Tilda Swintonさん。前も書いたけれど、この方はホント、人外の存在のような独特のオーラがある方ですな。今回もスキンヘッドで超熱演されてます。大変カッコよかったす。そして敵のケシリウスを演じたのがMads Mikkelsen氏。北欧の至宝と呼ばれるイケメンオヤジとしておなじみですね。最初に知ったのはやっぱり『007:Casino Royaie』かな。あの、血の涙を流す悪者のル・シッフルですね。超存在感ありましたなあ、あの役は。そして12月公開の『ROUGE ONE』では、ヒロインの父として、デス・スターの設計者を演じているそうで、大変楽しみすね。ホントに現在大活躍中ですな。
 最後。監督を務めたのがScott Derrickson氏。わたしはこの方の監督作品は『The Exorcism of Emily Rose』と『The Day the Earth Stood Still』しか観てないかな。両方ともわたしは嫌いじゃないすね。両作ともに画もキャラクターも、非常にキレのある良作だと思います。脚本も書く本格派、と言っていいようですね。

 というわけで、もういい加減長すぎるのでまとまらないけど結論。
 いよいよMCUに参戦する『DOCTOR STRANGE』は、映像的にも凄いし、MCUでの位置づけもかなり重要な作品であると断言できる。わたしは非常に面白いと思ったが、いかんせんわたしのショボい英語力では味わいきれてないと思うので、2017年1月27日の日本公開時には、再び観に行くことは確実だと思われます。しかし……DOCTORのビジュアルはマジでカッコイイすね。わたし、初めてコスプレしたいと思いました。あのコスチュームを身にまとってみたい!!! 以上。

↓ たぶん、原作をあまり勉強する必要はないと思います。MCUはあくまで別モノですので。
ドクター・ストレンジ:シーズンワン
グレッグ・パック
小学館集英社プロダクション
2016-12-14

 毎週木曜日は今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、明日は祝日なので、われらが「少年チャンピオン49号」は今日、水曜日の発売です。
 そしてわたしは今、羽田の出発ロビーでこれをスマホでテザリングしながら書いてUPしております。ちょっくら台湾へ映画を観に行ってきます。もう『DOCTOR STRANGE』が楽しみすぎる!!! そして映画以外になにも予定がなく、マジでどうしようかまったくノープランです。ま、そんなことはどうでもいいとして、さっさと本題へ入りましょう。
 というわけで、まずは、いつも通り今週の週刊少年チャンピオン2016年49号の概況です。
 ■巻頭グラビア:今週は橋本奈々未嬢。乃木坂の方っすね。大変お綺麗です。
 ■『弱虫ペダル』:3日目、今年も広島キターー!! の巻。また来たかコイツら……。
 ■『刃牙道』:本部のおっさん大勝利!!! の巻。超意外な結末にびっくり!!
 ■『囚人リク』:脱獄作戦順調に進行中の巻。またも沢田が大活躍か!?
 ■『少年ラケット』:佐々木先輩もとうとう熱く闘志燃やすの巻。君も頑張れ!
 ■『Gメン』:土井ラップ完結編の巻。なかなかいい終わり方でした。ちょっと面白かった。
 ■『六道の悪女たち』:バイクガールと仲良くなるの巻。乱奈さんがどんなバイクで来るか楽しみ!
 ■『BEASTERS』:レゴシ君しっぽを振るの巻。今回も大変面白い!! つか興味深い!!
 ■『AIの遺電子』:ロボット恋人の巻。いやー、今回も面白かったす。
 ■『放課後ウィザード倶楽部』:初心者市バトル継続中の巻。キャラがどんどん増えてるけど大丈夫か? でも面白いです。

 とまあ、こんな感じの週刊少年チャンピオンでありました。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。 
 先週はVS【闘海丸】戦の決着までが描かれました。決まり手は「送り出し」かというNHKアナウンサーの問いに、虎城理事長は答えます。
 「いや・・・わずかな隙を逃さず闘海丸の脇の下をくぐり抜けた・・・マワシは取っているが後ろに体を反っているから変形の<伝え反り>とでも言いましょうか」だそうです。ニワカ相撲好きのわたしには良くわからない決まり手ですが、さすがにGoogle神にお伺いを立てると、まあいっぱい画像やら映像が出てきますね。いずれにせよ、NHKアナの言う通り「両者力の入った真っ向からの戦い 絶体絶命といっていい状態から体を入れ替え まさに土俵際からの大逆転!! 勝ったのは鮫島――――!!」です。
 常松こと【松明】も呆然、将太くんも青ざめ、【白水】さんは当たり前だぜ的な笑顔です。椿ちゃんもほっと一安心な表情です、土俵下で、全力を出しきって横になっている【闘海丸】くんも、負けて悔いなし、「楽しかったな鮫島―――!!」と鯉太郎に声をかけます。しかし、【闘海丸】くんの「またやろーぜ鮫島!!」という晴れ晴れとした笑顔に、鯉太郎は一瞬の間をおいて「あぁ」と答えます。もう我々読者は知っています。鯉太郎に「また今度」がないかもしれないことを。辛いすね……。。。
 しかしそんな鯉太郎の状態を知らない【闘海丸】くんは熱い戦いに涙を流す男のファンたちにガッと右手を上げて叫びます「アイスてるぜオメ――ら――!!!」いや、それはもういいです、はいw
 そして支度部屋では、【白水】さんについている【豆助】がもう大興奮です。「カッケーなーくそ~~~あの人が俺の兄弟子なんだってんだからな~~~」
 そんな【豆助】を見て、【白水】さんもつぶやきます。「本当カッコよ過ぎんだよ・・・オメーは・・・」。【白水】さんとしては、鯉太郎の兄弟子だってことを見せたいところですが、頭に浮かぶのは、朝の親方との会話です。親方は、カッコつけんな、みっともねえくらいがちょうどいいと言いました。しかし【白水】さんは、あの十文字のクソ親方にいいように言われてしまった親方のためにも、カッコ良くキメてやろーじゃねーかと、ひそかに闘志を燃やしています。そしてそうやって勝てれば、親方も自分のことを認めてくれるはずだ、とも。
 イカンですなあ……【白水】さん……そいつは勘違いですぜ……親方は、変に気負わず、いつもの自分を出せばお前は強い、って言いたかったと思うんだけどなあ……。伝わらないわけですよ、それが。
 そして当の空流親方は、いつも気に掛けてくれる新寺親方と立ち話です。どうやら今日九日目の【白水】さんの相手は、「角界の怪鳥」でお馴染みの大関【天鳳】みたいすね。まったくもう、いつも新寺親方はホントいい人ですよ。仁王兄貴こと、現・空流親方も真面目に恐縮です。「お前が十文字に言われたことを気にしてんじゃねーかと心配でよ……ウザってーと思うが老婆心だと思って諦めてくれや・・・オメーは先代の・・・俺の親友の弟子なんだからよ・・・」こんなこと言われたら泣けるね、実際。
 そしてそこへ、【大吉】に肩を借りながら鯉太郎がやってきました。きちんと、新寺親方にもあいさつしつつ、仁王兄貴に報告です「おかげ様で星を上げることが出来ました・・・」。
 もう絵的にこの鯉太郎は見てるだけでキツイ表情です。完全にもう、大丈夫じゃないですよこの人。仁王兄貴も、凄い微妙な表情です。この表情は、ちょっと解釈が難しい!! どういう意味だろう!? こんなにボロボロになる戦いしやがって、と、言う顔ですが、それは鯉太郎の体を心配している、って事でいいのかな? でも思わずいつものように、説教してしまう仁王兄貴(空流親方)。しかしそんな説教にも、笑顔で答える鯉太郎がなんとも健気で泣かせます!!! 隣で見ている新寺親方も「ボロボロな体でなんて顔すんだよ・・・たまらんよな・・・お前(=空流)も・・・」と心の中で思ってます。なので「三役に勝ったんだ 少しは誉めてやってもいいんじゃねーか?」と水を向けてくれましたが、鯉太郎が、笑いながら、「いいよ気持ちわりー」と謙遜です。そして自分よりも【白水】兄貴を誉めてやってくれ、弟子の中で一番空流を背負ってるのは【白水】さんだから・・・と言って退場します。
 もう、鯉太郎、お前はホントになんて出来た奴なんだ。思わず「出来た弟」という言葉でジャギ様を思い出したぐらいですよ。泣けますなあ……。
 来週は【白水】さんVS大関【天鳳】が観られるのでしょうか……そして【白水】さんの悲壮な想いは仁王兄貴に通じるのでしょうか。来週も超楽しみっす!!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱の弟弟子
 9日目:【闘海丸】西小結。いよいよ三役戦!! 
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。63連勝中。モンゴル人。

 というわけで、結論。
 今週はVS【闘海丸】戦の取組後が描かれましたが、鯉太郎の体はどんどんヤバイ方向へ向かっております。そして仁王兄貴や【白水】さんたちの想いも、なんというか……不器用な連中ですよまったく。いよいよ物語はつらい方向へ傾いてますが、まだ6日間場所は続くわけで、大丈夫なんでしょうか。大変心配ですが、最後まで応援したい所存であります。以上。

↓ しっかし時間の経つのは早えなあ……もう今年最後の11月場所、九州場所の開幕ですよ!!! 豪栄道関の綱獲りがかかってます。そして我が愛しの黒ブタ野郎こと松鳳山関の地元です!!!


 
 

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