2015年12月

 2015年も今日でおしまい。
 どうやら今年は、劇場に観に行った映画は38本らしい。
 どんなのを劇場で観たか、自分用備忘録として一口メモを記しておこう。なんか、今年は結構観たけれど、ちょっとイマイチなモノが多かったような気がする。とりあえず、以下のタイトルには公式サイトへのリンクを貼っておいた。

【1月は3本】
■『シン・シティ  復讐の女神
 まあ普通の人が観たらなんだこりゃ、だろうな。明らかに前作のほうが面白い。てゆうかですね、Eva Greenちゃんは脱ぎすぎです。『007 Casino Royale』のヴェスパーのときはホントに可愛かったのに……。
■『96時間:レクイエム
 戦うお父さん完結編。最高です。しかし、お母さんかわいそう……。演じたのは、『X-MEN』シリーズのジーン・グレイ役でお馴染みFamke Janssenさん。意外と歳行ってるのね。美人です。
■『エクソダス 神と王
 Sir Ridley Scott監督も、どうもここ数年面白い作品が少ない。この作品もちょっと……。まあ、次回作『The Martian』を楽しみにしています。間違いなく面白そう。

【2月は4本】
■『ジョーカー・ゲーム』
 何故、変な架空の物語にしたのか、意味不明。伊勢谷友介氏が最強イケメンであることは間違いないが、結城中佐はもうチョイ歳を取ってると思うのだが……。原作小説は非常に面白い。2016年4月からTVアニメ放送決定。そちらに期待しよう。
■『アメリカン・スナイパー
 オレ的2015年ナンバーワン。Eastwood監督は本当にすごいおじいちゃんですな。主役のBradley Cooper氏も完璧だったと思う。アカデミー賞を獲れず残念。
■『きっと、星のせいじゃない
 US版せかちゅー的な、ゆとり恋愛難病ムービー。いわゆるYAノベル作品の映画化作品の実例として、勉強のために観たが、まあ、世界のどこでもこういう話は売れるんですな、と実感。
■『機動戦士ガンダム ジ・オリジンI 青い瞳のキャスバル
 原作コミックを、それこそ1コマも逃さず完全映像化。超ハイクオリティ。後付なのにきっちりとつじつまが合っている物語力が素晴らしい。映像・音楽・物語・声優陣、どれも完璧。

【3月は2本】
■『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密
 かの有名な天才アラン・チューリング博士を描いた傑作。面白かった。が、話題は同時期に公開された、やはり天才学者ホーキング博士を描いた『The Theory of everything』にもって行かれてしまったね。わたしはそっちは観なかった。
■『イントゥ・ザ・ウッズ
 Disneyキャラクター版アベンジャーズと期待して観に行ったのだが……歌は素晴らしかったけれど肝心の物語がかなり微妙……宮元亜門さん演出の日本語版ミュージカルが観たかった……。
 
【4月は0本】
 ああ、この頃はホントに毎日クソ忙しかったのう……。映画にも行けない毎日だった……。

【5月は2本】 
■『メイズ・ランナー
 これもYAノベルの映画化作品。原作小説を読んでから行ったが、まあ、小説よりは面白かったかな。11月に続編が公開されたけど、そっちは観てない。WOWOWでいいや判定。
■『チャッピー
 『第9地区』で世界を驚かせたNeill Blomkamp監督最新作。かなりいい。この監督は、実に自然な質感のCGというか特撮技術のレベルは30代の若手監督でナンバーワン。それどころか、 本物にしか見えない映像作りは世界最強レベルだと思う。日本の監督が見習うべき最高の手本。来年公開の『シン・ゴジラ』は大丈夫か極めて心配。

【6月は3本】
■『トゥモローランド
 興行的には失敗作と位置づけられてしまったが、うーん、基本ストーリーは悪くないと思うのだが……。
■『ハンガー・ゲーム:FINALレジスタンス
 大好きなJennifer Lawrenceちゃん鑑賞のためだけに行った。まあ、シリーズをずっと観てきたし。原作小説より映画のほうが面白いのは間違いないと思う。
■『マッド・マックス 怒りのデス・ロード
 どうせ喜ぶのはわたしのようなおっさんだけだろうと思っていたら、全世界的に大ヒット。それはそれで大変喜ばしいけれど、そんな傑作か? いや、わたしも好きですけどね。物語的にはかなり問題アリ

【7月は2本】 
■『アベンジャーズ:エイジ・オブ・ウルトロン
 超期待して観に行ったのだが、前作ほど盛り上がらなかったのは何故なんだろう? もちろん面白かったのは間違いないのだが。ところで、トニー・スタークは『アイアンマン3』で胸からアークリアクターを取り外したわけで、アイアンマン・スーツに直接取り付ける形に改良したのかな?
■『ターミネーター:新起動/ジェネシス
 十分面白かった。けど……ま、もうこれ以上作らなくていいんじゃないですかね、ターミネーターは。

【8月は2本】 
■『ジュラシック・ワールド
 いや、面白かったよ。でもうーん、どうなんでしょう。ジュラシックパークも、もうこれ以上作らなくてもいいんじゃないですかね。しかしここまで大ヒットするとは思わなかった。世界中で今年1番のウルトラ大ヒット。日本でも90億突破で今年ナンバーワンに。
■『わたしに会うまでの1600km
 オレ的2015年ナンバーツー、かも。ジンと来た。ただ、この映画を観て「自分探しの旅」なんて感想を抱く人とは友達になれないと思う。まあ、自分は鏡を見ればそこにいるし。この映画は、そんな話ではありません。

【9月は4本】 
■『劇場版 弱虫ペダル
 原作好きとしてとりあえず観に行ったが、まあ、ファンディスク的な付け足しムービーですな。
■『チャイルド44 森に消えた子供たち
 この映画を観た時は、きっと原作小説はもっと細かくきっちり描かれているんだろうと思って、後に原作も読んでみたが、今となって思うのは、映画のほうが面白かったな、というものである。原作を読んでも、イマイチな部分はイマイチで、続編もはっきり言ってイマイチ。この映画が一番面白いと思う。
■『キングスマン
 この映画も妙に評価が高いが、わたしはちょっとイマイチ。確信犯的なふざけすぎがイラッとする。なんというか、うーん、残念ながらわたしにはこのノリはついていけないというか、ついて行きたくない。
■『ピクセル
 ちょっと期待はずれだろうな……。映像はすさまじいけれど、物語が軽すぎて残念。まあ、作り手の愛は十分感じましたので、許します。
■『アントマン』 
 最高。来年の『CAPTAIN AMERICA:CIVIL WAR』が楽しみですな。ド・シリアスな空気の中で、われらが蟻男がどんな風に空気を読まずに活躍してくれるか、今からわくわくしますね。CAP軍に加わるか、IRONMAN軍に加わるかで、2代目と初代が喧嘩したら面白いのですが。

【10月は5本】 
■『バクマン。
 正直イマイチ。コレジャナイ。が、主役キャストの二人はとても良かった。脚本がダメ。演出も、もう飽きた。
■『ファンタスティック・フォー
 世間的な評価はもうボロボロ。そんなにダメかな? これがそんなにダメなら、世の映画の大半はアウトだと思うんだけど。わたしも絶賛はしないけど、十分アリだと思った
■『図書館戦争THE LAST MISSION
 非常に上等な映画化だと思う。原作ファンならば文句なしの出来栄えであろう。願わくば、完結編の映像化が叶いますように……。
■『機動戦士ガンダム ジ・オリジンII 哀しみのアルテイシア
 前作同様の超ハイクオリティ。素晴らしい。かつてガンプラを作って遊んだおっさんどもにぜひ観てもらいたい。
■『ジョン・ウィック
 想像してたよりも全然面白かった。おれたちのキアヌ先輩大暴れ。最高ですね。既に続編も決まっているそうで、期待したいですな。NYに行った時、この映画に出てくるホテルを探しに行くの忘れてた。場所は分かったので、次回NYに行く機会があれば、見て来よう。

【11月は6本】 
■『ヴィジット
 またもやらかしたシャマラン監督。毎回、新作が公開されるたびに、今度は大丈夫だよね……? と期待させるのは何故なんだ。まあ、わたしは今回でいいかげん懲りたかな……。
■『ミケランジェロ・プロジェクト
 わたしは十分楽しめた。面白かったと思う。わたしは初めて、Cate Branchettさんにグッと来たような気がする。役者陣が大変豪華であり、Geroge Clooney氏の監督振りも悪くない。 
■『エベレスト3D
 本当に怖かった。非常に恐ろしい映像を見せてくれた作品。どうせハリウッド的な派手な映像の映画でしょ、と思ったら、実話ベースの悲劇だった。どこからどこまでがCGなのかロケなのか、さっぱり区別がつかない。非常に映像もクオリティ高し。
■『レインツリーの国
 悪くない。非常に上等。男一人で観るのは厳しいものがあったが、原作の空気感も良く出ていると思う。もうちょっと売れていいはずなんだが、10億も行かないというのは残念だ。
■『007スペクター
 いろいろ脚本上の文句はあるけれど、十分楽しめた。まあ、Daniel Craigがカッコイイのは間違いないですな。いつか、TOM FORDのスーツを身にまとってみたいものです。
■『ハンガー・ゲーム:FINALレボリューション
 6月に書いたとおり、大好きなJennifer Lawrenceちゃん鑑賞のためだけに行った。無事完結できてよかったね。もうちょっと日本でも売れていれば、来日プロモーションもあったかもしれないのにね。
 
【12月は4本】
■『亜人
 クオリティは極めて高い。が、今後の展開次第か。現状では評価保留。原作漫画は正直飽きてきた。
■『母と暮らせば
 オレ的2015年邦画ナンバーワン。泣けたなあ。二宮君、吉永さん、黒木華ちゃん、ともに完璧。
■『スター・ウォーズ:フォースの覚醒
 前半最高、後半うーん? とは思うが、やっぱりJJは良く頑張ったと思う。これ以上の作品は、世界中の誰にも撮れなかったと思う。十分以上に楽しめたが、これもSAGA全体で評価したほうがいいのではないかと思う。いかんせん、謎が謎のままで終わってしまうのがなんとも歯がゆいというか、次マダー!?
■『クリード チャンプを継ぐ男
 最高。リア充Jrというのがちょっと引っかかるけれど、とにかく老いたロッキーことStalloneが最高。本当に来年2月のアカデミー賞授賞式で、Stalloneが助演男優賞を獲るところを見たいですな。

 とまあ、こんな感じです。

 というわけで、結論。
 今年は、冒頭に書いたとおり、ちょっとイマイチだったような気がしなくもないが、来年はというと……まあいっぱいあるけれど、まずは3月の『Batoman V Superman: Dawn of Justice』でしょうな。でも、きっとコレジャナイという気がしています。なにもWonderwomanまで出す必要はなかろうに……出来のほどが心配です。それから、4月末の『CAPTAIN AMERICA:CIVIL WAR』ですね。こちらは相当期待できそう。それから『X-MEN』の新作には、ポー・ダメロン役で名を上げたOscar Isaacも出るし、スターウォーズ初めてのスピンオフ『Rouge One』も来年と言われている。また、あの『Independence Day』のまさかの続編や『STAR TREK』の続編も夏にやってくる。ま、それぞれ大変楽しみですな。以上。

※今日は特におススメ商材なし。

 Robert Downey Jr.といえば、今や「主演興行成績による俳優ランキング」において3年連続でNo.1に輝くハリウッドきっての大スターである。が、その栄光を得る前は麻薬依存で極めて深刻な問題を抱えていたこともまたよく知られている。10代でキャリアをスタートし、27歳で主演した『Chaplin』でアカデミー賞主演男優賞にもノミネートされた演技派ではあったが、その後、コンスタントに映画やTVドラマに出演するものの、薬物問題で騒ぎを起こし、90年代後半から2000年代前半は、「終わった男」として見なされていたはずだ。その彼が今やハリウッドNo.1俳優としてあるのは、2008年『IRONMAN』のトニー・スターク役で大成功したことによるものと言っていいだろう。まあ、その副作用として、その後の彼の映画を観ると、何を観てもトニー・スタークに見えてしまうほどではあるけれど。もちろん現在は、薬物依存からは完全に立ち直り、クリーン宣言している。
 わたしが昨日の夜観た映画は、そんなRobert Downey Jr.が、トニー・スタークのような、うわべは軽薄な感じをまといつつも、心優しい(?)弁護士を演じた『THE JUDGE』(邦題:ジャッジ 裁かれる判事)である。結構ジンと来る印象深い芝居振りであった。 
 
 物語としては、まあ、ありがちといえばありがちで、正直なところ、どうやらこの映画の世の評価は高くないようだ。しかし、非常に演技の質は高く、わたしはとてもグッと来た。この映画は、やはり男が観るとグッと来るのではないかと思う。とくに、40代後半以上の、とりわけ、老いて衰えつつある父親を目の当たりにしているおっさんには、ホントに心に刺さると思う。
 主人公は、シカゴで敏腕弁護士としてバリバリに活動しているが、母がある日亡くなった。すぐに故郷のインディアナに向かう主人公だが、故郷には、一番苦手な父親がいる。兄と弟は歓迎してくれるが、父は握手だけでハグはしようとしない。判事として42年間、地元の信頼を得てきた父。母の葬式が終わったらさっさとシカゴに戻るつもりの主人公。だが、葬儀の翌日、シカゴへ発とうとする主人公は、ガレージにある父親の車に事故の跡を見つける。この車は、父が非常に大切にしている車で、誰にも運転させないはず。この傷は一体……? というわけで、物語は動き出す。すぐに、どうやら父が人を撥ね、しかも死亡事故を起こしてしまったらしいことがわかる。しかし、それが事故ではなく、殺人事件として起訴されることになって……という展開である。

 この映画で描かれる、父と息子の関係は、形は違っても、男なら誰しもが自分の父親との関係に置き換えられるのではないかと思う。わたしももちろん、親父が嫌いだったわけで、主人公と判事の父の仲の悪さは、観ていて全く心当たりのある場面ばかりである。ちょっとこちらから折れて、「こうしたら?」と言っても、聞きやしない。ああそうですか、勝手にどうぞ。全くもってどこの息子・父親間でも見られる光景ではなかろうか。そもそも、父親と仲の良い息子っているのかな? とさえ思う。しかし、それでも、「勝手にどうぞ!!」と切り捨ててしまうと、確実に後で後悔することになる。なぜなら、父親が先に死ぬこともまた確実だからだ。父の死に臨んで、あの時ああしておけば良かった、と後悔することは非常に辛いことだ。それは父のために、ではなく、自分自身の問題である。
 この、家族というものに対する問題は、以前、山田洋次監督作品『東京家族』でも触れたが、親孝行は、親のためというよりも、自分のためだというのがわたしの持論である。この映画の主人公と父親は、長年の確執を解消し、最後は美しく物語を終えることができた。それができたのは、最後の法廷シーンで、弁護士と被告という形での会話で本音をぶつけ合ったからであるが、ここでのRobert Downey Jr.と、父親を演じたDobert Duvallの芝居は非常に良かった。実際、父・Robert Duvallはこの作品で去年のアカデミー助演男優賞にノミネートされたのだが、受賞を逃したのは非常に残念だったものの、この映画のラストシーンの父と息子の語らいは、わたしのハートに非常に深く響き、確かな感動をもたらしてくれるものであった。
 役者陣としては、Robert Downey Jr.やRobert Duvallの素晴らしさはもちろんのこと、脇を固める役者の芝居も非常に印象深くお見事である。主人公の兄を演じたのは、Vincent D'Onofrio。この役者は、あれっ!? この人絶対どこかで観たことある、だけど誰だっけ? 絶対知ってる人だ、と思って調べてみたら、なんとあのスーパー名作『FULL METAL JACKET』で散々いじめられて教官をぶっ殺して自殺したあの「ほほえみデブ」じゃないか!! 最近では『Jurassic World』にも出ていたけど、すっかり渋い男になりましたな。演技ぶりも非常に良かった。とてもやさしい、いい兄貴を見事に演じておりました。また、対決する検事を演じたのは、Billy Bob Thornton。脚本家としてアカデミー賞を受賞している男で、Angelina Jolieの元夫としてもお馴染みだが、彼の演じた検事が、判決後に見せる表情が凄くいい。また、本作のヒロインとも呼べる女性を、Vera Farmigaさんが明るくキュートな中にも芯の強さを持つ女性を印象的に演じている。この人は、『Source Code』(邦題:ミッション:8ミニッツ)のグッドウィン大尉でお馴染みで、妹は『記憶探偵と鍵のかかった少女』のTaissa Farmigaちゃんですな。あと、監督のDavid Dobkinという男は、わたしは知らない監督だが、結構上手だと思う。画作りがオーソドックスだけど極めて丁寧で、また時に映されるアメリカの田舎の自然の様相も悪くない。全体を通して非常に美しいというか、とても綺麗に撮られていると思いました。いいと思います。

 しかしつくづく思うのは、こういう映画こそちゃんと劇場に行くべきだよなあという後悔である。わたしは基本的に家の近くのTOHOシネマズか、仕事場に近いTOHOシネマズで映画を観る。たまにIMAXのために109シネマズに行くぐらいだ。しかし、TOHOシネマズですべての映画が上映されるわけでは決してなく、こういう公開規模の小さい映画は、つい見逃してしまう。不精はイカンですな。まあ、その見逃した映画のためにWOWOWに加入しているわけだけど、やっぱり劇場で観たかったと思う。日本公開が2015年1月だから、WOWOWで放送されるのもだいぶ早くなって来ましたな。1年も待たずに放送してくれるWOWOWは、なにげに偉いと思うが、あの「W座への招待」という放送枠は勘弁して欲しい。あの小山薫堂氏の解説というか話は、いつもイラッとするので、たいてい見ません。

 というわけで、結論。
 『THE JUDGE』は、世間的な評価は低くても、わたしは観て良かったと思っている。大変心に染みました。この作品は男に、とりわけ40代以上のおっさんに超おススメです。Robert Downey Jr.のカッコ良さは、やっぱり本物ですな。以上。

↓ この映画でのRobert Downey Jr.も強烈です。クッソコメディですが、まあ凄いことになってますw 正直イマイチですが、彼の演技だけは必見、かも。
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2014-09-10

 というわけで、毎週月曜日は恒例の週末興行収入データです。
 先週、金額的には『STAR WARS』が1位、2位の『妖怪ウォッチ』よりも約2億円上回っていたものの、観客動員数では逆に『妖怪』の方が17万人ほど上回っていたので、主な情報サイトでは『妖怪』が1位!! 『SW』敗れる!! 的なニュースが飛び交っていました。
 結論から言うと、今週末も同じ様相を呈しています。
 それでは、 まずはいつもの興行通信社による大本営発表です。
 今週もわたしのランキングは「金額順」です。あくまで『SW』が1位と言いたいので。
 1位:『スターウォーズ/フォースの覚醒』;この週末は7億稼いで累計38.3億。このペースは、『ハリーポッター』の最終作と比べると若干少ない。ので、やっぱり行って100億チョイか。まあ110億程度というところかなあ。なお、動員順では今週も『妖怪』の方が上です。
 2位:『妖怪ウォッチ』:週末は5億稼いで累計で23億を突破。これは去年と比べると64%ぐらいなので、結構落ち率は大きいと思った方がよさそう。去年は累計で78億だったので、7掛けとすれば55億弱、65%とすれば50億チョイ。まあ、それでもすごいですな。
 3位:『orange』:累計数字は年明けにちゃんと調べておきます。まあ、20億行くかどうかってところでしょうか。
 4位:『007』:正確な累計数字は年明けに。12/23時点で20億突破したそうなので、30億目指して頑張って欲しい。
 5位:『母と暮らせば』:正確な累計数字は年明けに。10億は突破したとのこと。やっぱり先週の予想通り、16億~18億ぐらいが上限かな……。20億は無理か……平日興行で伸びることを期待したい。超おススメです。
 6位:『映画ちびまる子ちゃん』:今週初登場。金額不明。年明けに調べておきます。
 7位:『仮面ライダーゴースト 超MOVIE大戦ジェネシス』:金額不明。年明けに調べておきます。
 8位:『杉原千畝』:金額不明。年明けに調べておきます。10億もキツイのかな……。
 9位:『映画 ハイスピード』:金額不明。年明けに調べておきます。
 10位:『I LOVE スヌーピー』:金額不明。年明けに調べておきます。意外と粘るね。先週の段階ですでに5億を超えていたので、大健闘だと思う。すごいことだよこれは。
 以下、なんとわたしの現在のイチオシである『クリード~チャンプを継ぐ男』は11位だそうで、TOP10位ならず。でも、たぶん金額順なら10位に入るんじゃないかと……年明けに調べて、修正するかもしれない。くそーーースヌーピーより下かよ……悔しいいいい!!!

  というわけで、今年の週末興行収入データはこれにて終了です。なお、どうやら今年の日本国内の映画興行TOP10がまとまったらしいので、以下にまとめておきます。
まず、2015年の邦画ベスト10は以下の通り。
 1位『映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』78億円(※去年の年末公開の奴ね)
 2位『バケモノの子』58.5億円(2015/07/11公開)
 3位『HERO』46.7億円(2015/07/18公開)
 4位『名探偵コナン 業火の向日葵』44.8億円(2015/04/18公開)
 5位『映画ドラえもん のび太の宇宙英雄記』39.3億円(2015/03/07公開)
 6位『ドラゴンボールZ 復活の「F」』37.4億円(2015/04/18公開)
 7位『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』32.5億円(2015/08/01公開)
 8位『ビリギャル』28.4億円(2015/05/01公開)
 9位『ラブライブ!The School Idol Movie』28億円(2015/06/13公開)
10位『映画 暗殺教室』27.7億円(2015/03/21公開)
 てな感じだそうです。ヤバイ、この中で観たのは『巨人』だけだ。しかも飛行機の中で。とても金を出してみる気にはならんわなあ……。
 で、次は2015年の洋画のベスト10は以下の通りです。
 1位『ジュラシック・ワールド』95億円(2015/08/05公開)
 2位『ベイマックス』91.8億円(2014/12/20公開)
 3位『シンデレラ』57.3億円(2015/04/25公開)
 4位『ミニオンズ』52.1億円(2015/07/31公開)
 5位『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』51.1億円(2015/08/07公開)
 6位『インサイド・ヘッド』40.3億円(2015/07/18公開)
 7位『ワイルド・スピード SKY MISSION』34.2億円(2015/04/17公開)
 8位『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』32億円(2015/07/04公開)
 9位『ターミネーター:新起動/ジェニシス』27.3億円(2015/07/16公開)
10位『テッド2』25億円(2015/08/28公開)
 となるそうです。この中では、『シンデレラ』と『ワイルドスピード』と『テッド2』以外は観ましたね。『アメリカンスナイパー』が入らなかったのは残念。確か20億は超えてたはずなんだが……。
 で、邦画と洋画を合わせた総合TOP10をまとめてみるとこうなると。
 1位『ジュラシック・ワールド』95億円
 2位『ベイマックス』91.8億円
 3位『映画妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』78億円
 4位『バケモノの子』58.5億円
 5位『シンデレラ』57.3億円
 6位『ミニオンズ』52.1億円
 7位『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』51.1億円
 8位『HERO』46.7億円
 9位『名探偵コナン 業火の向日葵』44.8億円
10位『インサイド・ヘッド』40.3億円
 まあ、こうして並べてみれば明らかな通り、今の日本の映画興行市場は、子供と10代~20代の若者が映画館に来ないと、30億を超えるようなヒットには絶対にならないということが明らかなわけで、まあ、そりゃ当たり前かというつまらない結論しか導き出せないのが悲しいですね。しかし、『ミニオンズ』って面白いかなあ……第1作目の『怪盗グルー』は観たけれど、日本の子供が観て面白いとはあまり思えないのだが……。 まあ、US本国でも『ミニオンズ』は3.36億ドル(=1$120円として403億円)稼いで、2015年の第6位と大ヒットなので、たいしたもんですな。

 というわけで、結論。
 どうやら『STAR WARS』は100億は超えるにしても、それほどのウルトラスーパー大ヒットにはならない模様です。まあ、おっさん主体だから仕方ないですな。あと、わたしイチオシの『母と暮らせば』は16~18億程度という動きです。そして、『クリード~チャンプを継ぐ男』は5億も厳しいかもな……ほんとに残念です。以上。

↓今年ナンバーワンの『Jurassic World』は2月にBlu-ray発売だそうです。全世界で既に16.68億ドル(=2002億円)稼いでます。すげえ。
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2016-02-24

 昨日の夜は、『ミレニアム4』を読み終わって、非常に興奮していたわけであるが、さっさと寝ようと思って布団に入って、さて、次は何を読むかと本を漁ってみたものの、なんとなく本を読む気にならず、じゃ、映画でも観るか、とHDDにたまっているWOWOWで録画した映画をチェックしてみた。
 その結果、時間的にも100分ほどと、短くて手ごろな作品があったので、じゃ、コイツでも観てみるか、と何の前知識もなく観始めた。その作品の名は、『PREDESTINATION』(邦題はそのまま「プリデスティネーション」)である。 

  ところで、わたしの場合、どういう基準でWOWOWの作品を録画するかというと、まあ実に適当なもので、毎月最終週のちょっと前ぐらいに送られてくる番組ガイドの冊子を見て、翌月の放送タイトルから、これは絶対録画しよう、とか、なんだこれ、面白そうだな、とか、こんな映画知らねえなあ、とりあえず録っとくか、とか、あ、この俳優が出てるんだ、じゃ撮っとこうとか、そんな感じのフィーリングで決めて、1か月分まとめて予約をしてしまう。わたしの使っているHDDデッキは、月の最終週になると、翌月1か月分予約可能になるので。
 なので、ストーリーか役者か監督か、どれかにピンときた作品を実にテキトーに録画しまくっており、まあとにかくHDDの容量がいくらあっても足らないわけで、これは永久保存だね、と思った作品はBlu-rayや外付けHDDに移している。 
 で。昨日観た『PREDESTINATION』は、見始めてすぐに、なんで録画しようと思ったか思い出した。「時空警察」というワードに、わたしは反応したのであった。この作品は、かのSF界の巨匠、Robert A. Heinleinの短編小説を原作とした、「タイムトラベル」モノの純SF作品である。残念ながら原作小説は未読だが、実にしっかりとした、そして物悲しいハードボイルドSFで、非常に見ごたえのある作品であった。

 そもそも、世には「タイムトラベル」を題材にしたSF作品は数多く存在するが、基本的に核となるのは大抵の場合、「過去に干渉した場合の未来への影響」、いわゆるタイムパラドックスを描くものが多いと思う。例えば、かの『Back to the Future』も、過去に干渉してしまったために、自分という存在が消えてしまう事になった主人公が、それはヤバイと一生懸命に元の事象の流れに戻そうとする話で、普通は深刻な話が多いが、珍しくコメディーである。わたしもそういう作品は実に大好物なので、この『PREDESTINATION』を紹介する短い文章の中に「時空警察」という4文字を見つけて、これは、と反応したわけであるが、この作品の一番の特徴は、そのタイトル「Predesitination=運命」が示す通り、すべての行動は、過去に干渉するものであれ、最初からそうなるように決まっていた、何をしてもその影響すらも予定通り、という、逃れられない運命にとらわれた男の一生を描いている点にある。うーん、うまく説明できないな……この作品の、原作小説の邦題は「輪廻の蛇」というそうだが、要するにウロボロス、自分のしっぽを飲みこむ蛇、ということで、無限ループになってしまうお話である。いわゆる「鶏が先か、卵が先か」のお話と言ってもいいだろう。

 物語は、「時制局」と呼ばれる組織のエージェントが、1970年代にNYで起こった爆弾魔の犯行を阻止しようとするところから始まる。1万人以上の被害者を出した犯罪阻止のために、時をさかのぼってやってきた主人公だが、あっさり犯行阻止に失敗、全身やけどを負ってやむなく元の時である1985年に戻る。再建手術ですっかり人相も変わってしまた主人公は、再び時を渡り、今度は1960年代のNYへ。そこで、バーテンダーという仮初めの身分においた主人公は、一人の青年に出会い、その青年の壮絶な人生を聞き、自分のMissionをその青年に託すことにするのだが――。
 と、これ以上はもうどうにも説明できない。非常に興味深いのは、その青年が語る彼の人生である。極めて数奇な人生で、その奇妙な人生は、『The Curious Case of Benjamin Button』のような、それだけで一つ物語が成立できるようなもので、一体この男の人生がどう関係するのか? と考えると、物語全体の構造が、ははーん? と分かって来る仕掛けになっている。
 また、細かい設定もいちいち面白く、例えば、タイムマシンとなっているのがバイオリンケースで、時を「ジャンプ」するにはそのバイオリンケースをしっかり抱きしめていないといけないのだが、いわゆる「時空酔い」みたいなものもあって、時(と空間)をジャンプすると、身体的な負担が大きく、主人公もだんだん弱っていく。そして、青年と主人公の関係が明らかになるときには、意外と深い感動的な何かがわたしの心を鷲掴みにした、のだが、正直なところ、えーと結局爆弾魔って……? と考えると、ちょっとエンディングは説明不足のようにも思える。解釈はどうも観客(読者)に任されてる系かもしれない。

 まあ物語はそんな感じなのだが、主演の二人は実に渋く深い演技ぶりだったと言えよう。主人公を演じたのは、Ethan Hawke。若いころからコンスタントに活躍している彼だが、この人の転機となったのはやっぱり『Training Day』でしょうな。2001年の作品だからもう15年も前か……。この作品ですげえ悪党を演じたDensel Washingtonはアカデミー主演男優賞を獲ったけど、その受賞も、対照となる役のEthanの演技が光っていたからこその結果だと思う。そして、本作の鍵となる青年を演じたのは、Sarah Snookちゃんという可愛らしい女性。ネタバレですが、青年が語る話の直前に、実はオレはかつては女だった、と自分ですぐにバラすので書いてしまいますが、その女性時代のSarahちゃんが、誠に可愛らしい眼鏡っ子で、実に魅力的であった。まだキャリアは浅いみたいですが、非常に印象的な演技を見せてくれました。この女子は、スーパー美人というわけではなく、実にわたし好みの、ちょうどいい塩梅の可愛さで、ちょっと今後要チェックですな。

 というわけで。結論。
 『PREDESTINATION』という映画は、極めて高品質な純SF物語であった。役者の演技も極めて上等。原作を読んでみようかなという気になった。劇場公開は、今年の2月ごろだったそうだが、全然知らなかったよ。まあ、わたしの知らない映画もいっぱい公開されているもんですなあ。以上。

↓ Sarahちゃんが本作の次に主演したホラー『Jessabelle』。これも観てみたいな……。つか、これ、WOWOWで観たかも……?
ジェサベル *セルBD [Blu-ray]
セーラ・スヌーク
エイベックス・ピクチャーズ
2015-06-03

 はーーー……昨日書いた通り、わたしはとある海外翻訳ミステリーを一昨日から興奮して読み始めているわけだが、今、読み終わってしまった。やれやれ。たぶん、読書を習慣にしている人ならば、上巻・下巻ともに4時間かからないぐらいで読めると思う。合計約8時間弱。はーーー……面白かった。幸せです。続きが読めたなんて。
  というわけで、これである。
ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (下)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 昨日も書いたので、もはや紹介の必要はなかろう。全世界で8000万部売れた、大ベストセラー。しかし、著者は刊行前に亡くなっており、その続きは読めないものと誰しもががっかりしていたあの『ミレニアム』シリーズの、まさかの続編である。
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 ※2016/01/29追記:やたらと「ミレニアム4」「文庫」で検索してここにたどり着く方が多いので、余計なお世話の蛇足ですが、文庫が出るのは出版界の常識からすると2年以上あとです。わたしもかつては文庫が出るまで待つ派でしたが、よく考えると、どうせ文庫でも1冊1000円近くするので、それならもう、さっさと読みたいときに読む派に変わりました。かつて、「ミレニアム」の1~3を文庫が出るまで待ったわたしが言うのもアレですけど。置き場所に困る人にも、電子書籍というソリューションがありますよ。超便利です。
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 昨日は、この続編は出版社側が、存在するとされている第4巻の途中までの原稿や、シリーズ全体のプロットをなかったものとして、まったく別の作家に書かせたいわゆる二次創作らしいと書いたが、出版社だけでなく、亡くなった作家の父と弟も、続編を書くことを出版社とともにお願いしたそうだ。どうやら、正当な版権所持者は遺族である父・弟・出版社であるらしい。なので、亡くなった作家Stieg Larsson氏と長年パートナーとして苦楽をともにしたであろう女性は、一切関与していないようだ。なんかそれも残念な話ですが。まあ、100%間違いなく断言できるのは、亡くなった作家のためではなく金儲けのための刊行であろうということだ。だって、そうでないなら、存在するといわれる未完原稿をないがしろにするわけないもの。そういう点では非常に、どこか素直に大歓迎する気持ちにはなりにくいが、まずは味わってみたいという誘惑には抗えないのも事実である。

 ともあれ。
 実際に発売された『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を読み終わった今、確かな自信を持って言えることは、シリーズを読んできた方なら、この『4』を十分楽しめることは間違いなかろうということである。非常に面白かった。巻末の解説によれば、文体も非常にLarssonを思わせるもので、きっちりと勉強して書かれているそうだが、はっきり言って『ミレニアム』シリーズを読んだのはもうだいぶ前でそんなこと言われてもわたしには全然記憶にないし、そもそも翻訳で読んでいるので、わかりっこない。ただ、これも昨日書いたが、ちょっと場面転換は上手じゃないかも、とは思う。主体のキャラが変わったとき、すぐに物語の筋を追わず、その人物描写が若干長めに入るので、そこで流れが一瞬切れてしまう箇所がいくつもあるのは、おそらく誰でも感じるのではなかろうか。しかし、そんなことはどうでもいい。物語として面白ければ。で、実際のところ、非常に面白かったわけで、わたしとしては大満足である。

 おそらく、これまでの3部作を読まないで、いきなりこの作品を読もうとする人はまずいないであろう。いるとしたらよっぽど変な人だと思うな。ま、そんなこともどうでもいいので、あくまで『ミレニアム』3部作を読んでいることを前提に話を進めますが、明らかに、『ミレニアム』3部作は、まだ未完であったと誰もが感じているはずだと思う。あいつって結局どうなった? というキャラクターが一人、残っていたことを覚えているだろうか? わたしは明確に覚えていた。なので、絶対に今回の『4』では、そのキャラクターとの対決の話になるであろうと思って、最初の上巻のページを開いたのである。

 上巻は、とあるコンピューターサイエンスの天才の話から始まる。まだ一体、どんな話になるか分からない。また次に描かれるのは、我らが主人公ミカエル・ブルムクヴィストが所属する出版社の看板雑誌「ミレニアム」が、またもや存続の危機に陥っており、うっかり受けた資本提携先から、「ミレニアム」の誌面について横槍が入りそうだということが分かる。おいおい、せっかく資金を出してくれたハリエット(第1部のヒロイン)はどうなっちゃったんだよ? と思いつつも、現在の世界的な出版不況からすれば、そりゃ、雑誌だけでは出版社が生きていけないことは、嫌というほどわたしは承知しているので、この展開は、痛いほど良く分かる。ああ、「ミレニアム」もそりゃヤバイわな、と。増資を引き受けてもらって、その時は「経営には口出ししません、今まで通りやっていただければ」なんて口約束があっても、その後に、しっかりと経営に口出ししてくるなんてことは、残念ながら世には普通に起こることである。なので、主人公ミカエルが、「ミレニアム」を救うには部数を回復し、どうしても売上を伸ばさないといけないわけだが、残念ながら前3作でモノにしたスクープの栄光も落日のものとなり、やたらとバッシングにさらされてしまっていた。あいつは古い、過去の人だ、みたいな。
 そんな、もうしょんぼりな状態のミカエルに、冒頭のコンピューターサイエンスの天才と会って話しを聞いてみて欲しいという情報提供者が現れる。なんでも、天才はとある画期的な発明をなしている、が、ハッキングの被害にあった。それは間違いないことで、天才もそう言っているし、その天才が唯一認めている「凄腕ハッカー」もそう断言している、と。ミカエルは、まーたどうせ、与太話でしょうよ、と思って適当に話を聞いていたものの、その「凄腕ハッカー」なる人物が、「女」であり、「タトゥーとピアスだらけで、ゴスとかパンクとか、そういう感じでした。あと、がりがりに痩せていました」という話を聞いて、な、なにーーー!! ということになる。ここまで読めば、当然シリーズを読んできた我々も、な、なんだってーーーーー!? ですよね。わたしも大興奮。とうとう来た。我らがヒロイン、リスベット・サランデル様の登場ですよ!!!
 とまあ、ここまでの間に、実はもっといろいろな出来事があるのだが、ネタバレになるので書きません。いずれにせよ、ここから先はわたしはもう、ページをめくる手がどんどん加速していくわけです。そして、あの、シリーズ三部作では結局ほとんど出てこなかったアイツが、やっぱり黒幕であることが下巻ではっきりする。これはネタバレかも、とは思いましたがその人物に心当たりがある人なら、結構はじめの方、上巻の真ん中あたりでピンと来ると思います。

 しかし、きっちりこの『4』で、想像通りアイツとの対決が描かれたことは、ファンとしては大変嬉しい展開であったと思う。なかなか分かってるじゃあないか、とわたしとしてはこの作品を高く評価したい。ただ、結末は若干の、ほんの少しだけど、ここで終わり!? 感はある。まあ、確実に今後も描くためのヒキとしては非常にアリだし、事件自体はきっちりと、そして結構美しく終わるので、十分以上にお見事ではあると思う。こうなったら、早く次を出版していただきたいですな。予定では、次の『5』が2017年、『6』が2019年だそうで、まるで『STAR WARS』と同じ展開だそうです。
 また、映画の方も、シリーズ第1作目をせっかくDaniel Craigという現代最強イケメン007を主役としてハリウッドリメイクしたのに、その後のシリーズの映画化は全然進んでいませんが、どうやら次は、今回の『4』を映画化するらしいという情報も既に出ている。それはそれで、わたしとしては十分アリだと思う。『2』と『3』は明確に前編後編といった構成なので、長いし、シリーズとしては絶対に欠かせない物語が描かれているけれど、映画としてその部分を飛ばすことは、小説をちゃんと読んでいれば、という前提条件の下ではあるけど、アリですね。とはいえ、キャストとして、主人公ミカエルはもっとおっさんイメージなので、Daniel Craigだとカッコ良すぎるし、強そうに見えすぎると思うけどな。リスベットは、ハリウッド版のRooney Maraちゃんよりも、スウェーデン版のNoomi Rapaceさんの方がイメージに合っているとは思うけど、もう、今のNoomi Rapaceさんではダメでしょうな。歳を取りすぎてるので。↓こちらがスウェーデン版の映画の予告

 とまあ、わたしとしては非常に楽しい8時間を過ごせたわけで、今回大抜擢されて本作を書いてくれたDavid Lagererantzs氏を大いに賞賛したい。そりゃあまあ想像を絶するプレッシャーであったろうに、良くぞ頑張ってくれました。その辺のことは上巻のあとがきに結構書いてあります。
 また、どうでもいいのだが、今回の『4』のサブタイトルは、スウェーデン版オリジナルでは「われわれを殺さないもの」というものらしい。これは……要するに監視社会のことだろうか? いろいろ書くとネタバレになるのでやめときます。なお、「蜘蛛の巣を払う女」 というサブタイトルは、英語版のサブタイトルの翻訳ですね。ちなみに、第1作の「ドラゴン・タトゥーの女」というサブタイトルも、実は英語版のサブタイトルで、スウェーデン版のサブタイトルを訳すと「女を憎む男」という意味らしい。まさしく、リスベットの敵、ですな。

 最後に、既に読んだ人、これから読む人に、昨日も挙げた参考となるものを挙げておこう。
 冒頭の方に出てくる、リスベットとフランス・バルデルが大学で出会ったときの議論、あれを理解したい人は、これを観た方がいい。これを観た人なら、あのシーンの二人の会話がすんなり理解できると思う。映画として超傑作。わたしはかなり好き。
インターステラー [Blu-ray]
マシュー・マコノヒー
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-11-03

 それから、フランス・バルデルが研究していた内容を理解したい人は、これを読むとかなり具体的に分かると思う。まあ、本の内容としては、かなりつまらないけど、知識としては十分以上に人工知能の危険性を理解できるものです。
人工知能 人類最悪にして最後の発明
ジェイムズ・バラット
ダイヤモンド社
2015-06-19

 わたしは偶然、↑の映画も観てたし、本も読んでいたので、非常に本作を楽しめたし、フランス・バルデルが命を狙われる背景も実感として理解できた。
 また、このBlogを読んでいる人にはお馴染みのように、わたしはクソ映画オタであり、Marvel コミックのヒーローが大好きなわけです。本作『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』を既に読み終わった人なら、わたしが何を言いたいか、分かるよね? わたしは、敵が「サノス」と名乗っていると判明した時点から、もうリスベットのハンドルネームについて、まさか!? と思いました。そしてそれが的中したときは、もう大興奮でしたw

 というわけで、結論。
 『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』はわたしはもの凄く面白いと思います。たぶん、亡くなったStieg Larsoon氏の書こうとしていた作品とはまったくの別物だとは思う、けれど、もう二度と会えないと思っていたリスベットと、再び出会えた我々は、やっぱり幸せだと思います。シリーズを読んできた人は、是非とも今すぐ書店へGO!! でお願いします。以上。

↓ やっぱ、一度は行ってみたいですなあ……。
るるぶ北欧 (るるぶ情報版海外)
ジェイティビィパブリッシング
2015-02-25

 もうだいぶ前になるが、とある小説が全世界で大ヒットした。
 『ミレニアム ドラゴンタトゥーの女』である。 

 著者は、スウェーデンの作家Stieg Larsson。この作品以降、いわゆる「北欧ミステリー」が全世界の書店の本棚を席巻することになるわけだが、彼はなんとも不幸なことに、2005年の第1巻発売より前の2004年11月に、心臓発作で亡くなってしまった。ので、自作が大ヒットすることを知らぬまま、この世を去ってしまったのである。
 だが、彼の死後発売されたこの『ミレニアム』シリーズ全3作は、スーパー大ヒットとなり、本国スウェーデンで3部作すべて映画になり、後にハリウッドでも、かのDavid Fincher監督、Daniel Craig主演でリメイクされるほど世界中の人々に熱狂をもって迎えられたわけである。

 ↑ これはハリウッドリメイク版の、一番最初の予告。超カッコイイ!! ただし、ハリウッドリメイクは雰囲気や演出は格段にスウェーデン版オリジナル映画よりも優れているものの、はやり、一番肝心な主人公のリスベットに関しては、あきらかにスウェーデン版の方が上だと思う。演じたNoomi Rapaceも、このスウェーデン版の出来のよさからハリウッド進出を果たすことになった。
 ハヤカワ文庫から発売になったのが2011年なので(? なんかもっと前のような気がしてならない)、わたしが読んだのはひととおり熱狂が落ち着いた頃だったわけだが、読んでみて、こりゃあ面白い!! とその魅力を堪能し、大興奮したわけである。だが、つくづく惜しいと思ったのは、著者が既に亡くなっており、この続きが読めないなんて拷問だよ!! という残念なお知らせであった。
 というのも、これも全世界的に知られていることだが、Larssonはすでに4作目を書いている途中であり、プロット的にはもうだいぶ先の方まで完成していたのである。そしてその著作権をめぐって、遺族・出版社・そして内縁の妻が訴訟を起こして泥沼化してしまったのである。本当に残念なことだが、内縁の妻といってももう何十年(?)も活動をともにしてきたパートナーなので、わたしが思うに一番作品のことを知っている女性だと思うが、その彼女と結婚していなかったがために、こんな泥沼抗争となってしまったわけで、あーあ、続きはもうないのか……とあきらめていた。

 しかしである。
 今年2015年の9月、なんとシリーズ第4作が世界35カ国で発売となった。
ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 これはもう読むしかねえでしょうが!! と思った人は、おそらく日本国内でも20万人ぐらいはいたはずだ。も~~……早川書房さんよ……とっとと出せよこのノロマ野郎が!! と、イライラしながら日本語訳を待ち望んでいた人も、20万人ぐらいいたはずで、ようやく今月、日本語版の発売と相成った。ありがとう早川書房様!! とコロッと手のひら返しで感謝の念をささげたのは、わたしだけではあるまい。とにかくこれで年末は決まりですよ、というわけで、じっくり楽しませてもらいましょうと、本をうっかり開いてしまったわけです。
 しかし、これはイカン。何を言っているか分からないと思うが、わたしに起こったことをありのままに言うと、ぺ、ページをめくる手がと、止まらねえええ……!! という有様である。
 本作は、結局、出版社側が、既に存在するLarssonの手による4巻の途中までの原稿やプロットなどをすべてなかったことにして、新たに別の作家を立てて書かせた作品である。なので、厳密な意味では二次創作と言っていいだろう。だが、これはかなり期待できる。相当面白い、と現時点では感触を得ている。
 まあ、読み終わったらまた詳しく感想を書くので、それまで結論は保留だが、今、読み始めて3時間弱、上巻の228/349ページまで来たところだが、今のところかなりいい。特に、ミカエルがリスベットと再びコンタクトが取れたシーンは極めて上等。いいね。リスベットが、ミカエルからのコンタクトに思わずニヤリとするシーンでは、わたしもニヤついていたと思う(※リスベットはほぼ笑わない女子です)。
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 ※追記:さっき上巻読了。詳しくは明日書きます。ちょっと、場面転換が若干下手かも、とは思ったけれど、肝心のストーリー自体は非常に良いです。これは面白い。まだ上巻だけど。
 あと、ストーリーの本質には関係ないけれど、Christopher Nolan監督の『Intersteller』を観ている人には、序盤でリスベットが語る理論がすんなり理解できると思う。非常に難しい話だけど、まさしく『Intersteller』で語られるものなので。
 もうひとつ。わたしが9月ごろにレビューして、クソつまらなかったと書いた、『人工知能 人類最悪にして最後の発明』を読んでおくと、今回のキーとなる理論が良く理解できると思います。↓これね。
人工知能 人類最悪にして最後の発明
ジェイムズ・バラット
ダイヤモンド社
2015-06-19

 この二つは、本作を読む前に観たり読んだりしていると、本作をより楽しめると思います。
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 というわけで、結論。
 まだまったく作品評価できる段階ではないが、『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』は「今のところ」かなりイイです。と、大興奮でいるわたしを記録にとどめておこうと思います。まあ、読み終わって、なんだよFUCK!! と怒り狂う可能性もありますが、楽しみに読み進めたい。
 ※12/28追記:読了しました。レビューはこちらへ

↓ スウェーデン版も結構いいです。比較的、こちらの方が原作に忠実。だと思う。いや、どうだろう?
ドラゴン・タトゥーの女 ミレニアム<完全版> [DVD]
ミカエル・ニクヴィスト
アミューズソフトエンタテインメント
2012-02-03

 というわけで。
 現在公開中の『母と暮らせば』を観て、大いに感動してしまい、黒木華ちゃんという女優や吉永小百合さんや二宮くんはホントに素晴らしい、と、そこら中で事あるごとに話しているわたしだが、やっぱり山田洋次監督というのはすげえ、ということを今さら認識し、その後、WOWOWで録っておいて観ていなかった『小さいおうち』も観て、これまた感動し、ちょっとこりゃあ、山田洋次監督の作品は全部見ないと、映画オタクとして大変恥ずかしいのであろうということを、まったくもって今さらながら、明確にな事実として了解したわけである。
 と、Wikipediaで、山田洋次監督のフィルモグラフィーをチェックしてみたところ、意外と平成に入ってからの作品は既に観ていて、あとは『東京家族』を観れば、全部観てるかも、という事実が発覚した。なのでさっそく、『東京家族』をどこかのネット配信で観るか、と思ったのだが、いやまてよ、ひょっとしたら……と録りためてあるBlu-rayを漁ってみたところ、ちゃんとWOWOWで放送したのを録画してBlu-rayに焼いてあるのを発見した。さすがオレ。万事抜かりない男である。
 と、自画自賛する人間には、おおよそ、ろくな人間がいないと思います。

 この映画は、実のところ、小津安二郎監督による『東京物語』の平成リメイクである。ほぼ筋書きは同じ。なので、きっと自称・映画通の方々は、本作を小津作品と比較して、どうでもいいことを抜かす場合が多いのではないかと思うが、そんな比較は、わたしにはまったくどうでもいい。そんな1953年(昭和28年)の作品と比べて何か意味があるとでもいうのかね……? 家族の在り方なんて、まったくもって変わってしまっているというのに。
 それと、実はわたしは、黒澤明監督は大ファンで、生前一度だけお目にかかったことがあるし、全作品とも何度も観ている。ので、黒澤映画を語りだすと、おそらくは127時間ほどしゃべり続ける自信はあるのだが……小津安二郎監督の作品は、実はあまり好きではないのです。なんというか、あのまったり感? というか、静かなのっぺり感? がどうしても苦手で、黒澤的なギラギラ感の方がどうしてもわたしの好みなのである。実のところ、小津作品は、『東京物語』を含め、遺作の『秋刀魚の味』、それから『晩春』『お早よう』の4本しか見ていない。しかも、全部20年以上前に観たっきりである。
 なので、小津監督による『東京物語』のストーリーは薄らぼんやりとしか覚えていない。確か、尾道から出てきた両親が、(戦後の)東京の子どもたちの家にやって来て、あまりいい思いをせず帰ったところで母が亡くなり、そのお葬式に今度は東京の子どもたちが尾道ににやって来て、また嫌な感じでさっさと帰っちゃう、けど、戦争で亡くなった次男のお嫁さんだけはいい人だった、みたいな感じで、正直なところ正確なディテールは忘れている。確か長女がやな奴じゃなかったけ? ぐらいの印象しか残っていない。

 とまあ、こんなわたしが、昨日の夜、クリスマスイブだというのに、ぼんやりと、平成の世に生まれ変わった山田洋次監督による『東京家族』を観たわけだが、結果としては、映画の神様ごめんなさい、この映画を劇場に観に行かなかったオレは本当にバカでした。と深く謝罪をせねばなるまいという結論に至った。ホントすみませんでした。素晴らしかったです。
 山田洋次監督は、『寅さん』シリーズでも一貫して「家族」というものを描いてきた監督である。また、震災を経験した我々日本人にとっては、まさしく「家族」というものは極めて大きなテーマであり、山田洋次監督がこの作品を2013年に公開したことにも、大きな意味があると思う。
 この映画で描かれた物語は、間違いなく、わたしのような40代のおっさんや、50代ぐらいの人間には猛烈に突き刺さるはずだ。間違いなくやって来る親の死。それが10年後なのか20年後なのか、ひょっとしたら明日なのか。それは誰にもわからない。けれどその日は、100%確実にやって来る。親孝行は、親のためというよりも、自分のためだというのがわたしの持論だが、親を亡くした時に、胸を張れる自分でいられるかどうか。後悔をしなくて済む自分かどうか。やましい気持ちにならずに済んだ自分であるかどうか、それが親孝行の判定基準だとわたしは思っている。
 この物語の登場人物たち、特に子供たちはどうか。また、愛する妻を亡くした父も、どうなのか。たぶん、みんな後悔している。ああ言ってあげればよかった、こうしてあげればよかった、と。それはもう、どうしようもない。あまりに亡くなるのが急だったし、倒れて一度も意識は戻らなかったし。だがそういった気持ちは、あくまで自分が思うことであって、第三者にとやかく言われるものではない。
 そこが難しいところで、例えば、わたしとしては、仕事が忙しいと言って東京に来た母をあまり構わなかったくせに、葬式では母のアレが欲しいからちょうだい、とか言い出す長女なんかには、この人は嫌な女だなーと思うものの、実際のところ、その長女の本心はわからない。それを批判するには材料が足りなすぎるし、そもそもまったくの赤の他人なので、別にどうでもいいとしか言えない。
 しかしそれでも、少なくとも、なるべくこうはなりたくないなあ……という意味での一つのビジョンは示してくれる。やっぱり、映画というものは、まあもちろん小説でも漫画でもそうだけれど、観客や読者といった受け手自身に、自分のこととして振り返らせるような、心に突き刺さる作品が、傑作と呼んでいい作品なのだろうと思う。わたしはこの映画を観て、既に父を亡くしている男としては、残る母をどう送るか、が、おそらくは今後の半生における最大の問題であろうという認識をあらたにした次第だが、この映画は非常にわたしの心に突き刺さった。

 で。
 役者陣は、相変わらず素晴らしい芝居ぶりで文句はほぼない。やっぱり、妻夫木くんの適当でいながらやさしい次男とか、その彼女の蒼井優ちゃんは、若手ではトップクラスであろうことをこの映画でも証明してくれていると思う。妻夫木くんも、二宮くんと同じように、いつも本当に自然というかナチュラル系ですね。作りこみ系ではないですな、この人は。実に良いと思います。蒼井優ちゃんも、非常に可愛い娘さんを好演しておりますね。素晴らしい。また、長男夫婦、長女夫婦も、まあ先ほど書いた通り長女とは永遠に友達にはなりたくないが、演技としては非常にハイクオリティであった。長男の嫁を演じた夏川結衣さんは、非常にいいですな。物語上も結構いい人で、嫁として十分以上に夫の両親に対して優しい役だし、演技ぶりもとても良かった。
 そして老いた両親を演じた橋爪功お父さんと吉行和子お母さんもお見事でした。優しくていつも厳しい父親との間に立ってくれたお母さん。とても胸にしみました。元先生で、次男を理解しようとしない堅物のお父さんも、お母さんの偉大さが身に染みたでしょう。今後は、ちゃんと次男にも優しくしてあげないとダメですよ。まあ、現実にはホント、家族ってのは難しいですな。決して美しくはならないのが現実の家族であることは間違いない。たぶん、この映画で描かれた家族も、母を亡くしても、結局はそうあまり変わって行かないと思う。なので、たまにはこういう映画で、他人の家族を冷静に眺めて、自分に立ち戻って考えてみる必要があるんでしょうな。自分の家族ってやつを。

 というわけで、結論。
 『東京家族』は、40代以上の日本国民は全員観るべき価値のある作品だと思います。そして、やっぱり自分に置き換えて、今後どう生きるか、ちょっとだけでも振り返ってみた方がいいと思います。
 そして、『東京家族』とまったく同じキャストで贈る喜劇『家族はつらいよ』は絶対に劇場に観に行こうと思います!!


↓ 可愛いのに、なんかわたしの周りは嫌いと言う人が多いのは何故? わたしはもちろん大好きです。

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 早いもので2015年も今週がラスト、次回は年明けの1/7(木)になります。

 というわけで、最初に今週の週刊少年チャンピオン概況です。
 今週も、とりわけ驚愕の展開となった漫画はなかったといえるのではないでしょうか。『ペダル』は、変態小鞠くんの過去話から現在のスプリントライン残り600mまで進みました。最終ページに、ゴール前のちょっとした波乱要素が示されましたが、去年のインターハイ1日目のスプリント直前でも、同じような目に遭った泉田アブ一郎君、果たして今年はどうなるでしょう。『牙刃道』は、相変わらずバーで武蔵と酒を飲んでるオーガと、一方本部の道場でガイアがちょっと立ち会うぐらいの展開で、特に動きなしです。どうやら、本部のおっさんは実戦では強い的なイメージを読者に与えようとしていますが、まあ、どうなることやら、ですね。『リク』は塀の外の仲間たちの動きだけでした。それから、わたしが激しく応援している『ニコべん!』 ですが、前回、部活化することでいい展開になってきたと申しましたが、今週もかなりいい展開です。とうとう、ラブ要素も投入ですよ!! これはいいですね。このまま上手くいけば、アニメ化さえありうる展開だと思います。期待したいですね。とにかく、方言女子・梅宮ちゃんをはじめ、元気な巨乳っ子・多部ちゃん、ちょっと変態の伊調ちゃん、それから男に飢えてる顧問の先生など、女子が非常にキャラが立っており、きわめていい展開になってきていると思います。単行本は電子でしか買っていないけど、これは紙も買って応援するしかないような気がしてきましたよ。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースです 。
 長かった【蒼希狼】の回想が終わり、いよいよ【大山道】 兄貴と鯉太郎の取組直前です。空流部屋は、久しぶりにギャグ息抜き回的な、白水先輩の髪型の話を引っ張りますが、謎の外人力士【目丸手】の故郷の秘薬で、前々日の【巨桜丸】や前日の【岩ノ藤】に散々どつかれた鯉太郎の目もすっかり腫れが引き、準備万端の様子です。一方、【大山道】の山ノ上部屋では、【大山道】兄貴は朝げいこから熱が入っていますが、あの、嫌な野郎の後援会長が偉そうに見物に来ています。そしてまた嫌なことばっかり言う会長に、【大山道】兄貴が一喝。いい加減にしてください、【蒼希狼】はまだ終わっちゃいない、コイツほど相撲が好きな奴はいない、と。しかし、ダメ人間になってしまった【蒼希狼】は、そんな【大山道】兄貴の言葉にも、「俺はもう・・・終わってんだ・・・」と拒絶を示す。もうここから先の、【大山道】兄貴のセリフはカッコよすぎてシビレるので、全文を引用しよう。
 「そうか・・・分かった・・・ 本当は もう一度お前を 奮起させようと思ってたんだがな・・・ 今日の俺の取組・・・しっかり見ていろ お前にはもう取れない相撲を俺と鮫島で見せてやる・・・ お前がキッパリこの世界から足を洗えるようにしてやる・・・ それが兄弟子である 俺の役目だ」
 はーー・・・カッコイイ・・・。そして鯉太郎は、データ力士の弟弟子、常松こと【松明】から、【大山道】はベテランで曲者であり、常に冷静沈着で引き技は職人芸ゆえ、あまり熱くなりすぎないようにとアドバイスを得る。そして、よし・・・行くぞ六日目!! と気合を入れていざ、国技館に入場するところで今年は終了、続きは年明けでありました。 いやあ、【蒼希狼】がすっかり腑抜けた今、【大山道】兄貴がどんな漢を見せてくれるのか、楽しみに次回を待とうと思います。超・楽しみにしてますよ、佐藤先生!!

最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
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 【天雷】東関脇
 【蒼希狼】??? 最高位は小結
 ※右額の傷は、初入幕初日の【桐の里】戦で負ったもの
 ※現在の現役横綱は、モンゴル出身力士で「大横綱」と称されている模様 
  ただし、【蒼希狼】の過去話の時点なので、この9月場所も現役か不明。

 というわけで、結論。
 今週の『鮫島』は、いよいよ【大山道】兄貴との取組直前まで来ました。両者ともに、気合は十分。特に、【大山道】兄貴には、心に期すものがあります。大変な取組となるのはもう必定でしょう。楽しみです。
 そして、『ニコべん!』がどんどん良くなっていくのが大変喜ばしいのでありました。以上。

↓ 全然記事に関係ないですが、昨日本屋さんで売ってるのを見かけた。年末はこれを読んで生きようを思います。著者が亡くなっても、まさかの発売にオレ大歓喜。高いけど買うしかあるまいて。
ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (上)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

ミレニアム 4 蜘蛛の巣を払う女 (下)
ダヴィド ラーゲルクランツ
早川書房
2015-12-18

 わたしにとっての青春は、明らかに小学校から高校卒業・大学入学までの80年代だと思う。大学生から社会人になったばかりの90年代よりも、ずっと明確に80年代のほうがいろいろなことを覚えているような気がする。そんなわたしにとっては、『STAR WARS』で映画に目覚め、『ROCKY』や『RANBO』のSylvester Stalloneで育ったようなものだと言っても過言ではないわけで、非常に特別な想い入れがある。
 その、『ROCKY』シリーズの最新作とも言える作品が『CREED』である。

 わたしは、この映画のことを知って、最初の予告を見た時点で、これはすごい傑作になるという予感をひしひしと感じていた。そもそものタイトル『CREED』と聞いて、マジか、アポロの映画か!? とすぐに分からない人はまったくもって『ROCKY』愛のない人種であろう。だがわたしは、もうタイトルだけで大興奮である。クリードといえば、アポロ。それはコーラを飲んだらゲップが出るのと同じぐらい当たり前である。そして最初の予告で、アポロJr.と思われる黒人青年が、あの「星条旗パンツ」をはいて戦っている姿を観ただけでで、わたしは泣きそうであった。これ、絶対にロッキーが「これは……お前の親父さんから借りっ放しになってたモンだ。やっと返せる時が来たようだ」と手渡すシーンがあるに決まってる!!! という興奮した体で、激しく周りの人々に、この映画は絶対観ないとダメだ、と宣伝しまくったのだが、どうにもみなさんリアクションが薄い。そうか、そういう世の中なのね……と若干の失望と絶望を感じるに至ったが、まあ、実際、日本でわたしと同じくらい興奮した人は、きっと1000人もいないのであろう。折りしも、『STAR WARS』の新作が公開され、話題は完全にそっちに持っていかれてしまっており、もちろんわたしも、『STAR WARS』には特別な愛があるので大興奮したわけだが、一方で『CREED』の公開も、猛烈に楽しみに待っていたのである。おまけに、かの格付けサイトRotten Tomatosでも93%Freshという非常に高い評価である。これはもう、傑作確定じゃんか、とわたしの期待はいやがうえにも高まっていた。
 で。さっそく今日の初日に観に行ってきた。結論から言うと、超傑作!! とまでの絶賛は出来ないけれど、十分に期待に応えてくれたと思う。
 物語は、ほぼ予告で語り尽くされているので、おそらく上記に貼った予告を観ていただければ想像が付くと思う。そして、まあほぼ想像の通りだ。ひとつだけ、これは開始数分で明かされることなので、ネタバレだけど書いてしまうが、主人公は、アポロ・クリードの愛人の子、である。なので、「アドニス・ジョンソン」という名で、苗字も違う。たしかに、思い返せば、『ROCKY』の第1作、第2作目でのアポロの様子からすれば、そりゃあ愛人もいたんでしょうな、と思わせるスーパー・モテモテ振りだったので、この設定は十分許容できる。なにしろ、「アーイ・ウォンチュー!! アーーーイ・ウォンチューーー!!」と叫びながら、美女軍団を引き連れてリングに上がっていた男である。
 余談だが、わたしは実は年代的に、『ROCKY』第1作と第2作は、劇場では観ていない。劇場では『3』を中学生の時に観たのが最初なのだが、『1』および『2』はTVでしか観ていない世代なので(まだVIDEOレンタルさえない時代)、どうしてもアポロというと、日本語吹き替えの内海賢二さんの声を思い出してしまうが、とにかく、アポロといえば派手で「アーイ・ウォンチュー!!」である。そんな彼に愛人がいて、子供が出来ていたという設定は、まあ、アリだと思う。で、そんな「愛人の子」である彼は、父を当時の「ソ連人」ボクサー・ドラコにリング上でぶっ殺された時はまだ母親のお腹の中であったそうで、母親も出産後まもなく亡くなっているという設定だ。
 なので、事実上両親の顔を知らない子として、親戚をたらいまわしにされ、施設で育ち、喧嘩に明け暮れていたアドニス君(推定7歳ぐらいの子供)だが、ある日一人の女性が引き取りに現れる。その女性とは、アポロ・クリードという伝説の男の正妻・未亡人だった。あなたの父親は偉大な男だった。その血があなたには流れている。と、愛を持ってアドニス君を引き取り育てることにする。そして時は流れ、施設で殺伐とした幼少期を送ったアドニス君も、アポロ夫人に引き取られてからはきちんとした教育を受け、金融業界でスーツを着て真面目に働く立派な若者に成長する。だが、彼に流れる血は、常に戦いを求めており――、という流れである。
 まあ、強引といえば強引な物語だが、『ROCKY』愛に満ちているわたしにはまったく問題ナシである。ただ、観終わった今、やっぱりどうしても文句をつけたくなってしまう点がひとつだけある。
 それは、かなりアドニス君が「リア充」であるという点だ。まったくもって、「ハングリー」じゃあない。なので、彼が戦う理由が、アポロの血がそうさせるというだけでは、ちょっと物足りないのだ。まず第一に、金に困っていない。そして、生まれ育ったLAから、ロッキーのいるフィラデルフィアに引っ越してきても、即、彼女が出来る。ま、これはモテないわたしのひがみ100%であろうことは否定できないが、うーん、金にも困ってないし女にも困ってない、果たしてこういう男が強くなれるんだろうか? という点は、ちょっと疑問である。
 わたしは、日本のボクシングには余り興味はないが、WOWOWで放送される「Excite Match」は結構好きで、世界戦はかなりの数を観ている。そして、その解説をやっているジョー・小泉氏(知らない人はWikipediaでも読んどいてくれ)の、スーパーおやじギャグ交じりの解説の大ファンなのだが、本作のパンフレットには、そのジョー・小泉氏が解説を書いてくれている。曰く、「親子2代のチャンプはほとんどいない。なぜなら、ハングリーな境遇から王座を獲得した男は、同じことを息子にさせたがらないし、ボクサーの道を選んだとしても、偉大な父の元で裕福な暮らしをしていた男で大成した例は非常にまれ」だそうだ。なので、今回のアポロJrことアドニス君のリア充ぶりは、確かに幼少期につらい思いはしたとはいえ、ちょっとどうなんでしょう、という気はしなくもない。また、ボクシングシーンも、そりゃ映画だから仕方ないけれど、ここまで食らったら普通はもう立てないでしょ、というものであるので、純粋ボクシングファンからすれば、ちょっと文句は言われそうではある。
 後もうひとつ、強いて文句をつけるとしたら、アポロの元トレーナーで、『ROCKY BALBOA』(邦題;ロッキー・ザ・ファイナル)で強い味方になってくれたデュークが出てこないのはちょっぴり淋しいっすな。

 しかし、である。わたしはやっぱりこの映画を褒め称えたい。
 わたしがこの映画で賞賛したいのは、老いたロッキー・バルボアを見事に演じきったStalloneと、もう一人、監督のRyan Cooglerである。
 まず、Stalloneは、わたしとしてはキャリア最高の演技だったのではないかと思った。もちろん、若きころの『ROCKY』、『ROCKY2』も最高だったけれど、決してそれに劣らない、素晴らしい演技だった。元々Stalloneは脚本も書くし監督もやる、なにげに頭脳派の男だ。演技も、実際うまかったのだが、あまりにもマッチョを売りにしていたので正当な評価を得ていないと思うが、例えば『RANBO』の1作目だって、ものすごく渋い味わいのある演技振りだった。冒頭の、友を訪ねたものの既に亡くなっていて、一人とぼとぼと寒い中を歩くシーンなど、実にいい演技だった。今回も、人生の天国と地獄を十分に味わいきった男を見事に演じていたと思う。だから、どうか彼に、アカデミー助演男優賞をあげて欲しいと心から願うばかりである。素晴らしかった。
 そしてもう一人、監督Ryan Cooglerだが、今回は脚本も1986年生まれのこの男が書いたようだ。1986年生まれというと、1984年公開の『ROCKY4』の頃にはまだ生まれてもいない野郎である。この男は2011年に大学院を卒業して、2013年に『Fruitvale Station』(邦題:フルートベール駅で)という映画でデビューするのだが、何でも、大学在学中から本作の企画を立て、デビュー作の『Fruitvale Station』の準備中に、Stalloneに本作の売り込みに行って、その時は、パンフレットのインタビューによれば「ノー、ノー、ノー」と言われて断られたらしい。しかし、デビュー作『Fruitvale Station』の出来も良く、1年か1年半後に、Stalloneも「突然、天才的なアイディアだ、アレを断るなんて、なんてオレは心が狭かったんだ」と反省し、OKをもらうに至ったそうである。わたしも、実際アポロの子供をロッキーがコーチする、という基本プロットは天才的なアイディアだと思う。
 そして、わたしがこの男をすごいと思うのは、その演出である。よーく観ると、結構長回しをポイントポイントで使っていて、驚いたのがアドニス君のプロデビュー戦である。なんと全編長回し。ニュートラルコーナーから出撃して勝つまでのおよそ4~5分ほど、カメラを止めていない。また、クライマックスの戦いも、控え室から、リングに上がって対戦者が出てくるまで、ここもカメラを止めない長回しである。だから、まあおそらくは役者陣も、NGは出せないと緊張しますわな。その緊張感が、まさしく試合前のボクサーの緊張感と見事にシンクロしているようにわたしには観えた。これは相当なリハーサルと計算がないと絶対に出来ないことだ。
 最後にもう一つ。きっちりと、あの、誰もが知っている「ロッキーのテーマ曲」を、ここしかない!! というタイミングで見事に使っている点も、お見事であった。この男、若いくせによーく「わかってる」野郎ですね。Ryan Coogler(ライアン・クーグラーと読む)。この監督の名前、覚えておいたほうがいいと思う。こいつ、きっと近い将来、すげえ作品を撮ると思うな。デビュー作の『Fruitvale Station』は観ていないので、ちょっと早いとこ何とか観る機会を作ってみようと思う。
 なお、主演のアポロJrを演じたMichael B Jordan君は、その『Fruitvale Station』にも主演で出ているそうで、その後でわたしが絶賛している『Chronicle』や、今年公開されてさんざんな評価を受けてしまった『Fantastic 4』に出演したわけだが、その彼も『Fruitvale Station』での演技が絶賛されているようなので、これはもう、なんとかして観るしかないですな。
 また、ファイトシーンがちょっとアレかも、とは書いたけれど、今回のアポロJrと対戦する相手は、全員が現役ボクサー・引退した元ボクサーといった本物ぞろいなので、その点では見ごたえ十分である。ジョー小泉氏がそう言っているので、間違いないと思います。はい。

 というわけで、結論。
 『ROCKY』が好きなら迷わず劇場へGO!! そうでもない人でも、カッコイイ男の生き様を観たい人には強力におススメします。とにかくStallone隊長が渋くて素晴らしい。あと、星条旗パンツなんですが、劇中ではわたしが想像していたよりももっと感動的にJrに託されるシーンになってましたよ。以上。
 
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2014-09-17

 最初に表明しておくが、こう見えてわたしは女性が大好きであります。
 しかし。散々映画や芝居を観たり、漫画や小説を読んだりしているわたしが、気に入ったり、誉めるのは大抵において男であり、その点であらぬ嫌疑を持たれないようにお願いしたいのだが、現状のハリウッドスターの中では、セクシーハゲでおなじみのJason Statham氏はわたしが非常に気に入っている男の一人である。何しろカッコイイ。いや、わたしの審美眼からすると、別にイケメンとはちっとも思わない、つーかむしろ若干ブサメンなのではという気もするが、それでも、この野郎はいつも渋くてイカすのである。
 わたしは、尊敬と愛をこめて、Jason Statham氏を兄貴と呼んでいるが、彼は、常に眉間にしわを寄せ、強面でバッタバッタと悪い奴をぶっ飛ばす役で、たまーに悪役も演じるが、結果的にはいつも同じような役ばかりを選んで演じており、往年のSchwarzenegger御大やStallone隊長のように、何か血迷ってコメディに挑戦するなどといった暴挙は見せず、一貫してStatham兄貴はおっかないおっさんを演じ続けている。今のところは。
 世にセクシーハゲというジャンルを切り拓き、おそらくは、セクシーハゲ世界選手権大会開催の折には、Druce WillisやNicolas Cage、あるいはMark Strongといった、そうそうたるワールドクラスのハゲオヤジどもと熾烈な優勝争いを演じるに違いない逸材であり、髪の心配を常に抱えて不安な思いをしている世の男たちに勇気と希望を与えてくれる星(スター)として輝いていることも間違いない。
 そんなJason Statham兄貴であるが、実にコンスタントに、年に1~3本は確実に主演映画が公開されるのだが、いかんせん、わたしの大好きなB級グルメ作品であるため、公開規模が小さく、やべえ!! 新作来た!! とやおら興奮しても、近所のシネコンでの上映がなく、結果的にWOWOWでの放送待ち、と相成る作品が非常に多いのが残念である。というわけで、先日わたしが観た『HOMEFRONT』という映画も、その予告を観たときは絶対観てえ!! と激しく思ったものの、あっという間に公開終了で見逃してしまっていた作品なのであった。
 
 日本公開が2014年8月で、WOWOWで放送されたのも今年の夏ごろ(?)とずいぶん前なので、超今さらなのだが、先日のHDD大調査によって発掘された一品で、やっべえ、そういや観てねえ!! ということが判明したので、第一優先で観たわけであるが、内容は、ズバリ言うと上記に張り付けた予告で98%ぐらい語られている。
 潜入捜査官として、とある麻薬組織を見事お縄にした兄貴。ただ、最後の捕り物の際に、明確にギャングの親分に裏切り者とバレてしまい、また、親分のバカな息子も、兄貴は助けたかったのにぶっ殺してしまった。まあそれはバカ息子がバカだったから仕方ないのだが、何とも後味の悪い逮捕劇になってしまったと。
 で、物語は(確か)2年後。捜査官を辞め、名前を変え、とある田舎で愛する小学生の娘と平和に暮らす兄貴。しかし閉鎖的な小さい町では、やたらと兄貴は目立つ存在で、娘もクソ不細工なデブガキにいじめを受ける。が、さすが兄貴の娘、きっちり護身術を伝授されており、デブの鼻っ面に見事に正拳をクリーンヒットさせ一発KO。しかし、そこからがマズかった。デブの母親がとんでもないモンスターペアレントで、学校に怒鳴りこみ、そして兄貴にも喧嘩を売って来ることに。が、当然兄貴に勝てるはずもなく、麻薬を密造している自分の兄に、「アイツ、超むかつくんだよ、マジでやっちゃってよ、兄ちゃん」と依頼。その悪党兄は、ぜんぜん気乗りしなかったのだが、ちょっと忍び込んで書類を漁っていたところ、ステイサム兄貴の過去を知ることになってしまい……というお話である。
 まず、この映画の見どころポイント<1>は、冒頭の潜入捜査官時代のステイサム兄貴の髪型だ。な、なんとロン毛wなんですよね。しかも全く似合っていないw。むしろ、若干プレデター的な趣すらある、いわゆる落武者系である。やばしww。わたしとしては、もう本当にこれだけで、この映画は非常に満足である。
 そして、見どころポイント<2>は、何気にいい役者を使っている点である。その、麻薬密造をしている悪党兄を演じているのは、James Francoである。かの『SPIDER-MAN』シリーズでGreen Goblin Jr.としておなじみのイケメンだが、コイツはかなり才能ある野郎で、演技も非常に上質だし、何よりこいつは勉強が大好きらしく、UCLAやニューヨーク大学などを卒業してから、イェール大学の大学院にも通ってるインテリ野郎である。何本か監督したり脚本書いたりもしており、きっと将来もっとすごいことを成し遂げるのではないだろうかとわたしはにらんでいる有望株である。で、コイツの悪い癖(?)とわたしが思うのは、すごいB級作品に突然出ては、これまたひどいブッ飛んだキャラクターをたまーに演じることがあり、今回はドシリアスとはいえ、別にこの役にJames Francoを使う必要ないのでは……と思ってしまうよな、イケメンの無駄遣いである。もうちょっと、役を選んでいいと思うんだこの人は……でもまあ、James Francoの素晴らしいゲス野郎ぶりによって、ステイサム兄貴のカッコ良さがより一層輝いたと思うので、作品にとっては大変良かったと思う。ちなみに、James Francoの彼女的存在として出てくるゲス女を、Winona Ryderが演じており、かつての美少女もずいぶんと……と思わなくもないが、まったくもってこの映画にはもったいないというか、彼女ももう少し仕事を選んでいいと思うんだ……オレ……『Beetlejuice』とか『Edward Scissorhands』のころは大ファンだったんだぜ……。
 最後、見どころポイントというか要チェックポイント<3>ですが、この作品は、Slvester Stallone隊長による脚本であるという事実だ。こちらの動画をご覧いただきたい。

 この動画で語られている通り、Statham兄貴は『EXPENDABLE』シリーズ以降、Stallone隊長に非常に気に入られており、元々自分が主演するつもりで書いた脚本を、Stallone隊長はStatham兄貴に託したわけである。十中八九、こんなやり取りがあったことは間違いなかろう。
 隊長「いやーいい脚本書いちゃったなー」
 兄貴「オッス隊長、なんすかそれ?」
 隊長「おう、Jasonか。まーたオレ、いいの書いちゃったぜ」
 兄貴「オッス、マジすか」
 隊長「おうよ、今回のはよ、すげえ強ええ男が娘守って大暴れよ」
 兄貴「オッス、マジすか」
 隊長「おうよ。でも、今ふと思ったんだけど、娘がいるって、オレが演じるにはちょっと年取りすぎちったかもな」
 兄貴「オッス、マジすか」
 隊長「おうよ。どうすっか、書き直すかな……つかさ、お前、やる?」
 兄貴「オッス、マジすか。ちょっと読ませてもらっていいすか」
 隊長「おうよ、読んでみろや」
 兄貴「オッス、あざっす。つかこれ最高っすね」
 隊長「おうよ、いいだろ?」
 兄貴「オッス、オレ、やらしてもらいます!!」
 隊長「よっしゃ、じゃあ、オレが制作やったるわ」
 みたいな。ちなみに、上の動画でStallone隊長が語っているストーリーと、出来上がった映画は全然別物になっています。その点がわたしは大変笑ってしまいましたとさ。

 というわけで、結論。
 現状のハリウッド映画界において、Jason Stathamという男は非常に稀有な才能を持ったハゲである。やっぱり、80年代アクション映画が大好物なわたしとしては、今後もStatham兄貴を、正当伝承者として応援して行かざるを得まい。 そして、『HOMEFRONT』という映画は近年のStatham兄貴の映画の中でもかなり上位にランクしていい作品だと思います。以上。

↓ Statham兄貴の最高傑作はどれだろうな……ありすぎて難しいけど、やっぱりこれでしょうか……。
トランスポーター [Blu-ray]
ジェイソン・ステイサム
KADOKAWA / 角川書店
2014-06-27

 というわけで、月曜日は毎週恒例の週末興行収入データです。
 この週末は誰がどう考えても『STAR WARS』が1位となるのは明白であり、注目は一体いくら稼ぐんです? という数字が問題であった。わたしがデータをせっせと蓄積し始めたのが2010年の1月から。つまりここ5年の数字はきちんと保持しているのだが、その5年間で言うと、公開週末の最高の数字は、去年の『妖怪ウォッチ』がたたき出した 16.2億である。2位以下の詳しい数字と作品は先週の記事を見てもらうとして、さっそく今週末の数字を見てみよう。なお、今日は後半ではアメリカの状況もお知らせします。US本国では、14個の歴代記録をぶっ壊すという、すごいことになってますよ!!

 また無駄な前置きを書いてしまったが、いつも通り興行通信社の大本営発表である。なお、興行通信社の大本営発表は、「観客動員数」のランクであるので、今日は「金額順」に並び替えてみました(理由は後述)。
 1位:『スターウォーズ/フォースの覚醒
 →12.4億スタート!! これはわたしの予想よりかなり少ない。一応、金曜日の分を足して16.1億ほど。先週書いた通り、12.4億という数字は、2010年以降だと5位かな。たぶん、地方では弱いのだと思う。これは……100億はきっと超えるんだろうけど、どうやら楽に超える数字ではなさそうですよ。待ってた人が一斉に行く初動型と思った方がいいだろうから、今後の伸びは、いかにリピーターのおっさんたちを動員できるか、それからあとはSW熱の低い家族をどれだけ呼べるか、次第だろうな……。やっぱり、ガキは『妖怪』に持って行かれましたね。そりゃそうだろうな、この国では。わたしも、今日、3D版を2回目として観てきましたが、ちょっともう150億はぜんぜん無理、行って110~130億ぐらいだと思う。なお、『Harry Potter』の最終作も金曜公開で、土日だけだと13.0億、金曜日合わせた3日間で17.6憶でスタートして、最終的に96.7憶で終わってしまったので、下手すると100億チョイで終了かも、ということも十分ありうる。もしそんなことになったら、Disney本社の怒り大爆発だろうな……。困るんだよなそうなると。理由は最後の方に書いておきました。
 2位:『妖怪ウォッチ
 →10.57憶スタート。これは去年の16.2億に比べたらかなり落ちるけれど、それでもやっぱりこの数字はすごい。もしSWがなければもっと行ってた可能性もあるかもしれない。ま、50億以上は軽く超えましょうな。すげえ。そして、観客動員数では、なんとなんと、『SW』を上回って1位です(なんか、妖怪がSWに勝ったと書きたくなかったので金額順にしてみました)。
 3位:『orange』:9日間累計8億チョイ。20億は超えるかも。正直興味なし。
 4位:『007』:16日間累計19億チョイかな。前作(最終27.5億)よりもだいぶハイペース。30億は行くってことか。
 5位:『母と暮らせば』:9日間累計7億にチョイ届かず。わたし的には今年NO.1邦画。山田洋次監督作品としては前作『小さいおうち』(最終12.6憶)よりもハイペース。その数字を超えることはもう確実でしょう。20億ぐらい行ってほしいけど無理か……。シニア中心ということで後伸びを期待して、16億~18億ぐらいと予想しておきます。
 6位:『仮面ライダーゴースト 超MOVIE大戦ジェネシス』:9日間累計で3.6億ほどか。 出だしはちょっと良かったのに、ほぼいつものペースに戻る。ま、『妖怪』の影響ですかね……。
 7位:『I LOVE スヌーピー』:16日間累計で5億強。これって結構大したものだと思う。
 8位:『杉原千畝』:16日間累計で6億チョイ。ちょっと厳しいか。
 9位:『映画 ハイスピード』:16日間累計で3億ほど。ちょっと勢い止まったか?
 10位:『海難1890』:16日間累計で4億チョイ。ちょっと厳しいか。

 そのほか、『ガールズ&パンツァー』がわたしとしては驚きの6億突破、『リトルプリンス 星の王子さま』も驚きの5億突破、『レインツリーの国』は5億まであとチョイ、『グラスホッパー』も10億まであとチョイ、という感じのようだ。

 とまあ、日本の状況は以上です。
 一方、アメリカではどんなことになっているかというと、このBox Office Mojoの記事をまず見てみてください。記事のタイトルは、Star Wars: The Force Awakens Crushes Records, Topping Largest Box Office Weekend of All Time.だそうです。 直訳すると、「スター・ウォーズ フォースの覚醒は、歴代週末興収最大を上回って記録をぶっ潰した」というわけで、14の記録を更新したそうです。その14の記録というのは、
1)木曜日の先行上映の記録:57M$(それまでの1位は43.5M$のHarry Potter最終作)
2)金曜初日1日の記録:120.5M$ (それまでの1位は91M&で同じくHarry Potter最終作)
3)US国内週末興行記録:約238M$ (それまでの1位は208.8M$のJurassic World)
4)劇場あたりアベレージ記録:約57,751$ (それまでの1位は48,855$でJurassic World)
5)PG-13レートの映画の公開週末興行記録 (それまでの1位はJurassic World)
6)年末映画の公開週末興行記録 (それまでの1位はHungerGamesの2作目で158M$) 
7)上位12作品合計の週末興行記録:294.5M$(それまでの1位はJurassic Worldの公開された週末)
8) 上位12作品合計の12月週末興行記録 (それまでの1位はAvatarの公開された2009年の12/25-27の週末)
9)12月の1日だけの興行記録:約120.5M$ (それまでの1位はHobbitの1作目で37.13M$)
10)12月公開時の劇場数:4,134Theaters (それまでの1位はHobbitの1作目で4,045)
11)12月公開作品の週末興行記録:約238M$(それまでの1位はHobbitの1作目で84.62M$) 
12)最速100M$(=1億ドル)突破記録:1日目(それまでの1位はJurassic Worldで2日目)
13)全世界IMAX作品公開週末興行記録:48M$ (それまでの1位はJurassic Worldで44.1M$)
14)US国内IMAX 作品公開週末記録:30.1M$(それまでの1位はJurassic Worldで20.9M$)
 というわけで、まあとんでもないことになっている。なお、アメリカ国内の歴代ベスト10は以下の通りで、果たして今回の『EP:VII』がどこまで行くか。
 1位:Avatar (2009年):760M$
 2位:Titanic (1997年):658M$
 3位:Jurassic World(2015年):652M$
 4位:Marvel's The Avengers (2012年):623M$
 5位:The Dark Knight (2008年):534M$
 6位:Star Wars :Episode I The Phantom Menace(1999年):474M$
 7位:Star Wars (1977年):460M$
 8位:Avengers: Age of Ultron (2015年):459M$
 9位:The Dark Knight Rises (2012年):448M$
 10位:Shrek 2 (2004年):441M$
 ※100M=100百万=1億ね。 1億$=約121億円
 こうしてみると、これは『Titanic』を超える可能性もあるのかもしれないが、いかんせん今回の『EP:VII』は、US本国でも確実に待っていた人々が多いわけで、初動型になりうる。なので後伸びの勢いがほかの作品より弱いことも十分考えられるので、まだ何とも言えないところであろう。ま、結局大丈夫だったね、ということになると思うけど……。これだけ盛り上がって、結果的にJurassic World抜けませんでした、なんてことにならない様、祈っております。

 しかし、結局STAR WARSも、日本とUS本国とではかなり熱が違うんだな、という数字になってしまったのではなかろうか。US本国では週末3日で238M$=約288億円稼いだわけで、日本の23倍である。すげえなあ。なお、劇場数で比較すると、US本国が4,134Theaters、日本が945スクリーン(字幕・吹替え・3D・2Dをそれぞれ別カウント)。つまり公開規模としては4.37倍。てことは、結局上映1回あたりの観客動員も全然US本国の方が多いってことですな。いや、そうじゃなくて、もしかしたらUS本国もスクリーン数はもっと多いのかもね。わからないけれど。
 しかし、最初に書いた通り、日本では最終的に110億~130億ぐらいとわたしは予想していますが、下手をすると100億チョイの可能性も大いにある。が……果たしてそれで、Disney Japanが本国のDisney本社から許してもらえるかどうか、が、わたしとしては非常に興味がある。なにしろ、次回作以降は、今のところ、SW記念日の5月公開と言われている。このままだと……次回作以降の日本公開は、USと同時公開じゃなくて、また夏公開と待たされる可能性が出てきてしまったのではなかろうか。そうなったら非常に困るというか、悲しいなあ……ま、その時は、台湾に観に行きますよ。それでいいでしょ、Disneyさん!!

 というわけで、結論。
 今週は『SW』が1位なのは当然として、『SW』と真っ向勝負で10億以上稼いだ『妖怪ウォッチ』がすげえ、と思います。もちろん去年ほど行かないにしても、もはや確実に『ポケモン』を超えてしまったと言っていいだろう。ま、『ポケモン』のように20年コンテンツになれるかどうかは、今後次第ですかね。
 あと、しつこいですが、あさって12/23・天皇誕生日から公開の『CREED』の方が、わたし的に注目です!! スタローン隊長がアカデミー助演男優賞を受賞出来たら、オレ、泣く。つか、この映画観たら、たぶん泣く。以上。

↓ 昨日の夜、WOWOWで撮っておいたこれを観た。なんとスタローン隊長が脚本を執筆してた。いずれ、レビュー書きます。セクシーハゲ筆頭ことJason Stathamが、冒頭でまったく似合わないロンゲで登場w。最高でした。
※12/22追記:というわけで、この映画のレビューを書きました→こちらへ
バトルフロント スペシャル・プライス [Blu-ray]
ジェイソン・ステイサム
Happinet(SB)(D)
2015-11-03


 というわけで、『STAR WARS:EPISODE VII The Force Awakens』について、
 【1.わたしが絶賛する前半90分まで何が描かれたか】
 【2.多くの謎を提示したまま、物語はクライマックスへ】
 【3.残された謎と、問題点についてのまとめ】
 という形で昨日おととい、いろいろ書いてきた。結論としては、一昨日書いたとおり、前半100点、後半60点、トータル86.5点というのが現状のわたしの評価であるが、 この評価も、SAGAの終結を見届けた後になれば、変わるかもしれない。わたしの減点要因は、あくまで、「数多くの謎が謎のまま残っている」点にある。
 なので、今日は現時点でのキャストと監督JJについて、今のわたしが思っていることをまとめておいて、数年後、ああ、あの時のオレはこんなことを思ってたのか、アホだなあ、と未来のわたしが苦笑するであろう備忘録としておきたい。
<新人の部>
daisy
↑の写真はDaisyちゃんのInstagramより。かわええ……。
Daisy Ridley as "Rey" デイジーリドリー「レイ」 
  1992年生まれの23歳。十分可愛らしい娘さんで、表情が豊かなイギリスガールと言って良かろう。ほぼこれまでにまともな役は演じていないようで、ズバリ言えばド新人。しかし、笑顔も、しょんぼりしている顔も、怒っている顔もとてもいいと思う。体つきもほっそりとしたスレンダー女子で、ちょっと少年っぽさもあって、冒険の主人公としては申し分なしであろう。おそらくは今後のSAGAにおいて、どんどんシリアスな場面が増えるだろうから、可愛いだけじゃ通用しない。頑張っていただきたい。しかし……レイ……キミは一体誰なの?
John Boyega as "Finn" ジョン・ボイエガ「フィン」
  同じく1992年生まれの23歳。イギリス人。だけど発音は全部イングリッシュ弁ではなくアメリカ弁でやったそうです(とパンフに書いてありました)。この人はそれなりに本作以前に映画やTVドラマに出演しているようだが、ちょっと芝居振りとしては微妙。冒頭はかなり良かったのだが、ソロ船長が出て来て以降は、何というかもう完全にHarrison Fordの陰に隠れちゃって目立たなくなってしまった印象。まあ、今後どういう役割を果たしていくか知らないけれど、レイの相棒となって一緒に冒険することにはならない気配はある。ポーと友達になってレジスタンスとして、レイのピンチに駆けつける役割かな? かつてのソロ船長的な。だったらもっと、いろんな仕事や技能を覚えなさい。今のところ、口だけは達者で何も出来ない、典型的ゆとり小僧。そして現在、意識不明中。
Adam Driver as "Ben Solo" a.k.a. "Kylo Ren"  アダム・ドライバー「ベン・ソロ 別名:カイロ・レン」
 1983年生まれの32歳。アメリカ人。微妙ヅラ。それなりにキャリアアリ。 うーん、キャラが微妙すぎるけど、それは役者のせいではないので彼を責めるのもお門違いではあるけれど……昨日も書いたとおり、父殺しのシーンはもうチョイ、頑張って欲しかった。あと、キミ、もっと体ビルドアップしたほうがいいよ。見た目からして弱そうなのは……演出なのか? ベイダーの孫として、キミもさっさと改心した方がいいと思います。銀河の平和のために。今のところ、経緯は不明だが親に反発して(?)、悪に取り込まれた典型的な愚かなゆとり小僧。次の『EP:VIII』では、ルーク暗殺隊の隊長にでもなるんだろうな……そしてルークもぶっ殺してしまうに1万ペソ。
Oscar Isaac as "Poe Dameron" オスカー・アイザック「ポー・ダメロン」
 1980年生まれの35歳。グアテマラ出身アメリカ育ち。微妙ヅラ。10年以上のキャリアがあるし、彼が出ている映画をどうやらわたしは結構観ているようだが、まったく印象に残っていない。しかし今回のポーはカッコ良く、芝居振りも悪くなかった。今後も、レイたちのピンチに駆けつけるイカしたエースパイロットとして活躍していただきたい。彼の駆る黒塗りのX-Wingは非常にカッコイイ。コールサインの「ブラック・リーダー」もいいね。どうせなら、通常の3倍の出力にカスタムした機体を真っ赤に塗装して「赤い彗星」とでも名乗って…(以下略)。
Domhnall Gleeson as "General Hux"  ドーナル・グリーソン「ハックス将軍」
 1983年生まれの32歳。アイルランド人。イケメン 微妙ヅラ。まだキャリアは浅いが、結構な数の映画に出ていて、どうやらわたしは何本も彼を観ているらしい。が、やっぱりほとんど印象ナシ。『Harry Potter』のロンの兄貴で出てたみたいですな。日本では年明け公開の、わたしが非常に観たいと思っている映画『The Revenant』にも出ているようなので、チェックを忘れないようにしよう。役としては、きっと今後も、レンと手柄を競って、最高指導者に褒められたがる小者の将軍なので、まあ、SAGAの最後まで生きているとは思えないですな。レンにぶっ殺されるに2万クローネ。つか、キミ、ちゃんとスター・キラーから脱出したの? 大丈夫ですか?
Gwendoline Christie as "Captain Phasma" グェンドリン・クリスティー「キャプテン・ファズマ」
 年齢不詳とWikiには書いてありますが、IMDBによれば1978年生まれの37歳のイギリス人。今回素顔は現さず。TVの『Game of Thrones』でおなじみの女優だそうですが、わたしは良く知りません。今後、その銀に輝くヘルメットを脱ぐ場面が来ることを期待したい。わたしは、絶対美人に決まってんだろ、と思ってこの女優の画像をいろいろ検索したのだが……まあ、結果はこちらで見といてください……。意外と……若くはないんですね……。

<ベテランの部:新キャラ篇>
Max von Sydow as "Lor San Tekka"  マックス・フォン・シドー「ロア・サン・テッカ」
 1929年生まれの86歳。あまりにもキャリアが長くてもう紹介の必要もないけれど、一番最近わたしが観かけたのは、『Extremely Loud & Incredibly Close』(邦題:ものすごくうるさくて、ありえないほど近い)で、主人公の少年と心を通わせる、しゃべらないおじいちゃん役であろうか。もうSAGAには出番ナシかな……もったいないけど、もっと彼が何者か知りたいものですね。
Lupita Nyongo as "Maz Kanata"  ルピタ・ニョンゴ「マズ・カナタ」
 1983年生まれの32歳。ケニアとメキシコの二重国籍。彼女をベテランの部に入れるのはアレですが、事実上初出演の映画『12Years a Slave』(邦題:それでも夜は明ける)でいきなりオスカー女優(アカデミー助演女優賞受賞)の仲間入りしてしまったので、ベテランの部にしておきました。ま、はっきり言ってわたしは『12Years a Slave』はあまり好きではないので、彼女も正直どうでもいい。まあ、役としては、モーションキャプチャーで描かれたエイリアンなので、知らなければあのキャラがLupita Nyongoとは分かりようがないけれど、間違いなく今後のSAGAにも出てくるのでしょうな。果たして何故彼女がルークのライトセーバーを保管していたのか、きっちりと説明していただきたいものです。ちなみに、その理由は「また今度教えるわ」と言ってました。
Andy Serkis as "Supreme Leader Snoke"  アンディ・サーキス「最高指導者スノーク」
 1964年生まれの51歳。イギリス人。今や、モーションキャプチャー俳優として超有名。なので、逆に素顔があまり知られていないのでは? 一応、普通に顔出しして役者としても活躍してるんだけど。まあ、『The Load of the Ring』のゴラムで大ブレイクしたおっさんですな。しかし、この役も、今後のSAGAで毎回登場することは間違いなかろう。どんな悪党なのか楽しみですな。意外とSWシリーズのキャラクターは、かなりうかつというか頭は良くない連中が多いので、是非ともスノークにはインテリの方向で悪い奴であっていただきたい。しかしなんであんなに巨大なホロビジョンなんですか? 生身のスノークが小さかったら、かなりガッカリしそうな予感。
Simon Pegg as "Unker Plutt"  サイモン・ペグ「アンカー・プラット」
 1970年生まれの45歳。イギリス人。ええと、こいつは、JJ版『STARTREK』シリーズのスコット機関長だとか、『Mission:Impossible』シリーズのベンジーでもお馴染みの、コミカルなおっさんですね。こいつは、自分のTwitterだったと思うけど、『EP:VII』の撮影にチョイ役で参加してきたぜ、イエーイ!! とはしゃいでいたのだが、役としては、レイが集めてきたガラクタを買い取るジャンク屋の主人の、あのでっかいエイリアン、アンカー・プラット役だったようですね。もちろん、外見からはまったくわかりっこない。ので、ま、どうでもいいです。
 あと、もう一度見るときに確認しようと思ってますが、レイを連行するストーム・トルーパーに、なんと007でお馴染みDaniel Craigがいたらしいですよ。ちゃんと台詞アリのようなので、来週、もう一度観てチェックしてみます(※12/21追記:レイがフォースで操って拘束を解くよう指示するストームトルーパーが彼らしいですよ。そう思って観ていると、ははあ、コイツがそうなんだ、という気もした)。ま、顔の見えないダニエル・クレイグよりも、きっちりと役のあった『THE RAID』の二人組のほうが嬉しかったな。イコ・ウワイス君の「シラット」という格闘技アクションは必見ですが、彼が今後のSAGAに出てくるかどうか……ボバ・フェット的賞金稼ぎとして出る道はまだ残ってると思いたい。

<ベテランの部:おなじみキャラ篇>
Harrison Ford as "Captain Han Solo" ハリソン・フォード「ハン・ソロ船長」
 1942年生まれの73歳。アメリカ人。我らがヒーローとしてもう何の説明も要らないでしょう。最近はすっかりおじいちゃん役ばかりだったけど、本作ではカッコ良くて本当に安心しました。再会するなり、レイアに、まーた同じ服着ちゃって(Same Jacket)、となじられるも、いや、新しいんだぞこれ(No, New Jacket!!) 、というやり取りを交わす様は、本物の夫婦のような空気感でしたね。また別のシーンでは、あなた、役に立ったのはデス・スターの時だけでしょ!! とキツイ一言を投げつけられても、いや、まあそうなんですけどね、と苦笑いで済ますあたり、お似合いの夫婦ですなあ。レイアとソロ船長のやり取りは、本作で一番良かったと思います。バカな息子を持って気の毒に……ルークも引きこもってる場合じゃないのになあ……。
Carrie Fisher as "General Ogana" a.k.a."Princess Leia"  キャリー・フィッシャー「オーガナ将軍・レイア姫」
 1956年生まれの59歳。アメリカ人。すっかり老けてしまいましたね……でもまだ還暦前なんですな。なんかもっと老けて見えるような。姫も元気で嬉しかったですね。まあ、将軍としての貫禄を見せるための、あえての恰幅と思うことにしたい。今後のSAGAにも連投は間違いないでしょう。ルーク兄さんに、さっさと戻って来い!! と活を入れていただきたい。彼女が、何らかのフォースに目覚める展開もなくはないだろうけど……アルテイシアというよりミライさん的なポジションでしょうか。
Mark Hamill as "Luke Skywalker"  マーク・ハミル「ルーク・スカイウォーカー」
 1951年生まれの64歳。アメリカ人。彼は、SW後、ほとんど見かけなかったけれど、わたしが一番印象的だったのは、John Carpenter監督の『Village of the Damned』(邦題;光る眼)かな。ゴールデンラズベリー賞にノミネートされてしまった駄作というのが世間的な評価らしいけれど、わたしはかなり好きな映画。いかにもカーペンターっぽさが残る最後の作品だと思うな。ま、それはどうでもいいとして、ルークですが、最近すっかり太っていたので、とても戦えないような無様なルークは見たくねえなあ、と思っていたのだが、きっちり、ある程度はダイエットしてくれたようで、非常に眼光鋭く良かったと思う。なんとなく、次の『EP:VIII』で殉職してしまうような気がしてならない。大丈夫かな? まあ、レイが一体どんなキャラなのか、次第でしょう。
Peter Mayhew as "Chewbacca" ピーター・メイヒュー「チューバッカ」
  1944年生まれの71歳。イギリス人。221cmの超長身。なんでも足を悪くして、『VII』に出られるかギリギリだったみたいですな。しかし、昨日も書いたとおり、本作における最高の演技を見せてくれたのは間違いなく彼だと思う。ソロ船長を亡くしたチューバッカの怒り・悲しみが、あの毛むくじゃらなメイクでも明確に伝わったもんな。本当に素晴らしく、心に染みたよ。絶対、ベン・ソロがカイロ・レンになる前の幼児時代を知っているだろうし、一緒に遊んであげたこともあるでしょうな……本当につらかったと思うよ。そもそも、チューバッカは『III』でヨーダと面識があることが明らかにされているので、ひょっとしたら現存しているクローン戦争最後の生き残りかもしれないね。もっと重要な役割を振ってください>JJ監督様。まあ、チューバッカは、レイというあたらしい相棒を得て、今後のSAGAでもファルコン号を飛ばせてくれることでしょう。

<監督篇>
J.J.Abrams JJエイブラムス/監督
 1966年生まれの49歳。アメリカ人。元々脚本家からキャリアをスタートさせていて、監督としてはまだ5本目。この男、わたしよりも少し年上だが、確実に、わたしとほぼ同じような映画を観てきているんだと思う。本物のオタク野郎だし。だから非常に、わたしのようなおっさんが観てグッと来る物語を作る。嫌いじゃない、が、大好きというのもなんだか悔しいので、全肯定はしませんが、やっぱりこの男は、「分かってる奴」だと思う。とりわけ、『STAR TREK』『STAR TEREK: Into Darkness』は素晴らしいとわたしは評価している。コイツが何を「分かっている」か、というと、「物語のポイントとそこに至る過程」をきっちり分かっているのだ。非常に、観客が望んでいるものを「分かっており」、同時に、きっちりと「そうきたか!!」と観客を驚かせる仕掛けを用意しておく。その点では非常に稀有な才能と計算能力を備えたオタク野郎だとわたしは思っている。あまり評判の良くない『Super 8』も、わたしは結構好きだし、制作として参加した『Cloverfield』はあのジャンルでは最高だと思っている。
 なので、『EP:VII』の監督に抜擢された時は、ああ、JJなら大丈夫だろう、あいつは分かってる男だし、とわたしは安心していた。で、実際、いろいろアラや問題点があるとはいえ、おそらくJJ以外にはここまでの『EP:VII』を撮れる監督はいなかったと思う。また確実に言えることは、シリーズの生みの親George Lucasではここまで面白い作品は取れなかっただろう、ということだ。何度も言うが、わたしは『EP:III』は未だに「コレジャナイ」と思っている。やはりもう、才能と愛のある第三者に委ねるべきだったことは、今回の『EP:VII』が証明してしまったのではなかろうか。
 まあ、とにかく、JJは良くやったと思う。今後のSAGAも心から楽しみにしております。
 が……今後、Disney戦略によるスピンオフとかいろいろ予定されているんだよな……頼むから変なの作って、世界観を壊さないでいただきたいと、それも一緒に心から願っております。

 ↑あとですね……頼むから……こういうの、やめてもらっていいですかw?

 というわけで、結論。
 『STAR WARS』SAGAは、次の『EP:VIII』が2017年、そして最後の完結編『EP:IX』は2019年だそうです。まあ、しょうがない、それまでは生きてみるとするか……。以上。

↓ アクションがすさまじい。ので、ご興味ある方はどうぞ。
ザ・レイド Blu-ray
イコ・ウワイス
KADOKAWA / 角川書店
2014-10-24
 

 というわけで、『STAR WARS:Episode VII The Force Awakens』である。
 昨日の夜、興奮のままに前半90分ぐらいのところまでは紹介した
 一晩経って、少し冷静になってきた今日は、その続きです。もちろんネタバレです。
(※2015/12/21追記:結構ストーリーの順番・流れ・セリフがかなり適当ですが、致命的じゃないものはそのままにしておいた。わたしの勝手な脚色入りです)

  誰しもこんな経験はあるだろうと思う。
 大好きな人が、実はその人もわたしのことが大好きでした、と。そしてラブラブ&イチャイチャで、非常に楽しいデートをしていて、いよいよ……というところで、はっと目が覚める。何だよ夢かよ!! でも夢でもいいや。つーか今の続きを見せてお願い神様!!! と思いながら二度寝をする。みたいな感じ。
 昨日公開された『STAR WARS:Episode VII The Force Awakens』は、まさしくこんな、もう続きが気になって仕方がない、実に幸福な夢そのものであった。

 というわけで、劇中の90分頃の、レイがレンに捕まって連れ去られるところから、続きである。
 
 【2.多くの謎を提示したまま、物語はクライマックスへ】 
 ソロ船長・チューバッカ・フィンはファースト・オーダーに包囲され、絶体絶命のピンチ!! そこを救ったのは、新型X-WINGを駆るポー・ダメロンだ。登場もカッコイイ。けど、どうやって撃墜されたタイファイターから脱出していたのかは分からない。ともかく、X-WING部隊の到着で一気に形勢逆転して、ソロ船長たちは助かるのだが、その隙に、レイはレンに捕まり、連行されてしまう。レイは既にBB-8が保持していたMAP画像を見ているので、レンとしてはBB-8にはもはや用ナシ、我がフォースで、その脳みそに直接聞いてくれるわ、クックック……というわけだ。
 ここまでが昨日、わたしが100点満点をつけてもいいと思った前半の物語である。
 ここから先が……ちょっとわたしには問題アリだと思えて仕方がない。
 事態は鎮圧され、X-WINGファイターたちの後にやってきた兵員輸送艇から出てきたのは、いまやレジスタンスの将軍であるオーガナ将軍、すなわち元プリンセス・レイアである。ソロ船長もまた、レイアとの子供がルークに反乱を起こしたことに責任を感じ、かつての密輸業に戻っていたので、レイアと会うのは気まずい状態であった、けど、もうどうしようもない。一旦、みんなでレジスタンス本拠地へ戻ると。ここの設定は弱いよなあ……。あくまでソロ船長は、ルークの行方を追う極秘任務中でいてほしかった。
 で。カイロ・レンは、レイの脳みそに直接ルークの居場所を記したMAPの様子を聞こうとする。レイは、そんなマスクかぶってちゃ、しゃべれでしょ!!教えるわけない、と挑発。レンは、あっさりとマスクを取る。レンの素顔の登場だ。だけど、このカイロ・レンがマスクを取って以降、わたしは急激に、それまでの熱が醒めてしまった。何しろ、弱っちい。おまけに、全然ガキである。よくよく見ると、体もやけに手足がひょろ長くて、妙に華奢だ。ズバリ言うと、まったく強そうに見えない。おまけに、肝心のフォースも、ぐぬぬぬぬ、とレイに向けるも、あっさりレイの気合に負けて、結局何の情報も得られない。で、何かとレンに対して張り合うようなところを見せる、ライバルの将軍に、やっぱりコイツ、ダメっショ、と最高指導者・スノークの前で言われてしまう。ぐぬぬ、としょんぼりするカイロ・レン。わたしはもう、だんだん、何なんだコイツ、とイライラし始めてしまった。
 で。レジスタンスの基地では、コルサントもどきの共和国本部の星が消滅させられてしまい、今後の作戦会議が開かれる。どうするよ、あの超兵器搭載惑星<スターキラー>、マジでヤバイな。新たなデススターだよ。いやいや、デススターのなん10倍もデカイので、もっとやばいよアレは。破壊する方法なんてあるのか? シールドに守られてるんだぜ? というところで、元・ゆとりトルーパーのフィンが、あ、オレ、昨日まであそこで働いてたんで、中のこと知ってるっす。シールドの発生装置の部分をぶっ壊わせば、超兵器動力源への攻撃もイケルっす、と軽く守秘義務違反をかまし、ようし、やったるか!! と、スターキラー攻撃作戦が発動。シールド解除班(班長:ソロ船長)と超兵器動力源破壊班(班長:ポー・ダメロン)に分かれて行動開始である。フィンも、レイを救うためにシールド解除班に参加し、ソロ船長の案内役となる。
 このくだりは、まさしく『EP:VI』そのものだ。シールド発生装置を破壊するために、エンドアへ向かうソロ船長、建造中の第2デススター攻撃に向かうランド・カルリジアン将軍、の、あの構図と一緒である。この流れは、非常に美しくわたしのようなおっさんファン歓喜の展開である。が、正直なところ、またこの展開? という気もしなくもない。が、出撃するソロ船長とレイアのやり取りは、非常に素晴らしく、その点で見飽きた作戦でもわたしは十分許せた。息子はオレが連れて帰る、けど、ルークですら出来なかったことを、オレにできるのかな……と一瞬弱気になるソロ船長を、レイアは「ルーク兄さんはジェダイ。でも、あなたは父親でしょう?」とやさしく鼓舞するあのシーンは、今回の一番の見所と言ってもいいのではないかとわたしは思う。
 だが実際のところ、カイロ・レンが「わたしにはまだまだ暗黒面の力が足りません。光の誘惑が怖い。もっともっと非情にならないと……修行が足りません……ベイダーおじいちゃん、私を導いてください」みたいなことを言ってくよくよするシーンなどもあって、はっきり言えば、ソロ船長が「息子を取り返す」と決意した時点で、完全に死亡フラグが立ってしまっていた。これこそまさしく、I have bad feeling  about this、であるが、この「悪い予感」はのちに的中してしまう。今回の『VII』において、最もショッキングなシーンであろう。極めて悲しい、残念なシーンだ。
 まず、レイは、レンの精神的拷問を切り抜けたことで、「あたし、ちょっとフォースの素質あるかも?」と気づき(まさしくここがThe Force Awakens)、早速フォースを使ってまんまと拘束から逃れる(※この時レイのフォースに操られるストームトルーパーがDaniel Craigらしいですよ!!)。一方、ソロ船長たちも、ハイパードライブで亜空間を地表すれすれまでぶっ飛ばせばシールドを通過できる、という荒業というかトンデモ理論で、スターキラーに到着し、バトルスタート。そして、これも本当にわたしは残念だと思うのだが、今回初登場キャラとして注目されていた、銀色に輝く女性トルーパー、キャプテン・ファズマの扱いが超軽い。潜入したソロ船長たちは、昨日までフィンの上司だったファズマを、チューバッカのあびせ倒しで一発KO、捕虜としてあっさりシールドを解除させることに成功してしまうのだ。用済みのファズマの処分については、ダストシュートにでも放り込んでおけ、粉砕機付きの奴があるんだろ、と『IV』での経験を元にニヤリとするソロ船長。もちろんオレ知ってるっす、オレ、掃除係だったんで!! と嬉々とする元ゆとりトルーパーのフィン。あのなあ、オレが観たかったのはお前らのそんなやり取りじゃなくて、ファズマの素顔だよ!! このゆとり小僧が!! 業務上知り得た秘密をそんな軽くバラして、お前、訴えられるぞ!! とわたしは猛烈に腹が立った。わたしは、絶対に、ファズマがマスクを取るシーンがあって、マスクを取ると、ファサァ……と髪がこぼれて、ウホッ! いい女!! ということが明らかになると思っていたのに。ここだけは、JJ、あんたわかってねえな、と申し上げたい。まあ、今後の『VIII』以降での活躍を心から願っております>キャプテン・ファズマ様。
 あと、まったくどうでもいいけれど、わたしとしては、せっかく『VI』の「これは罠じゃ!!」の名台詞でおなじみのアクバー提督がレジスタンスで健在であることを映したのだから、こんなにあっさりシールド解除しないでほしかったです。やっぱり、アクバー提督にはもう一回、「It's a Trapp!!」と叫んでほしかったな。
 で。シールドは解除した。あとはレイを救助してさっさとおさらばだぜ!! というところで、自力脱出していたレイと合流。ついでに苦戦しているX-WINGチームを援護するために、爆薬仕掛けてトンズラだ!! という展開になる。
 そして、とうとう対面してしまうソロ親子。ここはちょっと悲しすぎる。もう予想してたとはいえ、この展開は……残念だ……しかし、『III』において、パルパティーンに忠誠を誓ったアナキンは、JEDI-Councilの罪なき子供たちをぶった斬りまくってダークサイドの力を得た。そのとき、一筋の涙を流して。同じように、カイロ・レン、本名ベン・ソロもまた、赤いライトセーバーを父親にブッ刺す。この時、やっぱり涙を明確に一筋、流してほしかったのだが、ちゃんと描写されてたかどうか、記憶にない。かなり涙目でウルウルだったが、涙が流れたんだっけ? 来週もう一度観てちゃんと確認しておきます(※12/21確認した。あのガキ、泣いてない!!)。まあ、悲しく残念な展開ではあるけれど、ジャンプ読者の我々にとっては、はっきり言ってよくある展開なので、十分物語的には受け入れられるものである。まさしく、『北斗の拳』における聖帝サウザーの有名な台詞「愛などいらぬ!!」でおなじみの展開だ。でも、サウザーでさえ、愛する師父を殺すことで最期の涙を流し、一切の愛と情と決別するんだから、やっぱりカイロ・レンにもそういったエモーショナルな演出が絶対必要だったと思うが、かなりドライに終わってしまったのも、やっぱり残念ポイントの一つだ。このシーンで一番すばらしかったのは、ソロ船長がやられた直後にみせる、チューバッカの激情だ。あのチューバッカが、たぶん、シリーズ全編通して、初めて明確に、怒りを爆発させる。あのメイクで、明らかに怒りと悲しみが爆発していることがはっきり分かるのは、本当に素晴らしい演技を見せてくれたと思う。
 そして物語はファイナルバトルへ。仕掛けた爆薬が大爆発、後は逃げるだけ、というところで、レイとフィンの前にカイロ・レンが立ちふさがる。ルークのものだという青いライトセーバーで立ち向かうフィン、だが、あっという間にやられてしまい、ルークのライトセーバーは雪の中に。「それはオレのものだ!!」というレンが、フォースを使って手元に引き寄せようと右手をかざす。が、ライトセーバーが飛んでいったのは、レイの元だった!! ここは興奮しましたね。非常にカッコイイ演出でした。レイはそれまで、ライトサーベルに触るとまたフラッシュバックが起きるので、触るのもいやよ!! と言っていたのだが、とうとう決意を固めて、スイッチオンだ。
 そして、ライトセーバー同士の激しいチャンバラが始まる。のだが、こういう展開では、ありがちの展開で、慣れないレイが勝てっこない、けれど、絶体絶命になると突如強くなる、という我々ジャンプ読者にはおなじみの流れである。まさしく『流浪人剣心』的な、「ブチ切れて怒ったら無敵になる」あの展開だ。まあ、世のヒーローは絶体絶命になってから、それまでの戦いぶりがうその様に強くなるのが基本なので、驚きはない。もちろん、レイも例外ではなく、最終的にはほぼ圧勝と相成る。だが、どう落とし前をつけるのかと思ったところで、地面が割れ、X-WING班の活躍で無事に超兵器も破壊されて惑星崩壊が始まり、決着は次回以降へ持ち越しとなった。
 そして引き上げたレジスタンス基地から、ルーク失踪後は自動スリープモードで眠っていたのに突如目覚めた良く分からない仕掛けのR2-D2を伴い、レイはチューバッカとともにファルコン号で一路ルークがいる海の惑星へ。そしてとうとう対面。ルークのライトセーバーをと渡そうと手を差し伸べて、今回はここまで、終了である。

 はー、長かった。ストーリーは、大体こういう感じであった。

 【3.残された謎と、問題点についてのまとめ】
 というわけで、前半最高、後半うーん、な『STAR WARS:EPISODE VII』であったが、次の『VIII』は、2017年公開だそうで、2年後である。2年間もやきもきして待つのかよ……というのはつらいところだが、まあ、今まで散々待ってきた我々ファンとしては、2年と明示してくれていることは嬉しいし、2年なんてあっという間、待ち上等であろう。
 なので、次への課題となった謎と今回の問題点を自分用備忘録としてまとめておきます。結構いっぱいあるんだよなあ……。思いついた順なので、重要順とかではないのであしからず。
 1)ロア・サン・テッカって……誰?
 →おそらくは今後も謎のままなのではなかろうか。もう今更語る必要ないし。でも、ルークの居場所を知っていた重要人物として、わたしとしてはもうチョイ、何者か知りたいところである。せっかくMAX VON SYDOW氏を起用しているんだから、謎は解いてほしいものだ。な、なにーー!? という驚きの展開を希望します。※12/21追記:このおじいちゃんは、「長いこと銀河を旅してきた」そうで、カイロ・レンがベン・ソロだった時代を知ってる存在でした。
 2)ポー・ダメロンは、どうやってタイファイターから脱出してたんだ?
 →これももはや今更なので、謎のままであろう。でも、せめてもうチョイ明確にしてほしかった。あと、墜落したタイファイターは何故砂漠にズズズ…と沈みだして爆発したの? わたしはまた、砂漠に住む巨大生物がガバァッと大口を開けて出てくるのかとドキドキしたのに。あの惑星がタトウィーンで、巨大生物がボバ・フェット消化中のサルラックだったら面白かったのにね。で、ボバがペッと吐き出されたら最高だったんだけどな。
 3)結局、レイは何者なんですか?
 →この謎は明らかに次回以降で解き明かされるだろう。幼少期にルークと出会っていて、JEDIの才能もあることはもう確実だ。順当ならルークの娘なんだけど、どうなのでしょうか。その場合の母は誰なのかも気になるところ。今後最大の謎のひとつでありましょう。
 4)結局、フィンって何者なんですか?
 →これも、きっと後々解き明かされると期待したい。今後、まったく何も触れられず、単に幼少期にファースト・オーダーに誘拐されただけだったら、超がっかりです。今のままだと、フィンが職場放棄した理由が弱すぎる。じゃあなんで他のトルーパーは仕事熱心なのか説明がつかない。一応、ジャクーが故郷ってことでいいのかな? あとね、キミ、両手剣の持ち方が全然ダメ。右手はつば部分、左手は柄尻、と両手の間を離さないと、剣は振るえないよ。バットじゃないんだから。黒澤映画を観て勉強したって言ってたような気がするけど、全然勉強が足りないよ。0点。
 5)カイロ・レンことベン・ソロ君について。
 →はっきり言ってこいつがわたしの本作に対する満足度を大いに損ねる原因となった野郎である。弱い。貧弱。イケてない。そして、なにより愚か者。おそらくは、今後改心する展開だろうけど、遅せえっつうの。オレたちのヒーロー、ソロ船長をよくも殺ってくれたなこの野郎!! 今回の黒幕である、ファースト・オーダー最高指導者スノークがまったく謎の存在なので、カイロ・レン誕生の経緯も分からず、非常にストレスである。まあ、ルークに指導されていたのだから、当然コイツも、幼少時代のレイに出会っているはず。また、ソロ船長とレイアの息子なのだから、もしレイがルークの娘なら、いとこ同士だし、ルークにとっても甥っ子になる。劇中で言うように、ベイダー卿の孫ですな。しかし……このガキが物語の主軸となるのは、現時点のわたしとしては耐え難いイライラだ。こんなチンケな親への反抗期にあるガキを、メインに据えないでほしいものだ。
 6)で、スノークって、誰なのよ?
 →これも、今後確実に解き明かされるであろう謎である。正直、別に過去の物語とリンクしている必要はなく、まったくの新規キャラで構わないのだが、何ゆえルークを恐れるのか、何が目的なのかは明確に提示していただきたい。今のところ、この謎の存在は、「ケンシロウをトキにあわせてはならん!!」と恐れるウィグル獄長的存在ですね。果たしてルークと対面したレイは、ケンシロウ的救世主になるのか、楽しみに待っていよう。また、ウィグル獄長はあくまで拳王様の命令に従っていただけなので、スノークの上に更なる悪の存在がいるのかどうかも大変気になるところである。どうでもいいけど、ホロビジョンでしか現れないスノークですが、デカ過ぎ。なんであんなデカイ像なの? 理由あるのかな?
 7)キャプテン・ファズマの今後
 →今後も出てくるか実に怪しいが、わたしとしては、先ほども書いたとおり、マスクを脱いだら、あらやだ美人!! 的キャラとして、次回作にも出てきていただきたいと心から願います。ちなみに、↓「これが限定パンフレット」なんですが……
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 キャプテン・ファズマ様が表紙なのに、今回の扱いはひどすぎです。わたしとしては、ドSの女王様、だけど後半デレていく展開を希望します。
 8)惑星タコダナのバーの女主人、マズ・カナタって結局何者なんです?
 →彼女も、今回はまったく良く分からない重要人物の一人。まあ、彼女はルークのライトセーバーを預かっていた重要人物なので、今後その正体も明かされていくと信じたい。ルークとの関係、ソロ船長との関係、ともに謎であるが、チューバッカを「可愛い坊やMy Boy Friend」呼ばわりしていることから明らかなように、相当な年齢で(あのバーは1000年営業中らしい)、かつ、男を見る目はありそうですね。フォースは使えないといっていたので、その点では一般人のようですが、今回だけではまったく謎です。
 9)やっぱりよく分からない、銀河の政治的情勢
 →今回、わたしが気になっていたのは、一昨日書いたとおり、皇帝パルパティーンが死んだからといっても、まだ膨大な兵員・兵器は保有していた銀河帝国はどうなったのか、という点である。30年間に何があったのか、結局のことろ今回の『VII』では、きわめてフワッとしか説明はなされなかった。これは、ルークの謎にもつながるので、ひょっとしたら今後、きちんと語られることもありうるが、どうでしょう……。だいたい、ファースト・オーダーって何なんだというのも、イマイチ、ピンと来ないまま終わってしまったのは残念。まあ、説明ばかりじゃ物語の進行を妨げるので仕方ないけれど、そのために、冒頭の銀河に流れる字幕があるのにね……。もうチョイ、説明してほしかったです、はい。
 10)最期に、やはり最大の謎、ルークは一体何してるの??
 →ま、これは次回以降確実に語られるはず、なので、2年ほど待てば分かることだろう。だが、今回の最終カットは、たとえますます謎が深まったとしても、ルークが一言しゃべったところで終わってほしかった。今回台詞は一切なし。でも、容貌は非常にカッコ良く、ちゃんとダイエットしてくれたことは大いに評価したい。眼光も鋭く、雰囲気は抜群に良かった。だからこそ、ライトセーバーを差し出すレイに、最期に一言何か発してほしかった。
 ルークに関して現状分かっていることは、
 ■パルパティーン打倒後、新たなJEDIを育てるべく養成所開校。
 ■その養成所も、一番有力視していたベン・ソロのダークサイド転向で崩壊
 ■その責任を感じて隠棲(ソロ、レイア談)
 ■養成所崩壊時、レイも養成所に所属していた(?)
 ■養成所崩壊時、R2に何かを託す(隠棲先のMAP?)
 ■養成所の場所は良く分からん。
 ■が、崩壊後は初期JEDI-TEMPLE巡礼をすると言ってたような(ソロ談)
 とまあこんな感じだが、とんだ引きこもりニートになってしまったルーク。でもそれは、とある重要なことを行っていた……ことが次回以降明らかになってほしいと、心から願います。

 というわけで、結論。
 『STAR WARS:EPISODE VII The Force Awakens』は、謎が謎のままで、どうやらこの作品単体で評価することは出来ないようである。散々文句も書いたけれど、SAGA全体できちんと消化されていれば全然許せるし、実際、大画面で見る真正『STAR WARS』はやっぱり最高ですね。来週、また3D版を観に行くので、何度でもこの作品については語るつもりであります。以上。

↓ わたし、本気で思うのですが、『STAR WARS』ファンは絶対読んだほうがいいと思います。
 

 わたしが一番好きな映画は、やっぱり『STAR WARS』である。
 とうとう公開された『EPISODE VII』。
 今、観終わって、興奮しているところである。
 まず、ネタバレが困る人は、上映前にパンフを買っても1ページ目すら絶対に開いてはダメ!!!
 開くといきなり、『STARWARS』冒頭の文字が飛んでいく前後関係の説明の字幕のアレが載ってるので、開くことすらしちゃダメです(そのものではないと思う。ちょっと要約したモノが書いてあります)。
 はい。もうこの先は読まないでください。ここから先は、ネタバレ全開で行きますよ!!!
 あと、どうでもいいですが、昨日書いたわたしの妄想は、1個も合ってませんでしたw それだけは言っておきますw
-----<以下、自己責任で>-------
(※2015/12/21追記:結構ストーリーの順番・流れ・セリフがかなり適当ですが、致命的じゃないものはそのままにしておいた。わたしの勝手な脚色入りです)
 というわけで。まず最終予告からおさらいしておこう。
 
 もう、のっけから言う。100点満点で言うと、86.5点。
 どうしてこういう半端な数字かというと、90分ぐらいまでは、もう完全に100点満点でもいいとわたしは思った。が、残りの46分は、どう考えても60点程度だろう、とわたしは感じたからだ。(90÷136×100)+(46÷136×60)=86.47というわけで、正確な時間は計ってないので、あくまでアバウトなわたしの感覚であるが、次回、来週もう一度3D版を観に行ったときにきちんと計測してみようと思ってます。もちろん、回りにご迷惑をかけずに、そっと、ね。
 とにかく今回、解明されていない謎がそのまま残りすぎていて、まったくすっきりしない。超・生殺しですよJJさん!! とわたしは感じたのである。なので、レイがレンに捕まるあたりまではもう最高、と言いたいが、結局最期まで明かされない謎が多すぎだというのが、今回のわたしの不満である。
 ただ、明らかに言えることは、『EP:I』~『EP:III』より面白かったと思う。
 つか、『I』~『III』は観てなくても全然大丈夫な作りだったね。

 さて。それではさっそく、一人反省会を開催するとしようか。
 明日また落ち着いてから気づいたことを書くと思うので、今回はその(1)です。

 【1.わたしが絶賛する前半90分まで何が描かれたか】
 今回は、ある意味イベント上映と位置づけるべきだと思うので、それゆえ、だと思いたいのだが、冒頭、Lucas Filmのロゴに次に、すぐ A long time ago in a galaxy far, far away....といきなり始まるのは、はっきり言ってちょっと拍子抜けである。なんとなんと、20th Century Foxのロゴとファンファーレはなかった。オイオイ、なんだよもう、どうなってんだ? という時点でわたしとしてはマイナス10点ぐらい付けたところだが、もはやどうしようもない。そして、いつも通り、『STAR WARS』のロゴが来て、銀河に字幕が流れていく。EPISODE VII。間違いなく本編だ。わたしはこのEPISODE VII が出るまで、なんか過去のおさらいの特別映像じゃね? とかそんなことも思ったのだが、ファンファーレなしで本当に本編が始まっちゃったわけである。
 (※2015/12/19_AM02:31追記:今、グースカ寝てたのに出し抜けに目が覚めて、突如気が付いた。当ったり前だよ!! だって、Disney配給だもん。FOXのファンファーレが鳴るわけないじゃん!!! アホかオレ!!! でも、アレがないとホント寂しいもんですね……)
 そして、前後関係が文字で説明される。
 曰く、「ルークが消えた。しかし、今や再び銀河に暗黒勢力がはびこり、救えるのはルークだけである」ことが説明され、そして「ルークの消息を知る男の元に、反乱軍のエースパイロットと相棒のBB-8が派遣された」ことが説明される。
 ファーストショットは、とある惑星(まったく説明はないが、後にジャクーという惑星であることが分かる 冒頭の流れていく字幕で惑星ジャクーであることが示されてた)に巨大戦艦スターデストロイヤーの影がじわじわじわ・・・と侵食していく宇宙空間からの画で、場面はすぐにその惑星の地表に移り、エースパイロットが、ルークの消息を知る謎の男からMAPを保存した記録媒体を託されるところから始まる。
 ここまでは、まったく問題なし。カッコイイ。エースパイロットの名はポー・ダメロン。謎の男の名はロア・サン・テッカというが、この二人は、今までのSAGAには出てきていない新キャラだ。わたしは、ロア・サン・テッカって、そんなジェダイいたっけ? と思って観ていたのだが、なんとなんと、役者はMAX VON SYDOWじゃねーか!!! と気づいて、もう一気にわたしのテンションはMAXである。来た、まさかのマックス・フォン・シドーがSAGA初出演である!! 知らない人は、Wikipediaでも見といてくれ。超有名なスウェーデン人役者で、ベルイマンの『第七の封印』とか、『エクソシスト』で超おなじみのおじいちゃんである。
 また、地図を託され、それを反乱軍秘密基地に持って帰ろうとするのは、完全に『EP:IV』の冒頭と同じシチュエーションである。さすがJ・J・Abrams、お前ほんとに分かってる奴だな!! と、わたしはもう、冒頭のファンファーレなしを許していいとさえ思った。とにかく、『EP:IV』を思わせるシーンがこの後、すごく多い。物語の展開もちょっと似ている。だから、まあ、これまでのシリーズを見ないで今回の新作を観ようという人は、普通はいないだろうけど、『IV』~『VI』は絶対に観てないとダメ、だけど、『I』~『III』は、観ていなくても大丈夫だと思った。
 で。物語は、すぐにポーとロア・サン・テッカの元に、「ファースト・オーダー」と名乗る銀河帝国の残党的集団がやってくる。まずストームトルーパーがわーっとやってきて、その後から「カイロ・レン」が登場。カイロ・レンが何者か知っている銀河の旅人・テッカは殺され、ポーも捕まってしまう。だが、ポーは捕まる前に、記録媒体とBB-8に託し、BB-8を逃がしていた。ここも、まさしく『EP:IV』っぽい。
 そして、このわーっと出てくるストームトルーパーの中で、一人、挙動不審な奴がいる。どうも、無慈悲な殺戮をを躊躇している。それがFN-2187という番号しか持たないストームトルーパーである。その後、スターデストロイヤーに戻ったファーストオーダーご一行様は、捕らえたポーを拷問にかけるが、口を割らない。が、カイロ・レンのフォースであっさり心を読まれ、BB-8に記録媒体を託したことがばれると。(※2015/12/19追記:じゃあ最初からそうすればいいのに、拷問意味なかったじゃん、と思うかもしれないけど、ここが微妙で、何かとカイロ・レンと張り合うファースト・オーダーの若い将軍がいて、そいつの拷問ではポーの口は割らすことが出来なかったけど、レンのフォースの前には歴戦の勇者ポーもなすすべがなく、どうだ、オレのほうがお前より有能なんだよ、と上司の最高指導者に見せつける意味で、ちょっとだけ重要、かも?)
 一方その頃、逃げたBB-8は、砂漠で一人生きている謎の女子と出会う。今回の新ヒロイン、レイの登場である。なんと彼女の家は、AT-ATの朽ちた残骸であった。この辺も、ファンにはたまらないですな。そして、ピポピポしか言わないBB-8となぜか会話が出来てしまうレイは、スターデストロイヤーとかそういう朽ちた兵器から部品をばらして、それを売って生きてるらしいことが描写されるが、なんでまた一人で生きているのかは、家族を待ってる、ということだけしか分からない。彼女も、まったく記憶を失っているらしい。
 この後、「オレ今日で仕事辞めますわ!!」と、仕事に嫌気のさしたゆとり世代のFN-2187は、さっさと職場からバックレたい、けど、宇宙船を飛ばす技量はない、ので、じゃあ、捕らえた反乱軍のパイロットを助けて、操縦してもらおう、おさらばだぜ!! というわけで、ポーを連れてスターデストロイヤーから脱出すると。で、あっさりビーム砲を一発食らって、再び惑星ジャクーに墜落と相成る。その最中、ポーは、FN-2187に、「お前の名は? FN-2187? なんだそりゃ。わかったよ、じゃあ、フィンって呼ぶけどいいな?」というやり取りがあって、フィンと名づけ、以降FN-2187も自分をフィンと名乗るようになる。で、フィンは緊急脱出装置で辛くも助かったけど、ポーの姿はない。仕方ないので、落ちてたポーのジャケットを着て、砂漠をあてどもなくさまようと。
 で、フィンはレイと出会い、BB-8とも出会う。そういや、ポーは、丸型の、白とオレンジのドロイドを回収するためにジャクーに戻るんだと言ってたな、あれ? お前も丸くて白とオレンジだな、つーかお前か!! と相成ると。しかし、二人が出会ってすぐ、ファースト・オーダーの追っ手がやってきて大ピンチ、逃げろー!! となって、船を捜すと。よし、あっちの新型船を奪おう、というところで敢え無く新型船は砲撃を食らって大破、しょうがない、こっちのオンボロを奪うわよ!! と二人が駆け寄ったのが、なんとなんと、ミレニアム・ファルコン号じゃないですか!! ここまで25~30分ぐらいだと思う。いきなりのファルコン号登場に、もう大興奮ですよ。そして何故かメカにめちゃ強いレイが操縦するファルコン号でタイファイターを撃破して、宇宙に逃げる二人。一息ついて、これからどうすんべ? と相談してるところですぐに、デカイ貨物船? に拿捕されてしまう。どうしよう、ファースト・オーダーだったらヤバイ、と隠れる二人。しかし、ハッチが開いて入ってきたのは、これまた驚きの、ハン・ソロ船長&チューバッカさんご本人様たちの登場である。まさかこんな登場とは!! どうやら、ファルコン号はパクられて、ハン・ソロも探してたと。だけど、まーたソロ船長は借金が溜まってたようで、すぐにギャング的な連中がソロの元にやってくる。このときのギャングたちの名前を覚えてないのだが、ここでもわたしは驚いた。なんと、インドシナ映画で大ヒットしたアクション格闘映画『THE RAID』のあの二人じゃんか!!! えーと名前忘れた。そうそう、イコ・ウワイス君とヤヤン・ルヒアン氏ですよ。全然チョイ役だけど、SAGAに出られるなんて、心の底からうらやましい限りである。
 ちょっと、ストーリーを全部追って行くとキリがないので、以下、かっ飛ばしますが、どうも今回の悪役であるカイロ・レンは、まだ暗黒面のフォースを習得したばかりのようで、なんだかライトセーバー振り回して八つ当たりしたり、まだ一人前じゃないっぽいことが明かされ、また、ファースト・オーダーの最高指導者がスノークという存在であることも明かされ、極度にルーク復活を恐れていることがわかる。一方そのころ、ソロ船長の口からは、ルーク失踪の謎の原因が明かされる。なんでも、新たなジェダイ育成に頑張っていたのだが、一人の若者の反乱にあって、失敗したと。そして、その若者こそが、ハン船長の息子であり、まさしくカイロ・レンであることがほのめかされる。 ここまで大体50~60分ぐらいだと思う。で、ルークの居場所を知るには惑星タコダナ(JJが言ってた「高田馬場」をもじった惑星)にいる助っ人に会う必要があると。で、そこで謎のエイリアン的存在に出会って、レイは謎の声に導かれ、地下に置いてあった箱を開けてみる……と、そこにはライトセーバーが!! レイは恐る恐るライトセーバーを手にする、と、急に過去のビジョンがフラッシュバックして、どうやらレイは、かつて少女時代にルークの元にいたっぽいことがほのめかされる。と、その様子を見ていた謎エイリアンは、そのライトセーバーはルークのものだと言う。何でまたそんなモノが? さらに謎エイリアンは、レイに、フォースのお導きじゃ……と告げるが、受け入れられず、森をさまよううちに、ファースト・オーダーの新型惑星破壊兵器が炸裂して、共和国の母星は破壊されてしまう(この破壊される惑星は、どう見てもコルサントなんですが、パンフによるとコルサントから遷都した新しい惑星だそうです)。その強力なビームが惑星タコダナの空を過ぎり、そうこうしている内にレイたちがタコダナにいることも通報されていて、カイロ・レン率いるファースト・オーダーたちがタコダナへ襲来し、バトル開始。なすすべなく捕まるソロ船長たちだが、ここぞというときに、ポー率いるX-WING部隊が救援に。ポーはちゃんと生きてた!! と思う間もなく、レイはレンに捕まり、連行されてしまう。

 と、ここまでが大体90分ぐらいだと思う。ここまでは、わたしとしてはもうずっと大興奮で、やっぱりJJはすごい!! これは100点満点ですよ!! と思っていたわけです。
 しかし、もういい加減長いので、今日はここまで。
 明日は、【2.多くの謎を残したまま、物語はクライマックスへ】と、【3.残された謎と問題点についてまとめ】について書く予定です。ホントにサーセン!!
 ※2015/12/19追記:というわけで、続きはこちらへ●

 というわけで、いよいよ明日、全世界で『STAR WARS The Force Awakens』が公開される。ちょっと長いので、以下、『VII』と呼ぶことにするが、2005年の『III』以来10年ぶりの新作であり、物語としては『VI』の30年後を描くものだという事が明らかにされている。
 生みの親である、George Lucas氏は、たしか最初の三部作の完結編『VI Return of the Jedi』の製作中だったと思うが、このSAGAはそもそも9部作であり、『VI』が終わったら次は『I』~『III』を撮り、その後に『VII』~『IX』を撮ることを当時から公言していたことは紛れもない事実で、ご存知の方も多いだろう。当時中学生だったわたしは、『I』~『III』を撮る間に、おそらく主人公ルークを演じたMark Hamill氏が歳を取り、師匠であるオビ=ワンを演じたSir Alec Guinness氏ぐらいの年齢になるのを待つんだろうな、と勝手に思っていた。だが、Lucas氏は、無事に『I』~『III』を撮り終えた後で、もうこれでお終いという姿勢を見せ、しばしSAGAは沈黙することになってしまった。
 わたしは、正直『III』の物語については、「コレジャナイ」んだよなあ……と未だに思っている。もはや正史として受け入れるしかないとはいえ、どうしても、もっと面白くできたはずだという思いが捨てきれない。なので、おそらくLucas氏は、もう『III』で限界が来ちゃったんだろうな、とあきらめていた。 
 だが、2015年12月18日、SAGAはとうとう『VII』の公開により、止まっていた時を進めることになった。わたしが中学生当時妄想した、Mark Hamill氏が、当時のSir Alec Guinness氏ぐらいの年齢になるまで待つのではないか説は、偶然にも的中したのだ。最初の『IV』が公開された1977年当時、1914年生まれのSir Alec Guinness氏は63歳。そして2015年の今年、1951年生まれのMark Hamill氏は64歳。まさにほぼ同じである。公開を明日に控えた現在、この事実は、おそらくは『VII』の物語に重要な影響をもたらすものとわたしは勝手に妄想している。
 まあ、その妄想はもうちょっと後で述べるとして、まずは、『III』を振り返っておこう。

【1.わたしを嘆かせた『III』のコレジャナイ・ポイント】

 上記は、『III』の予告である。予告は非常にイイ。実のところ『III』は、全世界のファンに対して「やらないといけないこと」という縛りが多く、脚本として非常に難しい制約が数多くあったことは事実だ。
 1)アナキンは如何にしてヴェイダーマスクをかぶるに至るのか。
 2)ルークとレイアは如何にして誕生するのか。
 3)JEDI-Councilは如何にして崩壊するのか。
 4)『IV』~『VI』に一切出てこないパドメや惑星コルサントは一体どうなっちゃったのか。
 5)逆に『IV』~『VI』にも出てくるR2-D2とC-3POは『I』~『III』の出来事を忘れちゃったのか。
 細かく言えばもっとあるが、以上の5点は、どんな形であっても絶対に『III』で語られる必要がある重要なポイントだと思う。が、やはり最も重要なのは1)で、これが感動的に描かれれば、おそらくはその過程で2)~5)は描けるはずだとわたしは考えていた。なので、わたしの妄想としていた『III』の物語は、次のようなものだ。
 『II』のエンディングで、とうとう始まってしまった「クローン戦争」。当然アナキンはJEDIの騎士として、師匠のオビ=ワンとともに活躍している。だが、これも『II』のエンディングで示された通り、アナキンはJEDIに禁じられていた恋にとらわれ、パドメと結婚してしまっており、やがて二人の間には、愛らしい双子が誕生する(わたしはルークとレイアは物語の前半~中盤で生まれるものと思っていた)。オビ=ワンはその事実を知って動揺するも、もはやどうしようもないので、JEDI-Councilには告げず、陰ながらパドメと不肖の弟子アナキンを見守ることにする。激化する戦火の中、パドメは議員としての活動も続けており、ついにパルパティーンの「知られてはならない秘密」にたどり着く。その動きを察知したパルパティーンは、パドメ暗殺を画策。ついでに、惑星コルサントごと滅ぼして議会を消滅させ、おまけに犯人をJEDI-Councilに擦り付ける巧妙な策を立案・実行する。まんまとアナキンとJEDI-Councilはその罠にはまり、惑星コルサントは消滅、パドメも死亡。母に続き、妻も、子どもさえも守れなかったことによる怒りと悲しみと絶望の果てにダークサイドへと転落したアナキンとJEDI-Councilの壮絶なバトルが展開。ついにマスター・メイス・ウィンドゥさえも倒すアナキンの前に、ヨーダが立ちふさがる。その戦いは、お互いがボロボロになる激しいもので、ついにヨーダがアナキンに勝利、アナキンは瀕死となるが、そこにパルパティーンが介入し、アナキンを連れ去る。一方そのころ、ルークとレイアを辛くも救出することができたオビ=ワンは、惑星タトウィーンへ。ルークをアナキンの義兄弟であるオーウェン・ラーズへ、レイアを親交のあった惑星オルデラーン出身のオーガナ議員へとそれぞれ託す。この幼い双子が生きていることを知らないアナキンは、瀕死の状態であり、もはや人工呼吸器などの機械を装着しないと生きていけず、かくしてアナキンは、ヴェイダーマスクを装着。コーホーというあの呼吸音で幕は閉じる……。
 ま、これはわたしが希望した展開なのだが、とにかくわたしが強く願っていたのは、アナキンがダークサイドへ転落する過程・理由をきっちり描いてほしいというものだった。
 が、しかし、正史である公開された『III』では、その点が全くもって弱い。夢に見たパドメ死亡の未来を回避できるのはダークサイドの力しかない、というパルパティーンのインチキ理論にあっさり乗ってしまうのだ。わたしは『III』において、あともうちょっとでマスター・メイス・ウィンドゥがパルパティーンを殺せるところで、アナキンが介入し、あまつさえパルパティーンに土下座をかます一連のシークエンスは、本当にコレジャナイと今でも思っている。当時わたしは劇場で、何やってんだこのガキ!!! と心の底から腹が立った。超がっかりである。もっとさ、『北斗の拳』におけるサウザー的な、「愛などいらぬ!!」的な展開にしてほしかったのに。0点だよあれじゃ。
 まあ、そもそも『II』のあたりから、なんとなく嫌な予感はしていたのだが、とにかくJEDI-Councilの面々が、意外と無能だし、中途半端な未来予知は物語に入れないでほしかった。おまけに、パドメの死因がなんだったか皆さん覚えてますか? 「絶望死」ですよ。体に一切異常はない、けれど、生きる意志がなく絶望が心を蝕んで死に至ったわけで、ちょっと待ってよ、可愛い子供遺してそりゃねえべ? と今でも思う。あの物語展開では、ヴェイダ―となったアナキンは、パドメの死を知らないんだから、あれほど執着したパドメを探さないわけないよね。ましてや妊娠してたんだし。それに、R2や3POも、まあ3POは別にいいけれど、きっとレイアを預ける時に、オビ=ワンが「この子を頼むぞ、R2」「ピポピポッ!!」とかそんなシーンが絶対あると期待していたのに、「あ、じゃこのドロイドのメモリー消しといて」って、なんなんだあの扱いは!! だいたい、R2は『IV』において、オビ=ワンが自分のご主人だと覚えているのに!!
 はあはあ……いかん。『III』のあまりのへっぽこ脚本に対する怒りが10年ぶりに蘇ってきた。
 しかし、もはや取り返しがつかない。あくまで公開された『III』を正史と認めるしかないわけであるが、現時点におけるSAGA時間軸の一番最後の『VI』はどう終わっているかを、ちょっとチェックしておこう。

【2.『VI』はどう終わっているか、のまとめ】
 1)皇帝・パルパティーンは死亡した。とはいえ、銀河帝国自体が完全消滅したわけではない。デス・スターを失っても、まだ相当量の兵員・艦隊を保有しているはず。
 2)ルークは健在。とはいえ、JEDI-Knightとしてはまだまだ弱い。パルパティーンのビリビリ攻撃に負けそうになったのを、父ちゃん助けて~で命拾いしたレベル。
 3)ダース・ヴェイダ―ことアナキンは死亡。亡骸およびマスクはルークがエンドアで荼毘に付した。
 4)ハン=ソロとレイアも健在。そりゃこの二人は結婚するんでしょうね。
 5)劇場公開時にはなかったのに、後の「特別篇」で勝手に付け加えられたように、ナブーやコルサントといった『I』~『III』でしか登場しない惑星も健在であることが明示された。認めたくないけど。
 6)ミレニアム・ファルコン号は、本来の持ち主と言ってもいい、ランド・カルリジアンが乗っている。ソロに返すと言っていたけど、ちゃんと返したか不明。借りパク疑惑アリ。
 7)『III』で発明された「死後も精神体として残る技」があるので、ヨーダやオビ=ワン、アナキン、さらにはひょっとしたらクワイ=ガンといった歴戦のJEDI-Knightたちは、ルークが修業を積めばいつでもコンタクト可能な状態。
 9)スカイウォーカー家の生地たるタトゥィーンは、ジャバ亡き後どうなっているか良くわからない。なお、ボバ・フェットはサルラックの腹の中、で消化されている最中のはず。 
 とまあ、主なポイントはこんなもんだろう。わたしとしては、これらのことをきちんと踏まえた『VII』になっていないと許せないわけだが、その答えがいよいよ明日、明らかになる。楽しみすぎて今日、眠れるか心配であるが、最後に、最終予告を振り返って、各キャラクターをチェックして終わりにしよう。

【3.既に公開されている『VII』の予告で登場する主なキャラクター】

 この予告は、散々もう既に劇場でも流れているので、すっかりおなじみであろう。
 砂漠の惑星で旧帝国軍の戦艦の遺骸から部品漁りをしている女子。彼女が今回の主役、レイである。また、ストームトルーパーとして働いていた黒人青年、彼の名はフィンというらしい。そして、今後のSAGAの悪役となるような仮面の男はカイロ・レンというらしいが、ヴェイダ―卿の壊れたマスクを手に取って、なにやらその野望を引き継ぐ的なことを言っている。赤いライトセーバーを使う事から、JEDIの技を習得しているらしい。90秒ぐらいのところで、R2を撫でる右手が義手のフードの男、これは普通に考えれば間違いなくルークだ。そしてフィンは青いライトセーバーを使うらしい。
 これまでに、SAGAは様々なスピンオフ小説やゲームが出ているけれど、あえてそれを全部無視して、あくまで映画だけの世界で、予告から『VII』について妄想を広げてみると……。
 1)レイがいる砂漠の惑星は、普通に考えればタトウィーンだが、どうやら別の惑星で、「ジャクー」というらしい。これはゲームではおなじみだそうで、知らんがなそんなの。素直にタトウィーンにすればいいのに……。
 2)レイは何者か? 自分でもI am no one.と言っているように現状不明だが、普通に考えれば、ルークの子どもか、レイアとハン・ソロの子か、どっちかですわな。ただ、ルークが結婚して子供をなすとはちょっと考えられない。じゃあその結婚相手、レイの母は誰なんだと誰だって思うし。一方で、レイアとソロの子だとしても、なんでまたそんな辺境の地で一人孤独に暮らしてんの? という謎も生まれる。別に、もうレイを狙う暗黒勢力は存在しないはずで、レイという存在を隠しておく必要なんてないはずだ。普通に、レイアとハンと一緒に暮らしてておかしくない。それでも、わたしとしては、やっぱりレイアとハンの娘であってほしい。やはり、スカイウォーカーの血筋じゃないと、主人公の資格なしであろう。別の予告では、「家族を待ってるの」なんて台詞もあったしね。もし全く今までのSAGAと関係ない、新たなミディ・クロリアンの申し子とかだったらズッコケるな。ま、それもアリだし、その方がルークと出会ってフォースに目覚める展開がやりやすいかもしれない。なにしろ、そもそもアナキンは、処女受胎で生まれた、父親の存在しない男だったので、新たにそんなフォースの申し子が生まれても、おかしくはない。
 3)フィンとは何者か? これまでのSAGAにおいて、黒人の主要キャラと言えば、わたしとしてはマスター・メイス・ウィンドゥとランド・カルリジアンの二人しか思いつかない。ライトセーバーを使える点で、ジェダイの血筋の人間であってほしいけれど、まあ、ちょっと年代的にメイス・ウィンドゥの血筋というのは歳が離れすぎてる。あっても孫か曾孫ぐらい? なので順当に考えれば、ランド・カルリジアン将軍の息子がピッタリくるのだが、なんでまたストームトルーパーに就職してたのかはよくわからない。ま、ハンの娘とランドの息子ならお似合いだけれど、親同士であいつはやめとけと喧嘩になりそうですな。
 4)カイロ・レンとは何者か? 赤いライトセーバーを使うことから、まあヴェイダ―卿の心酔者なんでしょうな。しかし、新たなシス卿となるには、まだ悪役感が足りないというか、現場に出てくるような立場のようなので、シス卿のような黒幕的存在ではなさそう。
 5)ルークはどうしてるのか? わたしとしては、かつての年老いたオビ=ワンのように、タトゥィーンの砂漠でひっそり暮らしながら、JEDIの技の研鑽をしていてほしいのだが、あれだけの英雄となって、隠遁していたとしたら、相当な職務怠慢というか、ニート体質であると非難されそうだ。なので、何らかの目的があって、何かをきちんとせっせとやっていたことにしてほしいものだ。『IV』当時のSir Alec Guinnessと同じ歳になった、老いたルークをぜひともカッコ良く登場させていただきたい。まあ、レイやフィンを鍛え導くことになるんでしょうね。かつてのSir Alec Guinnessと同じように。でも、同じような転生の術を使って霊的存在になるのはもう勘弁してほしいな……。

 というわけで、くだらない妄想ならいくらでもわいてくるので、もうやめにして結論。
 とにかく、明日の18時半が楽しみです!! 以上!! でも、今回のチケット販売方法には心底頭に来てます!! ちくしょう、最初から3D-DolbyAtoms版が観たかった!!!

↓ ほしい……ちゃんと、『VI』でランドがぶつけて壊したレーダーが、パラボラじゃなくて四角くなってますな。

 おとといの月曜日の夜に、『母と暮らせば』を観て大いに感動したわたしは、昨日はずっと、黒木華ちゃんの天然昭和フェイスに頭の中が占領されていたわけです。
 なので、昨日はさっさと帰って、WOWOWで録画したはずの『小さいおうち』を観よう、と思い、いざHDDの発掘作業をしてみたわけです。
 確かに録ったはず。それはたぶん間違いない。ので、まずはデッキのHDDから手を付けた。しかし、2TBの容量なのにあともう100GBぐらいしか残ってないことからも明らかなように、録っただけで観ていない映画がごっそり詰まっていて、30ページぐらいスクロールしてみないと一体どこにあるのかすらわからない状態であった。
 しかし、全ページチェックしても、ない。おかしい。次に、USB接続しているHDDは、3TBの容量で、こちらにも録画した映画を結構移してあるので、最初からせっせと探してみるも、やっぱりない。あれえ!? 嘘だろ、消しちゃったのか?  バカバカ!! オレのバカ!! というわけで、あきらめて、WOWOWのWebサイトで、次に放送があるのはいつなんだろう、つーか、また放送してくれるかしらん? と調べてみたら、来月、1回だけ放送されるようなので、とりあえず自宅PCのディスプレイに、「1/16:WOWOW:小さいおうち」と付箋を貼って、Googleカレンダーにも、予定を書き込んでみた。
 そこで、ふと、未整理の、Blu-ray DISKの山が目に入ったので、ひょっとしたら、BD-REに焼いたんだっけ? という気がしてきたので、中身のインデックスを書いていないDISKを片っ端からPCのドライブに突っ込んで、中身をチェックしてみた。わたしはたいてい、50GBのRE-DLに焼くので、それぞれのDISKは10本ぐらいは映画が入っている。そのDISKの山を、この際だから何が入っているか、ちゃんと書いておこうと、メモを取り始め、ああ、このDISKにはこんなの入ってら、あ、これ、観てないな、とか、延々と作業をしていたら、9枚目のDISK に、『小さいおうち』が入っているのを発見した。良かったー、消してなかった。さすがオレ、抜かりないぜ。と、60分ほどの作業を要したことを棚に上げて思うわたしは、もう、本当にダメな男だと思いました。
 というわけで、山田洋次監督作品『小さいおうち』を、今さらながら昨日初めて観たわけである。

 結論から言うと、やっぱり素晴らしい作品であった。物語・脚本・演出・そして役者陣の芝居ぶり。ほぼパーフェクトと言っていいような気がする。そして、この作品でもやはり、黒木華ちゃんの天然昭和フェイスは非常に美しく、そして可愛らしく、大変わたしとしては満足のいく作品であった。ヤバイ。どんどん華ちゃんが好きになってきたんですけど、どうしたらいいのでしょうか。
 物語は、詳しくはWikipediaの方を参照していただくとして、どうやら中島京子先生が直木賞を受賞した原作小説と、今回の映画版では、微妙に物語が違うようだ。
小さいおうち (文春文庫)
中島 京子
文藝春秋
2012-12-04

 わたしは残念ながら原作を読んでいないので、以下、あくまでも映画版の物語限定で記します。
 映画では、現代の平成の世と、戦前・戦中の昭和10年代とが入れ替わりながら物語は進む。冒頭は、とある老女のお葬式。その遺品整理中に、遺族の若者が老女の自叙伝を見つける。それは、自分が自叙伝でも書いたら? と勧めていたもので、映画はその自叙伝で描かれる昭和初期と、自叙伝執筆中の老女の生前の姿と、亡くなって以降と3つの時制で語られる。
 昭和10年代。タキは山形から住み込みの女中奉公のために東京へやって来て、とある小説家の娘が嫁いだ先の平井家に奉公することになる。平井家は比較的裕福で、新築したばかりの、赤い瓦屋根が可愛らしい小さなおうちに住んでいた。奥さん、時子は美しく聡明な女性で、タキを「タキちゃん」と呼び妹のようにかわいがってくれた素敵な奥さんだった。旦那はおもちゃ会社の常務で毎日を忙しく過ごしており、決して悪い奴ではないけれど、まあ昭和初期の男なので、家庭にはあまり興味がない。また、子どもも一人いて、小児まひにかかってしまうけれど、タキの懸命な看護で小学校に上がる頃にはすっかり元気ないい子に育っていた。
 そのような、いわば「家政婦は見た」的な平井家の生活が、平和に、そして楽しく過ぎていく。そしてある正月、旦那の会社に入社した、美大出身のデザイナー(?)が挨拶にやって来て、時子奥さまとそのデザイナーが出会い、次第にお互い魅かれて行き……というお話。

 やはり、この映画でも役者陣の芝居は本当に素晴らしい。
 筆頭に挙げたいのは、この作品では華ちゃんでなく、はやり時子奥さまを演じた松たか子ちゃんであろう。この人は本当に上手ですな。演技にかけては、現役最強と言っていいような気さえする。もちろん、エルサですっかりおなじみになったように、歌も、ミュージカルで鍛えた実力派だ。わたしは20年ぐらい前に、松たか子ちゃんが歌手としてCDを出し始めたころから彼女の声がすごく好きで、CDも持っていたほどだったのだが、歌はうまいけど、顔は微妙かな……と大変失礼なことを思っていた。のだが、どういうわけか、これまた10年ぐらい前、たぶん、山田洋次監督の『隠し剣、鬼の爪』を観て以来だと思うが、あれっ!? 松たか子って、こんな人だっけ? ちょっと可愛いんじゃね? つーかすげえ可愛いじゃんか!! と急に彼女の可愛さに目覚めた謎の過去がある。今ではすっかり大ファンなのだが、今回の時子奥さまの品のある所作や悩める表情、そしてタキちゃんにぶつける激情など、完璧だと言っていいほどお見事であった。
 そして、もちろん、本作でも華ちゃんこと黒木華さんはおそろしく可憐で、おそらくは日本全国の男全員が、タキちゃんに惚れることは確実であろうと思われる見事な芝居であった。いやあ、ホントにいい。今回の華ちゃんは、女中さんなので基本的に常にうつむき加減なのだが、時に見せる笑顔が最上級に素朴かつ魅力的である。また時に涙を流す姿は、誰しもが、どうしたの、大丈夫か? と思わず肩を抱きしめたくなるような、放っておけないオーラが放出されており、もうわたしは一緒に泣くしかない有様であった。
 まあ、これ以上書くと、我ながらキモイのでやめておきますが、この松たか子ちゃんと黒木華ちゃんの素晴らしい演技を劇場に観に行かなかった、そしてあまつさえ録画しておいたにもかかわらずさっさと見なかったわたしは、オレは本当に観る目がねえなあ、と絶望的な気持ちになりました。まったくもって映画オタを名乗る資格なしである。情けない。
 そのほかの役者陣に関しては、平成部分の老いたタキを演じた倍賞千恵子さんと、タキの妹の孫にあたる若者を演じた妻夫木聡くんの二人が素晴らしかったことを付け加えておこう。長年、寅さんの妹さくらを演じてきた倍賞さんは、山田洋次監督の信頼厚い役者さんだろうと思うが、やっぱり上手なのは間違いなく、非常に良かった。すっかりおばあちゃんとなった、かつての可憐なタキちゃんが、長年抱えてきた秘密。その想いから、長く生き過ぎたと涙を流す姿は、猛烈にわたしのハートを揺さぶるものだった。そして、平成の若者らしく調子のいい青年を演じた妻夫木くんも、何気におばちゃん思いのイイ奴で、悪くない。非常に良かったと思います。

 しかし、改めて思うのは、やはり山田洋次監督は、日本が誇る名監督である、という事実である。もちろん、そんなことは知ってるよ、お前が知らなかっただけだろうが!! と年配映画ファンに怒られてしまうのは確実だと思うが、一体、この事実は、どうしたら現代の若者に伝わるのだろうか? おそらくは、20代や30代の若者は、まったく山田洋次監督の作品に興味はなかろうと思うし、実際、興行はシニア中心である。もっともっと、若い人に見てもらいたいのだが……おととい観に行った『母と暮らせば』のように、若者を呼べるキャストを使っていくのが一番手っ取り早いのかな……。昨日も書いた通り、『母と暮らせば』には、おそらくは二宮くん目当ての若い女性客が結構入っていた。この『小さなおうち』の、時子奥さまと魅かれあうデザイナーが、吉岡秀隆ではなく、もっとイケメンだったらなあ……と思ってしまったわたしは、実は……ファンの方には大変申し訳ないのだが……吉岡くんがあまり好きではないのです。サーセン。まあ、とにかく、若者層が劇場へ来るようなキャストで、次回作を撮っていただきたい。と思うのだが、実はもう、山田監督の次回作は既に完成しちゃってるんだよな……↓これ。2016年3月公開『家族はつらいよ』。

 わたしはもう、心を入れ替えて、今後の山田洋次監督の作品は、ちゃんと劇場へ観に行くことにするが、はたしてこの『家族はつらいよ』が、若者に届くかどうか……難しいだろうなあ……もう、ずっと二宮くんを起用すればいいのに……!!
 
 というわけで、結論。
 『小さいおうち』は2014年の作品なので、ちょっと前の作品だが、もし観ていない人は是非、今からでも観てほしい。極めて上質な役者陣の芝居に没入していただきたいと思います。松たか子ちゃん、黒木華ちゃんがとにかく最高です。なお、松たか子ちゃん演ずる時子奥さまの旦那は片岡幸太郎氏が演じておりますので、歌舞伎ファンも是非!! 以上。

↓ この映画での松たか子ちゃんは、超可憐でけなげな女中さん。最強に可愛い方言遣い。この映画で惚れた。 ヤバいな……また観たくなってきた。今日もさっさと帰って、久しぶりに観るか……。
隠し剣 鬼の爪 [Blu-ray]
永瀬 正敏
SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
2010-12-23

 最初にまず告白しておきたいのだが、わたしはこれまで、山田洋次監督の作品をほとんど見ていない。もちろん、『男はつらいよ』は何本か見ているが、とりわけファンというわけでもないし(もちろん、観た寅さんは大変面白かった)、最近の作品も数本しか見ていない。なので、山田洋次監督作品と聞いて、よーし観に行くか、という気にはあまりならない男である。また、井上ひさし先生の芝居も著作も、実際のところほとんど観たことがないし読んだこともほとんどない。なので、わたしが昨日観てきた映画『母と暮せば』という作品が、井上ひさし先生による『父と暮らせば』という作品と対になっているなんてことは、全く知らなかったし、今も、それは別にどうでもいいことだと思っている。
 というわけで、映画や小説や芝居を愛してやまないオタク野郎のわたしであっても、上記のようにまるで山田洋次監督や井上ひさし先生について思い入れがないわけで、じゃあ、なんでまた『母と暮せば』を観に行こうと思ったかというと、理由は2つあって、ひとつは、主役の二宮和也くん、吉永小百合さん、そして黒木華(くろき・はる、と読む)の3人の芝居ぶりを観たかったのと、もう一つは、現実に年老いた母と暮らすわたしとしては、タイトルが非常に気になったからだ。そして実際に観て、あろうことが劇場で号泣するという醜態をさらす結果となったのである。大変お恥ずかしい限りである。

 わたしは観る前にストーリーを少し知って、ああ、これは大林宣彦監督の名作『異人たちとの夏』のようなお話かな、と思っていた。死んでしまった大切なあの人にもう一度会いたいと思う主人公が、幽霊となって現れたその人に出会うという物語は、実際のところ洋の東西を問わず結構数多く存在しているものだが、わたしとしては日本映画の中では『異人たちとの夏』という作品が一番好きである。まあ、若干『牡丹灯籠』も混じったテイストの不思議な映画だが、この作品では、当時、たぶん役者として初めて本格的に映画に出演した片岡鶴太郎さんが演じるお父さんが非常に素晴らしい。

 たいていの場合、人生の岐路にある主人公が、既に亡くなった大切な人の幽霊と出会って、再び生きる道を見つけ、最後は幽霊とお別れして終わるというのが王道パターンであろう。なので、本作『母と暮せば』もまた、そういうお話であろう、と勝手に思い込んで観に行ったのだが、半分正解で、半分全然違っていたのであった。いや、サーセン。半分も正解じゃないか。8割方想像と違ってました。
 まずもって、これまでの既存のお話と大きく違うのは、幽霊となって現れるのは、息子、である。父や母といった、「通常であれば先に亡くなった人」が幽霊となって会いに来るのではない。先に息子が亡くなっていて、母が一人遺されているという「普通ではない」状態である。それは舞台が1948年の長崎であることからも明らかなとおり、1945年8月の段階では長崎医科大学の学生だった息子は、投下されたプルトニウム爆弾によって、一瞬のうちに亡くなっているわけだ。その悲劇から3年が経ち、遺された母がやっとの思いで、息子の生存をあきらめるところから物語は始まる。何しろ遺体もないし遺留品もない。亡くなったことが信じられない母は、3年かかってやっと、息子の死を受け止めようとするわけであるが、3年目の命日に、墓前で、亡き息子の婚約者だった女性に、あきらめよう、と言うことで心の区切りをつける母。その日から、ひょっこりと息子は幽霊となって母の前に現れる。息子の幽霊は言う。
 「母さんは、いつまでもぼくのことをあきらめんから、なかなか出て来られんかったとさ」
 この、出現の動機も、原理?的なものも、最後まで説明はないが、まあ説明できるわけがないよね。幽霊なんだもの。母を慰めるために出てきたのか、単に現世に未練があって出てきたのか。それは、最後まで観た人がそれぞれに思えばいいことなので、まあ、詳しくは書きませんが、「あきらめてくれたからやっと出てこられた」というのは非常に面白い。
 そして出てきた息子の幽霊に、思わず母は聞く。「元気だった?」と。それに対して息子は答える。
 「なーに言ってるの母さん。ぼくは死んどるよ。相変わらずおとぼけやね」
 こんなやり取りは、たぶん誰にも経験があるのではなかろうか。久しぶりに会う人に、見るからに忙しそうでゲッソリしていて、明らかに元気じゃないのに、つい、「元気か?」と声をかけてしまうような。わたしはもう、この冒頭のシーンからすっかり物語に入り込んでしまった。この息子の幽霊は、生前からおしゃべりだったという性格のまま、幽霊なのにやたらとおしゃべりで、全く変わることがない。母を心配し、遺してしまった婚約者のことを想っている。婚約者の幸せを望みつつも、誰かの妻となることに素直に祝福できない。そりゃあそうだろうなと、わたしもすっかり主人公の気持ちと同化してしまう。戦後の厳しい時代を懸命に生きようとする母と婚約者。母からその苦労や自分のいなくなった世界の話を聞いて、「悲しくなって涙を流す」と姿が消えてしまう幽霊。こんな3人の芝居は、本当に素晴らしいものであった。

 この映画で、何がわたしをして号泣せしめたか。物語? 脚本? 演出? どれも間違いなくYESであろう。だが、おそらくはわたしのハートに直撃したのは、役者の演技そのものだ。二宮くん、吉永さん、華ちゃん、この3人の演技がものすごく素晴らしいのだ。二宮くんは、わたしが最も好きな監督No.1であるClint Eastwoodに認められた男である。おそらく、ジャニーズにおける演技王決定戦を開催したら、岡田准一くんと優勝を争うことになろう素晴らしい俳優だ。彼の素晴らしいところはその表情とセリフ回しであろう。何とも普通な、自然な表情にかけては、岡田くん以上かもしれない。そしてしゃべり方、話し方も、極めてナチュラルでいて、観ている者のハートに突き刺さるのは何故なんだろう。たぶん、脚本上のセリフではなくて、表情や声や話し方という、演技そのものにグッとくるのだとわたしは思う。岡田くんも、もちろんのこと素晴らしい俳優だが、彼の場合は役になりきる系と言えばいいのか、ナチュラルというより作りこみの結果なのではないかと思う。上手く言えないが、そういう点で非常に対照的だと思うのだが、二人とも最高級に素晴らしい役者であるのは間違いない。とにかく、二宮くんの芝居は必見であると言って良かろうと思う。
 母を演じる吉永さんは、正直なところ、いつもの吉永さんの芝居であるとも言えそうだが、今回は、そもそもの脚本が吉永さんを念頭に当て書きしたものらしいので当然かもしれないけれど、キャラクター的にはちょっと天然で可愛らしい女性、だけど、母としては芯が強く、慈愛に満ちているという、恐らくは吉永さんご本人そのままなんじゃないかという人物設定で、「戦後の、美しく老いていく母」そのもののように感じた。とりわけ、後半以降の吉永さんが弱っていく過程は、わたしも観ていて本当に、母さん大丈夫かよ……と心配になってくるほどで、ラストシーンはもう、ぐすんぐすんと鼻をすすらざるを得ないことになってしまったわけである。吉永さん主演の作品は、わたしは結構見ているつもりだが、泣かされたのは初めてである。
 そして婚約者を演じた黒木華(くどいようだが「はる」と読む)ちゃんだが、この女性はまあ、世に「昭和顔」と称せられるように、どこか懐かしい感じの正統派和風美女であると言って良かろう。わたしは前々から気にはなっていたのだが、きちんとこの人の演技を観るのはたぶん初めてだ。が、観ていてなるほどと思ったのは、まず顔の昭和テイストが非常にわたし好みであるのが一つ、そして身体つきも非常に昭和っぽいといえそうな気がする。腰から足のラインが、現代風に作られた(?)美しさではなく、自然な女性らしさと言えばいいのかな、とにかく人工的・技巧的なラインではなく、きわめて自然な体形だとわたしには強く感じられた。妙にウエストや手足が細かったり、やけに胸はでかいとか、何か努力や作意が働いた結果のラインではなく、いわば、ド天然の女性のラインなのだ。たぶん、わたしはそこにグッと来たのだと思う。もちろん顔も、ド天然である。スーパーに並べられた、規格に沿った見栄えの美しい野菜ではなく、まったくの天然モノ。それがどうやらわたしが黒木華という女優に感じる魅力なのだとわたしは了解することにした。声もいい。芝居ぶりも自然。極めて上物である。大変気に入った。
 わたしが今回、非常にグッと来たのは、華ちゃんが、主人公を亡くし、その魂とともにずっと一人で生きていく、それは私の運命なのだから、と母に告げるところで、母は「それは違う。運命なんかじゃあない。地震や天災で亡くなるのは、そりゃあ運命かもしれない。どうにもできないのだから。でも、浩二は原爆で死んだ。原爆は人の行いで、避けることができたはずのものなんだから。だから、運命なんて言ってあきらめないで。あなたは幸せになっていいのよ!!」的なこと(※正確なセリフは再現できてないと思います)を言って華ちゃんを諭す。このシーンでの吉永さんと華ちゃんは非常に良かったです。
 あともう一人、今回の作品でわたしが素晴らしいと感じたのは、『上海のおっちゃん』という役名で出てくる加藤健一氏である。この人は、演劇人でテレビや映画にはほぼ出ていない役者だが、わたしがこの人で一番記憶に残っているのは、中学生のころに観た映画『麻雀放浪記』における「女衒の達」というシブイ役である。若き日の真田広之や鹿賀丈史と戦う雀士としての演技が非常にカッコ良かったのだが、今回は27年ぶりの映画出演だそうだ。ひそかに母に恋心を抱いていて、せっせと闇物資を運んでくるちょっとお調子者のおっちゃんを、とても印象的に演じてくれている。

 というわけで、わたしは結構何も考えずに観に行った『母と暮せば』という作品だが、この作品が観る人すべてに涙を約束するかというと、これは全く断言できない。おそらくは、女性が観ると全く違う感想を抱くのではないかと思う。この作品は、明確に母と息子の物語である。なので、たいていの男は、吉永さん演じる母に、自分の母を重ねることだと思う。その実際の母が年老いていれば、相当この物語にグッとくるとは思う。
 だが、女性が観たらどう思うか? これはかなり微妙かもしれない。例えば、華ちゃん演じる婚約者に対しても、女性目線であれば、わたしのようにコロッと簡単に好感を抱くかどうかはちょっと怪しい。また、幽霊である息子が、婚約者の女性に対してある種の執着を見せるのも、男ならそうだよなと思っても、女性からすればかなり、そりゃ違うと思うかもしれない。わたしが尊敬する、とある女性は、「女は過去なんて忘れるものよ。ごくあっさりね。先のことしか見ない生き物と思っていいわ」と仰っていたので、そうだとすれば、息子の婚約者に対する想いは、最終的には生きている婚約者の幸せを最優先に考えるものの、ちょっと引くかもしれないとは思った。なので、全女性に対してオススメかというと、正直なところ、わたしは良くわからんです。


 というわけで、結論。
 『母と暮せば』は、男に対しては強くオススメできる。特に、自分の母が年々老いてきて心配な男は観るべし、である。そして女性は……まあ、二宮くんの大ファンは必見ということで。結構若い女性客が多かったけど、まあ二宮くん目当てなんでしょうな。それはそれでアリです。
 あと、わたしとしては、この作品を「演劇」で観たいと強く希望する。
 これは、生の役者の生の演技で、ぜひとも見てみたい。場面転換も、登場人物も絞れるので、非常に舞台向きだと思う。そして、舞台化は、絶対のこの3人のキャストはそのままでお願いしたい。二宮くん、吉永さん、黒木華ちゃん。この3人でないと絶対ダメというか、この3人以外では観たくないかも……。こまつ座で実現してくれないかな……あ、こまつ座で実現したら、役者が変わっちゃうか。うーん。ジャニーさん、よろしくお願いします!! 以上。

↓ というわけで俄然、山田洋次監督作品および黒木華ちゃんが観たくなってきたので、コイツを見てみようと思います。たしか、WOWOWで録画して、HDDの中に埋もれているはずなので……発掘してみるか。
小さいおうち Blu-ray
松たか子
松竹
2014-08-08
 

 というわけで、月曜日は毎週恒例の週末興行収入データです。
 この週末は、 邦画で新作が3つ、東宝の『orange』、松竹の『母と暮らせば』、東映の『仮面ライダー』と邦画大手3社のお正月作品が出そろった。1位は見事に『orange』が獲得。なお、わたしも、今日は14日、トーフォーの日という事で、帰りに『母と暮らせば』を1100円で観て号泣してきたが、それは明日詳しく書くことにして、まずはランキングである。

 いつも通り、興行通信社による大本営発表を見てみよう。
 1位:『orange』 が3.1億を稼ぐ。まずまずのスタートで、これなら15億は超えそうだ。原作のどこまで映画化したのか、気になるところではあるが、今のところ観に行く気はナシ。
 2位:『007』が累計で15億を突破したそうです。順調な推移ですな。
 3位:『母と暮らせば』が2.4億稼いで3位。恥ずかしながら泣いた。詳しくは明日書きます。山田監督前作の『小さいおうち』が1.2億スタートだったので、倍の興収を稼いだ。最終で12.6億だったので、15億以上は固そう。20億まで伸びて欲しい。やっぱり、二宮くんは抜群にうまかった。
 4位:『仮面ライダーゴースト 超MOVIE大戦ジェネシス』 2.2億スタート。これは、夏ライダー(2.1億)、春ライダー(1.8億)、去年の年末ライダー(2.0億)の各公開週末数字よりいい。このところ数字が落ちる一方であったが、ほんのちょっとだけ持ち直している。
 5位:『I LOVE スヌーピー』は累計で3.7億ほど。これは結構悪くない数字かも。
 6位:『杉原千畝』は累計4.3億ほど。うーん、10億は厳しいか?
 7位:『海難1890』は苦戦か、累計2.9億ほど。良くても6~7億程度か?
 8位:『ガールズ&パンツァー』が累計5億突破。たいしたもんだ。興味ないけど。
 9位:『映画 ハイスピード』は累計で2億をチョイ越えか。興味なし。
 10位:『リトルプリンス 星の王子さま』が累計5億突破。頑張った数字だと思うな。
 で、この後に『レインツリーの国』が11位で累計4.4億と厳しい展開。『MOZU』はやっと11億を超えたぐらい、『グラスホッパー』も9.5億ほどとまだ10億に届かず。もう一声頑張ってくれ……!!

 というわけで、今週末は以上のような結果となったが、今週金曜日にはいよいよ『STARWARS』がやって来る。土日だけの2日間で、 現状のチケットの販売状況からすると、まあ10億は余裕で超えていくと思っているが、わたしがデータをせっせと記録し始めた2010年以降で、公開初週の数字のTOP10を挙げておくと、以下のような作品になる。
 1位:『妖怪ウォッチ』:16.2億スタート→最終90億チョイ(?)。2014年12月公開。
 2位:『ONE PIECE Z』:13.7億スタート→最終68.7億。2012年12月公開。
 3位:『アリス・イン・ワンダーランド』:13.1億スタート→最終118億。2010年4月公開。
 4位:『ハリーポッター』の最終作:13.0億スタート→最終96.7億。2011年7月公開。
 5位:『パイレーツ・オブ・カリビアン生命の泉』:12.0億スタート→最終88.7億。2011年5月公開。
 6位:『ヱヴァンゲリオン:Q』:11.3億スタート→最終53億。2012年11月公開
 7位:『バイオハザードIV』:11.1億スタート→最終47億。2010年9月公開。
 8位:『トイ・ストーリー3』:9.7億スタート→最終108億。2010年7月公開。
 9位:『踊る大捜査線3』:9.7億スタート→最終73.1億。2010年7月公開。
 10位:『風立ちぬ』:9.6億スタート→最終120.2億。2013年7月公開。
 なお、最終254.8億まで伸びた『アナ雪』は、7.6億スタートだった。手元に記録が残ってないが、確か2009年12月公開の『アバター』(最終156億)も、公開週末は10億行ってなかったと思う。
 このデータから傾向を読み取るとすると、初動に偏ってしまって、その後はあまり伸びない作品もあると。例えば上記では、6位の『ヱヴァQ』などはその典型であろうし、7位の『バイオIV』も極端な初動型と言って良かろうと思う。まあ、初動10億を超えたら、最低でも累計で50億は超えるだろうし、うまく行けば100億にも届くと。ただ、やはり『アナ』や『トイスト3』『風立ちぬ』のように、100億を超えるために絶対な必要な要素は、ファミリー層の取り込みだ。
 現時点で、『STARWARS』にワクワクしているのは、確実にわたしのようなおっさん層がメインである。なので、問題は、盛り上がっているおっさんが、きっちり家族に『STARWARS』教育をしているかどうかにかかっている。つまり、おっさんがきちんと家族を、具体的には子供を連れていくかどうか、がカギであろう。実のところ、現在30代前半から10代中盤の、いわゆる若者層は、おそらく『STARWARS』にそれほど思い入れはないはずだ。事実、わたしの周りの女性たちも、『STARWARS』をすべて観て、今回ももちろん観に行くと言っているのはごく少数だ。なので、どのような興行成績となるかは非常に興味がある。間違っても80億とか70億とか、半端な数字にはならないと思うが、100億を優に超えるかどうかは、ちょっと今のところ想像はつかない。
 なお、新三部作は、『Ep.I』が配給収入で78億(≒興行収入換算で倍、とすれば150億)、『Ep.II』が興行収入 93.5億、『Ep.II』で興行収入91.7億である。今回の作品としては、『Ep.I』の150億程度が目標値であろうか。当然100億以上と関係者たちは考えているはずだが、果たして楽勝で100億に達するのか、90億程度で終わってしまうのか、おっさんたちの動向にかかっていると言っても過言ではなかろう。
 もちろん、内容も重要だ。あまり面白くないなんて口コミが広がったら、確実に客足は遠のいてしまう。ただでさえ、子ども映画的には『妖怪ウォッチ』という伸び盛りの作品が競合している中、おっさん客までも来なくなったら相当厳しいことになるのは間違いない。まあ、監督のJJは、分かっている男だと信じているので、余裕で100億を超えることを期待したい。おっさんたちがどのくらいリピートで観に行くかも、大きく影響するだろう。わたしは、とりあえず12/18(金)の初回上映は地元で見て、その後、DOLBY Atmos版とIMAX版を観に行ってしまうような気がしているが、普通のおっさんは1回見れば十分だろうし、うーん、わからないね、どこまで伸びるか。
 まあ、いずれにせよ、あと4日。楽しみに金曜日を待つことにしよう。

 というわけで、結論。
 12月2週目の興行収入ランキングは、『orange』の1位スタートとなった。来週は『STARWARS』と『妖怪ウォッチ』が公開となり、まあ確実にどちらかが1位であろう。現状、既に土日のチケットまでも完売に近い『STARWARS』が勝つとは思うが、一方で、その状況下で『妖怪』がどれだけ稼ぐかについても見ものである。去年の16億はちょっと難しいとしても、10億近いスタートが切れるかどうか。こちらも楽しみにしていよう。以上。

↓ さあ、あと実質3日。準備は万全ですか?
スター・ウォーズ コンプリート・サーガ ブルーレイコレクション(9枚組) (初回生産限定) [Blu-ray]
リーアム・ニーソン
20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
2015-11-13

 というわけで、今日も引き続き、BOOKWALKERのフェアで、タイトルと試し読みで適当に、これは、と思う作品を買って読んでみたのだが、実際に最期まで読んでみて、これはちょっとイマイチだったな……というものが続いてしまった中で、ひとつなかなか面白い作品にめぐり合った。
 「ドラクエ」や「ファイナルファンタジー」といったゲームでおなじみのスクウェア・エニックスという会社は、漫画やゲーム攻略本を中心に出版社としても事業活動を行っている会社だが、特にコミックスに関しては、なかなかの良作が多く、アニメ化も積極的に行っている。わたしが昨日購入して読んで、なかなかいいじゃない、と思った作品も、このスク・エニの本であった。
銀河ロケットにお葉書ください(1) (ビッグガンガンコミックス)
太田垣 康男 スタジオ・トア
スクウェア・エニックス
2015-10-24

  原作を、『MOONLIGHT MILE』でおなじみの太田垣先生が担当し、漫画を太田優姫先生が担当する分業作品である。太田垣先生は、まあもはや有名な方なので説明しないが、作画の太田先生は、そもそもはスク・エニが主催する漫画新人賞出身の方だそうで、『イブの時間』のコミカライズなどを担当されていた方である。女性作家らしい繊細な線で、ハートウォーム系のお話を盛り上げてくれる上質な作画であった。
 で。お話は、カバー裏にまとまっているので、それをそのまま引用しよう。スク・エニの電子書籍は、そういう部分もきちんと電子化してくれるのが面白い。手がかかる面倒なことだが、これはぜひとも他の出版社も見習って欲しいものだ。

 「10ヵ月後、人類滅亡は決定的となりました」
 TVのアナウンサーから唐突に告げられる、隕石の衝突、地球消滅へのカウントダウン。 
 混乱の中、日本政府は「銀河ロケット事業団」を設立。国民一人一人から最期のメッセージとなる葉書を集め、宇宙船「銀河ロケット号」に搭載。人類が生きていた証を携え、遠い銀河へと旅立つのだ。人生の「終わり」を知った、一人一人の胸に宿るものとは・・・。純粋抽出ヒューマンドラマオムニバス。

 というお話なのだが、要するに、ある日、地球に巨大隕石が衝突することが全世界に知らされる。もはやいかなる方法でも、隕石を破壊したりすることは出来ず、衝突は不可避であり、地球は10ヵ月後に確実に消滅するという世界。その中で、日本では、全国民に向けて、最期のメッセージ(画像入りOK)を葉書に書いて送ってくれれば、それをプレートに印刷・刻印して、人類が生きた証を宇宙に向けて放出する、ということを発表すると。で、各お話の主人公が地球最期の日までどう生きて行こうとするか、を描いたものだ。
 当然、あと10ヶ月で地球がなくなるなら、みんな働かなくなるわけで、あっという間に社会インフラは機能しなくなるし、治安も乱れ、物価もものすごく上昇する。立ち食いそばが300円だったのが7600円になるとか。りんご1個が30万円とか。自殺者も増加し、堕胎も極めて増加する。しかし、この漫画の中では、わたしが想像するよりもずっと世の中はまだマシに動いているし、物騒さもかなり控え目だ。こんなもんなのかなあ? 
 似たような世界観で、わたしが真っ先に思い出したのは、伊坂幸太郎先生の『終末のフール』という小説作品だ。ああ、改めて調べてみると、もうだいぶ前の作品だなあ。
終末のフール (集英社文庫)
伊坂 幸太郎
集英社
2009-06-26

 この作品も隕石が地球に衝突するまであと8年、というところから始まって、物語はその宣言の5年後、残りあと3年の世界を描いた話じゃなかったかな。そこは、非常にもっと殺伐とした世界、なんだけど、宣言から5年経って、だいぶ世界は落ち着きを取り戻していて、そんな世界に生きている人々の生き様が、ちょっとユーモラスに、そして切ない感じで描かれている。たぶん、わたしの好きな伊坂作品を挙げろといわれたら、かなり上位に上げる作品だと思う。
 で。この『銀河ロケット』は地球消滅まで10ヶ月しかないので、もっと秩序が失われてヒャッハーな世界になっていてもおかしくないような気がするが、この漫画ではそういう描写はほとんどない。まあ、短いから逆に、人々は実感がなく、そのままの生活を続けようとするのかもしれないね。
 ま、とにかく。この漫画はある種の短編連作である。
 1話目は、状況説明だけで特定のキャラクターを追うものではなく、まったくの序章。
 2話目は、産婦人科で看護師を続ける一人の女性が主人公。何事にも醒めた性格の女性は、「最期のメッセージ」なんてまったく出すつもりはない、けれど、これまでの人生を振り返って、やっぱり「メッセージ」を残そうと心が変わっていく様子が描かれる。
 3話目4話目は前後編構成で、2話目の女性の彼氏が主人公。2話目では、故郷の沖縄に戻ると告げて、看護師の彼女と分かれる男としてチラッとしか出てこない彼が、沖縄へ旅立とうとする話。もちろん、飛行機などは料金も跳ね上がっているし、便も少なくなっているし、どんどんと空港機能も停止しつつある中で、今まで本気で生きてこなかった彼が、さまざまな人に触れて、沖縄に行くところまでを描くお話である。
 この単行本(1)巻は、これで終わってしまっているので、ちょっと物語のボリュームとしては淋しい。それに、正直なところ、あまりにいい人ばかりのような気もする。そういう点では、ちょっと読んでいてまぶしいというか、若干のくすぐったさは感じる。
 しかし、人間は、いつも同じ毎日を生きていると、だんだんと何かを失っていくというか、感覚が麻痺していくわけで、大切な何かを失っていくことに気が付かないし、自らを振り返ることも、まずしない。それはまったく当たり前のことなので、仕方ないのだが、何らかの出来事によって、自分のこれまでを振り返ることを余儀なくされる状況に陥ったとき、果たして人は、かつての「こうでありたかった」自分を取り戻すことが出来るのか。それとも見なかったことにして目を瞑り、それまで通り麻痺した感覚の中で生きて行こうとするのか。ま、それは人によるし、いいとか悪いの問題じゃあない。間違いなく言えることは、自らを振り返って、自らを変えていこう、元々持っていた、大切な何かを取り戻そう、とすることは、非常に勇気の要ることであろうと思う。この漫画は、そんな勇気を持とうとする人々を描いた、なかなかグッと来るものがある漫画であった。

 というわけで、結論。
 『銀河ロケットにお葉書ください』という漫画は、死を前にした人々の生き様を描いたなかなかの傑作である。ちょっと綺麗事と言ったら失礼だが、美しいお話ばかりなので、万人受けするのかよく分からないが、(2)巻が出たら当然買って読みたいと思う作品でありました。以上。

↓ 死が目前に迫る中、どう生きるか。それをハリウッドで描くとこういう物語になる。日本でも13.5億のヒットとなった。最期は結構泣かせる。なかなか悪くない。
最高の人生の見つけ方 [Blu-ray]
ジャック・ニコルソン
ワーナー・ホーム・ビデオ
2010-04-21

 今年奇跡の大復活を遂げ、世のおっさんたちを歓喜させた『MAD MAX:FURY ROAD』。確かにわたしも嫌いじゃないというか大興奮したわけだが、どうにもここまで大絶賛する人が多いと、うーん、なんなんだ……? と思ってしまうのは、ひとえにわたしのねじ曲がった性格ゆえであろうとは思う。いや、復活は嬉しいし、ヒャッハーで最高だけれど、どうせMADMAXシリーズを劇場で観てない連中ばっかりのくせに、今さらそんな誉めても、ねえ。
 そんなことはさておき、WOWOWで録画しておいた映画をきのうの夜ぼんやりと観たのだが、その映画の邦題が、『マッド・ガンズ』というのは、本作と『MADMAX:FURY ROAD』にも両方に出演しているNocolas Houltに引っ掛けたのだろうけど、ちょっとどうなんだという気がする。原題は『Young Ones』、直訳すれば「若僧ども」である。 
 
  一応、日本公開は今年の3月なので、『MADMAX:FURY ROAD』が6月公開だったことを思えば、こっちの方が先だからパクリじゃない! という主張をされるかもしれないが、まあ、そりゃあ、ふーん、そうなんですか、失礼いたしました、とでも言っておけば良かろう。まともに取り合う必要はない。
 で。明確な年代表示はなかったと思うが、おそらくは近未来。水が貴重な資源となっていて、ガソリンやらハイテク機器やらは普通にあるのだが、とにかく水が少なくて、都市部はまだ健在ではあるけれど、田舎では畑も干上がり砂漠化が進行している、というような世界を舞台としている。前半で買う、荷物運びマシーンが非常にイイ感じで、このマシーン、あれだよな、アメリカで開発してる動画が公開されてた、四足歩行のロボット・ロバみたいな奴。最終的にこのロボが極めて重要な役割を果たすことになる。↓これこれ、こいつがこの映画に出てくる。

 お話としては、頑固者の父と息子と娘がいて、息子はやけに内向的?な、おとなしい少年、その姉である娘は、田舎暮らしにうんざりしていて、近隣でちょっとした鼻つまみ者のアウトローめいた若者に恋しているという状況をベースとして、配給品の配達を生業にしている父は、どうしても水パイプラインを自分の畑にも引きたがっているんだけど、誰も味方してくれない、そんな父を一緒に助ける息子、そしてさっさとこんな生活からおさらばしたい娘が、まったく父の言う事を聞かない、というところから話は始まり、中盤で父が殺されるところで話が動くと。で、観ている観客は殺した犯人はあいつだろ、と分かっているけれど、そんなことを知らない娘はさっさと男と一緒になるが、残された弟が、父の死の真相を知って、きっちり復讐して「若僧」から「男」に成長する、というお話である。

 正直なところ、たいして面白くはなかったのだが、何気に役者陣が豪華であった。
 まず、頑固者の父を演じたのは、Michael Shannonである。この人、見かけによらず若いという事をさっき初めて知った。1974年生まれだそうで、わたしはまた、もう40代後半~50代ぐらいかと思ってた。大変失礼いたしました。結構いろいろな作品に出ているのだが、まあやっぱり最近ではMan of Steelのゾット将軍でしょうね。あまり好きでも嫌いでもない人ですな。
 で、とんでもないバカ娘を演じたのは、Chloe Grace Moretzちゃんに並ぶブサカワでおなじみのElle Fanningちゃんである。わたしはこの娘さんは全く興味ないというか、全然好みでないので、実はどうでもいい。どんどん縦にも横にも大きくなって順調に発育しているさまが、親戚の娘を見ているような錯覚を抱くが、残念ながら10年後は想像したくないタイプのメリケン・ガールである。頑張って美しくなっておくれ。
 そして、その彼氏となる男を、微妙にイラつくキャラとして微妙な演技で見せてくれたのが、ニュートことNicolas Hoult君26歳である。この男は、わたしとしては『X-Men:First Class』においてわたしの大好きなJennifer Lawrenceちゃんにあっさり振られた哀れなBeastとしておなじみだが、まあ最近はかなり売り出し中の若手有望株であろう。以前もなんかの記事で書いたけれど、『Warm Bodies』でのゾンビ役はなかなか良かった。意外と演技派ですね、彼は。
 で、最後。おとなしいけれどきっちり男を見せてくれる弟を演じたのが、Kodi Smit-McPhee君19歳である。この顔、どっかで見たことがある、と思って調べてみたら、なんと5年前の2010年に、天下のブサカワ・ガールことChloe Grace Moretzちゃんが主演した『Let me in』(邦題:モールス)のあの男の子じゃないですか。いつの間にこんなに大きくなって、わたしは驚いたよ。そういえば去年は『Dawn of the Planet of the Apes』にも出ていたね。抜群のイケメンではなく若干個性的な顔つきだが、演技はとても良いので、今後を非常に期待したい。
 そしてこの映画、わたしが一番、え、そうなんだ!? と驚いたのは、監督を務めたJake Paltrow氏40歳である。もう、名前を出せばピンとくるでしょ? わたしも、あれ、まさか? と調べてみたらビンゴだった。かのトニー・スタークの有能な秘書兼恋人でおなじみのペッパー・ポッツことGwyneth Paltrowさんの弟だって。全然知らなかったな、弟が映画監督をやっていたとは。お父さんが監督、お母さんは女優、というのは知ってたけど、弟がいてしかも監督だったとは。へえー。
 
 というわけで、結論。
 正直イマイチというか、何とも見ていてイライラする物語であった。ただし役者陣の芝居ぶりは十分以上に素晴らしく、その上手さゆえにイライラも募ったのであろうと思う。上映時間は105分ほどと短いので、ごくあっさり淡々と物語は展開し終結するのは好印象。演出的にも妙な味があって悪くないし、出てくるハイテク機器も、何だこりゃ? と不思議な未来感があって良かったと思います。

↓  結構好きなんですけどね。ブサカワガール主演作の中ではわたしとしてはNo.1作品。
モールス BD [Blu-ray]
クロエ・グレース・モレッツ
Happinet(SB)(D)
2013-05-02

 わたしは電子書籍の購入に際して、『BOOK☆WALKER』という販売サイトを利用しているが、現在、5周年だそうで、大規模なフェアを実施しており、コインバックが50%、つまり、実質半額で電子書籍が買えるので、この機に、読んだことのない作品をせっせと買い続けている。
 しかし、実際の本屋さん店頭ならば、棚をぶらぶら歩くことで未知なる書籍との出会いが生まれるわけだが、やはり電子書籍の場合は、「検索しないと出会えない」という致命的な弱点がある。要するに偶然の出会いが極めて少ないということで、こちらから何らかの能動的なアクションがない限り、未知の本とは出会えない。なので、電子書籍は基本的には新刊だったり、名作的な懐かしモノだったり、そういう、読者が最初から知っている本が売上の上位に来る。結果、売れる本は売れ、売れない本は全く売れないという不自然な2極化が進んでしまう事になる。
 もちろん、そんなことは誰だって分かっているし、本に限らずECすべてにおけるの特徴というか短所であるので、各電子書籍販売サイトは、「おすすめ」をしたり「フェア」を開催したりして、利用者へ向けて「未知なる本との出会い」を演出しようとしてくれているわけだ。とはいえ、「おすすめ」はしょせん統計データに過ぎず、あなたが購入された本を買った別のお客さんは、こんな本も買ってますよ的なおすすめだったり、同じ著者のこの本はどうですか? といったおすすめであるので、そこには人間のハートは存在しない。だから何だと言われると困るのだが、わたしとしてはそんなおすすめには用はない。だいたい、そういうのは「おすすめ」されるまでもない作品ばかりだしね。そういうハートのないおすすめが、現在の世の中には満ち溢れているが、まあ、恐らく人類はそういうおすすめに慣れていくことで、いろいろなものを失っていくんでしょうな。
 ま、そんなことはどうでもいいとして、今回わたしがまとめて全巻買ってみたのが、この作品である。全巻、と言っても4巻で完結しているので、大したことはないのだが、非常に本格的なタイムトラベルSFで、大変面白かった。

 なぜこの作品と出会ったかというと、現在BOOKWALKERで開催されているフェアにおいて、日替わりで版元ごとにさらに半額、という企画の中で、昨日この作品の版元である朝日新聞出版の作品が対象になっていたからだ。なので昨日のわたしは、朝日新聞出版……うーん、オレの欲しい本はあるのかねえ……と一覧で作品を眺めていたところで、この作品に目が留まったというわけである。
 そもそも、朝日新聞出版といえば、かの「朝日ソノラマ」が事業を清算した後にその資産を継承した版元であるので、最初はソノラマの作品を目当てに何かないかなーと探していたのだが、こういうコミックもあるとは知らなかった。決め手は、タイトルと絵柄、そして試し読みで読める冒頭の数ページを読んでみての感触である。うん、なかなか面白そうじゃん。それだけの、いわば衝動買いである。しかし、非常に幸せな偶然の出会いであったとわたしは思っている。面白かった。

 お話は、非常に複雑である。主人公、杉田果子(スギタ・カコ)は中学生。どうやら生まれつき(?)、「扉を開けると、開けた先が、時間と空間を超えた、どこかの時代のどこかに繋がる」という能力を持っているらしい。なので、やばい、遅刻だ! と慌てて自室を出たその先が、3日後だった、というようなこともある。もちろんその能力は常に発揮されるわけではなく、ランダムに発生することもあるようだが、元の時空間に戻ることを強く念じて扉を開くことで、元の時間軸に帰ることはできる。
 また、本人が複数存在する状態も許容されていて、3日後の自分と出会って、あんたさっさと帰りなさいよ、と自分二人で口論になることもあるし、記憶の伝達も可能である。試験の問題を教えるとか、そういう事も出来るのだが、それをやったことで不自然に成績が良くなってしまい、カンニングでもしたのかと不審がられて、以降、自分に対して記憶の伝達はやめるという自分ルールを作っていたりする。
 そんな果子は、ある日、「タラベラー」と名乗る一人の男と出会う。彼は、2446年からやってきたタイムトラベラーで、25世紀にはタイムトラベルはごく普通の技術として確立しているのだという。時間旅行は一般的な娯楽であり、タイムトラベラー、略して「タラベラー」はごく普通の存在で、2007年にやってきた男は、果子もそんなタラベラーだと勘違いして接近したのだが、果子が2007年に生きる「現時人(=その時に生きる人)」だという事が分かって、慌てる。タイムトラベルには、いくつかのルールがあって、現時人との必要以上の接触は禁じられており、その禁忌を犯すと、罰則はあるし、重大な時間干渉をしてしまうと、時が止まって(その状態を「ホールド」という)しまい、元の時軸に戻れなくなるのだ。
 物語は、こんな感じで出会った果子と男が、あることが原因で二人とも時に囚われてしまい、そこからの脱出を試みるというものである。絵柄は大変可愛らしいのだが、非常に設定が細かく緻密で、大変興味深い。例えば、時間はそれ自体に自己修復機能があって、何か歴史を変えるようなことをしてしまうと無理矢理その流れに沿って結果の帳尻を合わせようとしてしまう作用が働くらしい。だから、人の生死はまず動かせない。交通事故にあってしまう人を助けても、別のことが起きてやっぱりその人は死んでしまうとか、そういう事が起こる。なので、「ホールド」が発生してしまうのは非常に大きな時間への干渉をしてしまった時だけなのだが、物語は非常に複雑な道のりを経て、ちょっとした感動的なフィナーレを迎える。わたしは大変気に入った。

 この作品は、もともとは、「ネムキ」という隔月刊の少女漫画雑誌に連載されていたものだそうだが、そんな雑誌があったことすら知らなかった。まあ、出版不況、とくに雑誌の壊滅的な部数減の昨今、既に2013年に休刊になってしまっているようだ。しかし、このような、良作に出会うと、つくづく、もっと売れていればなあと思う。世には、こうした、知る人ぞ知る的な良作がなんと多いことか。そして、そのような良作に巡り合うことがなんと難しいことか。そういった幸せな出会いを作るのは、メーカーたる出版社の役割なのか? それとも小売りたる本屋さんや電子書籍販売サイトの仕事なのか? いや、それとも、ユーザーたる我々のすべきことなのか? 良くわからないけれど、まあ微力ながらわたしも、インターネッツという銀河の片隅で細々と紹介を続けることで、少しは役立ちたいものだと思っている。

 というわけで、結論。
 『時間の歩き方』は、非常に正統派の純SFで、大変楽しめた。ちょっと複雑なので、すらっと読めるものではないかもしれないが、わたしとしては非常に面白いと思った。Webを検索すると、結構レビューが出てくるので、既に、その道では有名な作品みたいですな。おすすめです。なお、BOOKWALKERのフェアは12/13(日)の09:59まで開催中ですよ! 以上。

↓ タイムトラベルもので、わたしが一番好きなのは、なんといってもわたしの愛するStephen Kingのこれですよ。『11/22/63』は、イチイチニーニーロクサン、と読んでください。1963年11月22日、という意味です。ラストは泣ける。素晴らしい作品。James Franco主演でHulu配信限定の映像化も進行中です。
11/22/63 上
スティーヴン キング
文藝春秋
2013-09-13

11/22/63 下
スティーヴン キング
文藝春秋
2013-09-13


 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 そしておとといの12/8には、『鮫島、最後の十五日』のコミックス単行本の最新刊(5)巻も発売になっておりますので、『鮫島』がお好きな皆さん、買ってください。わたしも電子版と紙版両方買いました。今回の(5)巻は、 前巻から引き続き、4日目の【巨桜丸】との戦いが最後まで描かれております。話数的には第35話~第43話の9話分ですね。基本的に、週刊少年チャンピオンの連載漫画は20ページを基本としているんですな。ジャンプは19ページが基本だけど。なので、ジャンプの連載漫画は、左のページから始まって見開きで終わるのが普通で、チャンピオンは左ページから始まって右ページで終わる、という事になっているわけです。で、チャンピオンコミックス単行本の基本フォーマットは、総扉+著者作品AD+目次で4P、本編20P×9話で180P、ファンレター宛先+次巻予告+奥付で4P、というわけで合計188Pとなるわけだが、本は基本的に16の倍数ページになるもので、普通のコミックスは192Pが一番紙の都合で効率が良く、コスト的に安く作れるとされている。足りない4Pは扉を足したり本編増ページで対応する必要があって、今回の(5)巻は、第41話だけ24Pになっているわけだ。毎週の連載では気が付かないけれど、そんな風にして、単行本となった時のページ調整がなされているのです。以上、出版常識小ネタでした。
 ま、そんなことはともかく、今回の(5)巻で一番グッとくるのは、やはり対戦相手の【巨桜丸】ではなく、鯉太郎の弟弟子、大吉でしょうな。前作『バチバチ Burst』の冒頭から登場しているキャラだが、ただのデブで引きこもりのアニオタだった大吉、何度もみんなに迷惑をかけてきた大吉が、本作『鮫島』では、ちょっとだけ成長している。まだまだハートが弱い大吉に、鯉太郎は戦う姿を見せることで、大切なことを伝えようとする。この(5)巻ラストの、「僕…支えますから…最後まで支えますから」と涙を流す大吉にはホントに泣かせてもらったよ。大吉、お前も頑張れよ!! いやあ、『鮫島』は本当に最高ですね。

 というわけで、まずは今週の週刊少年チャンピオン概況です。
 まあ、今週もとりわけ、椅子から転げ落ちそうになるほどびっくりする展開はありませんでした。『牙刃道』のラストで「ガイア」が登場したのはちょっと驚いたけど。あとは……『ペダル』は今週は変態・小鞠くんの過去話。正直、わたしとしては別にどうでもいいかな……。『リク』は刑務所外のダブルドラゴンクロスのメンバーに繋ぎが付いたところまで。そして、わたしとしては応援している『ニコべん!』が非常に良かった。お弁当作りを部活にするという展開は非常にいいと思う。これで地味だったお話も、少し盛り上がれそうだ。どうか長く続くよう、わたしも単行本を買って応援します。なお、『錻力のアーチスト』は、神奈川県大会決勝を前に長期休載に入っています。あ、先週から再開した『聖闘士聖矢』は、最高なんですがちょっと間が空きすぎて……。単行本買うか……。

 さて。では、今週の『鮫島』ニュースです。
 いよいよ新・小結となった【蒼希狼】と、横綱の対戦です。信頼が芽生えていた兄弟子【大山道】の言葉も【蒼希狼】には届かず、何のために今までオレは戦ってきたんだ、という心の芯がグラついたな状態で横綱に挑んでしまう【蒼希狼】。しかし、横綱にはそんな状態ではまったく太刀打ちできるはずもなく、立ち合い一発ではじき飛ばされてしまう。その時、【蒼希狼】は悟る。この力、この横綱のような、まさしく太陽のような力がないとダメなんだ。バカな夢を見ちまった…俺には初めから、何かを変える力なんて、初めからなかったんだ……というわけで、ダークサイドに転落してしまったと、まあそういうわけです。
 ちょっとちょっとちょっと……【蒼希狼】よ、お前それでいいのかよ……この取組がいつの話なのかは分からないし、横綱の顔も名前も明らかにされなかったけれど、お前はここで終わる男なのかよ……鯉太郎に、「つまんねー奴になっちまったな」と言われても、こりゃしょうがないぜ!? お前も横綱のような、すべてを包み込む光のような力を付けろよ……と、ただの部外者としては思うけれど、心折れてしまった野郎をもう一度奮起させるのは、そう簡単じゃないですわな。兄貴分の【大山道】があれほど心配しているのに……まあ、来週以降描かれる、鯉太郎と【大山道】の戦いを、しっかり目に焼き付けて、もう一度、立ち上がっていただきたいものだ。
 たぶん、次の単行本(6)巻は、ここまで、ですな。まあ、十分なヒキと言って良いでしょう。この先の鯉太郎と【大山道】で9話かけるとは思えないけれど、どんな戦いになるのか、まあ、確実に泣けると思いますが、楽しみにしていますよ、佐藤先生!!

最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
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 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
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 【天雷】東関脇
 【蒼希狼】??? 最高位は小結
 ※右額の傷は、初入幕初日の【桐の里】戦で負ったもの
 ※現在の現役横綱は、モンゴル出身力士で「大横綱」と称されている模様 
  ただし、【蒼希狼】の過去話の時点なので、この9月場所も現役か不明。

 というわけで、結論。
 今週の『鮫島』は、【蒼希狼】が初めて横綱と対戦し、その圧倒的な力の「質」の違いに絶望するところまで、であった。これでほぼ【蒼希狼】の過去は明らかになったと思う。なので早く鯉太郎VS【大山道】を見せてくれ!! って、年内はあと1冊か……決着は年越しですなあ……。
 あ、そういえば大相撲初場所なんですけど、発売初日に頑張ってみたものの……升席は瞬殺で取れませんでした……くそう!!

↓ まだ買ってない方、すぐに買うべきです。ファンならば!!

 以前、最近のライトノベルは面白いのか、試しに各レーベルから新作を買って読んでみよう、と、ひとりラノベフェアを実施してみたところ、まあ、正直外ればかりだったのだが、1作だけ、これはなかなか良いではないですか、と言う作品に巡り合った。それが、スニーカー文庫の『保育の騎士とモンスター娘』である。
 まあ、比較的ほのぼのとした癒し(?)ストーリーで、大変気に入ったのだが、10月の末に2巻が出ていたので、早速買ったものの、ちょっと読むタイミングが遅れてしまって、昨日から読み始めたら、あっというまに読み終わった。まあ、軽~いお話なので、数時間で読了可能です。

 というわけで、1巻からちょっとお話を復習しておくと、人間と魔族の戦争があって、それがこのたび休戦に至ったと。で、魔族側から、「魔族の幼体をひとところに集め、人間の管理を受けさせる」ことが休戦条件の一つだったと。で、作られた国立保育園ができたわけだが、そこへ派遣された騎士見習いの主人公は非常に真面目で、院長代理を務める人間の娘とともに、魔族の子供たちの面倒を見ることになる――というもので、前巻では、職務を全うするにあたり、いちいち、騎士道がどうたら、とか、真面目一徹で、それが園児たちの巻き起こす騒動とのミスマッチが非常にほのぼのとして面白い、というものだったが、この2巻では、主人公のまじめぶりは全く変わらず、だいぶ保育士としての信頼も上がって、みんながこの主人公が大好き、という環境になっている。そこに、人間の世界から、かつての後輩見習い騎士(女子)がやって来て――ちょっとした騒動を起こす、というのが今回のお話である。
 相変わらず、魔族の子ども、モンスター娘(チルドレン)たちは非常にかわいらしく、とても生き生きと、魅力的に描かれている。今回は、園児の中で一番やんちゃで元気のいいドラゴン族の子と、言葉遣いが非常に大人っぽく、常に足が隠れるロングドレスを着こなす妖艶なアラクネ族(=大蜘蛛)の子、この二人がいつも喧嘩ばかりしているのを何とかしようとする話を核に、主人公の後輩で何かと突っ走りがちな元気女子を派遣した人間界の陰謀などもからまって、ひと騒動起きるわけだが、比較的多めのキャラクターもきちんと書き分けられて、性格付けもしっかりしているので、読んでいて混乱はない。今回は、魔族側から派遣されている魔族将軍(女子)が非常に良い。おっかない将軍なので、基本的にまったく無口なのだが、主人公との掛け合いで若干のデレ成分が生じてきて、かなりのハーレム展開になりつつあるのが、読んでいて非常にうらやま、けしからん思いである。
 とはいえ、この作品の一番のポイントは、可愛い子供たちや園長先生や魔族将軍といった女子陣ではなく、やはり主人公ライナスという少年であろうと思う。まあ、17歳という設定なので少年と呼ぶことにするが、彼の真面目さが、非常に芯が通っていて、好感が持てるのだ。だからこそ彼はみんなに好かれ、ハーレム的な環境にあるわけだが、当然彼は全くの朴念仁なので、女子とのイチャイチャ展開は皆無である。しかし、その真面目さが生むズレが、とても読んでいて楽しく、真面目であるからこそ、周りのある意味ハチャメチャさも際立って面白い、というわけだ。わたしがここまで褒めるライトノベルは、なかなか他にはないと思う。自分で言うのもちょっとアレですが。
 ただし、である。杞憂であればよいのだが、昨今のライトノベルの市場動向や、新刊の販売状況などを眺めていると、ちょっと売り上げ的に厳しいような気がする。神秋先生がこの後どういう展開を用意しているのか分からないが、何らかのテコ入れをしないと、ちゃんと3巻が出るのか心配だ。
 わたしとしては、物語の展開として舞台となる「保育園」が、ほぼ作品の世界観から切り離されているのが問題なのではないかと思う。作中の世界情勢からすれば、非常に重要な施設(?)のはずなのだが、基本的に園児たちの可愛さがメインとなっているため、政治や保育園設立に至った人間・魔族の両サイドの思惑から分離してしまっているように思える。本来はもっと、悪い奴のたくらみが進行していて、それを主人公が打破する、そしてその時にはピンチの主人公を園児たちが救うような展開が、まあ恐らくは王道展開なのではないかと思う。しかし、いまだ、キーとなる園長の女子についてもふんわりとしか説明がないし、そういった陰謀めいた不穏な空気も(皆無ではないが)非常に希薄である。
 もちろん、それを前面に出してしまうと、せっかくの持ち味であるほのぼのテイストは失われてしまうので、極めて難しいトレードオフとなってしまうのは目に見えている。あくまで中心は園児たち、という姿勢は崩すべきではない。園児たちの可愛らしさが損なわれるようなことは絶対に避けないといけない。が、もう少し、この物語の世界を動かすストーリーが必要なのではないかと思う。魔族側の大人は、子どもたちの保護者として結構登場しているが、もう少し人間側の大人が出てきてもいいのではなかろうか。今巻の後輩女子は、まあ人間サイドの陰謀(?)の一端として利用されていたわけではあったけれど、もうちょっと具体的な悪い奴が出てきてもでもいいように思います。
 そういえば、今さらなのだが、保育園に魔族の「女の子」しかいないように読めるのは何か理由があるんだっけな? 「男の子」もいるんだっけ? 「男の子」もいれば、もっとお話を膨らませることができそうなのだが。なんか理由があったような、ないような? サーセン。もうちょっとちゃんと読んでおきます。

 というわけで、結論。
 まあ、読んでいて非常に楽しい作品であることは間違いないので、ライトノベルに抵抗のない人にはぜひ読んでいただきたい。おすすめです。あまり売れてないのかな……ちょっと先行き心配だが、これからももっと続きを読んでみたい作品である。以上。

↓ いわゆる「お仕事系ラノベ」と言うと、これかな。 この作品では、魔王サイド/勇者サイド共にこちらの世界にやって来ているわけで、そこに普通の女子高生が絡んでくるという3つの視点があるのだが、それを『保育の騎士』に応用するとなると、やはり魔族将軍と園長がもう少し物語に絡む必要があるのかもね。
はたらく魔王さま! (電撃文庫)
和ヶ原 聡司
アスキーメディアワークス
2011-02-10

 11月にニューヨークを旅してきたわけだが、あの街の繁華街は、とにかくそこらじゅうの建物の壁が異様に高解像度の動画が流れる街頭ビジョンと化していて、非常に目にチカチカするし、ちょっとしたサイバー感を醸し出しているわけだが、わたしの滞在中に、やけに見かけた広告が↓これ。
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 分かるだろうか? 確か夕方頃の、Bryant Parkの近くのビルだったと思う。そこに映されているのは、自由の女神が「ナチ式敬礼」のポーズを取っており、肩からハーケンクロイツのリボンがかけられている、不気味なイメージだ。これこそ、今からわたしがレビューを書こうとしている作品、『The Man in the High Castle』の世界観である。なんでこんなものが、NYの街頭はおろか、地下鉄でもラッピング車両が運行されているのかというと、わたしが憎んでやまないAmazonの、オリジナル制作ドラマ作品として、11/20から配信が始まったからである。
 わたしも、そのニュースは知っていたので、街頭ビジョンを見ても、ああ、アレか、ぐらいにしか思わなかったのだが(ラッピングトレインには乗り合わせなかった)、どうやらやはり、ユダヤ系住民も多いニューヨークにおいてハーケンクロイツはさすがにマズイわけで、わたしが帰国してからはラッピング車両はやめたそうだ。まあ、そりゃアウトでしょうな。
 というわけで、わたしは今年の初めぐらいにこの映像化を知って、それじゃ読んでみるかと電子書籍を購入していたのだが、いかんせん文章が読みにくく、また群像劇でキャラクターが多く、何人ものキャラクターのエピソードが順不同で語られるし、なかなかメインとなる事件が起こらないために、非常に頭に入りにくい。なので、ちょっと別の作品を……と浮気しているうちに積ん読本になってしまった経緯がある。しかし今回、NYで散々広告を見かけたので、やっぱりちゃんと読もうという気になった。わたしとしては、読み終わるのに結構な時間を費やしてしまった作品である。

 作者、Phillp K.Dick氏については、もはや説明は不要だろう。かの『BLADE RUNNER』や『TOTAL RECALL』の原作者で映画ファンにはおなじみだ。もうとっくに亡くなっているけれど、1928年生まれのアメリカ人で、数々の伝説的名作を遺した、SF小説界の巨匠である。その彼が、ヒューゴー賞を受賞した作品が、1963年に発表された『The Man in the High Castle』(邦題:高い城の男)である。
高い城の男 (ハヤカワ文庫 SF 568)
フィリップ・K・ディック
早川書房
1984-07-31

 この作品は、いわゆる「IF世界モノ」である。「もし、第2次大戦で、ナチスドイツと大日本帝国が勝利していたら?」という世界を描くものである。なので、日本人キャラクターも数多く登場する異色作だ。そのIF世界は、ざっくりいうと、ナチスドイツと大日本帝国の2つの超大国がほぼ世界を征服していて、大東亜共栄圏も樹立されているし、なんと地中海は完全に干拓されてもう存在しない。また、アメリカ合衆国は、西側を日本統治の太平洋岸連邦という国家になっていて、中部がロッキー山脈連邦、東海岸の一部だけがアメリカ合衆国というように3つに分断されている。くわしくは、こちらのWikipediaに世界地図で表現されているので、そっちを見てもらった方が早い。ちなみに、ナチスドイツは、宇宙開拓にも熱心で、月、火星、金星に有人飛行を行い、植民地化を進めている。そして、ナチスドイツと日本は冷戦状態にあり、スパイが跋扈し、謀略渦巻くサンフランシスコが舞台となっている。
 この設定だけでもすごいのだが、今般、amazonによるドラマ化は、公開されたパイロットシリーズの評価が非常に高く、かのRotten TomatosではTOMATOMETERで96%Freshの評価をたたき出しているし、Metacriticでもスコア77と高い評価を受けている。今、ちょっと検索してみたけど、どうもco.jpサイトではこのドラマはまだ観られないみたいですな。amazon.comではすぐ出てくるけど、co.jpアカウントではダメっぽいね。

 ↑これがその映像作品の予告の一つだ。
 ま、とにかく、映像はいずれ日本で見みられるだろうから置いとくとして、原作小説である。最初に書いた通り、非常に登場人物が多く、またメインストーリー(?)が進みだすのが中盤以降なので、前半は読んでいて非常に頭に入りにくいのではないかと思う。状況説明というか、各キャラクターの行動が非常に冷静に淡々とつづられていくのだが、どうつながるのかさっぱり分からない。いくつか、鍵となるものがあるが、それをちょっと挙げておこう。
 まず一つ目は、作中に出てくる「イナゴ身重く横たわる」という小説だ。この小説は、「もしアメリカ中心の連合国側が戦争に勝っていたら?」という架空世界を描いたもので、要するに我々現実世界の正史が書かれているものだ。なので、作中のドイツでは発禁処分になっている。そして、その作者は現在ロッキー山脈連邦の山奥に暮らしており、そこが通称「High Castle」、高い城、と呼ばれていて、つまり彼こそがThe Man in the High Castleというわけである。この小説を、たいていの作中の登場人物が読んでいる。ある者はけしからん小説だと思っているし、ある者は素晴らしいと思っている。そしてとあるキャラクターは、その作者に会いに行こうと行動する。どうなるかは、かなり後の方にならないとわからない。なお、映像作品の予告を見ると、どうやらこの「イナゴ身重く横たわる」(The Grasshopper lies heavy)は、小説じゃなくて映画に変えられてるっぽいですな。
 もう一つの鍵は、「易経」である。どういうわけか、この物語に出てくる日本人とアメリカ人は、誰もが「易」を立て、占いをする。これからどう行動すべきかを易に問う場面がやたらとある。ちゃんと筮竹で占う者、コインで占う者などが、立てた卦を、易経を読んで解釈する。何とも変な感じだが、どうやらこの物語内では、日本人はそうするのが当たり前、という世界だ。まあ、基本的に日本人の描写は、古いアメリカ映画的な、変な日本人が多いのだが、Phillip K Dickがどうしてまたそんな変な描写を書いたのかは、解説に書いてあった。どうも、Dick自身も易経に凝っていたそうなのだ。へえ~。なんでまた? という理由は書いていないが、とにかくそういう事だそうです。

 正直に告白すると、最終的な物語の結末は、実はわたしには良くわからなかった。結局どういうこと? と若干ポカンとしてしまう。この作品がSF、サイエンスフィクションだという事を念頭に置くと、ははあ、ひょっとしてこういうこと? とわたしなりの解釈はあるけれど、まあ、その解釈は全然自信がないのでここに書くのは止めておきます。
 SFというものは、作中において(たとえインチキ理論であっても)きちんと理論的な設定がなされており、そのルールに従った世界観で描かれるものだと思う。そういう理論的根拠がないものがファンタジーだ。SFとファンタジーは明確に別物だとわたしは思っているが、どうも、この『The Man in the High Castle』は、どちらかというとファンタジーなのではないかと思うのだが、いかがだろうか? これ、SFなのかな? 
 まあ、いずれにせよ、こういった架空世界モノは、日本においては架空戦記物として大いに人気のあるジャンルなので、きっとこの本も、映像が日本上陸して大々的に取り上げられれば、もっと若い読者層も開拓できるのではないかと思いました。

 というわけで、結論。
 Phillip K Dickによる『The Man in the High Castle』高い城の男、はやや難解で日本人の描写が妙に変ではあるが、とりあえずわたしは楽しめた。だけど、これは……万人受けする作品ではないと思う。ちょっと……難しいというか……結局何もしなかったり、全然物語的に重要ではないキャラクターも多くて、混乱してしまうような印象です。ま、Dick作品はそういうの、多いけどね。以上。

↓ 日本の普通の人にはこちらが一番有名かな? 映画『BLADERUNNER』の原作となった小説。とはいえ、映画とはまるで違うお話です。どっちがいいか? うーん、どっちも。ですな。

 というわけで、月曜日は毎週恒例の週末興行収入データです。
 この週末は、いよいよ『007』が本公開となって、ま、当然の1位でありました。今週はわたしは映画館の前を通りがかっただけで何も観ていないので、どんな塩梅だったか分からないけれど、劇場前はそれほど混んではいなかったような気がしますが、興行としてはどうだったのでしょうか。

 というわけで、興行通信社の大本営発表です。
 1位:『007 スペクター』は、 金曜日を含めた3日間の興行で4.7億だったそうです。で、先週の先行上映の3日間分が3.8億だったそうなので、合計で8.55億ってとこですか。さすがのスタートです。前作『Skyfall』は、公開土日の2日間で4.5億スタートだったので、どうなんだろう、今回の3日間合計と同じくらいという事は、今回の方がちょっと落ちると見るべきか、それとも、前作の2週目が2.7億弱と落ちたことを思えば今回の方がずっといいと解釈すべきか、条件が違うので、微妙に比較できないけれど、まあ、とりあえず30億ぐらいは行きそうな勢い、としておきます。ちなみに、前作『Skyfall』は最終27.5億でした。もっと数字が伸びることを祈りますが、果たして2週間後の『STAR WARS』までにどのくらい貯金できるかでしょうかね。あんまり関係ないか。
 2位: 『杉原千畝』が公開初週末1.45億。数字的にはちょっと弱いか。ご存知「日本のシンドラー」と言われる杉原千畝さんの生涯を描く実話ベースの物語。わたしは唐沢さんを「眼力王」と呼んでその芝居ぶりを常に賞賛しているのだが、予告からしてもう目が血走ってるのがすごいw

 3位:『I LOVE スヌーピー The Peanuts Movie』の公開初週末1.53億と金額順では2位。まあ、ちびっ子客メインなので単価が安いはずなのだが、3Dだからかな? 逆に言うと、『杉原千畝』はシニアばっかりで単価が安かったという事かも。
 4位:『海難1890』の公開初週末は1.50億。初登場。数字的にはもうチョイほしかったところか。この作品、予告を観るとちょっと面白そうだ。原作となる小説などはないようだから、実話ベースとはいえオリジナル脚本だろう(たぶん)。1985年のイラン・イラク戦争時にトルコ政府が日本人救出のために救援機を飛ばしてくれた事件と、1890年の和歌山県串本で起きたトルコの軍艦遭難救助事件を描いているらしい。これは応援のためにも観たいな……。
 5位:『映画 ハイ・スピード Free! Starting Days』が公開初週末0.95億。人気を博した京都アニメーション謹製TVアニメ『Free』の前日譚的な話。興味なし。まあ最終5億はきついか?
 6位:『リトルプリンス 星の王子さまと私』は累計数字4.2億ほど。善戦と言っていいのでしょうな。
 7位:『ガールズ&パンツァー劇場版』。興味なし。累計で4.3億ほど。十分、立派です。
 8位:『レインツリーの国』は累計で3.7億と、『県庁』よりやや下のペース。うーん、もうチョイほしい。クリスマスにカップルで観ていただきたいものだ。
 9位:『グラスホッパー』は累計9.1億。あとチョイで『ゴールデンスランバー』を抜けるのに!
 10位:『劇場版MOZU』は累計11.4億。やっぱり秋以降の東宝作品は15億が壁ですのう……もうチョイ行けるはずなのだが……。なお、『俺物語!!』はまだ累計8億台と10億届かず。非常に厳しい状況。
 (※12/09追記:6位以下の数字を更新しました)

  とまあ、数字的には『007』の圧勝となった12月の1週目である。今年は、結局年間チャンピオンは『ジュラシック・ワールド』になるのかな? 以前も書いたことがありますが、基本的に毎年1月の最終火曜日に映連が発表する年間ランキングは、前年の12月公開から今年の11月公開まで、で集計するので、去年の12月に大ヒットした『ベイマックス』や『妖怪ウォッチ』も、2015年の映連ランキングに出てきます。
 なのでたぶん、2015年の映画興行ランキングを並べてみると、こんな感じだと思う。
 まず1位だが、『ベイマックス』よりも『ジュラシック・ワールド』の方が最終的に伸びたのではなかろうか? いや、どうでしょう、サーセン、最終の細かい数字が手元にないや……。ま、1位2位はこの両作品で、ともに90億を超えているはずだと思う。
 この2TOPの後に、『妖怪ウォッチ』が3位、80億弱? ぐらいで続き、その下は、4月の『シンデレラ』と7月の『バケモノの子』が60億弱ぐらいで並んで4位5位に来て、たぶん6位7位に共に夏公開だった『ミニオンズ』と『ミッション:インポッシブル』が50億台で並ぶ感じでしょうな。その下、8位9位10位は、木村拓哉さんの『HERO』、『名探偵コナン/業火の向日葵』、『インサイド・ヘッド』あたりが40億台で続くのだと思う。ちょっと最終確定数値は手元にないので微妙だけど、ひょっとしたら10位は『ドラえもん/のび太の宇宙英雄記』かも。
 こうしてみると、意外と2015年は洋画が頑張った年と言えるかもしれない。 う、いや、それはどうかな、過去のデータは映連のWebサイトで閲覧可能なので、興味のある方はそちらをどうぞ。わたしも手元にまとめているのだが、うーん、まあ、去年(の『アナ』抜きの数字)よりはまし、だけど、とりわけいい年、ではないかな。常々疑問に思っているのだが、映画興行市場は、明確な右肩下がりでもなく、かといって、成長市場では決してないのだが、だいたい毎年同じような数字になるのは、一体なぜなのだろう。謎だ。
 その点、出版市場はもう20年以上右肩下がりが続く厳しい市場動向なので、映画の方がちょっとだけマシ、と言っていいかもしれない。まあ、映画の場合、一発ドでかいホームランが出ると、その一発だけで大きく市場の数字に影響する性格があって、例えば去年の『アナ』のような場外ホームランが出ると、数字は全体として伸びたりするので、ちょっと出版市場とは性格が微妙に違う。かつては出版市場も、『ハリーポッター』の新刊が出た年はちょろっと書籍の数字が伸びたりしていたけれど、それでも雑誌の凋落はカバーできなかったしね……。
 はあ、やれやれ。とにかくですね、何度もわたしは書いていますが、皆さん、映画を映画館に観に行きましょう。そして本を本屋さんで買いましょうよ。ね。じゃないと、本当に、産業として衰退してしまうので。大げさじゃなく、本当になくなってしまうよ。皆さんがお金を出さないと。

 というわけで、結論。
 『007』はやはり強かった。この後、いよいよ2週間後には『STAR WARS』がやって来る。邦画では今年も『妖怪ウォッチ』が、またドでかい数字をかっ飛ばすかもしれない。わたしとしては、数字があまり行きそうもない『CREED』を応援したいが、もしスタローン隊長がアカデミー助演男優賞を獲ったら、オレ本当にうれしいな。それと、今回、Disney傘下となった『STAR WARS』が、如何にしてちびっ子客を取り込もうとするか、そのプロモーションにも注目です。いずれにせよ、市場が活況を呈して盛り上がるのは大変喜ばしいことでありますね。以上。

↓ 皆さん、予習はばっちりですか? 『STAR WARS』はもう当然として、あえてこちらの予習を強くお勧めします。わたしは全作大好き。
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2015-10-07

 

 ご存知の方にとっては常識だが、知らない人ために説明しておくと、わたしが愛する「宝塚歌劇団」は、星組、花組、月組、宙組、雪組の5つの組からなり、それぞれが年に2回、大劇場公演を行う。大劇場公演とは、宝塚大劇場→東京宝塚劇場という順番でそれぞれ約1ヶ月ずつ行う公演を指すものだが、その傍ら、若手を中心とした「バウ劇場公演」や、「全国公演」という地方を回る公演、あるいは名古屋・大阪・福岡限定の短めの公演をこなしており、さらに、TOPスターになると単独コンサートがあったり、2番手3番手クラスだとディナーショーなどもある。なので、基本的には1年中、どこかでどこかの組の公演を観ることができる。チケット争奪戦は大変だけれど。
 何が言いたいかというと、宝塚歌劇の皆さんは、ホントに忙しいということである。
 公演はもちろん、当然その稽古もみっちり入るので、休みはそりゃあるんだろうけど、まあ大変な毎日を送っていることと思う。その結果として、我々に見せてくれるパフォーマンスは、やはりプロとして素晴らしいものになるわけだ。それに比べれば……我々リーマンなんて、楽な商売だと思うよ。
 というわけで、現在東京宝塚劇場は、花組が公演中である。今回の演目は、『新源氏物語』。わたしも昨日の昼の部を観てきた。
 なお、これもヅカファンには常識だが、知らない人もいると思うので蛇足ながら付け加えると、宝塚歌劇の演目は、いわゆる「1本もの(2幕モノ)」と「2本もの(1幕のミュージカル+レビューショーの2本立て)」という区分がある。
 「1本もの(2幕もの)」は、2幕のミュージカルで、上演時間約3時間。間に30分の休憩時間アリ、という長いお話のミュージカルである。例えば、有名かつ人気のある『エリザベート』などはこちらにあたる。そして、昨日わたしが観てきた『新源氏物語』は、もう一方の「2本もの」にあたる。上演時間は、約1時間半。今回の『源氏』はちょっと長くて1時間45分ぐらいはあったかな。まあ、その短いミュージカルと、いわゆる「ショー」と呼ばれる歌&ダンスで魅せてくれるレビューの2本立て公演である。

 『新源氏物語』は、3回目の再演だそうであるが、ヅカ歴約6年の駆け出しファンであるわたしは、もちろん初めての観劇である。なので、今回のわたしの興味は、あの長い源氏物語をどう1時間半にまとめて構成するのだろうか? という点にあった。もちろん、TOPスターである明日海りお(通称:みりおちゃん)さんの美しさは、わたしとしては現在のTOPスターの中で一番好きなので、まったく不安はない。わたしも久しぶりの日本モノなので、非常に楽しみに劇場へ向かったわけである。
 まあ、とにかくみりおちゃんの顔の小ささといったら、毎度ながら驚く。わたしがみりおちゃんを初めて観たのは、月組時代の『スカーレット・ピンパーネル』でのショーヴランだったと思う。現在の月組TOPの龍 真咲(通称まさお)さんとのダブル2番手時代から何度もみりおちゃんには出会っているのだが、毎回、まず最初に思うのは、「ほんっとこの人は顔が小さいなー可愛いなー」というものである。とにかく、月組時代から、まさおと共に、いずれこの人はTOPに至るんだろうと思っていたが、2年前かな、花組に異動になって、去年いよいよTOPに登りつめた美人である。星組イチオシのわたしでも、ずっと気になる存在だったみりおちゃん。和装を観るのは初めてであったが、まあ、素晴らしいの一言。さすがに和装なので、派手なダンスはないが、非常に美しかった。
 ちなみに、わたしは毎回、宝塚歌劇を観に行くと、わたしが選ぶ「今回のイケ台詞」を一緒に観劇した先輩お姉さまたちに披露するのだが、今回は……ちょっと悩んで
「共に罪に落ちましょう。あなたと二人なら、どんな地獄も楽しそうだ」
 にしておきました。ホントは台詞で毎回選ぶのだが、今回は歌の出だし部分です。サーセン。正確にはちょっと言葉が違うかも。
 なお、この台詞は、母(正確には継母)である藤壺に言う(歌う)結構最初の方の場面で出てきます。
 つまり、ですね。今回の『源氏』は、この台詞が結構はじめの方に出てくることから分かる方もいるかもしれないが、最終的には、頭中将の息子の柏木と女三宮に子供が出来るところまで、と時間軸的には源氏物語のだいぶ最後の方まで物語が進んだのである。わたしはまた、須磨に流されるあたりまでかなと思っていたので、これは全く想定外だった。なので、ちょっと言葉は悪いけれど、その副作用としてかなり物語ははしょられていて、駆け足展開であるといわざるをえないだろう。
 しかし、間をつなぐ物語はコーラスで歌われて説明されるので、ちゃんと観ていれば十分物語は理解できると思う。ので、まあ問題なしだと思うが、一応は、源氏物語の最低限の知識があった方が楽しめるのは間違いなかろうと思います。夕顔とか空蝉とか明石の方などは出てこなかったけど、紫の上を見初める有名なシーンでは、「いぬき」がちゃんと出てきて、わたしとしては、ああ、ここはちゃんとやるんだ、と変に感心しました。紫の上を連れて行きたい源氏が、「いえ、決して不届きな(?正確な台詞忘れた)理由ではありません」と言い訳するシーンは、つい笑ってしまった。お前、思いっきり不届きな理由だろうが!! 完全に事案発生だぞw ただしイケメンは許されるのか……ブサメンのわたしとしては実に憤懣やるかたなしである。
 というわけで、源氏物語のストーリー展開を知っている人には、かなり、ああ、こう来たか、とか、なるほど、という構成で、わたしとしては大変楽しめた。もし、源氏に詳しくない方がいたら、公式Webサイトにある人物相関図だけ、事前に頭に入れておいた方がいいと思います。今回の公演では、わたしが花組ではみりおちゃんの次に推している柚香光(ゆずか れい。通称れいちゃん)も、いつも通り非常に美しかった。この人も、おっそろしく顔が小さい、超・美人である。わたしイチオシの星組で、わたしが非常に推している礼 真琴ちゃんと同期で、いずれこの二人もTOPに登極する日もやってくるでしょうな。あと5年ぐらい後ですかね……楽しみに待っていよう。なお、礼真琴ちゃんも、前回の公演で娘役を演じていたが(本来はれっきとした男役スター)、今回の柚香 光ちゃんも、なんと「六条御息所」という女性を演じていたので驚いた。ええと、源氏物語の中では有名な、生霊になって葵の上を呪い殺す、あの激しく教養ある女性ですな。詳しくは、Wikipediaでも見といてください。なお、柚香 光ちゃんは柏木も演じていますので、2役での出演です。

 というわけで、結論。
 花組公演『新源氏物語』は、和モノとしては宝塚初心者にも分かりやすく、また衣装も非常に絢爛で美しく、万人にお勧めできる作品であった。まあ、最低限の人物関係は頭に入れて観るのがよいと思います。歌もなかなか良いですよ。そして、全く触れませんでしたが、ショーも華やかで、超キラキラです。その点でも、初心者にも十分楽しめると思います。以上。

↓しかし……星組推しのわたしとしては、これはマストアイテムですかね……。礼真琴ちゃんの歌う「Let it go」は聴かずにはいられないよな……。買うしかないか……。
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2016-01-06

 先日、とあるわたしの尊敬する女性にお会いした時、湊かなえ先生の『境遇』を読んだ話をしたら、その女性曰く、「あくまでも現状までの、だけれど、これまでの作品の中で、湊かなえ先生の最高傑作は『物語のおわり』だと思うわ。でも確か朝日新聞出版発行だったと思うから、文庫になるのは当分先でしょうね」と言われ、文庫にならないと読まないわたしではあるが、そこまでこの女性が絶賛するならば読んでみようと思い、まずは本屋に行ってみた。
物語のおわり
湊 かなえ
朝日新聞出版
2014-10-07

 今、本屋に行くと、集英社から先週発売になったばかりのこちらが最新巻として並んでいると思うが、
ユートピア
湊 かなえ
集英社
2015-11-26

 小説単行本というものはきちんと揃えているところが意外と少なく、最初に行った本屋さんには『物語のおわり』は置いていなかったので、三省堂本店に行ったらちゃんと置いてあった。で、さっそく読んでみた。そして、確かに非常に面白く、極めて読後感の良い素晴らしい作品であったことを確認した次第である。
 以前も書いた通り、湊かなえ先生の作品は、世に「イヤミス」と呼ばれているように、非常に後味の悪い作品というか、イヤーな奴ばっかり出てくる強烈な作品が多いことでおなじみだが、本作は、まったくそんなことはなく、極めて「いい話」である。連載していた作品だから、というわけではないと思うが、8つの短編がつながる連作ものであるので、ちょっとごく簡単にそのエピソードガイドとしてまとめてみよう。

 ■第1話:空の彼方
 このお話で描かれるのは、山陰地方(?)と思われる、山に囲われた小さな町に住む、パン屋さんの少女のお話である。話者はその少女で、1人称視点の叙述である。空想好きが高じて小説を書くようになる少女。やがて、自分の家のパン屋さんの手伝いをしながら、とある男子高校生と知り合う。年を重ね、やがて二人は、愛し合い、婚約するまでになるが、少女(その時はもう24~25歳?)が、とある作家の下で小説家としての修業をするチャンスを得る。悩み、結婚を2,3年待って欲しいと思う彼女だが、彼も、両親も、それはあり得ないと反対。ついに彼女は、家を抜け出して駅に向かうが、駅には彼が待っていた……というところで第1話終了。
 ■第2話:過去へ未来へ
 ここでは、時は現代に移る。どうやら第1話の時代は今から50年ぐらいは昔の話らしいことが分かる。そして、舞台は舞鶴から北海道へ向かうフェリーの中である。話者は、出産を控えた妊娠中の女性。これまたその彼女の1人称視点での叙述。どうやら、ガンを患っているらしい彼女。お腹の子どもとの思い出を作る旅らしく、旦那とは旭川で合流する予定だとか。そんな彼女が、とある女子高生と船内で知り合う。そして、別れ際に渡された小説を読むことになる。この小説は、まさしく第1話で描かれた少女の物語だ。その小説を読み、彼女は、少女のその後を想像する。きっと、こうであったのでは、わたしだったらこうする……という、自らの想いを乗せて……。
 ■第3話:花咲く丘
 舞台は富良野である。ラベンダー畑の写真を撮影している男。彼は、写真家になるために今まで頑張ってきたが、家業を継ぐために、写真家の夢をあきらめるため、最後の撮影旅行へ来ていた。ファインダーを覗いていると、一人の妊婦がいて……と、第2話の彼女と出会い、最後にあの小説を渡され、写真家をあきらめようとしている自分に置き換えて、小説のその後を想像する……というお話。
 以下、基本的にはその話の主人公が前の話の主人公に出会って、話を聞いているうちに、そうだ、この小説を読んでみなよ、返さなくていいし捨てても構わないから、と渡される展開が続いて、最後きちんとその縁がつながるという美しいお話である。ので、詳しいことは書かずに、その話の主人公のことだけ書いておこう。書きすぎるとネタバレになるので。
 ■第4話:ワインディング・ロード
 北海道を旅する自転車女子が主人公。前話の写真家をあきらめた男と旭川で出会う。
 ■第5話:時を超えて
 北海道をバイクで巡る中年男が主人公。自転車女子と摩周湖で出会う。
 ■第6話:湖上の花火
 北海道へ恩師を囲む会に出席するためにやってきた、東京のキャリアウーマンの話。バイク男と洞爺湖で出会う。
 ■第7話:街の明かり
 北海道に旧友の祝賀会のためにやってきた男が主人公。その会場で第6話の女性と出会う(というかすれ違う)。
 ■第8話:旅路の果て
 北海道へ、おばあちゃんと旅行に来た女子高生が主人公。彼女は実は……という話。

 全編通じて、湊かなえ先生の文法にのっとった一人称小説である。なので、基本的には語り手が自分の心の中で思ったことしか書けない。別の登場人物の心中は想像するしかない。故に、どうしても思い込みや若干の誤解が生じるわけだけれど、冒頭のお話のその後を、数人の人々が、それぞれのこれまで生きてきた道のりを思い返しながら、きっとこうなる、こうであってほしい、と、ぞれぞれの「物語のおわり」を想像して行く物語は、それぞれの人生が反映された、非常に共感できるものである。そこには、嫌悪感を抱くような悪意に満ちたものは全くなく、極めてすがすがしいものであった。
 この作品を読んだら、きっと北海道に旅に出かけたくなるのではなかろうか。わたしは北海道が大好きで、この物語に出てくる北海道の地は、偶然ながらほとんどすべて行ったことがあるので、とても情景を思い出しやすく、また今すぐにでも、北海道へ行きたくなった。この物語に出てくるところでは、1か所だけ、網走だけ行ってないんだよなあ。でも今はもう雪が降ってるからなあ……ま、来年の夏は、絶対に北海道だな、と、心に誓うわたしでありましたとさ。あっ! そういえば劇団四季の『Wicked』札幌公演が来年から始まるじゃん!! これはもう確定ですな。久しぶりに、札幌から富良野、旭川、それから網走まで行ってみるか!!

 というわけで、結論。
 湊かなえ先生の『物語のおわり』は、非常に気持ちのいいすっきりとした物語であった。普段、湊先生の「イヤミス」ばかり読んでいる方には強くお勧めしたい。そして、雪が解け温かくなったら絶対に北海道に行こう。そうわたしに思わせる美しいお話でありました。以上。

↓第2話で出てくる「拓真館」でおなじみの前田真三氏作品集。北海道はいいよな……ホント行きてえ。

というわけで、11月22日の日曜日に平成27年大相撲九州場所は日馬富士の13勝2敗という成績での優勝で幕を閉じた。ところで、以前、週刊少年チャンピオン連載中の漫画『鮫島、最後の十五日』という作品を取り上げたとき、最近本物の大相撲にも興味がわいてきたという事を書いた。
 その時、わたしの家からチャリで行けるところにある相撲部屋、二所ノ関部屋所属の松鳳山関を応援していると書いたのだが……。その松鳳山関がどういう戦績を残したかというとですね……。なんと12勝3敗ですよ! そして敢闘賞受賞!! よくやった!! 偉いぞ松鳳山関!! お前、やっぱりやれば出来る子じゃんか!! 嬉しいよ!!

 このインタビューで自分で言っている通り、ホントに今後も頑張っていただきたい。 
 とりあえず、知らない人のためにちょっとだけ解説すると、松鳳山関とはこんな男である。
 ■ 本名:松谷裕也。駒澤大学出身。現在31歳。既婚。大関・琴奨菊関と同郷・同学年。
 ■福岡県出身。故に11月の九州場所では声援がすごい。 
 ■ 上記映像の通り、やけに色黒。故にわたしは愛をこめて「黒ブタ」と呼んでいる。
 ■顔がちょいとばかり悪人ヅラであり、Wikiによると「悪魔」「アシュラマン」の異名を持つ(笑えるw)。でも本人は優しい、いい人らしいですよ。会ったことも話したこともないですが、わたしもそう信じたい。
 ■今のところの最高位は小結。以前書いた通り、今年の5月場所は十両まで番付を下げ、一時はどうなることかとハラハラさせた憎い奴。
 ■ 敢闘賞3回、金星1回。2013年9月場所でのVS日馬富士に勝利。
 ■チャリンコが好き。好物はチャーハン。
 ■所属する二所ノ関部屋は、元大関・若島津(現・二所ノ関親方)の部屋。つまりおかみさんは高田みづえさん。横綱・大鵬を輩出した名門部屋である二所ノ関部屋と、元々は若島津引退後に開いた松ヶ根部屋が、去年の暮れに合併統合。

 というわけで、決して弱い男ではないが、ちょっとばかり強さの波があるのが、応援している立場からするとドキドキして困る。のだが、妙に応援したくなる存在で、8勝7敗あるいは7勝8敗のキリギリで終わる場所も多く、毎場所、「この勝負、負けられねえぞ~~行けッッッ!!!」と、その立ち合いを観ていると血圧が上がる野郎である。なんというか、やっぱり、この形に持ち込んだら勝てる!! という必殺技がないと、大関・横綱とはなれないですなあ。
 まあ、そんな松鳳山関であるが、前場所を十両優勝で締めくくり、4場所ぶりに幕内に復帰である。当然、応援するわたしの熱も上がろうというものだ。まあ、前場所の十両優勝も、千秋楽は負けてしまうという極めてイラッっとさせる優勝ではあったのだが、今場所は出身地である九州場所だ。幕内復帰&地元という今場所で男を見せないでどうするよ、GO!! 黒ブタ!! GO~!! と、わたしの応援のテンションもマックスだったわけである。
 ちなみに、松鳳山関にはまったく関係ないのだが、わたしは年に一度の九州場所を非常に楽しみにしている。というのも、九州場所には、毎日、和服で凛と土俵を見つめる美人がTVに映る位置で観戦しているのだ。この方は相撲ファンには有名な美人さんで、何でも中洲のスナックのママさんらしい。「九州場所 和服 美人」で検索すれば一発で出てきますw 最近は国技館やほかの場所でも見かけるようだが、わたしとしては年に1度の九州場所でかの美人を眺めるのが、年中行事なのである。いつもは、毎日同じ場所に座っているのに、今年の九州場所ではどうも日によって席が違っていたようで、あまり画面に映らなかったのが残念でした。
 ま、そんなことはどうでもいいとして。2015年九州場所である。
 幕内に復帰した松鳳山関の番付は、西前頭10枚目。初日の割は、東前頭11枚目の臥牙丸関である。グルジア(現在の正式日本語表記は「ジョージア」)からやってきた巨漢ファイターで、一時小結まで番付を上げたものの、ここしばらく元気がないのもちょっと松鳳山関に近いものがある。まずは初日白星は、絶対必須だぞ!! と興奮して応援していたところ、見事上手投げで勝利。よーし、黒ブタ、オッケイ!! と喜んだわけで、こんな毎日が15日間続いたのである。途中、わたしはNYに行っていたが、毎日ちゃんと取組結果をチェックし、一喜一憂していたのだが、結果、12勝3敗と準優勝に等しい、立派な星を上げたのであった。なお、優勝は日馬富士の13勝2敗。黒ブタと同じ12勝3敗は、横綱・白鵬と東前頭4枚目の勢(そのまま「いきおい」と読む)の二人だけであった。
 しかしつくづく惜しかったのは、千秋楽での安美錦(西前頭3枚目)関との取組である。ここで勝っていたら、まさかの相星で優勝決定戦だったのに……。こんな取組であった↓。くそーーーホント惜しかったなあ。

 あああ……インタビューでは「引きは全く想定してなかったっす」的なこと言っていたが、「素っ首落とし」で2秒で瞬殺である。んもーーー。でもまあ、立ち合いでバチバチ勝負を挑んだ姿勢はあっぱれだ、ということで許してあげたい。おそらくは松鳳山関を応援している全員が、この取り組みを見て「あ~~……」と残念に思ったはずだが、来場所以降、また頑張ってほしい。来場所は前頭5枚目以上は確定だよね……? そして来場所で勝ち越し、9勝とか10勝すれば、また三役返り咲きも夢じゃない。応援してるぜ、黒ブタ野郎!!

 というわけで、結論。
 もう、これはアレだな、1月の初場所は国技館に行くしかないね。今週末から発売のチケット、取れるのか良くわからんが、挑戦してみるか。そして、三役復帰が決まったら、後援会に入ってやってもいいぞ!! 頑張れ黒ブタ!!

↓ 国技館の地下工場謹製。コイツを食いながら、初場所を観戦したいものだ。

 毎週木曜日は、今週の『鮫島』ニュースのお時間です。
 今週の週刊少年チャンピオンも、とりわけ大変なことは起きていませんでした。『ペダル』では変態小鞠くんが、グラサンを着用したとたん、「最速の槍」 となって最終スプリント体制に入ろうとしている泉田アブ一郎くんに追いついてしまうという謎現象が観測されています。まあ、これはないな、現実的には。おそらく今週の『ペダル』において、全国の『ペダル』を愛する大きなお姉さんたちを最も騒然とさせたのは、最終ページの中学2年生当時の小鞠くんでありましょう。モジモジ文学少年に萌える腐女子の皆さんへのネタ提供ありがとうございます!! 渡辺先生!!
 あとは、やっぱり今週も『リク』ですね。天野の素晴らしい顔芸が最終ページで炸裂していますし、なによりP.168をまるまる使っての「田中のおっさんの顔アップ」、P170-171の見開きを使っての「田中のおっさんのイケ・ポーズ」、P178-179の見開きを使っての「何故か全裸の田中のおっさんのイケ・セリフ」と、非常にお腹いっぱいでありました。最高です。一体……まったくもって誰得なのか、さっぱり分かりませんが、あやうくまた電車内で吹き出しそうになりました。特に、全裸見開きでの、田中のおっさんのポージングが完全にJOJO化しているのがポイントでしょう。意味不明……ww 瀬口先生、漫画力高すぎます!!

 さて。では、 今週の『鮫島』ニュースです。
 小結昇進を決めた【蒼希狼】が、(たぶんモンゴルを離れてから初めて)モンゴルへ里帰りするお話でした。先輩力士で現在ではモンゴルの国会議員となっている元【大地狼】がレクサスでお迎えに来てくれます。【蒼希狼】がモンゴルを離れてから、経済成長率も上昇し、だいぶ国の様子も変わってきました。しかし【蒼希狼】には、そんなのは所詮は一部の金持ちだけが享受できる恩恵に過ぎないと言い切ります。そして懐かしの故郷に降り立つ【蒼希狼】。彼を迎えたのは、彼をヒーローとしてあこがれるちびっ子たちと、【蒼希狼】がせっせと仕送りしていた仲間のチョノでした。しかし、チョノから聞かされた話は哀しい現実で、慣れない金を手にしたかつての仲間たちの悲劇でした。 金があれば幸せになれるんじゃなかったのか……? その金が原因でみんなを不幸にしてしまったのか? ショックに心を閉ざしてしまう【蒼希狼】。無言で再び日本へ戻る車中で、大地狼から、こんな話を聞かされます。今、モンゴルでは貧困層の子供も通える学校を作っている、そしてその資金は、「あの横綱」が大半を出してくれたものだ。それこそまさに【蒼希狼】が夢見たものでした。それを、先に横綱がやっていた……。その話を聞いて、【蒼希狼】は笑います。涙を流しながら……。そして日本に戻った【蒼希狼】は、もう、別人のようになっており……。というところまでが今週の『鮫島』でした。
 なるほど、こうきましたか。
 頑張っても報われなかった、やろうとしていたことはとっくに、大横綱が始めていた……つまり、オレの頑張りは意味ないじゃん、オレがいなくても世界は何一つ変わらないんだ……。という絶望で、心が折れたという事のようですね。そうか……7週かけてそういうオチか……どうなんだろう、ちょっと長くかけすぎたかもな……でも、そこからの【蒼希狼】と兄弟子たる【大山道】の絆がわたしとしては読みたいですな。まあ、鯉太郎と兄・大山道の戦いが、【蒼希狼】はおろか我々読者の心までも震わせるものになるのは間違いないと思いますので、楽しみにしておりますよ、佐藤先生!!!

 最後に、毎週のテンプレを貼って終わります。
 <場所:9月場所>
 【鮫島】東前頭十四枚目(5月場所で東前頭十枚目)
 【白水】西小結
 【松明】東前頭六枚目。常松改め。
 【大吉】序2段【豆助】序ノ口【目丸手】序二段【川口】不明
 ------
 1日目:【飛天翔】西前頭十二枚目。石川改め。
 2日目:【宝玉光】西前頭十一枚目
 3日目:【舞ノ島】西前頭十枚目
 4日目:【巨桜丸】西前頭九枚目。新入幕力士
 5日目:【岩ノ藤】東前頭七枚目 
 6日目:【大山道】西前頭七枚目
 --------
 【天雷】東関脇
 【蒼希狼】??? 最高位は小結
 ※右額の傷は、初入幕初日の【桐の里】戦で負ったもの
 ※現在の現役横綱は、モンゴル出身力士で「大横綱」と称されている模様←今週NEW 

 というわけで、結論
 今週の『鮫島』は、だいたいこれで【蒼希狼】の過去は判明したところまで、であった。
 そしてモンゴル出身の力士が「大横綱」として君臨しているらしいことも判明した。小結に昇進した【蒼希狼】の初日の相手である。来週はその、【蒼希狼】VS大横綱を描いてくれないかな……。

↓単行本5巻が来週発売!! 偶然このblogにたどり着いた『鮫島』ファンの皆さん、佐藤先生に最後まで描き切っていただくためにも絶対買わないとダメですよ!! カバーの鯉太郎カッコイイ!! ちなみに、『囚人リク』の新刊も同日発売です!!

 ちょっと前に取り上げた、コミックスの『亜人』。既にコミックは7巻まで出ていて、それなりに話は進んでいる、けれど、完結までにはまだまだかかりそう、ではある。そんな作品がアニメになった。しかも劇場3部作+TVシリーズだという。なので、わたしの興味は、端的に言うと以下の3点に絞られる。
 1)劇場3部作はお話的にどこで3分割するのか?
 2)原作未完の物語をアニメはどういうエンディングで終わらせるのか?
 3)劇場版とTVアニメの関係はいったいどういうものなのか?
 これらの疑問を解くには、観るしかない。というわけで、12月1日映画の日、という事で安く観られるので、昨日の夜、ちょっくら劇場に行ってきた。

 物語については、以前比較的詳しく書いたので今日は割愛。昨日、劇場で観たことで、いくつか分かったことがあるので、それを自分用備忘録として以下にまとめておこう。
 ■まず明確な事実の確認。
 1)今回の劇場版「―衝動―」は、基本的に原作通りの展開で、原作の3巻の途中まで。3巻の最後までは進まなかった。なので、中野攻くんは出番なし。
 2)上映時間は106分。映像自体は非常にハイクオリティ。音響の迫力も十分劇場クオリティ。
 3)完全に原作そのままではなく、若干の省略や追加があり、キャラクターの性格もほんの少しだけ違っているようにわたしには思えた。特に、主人公・永井圭の性格は、原作コミックでは実の妹に「クズ」と言われるほど、利己的であるのが特徴で、わたしとしてはあまり好きになれないキャラクターとして描かれているが、劇場版アニメでは、比較的ストレートというか、クズ野郎成分は薄まっているように見えた。なお、コミックにはなく、アニメで追加されているシーンは、17年前のアフリカでの亜人1号の発見にいたるシークエンス。
 4)劇場版は、2週間限定公開であり、『機動戦士ガンダムユニコーン』や『THE ORIGIN』のように、本編Blu-rayを劇場で先行販売していた。
 5)劇場版は3部作になることが公式にアナウンスされているが、次の第2作『―衝突―』の予告映像も劇場で公開された。内容的には、少なくとも原作コミック4巻の内容は確認したが、どこまでやるかはわからない。
 6)また、既に公式Webサイトでも公開されている通り、この劇場版第2作の公開は2016年5月である。
 7)同様に、公式Webサイトで告知されている通り、TVシリーズは2016年1月から毎週放送される予定。Netflixでも配信が決定している。

 ■つまり……。
 ⇒原作の物語は劇場版できちんとトレースされている。今のところは。
 ⇒劇場版1作目(11/28-12-11公開)→TVシリーズ(1クール13話構成だとしたら1月~3月末)→劇場版2作目(5月公開)という順番。
 ⇒TVシリーズ13話で、まさか劇場版第1作を分割して放送するという事は、話数的にも、また常識的にもちょっと考えられない。Bru-rayすら販売済みのものを、TVで放送する意味はまずもってないはず。
 ⇒ということは……まさかTVはオリジナルストーリー? うーん、どういうことなんだろう。わからねえ、というのが現状の結論。
 ■ちなみにこんな記事もある。
 「テレビシリーズでは、その内容(=劇場版)をより深く緻密に表現するという」
 ※シネマトゥデイ2015/09/10の記事より。
 ⇒てことは、今回の劇場版公開は、後の「TVシリーズのダイジェスト版」をいち早く観られたってだけのこと? HOLY SHIT!! だとしたら観に行く必要ゼロだったな。アホらしい。そんなつまらないことにならないとは思うが、ここはCMとかアイキャッチが入るのか? というような、ちょっとだけ不自然な暗転の間が何度も入るので、嫌な予感はする。より良い作品作りを祈ります。
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 ※2016/01/18追記:というわけでTV放送が始まった第1話を観たところ、単にこの劇場版の最初の部分をやっただけでした。つまり、この劇場版を細かくして放送しながら、追加したりするんだろう。なんだそりゃ。まったく劇場に行った意味なかったな。TVも観ないでいいやもう。
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 以下、今回の劇場版を観ての感想・おっ? と思った点を挙げて終わります。
 ●主人公・圭の声は、特に感想ナシ。ただ、前述のように若干性格が普通。今のところは「クズ」というほどではない。
 ●海斗の声は、コミックから想像していたよりずっと大人っぽく渋い。
 ●IBM(黒い幽霊)の描写は非常にハイクオリティ。CG時代のアニメとしては最上(?)レベル。
 ●戸崎の声は、かなりコミックのイメージより落ち着いている感じ。まだピンチに陥ってないからか。
 ●泉の声は特に感想ナシ。ただ、コミックよりも絵柄的にかわいらしい。
 ●佐藤の声は、いつもの大塚芳忠ボイス。だけどイメージピッタリ。
 ●ストーリー的に、ここで終わり? 感は少しある。ちょっとキリが悪いかも?
 ●冒頭の、亜人第1号の捕獲シーンは別に……なくてもいいかな。
 ●映像は、非常にCGっぽさが目について、あまり好きではないが、そういう時代なので仕方なし。色彩を抑えたトーンで、10数年前の押井守めいた辛気くささを感じる空気感。
 ●CGっぽさはライティング・影の動きに妙に目立って見えた、ような気がした。車とかバイクのような機械はもろCG。 
 ●どういうわけか、観客はおっさん、おじいちゃん、さらにおばちゃんの一人客がメインだった。TOHOシネマズ日本橋だったから? なんで? 理由が分からん。
  
 というわけで、結論。
 わたしの知りたい謎は、劇場版を観に行っても解明できず、であった。
 もし、1月からのTVシリーズが、この劇場版をばらしたものであったら、まあ劇場版2作目以降は観に行きません。だって、必要ないし。原作コミックも、次の8巻の展開次第では、もうそこで買うのを終了するかも。以前書いた通り、ちょっと飽きてきたので。わたしとしては海斗と田中の展開次第です。 

↓もう次の8巻限定版の予約が始まってるんですな。通常版の発売も4月か? 普通は限定版よりちょっと後かな?

 アメリカでは大ヒットなのに、日本では全く売れない、という現象は、実のところ結構良くあることではあるが、この『HUNGER GAMES』も、残念ながらそんな映画のひとつである。シリーズ第1弾は、アメリカ国内で4億ドル(=約480億円)を稼いだ大ヒットだったが、残念ながら日本では、数値が明確でないけどたぶん5億円も行っていない。つまり百分の一以下という事になる。先週公開されたシリーズ完結編となる本作も、アメリカでは若干パワーダウンしたとはいえ、公開3日間で1.6億ドル(=約200億円)と日本では考えられない数字をたたき出している。ちょうどその公開時にニューヨークにいたわたしも、映画館の前の結構な行列を見て驚いたのだが、日本では、週末2日間で0.5億円ほどと、非常に淋しい数字であった。
 というわけで、わたしもこのシリーズは原作小説を最後まで読んだし、Jennifer Lawrenceちゃんを応援する身としては当然、映画もこれまでの全作を観ており、今回の完結編も、早速観てきた。

  はっきり言って、原作小説は全く面白くない。小説としてのクオリティはたいしたことはない。ただ、ひょっとしたら翻訳がイマイチなのかもしれないという疑惑は残るが、いずれにせよ、とにかく描写が分かりにくく、一体どのようなことが起きているのか、読んでいて想像しにくい。つまり、下手っぴなのだ。実のところ、この作品は児童文学出身の著者が手掛けた、紛れもないライトノベルで、完全に読者は中高生をターゲットとしているため、やけに表現やセリフ回しが子供っぽい。まあ、だからと言って下手で許されるかというとそれは全然別の話だけれど。
 ところで、何をもって「ライトノベル」と定義するか、おそらくはいろいろな意見があるだろうと思うが、わたしの定義はごく簡単である。ズバリ、主人公が10代の若者であれば、それはもうライトノベルと言っていいと思っている。この作品のストーリーをごく簡単にまとめると、こういうお話である。
 一種のディストピア、終末世界のお話である。「パネム」と呼ばれる国家がある。年代や地理的な説明は特になかったと思うが、その国家は「キャピトル」という首都を中心に、12の地区に分割されていて、各地区は「工業」地区、「林業」地区、「鉱山」地区といったように明確に役割が地理的に分割されていると。で、年に1回、「ハンガーゲーム」と呼ばれる行事があって、各地区から17歳以下の少年少女を男女1名ずつ選出して、最後の一人になるまで殺し合うデスゲームを行わせると。それは、「キャピトル」に住む贅沢暮らしの選民たちにとっては娯楽であり、各地区に住む国民にとっては政府に対する不満のはけ口というかストレス解消的な意味を持つものであり、勝者は一生ぜいたくな暮らしができるし、最終勝者を輩出した地区も1年間いろんな特典アリ、ということになっている。だけど、当然各地区は、自分の娘や息子が命がけのゲームに出ることを強要される可能性もあるわけだし、そもそもずっとキャピタルの選民に搾取され続けて貧しい暮らしをしているので、潜在的にパネムの独裁者(?)たるスノー大統領憎しの土壌があるわけだ。
 で、主人公カットニスは第12地区の娘さんで、妹が第74回ハンガーゲーム出場者に選ばれてしまったため(選出は名前の書いた紙をキャピトルの人間が引くくじで決まる)、それならわたしが出るわ! と志願すると。志願者がいればそっち優先で、抽選はチャラになるので。で、カットニスは普段から森で狩りをして暮らしていたので、弓矢だけは得意ですよと。で、同じ第12地区からはペータというパッとしないパン屋さんの息子がくじで選ばれると。彼は、特に特技はないけれど、日頃重い小麦の袋を持ち上げたりしてたので、何気に怪力だし、一応頭はいいというキャラで、実は昔からカットニスにぞっこんでしたという男の子ですよと。
 その後、二人はキャピトルに連れていかれていろいろ訓練を受け、いよいよ第74回ハンガーゲームが始まるのだが、この作品の一つのポイントとしては、終末世界の割にはやけに科学技術が発達していて、いろいろなテクノロジーは普通に機能しているんだな。その辺が妙にラノベチックというか、小学生が書いた小説のような荒唐無稽さがあって、わたしとしては若干苦笑せざるを得ないのだが、まあとにかく、最終的には、第74回ハンガーゲームはカットニスとペータが最後の二人に残ると。で、二人で殺し合って、最終勝者を決めないといけないのだが、そんなことをしたくない二人は、「わたしたち、愛し合ってるんです! だから、二人で一緒に死にます!!」という芝居を見せつけて、キャピトルの観客たちの共感を得て、「ちょっと待ったー!! 若い恋人たちよ、二人とも優勝でいいよもう!!」という判定を受けて終わると。以上が、第1作のあらすじです。ね? めっちゃラノベでしょ?
 もう、いろいろ突っ込みどころ満載なのだが、実際のところ、この物語は日本の『バトルロワイヤル』のパクリじゃね? という意見もあったようだが、あんなつまらん作品よりも、どちらかというとわたしの大好きなStephen Kingの、『The Long Walk』(邦題:死のロングウォーク)と、『Running Man』(邦題:バトルランナー)に近いと思う。


 この二つを足して2で割ると、『HUNGER GAMES』になると思う。そもそも、『バトルロワイヤル』こそこの2作を日本流に換骨奪胎したものだしね。このStephenKingの作品2つは超面白いのでスーパーおすすめです。『バトルランナー』は、Schwarzenegger主演の超B級面白映画があるので、あっちを見てもいいけれど、まあ、小説の方が面白いかな。映画も最高です。原作小説とはだいぶ話が違いますが。
 
 で。『HUNGER GAMES』の第2作は、翌年の話。スノー大統領は、前年の戦いの最中に、カットニスがなにかと反抗的で、国家に対してけしからん人間だと思っていると。というのも、カットニスの戦いぶりが、これまでの出場者たちが無慈悲に殺し合う姿勢だったのと違って、なんで私たちにこんな無意味な戦いをやらせるのよ、喜んでいるのはキャピトルだけ、スノー大統領だけでしょ! こんな殺し合い、したくないわ!的なアピールがあって、各地区の労働者たちも、そうだそうだと反キャピトル的気運が高まってきていると。そういう中で、じゃ、今年のハンガーゲームは第75回記念大会なので、これまでの優勝者を集めたチャンピオン・カーニバルにしよう、ということになる(えーと、ツッコミ禁止です)。というわけで、せっかく前年生き残ったカットニスがまた召集されると。で、今回は過去の優勝者ばっかりなので、癖のある連中ぞろいで、しかも強い奴らばかりだと。カットニスも、ペータと一芝居打ったけれど、わたし、ペータが好きなのかしら、いや、そんなことないわ、だってわたしにはゲイルという頼りになるイケメン幼馴染がいるもの、とまた微妙な三角関係に陥っており、ペータはペータで、カットニス大好きなので、僕はカットニスを守る、命に代えても、みたいな決意で第75回ハンガーゲームに挑むわけです。結局、最終的には、歴代優勝者たちも実は前年のカットニスの戦いぶりに感化された連中がいて、ゲーム中に反逆すると。で、最後はゲームフィールド大爆発で、カットニスは半死半生のまま反乱組織に救出され、ペータは生死不明で闘技場に消えた……というところまでが第2作。しつこいけど、やっぱりラノベ展開ですわな。
 続く第3作では、カットニスが目を覚ますところから始まる。彼女を救ったのは、かつて反乱を起こしてキャピトルに廃墟とされて生存者はいないとされていた、幻の第13地区の連中だったことが判明すると。で、カットニスは反乱の象徴としてアイドル的に祭り上げられ、本格的な対キャピトル反乱戦争に巻き込まれていくと。で、ピータはピータで生きていて、逆にキャピトル側に洗脳(?)されていて、反乱はやめるんだ!というキャピタルサイドのプロパガンダに利用されてしまう。映画版では、ピータをキャピトルから救出して、二人が再会するところで第3作目は終了。そして先週公開された完結編で、いよいよ最終戦闘が始まる、という物語の流れである。なお、原作小説版は一気に最後まで書かれていて3部作になっている。

 とまあ、こんなお話なので、相当微妙というか、えーーーっ!? というツッコミを入れたくなって仕方ないところではあるが、映画は結構面白い。なにしろ、小説ではピンとこなかったゲームフィールドの状況とか、周りの様子が映像で明確に示されるのでわかりやすい。その映像もきちんと金がかかっていて、日本映画のようなチャチさはなく、それなりに見ごたえがある。そして、やっぱり俳優陣の熱演が、やっぱり小説よりも共感を生みやすいと思う。特に、わたしは最初からJennifer Rawrenceが大好きなので、応援せざるを得ない。貧しく厳しい環境で生きてきた割には、やけに発育が良くむっちりしているのは、まあご愛敬ということで許していただきたい。大人陣も、非常に良いと思う。特に、カットニスと同じ第12地区出身で、数年前のハンガーゲームを勝利したヘイミッチというキャラクターが、ずっとカットニスのサポートというか家庭教師的な世話役で出てくるのだが、この役を演じたWoody Harrelsonが非常に良い。ヘイミッチは、小説では飲んだくれのダメな奴イメージが強いが、映画版では、もちろん飲んだくれではあるけれど、かなりカットニスの強い味方として頼りになる(いや、そりゃ言いすぎかな……)し、いつも悪役や危ない野郎の役が多いWoody Harrelsonにしては、(態度はアレだけど実は)とてもいい奴なのが新鮮。また、スノー大統領を演じるDonald Sutherlandも、御年80歳、相変わらず怪しく渋い演技を見せてくれているし、第3・4作目に出てくる反乱組織の長・コイン首相を演じるJurianne Mooreも、何か裏のありそうな首相を貫禄たっぷりに演じている。なお、去年亡くなったPhilip Seymour Hoffmanはこの作品が遺作となったのかな、彼の演じるキャラが最終的に微妙にあいまいなのは、最後のシーンが撮れなかったからかもしれないね。

 というわけで、結論。
 『HUNGER GAMES:MOCKINGJAY part2』 は、少なくとも小説よりは全然面白いです。シリーズを見てきた方はもちろん必見だし、Jennifer Lawrenceちゃんを応援したい人は是非、劇場へGO!! 以前書いた通り、Jennifer Lawrenceはキメキメばばっちりメイクよりも、すっぴんに近い素顔の方が魅力的だと思います。

↓ まあ一応……。

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