2016年06月

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、いよいよあさっての土曜日から今年の「ツール・ド・フランス」が始まるわけで、無事に新城選手も出場が決まり、大変楽しみなわけです。また寝不足の3週間がやって来るのが待ち遠しいですな。今年の第1ステージは、世界遺産のモンサンミッシェルからスタートですよ!!
 さて。まずは今週の週刊少年チャンピオン2016年31号の概況です。
 ■『弱虫ペダル』:悠人、覚醒す!? の巻。ゴールまで残り1km。しかし箱学エースの葦木場くんは山岳賞ラインで足を使ってしまった。ならばお前しかいない。お前はクライマーだ。けど、お前の兄貴は偉大なスプリンターだったから。お前ならいける!!! と葦木場くんの想いを託された悠人がゴールスプリントに挑む!! という、かなり熱い展開で大興奮しました。やっぱりペダルは面白いです。
 ■『刃牙道』:武蔵、ハエを箸でつかむの巻。そしてピクル、6日間飲まず食わず眠らずで準備完了の巻。
 ■『囚人リク』:リク、SF展開の巻。クリーチャー、実際コワイ!!
 ■『少年ラケット』:それぞれの特訓と課題、イチロー君、ヒロ先輩に挑むの巻。
 ■『Gメン』:伊達先輩、勝太とコンビニ少女の仲に、しょんぼり落ち込むの巻。
 ■『永遠の一手』:天才脳科学者のお色気お姉さん登場の巻。面白い。
 ■『AIの遺電子』:鍛冶職人の元にやってきたヒューマノイド。伝統工芸の技術の記録用とのことだが、ヒトの技術を再現できるのか。非常に興味深く、面白い漫画だと思う。けどいかんせんとにかく徹底的に地味。だがそれがいい!!
 ■ 『六道の悪女たち』:六道くんに惚れたスケバンガール、どんどん可愛くなっていくの巻。ヤバい。面白いぞこの漫画。今後の展開が楽しみです。

  とまあ、今週も通常運行の週刊少年チャンピオンでありました。
 
 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。 
 先週は、後の大横綱【泡影】と、稽古部屋の土俵で戦った【丈影】が、【泡影】が別次元の存在であることを認識し、それまでの自分を縛っていた鎖から解き放たれ、少しでも【泡影】に近づき、倒すべく、自らを変革していくところまでが描かれました。今週はその続きからです。【丈影】は言います。【泡影】を倒すには、余計な感情はいらない。ただ無心で「あの先」を探求するのみであると。
 「あの先」とは、【泡影】が唯一ほほ笑んだ、最後のぶつかり合いのこと。 そして【丈影】は、その後の土俵で着実に結果を残し、限界と言われた十両から幕内へ上がりました。山崎さんは当時の【丈影】を思い出して、橋くんに言います。
 「それからだ・・・丈影が気迫を前面に出す相撲から 勝っても負けても感情を出さなくなったのは・・・」
 「負けても・・・?」
 「あぁ・・・ただ自分の相撲を高めることしか頭にないんだろう・・・でもそれが間違ってないことは 限界と思われた状況から幕内まで上がり 何より目に見えるケガが少なくなっていったことからもわかる・・・相撲のスタイル・・・クセをよく研究し相手の相撲を殺す・・・自分の相撲を最大限に活かすためにな・・・それが角界一冷静でクレバーと言われる丈影の相撲だ・・・鮫島にしたらもっともかみ合わない相手だろーな・・・」
 そう、まだ鯉太郎は一度も【丈影】に勝ったことはないようで、常松こと【松明】関も、「いつものように頭から行けば丈影の思う壺です・・・」と心配しています。そんな兄弟力士の会話に、山崎さんが橋くんを連れてきました。橋くんは、いきなり鯉太郎に聞きます。相手が誰であろうと真正面からぶつかるのは何故なのか、丈影もかつてはそうだったけれど、今は違う。鮫島関も、自分のスタイルに疑問を感じたことはないのか、もっと合うスタイルがあるんじゃあないのか、と。しかし、鯉太郎の答えは明解です。
 「勝ちてーからに決まってんじゃん・・・」
 このセリフの鯉太郎の表情はとてもいいですね。はあ? 何当たり前のこと聞いてるの? 的な、若干ポカンとした表情。それが新米の橋くんにはさっぱり分かりません。なので、【白水】さんや【松明】関がちょっと付け加えてやります。
 「丈影は今のスタイルを選択したから今の丈影があるように 鯉太郎さんも今のスタイルを貫いたから 今があるんです・・・幸か不幸かは別にして・・・」
 いやあ、ホントに常松もいい奴になったな……『Burst』の時はホントにムカつく野郎だったけれど、分かってるじゃんか、お前……と、我々ファンとしてはしんみりしますね。
 そしてとうとう土俵へ向かう鯉太郎と【丈影】。
 鯉太郎は、「今日こそ・・・俺の土俵に引き込む」と気合十分。
 そして【丈影】は、同じ支度部屋でスタンバイする大関【王虎】に、「しっかり見ているといい・・・ずいぶん鮫島を高く評価しているようですが いつも通り・・・何もさせず終わりですよ・・・」と言葉を残して花道へ向かいます。
 その【丈影】の背中に、【王虎】は一言、投げかけます。「フッ・・・いつも通りね・・・」。
 【丈影】は振り向きもせず、答えます。「揺らぎはしませんよ・・・誰が相手でも・・・わたしの相撲は高みへ続く道ですから・・・」
 と、今週はここまででした。
 いやーーーこれは来週からの本割が超楽しみですなあ!!! まあ、要するにやっぱり【丈影】が鯉太郎を嫌うのは、いわゆる同族嫌悪的な感情なんでしょうな。こういうことって、普通の我々の生活にもよくあることですよ。それじゃダメだ、だってオレがダメだったんだから、もう少し賢くなれよ、と若者にイラつくおっさんの図、というのはきっと誰でも身に覚えがあることだと思います。いやあ、ホントにもう、この先の展開が楽しみですね。もちろん鯉太郎は勝って、【丈影】も、フッ……負けたぜ……お前はお前のスタイルを貫けよ……だが!! それじゃあ【泡影】には勝てねえぜ、的な展開を予想しますが、果たしてどんな熱い戦いとなるのか、来週以降も目が離せませんな!! 毎週書いてますが、今週号を読み終わった今、もう早くも来週号が読みたくてたまらんです。佐藤先生、今後も楽しみにしてます!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱【泡影】と同期入門
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる。
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。62連勝中。モンゴル人。
 
 というわけで、結論。
 今週は、いよいよ入場直前の鯉太郎と【丈影】が描かれましたが、果たして鯉太郎は、【丈影】を「俺の土俵に引き込む」ことができるのか。来週以降の展開が超楽しみです!! 以上

↓ 皆さん準備はいいですか!? (8)巻は来週、7/8(金)発売ですよ!! 当然買いでお願いします。  

 以前も書いた通り、わたしはライトノベルでもまったく躊躇せず手に取り、読む男だが、中でも、最強レベルに別格の天才だとわたしが思っているのが、上遠野浩平先生である。
 3月に、上遠野先生の代表作である『ブギーポップ』シリーズの最新刊を読んで、やっぱ最高に面白い、つか、もう電子書籍で全巻買い直してくれるわ!! と調子に乗って、とりあえずその時は、電撃文庫の作品を全巻買ったものの、実はその時、こっちはどうしよう……と悩んで保留してしまったシリーズがある。
 それは、講談社ノベルスから出ている『事件シリーズ』という作品群なのだが、こちらもめっぽう面白く、わたしは大好きである。が、この時、わたしは重大な、きわめて罪深い過ちを犯してしまった。な、なんと、今年の1月に、その『事件シリーズ』の最新刊が発売になっていたのに、全く気が付かずスルーしてしまっていたのだ!!! 何たる愚か者か!!! 実に自分が腹立たしい!! というわけで、先週の末に、「げええーーーッ!? こ、これは新刊!? 嘘だろ!? ドッゲェーーーッ!! なんでオレは買ってなかっただァ―――ッ!!」と、激しく動揺し、即購入し、読み始め、こ、これは超傑作だ!!! と感動に打ち震えることとなったのである。その新刊のタイトルは――『無傷姫事件』。今年読んだ小説で現状ナンバーワンです。いやあ、本当に上遠野先生は天才だと思う。超最高に面白かったです。
 なお、以下、シリーズを知らない人は、わたしが何を言っているかさっぱりわからないと思うので、たぶん読んでも無駄です。さようなら。

 はい。シリーズを知っている人は続きをどうぞ。
 しかし……わたしとしては大変に盛り上がったわけで、その興奮をとりあえず書いてしまったわけだが、『事件シリーズ』の新刊は約7年ぶりになるのかな。だいぶ間が空いてしまっていて、登場人物など細かいことは結構忘れている。が、それでも今回の新刊『無傷姫事件』は大丈夫、と申し上げておきたい。
 冒頭、シリーズの主人公(?)たる「戦地調停士」のEDがとある地方に調査にやってくるところから始まる。それは、「無傷姫」と呼ばれた、とある国家元首の調査で、「無傷姫」が代々保持しているという噂の「竜の委任状」の存在をEDは確認しに来たのだが、その調査は、4代続いたそれぞれの「無傷姫」の生涯を紐解く作業であった――的なお話でした。
 ところで、わたしは完璧に忘れていたけれど、今、Wikiをチェックしてみたら、この「無傷姫」という存在は、シリーズ1巻目の『殺竜事件』でも言及されてる存在なんですね。そうなんだっけ? もう全く記憶になかったっす。すげえなあ。だって、『殺竜事件』が出版されたのって……ええと、2000年の話だぜ? 16年目の伏線回収と言っていいのかもしれない。いやあ、本当に興奮します。そして、完璧にそんなことを忘れていたわたしでも、まったくもって大変に楽しめました。
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 ※2016/08/04追記:現在、シリーズの最初からまた読み直しているのですが、上記の情報はサーセン、ウソでした。第1作には、マーマジャール・ティクタムは明確に登場するけれど、「無傷姫」に関する言及は一切ありませんでした。ホントサーセン。
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 キャラクター的には、EDや「風の騎士」ヒースロゥ、レーゼ、それから「ミラル・キラル」の二人といった、今までのお馴染みのキャラも出てくるけれど、本作は、70年ほど前の初代「無傷姫」の誕生からの、この世界の歴史を過去から順に追うものなので、基本的な時制は過去で、現在のEDたちは章の合間にチラッと出てくるだけです。そしてEDの過去的な部分もちらっとほのめかされるというか、垣間見えて、そりゃあもう大興奮ですよ。
 で、なにより興奮するポイントとしては、わたし的には大きく分けると3つあった。

 1)初代「無傷姫」
 上遠野先生のシリーズを読んできた我々には、300年前に「リ・カーズ」と「オリセ・クォルト」の超絶大喧嘩があったことは大変おなじみだと思いますが(さすがにわたしでもこれは覚えてた)、な、なんと、ですよ、初代『無傷姫』は「オリセ2号」として開発された合成人間なのです。これは、もう冒頭すぐに分かることなので、ネタバレですがいいよね? その、オリセ2号=オリセの妹、とされる合成人間が、現在時制から約70年前に、とあるきっかけで封印から目覚めるところから物語は始まるのだが、この設定だけで、我々ファンは白米3杯いけますね。のっけからもう大興奮。そしてそのキャラ造形が恐ろしく上遠野先生の描くキャラそのもので、実にイイ!! そして初代の跡を継ぐ3人の「無傷姫」もそれぞれ全く違うキャラクターで、読んでいて大変わくわくした。
 初代は合成人間、2代目は生真面目な少女、3代目は自由奔放な少女、そして4代は自分を持たない少女。それぞれがそれぞれの時代の「無傷姫」を演じ、務めるその生き方は、読んでいて大変爽快であり、かつ、非常に感動的とすら言える生き様だったと思う。
 そして、各「無傷姫」のイラストも大変素晴らしいと思う。このイラストを担当したのは獅子猿氏。もうキャリアもかなり長いベテランの方だが、非常に各姫のキャラクターを表す姿で、髪型や服装のデザインもとても特徴があって、完璧な仕事だと思う。もし、『殺竜』の金子一馬氏だったらと想像しても、今回の獅子猿氏のイラストは決して引けを取らないだろうし、極めて美しくカッコ良いと思った。素晴らしい。

 2)七海連合誕生秘話&戦地調停士誕生秘話
 このシリーズの主人公EDの所属する組織が「七海連合」だが、その創設秘話が本作では語られる。ただ、秘話と言っても、非常に成り行きで、じゃあそういう組織を作っとくか、名前もなんかカッコイイし、みたいな実に緩い(?)成り立ちで、この部分も非常に面白いと興奮した。その創設者たるユルラン・ヤルタードという人物も今回たぶん(?)初登場で、しかも彼は「無傷姫の天敵」と呼ばれる存在だったことが明かされる。でも、ユルランはあえてその通り名を世に広めていた的な秘密が非常に興味深かった。彼の根本的な望みは、「強いということがどういうことなのか」を知ることであり、生涯、初代無傷姫ハリカ・クォルトの謎を追求しようとしていたわけで、そのための資金稼ぎのために「ヤルタード交易社」を設立し、後にそこから3代目のマリカ姫に、勧められて作った集団が「七海連合」となる。「七海連合」の名付け親は、その3代目マリカ姫だったことが語られる部分は非常に爽快と言うか、そうだったんだ、そう来たか、と痛快でありました。
 そして、「戦地調停士」という職業(?)も、ユルランが設定したもので、第1号調停士となったハローラン・トゥビーキィも、その名から想像できる通り、今までシリーズに何度も出てきた「聖ハローラン公国」の第17王位継承者たる皇子で、元々王族に嫌気がさして音楽を作っていた変わり者で、ユルランの紹介で3代目マリカ姫と対面してからこの物語に登場するのだが、出番は少な目だけれど非常にキャラが立っていて、これまた大変に上遠野キャラ成分濃厚で良かったと思う。

 3)今まで名前だけ出てきたキャラが何人か登場&初登場キャラがイイ!!
 もう、いろいろめんどくさくなってきたので、キャラをずらずらあげつらってみようと思う。
 ◆バーンズ・リスカッセ大佐 :シリーズのファンならわかりますよね? リーゼのおじいちゃんがまだ若い頃の姿で初登場!!
 ◆オース・クラングルタール博士:リスカッセ大佐とともに無傷姫に会いに行く。付け髭のなかなかいいキャラ。何を研究している博士かって? そんなの当然「界面干渉学」ですよ!! しかも「界面干渉学」の始祖だそうです。
 ◆ユルラン・ヤルタード・・・無傷姫の天敵として上に書いた通り、「七海連合」の創設者。
 ◆ハローラン・トゥビーキィ:漢字で書くと、「波浪蘭飛毘行」。上に書いた通り、聖ハローラン公国の第17王位継承者にしてユルランの親友であり、後に第1号戦地調停士になる。
 ◆ヒギリザンサーン火山:人ではないけど今まで何度か出てきた山の名前。今回、その噴火の当時の様子が語られる。かなり重要な事件。
 ◆人食い皇帝メランザ・ラズロロッヒ:暴虐な男。2代目無傷姫と会談をする。今まで何度か名前は出てきてる。
 ◆ダイキ中将:ラズロロッヒの部下だったが凡庸な男。後の「ダイキ帝国」はこの人の名前から来ていることが今回判明!!
 ◆マーマジャール・ティクタム:『殺竜』にでてきたあの人。「戦士の中の戦士」という最強の男。確か、「竜」と喋れたり出来たんじゃなかったっけ? 今回、彼がまだ少年の頃に、2代目無傷姫と出会うシーンがあって、わたしはもう大興奮!!
 ◆オピオンの子供たち:人の名前ではないけれど、EDもまさに「オピオンの子供たち」の出身。今回、「オピオンの子供たち」にはどのような事が起きたのかが少し触れられる。

 はーーー。全然まとまらない散らかった文章になってしまったが、最期に一つだけ、ちょっと記録として残しておきたいことがある。それは、今回のエピローグ、エンディングが、上遠野先生の作品としては最高レベルにさわやかで、温かいのだ。ちょっと感動すら覚えるぐらい、非常にグッと来るエンディングで、そんな点もわたしがこの作品を現状の「2016年ナンバーワン」に位置づけるポイントでもある。
 また、あとがきも、いつもの上遠野先生節が全開で炸裂しているけれど、非常に考えさせるもので、かと言っていつものような難解な話でもなく、とても面白かった。要するにですね、この作品は最初の1ページ目から最後のページまで、完全にもう素晴らしいということですな。ホント最高に面白かったです。

 というわけで、全然まとまりがないけど結論。
 『無傷姫事件』は、まあ、記憶がフレッシュだからだと思うけれど、わたしとしては「事件シリーズ」最高峰、と言いたい気分です。ので、本当にそうか、もう一度「事件シリーズ」全作品を電子で買って、読み直そうと思います。 とにかく面白かった。最高です。そしてそんな最高の作品を、出版後半年経って読むなんて、ホントにオレはもう抜かってたとしか言いようがありません。もっと頑張ります!! 以上。

↓ やっぱり、1作目の『殺竜』は面白かったなあ……電子で全部買う。もう決めた!!
 

 日曜日に、今年の富士登山を敢行してきたわたしだが、そこでも書いた通り、わたしは毎年富士山に登っており、今年でどうやら14回目だったようだ。別に数えてないので全く意識してなかったけれど、我ながら飽きないもんだなあ、と自分で驚いた。
 ここ数年、登る時、下山する時、ともにGPSでログを録っているのだが、今年は下りのログが上手く録れておらず、残念ながら登りのデータしか残ってませんでした。くそー、腹が立つ。
 で、GPSログには、一般的にいくつかのファイル形式があるようなのだが、わたしは.kmlというファイル形式にして、GoogleMapに投影して、後で、へえ~と眺めてひとり悦に入っている。
 というわけで、今年のログはこんな感じです。以下はただの画像データっす。
Screenshot
 今年は、設定をミスって、50mごとに記録しているので、拡大するとかなり登山道から外れてて、ブッ飛んでいるというか、変なルートになってます。
Screenshot02
 ↑こんな感じとか、↓こんな感じ。ほぼ一直線なのがわたし的に笑える。
Screenshot03
 わたしが使っているのは、スマホアプリの「山旅ロガー」というもので、無料アプリなんだけれど、いろいろ高度なことをやるには有料版じゃないとダメで、わたしはもう、単純にログが録れればいいので無料版で十分かな、と思ってます。
 「山旅ロガー」は、ホントにログを録るだけなので、そのログを一発で連携してくれる地図アプリがいくつかあって、わたしは「地図ロイド」というアプリを使ってます。このアプリで地図にログをプロットすると、まあなんというか、へえ~と面白いわけなんですが、まあ、この面白さは他人には全く通じないだろうな……。
 で、ほかにも、「山旅ロガー」無料版では、こんなグラフも標準で作ってくれる。
Log_20160626_01a
 ↑これは横軸が時間、縦軸が距離、すね。これで何が分かるかと言うと、まず、5合目の駐車場から山頂までの距離が、約5kmほどってこともわかりますな。もちろん、ジグザグだし斜面なので、実際にはもうチョイあるとは思うけど。それから、グラフの傾きが3km(60分ごろ)~ゴール到着まで一定、ってことから、比較的歩くスピードが一定だという事もわかる。でも、実は全然スピードは一定ではなくて、キッツイ岩場では当然遅いし、歩きやすいところは当然速くなるわけで、↓このグラフだと分かりやすいか。
Log_20160626_03a
 ↑これは、横軸が時間、縦軸がスピード、km/hで表示されている。かなりジグザグ=スピードが一定でない、ですわな。↓こちらは、横軸に距離、縦軸が同じくスピードで表示されたグラフ。
Log_20160626_02a
 ともに、最初の1㎞は超元気で、スピードも速いけど(ところどころ走ってさえいますw)、だんだん遅くなっていき、90分ごろ、距離では3.7㎞あたり、にやけに遅いポイントがある事が分かる。ここはたぶん8合目の一番ヤバイ岩場あたりだと思う。岩場のキツさは、個人的には7合目の方がよほどヤバイのだけれど、体力消耗具合からいうとラストの一番キツイ8合目の方が堪えますな。115分ごろ、距離で言うと4.3kmあたりで一度元気にスピードアップしているポイントもあるのだが、これは思い当たる節がないんだよな……なんでだろう? ちなみに、信じられないかもしれないけど、この頃はもう、お腹がグーグー鳴ってるんすよ。腹ペコで。それだけエネルギー使うってことです。そういう時は、わたしはAMINO BAITALのゼリーと、薄皮あんパンを食います。超美味なんすよ、特にあんパンが。
 
 そしてこれも、日曜日に書いたことだけれど、わたしは2年前かな、いわゆるアクションカムを買いましてですね、駐車場出発から山頂まで、の登りと、そして山頂から駐車場までの下りを全編ノーカットで撮影してるので、その映像を見ながら、上のグラフを見ると、ははあ、ここで確かに超苦しんでるな、オレ。ということも分かったりして、結構面白いのです。なので、上に貼りつけたグラフの思い当たる節のないポイントも、映像を見ると一発で分かったりもします。あ、いや、嘘です。一度、バッテリーがなくなる直前に、USBバッテリーに直結するために止めるから、ノーカットじゃないな。
 でも、基本的に、ずーーーーっと、「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……」と大変に息の荒いおっさんの呼吸音が入っていて、ちょっと人に見せるのは問題あるかもな……おまけに風の音もすごい入っているし、たまーに、「くそう……辛れぇ……」と愚痴をこぼしたり、「うおー、キレイだなー」とか、妙なつぶやきもバッチリ記録されているので、実に何と言うか、アホっぽい動画になってます。さらに、今年は試しに画角を「広角」で取ってみたので、若干画面サイドがゆがんだ動画なので、はっきり言って酔うね。かなり気持ち悪くて面白い映像になってしまってました。
 ただ、去年、おととしの映像は、ほとんど足元しか撮れていなかったけれど、今年は角度をかなり注意したのと、自分でも意識的に相当上を向くことを心掛けたので、画的には過去2年よりよっぽど見て面白いものになってます。ので、もし観たい人は今度見せてあげます>わたしの周りの皆さま。
 そして動画をUPしようとは思っていますが、編集がめんどくさすぎてまだ手が付けられないので、当面はできそうもないです。サーセン。もし、映像が観たい!! というリクエストがいっぱい来たら考えます。まあ、来ないと思いますが。

 というわけで、結論。
 これも日曜日書きましたが、富士登山は、わたしは楽しいけど、普通の人はまるで楽しくない、ただの苦行でしかないので、もし、本当に登ってみたいなら、まずは体を鍛えて下さい。目安としては、ハーフマラソンを90分以内で走ることができるなら、たぶんわたしとほぼ同じペースで登れます。それが難しければ、まずは皇居一周を25分以内。つまり12km/h(=1km5分ペース)で30分走れる体力をつけてほしいですな。そのぐらいになれば、登山は楽しくなりますよ。以上。

↓ なお、わたしが使ってるのはこれっす。4K撮影可。バッテリーがあと30分持ってくれるといいのだが……。

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 もう、6月は6本も劇場で観てしまったので、今週末は映画を観てません。
 つか、昨日は富士山登ってました。03時前に家を出て、14時前に家に帰ってました。
 気になった方はは昨日の記事をどうぞ。
 えーと、つまり今日も特にネタがないので、関係ない話でお茶を濁そうと思いましたが、全然続かないので、さっさとランキングを見て終わりにします。

  では、さっそくいつもの興行通信社の大本営発表から見てみよう。
 1位:『TOO YOUNG TOO DIE』公開土日で2.58億。この分なら15億ぐらいは大丈夫でしょうか。もっと超えてくるかのか、それともそこまで届かないのかは2週目の様子を見てから判断したいです。とりあえず、良い出だしであるのは間違いないかと。
 2位:『ズートピア』が65日間合計で72億突破したそうです。先日、6/23時点で70億を超えたというTweetを見かけたので、大変順調です。しかし凄い。どこまで伸びるかは、いつまで上映できるか次第でしょうか。とりあえず勢いは衰えず、です。時間があったら、似たような作品、えーと、例えば『モンスターズUNIV』あたりかな、その辺と興収の伸び方を比較してみようと思ってます。結構興味深いグラフになるような予感。
 3位:『植物図鑑』が23日間合計でもう15億を超えているのではなかろうか。大変好成績で、観に行って面白かったと思うわたしとしては大変喜ばしいというか、実際嬉しいすね。もし20億まで届くなら大変な大ヒットと言えますが、そこまで届くかどうかは、これまた、いつまで上映されるか、に左右されるような気がします。
 4位:『貞子VS伽椰子』が9日間合計で、これは5億に届いたかどうかぐらいまで、もう稼いでいるのではなかろうか? ホント、こんなに売れるとは、まったく予想してなかったので驚きと言うか、大変失礼いたしました。10億届くかもしれないですな、この調子だと。
 5位:『64―ロクヨン―後編』が16日間合計で11億~12億ぐらい? と予想。どうやら先週の段階で9.4億まで伸びていたそうなので、少なくとも10億はとっくに超えたと思う。いいですね。わたしは原作を読んでいないので、映画もパスしてしまったけれど、ちゃんと読んで映画も行けばよかった、と、おそらく来年の今頃、WOWOWの放送を見て後悔すると思います。
 6位:『デッドプール』は水曜公開だったので合計26日間となるが、どうも既に17~18億は稼いでいる模様。つまりですね、『スーパーマンVSバットマン』よりも稼いでいるという事で、ホント、世の中まったく分からんです。
 7位:『クリーピー 偽りの隣人』が9日間合計で多分まだ5億には届いていない。3~4億ぐらいではなかろうか?
 8位:『日本で一番悪い奴ら』は公開土日で0.71億だったそうです。最終的に5億ぐらいか、もうちょい行くか、という感じなのでしょうか。「みんな悪いことしたことないんですか?」的なセリフをTVスポットで見かけましたが、わたしとしては、だからって自分が悪いことをしていい理由にはならん、とバッサリ斬って終了なので、観に行くつもりはありません。まだ現在公判進行中の事件らしいすね。
 9位:『オオカミ少女と黒王子』が30日間で、どうだろう、10億超えたかどうかぐらいだと思う。ワーナー配給ですが、まずまずの成績、いやむしろかなりいい成績なのではなかろうか。
  10位:『64―ロクヨン―前編』が51日間で、18億ぐらいではなかろうか。後編も好調だし、一気観する方も多いのかもしれないですね。やっぱりどうも、前後編ものは最近の邦画は結構キビシイ作品が多くなってきたような気がしますが、『64』はかなりいい興行値だと思います。映画マニア的には、前後編モノはあまり好きではないです。それなら最初から3部作ぐらいにして1年ごとに公開される方がわたしとしては余程どうれしいのだが……。後編ありきの作りはちょっと敬遠したくなってしまうので……。

 てな感じだと思います。

 というわけで、結論。
 とにかくわたしとしては、『ズートピア』と『植物図鑑』が今度どこまで伸びるのか、に大変興味があります。しかし、もう来週からは夏興行本番なわけで、いつまで上映できるか、がカギになるのではなかろうか。なお、わたしとしては『アリス』や『ドリー』や『シン・ゴジラ』は観に行くつもりはなく、『インディペンデンス・デイ』と『X-MEN:アポカリプス』ぐらいかなあ……観たいのは。
 はあ……早く『Swiss Army Man』が観たいのだが、日本で公開されるか、大変心配……。あと、わたしの愛するStephen King氏の『CELL』の映画がもうUS公開されたっぽいすね。これまた珍ムービーになってないと良いのだが……心配……。以上。

↓ これっす。正直、あまりおススメな小説ではない、かな……。 最初、新潮社の告知では「携帯ゾンビ」だったかな、そんな仮タイトルだった覚えが……。まあ、お話はまさに「携帯ゾンビ」すね。
セル〈上〉 (新潮文庫)
スティーヴン キング
新潮社
2007-11-28

セル 下巻 (新潮文庫 キ 3-57)
スティーヴン キング
新潮社
2007-11-28

 ついでに、映画版のUSトレーラーも貼っときます。John Cusac氏とSamuel L. Jackson御大というと、『1408号室』コンビすね。あの映画は最高でしたが、『CELL』は大丈夫だろうか……。

 わたしの周りの人は皆知っていることだが、わたしは毎年富士山に登っている。
 初めて登ったのが2003年のことで、それ以来毎年だから……ええと、今回で14回目か。
 もう、何度も登っているので、わたしはもういわゆる「ご来光」はどうでもいい。
 よって、ここ10年ぐらいかな、朝3時くらいに起きて、5時半とか6時くらいから登り始めて、まあ2時間半で登ってしまうので、山頂でちょっと休憩して、下山も1時間半ぐらいなので、だいたい11時には余裕で5合目の駐車場まで戻っている。
 今年は、本当は昨日の土曜日に行こうと思っていたのだが、雨だったので1日ズラして、今日、日曜日に昇ってきた。はっきりいってさすがのわたしでも、疲れて眠いので、今回は写真などナシの、テキストで時間だけ自分用備忘録として記録しておくにとどめたい。3年前から、アクションカムで登っている風景を撮影しているので、ヒマができたら&気が向いたら、動画をUPしようかな、とは思ってます。あと、GPSのログも取ってるので、ちょっとどうやって公開したらいいか分からないけど、UPしてみる気でいます。
 というわけで、今日は手抜きで許してください。

 さてと。 以下、わたしの今日の行動記録です。
 今年は日曜に行ったので、前日の土曜にゆっくり休めたので、例年より早く 行動してみた。

 02:08……起床。ズバリ眠い。顔洗って歯磨いて、コーヒー飲んで、とごそごそしてたらあっという間に30分ぐらい経っちゃった。
 02:40……出発。ガソリンは昨日入れておいた。問題なし。満タンならギリで2往復できる、かな。
 03:58……河口湖インターを降りる。
 04:10ころ……スバルライン料金所通過。
 04:40ころ……スバルライン5合目駐車場到着。超寒かった。で、着替えたりごそごそやってたらこれまたあっという間に20分ぐらい経っちゃった。最後のトイレもこちらで。5合目のトイレは4,5年前にすっかり綺麗になってます。もうちょっと早く来ていれば、5合目から綺麗な御来光が眺められたのだが……たぶん、日の出に10分ぐらい間に合わなかったす。5合目から観る日の出(10分後)も、大変綺麗でした。
 04:58……5合目の駐車場から出陣。 
 以下、ラップタイムです。
  0:18:58……6合目指導センター前通過
  0:45:02……7合目「花小屋」前通過
  0:46:53……7合目「日の出小屋」前通過
  0:49:32……7合目「トモエ館」前通過
  0:54:00……7合目「鎌岩館」前通過
  0:56:52……7合目「富士一館」前通過
  1:01:36……7合目「鳥居荘」前通過
  1:04:59……7合目「東洋館」前通過
  1:16:40……7合目「太子館」前通過
  1:20:43……8合目「蓬莱館」前通過
  1:33:09……8合目「白雲荘」前通過
  1:37:40……8合目「元祖室」前通過
  1:48:03……8合目「富士山ホテル」前通過
  1:50:09……8合目「トモエ館」前通過
  1:58:15……8合目「御来光館」前通過
  2:11:04……1本目の鳥居通過(※アクションカムのバッテリーチェンジで3分休んじゃった)
  2:28:36……山頂到着!!!
 えーと、てことは、山頂到着時刻は07:26頃だったのかな。
 はーーーーくそう。わたしのこれまでの自己ベストは2時間16分だったので、12分遅れか……3分休憩ノーカンでも8分遅れ……衰えたなあ……やっぱり。トレーニングを結構サボっていたので、如実にタイムに現れてしまった……情けナシ。
 しかし今日はとにかく風が強くて、昇ってるときはマジで吹っ飛ばされそうになるし、とにかく山頂が寒かった。登っているときは特に寒さは感じないのだが、山頂で、ふいーーーっと休憩すると、まあすげえ寒いんすよね。今年は若干曇り空で、景色はとても綺麗だったけれど、日光がなくて、とにかく寒かった。
 今年は、かなりガラガラでした。日本人は数名しかすれ違ってないすね。まあ、わたしを追い越して登っていく人はめったにいないけれど、今年は誰にも抜かされなかったす。明らかにアメリカ人な白人が多かったすね。言葉と格好で大体分かるもんなんす。何年か前は、CAMP ZAMAの団体もいたし、どうも、在日米軍関係者が多い印象っすね。アジア外国人は今日は山では見かけなかったです。そのかわり、下山した5合目の駐車場はChineseばっかりで、道に飛び出て写真取ってる連中が多くて、超ウザかったすわ。轢き殺……(自粛)。

 で。下山は、ちょうど08:00ぐらいから開始したと思う。山頂でわたしはかならずコカ・コーラをがぶ飲みするわけですが、おにぎりとアンパンを食って、一服して、下山用のひざサポーターをきっちり装着して(これがあるとないとでは相当下山時の疲労が違う。翌日にまったく響かない)、あとは靴に砂利が入らないように、足と靴をぐるぐるにテーピングするんすけど、まあ、途中で全然効かなくなっちゃう、けど、やらないよりマシ、なのでその準備もして、とやってたら、やっぱり30分ぐらいかかったと思う。
 下山時は、あまりチェックポイントがないんだけど、あほなことにラップを押したつもりがストップウォッチを止めちゃっていて、今回はタイムをきちんとはかれませんでした。
 ただ、いつもより確実に遅かったと思う。8合目あたりまで、まだブル道が整備されてなくて、いつもとちょっと様子が違ってました。
 下山したのが09:28だったので、たぶん下山タイムは1時間半程度だったと思う。これも、自己ベストのタイムから15分ぐらい遅いタイムなので、なんともガッカリす……。おまけに道間違えたしな……アレがなければ……くそう!!

 で、その後、駐車場で汗だくのウェアを、衆人環視の中、パンイチになって着替えて、さっさとスバルラインを下り始めたのが10時チョイ前だったと思う。すぐさま、スバルラインを降り(遅い車にイラつきながら)、富士五湖道路を使って隣の山中湖で降りて、山中湖インターからすぐの「山中湖温泉・紅富士の湯」へ直行。着いたのが10:30ぐらいだったと思うが、クソゆとりの団体がぐずぐずしてるのをイラつきながら入場し、ひとっ風呂浴びてすっきりし、泡風呂で体を癒して来ました。わたし、この温泉が大好きで毎年通ってます。
 で、11:00には温泉を発って、一路帰宅。さっき帰ってきたんですが、13:45にはもう、うちに帰り着き、いっぱい虫の死骸が着いた車を拭いて綺麗にし、洗濯物を洗濯機に放り込み、使ったいろんなギアを綺麗にして、今に至ると、そんな感じです。はー疲れた。

  というわけで、結論。
 富士登山は、わたしのように慣れているなら問題ないけれど、初めての人は、わたしのまねはしないほうがいいと思いますよ。 普通の人だとどのくらい時間がかかるのか、わかんねえです。5時間ぐらいかかるのかな? まあ、はっきり言ってつらいだけなので、全然楽しくないと思いますよ。来週にはもう山開きになるので、山がクッソ渋滞して、より一層つらいだけになりますので、ホントにやめておいたほうがいいと思うよ。山が嫌いになるだけだと思うな。それはわたしとしては大変残念です。今度、富士登山についての豆知識をいろいろ書きますね。その時までに動画を編集しないと……以上。

↓ こういう本を読んでも、何も得られないと思うな。実際のところ。経験者に聞いたほうがいいと思います。

 

 先日、わたしの尊敬する、とある上場企業の代表取締役のS氏と食事をしていたとき、まあたいていの場合はお互いが「最近読んだ面白い小説」の話をするのだが、そのときも、そんな話になり、「最近こんなの読んだぜ。結構面白かったぞ」と紹介されたのがこの作品であります。

 S氏もわたしも、すっかり電子書籍人間になってしまっているので、S氏も電子書籍で買って読んだのだそうだが、S氏は早川書房の本が大好きで、かなりのミステリーやSFなど、海外翻訳モノに造詣が深く、わたしの数倍は忙しいのに、わたしの数倍の本を読んでいる面白いおじさんである。
 で、紹介された本書『ママは何でも知っている』という作品は、どうやら1977年にハヤカワ・ポケット・ミステリーというレーベルでも出ていたようなのだが、去年文庫として新たにPOPなカバーイラストがついて再販されたもののようだ。わたしは全然知らなかったので、読み終わってからいろいろ調べたところ、どうも「ブロンクスのママ」シリーズという有名な短編連作らしい。初出は、これまた世界的に有名なEllery Queen's Mistery Magazineで、1950~1960年代に執筆されたものだそうだ。お話の舞台も当然その時代で、主人公のママは戦争を体験している世代である。しかもユダヤ人であり、ヨーロッパからの移民である。さらにいうと、作者のJames Yaffe氏も1927年生まれだそうで、調べ切れなかったのだが、まだ存命なのかな? 存命であればもう89歳ってことか。ついでにもう一言言っておくと、どうもYaffe氏は、Ellery QueenことFrederic Danny氏&Manfred Bennington Lee氏の両氏(※Elleyr Queenは、二人のペンネーム。藤子不二雄的なものと思っていいです)と交流があったみたいですな。Yaffe氏のほうが20歳ぐらい若いけど。ま、いずれにせよ、『ママは何でも知っている』という作品は著者のYaffe氏が30代の頃に書いた作品らしい、つまり、ということは、作中の「ママ」の息子と恐らくは同年代ぐらいだと言うことで、主人公の「ママ」も、Yaffe氏の母親と同じような年代なんだろうな、と想像できる。
 なんでまた、こんなトリビアめいたことをわざわざ書いたかというとですね、本作で描かれる「ママ」が、とってもいい感じのお母さんなんだな。そして息子も、まあ、なかなかイイ奴なんすよね。とても、お話全体が、ある意味ゆるくて、やわらかいというか、なんだかとても愛情を感じるわけです。その背景にはきっと、Yaffe氏の母親への愛情のようなものがあるのだろう、ということがひしひしと感じられるので、いろいろ書いてみたわけです、はい。

 さて。では内容を簡単に紹介しておこう。
 舞台は1950年代~60年代のNYCのBronks地区に住む「ママ」の元へ、NYPD殺人課に勤務する刑事の息子「デイビット(※ママは彼のことを「デイビィ」と呼ぶ)」が、毎週金曜日の夜に、妻の「シャーリィ」を連れて食事に来るという設定になっていて、ご飯を食べながら、「いやーこんな事件があってね、犯人はもう分かっているんだけどさ、これがまた信じられないような話でね……」と話し出すのがお決まりのパターンになっている。で、その話を聞いた「ママ」が、事件の謎を解き、真犯人を割り出す、というわけで、いわゆる一つの「安楽椅子探偵」モノである。
 ところで、Bronksというと、Manhattanの北の方の、Yankeeスタジアムのある方すね。ま、Times SquareからYankeeスタジアムは10kmないぐらいだから、電車で20分チョイ、日本で言うと東京駅から新宿くらいな感じかな。なので、Bronks地区は、東京駅から見たら中野あたりなイメージでいいような気がする。行ったことがないから雰囲気は分からないけど、かつてはあまり治安は良くないところだっただろうなとは思う。
 そんなところに、お父さんはもう亡くなっているので一人で住んでいる「ママ」。そして若干のんきと言うか、ぽやっとした印象の刑事の息子。この二人の会話に、その妻で、大学出のシャーリィが、何かとママの意見に、ある意味常識的なツッコミを入れつつ、そのツッコミが気に入らないママの皮肉たっぷりの反撃があったりして、どうみても嫁姑の仲は良くなさそうな言葉の応酬がスパイスのようにピリッと効いており、まあ何というか、扱う事件は殺人事件なのに、妙にほんわかとしているのが本作の特徴だろう。
 ママの推理の基本は、人間に対する洞察力にある。息子から事件のあらましを聞くと、「こんなことがあったのよ」と、これまでの人生経験で遭遇した出来事を引き合いに出し、その際、必ずママは、いつかの質問をデイビイに投げかける。その質問は、デイビイやシャーリィには、まったく事件に関係ない質問に思えるのだが、その回答を聞いて、ママは事件の真相に確信を抱く。そして、「だからこういうことよ」と、謎解きを披露する。
 なので基本的には、ある意味黄金のワンパターンであるし、おまけに妙にディビィがマザコン気味というか、いや、逆か、ママがいつまでもデイビイを子ども扱いしてるという方が正しいかな、ま、とにかく母子の関係はやけに甘ったるいところもある(?)ので、この作品を読んで誰しもが面白いと思うかどうかは、若干怪しいような気がする。おまけに、ママは別に聖人君子では決してなく、当時の普通のユダヤ系アメリカ人としての、いろいろな偏見や差別的な思想もあるので、我々からすればおばあちゃんめいた発言もそれなりに多い(※そういう意味では、やりこめられてしまうシャーリィが一番我々現代人に近い)ため、読んでいて若干、それはどうなんだろうと思ってしまうような部分もある。そもそも、事件の真相解明で終わるので、起きた悲劇に関しての救済や同情のようなものもあまりない。
 しかし、 それでもやっぱり、この作品を読んで心地よさを感じてしまうのは、一人でブロンクスに住み、毅然とした態度で、清廉に生きる母と、それを気遣い、毎週律儀に母の元へ通う息子の、この二人の関係性があったかいからなんでしょうな。だから、この作品はとりわけ男向きかもしれないですな。女性が読んでどう思うか、ちょっとわたしには分からないです。

 ところで、さっき調べていて、へえ~!? と初めて知ったのだが、なんとこの「ブロンクスのママ」シリーズは短編連作という形だが、 その後、80年代後半に長編作品としてシリーズにもなってるんですな。そして日本では1997年に東京創元社から文庫で発売されてるみたいすね。もちろん(?)、既に品切れ重版未定であるので、古本屋を回らないと入手不可能だけれど、ちょっと興味があるので探してみようかな。長編だとまた全然違うテイストになってると想像するが、面白そうなので読んでみたいすね。ちょっくら探してみますわ。え? ネットで買えばすぐだって!? いやいや、そんな趣のない、近ごろの若者のようなマネはわたしはしません。探し回って、「あったーーーー!!」という感動がわたしは好きなもんでね。電子書籍愛好家のわたしが言うのもアレですが。

 というわけで、結論。
 James Yaffe氏によるミステリーの名作『ママは何でも知っている』という作品は、ミステリー好きにはたいそう有名な作品らしいが、わたしはこのたび初めて知って、読んでみたわけで、実に面白かった。いつもわたしの知らない小説を教えてくださって、有難うございます。そして、長編を探し当てたら、お貸ししますね、S様。もちろん、わたしが読んだ後で、ですが。 以上。

↓ これっす。amazonでサクッと買ってはいけません。
ママ、手紙を書く (創元推理文庫)
ジェームズ ヤッフェ
東京創元社
1997-01

 

 このBlogを書き始めた時、一番最初の記事でも宣言しているが、わたしが世界で一番好きな作家は、ダントツでStephen King氏である。たまーーーに、「これは……どうだろう……」という作品もあるにはあるが、基本的に全作品大好きだし、King氏の作品が日本語訳されれば、もう文庫化まで待たずに発売日に即買う作家の一人である。
 しかし、King氏の作品は、もう最高に面白い小説なのに、残念ながら日本ではイマイチ売れていないのが現実であろう。とはいえ、イマイチ小説が売れていないここ日本においても、その名声は、もはや紹介の必要はあるまい。全世界的なベストセラー作家であり、数多くの作品が映画化されているので、映画ファンにもおなじみのはずだ。まあ、映画は結構な頻度で珍ムービー化されることも多いので、それもまたやや残念ではある。
 だが、もっと残念なのは、そのStephen King氏に、恐ろしく才能あふれた小説家の息子が存在し、その作品が超面白いという事がまるで世間に知られていないことである。
 その才能あふれる息子の名は、Joe Hill。ちなみに次男長男(姉と弟がいる第二子)である。
 既に日本でも彼の小説は4作品翻訳されているのだが、極めて残念というか腹立たしいことに、わたしの嫌いな出版社のTOPクラスである小学館から刊行されていて、まるで売る気のない営業活動によって、ほとんどの本屋さんに置かれていないのである。小学館文庫って、なんで全然見かけないんだろうな……ホント頭にくる。
 というわけで、Joe Hill氏は、最高級に素晴らしい作品を創作しているにもかかわらず、日本ではほぼ知られていないというのが現実で、4年前、とある作品が日本で発売になる!! という事を知って、喜び勇んで発売日に本屋さんに行っても、4軒目でやっと発見して購入したという残念な状況にある。その、わたしが発売日に4軒回ってようやく発見購入した小説が、これ。
ホーンズ 角 (小学館文庫)
ジョー ヒル
小学館
2012-04-06

 タイトルは、『HORNS』といい、めっぽう面白く、たいへん楽しませてもらった小説なのだが、なんとその『HORNS』が、Harry Potterでお馴染みのDaniel Radcliffe君主演で映画になる!! と知った時のわたしの歓喜は、今でも忘れがたく記憶している。なので、撮影スナップが公開されたり、US版予告が公開されたり、と徐々にわたしのテンションは上昇していったのだが、どういうわけかUS本国でも全然公開される気配がなく、あれ――!? と思っていたところ、やっと2014の10月にUS公開され、まったくヒットすることなく消え去り、当然こりゃあ日本で公開されることはなかろう、と深い絶望を味わい、もういっそ、US版のBlu-ray買っちまおうかしら……と悩むほどだったのだが、去年2015年の5月に、ごく小規模でひっそりと日本公開もされ、あまりに公開規模が小さくて、わたしが観に行く間もなくあっという間に終了していたのである。
 が、さすがオレの愛するWOWOW。先週、とうとうWOWOWでの放送があり、わたしとしては3年越しにようやく観ることができたわけであります。結論から言うと、原作からかなり違うけれど、映画としてはきっちりまとまっていて、むしろ原作より分かりやすく、Radcliffe君の熱演もあって実に面白かったのである。しっかし彼も、大人になったというか、順調におっさん化してますな。大変いいことだと思います。

 物語は、大体上記予告の通りである。愛する女性が殺され、あまつさえその犯人と町中から疑われることになった青年、イグ。やけになって酔っ払って、全然別の女と夜を共にしてしまい、罪悪感と自己嫌悪と二日酔いの頭痛に見舞われて目覚めると、額になにやら1対の「角(HORNS)」が生えてきている。ビビるイグは(原作だと小便をしていてふと鏡に映る角に気づき、あまりにびっくりして、足にぶっかけちゃう)、その女性にヤバい、どうしよう!? つか何なんだこれ!? と「角」を見せる。しかし、女性の反応は実に奇妙だった。「なにその角、超イイじゃん!! つか、あたし、このドーナツが超食いたいんだけど、食っていいかな!? もう全部食べちゃっていい!?」 なに言ってんだこの女? つか、この「角」を見てお前、何とも思わないのかよ!? とツッコミつつも、イグは、女に、「そんなに食いたきゃ食えばいいだろ!!」と言う。すると女は、「角」のことはどうでもいい、とばかりに、やったー!! と満面の笑みでドーナツをバクバク食べ始める。なんなんだコイツ……という思いで、イグはまず病院へ行く。するとそこでも、誰もが「角」を認識するのだが、それよりも、「自分が今思っている欲望」をぺらぺら喋り出すという謎現象が起こるのだ。待合室で隣に座っていた女性は「ああ、もう今すぐ離婚して、ゴルフのコーチとヤりまくりたいわ。いいかしら? あなた知ってる!? 黒人のナニは本当にデカイのよ、うふふ」なんて言い始めるし、受付のおばちゃんは待合室で騒ぎまくるガキの親に対して「そのくされガキをとっとと外へ連れ出しなさいよ、このあばずれが!! って怒鳴りつけてやっていいかしら?」と聞いてくる有様だ。さらに看護婦さんも「うちの旦那が浮気してるの。相手の車のシートに、ウンコしてやっていいかしら?」と真顔で聞いてくるし、医者も、「うおーー集中できない……うちの娘の友達のナンシーなんだがね、そのケツが超そそるケツしてるんだよ……」と言い出す始末である。わたしは原作を読んでいる時、この冒頭の、皆さんの欲望の吐露には大変笑わせてもらった。いや、笑うところじゃないんですけどね。わたしがStephrn Kingの作品で何より好きなのが、こういったDirty Word満載の会話部分で、そこんところはきっちり息子にも遺伝しており、わたしとしては大変喜ばしく思います。
 ちょっと面白いのが、イグの「角」の前では、どうやら誰もが「自分の後ろ暗い欲望」を話し出してしまうのだが、イグが、「いいんじゃない、どうぞどうぞ」と言うと、やったー!! とすぐにその欲望を実行し始めてしまうのに対し、イグが「いやあ、それはどうだろうな……」と言うと、そうだよね……ダメだよね……としょんぼりしてしまうわけで、このあたりの人々の心の中の思いが非常に面白いと感じた。これはほぼ原作通りです。ただ、この面白設定は、後半はあまり活かされてないような気がするけれど、とにかく、この「角」の謎能力によって、イグは周りの人々の「知りたくなかった」本音まで半ば強制的に知らされ、そして、後半は逆にこの謎能力を使って、愛する彼女を殺した犯人を捜す、とまあ、そんな物語である。
 なので、本作の見どころは、登場人物たちの「心の中だけで思っている秘密の欲望」を聞かされるイグの可哀想な運命と、果たして恋人は何故、誰に殺されたのかというミステリー部分の謎解きであろうと思う。わたしとしては、この映画は複雑な原作小説のエッセンスを上手に濾過して美しくまとめ上げてあり、非常に分かりやすくなっていると思った。やっぱり、映像で見るとダイレクトに分かるという利点が存分に発揮されていると思う。まあ、謎解き部分は意外とシンプルで単純ではあるけれど、それでいて結構グッとくる秘密が最後に明かされて、何気に感動も出来る良作だとわたしは感じた。この映画はわたしはかなり好きです。

 で、おそらくそういった、物語的な面白さに加えて、役者がかなり上手いのがこの映画のもう一つのポイントであろうと思う。ちょっと役者を紹介しておこう。
 まず、主役のイグを演じたのが、最初に書いた通りHarry PotterことDaniel Radcliffeくん26歳。お、7月生まれらしいから、来月27歳すね。いやあ、彼は今回とても良かったと思う。ただまあ、彼=Harryであるとして譲れない方には若干ショックかな。タバコ吸ってるし、飲んだくれてるし、なんか汚いし。でも、大変上等な芝居ぶりだったと思う。今日、2016/06/24からUS公開される『Swiss Army Man』という作品が超面白そうなんですよ。なんと演じるのは「死体」の役ですw 凄いよね。一応、US版予告貼っときますので、見ておいてほしいのだが、無人島に漂着した男が、同じく漂着した死体を「超便利なスイス・アーミーナイフ」のように様々なことに使うという、一体どう考えればそんな面白設定が浮かぶのか見当もつかない、凄い作品ですな。

 はーーー……すげえ。これ、笑っていいんだよな……? 日本公開が楽しみです。
 さて次に紹介したいのは、やはり殺された彼女・メリンを演じたJuno Templeちゃん27歳であろうと思う。彼女でわたしが一番覚えているのは、『The Dark Knight Rises』において、セリーナ(=キャットウーマン)の子分(?)と言うか仲間の女泥棒として出てきた時の演技なんだよな……なんか、とても幼く見えて色気もあるという独特の雰囲気をお持ちの可愛い女優だと思う。今回も、やたらと幼く見えてPureな、ある意味高貴?というか世間知らずのNobleなお嬢さん、という空気を醸し出していて、大変可愛らしかった。『Maleficent』においては、オーロラ姫を育てる3人の妖精のうちの一人(青い妖精)を演じてましたな。彼女は今度もチェックしておきたいと思うぐらい、今回は可愛らしかったと記録に残しておこう。
 そして彼女のお父さんを演じたのが、超ベテランのDavid Morse氏62歳。もうそこら中で観かけるベテランすね。なんかいつも、軍服を着ているような印象がありますが、この人、Stephen King原作の映画に3つ出てるみたいすね。一番有名でわたしもはっきり覚えているのは、やっぱり『The Green Mile』でしょうな。Tom Hanks氏演じる刑務所の所長の、頼れる心優しい相棒の看守さんでしたな。デカい人です。ちなみに残りの二つは『The Langoliers』と『Hearts in Atlantis』です。ともに、原作・映画両方面白いです。
 で、主人公イグの兄貴(ヤク中のミュージシャン)テリーを演じたのがJoe Anderson氏34歳。なかなかのイケメン(?)というか微妙フェイスだが、芝居ぶりはなんともインチキで情けない兄貴を好演していたと思う。この人は……どうやら闘うパパでお馴染みのLiam Neeson主演作『The GREY』に出てたようだが……記憶にないっすね……あれかな、やたらと文句ばかり言う強気な野郎かな? サーセン。覚えてないす。
 あと一人。主人公&兄貴と一緒に子供時代からの仲間のリーを演じたのがMax Minghella君30歳。なんか、どことなく東洋人っぽい貌ですが、お母さんが香港出身らしいすね。お父さんは有名な映画監督のAnthony Minghella氏だそうです。えーと、アカデミー作品賞を獲った『The English Patient』の監督っすね。へえ~。※2016/06/28追記:さっき知ったのですが、Anthony Minghella監督は2008年に亡くなってるんですね。そうなんだ……知らなかった……。
 で、これらキャストのいい芝居ももちろんなのだが、劇中で何度も出てくる、主人公と仲間たちの子ども時代をそれぞれ演じた子役たちがですね、これまたかなりイイのです。調べてみるとTV系の子役たちみたいですな。もう面倒だから名前はあげませんが、大変子役の芝居も良かったという事は記録として残しておくことにしたい。

 というわけで、もう長いので結論。
 わたしが世界で一番好きな小説家はダントツでStephen King氏である。そしてその次男、Joe Hill氏の才能は紛れもなく本物である。そしてさらに、Joe Hill氏原作の『HORNS』という映画は、原作を読んでなくても楽しめる、大変面白い作品である。と思う。たぶん。ちなみに、US国内の評価は、結構低いので、この映画を誉めているのはわたしだけかもしれません。ので、鵜呑みにしない方がいいかも……。以上。

↓ Joe Hill氏の新作はこれ。超読みたい……早く日本語で出てほしい……元部下のA嬢は、さっそくKindleで読み始めたそうで、実にうらやましい……英語に不自由しないって、ホントいいですなあ……。

 
 

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 つーかですね、先日の日曜日の夜、ぼけーっと日テレの「イッテQ」を見てたらですね、女性芸人の皆さんが相撲をやっててですね、急に『バチバチ』と誰かが言ったように聞こえて、「えっ!? 今なんつった!??」と思ったら、なんと、おかずクラブのゆいP嬢が、我らが『バチバチ』が大好きなんですと。しかも画面には『バチバチ』の16巻の表紙までドーンと写り、「な、なんだって――!?」と思い、色々チェックしてみたところ、ゆいP嬢の2016/05/10付けのTweetにも、「勧められたバチバチという相撲漫画を買いました」 と書いてありました。しかも佐藤タカヒロ先生とお互いフォローしあっている関係も判明して、ちょっと今後、ゆいP嬢を応援したくなりました。ありがとう、ゆいP!! これからも、オレたちの『鮫島』をもっといろんなところで宣伝してくれ!! よろしくおなしゃす!!

 はい。ではまず今週の週刊少年チャンピオン2016年30号の概況です。
 ■『弱虫ペダル』:新開弟の過去話が続く。みんなに「あの新開さんの弟」と呼ばれ続けてきたことにずっとイラついていた悠人は、部内でも態度がデカくて若干の鼻つまみ者だったわけで、先週、葦木場くんが静かに深く大激怒し、ちょっとおまえ、つぶしてやんよ、と勝負を持ちかけたのですが、今週はその決着が付き、すっかり葦木場くんに懐く、悠人なのでした、の巻。
 ■『刃牙道』:徳川のおっちゃんと独歩先生、餃子を食うの巻。
 ■『囚人リク』:謎クリーチャーの正体判明の巻。つか、リクってSFだったんすね……w
 ■『少年ラケット』:それぞれの特訓、イチロー君、ロッキー先輩、目覚めるか、の巻。
 ■『Gメン』:勝太、いい感じで仲良くなりつつあるの巻。だけど彼女はワケありっぽいぞ!!
 ■『永遠の一手』:天才女子中学生プログラマー登場。そして彼女の父はなんと!? これはかなり面白い!!
 ■『AIの遺電子』:ロボットペットの話。いや、マジで毎回面白いわ。超地味ですが……。
 ■『六道の悪女たち』:巻頭カラー新連載。つか、この巻頭カラーのせいなのか? 巻頭のアイドルグラビアがないんですけど。漫画自体は結構面白そうな予感。どういう展開になるのか、期待大ですな。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、禅定親方の引退パーティーから、不満の塊の【丈影】がついに【泡影】に、土俵で勝負だ!! と喧嘩を売ったところまででしたが、今週はそんな二人の土俵上のやり取りが描かれました。【丈影】の挑発に、【泡影】は静かに聞きます。
 「君に……あるのか……?」
 これは、ここまで読んできた我々読者には、意味が通じるでしょう。要するに、【泡影】は、【丈影】に対して、何か自分の知らない、自分が吸収すべき技能のようなものをもっているのか、つまり「お前と戦う意義はあるのか?」と聞いているわけです。そして土俵上で対峙する二人。【丈影】は強烈な殺気を放ち、立ち合い、右ひじのカチ上げで一撃狙いです。が、北斗の拳的に言うと、トキの柔の拳を使う【泡影】には、全く通じません。二人の戦いを見守る週刊トップの山崎さんも、二人の動きに唖然です。
 「あのカチ上げを防いでからのスムーズな巻き返し……無駄が一切ねぇ……しかしまわしを取らせない丈影の危機回避能力もまた秀逸……」
 そして二人の戦いは続きます。徐々に、殺気が消え去り、必死になって【泡影】に向かっていく【丈影】。禅定親方曰く、【泡影】は要求しているのです。「食うに値するレベル」を。そして【丈影】は健気にもそれに応えようとしているのです。どんどんと自らのレベルが上がっていく快楽に、ついに【丈影】は笑みすら浮かべます。それは、これまでの【丈影】を邪魔していた自尊心が消えていっていることの証なのでありました。【丈影】は思います。
 「拘りや信念など邪魔な足枷・・・この男の前ではあまりにもチープ・・・解き放て・・・己の強さを ただ強く・・・強く・・・・・・じゃなければ いつまでたってもきっと・・・泡影(このひと)の目に 私は映らない・・・」
 ついにそんな境地に達した【丈影】。次第に、とうとう【泡影】は【丈影】をはっきりと見つめ、その顔には笑顔が!! その笑顔を見て、【丈影】は膝を屈し、悟ります。
 「いつか・・・この人を倒したい この人の目から消えないために・・・私は・・・もう・・・それだけでいい・・・」
 というわけで、【丈影】は完敗ですが、今まで【丈影】を縛っていた足枷を捨てることができた模様です。てことは……どうなんだろう、【丈影】が鯉太郎を目の敵のように接するのは、かつての自分を思い起こさせるのでイラつくってこと? いやいや、どうだろう……鯉太郎の全力相撲という刃は、自らの王【泡影】にも届き得る、という警戒心なのでしょうか? そして、その鯉太郎の相撲に、【泡影】は確実に興味を持ってしまう(その結果、自分は再び【泡影】の目に映らなくなってしまう)のではないかという、嫉妬的な感情なのだろうか? しかしこの後、一体何が起きたのでしょう。はたして【泡影】に、最後に土をつけた力士は誰なのか、まだまだ気になる謎がいっぱいありますが、これも先週書きましたけど、今週号を読み終わった今、もう早くも来週号が読みたくてたまらんです。佐藤先生、今後も楽しみにしてます!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱【泡影】と同期入門
  --------
 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる。
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。62連勝中。モンゴル人。
 
 というわけで、結論。
 今週は、【丈影】VS【泡影】の、稽古部屋での幻の対戦が描かれ、【丈影】のその後を占うかのような心理的変化が我々読者に披露されました。いやー、しかしこのペースだと、鯉太郎との本割はあと2週ぐらい先でしょうか……楽しみです!! 以上。

↓ さあ、(8)巻は来月、7/8(金)発売ですよ!! CHECK IT NOW!!!
 

 もう単行本で100巻を超えている漫画は、日本に何作品ぐらいあるのだろう?
 ジャンプの『こち亀』、あるいは『ゴルゴ13』。他にどんなのがあるのか、どうやって調べたらいいかもちょっとすぐには思いつかないな……。 あれっ!? すげえ、さすがインターネッツという銀河には何でも情報が転がってるものだなあ。今、Google検索で、「漫画 100巻」というワードで検索してみたら、ごくあっさり、「100巻以上刊行している漫画作品」というWikipediaの記事を見つけた。この情報が正しいのかどうか、確かめるすべはないけれど、これよると、どうやら13作品あるみたいですな。そのうち現在も連載している作品が7作品だそうです。詳しくは、リンク先を見てみてください。 
  というわけで、今週わたしが買った漫画は、週刊少年マガジンに連載中の森川ジョージ先生による『はじめの一歩』第114巻であります。いや、実は114巻と一緒に、前巻の113巻も買いました。もうわたしはマガジンを毎週買っていないので、単行本が出たのをすっかり忘れておりました。森川先生、ほんとダメなファンですみません。


 Wikiによれば、この『はじめの一歩』という漫画は、単行本刊巻数ランク5位、みたいですな。 連載開始が1989年、すなわち平成2年であり、もう27年が経とうとしているわけだが、わたしは非常に『一歩』が好きで、地道にずっと買ってたらこんな巻数になっちゃった、みたいな感じなので、あまりそんなに昔のことのようには思えないっつーか、ま、要するにわたしもすっかり歳を取ったおっさんになっちまったな、というわけである。
 しかも、これは『一歩』を知っている人ならほぼ常識だと思うが、なんと、作中の時間はまだ20世紀、199X年である。これは当たり前と言えば当たり前で、一試合が始まって終わるまでに単行本1冊で収まらないことも普通にあり、スポーツ系の漫画ではよくあることだと思う。熱心なファンの方は、連載開始からの時間軸をまとめている人もいると思うが、面倒だからわたしはもうあきらめてるというか、やってません。そして、今さらこの漫画のこれまでの流れをまとめるつもりもないです。つか、そりゃもう、無理ッショ。

 さて。 この漫画の物語を、講談社の公式サイトの説明からパクって引用&少し付け足しすると、こんなお話である。
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 いじめられっ子だった幕之内一歩はひょんなことからプロボクサーの鷹村さんに出会い、ボクシングに熱中していく。一歩は『強いってどういうことだろう?』という素朴な疑問を抱えながら、持ち前の頑張りで過酷な練習に耐え抜き、強くなっていく。数多の強敵との死闘を勝ち抜き、国内屈指のハードパンチを持つ日本王者となった一歩。その次なる目標は遥かなる世界王者への道! 限りなく熱く純粋な一歩のさらなる挑戦が始まった!!
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 とにかく、今のところ、一歩はもうプロとして25試合経験してるのかな? 13戦目の千堂くんとの戦いで全日本フェザー級王者となって、それまでは1敗だけだったのに、前回の試合、109巻(だったかな?)でとうとう2回目の敗北を喫してしまったわけで、世界戦への挑戦権獲得ならずとなり、現在は復帰戦へのトレーニング中である。ええと、何が言いたいかというと、今回わたしが買った第113巻と114巻では、主人公はリングを見ているだけで、戦っているのは別の人、ってことです。

 まず、113巻では、主人公・幕之内一歩にボクシングの道を教えた鷹村さんの、世界ミドル級タイトルマッチが決着する。すでにJミドルで世界王者になり、さらにミドル級でも世界を獲って2階級制覇している鷹村さんの、WBC・WBA統一戦が描かれていたのだが、112巻ラストで超ピンチで、113巻前半でもこりゃあマズイ、という戦いだったが、最終的には勝利、と相成った。
 そして続く114巻では、鷹村さんの試合後、千堂くんが一つの決断を下し、宮田くんにも決断を迫ると。そして鴨川ジムのみんなも、青木さん、木村さんも次の試合が決まり、気合が高まる中、一歩はやっと前回の敗戦以降イマイチやる気がなかったのが、デンプシーの縦回転に目覚めつつあって、やる気をかなり取り戻す、てなところまでであった。ま、こう書いても、『一歩』を読んだことのない人にはさっぱり分からんと思うけど、分かる人にはわかるだろうからいいの。
 問題は、『一歩』を知っている人でも、もう最近は全然読んでないんだよなー、という人が、わたしの周りにも結構多いことだ。

 それは、二つの要因があって、一つは大変に長い物語であり、自然に脱落してしまった人たち。これはもう、単行本114巻までせっせと買っているわたしの方が珍しかもしれないというレベルの、長大な物語であるわけで、ここまで長いと、どんな作品だって、脱落者は出る。確実に。ま、これは正直どうしようもない。
 しかし、もう一つの要因は深刻である。「最近面白くないんだよなー」「やっぱり一歩はVS千堂戦が頂点でその後はなあ」「オレは宮田くんの試合が流れたところからもう読んでません」みたいに、結構多くの人が途中で「自主退場」してしまっているのだ。要するに物語的な要因である。
 まあ、実際のところこの二つが合わさって、途中で読まなくなる人々がわたしの周りには多いのだが、正直に言うと、わたしもここ数年、惰性で買っていると言えなくもない。わたしが一番、「ええ~……」としょんぼりしてしまうのは、主人公・一歩くんのあまりにグズグズした性格と、各キャラのファイトシーンにおける超人ぶりだ。
 後者については漫画だからまあいいか、実際盛り上がるし、と、納得できれば全然気にならないし、かつてはまったく気にしていなかったが、例えば今回の鷹村さんの世界戦も、超名作と誰もが認める(と思う)、VSブライアン・ホーク戦やVSデビット・イーグル戦とはかなり変わってしまった。今回の相手のリチャード・バイソンは久しぶりにまともに強い・カッコイイ敵キャラだっただけに、最終的な大逆転は、ちょっと正直引っ張りすぎたような気がする。足を怪我するエピソードはいらなかったような気がするし、左フックをまともに喰らってしまう謎も、正直解答は出ていないと思う(今まで、鷹村さんは目に異常があるんじゃないか、というほのめかしが何度もあったが未だ答えは出てない、よね?)。まあ、鷹村さんがカッコ良かったから、わたし的には満足、ではあるけれど。
 なので、わたしとしては、一歩のグズグズぶりが非常に問題だと思う。おそらく、もう10年以上、この漫画のファンは、一歩に対して、次のようなことを思っているんじゃないかと思う。
 ■さっさと宮田くんとケリをつけろ。
 ■さっさと世界戦(勿論相手はリカルド・マルチネス)をやれ。
 ■さっさとクミちゃんとヤれ。
 しかし、一歩は、というか、森川先生は、そこまで描いてくれない。何らかのことが起きて、どれも実現しない。もちろん、幕之内一歩というキャラクターはこういう奴なんです、と言われてしまうとそれまでだが、こういった、読者的なイライラは、もう10年以上溜まっているんじゃなかろうか。

 こういう状況でも、わたしはせっせと単行本を買うことをやめていないわけだが、今回も前巻を買うのを忘れていたように、そんなわたしですら、ややモチベーションが下がり気味なのだ。『はじめの一歩』という作品が、もはやこういった状況にあることを、編集部が気づいていないわけがないと思うのだが、まあ、森川先生に物申せる編集者はもういないんだろうな。実に残念というか、なんだかなあ、という気がしてならない。
 ただ、散々文句めいたことを書いてしまったけれど、確実に言えることは、森川先生の漫画力は、日本最強レベルを現在も維持しているのは間違いないという事だ。絵のクオリティも本当に素晴らしいし、コマ割りというコミック演出テクニックも、日本最高レベルだと思う。漫画としてこれほどレベルの高い作品は、たぶん他に類を見ないとわたしは思っている。また、その最高のクオリティで「週刊連載」してると言う点では、他の追随を許さない日本最強の漫画家の一人だと思う。超人、と言ってもいいのではなかろうか。なので、ずっと応援したいと思ってます。

 というわけで、結論。
 『はじめの一歩』というボクシング漫画の単行本114巻を買った私だが、一体何巻まで続くんだろう……わたしとしては、長いのは別に全然構わないので、やっぱり、もうちょっとメインストーリーの進展があってほしいな、と思うばかりだ。まあ、ひょっとしたら、「げえええ―――ッ!! 80巻のあの話は130巻のための伏線だったのか―――ッ!?」と驚きの展開も当然あり得るので、やっぱりまだまだ、買い続けようと思います。以上。

↓ 漫画力で言えば、この方も日本最強だと思うけど、この人は描いてくれないからなあ……早く続きが出ないかなあ……。


 


 

 というわけで、先日電子書籍で全巻まとめ買いした漫画『野田ともうします』。
 わたしとしては実に面白く、何度も笑わせてもらった愉快な漫画であり、大変気に入ったわけで、ならばその著者、柘植 文先生の他の作品も読んでみようと思い、タイトル的にこれは面白そう、と直感的に思って買ったのが、本書『中年女子画報』である。

 わたしもすっかりおっさんで、柘植先生よりちょっと年上のようなのだが、女性が40歳を過ぎるとこういう感じなんだろうな、つか、男のオレも実に思い当たることがあるわ、というようなエピソード満載で、本作も実に楽しく読ませてもらった。柘植先生は、1973年生まれという事で、今年の誕生日で43歳になるようだが、先生が40歳を迎えた時にこの漫画は始まったらしい。第1話の、冒頭の先生の言葉を引用すると、
 <というわけで今年40歳になって、「あれ? 私ってもう中高年!? 昔でいったら初老!?」とビックリしてあたふたしちゃってるので 正しい中高年になっていこうというマンガです>
 とのことだ。
 いわゆる、「コミックエッセイ」というジャンルに分類されるこの漫画は、柘植先生が「正しい中高年」って、こういうことかしら、こうあるべきかしら、と、いろいろなところへ行ったり、さまざまなことに挑戦したりする様子をレポートしてたもので、実に楽しい漫画であった。なので、基本的には、
 【世の中的に一般的な40代女性のイメージ像】
 【世の中的に一般的な40代女性に求められる常識】
 【世の中的に一般的な40代女性の行動】
 と、柘植先生自らのあり方とのギャップに笑いがあるわけで、ある意味自虐ネタになるのだが、それが行きすぎたり、あるいは批判的だったり、逆に何も知らなくてすみません的に卑屈な印象を与えてしまうと、残念ながら痛々しくなってしまう危険性があると思う。しかし、この柘植先生による漫画は、そういう痛々しさは全くなく、実に朗らか? と言えばいいのかわからないけれど、明るく楽しいのだ。
 おそらく、いわゆるエッセイというものを読んで面白いと感じる場合に、なくてはならない必須のポイントとして、書いている作者自身の人格の良さがあげられると思う。つまり、その人自身が面白くて魅力あふれる人でない限り、エッセイは読んでいて面白いモノにはなりえない。それはコミックエッセイでも同じで、自慢気だったり、批判的だったり、卑屈だったり、それでは読んでいる読者としてはまるで共感できないものになるのがオチであろうと思う。わたしはこの作品を読んで、ああ、柘植先生はきっと、楽しくて魅力的な40代女性なんだろうととても好感を抱いた。たぶん、女性が読むと、より身近になるというか、思い当たる話が満載なのではないかと思われる。しかし、なんでまたこの漫画が竹書房の「まんがライフオリジナル」で連載されてたのか、良くわからんというか……確実に読者はおっさんだと思うのだが、いいのだろうか……? ま、実際のところ、男が読んでも面白く、むしろ男に向けて、「40歳になっても女子は女子なのよ」的なメッセージもあるのかもしれない。いや、そりゃ無理矢理かな? どうでしょうか。とにかく、女性であろうと男であろうと、楽しめることは間違いないと思う。

 本作は24本の連載時エピソード+1本の単行本描き下ろしから構成されているのだが、どれも面白くて……どれを紹介したものか……そうだ、いっそ全エピソードのタイトルだけ紹介してみようかな。
 ◆正しい中年を目指します……中高年向け雑誌を片っ端から買ってみる話。
 ◆不惑を目指して自分を知る……1話で買った雑誌を切り抜いて「ビジョンマップ」を作ってみる話。
 ◆大人の夏の過ごし方……都内ホテルのプールに行ってみる話。
 ◆そうだ、高尾山に行こう……タイトル通りです。とても笑える。
 ◆大人ファッションの必須アイテム……ストッキングの話。
 ◆芸術はおばさんを招く……美術館に行ってみる話。
 ◆アイドルは綾野ならぬ綾小路……きみまろライブに行ってみる話。
 ◆惑ったら神様の言うとおりっ?……大阪・瓢箪山の稲荷神社の辻占に行ってみる話。
 ◆大阪で生まれた女に大接近……「オバチャーン」のCD発売イベントへ通天閣に行ってみる話。
 ◆踊る!大中高年!……六本木マハラジャに行ってみる話。
 ◆背中に哀愁の脂肪が……ダイエットの話。
 ◆ババアにババアと言って何が悪い?……毒蝮三太夫のラジオ公録に行ってみる話。
 ◆正しいお正月の過ごし方……皇居へ新年一般参賀に行ってみる話。
 ◆愛でます、愛でるんです、蘭の世界……世界らん展に行ってみる話。
 ◆伝統芸能鑑賞は大人のたしなみ……国立能楽堂へ能・狂言を観に行く話。
 ◆女ひとり旅、日本海~♪……日本海を一人で見に行く話。糸魚川~親不知へ。しかも日帰り。
 ◆話は尽きぬ!中年女子座談会……同世代でワイワイやる話。
 ◆相田みつをで絵手紙修行!……みつを美術館へ行き、自分で描いてみる話。
 ◆中年下着問題考察……オーダーブラを作ってみる話。
 ◆ひとり海水浴に行ってみたら……鎌倉でシュノーケリング体験会に参加してみる話。
 ◆中高年は筋肉が命!……近所の公園のラジオ体操サークルに参加してみる話。
 ◆再び!聖地大坂へ!……大阪の中年スポッめぐりの話。船場センタービルとか。
 ◆髪のおしゃれウィッグ検証……レディスアデランス銀座へ行ってみる話。
 ◆ときめき求めて恋活だ!……街コンに行ってみる話。
 ◆けじめの中年式(描き下ろし)……成人式ならぬ中年式を執り行ってみる話。写真を撮ったり、東京大神宮で御祈祷を受けたり。これ、大変面白い。わたしもやろうかとひそかに思ってますw
 
 てな感じです。どうでしょう、ちょっと読みたくなるのでは? どれも、1エピソード当たり10ページもないぐらいなので、気楽に読めます。上に書いた通り、どのエピソードも、柘植先生の人柄が伝わる楽しい話になっていて、ヤバいな……もう柘植先生が好きになってきた。しかし、わたしも実際そうだけれど、40を過ぎると、周りはみんな子供や家族が中心で、ちょっと遊ぶとか旅に出るとか、もう全然誘えなくて、必然的にぼっち行動をとらざるを得なくなるわけで、たぶん、わたしが思うに、中高年になっても元気でいる最大のコツは、とにかく出かけることだと思う。一人ででも。その行動力が活力になって、心身ともに、とりあえず自分的には若くいられるコツなのではなかろうか。ま、他人から見ると全然若くないんでしょうが、少なくとも自分自身では、オレはまだ若い、という気持ちでいられると思う。とにかくですね、家に引きこもっていてはダメですよ。そして、思ったことは即実行。それがわたし的なオレがオレでいるためのスタイルっすな。

 というわけで、結論。
 わたしも完全なおっさんですが、女性もやはり、明るく元気で活動的であれば、まあ何とか生きていけますよ。そしてそのためには、行動あるのみ、ですな。大変面白いコミックエッセイでありました。若い人が読んで面白いか分からんけれど。以上。

↓ わたしは既に「ぼっちレベル」99まで達していますが、レベル100になる最後の関門は、「一人ディズニー」を実行することなんだが……さすがにまだ、オレにはどうしても出来ねえ……くそう……!


 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末、わたしは『10クローバーフィールド・レーン』を観ました。しかしわたしが観た回の客層は、ものの見事におじさんばかり(明らかにわたしより年上の60代ぐらいばっかり)で、ちょっと物悲しく苦笑せざるを得なかったですが、残念ながら物語もわたしの期待を超えるものではなく、正直イマイチでした。いつものわたしのネタバレ全開レビューは2日前の記事を見て下さい。まったく参考にならないと思いますが。
 そしてまるで書くことがなく、ネタがないので、ランキングを見てさらっと流して今日は終わりにします。そういやUS本国ではこの週末から『Finding Dory』が公開されて、アニメ史上最高の数字でスタートしたらしいですよ。間違いなく、日本でも大ヒットでしょうな。日本でも100億は余裕で超えてくるような気がしますね。前作『ニモ』が110億稼いだ実績があるし、7/16(土)公開で、いきなり三連休だし、8月に入ればお盆BOOSTもかかるのは間違いないし、これは相当な数字が期待できそうですな。まったく根拠はないですが、初週、10億越えると思います。しかし、DISNEY的には、7/1公開の『アリス』と微妙にかぶるのが若干心配かも……『アリス』の前作は日本でも100億超えているけど、今回は厳しいのではなかろうか……。US本国でもかなりぱっとしない興行になってます。

  では、さっそくいつもの興行通信社の大本営発表から見てみよう。
 1位:『植物図鑑』が動員数1位に返り咲き。16日間合計でもう12億~13億程度まで伸びていると予想。これはすごい。「オトナ男子割」が効いたのか?
 2位:『64―ロクヨン―後編』が9日間合計で、7億~8億、場合によっては9億台もあり得る。この作品の単価が低くなるのは想像がつくけれど……。
 3位:『ズートピア』が58日間合計で70億に届くかどうかぐらいまで伸びているはず。金額順だと、この作品が1位だったのでははなかろうか? まあ、3Dはそれほど貢献しているとは思えないけれど、大人、とりわけ20代~30代に今は人気がシフトしてる模様。口コミなんでしょうな。今週末、偶然この映画の開場の列を観たけれど、どうやらもうちびっ子客ではなさそうな感じでした。わたしが観に行ったときはちびっ子中心だったのだが……。しかし、依然として勢い衰えずなわけで、これはまだ伸びそうですな。80億~90億ぐらいの決着だろうか。あとどのくらい上映期間があるのかにもよるのでしょうな。あっぱれです。
 4位:『貞子VS伽椰子』が公開土日で1.98億稼いだそうです。わたしの想像よりもずっと売れていて驚いた。そうなんだ……へえ~。これは10億以上はカタイってことなんでしょうか。大したもんだなあ……。つーか、352スクリーンという公開規模にも驚いた。でも、サーセン。興味ないっす。
 5位:『デッドプール』は水曜公開だったので合計19日間となるけど、おそらくは14~15億ぐらいはもう稼いでるはず。15億超えてる可能性もあるか。わたしはこの映画、『X-MEN』を知らないと全然面白くないと思ったけれど、どうやら全然関係なく、若者たちは楽しんでいるんでしょうな、きっと。へえ~。分からんもんだなあ。
 6位:『クリーピー 偽りの隣人』が公開土日で1.27億稼いだそうです。となると、10億超えるかどうかはまだ何とも言えず、な感じでしょうか。原作は前川裕先生の小説で、続編があるんじゃなかったかな。あ、公式サイトでも紹介されてますね。映画がヒットして、続編も映画化できるといいですなあ。
 7位:『オオカミ少女と黒王子』が23日間で10億届いたかな? 届いていないか微妙なところと予想。
 8位:『MARS~ただ、君を愛してる~』が公開土日で0.79憶だったそうです。うーん、公開規模からするとまずまずなんでしょうか? 90年代の別冊フレンドに連載されていた漫画だそうです。
 9位:『64―ロクヨン―前編』が44日間で、17億チョイというところでしょう。かなり頑張って粘ってます。最終的には前後編あわせて32~34億ぐらい? と思われます。
 10位:『高台家の人々』が16日間合計でまだ5億に届かないと思われる。応援のためにも観に行くべきだった……。

 なお、わたしが観に行った『10クローバーフィールド・レーン』は12位だったそうです。興収の数字は出ていないが、恐らくは土日で0.4~0.5億程度と思われる。てことは、最終5億も厳しいだろうと思う。それから、わたしが激推ししている『殿、利息でござる!』が先週に引き続きもう興行的にランクに入らず、当初15億は行くのでは? と予想していましたが、そこまではちょっと厳しいか?13~14億くぐらいで打ち止めだとすると、非常に残念至極です。『猫』には負けないで欲しい。

 というわけで、結論。
 『植物』は大変イイ感じに伸びていますね。素晴らしいことです。そして『ズートピア』 も依然勢力強し、です。わたしとしては今月はもう大体観たい作品は観たので、次は7/9(土)の『インディペンデンスデイ』まで、ちょっと休憩します。以上。

 もう、このBlogで何回書いたか、もはや忘却の彼方にあるが、何度でも言う。
 わたしは、女子のしょんぼりしている顔に弱い。無条件で、どしたの? と声をかけたくなる。まったく知らない赤の他人でも、だ。とはいえ、そんなことをしては、世間的に善人と見なされているわたしでも逮捕されかねないので、全精神力をフル動員して、心の中で呼びかけるにとどめているわけだが、そんなわたしが思うに、日本の芸能人で、わたしが最も愛する「The Mostかわいい・しょんぼりフェイス」だと思っているのは、元AKBの大島優子さんである。もちろん、彼女は別にいつもしょんぼりしているわけではなく、むしろ常に笑顔の可愛い女性だが、時たま見せる、あの、八の字の下がり眉の「困ったなぁ……」というような表情は、 もう、この世で最もグッと来てしまうものの一つであり、わたしはずいぶん前から彼女の大ファンである。
 そんな彼女が、どうやら映画に主演する、しかも、かなりしょんぼりした表情満載らしい、ということを知って、そいつは観たいぜ、と思っていた映画がある。その映画は結局見逃してしまったわけで、わたしの彼女への愛も大したことねーなー、と我ながら残念至極だが、その映画が先週、WOWOWで放送になったので、おっと、待ってたぜ!! とばかりに録画し、昨日の夜、ぼんやり観てみたわけである。
 その映画のタイトルとは『ロマンス』。特に原作はないのかな? 良く分からないがオリジナル作品らしい。 監督は、活躍著しいタナダユキ女史である。結論から言うと、やっぱり大島優子さんは、わたしにとって日本人最強KAWAIIガールであった。本当に大島優子さんは可愛くて素晴らしかった。

 物語は、大体上記予告で示されている通り、と言って良さそうである。主人公、北條鉢子ちゃんは小田急のロマンスカーで車内販売を担当し、その営業成績はトップクラスのデキるお嬢さんである。しかし彼女は、どうもだめんず愛好家らしく、同棲する彼氏はヒモ野郎のようだ(この点で、そのヒモを演じた出演時間わずか1分ぐらいの窪田正孝くんに軽い殺意を抱いた。許せない)。そして、そのだめんずについ甘くしてしまって、ちょっとした自己嫌悪で出勤する鉢子ちゃん。そして、出掛けに覗いたポストには、なにやら手紙が入っていて……。
 しかし、バッチリ制服を着こなしてからは、キリッとした表情に変身し、プロとして今日も一日、勤務が始まる。そして終点の箱根湯本に近づいたとき、彼女のワゴンから、お菓子を万引きした男をとっつかまえる。ひと悶着あって、再び新宿行きへ乗ろうとするも、ふと、朝ポストに入っていた手紙が気になり、一読してゴミ箱へ破り捨てる。それを観ていた万引き男は、捨てた手紙を拾って読んでみると、どうやらそれは自殺をほのめかす遺書めいた文章だった。男は問いただす。これは一体誰なのか。手紙の主は母であることを継げる鉢子ちゃん。それを聞いて、鉢子ちゃんの手を取り、「探しに行こう!!」と無理やり連れて行く万引き男。かくして、1日だけの鉢子ちゃんと万引き男の奇妙の旅が始まった――てなお話である。

 で、道中、ずうずうしい万引き男にイラつきながらも、かつて、一度だけ家族旅行で来たことのある小田原~箱根の思い出の地めぐりが始まり、鉢子ちゃんの母についてと、そんなダメな母親に育てられた鉢子ちゃんの幼少期が語られる。離婚後、すっかり男に依存するだめんず愛好家になった母親の、母親失格ぶりと、それによっていじめを受けたりした鉢子ちゃん自身のつらい過去だ。それ故に、鉢子ちゃんは母親を嫌っているわけで、自分は母親のようにはなりたくない、と、真面目に毎日を生きているわけだが、実のところ、自分もだめんず愛好家になっているわけで、恐らくはそういう同属嫌悪的なものもあるんだろう。そんな中でも、どうやら唯一の美しい思い出が、箱根旅行だったらしいということが丁寧に描かれる。
 そしてまた同時に、万引き男のこれまでの過去も語られる。映画のプロデューサーとして失敗続きで、最後にやらかした大きな損で告訴され、追われる身らしい。だが、そこで語られる男の過去は、はっきり言ってわたしには何にも響かなかった。どうも彼は、失敗してもまったく成長していない男であり、そんな男の過去には、観客としては共感しようがない。知らんがなそんなの、の一言でわたしとしては終了である。残念ながらこの万引き中年男も、だめんず野郎だった、の一言でまとめていいと思う。
 というわけで、真面目に実直に生きるわたしには、まったく心に響かない物語だったのだが、それでもやはり、大島優子さんだけはとにかく可愛くて、しかも芝居振りも極めて上等で、怒っている顔、しょんぼりしている顔、そして最後に見せる晴れやかな笑顔が、もう日本人最強クラスに魅力的であった。

 タナダ監督の作品は、わたしは『百万円と苦虫女』と『ふがいない僕は空を見た』の2作しか観ていないが、ともに、どうも「心さすらっている女子」を描くのが得意らしい。いや、得意なのかどうかは分からないが、すくなくともその2作は共通してそういうお話だった。ついでに言うと、男の描き方も、共通してだめんずで、わたしとしては、まったく心に響かない。今回も、そういう、心さすらう女子モノだったわけだが、 恐らく、今回の物語を『苦虫女』を演じた蒼井優ちゃんが演じては物語はまったく別物になってしまっただろうし、また一方で『ふがいない僕』で主演した田畑智子さんが演じては、もっと暗い感じになってしまっただろうと思う。やはり、この映画は大島優子の、大島優子による、大島優子のための映画であることは間違いのではなかろうか。何度でもいいますが、最強に可愛かったです。
 ただ、ひとつ、演出上の、画としての出来として、わたしは1箇所だけ文句を言いたい。 
 劇中で、鉢子ちゃんが風呂に入りながら涙を流すシーンがある。上に貼った予告でもチラッと挿入されているが、あそこは本当にもったいないと思った。恐らく問題は照明と、画角?なのではないかと思うのだが、残念ながら、「涙がこぼれているのが、画的にまったく見えない」のだ。大島優子さん渾身のいい表情だったのに、極めてもったいないと思う。アップにしろとはいわないけれど、やはり、「涙を流している」ことは明確に観客に見せるべきだと思う。色的な問題のような気もしたので、照明の問題かと思ったのだが、あのシーンはひじょーーーーーにもったいない。どうにもならないことだったのか、ホントにわたしとしてはあのシーンは残念に思う。

 というわけで、結論。
 大島優子という女優は、わたしとしては日本人で最も可愛らしく、魅力的だと思う。この映画は、彼女の素晴らしさを存分に味わうことが出来ます。本当に素晴らしく可愛かった。が、風呂のシーンだけは実にもったいなかったと思います。以上。 

↓  ホント可愛ええ……何らかの宇宙的奇跡が起きて、ばったりどこかで出会えないかのう……。



 

 POV(=Point of View Shot=主観ショット)映画と言えば、世の中的には『The Blair Witch Project』をその筆頭として挙げる人が多いと思うが(根拠なし。たぶん)、わたしの趣味としては圧倒的に『Cloverfield』の方が好きである。あの映画を最初に劇場で観たときは、コイツは凄い映画だ、と大興奮であった。わざわざセントラルパークへ行って、ラストの橋を探してみたりしたほど、あの映画はわたし好みである。
 あの映画が公開されたのが2008年。だからもう8年も前になるわけだが、昨日の金曜日から公開された『10 Cloverfield Lane』という映画は、そのタイトルからして当然関連が予想され、わたしも確か今年に入ってから(去年末だったかも)、突如としてその映画の存在が明らかになったときから 、こりゃあ観ないとダメでしょ、と決め付け、さっそく今日、土曜の朝8:50の回を観てきたわけである。が、結論から言うと、これは劇場で観る必要はなかった。WOWOWで放送されるのを待ってりゃ十分だったな、というわけで、ミスタードーナツでドーナツを買ってさっさと帰ってきた次第である。ズバリ、イマイチであった。

 上記予告は、一番初めに公開されたもので、もう観てきた今から思うと、時系列もめちゃめちゃで、実にそれっぽいシーンを繋げただけものだということが分かる。まあ、だからこそわたしも観に行きたくなったわけだが、残念ながらわたしの期待を大きく下回ったのは、大変残念だ。
 この予告で示されるとおり、この映画は基本的にはこの3人、女性、デブ、ヒゲ青年しかでてこない。正確に言うと、なにやら逃げてくる女性とかも出てくるけれど、物語的にはこの3人だけと言っていいだろう。あ、あと、エンドクレジットを観ていて、えっ!? マジで!? と驚いたのは、冒頭、女性が車を運転しながら電話を受けるシーンがあるのだが、その元彼氏の声は、Bradley Cooper氏だったようだ。これは全然確認できないので、同姓同名の別人かもしれないし、わたしの空目かもしれない。少なくとも映画を観ている最中ではまったく気が付かなかった。あ、ちゃんとIMDbにはクレジットされてるから間違いないみたいだな。
 さてと。物語をごく簡単にまとめると、主人公の女性が、彼氏と別れて荷物をまとめて車に積み、どこかへ向かうところから物語は始まる。どうも最初の家はNYCっぽいが、ともかくかなり田舎のほうにあっという間にカメラは移る。ズバリ言うと、わたしが傑作だと思っている『Cloverfield』と違い、POVではない。で、運転している彼女は、夜、とある田舎道で事故を起こす。で、気が付くと、なにやらよくわからない地下室にいて、最初は拘束されているけれど、その地下室の主らしいデブに出会う。あっさり拘束は解かれるものの、外は「攻撃」を受け、大気は「汚染」されているため、外に出ちゃあダメだという衝撃の事実を聞かされる。もちろんそんなことは信じられない主人公。しかしその地下室には、もう一人、左腕を怪我したヒゲの青年もいて、彼の話によると、それは事実であり、ここに無理やりつれてこられて監禁されて腕を怪我したのではなく、「ここに避難させてもらおうと押し入るときに怪我をした」のだと言う。
 そして、デブの話によると、「攻撃」してきたのは何者か分からない。ロシアなんだか火星人なんだか不明であると。そして、そのデブやヒゲ青年の話を裏付けるような出来事も起こり、かくして、3人の奇妙な生活が始まるのだった――てなお話である。
 
 なので、話のポイントは、この避難生活がいつまで続くのか、脱出できるのか、敵は何者なのか、という点になるわけだが、これらのポイントはほぼ何も解答が得られず、正直なところ、残念ながらわたしには、主人公の女性もデブもまったく共感できなくて、ヒゲ青年はとてもいい奴だったけれど、観ていてずっとイライラしっぱなしであった。
 まず、デブ、であるが、実に気持ちが悪い不気味な男で、実際どうやらクソ悪党だったようだが(ただし、確実な解答は描かれないので、この脚本では女性の思い込みという線も捨てきれないような気がする)、まあ、実際のところ結果的には観客が肩入れしたくなるようなところはほぼない。後半、ひげをそってすっきり顔で迫ってくるのは、女性からしたらもう、生理的にアウトだろうと思う。
 そして主人公の女性であるが、なかなか機転の利く頭の回転の良さは見られるが、何というか、その頭のよさ故に、なんだろうけれど、人間的に好きになれない。話を聞かないし、やめろと言ってるのにやるし、これも結果的に、ではあるが、実に自己中心的で先を見通す思慮深さは皆無である。わたしはこういう女子が一番嫌いだ。なので、わたしとしてはこの主人公も、『Cloverfield』のラストのように、悲劇的なBAD-ENDで終わるのかな、と思ったら、実に、極めて、安っぽい、希望を思わせる中途半端なエンディングで、わたしはもう即、席を立とうと思ったぐらいだ。まあ、ひょっとしたらラストに何らかのおまけ映像でもあるのか、と、グッとこらえてエンドクレジットを眺めることにしたので、Bradley Cooperの名前を見つけることが出来て、そこだけは収穫であったけれど、わたしがほんの少しだけ期待したおまけ映像なんてものはなく、最後まで観る意味はほぼなかったといえる。
 何よりわたしが参ったのが、その地下室での生活ぶりが実に陳腐で退屈なのだ。実際、キャラクターたちもそりゃあやることがないわけで、退屈であろうと思う。思うけれど、デブの本性をじわじわと見せるような脚本よりも、もっときちんと、攻撃してきた謎の存在に迫る方向の物語をわたしは観たかった。だって、デブの話なんてこれっぽっちも興味ないし、それじゃあ、タイトルに『Cloverfield』を入れた意味、まったくないじゃんか。
 そう、この映画、タイトルこそ『Cloverfield』が入っているけど、2008年公開のわたしの好きな映画『Cloverfield』とは、ほぼ関係ない。いや、もうこれは「ほぼ」じゃ済まされないな。100%関係がないとわたしは断言してもいいと思う。ラストで現れる謎クリーチャーが、『Cloverfield』で出てきた怪物と共通していると言いたいのかもしれないけれど、造形はまったく違う。おまけに、『Cloverfield』に出てきた怪物は、突如Manhattanに上陸して無秩序にNYCを破壊したけれど、今回はどうも統率された群れであり、どうも何らかの意志があるようで、性格も全然違う。これじゃあ、まったく別モンだろうに。マジ勘弁して欲しいと思った。
 ちなみに、一応製作にはJJ Abraham氏の名前が入っているけれど、どうなんだよJJ……あんた、本当にこの映画のタイトルに『Cloverfield』を含ませてよかったと思ってるのか……?

 というわけで、わたしは大変憤っている。
 とにかく、脚本が悪い。普通の作劇的な点で言えば、実にしっかりまとまっていて、レベルは高いことを認めるのにやぶさかではないが、わたしが気に入らないのは、何故この物語に『Cloverfield』というタイトルを含ませたのか、という点だ。誰だって期待するよね。あのManhattanを破壊したアイツがまた出てくるのかと。
 なので、わたしが脚本家であったなら、主人公の女子は、あの事件から逃げてきたという設定にしたと思う。そしてデブも、変態殺人鬼にせず、軍事教練を受けた屈強な青年にチェンジだ。そしてヒゲ青年は、そうだなあ、10歳から14歳ぐらいまでの少女にしたと思う。そして謎生命体の秘密を探る的な展開にしたと思う。要するに『ALIENS』のヒックス・リプリー・ニュートのフォーメーションが良かったのではなかろうか?
 ま、それも言うだけ詐欺だし、こうしてあらめて文字にしてみると、それもありがち過ぎて面白くねえかもな、と自分でも思ったので、もうこれ以上は言わないけれど、まあとにかく、ガッカリな作品であった。
 最後に、役者について短く書いて備忘録としておこう。
 まず主役の女子を演じたのが、Mary Elizabeth Winstead嬢だ。結構いろいろな作品に出ている方だが、わたしがこの人で覚えているのは、『DIE HARD 4.0』で、マクレーン刑事の娘として出てきて大活躍したことと、2011年版の『The Thing』(邦題:遊星からの物体X:ファーストコンタクト)での主演ぐらいしかない。正直に結論だけいうと、わたしの好みではありません。以上。ちなみに、彼女は、この映画のタイトルが『Cloverfield』になることは、撮影中は全然知らなかったとどこかのインタビューで語ってました。あと、そういやこの人、昨日ここで書いたTONY賞の授賞式にプレゼンターで出てましたっけね。
 そしてデブおやじを演じたのが、ベテランのJohn Goodman氏で、この人もいろいろな作品に出ているからな……うーん、特に書くことがないっす。そして最後、かわいそうなヒゲ青年を演じたのがJohn Gallagher Jr.氏。わたしはこの人を全然知らないのだが、今、Wikiを観てちょっと驚いた。この人、2007年にTONY賞を獲ってるんすね。作品は『Spring Awekening』。今年のTONYではリバイバル・ミュージカル作品賞にノミネートされた『春の目覚め』の初演キャストなんだ。へえ~。
 なお、監督はまったく知らないド新人のDan Tractenbergという方でした。正直、腕前としてはごく標準。とにかく今回は脚本がイケてないので、ちょっと気の毒かも。今後、素晴らしい作品を獲ってくれることを期待したい。

 というわけで、結論。
 わたしは2008年の『Cloverfield』が大好きだから勇んで観に行ったわけだが、まあ、これはWOWOWで十分だったかな。もし続編的な期待をしている方がいれば、それは残念ながらまったく叶わない期待だと申し上げておきたいと思う。もっともっと面白い物語が考えられただろうに……実に残念です。以上。

↓ 本家は非常にイイ。観てない人はぜひ。
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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン
2013-07-19


 

 今週の月曜日は、アメリカで第70回TONY AWARDの授賞式があった(※現地は日曜夜)。
 TONY賞ってなんぞ? と言う人はいないとは思うが、Wikiからそのまま引用すると、
 <トニー賞は、正式にはアントワネット・ペリー賞と呼ばれる、アメリカン・シアター・ウィングおよび全米劇場プロデューサー連盟により授与される、アメリカ合衆国の演劇及びミュージカルの賞>である。まあ、一般人的には、アメリカの演劇版アカデミー賞、みたいな理解でいいんじゃないかと思う。正確には全然違うけれど。
 このTONY AWARDは、2年前からWOWOWでその授賞式を生放送で観ることができるため、わたしも2年前から観て楽しませてもらっている。2年前の司会はHugh Jackmanだったが、まあ、そのパフォーマンスの凄さは、観てない人にはうちに呼んで観せてやりたいほどだ。本当にカッコ良くて素晴らしかった。そして2年前は、『Aladdin』のパフォーマンスが凄くて、こりゃあ観たいとワクワクしたものだ。そして去年は、我らがKEN WATANABE氏が『The KING and I』でノミネートされ、しかもそのパフォーマンスは恐ろしくカッコ良くて、ああ、オレたちの謙さんはもはや完全に世界のKEN WATANABEになったんだ、と改めて嬉しくなったものである。 
 ところで、さっきから、わたしは何度も「パフォーマンス」と言う言葉を使っているが、ここが映画のアカデミー賞とちょっと違うところで、ミュージカル部門のノミネート作は、劇中歌をステージで1曲か2曲、歌ってくれるんだな。本番の衣装で。そして、司会もめっちゃ歌うわけです。 ミュージカルを愛してやまないわたしのような人間には、それがもうたまらんわけであります。

 ↑これは、今年の司会のJames Corden氏の、オープニングのパフォーマンス。司会者からしてこれだもの。ホント凄いわ。ちなみにこの人は、えーと、分かるように説明すると……そうだなあ、日本では去年公開された映画版の『Into the Woods』のパン屋さんを演じたあの人っすね。US本国では、CBSの深夜番組『The Late Show with James Corden』の司会者としてお馴染みで、歌って踊れる太っちょなおっさんとして有名で、この人自身も、2012年のTONY WINNERです。
 で、↓のこれは今年の大本命『HAMILTON』のパロディを司会者がやる場面。ほんとにもう、芸達者極まりないすな。

 そして↓これが、授賞式の途中でも流されていた、『HAMILTON』の主役であり、脚本を書き、曲を書いた現代の超天才、Lin-Manuel Miranda氏(=助手席のロン毛の男)と一緒に、マンハッタンを車で流しながら歌いまくる動画です。まずは『HAMILTON』の曲を歌いながら、3分20秒ぐらいに参加してくるほかの3人と『RENT』の「Seasons of Love」や、『Jersey Boys』でお馴染みの「Can't  take my eyes off」、それからラスト、8分20秒ぐらいからは『Le Miserables』の「One Day More」といった、有名な名曲をカラオケで熱唱してくれます。最後のレミゼの歌は、第1幕のラストの、あのすげえ盛り上がる曲なので、ご存知の方も多いでしょう。つか、知ってる人なら、この動画を観たら、マリウスのエポニーヌの扱いに笑えるはずです。ヒドイ扱いで可哀相・・・・・・ww とにかく、すっごいよ。ホントにもう感動的で超必見です。

 これは前述の『The Late Show with James Corden』の、「Carpool Karaoke」という名物コーナっすね。リンク先の、VIDEOってところをクリックすると、他にもいろんな超豪華な、スーパー・アーティストと車の中で歌いまくってる動画がいっぱい見られます。ちゃんと公式サイトなので、違法動画ではないのでご安心を。この企画、絶対日本でも面白いと思うのだが、テレビ東京あたりでパクらないかな……。
 とまあ、こういった動画を観ると、うおー、すげーー、と思うでしょ? え? 思わない? そうすか……残念ながらわたしと友達にはなれそうもないですな。さよなら。

 というわけで、わたしと友達になれそうな方は、以下、続きます。
 今年のこの授賞式の会場は、これまでの「RADIO CITY」から場所を移し、アッパー・ウエストの「Beacon Theater」で行われたそうです。セントラルパークの左っかわの、American Museun of Natural History(アメリカ自然史博物館=映画『ナイト・ミュージアム』の舞台)まで北に行かないあたりのBroad Way沿いみたいすね。位置的には。要するに、Times Squareからかなり北の方ですな。で、WOWOWの放送で言っていたけど、入場料が1,500US$だそうだ。つか、チケット買えば一般人でも入れるってことなのかな? まあ、そうなんだろうな。しかし1,500$って……17万弱だよな。高っけえ。でも、WOWOWの解説によると、キャパが「RADIO CITY」よりかなり小さいので、チケット代も値上がったんですと。
 で。
 結論から言うと、もう既にいろいろなところで報道されている通り、今年は『HAMILTON』が11部門で受賞してミュージカル部門は圧勝だったわけですが、ここで一つちょっと説明しておくと、カテゴリー的には、
 ◆ミュージカル部門
 ◆リバイバル・ミュージカル部門
 ◆演劇部門
 ◆リバイバル演劇賞
 と、4つに分かれていて、それぞれで作品賞が決まり、主演男優/女優、助演男優/女優といった個人賞はミュージカルと演劇と2つのカテゴリーになる。その際、新作でもリバイバルでもどちらでもOK、なんじゃないかな。去年の謙さんは、リバイバル作品での主演男優賞ノミネートだったわけだ。
 で、ですね。わたしが何ゆえここまでTONY AWARDはすげえ、と興奮しているかというと、実は映画ファンが観ても非常に面白いんだな。なぜなら、ハリウッドスターもかなりノミネートされるし、プレゼンターでも出てくるし、とにかく豪華なわけです。今年もですね、ノミネートされたハリウッドスターとしては、演劇主演男優賞にノミネートされたセクシーハゲでお馴染みのMark Strong氏だとか、演劇助演男優賞では、『Man of Steel』のゾット将軍でお馴染みのMichael Shannon氏だとかがノミネートされているし、プレゼンターでは、先日わたしは観たばかりの『SOUTHPAW』で主役を演じたJake Gyllenhaal氏も出てきたし、何よりですね、今現在、わたしが一番好きなハリウッド女優であるCate Blanchett様も出てくるわけですよ。まあ、そりゃあ、Cate様の美しさといったら、本当にもう、たぶんわたしは生で出会ったら失神するだろうね。確実に。
 とにかく、そういったスター勢ぞろいで、おまけに歌のパフォーマンスも素晴らしく、完全にSHOWなわけです。これは、USアカデミー賞の授賞式でも同様で、楽しいわけ。観てるだけで。
 で、観ていて思ったわけです。
 日本の、「日本アカデミー賞」でしたっけ? あの貧相なことと言ったらもう、恥ずかしくなるね、と。なんでアレ、ホテルの広間で、おまけに丸テーブルでやってんだろう? 映画の祭典だったら劇場でやればいいのに。帝劇でも、シアターオーブでもいいと思うんだけど、まあ、なんか事情があるんだろうな……すぐ、席から立てないからダメなのかな……。まったく興味ないからもう最近は観てもいないけれど、ホント、あれじゃあなあ……完全に身内のお疲れ会じゃん……てなことを思ったわけです。おそらくは、一番肝心なのは、司会を出来る役者がいない、ってことなんだろうなと思う。これじゃあ、本当にどんどん邦画はガラパゴス化してしまうというか……それでいいのかねえ……。なんか、邦画の未来は明るくねえなあ、と、TONY AWARD授賞式を観て思ったのでした。

 というわけで、結論。
 実は一番言いたかったのは、Cate Blanchett様が相変わらずお美しく、もうドキドキしながら楽しく観たよ、ってことです。そして、また今年もNYCへ行くべきかもな……という気がしてきた。とにかく、NYCに5~7泊ぐらいして、毎日Broad Wayでミュージカルと芝居を観まくりたいですな。あと、WOWOWの中継はとても素晴らしいと思います。今回はいろいろなゲストが出てくれて素晴らしかったし、オープニングの井上芳雄氏のパフォーマンスも、やっぱりカッコ良かった。芳雄ちゃんは絶対に英語を勉強して、Broad Wayへ進出すべきだと思います。以上。

↓ NYCに行く前に、きっちり予習しておかないと……わたしの英語力では確実についていけない……。しかしこのロゴデザインのセンスも抜群だと思いませんか?
Obc: Hamilton
Original Broadway Cast
Atlantic
2016-01-15

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先日、別の記事で書きましたが、どういうわけかこの「鮫島ニュース」を海外から定期的にアクセスしている方がいるようで、スイスからの方はちょっと前からの常連さん、それからシンガポールの人、そしてなぜか今週に入ってメキシコからとウクライナからというレアなアクセスログがありました。まあ、海外でチャンピオンを買うのは至難の業かもしれませんが、今はチャンピオン本誌も電子書籍で買えます(ただし数日遅れっぽい?)ので、是非、単行本だけじゃなくチャンピオンも買ってみて下さい。『鮫島』以外もぜひ読んでいただきたいです。ちなみに、わたしが使っている電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」は、確か、海外からもアクセス出来て、購入・決済出来たような気がします。あ、Q&Aに買えるって書いてありますね。ぜひ、買ってみてください!! バックナンバーも売ってますので。

 では、まずは今週の週刊少年チャンピオン2016年29号の概況です。今週も比較的通常運行でした。
 ■『弱虫ペダル』:今週は新開弟の回想でした。ゴール前、既に足を使ってしまった箱学エースの葦木場くんに、何やってんすかとイラつく新開弟。まだゴールをあきらめていないと言う葦木場くんに、新開弟は入部当時のことを思い出した――的な展開です。
 ■『牙刃道』:ピクル、飢えるの巻。牙刃、その姿に独歩先生の言葉を思い出す。「飢えこそが野生における絶好調(ベストコンディション)なんだよ」。いいすね。いいかげん、武蔵をぶっ飛ばしてほしいですな。
 ■『囚人リク』:た。大変です!!!! 超ブキミな、謎クリーチャー出現ッッッッ!!! そのビジュアルにわたしは吹き出しましたw これはぜひ、チャンピオンを読んで確認してくださいッッッ!!
 ■『少年ロケット』:ついにヒロ先輩の師匠たる元日本代表<サムライ東條>さん登場!! いい展開です!!
 ■『Gメン』:勝太、コンビニのチンピラ撃退で気になる彼女の好感度上昇か?の巻。
 ■『永遠の一手』:先週から始まった新連載2回目。ちょっと想像してたのと違う展開で面白いです。
 ■『AIの遺電子』:先生の過去がチラッと判明か? お母さんとは一体!? 相変わらず面白いすな。
  
 さて。では今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、【丈影】の十両昇進に至る様子と、常に【泡影】に対する焦りを抱く様子が描かれましたが、今週は、禅定親方の引退パーティーです。【泡影】を見出し、育ててきた禅定親方は定年となり、部屋付きだった大曲親方が部屋を継ぐことになりました。また同時に、先週【泡影】に稽古をつけていた部屋頭の【輝影】関も引退し、部屋付き親方となることが決まりました。まだまだ現役を続けられるだろ、とみんなに言われる【輝影】関は、晴れやかな笑顔で答えます。
 「わずかに残っていた覇気も…土俵にしがみつく意地も…泡影(アイツ)を前に消えてしまった…これからはアイツの時代ですよ…」
 そうです。【泡影】は先場所から十両に昇進し、そのまま全勝優勝、別次元の強さを見せつけ始めていたのです。しかし、【泡影】を部屋頭とする決定に、異議を唱える男が一人。もちろん【丈影】です。曰く、自分の方が先に十両へ上がったし、番付も自分の方が上だろ、とのこと。まあ、そりゃあそうですわな。ここばかりは【丈影】の言い分に理があるとは思います。しかし、どうやら元親方も部屋のみんなも、納得して決めたことらしい。しかし、【丈影】は納得できません。そんな【丈影】に、引退を決めた【輝影】関は、お前とは違う、だいたいお前にはこの先も負ける気はしない、と 言い放ってしまったから大変です。【丈影】も、アンタになら勝てますわ、と喧嘩を売ってしまいます。激怒する【輝影】。お前程度が大口を叩くな…というわけで、あとは土俵で語ろうぜ!! と二人の勝負が始まります。
 引退するといっても幕内力士である【輝影】と、体の小ささから伸び悩んでいる十両の【丈影】。その勝負ははた目から見ても、【輝影】の方が有利な展開です。バチバチにぶつかり合う二人。おまけに【丈影】は、親方に「前を観なさい…君には君の輝ける未来がある」と言われていたのに、そして目の前で戦っているのは【輝影】なのに、土俵のそばに立つ【泡影】のことばかり意識が囚われています。しあkし、それでも、この勝負に勝ったのは【丈影】でした。この結果に立ち会った全員が驚きを隠せない。山崎さんも、「丈影が…食いやがった…」と驚きです。激闘を制した【丈影】は、土俵の横に立つ【泡影】に言います。
 「目障りなんだよ…泡影(オマエ)は…」
 というところで今週は終わりでした。
 さあ、ここまで【泡影】を憎む【丈影】ですが、果たして今の現在時制の【丈影】に至るまでに、どんなことが起きるのでしょうか? 普通に考えると、【泡影】とバチバチ勝負をして、軽く負けるんでしょうな。そしてその負け方がきっと問題なんでしょうな。しかし、支度部屋で大関【王虎】や関脇【天雷】たちのいる前で、横綱【泡影】に勝てるのはオレだけだ宣言をした【丈影】ですから、そう簡単にハートをへし折られたわけではないだろうし、一体全体どういう展開になるか、非常に楽しみですな。ヤバい。今週号を読み終わった瞬間からもう、来週号が楽しみすぎるっす!!

 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱【泡影】と同期入門
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる。
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。62連勝中。モンゴル人。
 
 というわけで、結論。
 今週は、【丈影】のなんだか若干壊れつつある精神状態が描かれました。しかし【泡影】に勝つことによって精神的に不安定な状態を克服しようとしている【丈影】。果たして【泡影】との稽古という名のバチバチのぶつかり合いは来週描かれるのでしょうか? つーか、わたしは早く中日の取組が読みたいです。 以上。

↓ そういえば今月新刊が発売され、紙で買うか、電子で買うか、3日ほど悩み、ええい! 全部もう1巻から電子で買い直してくれるわ!!! と決断したものの……「……とりあえずはGI編以降からまずは買おう……」と14巻~33巻だけを買ったわたしは、とんだChicken Shitです……次のフェアで1巻~13巻買うから許して……。

 先日、愛用している電子書籍販売サイト「BOOK☆WALKER」から、コインバックフェアやりま~す的なメールがポロリンと来たので、おっと、ナイスタイミングだぜ!! と全巻まとめ買いした漫画がある。実はその2日前に、偶然、そのサイトで無料配布している漫画が何点かあって、それを眺めていて見つけて1巻を無料でもらい、コ、コイツは妙な中毒性があるぞ!? と大変に気に入り、よーし、次のフェアでまとめ買いしてくれるわ!! と心に決めていた作品であったのだ。なので、そう思って2日後にフェアが来るとは、わたしにとってBOOK☆WALKERはなかなか分かってるストアであり、大層気に入っている。もう購入冊数835冊まで来たぞ。
 というわけで、わたしが全7巻を一気に買って揃えた漫画とは、↓これです。

 タイトルは、『野田ともうします』。講談社の公式サイトで試し読みが出来るので、読んでもらったほうが早いかな。こちらの公式Webサイトの、「お試し読み」をクリックしてみてください。
 埼玉にあるのに「東京平成大学」という名のFランク大学の、文学部ロシア文学科に通う、地味な女子大生の物語である。これがまた、いちいちわたしのつぼにはまる、実に楽しく面白い漫画で、実はわたしはまったく知らなかったのだが、もうこの漫画は完結済みであり、既にラジオドラマやなんとNHKにおいて実写ドラマ化されていたのであった。こういう面白い漫画をまったく知らなかったとは、実にもったいないことをしたというか、まだまだわたしのアンテナも大した事ねえな、と若干しょんぼりである。はーーーー。もっと早く出会いたかったよ……野田さん……。あー……だめだ、動画を貼りつけておきたかったが、違法動画しかないな……ま、ちょっと検索すれば、NHKの実写版(1話5分と短い、が、漫画も1話4Pぐらいなので完全漫画通りに実写化されている)が出てくるので、観たい人は自己責任でご自由に。
 で。
 この漫画を読んで面白いと思うかどうかは、ひとえに主人公の「野田さん」を気に入るかどうかがすべてであろう。というわけで、以下に、「野田さん」がどんな面白ガールなのかを箇条書きであげつらってみることにしたい。
 ◆1巻開始時は、大学1年生、18歳、群馬県出身(群馬のどこかは不明)。群馬愛が激しく、海なし県であることに若干のコンプレックスあり(?)。何かと、ものの例えが群馬オリジナル。
 ◆現在通っている大学は所沢らしき埼玉にある「東京平成大学」。本来、野田さんは地元の国立大学(=群馬大学?)を受験するはずだったが、受験の数日前に交通事故にあって、退院したとき受験できる大学がそこしかなかったため、底辺Fラン大学に入学することになった。
 ◆趣味は読書。ただ、実は子供の頃に、ちょっと本を読んでいたら両親が「まあこの子は本が好きなのね!」と勘違いして、無理やり本ばかりプレゼントされて、仕方なく本好きになった。
 ◆外見はまったくもって地味。だけど、本人は恐ろしく好奇心旺盛でアクティブで、どこにでも行くし、まったく人怖じすることがない、ウルトラ・マイペース・ガール。
 ◆ファミレス「ジョリーズ」にでバイトをしている。まったく制服は似合っていない。
 ◆住んでいるアパートは、野田さん以外全員一人暮らしのおばあちゃん。
 ◆17歳年上のお兄さんがいる。野田さんにそっくりな超真面目人間。
 ◆兄からは、群馬が誇る文豪田山花袋の『蒲団』は読んではならぬ、と禁じられている。

 ……アレッ!? なんか……一生懸命説明しようとあげつらっても、全然面白そうに思えないな……こりゃあイカン。この辺でもうやめて、何がわたしのハートを捉えたのかを説明する方向に変更しよう。
 わたしは、とにかく主人公の「野田さん」にもうぞっこんだ。とにかくおかしい。生真面目でいて、普通の人が持つさまざまな感情も持ち合わせており、笑ったり、密かに怒ったり、しょんぼりもすれば嫉妬もする。ファッションに興味がないわけでもない。実際のところ、ごく普通の女子大生と言ったっていいはずだ。
 それなのに妙におかしいのは、おそらく膨大な知識から来るひらめき力が常人とは違っていて、突拍子もない結び付けをするために、人と話が合わないのである。 しかし、彼女にはまったく悪意がなく、人を貶めようとするようなところは皆無であるため、常に全力で一生懸命であり、彼女の魅力に気づいた周りの人々は、どんどん彼女が好きになっていき、彼女のいない日常には、物足りなさをすら感じてしまうに至るのである。
 以下、その「野田さん」の魅力に引き込まれた主な友人たちを紹介しよう。この周りの人たちも大変面白い人が満載である。
 ◆ 部長:野田さんが入るサークル「手影絵サークル」の部長。3浪している4年生の先輩。常にお団子ヘアの女性。野田さんが大好きな、この人もちょっとおかしい人。NHK実写版では安藤サクラさんが演じた。すげえピッタリで笑える。埼玉生まれの埼玉育ち。海なし県の仲間。
 ◆副部長:同サークルの副部長。眼鏡&ヒゲの自称おしゃれ青年。実家暮らしでお母さんが面白い。一応常識担当だけれど、かなりおかしないい人。NHK実写版では越村友一氏が演じた。これまたぴったり。
 ◆重松さん:常にうつむいている、謎の女子。わたしはこの人が大好き。野田さんと同級生。一言もしゃべらないが、心の中は超・饒舌&毒舌。そして超・大金持ち。何でもお金で解決しようとする。実家は横浜で、大学近くの高級タワーマンション最上階に暮らす。何気におしゃれで可愛いが、とにかく常にうつむいており、心の中で突っ込みまくっている。そしてちびっ子なのに超・大食い。この点も非常におかしく、だいたい何かバリバリ食べてる。野田さんを観察するのが趣味。NHK実写版では小林涼子ちゃんが演じた。一切台詞がないのに、ものすごくピッタリ。この人は本当に最高です。
 ◆山本くん:チャラ男だが、野田さんのすがすがしさに心癒されている。頭は悪いが善人。酔うとすく全裸になる。漫画ではありがちなチャラ男だが、NHK版ではかなりイケメンに。演じたのは相馬圭祐くん。非常にいい奴で、周りの頭の悪い女子たちが野田さんの悪口を言うと、読者に成り代わって怒ってくれたりもする。
 ◆亀田さん:野田さんがバイトする「ジョリーズ」のバイトの仲間のおばさん。夫を亡くしている。一応常識担当だが、野田さんが大好きな仲間。実写版では池谷のぶえさんが演じた。漫画とはかなりビジュアルは違うけれど、テイストはまさしく亀田さんで大変いい。
 ◆富沢さん:同じくバイト仲間の元ギャル。だめんずの彼氏「つとむん」がいるが、常にお金を貢いでいて、一時期、二人は別れたりする。演じたのは元AKBの増田有華ちゃん。漫画よりもかなり可愛くなっている。

 まあ、レギュラーメンがーはこんな感じで、これらの人々に囲まれた大学生活を送るだけのお話で、別に山場もないし、ずっとしゃべっているだけの、いわゆる「部室話」系の漫画だ。
 おそらく、わたしが「野田さん」に惹かれたのは、こういった周りの人々とはちょっと違う点だと思う。
 野田さんは、その膨大な無駄知識を駆使して、あらゆる事象を自分なりの言葉で解釈して話すわけだが、わたしはそういう、自分の世界を持っていて、自分の言葉で一生懸命、どうでもいいことを熱く語る女子にはぐっと来てしまう。要するに、わたしは野田さんに惚れてしまったのである。ちなみに、野田さんを実写で演じたのは江口のりこさんという女優なのだが……髪型が!! 髪形が違うんだよ!! 野田さんは、耳を出しているのに!!! と、ちょっとだけ気に入らない点はあるのだが、おおむね野田さんっぽくて面白い。これは放送のときにチェックしたかったわ……。

 というわけで、結論。
 『野田ともうします』という漫画は、まったくもって今更なのだが、ホントにもう何度も爆笑させてもらった実に面白い漫画でありました。いやー、しかし本当に、いまさらこんな面白い漫画を見つけるとは、実に抜かってました。もうチョイ、漫画道にも精進しないとだめだな……と、改めて反省したいと思います。以上。

↓ 作者の柘植 文先生については正直まったく知らないのだが、これも超面白そうで、買うしかないかなと思ってます……。あーダメ、我慢できない。このBlogをUPしたら即買います。電子で。

 

 先日の日曜日、午前中にぶらっと、久しぶりに京王線に乗って「芦花公園駅」に降り立ったわたしである。隣の千歳烏山は、親戚が住んでいて、わたしには大変お馴染みな街なのだが、わたしが芦花公園駅に降り立つのは、おそらく30年ぶり以上の久々だ。各駅しか止まらないため、何気に新宿から時間のかかるこの駅に、わたしは一体何のために降り立ったのか?
 えーと、サーセン。分かるわけないっすね。
 なので素直にお話しますが、↓コイツを観に行ってきたわけであります。setagaya05
 「世田谷文学館」というところで開催中の、『上橋菜穂子と<精霊の守り人>展』である。
 ロケーションとしては、京王線の芦花公園駅から歩いて5分もかからないぐらいの閑静な住宅街の中にある。駐車場もあるらしいので、最初は車をかっ飛ばしていくかとも思ったのだが、まあ、首都高の渋滞にイラつくのも嫌だし、ま、ここはおとなしく電車で行ってみるか、というわけで、久しぶりの京王線乗車と相成った。駅から、まっすぐ歩いていくと、↓こんな感じにズドーンと看板もあるので、実際迷いようはないです。
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 10時OPENということで、わたしが現地についたのは9:55頃だが、ガラガラだろうな、と思っていたら、5人ぐらい、親子連れや熱心なファン(?)と思われる方が既に並んで待っていた。わたしはNHKのドラマから入った超・にわかファンなので大変失礼ながら、上橋先生のファンの規模の想像がついてませんでした。さすがすね。
 で。すぐに会場になり、チケットを買って入っていくと、すぐ、チケットもぎりの横に、こんな風に、「バルサの短槍」がこれまたズドーンと展示してあって、さっそくテンションが上がってきました。
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 これは実際の放送で使った奴っぽいですよ(?いや、サーセン。興奮しててちゃんと文字読まなかったので未確認)。ここは写真撮っていいよゾーンでした。
 中は、まず前半は、「守り人シリーズ」関連の展示があって、後半は上橋先生ゾーンとなっている。これまでの「守り人シリーズ」の歴史が分かる展示、実際に上橋先生が使ってたPC(富士通のFM-Vだった)や、初稿ゲラや入稿原稿などを観ることができる。そして「国際アンデルセン賞」のメダルや、デンマーク王室からの手紙だったり、上橋先生の活躍の軌跡を知ることが出来る展示となっている。
 そしてメインの広い展示では、NHKドラマでの衣装や小道具などの展示や、残念ながら今年、若くして亡くなってしまった、挿絵を担当されていた二木真希子さんの生原稿なども展示されていた。
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 ↑ ここも、撮影していいよゾーンでした。左の衣装が、まさしく綾瀬はるかちゃんが着ていたバルサの衣装ですな。右と真ん中はチャグム君の衣装ですね。ホントはさらに右にも、ジンの衣装だったかな? も、展示されてます(シュガの衣装だったかな……いや、ジンだったと思う)。ちなみにジンを演じた松田悟志さんは、わたしにとっては「仮面ライダー龍騎」における、仮面ライダー・ナイトでお馴染みの、大変カッコイイ人です。
 ちなみに、わたしがとても、へえ~、と思ったのは、この「守り人シリーズ」の刊行前に、上橋先生が偕成社の編集に原稿を送る時に同封した手紙が展示されていたのだが、その中で、もし出版して、挿絵をつけるなら、二木真希子さんにイラストを担当してほしい、と要望していることが書かれていて、このこと自体は確かあとがきでも書かれていたと思うけれど、原稿を送る時点ですでに指名してたんだなあ、というのは大変興味深かった。
 で、後半は、上橋先生の文化人類学者としての研究史のような感じにさまざまなものが展示されている。文系で博士号を取得するのは非常に大変で、わたしは博士前期課程(=いわゆる修士)でさっさと見切りをつけてしまった男なので、修士論文を書くことで終わりにしてしまったが、文系の博士号取得者にはもう、無条件ですげえと思ってしまう。しかも文化人類学という、フィールドワークが基本の学問だ。机にかじりついていればいいものでは全くないだけに、わたしの上橋先生に対する尊敬は三倍増しである。ほんとうに、地道で孤独な日々だったと思う。修論を書くのにかなり苦労したわたしには、博士論文なんて、そりゃあもう、精神的にも肉体的にも相当過酷であったことは想像に難くない。

 というわけで、わたしは『上橋菜緒子と<精霊の守り人>展』を楽しく堪能してきたわけであるが、わたしはつくづく思ったことがある。それは、おそらく「守り人シリーズ」は、その発表があと10年遅かったなら、完全にいわゆる「ライトノベル」に分類されるものだったのではないか? ということだ。もちろん、偕成社という児童書の出版社から刊行されていたらやはり児童書として区分されたかもしれないけれど、実際、10代20代、あるいはもっと上のわたしのようなおっさんが読んでも非常に面白い作品でもあるし、ライトノベルのどこかのレーベルから刊行されても全く違和感のない作品である。この「守り人シリーズ」を、ライトノベルではなく児童文学にカテゴライズさせた一番の要因は何なのだろう?
 時代? 出版社? そもそもの内容? おそらくはそれぞれが要因であることは間違いないが、おそらくもっとも重要なのは、会社の売上や利益よりも、作品本位で作品そのものを大切にする編集者や営業・宣伝との出会いが一番の要因ではなかっただろうかとわたしは思うのである。昨今のライトノベルは、無理矢理アニメ化してアニメが終わったらもう誰も見向きもしないような実に残念な状況だ。それじゃあ、作品が育つわけはない。
 ちなみにわたしが、日本の小説で最も好きで、今すぐ新作を読ませてくれるなら、そうだなあ、1,000万払ってもいいと思っている作品は、小野不由美先生の『十二国記』シリーズだ。あの作品も、元々は「講談社X文庫ホワイトハート」から刊行されたもので、女子向けラノベだったわけで、数多くの才能が、ライトノベル界には存在しているはずなのは、現在も変わりないと思う。だから、もっともっと、凄い作品が生まれてきていいはずなのだが……時代が許さないんすかねえ……それとも、幸せな作家と編集・営業との出会いが生まれてないのかなあ……もっと、第2第3の上橋先生や小野先生が生まれてこないと、ホントにもう、ライトノベルはつまらなくなってしまうだろうな、と、おっさんとしては思うわけである。まったくもって残念だ。

 というわけで、結論。
 上橋先生や、「守り人シリーズ」のファンの方は、ぜひ、京王線に乗って、芦花公園で降り、ちょっくら世田谷文学館へ足を運んでいただきたい。そして編集者も是非行ってみて、当時の上橋先生と編集部のやり取りの手紙などを見て、ちょっとだけでも自分の作家との付き合いを振り返ってほしいものである。しかし、それにしてもドラマの第2シーズンが待ち遠しいですな。また、綾瀬はるかちゃんのバルサに出会いたいものです。そして、それまでにはシリーズを全部読んでおきたいですな。「守り人シリーズ」は、読んでいないなら超おススメです。以上。

↓ 早く電子書籍出てくれ……もう耐えられそうにないんですけど……。紙で買ってしまいそう……。


 

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 この週末、わたしは『マネーモンスター』を観ました。そのちょっと前の平日の夜に『デッドプール』も観ました。ともにわたしとしては結構面白かったです。ただ、それほど大絶賛というほどではないですが、いつものわたしのネタバレ全開デビューで良ければ、数日前の記事を見て下さい。テキトーなレビューですので、あまり参考になるとは思えませんが。 
 ところで、今日は映画ではなく、ブロードウェーの祭典、TONY賞の発表だったわけで、大変気になっていたわたしですが、どうやら下馬評通り、『HAMILTON』がミュージカル部門では11部門受賞でほぼ独占したようですね。 WOWOWでも何度かプロモーション映像を見たけれど、くそーーーまったくチケット獲れないんだよな……去年、46thSt.にある劇場前で看板と行列は見ましたが、まあ、なんかそのうち映画になりそうな気がしますね。まったく根拠はありませんが。あと、演劇部門で、わたしが去年NYCで観て大興奮した『MISERY』からは、タイトルロールを演じたLaurie Metcalfさんがノミネートはされたけれど受賞ならずだったようですな。残念でした。
 というわけで、これ以上引っ張るネタがないので、以下、ランキングを見て終わりにします。

  では、さっそくいつもの興行通信社の大本営発表から見てみよう。
 1位:『64―ロクヨン―後編』が公開土日で3.54億稼いで1位だそうです。これは前編よりもかなりいい数字でのスタートですが、まあ、前後編モノの後編の初動がいいのはいつものことなので、当たり前と言えば当たり前です。現在、前編が15~16億は稼いでいると思われるので、後編もそのぐらいは目指してほしいところでしょう。トータル30億超えたら嬉しいですね。そして行きそうですね、この勢いならば。良かった。
 2位:『ズートピア』が51日間合計で、65億を突破しているそうです。すごいですな。人気衰えず、です。わたしはうっかり吹替版で観てしまったので、字幕版が見たい……!!
 3位:『植物図鑑』が9日間合計で、まだ10億には届いてないけれど、7億以上はほぼ確定だと思う。8億~9億ぐらいではなかろうか。大変良かったので、特に若い女性にはおススメ。わたしのようなおっさんにも、是非観ていただきたい。ええのう……とため息必至です。
 4位:『デッドプール』は水曜公開だったので合計12日間かな? おそらくもう10億は余裕で超えているはず。12億~14億ぐらいとみる。平日の夜にわたしは観ましたが、結構若者中心にお客さんは入ってました。でも、この映画はかなり玄人向けですので、X-MENを知らないと厳しいのではなかろうか……入っているお客さんは、おそらく全然X-MENを知らない世代ばかりだと思いますが。
 5位:『オオカミ少女と黒王子』が16日間で10億届いていないのではなかろうか。9億ぐらいと予想。それでも、かなり粘って健闘と言えると思う。
 6位:『64―ロクヨン―前編』が37日間で、16億を超えているそうです。後編が公開されたので、一気に見たい人も多いのではなかろうか。今後の興収の伸びは、いつまで公開されるかがカギか。
 7位:『高台家の人々』が9日間でおそらく5億も行ってないはず。先週の公開土日で1億程度だったので、頑張って3億程度か?厳しい戦いになってるので、応援のためにも観に行こうかな……。原作漫画は大変面白い。前巻持ってます。
 8位:『マネーモンスター』が公開土日の2日間で0.59億だったそうです。初日は金曜日だったので、その分入れるとどれくらいか、ちょっと分からないが、この分だと10億には届かず終わる見込み。US銃社会の恐ろしさがわたしには非常に身に染みました。大人向けです。わたしは面白いと思いました。
 9位:『世界から猫が消えたなら』が30日間合計でたぶん10億に乗った頃合いだと思う。たぶん、関係者の期待の半分ほどではなかろうか。根拠はありませんが。ちょっと厳しめか。
  10位:『名探偵コナン―純黒の悪夢―』が58日間合計で61億ほどか? 既に先週60億突破と言うニュースが出ていたので、そこからちょっとオンされてるのは間違いない。62億ぐらいかも。しかし粘る。凄いなあ本当に。

 というわけで、わたしが激推ししている『殿、利息でござる!』がランキングから消えてしまったのが大変気になる!! 恐らくは、現在、累計で11億ぐらいは行っているはずなのだが、15億に届くと予想していたので、このままだとピンチ。わたしの予想がまた大きく外れて終わってしまう……ま、わたしの予想なんてどうでもいいけど、もっと稼いでほしいのだが……15億はちょっと厳しい情勢になってきたと言わざるを得ないかも。

 というわけで、結論。
 『64』が検討、『ズートピア』人気衰えず、『植物』は順調に伸びている、というのが今週の結論でしょうか。ネタがないので終わり。あと、まったくどうでもいいのですが、わたしが愛用するTOHOシネマズのWebサイトが、大きくリニューアルしてしまって、正直超使いにくいんですけど、そう思うのはわたしだけですか? ああ、わたしだけっすか、サーセン。失礼いたしました。以上。 

 現代の世の中は、なにかと「責任」を取らない、「責任」を回避しようとするゲス野郎が多くて本当にいやな気分になることが多いものだが、こと「個人投資家」なる人種にもその類の人々がいて、もう完全にプロと呼べる人ならそんなことは決してないのだが、金がないくせに、なけなしの金を突っ込んで、損をして、それを人のせいにしようとする素人投資家がたまに見受けられる。わたしもそれなりに株式投資を行っているが、もちろんすべて自己責任なのは言うまでもない。
 今日、わたしが観てきた映画『Money Monster』という映画は、株式投資で購入した株の大暴落により、すっからかんになった青年が、「お前がこの株は安全だっつったんだろーが!!」と逆ギレして、テレビの投資番組生放送中に銃を片手に乱入するお話である。わたしはまた、アホな素人だろうと思って劇場に向かったわけだが、実はその裏には陰謀があって、実際のところ彼は気の毒な被害者であることが分かり、実に彼の味方をしたくなる物語であった。大変面白かったです。アレッ!? サーセン。早くもネタバレしちゃったかな? まあいいや。以下ネタバレ全開です。

 大体の物語は、上記予告の通りである。なので、問題となるのは、この青年のアホさ加減と、Julia Robertsさん演じるディレクターによる救出ミッションになるのだろう、とわたしは思っていたのだが、上に書いた通り、全然展開がわたしの愚かな想像と違っており、実に面白かった。
 大筋としては、やはり銃を持って乱入する青年がそもそもアホであるのは、残念ながら動かしようのない事実であろう。途中で説得役で出てくる彼女が「このバカなにやってんのよ!!」と罵倒するのも無理はない。そして、George Clooney氏演じる主人公(と言っていいのか?)である番組キャスターの、ちょっと調子に乗った男が、それなりに痛い目に遭うのも、ある意味ざまあ、ではある。
 しかし、彼らは物語上ほんの小悪党で、本当の悪意ある純然たる悪党は別にいた。
 そもそもの、とある会社の株式価格大暴落が、実は人為的に仕組まれたものであることが判明するわけである。つまり、青年もキャスターも、二人とも同じ男にだまされた被害者だと言うことが判明するのだ。ここからの展開が、非常に観ていて面白かった。状況を利用して、完全にもう共犯として、そのだました男をぶっ飛ばしてやろうとする二人と、それに協力して見事に状況を仕切るディレクター。そして見事成功、というところまでは実に明確でスカッとする展開であった、のだが……その後に起きる事態は実に痛ましく、やっぱりUSAという国はホントに乱暴な国だなあ……と、実際のところ後味は良くない。この、わたしが乱暴だと思うのは以下の2点においてである。
 ■とにかく「撃て!」なUSA
 まあ、スタジオジャックした青年に対して、即座に射殺指令が下るのは、これはもう残念ながらやむなしだろう。人に銃を向けた時点で、自らも撃たれる覚悟をすべきなのはこれはもう万国共通だ。しかし、わたしがやや驚いたのは、キャスターも撃て、という指令である。要するに青年を射殺するのは簡単だけれど、撃ったら青年が握っている爆弾の起爆装置が発動してドカーーンとなる、ので、爆弾ベストを着せられているキャスターの、起爆信号受信装置を先に撃っちまえ、もちろんキャスターにも当たるけど、なあに、すぐに救命措置をすりゃ死にやしないさ、だから撃て、という命令だ。
 そこでは、警官たちがこんな話をする。まず、見事受信機に命中する確率が80%、で、撃たれたキャスターの命が助かる確率が80%、そうか、じゃあ、ちょっとリスクはあるけど、なあに、大丈夫、よし、撃とう、とまあこんな軽い決断である。おっかねえ……。ラストの悲劇も、もうちょっとだけ頭を使えばよかったのに、問答無用で発砲する警官。まあ、撃たれる前に撃て、はやむなしであろうから、これは警官と言うより、主人公キャスターがもうチョイ頭を使うべきだったと思う。ここはとても痛ましくて、非常に悲しくなったポイントだ。とにかく、US国内では、銃に近づいちゃダメですな、ホント危ねえ国ですよ。
 ■証券監視委員会の目は節穴か?
 今回の事件の大本である、株価暴落が、ちょっと調べればすぐ分かる人為的陰謀だったという事実は、観ていて、おいおい、こんな短時間であっさりバレるなら、そもそもなんで最初から分からなかったんだ!? とわたしはやや驚いた。青年が銃を持って乱入し、事件を起こさなければ、悪党の悪事はずっと藪の中だったわけで、そんなにザルなの、この国は? と、若干唖然とせざるを得まい。
 確かに、US国内の人々の労働意欲は、もちろんみんなちゃんと働いているけれど、はっきり言って、日本のように高いものではなく、さまざまな面できっちりしていないところが目立ち、なんというか、乱暴っつーか、おざなり、だなあ、という場面が非常に目に付く。このあたりのことは去年のNYC滞在記でも散々書いたけれど、空港職員のテキトーさ、街の清掃具合のテキトーさ、など、とにかくなんか、仕事愛が感じられないというか……クオリティが低いんだよな……。もちろん全員ではないけれど、お役人クラスのテキトーさもきっと、まあ乱暴なもんなんだろうな、とは想像がつく。
 ただまあ、映画での出来事だし、映画としての盛り上がりは脚本的にとても良かったので、そこまで邪推するのはわたしの捻じ曲がった性格ゆえだろうから、これ以上はもうやめとこう。とにかく、映画を観ている間は非常にサスペンスフルで面白かった、けど、あとではたと、ちょっとザル過ぎたんじゃね? と何か心に引っかかったことを記録として残しておこうと思う。あと、節穴具合で言うと、銃を持った青年を余裕でスタジオ乱入させたTV局のセキュリティー具合もホントにテキトーで、そもそものビル入退出管理という点においては、もう節穴じゃあ済まないUSクオリティである。

 というわけで、ところどころ、これは日本ではありえんだろうな、という点はあるものの、物語的にはかなり練られているし、役者陣の芝居振りも極めてよく、演出も緊張感があって、映画としてはかなり良かったと思う。最後にキャストと監督について軽くまとめて終わりにしよう。
 まず、主役は前述の通りGeroge Clooney氏。ちょっと軽薄な、だけど実際まともでいい奴、というキャラクターを好演していたと思う。やっぱりイケメンですな、このおっさんは。カッコイイのは間違いないす。これはモテますよ。ジャック犯の青年と人生を比べて、オレは金はあるよ? だけどもう3回離婚してるんだぜ? 君は可愛い彼女がいるわけで、どう考えたってキミのほうがリア充じゃん!! と、何とか時間稼ぎをしようとする姿は全然説得力なかったっすw
 そしてジャック犯の青年を演じたのが、Jack O'Connell君。まだ25歳だそうで、わたしは全然知らない俳優だが、どうも『300:Rise of Empire』に出ていたみたいですな。まったく記憶にございませんが。しかし今回はかなり熱演で素晴らしかったと思う。非常に悪くない。今後の活躍を期待したい若者だと思った。
 で、番組ディレクターを演じたJulia Robertsさんが今回非常にいい芝居だったのが印象的だった。この人、私より若干年上だけど、まあやっぱり、今でも十分お綺麗ですね。可愛いとさえ思える笑顔だし、プロのディレクターとしての芝居振りも非常にマッチしていて、観ていて、ああ、やっぱりJulia Robertsはいいな、と見とれてしまったぐらいだ。ま、実際の人間としての彼女がどんな人なのかは知るよしもないが、スクリーンで出会う彼女は今後もいい芝居を見せていただきたいと思う。
 最後。本作の監督は、かのJodie Forster女史である。監督何作目だろう……? TVを入れないと、4作目か。わたしは実は全然監督作品は観てなくて、初監督作の『Little Man Tate』以来だから、彼女の監督作品を観るのは25年ぶりか。今回の監督振りは、ズバリ言うと、大変良かった、緊張感もあったし、画づくりも堅実で、奇をてらったようなところはないけれど、しっかり真面目に撮られていたと思う。まあ、わたしとしては、Jodieで一番先に思い浮かぶのは、やはり『The Silence of the Lambs』のクラリス役だろうと思う(いくらわたしがおっさんでも、『TAXI DRIVER』はさすがにTVでしか観てません)。これも1991年だからやっぱり25年前か。えーと、今、Jodieは53歳ぐらい(?)だから……当時28歳か……可愛かったなあ……まあ、十分今でもお綺麗ですが、そろそろJodieが主演の映画も見たいですね。このところご無沙汰なので。

 というわけで、結論。
 Jodie Forster女史監督による『Money Monster』という作品は、わたしとしては大変楽しめた。脚本的にも良いし、キャストの芝居も上等、そして演出もグッド、である。なので、あまり文句はないのだが……強いて言うとですね、今日、わたしが観に行った地元のシネコンでですね、一番大きいスクリーンだったのですが、20人ぐらいしか入っていなくて、その中で、推定60代くらいのクソ親父が2回も携帯で電話し始めやがって、あやうく殺人罪を犯す寸前まで怒りが沸きましたが、何とかグッとこらえられたのは、映画が面白かったため、すぐに映画に集中できた故であると思います。危なかったわ……。以上。

↓ 超名作です。何度でも観ましょう。
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↓こっちも意外と面白い。
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 ※なお『ハンニバル』と『ハンニバル・ライジング』は、イマイチ好きじゃないのでどうでもいいです。 

 というわけで、US国内で大ヒット中の『DEAD POOL』をやっと観てきた。
 日本でも、公開土日は結構稼ぎ、恐らくは15億は越える、そして20億もあり得なくない、というような数字で開幕したわけだが、わたしは平日の夜の渋谷TOHOシネマズでいつもの通りボッチ鑑賞としゃれ込んでみたところ、さすがに渋谷だけあって、歳若い男女カップルで意外と賑わっていたのを目撃したのである。
 しかし、である。残念ながら劇場でゲラゲラ笑っているのはわたしだけ、渋谷の若者どもは実におとなしくスクリーンを見つめるという奇妙な状況でもあった。まあ、そりゃそうだろう、と思う。何しろこの映画、恐ろしく玄人向けであり、少なくとも映画道の有段者クラスでないとまったく笑いどころが分からない、極めて難しい映画だな、とわたしは思ったからだ。これは……映画道三段ぐらいの黒帯じゃないと、まあ、まったく面白くないでしょうな。というのがわたしの結論である。ちなみにわたしも、結構な頻度で繰り出されるギャグにかなり笑わせてもらったが、まあ、正直、全然人におススメしたくなるような作品ではなかったというのが正直な感想だ。というわけで、以下、ネタバレ全開です。

 まず、DEADPOOLがしゃべりまくる細かいネタは、映画道黒帯でないと意味が分からないだろうし、それを公式サイトで「トリビア」としてまとめているのは、まあ、実際のところ、無駄な努力だろう。誰も事前に読みはしないし、映画を観ている最中に理解しないと面白くもなんともないので、ド素人のゆとりKIDSには通じるはずもない。そもそも、「解説」される時点でギャグとしてはもう寒いだろうし。それよりも、最低限、以下の2つのポイントを知らないと、ダメだと思う。おそらく、渋谷に集う平成ゆとりKIDSたちは、劇場でのリアクションから察するに、まったく知らないのだろう。つまりは、残念ながら20th Century FOXは、日本におけるプロモーションの方向性を完全に誤っているんだろうな、と思った。

 1)そもそも、DEAD POOLって何者?
 原作的な詳しい設定は、Wikiでも読むか、パンフレットを買って読んでいただくとして(パンフレットはかなり詳しい解説があるので、大変読み応えアリ)、ま、要するに「X-MEN」に出てくる、(人工的に作られた)ミュータントだということである。この点で、早くも日本の平成KIDSたちには、頭の中に「?」が浮かぶことだろう。すなわち、「X-MENって?」「ミュータントって?」という根本的な「?」だ。コレが分かってないと話にならないと思う。が、めんどくさいのでもうここではそれらについて説明しません。
 そして恐らく、20th Century FOXも、日本でそれら(US国内ではまったく説明を要しないで当たり前に知っていること)を説明することは完全にあきらめたのだと思う。故に、妙なDEADPOOLの言動だけ告知し、一人称を「俺ちゃん」と訳すことで平成KIDSどもに向けたある意味でのローカライズを意図したと思うのだが、それではダメだ。まったく本質からズレていると言わざるを得ない。
 おそらく、この映画を楽しんでもらうには、別に原作を読んでもらわなくてもいいので、少なくとも映画の「X-MEN」シリーズの何本かを観ておくべきであろうと思う。なので、わたしが20th Century FOXの関係者なら、おそらく過去の映画を期間限定でもいいから、いろいろなWebサイトで無料配信して、まずはタダでも観て知ってもらうことを優先したと思う。そしてもっと「X-MEN」について認知を広め深める方向のプロモーションを企画しただろう。もうとっくに投資回収されている映画だし、夏には本編の『X-MEN:Apocalypse』の公開が迫っているのだから。きちんと、まずは基盤となる「X-MEN」を知らしめるべきだったとわたしは思う。
 思うに、今回の作品を楽しむには、映画版の「X-MEN」シリーズは全部観なくていけれど、最低限『X-MEN』『X-MEN2』『X-MEN Origins:Wolvarine』ぐらいは観ておいたほうがいいんじゃないかな。「1」を観れば、だいたい「X-MEN」が何なのかぼんやり分かるだろうし、『Wolvarine』には、まったく違う性格のDEADPOOL(となる前のWeapon-X)も出てるし。しかも演じたのは今回DEADPOOLを演じたRyan Reynolds氏本人だし。これらを観ていれば、今回の背景も少し理解が深まるのは間違いなかろう。今回出てくる全身金属のミュータントであるコロッサスは「X-MEN」の映画で言うと『3』と『Days of Future Past』にも出てくるしね。あ、『2』にも出てたっけ。
 しかし、DEADPOOLに関していえば、今回の映画での性格が、原作的には一番近いと言っていいと思う。何しろ、彼に備わった能力で、他にない唯一の力(?)と言えるものが、「第4の壁の突破」能力だからだ。普通の人には、なんのこっちゃ? だよね。そう、彼は、自分がコミック世界のキャラであることを認識していて、(作品世界と現実世界の壁を突破して)頻繁に読者に向けて語りかけるのだ。これがまあ、今回の映画でも炸裂していて、頻繁にカメラに向かって(=観客に向かって)ペラペラしゃべりまくるわけである。なお、彼のあだ名である「Merc with a mouth」とは、「おしゃべりな傭兵」のことで、Merc=Mercenary=傭兵である。コミックのタイトルでもあります。
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小学館集英社プロダクション
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 とにかくおしゃべり野郎なのは、今回の映画の通りで、まあ、無理やりミュータントにされちゃったかわいそうな、そしてイカレた男なんだけれど、れっきとしたMARVELキャラなので、Avengersにも参加したことがあるし、なにかとSPIDER-MANとも絡んでくるおかしな野郎である。ちなみに、今回の映画でもさんざん銃で撃たれても治っちゃったり、腕が生えてきたりするけれど、これは、原作的な設定では、Wolvarineの能力(=治癒能力=ヒーリング・ファクター)を注射されているから。今回、ラストで恋人の前でマスクを取ったらその下にHugh Jackman氏の写真を顔に貼り付けていたというシーンがあるけど、あそこは爆笑していいシーンです。えっ!? ここまで書いても何故笑えるか分からない!? もう……あなた……なんでこの映画を観に行こうと思ったの……? その方がオレにはわからんわ!! わたしはもちろん吹きました、が、館内シーン、でした。
 というわけで、それなりの知識がどうしても必要な映画であることは間違いないと思います。
 
 2)そもそも、演じたRyan Reynolds氏って誰?
 この点については、まあ、あまり重要ではないとは思うけれど、上で書いた通り、【既に別の映画で1回DEAD POOLを演じていること(ただし性格は全然違う)】と、【DCヒーローのGreenLantarnを演じた】ということだけ知っていればいいかなと思う。これは、映画道・黒帯でなくとも既に知っている人も多い事実であろう。ごく初歩的な常識と言ってもいい。もっとも、この常識を知っていても、それほどDEADPOOLが面白くなるわけではないので、自分で書いておいてアレですが、実際どうでもいいかもしれない。今回、緑のコスチュームは勘弁、と言っているのは、もちろんGreen Lantarnのことだ。しかし、このギャグにはわたしはちょっとイラッとした。お前、自分の出た映画批判するぐらいならなんで出たんだよ、嫌なら断れよ!! と思ってしまったわけで、わたし的には映画『Green Lantarn』はそれほど酷評されるいわれはないと思っている。あの映画、相当真面目に作られていると思うのだが……。問題は、そもそもの原作がイマイチなだけで、映画としては十分アリだと思う。なお、ギャグネタがらみの『Blade3』に出演してたことはもうどうでもいいや。
 しかし……そもそもこの人、イケメン……なんですかね? わたしにはちょっと分からんというか……なんか、若干特徴がありますよね。何なんだろう……若干寄り目なのかな? 正直、わたしの審美眼からすれば、この人はどっちかっつーとイケてないと思うのだが、おそらく、わたしがこの人の芝居で一番印象的だったのは、Sandra Bullockさんと出演した『The Proposal』じゃなかろうか。日本での公開タイトルは『あなたは私の婿になる』という作品で、どうやら世間的評価は低い作品のようだが、わたしは、まあロマンチックコメディとして結構面白かったと思っている。

 というわけで、以上のことを知らない平成KIDSどもが観て楽しめたのかどうかはわたしには良く分からない。なので、そういう背景をまったく考慮せずにこの映画はどうだったのか、と考えると、はっきり言えばごく普通のB級アクション以上のものではないと言えるだろうと思う。物語を要約するとこうなる。
 街の傭兵として生きる男が、ある日とある女性と恋に落ちる。が、これまたある日、自分が重篤なガンにかかっていることも判明する。すると、ある男が、ガンを治せる方法がありますよ、と近づく。胡散臭い野郎で得体が知れないけど、まあ、それじゃお願いしますわ、とその男の元へ行く。すると、謎の注射をされる。そして、注射した謎物質を活性化させるためには、肉体的な苦痛を与えないとダメ、とあと出しじゃんけんで言われ、拷問される。で、散々拷問を受け、どういうわけかあらゆる傷も治っちゃう無敵BODYを手に入れる。が、その代償として、全身ケロイドめいたagryな姿に。どういうこっちゃ、あの野郎、ゆるさねえ、オレの顔と体を綺麗に戻しやがれ!! と復讐する。
 とまあ、こんなお話である。ね、普通ッショ。つか、B級臭がぷんぷん漂ってますな。それでも、やっぱり面白くて笑えるのは、どう考えても、主人公DEADPOOLがX-MENキャラで有名だからという理由以外ないと思うのだが、それを知らない人が観て面白いのか、わたしにはさっぱり分からんのである。会話としての面白さは、連射されるギャグの元ネタが分からないとダメだろうし、物語的な面白さはそもそもの背景を知らないとわからんだろうし……しかし映像はとても良かったし、その点では、低予算映画と言ってもやはり非常にクオリティは高くて、見ごたえは十分である。本作は、どうやら予算規模は5800万$(=約62億円)だそうで、今やMARVELヒーロー映画は1.5億$~2億$が当たり前なので、邦画の予算からすれば62億円は巨額で邦画なら10本は撮れてしまうけれど、ハリウッド的には、普通かやや安いぐらいの予算規模といえるだろう。
 また、ストーリー展開も、大乱闘のワンシーンから、なんでこんなことになった? と時が巻き戻る形式で、実際良くあるパターンではあるが、これはいわゆるハードボイルド小説なんかでよく使われる手で、主人公の一人称によるぼやきも含め、意外とDEADPOOLというキャラクターにマッチしていて、小気味良い演出であったと思う。まあ、その辺も、平成ゆとりKIDSどもにはまったく通じないと思いますが。

 というわけで、もう飽きてきたのでぶった切りで結論。
 映画『DEADPOOL』という作品は、はっきり言って玄人向けである。映画道・三段以上の黒帯所持者向けであり、白帯の初心者には太刀打ちできないと思う。なので、まずはきちんと勉強してから観てもらいたい作品だな、と思うのである。ちなみに、なんですが、わたしが一番笑ってしまったのは、「ワムじゃねえよ、ワァムッ!だよ!! もう、わかってねぇなー」という台詞でした。まったくその通りだと思います。以上。

 ※2016/06/20追記:3週目までで興行収入的には15億を超えているようなので、さんざんわたしは日本の若者にはどうなんだろう、と書いてきたけれど、全然平気のようで、きっちり売れている模様。そういうもんなんだなあ……わかってねえのはわたしでした。


↓ そもそも、映画道・黒帯の有段者にとって、DEAD POOLと聞いたら先にこっちが思い浮かぶはずです。こちらは、わたしとしてはシリーズで一番……イマイチかなあ……。わたしは字幕絶対主義者ですが、イーストウッドの古い作品は、やっぱり「不機嫌なルパン」こと山田康雄さんに限りますね。
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 今日は全く書くネタがないので、全くどーでもいいことを書いてお茶を濁すの巻。
 このBlogは、もう何度も書いている通り、わたしの、わたしによる、わたしのための、備忘録であるが、それは、近年著しく記憶力の衰えた、もはやオレ、病気なんじゃね? と心配なレベルのわたしが、本を読んだり、映画やミュージカルを観たりして思ったことや調べたことをまとめているだけなので、他人が読んで面白いとは到底思えないものだという自覚がある。
 しかし、どういうわけか、回を重ねるたびにPVやUUは実にゆっくりとだけれど増加の傾向にあり。先月、2016年5月は19,778PVというところまで伸びてきた。そして、アクセスログを観ると、へえ~、とか、あらまあ、こんなところから、とか、なかなか愉快なことが知れて、大抵1日1回しかログは観ないけれど、その度に、これは面白いものだ、と思うデータが発見されるのである。

 というわけで、今日は全く書くことがないので、わたしが、「こ、これは!?」と思ったことをテキトーにまとめておこう。なので、くどいけれど言いますが、他人が読んで面白い記事ではないと思います。

 ■最近、妙に海外からのアクセスが増えてきた。
 まあ、その通りなんですが、どうも、一人、スイスから毎週定期的にわたしのBlogを読んでいる方がいるっぽい。しかも、目当ての記事は、毎週木曜日恒例の「今週の鮫島ニュース」らしい。この方のログを見かけると、「あっ!! まーたスイスだ!! きっと同じ人に違いあるまい」と、ちょっとだけ気持ちがほっこりしますw わたしの勝手な妄想では、スイス駐在のビジネスマン、恐らくは金融系のデキる男であろう。そんな方が、『鮫島』が大好きなんて、わたし的には大変うれしいっすな。
 しかし今は、海外にいても、電子書籍で日本の本がサクッと買えて、便利ですな。今から25年ぐらい前、LAにいた頃は、現地の紀伊国屋で少年ジャンプが9.99$だったような気がする。しかも確か2週か3週遅れ。時代は変わりましたのう……。あと、海外からのアクセスでは、台湾とUSが多く、たまーに韓国、ドイツあたりも見かけます。日本人なのかしら。さっぱりわからないですが、妙な妄想が沸いてきて、わたしとしては若干愉快です。

 ■お役人も多い。
 昨日のアクセスログを観てわたしがクスッと笑ったのは、●●●.go.jpといった政府省庁ドメインからのアクセスが何件かあって、何の記事を読んでくれたかというと、2016/01/08に書いた『旅立ノ朝 居眠り磐音 江戸双紙(51)』 佐伯泰英/著 と、2015/12/27に書いた【読了】『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』 ダヴィド・ラーゲルクランツ/著 という記事であった。まあ、これは100%仕事には関係ないでしょうな。実は、何気にpref.●●.lg.jp といった県庁系ドメインや、city.●●.lg.jp のような市役所系ドメインも意外と多い。
 いや、だからと言って、仕事しろと批判するつもりはまったくありません。にんげんだもの、そりゃ誰だって仕事のPCから、私用のWebサイトめぐりぐらいしますわな。いいじゃない、それぐらいしたって。ねえ? わたしとしては、そういう公官庁ドメインからのアクセスを観ると、ちょっと愉快ですw そういや、●●●.ac.jpという大学系ドメインも多いです。

 ■もちろん、サボリーマンも多い。
 役人だけでなく、サラリーマンのco.jpからのアクセスも、とりわけ日中目立ちます。サボってんだろうなあ。まあ、そういうわけで、お役人だろうとサラリーマンだろうと、そりゃあちょっとぐらい仕事サボってても、怒らないでください。ところで、co.jp で面白いのは、映画会社や出版社のプロと思われるアクセスや、まったく聞いたことがない会社で調べてみると地道な工作機械メーカーだったりだとか、その傾向には全く規則性や法則めいたものはないです。しかし……映画会社や出版社といったプロの方々がこのBlogを読んでも、まったく何にも役に立たないと思うのだが……。

 ■意外な情報需要がいろいろ判明して愉快
 これは、2016/03/11に書いた「インターネッツ」なる銀河の謎 という記事でも書いたことだけれど、妙にPVの高い記事というものがいくつかあって、そこから、ああ、人々はこういうことを知りたがってるんだなあ、とちょっと意外に感じたことがある。

 1)みんなが望んでいる情報は、「ネタバレ」なのか?
 わたしが一番へえ~? と思ったのは、検索ワードに「ネタバレ」が含まれていることが実に多いのだ。これは、映画でも小説やコミックでも共通して言えることで、「作品タイトル+ネタバレ」という検索キーワードでこのBlogにやってくる方が非常に多い。わたしは、記事を書く時、もうネタバレは全然意識せず、好き勝手に書いているのだが、どうも、少なくともこのBlogを読む人に限定すると、ネタバレを知りたい人の方が多いようだ。これって、どういうことなんだろう? 
 1-a)既に観たり読んだりした後で、ほかの人がどう思ったのかを知りたい
 1-b)まだ観たり読んだりしていないけど、話の内容が気になる
 1-c)どうしても知りたいネタバレポイントがある(たぶん観たり読んだりしない)
 という感じに分類されるのだろうか? ただ、一方で、わたしの周りの大抵の人は、わたしが観た映画や読んだ本の話をし出すと、「ちょ、ちょっと待って!! ネタバレはしないで!!」と激しく言われてしまうわけで、どうにも解せないのだが、どうやらこの世には、ネタバレ情報の需要もかなりある、という事が分かった。しかしさ、感想を書くのにネタバレなしで書けっこないよね? 一応わたしのポリシーとしては、前もって知ってた方が面白いと思うよ? 的な情報を積極的に書くようにしているのだが、まあ、基本的には「観た後・読んだ後」の方が、わたしの駄文は読んで意味が分かることが多いと思います。まあ、あとはご自由に、ということでお願いしたいところです。
 2)やけにPVの多い、映画興行収入データの話。
 わたしの場合、もはや業界人ではなく、単なる映画オタクとして、それぞれの作品がどのくらい稼いだのか、興味がある。それは、単なる興味で別に何に役立つものでもないのだが、応援している映画が売れればうれしいし、その売れた規模によって続編があり得るか、妄想できるので、毎週せっせと調べて記事にしている。
 わたしが「公式」にデータソースとして見ているのは
 2-a)興行通信社Webサイト・・・一応、大本営として観ている。
 2-b)その作品の公式Tweetや、業界人らしき人のTweet・・・これはTweetで検索すりゃ出てくる
 2-c)BOX OFFICE MOJO・・・基本US興行データだが、InternationalのところからJAPANデータも観られる。けど、更新が若干遅い。
 この辺をチェックすれば、週末興行収入の情報は得られる。なので、知りたい人は自分で十分調べられるんだから、わたしのBlogなんて読む必要は全くないっすよ。
 たぶん、おそらくだけれど、わたしのBlogオリジナルの要素として、累計値を計算している点が、やけにPVを集める要因なのではないかと思う。わたしは数字データが出た時はすべてDB化しているのだが、2-a)はたいてい、最初の土日の数字しか発表されず、2週目以降は順位しか出ない。なので、わたしは、その順位から、数字を推定して、さらに平日の興行収入も適当に推測して、合計値を積み上げているだけなので、実際、テキトーである。
 ただ、年に1回、10億以上稼いだ作品については、天下の【一般社団法人日本映画製作者連盟】、通称「映連」から公式数値が発表されるので、その発表値を持って答え合わせはできる。年1回だけど。今のところ、それほど大きくはわたしの計算値はずれていないっぽいです。いや、そんなことないか、たまに大外れもあるので、くれぐれも会議資料に使ったり、信用しないでください。わたしはただの趣味でやってるだけなので。映連のWebサイトでは過去データも公表されていて、いつも参照させてもらってます。
 なお、一応、2-C)は累計値も出てますし、「●0億突破!!」みたいなことは情報が出るので、それらを見て、密かに答え合わせをして、こっそり数字を修正してます。サーセン。
 しかしまあ、なんでみなさん、それほど映画の興行収入が知りたいんすかね。まあ、全く人のことは言えないけれど、それほど需要があるというのはちょっと驚きです。

 他にもいろいろあるんですが、例えばわたしが毎週木曜日のレギュラー記事で書いている「鮫島ニュース」は、物語にとうとう横綱が登場してからは急にPVが増えだしたし、どういうわけか今月に入って急に、わたしが買って、気に入ったので思わず書いた記事、KINGJIM謹製「ディスプレイボードDB-500」がちょっと気に入った。がやけにPVを稼いでいる。書いたのはもう2か月前なんだけどな……。
 また、ocn系のプロバイダ経由だと、地名がドメインに含まれているので、どこにお住まいなのかも何となく察することができる。わたしとしては一番残念に思うのが、このBlogのCMSでは、そういったアクセスログが保存できないし、また、いわゆる「サイト滞在時間」がわからないのである。なので、一瞬で去っていった人が多いかもしれず、PVが増えたからと言って、本当に読んでくれた人が増えているかは相当怪しい。それが分かるともっと愉快なのだが……。

 というわけで、結論。
 サーセン。今日は書くことないです。
 あとですね、誰かにTweetされると、急激にPVが伸びるのですが、別にTweetしても構わないですけど、一言ぐらい、コメントなりメッセージ送るなりしてもらえると、ちょっと嬉しいんすけどね。ま、いいけど。以上。

↓ はあ……何らかの宇宙的奇跡が起きて、こういう展開になんねーかなー……。ねえなあ……。
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2016-05-25
 

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 まずは今週の週刊少年チャンピオン2016年28号の概況です。このところずっと通常運行ですが、今週もとりわけ驚きの展開はありませんでした。
 ■『弱虫ペダル』:いよいよ後はゴール前の闘いのみ。ゴールへ向け、今泉くんを送り出す坂道くん。いいすねえ……。状況的には、あとはゴールスプリントなので、アシストを1人残す箱学が有利、ではあるけれど、まあ、もうこうなったら位置取りと、仕掛けの展開次第だし、最終的にはスプリント能力が勝負を決しそうです。ここでキモー筋くんが勝つとしたら相当な実力でしょうな。まあ実際のところ、登れてスプリントの出来るキモー筋くんが実は最強のような気もしますが。あと2・3週はゴールまでかかりそうですね。
 ■『牙刃道』:ガイア完敗、武蔵強すぎるの巻。
 ■『囚人リク』:脱出作戦、最下層トンネルまで到達の巻。
 ■『少年ラケット』:ヒロ先輩、日本一宣言の巻。
 ■『Gメン』:勝太、今度はコンビ二の女の子に惚れるの巻。
 ■『AIの遺電子』:同一の「脳紋」を持つ二人のヒューマノイドのお話。最後のページで描かれた、ドクターの母とは!? 来週が超気になる展開に。
 というわけで、ちょっと、楽しみに読んでいた連載作品がこのところ立て続けに終わってしまって、今イチ新連載に気に入った作品がないのですが……今週から始まった、巻頭カラーの『永遠の一手』はかなり期待できそうですよ!! 今週は2020年のコンピューター将棋ソフトVS最強名人の対局を描き、どうやら次号からその10年後の世界が描かれるようで、大変期待できますね。次号も要チェックだと思いました。楽しみです。
 
 さて。では今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週は、入門当時の【丈影】と【泡影】の対照的な姿が描かれましたが、今週はさらにその後の二人です。入門から番付を駆け上がり、幕下昇進を決める【丈影】。しかし、一方の【泡影】は、どうも兄弟子たちから可愛がられている様子。部屋付き親方は言います。
 「不思議な奴だ…泡影の周りにはいつも人が集まるな…無口なのに…」
 それに対して、部屋頭らしき力士、【輝影】兄貴が言います。
 「器でしょう…泡影には他人をすんなり入れるほどの度量があるんですよ…」
 「お前も大分目をかけてやってるもんな~~~…」
 「いや…俺は打算ですよ 泡影に稽古をつけて強くした それだけで俺はきっと名が残る力士になる…」
 そこまで周りは、【泡影】びいきです。そりゃあ、【丈影】にすれば面白くありません。【丈影】としては、【泡影】に負けたのは、先週描写された稽古場でのあの1度だけ。あれ以来、勝ち星の数も番付も、何もかも【丈影】の方が上だったのです。なので、そういった、ジェラシーめいた感情が、【丈影】の相撲を変えていきました。それまでは、「気迫の中にも巧さが光る相撲」だったのに、だんだんと「ただただ相手の攻めを待ち、気迫をぶつける相撲」へと変化していく【丈影】。それはまさに鯉太郎の相撲のようで、「引かず…逃げず…ぶつかり合う相撲」であったのです。その結果、お客さんは沸きますが、番付を上がれば上がるほど、勝ちは容易でなくなり、痛々しさを増していったのだそうです。その結果、同期の誰よりも早く十両に上がり、関取になったのは、【丈影】でした。
 しかし、【丈影】の十両昇進にも、てんで無関心のような顔の【泡影】。その表情に【丈影】はさらにイラつきを増していきます。しかも、【丈影】には、鯉太郎と同じ悩み、同じ壁が待っていました。それは、体です。どうやら【丈影】も、なかなか太れないらしい。それは、入門時にある程度出来上がっていた体はそれ以上大きくなることを拒んでいた…そうです。結果的に十両に上がったものの、簡単に通用する世界ではありません。禅定親方は静かに言います。
 「無理はいけませんよ…君には才能がある それを活かす取口があるはず…前を見なさい…君には君の輝ける未来がある」
 しかし、番付は【泡影】より先行していても、とうとう、部屋の稽古場で兄弟子に勝ってしまうほど、着実に相撲を理解していく【泡影】を見て、【丈影】ますます焦ります。
 「前を見ろ…そう…あの頃の丈影は 常に後ろに付く大きな影に脅えていた…」のです。
 なるほど、そういう展開でしたか。このあと、【泡影】は最強横綱へと進化し、【丈影】は前頭に留まるわけで……まあ、だからと言って鯉太郎を目の敵にするってのは、要するに同属嫌悪的なものなんでしょうか。これはますます来週以降の展開から目が話せませんね。超楽しみです……が、本割の戦いも早く読みたいですね。鯉太郎はもちろんですが、【白水】さんの横綱戦や、勝ち越しのかかる常松こと【松明】の闘いも気になりますね。佐藤先生、そこんとこよろしくお願いします!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱【泡影】と同期入門
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってる。
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。62連勝中。モンゴル人。
 
 というわけで、結論。
 今週描かれた【丈影】の焦りは、彼の力士としてのポイントとなるお話でした。せっかく強い男なのに、後ろばっか見てどうするんだよ……でも、それはしょうがないのでしょうな。人間だもの……。しかし【泡影】の不気味な成長振りは、あっという間に番付を駆け上がるのか、逆にゆっくり着実にじわじわと上がっていくのか、楽しみです。まあとにかく、鯉太郎は中日で勝って早く勝ち越しを決めて、横綱への挑戦権を獲得してもらいたいですね。しかし、14枚目の力士が横綱との割が組まれることはあり得る……のかな……? まあ、なくはないだろうけど、かなり条件は限られてると思う。今後の展開から目が離せませんな。以上。

↓ わたしは当然買いました。電子書籍のみの発売ですが、発売されたことは素直に嬉しいです!! もっと長く続いて欲しかった……!!


 
 

 昨日に引き続き、今日も漫画です。
 この平本アキラ先生による『監獄学園 プリズンスクール』という漫画は、スーパー下品で下ネタ満載なので、決して女性にはお勧めできないのだが、かつて、男子高校生として青春を送った人間ならば、この漫画を読んで笑わない奴はいないのではないかという、まあ男限定のオススメ漫画であります。わたしは大変この漫画が好きで、新刊も比較的順調に定期的に発売されており、この度、その最新刊(21)巻が発売になったので早速買い、うっかり電車内で堂々と読んでいたところ(※この漫画を電車内で読むのはちょっとした変態行為かも。ひとかけらの勇気が必要)、ものの見事にブホッと笑って吹き出してしまい、あわや事案発生→通報→お縄頂戴→人生終了、となる危険な事態となってしまったのである。ふー、あっぶねえ。

 わたしがこの漫画を読み始めたのはもう、何年前だろう、単行本の3巻あたりまで発売になっていたので、2012年頃のことだと思う。当時、イケメンでお馴染みのわたしの友、K氏が毎週ヤンマガを買って来ていて、それを読ませてもらっているうちに、最初から読みたくなって、単行本を買うようになったわけであるが、もう15巻ぐらいからは電子書籍にチェンジし、電子でも最初から買い直したほど面白い漫画である。
 この漫画の最大のポイントは、世に「画力の無駄遣い」と称賛されているように、まったくのエロ・ギャグマンガなのだが、絵柄がリアル系の、実に綺麗で、いわゆる「上手い」絵なのだ。ド・シリアスな劇画タッチ、なんだけど、内容はアホな男子高校生のエッチな物語で、お話的にも全くのギャグなのに、キャラクター達は超真面目(それは違うか)なのである。いわゆる一つの、「ギャップがもたらす笑い」が炸裂しているわけで、しかもその絵はどんどん上手くなっていて、1巻の当時よりも現在の方がどんどん劇画化が進行している。そして下品さはますます増して、本当に今回の21巻は腹筋崩壊ですよ。ホント参った。
 この作品の人気のほどは、既にアニメ化もされ、あまつさえ実写ドラマ化されたことからも察せられるだろう。わたしは実は両方とも全然見なかったのだが、アニメ化の際は非常に話題になったし、実写ドラマ化もニュースになったほどだ。

 ↑こっちがアニメの映像。 ↓こちらは実写ドラマの映像。

 というわけで、どんなお話か、ざっと紹介してみよう。
 首都圏では有数の進学実績と厳格な規律で知られる全寮制高校「八光学園」。共学、ではあるが圧倒的に女子の方が多く、2011年4月、新入学生のうち、男子はたったの5人であった。そして全寮制学校なので、5人の男子高校生は、まあお約束展開として、女子寮のお風呂を覗きに行くと。で、捕まると。そして、学内にある「懲罰棟」、通称「プリズン」における1カ月の懲役が命じられる。命じたのは、「裏・生徒会」と呼ばれる学内の治安を守る存在(?)で、このプリズンでの1か月間の生活の間に、まあいろいろな出来事が起きて、脱走劇があったり、刑期が延長になったり、男たちの友情とその崩壊だったり、とにかくアホでエッチな出来事がドタバタと発生する、とまあ、そんなお話である。とにかく、内容的にはバカ話だけれど、とにかくシリアスに展開されるその様相は、もう最高に笑える。
 現在は、男子5人はプリズンから解放されているが、「裏・生徒会」と「表・生徒会」の女子の抗争に巻き込まれて大変なことになっている。大変と言っても……まあ大変笑えるんですけどね。女子はみんな可愛いしスタイル抜群だし、実際高校生には全く見えないのだが、かつて自分たちを拘留した裏・生徒会の味方として、現在男子4名は体育祭で騎馬戦の馬となって活躍中です(1名だけ、表の味方になっている)。
 しかし……この漫画、本当に毎回爆笑の渦なので全然構わないのだが、21巻現在、まだ1話の入学式から約3カ月ぐらいしか時間が進んでおらず、21巻の物語の中の時間はまだ6月30日である。連載はもう5年半ぐらい続いているので、まあ、とにかく物語進行がゆっくりだ。ただ、濃密に、ある意味リアルタイムに描写されているゆえの進行なので、それはもうどうしようもないことだろう。時間の進行が遅いことはまったく欠点ではないので、わたしとしては問題ナシである。ちなみに、現在進行中の体育祭は、17巻の後半からずっと続いているのだが、まったく飽きないというか、全然気にならないのが逆にすごい。毎回常に張り詰めた緊張感があって(ギャグなのに!!)、平本先生の演出はもう、本当に素晴らしいと思う。あと、何気に毎回の各話のタイトルが、1巻からずっと映画の作品名をパロッたタイトルになっていて、しかも物語内容にがっちり符合しており、平本先生は相当な映画好きなのではなかろうか。
 また、キャラクター達も、男子5人組も関わる女子たちも、そして妙な話の間を取る理事長も、とてもキャラが立っていて非常に楽しい。絵も素晴らしいクオリティだし、ホント、この漫画は男限定だけど、自信を持ってお勧めできます。(7)巻ラストで理事長が男子たちに投げかける、「尻と胸・・どちらが好きか・・ね?」問答は、完全にもう、禅問答めいた哲学論争で最高でした。実に面白い漫画だと思う。

 というわけで、結論。
 『監獄学園 プリズンスクール』の最新刊が発売になっていますので、シリーズを読んできた方は当然買いです。今回の21巻の、騎馬戦でのキヨシ君は、わたし的には今までで最高の笑いをもたらしてくれました。超・下品ですが、最高です。今巻のラストで大変な事態が起こり、「憤死」するキヨシ君。一体この後どうなるん……だ!? わたしは電車内だというのに、笑いをこらえられませんでした。以上。

↓ こんなのまで売ってら……。

 いやー、毎回本当に面白い。大興奮である。
 連載が始まったのが2009年だから、もうずいぶんと前になるけれど、連載ペースはゆっくりなため、単行本が出るのは1年に1冊出るかどうかというペースだったのだが、この度、最新刊の(5)巻が1年8か月ぶり(7カ月?)に発売になったので、早速買って読んだ。そして、大変面白く、確かな満足であった。
 タイトルは『ドリフターズ』。意味としては「漂流者たち」という事だが、実に独特の物語設定と、平野先生のいつもの熱い展開で、大勢の読者を熱狂させている漫画だ。

 実はこの作品、今年の10月からTVアニメ化されるそうで、既に公式サイトもあるし、ちょっとした予告映像もある。以下に貼っておくのは、今回の(5)巻の特装版に同梱される映像を元にしたCMだそうで、これがまたクオリティが高く、30秒しかないけれど超ワクワクなのであります。TVが楽しみだなー。

 お、アニメ化発表の時の長い映像もあったから貼っとくか。

 さてと。ざっくりと物語を紹介すると、1巻の冒頭は、かの「関ヶ原の戦い」における、島津家の有名な撤退戦、で「捨て奸」戦法が炸裂した、「烏頭坂(うとうざか)」の戦いである。西軍の島津家・島津義弘(当主・義久の弟)の脱出にあたり、井伊直正の屈強な「赤備え(→ひこにゃんが被ってるアレ)」の軍と戦い、そのしんがりを務めた島津豊久の奮闘が描かれる。
 我々が知っている歴史では、豊久はそこで壮絶な死を遂げるわけだが、この漫画は違う。全身に深手を負い、半死半生の豊久は、森をさまよううちに、いつの間にか、整然と扉の連なる奇妙な廊下にたどり着く。そこには、謎の人物が受付のような机に座っていて、名前を記されると扉に飲み込まれてしまう豊久。気が付いた時には、良くわからない異世界へ「漂流」していた――。とまあ、そういうお話である。
 その漂流した先の世界は、一番わかりやすく例えると、『The Lord of the Rings』的なファンタジックな世界だ。エルフやドワーフ、ゴブリンや竜がいて、人もいる。そしてその文明レベルはまさしく『LoR』的な感じで、ある。
 ポイントとなるのが、その世界には豊久以外の「漂流者たち=ドリフターズ」がいるという点だ。しかもそれらは皆、我々が良く知っている歴史上の有名人たちだ。どうやら、その「ドリフターズ」たちの共通点(??)といえそうなのは、「死にあたって、やり遂げた、悔いはない」と思っている(??)人々で、かつ、「その死体が未確認」な人たち、っぽい。一方で、「ドリフターズ」と対極をなす存在もいる。彼らは、この異世界に「廃棄された」人たち、ということで「廃棄物=エンズ」と呼ばれている。彼らに共通するのは、逆に「死にあたって、やり残したことや恨みが満ちている」人たちで、かつ「処刑されて明確に死が確認されている」人たち、という感じである。いや、どうかな、ちょっとテキトーかもしれません。
 いずれにせよ、そういった「漂流者たち」と「廃棄物たち」の戦いになっていくわけですが、これがですね、とにかく有名人たちのスーパー・オールスターバトルで凄いんだな。ちょっと、メインどころのキャラクターを紹介しておこう。
 【漂流者サイド】
 ・島津豊久……薩摩人。バトルマシーン。
 ・那須与一……豊久が最初に出会うドリフ。史実(?)通り、弓の達人。
 ・織田信長……与一が豊久を連れていく廃城に居を構えていた。日本人なら知らない人はいないすね。
 ・安倍清明……豊久たちよりだいぶ前にこの世界に流れ着いていたらしく、「十月機関」という組織を結成して「エンズ」たちを監視(?)していた。
 ・ハンニバルスキピオ……ローマ時代のアノ人たち。老人。お互いライバルの天才戦術家。
 ・菅野直……史実では大日本帝国海軍のエースパイロット。愛機の「紫電改」とともに流れ着く。
 ・山口多聞……史実ではミッドウェーで戦死した大日本帝国海軍少将
 ・アドルフ・ヒトラー……すでに異世界でも故人。数十年前に流れ着いたらしく、異世界において「オルテ」という国家を作った国父として知られている。
 【廃棄物サイド】
 ・黒王……謎の存在。どうやらこの人は、我々世界のアノお方っぽいのだが、それは読んで皆さん想像してください。これ……欧米人はどうリアクションするのだろう……。
 ・ジャンヌ・ダルク……火刑に処せられて非業の死を遂げた聖女。恨み骨髄。
 ・土方歳三……函館で戦死。当然、島津家が大嫌い。なので、豊久に出会って怒り爆発。
 ・ジルドレ……史実ではジャンヌを救おうとしたりした百年戦争期のフランス軍人。火刑に処せられた。
 ・アナスタシア・ロマノヴァ……20世紀初頭のロシア大公女。17歳で銃殺刑に。
 ・ラスプーチン……怪僧としてお馴染みのアノ人。史実では暗殺されました。

 とまあ、こんな感じに、歴史上の有名人たちが、生きた国や時代に関係なく、この世界に集い、戦いを繰り広げる。その戦いの原因は、黒王を中心とする「廃棄物」たちが、すべてを破壊し、すべての人間を皆殺しにして、その世界を「やり直させる」ことを意図している一方で、「漂流者たち」はそれを食い止めようとする、とまあそんな対立構造である。超ざっくりですけど。
 おまけに、「廃棄物たち」には、「漂流者たち」にない特徴があってですね、彼らは妙な、スタンド能力的な力を持っているんだな。『LoR』的に言うと「魔法」に当たるような、謎の能力をもっていて、例えばジャンヌ・ダルクは、炎を操れたりするわけで、その点では「漂流者たち」はちょっと不利なんすよね。で、一方の「漂流者たち」は、信長をはじめとする頭脳派が多い(?)ので、直接戦力としてはバトルマシーンの豊久ぐらいしか戦闘力の高い人はいないため、その世界にもともと住んでいたエルフやドワーフや人間を指揮して戦うと、まあそんな感じになっています。

 とにかく、面白い。わたしの下手な説明よりも、とりあえず(1)巻を読んでもらった方が5万倍は面白く感じ、続きを読みたくなること請け合いです。平野先生による素晴らしい画とコマ割り、擬音など、もう全編にヒラコー節が炸裂しまくっていて、少なくとも男の読者なら誰もが夢中になって読むのではなかろうか。
 で、最新刊(5)巻だが、とうとう前巻で「廃棄物サイド」に登場した、信長に対する恨み骨髄の明智光秀も軍師として活躍し始めたり、「漂流者サイド」でも、山口多聞提督と菅野がとうとう直接対面したり、ようやく皆、お互いの存在を知って、信長と豊久が中心となっている「オルテ」に集結し始めていて、実にワクワクな展開でありました。また、どちらに属するのか不明で、ジョーカー的存在であった、源義経も、どうも今は(?)あっちサイドらしく、動き始めたし、前巻で豊久と派手に戦った土方も、どうもエンズのやり方が気にくわない的な部分も見えてきて、非常に緊張感もある。
 わたしのどうでもいい心配としては、この最高に面白い漫画の完結まで、果たしてオレは生きてるだろうか……というのが、マジで心配である。でもまあ、別にゆっくりで構わないので、最高のクオリティで平野先生の思う世界を書き続けて下されば、もうそれでわたしは最高に楽しめます。ま、年に1冊ぐらいは出してほしいけど……。

 というわけで、結論。
 1年8か月(7か月かな?)ぶりに新刊が発売になった『ドリフターズ(5)』だが、今回も最高に面白かった。わたし的には今、発売されたら一番うれしい漫画である。TVアニメのクオリティも相当高そうで、期待大ですな。とりあえず、まだ買って読んでいない人は、今すぐ本屋さんへGO!!! でお願いします。以上。

↓ 豊久はですね、薩摩島津家なわけで、示現流の源流であるタイ捨流の遣い手なわけです。しかし……あの剣の持ち方は……どう見ても剣が振れないと思うのだが……タイ捨流の持ち方なんすかね……? 気になる……。

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末映画興行データです。
 先週は調子に乗って3本映画を観てしまったわたしだが、しかも珍しく、そのうち2本は邦画である。『殿、利息でござる!』と『植物図鑑』を観て、さらに洋画の『サウスポー』を観た。どれも大変楽しめたが、それぞれ、ネタバレ全開で書いたレビューで良ければ、別途参照してください。ちなみに、わたし的には、『殿、利息でござる!』がイチオシのような気がします。『植物』は、若い方にはおススメです。『サウスポー』は、役者の芝居は最高ですが、物語的にはちょっとモノ申したいところがありました。というわけで、ほかにこれと言ってネタがないので、ランキングを見て終わりにします。
 あ、そうなんです。わたし、まだ『デッドプール』観てないんすよね……MARVELヒーローが大好きなわたしですが、どうもイマイチ乗れないんす……まあ、今週のどこかで、帰りに観てこようと思ってます。水曜日あたりかなあ……。

 では、さっそくいつもの興行通信社の大本営発表から見てみよう。
 1位:『植物図鑑』が初登場1位!! 公開土日で3.42億稼いだそうです。データを漁ってみると、この初動だと15億以上はほぼ確定、伸びて17~18億、場合によっては20億到達もあり得る数字だ。これは驚いた、といったら失礼か。すみません。わたしはてっきりデッドプールが1位かなあ、と思ってました。あ!! そうか、そういうことか。どうやら、金額順のランキングでは、3Dとか客層的に単価の高いデッドプールの方が1位のようですな。しかし、『植物は』大健闘と言ってよいのだと思います。松竹的には関係者一同やったー!! とお喜びのことと存じます。唯一の不安点は、舞台挨拶などの初動パワーが大きくて、勢いがどこまで続くか、という事だろうと思う。わたしも、まったく無意識に土曜日の朝イチの回を観に行って、舞台挨拶のライブ中継が始まって驚きましたが、まあ、本当に大変な人気ですね。
 2位『ズートピア』が44日間合計で60憶を超えたそうです。こりゃあもう70億も本当に見えてきたわけで、あとは劇場のスケジュール的にいつまで上映できるか、次第なのかもしれませんな。とにかく、落ちが少ないのがすごい。
 3位『デッドプール』が、水曜日から公開になっているので5日間か。その合計はおそらく7.11億だそうです。6/1(水)の初日だけで1.6億稼いだそうで、さらに週末の土日で3.8億稼いだそうなので、まあ、凄しですな。しかし……どうにも乗れないのは何故なんだ>オレ。 ちなみに、全世界ではもう既に7.7億ドル=826億円稼いでるそうです。
 4位『オオカミ少女と黒王子』が9日間で5億に乗ったかどうか?ぐらいだと思われる。二階堂ふみちゃんは大変可愛いと思います。
 5位:『高台家の人々』が公開土日で1.0憶ほどだそうです。これはちょっとキビシイかも。原作漫画はわたしも全巻買って読んでいますが、大変面白い作品です。綾瀬はるかちゃんを観に行くべきかもな……。サーセン。まだ観てないっす。東宝的には、『猫』<『殿』となり、今回も『高台家』<『植物』と松竹に2連敗となってしまう可能性があり、憤死者が出ていないか心配です。まったく大きなお世話ですが。
 6位:『64―ロクヨン―前編』が30日間で14億ぐらいか? 15億まで届いたかも?? 自信なしです。先週書いた通り、後編が控えているので、もうひと稼ぎほしいところか。間違いなく面白そう。
 7位:『世界から猫が消えたなら』が23日間合計で恐らく10億届いていないのではなかろうか。平日の動員がわたしの想像より良ければ、10億届いているかも。ちょっと数字的に厳しい。
 8位:『殿、利息でござる!』が23日間合計でこちらはおそらく10億に届いたと思う。わたしもド平日の夜に観に行ったけれど、結構お客さんは入ってました。そして大変面白いので、わたし的におススメです。実に真面目な、グッとくるお話でした。ただまあ……グッとくるのはおっさん以上かなあ……若者に伝わるのか、わたしには良くわからんです。
 9位:『スノーホワイト/氷の王国』が9日間で3億程度だと思う。5億は行ってないと見る。
 10位:『名探偵コナン―純黒の悪夢―』が51日間合計で60憶を突破したそうです。累計動員数は471万人だそうで、しかし、何度も書いてますが、これはもう、とてつもない数字ですよ。本当にすげえなあ。

 ほか、ランクから外れてしまったのでわからないけれど、わたしとしては『映画クレヨンしんちゃん 』 が果たして20億に届いたのかどうか、非常に知りたい。正解は来年の1月の映連の大本営発表を待つしかないが……どうなったのかな、しんちゃん……。あと、わたしの2016年暫定No.1の『シビル・ウォー/キャプテンアメリカ』がどのくらいまで行ったのかも知りたいのだが……ぐぬぬ……データがない……!!

 というわけで、結論。
 松竹2連勝、実際凄いと思います。おめでとうございます! 東映も頑張って欲しいのだが、今週公開になった『探偵ミタライ』はTOP10にも入れず……厳しいですなあ……。以上。

↓ 次の週末はコイツを見ます。結局、観たかった『エンド・オブ・キングダム』は見逃しそうな予感……。
 

 さっきちょっと調べたところ、わたしがWOWOWに加入して観始めたのは、どうやらまだ学生だった1991年のことのようだ。映画オタクのわたしにとって、WOWOWは大変ありがたい存在と言うか、実に重宝していて、デジタルになって3ch体制になってからは飛躍的に番組数も増え、ほぼ毎日楽しんでいる。が、実はWOWOWの、わたしにとっての真価は映画ではなく、LIVEイベントの中継にある。要するに、WOWOWでしか見られない番組が結構多いのだ。これは、デジタル化以前のアナログ時代においてもそうだったのだが、スポーツのビックイベントや、音楽・演劇系の中継も、例えばテニスの4大トーナメントや、アカデミー賞授賞式なども、そういったWOWOWならではのオリジナルコンテンツとして、わたしは楽しんでいる。
 で、わたしがアナログ時代からかなり好きで、ずっと観ているのが、 ボクシングの「Excite Match」という番組で、他では見られない中~重量級のタイトルマッチなどは、ほぼすべてこの番組で放送されている。90年代のMike Tyson王座時代の試合は、たぶんわたしは全部観たんじゃなかろうか。しかも生放送である。有名な、Holyfield VS Riddick Bowe戦のパラシュートマン乱入事件や、Holyfield VS Tyson戦の噛み付き事件もわたしは生で観て仰天した思い出がある。フォアマンの復活戦も観たなあ。そんなわたしなので、ボクシング、特にアメリカ、もっといえばラスベガスやNYCのマジソン・スクウェア・ガーデンを中心とするBIG MATCHは大変思い入れがあるわけで、ボクシング映画となると、もうとりあえず問答無用で観たいと思ってしまうのである。
 というわけで、わたしが今日観た映画は、『SOUTHPAW』。日本公開タイトルはそのまま『サウスポー』。なかなかグッと来る映画であった。

 大体の物語は、上記予告の通りである。実は、わたしは最初にこの映画のことを知ったとき、へえ、そんな選手がいたっけ? と、実話なのかと思っていたのだが、これはまったくのフィクションであった。なので、ああ、なんだ、フィクションなんだ。てことはつまり、要するにこれは往年の名作『CHAMP』的なお話かな? と思って劇場へ向かったのだが、結論から言うと、まあ、似ているようで似ていないお話であった。そしてこれも、最初に言ってしまうけれど、かなり、テンプレ通りの展開で、脚本的にははっきり言って普通の出来であると思う。それほど深い感動的な作品、とはちょっと違うような気がする。
 物語上の問題点として、わたしが最も、これはちょっと……と文句をつけたいのは、ありがちなテンプレ進行についてではなく、タイトルの『SOUTHPAW』に関わる部分だ。正直、この映画が『SOUTHPAW』というタイトルである意味は、物語的にはほぼないと言っていいのではなかろうか? ラストの逆転必殺技が、かなり物語的にとってつけた感があって、わたしは大変残念に思った。もっと面白く出来たと思うのだが……冒頭、主人公のファイトシーンから始まるこの映画、わたしはてっきり主人公は左利き(=サウスポー)ボクサーで、左のストレートをフィニッシュブローとするファイターなのかと思っていたが、思いっきり右利き、いわゆるオーソドックススタイルで、ガードをほとんどしない選手だということが分かる。その時点でわたしは、アレッ!? サウスポーじゃないじゃん!? と思ったのだが、物語が進展しても、まったくサウスポースタイルの話にならない。中盤の再起を賭けたトレーニングで、チラッとだけ出てくるだけだし、ラストの試合も、最後の最後だけ、サウスポースタイルにスイッチして大逆転、という展開である。なんというか……若干ぽかーーん、としてしまった。
 わたしが脚本家だったら、右の拳に怪我をさせて、もはや以前のスタイルでは闘えない、再び勝つためにはサウスポースタイルをとらざるを得ない、という展開にしたと思うな。いわゆるアレだ、「巨人の星」において左腕を破滅させた星飛雄馬が、右投げ選手として復活する「新巨人の星」ですよ。まあ、わたしのそんなアホな妄想はどうでもいいとしても、作中において、「サウスポー」で闘うことの意義をもっと重くしてもらいたかったと思うのだが、復帰に当たって主人公が強化するのは、ディフェンスである。要するにガード、ですな。しかし、世界チャンプ(しかもWBC,WBA、IBFの統一チャンプという設定だった)まで到達した男が、いまさらショルダーガードを身に着けて、以前とは見違えるように闘う、というのは如何にも地味すぎるし、ボクシング好きとしては、若干、ううむ……と醒めてしまった。ここはやっぱり、右のナックルが、それまですべての試合で相手を叩きのめした右の拳が、以前の破壊力を失ってしまったという、何らかの出来事を入れ込んで、それ故にサウスポーとして再びリングに立つ、みたいな展開にしてほしかったのだが……。わたしとしては、タイトルと物語がイマイチ合っていないような気がしたのが大変残念だと思う。
 しかし、である。テンプレ通りのストーリー進行であり、「サウスポー」という戦闘スタイルがあまり物語に生かされていないという脚本上の問題点があるとはいえ、やはりわたしは、この映画を観てかなりグッと来た。それは、恐らく物語、脚本というよりも、役者の渾身の芝居から来るものだろう、と思う。
 主人公はちょっと後で語るとして、とりわけイイのが、主人公の娘のちびっ子だ。眼鏡っ子のかわいらしい子役が演じる娘がですね、ひじょーーーにいいのです。彼女の演技に敬意を表して、わたしはこの映画はアリ、だと判定したい。演じたのはOona Laurenceという2002年生まれの子だが、大変達者で素晴らしい演技だったと思う。どうやら彼女は、Broadwayミュージカル出身で、なんと2013年に『Matilda』という作品でタイトルロールを演じ、TONY賞の栄誉賞(?)を獲得している実力派らしい。その時11歳ってことだよな。これは凄いというか、たいしたものだ。ちょっと、彼女の名前は覚えておきたいですな。今後の活躍を期待します。
 で、主人公のボクサーを演じたのが、わたしの結構好きな俳優Jake Gyllenhaal氏である。彼は若い頃からいろいろな映画に出ていて、演技派でもあるし、アクション大作にも出ることがあるし、わたしとしては、彼を鑑賞するならやはり、リアルBL映画としてお馴染みの『Brokeback Mountain』と、ディザースタームービーでも有名な『The Day after Tomorrow』をおススメしたい。両方とも10年以上前の作品だし、内容も全然違うけれど、Jakeのカッコ良さは堪能できると思います。最近では今回の映画でも話題になった通り、出演する作品に応じた肉体改造が激しくて、カメレオン役者的な評価をされている。今回も、きっちりボクサーの体になっていて、肝心のボクシングシーンは凄い迫力だし、やっぱり、娘との交流だったり、再起を賭けて依頼するコーチとのやり取りなどは大変見ごたえアリの素晴らしい芝居だったと思う。大変良かった。
 あと二人、この映画で観るべき俳優がいるので紹介しておこう。まずは、主人公の奥さんを演じたRachel McAdams嬢。今年のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされた『Spotlight』で注目された彼女だが、キャリア的にはそれなりに出演作が多く、わたしが一番彼女で覚えているのは、やっぱり『Sherlock Holmes』でのアイリーン・アドラー役だろうか。ちょっと癖のある顔立ちだけど、まっとうな美人さんですね。今回も、主人公の美人妻としてかなり印象に強く残る芝居振りであった。そしてもう一人、 主人公の再起を支えるコーチを演じているのが、もはやベテランのForest Whitaker氏だ。わたしはこの人の作品、かなりたくさん観てるんだよな……Wikiによるとデビュー作は、80年代のわたし的名作の『First Times at Ridgemond High(邦題:初体験リッジモンドハイ)』だし、わたしがこの人で一番印象に残っているのが、かの名作『Platoon』だ。主人公のクリス(演じたのはCharlie Sheen)と同じPlatoonに配属された、ちょっと気のいい黒人兵役で、わたしはとても良く覚えている。あの時から、ホントにこの人は鶴瓶師匠に似てんなーと思っていたが、 2006年の『The Last King of Scotland』で黒人俳優4人目のオスカーウィナーになったわけで、演技も大変渋くて、今回も大変存在感のある芝居振りだったと思う。そういやこの人は、年末公開の『ROUGE ONE : A STAR WARS STORY』にも出ているんだっけ。今からとても楽しみだ。
 最後、監督について備忘録をまとめておこう。本作の監督は、Antoine Fuqua氏。『Training Day』でDenzel Washington氏にオスカーをもたらせた職人肌の監督ですな。この作品含めて10本の作品を発表しているようだが、wikiを見たところ、わたしは7本観てるらしい。あんまり意識してないのだが、どうも結構わたし好みの作品が多いみたいですな。現在は、『七人の侍』のハリウッドリメイク『荒野の七人』を、さらにリメイクした作品『The Magnificent Seven』が公開スタンバイ中らしいすね。Denzel Washingtonがリーダー、Chris Plattが三船敏郎的キャラみたいっすな。

  US公開は9月らしいけれど、果たして日本で公開されるのか……若干心配だが、まあ楽しみに待っていよう。

 というわけで、結論。
 『SOUTHPAW』という映画は、正直、脚本的には良くあるパターンだし、肝心の「サウスポースタイル」でのボクシングシーンがないのがちょっと残念だけれど、役者陣の熱演は非常に素晴らしく、少なくとも、わたしは劇場で観てよかったと思います。なかなかグッと来ました。どうなんだろう、ボクシングに興味のない人は全然問題なく感動できるのかな。そこんところは、ちょっとわからんす。以上。

↓ わたし、全巻持ってます。おっと、最新刊は今月発売か。いつも買うの忘れちゃうんだよな……。

 世にはいろいろなことをいう人々がいて、インターネッツなる銀河にはさまざまな情報が満ち溢れているのだが、「落ちモノ」なるジャンルが小説や漫画に存在することをご存知だろうか。
 語源としては、どうやら宮崎アニメの名作『天空の城ラピュタ』に由来するのではないかと推察するが、要するに「ある日、美少女が空から落ちてきた」的な、Boy Meets Girl な作品を称して、「落ちモノ」とくくるわけである。『ラピュタ』を観たことのない日本人はもはや稀であろうから、分かりますよね? 冒頭、空から落ちてくるシータを、屋根の上でトランペットを吹いていたパズーがキャッチする、あの名シーンだ。
 ああいった、唐突ともいえる出会いに、あこがれ、心ときめかない男は、まあ、普通はいないと思う。もちろん、誰だってそりゃあファンタジーだと分かっているし、ありえないよそんなの、なんて言うことは、野暮の極みというか、『キャプテン翼』の話で盛り上がってるのに突然物理学の話を持ち出すようなもので、そういう野暮な空気を読めない人間とは付き合わないことをおススメしたい。まあ、つまらん奴でしょうよ、きっと。
 というわけで、わたしが今日観てきた映画は、「ある日玄関先に、スーパー・イケメンが行き倒れてた」というファンタジックな場面に遭遇した女子のお話、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』である。まさしく女子向け「落ちモノ」であり、これがまた大変素敵な物語なのであった。以下、ネタバレ全開です。

 物語は、ほぼ上記予告で語られる通りである。原作小説が出たのが、2009年、かな。だからもう7年前か。わたしは有川先生の作品はすべて発売されたらすぐに読んでいるので、読んだのも7年前である。なので、若干細部の記憶は怪しいが、今回の映画はほぼ原作通りだったと思う。
 空気感も大変に好ましく、主題歌の歌詞の通り、「あなたをつつむすべてが~やさしさで溢れ」ているわけで、実にいい。うら若き女子が見れば、「いいなぁー」と思うだろうし、男が、ましてやわたしのようなおっさんが観ても、「ええのう……」と、つぶやかざるを得ない。この空気を作り出した二人の主人公の芝居振りは大変素晴らしかったとわたしは思う。
 わたしの場合、もともと、女子のしょんぼり顔愛好家なので、今回の高畑充希ちゃんのしょんぼりフェイスは最高級にグッと来た。主人公の「さやか」ちゃんは、都内で不動産会社に勤務する一人暮らしの24歳の女子だ(※充希ちゃん本人も24歳だそうですな)。やたらとあたりの強い、部長と呼ばれる上司に、日々しょんぼりな毎日を送っている。まあ、こんな上司にめぐり合ってしまったら、そりゃあ、毎日しょぼーんとしてしまうのも無理はない。大勢のいる前で叱責したり、あまつさえ、大声である。大体、世の女子の大半が一番苦手とするものが、「男の大声」だ。これは全世界の女性に申し上げたいですが、大声でがなる男の9割がたはクソ野郎なので、近づかないほうがいいですよ。部下だったり、お店の店員さんだったり、とりわけ自分より立場の低い人間に対してがなる男は、これはもう100%クズなので、そういう場合は、そいつより上の人を味方につけるに限ります。わたしはもう、会社で自分より上の人の方が少なかったので、心底思うけれど、そういう奴は確実に、上には弱腰ですよ。わたしの部下にはキツイ文句を言うくせに、わたしが出て行くとコロッと態度が変わる小者ばっかりだったからね。とにかく、この物語の主人公のさやかちゃんは、日々、ずっとしょんぼりしている。その様が、非常に良いとわたしは感じた。わたしはもともと、高畑充希ちゃんは可愛いと思っているし、歌も上手で大好きな女優の一人だが、今回のその、しょんぼりフェイスで、さらに好きになった。この人は……いい。大変魅力的である。
 ちなみに、なぜわたしが、そういったしょんぼり女子が好きか。それは、そういった女子が笑顔になると、ウルトラ可愛いからだ。要するに、「オレがキミを笑顔にしてやんぜ!!」と、妙にわたしの内面が燃えてくるのである。まあ、若干変態じみていることは否定できないが、そういうことです。
 しかし、である。既におっさんのわたしの場合、そこにはあまり恋愛感情めいたものはないし、実際下心もほとんどない(あくまで、ほとんど。ゼロじゃあない)。おまけに、別にそれはわたしが優しいからでもない。純粋に、このしょんぼりGirlが笑ったら、可愛いだろうな、と思うだけなので、わたしとしては大変残念なのだが、わたしの周りの先輩のお姉さんたちには「あんたはタチが悪い」と叱られてしまうことになるのである。曰く、「付き合う気もないのに、優しくしちゃダメよ!! 勘違いされちゃうでしょ!!」というわけである。はーーー。まったくもって難しい世の中である。ま、わたしの話はどうでもいいや。
 で。日々うなだれているさやかちゃんは、ある日、自宅前で腹ペコで一歩も動けないという青年「いつき」君と出会うことで、徐々に笑顔を取り戻していく。なにしろ、カッコイイし、料理も出来るし、やたらとハイスペックで、本人の言うとおり「しつけが行き届いている」スーパー・イケメンだ。そりゃあ、惚れますよ。そりゃあもう、間違いナシ、であろう。だが、お互い苗字も知らない、過去も知らない、極論すれば何も知らない状態である。そして、いつき君は、充希ちゃんという極めて可愛い女優の演じるさやかちゃんと同居しているにもかかわらず、一切手を出さない。まったくもってしつけの行き届いたイケメン君である。この、ちょっとした緊張感が物語的に最初のポイントとなる。下衆な言葉で言ってしまうと、「いつ二人はヤっちまうんだ?」という、一線を越えるタイミングである。ここはもう、書かないでおきます。たぶん、女性が観ても男が観ても、大変いい流れで、原作でもわたしはここを読んで、もうおじいちゃん的視点から、「若いもんはええのう……」とほほが緩んでしまった。
 というわけで今回、スーパー・ハイスペック・イケメンを演じたのが、EXILE一族の若き王子様の岩田剛典くん27歳だ。もう、完全にこの人には勝てない。と、普通の男なら全面降伏せざるを得ない、本物のスーパー・ハイスペック・イケメンである。まあカッコイイ。そもそも、わたしのような不細工野郎が女子になにをしてあげったって、「どうせ <※イケメンに限る>でしょ」という世の真理が存在していることを承知しているので、わたしも特に下心なく、気後れもなく、女子に接することが出来ているわけだが、彼のようなイケてる男が、ちょっとでも女子に優しく接したらもう大変だろうな、とまったくもって大きなお世話だが、心配になる。なので、果たして、この物語において、いつき君には最初から下心があったのかどうか、その点にわたしは少し興味がある。正直、わたしにはわからない。が、たぶん、彼にはまったくその気はなかったのではないかと想像する。おそらくは、さやかちゃんとふれあい、日々を共に過ごす中で、しょんぼり顔だったのがどんどん笑顔になっていき、その笑顔に徐々に惚れて行ったのだと思う。男としては、そうなんだろうとわたしは勝手に想像している。
 だが、実際分からないのは、さやかちゃんの方だ。彼女は、イケメンを前に、やっぱり一目ぼれ的感情はあったのだろうか? まあ、あったんでしょうな。少なくとも好意がなければ、部屋に入れないよね。だとすると、はあ……やっぱり「※ただしイケメンに限る」というのは真実なんだなあ、とブサメン歴40数年のわたしとしては残念に思うほかなかろう。やっぱりね……。いいよ。もうそれ、知ってたし!! と強がっておくことにするか……。あーあ……イケメンに生まれてきたかった……。
 そして物語は、いつき君の突然の失踪で、大きな山場を迎えるのだが、いつき君失踪後のさやかちゃんの暮らしぶりが、わたしは原作の中で一番好きな、そして最も切ない部分だ。ここでの充希ちゃんもとても良かった。冒頭でクソ上司に対してしょんぼりしているよりも、いつき君を喪ったさやかちゃんのしょんぼり振りの方が、より痛ましくて、わたしなら絶対に放っておかないような、淋しそうな表情は、大変にグッと来た。なので、最後に再会し、幸せな笑顔でエンディングを迎えた充希ちゃんは、より一層、可愛く見えたと思います。

 というわけで、結論。
 『植物図鑑 運命の恋、ひろました』は観ていてとてもうらやましくなるような、非常に素敵な恋愛ドラマであります。原作ファンも、キャストのファンも、ぜひ劇場で観ていただきたいと思う。わたし的には、大変楽しめました。以上。

↓ わたしとしては、どこでロケをしたのか凄く知りたいんだよな……あれは荒川の土手かな? どこの河原なんだろう。コイツにはロケマップが収録されているようなので、チッ……買うしかねえ、か……。




 というわけで、すぐ観たかったのに、時間が合わなくて先延ばしになっていた『殿、利息でござる!』を観てきた。いきなりだが、やはり、真っ先に思うのは、タイトルのセンスの良さである。2年前の映画、『超高速!参勤交代』のレビューを書いた時にも触れたが、タイトルだけで、「ん?」と思わせるのは映画を商業作品として考えた場合、非常に有効なことだ。
 いまだに、映画業界人の中には、「映画は公開してみないと(ヒットするかどうか)分からない」と寝言をほざく古き人々がいるが、わたしは、断じてそれは許しがたいと思っている。
 少なくとも、関係者は、「いや、この映画は絶対売れるっす!!!」と、根拠がなくたって構わないので断言すべきだし、そのためのあらゆる努力をすべきだ。公開する前から「分からない」というのは、100%言い訳というか、予防線を張っているだけのChicken Shit以外の何者でもない――と、わたしは偉そうに考えている。違うかな?
 で。既に『殿、利息でござる!』は公開されてもう2週間以上が過ぎており、興行収入もちょっと見えてきた。わたしのあまり当てにならない計算では、おそらくは、最終的に15億に届くかどうかまでは行くものと予想している。公開土日の数字は、最終的に15.5億を稼いだ『超高速!参勤交代』より若干少なかったと記憶しているが、その後のランキングの推移を観ると、どうも同等か、チョイ下か、ぐらいだからそう予想するわけだが、ズバリ、観てきた今現在、わたしとしては『参勤交代』よりも『利息でござる』の方が面白かったので、わたしの予想が外れてもっと売れてくれればいいなー、と思っている。なお、15億稼ぐと仮定すると、これは十分な大ヒットと言っていい数字であろうと思う。製作費や宣伝費などはまったくデータがないので、想像するしかないが、15億稼げば、余裕で黒字であろう。劇場公開といういわゆる1次スクリーンだけで黒字というのは、素晴らしいことだ。あ、いや、どうかな、時代劇は金がかかるからな……余裕で黒字かどうかはあまり自信はないです、はい。
 ちなみに、わたしが観たのはおとといのファーストデーの夕方の日本橋TOHOシネマズだが、もう公開2週間以上経過しているにもかかわらず、結構なお客さんの入りであった。スーツ姿のおっさん&お姉さんの二人組がやけに目に付いたし、どういうわけか一人客のお姉さんも結構いたのがちょっと意外だった。もっとおじいちゃん・おばあちゃん主体かなと思ってたのに、へえ~、である。 
 ※2016/06/20追記:7週時点でまだ12億程度のようで、ちょっと15億は難しそうな情勢です……残念だなあ……

 物語については、大体上記予告の通りと言っていいと思う。おまけに言うと、予告の最後にある通り、実話だそうだ。ただ、この予告では描かれていない重要なポイントが二つある。というか、わたしはこの予告を観て、二つ、ええと、どういうことだろう? と疑問に思ったことがあった。
 1)お上に金を貸す……ってなんで? お上は金に困ってるの?
 2)貸す原資はどうやって調達するんだろ? 予告では「家財道具を売り飛ばし」的な流れのようだけど、それで足りるのか? 貧しいんだろ?
 という点だ。なのでわたしは、その点に大変興味があって観に行ったのだが、共に本編内できっちり説明さていて、それでいて、とんでもない無茶な設定でもなく、実にグッと来る、いいお話であったのである。わたしは、結構感動した。以下、もうネタバレ全開ですので、自己責任で読むなり去るなりしてください。

 まず、第1のポイントは、結論から言うとお上は金に困っていた。
 舞台となるのは、仙台藩で、時代としては1766年から7年(8年か?)ぐらいにわたる、意外と時間軸的に長期のお話であった。なので、この物語で言う「お上」とは、伊達家のことである。時の藩主は、仙台藩伊達家7代当主の伊達重村である。昨日、ちょっとWikiで調べてみたところ、重村は1742年生まれ。なので物語の始まる1766年時点で24歳ってことか(ちなみに家督を継いだのは1756年・15歳の時らしい)。わたしは全く予備知識がなかったので、「お上」=江戸幕府のことかと思ってたが、全然違ってました。
 そして今回、その重村を演じたのが、ゴールドメダリストとしてお馴染みの羽生弓弦くん。彼は今、えーっと、21歳、なのかな? なので、重村より若干若いけれど、十分許容範囲内というか、全然問題ナシだし、実際、芝居振りも、意外と言ったら大変失礼だけど、全然違和感なくお見事であった。仙台出身だしね。なので、このキャスティングをひらめき、そして実現させたプロデューサーはもう、素晴らしい仕事を成し遂げたと褒め称えられるべきだとわたしは思う。お見事だ。
 で、なんで金に困っているか。仙台藩といえば、一般常識的には大きな名門で、金に困ってるとはあまり思えないのだが、どうも、残念ながら、7代の重村は15歳で当主の座に着いたからなのかわからないけど、Wikiによれば「失政」をやらかし、おまけに天明の大飢饉も重なって、財政的に大変ピンチに陥ったそうである。ただ、天明の大飢饉は、1782年~1788年ぐらいらしいので、今回の物語よりも後の話だから、まあ、それはあまり関係がないかもしれない。よくわからんけれど。
 なので、今回のお話の段階で、仙台藩が金に困っていた状況というのは、「若き重村が官位を賜るために京の有力者たちへの工作資金が必要だった」と映画では説明されていた。しかも官位が欲しい理由は、なにかと張り合っていた薩摩藩島津家に負けないため、だったらしい。そういう背景があったんだなあ、というのは、わたしはまったく知らない話だったので、へえ~、と面白く感じた。ははあ、なるほど、である。恐らくその点は史実通りなんだろうと思うが、まあ、はっきり言って庶民からすれば大変迷惑な話ですな。

 で。第2のポイント、一体全体、つましい暮らしをしている庶民がどうやって金を集めたか、である。ズバリ言うとこの点がこの映画の根本的なお話で、その金集めに苦労する顛末を描いたお話であると言っていいと思う。結論から言うと、とある人物がせっせと貯めていた金が決め手になるわけで、その、何故せっせと金を貯めていたのか、が実に泣けるというか、グッと来るのだ。
 物語は、京での商いから帰ってきた村の切れ者の男・篤平治が、藩から押し付けられている「伝馬」という仕事で財政的に疲弊している自分が住む村の窮状に、「そうだ、藩に金貸して、逆に利息をもらって、その利息で伝馬を運営すればいいんじゃね?」とひらめくところから始まる。そして、その貸す金集めが始まるのだが、当然、みんなそんなに金を持っているわけがない。おまけに、ここが一つのポイントで、実に分かりにくいのだが、正確に言うと、藩に「金を貸す」のではない。「金を上納する」のだ。つまり、出した金は「帰ってこない」のである。これはとても分かりにくいとわたしは感じた。返ってくる金なら出してもいいけど、返ってこないんでしょ? というわけで、なかなか金を出してもいいという人は集まらないのである。そりゃそうだよね。
 たぶん、この構造は、現代的に言うと、出資であろう。出資金は、はっきり言って普通は帰ってこない。そのかわり、出資者(もっと分かりやすく言うと株主と言ってもいいかも)は、「配当」をもらうわけだ。この映画では、その配当を、村のために使おう、という構造なんだろうと思う。どうだろう、ちょっと自信がないな。わたしの理解は正しいのかな? なので、この映画は、実際のところ、金を貸して、利息をもらう、というものではなくて、出資してリターン(配当)をもらう、という方が正しいように思った。まあ、上場株であれば、出資(=株を買う)しても、いつでも時価で売って現金化できるけれど、まあ、非上場の小さい会社なんかの場合は、出資した金はめったなことでは返ってこないのが普通なので(いや、もちろん株を買い取れと請求すればいいんだけど)、そういう行動と今回の映画は似ていると思う。
 というわけで、ちょっと話は脱線してしまったが、要するに金を出しても自分に返ってこないわけで、そりゃあなかなか金が集まらない。そこで、今回の物語で最大の鍵となるのが、「無私の心」という思想である。コレが非常にグッと来るわけです。物語は、なかなか金が集まらない中、村のみんなからは、「あいつはケチでがめつい守銭奴野郎だ」と言われていた男が、自らの身代をつぶしてでも金を出そうと申し出ることで、道が開ける。そして、何故、今まで、ケチでがめつく金を貯めていたかが明かされる。このエピソードがいいんすよ、とても。しかも、その男を演じた妻夫木聡くんの演技がまた抜群にいいんだな。これはぜひ、劇場で味わっていただきたいと思う。
 どうやらその「無私の心」というものは、パンフレットによると関一楽という人の書いた儒学の書物「冥加訓」にベースがあるらしいのだが、要するに、「善を行えば天道にかなって冥加(=神仏の助け・加護)があり、悪を行えば天に見放されて罰が与えられる」という思想らしい。これって、本当に、心に留めておきたいことだとわたしは激しく感動した。それと、金を出し合うメンバーはみんなで「慎みの掟」を定めて、その掟を守ることを連番状にまとめるのだが、その内容が、お互い喧嘩はやめようとか、自分が出資者であることは内緒にして、村を救ったなんてひけらかすようなことは慎みましょう、とかそういう内容で、大変気持ちが良かった。これって、現代で言うところの「株主間協定」と呼ばれる契約書そのものですよ。しかし現代の株主間協定というものは、基本的に相手を信用していない、裏切りを前提とした、実につまらんことをあげつらった契約が大半なので、たいていの場合、読むとウンザリするものだが、この映画でみんなが決める掟は実に「善なる」行為を表す美しいものだったと思う。
 というわけで、この映画は、基本的にはコメディで、芸達者な阿部サダヲ氏や瑛太くんの面白くも感動的(?)な芝居振りが予告をはじめ各種のプロモーションでは前面に押し出されているけれど、じつはかなり多くの名言が出てくる感動作だったのがわたしは結構意外だった。この映画、実のところすっげえド真面目な映画ですよ。そういう不意打ちも、実に見事だとわたしは思った。予告にもあるけれど、「あんたはどっちを見て仕事をしてるんだ!!」という瑛太くんの叫びは、日本全国のサラリーマンに観てもらいたいと思う。これは、藩の上級武士と村のみんなの板ばさみになってしまった、村の長的なキャラクターへ向けた怒りの爆発シーンなのだが、サラリーマン生活をしていると、ホント、そういう奴はいっぱいいますよね。上ばっかり見て、下のみんなを見ない野郎。現代のそういうクソ野郎は、大抵何を言っても無駄で、変わらない野郎ばかりだけれど、この映画ではきっちりと改心してくれて、みんなの味方になってくれるわけで、きっとこの映画は、サラリーマンが観るととてもグッと来ると思います。大変良かった。ぜひ、多くの方がこの映画を観て、そして、自らをちょっとでもいいから振り返って欲しいものです。

 ああ、もういい加減長いのでこの辺にしておこう。本当はキャスト一人一人書こうと思ったけど、もうあきらめた。はっきり言って、全員素晴らしい演技だったと思う。とりわけ、妻夫木くん、瑛太くん、阿部サダヲ氏、西村雅彦氏、他にもゴセイレッドとしてわたしにはお馴染みの千葉雄太くんも良かったし、意地悪な役人の松田龍平くんも大変良かった。女優陣も、竹内結子さんや、出番は少ないけれど草笛光子さんなど、みんな本当に素晴らしかったです。
 あとそうだ、もう一つ。わたしはずっと「金(=カネ、お金)」と書いてきましたが、実はこの物語でみんなが集めるのは「銭=ゼニ=硬貨=コイン」であって、「金=キン=GOLD=小判」ではない。この点もちょっとしたポイントになっているのも面白い。「武士は、銭は受け取れん。金(=小判)で持ってこい」と仙台藩の役人に言われてしまうのだ。で、銭と小判の両替レートが現代の為替のように流動的なんだな。だから、せっかく目標額に達しても、両替すると、やべええ!! 結構足りねええ!! みたいなことが判明したりと、意外とわかりにくい江戸期の通貨制度についておもしろ知識も得られて、わたしとしては大変満足の行く映画でありました。非常に面白かったと思う。

 というわけで、結論。
 『殿、利息でござる!』という映画は、コメディではあるけれど実話ベースの真面目なお話で、はっきり言って感動作である。わたしは非常に気に入った。そりゃあ、「無私」という思想を徹底して生きることは非常に難しいとは思う。けれど、やっぱりですね、真面目に生きて、少なくとも自分は「善」だと思える自分でありたいわけで、インチキをしたり、他人を踏みにじるような生き方はしたくないわけですよ。この映画を観て、そう思う人が増えるなら、日本人もまだまだ、世界に誇れるんじゃないすかね。少なくともわたしは、そう生きたいと思ってます。以上。

↓ 一応原作らしい。どうも、そういう無私に生きた日本人のエピソードを集めたものなのかな? 小説なのかな? ちょっと、読むしかねえかもな……。
無私の日本人 (文春文庫)
磯田 道史
文藝春秋
2015-06-10




 

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 まずは今週の週刊少年チャンピオン2016年27号の概況です。まあ、今週も通常運行でしょうか。
 ■『弱虫ペダル』:山岳ラインをTOP通過したのは箱根学園のエース葦木場くん。しかしその代償を払うことになるのか? ゴールまでの距離が分からないけれど、下ったらすぐにゴールらしいので、いったん集団に戻って足をためますが、果たして――。まあ、あり得る展開ですが、問題は残り距離でしょう。キモー筋くんが思う展開になるとは思えませんが。いずれにせよ、あとは今泉くんに任せたぜ!!
 ■『牙刃道』:武蔵VSガイア継続。ガイア、まるで歯が立たずの巻。
 ■『囚人リク』:第1関門クリア、だけど、「やりすぎちゃった」内海が見ていたァーーッッッの巻
 ■『少年ラケット』:練習試合編完結。イチロー君、ヨル君の試合を見に行くことにの巻
 ■『錻力のアーチスト』:弐織先輩の逆転サヨナラで試合終了。連載終了。残念です…… 
 ■『Gメン』:巻頭カラー。新学年スタート。勝太の妹、現るの巻 
 ■『AIの遺電子』:対クレーマーのサポセン勤務のヒューマノイドの話。
 という感じでした。

 さて。では今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 先週から、【丈影】と【泡影】の回想編に入り、二人が同期入門であり、【丈影】が高校相撲界を制した期待の新人であったのに対し、現在の最強横綱【泡影】が、入門時は全く期待されていないことが描かれました。しかし元横綱・禅定親方は、いち早く【泡影】の実力を見抜いており、今週はその【泡影】の前相撲の模様が描かれます。
 ところで、今週は現在時制の語り部である、日刊トップのデスク・山崎さんによる回想がメインです。山崎さんについては、前作『バチバチBurst』でお馴染みですね。鯉太郎の父親である、元大関・火竜の親友であった記者さんです。そしてですね、2週前に登場していた、山崎さんの部下の記者の名前が「橋 信」なわけですよ。彼は、佐藤タカヒロ先生のずっと前の柔道漫画『いっぽん!』でお馴染みのキャラです。『いっぽん!』で、主人公の春くんと同学年で、1年生で唯一の黒帯・経験者にもかかわらず、ちょっとワケありで、最終的には立派な戦力として成長する、あの橋くんですよ。ちなみに『いっぽん!』には、鯉太郎の兄弟子で、前々作『バチバチ』において壮絶な力士人生を全うした「吽形」さんも、名前だけ登場してます。
 というわけで、山崎さんが初めて【泡影】の前相撲を見た時のことを橋くんに語る形式です。
山崎さんと橋くんの会話から、鯉太郎と【丈影】は、もう何回か本割で当たっているそうで、まだ一度も鯉太郎は勝っていないそうです。相性が悪いんですかねー? という橋くんに、山崎さんは語ります。単純に【丈影】が強いだけで、そもそも【丈影】は三役以上に居たっておかしくない力士であると。しかし、山崎さんの意識は、【丈影】よりも、同期入門の【泡影】の異質さに向けられていました。【泡影】は、前相撲ではあっさり負け、現在最強を誇る横綱がまさかの黒星から相撲道を歩み始めたことを知って驚く橋くん。しかしその負け相撲の時に魅せた表情に、「寒気がした」と山崎さんは思い起こします。
 「俺は泡影が気になってな 少し追ってみることにしたんだ…」と当時を思い出す山崎さん。
 取材先の禅定部屋では、ちょっとした騒動が起きていました。親方が、【泡影】という「綱まで張った崇高な四股名」を譲るというのです。「それをこんな…この先どうなるかも分からない小僧に与えるなんて… この名はおいそれと与えていい名じゃないでしょう!!」と納得できない部屋付き親方に、禅定親方は言います。
 「彼しかいないのです 多少でも感度の高い者ならば 彼の持つ空気が違うことには気づくはずですよ…」
 この言葉に異議を唱えるのは、鳴り物入りで入門した【丈影】でした。
 「分かりませんね… コイツがどれほどの逸材か知りませんが 私より上には思えない… 手合わせさせてくださいよ… コイツと…」
 こんな生意気な口を利く当時の比嘉くん。禅定親方は言います。
 「どうやら 感度が高すぎるようですね…君は…」
 というわけで、部屋の土俵で対峙する二人の新弟子。しかしその勝負は、異質な【泡影】の能力が発揮されるものとなりました。どうやら、【泡影】は、ブチカマシを吸収することを無意識にできてしまうようで、その能力について禅定親方は語ります。
  「剛より柔…柔軟性が綿のように力を吸収する 目指すべき1つの型…恐ろしいですよ…それを無意識に出来てしまうのですから…」
 つまり、北斗の拳的に言うと、トキの拳ですよこれは!!
 しかもまた、【泡影】は、四股を習ったばかり。他のことは一切まだ知りません。ブチかましが効かない相手に、【丈影】は、慌てて張り手を何発も炸裂させます。しかし、その攻撃パターンは、まさしく前相撲の相手が展開したものと同じ。故に、【泡影】はこうつぶやきます。
 「ソレは…もういい…」
 つまり、どうやら【泡影】の強さは、慣性中和力による相手の攻撃の無効化と、無垢故に相手の技をどんどん吸収するコピー能力という事でしょうか。こ、これはますます北斗神拳めいてきました……。
 しかし、【泡影】の異質な強さはだいたいわかったものの。【丈影】がどうして鯉太郎的なすべてをぶつけて挑む相撲を否定しているのかはまだ不明です。恐らくは今後、【泡影】というバケモノを間近に見てきた【丈影】のその後が描かれるのだと思いますが、大丈夫かな……完全に咬ませ犬的ポジションなんですが……。まあ、おそらくまた、グッとくるお話になると思いますので、来週以降も大変楽しみですね!!
 というわけで、最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。本場所は7連勝中
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 7日目:【蒼希狼】西前頭六枚目
 8日目:【丈影】東前頭四枚目。横綱【泡影】と同期入門
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 【王虎】&【猛虎】共に東大関
 【天雷】東関脇  【田上】番付不明※王虎の付け人をやってることが判明!!
 【闘海丸】西小結 他の力士は表にまとめた記事を見て下さい。
 【泡影】東横綱。第72代。29場所連続優勝中。62連勝中。モンゴル人。
 
 というわけで、結論。
 今週の『鮫島、最後の十五日』では、横綱【泡影】の前相撲の様子と、【丈影】との関係性がうっすら描かれました。しかし、あれっすね、鯉太郎以外の取組も大変楽しみですね。白水さんや常松の戦いぶりも描かれることを期待したいと思います。以上。

↓ 今月のチャンピオンコミックスは、『ペダル』45巻が発売です。表紙は手嶋さん&青八木さんの3年生コンビですよ!!

 Terry Gilliam監督と言えば、かのMonty Pythonのメンバーであり、その独特の映像美と妙な未来風景だったり心象風景だったり、とにかく一風変わった世界観を見せてくれることでお馴染みのイギリス人(うそ!この人、元々はアメリカ人だったんだ!! 知らなかった!!) 監督である。わたしは正直、あまり好きな作風ではないのだが、中学生ぐらいに、今はなき松戸輝竜会館という映画館で、何故か『幻魔大戦』と二本立てだった『TIME BANDITS(邦題:バンデットQ)』を30年以上前に観て以来なので、わたしとしてはこの監督の作品を観てきた歴史は結構長い。
 現在監督は75歳だそうだから、当時はまだ40歳そこそこだったんですな。あの『バンデットQ』は非常に面白かったけれど、以降、『BLAZIL(未来世紀ブラジル)』や『The Fisher King(フィッシャーキング)』『12Monkeys(12モンキーズ)』など、映画オタクどもを熱狂させる名作を数多く世に送り出している偉大な監督のうちの一人だが、いかんせん、その映像と物語は非常に癖があって、フツーの人をまったく寄せ付けない強烈な個性が発揮されているため、たぶん、単純に物語を追うだけでは「なんのこっちゃ?」とポカーンとせざるを得ない作品が多い。
 しかし世の人々は、「全然意味わからなかった」と素直に言うと、映画オタクどもに鼻で笑われて小馬鹿にされてしまうため、それを恐れて、分かったような分からないような、微妙な反応をするのが普通だろう。だが、安心してほしい。分かったようなことを抜かすオタク野郎の大半が、「分かったオレってカッコイイでしょ!!」というアピールがしたいだけのめんどくさい系の人間であるので、逆に、「あーなるほどねーふーん」と棒読みのリアクションでもしてあげれば十分である。そして、そいつとはもう、なるべく付き合わないことをお勧めする。
 というわけで、そのGilliam監督が2013年に発表したとある作品は、その製作段階からかなり話題になっていたのだが、日本では全然公開されず、こりゃあお蔵入りになっちまったのかな、とわたしは思っていた。しかし、いつの間にか、去年2015年の今ぐらいの時期だったとおもうけれど、ひっそり公開されていて、わたしが気が付いた時にはもう東京での公開が終わる寸前で、劇場に観に行きそびれてしまっていた。が、さすがWOWOW。先日、Gilliam監督の作品をまとめて放送しながら、その最新作も放送してくれたので、わたしも録画し、昨日の夜ぼんやりと見てみたのである。
 タイトルは『THE ZERO THEOREM』。日本語で言うと、「ゼロの定理」と訳せばいいのだろうか、日本での公開タイトルは『ゼロの未来』という作品で、結論を最初に言ってしまうと、いかな映画オタクのわたしでも、正直さっぱりわけが分からん映画なのであった。

 一応、上記予告の通り、明確にストーリーはある。なので、雰囲気重視の、シャレオツ系自己満映画では決してない。なので、そういう意味での意味が分からないという方向ではない。単純に、時代や人物の背景が全く説明がないからわからんのであり、また、主人公が挑む「ゼロの定理」がどういうものか、良くわからんのだ。
 どうやら、作中のキャラクターの会話を聞いていると、どうも、万物の行く先はすべて混沌というブラックホールに飲み込まれ、1点(=ゼロ次元)に集約される、という事の証明をしたいようなのだが、そこは現代の賢い人ならピンとくる話なのかもしれないし、わたしも、へえ、なるほど? と思っていて観ていても、どうも実感として良くわからなった。
 しかし、その映像や設定など、結構面白い部分がたくさんあって、この映画を観てわたしはさっぱりわからんと結論付けたけれど、それでもやはり、これは面白い、と唸る部分はたくさんあったのである。
 わたしが面白いと思った部分を二つだけ紹介しよう。
 ■VRを進化させるのはやっぱりエロの力だ!!
 今現在、特にゲーム業界においては、「VR」が大変な流行で、鼻息荒く開発している会社が大変多いが、ゲーム好きなY君に言わせると、「VR」で一番重要なのはその映像やヘッドセット的な視覚効果装置ではなく、「入力インターフェイス」にあるんだそうだ。確かにそりゃそうだとわたしも同意である。どんなに映像的に没入感があっても、そのVR世界での操作コントローラー的なものが、例えばキーボードとか、ゲームコントローラーのようなモノから入力してたのでは話にならんし。
 で、この映画では、おそらく舞台は未来のロンドンなんだと思うが、やはりVRは日常的なものらしく、どうも、VRセックスが普通に普及しているようで、そのための「VRスーツ」なるものが出てくるのである。これがですね、まあ、全身スーツなんですが、ビジュアル的に非常におっかしいんだな。たとえて言うとですね、任天堂キャラでお馴染みの、「チンクル」っぽいんだな。とんがり頭でお馴染みの彼です。まあ、チンクルは緑だけど、この世界のVRセックス用(?)のVRスーツは赤なので、色は違うんすけど、なぜ頭(フード?)を尖らせたのか、Gilliam監督に聞いてみたいものだ。わたしはこのVRスーツのデザインを見て、「もう……これ、チンクルじゃねーか!!」と非常に笑ってしまった。まあ、全身スーツが今後開発されるかは分からないけれど、エロが今後のVR開発の原動力となるのは、結構真実ではなかろうか。
 ■エンティティ―解析
 主人公は、予告では天才プログラマーと説明されているけれど、正確に言うと「エンティティ―解析のプロ」である。これはコンピューターサイエンスに詳しくないとちょっと分からない言葉だと思うし、到底ど素人のわたしには上手く説明できないのだが、この映画で非常に面白いのが、いわゆる「Entity-Relationship Model(=実態関連モデル)」が、3Dポリゴンで描かれた広大な空間で表現されていて、その解析作業もまるでゲームのように描かれているのである。しかも、入力系も現代の我々が使うようなキーボートとマウスではなく、なんだろうあれは、一番近いのは、任天堂のWii-Uのゲームパッドかな? とにかく、そういったゲーム機のコントローラー的なものなのである。おそらく、あの解析作業の映画的表現は、本物のコンピューターサイエニストが観たら、かなり興奮するんじゃなかろうか、と思った。
 というわけで、相変わらずGilliam監督の描く映像美は、極めて独特で大変興味深いのだが、そういう意味で面白いとわたしは思うけれど、残念ながら物語的に不明な(勿論意図的に一切説明されていないだけ)部分が多くて、こりゃあ、フツーの人は見てもさっぱりわからんだろうな、と思うわけである。実際、わたしもさっぱりである。
 さて、最後にキャストをちょっとだけ紹介しておこう。
 主人公を演じたのが、Christoph Waltz氏である。Tarantino作品で2回のオスカー助演男優賞を受賞した男なので、まあ演技派と言ってよかろうと思う。今回はスキンヘッド&全裸での熱演であった。そしてこのキャラクターで特徴的なのは、自分を指す一人称に、「We=我々」を使うことであろう。その理由はちょっとだけ語れるが、サーセン、わたしは正直良くわからなかったです。
 そして、主人公が癒しを求める(??)、派遣されてきた女子を演じるのがMelanie Thierry嬢。全然知らない方ですな。フランス人だそうで、わたしとしてはほぼ初見の方であった。まあ、大変お綺麗な方です。芝居ぶりは、まあ、普通に良かったと思う。
 で、主人公が務める会社の「マネジメント」と呼ばれる謎の存在の社長を、Matt Damon氏が演じていたが、ほとんど出番はナシで、それよりも、その息子で、主人公の元に助っ人として派遣されてくる若者「ボブ」を演じたLucas Hedges君が非常に良かった。キャリアは始まったばかりのようだが、結構いろいろな作品に出ているようなので、今後の注目株かもしれない。おそらく、イケメンに成長すると思われます。その他、有名どころでは、ハリーポッターシリーズの「ルーピン先生」でお馴染みのDavid Thewlis氏や、リアルBLスターとしてお馴染みのBen Whishaw氏、SWのキャプテンファズマでお馴染みとなったGwendoline Christieさんあたりが超チョイ役で出ていたりしました。

 調べてみたところ、そうやらUSAでは極小規模公開しかされていないようで、まったく売れなかったようだし、評価的にもかなり低いようで、Giliam監督の今後が大変心配だ。わたし、『Lost in La Mancha』は観てないんすよね……。詳しいことはリンク先を見て下さい。

 というわけで、結論。
 久しぶりに見るTerry Giliam監督の作品『THE ZERO THEOREM』は、相変わらずの圧倒的な映像と独特のセンスから生まれる世界観は大変見ごたえがあるけれど、正直良くわかりません。なので、フツーの人は、とりあえず手を出さない方が良いかと思います。そして、この映画を執拗に勧める映画オタクが身の回りにいる場合は、心の中で、うぜえ、と思いながら、「今度観とくよー」と棒読みで返事をしてあげて下さい。以上。

↓ やっぱり一番面白いと思うけどな……わたしは実は『BLAZIL』はあまり好きではありません。
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